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特表2022-545687ポジオチニブとVEGFR2阻害剤との組み合わせおよびその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-28
(54)【発明の名称】ポジオチニブとVEGFR2阻害剤との組み合わせおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/517 20060101AFI20221021BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221021BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20221021BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221021BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221021BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
A61K31/517
A61P35/00
A61P35/04
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K39/395 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512365
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 US2020047489
(87)【国際公開番号】W WO2021041246
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】62/891,021
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.SPAN
(71)【出願人】
【識別番号】506311677
【氏名又は名称】スペクトラム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】レディー,グル
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC412
4C084ZC751
4C084ZC752
4C085AA14
4C085CC23
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC46
4C086GA07
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
ポジオチニブまたはその薬学的に許容される塩とVEGFR2阻害剤とを含む薬物の組み合わせ、ならびにそれを必要とする対象におけるがんを処置するために上記組み合わせを使用する方法。本薬物の組み合わせは、1つ以上のEGFRまたはHER2変異を有するがんの処置において相乗効果を実証する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における新生物を処置するための薬物の組み合わせであって、
ポジオチニブまたはその薬学的に許容される塩と、
血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)阻害剤と
を含む、薬物の組み合わせ。
【請求項2】
VEGFR2阻害剤がラムシルマブである、請求項1に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項3】
ポジオチニブが、一塩酸塩の形態である、請求項1に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項4】
対象における新生物を処置するためのキットであって、
ポジオチニブまたはその薬学的に許容される塩と、
血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)阻害剤と
を含む、キット。
【請求項5】
VEGFR2阻害剤がラムシルマブである、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
薬物情報および使用説明書をさらに含む、請求項4に記載のキット。
【請求項7】
対象における新生物を処置するための方法であって、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬物の組み合わせを前記対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項8】
前記新生物が、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、結腸がん、膵がん、前立腺がん、骨髄腫、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、および転移性細胞癌からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記薬物の組み合わせにおけるVEGFR2阻害剤が、ラムシルマブである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記対象が、エクソン18、エクソン19、エクソン20、またはエクソン21で変異を発現する、請求項7に記載の方法
【請求項11】
前記対象が1つ以上のHER2エクソン20変異を有すると決定するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記対象が、A775insV G776C、A775insYVMA、G776C V777insC、G776del insVV、G776del insVC、P780insGSP、Y772dupYVMA、V773M、G776delinsLC、V777L、V777insCG、G778dupGSP、P780insGSP、L786Vからなる群から選択される1つ以上のFGFRエクソン20変異を有すると決定するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記対象が、A763insFQEA、A767insASV、S768dupSVD、V769insASV、D770insSVD、D770insNPG、H773insNPH、N771del insGY、N771del insFH、N771dupNPH、A767insTLA、S768I、V769L、V769insGSV、D770del insGY、D770insG、D770insY H773Y、N771insHH、P772insDNP、H773insAH、H773insH、V774insHV、S784F、R776C、V774M、V769M、G796D、S784F、C775Y、S811F、T790M、V774A、D770Aからなる群から選択される1つ以上のFGFRエクソン20変異を有すると決定するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記対象が、アミノ酸832~883の間に1~18ヌクレオチドの点変異、挿入、および欠失からなる群から選択される1つ以上のHER2エクソン21変異を有すると決定するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記対象が、V842、R868、およびL869からなる群から選択される1つ以上の残基で1つ以上のHER2エクソン21変異を有すると決定するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記新生物が、非小細胞肺癌である、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記新生物が、転移性がんである、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記がんが、化学療法もしくは放射線療法に対し不応性であるか、化学療法に耐性があるか、または再発している、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記対象が、以前に前記新生物に対する1、2、3またはそれ以上の選択療法を受けたことがある、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
前記対象が、以前にEGFRチロシンキナーゼ阻害剤での処置を受けたことがない、請求項7に記載の方法。
【請求項21】
前記対象が、以前にEGFRチロシンキナーゼ阻害剤での処置を受けたことがある、請求項7に記載の方法。
【請求項22】
前記薬物の組み合わせの投与および/または用量が、前記対象におけるCNS転移を処置または予防するために制御されている、請求項7に記載の方法。
【請求項23】
がんを有すると診断されている対象におけるCNS転移を処置または予防する方法であって、請求項1~3のいずれか1項に記載の薬物の組み合わせを前記対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項24】
前記がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記対象が、CNS転移を有すると決定されている、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記対象が、CNS転移を有さないと決定されている、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記対象が、以前に新生物に対する1、2、3またはそれ以上の選択療法を受けたことがある、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記対象が、以前にEGFRチロシンキナーゼ阻害剤での処置を受けたことがない、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において、ポジオチニブまたはその薬学的に許容される塩と、VEGFR阻害剤とを含む薬物の組み合わせ、ならびにそれを必要とする対象におけるがんを処置するために上記組み合わせを使用する方法が、開示される。
【背景技術】
【0002】
近年、EGFR標的療法における耐性の発現により、使用される薬物の応答期間が減少することが報告されている。ゲフィチニブまたはエルロチニブで処置したEGFR活性化変異を有する非小細胞肺癌(NSCLC)患者は、約8~16カ月の処置後に薬物に耐性となり、患者の約60%は、EGFR T790M変異により耐性となることが観察されたことが報告されている(Helena A. Yu et al., Clin. Cancer Res. 19(8), 2240, 2013)。さらに、抗体薬のトラスツズマブで処置したHER2陽性転移性乳がん患者の症例では、患者の66%~88%が、様々な機構によりdenovoの耐性または獲得耐性を呈することが知られている(Alice Chung et al., Clin. Breast Cancer乳がん 13(4), 223, 2013)。これに関して、EGFRを標的とする治療剤の開発は、EGFRを標的とする治療剤がHER2の過剰発現または変異を有する固形がんの処置に関して多くの効果を有するという事実にも関わらず、一次耐性および二次耐性の生成によりその有効性を長期間維持することができないため、限定的である。よって、歯科および医学的な適用のための改善された代替物質が、火急に必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本特許文書は、腫瘍がその大きさを増大させるかまたは転移性状態に達するリスクを下げるかまたはこれを防止し、これによりがんの進行または発達を止める目的を提供するための方法を提供する。
【0004】
本特許文書の一態様は、対象における新生物を処置するための薬物の組み合わせを提供する。この組み合わせは、ポジオチニブまたはその薬学的に許容される塩と、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤とを含む。一部の実施形態では、阻害剤は、VEGFR2阻害剤である。一部の実施形態では、VEGFR2阻害剤は、ラムシルマブである。
【0005】
