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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-28
(54)【発明の名称】ハンドピース
(51)【国際特許分類】
   A61C 1/18 20060101AFI20221021BHJP
   A61C 1/12 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
A61C1/18
A61C1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513304
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 KR2020010860
(87)【国際公開番号】W WO2021040299
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】10-2019-0104277
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518013431
【氏名又は名称】デンフレックス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン-ウ
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA11
4C052BB02
4C052BB03
4C052CC02
4C052CC17
(57)【要約】
本発明は、ハンドピースに係り、より具体的には、回転力伝達軸部の一定の区間が、たわみ性を有する複数のリブで構成され、一つの回転力伝達軸部のみでも回転動力源の回転力をヘッド部側へ直接伝達することができるように構成することにより、従来の複雑な回転力伝達軸部のギヤ連結構造に起因する回転動力損失、騒音、微振動、耐久性低下、体積増加などの問題点を解消することができるハンドピースに関する。本発明によるハンドピースは、ハンドルが形成されたボディ部と、工具が結合されるヘッド部と、前記ボディ部の一側に備えられた回転動力源から回転力を前記ヘッド部の一側に伝達する回転力伝達軸部と、を含み、前記回転力伝達軸部の一定の区間が、ヘリカル状の螺旋形をなす螺旋形リブ部からなり、回転力伝達軸部自体がその螺旋形リブ部形成部位で前記ヘッド部の一側に向かって撓むことができ、前記回転力伝達軸部は、前記螺旋形リブ部形成部位を介して前記回転動力源の回転中心軸から外れた前記ヘッド部の一側に延び、その回転力を前記ヘッド部の一側へ伝達することができることを特徴とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側に回転動力源が備えられ、他側に工具が結合されるハンドピースであって、
ハンドルが形成されたボディ部と、
工具が結合されるヘッド部と、
前記ボディ部の一側に備えられた回転動力源から回転力を前記ヘッド部の一側に伝達する回転力伝達軸部と、を含み、
前記回転力伝達軸部の一定の区間が、ヘリカル状の螺旋形をなす螺旋形リブ部からなり、回転力伝達軸部自体がその螺旋形リブ部形成部位で前記ヘッド部の一側に向かって撓むことができ、前記回転力伝達軸部は、前記螺旋形リブ部形成部位を介して前記回転動力源の回転中心軸から外れた前記ヘッド部の一側に延び、その回転力を前記ヘッド部の一側に伝達することができることを特徴とする、ハンドピース。
【請求項2】
前記螺旋形リブ部は、ヘリカル状の螺旋形からなるばね構造の複数のリブであることを特徴とする、請求項1に記載のハンドピース。
【請求項3】
前記ヘリカル状の螺旋形リブ部の前方及び/又は後方に軸受がさらに備えられる、請求項1に記載のハンドピース。
【請求項4】
前記回転力伝達軸部の所定の位置に回転翼がさらに備えられ、前記伝達軸の回転と共に送風されることを特徴とする、請求項1に記載のハンドピース。
【請求項5】
前記回転動力源と前記ヘリカル状の螺旋形リブ部との間に加速又は減速ギヤ部がさらに備えられ、前記回転動力源から前記回転力伝達軸部へ伝達される回転数を加速又は減速させることを特徴とする、請求項1に記載のハンドピース。
【請求項6】
前記回転動力源は、電気によって回転力を発生させるモータ、又は圧縮空気によって回転力を発生させるインペラから構成されることを特徴とする、請求項1に記載のハンドピース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドピースに係り、より具体的には、回転力伝達軸部の一定の区間が、たわみ性を有する複数のリブからなり、一つの回転力伝達軸部のみでも回転動力源の回転中心軸の方向を変更させることができるように構成することにより、従来の回転動力源の回転力伝達軸部の回転中心軸の方向を変更させるための複雑な回転力伝達軸部のギヤ連結構造に起因する回転動力損失、騒音、微振動、耐久性低下、体積増加などの問題点を解消することができるハンドピースに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ハンドピースは、歯科又は整形外科などの医療分野、ネイルアート分野又は宝石細工分野などで特定の作業、例えば削除、グラインディング、ミリングなどを容易に行うことができる道具である。このようなハンドピースは、電気によって回転力を発生させるモータ、又は圧縮空気によって回転力を発生させるインペラなどを用いて、ヘッド部に装着された工具を、当該分野に要求される速度で回転させるように構成される。
