IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー イノテック カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-回路基板 図1
  • 特表-回路基板 図2
  • 特表-回路基板 図3
  • 特表-回路基板 図4
  • 特表-回路基板 図5
  • 特表-回路基板 図6
  • 特表-回路基板 図7
  • 特表-回路基板 図8
  • 特表-回路基板 図9
  • 特表-回路基板 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-28
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20221021BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20221021BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H05K1/03 610H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513367
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 KR2020011288
(87)【国際公開番号】W WO2021040364
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】10-2019-0104273
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン ソク
(72)【発明者】
【氏名】イ トン ファ
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA29
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC37
5E316CC38
5E316DD16
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE09
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316FF18
5E316GG15
5E316GG22
5E316HH06
(57)【要約】
実施例に係る回路基板は、複数の絶縁層を含む絶縁部と、前記複数の絶縁層の表面に配置される回路パターンと、前記複数の絶縁層内に配置され、互いに異なる層に配置された回路パターンを連結するビアと、を含み、前記複数の絶縁層のそれぞれは、RCC(resin coated copper)で構成され、前記複数の絶縁層それぞれの誘電率は、2.03~2.7である。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの絶縁層を含む第1絶縁部と、
前記第1絶縁部の上部に配置され、少なくとも1つの絶縁層を含む第2絶縁部と、
前記第1絶縁部の下部に配置され、少なくとも1つの絶縁層を含む第3絶縁部と、を含み、
前記第1絶縁部を構成する絶縁層は、
ガラス繊維を含むプリプレグを含み、
前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層は、
RCC(resin coated copper)で構成される、
回路基板。
【請求項2】
前記第1絶縁部を構成する絶縁層の厚さは、
前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層の厚さよりも大きい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1ないし第3絶縁部のそれぞれの絶縁層の表面に配置される回路パターンを含み、
前記第1絶縁部を構成する絶縁層の厚さは、
前記回路パターンの厚さよりも大きく、
前記第2および第3絶縁部を構成する絶縁層の厚さは、
前記回路パターンの厚さよりも小さい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第1ないし第3絶縁部を構成する絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層内に配置されたビアを含み、
前記第1絶縁部を構成する絶縁層内に配置されたビアの厚さは、
前記回路パターンの厚さよりも大きく、
前記第2および第3絶縁部を構成する絶縁層内に配置されたビアの厚さは、
前記回路パターンの厚さよりも小さい、請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層は、
ポリフェニルエーテル〈Polyphenyl Ether、PPE〉を含む第1化合物、トリシクロデカン(tricyclodecane)および前記トリシクロデカンと連結される末端基を含む第2化合物を含み、
前記第1化合物と前記第2化合物の重量比は、4:6~6:4である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記末端基は、アクリレート基、エポキシド基、カルボキシル基およびヒドロキシル基、イソシアネート基のうち少なくとも一つを含む、請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第1化合物および前記第2化合物は、化学的に非結合する、請求項5に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層の熱膨張係数および誘電率は、
前記第1絶縁部を構成する絶縁層の熱膨張係数および誘電率よりも小さい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層の誘電率は、2.03~2.7である、請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
複数の絶縁層を含む絶縁部と、
前記複数の絶縁層の表面に配置された回路パターンと、
前記複数の絶縁層内に配置され、互いに異なる層に配置された回路パターンを連結するビアと、を含み、
前記複数の絶縁層のそれぞれは、
RCC(resin coated copper)で構成され、
前記複数の絶縁層のそれぞれの誘電率は、2.03~2.7であり、
前記複数の絶縁層それぞれの厚さは、前記回路パターンの厚さよりも小さく、
前記ビアの厚さは、前記回路パターンの厚さよりも小さく、
前記複数の絶縁層それぞれは、第1物質および第2物質を含み、
前記第1物質は、互いに化学的に結合する第1化合物を含み、
前記第2物質は、互いに化学的に結合する第2化合物を含み、
それぞれの第1化合物は、ポリフェニルエーテル(Polyphenyl Ether、PPE)を含み、
それぞれの第2化合物は、トリシクロデカン(tricyclodecane)および前記トリシクロデカンと連結される末端基を含み
前記第2化合物は、前記末端基を介して互いに結合し、
前記末端基は、アクリレート基、エポキシド基、カルボキシル基およびヒドロキシル基、イソシアネート基のうち少なくとも一つを含む、回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、回路基板に関し、特に、低誘電率および低熱膨張係数を有する絶縁層を含む回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷回路基板(PCB;Printed Circuit Board)は、電気絶縁性基板に銅のような伝導性物質で回路ラインパターンを印刷して形成したものであって、電子部品を搭載する直前の基板(Board)をいう。即ち、様々な種類の多くの電子素子を平板上に密集搭載するために、各部品の装着位置を確定し、部品を連結する回路パターンを平板の表面に印刷して固定した回路基板を意味する。
【0003】
一般に、上記のような印刷回路基板に含まれた回路パターンの表面処理方法として、OSP(Organic Solderability Preservative)、電解ニッケル/ゴールド、電解ニッケル/ゴールド-コバルト合金、無電解ニッケル/パラジウム/ゴールドなどが使用されている。
【0004】
このとき、前記使用される表面処理方法は、その用途に応じて異なるが、例えば、前記用途には、ソルダリング用途、ワイヤボンディング用途およびコネクタ用途などがある。
【0005】
前記印刷回路基板上に実装される部品は、各部品に連結される回路パターンによって部品で発生する信号が伝達され得る。
【0006】
一方、最近の携帯用電子機器などの高機能化に伴い、大量の情報の高速処理をするために、信号の高周波化が進んでおり、高周波用途に適した印刷回路基板の回路パターンが要求されている。
【0007】
このような印刷回路基板の回路パターンは、高周波信号の品質を低下させずに伝送できるようにするために、伝送損失の減少が望まれる。
【0008】
印刷回路基板の回路パターンの伝送損失は、主に、銅箔に起因する導体損失と、絶縁樹脂基材に起因する誘電体損失からなる。
【0009】
銅箔に起因する導体損失は、回路パターンの表面粗さと関係がある。即ち、回路パターンの表面粗さが増加するほど、スキンエフェクト(skin effect)効果によって伝送損失が増加することがある。
【0010】
したがって、回路パターンの表面粗さを減少させると、伝送損失の減少を防止できる効果があるが、回路パターンと絶縁層との接着力が低下するという問題点がある。
【0011】
また、誘電体による減少のために誘電率の小さい物質を用いて回路基板の絶縁層として使用することができる。
【0012】
しかし、高周波用途の回路基板において、絶縁層は、低い誘電率以外にも回路基板に使用するための化学的、機械的特性が要求される。
【0013】
詳しく、回路パターンの設計および工程の容易性のための電気的性質の等方性、金属配線物質との低反応性、低いイオン転移性および化学的・機械的研磨(chemical mechanical polishing、CMP)などの工程に耐えられる十分な機械的強度、剥離または誘電率の上昇を防止できる低吸湿率、工程の加工温度に耐えられる耐熱性、温度変化による亀裂を取り除くための低い熱膨張係数を有するべきであり、他の物質との界面で発生し得る各種応力および剥離を最小化する接着力、耐クラック性、低いストレスおよび低い高温気体発生性など多様な条件を満たさなければならない。
