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特表2022-545841スマート電子絶縁システムを有するバッテリモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-31
(54)【発明の名称】スマート電子絶縁システムを有するバッテリモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
G01R31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513952
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 US2020048556
(87)【国際公開番号】W WO2021041919
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】62/892,809
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522078107
【氏名又は名称】スパークチャージ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SPARKCHARGE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】エリス,クリストファー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ホイットニー,リチャード
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA20
2G036AA28
2G036BB08
(57)【要約】
バッテリモジュールは、第1の組の電源接点および第1の組の信号接点を含む。バッテリパックは、一組の電源接点に電力を供給するように動作可能である。電子絶縁システムは、バッテリパックと第1の組の電源接点とを電気的に接続解除および電気的に接続するように動作可能である。電子制御システムは、バッテリモジュールと電気装置との充電状態、健全性状態、温度および電力の比較を得るように動作可能である。比較のうちの少なくとも1つに基づく閉路パラメータが計算される。閉路パラメータは、接続判定をもたらすために所定の閉路パラメータ値と比較される。電子絶縁システムは、接続判定の肯定的または否定的な結果に基づいて、バッテリパックと第1の組の電源接点とをそれぞれ接続または接続解除する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリモジュールであって、
第1の組の電源接点と、
第1の組の信号接点と、
前記一組の電源接点に電力を供給するように動作可能なバッテリパックと、
前記バッテリパックと前記第1の組の電源接点とを電気的に接続解除および電気的に接続するように動作可能な電子絶縁システムと、
前記電子絶縁システムと、前記第1の組の信号接点または前記第1の組の電源接点のうちの少なくとも一方と、に電気的に接続された電子制御システムと、を含み、前記電子制御システムは、
前記バッテリモジュールと電気装置との充電状態の第1の比較を取得し、前記バッテリモジュールと前記電気装置との健全性状態の第2の比較を取得し、前記バッテリモジュールと前記電気装置との温度の第3の比較を取得し、前記バッテリモジュールと前記電気装置との電力の第4の比較を取得し、
前記第1の比較、前記第2の比較、前記第3の比較、または前記第4の比較のうちの少なくとも1つに基づいて閉路パラメータを計算し、
前記閉路パラメータを所定の閉路パラメータ値と比較して、前記第1のバッテリモジュールを前記電気装置に接続することが望ましいかどうかに関する接続判定をもたらす、ように動作可能であり、
前記電子絶縁システムは、前記接続判定の肯定的な結果に基づいて前記バッテリパックを前記第1の組の電源接点に接続し、前記電子絶縁システムは、前記接続判定の否定的な結果に基づいて前記バッテリパックと前記第1の組の電源接点とを接続解除する、バッテリモジュール。
【請求項2】
前記電気装置は、第2のバッテリモジュールを含む、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項3】
前記バッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの充電状態の差を含む前記第1の比較と、
前記バッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの健全性状態の差を含む前記第2の比較と、
前記バッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの温度の差を含む前記第3の比較と、
前記バッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの電力の差を含む前記第4の比較と、を含む、請求項2に記載のバッテリモジュール。
【請求項4】
バッテリモジュールシステムの複数のバッテリモジュールの少なくとも一部を含む前記バッテリモジュールおよび前記第2のバッテリモジュールと、前記バッテリモジュールの前記第1の組の電源接点に接続されるように動作可能な電源バスを含む前記バッテリモジュールシステムと、