【0003】
特に、歯科用ハンドピースは、歯科施術のために、ハンドピースの先端に位置するヘッド部に歯科用バー、ポイント、ディスクなどの切削用歯科工具(bur)を装着して、回転動力源の駆動力を歯科工具に伝達させて歯科施術中に歯科工具を介して口腔内の異物を除去したり、歯と歯茎を治療したりするために用いられる。
【0004】
通常、従来の歯科用ハンドピースなどは、図5に示すように、治療又は使用の便宜のために、ヘッド部が上方に所定の角度で折り曲げられた形状に設計される。この場合、回転動力源の回転中心軸線から外れているヘッド部へ回転動力を伝達するためには、ギヤが装着された2つの回転力伝達軸部を回転中心軸の方向が変更される折曲部位で互いに連結させる構成を採用しなければならないという限界があった。
【0005】
すなわち、図5に示すように、ギヤ5(例えば、ベベルギヤ)が末端に備えられた第1回転力伝達軸部2と、ギヤ4(例えば、ベベル歯車)が末端に備えられた第2回転力伝達軸部3とは、ハンドピースの折曲部位で前記ギヤ4、5が互いに噛み合って回転力を伝達することができるように互いに連結される。モータ1によって第1回転力伝達軸部2が回転すると、互いに噛み合った歯車4、5を介して第2回転力伝達軸部3が回転し、その後、第2回転力伝達軸部3の他方の末端に備えられたベベルギヤ6、7によって回転力が歯科工具へ伝達される。
【0006】
しかし、上述した従来技術は、回転力伝達軸部間のギヤ連結構造により、摩擦力などによる回転動力の損失、騒音及び微振動の発生、ギヤ摩耗による耐久性低下、一対のギヤ内蔵による体積増加などといった多くの問題点を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題点を解消するためのもので、その目的は、簡単な構造の回転力伝達軸部構造を提示することにより、従来の回転力伝達軸部の回転中心軸の方向を変更するためのギヤ連結構造による回転動力損失、騒音、微振動、耐久性低下、体積増加などの問題点を解消することができるハンドピースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の一実施形態は、一側に回転動力源が備えられ、他側に工具が結合されるハンドピースであって、ハンドルが形成されたボディ部と、工具が結合されるヘッド部と、前記ボディ部の一側に備えられた回転動力源から回転力を前記ヘッド部の一側に伝達する回転力伝達軸部と、を含み、前記回転力伝達軸部の一定の区間が、ヘリカル状の螺旋形をなす螺旋形リブ部からなり、回転力伝達軸部自体がその螺旋形リブ部形成部位で前記ヘッド部の一側に向かって撓むことができ、前記回転力伝達軸部は、前記螺旋形リブ部形成部位を介して前記回転動力源の回転中心軸から外れた前記ヘッド部の一側に延び、その回転力を前記ヘッド部の一側に伝達することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回転動力源から発生する回転力を伝達する回転力伝達軸部の一定の区間がヘリカル状の螺旋形リブ部からなり、その回転力伝達軸部自体が螺旋形をなした区間でたわみ性を有することができるように構成することにより、従来の複雑な回転力伝達軸部のギヤ連結構造に起因する回転動力損失、騒音、微振動、耐久性低下、体積増加などの問題点を画期的に解消するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態によるハンドピースの断面図である。
図2】本発明の回転力伝達軸部のリブ部を拡大して示す斜視図である。
図3図3の(a)は本発明の一実施形態による回転力伝達軸部のリブ部の断面図を示す斜視図、図3の(b)は本発明の他の実施形態による回転力伝達軸部のリブ部の断面図である。
図4】本発明の加速又は減速ギヤ部の構成を示す図である。
図5】従来技術によるハンドピースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照してより詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施形態によるハンドピースの断面図、図2は本発明の回転力伝達軸部のリブ部(すなわち、リブ部形成部位)を拡大して示す斜視図、図3の(a)は本発明の一実施形態による回転力伝達軸部のリブ部の断面図を示す斜視図、図3の(b)は本発明の他の実施形態態による回転力伝達軸部のリブ部の断面図である。
【0013】