【0014】
したがって、上記のような化学的・機械的特性とともに、誘電率の低い高周波用途の回路基板絶縁層および絶縁層と回路パターンとの密着力を向上させることができ、表面粗さの小さい回路パターンが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
実施例においては、回路基板のスリム化を達成できるようにする。
【0016】
また、実施例においては、低い誘電率を有する絶縁層および低い信号損失を有する回路パターンを含む回路基板を提供するようにする。
【0017】
また、実施においては、低い熱膨張係数を有するRCC(Resin coated copper)でのみ絶縁層が構成された回路基板を提供できるようにする。
【0018】
また、実施においては、絶縁層内に含まれたガラス繊維を除去して、前記ガラス繊維に対応する厚さだけ回路基板の厚さを減らすことができるようにする。
【0019】
また、実施においては、絶縁層の厚さよりも回路パターンの厚さが大きい回路基板を提供できるようにする。
【0020】
提案される実施例において、解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、下記の記載から実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
実施例に係る回路基板は、少なくとも1つの絶縁層を含む第1絶縁部と、前記第1絶縁部の上部に配置され、少なくとも1つの絶縁層を含む第2絶縁部と、前記第1絶縁部の下部に配置され、少なくとも1つの絶縁層を含む第3絶縁部と、を含み、前記第1絶縁部を構成する絶縁層は、ガラス繊維を含むプリプレグを含み、前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層は、RCC(resin coated copper)で構成される。
【0022】
また、前記第1絶縁部を構成する絶縁層の厚さは、前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層の厚さよりも大きい。
【0023】
また、前記第1ないし第3絶縁部のそれぞれの絶縁層の表面に配置される回路パターンを含み、前記第1絶縁部を構成する絶縁層の厚さは、前記回路パターンの厚さより大きく、前記第2および第3絶縁部を構成する絶縁層の厚さは、前記回路パターンの厚さよりも小さい。
【0024】
また、前記第1ないし第3絶縁部を構成する絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層内に配置されたビアを含み、前記第1絶縁部を構成する絶縁層内に配置されたビアの厚さは、前記回路パターンの厚さよりも大きく、前記第2および第3の絶縁部を構成する絶縁層内に配置されたビアの厚さは、前記回路パターンの厚さよりも小さい。
【0025】
また、前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層は、ポリフェニルエーテル(Polyphenil Eter,PPE)を含む第1化合物と、トリシクロデカン(tricyclodecane)および前記トリシクロデカンと連結される末端基を含む第2化合物とを含み、前記第1化合物と前記第2化合物の重量比は、4:6~6:4である。
【0026】
また、前記末端基は、アクリレート基、エポキシド基、カルボキシル基およびヒドロキシル基、イソシアネート基のうち少なくとも一つを含む。
【0027】
また、前記第1化合物および前記第2化合物は、化学的に非結合する。
【0028】
また、前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層の熱膨張係数および誘電率は、前記第1絶縁部を構成する絶縁層の熱膨張係数および誘電率よりも小さい。
【0029】
また、前記第2および第3絶縁部を構成するそれぞれの絶縁層の誘電率は、2.03~2.7である。
【0030】
一方、実施例に係る回路基板は、複数の絶縁層を含む絶縁部と、前記複数の絶縁層の表面に配置される回路パターンと、前記複数の絶縁層内に配置され、互いに異なる層に配置された回路パターンを連絡するビアと、を含み、前記複数の絶縁層それぞれは、RCC(resin coated copper)で構成され、前記複数の絶縁層の誘電率は、2.03~2.7である。
【0031】
また、前記複数の絶縁層のそれぞれの厚さは、回路パターンの厚さよりも小さい。
【0032】
また、前記ビアの厚さは、前記回路パターンの厚さよりも小さい。
【0033】
また、前記複数の絶縁層のそれぞれは、第1物質と第2物質とを含み、前記第1物質は、互いに化学的に結合する第1化合物を含み、前記第2物質は、互いに化学的に結合する第2化合物を含み、それぞれの第1化合物は、ポリフェニルエーテル(Polyphenil Eter、PPE)を含み、それぞれの第2化合物は、トリシクロデカン(tricyclodecane)および前記トリシクロデカンと連結される末端基を含み、前記第2化合物は、前記末端基を通じて互いに結合し、前記末端基は、アクリレート基、エポキシド基、カルボキシル基およびヒドロキシル基、イソシアネート基のうち少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0034】
実施例に係る回路基板は、絶縁層と回路パターンとの間に配置されるバッファ層を含むことができる。
【0035】
即ち、実施例に係る回路基板は、回路パターンの表面にバッファ層を形成したり、絶縁層上にバッファ層を形成することができる。
【0036】
前記バッファ層は、前記絶縁層と前記回路パターンとの間に配置されて、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着力を向上させることができる。
【0037】
即ち、前記絶縁層と前記回路パターンは、それぞれ樹脂物質および金属を含む異種物質であって、前記絶縁層上に前記回路パターンを形成するとき、接着力が低下するという問題点がある。
【0038】
したがって、前記絶縁層と前記回路パターンとの間に、前記絶縁層と前記回路パターンとそれぞれ化学的に結合するバッファ層を配置して、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着力を向上させることができる。
【0039】
即ち、前記バッファ層は、前記絶縁層と前記回路パターンと結合する複数の官能基を含み、前記官能基が前記絶縁層および前記回路パターンと共有結合または配位結合により化学的に結合することにより、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着力を向上させることができる。
【0040】
これにより、前記絶縁層の表面粗さを減少させても、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着信頼性を確保することができる。
【0041】
したがって、実施例に係る回路基板を高周波用途に使用する場合にも、回路パターンの表面粗さを低く保って、高周波信号の伝送損失を減少させることができ、回路パターンの表面粗さを低く保っても、バッファ層により絶縁層と回路パターンとの密着力を確保できるので、回路パターンの全体的な信頼性を確保することができる。
【0042】
また、実施例に係る回路基板は、低い誘電率および低い熱膨張係数を有し、向上した強度を有する絶縁層を含むことができる。
【0043】
詳しく、前記絶縁層は、低い誘電率および向上した強度を有する第1物質と第2物質とを含み、前記絶縁層内で、前記第1物質が前記第2物質のネットワーク構造の内部に配置されるように形成することによって、前記第1物質と前記第2物質との相分離を防止することができる。したがって、前記絶縁層は、前記第1物質と前記第2物質を単一相に形成できるので、絶縁層の強度を向上させることができる。
【0044】
即ち、クロスリンキングによりネットワーク構造を有する前記第2物質のプレボリューム、即ち、分子運動(mole motion)を増加させて、ネットワーク構造を有する高分子鎖が近く配置されないように構造化することができ、ネットワーク構造の内部には、前記第1物質が部分的に配置されることによって、前記第1物質と前記第2物質を絶縁層の内部で単一相に形成させることができる。
【0045】
したがって、実施例に係る回路基板を高周波用途に使用する場合にも、絶縁層の誘電率を減少させて、高周波信号の伝送損失を減少させることができ、絶縁層の熱膨張係数および機械的強度を向上させて、回路基板の全体的な信頼性を確保することができる。
【0046】
また、実施例に係る回路基板は、低い誘電率および低い熱窓係数を有する絶縁層を含むので、既存のガラス繊維を含む絶縁層を代替することができる。具体的に、実施例に係る回路基板は、絶縁層内に含まれたガラス繊維を除去することができる。具体的に、実施例に係る回路基板は、RCC(Resin coated copper)を構成するレジンとフィラーを用いて絶縁層の誘電率および熱膨張係数を容易に調整可能であり、これにより既存のガラス繊維を含まないRCCで絶縁層を構成することにより、印刷回路基板の全体的な厚さを減少させることができる。さらに、実施例に係る回路基板は、低い熱膨張係数を有する絶縁層で構成されるので、強度を確保するためのコア層を除去できるだけでなく、絶縁層の厚さを減らすことができ、これにより回路パターンの厚さよりも小さい厚さを有する絶縁層を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】第1実施例に係る回路基板の断面図を示す図である。
図2】実施例に係る回路基板のバッファ層の配置関係を説明するための図である。
図3】実施例に係る回路基板のバッファ層の配置関係を説明するための図である。
図4】実施例に係る回路基板のバッファ層の配置関係を説明するための図である。