を含む、請求項3に記載のバッテリモジュール。
【請求項5】
前記閉路パラメータは、
閉路電圧とサグ電圧との差の絶対値を含み、前記サグ電圧は、前記バッテリモジュールの前記電源接点が前記電源バスに接続される前の前記電源バス上の測定電圧を含み、前記閉路電圧は、前記バッテリモジュールの前記電源接点が前記電源バスに接続された場合に前記サグ電圧がどのようになるかの予測値である、
請求項4に記載のバッテリモジュール。
【請求項6】
前記所定の閉路パラメータ値は、5ボルト未満である、請求項5に記載のバッテリモジュール。
【請求項7】
前記所定の閉路パラメータ値は、2ボルト未満である、請求項5に記載のバッテリモジュール。
【請求項8】
前記電子絶縁システムは、
温度センサ、電流センサ、および電圧センサと、
前記温度センサ、前記電流センサ、および前記電圧センサと通信するマイクロプロセッサと、を含み、前記マイクロプロセッサは、
メモリと、
方法を実行するための前記マイクロプロセッサによる実行のために前記メモリに格納された命令と、を含み、前記方法は、
前記温度センサを用いて前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の温度を測定するステップと、
電流センサを用いて前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の電流を測定するステップと、
前記電圧センサを用いて前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の電圧を測定するステップと、
前記充電状態、前記健全性状態、および前記電力を前記温度、前記電流、および前記電圧を用いて計算するステップと、
前記第1、第2、第3、および第4の比較を取得するために、前記温度、前記電力、前記充電状態、および前記健全性状態を利用するステップと、
前記第1、第2、第3、および第4の比較に基づいて前記閉路パラメータを計算するステップと、
接続判定をもたらすために前記閉路パラメータを前記所定の閉路パラメータ値と比較するステップと、
を含む、請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項9】
前記方法は、
前記バッテリモジュールの動作状態を決定するステップであって、前記動作状態は、電力取り出し前の状態、電力取り出し中の状態、および電力取り出し後の状態を含む、ステップと、
前記閉路パラメータを計算するために前記動作状態を利用するステップと、
を含む、請求項8に記載のバッテリモジュール。
【請求項10】
バッテリモジュールシステムであって、
バッテリモジュールシステム電源バスと、
複数のバッテリモジュールと、前記複数のバッテリモジュールのうちの第1のバッテリモジュールと、を含み、前記第1のバッテリモジュールは、
前記電源バスに電気的に接続された第1の組の電源接点と、
第1の組の信号接点と、
前記第1の組の電源接点に電力を供給するように動作可能な第1のバッテリパックと、
前記第1のバッテリパックと前記第1の組の電源接点とを電気的に接続解除および接続するように動作可能な第1の電子絶縁システムと、
前記電子絶縁システムと、前記第1の組の信号接点または前記第1の組の電源接点のうちの少なくとも一方と、に電気的に接続された第1の電子制御システムと、を含み、前記電子制御システムは、
前記複数のバッテリモジュールのうちの前記第1のバッテリモジュールと第2のバッテリモジュールとの充電状態の第1の比較を取得し、前記第1のバッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの健全性状態の第2の比較を取得し、前記第1のバッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの温度の第3の比較を取得し、前記第1のバッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの電力の第4の比較を取得し、
前記第1の比較、前記第2の比較、前記第3の比較、または前記第4の比較のうちの少なくとも1つに基づいて閉路パラメータを計算し、
前記閉路パラメータを所定の閉路パラメータ値と比較して、前記第1のバッテリモジュールを前記第2のバッテリモジュールに接続することが望ましいかどうかに関する接続判定をもたらす、ように動作可能であり、
前記電子絶縁システムは、前記接続判定の肯定的な結果に基づいて前記バッテリパックを前記第1の組の電源接点に接続し、前記電子絶縁システムは、前記接続判定の否定的な結果に基づいて前記バッテリパックと前記第1の組の電源接点とを接続解除する、
バッテリモジュールシステム。
【請求項11】
前記第1のバッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの充電状態の差を含む前記第1の比較と、
前記第1のバッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの健全性状態の差を含む前記第2の比較と、
前記第1のバッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの温度の差を含む前記第3の比較と、
