(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-31
(54)【発明の名称】高感度を有する磁気抵抗音波センサ、およびそのアレイ・デバイス
(51)【国際特許分類】
G01H 11/02 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
G01H11/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513180
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 CN2020109764
(87)【国際公開番号】W WO2021036861
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】201910803646.6
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514116947
【氏名又は名称】江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MULTIDIMENSION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building D & E, No.2 Guangdong Road,Zhangjiagang Free Trade Zone,Zhangjiagang,Jiangsu,215634 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チー、ビン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ、ソンション
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB13
2G064BA07
2G064BA08
2G064BD08
(57)【要約】
【課題】高感度を有する磁気抵抗音波センサ、およびそのアレイ・デバイスを提供する。
【解決手段】磁気抵抗音波センサは、保護チューブ・シェル(106)と、磁気振動組立体(101)と、保護チューブ・シェル(106)の内部に位置する磁気抵抗チップ(102)とを備える。保護チューブ・シェル(106)は、磁気振動組立体(101)によって覆われている少なくとも1つの開口部を備える。磁気抵抗センサ・チップ(102)が位置する平面は、磁気振動組立体(101)が位置する平面に直交し、磁気抵抗センサ・チップ(102)の感知方向は、磁気抵抗センサ・チップ(102)が位置する平面内に位置し、磁気振動組立体(101)が位置する平面に直交または平行である。代替として、磁気抵抗センサ・チップ(102)が位置する平面は、磁気振動組立体(101)が位置する平面に平行であり、磁気抵抗センサ・チップ(102)の感知方向は、磁気抵抗センサ・チップ(102)が位置する平面内に位置し、磁気振動組立体(101)が位置する平面に平行である。高感度を有する磁気抵抗音波センサ、およびそのアレイ・デバイスは、小さいサイズ、高感度、低消費電力、高い応答速度、良好な安定した温度、大きい応答周波数帯域幅、優れた低周波応答などである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護チューブ・シェルと、磁気振動組立体と、該保護チューブ・シェルの内部に位置する磁気抵抗チップとを備える高感度を有する磁気抵抗音波センサであって、
該保護チューブ・シェルは、該磁気振動組立体によって覆われている少なくとも1つの開口部を備え、
該磁気振動組立体は、外部の音波信号を受信し、該音波信号を磁場変化に関する磁気信号に変換するように構成され、
該磁気抵抗チップは、該磁場変化を感知し、該磁場変化を磁気抵抗の抵抗値変化に変換し、信号出力を実行するように構成され、
該磁気抵抗チップが位置する平面は、該磁気振動組立体が位置する平面に直交し、該磁気抵抗チップの感知方向は、該磁気抵抗チップが位置する該平面内に位置し、該磁気振動組立体が位置する該平面に直交または平行であり、または、
該磁気抵抗チップが位置する該平面は、該磁気振動組立体が位置する該平面に平行であり、該磁気抵抗チップの該感知方向は、該磁気抵抗チップが位置する該平面内に位置し、該磁気振動組立体が位置する該平面に平行である、
磁気抵抗音波センサ。
【請求項2】
前記磁気振動組立体は、振動ダイアフラムと、永久磁石材料体とを備え、
該永久磁石材料体は、永久磁石材料層であり、該振動ダイアフラムの表面に取り付けられ、または、該永久磁石材料体は、永久磁石材料粉末であり、該振動ダイアフラム内に均一に分散し、
該永久磁石材料体の磁化方向は、該振動ダイアフラムが位置する平面に直交または平行である、
請求項1記載の高感度を有する磁気抵抗音波センサ。
【請求項3】
前記永久磁石材料体は、硬質磁性材料、または複数の硬質磁性材料で構成された多層薄膜複合ユニットであり、
前記永久磁石材料体は、[軟質磁性材料/反強磁性材料]
nの多層薄膜複合材料であり、および、
前記永久磁石材料体は、[軟質磁性材料/硬質磁性材料]
pの多層薄膜複合材料であり、ただし、nおよびpは、共に自然数である、
の中から選択される1つである、
請求項2記載の高感度を有する磁気抵抗音波センサ。
【請求項4】
