(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-28
(54)【発明の名称】改善された結合構造を有するバッテリーパック及びそれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20221021BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20221021BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20221021BHJP
【FI】
H01M50/262 E
H01M50/262 P
H01M50/262 S
H01M50/204 101
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512834
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 KR2020014526
(87)【国際公開番号】W WO2021137401
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0000995
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ-ハン・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-フン・ヤン
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AA07
5H040AS07
5H040AY08
5H040CC20
5H040CC23
5H040NN01
(57)【要約】
本発明の一実施例によるバッテリーパックは、複数のバッテリーモジュールが積層されたモジュール積層体と、モジュール積層体を下側で支持する下部ハウジング及びモジュール積層体の上側から下部ハウジングに結合される上部ハウジングを含むパックハウジングと、下部ハウジング及び上部ハウジングの各々の内側に結合され、モジュール積層体を弾性加圧する複数の変位プレートと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーモジュールが積層されたモジュール積層体と、
前記モジュール積層体を下側で支持する下部ハウジング及び前記モジュール積層体の上側から前記下部ハウジングに結合される上部ハウジングを含むパックハウジングと、
前記下部ハウジング及び上部ハウジングの各々の内側に結合され、前記モジュール積層体を弾性加圧する複数の変位プレートと、を含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記変位プレートは、
前記パックハウジングの側壁の内側面と対面する一対の加圧プレートと、
前記一対の加圧プレートの間を接続し、前記パックハウジングの底面と対面する接続プレートと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記加圧プレートは、
前記パックハウジングの側壁の内側面と接し、前記内側面と平行に配置される支持部と、
前記支持部の一側の端部から前記パックハウジングの内側に向かって折り曲げられて延びる傾斜部と、
前記傾斜部の一側の端部から前記支持部から遠くなる方向に沿って前記支持部と平行に延び、弾性復元力によって前記モジュール積層体を加圧する弾性加圧部と、を含み、
前記接続プレートは、一対の前記弾性加圧部の間を接続することを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記下部ハウジング及び上部ハウジングは各々、
前記下部ハウジング及び上部ハウジングの内側面から突出して前記弾性加圧部の内側面と離隔した状態で前記弾性加圧部の内側面と対面するサポートビードを備えることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記傾斜部と弾性加圧部との間の折曲部位はラウンド形態を有することを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記バッテリーパックは、
前記パックハウジング及びモジュール積層体を貫通する複数の締結ボルトと、
前記下部ハウジングの下面に固定され、前記締結ボルトと結合される複数のウェルドナットと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記バッテリーパックは、
前記下部ハウジングの下面に取り付けられ、前記ウェルドナットの収容空間を提供する気密プレートアセンブリーをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記気密プレートアセンブリーは、
前記ウェルドナットをカバーするガスケットと、
前記ガスケットを加圧して前記下部ハウジングの下面に取り付けられる気密プレートと、を含むことを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記気密プレートは、