本特許文書の一態様は、対象における新生物を処置するためのキットを提供する。本キットは、ポジオチニブまたはその薬学的に許容される塩と、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)阻害剤とを含む。一部の実施形態では、VEGFR2阻害剤は、ラムシルマブである。また本キットは、薬物情報および使用説明書を含み得る。
【0006】
本文書の別の態様は、対象における新生物を処置する方法であって、本明細書中記載の薬物の組み合わせを、それを必要とする対象へ投与するステップを含む、方法を提供する。
【0007】
一部の実施形態では、新生物は、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、結腸がん、膵がん、前立腺がん、骨髄腫、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、および転移性細胞癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、薬物の組み合わせ中のVEGFR2阻害剤は、ラムシルマブである。
【0008】
一部の実施形態では、対象は、エクソン18、エクソン19、エクソン20、またはエクソン21で変異を発現する。一部の実施形態では、本方法は、対象が1つ以上のHER2エクソン20変異を有すると決定するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象が、A775insV G776C、A775insYVMA、G776C V777insC、G776del insVV、G776del insVC、P780insGSP、Y772dupYVMA、V773M、G776delinsLC、V777L、V777insCG、G778dupGSP、P780insGSP、L786Vからなる群から選択される1つ以上のEGFRエクソン20変異を有すると決定するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象がA763insFQEA、A767insASV、S768dupSVD、V769insASV、D770insSVD、D770insNPG、H773insNPH、N771del insGY、N771del insFH、N771dupNPH、A767insTLA、S768I、V769L、V769insGSV、D770del insGY、D770insG、D770insY H773Y、N771insHH、P772insDNP、H773insAH、H773insH、V774insHV、S784F、R776C、V774M、V769M、G796D、S784F、C775Y、S811F、T790M、V774A、およびD770Aからなる群から選択される1つ以上のEGFRエクソン20変異を有すると決定するステップを含む。
【0009】
一部の実施形態では、本方法は、対象がアミノ酸832~883の間に1~18ヌクレオチドの点変異、挿入、および欠失からなる群から選択される1つ以上のHER2エクソン21変異を有すると決定するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象がV842、R868、およびL869からなる群から選択される1つ以上の残基で1つ以上のHER2エクソン21変異を有すると決定するステップを含む。
【0010】
一部の実施形態では、新生物は、非小細胞肺癌である。一部の実施形態では、新生物は、転移性がんである。一部の実施形態では、がんは、化学療法もしくは放射線療法に対し難治性であるか、化学療法に耐性があるか、または再発している。
【0011】
一部の実施形態では、対象は、以前に、新生物に関する1、2、3、またはそれ以上の治療法を受けたことがある。一部の実施形態では、対象は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による処置を以前に受けたことがない。一部の実施形態では、対象は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による以前の処置を受けたことがある。一部の実施形態では、薬物の組み合わせの投与および/または投薬量は、対象におけるCNS転移を処置または防止するために制御されている。
【0012】
本特許文書の別の態様は、がんを有すると診断されている対象におけるCNS転移を処置または防止する方法であって、本明細書中記載の薬物の組み合わせを前記対象に投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である。一部の実施形態では、対象は、CNSの転移を有すると決定されている。一部の実施形態では、対象は、CNSの転移を有さないと決定されている。一部の実施形態では、対象は、以前に、新生物に関する1、2、3、またはそれ以上の治療法を受けたことがある。一部の実施形態では、対象は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による処置を以前に受けたことがない。
【0013】
詳細な説明
本特許文書は、HER1、HER2、もしくはHER4、またはHER1、HER2、もしくはHER4の変異体の過剰発現または増幅に関連するがんを処置するための薬物の組み合わせおよび上記組み合わせを使用する方法を開示する。本発明の組み合わせの治療上有効量の投与は、上記組み合わせが、個別の成分の治療上有効量の個別の投与と比較した場合に、以下の改善された特性:i)最も活性な単一の作用物質よりも高い抗がん作用;ii)相乗的または著しく相乗的な抗がん活性、iii)低減された副作用プロファイルを有し増強された抗がん活性を提供する投与プロトコル、iv)毒性効果プロファイルの低減、v)治療ウインドウの増大、vi)1つ以上の成分のバイオアベイラビリティの増大、またはvii)個別の成分と比較したアポトーシスの増大のうちの1つ以上を提供する点で、個別の成分と比較して有利である。
【0014】
以下の本文は、薬物の組み合わせまたはがんを処置するために上記組み合わせを使用する方法の具体的な実施形態を言及または例証し得るが、本組み合わせまたは本方法の範囲は、このような特定の言及または例に限定されないと意図される。実務的および経済的な検討の観点から、当業者は、例えば薬物の組み合わせの個別の成分の量および上記組み合わせ(comination)を投与する具体的な間隔に様々な修正を行うことができる。
【0015】
本明細書中使用される場合、冠詞「a」および「an」は、他の意味が記載されない限り、「1つ以上」または「少なくとも1つ」を表す。すなわち、不定冠詞「a」または「an」による一実施形態のいずれかの要素または成分に対する言及は、1超の要素または成分が存在する可能性を排除するものではない。
【0016】
本明細書中使用される場合、用語「約」は、全般的に、表記の数の±10%を表す。たとえば、「約10%」は、9%~11%の範囲を示し得、「約20」は、18~22を意味し得る。四捨五入などの「約」の他の意味が文脈から明らかとなり得て、よって、たとえば「約1」はまた、0.5~1.4を意味し得る。本明細書中使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙した項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。「~のうちの少なくとも1つ」などの表現が要素の列挙の前にある場合、要素の列挙全体を修飾し、リストの個別の要素を修飾しない。投与プロトコルに言及する場合、用語「日」、「1日あたり」などは、真夜中に開始し、翌日の真夜中に終了する1カレンダー日内の時間を表す。
【0017】
用語「~を処置する(treating)」または「処置(treatment)」およびそれらの派生語は、本明細書中使用される場合、治療上の療法を意味する。特定の病態に言及する場合、処置するとは、(1)病態の生物学的症状の1つ以上の状態を改善もしくは防止すること、(2)(a)病態をもたらすかもしくは病態の原因である生物学的カスケードの1つ以上のポイントもしくは(b)病態の生物学的症状の1つ以上を妨害すること、(3)病態もしくはその処置に関連する症状、作用、または副作用のうちの1つ以上を軽減すること、または(4)病態もしくは病態の生物学的症状の1つ以上の進行を遅延することを意味する。これにより、予防的療法もまた企図される。当業者は、「防止」が絶対的な文言ではないことを理解している。医学では、「防止」は、病態もしくはその生物学的症状の可能性もしくは重症度を実質的に減少させるため、または当該病態もしくはその生物学的症状の発症を遅らせるための薬物の予防的投与を指すと理解されている。予防的療法は、たとえば、対象ががんを発症するリスクが高いと考えられる場合、たとえば対象ががんの強い家族歴を有する場合または対象が発がん物質に曝露された場合に、適切である。
【0018】
本明細書中使用される場合、用語「有効量」は、たとえば研究者または臨床医により求められる、組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬物または医薬品のその量を意味する。さらに、用語「治療上有効量」は、そのような量を投与されていない対応する対象と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の改善された処置、治癒、防止、もしくは改善、または疾患もしくは障害の進行速度の減少をもたらすいずれかの量を意味する。またこの用語は、その範囲内に、正常な生理機能を高めるために有効な量も含む。具体的な用量は、規定の手法を使用して当業者により容易に決定され得る。
【0019】
用語「組み合わせ(combination)」は、本明細書中使用される場合、構成要素の薬物の治療上有効量の同時投与またはいずれかの方法の別々の連続投与を必要とする、2つ以上の薬物の成分を含むことを意味する。好ましくは、投与が同時ではない場合、構成要素の薬物は、互いに近い時間に投与される。適切には、両方の薬物は、互いに約24、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、約2、または約1時間以内に投与される。本明細書中使用される場合、たとえば、ポジオチニブおよびラムシルマブの投与が約45分未満離れている場合、これは、同時投与とみなされる。
【0020】
本明細書中使用される場合、用語「薬学的に許容される担体および/または賦形剤」は、対象および活性成分に対し薬理学的かつ/または生理学的に適合可能な担体および/または賦形剤を表す。薬学的に許容される担体として、限定するものではないが、pH調節剤、界面活性剤、アジュバント、およびイオン強度亢進剤が挙げられる。たとえば、pH調節剤として、限定するものではないが、リン酸塩緩衝溶液が挙げられ;界面活性剤として、限定するものではないが、陽イオン性、陰イオン性、または非イオン性の界面活性剤、たとえばTween-80が挙げられ;イオン強度亢進剤として、限定するものではないが、塩化ナトリウムが挙げられる。
【0021】
本明細書中使用される場合、「それを必要とする対象」は、HER1、HER2、またはHER4、またはそれらの変異体の過剰発現に関連している病態または疾患を罹患しており、ポジオチニブおよびVEGFR2阻害剤(血管内皮増殖因子受容体2阻害剤)、たとえばラムシルマブを含む医薬組成物の投与から利益を受ける対象または患者を表す。
【0022】
用語「野生型」は、本明細書中使用される場合、当該分野で理解されており、遺伝子修飾を伴わず天然の集団で存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチドを表す。また、当該分野で理解されるように、「変異体」は、野生型のポリペプチドまたはポリヌクレオチドのそれぞれで見出される対応するアミノ酸または核酸と比較して、アミノ酸または核酸に対し少なくとも1つの修飾を有するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列を含む。用語変異体には、最も広く見出される(野生型)核酸鎖と比較して単一の塩基対の差異が核酸鎖の配列に存在する一塩基多型(SNP)が含まれる。HER1、HER2、またはHER4に関して野生型もしくは変異体であるか、またはHER1、HER2、もしくはHER4遺伝子の増幅を有するか、またはHER1、HER2、もしくはHER4タンパク質の過剰発現を有するがんは、公知の方法により同定される。
【0023】