前記磁気振動組立体は、前記永久磁石材料層とは反対の前記振動ダイアフラムの表面上に位置する保護層をさらに備える、
請求項2記載の高感度を有する磁気抵抗音波センサ。
【請求項5】
前記磁気振動組立体における前記振動ダイアフラムの構成材料は、高分子ポリマー、金属、シリコン、またはシリコン化合物を含む、
請求項2記載の高感度を有する磁気抵抗音波センサ。
【請求項6】
高感度を有する前記磁気抵抗音波センサの等価密度を調整するためのつり合い重り体またはつり合い重り液は、前記保護チューブ・シェルの内部に設けられる、
請求項1記載の高感度を有する磁気抵抗音波センサ。
【請求項7】
信号処理ユニットと、データ伝送ユニットと、電源ユニットと、回路基板とをさらに備え、
該信号処理ユニット、該データ伝送ユニット、該電源ユニット、および前記磁気抵抗チップは、該回路基板に全て電気的に接続され、
該信号処理ユニットは、前記磁気抵抗チップの出力信号を処理するように構成され、該データ伝送ユニットは、前記磁気抵抗チップの出力信号および/または該信号処理ユニットによって処理された信号を伝送するように構成され、該電源ユニットは、該信号処理ユニット、該データ伝送ユニット、および前記磁気抵抗チップに電力を供給するように構成され、該回路基板は、該信号処理ユニット、該データ伝送ユニット、および前記磁気抵抗チップを保持するように構成されている、
請求項1記載の高感度を有する磁気抵抗音波センサ。
【請求項8】
前記保護チューブ・シェルは、防水ポートをさらに備え、該防水ポートを通って前記回路基板が外部デバイスに電気的に接続されている、
請求項7記載の高感度を有する磁気抵抗音波センサ。
【請求項9】
任意の平面内にアレイでまたは任意の球面内にアレイで配列される
請求項1から8のいずれか一項記載の高感度を有する磁気抵抗音波センサを複数備える高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、音波検出の分野に関し、より詳細には、高感度を有する磁気抵抗音波センサ、およびそのアレイ・デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
音波センサは、音波の強度を測定し、音波の波形を表示することができる音波信号を電気信号に変換するデバイスである。音波感知技術の主なデバイスとして、音波センサは、音波情報の形成、伝送、受信、変換、処理等の分野における研究および応用に広く使用されている。
【0003】
現在、音波センサは、検出される環境水中の音波または圧力変化を検出および解析のために電気信号に変換するためによく使用されている。既存の音波センサは、光ファイバ音波センサ、圧電音波センサ、およびMEMS技術のシリコン・ベース静電容量音波センサを主に含む。光ファイバ音波センサは、優れた温度安定性および時間安定性、高感度を有するが、高消費電力、大きいサイズ、および乏しい低周波応答を伴う。圧電音波センサは、大きい応答周波数帯域幅、加工容易、小さいサイズ、および安定した構造を有するが、同じサイズに対して乏しい温度安定性および低感度を伴う。MEMS技術下のシリコン・ベース静電容量音波センサは、小さいサイズ、低消費電力、良好な温度安定性を有するが、高いノイズ、および小さい応答周波数帯域幅を伴うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、小さいサイズ、高感度、低消費電力、高い応答速度、良好な温度安定性、大きい応答周波数帯域幅、優れた低周波応答などを有するものであるように、高感度を有する磁気抵抗音波センサ、およびそのアレイ・デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、
保護チューブ・シェルと、磁気振動組立体と、保護チューブ・シェルの内部に位置する磁気抵抗チップとを含む高感度を有する磁気抵抗音波センサを提供する。
【0006】
保護チューブ・シェルは、磁気振動組立体によって覆われている少なくとも1つの開口部を含む。
【0007】
磁気振動組立体は、外部の音波信号を受信し、音波信号を磁場変化に関する磁気信号に変換するように構成されている。
【0008】
磁気抵抗チップは、磁場変化を感知し、磁場変化を磁気抵抗の抵抗値変化に変換し、信号出力を実行するように構成されている。
【0009】
磁気抵抗チップが位置する平面は、磁気振動組立体が位置する平面に直交し、磁気抵抗チップの感知方向は、磁気抵抗チップが位置する平面内に位置し、磁気振動組立体が位置する平面に直交または平行である。
【0010】
代替として、磁気抵抗チップが位置する平面は、磁気振動組立体が位置する平面に平行であり、磁気抵抗チップの感知方向は、磁気抵抗チップが位置する平面内に位置し、磁気振動組立体が位置する平面に平行である。
【0011】
適宜、磁気振動組立体は、振動ダイアフラムと、永久磁石材料体とを含み、永久磁石材料体は、永久磁石材料層であり、振動ダイアフラムの表面に取り付けられる。代替として、永久磁石材料体は、永久磁石材料粉末であり、振動ダイアフラム内に均一に分散する。
【0012】
永久磁石材料体の磁化方向は、振動ダイアフラムが位置する平面に直交または平行である。
【0013】
適宜、永久磁石材料体は、硬質磁性材料、または複数の硬質磁性材料で構成された多層薄膜複合ユニットである。代替として、永久磁石材料体は、[軟質磁性材料/反強磁性材料]nの多層薄膜複合材料である。代替として、永久磁石材料体は、[軟質磁性材料/硬質磁性材料]pの多層薄膜複合材料であり、ただし、nおよびpは、共に自然数である。