図5】実施例に係る回路基板のバッファ層の配置関係を説明するための図である。
図6】実施例に係る回路基板のバッファ層の簡略な構造式を示す図である。
図7】実施例に係る回路基板の絶縁層が含む第2物質の構造を示す図である。
図8】実施例に係る回路基板の絶縁層が含む第1物質および第2物質の配列構造を説明するための図である。
図9】第2実施例に係る回路基板の断面図を示す図である。
図10】第3実施例に係る回路基板の断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。但し、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間のその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使用することができる。
【0049】
また、本発明の実施例で使用される用語(技術および科学的用語を含む)は、明らかに特別に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者に一般的に理解される意味として解釈することができ、事前に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮して、その意味を解釈できるであろう。
【0050】
また、本発明の実施例で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形は、フレーズで特に言及しない限り、複数形も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」に記載される場合、A、B、Cに結合できるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0051】
また、本発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0052】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合のみならず、その構成要素とその他の構成要素との間にある別の構成要素によって「接続」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0053】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されることが記載される場合には、上(うえ)または下(した)は、二つの構成要素が互いに直接接触される場合のみならず、一つ以上の別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。
【0054】
また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの構成要素を基準に上方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0055】
以下、図面を参照して、実施例に係る回路基板を説明する。
【0056】
図1は、第1実施例に係る回路基板の断面図を示す図である。
【0057】
図1を参照すると、第一実施例に係る回路基板1000は、絶縁基板100と、第1パッド160と、第1上部金属層170と、第2パッド180と、第2上部金属層190と、第1保護層SR1と、第2保護層SR2と、ソルダペースト200と、電子部品300と、を含むことができる(ここで、第1上部金属層170、第2パッド180、第2上部金属層190は、図9および図10を参照する)。
【0058】
前記絶縁基板100は、平板構造を有することができる。前記絶縁基板100は、印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)であり得る。ここで、前記絶縁基板100は、単一基板に実現され得、これとは異なり、複数の絶縁層が連続的に積層された多層基板に実現され得る。
【0059】
これにより、前記絶縁基板100は、複数の絶縁部110,120,130を含むことができる。図1に示すように、複数の絶縁部は、第1絶縁部110と、前記第1絶縁部110の上部に配置された第2絶縁部120と、前記第1絶縁部110の下部に配置された第3絶縁部130と、を含む。
【0060】
このとき、前記第1絶縁部110、第2絶縁部120、および第3絶縁部130は、互いに異なる絶縁物質で構成され得る。好ましくは、前記第1絶縁部110は、ガラス繊維を含むことができる。そして、第2絶縁部120および第3絶縁部130は、前記第1絶縁部110とは異なり、前記ガラス繊維を含まないことがある。
【0061】
これにより、前記第1絶縁部110を構成する各絶縁層の厚さは、前記第2絶縁部120および第3絶縁部130を構成する各絶縁層の厚さと異なることがある。言い換えると、前記第1絶縁部110を構成する各絶縁層の厚さは、前記第2絶縁部120および第3絶縁部130を構成する各絶縁層の厚さよりも大きいことがある。
【0062】
即ち、前記第1絶縁部110にはガラス繊維が含まれている。前記ガラス繊維は、一般に12μm程度の厚さを有する。これにより、前記第1絶縁部110を構成する各絶縁層の厚さは、前記ガラス繊維の厚さを含んだ21μm±2μmの厚さを有することができる。具体的に、前記第1絶縁部110に含まれた各絶縁層の厚さは、19μm~23μmの範囲を有することができる。
【0063】
これとは異なり、前記第2絶縁部120には前記ガラス繊維が含まれていない。好ましくは、前記第2絶縁部120を構成する各絶縁層は、RCCで構成され得る。これにより、前記第2絶縁部120を構成する各絶縁層の厚さは、12μm±2μmを有することができる。即ち、前記第2絶縁部120を構成する各絶縁層の厚さは、10μm~14μmの範囲を有することができる。
【0064】
また、前記第3絶縁部130にはガラス繊維が含まれていない。好ましくは、前記第3絶縁部130を構成する各絶縁層は、RCCで構成され得る。これにより、前記第3絶縁部130を構成する各絶縁層の厚さは、12μm±2μmを有することができる。即ち、前記第3絶縁部130を構成する各絶縁層の厚さは、10μm~14μmの範囲を有することができる。
【0065】
即ち、比較例における回路基板を構成する絶縁部は、複数の絶縁層を含み、前記複数の絶縁層は、ガラス繊維を含むプリプレグ(PPG)で構成された。このとき、比較例における回路基板は、PPGを基準にガラス繊維の厚さを減らすことが難しい。これは、前記PPGの厚さが減少する場合、前記PPGに含まれたガラス繊維が、前記PPGの表面に配置された回路パターンと電気的に接続され得、これによるクラックリストが発生するためである。これにより、比較例における回路基板は、PPGの厚さを減少させる場合、これによる誘電体破壊および回路パターンの損傷が発生し得る。これにより、比較例における回路基板は、PPGを構成するガラス繊維の厚さのため、全体的な厚さを減少させるには限界があった。
【0066】
また、比較例における回路基板は、ガラス繊維を含んだPPGでのみの絶縁層で構成されるため、高い誘電率を有している。しかし、高い誘電率を有する誘電体の場合、高周波代用として接近することが難しいという問題がある。即ち、比較例における回路基板は、ガラス繊維の誘電率が高いため、高周波帯域で誘電率が破壊される現象が発生するようになる。
【0067】
これにより、実施例においては、低誘電率のRCCを用いて絶縁層を構成するようにして、これによる回路基板の厚さをスリムにしながら高周波帯域でも信号損失が最小化される信頼性の高い回路基板を提供することができる。これは、前記第2絶縁部120および第3絶縁部130を構成する各絶縁層内の物質の特性によって達成することができ、これについては以下でさらに詳細に説明するようにする。
【0068】
前記第1絶縁部110は、下部から第1絶縁層111と、第2絶縁層112と、第3絶縁層113と、第4絶縁層114と、を含むことができる。また、前記第1絶縁層111と、第2絶縁層112と、第3絶縁層113、および第4絶縁層114は、それぞれガラス繊維を含むPPGで構成され得る。
【0069】
また、前記第2絶縁部120は、下部から第5絶縁層121および第6絶縁層122を含むことができる。前記第2絶縁部120を構成する第5絶縁層121および第6絶縁層122は、低誘電率および低熱膨張係数のRCCで構成され得る。
【0070】
また、前記第3絶縁部130は、上部から第7絶縁層131および第8絶縁層132を含むことができる。前記第3絶縁部130を構成する第7絶縁層131および第8絶縁層132は、低誘電率および低熱膨張係数のRCCで構成され得る。
【0071】
一方、上記においては、前記第1絶縁部110が4層の絶縁層構造を有するものとして示したが、これに限定されず、前記第1絶縁部110を構成する絶縁層の数は、増加または減少できるであろう。
【0072】
また、上記においては、前記第2絶縁部120および第3絶縁部130がそれぞれ2層の絶縁層構造を有するものとして示したが、これに限定されず、前記第2絶縁部120および第3絶縁部130を構成する絶縁層の数は、増加できるであろう。
【0073】
上記のように、第1実施例における回路基板は、第1絶縁部110、第2絶縁部120、および第3絶縁部130を含み、前記第1絶縁部110は、ガラス繊維を含むPPGで構成され、前記第2絶縁部120および第3絶縁部130は、高周波用途に適用される回路基板に使用するために低い誘電率を有するRCCで構成され得る。また、前記第2絶縁部120および第3絶縁部130は、低い誘電率を有するとともに機械的/化学的安全性を確保して回路基板の信頼性を向上させることができる。
【0074】
このような前記第2絶縁部120および第3絶縁部130を構成する絶縁層に対する説明は、以下で詳細に説明する。
【0075】
一方、前記第1絶縁部110、第2絶縁部120、および第3絶縁部130のそれぞれを構成する絶縁層の表面には、回路パターン140が配置され得る。
【0076】
好ましくは、前記第1絶縁層111、第2絶縁層112、第3絶縁層113、第4絶縁層114、第5絶縁層121、第6絶縁層122、第7絶縁層131および第8絶縁層132のそれぞれの少なくとも一面には、回路パターン140が配置され得る。