本明細書中使用される場合、用語「抗体」は、通常2対のポリペプチド鎖(各対は、軽(L)鎖および重(H)鎖)を有する)からなる免疫グロブリンを表す。抗体の軽鎖は、κ軽鎖またはλ軽鎖と分類され得る。重鎖は、μ、δ、γ、α、またはεとして分類することができ、抗体のアイソタイプは、別々に、IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEと定義される。軽鎖および重鎖において、可変領域および定常領域は、約12以上のアミノ酸を有する「J」領域を介して連結され、重鎖は、約3以上のアミノ酸を有する「D」領域をさらに含む。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域(CH)からなる。重鎖は、3つのドメイン(CH1、CH2、およびCH3)からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域(CL)からなる。抗体の定常領域は、免疫ブログリンが、宿主組織または免疫系の様々な細胞(たとえばエフェクター細胞)および古典的補体経路(classical complement system)の第1成分を含む要因に結合するのを媒介し得る。
【0024】
本明細書中使用される場合、抗体の「抗原結合フラグメント」との用語は、フラグメントが、完全長の抗体が結合する抗原と同じ抗原に特異的に結合する能力を保持しており、および/または抗原に特異的に結合するために完全長抗体と競合する、完全長の抗体のフラグメントを含むポリペプチドを表す。
【0025】
本明細書中使用される場合、用語「対象」は、ヒトまたは動物を表す。
【0026】
本開示の一態様は、ポジオチニブまたはその薬学的に許容される塩、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤、および1つ以上の薬学的に許容される担体を含む薬物の組み合わせを提供する。ポジオチニブ、すなわち1-[4-[4-(3,4-ジクロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン-6-イル]オキシピペリジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オンは、式1により表される構造を有する。
【化1】
【0027】
ポジオチニブの薬学的に許容される塩の形態は、限定するものではないが、無機酸または有機酸の酸付加塩を含み得る。無機酸付加塩の例は、限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、二硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、または臭素酸から形成されるポジオチニブの塩を含み得;有機酸付加塩の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、グリコール酸、ピルビン酸、グルタル酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エタンジスルホン酸、ゲンチジン酸(gestisic acid)、フマル酸、ラクトビオン酸、サリチル酸、フタル酸、エンボン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、カムシル酸(camsylic acid)、ベシル酸、またはアセチルサリチル酸(aspirin)の塩を含み得る。一部の実施形態では、ポジオチニブは、塩酸塩の形態である。
【0028】
血管内皮増殖因子受容体阻害剤または「VEGFR阻害剤」は、VEGF特異的チロシンキナーゼ受容体のVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3、またはそれらのいずれかの組み合わせの活性を阻害するいずれかの作用物質を指す。VEGFR阻害剤の非限定的な例として、アキシチニブ、スニチニブ、バタラニブ、ソラフェニブ、GW-786034、CP-547632、AG-013736、レンバチニブ、モテサニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、ラムシルマブ、CDP-791、またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。さらなる実施形態では、MNK特異的阻害剤は、VEGFR阻害剤およびPD-1特異的抗体またはその結合フラグメントと組み合わせて使用される。さらなる実施形態では、MNK特異的阻害剤が、VEGFR阻害剤およびPD-L1特異的抗体またはその結合フラグメントと組み合わせて使用される。さらなる実施形態では、MNK特異的阻害剤は、VEGFR阻害剤およびCTLA4特異的抗体またはその結合フラグメント、または融合タンパク質と組み合わせて使用される。さらなる実施形態では、MNK特異的阻害剤は、VEGFR阻害剤およびLAG3特異的抗体またはその結合フラグメント、または融合タンパク質と組み合わせて使用される。
【0029】
一部の実施形態では、VEGFR阻害剤(たとえばソラフェニブ)は、VEGFR1阻害剤、VEGFR2阻害剤、および/またはVEGFR3阻害剤である。一部の実施形態では、VEGFR阻害剤は、VEGFR2阻害剤である。VEGFR2阻害剤は、VEGFR2に特異的に結合し、1つ以上のVEGFR2の生物機能を阻害または低減するいずれかのタンパク質または小分子であり得る。「特異的に結合する」とは、VEGFR2を認識しこれと相互作用するが、実質的に他の分子を認識せず相互作用しない分子を意味する。一部の実施形態では、VEGFR2阻害剤は、500、100、1.0、0.1、0.01、または0.001nM未満のKでVEGFR2と結合する。
【0030】
VEGFR2阻害剤の例として、抗体、たとえば重鎖抗体、軽鎖を天然に欠いた抗体、従来の4鎖抗体由来の単一ドメイン抗体、操作された抗体、抗体に由来するもの以外のシングルドメインスキャフォールドが挙げられる。VEGFR2阻害剤の非限定的な例として、CDP-791(UCB)、ラムシルマブ(IMC-1121b, ImClone Systems)、およびAVE-005(VEGF trap, Regeneron Pharmaceuticals)が挙げられる。VEGFR2阻害剤の他の例として、アフィボディ、アフィリン、アンチカリン、アビマー、DARPin、ミクロボディ、トランスボディなどの部分;またはリポカリン、アンキリン、テトラネクチン、C型レクチン、プロテインA、γ-クリスタリン、システインノット、およびトランスフェリンに由来する阻害剤が挙げられる。一部の実施形態では、VEGFR2阻害剤は、ラムシルマブである。
【0031】
本開示の別の態様は、本明細書中記載の薬物の組み合わせを投与することにより、対象における新生物を処置する方法を提供する。一部の実施形態では、ポジオチニブは、0.1mg~50mgの量で投与され得る。たとえば、塩酸塩形態のポジオチニブは、たとえば錠剤として経口投与され得る。ポジオチニブは、4~25mgの用量、たとえば5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24mgの用量で投与され得る。投与は、毎日、1日おき、3日ごと、または毎週であり得る。投与は、28日サイクルなどの連続的なスケジュールであり得る。
【0032】
一部の実施形態では、VEGFR2阻害剤は、患者の体重1kgあたり0.5~10mgの量で投与され得る。一部の実施形態では、VEGFR2阻害剤は、1.5~5.5mg/kg体重の量で投与される。一部の実施形態では、VEGFR2阻害剤はラムシルマブである。
【0033】
本明細書中記載の薬物の組み合わせは、構成要素の薬物-VEGFR2阻害剤(たとえばラムシルマブ)と組み合わせたポジオチニブ-またはそれらの薬学的に許容される塩または溶媒和物の治療上有効量を、同時にまたは別々の連続投与のいずれかの方法により、投与することができる。好ましくは、投与が同時ではない場合、本化合物は、互いに近い時間で投与される。さらに、構成要素の薬物が同じ投薬剤形で投与されるかどうかは問題ではなく、たとえば1つの化合物を局所投与してもよく、もう1つの化合物を経口投与してもよい。一部の実施形態では、両方の化合物が、経口投与される。
【0034】
一部の実施形態では、薬物の組み合わせは、「指定された期間」以内に投与される。用語「指定された期間」およびその派生語は、本明細書中使用される場合、本発明の組み合わせの構成要素の薬物のうちの1つの投与と別の構成要素の薬物の投与との間の時間の間隔を意味する。他の意味が定義されない限り、指定された期間は、同時投与を含み得る。2つの構成要素の薬物の組み合わせの一実施形態では、本発明の両化合物が1日に1回投与される場合、指定された期間は、1日の間で適切な順序でのポジオチニブおよび他の薬物の投与のタイミングを表す。1つまたは両方の構成要素の薬物が1日に1回超投与される場合、指定された期間は、特定の日での各化合物の最初の投与に基づき計算される。特定の日の間の最初の投与後の本発明の化合物の全ての投与は、指定された期間を計算する際に企図されない。
【0035】
一部の実施形態では、組み合わせの構成要素の薬物が、「指定された期間」内に投与され、同時に投与されない場合、これらは、互いに約24、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間以内に投与され-この場合、指定された期間は、約24、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間である。本明細書中使用される場合、2つの構成要素の薬物の組み合わせの一実施形態では、約45分未満離れたポジオチニブと他の構成要素の薬物の投与は、同時投与とみなされる。
【0036】
一部の実施形態では、組み合わせが「特定の期間」投与される場合、本化合物は、「持続期間(duration of time)」の間同時投与される。用語「持続期間」およびその派生語は、本明細書中使用される場合、両構成要素の薬物が、連続する表記の数の「指定された期間」内に投与され、任意選択でその後、構成要素の化合物のうちの1つのみが投与される、複数の連続する日数が続く。
【0037】
「指定された期間」の投与に関して、少なくとも1つの実施形態では、処置過程の間、両方の構成要素の薬物が、少なくとも1、2、3、5、7、14、または30日間の指定された期間内に投与され-この場合、指定された期間は、少なくとも1、2、3、5、7、14、または30日である。処置過程の間に、両方の構成要素の薬物が、30日を超える指定された期間内に投与される場合、処置は、長期間の処置とみなされ、処置を変更する事象、たとえば患者のがん状態の再評価または病態の変化によりプロトコルの修正が認められるまで、続行する。
【0038】
さらに、「指定された期間」の投与に関して、別の実施形態では、2つの構成要素の薬物の組み合わせによる処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、少なくとも1日の指定された期間内に投与され、その後少なくとも1、2、3、4、5、6、7日間、ポジオチニブ単独の投与を行い-この場合、持続期間は、少なくとも2、3、4、5、6、7、または8日間であり;適切には、処置過程の間、両化合物は、少なくとも連続して2日間の指定された期間内に投与され、その後、連続して少なくとも1日、2、3、4、5、6、または7日間、ポジオチニブ単独の投与を行い-この場合、持続期間は、少なくとも3、4、5、6、7、8、または9日間であり;適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、連続して少なくとも3日間の指定された期間内に投与され、その後、少なくとも連続して1日間、2、3、4、5、6、または7日間、ポジオチニブ単独の投与を行い-この場合、持続期間は、少なくとも4、5、6、7、8、9、または10日間であり;適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、連続して少なくとも4日間の指定された期間内に投与され、その後、連続して少なくとも1日間、2、3、4、または7日間、ポジオチニブ単独の投与を行い-この場合、持続期間は、少なくとも5、6、7、8、または11日間であり;適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、少なくとも連続して5日間の指定された期間内に投与され、その後、少なくとも連続して1日間、2、3、4、または5日間、ポジオチニブ単独の投与を行い-この場合、持続期間は、少なくとも6、7、8、9、または10日間である。別の実施形態では、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、連続して1~3日間の指定された期間内に投与され、その後連続して3~7日間、ポジオチニブ単独の投与を行う。
【0039】