【0014】
適宜、磁気振動組立体は、永久磁石材料層とは反対の振動ダイアフラムの表面上に位置する保護層をさらに含む。
【0015】
適宜、磁気振動組立体における振動ダイアフラムの構成材料は、高分子ポリマー、金属、シリコン、またはシリコン化合物を含む。
【0016】
適宜、高感度を有する磁気抵抗音波センサの等価密度を調整するためのつり合い重り体またはつり合い重り液は、保護チューブ・シェルの内部に設けられる。
【0017】
適宜、信号処理ユニットと、データ伝送ユニットと、電源ユニットと、回路基板とがさらに含まれる。
【0018】
信号処理ユニット、データ伝送ユニット、電源ユニット、および磁気抵抗チップは、回路基板に全て電気的に接続される。
【0019】
信号処理ユニットは、磁気抵抗チップの出力信号を処理するように構成されている。データ伝送ユニットは、磁気抵抗チップの出力信号および/または信号処理ユニットによって処理された信号を伝送するように構成されている。電源ユニットは、信号処理ユニット、データ伝送ユニット、および磁気抵抗チップに電力を供給するように構成されている。回路基板は、信号処理ユニット、データ伝送ユニット、および磁気抵抗チップを保持するように構成されている。
【0020】
適宜、保護チューブ・シェルは、防水ポートをさらに含み、この防水ポートを通って回路基板が外部デバイスに電気的に接続されている。
【0021】
本発明の実施形態は、任意の平面内にアレイでまたは任意の球面内にアレイで配列される上記のいずれかの高感度を有する磁気抵抗音波センサを複数含む高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスも提供する。
【0022】
本発明の実施形態によって提供される技術的解決策によれば、音または振動によって引き起こされる磁気振動ダイアフラムの振動は、磁気振動ダイアフラムによって磁場振幅変動または勾配変化に変換され、磁場振幅変動または勾配変化は、測定される音波または振動信号を正確に取得するように、高感度を有する磁気抵抗チップとの組合せで電気信号に変換される。磁気抵抗チップは、外部磁場変化に対して高速応答および高感度、低消費電力、小さいサイズ、および優れた温度特性であり、これは高感度を有する磁気抵抗音波センサの出力信号強度および周波数応答を改善するのに役立ち、それによって音波センサの現在の乏しい低周波応答、小さい応答周波数帯域幅、および感度と消費電力またはサイズとの間の難しい統合、といった技術的問題を解決し、小さいサイズ、高感度、低消費電力、高い応答速度、良好な温度安定性、大きい応答周波数帯域幅、優れた低周波応答などである高感度を有する磁気抵抗音波センサを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサの概略断面構造図である。
【
図2】本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサの概略立体構造図である。
【
図3】本発明の実施形態による高感度を有する別の磁気抵抗音波センサの概略断面構造図である。
【
図4】本発明の実施形態による高感度を有する別の磁気抵抗音波センサの概略立体構造図である。
【
図5】本発明の実施形態による磁気振動組立体の概略構造図である。
【
図6】本発明の実施形態による別の磁気振動組立体の概略構造図である。
【
図7】本発明の実施形態による永久磁石材料体の概略構造図である。
【
図8】本発明の実施形態による別の永久磁石材料体の概略構造図である。
【
図9】本発明の実施形態によるさらに別の永久磁石材料体の概略構造図である。
【
図10】本発明の実施形態によるさらに別の永久磁石材料体の概略構造図である。
【
図11】本発明の実施形態によるさらに別の永久磁石材料体の概略構造図である。
【
図12】本発明の実施形態によるさらに別の永久磁石材料体の概略構造図である。
【
図13】本発明の実施形態によるさらに別の磁気振動組立体の概略構造図である。
【
図14】本発明の実施形態によるさらに別の磁気振動組立体の概略構造図である。
【
図15】本発明の実施形態による高感度を有するさらに別の磁気抵抗音波センサの概略断面構造図である。
【
図16】本発明の実施形態による高感度を有するさらに別の磁気抵抗音波センサの概略断面構造図である。
【
図17】測定環境液体中につり合い重り体およびつり合い重り液をそれぞれ有する高感度を有する磁気抵抗音波センサの概略図である。
【
図18】本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサの概略回路図である。
【
図19】本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスの概略構造図である。
【
図20】本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサの別のアレイ・デバイスの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付図面および実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。本明細書中に説明される特定の実施形態は、例示にすぎず、本発明に対する限定ではないことを理解されたい。説明を簡単にするために、本発明に関連した構造の全部ではなくほんの一部が図面に示されていることにも留意されたい。