【0077】
前記回路パターン140は、電気的信号を伝達する配線であって、電気伝導性の高い金属物質で形成され得る。このために、前記回路パターン140は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)および亜鉛(Zn)のうちから選択される少なくとも1つの金属物質で形成され得る。
【0078】
また、前記回路パターン140は、ボンディング力に優れた金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)のうちから選択される少なくとも1つの金属物質を含むペーストまたはソルダペーストで形成され得る。好ましくは、前記回路パターン140は、電気伝導性が高く、価格が比較的安価な銅(Cu)で形成され得る。
【0079】
また、前記回路パターン140の厚さは、12μm±2μmを有することができる。即ち、前記第3絶縁部130を構成する各絶縁層の厚さは、10μm~14μmの範囲を有することができる。
【0080】
前記回路パターン140は、通常の印刷回路基板の製造工程であるアディティブ工法(Additive process)、サブトレクティブ工法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、およびSAP(Semi Additive Process)工法などで可能であり、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0081】
一方、前記第1絶縁部110、第2絶縁部120、および第3絶縁部130を構成するそれぞれ絶縁層および/または前記回路パターン140の表面にはバッファ層400が配置され得る。詳しく、前記バッファ層400は、前記回路パターン140の上面、下面および側面のうち少なくとも1つの回路パターンの表面上にまたは前記回路パターンが配置される前記絶縁層の表面上に配置され得る。
【0082】
前記絶縁層または前記回路パターンに形成されるバッファ層については、以下で詳細に説明する。
【0083】
前記第1絶縁部110、第2絶縁部120、および第3絶縁部130を構成するそれぞれの複数の絶縁層のうち少なくとも1つには、少なくとも1つのビア150が形成される。前記ビア150は、前記複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層を貫通して配置される。前記ビア150は、前記複数の絶縁層のうちいずれか一つの絶縁層のみを貫通することができ、これとは異なり、前記複数の絶縁層のうち少なくとも2つの絶縁層を共通に貫通して形成されることもある。これにより、前記ビア150は、互いに異なる絶縁層の表面に配置されている回路パターンを相互電気的に連結する。
【0084】
前記ビア150は、前記複数の絶縁層のうち少なくとも1つの絶縁層を貫通する貫通孔(図示せず)の内部を伝導性物質で充填して形成することができる。
【0085】
前記貫通孔は、機械、レーザーおよび化学加工のいずれか一つの加工方式によって形成され得る。前記貫通孔が機械加工によって形成される場合には、ミーリング(Milling)、ドリル(Drill)およびルーティング(Routing)などの方式を使用することができ、レーザー加工によって形成される場合には、UVやCOレーザー方式を使用することができ、化学加工によって形成される場合には、アミノシラン、ケトン類などを含む薬品を用いて絶縁層を開放することができる。
【0086】
一方、前記レーザーによる加工は、光学エネルギーを表面に集中させて材料の一部を溶かして蒸発させて、所望の形状をとる切断方法であって、コンピュータプログラムによる複雑な形成も容易に加工することができ、他の方法では切断しにくい複合材料も加工することができる。
【0087】
また、前記レーザーによる加工は、切断直径が最小0.005mmまで可能であり、加工可能な厚さ範囲で広いという長所がある。
【0088】
前記レーザー加工ドリルとしては、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザーやCOレーザーや紫外線(UV)レーザーを用いることが好ましい。YAGレーザーは、銅箔層および絶縁層の両方とも加工できるレーザーであり、COレーザーは、絶縁層のみ加工できるレーザーである。
【0089】
前記貫通孔が形成されると、前記貫通孔の内部を伝導性物質で充填して前記ビア150を形成する。前記ビア150を形成する金属物質は、銅(Cu)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)とパラジウム(Pd)のうちから選択されるいずれか一つの物質であり得る。前記導電性物質の充填は、無電解メッキ、電解メッキ、スクリーン印刷(Screen Printing)、スパッタリング(Sputtering)、蒸発法(Evaporation)、インクジェットティングおよびディスフェンシングのいずれか一つ、またはこれらの組み合わせた方式を用いることができる。
【0090】
前記複数の絶縁層のうち最上部に配置された絶縁層(具体的に、第2絶縁部120を構成する第6絶縁層122)の上には、第1パッド160が配置され、前記複数の絶縁層のうち最下部に配置された絶縁層(具体的に、第3絶縁部130を構成する第8絶縁層132)の下には、第2パッド180が配置される。
【0091】
言い換えると、前記複数の絶縁層のうち、電子部品300が形成される最上部の絶縁層上には、第1パッド160が配置される。前記第1パッド160は、前記最上部の絶縁層上に複数で形成され得る。そして、前記第1パッド160の一部は、信号伝達のためのパターンの役割をし、他の部分は、電子部品300とワイヤなどを介して電気的に連結されるインナーリードの役割をすることができる。言い換えると、前記第1パッド160は、ワイヤボンディング用途のためのワイヤボンディングパッドを含むことができる。
【0092】
そして、前記複数の絶縁層のうち、外部基板(図示せず)が付着される最下部の絶縁層の下には、第2パッド180が配置される。前記第2パッド180も前記第1パッド160と同様に、一部は信号伝達のためのパターン役割をし、残りの一部は、前記外部基板を付着のために接着部材(図示せず)が配置されるアウターリードの役割をすることができる。言い換えると、前記第2パッド180は、ソルダリング用途のためのソルダリングパッドを含むことができる。
【0093】
そして、前記第1パッド160の上には、前記第1上部金属層170が配置され、前記第2パッド180の下には、第2上部金属層190が配置される。前記第1上部金属層170および前記第2上部金属層190は、互いに同じ物質で形成され、それぞれ前記第1パッド160および前記第2パッド180を保護しつつ、前記ワイヤボンディングまたは前記ソルダリング特性を向上させる。
【0094】
このために、前記第1上部金属層170および前記第2上部金属層190は、金(Au)を含む金属で形成される。好ましくは、前記第1上部金属層170および前記第2上部金属層190は、純粋な金(純度99%以上)のみを含むことができ、これとは異なり、金(Au)を含む合金で形成され得る。前記第1上部金属層170および前記第2上部金属層190が金を含む合金で形成される場合、前記合金をコバルトを含む金合金で形成され得る。
【0095】
前記複数の絶縁層のうち最上部に配置された絶縁層の上には、ソルダペースト200が配置される。前記ソルダペーストは、前記絶縁基板100に付着される電子部品300を固定させる接着剤である。これにより、ソルダペースト200を接着剤と称することもできるであろう。前記接着剤は、伝導性接着剤であり得、これとは異なり、非伝導性接着剤であり得る。即ち、前記回路基板100は、ワイヤボンディング方式で前記電子部品300が付着される基板であり得、これにより、前記接着剤の上には、前記電子部品300の端子(図示せず)が配置されないことがある。また、前記接着剤は、前記電子部品300と電気的に連結されないことがある。したがって、前記接着剤は、非伝導性接着剤を使用することができ、これとは異なり、伝導性接着剤を使用することができる。
【0096】
前記伝導性接着剤は、大きく異方性導電接着剤(anisotropic conduntive adhesive)と等方性導電接着剤(isotropic conduntive adhesive)に区分され、基本的にNi、Au/高分子、またはAgなどの伝導性粒子と、熱硬化性、熱可塑性、またはこの両方の特性を混合した混合型絶縁樹脂(blend type insulating resin)で構成される。
【0097】
また、非伝導性接着剤は、ポリマー接着剤であり得、好ましくは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、充填剤、硬化剤、および硬化促進剤を含む非伝導性ポリマー接着剤であり得る。
【0098】
また、前記最上部の絶縁層の上には、前記第1上部金属層170の表面を少なくとも一部露出する第1保護層SR1が配置される。前記第1保護層SR1は、前記最上部の絶縁層の表面を保護するために配置され、例えば、ソルダレジストであり得る。
【0099】
そして、前記第1上部金属層170には、ソルダペースト200が配置され、それにより前記第1パッド160と前記電子部品300は、電気的に連結され得る。
【0100】
ここで、前記電子部品300は、素子やチップのすべてを含むことができる。前記素子は、能動素子と受動素子に区分され得、前記能動素子は、非線形部分を積極的に利用した素子であり、前記受動素子は、線形特性と非線形特性の両方が存在しても、非線形特性は利用しない素子を意味する。そして、前記受動素子にはトランジスタ、IC、半導体チップなどが含まれ得、前記受動素子にはコンデンサ、抵抗、およびインダクタなどを含むことができる。前記受動素子は、能動素子である半導体チップの信号処理速度を高めたり、フィルタリング機能などを行うために、通常の半導体パッケージと一緒に基板上に実装される。
【0101】
結論として、前記電子部品300は、半導体チップ、発光ダイオードチップ、および他の駆動チップのすべてを含むことができる。
【0102】