一部の実施形態では、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、連続して3~6日間の指定された期間内に投与され、その後連続して1~4日間ポジオチニブ単独の投与を行う。一部の実施形態では、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、連続して2日間の指定された期間内に投与され、その後連続して3~7日間ポジオチニブ単独の投与を行う。一部の実施形態では、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、7日間のうちの1~3日間の指定された期間内に投与され、7日間のうちの他の期間の間、ポジオチニブを単独で投与する。さらなる別の実施形態では、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、7日間のうち2日間の指定された期間内に投与され、7日間のうちの他の期間の間、ポジオチニブを単独で投与する。
【0040】
さらに、「指定された期間」の投与に関して、処置過程の間、2つの構成要素の薬物の組み合わせの一実施形態では、両方が、少なくとも1日の指定された期間内に投与され、その後、他の構成要素の薬物単独の投与を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7日間行い-この場合、持続期間は、少なくとも2、3、4、5、6、7、または8日間であり;適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、少なくとも連続して2日間の指定された期間内に投与され、その後、他の構成要素の薬物単独の投与を、少なくとも連続して1日間、2、3、4、5、6、または7日間行い-この場合、持続期間は、少なくとも3、4、5、6、7、8、または9日間であり;適切には、処置期間の間、両方の構成要素の薬物は、少なくとも連続して3日間の指定された期間内に投与され、その後、他の構成要素の薬物単独の投与を、少なくとも1日間、2、3、4、5、6、または7日間行い-この場合、持続期間は、少なくとも4、5、6、7、8、9、または10日間であり;適切には、処置期間の間、両方の構成要素の薬物は、少なくとも連続して4日間の指定された期間内に投与され、その後、他の構成要素の薬物単独の投与を、少なくとも連続して1日間、2、3、4、または7日間行い-この場合、持続期間は、少なくとも5、6、7、8、または11日間であり;適切には、処置期間の間、両方の構成要素の薬物は、少なくとも連続して5日間の指定された期間内に投与され、その後、他の構成要素の薬物単独の投与を、少なくとも連続して1日間、2、3、4、または5日間行い-この場合、持続期間は、少なくとも6、7、8、9、または10日間である。適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、連続して1~3日間の指定された期間内に投与され、その後他の構成要素の薬物単独の投与を、連続して3~7日間行う。適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、連続して3~6日間の指定された期間内に投与され、その後、他の構成要素の薬物単独の投与を、連続して1~4日間行う。適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、連続して2日間の指定された期間内に投与され、その後、他の構成要素の薬物単独の投与を、連続して3~7日間行う。適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、7日間のうち1~3日間の指定された期間内に投与され、7日間のうちの他の日数の間、他の構成要素の薬物が単独で投与される。適切には、処置過程の間、両方の構成要素の薬物は、7日間のうち2日間の指定された期間内に投与され、7日間のうちの他の日数の間、他の構成要素の薬物を単独で投与する。
【0041】
さらに、「指定された期間」の投与に関しては、処置過程の間、2つの構成要素の薬物の組み合わせの一実施形態では、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物(たとえばラムシルマブ)は、7日間のうち1~3日間の指定された期間内に投与され、7日間のうちの他の日数の間、ポジオチニブが単独で投与される。適切には、この7日間のプロトコルは、2サイクルまたは14日間;適切には4サイクルまたは28日間;適切には連続投与の間、反復される
【0042】
一部の実施形態では、処置過程の間、2つの構成要素の薬物の組み合わせの一実施形態では、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物は、7日間のうちの1~3日間の指定された期間内に投与され、7日間のうちの他の日数の間、他の構成要素の薬物が単独で投与される。一部の実施形態では、この7日間のプロトコルは、2サイクルまたは14日間;適切には4サイクルまたは28日間;適切には連続投与の間、反復される。
【0043】
一部の実施形態では、処置過程の間、2つの構成要素の薬物の組み合わせの一実施形態では、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物は、14日間のうち1~5日間の指定された期間内に投与され、14日間のうちの他の日数の間、ポジオチニブが単独で投与される。一部の実施形態では、14日間のプロトコルは、2サイクルまたは28日間、適切には連続投与の間、反復される。
【0044】
一部の実施形態では、処置過程の間、2つの構成要素の薬物の組み合わせの一実施形態では、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物は、14日間のうち1~5日間の指定された期間内に投与され、14日間のうちの他の日数の間、他の構成要素の薬物が単独で投与される。一部の実施形態では、14日間のプロトコルは、2サイクルまたは28日間、適切には連続投与の間、反復される。
【0045】
一部の実施形態では、構成要素の薬物が「指定された期間」投与されない場合、これらは連続して投与される。用語「連続投与」は、本明細書中使用される場合、たとえば2つの構成要素の薬物の組み合わせの一実施形態では、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物のうちの1つが、連続して1日以上投与され、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物のうちのもう一方がその後連続して1日以上投与されることを意味する。他の意味が定義されない限り、「連続投与」は、2つの構成要素の薬物の組み合わせの場合、本明細書中記載される全ての投与プロトコルにおいて、処置の開始と共に開始する必要はなく、処置の終了時と共に終了する必要はなく、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物のうちの1つの投与の後に、もう一方の投与を行うか、または表記の投与プロトコルが処置過程の間のいくつかの点で起こることのみが必要とされている。また、本明細書において、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物のうちの1つの連続投与の後と、もう一方の投与の前との間に利用される休薬日(drug holiday)が企図されている。本明細書中使用される場合、休薬日は、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物のうちの1つの連続投与の後からもう一方の投与の前までの期間であり、この期間ではポジオチニブも他の構成要素の薬物も投与されない。適切には、休薬日は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、および14日間から選択される期間である。
【0046】
連続投与に関しては、2つの構成要素の薬物の組み合わせの一部の実施形態では、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物のうちの1つが、連続して1~30日間投与され、その後任意選択の休薬日があり、その後、もう一方の投与を、連続して1~30日間行う。
【0047】
2つの構成要素の薬物の組み合わせの一部の実施形態では、順を追って、他の構成要素の薬物が最初に投与され、その後任意選択の休薬日があり、その後、ポジオチニブの投与を行う。
【0048】
一部の実施形態では、順を追って、ポジオチニブが最初に投与され、その後任意選択の休薬日があり、その後他の構成要素の薬物の投与を行う。
【0049】
「指定された期間」の投与および「連続」投与の後に、1つ以上のサイクルの反復投与を行うことができ、または別の投与プロトコルを行うことができ、休薬日は、反復投与または別の投与プロトコルより先に起こり得ることを理解されたい。
【0050】
一部の実施形態では、本発明に係る組み合わせの一部として投与されるポジオチニブの量は、約0.1mg~約50mgから選択される量であり;適切には、この量は、約0.5mg~約50mgから選択され;適切には、この量は、約1mg~約50mgから選択され;適切には、この量は、約5mg~約50mgから選択され;適切には、この量は、約1mg~約30mgから選択され;適切には、この量は、約5mg~約20mgから選択され;適切には、この量は、約1mg~約10mgから選択され;適切には、この量は、約0.1mg~約5mgから選択され;適切には、この量は1mgであり、適切には、この量は5mgであり、適切には、この量は10mgであり、適切には、この量は20mgであり、適切には、この量は30mgであり、適切には、この量は50mgである。よって、本発明に係る組み合わせの一部として投与されるポジオチニブの量は、約0.1mg~約50mgから選択される量である。たとえば、本発明に係る組み合わせの一部として投与されるポジオチニブの量は、適切には、1mg、5mg、10mg、20mg、30mg、および50mgから選択される。一部の実施形態では、ポジオチニブの選択された量は、1日に1~4回、1つ以上の錠剤で投与される。一部の実施形態では、ポジオチニブの選択された量は、1日に2回、1つ以上の錠剤で投与される。一部の実施形態では、ポジオチニブの選択された量は、1日に1回、1つ以上の錠剤で投与される。一部の実施形態では、ポジオチニブの投与は、負荷用量として開始する。一部の実施形態では、負荷用量は、維持用量の2~100倍、適切には2~10倍;適切には2~5倍;適切には2倍;適切には3倍;適切には4倍;適切には5倍の量である。一部の実施形態では、負荷用量(loading does)は、1~7日間;適切には1~5日間;適切には1~3日間;適切には1日間;適切には2日間;適切には3日間、投与され、その後維持投与プロトコルを行う。
【0051】
一部の実施形態では、本発明に係る組み合わせの一部として投与されるポジオチニブではない第2の構成要素の薬物の量は、約0.1mg~約3,500mg/m、約0.5mg~約3,500mg/mから選択され;適切には、この量は、約1.0mg~約3,500mg/mから選択され;適切には、この量は、約10.0mg~約3,500mg/mから選択され;適切には、この量は、約50.0mg~約3,500mg/mから選択され;適切には、この量は、約100.0mg~約3,500mg/mから選択され;適切には、この量は、約100.0mg~約3,000mg/mから選択され;適切には、この量は、約0.1mg~約20mg/mから選択され;適切には、この量は、約0.5mg~約10mg/mから選択され;適切には、この量は、約0.5mg~約50mg/mから選択され;適切には、この量は、約50mg~約1,000mg/mから選択され;適切には、この量は、約100mg~約500mg/mから選択され;適切には、この量は、約100mg~約300mg/mから選択され;適切には、ポジオチニブではない第2の構成要素の薬物の選択された量は、1日に1~4回投与される。一部の実施形態では、第2の構成要素の薬物の選択された量は、1日に4回投与される。
【0052】
本明細書中使用される場合、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物に関して指定された全ての量は、投与あたりの、遊離化合物または塩ではない非溶媒和化合物の投与される量として記述されている。
【0053】