【0025】
図1は、本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサの概略断面構造図である。
図2は、本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサの概略立体構造図である。
図1および
図2に示されるように、実施形態によって提供される高感度を有する磁気抵抗音波センサは、保護チューブ・シェル106と、磁気振動組立体101と、保護チューブ・シェル106の内部に位置する磁気抵抗チップ102とを含む。保護チューブ・シェル106は、磁気振動組立体101によって覆われている少なくとも1つの開口部を含む。磁気振動組立体101は、外部の音波信号を受信し、音波信号を磁場変化に関する磁気信号に変換するように構成されている。磁気抵抗チップ102は、磁場変化を感知し、磁場変化を磁気抵抗の抵抗値変化に変換し、信号出力を実行するように構成されている。磁気抵抗チップ102が位置する平面は、磁気振動組立体101が位置する平面に直交し、磁気抵抗チップ102の感知方向は、磁気抵抗チップ102が位置する平面内に位置し、磁気抵抗チップ102の感知方向は、磁気振動組立体101が位置する平面に直交または平行である。代替として、磁気抵抗チップ102が位置する平面は、磁気振動組立体101が位置する平面に平行であり、磁気抵抗チップ102の感知方向は、磁気抵抗チップ102が位置する平面内に位置し、磁気抵抗チップ102の感知方向は、磁気振動組立体101が位置する平面に平行である。
【0026】
保護チューブ・シェル106は、任意の形状とすることができ、保護チューブ・シェル106は、1つまたは複数の開放端面を備えることができる。例として、
図1および
図2を参照すると、保護チューブ・シェル106は円筒形であり、保護チューブ・シェル106は開放端面を備え、磁気振動組立体101の感知面は円形であり、磁気振動組立体101は保護チューブ・シェル106の開放端面を覆う。磁気抵抗チップ102が位置する平面は、磁気振動組立体101が位置する平面に平行であり、磁気抵抗チップ102の感知方向は、磁気抵抗チップ102が位置する平面内に位置し、磁気抵抗チップ102の感知方向は、磁気振動組立体101が位置する平面に平行である。適宜、磁気振動組立体101と保護チューブ・シェル106の間のシーリング・モードは、接着、溶接、およびスナップ・フィット・シールのうちの1つである。
【0027】
図3は、本発明の実施形態による高感度を有する別の磁気抵抗音波センサの概略断面構造図である。他の実施形態では、
図3に示されるように、保護チューブ・シェル106は円筒形であり、保護チューブ・シェル106の両端は開放端面を備え、磁気振動組立体101の感知面は円形であり、磁気振動組立体101は保護チューブ・シェル106の両端で開放端面を覆う。磁気振動組立体101と保護チューブ・シェル106の間のシーリング・モードは、接着、溶接、およびスナップ・フィット・シールのうちの1つとすることができる。代替として、円形バッフルが保護チューブ・シェル106の両端に配置され、それぞれは円形スルーホールを中央に含み、磁気振動組立体101の感知面は円形であり、磁気振動組立体101は円形バッフル上に位置し、円形スルーホールの穴は磁気振動組立体101の感知面の直径以下である。円形バッフルと保護チューブ・シェル106の側壁との間の接続は、接着、溶接、または一体形成によって作製され得る。
【0028】
図4は、本発明の実施形態による高感度を有する別の磁気抵抗音波センサの概略立体構造図である。他の実施形態では、
図4に示されるように、保護チューブ・シェル106は四角形であり、保護チューブ・シェル106の両端は正方形のバッフル108を備え、磁気振動組立体101の感知面は円形であり、磁気振動組立体101は正方形のバッフル108上に位置し、正方形のバッフル108は磁気振動組立体101の感知面の直径以下である穴を有する円形スルーホールを中央に含み、磁気抵抗チップ102は保護チューブ・シェル106の真ん中に位置し、磁気振動組立体101に直交して配置される。磁気抵抗チップ102の感知方向は、磁気抵抗チップ102が位置する平面内に位置し、磁気抵抗チップ102の感知方向は、磁気振動組立体101が位置する平面に直交または平行である。正方形のバッフル108と保護チューブ・シェル106の側壁との間の接続は、接着、溶接、および一体形成のうちの1つとすることができる。磁気振動組立体101と保護チューブ・シェル106の間のシーリング・モードは、接着、溶接、およびスナップ・フィット・シールのうちの1つとすることができる。
【0029】
本発明の実施形態により提供される技術的解決策によれば、音または振動によって引き起こされる磁気振動組立体101の振動は、磁気振動組立体101によって磁場振幅変動または勾配変化に変換され、磁場振幅変動または勾配変化は、変換磁気抵抗の抵抗値変化に変換され、信号出力は、測定される音波または振動信号を正確に取得するように、高感度を有する磁気抵抗チップ102との組合せで実行される。磁気抵抗チップ102は、外部磁場変化に対して高速応答および高感度、低消費電力、小さいサイズ、および優れた温度特性であり、これは、高感度を有する磁気抵抗音波センサの出力信号強度および周波数応答を改善するのに役立ち、それによって音波センサの現在の乏しい低周波応答、小さい応答周波数帯域幅、および感度と消費電力またはサイズとの間の難しい統合、といった技術的問題を解決し、小さいサイズ、高感度、低消費電力、高い応答速度、良好な温度安定性、大きい応答周波数帯域幅、優れた低周波応答などである高感度を有する磁気抵抗音波センサを実現する。