前記ガスケットが収容される空間及び前記ウェルドナットが収容される空間を有する二重段差構造を有することを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記下部ハウジングの下面には、前記気密プレートアセンブリーが取り付けられる取付け溝が形成されていることを特徴とする、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記取付け溝の深さは、前記気密プレートが有する段差の高さと同一であるか、またはより深く形成されることを特徴とする、請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記締結ボルトのヘッド部にはシーリング部材がコーティングされていることを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された結合構造を有するバッテリーパック及びそれを含む自動車に関し、より詳しくは、モジュール積層体とパックハウジングをボルトによって共に締結して連結信頼性を高め、コストが節減可能であるだけでなく、パックハウジングがバッテリーモジュールを加圧する状態を維持できる構造を有することで、バッテリーパックに振動が発生した場合に対し、向上された安定性を有するバッテリーパック及びそれを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2020年1月3日出願の韓国特許出願第10-2020-0000995号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列に接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量によって複数のバッテリーセルを並列に接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数は、要求される出力電圧または充放電容量によって多様に設定可能である。
【0005】
なお、複数のバッテリーセルを直列・並列に接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールを先に構成し、このようなバッテリーモジュールが複数個積層されて形成されたモジュール積層体をパックハウジング内に収容してバッテリーパックを構成する方法が一般的である。
【0006】
そこで、複数のバッテリーモジュール同士の締結、及びモジュール積層体とパックハウジングとの締結が最大限に簡素になる構造を有するバッテリーパックの開発によって、部品コストを節減し、構造的信頼性を向上させる必要がある。なお、バッテリーパックに振動が発生する場合に対し、構造的に安定性が向上されたバッテリーパックの開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数のバッテリーモジュール同士の締結、及び複数のバッテリーモジュールが積層されて形成されたモジュール積層体とパックハウジングとの締結を最大限に簡素化にし、構造的安定性を向上させることを目的とする。
【0008】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するための本発明の一実施例によるバッテリーパックは、複数のバッテリーモジュールが積層されたモジュール積層体と、モジュール積層体を下側で支持する下部ハウジング及びモジュール積層体の上側から下部ハウジングに結合される上部ハウジングを含むパックハウジングと、下部ハウジング及び上部ハウジングの各々の内側に結合され、モジュール積層体を弾性加圧する複数の変位プレートと、を含む。
【0010】
変位プレートは、パックハウジングの側壁の内側面と対面する一対の加圧プレートと、一対の加圧プレートの間を接続し、パックハウジングの底面と対面する接続プレートと、を含み得る。
【0011】
加圧プレートは、パックハウジングの側壁の内側面と接し、内側面と平行に配置される支持部と、支持部の一側の端部からパックハウジングの内側に向かって折り曲げられて延びる傾斜部と、傾斜部の一側の端部から支持部から遠くなる方向に沿って支持部と平行に延び、弾性復元力によってモジュール積層体を加圧する弾性加圧部と、を含み、接続プレートは、一対の弾性加圧部の間を接続し得る。
【0012】
下部ハウジング及び上部ハウジングは各々、下部ハウジング及び上部ハウジングの内側面から突出して弾性加圧部の内側面と離隔した状態で前記弾性加圧部の内側面と対面するサポートビードを備え得る。
【0013】
傾斜部と弾性加圧部との間の折曲部位はラウンド形態を有し得る。
【0014】
バッテリーパックは、パックハウジング及びモジュール積層体を貫通する複数の締結ボルトと、下部ハウジングの下面に固定され、締結ボルトと結合される複数のウェルドナットと、をさらに含み得る。
【0015】
バッテリーパックは、下部ハウジングの下面に取り付けられ、ウェルドナットの収容空間を提供する気密プレートアセンブリーをさらに含み得る。
【0016】
気密プレートアセンブリーは、ウェルドナットをカバーするガスケットと、ガスケットを加圧して下部ハウジングの下面に取り付けられる気密プレートと、を含み得る。
【0017】
気密プレートは、ガスケットが収容される空間及びウェルドナットが収容される空間を有する二重段差構造を有し得る。
【0018】
下部ハウジングの下面には、気密プレートアセンブリーが取り付けられる取付け溝が形成され得る。
【0019】
取付け溝の深さは、気密プレートが有する段差の高さと同一であるか、またはより深く形成され得る。
【0020】
締結ボルトのヘッド部にはシーリング部材がコーティングされ得る。
【0021】
なお、本発明の一実施例による自動車は、前述したような本発明の一実施例によるバッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一面によると、複数のバッテリーモジュール同士の締結と、複数のバッテリーモジュールが積層されて形成されたモジュール積層体とパックハウジングとの締結と、を最大限に簡素にすることができ、振動または衝撃が加えられる場合に対し、バッテリーパックの構造的安定性が向上できる。
【0023】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリーパックの完成斜視図である。
【
図2】
図1に示されたバッテリーパックの分解斜視図である。
【
図3】本発明に適用されるパックハウジングを構成する下部ハウジングの分解斜視図である。
【
図4】本発明に適用されるパックハウジングを構成する上部ハウジングの分解斜視図である。
【