本明細書中記載の方法の組み合わせの構成要素の治療剤/薬物は、連続してまたは同時にそれを必要とする対象に投与され得る。構成要素または組み合わせは、非経口投与、経口投与、経鼻投与、直腸投与、局所投与、または口腔投与され得る。用語「非経口的な」は、本明細書中使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内(intrmuscular)、関節内、動脈内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内、または頭蓋内注射、ならびにいずれかの適切な注入技術を表す。
【0054】
本明細書中記載の構成要素または組み合わせの無菌性の注射可能な組成物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の溶液または懸濁剤であり得る。このような溶液として、限定するものではないが、1,3-ブタンジオール、マンニトール、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、従来より、固定油が、溶媒または懸濁媒体(たとえば合成のモノまたはジグリセリド)として使用される。脂肪酸、たとえば限定するものではないがオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、限定するものではないが、オリーブ油、またはヒマシ油、それらのポリオキシエチル化型などの天然の薬学的に許容される油と同様に、注射可能製剤の調製において有用である。これら油の溶液または懸濁剤もまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、たとえば限定するものではないが、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤を含み得る。他の一般に使用される界面活性剤、たとえば限定するものではないが、薬学的に許容される固体、液体、もしくは他の投与剤形の製造で一般に使用されるTweensまたはSpans、または他の同様の乳化剤またはバイオアベイラビリティ亢進剤もまた、製剤化の目的のために使用され得る。
【0055】
本明細書中開示されるいずれかの実施形態では、VEGFR2阻害剤は、ラムシルマブであり得る。
【0056】
本文書の別の態様は、対象におけるEGFR、HER1、HER2、もしくはHER4、またはEGFR、HER1、HER2、もしくはHER4の変異体の過剰発現または増幅に関連する新生物を処置するためのキットであって、ポジオチニブを含む第1のパートと、少なくともVEGFR2阻害剤(たとえばラムシルマブ)を含む第2のパートとを含む、キットに関する。また本キットは、対象におけるEGFR、HER1、HER2、もしくはHER4、またはそれらの変異体の過剰発現または増幅に関連する新生物を処置するための説明書を含む添付文書をさらに含み得る。
【0057】
本キットの構成要素の薬物は、連続投与、別々の投与、および/または同時投与に適した形態で提供され得る。また本キットは、用量および投与の説明書などの説明書と共に提供され得る。このような用量および投与の説明書は、たとえば薬物製品のラベルにより、医師に提供される種類のものであり得るか、またはこれらは、患者への説明書などの、医師が提供する種類のものであり得る。
【0058】
様々な組み合わせが使用され得る。たとえば、以下の例では、ポジオチニブまたはVEGFR2阻害剤(たとえばラムシルマブ)は、「A」であり、抗癌療法は、「B」である:
【0059】
患者への本実施形態のいずれかの化合物の投与または治療は、存在する場合は作用物質の毒性を考慮して、当該化合物の投与のための一般的なプロトコルに従う。よって、一部の実施形態では、併用療法に起因する毒性をモニタリングするステップが存在する。
【0060】
一部の実施形態では、投与レジメンは、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物のうちの1つおよびもう一方の薬物の連続投与の間に中断または休止期間を含む。本明細書中使用される場合、薬物の中断(休止期間)は、ポジオチニブおよび他の構成要素の薬物のうちの1つの連続投与の後で、もう一方の薬物の投与の前の期間であり、ここではポジオチニブも他の構成要素の薬物も投与されない。適切には、休薬期間は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、および14日間から選択される期間である。
【0061】
本明細書中開示される方法は、口腔がん、中咽頭がん、上咽頭がん、呼吸器がん、泌尿生殖器がん、消化器がん、中枢または末梢神経系組織がん、内分泌または神経内分泌がん、または造血系がん、神経膠腫、肉腫、癌腫、リンパ腫、メラノーマ、線維腫、髄膜腫、脳がん、中咽頭がん、上咽頭がん、腎がん、胆道がん、褐色細胞腫、膵島細胞がん、リ・フラウメニ腫瘍、甲状腺がん、上皮小体がん、下垂体腫瘍、副腎腫瘍、骨肉腫腫瘍、多発性神経内分泌I型およびII型腫瘍、乳がん、肺がん、頭頸部がん、前立腺がん、食道がん、気管がん、肝臓がん、膀胱がん、胃がん、膵がん、卵巣がん、子宮がん、子宮頸がん、精巣がん、結腸がん、直腸がん、または皮膚がんであるがんの処置に適用可能である。一部の実施形態では、がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)である。
【0062】
一部の実施形態では、本方法は、処置を必要とする対象をスクリーニングするステップと、野生型または変異型のEGFR、HER1、HER2、およびHER4腫瘍細胞を決定するステップとを含む。特定の変異は、DNA増幅およびシーケンシング技術、限定するものではないがそれぞれノーザンブロットおよびサザンブロットを含むDNAおよびRNAの検出技術、ならびに/または様々なバイオチップおよびアレイの技術、またはin-situハイブリダイゼーションにより同定され得る。野生型および変異型のポリペプチドは、限定するものではないが、ELISA、ウェスタンブロット、または免疫細胞化学などの免疫診断技術を含む様々な技術により検出され得る。
【0063】
分析されるサンプルは、対象における肺がん由来の核酸を含む任意の体組織または体液であり得る。特定の実施形態では、サンプルは、循環する腫瘍細胞または無細胞DNAを含む血液サンプルである。他の実施形態では、サンプルは、肺組織などの組織であり得る。肺組織は、腫瘍組織由来であり得、新鮮な状態で凍結されてもよく、またはホルマリン固定パラフィン包埋(formalin-fixed, paraffin-embedded;FFPE)であり得る。特定の実施形態では、肺腫瘍FFPEサンプルが得られる。
【0064】
本明細書中記載の方法での使用に適したサンプルは、遺伝子物質、たとえばゲノムDNA(gDNA)を含む。ゲノムDNAは、通常、血液または口の内膜の粘膜擦過標本などの生物サンプルから抽出されるが、尿、腫瘍、または去痰剤(expectorant)を含む他の生物サンプルから抽出され得る。通常、サンプル自体は、有核細胞(たとえば血液もしくは口腔細胞)または正常組織もしくは腫瘍組織を含む対象から除去した組織を含む。サンプルを得る、処置する、および分析するための方法および試薬は、当該分野で公知である。一部の実施形態では、サンプルは、たとえば採血するために医療提供者の助力により得られる。一部の実施形態では、サンプルは、医療提供者の助力を伴わずに得られ、たとえば口腔内スワブもしくはブラシを使用して得られる口腔細胞を含むサンプル、またはマウスウォッシュサンプルは、非侵襲的に得られる。
【0065】
一部の場合では、生物サンプルは、DNA単離のために処理され得る。たとえば、細胞または組織サンプル中のDNAを、サンプルの他の構成要素から分離することができる。細胞は、当該分野で公知の標準的な技術を使用して生物サンプルから回収され得る。たとえば、細胞は、細胞サンプルを遠心分離し、ペレット状の細胞を再浮遊させることにより回収され得る。細胞は、リン酸緩衝食塩水(PBS)などのバッファー溶液に再浮遊させることができる。細胞浮遊物を遠心分離して細胞のペレットを得た後、細胞を溶解して、DNA、たとえばgDNAを抽出することができる。たとえば、Ausubel et al. (2003)を参照されたい。サンプルは、DNAを単離するために濃縮および/または精製され得る。いずれかの種のさらなる処理に供されるサンプルを含む、対象から得た全てのサンプルが、対象から得られたとみなされる。たとえば規定の方法を使用して、フェノール抽出を含む、生物サンプルからゲノムDNAを抽出することができる。あるいは、ゲノムDNAは、QIAamp(登録商標)Tissue Kit(Qiagen, Chatsworth, Calif.)およびthe Wizard(登録商標) Genomic DNA purification kit(Promega)などのキットによって抽出され得る。サンプルの供給源の非限定的な例として、尿、血液、および組織が挙げられる。
【0066】
本明細書中記載されるEGFR、HER1、HER2、またはHER4エクソン変異の存在または非存在は、当該分野で知られている方法を使用して決定され得る。たとえば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、分子ふるいクロマトグラフィー、シーケンシング、および/またはアレイを使用して、挿入変異の存在または非存在を検出することができる。望ましい場合、核酸の増幅は、当該分野で知られている方法、たとえばPCRを使用して達成され得る。一例では、サンプル(たとえばゲノムDNAを含むサンプル)は対象から得られる。次に、サンプル中のDNAを、本明細書中記載の挿入変異の同一性を決定するために試験する。挿入変異は、本明細書中記載のいずれかの方法により、たとえばシーケンシングによるか、または核酸プローブ、たとえば(cDNAおよびオリゴヌクレオチドプローブを含む)DNAプローブもしくはRNAプローブに対するゲノムDNA、RNA、もしくはcDNAの遺伝子のハイブリダイゼーションにより検出され得る。核酸プローブは、特定のバリアントと特異的または優先的にハイブリダイズするように設計することができる。
【0067】
通常、プローブのセットは、本開示の実施可能な処置の推奨で使用される標的の遺伝子バリエーション(たとえばEGFRまたはHER2エクソン20変異)を検出するために使用されるプライマーのセット、通常はプライマー対、および/または検出可能に標識されたプローブを表す。このプライマー対は、上述の遺伝子のそれぞれに関する標的の遺伝子バリエーションの領域に及ぶアンプリコンを定義するために増幅反応において使用される。アンプリコンのセットは、一致したプローブのセットにより検出される。例示的な実施形態では、本方法は、EGFRまたはHER2エクソン20変異などの標的の遺伝子バリエーションのセットを検出するために使用されるTaqMan(商標)(Roche Molecular Systems, Pleasanton, Calif.)アッセイを使用してもよい。一実施形態では、プローブのセットは、次世代シーケンシング反応などの核酸シーケンシング反応により検出されるアンプリコンを作製するために使用されるプライマーのセットである。これら実施形態では、たとえば、AmpliSEQ(商標)(Life Technologies/Ion Torrent, Carlsbad, Calif.)またはTruSEQ(商標)(Illumina, San Diego, Calif.)技術が使用され得る。
【0068】
核酸マーカーの分析は、限定するものではないが、配列分析および電気泳動による分析を含む当該分野で公知の技術を使用して行われ得る。配列分析の非限定的な例として、Maxam-Gilbertシーケンシング、サンガーシーケンシング、キャピラリーアレイDNAシーケンシング、サーマルサイクルシーケンシング(Sears et al., 1992)、固相シーケンシング(Zimmerman et al., 1992)、質量分析を伴うシーケンシング、たとえばマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF/MS;Fu et al., 1998)、およびハイブリダイゼーションによるシーケンシング(Chee et al., 1996; Drmanac et al., 1993; Drmanac et al., 1998)が挙げられる。電気泳動による分析の非限定的な例として、スラブゲル電気泳動、たとえばアガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動、キャピラリー電気営巣、および変性剤濃度勾配ゲル電気泳動が挙げられる。さらに、次世代シーケンシング法は、市販のキットおよび企業の説明書、たとえばLife Technologies/Ion Torrent PGMまたはProton、Illumina HiSEQまたはMiSEQ、およびRoche/454次世代シーケンシングシステムを使用して、行われ得る。