【0030】
適宜、磁気振動組立体101は、振動ダイアフラム401と、永久磁石材料体とを含み、永久磁石材料体は、永久磁石材料層402であり、振動ダイアフラム401の表面に取り付けられる。代替として、永久磁石材料体は、永久磁石材料粉末403であり、振動ダイアフラム401内に均一に分散する。永久磁石材料体の磁化方向は、振動ダイアフラム401が位置する平面に直交または平行である。
【0031】
例として、
図5は、本発明の実施形態による磁気振動組立体の概略構造図である。
図5に示されるように、永久磁石材料は、永久磁石材料層402を形成するように、スピンコートされ、磁気振動組立体101の表面に付着され、永久磁石材料層402の磁化方向は、永久磁石材料層402が位置する平面内にある、または永久磁石材料層402が位置する平面に直交する。
【0032】
図6は、本発明の実施形態による別の磁気振動組立体の概略構造図である。他の実施形態では、
図6に示されるように、永久磁石材料粉末403は、振動ダイアフラム401に均一に分散しており、永久磁石材料粉末403の磁化方向は、振動ダイアフラム401が位置する平面内である、または振動ダイアフラム401が位置する平面に直交する。適宜、永久磁石材料は、蒸着、電気めっきなどによって振動ダイアフラム401との組合せで設けられてもよい。
【0033】
永久磁石材料体の磁化方向と振動ダイアフラム401の間の関係によって、永久磁石材料体の磁化方向は、磁気抵抗チップ102の感知方向に適合し、それによって高感度を有する磁気抵抗音波センサの感度をさらに改善する。
【0034】
適宜、永久磁石材料体は、硬質磁性材料、または複数の硬質磁性材料で構成された多層薄膜複合ユニットである。代替として、永久磁石材料体は、[軟質磁性材料/反強磁性材料]nの多層薄膜複合材料である。代替として、永久磁石材料体は、[軟質磁性材料/硬質磁性材料]pの多層薄膜複合材料であり、ただし、nおよびpは、共に自然数である。
【0035】
nは、軟質磁性材料および反強磁性材料の層の個数を表し、pは、軟質磁性材料および硬質磁性材料の層の個数を表す。
【0036】
例として、
図7は、本発明の実施形態による永久磁石材料体の概略構造図である。
図7に示されるように、永久磁石材料体は、単一の硬質磁性材料501で構成される。
図8は、本発明の実施形態による別の永久磁石材料体の概略構造図である。
図8に示されるように、永久磁石材料体は、第1の硬質磁性材料501および第2の硬質磁性材料502を積み重ねることによって形成された多層薄膜複合ユニットである。
図9は、本発明の実施形態によるさらに別の永久磁石材料体の概略構造図である。
図9に示されるように、永久磁石材料体は、軟質磁性材料504の一層および反強磁性材料503の一層で構成された薄膜複合ユニットである。
図10は、本発明の実施形態によるさらに別の永久磁石材料体の概略構造図である。
図10に示されるように、永久磁石材料体は、重ね合わされたやり方で配置された軟質磁性材料504の四層および反強磁性材料503の四層で構成された多層薄膜複合ユニットであり、多層薄膜複合ユニットは、[軟質磁性材料/反強磁性材料h
4と表される。
図11は、本発明の実施形態によるさらに別の永久磁石材料体の概略構造図である。
図11に示されるように、永久磁石材料体は、軟質磁性材料504の一層および硬質磁性材料501の一層で構成された薄膜複合ユニットであり、薄膜複合ユニットは、[軟質磁性材料/硬質磁性材料]
1と表される。
図12は、本発明の実施形態によるさらに別の永久磁石材料体の概略構造図である。
図12に示されるように、永久磁石材料体は、重ね合わされたやり方で配置された軟質磁性材料504の四層および硬質磁性材料501の四層で構成された多層薄膜複合ユニットであり、多層薄膜複合ユニットは、[軟質磁性材料/硬質磁性材料]
4と表される。
【0037】
適宜、硬質磁性材料501は、CoPt、CoCrPt、およびFePtを含むが、これらに限定されない。軟質磁性材料504は、FeCo、およびNiFeを含むが、これらに限定されない。反強磁性材料503は、PtMn、およびIrMnを含むが、これらに限定されない。
【0038】
軟質磁性材料の残留磁気は比較的小さく、硬質磁性材料の残留磁気は比較的大きく、反強磁性材料の磁化率はゼロに近い。当業者は、要求に従って永久磁石材料体の材料および層数を設定することができよう。
【0039】
適宜、磁気振動組立体101は、保護層404をさらに含む。保護層404は、永久磁石材料層402とは反対の振動ダイアフラム401の表面上に位置する。
【0040】
例として、
図13は、本発明の実施形態によるさらに別の磁気振動組立体の概略構造図である。
図13に示されるように、永久磁石材料層402とは反対の振動ダイアフラム401の外面は、保護層404で覆われている。
図14は、本発明の実施形態によるさらに別の磁気振動組立体の概略構造図である。