そして、前記最上部の絶縁層の上には樹脂モールディング部を形成され得、それにより前記電子部品300、第1上部金属層170は、前記樹脂モールディング部によって保護され得る。
【0103】
一方、前記複数の絶縁層のうち最下部の絶縁層の下には、第2保護層SR2が配置される。前記第2保護層SR2は、前記第2上部金属層190の表面を露出する開口部を有する。前記第2保護層SR2をソルダレジストで形成することができる。
【0104】
先に説明したように。前記絶縁層または前記回路パターン140の少なくとも1つの表面にはバッファ層が配置され得る。
【0105】
詳しく、バッファ層400は、絶縁層と回路パターン140とが重なる領域で絶縁層と回路パターン140との間に配置される。
【0106】
前記バッファ層400は、前記絶縁層の表面に処理される表面処理層であり得る。前記バッファ層400は、前記回路パターン140の表面に処理される表面処理層であり得る。
【0107】
前記バッファ層400は、前記絶縁層と前記回路パターンとの間に配置される中間層であり得る。前記バッファ層400は、前記絶縁層と前記回路パターンとの間に配置されるコーティング層であり得る。前記バッファ層400は、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着力を向上させる機能層、即ち密着力強化層であり得る。
【0108】
図2ないし図5は、前記バッファ層400の位置および配置関係を説明するための図である。以下においては、複数の絶縁部のうち、第1絶縁部110を構成する絶縁層に配置されるバッファ層400の位置および配置関係について説明する。ただし、第2絶縁部120および第3絶縁部130を構成する絶縁層にも以下で説明する位置および配置関係に対応するようにバッファ層400が配置できるであろう。
【0109】
図2を参照すると、前記バッファ層400は、前記回路パターンの表面上に配置され得る。例えば、前記バッファ層400は、前記回路パターンの上部面および下部面に配置され得る。即ち、前記バッファ層400は、前記回路パターンの表面のうち前記絶縁層と接触するまたは対向する表面上に配置され得る。
【0110】
また、図3を参照すると、前記バッファ層400は、前記回路パターンの表面上に配置され得る。例えば、前記バッファ層400は、前記回路パターンの上部面、下部面、および両側面に配置され得る。即ち、前記バッファ層400は、前記回路パターンの全表面を囲んで配置され得る。
【0111】
また、図4を参照すると、前記バッファ層400は、前記絶縁層の表面上に配置され得る。例えば、前記バッファ層400は、前記絶縁層の上部面および下部面に配置され得る。即ち、前記バッファ層400は、前記絶縁層の表面のうち前記回路パターン140と接触するまたは対向する表面上に配置され得る。即ち、前記バッファ層400は、前記回路パターン140が配置される前記絶縁層の前面上に配置され得る。
【0112】
また、図5を参照すると、前記バッファ層400は、前記絶縁層の表面上に配置され得る。例えば、前記バッファ層400は、前記絶縁層の上部面、下部面に配置され得る。即ち、前記バッファ層400は、前記絶縁層の表面のうち前記回路パターン140と接触するまたは対向する表面上に配置され得る。即ち、前記バッファ層400は、前記回路パターン140が配置される前記絶縁層の面で前記回路パターン140が配置される領域にのみ配置され得る。
【0113】
即ち、前記バッファ層400は、前記絶縁層と回路パターン140との間に配置される。詳しく、前記バッファ層400は、前記絶縁層と前記回路パターン140との間に配置され、前記バッファ層400は、前記絶縁層の一面および前記回路パターン140の一面と結合され得る。即ち、前記バッファ層の末端基と前記絶縁層の末端基、前記バッファ層の末端基と前記回路パターンの末端基が化学的に結合され得る。
【0114】
前記バッファ層400は、一定の厚さに形成され得る。詳しく、前記バッファ層400は、薄膜に形成され得る。詳しく、前記バッファ層400は、500nm以下の厚さに形成され得る。より詳しく、前記バッファ層400は、5nm~500nmの厚さに形成され得る。
【0115】
前記バッファ層400の厚さを5nm以下に形成する場合、バッファ層の厚さが薄すぎて絶縁層と回路パターンとの接着力を十分に確保できず、前記バッファ層の厚さを500nmを超えて形成する場合、厚さによる接着力の向上効果が少なく、回路基板の全体的な厚さが増加することがあり、絶縁層の誘電率が増加して、高周波用途における回路基板の伝送損失を増加することがある。
【0116】
前記バッファ層400は、複数の元素を含むことができる。前記バッファ層400に含まれる複数の元素は、バッファ層内で互いに結合して分子状に含まれるか、またはイオン状に含まれ、前記分子、前記分子および前記イオンは、互いに化学的に結合してバッファ層を形成することができる。
【0117】
前記バッファ層400は、炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素および金属元素のうち少なくとも1つの元素を含むことができる。詳しく、前記バッファ層400の炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素および金属元素のすべてを含むことができる。
【0118】
前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素および金属元素は、それぞれバッファ層内で互いに結合して分子状に存在するか、または単独のイオン状に存在し得る。
【0119】
前記複数の元素のうち、前記酸素元素、前記炭素元素、前記窒素元素は、前記絶縁層と結合する前記バッファ層の官能基と関連され得る。即ち、前記酸素元素、前記炭素元素、前記窒素原子などを含む分子によって形成される官能基は、前記絶縁層と化学的に結合することができる。
【0120】
また、前記複数の元素のうち、前記炭素元素、前記窒素元素、前記ケイ素元素、前記硫黄元素は、前記回路パターンと結合する前記バッファ層の官能基に関連され得る。即ち、前記炭素元素、前記窒素元素、前記ケイ素元素、前記硫黄元素などを含む分子によって形成される官能基が前記回路パターンと化学的に結合することができる。
【0121】
また、前記金属元素は、前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素によって形成される分子を互いに結合させることができる。即ち、前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素によって形成される分子は、前記金属元素を通じて化学的に結合してバッファ層を形成することができる。即ち、前記金属元素は、前記分子の間に配置されて、前記分子を化学的に結合させる媒体役割をすることができる。
【0122】
このために、前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素および金属元素は、一定の質量比で含まれ得る。詳しく、複数の元素のうち、前記金属元素は、他の元素より最も多く含むことができ、前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素は、前記金属元素を基準としてそれぞれ一定の質量比で含まれ得る。
【0123】
詳しく、金属元素に対する炭素元素の比((炭素元素/銅元素)*100)は、5~7であり得る。
【0124】
また、前記金属元素に対する窒素元素の比((窒素元素/銅元素)*100)は、1.5~7であり得る。
【0125】
また、前記金属元素に対する酸素元素の比((酸素元素/銅元素)*100)は、1.1~1.9であり得る。
【0126】
また、前記金属元素に対するケイ素元素の比((ケイ素元素/銅元素)*100)は、0.5~0.9であり得る。
【0127】
また、前記金属元素に対する硫黄元素の比((硫黄元素/銅元素)*100)は、0.5~1.5であり得る。
【0128】
前記金属元素に対する前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素の比は、前記絶縁層または前記回路基板の結合力と関係され得る。
【0129】
詳しく、前記金属元素に対する炭素元素の比((炭素元素/銅元素)*100)が5~7の範囲を外れる場合、前記バッファ層と前記回路基板または前記バッファ層と前記絶縁層との結合力が弱くなることがある。
【0130】
また、前記金属元素に対する窒素元素の比((窒素元素/銅元素)*100)が1.5~7の範囲を外れる場合、前記バッファ層と前記回路基板または前記バッファ層と前記絶縁層との結合力が弱くなることがある。
【0131】
また、前記金属元素に対する酸素元素の比((酸素元素/銅元素)*100)が1.1~1.9の範囲を外れると、前記バッファ層と前記絶縁層との結合力が弱くなることがある。
【0132】
また、前記金属元素に対するケイ素元素の比((ケイ素元素/銅元素)*100)が0.5~0.9の範囲を外れると、前記バッファ層と前記回路基板との結合力が弱くなることがある。
【0133】
また、前記金属元素に対する硫黄元素の比((硫黄元素/銅元素)*100)が0.5~1.5の範囲を外れると、前記バッファ層と前記回路基板との結合力が弱くなることがある。
【0134】
一方、前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素および金属元素は、前記バッファ層内に分子またはイオンの状に存在し、分子およびイオンは互いに結合して連結され得る。
【0135】
詳しく、前記バッファ層400は、前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素および金属元素によって形成される分子および金属イオンを含むことができる。前記バッファ層400に含まれる分子は、分子の大きさまたは分子量の大きさに応じて少なくとも2種類の分子を含むことができる。詳しく、前記分子は、マクロ分子(Macromolecule)および単分子(Unimolecular)を含むことができる。
【0136】
前記マクロ分子、前記単分子、および前記金属イオンは、前記バッファ層内で互いに結合して連結される構造に形成され得る。