【0069】
核酸分析の他の方法は、直接的な手作業によるシーケンシング(Church and Gilbert, 1988; Sanger et al., 1977;米国特許第5,288,644号);自動蛍光シーケンシング;一本鎖高次構造多型アッセイ(SSCP)(Schafer et al., 1995);クランプ付加変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(CDGE);2次元ゲル電気泳動(2DGEまたはTDGE);立体配座感受性ゲル電気泳動((CSGE);変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)(Sheffield et al., 1989);変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC, Underhill et al., 1997);赤外レーザーマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(IR-MALDI)質量分析(国際特許公開公報第99/57318号);移動度シフト分析(Orita et al., 1989);制限酵素分析(Flavell et al., 1978; Geever et al., 1981);定量的リアルタイムPCR(Raca et al., 2004);ヘテロ二本鎖分析;ミスマッチ化学切断(CMC)(Cotton et al., 1985);RNase保護分析(Myers et al., 1985);ヌクレオチドのミスマッチを認識するポリペプチド、たとえばE.coli mutSタンパク質の使用;アレル特異的PCR、および当該方法の組み合わせを含み得る。たとえば、その全体が参照により本明細書中に組み込まれている米国特許公開公報第2004/0014095号を参照されたい。
【0070】
一例では、サンプル中のEGFR、HER1、HER2、またはHER4変異を同定する方法は、上記サンプル由来の核酸を、変異したHER2タンパク質または変異を組み込んだそのフラグメントをコードする核酸に対して特異的にハイブリダイズすることができる核酸プローブと接触するステップ、および前記ハイブリダイゼーションを検出するステップを含む。特定の実施形態では、上記プローブは、放射性同位体(H、32P、または33P)、蛍光剤(ローダミンもしくはフルオレセイン)、または発色剤などで検出可能に検出される。特定の実施形態では、プローブは、アンチセンスオリゴマー、たとえばPNA、モルフォリノ-ホスホロアミダート、LNA、または2’-アルコキシアルコキシである。プローブは、約8ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、または約10~約75、または約15~約50、または約20~約30であり得る。別の態様では、本開示のプローブは、サンプル中のEGFRまたはHER2の変異を同定するためにキットで提供され、ここで本キットは、EGFRまたはHER2遺伝子の変異の部位にまたはその近くに対して特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む。本キットは、本キットを使用したハイブリダイゼーションの試験の結果に基づきポジオチニブまたはアファチニブによって、EGFRまたはHER2の挿入変異を含む腫瘍を有する患者を処置するための説明書をさらに含み得る。
【0071】
一部の実施形態では、本方法は、対象における新生物を、EGFR、HER1、HER2、およびHER4またはそれらの変異体のうちの少なくとも1つの遺伝子の過剰発現または増幅に関連すると決定するステップを含み、それが塊を形成する場合、EGFR、HER1、HER2、HER4、およびそれらの変異体のうちの少なくとも1つの過剰発現またはEGFR、HER1、HER2、HER4、およびそれらの変異体をコードする少なくとも1つの遺伝子の増幅を有する腫瘍であると一般的に呼ばれる組織の異常な増殖であり得る。一部の実施形態では、本明細書中開示される方法によって処置される新生物は、エクソン18、19、20、および21、またはそれらのいずれかの組み合わせのいずれかに存在し得る関連する変異体である。たとえば、変異体は、エクソン19の欠失、T790Mの置換、L828Rの置換、またはそれらの組み合わせを有するHER1であり得る。別の実施形態では、変異は、エクソン20の挿入変異などのHER2エクソン20であり得る。別の実施形態では、エクソン19または20またはその両方に1つ以上の変異が存在し得る。たとえば、1つ以上のEGFRエクソン20変異は、アミノ酸763~778の間に3~18ヌクレオチドの1つ以上の点変異、挿入、および/または欠失を含む。
【0072】
一部の実施形態では、本方法は、対象における新生物を、エクソン18、エクソン19、エクソン20、およびエクソン21のうちの1つ以上の中のEGFRまたはHER2変異に関連すると決定するステップを含む。一部の実施形態では、がんは、エクソン20変異で起こるEGFRまたはHER2変異に関連する。EGFRまたはHER2エクソン20変異は、適切には、EGFRまたはHER2のインフレームエクソン20挿入変異、EGFRまたはHER2エクソン20点変異、またはそれらのいずれかの組み合わせを含み得る。HER2のインフレームエクソン20挿入変異は、A775_G776insYVMA、G776_V777insVC、P780_Y781insGSP、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。HER2エクソン20点変異は、L775S、G776V、V777L、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一部の実施形態では、HER2エクソン20変異は、T790M点変異ではない。
【0073】
一部の実施形態では、本方法は、対象における新生物を、A763、A767、S768、V769、D770、N771、P772、およびH773からなる群から選択される1つ以上の残基で2、3、または4つのEGFRエクソン20変異に関連すると決定するステップを含む。一部の実施形態では、対象は、残基C797でEGFR変異を有さないと決定され得る。一部の実施形態では、1つ以上のEGFR変異は、エクソン20のA763、A767、S768、V769、D770、N771、P772、およびH773に置換および/または欠失を含む。一部の実施形態では、1つ以上のエクソン20変異は、A763insFQEA、A767insASV、S768dupSVD、V769insASV、D770insSVD、D770insNPG、H773insNPH、N771del insGY、N771del insFH、およびN771dupNPHからなる群から選択される。
【0074】
一部の実施形態では、本方法は、対象における新生物を、エクソン21変異で起こるHER2変異に関連すると決定するステップを含む。HER2エクソン21変異は、アミノ酸832~883の間に1~18ヌクレオチドの1つ以上の点変異、挿入、および/または欠失を含み得る。一部の実施形態では、1つ以上のHER2エクソン21変異は、V842、R868、およびL869からなる群から選択される1つ以上の残基にある。一部の実施形態では、1つ以上のエクソン21変異は、V842I、R868W、およびL869Rからなる群から選択される。一部の実施形態では、1つ以上のHER2エクソン21変異は、V842およびR868からなる群から選択される1つ以上の残基にある。一部の実施形態では、1つ以上のエクソン21変異は、V842IおよびR868Wからなる群から選択される。
【0075】
一部の実施形態では、本方法は、対象における新生物を、1つ以上のHER2エクソン20変異に関連すると決定するステップを含む。一部の実施形態では、HER2エクソン20変異は、アミノ酸770~786の間に1~18、たとえば3~18ヌクレオチドの1つ以上の点変異、挿入、および/または欠失を含み得る。一部の実施形態では、1つ以上のHER2エクソン20変異は、残基Y772、V773、A775、G776、V777、G778、S779、および/またはP780にあり得る。一部の実施形態では、本方法は、対象を、A775insV G776C、A775insYVMA、G776C V777insC、G776del insVV、G776del insVC、P780insGSP、Y772dupYVMA、V773M、G776delinsLC、V777L、V777insCG、G778dupGSP、P780insGSP、L786V、G776delinsVC、およびG778insLPSからなる群から選択される1つ以上のHER2エクソン20変異に関連すると決定するステップを含む。
【0076】
一部の実施形態では、本方法は、対象における新生物を、A763insFQEA、A767insASV、S768dupSVD、V769insASV、D770insSVD、D770insNPG、H773insNPH、N771del insGY、N771del insFH、N771dupNPH、A767insTLA、S768I、V769L、V769insGSV、D770del insGY、D770insG、D770insY H773Y、N771insHH、P772insDNP、H773insAH、H773insH、V774insHV、S784F、R776C、V774M、V769M、G796D、S784F、C775Y、S811F、T790M、V774A、D770Aからなる群から選択される1つ以上のEGFRエクソン20変異に関連すると決定するステップを含む。
【0077】
一部の実施形態では、対象は、ポジオチニブなどの、TKIに対する耐性をもたらし得るEGFRの残基C797に変異を有し得るかまたは発生させ得る。よって、一部の実施形態では、本方法は、対象がC797Sおよび/またはT790MなどのEGFR C797および/またはT790での変異を有さないことを決定するステップを含む。
【0078】
本特許文書のさらなる態様は、HER2またはHER2の変異体の過剰発現または増幅に関連するがんの処置を受けている対象の有害事象プロファイルを改善するために、本明細書中記載の薬物の組み合わせを使用する方法であって、a)21日のサイクル±3日間において、i)単回用量のラムシルマブを投与するステップ、ii)ポジオチニブの1日用量を投与するステップと、b)任意選択でこのサイクルを反復するステップとを含み、有害作用が、心毒性、血液毒性、下痢、皮疹、粘膜炎、疲労、電解質異常、および肝毒性からなる群から選択される、方法を目的とする。一部の実施形態では、がんは、NSCLCである。
【0079】
本特許文書の別の態様は、EGFR、HER1、HER2、もしくはHER4、またはHER1、HER2、もしくはHER4の変異体の過剰発現または増幅に関連する対象におけるがんを処置するための、本明細書中記載の薬物の組み合わせを使用する方法を目的とする。一部の実施形態では、組み合わせは、ポジオチニブおよびラムシルマブの治療上有効量を含み、ここでポジオチニブは経口投与され、ラムシルマブはIV注入により投与される。一部の実施形態では、がんは、NSCLCである。
【0080】
本特許文書の別の態様は、がんを有すると診断されている対象におけるCNS転移を処置または予防する方法を目的とする。本方法は、本明細書中記載の薬物の組み合わせを投与するステップを含む。一部の実施形態では、CNS転移は、脳転移である。一部の実施形態では、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である。一部の実施形態では、対象は、CNS転移を有すると決定されている。一部の実施形態では、対象は、CNS転移を有さないと決定されている。一部の実施形態では、組み合わせは、ポジオチニブおよびラムシルマブの治療上有効量を含み、ここでポジオチニブは経口投与され、ラムシルマブはIV注入により投与される。一部の実施形態では、がんは、NSCLCである。
【0081】
本明細書中記載の方法のいずれかの一部の実施形態では、がんは、局所的に進行しているかまたは転移性であると決定されている。転移性と定義され得るがんの例として、限定するものではないが、非小細胞肺がん、乳がん、卵巣がん、結腸直腸がん、胆道がん、膀胱がん、グリオブラストーマおよび髄芽腫を含む脳がん、子宮頸がん、絨毛がん、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、血液腫瘍、多発性骨髄腫、白血病、上皮内新生物、肝臓がん、リンパ腫、神経芽細胞腫、口腔がん、膵がん、前立腺がん、肉腫、メラノーマを含む皮膚がん、基底細胞がん、扁平上皮がん、精巣がん、間質腫瘍、胚細胞性腫瘍、甲状腺がん、および腎がんが挙げられる。