図14に示されるように、永久磁石材料粉末403は、振動ダイアフラム401に均一に分散し、振動ダイアフラム401の表面は、保護層404に緊密に付着されている。磁気振動組立体101を保護するように保護層404を設けることによって、高感度を有する磁気抵抗音波センサが、特定の環境中で正常に動作することができることが確実にされる。適宜、保護層404は、高分子材料または耐食金属材料である。金属材料は、チタン、チタン合金、およびステンレス鋼を含むが、これらに限定されない。
【0041】
適宜、磁気振動組立体101における振動ダイアフラム401の構成材料は、高分子ポリマー、金属、シリコン、またはシリコン化合物を含む。
【0042】
そのような耐食材料の使用は、液体中の高感度を有する磁気抵抗音波センサの正常な動作を確実にするのに役立つ。
【0043】
適宜、高感度を有する磁気抵抗音波センサの等価密度を調整するためのつり合い重り体111またはつり合い重り液112は、保護チューブ・シェル106の内部に設けられる。
【0044】
例として、
図15は、本発明の実施形態による高感度を有するさらに別の磁気抵抗音波センサの概略断面構造図である。
図15に示されるように、高感度を有する磁気抵抗音波センサの保護チューブ・シェル106は、その中に空洞を含み、4つのつり合い重り体111は、高感度を有する磁気抵抗音波センサの全体的な等価密度を調整するために保護チューブ・シェル106の内側壁に固定される。つり合い重り体111は、不活性固体とすることができ、1つまたは複数のつり合い重り体111が存在してもよい。
【0045】
図16は、本発明の実施形態による高感度を有するさらに別の磁気抵抗音波センサの概略断面構造図である。
図16に示されるように、つり合い重り液112は、高感度を有する磁気抵抗音波センサの全体的な等価密度を調節するために、保護チューブ・シェル106および磁気振動組立体101によって取り囲まれたつり合い重りの空洞の中に満たされる。つり合い重り液112は、非腐食性絶縁液であり得る。
【0046】
図17は、測定環境液体中につり合い重り体およびつり合い重り液をそれぞれ有する高感度を有する磁気抵抗音波センサの概略図である。
図17に示されるように、つり合い重り体111を備えた高感度を有する磁気抵抗音波センサ601と、つり合い重り液112を備えた高感度を有する磁気抵抗音波センサ602は、測定環境液体603の設定深さで安定が維持され得る。
【0047】
本発明の実施形態により提供される高感度を有する磁気抵抗音波センサによれば、高感度を有する磁気抵抗音波センサが設置される液体環境中の高感度を有する磁気抵抗音波センサの相対深さは、高感度を有する磁気抵抗音波センサが液体環境中で測定を実行するときに、高感度を有する磁気抵抗音波センサの全体的な等価密度が、高感度を有する磁気抵抗音波センサが設置される液体環境の密度から3%よりも多く異なっていないことを確実にするために、保護チューブ・シェル106の内部につり合い重り体111またはつり合い重り液112を設けることによって安定化される。
【0048】
図1~
図4を参照すると、適宜、本発明の実施形態により提供される高感度を有する磁気抵抗音波センサは、信号処理ユニット103と、データ伝送ユニット105と、電源ユニットと、回路基板104とをさらに含む。信号処理ユニット103、データ伝送ユニット105、電源ユニット、および磁気抵抗チップ102は、回路基板104に全て電気的に接続される。信号処理ユニット103は、磁気抵抗チップの出力信号を処理するように構成される。データ伝送ユニット105は、磁気抵抗チップの出力信号102および/または信号処理ユニット103によって処理された信号を伝送するように構成されている。電源ユニットは、信号処理ユニット103、データ伝送ユニット105、および磁気抵抗チップ102に電力を供給するように構成されている。回路基板104は、信号処理ユニット103、データ伝送ユニット105、および磁気抵抗チップ102を保持するように構成されている。
【0049】
磁気抵抗チップ102、信号処理ユニット103、およびデータ伝送ユニット105は、保護チューブ・シェル106の内部に全て配置され、回路基板104に電気的に接続され、磁気振動組立体101の振動によって生成された磁場変化は、磁気抵抗チップ102の磁気抵抗の抵抗値変化を引き起こし、それによって音波によって誘起された機械的な動きを電気信号に変換する。データ伝送ユニット105は、磁気抵抗チップ102の出力信号および信号処理ユニット103の処理済み信号のうちの少なくとも1つを受信端子へ伝送する。
【0050】
適宜、データ伝送ユニット105は、無線伝送または有線伝送を使用する。無線伝送の使用により、高感度を有する磁気抵抗音波センサが接続線によって制限されないようにさせ、有線伝送に使用により、データ伝送の正確でリアルタイムの性能を改善することができる。
【0051】
例として、
図3に示されるように、磁気抵抗チップ102、信号処理ユニット103、および無線データ伝送ユニット109は、全て回路基板104上に全て位置し、回路基板104に電気的に接続され、電源ユニット110は、バッテリであり、磁気抵抗チップ102、信号処理ユニット103、および無線データ伝送ユニット109に電力を供給するように、やはりPCB上に固定されるとともに回路基板104に接続される。信号処理ユニット103は、別のデバイスであってもよく、または磁気抵抗チップ102の内部に一体化されてもよく、それによって高感度を有する磁気抵抗音波センサのサイズをさらに減少させる。電源ユニット110は、回路基板104上に固定されてもよく、または高感度を有する磁気抵抗音波センサの外側に配置され、導線を介して回路基板10に電気的に接続されてもよい。