【0137】
詳しく、前記マクロ分子、前記単分子、および前記金属イオンは、前記バッファ層内で共有結合および配位結合によって化学的に結合して互いに連結される構造に形成され得る。
【0138】
前記金属イオンは、前記マクロ分子、前記単分子、または前記マクロ分子と前記単分子とを互いに連結することができる。詳しく、前記マクロ分子、前記単分子、または前記マクロ分子と前記単分子は、前記金属イオンと配位結合し、これにより、前記マクロ分子、前記単分子または前記マクロ分子と前記単分子は、化学的に結合することができる。
【0139】
前記金属イオンは、前記回路パターンと同じ物質を含むことができる。あるいは、前記金属イオンは、前記回路パターンとは異なる物質を含むことができる。例えば、前記回路パターンが銅を含む場合、前記金属イオンは、銅を含むか、または銅以外の他の金属を含むことができる。
【0140】
詳しく、前記金属イオンは、前記回路パターンによって形成され得る。詳しく、別の酸化剤を用いて金属を含む前記回路パターンをイオン化して、金属イオンが形成され得る。これにより、イオン化した金属イオンが前記バッファ層内で前記マクロ分子および前記単分子と配位結合して、分子を互いに連結することによりバッファ層を構成することができる。
【0141】
あるいは、前記バッファ層形成時に別の金属イオンを添加し、前記金属イオンは、前記バッファ層内で前記マクロ分子および前記単分子と配位結合して分子を互いに連結することによりバッファ層を構成することができる。このとき、別に添加される金属イオンは、前記回路パターンの金属と同一であるかまたは異なることがある。
【0142】
前記マクロ分子および前記単分子は、前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0143】
即ち、前記マクロ分子および前記単分子は、前記炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素のうち少なくとも一つを含む分子であり得る。
【0144】
詳しく、前記マクロ分子は、前記炭素元素、前記窒素元素を含む分子を含むことができる。詳しく、前記マクロ分子は、前記炭素元素、前記窒素元素を含むアゾール基を含むことができる。
【0145】
また、前記マクロ分子は、前記ケイ素元素を含む分子を含むことができる。詳しく、前記マクロ分子は、前記ケイ素元素を含むシラン基を含むことができる。
【0146】
また、前記単分子は、前記炭素元素、前記窒素元素および前記硫黄元素を含むことができる。即ち、前記単分子は、前記炭素元素、前記窒素元素および前記硫黄元素を含む分子であり得る。例えば、前記単分子は、チオシアネート基(-SCN)が連結されるSCN基を含むことができる。
【0147】
図3を参照すると、前記バッファ層400は、複数の官能基を含むことができる。詳しく、前記バッファ層400は、前記絶縁層と化学的に結合する第1官能基と、前記回路パターン140と化学的に結合する第2官能基とを含むことができる。
【0148】
即ち、前記マクロ分子および前記単分子は、前記絶縁層および前記回路パターンと化学的に結合する複数の末端基、即ち、官能基を含むことができる。このような官能基により、前記絶縁層と前記回路パターンは、前記バッファ層によって化学的にしっかりと結合されて、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着力が向上することができる。
【0149】
前記第1官能基および前記第2官能基は、前記マクロ分子、前記単原子、または前記金属原子のうち1つと連結されるバッファ層の末端基として定義され得る。
【0150】
前記第1官能基は、前記絶縁層と共有結合によって結合することができる。前記第1官能基は、前記絶縁層と共有結合する官能基を含むことができる。詳しく、前記第1官能基は、ヒドロキシ基(-OH)およびアゾール基のN基を含むことができる。
【0151】
また、前記第2官能基は、前記回路パターン140と配位結合によって結合することができる。前記第2官能基は、前記回路パターン140と配位結合される官能基を含むことができる。詳しく、前記第2官能基は、シラン基のSi基およびチオシアネート基(-SCN)を含むことができる。
【0152】
前記バッファ層に含まれる第1官能基および第2官能基は、それぞれ前記絶縁層および前記回路パターンと化学的に結合することができる。これにより、前記絶縁層と前記回路パターンとの間に配置される前記バッファ層により、異種物質である絶縁層と回路パターンとの密着力を向上させることができる。
【0153】
一方、前述したように、前記第2絶縁部120および第3絶縁部130を構成する前記絶縁層は、低い誘電率とどもに機械的・化学的信頼性を確保できる物質を含むことができる。
【0154】
詳しく、前記絶縁層121、122、131、132は、3.0以下の誘電率Dkを有することができる。より詳しく、前記絶縁層121、122、131、132は、2.03~2.7の誘電率を有することができる。したがって、前記絶縁層は、低い誘電率を有することができるので、絶縁層を高周波用途の回路基板に適用するとき、絶縁層の誘電率の大きさに応じた伝送損失を減少させることができる。
【0155】
また、前記絶縁層121、122、131、132は、50ppm/℃以下の熱膨張係数を有することができる。より詳しく、前記絶縁層121、122、131、132は、15ppm/℃~50ppm/℃の熱膨張係数を有することができる。
【0156】
これにより、前記絶縁層121、122、131、132は、低い熱膨張係数を有することができるので、温度変化による絶縁層のクラックを最小限に抑えることができる。
【0157】
このために、前記絶縁層121、122、131、132は、2つの物質で形成され得る。詳しく、前記絶縁層121、122、131、132は、2つの化合物が混在した物質を含むことができる。詳しく、前記絶縁層121、122、131、132は、第1化合物と第2化合物とを含むことができる。
【0158】
前記第1物質と前記第2物質は、一定の割合の範囲で含まれ得る。詳しく、前記第1物質と前記第2物質は、4:6~6:4の割合で含まれ得る。
【0159】
また、前記絶縁層121、122、131、132は、さらに無機粒子をさらに含むことができる。詳しく、前記絶縁層121、122、131、132は、二酸化ケイ素(SiO2)などの無機粒子をさらに含むことができる。前記無機粒子は、前記絶縁層121、122、131、132全体に対して約55重量%~70重量%だけ含まれ得る。
【0160】
前記無機粒子の割合が前記範囲を外れる場合、前記無機粒子によって熱膨張係数または誘電率の大きさが増加して、絶縁層の特性が低下することがある。
【0161】
また、前記第1物質と前記第2物質は、前記絶縁層121、122、131、132内で互いに化学的に非結合し得る。しかし、実施例はこれに限定されず、前記第1化合物を含む第1物質と前記第2化合物を含む第2物質は、直接または別の連結基によって化学的に結合することができる。
【0162】
前記第1物質は、絶縁特性を有する物質を含むことができる。また、前記第1物質は、高い衝撃強度を有して、改善された機械的特性を有することができる。詳しく、前記第1物質は、樹脂物質を含むことができる。例えば、前記第1物質は、ポリフェニルエーテル(Polyphenyl Ether, PPE)を含む第1化合物を含むことができる。
【0163】
前記第1物質は、前記第1化合物を複数含むことができ、前記第1化合物は、互いに化学的に結合して形成され得る。詳しく、前記第1化合物は、共有結合、即ちパイファイ結合(π-π)によって互いに線形的に連結され得る。
【0164】
即ち、前記第1化合物は、前記第1物質の分子量が約300~500の分子量を有するように互いに化学的に結合して形成され得る。
【0165】
また、前記第2物質は、第2化合物を含むことができる。詳しく、前記第2物質は、複数の第2化合物が互いに化学的に結合して形成され得る。
【0166】
前記第2化合物は、低い誘電率および熱膨張係数を有する物質を含むことができる。さらに、前記第2化合物は、向上した機械的強度を有する物質を含むことができる。
【0167】
前記第2化合物は、トリシクロデカン(tricyclodecane)および前記トリシクロデカンと連結される末端基を含むことができる。前記トリシクロデカンと連結される末端基は、前記第2化合物が互いに炭素二重結合(C=C結合)で連結され得る多様な物質を含むことができる。詳しく、前記トリシクロデカンと連結される末端基は、アクリレート基、エポキシド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基を含むことができる。
【0168】
前記第2化合物は、前記トリシクロデカンに連結された末端基同士が互いに連結され得る。詳しく、前記第2化合物は、前記末端基同士の炭素二重結合(C=Cボンディング)によりクロスリンキング(cross-linked)されてネットワーク構造を形成することができる。
【0169】
詳しく、図7を参照すると、前記第2化合物は、クロスリンキングされてネットワーク構造を形成して連結され得る。即ち、前記第2化合物は、複数のネットワーク構造を有する結合の集合体であり得る。
【0170】
これにより、前記第2化合物によって形成される前記第2物質は、物質特性により低い誘電率および熱膨張係数を有しながら、ネットワーク構造によって向上した機械的強度を有することができる。
【0171】
図8は、前記絶縁層を構成する前記第1物質と前記第2物質の配列を説明するための図である。
【0172】
前記第1物質と前記第2物質は、前記絶縁層内で1つの単一相に形成され得る。図8を参照すると、前記第1化合物の共有結合によって連結される前記第1物質は、互いにクロスリンクされてネットワーク構造を形成する第2化合物によって形成される第2物質の内部に配置され得る。
【0173】
詳しく、前記第1化合物は、前記第2化合物が化学的に結合して形成される前記第2物質のネットワーク構造の内部に配置されて、前記第1物質と前記第2物質が分離されることを防止することができる。
【0174】