【0082】
一部の実施形態では、対象は、たとえば化学療法、放射線療法、外科手術、および他の抗増殖剤または免疫療法を含む以前の処置を受けたことがある。一部の実施形態では、対象は、たとえば化学療法、放射線療法、手術、および他の抗増殖剤または免疫療法などの以前の処置を受けたことがない。
【0083】
一部の実施形態では、上述の方法のいずれかの一部の実施形態では、がんは、化学療法または放射線療法に対し不応性である。一部の実施形態では、がんは、化学療法に対し耐性がある。一部の実施形態では、がんは再発している。一部の実施形態では、がんは転移性である。
【0084】
本明細書中記載の方法のいずれかの一部の実施形態では、がんは、抗増殖剤に対し耐性がある。抗増殖剤の非限定的な例として、アルキル化剤、白金製剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、抗腫瘍性抗生剤、有糸分裂阻害剤、アロマターゼ阻害剤、チミジル酸シンターゼ阻害剤、dnaアンタゴニスト、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ポンプ阻害剤、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤、メタロプロテアーゼ阻害剤、リボヌクレオシドレダクターゼ阻害剤、tnfαアゴニスト/アンタゴニスト、エンドセリンa受容体アンタゴニスト、レチノイン酸受容体アゴニスト、免疫調節剤、ホルモン剤および抗ホルモン剤、光線力学的療法剤、ならびにキナーゼ阻害剤が挙げられる。
【0085】
上述の方法のいずれかの一部の実施形態では、たとえば化学療法、放射線療法、手術、および他の適切な免疫療法を含むさらなる処置が含まれ得る。他の抗増殖剤を、処置の治療効果を向上させるために本実施形態の特定の態様と組み合わせて使用してもよいことが企図されている。これらさらなる作用物質として、細胞表面受容体およびGAP接合部のアップレギュレーションに影響を及ぼす作用物質、細胞増殖抑制剤および分化剤、細胞接着の阻害剤、アポトーシス誘導剤に対する過剰増殖細胞の感受性を増大させる作用物質、または他の生物学的作用物質が挙げられる。GAP接合部の数を増やすことによる細胞間シグナリングの増大は、隣接する過剰増殖細胞集団に対する抗過剰増殖作用を増大させる。他の実施形態では、細胞増殖抑制剤または分化剤は、処置の抗過剰増殖の有効性を向上させるために本実施形態の特定の態様と組み合わせて使用され得る、細胞接着の阻害剤は、本実施形態の有効性を向上させることが企図されている。細胞接着阻害剤の例は、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤およびロバスタチンである。さらに、抗体c225などの、アポトーシスに対する過剰増殖細胞の感受性を増大させる他の作用物質が、処置の有効性を向上させるために本実施形態の特定の態様と組み合わせて使用され得ることが企図されている。
【0086】
上述の実施形態のいずれかにおける抗増殖剤の非限定的な例として、アルキル化剤:ブスルファン、ダカルバジン、イホスファミド、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、ダカルバジン、ロムスチン、クロラムブシル、プロカルバジン、アルトレタミン、エストラムスチンホスファート、メクロレタミン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、セムスチンシクロホスファミド;
白金製剤:スピロプラチン、テトラプラチン、オルマプラチン、イプロプラチン、ZD-0473(AnorMED)、オキサリプラチン カルボプラチン、ロバプラチン(Aeterna)、サトラプラチン(Johnson Matthey)、BBR-3464(Hoffmann-La Roche)、SM-11355(Sumitomo)、AP-5280(Access)、シスプラチン、arboplatin、シスプラチン、サトラプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、トリプラチン四硝酸塩、テモゾロミド、プロカルバジン;
代謝拮抗薬:アザシチジン、フロクスウリジン、2-クロロデオキシアデノシン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、2-フルオロデオキシシチジン、メトトレキサート、tomudex、フルダラビン、ラルチトレキセド、トリメトレキサート、デオキシコホルマイシン、ペントスタチン、ヒドロキシウレア、デシタビン(SuperGen)、クロファラビン(Bioenvision)、イロフルベン(MGI Pharma)、DMDC(Hoffmann-La Roche)、エチニルシチジン(Taiho)、ゲムシタビン、カペシタビン;
トポイソメラーゼ阻害剤:アムサクリン、エピルビシン、エトポシド、テニポシド、またはミトキサントロン、7-エチル-10-ヒドロキシ-カンプトテシン、デクスラゾキサン(dexrazoxanet)(TopoTarget)、ピクサントロン(Novuspharma)、レベッカマイシン類縁体(Exelixis)、BBR-3576(Novuspharma)、ルビテカン(SuperGen)、イリノテカン(CPT-11)、トポテカン;
抗腫瘍性抗生剤:バルルビシン、テラルビシン、イダルビシン、ルビダゾン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン ミトキサントロン(novantrone)、アモナフィド、アゾナフィド、アントラピラゾール、オキサントラゾール(oxantrazole)、ロソキサントロン、MEN-10755(Menarini)、GPX-100(Gem Pharmaceuticals)、エピルビシン、ミトキサントロン、ドキソルビシン;
有糸分裂阻害剤:コルヒチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ドラスタチン10(NCI)、リゾキシン(Fujisawa)、ミボブリン(Warner-Lambert)、セマドチン(BASF)、RPR 109881A(Aventis)、TXD 258(Aventis)、エポチロンB(Novartis)、T 900607(Tularik)、T 138067(Tularik)、クリプトフィシン52(Eli Lilly)、ビンフルニン(Fabre)、アウリスタチン PE(Teikoku Hormone)、BMS 247550(BMS)、BMS 184476(BMS)、BMS 188797(BMS)、:タキソプレキシン(Protarga)、SB 408075(GlaxoSmithKline)、ビノレルビン、トリコスタチンA、E7010(Abbott)、PG-TXL(Cell Therapeutics)、IDN 5109(Bayer)、A 105972(Abbott)、A 204197(Abbott)、LU 223651(BASF)、D 24851(ASTAMedica)、ER-86526(Eisai)、コンブレタスタチンA4(BMS)、イソホモハリコンドリン-B(PharmaMar)、ZD 6126(AstraZeneca)、AZ10992(Asahi)、IDN-5109(Indena)、AVLB(Prescient NeuroPharma)、アザエポチロンB(BMS)、BNP-7787(BioNumerik)、CA-4 プロドラッグ(OXiGENE)、ドラスタチン-10(NIH)、CA-4(OXiGENE)、ドセタキセル、ビンクリスチン、パクリタキセル;
アロマターゼ阻害剤:アミノグルテチミド、アタメスタン(BioMedicines)、レトロゾール、アナストラゾール、YM-511(Yamanouchi)、ホルメスタン、エキセメスタン;
チミジル酸シンターゼ阻害剤:ペメトレキセド(Eli Lilly)、ZD-9331(BTG)、ノラトレキセド(Eximias)、CoFactor(商標)(BioKeys);
dnaアンタゴニスト:トラベクテジン(PharmaMar);グルフォスファミド(Baxter International)、アルブミン+32P(Isotope Solutions)、チメクタシン(thymectacin)(NewBiotics)、エドトレオチド(Novartis)、マホスファミド(Baxter International)、アパジコン(Spectrum Pharmaceuticals)、O6ベンジルグアニン(Paligent);
ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤:アルグラビン(arglabin)(NuOncology Labs)、ロナファルニブ(Schering-Plough)、BAY-43-9006(Bayer)、ティピファニブ(Johnson & Johnson)、ペリリルアルコール(DOR BioPharma);
ポンプ阻害剤:CBT-1(CBA Pharma)、タリキダール(Xenova)、MS-209(Schering AG)、ゾスキダル三塩酸塩(Eli Lilly)、クエン酸ビリコダル(Vertex);
ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤:タセジナリン(tacedinaline)(Pfizer)、SAHA(Aton Pharma)、MS-275(Schering AG)、ピバロイルオキシメチルブチラート(Titan)、デプシペプチド(Fujisawa);
メタロプロテアーゼ阻害剤:Neovastat(Aeterna Laboratories)、マリマスタット(British Biotech)、CMT-3(CollaGenex)、BMS-275291(Celltech);
リボヌクレオシドレダクターゼ阻害剤:ガリウムマルトレート(gallium maltolate)(Titan)、triapine(Vion)、テザシタビン(tezacitabine)(Aventis)、didox(Molecules for Health);
tnfαアゴニスト/アンタゴニスト:virulizin(Lorus Therapeutics)、CDC-394(Celgene)、revimid(Celgene);
エンドセリンa受容体アンタゴニスト:アトラセンタン(Abbott)、ZD-4054(AstraZeneca)、YM-598(Yamanouchi);
レチノイン酸受容体アゴニスト:フェンレチニド(Johnson & Johnson)、LGD-1550(Ligand)、アリトレチノイン(Ligand);
免疫調節剤:ペムブロリズマブ(以前はランブロリズマブ、商品名Keytruda);インターフェロン、オンコファージ(Antigenics)、GMK(Progenics)、腺癌、ワクチン(Biomira)、CTP-37(AVI BioPharma)、IRX-2(Immuno-Rx)、PEP-005(Peplin Biotech)、synchrovaxワクチン(CTL Immuno)、メラノーマワクチン(CTL Immuno)、p21 RASワクチン(GemVax)、MAGE-A3(GSK)、ニボルマブ(BMS)、アバタセプト(BMS)、dexosome療法(Anosys)、pentrix(Australian Cancer Technology)、ISF-154(Tragen)、がんワクチン(Intercell)、norelin(Biostar)、BLP-25(Biomira)、MGV(Progenics)、β-アレチン(Dovetail)、CLL療法(Vasogen)、イピリムマブ(BMS)、CM-10(cCam Biotherapeutics)、MPDL3280A(Genentech);
ホルモン剤および抗ホルモン剤:エストロゲン、コンジュゲートされたエストロゲン、エチニルエストラジオール、クロルトリアニセン(chlortrianisen)、イデネストロール(idenestrol)、ヒドロキシプロゲステロンカプロアート、メドロキシプロゲステロン、テストステロン、テストステロンプロピオン酸エステル、フルオキシメステロン、メチルテストステロン、ジエチルスチルベストロール、メゲストロール、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、アミノグルテチミド、リュープロリド、オクトレオチド、ミトタン、P-04(Novogen)、2-メトキシエストラジオール(EntreMed)、アルゾキシフェン(Eli Lilly)、タモキシフェン、トレモフィン(toremofine)、ゴセレリン、リュープロレリン、ビカルタミド;