【0052】
適宜、信号処理ユニット103による電気信号の処理は、磁気抵抗チップ102の出力信号が、変調、フィルタリング、増幅、アナログ・デジタル変換、絶縁、ノイズ・リダクション、レベル変換、出力形式変換などを受けるといった処理モードのうちの1つまたは複数を含む。
【0053】
適宜、信号処理ユニット103は、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ・ユニット(MCU)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、増幅器、フィルタ、および比較器などの集積回路チップのうちの1つまたは複数である。代替として、信号処理ユニット103は、回路基板104上のディスクリート・デバイスによって形成された上述の要素と同じ機能を有する回路である。
【0054】
適宜、回路基板104は、サイズが小さく、コストが安く、保守に便利なプリント回路基板(PCB)である。
【0055】
図18は、本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサの概略回路図である。
図18に示されるように、磁気抵抗チップ102(TMR)は、信号処理ユニット103の入力端に電気的に接続され、データ伝送ユニット105は、信号処理ユニット103の出力端に電気的に接続されている。信号処理ユニット103の出力端の出力信号は、電流または電圧の形態であり、出力信号は、アナログ信号またはデジタル信号の形態である。電源ユニット110は、磁気抵抗チップ102および信号処理ユニット103に電力を供給するように、高感度を有する磁気抵抗音波センサの内側または外側に配置される。無線データ伝送ユニット105が使用される場合、電源ユニット110は、データ伝送ユニット105に同時に電力を供給することができる。
【0056】
適宜、磁気抵抗チップ102は、異方向性磁気抵抗チップ、巨大磁気抵抗チップ、およびトンネル接合磁気抵抗のいずれか1つである。磁気抵抗チップ102は、磁気振動組立体101の磁場変化の磁気信号を感知し、この磁気信号を磁気抵抗の抵抗値変化に変換し、信号処理ユニット103へ信号を出力することができ、信号処理ユニット103は、磁気抵抗チップ102の出力信号を解析および処理し、データ伝送ユニット105へ信号を出力する。磁気抵抗チップ102は、シングル・エンド出力または差動出力のやり方で信号を出力することができる。
【0057】
図1および
図2を参照すると、適宜、保護チューブ・シェル106は、防水ポート107をさらに含み、防水ポート107を通って回路基板104が外部デバイスに電気的に接続される。
【0058】
電源ユニットは、内部バッテリに電力を供給し、および/または外部リード線を介して電力を供給する。電源ユニットが内部バッテリである場合、内部バッテリは、保護チューブ・シェル106の内側に配置される。電源ユニットが外部にあり、外部リード線を介して電力を供給する場合、電源ユニットに接続された外部リード線は、保護チューブ・シェル106の表面上で防水ポート107を通って回路基板104に電気的に接続される。適宜、防水ポート107は、保護チューブ・シェル106の側壁にまたは磁気振動組立体101によって覆われていない保護チューブ・シェル106の端面に位置する。
【0059】
例として、
図4に示されるように、正方形の保護チューブ・シェル106の側壁は防水ポート107を備え、外部リード線が防水ポート107を通って回路基板104に電気的に接続され、磁気抵抗チップ102および信号処理ユニット103は共に回路基板104上に位置し、外部リード線は電力を供給するおよび/またはデータを伝送するように構成され、データ伝送ユニット105は高感度を有する磁気抵抗音波センサの外側に配置され得るとともに外部リード線を介して回路基板104に電気的に接続され、磁気抵抗チップの出力信号102および/または信号処理ユニット103によって処理された信号を外部デバイスへ伝送するようになっている。
【0060】
他の実施形態では、
図1および
図2に示されるように、防水ポート107は、磁気振動組立体101によって覆われていない保護チューブ・シェル106の端面に位置し、当業者は、実際の要求に従って、防水ポート107の位置を設定することができる。
【0061】
適宜、保護チューブ・シェル106は、高分子材料または耐食金属材料である。金属材料は、チタン、チタン合金、およびステンレス鋼を含むが、これらに限定されない。そのような耐食材料の使用は、液体中の高感度を有する磁気抵抗音波センサの正常な動作を確実にするのに役立つ。
【0062】
本発明の実施形態により提供される高感度を有する磁気抵抗音波センサは、液体の内部に振動および音波検出のためのシールされた構造を有する。磁性材料を弾性振動ダイアフラムに混ぜ合わせることによって、試験環境中の音、振動、または圧力の変化は、磁場変化に変換され、磁気振動ダイアフラムの磁場変化が、磁気抵抗チップの磁気抵抗の抵抗値変化を引き起こすことができる。磁気抵抗チップをセンシング素子として使用することによって、磁気振動ダイアフラムの機械的な動きは、測定される音波または振動信号を正確に取得するように電気信号に変換される。磁気抵抗チップは、高感度および高い周波数応答特性を有し、これにより高感度を有する磁気抵抗音波センサの出力信号強度および周波数応答を改善し、試験環境中の微小圧力、微小音、および弱い振動の検出に有益である。現在の音波センサの乏しい低周波応答、小さい応答周波数帯域幅、および感度と消費電力またはサイズとの間の難しい統合、といった技術的問題は解決され、小さいサイズ、高感度、低消費電力、高い応答速度、良好な温度安定性、大きい応答周波数帯域幅、優れた低周波応答などである高感度を有する磁気抵抗音波センサが実現される。