図5】
図1のX-X線による断面を示した部分拡大図である。
【
図6】本発明の一実施例によるバッテリーパックに適用される下部ハウジングの下面を示した図である。
【
図8】
図6に示した下部ハウジングの分解斜視図である。
【
図9】
図1のY-Y線による断面を示した図である。
【
図11】本発明に適用される締結ボルトを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
先ず、
図1~
図4を参照して本発明の一実施例によるバッテリーパック1の概略的な構造を説明する。
【0027】
図1~
図4を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、モジュール積層体M、パックハウジング200、複数の締結ボルト300及び複数の変位プレート400を含む。
【0028】
モジュール積層体Mは、
図2に示したように、複数のバッテリーモジュール100が積層された形態を有する。具体的には図示していないが、各々のバッテリーモジュール100は、互いに電気的に接続された複数のバッテリーセルを含むことができ、複数のバッテリーセルをグループ分け(grouping)して各々のグループに対する充放電を管理する複数のBMSをさらに含み得る。
【0029】
パックハウジング200は、
図2に示したように、モジュール積層体Mの下部を支持する下部ハウジング210と、モジュール積層体Mの上部をカバーし、下部ハウジング210に結合される上部ハウジング220と、を含む。
【0030】
複数の締結ボルト300は、
図1及び
図2に示したように、長ボルトの形態を有し、上部ハウジング220、モジュール積層体M及び下部ハウジング210を順次に貫通してモジュール積層体Mがパックハウジング200に固定されるようにする。また、締結ボルト300は、複数のバッテリーモジュール100同士を締結する役割を果たす。
【0031】
変位プレート400は、下部ハウジング210及び上部ハウジング220の内側に結合される。変位プレート400は、モジュール積層体Mがパックハウジング200の内部に挿入されたとき、モジュール積層体Mを弾性加圧してパックハウジング200内における動きを最小化できる。このような変位プレート400の機能を考慮すると、変位プレート400は、モジュール積層体Mの安定的な固定のためにバッテリーパック1の長手方向(
図1及び
図2のX軸に平行する方向)に沿って複数個が備えられ得る。
【0032】
以下、変位プレート400のより具体的な構造及び機能について、
図1~
図4と共に
図5を参照して説明する。
【0033】
図1~
図5を参照すると、変位プレート400は、パックハウジング200の側壁の内側面と対面する一対の加圧プレート410と、一対の加圧プレート410の間を接続し、パックハウジング200の底面と対面する接続プレート420と、を含む。一対の加圧プレート410は、モジュール積層体Mの両側面に各々接してモジュール積層体Mを加圧し、接続プレート420は、パックハウジング200の底面に溶接及び/またはボルト締めなどによって固定されてモジュール積層体Mの動きを制限する。
【0034】
ここで、パックハウジング200の底面とは、
図1及び
図2のX-Y平面と平行する面を意味し、下部ハウジング210の内側面においてモジュール積層体Mの下面と対面する面、そして上部ハウジング220の内側面においてモジュール積層体Mの上面と対面する面を意味する。
【0035】
図5を参照すると、加圧プレート410は、互いに一体で連結された支持部411、傾斜部412及び弾性加圧部413を含む。支持部411は、パックハウジング200の側壁の内側面と接し、内側面と平行して配置される。傾斜部412は、支持部411の一側の端部からパックハウジング200の内側に向かって折り曲げられて延びる。弾性加圧部413は、傾斜部412の一側の端部から支持部411から遠くなる方向に沿って支持部411と平行して延び、弾性復元力によってモジュール積層体Mを加圧する。
【0036】
傾斜部412によって、弾性加圧部413とパックハウジング200の側壁の内側面との間には隙間が生じるようになり、このような隙間によってモジュール積層体Mの挿入時に弾性加圧部413が反り得る。このような弾性加圧部413の反りは弾性復元力を発生させ、これによってモジュール積層体Mの両側部に位置する一対の弾性加圧部413がモジュール積層体Mをバッテリーパック1の中心部に向かって加圧するようになる。
【0037】
このような弾性加圧部413の弾性加圧作用の実現のために、互いに対向する一対の弾性加圧部413の間の幅は、モジュール積層体Mの幅(
図1及び
図2のY軸方向と平行する方向に沿って延びた長さ)と同一であるか、または僅かに小さく形成されることが望ましい。また、モジュール積層体Mの挿入の容易性を考慮して、互いに対向する一対の支持部411の間の幅は、モジュール積層体Mの幅より少し大きく形成されることが望ましい。
【0038】
また、傾斜部412と弾性加圧部413との間の折曲部位は、ラウンド形態を有し得る。この場合、モジュール積層体Mの挿入時にモジュール積層体Mと加圧プレート410との接触によるモジュール積層体Mの損傷を最小化でき、より円滑な挿入が可能になる。
【0039】
一方、パックハウジング200は、側面の内側面に突出して形成された複数のサポートビード211、221を備え得る。具体的には、下部ハウジング210は、その内側面から突出して弾性加圧部413の内側面と離隔した状態で弾性加圧部413の内側面と対面する複数の第1サポートビード211を備える。同様に、上部ハウジング220は、その内側面から突出して弾性加圧部413の内側面と離隔した状態で弾性加圧部413の内側面と対面する複数の第2サポートビード221を備える。
【0040】