光線力学的療法剤:タラポルフィン(Light Sciences)、Theralux(Theratechnologies)、モテキサフィンガドリニウム(Pharmacyclics)、Pd-バクテリオフェオフォルビド(Yeda)、ルテチウムテキサフィリン(Pharmacyclics)、ヒペリシン;および
キナーゼ阻害剤:アファチニブ、オシメルチニブ、イマチニブ(Novartis)、レフルノミド(Sugen/Pharmacia)、ZD1839(AstraZeneca)、エルロチニブ(Oncogene Science)、カネルチニブ(Pfizer)、スクアラミン(Genaera)、SU5416(Pharmacia)、SU6668(Pharmacia)、ZD4190(AstraZeneca)、ZD6474(AstraZeneca)、バタラニブ(Novartis)、PKI166(Novartis)、GW2016(GlaxoSmithKline)、EKB-509(Wyeth)、トラスツズマブ(Genentech)、OSI-774(Tarceva(商標))、CI-1033(Pfizer)、SU11248(Pharmacia)、RH3(York Medical)、ゲニステイン、Radicinol、Met-MAb(Roche)、EKB-569(Wyeth)、kahalide F(PharmaMar)、CEP-701(Cephalon)、CEP-751(Cephalon)、MLN518(Millenium)、PKC412(Novartis)、Phenoxodiol(Novogen)、C225(ImClone)、rhu-Mab(Genentech)、MDX-H210(Medarex)、2C4(Genentech)、MDX-447(Medarex)、ABX-EGF(Abgenix)、IMC-1C11(ImClone)、Tyrphostins、ゲフィチニブ(Iressa)、PTK787(Novartis)、EMD 72000(Merck)、Emodin、Radicinol、Vemurafenib(B-Raf酵素阻害剤、Daiichi Sankyo)、SR-27897(CCK A阻害剤、Sanofi-Synthelabo)、トクラデシン(サイクリックAMPアゴニスト、Ribapharm)、alvocidib(CDK阻害剤、Aventis)、CV-247(COX-2阻害剤、Ivy Medical)、P54(COX-2阻害剤、Phytopharm)、CapCell(商標)(CYP450刺激剤、Bavarian Nordic)、GCS-100(gal3アンタゴニスト、GlycoGenesys)、G17DT免疫原(ガストリン阻害剤、Aphton)、エファプロキシラル(人工肺, Allos Therapeutics)、PI-88(ヘパラナーゼ阻害剤、Progen)、テスミフェン(tesmilifene)(ヒスタミンアンタゴニスト, YM BioSciences)、ヒスタミン(ヒスタミンH2受容体アゴニスト, Maxim)、チアゾフリン(IMPDH阻害剤, Ribapharm)、cilengitide(インテグリンアンタゴニスト, Merck KGaA)、SR-31747(IL-1アンタゴニストanofi-Synthelabo)、CCI-779(mTORキナーゼ阻害剤, Wyeth)、exisulind(PDEV阻害剤、Cell Pathways)、CP-461(PDE V阻害剤、Cell Pathways)、AG-2037(GART阻害剤, Pfizer)、WX-UK1(プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤, Wilex)、PBI-1402(PMN刺激剤, ProMetic LifeSciences)、ボルテゾミブ(プロテアソーム阻害剤, Millennium)、SRL-172(T細胞刺激剤, SR Pharma)、TLK-286(グルタチオンSトランスフェラーゼ阻害剤, Telik)、PT-100(増殖因子アゴニスト、Point Therapeutics)、ミドスタウリン(PKC阻害剤, Novartis)、ブリオスタチン-1(PKC刺激剤, GPC Biotech)、CDA-II(アポトーシス促進因子, Everlife)、SDX-101(アポトーシス促進因子, Salmedix)、リツキシマブ(CD20抗体, Genentech、カルムスチン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、アブシンチン、クリソファン酸、酸化セシウム、BRAF阻害剤、PDL1阻害剤、MEK阻害剤、ベバシズマブ、血管新生阻害剤、ダブラフェニブ、ceflatonin(アポトーシス促進因子、ChemGenex)
BCX-1777(PNP阻害剤, BioCryst)、ranpirnase(リボヌクレアーゼ刺激剤, Alfacell)、galarubicin(RNA合成阻害剤, Dong-A)、チラパザミン(還元剤, SRI International)、N,アセチルシステイン(還元剤, Zambon)、R-フルルビプロフェン(NF-kappaB 阻害剤, Encore)、3CPA(NF-kappaB阻害剤、Active Biotech)、セオカルシトール(ビタミンD受容体アゴニスト, Leo)、131-I-TM-601(DNAアンタゴニスト、TransMolecular)、エフロルニチン(ODC阻害剤、ILexoncology)、ミノドロン酸(破骨細胞阻害剤、Yamanouchi)、インジスラム(p53刺激剤, Eisai)、アプリジン(aplidine)(PPT阻害剤、PharmaMar)、ゲムツズマブ(CD33抗体, Wyeth Ayerst)、PG2(造血発生エンハーサー、Pharmagenesis)、Immunol(商標)(triclosan 含嗽液, Endo)、トリアセチルウリジン(ウリジンプロドラッグ, Wellstat)、SN-4071(肉腫作用物質、Signature BioScience)、TransMID-107(商標)(免疫毒素, KS Biomedix)、PCK-3145(アポトーシス促進因子、Procyon)、ドラニダゾール(doranidazole)(アポトーシス促進因子、Pola)、CHS-828(細胞傷害性薬物, Leo)、trans-レチノイン酸(分化剤(differentiator), NIH)、MX6(アポトーシス促進因子, MAXIA)、apomine(アポトーシス促進因子、ILEXoncology)、urocidin(アポトーシス促進因子, Bioniche)、Ro-31-7453(アポトーシス促進因子, La Roche)、ブロスタリシン(アポトーシス促進因子, Pharmacia)、β-ラパコン(lapachone)、ゲロニン(gelonin)、カフェストール、カーウェオール、コーヒー酸、チルホスチン(Tyrphostin)AG、PD-1阻害剤、CTLA-4阻害剤、ソラフェニブ、BRAF阻害剤が挙げられる。
【0087】
上述の方法のいずれかの実施形態では、抗増殖剤は、ベバシズマブ(bevacizurnab)、ボルテゾミブ、カペシタビン、セツキシマブ、フルオロウラシル、イマチニブ、イリノテカン、ロイコボリン、オキサリプラチン、パニツムマブ、ペメトレキセド、テモゾロミド、シスプラチン、パクリタキセル、エルロチニブ、スニチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、カルボプラチン、ドキソルビシン、ドセタキセル、ゲムシタビン、エトポシド、ゲフィチニブ、PD153035、セツキシマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、抗cMet抗体、ゲフィチニブ、ZD6474、EMD-72000、パトリツマブ(pariitumab)、ICR-62、CI-1033、ラパチニブ、AEE788、EKB-569、EXEL 7647/EXEL 0999、エルロチニブ、イマチニブ、ソラフェニブ(sorafinib)、スニチニブ、ダサチニブ、バンデタニブ(vandetinib)、テムシロリムス、PTK787、パゾパニブ、AZD2171、エベロリムス、セリシクリブ(seliciclib)、AMG 706、アキシチニブ、PD0325901、PKC-412、CEP701、XL880、ボスチニブ、BIBF1120、BIBF1120、ニロチニブ、AZD6244、HKI-272、MS-275、BI2536、GX15-070、AZD0530、エンザスタウリン、MLN-518、ARQ197、CM101、IFN-α、IL-12、血小板因子-4、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、血管新生抑制ステロイド+ヘパリン、軟骨由来血管新生阻害性因子、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、バチマスタット、マリマスタット、アンジオスタチン、エンドスタチン、2-メトキシエストラジオール、tecogalan、トロンボスポンジン、α.V.β.3阻害剤、linomide、およびADH-1、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ウラシルマスタード、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、カルボプラチン、シスプラチン、サトラプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、ET-743、XL119、ダカルバジン、クロルメチン、ベンダムスチン、トロホスファミド、ウラムスチン、ホテムスチン、ニムスチン、プレドニムスチン、ラニムスチン、セムスチン、ネダプラチン、トリプラチン四硝酸塩、マンノスルファン、トレオスルファン、テモゾロミド、カルボコン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、プロカルバジン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アントラセンジオン、ミトキサントロン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカトマイシン(plicatomycin)、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、belotecan、エトポシド、テニポシド、トポテカン、パクリタキセル、タキソール、ドセタキセル、BMS-275183、xyotax、tocosal、ビノレルビン(vinorlebine)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン(vinzolidine)、エトポシド、テニポシド、イクサベピロン、ラロタキセル、オルタタキセル(ortataxel)、tesetaxel、ispinesib、フルオロウラシル、フロクスウリジン、メトトレキサート、ゼローダ、アラノン、ロイコボリン、ヒドロキシウレア、チオグアニン、メルカプトプリン、シタラビン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、クラドリビン、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ボルテゾミブ、アミノプテリン、ラルチトレキセド、クロファラビン、エノシタビン、sapacitabine、アザシチジンから選択される。
【0088】
本明細書中記載される発明は、特に示され記載されているものに限定されないことは、当業者に理解されている。むしろ、本発明の範囲は、以下に続く特許請求の範囲により定義されている。さらに、上記の説明は、単なる実施形態の例示的な例の代表であることを理解されたい。この説明は、全ての可能性のある変形形態を徹底的に列挙することを試みてはいない。薬物の組み合わせの特定の成分または方法のステップに関する代替の実施形態は提示されていなくてもよく、記載の構成要素の異なる組み合わせからもたらされてもよく、または他の記載されていない別の実施形態を、組み合わせまたは方法のために利用可能であってもよいことは、それらの代替の実施形態の免責事項とはみなされない。これら多くの記載されていない実施形態は、以下の特許請求の範囲の逐語的な範囲内にあり、他のものは均等物であることが理解されるであろう。
【国際調査報告】