即ち、前記絶縁層は、前記第1物質と前記第2物質は、絶縁層内で相分離されて配置されず、一つの単一相構造に形成され得る。これにより、前記第1物質と前記第2物質の物質特性により、低い誘電率および低い熱膨張係数を有しながら、単一相に形成され得るので、高い機械的強度を有することができる。
【0175】
一方、第1実施例においては、第1絶縁部110は、ガラス繊維を含むPPGで絶縁層が構成されており、第2絶縁部120および第3絶縁部130は、上述したように低誘電率および低熱膨張係数を有するRCCで構成された。
【0176】
これとは異なり、回路基板は、上述したような低誘電率および低熱膨張係数を有するRCCでのみ構成され得る。
【0177】
図9は、第2実施例に係る回路基板の断面図を示す図である。
【0178】
図9を参照すると、回路基板1000Aは、絶縁基板100Aと、第1パッド160と、第1上部金属層170と、第2パッド180と、第2上部金属層190と、第1保護層SR1と、第2保護層SR2と、ソルダペースト200と、電子部品300と、を含むことができる。
【0179】
前記絶縁基板100Aは、複数の絶縁層を含む絶縁部110Aで構成され得る。
【0180】
即ち、前記絶縁部110Aは、下部から第1ないし第8絶縁層111a、112a、113a、114a、115a、116a、117a、118a、119aを含むことができる。ただし、実施例においては、前記絶縁部110Aが8層構造で構成されるものと示したが、これに限定されず、絶縁層の数は、増加または減少し得るであろう。
【0181】
言い換えると、第1実施例の絶縁部は、PPGの第1絶縁部、RCCの第2絶縁部および第3絶縁部で構成された。
【0182】
これとは異なり、第2実施例における絶縁部は、RCCでのみ構成され得る。
【0183】
このとき、第2実施例における絶縁部110Aは、上述したように、低誘電率および低熱膨張係数を有しており、これにより、第1実施例と同様のPPGがなくても剛性が確保でき、これによりRCCでのみ構成されても回路基板の剛性に対する信頼性に影響を与えない。
【0184】
図10は、第3実施例に係る回路基板の断面図を示す図である。
【0185】
図10を参照すると、回路基板1000Bは、絶縁基板100Bと、第1パッド160と、第1上部金属層170と、第2パッド180と、第2上部金属層190と、第1保護層SR1と、第2保護層SR2と、ソルダペースト200と、電子部品300と、を含むことができる。
【0186】
前記絶縁基板100Bは、複数の絶縁層を含む絶縁部110Bで構成され得る。
【0187】
即ち、前記絶縁部110Bは、下部から第1ないし第8絶縁層111b、112b、113b、114b、115b、116b、117b、118b、119bを含むことができる。ただし、実施例においては、前記絶縁部110Bが8層構造で構成されるものと示したが、これに限定されず、絶縁層の数は、増加または減少し得るであろう。
【0188】
言い換えると、前記第1実施例の絶縁部は、PPGの第1絶縁部、RCCの第2絶縁部および第3絶縁部で構成された。
【0189】
これとは異なり、第3実施例の絶縁部は、RCCでのみ構成され得る。
【0190】
このとき、第3実施例における前記絶縁部110Bは、上述したように、低誘電率および低熱膨張係数を有しており、これにより、第1実施例と同様のPPGがなくても剛性が確保でき、これによりRCCでのみ構成されても回路基板の剛性に対する信頼性に影響を与えない。
【0191】
ここで、実施例における回路パターンは、低粗さを有し、絶縁部110Bを構成する絶縁層は、低誘電率および低熱膨張係数を有する。
【0192】
これにより、第3実施例における絶縁部110Bを構成する第1ないし第8絶縁層111b、112b、113b、114b、115b、116b、117b、118b、119bのそれぞれの厚さH2は、前記回路パターン140の厚さH1よりも小さいことがある。
【0193】
例えば、前記回路パターン140の厚さH2は、12μm±2μmを有することができる。即ち、前記第3絶縁部130を構成する各絶縁層の厚さは、10μm~14μmの範囲を有することができる。
【0194】
また、前記絶縁部110Bを構成する第1~第8絶縁層111b、112b、113b、114b、115b、116b、117b、118b、119bのそれぞれの厚さH2は、8μm±2μmを有することができる。即ち、前記第3絶縁部130を構成する各絶縁層の厚さは、6μm~10μmの範囲を有することができる。
【0195】
これにより、前記絶縁部110Bを構成する第1~第8絶縁層111b、112b、113b、114b、115b、116b、117b、118b、119b内に配置されるビア150の厚さも前記回路パターン140の厚さよりも小さいことがある。
【0196】
一方、前記第1実施例における第2絶縁部120および第3の絶縁部130を構成する絶縁層も、前記第3実施例のような絶縁層で構成され、これにより、第1実施例における第2絶縁部120および第3絶縁部130を構成するそれぞれの絶縁層の厚さは、前記回路パターンの厚さよりも小さいことがある。
【0197】
以下、前記の第2および第3実施例のような絶縁部110A、110Bを構成できる実施例および比較例による誘電率測定を通じて本発明をより詳細に説明する。このような実施例は、本発明をより詳細に説明するために例示として提示したものにすぎない。したがって、本発明は、このような実施例に限定されない。
【0198】
実施例1
【0199】
絶縁層上に銅層を形成した。このとき、前記回路層の表面のうち前記絶縁層と接触する面上に炭素元素、窒素元素、酸素元素、ケイ素元素、硫黄元素および金属元素を含むコーティング層をコーティングした後、銅層と絶縁層とを接着した。
【0200】
次いで、前記銅層をパターニングして回路パターンを形成して回路基板を製造した。
【0201】
このとき、前記バッファ層は、ヒドロキシ基(-OH)とアゾール基のN基を含む第1官能基と、シラン基のSi基およびチオシアネート基(-SCN)を含む第2官能基とを含んでいた。
【0202】
次いで、前記回路パターンの粗さの大きさによる接着力および信頼性評価を行った。
【0203】
比較例1
【0204】
銅層にコーティング層を形成せず、前記絶縁層上に直接銅層を接着して銅層を形成し、銅層をパターニングして回路パターンを形成した点を除いては実施例と同様に回路パターンを形成した後、前記回路パターンの粗さの大きさによる接着力および信頼性評価を行った。
【0205】
接着力・信頼性測定方法
【0206】
実施例および比較例に係る回路パターンの接着力評価は、UTM装置を用いてUTM90°Peel値を測定した。
【0207】
また、信頼性評価は、回路パターンのpeel strength(kgf/cm)が0.6未満の場合、NGと評価した。
【0208】
【表1】
【0209】
【表2】
【0210】
表1および表2を参照すると、実施例1に係る回路基板は、比較例1に係る回路基板と比べて向上した信頼性を有することが分かる。詳しく、実施例1に係る回路基板は、絶縁層上のコーティング層このコーティングされた回路パターンを形成する。これにより、コーティング層が絶縁層と回路パターンに化学的にしっかりと結合するにより、回路パターンのピール値(peel strength)を増加させて、回路パターンの接着力および回路基板の信頼性を向上させることができることが分かる。実施例1に係る回路基板は、回路パターンの粗さが減少しても回路基板の信頼性を確保できる接着力を有し得ることが分かる。詳しく、実施例1に係る回路基板は、回路パターンの表面粗さが0.5以下または0.1~0.5の範囲でも回路基板の信頼性を確保できる接着力を有し得ることが分かる。
【0211】
即ち、実施例1に係る回路基板は、高周波用途に適用するとき、回路パターンの粗さを減少させて、表皮効果(skin effect)による伝送損失を減少させることがあり、低い表面粗さを有してもコーティング層により回路パターンの接着力を向上させて、回路パターンの信頼性を確保することができる。
【0212】
一方、比較例1に係る回路基板の場合、絶縁層上に直接回路パターンが形成される。したがって、絶縁層と回路パターンが異種物質で形成されることによって、回路パターンの接着力、即ち、ピール値(peel strength)が非常に低いことが分かる。
【0213】
即ち、比較例1に係る回路基板は、回路パターンの表面粗さを増加させなければ信頼性を確保できず、回路パターンが低い表面粗さを有する場合、回路基板の信頼性が低下することが分かる。
【0214】
したがって、比較例1に係る回路基板は、高周波用途に適用するとき、回路パターンの表面粗さによって表皮効果(skin effect)による伝送損失が増加することが分かる。
【0215】
実施例2
【0216】
絶縁層上に銅層を形成した。
【0217】
次いで、前記銅層をパターニングして回路パターンを形成して回路基板を製造した。
【0218】
このとき、前記絶縁層はポリフェニルエーテル(Polyphenil Eter,PPE)およびトリシクロデカン(tricyclodecane)にアクリレートが連結されたトリシクロデカンベースのジアクリレート(Tricyclodecane based di-acrylete)をトルエン溶媒に入れた後、約100℃の温度で混合を進行した後、Azo化合物開始剤と過酸化物開始剤を入れて形成した。
【0219】
次いで、周波数の大きさを変えて、前記ポリフェニルエーテル(A)とトリシクロデカンベースのジアクリレート(Tricyclodecane based di-acrylete)(B)の重量比による絶縁層の誘電率、信頼性、熱膨張係数を測定した。
【0220】
【表3】
【0221】
【表4】
【0222】
【表5】
【0223】
表3ないし表5を参照すると、実施例に係る絶縁層は、ポリフェニルエーテル(A)とトリシクロデカンベースのジアクリレート(Tricyclodecane based di-acrylete)(B)が4:6~6:4の比を満たすとき、低い誘電率と熱膨張係数を有するとともに向上した機械的強度により向上した信頼性を有することが分かる。一方、前記絶縁層がポリフェニルエーテル(A)とトリシクロデカンベースのジアクリレート(Tricyclodecane based di-acrylete)(B)の比を満たさない場合、機械的強度が低下して絶縁層にクラックが発生することがあり、誘電率が増加して、高周波用回路基板の絶縁層として使用するのに不適合であることが分かる。