サポートビード211、221は、弾性加圧部413の過度な変形の発生を防止するためのものである。自動車用バッテリーパックの場合、使用過程で振動及び衝撃に持続的に露出し、このような振動及び衝撃の発生時に変位プレート400の弾性加圧部413が反り変形を起こして緩衝作用をすることで、モジュール積層体Mに加えられる衝撃を緩和できる。
【0041】
モジュール積層体Mの挿入後のサポートビード211、221と弾性加圧部413との距離dは、バッテリーパック1の重量、大きさ、適用されるアプリケーションに加えられる振動の予想最大値などを考慮して決定され得る。即ち、このような要素を考慮して、サポートビード211、221の高さ及び/または傾斜部412の折曲角度を決定し得る。
【0042】
次は、
図6~
図11を参照して、本発明の一実施例によるバッテリーパック1に選択的に適用可能な気密構造について説明する。
【0043】
本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、前述した構成要素に加え、ウェルドナット(weld nut)500及び気密プレートアセンブリー600をさらに含むことができ、さらに、締結ボルト300にコーティングされるシーリング部材Sをさらに含み得る。
【0044】
ウェルドナット500は、
図7に示したように、下部ハウジング210(
図2及び
図3参照)の底面に溶接によって取り付けられる。ウェルドナット500は、締結ボルト300と結合されるように下部ハウジング210の底面に形成された貫通ホールに対応する位置に取り付けられる。また、ウェルドナット500は、下部ハウジング210に取り付けられるガスケット610及び気密プレート620の内側に位置する。ウェルドナット500がこのようにガスケット610と気密プレート620の内側に位置することは、下部ハウジング210に形成された貫通ホールによる外部の異物や水分がパックハウジング200の内部へ浸透してバッテリーパック1の寿命短縮や性能低下を誘発することを防止するためである。
【0045】
気密プレートアセンブリー600は、下部ハウジング210の下面に形成された取付け溝210a内に挿入され、溶接などによって取付け溝210aの内側の底面に固定される。気密プレートアセンブリー600は、ガスケット610及び気密プレート620を含む。ガスケット610は、下部ハウジング210の下面に溶接によって取り付けられたウェルドナット500の周りを囲み、ウェルドナット500と気密プレート620との間に介在されてウェルドナット500と下部ハウジング210の底面との隙間へ異物及び/または水分が浸透することを防止する。気密プレート620は、取付け溝210a内でガスケット610及びウェルドナット500をカバーしながら下部ハウジング210の底面に溶接などによって固定され、一次的に異物及び/または水分の浸透を防止する。
【0046】
気密プレート620は、ガスケット610を加圧して下部ハウジング210の下面に取り付けられる。また、気密プレート620は、ガスケット610が収容される空間及びウェルドナット500が収容される空間を有する二重段差構造を有し得る。但し、このような二重段差構造による気密プレート620の高さと比較して取付け溝210aの深さは同一であるか、またはより深く形成されることが望ましい。これは、気密プレート620の形成によるエネルギー密度の損失を防止するためである。
【0047】
一方、
図11を参照すると、締結ボルト300は、パックハウジング200の上部に形成された貫通ホール、即ち、上部ハウジング220の上部に形成された貫通ホールからの異物及び/または水分の浸透を最小化するために、ヘッド部の表面にコーティングされるシーリング部材Sを備え得る。シーリング部材Sとして弾性を有する素材を用いることが望ましく、例えば、ウレタン材質を用い得る。
【0048】
前述したように、本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、パックハウジング200内に置かれる変位プレート400によってバッテリーパック1に振動及び/または衝撃が加えられる場合に対し、モジュール積層体Mがパックハウジング200の内部で衝撃なく固定されるように把持できる。したがって、本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、振動及び/または衝撃にも破損されにくく、不良が発生しない堅固性を有する。
【0049】
また、本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、パックハウジング200の外側に予め固定されたウェルドナット500と、パックハウジング200と、モジュール積層体Mを共に貫通してウェルドナット500に締結される締結ボルト300と、を用いて、モジュール積層体Mを構成する各々の構成要素とパックハウジング200を共に締結可能な構造を有することで、締結信頼性の向上及び製造コストの節減を図ることができる。
【0050】
また、本発明の一実施例によるバッテリーパック1は、パックハウジング200の外側に形成されるホールからの外部の異物及び/または水分の浸透が防止可能な構造を有することで、バッテリーパックの使用過程で性能低下の恐れを減少させることができる。
【0051】
なお、本発明の一実施例による自動車は、上述したような本発明の一実施例によるバッテリーパックを含む。
【0052】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
1 バッテリーパック
100 バッテリーモジュール
200 パックハウジング
210 下部ハウジング
210a 溝
211 サポートビード
220 上部ハウジング
221 サポートビード
300 締結ボルト
400 変位プレート
410 加圧プレート
411 支持部
412 傾斜部
413 弾性加圧部
420 接続プレート
500 ウェルドナット
600 気密プレートアセンブリー
610 ガスケット
620 気密プレート
M モジュール積層体
S シーリング部材
【国際調査報告】