【0063】
同じ発明概念に基づいて、本発明の実施形態は、上述の複数の実施形態において提供される複数の任意の高感度を有する磁気抵抗音波センサを含む高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスも提供する。上述の実施形態と同じまたは対応する構造、および用語の説明は、本明細書中に詳細には説明されていない。
図19は、本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスの概略構造図である。
図20は、本発明の実施形態による高感度を有する磁気抵抗音波センサの別のアレイ・デバイスの概略構造図である。
図19および
図20に示されるように、高感度を有する複数の磁気抵抗音波センサは、任意の平面内にアレイでまたは任意の球面内にアレイで配列される。
【0064】
図19に示されるように、高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスは、高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイを含み、アレイで整然と配列される高感度を有する磁気抵抗音波センサ301、およびアレイ接続線302が、同じ平面内に位置する。他の実施形態では、
図20に示されるように、高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスは、高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイを含み、アレイ状の高感度を有する磁気抵抗音波センサ301は、球面の曲面に整然と配列され、高感度を有する磁気抵抗音波センサ301およびアレイ接続線302は、同じ球面上に位置し、それによって正確な方向の発見および位置決めを容易にする。適宜、高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスは、他のネットワーク・モードで高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイを使用することもできる。当業者は、実際の設計に従って高感度を有する磁気抵抗音波センサ上でネットワーク設定を行うことができる。
【0065】
本発明の実施形態により提供される高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスは、音および振動測定に使用することができる。磁気振動組立体は、振動ダイアフラムに永久磁石材料を混ぜ合わせることによって得られ、それにより試験環境中の音、振動、または圧力の変化が、磁場変化に変換され、次いで磁気抵抗チップは、磁場変化を磁気抵抗の抵抗値変化に変換するようにセンシング素子として使用され、それによって磁気振動組立体の機械的な動きを電気信号に変換し、液体の内部の測定される音波または振動信号を正確に取得する。磁気抵抗チップは、高感度および高い周波数応答特性を有し、高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスの出力信号強度および周波数応答を改善することができ、試験環境中の微小圧力、微小音、および弱い振動にとって有益である。一方、磁気抵抗チップは、低消費電力および小さいサイズであり、このことは、ワイヤレスでアレイ状の検出構造を有した高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスを製造するのに役立つ。まとめると、本発明の実施形態により提供される高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスによれば、液体の内部の音または振動によって引き起こされる磁気振動組立体の振動は、磁気振動組立体によって磁場振幅変動または勾配変化に変換される。外部磁場変化に対する磁気抵抗チップ内の磁気抵抗材料の抵抗値の高い応答速度および高感度の特性を用いることで、高感度を有する磁気抵抗音波センサのアレイ・デバイスは、高感度、低消費電力、大きい応答周波数帯域幅、優れた低周波応答、大規模ネットワーキングへの適合性などの利点を有する。
【0066】
上述の説明は、本発明の好ましい実施形態、およびそこに適用されている本技術的原理にすぎないことに留意されたい。本発明は本明細書中に説明される特定の実施形態に限定されず、様々な明らかな変形、配置換え、および置換が、本発明の範囲から逸脱することなく当業者によってなされてもよいことが当業者によって理解されよう。したがって、本発明を上記の実施形態を参照してかなり詳細に説明してきたが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な他の同等な実施形態を含むことが意図されており、その範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められている。
【国際調査報告】