【0224】
実施例に係る回路基板は、絶縁層と回路パターンとの間に配置されるバッファ層を含むことができる。
【0225】
即ち、実施例に係る回路基板は、回路パターンの表面にバッファ層を形成するか、絶縁層上にバッファ層を形成することができる。
【0226】
前記バッファ層は、前記絶縁層と前記回路パターンとの間に配置され、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着力を向上させることができる。
【0227】
即ち、前記絶縁層と前記回路パターンは、それぞれ樹脂物質および金属とを含む異種物質であって、前記絶縁層上に前記回路パターンを形成するとき、接着力が低下するという問題点がある。
【0228】
したがって、前記絶縁層と前記回路パターンとの間に、前記絶縁層と前記回路パターンとそれぞれ化学的に結合するバッファ層を配置して、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着力を向上させることができる。
【0229】
即ち、前記バッファ層は、前記絶縁層と前記回路パターンと結合する複数の官能基を含み、前記官能基が前記絶縁層および前記回路パターンと共有結合又は配位結合により化学的に結合することにより、前記絶縁層と前記回路パターンの密着力を向上させることができる。
【0230】
これにより、前記絶縁層の表面粗さを減少させても、前記絶縁層と前記回路パターンとの密着信頼性を確保することができる。
【0231】
したがって、実施例に係る回路基板を高周波用途に使用する場合でも、回路パターンの表面粗さを低く保って、高周波信号の伝送損失を減少させることができ、回路パターンの表面粗さを低く保っても、バッファ層により絶縁層と回路パターンとの密着力を確保できるので、回路パターンの全体的な信頼性を確保することができる。
【0232】
また、実施例に係る回路基板は、低い誘電率および熱膨張係数を有し、向上した強度を有する絶縁層を含むことができる。
【0233】
詳しく、前記絶縁層は、低い誘電率および向上した強度を有する第1物質と第2物質とを含み、前記絶縁層内で、前記第1物質が前記第2物質のネットワーク構造の内部に配置されるように形成することによって、前記第1物質と前記第2物質との相分離を防止することができる。したがって、前記絶縁層は、前記第1物質と前記第2物質とを単一相に形成することができるので、絶縁層の強度を向上させることができる。
【0234】
即ち、クロスリンキングによりネットワーク構造を有する前記第2物質のプレボリューム、即ち、分子運動(mole motion)を増加させて、ネットワーク構造を有する高分子鎖が近く配置されないように構造化することができ、ネットワーク構造の内部には、前記第1物質が部分的に配置されることによって、前記第1物質と前記第2物質を絶縁層の内部で単一相に形成させることができる。
【0235】
したがって、実施例に係る回路基板を高周波用途に使用する場合でも、絶縁層の誘電率を減少させて、高周波信号の伝送損失を減少させることができ、絶縁層の熱膨張係数および機械的強度を向上させて、回路基板の全体的な信頼性を確保することができる。
【0236】
また、実施例に係る回路基板は、低い誘電率および低い熱窓係数を有する絶縁層を含むので、既存のガラス繊維を含む絶縁層をに代替することができる。具体的に、実施例に係る回路基板は、絶縁層内に含まれたガラス繊維を除去することができる。具体的に、実施例に係る回路基板は、RCC(Resin coated copper)を構成するレジンとフィラーを用いて絶縁層の誘電率および熱膨張係数を容易に調整可能であり、これにより既存のガラス繊維を含まないRCCで絶縁層を構成することにより、印刷回路基板の全体的な厚さを減少させることができる。さらに、実施例に係る回路基板は、低い熱膨張係数を有する絶縁層で構成されるので、強度を確保するためのコア層を除去できるだけでなく、絶縁層の厚さを減らすことができ、これによって回路パターンの厚さよりも小さい厚さを有する絶縁層を提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上面に配置された第1回路パターンと、
前記第1絶縁層の下面に配置された第2回路パターンと、
前記第1絶縁層および前記第1回路パターンの上面に配置された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上面に配置された第3回路パターンと、
前記第1絶縁層および前記第2回路パターンの下面に配置された第3絶縁層と、
前記第3絶縁層の下面に配置された第4回路パターンと、を含み、
前記第1絶縁層は、ガラス繊維を含むプリプレグを含み、
前記第2および前記第3絶縁層は、RCCを含む、回路基板。
【請求項2】
第1絶縁層は、第2絶縁層と第3絶縁層との間に複数の層で構成され、
第1回路パターンは、複数の層で構成された第1絶縁層の上面にそれぞれ配置され、
前記第2回路パターンは、前記複数の層で構成された第1絶縁層の下面にそれぞれ配置される、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層および前記第1回路パターンの上面に複数の層で構成され、
前記第3回路パターンは、複数の層で構成された第2絶縁層の上面にそれぞれ配置される、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第3絶縁層は、前記第1絶縁層および前記第2回路パターンの下面に複数の層で構成され、
前記第4回路パターンは、前記複数の層で構成された第3絶縁層の下面にそれぞれ配置される、請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第1絶縁層の厚さは、
前記第2および第3絶縁層のそれぞれの厚さよりも大きい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第1絶縁層の厚さは、前記第1および第2回路パターンの厚さよりも大きく、
前記第2絶縁層の厚さは、前記第3回路パターンの厚さよりも小さく、
前記第3絶縁層の厚さは、前記第4回路パターンの厚さよりも小さい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第2絶縁層の厚さは、前記第1、第2および第4回路パターンの厚さよりも小さい、請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第3絶縁層の厚さは、前記第1ないし第3回路パターンの厚さよりも小さい、請求項6に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1絶縁層を貫通する第1ビアと、
前記第2絶縁層を貫通する第2ビアと、
前記第3絶縁層を貫通する第3ビアと、を含み、
前記第1厚さは、前記第1回路パターンの厚さよりも大きく、
前記第2ビアの厚さは、前記第3回路パターンの厚さよりも小さく、
前記第3ビアの厚さは、前記第4回路パターンの厚さよりも小さい、請求項に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第2ビアの厚さは、前記第1、第2および第4回路パターンの厚さよりも小さい、請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第3ビアの厚さは、前記第1ないし第3回路パターンの厚さよりも小さい、請求項9に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第2および第3絶縁層は、ポリフェニルエーテル〈Polyphenyl Ether、PPE〉を含む第1化合物、トリシクロデカン(tricyclodecane)および前記トリシクロデカンと連結される末端基を含む第2化合物を含み、
前記第1化合物と前記第2化合物の重量比は、4:6~6:4である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項13】
前記末端基は、アクリレート基、エポキシド基、カルボキシル基およびヒドロキシル基、イソシアネート基のうち少なくとも一つを含む、請求項12に記載の回路基板。
【請求項14】
前記第1化合物および前記第2化合物は、化学的に非結合する、請求項12に記載の回路基板。
【請求項15】
前記第2および第3絶縁層それぞれの熱膨張係数および誘電率は、前記第1絶縁層の熱膨張係数および誘電率よりも小さい、請求項1に記載の回路基板。
【請求項16】
前記第2および第3絶縁層それぞれの誘電率は、2.03~2.7である、請求項15に記載の回路基板。
【請求項17】
複数の絶縁層を含む絶縁部と、
前記複数の絶縁層の表面にそれぞれ配置された回路パターンと、
前記複数の絶縁層内に配置され、互いに異なる層に配置された回路パターンを連結するビアと、を含み、
前記複数の絶縁層のそれぞれは、RCC(resin coated copper)で構成され、
前記複数の絶縁層のそれぞれの誘電率は、2.03~2.7である、回路基板。
【請求項18】
前記複数の絶縁層それぞれの厚さは、前記回路パターンの厚さよりも小さく、
前記ビアの厚さは、前記回路パターンの厚さよりも小さい、請求項17に記載の回路基板。
【請求項19】
前記複数の絶縁層それぞれは、第1物質および第2物質を含み、
前記第1物質は、互いに化学的に結合する第1化合物を含み、
前記第2物質は、互いに化学的に結合する第2化合物を含み、
それぞれの第1化合物は、ポリフェニルエーテル(Polyphenyl Ether、PPE)を含み、
それぞれの第2化合物は、トリシクロデカン(tricyclodecane)および前記トリシクロデカンと連結される末端基を含む、請求項17に記載の回路基板。
【請求項20】
前記第2化合物は、前記末端基を介して互いに結合し、
前記末端基は、アクリレート基、エポキシド基、カルボキシル基およびヒドロキシル基、イソシアネート基のうち少なくとも一つを含む、請求項19に記載の回路基板。
【国際調査報告】