まず、図1を参照すると、本発明の一実施形態によるハンドピースは、ハンドルが形成されたボディ部10と、工具が結合されるヘッド部20と、前記ボディ部10の一側に備えられた回転動力源12から回転力を前記ヘッド部20の一側に伝達する回転力伝達軸部30と、を含むように構成される。前記回転動力源12は、電気によって回転力を発生させるモータ、又は圧縮空気によって回転力を発生させるインペラで構成されることができる。すなわち、前記回転動力源12は、回転力を発生させることができる光の概念の全ての回転発生装置と解釈されるべきである。
【0014】
図1図2図3の(a)及び図3の(b)に示すように、前記回転力伝達軸部30の一定の区間には、ヘリカル状の螺旋形リブ32a、32b、32c、32dからなる螺旋形リブ部32が形成される。前記螺旋形リブ部32は、複数のリブで構成され、回転力伝達軸部30の螺旋形リブ部32でたわみ性を有し、その結果、回転力伝達軸部30のうち、螺旋形リブからなるボディ部の折曲部位で前記ヘッド部の一側に向かって撓んだ状態で回転することができるとともに、回転力を伝達することができる。したがって、前記回転力伝達軸部30は、たわみ性を有する螺旋形リブ部32を介して前記回転動力源12の回転中心軸線の仮想延長線上から外れた前記ヘッド部の一側に断絶なく延び、回転動力源12の回転力を一つの回転力伝達軸部30の構造を介してヘッド部の一側へそのまま伝達することができる。
【0015】
好ましくは、前記ヘリカル状の螺旋形をなした螺旋形リブ部32は、ばね構造を有し、複数のリブ32a、32b、32c、32dで構成されることができる。図3の(a)及び図3の(b)に示すように、螺旋形リブ部32は、複数のリブ32a、32bが回転力伝達軸部30に沿って螺旋形に形成されたばね構造を持つ。このようなばね構造は、回転力伝達軸部30の回転中心軸に沿って螺旋形に貫通するように切開することにより形成されることができる。図3の(a)及び図3の(b)を参照すると、螺旋形リブ部32の断面構造は、切開部34を挟んで互いに対向する複数のリブ32a、32b、32c、32dで構成される。すなわち、図3の(a)は、螺旋形リブ部32が2つのリブ32a、32bで構成されることを示し、図3の(b)は、螺旋形リブ部32が4つのリブ32a、32b、32c、32dで構成されることを示す。
【0016】
より好ましくは、前記複数のリブ32a、32b、32c、32dで構成される螺旋形リブ部32の前方及び/又は後方に軸受40a、40bがさらに備えられ、回転力伝達軸部30を支持するとともに、回転力伝達軸部の回転に起因する摩擦力を減少させ、その結果、回転動力源から遠く位置したヘッド部に回転力を伝達しても、ブレ現象を大幅に低減することができる。また、回転動力源から遠く離れた部位に回転力を伝達するにあたり、回転力伝達軸部の直進度が良くなかったときに発生しうる回転振動を螺旋形リブ部32によって緩和させることができるという利点がある。
【0017】
好ましくは、図1に示すように、前記回転力伝達軸部30の所定の位置には回転翼50がさらに備えられ、回転力伝達軸部30の回転と共に風を起こして回転力伝達軸部に沿って送風する機能を持つことができる。例えば、回転力伝達軸部が高速で回転すると、回転力伝達軸部の螺旋形リブ部の前後方又はヘッド部に備えられた軸受から熱が発生することがあるが、前記回転翼は、回転力伝達軸部に沿って送風を行うことにより、前記発生する熱を冷やすことができる。
【0018】
より好ましくは、図1に示すように、前記回転動力源12と螺旋形リブ部32との間には、加速又は減速ギヤ部60がさらに備えられ、前記回転動力源12からヘッド部へと伝達される回転数を選択的に加速又は減速させることができる。
【0019】
前記加速又は減速ギヤ部60は、図4に示すように、3パートの回転力伝達軸部62、64、66で構成でき、具体的に、回転動力源の回転中心軸から出る第1回転力加減速伝達軸部62、第1回転力加減速伝達軸部62の一定部位に備えられたギヤ62aに密着して回転する第2回転力加減速伝達軸部64、及び第2回転力加減速伝達軸部64の一定部位に備えられたギヤ64aに密着して回転する第3回転力加減速伝達軸部66から構成されることができる。このとき、第2回転力加減速伝達軸部64は、外径及びギヤ数が異なる2つのギヤパーツ64a、64bが回転力加減速伝達軸部の上下に独立して形成された一体型で構成されることができる。また、第3回転力加減速伝達軸部66の回転中心軸は、第1回転力加減速伝達軸部62の回転中心軸と一致してもよい。
【0020】
本発明は、図面を参照して特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような特定の構造に限定されるものではない。当業分野における通常の知識を有する者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想及び権利範囲から逸脱することなく、本発明を多様に修正又は変更させることができるであろう。しかし、それらの単純な設計上の材料修正又は変形構造は、すべて明白に本発明の権利範囲内に属することを予め明らかにしようとする。

図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
【国際調査報告】