前記第1のバッテリモジュールと前記第2のバッテリモジュールとの電力の差を含む前記第4の比較と、
を含む、請求項10に記載のバッテリモジュールシステム。
【請求項12】
前記閉路パラメータは、
閉路電圧とサグ電圧との差の絶対値を含み、前記サグ電圧は、前記第1のバッテリモジュールの前記第1の電源接点が前記電源バスに接続される前の前記電源バス上の測定電圧を含み、前記閉路電圧は、前記第1のバッテリモジュールの前記第1の電源接点が前記電源バスに接続された場合に前記サグ電圧がどのようになるかの予測値である、請求項11に記載のバッテリモジュールシステム。
【請求項13】
前記所定の閉路パラメータ値は、5ボルト未満である、請求項12に記載のバッテリモジュールシステム。
【請求項14】
前記所定の閉路パラメータ値は、2ボルト未満である、請求項12に記載のバッテリモジュールシステム。
【請求項15】
前記電子絶縁システムは、
温度センサ、電流センサ、および電圧センサと、
前記温度センサ、前記電流センサ、および前記電圧センサと通信するマイクロプロセッサと、を含み、前記マイクロプロセッサは、
メモリと、
方法を実行するための前記マイクロプロセッサによる実行のために前記メモリに格納された命令と、を含み、前記方法は、
前記温度センサを用いて前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の温度を測定するステップと、
前記電流センサを用いて前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の電流を測定するステップと、
前記少なくとも電圧センサを用いて前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の電圧を測定するステップと、
前記測定された温度、電流および電圧を用いて前記充電状態、前記健全性状態および前記電力を計算するステップと、
前記第1、第2、第3、および第4の比較を得るために、前記温度、電力、充電状態、および健全性状態を利用するステップと、
前記第1の比較、第2の比較、第3の比較、および第4の比較に基づいて前記閉路パラメータを計算するステップと、
接続判定をもたらすために前記閉路パラメータを前記所定の閉路パラメータ値と比較するステップと、
を含む、請求項10に記載のバッテリモジュール。
【請求項16】
前記方法は、
前記バッテリモジュールの動作状態を決定するステップであって、前記動作状態は、電力取り出し前の状態、電力取り出し中の状態、および電力取り出し後の状態を含む、ステップと、
前記閉路パラメータを計算するために前記動作状態を利用するステップと、
を含む、請求項15に記載のバッテリモジュールシステム。
【請求項17】
バッテリモジュールを電気装置に接続する、コンピュータにより実施される方法であって、
少なくとも1つの温度センサを用いて前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の温度を測定するステップと、
前記少なくとも1つの電流センサを用いて前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の電流を測定するステップと、
前記少なくとも電圧センサを用いて、前記バッテリモジュールおよび前記電気装置の電圧を測定するステップと、
前記バッテリモジュールの前記電流、温度、または電圧のうちの少なくとも1つから前記バッテリモジュールの充電状態、健全性状態、および電力を計算するステップと、
前記電気装置の前記電流、温度、または電圧のうちの少なくとも1つから前記電気装置の充電状態、健全性状態、および電力を計算するステップと、
前記バッテリモジュールと前記電気装置との充電状態の第1の比較、前記バッテリモジュールと前記電気装置との健全性状態の第2の比較、前記バッテリモジュールと前記電気装置との温度の第3の比較、および前記バッテリモジュールと前記電気装置との電力の第4の比較を取得するステップと、
前記第1、第2、第3、および第4の比較に基づいて閉路パラメータを計算するステップと、
接続判定をもたらすために前記閉路パラメータを所定の閉路パラメータ値と比較するステップと、
を含む、コンピュータにより実施される方法。
【請求項18】
前記接続判定の肯定的な結果に基づいて前記バッテリモジュールを前記電気装置に接続するステップと、
前記接続判定の否定的な結果に基づいて前記バッテリパックを前記電気装置から接続解除するステップと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記バッテリモジュールの動作状態を決定するステップであって、前記動作状態は、電力取り出し前の状態、電力取り出し中の状態、および電力取り出し後の状態を含む、ステップと、
前記閉路パラメータを計算するために前記動作状態を利用するステップと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記電気装置は第2のバッテリモジュールである、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、2019年8月28日に出願された「Battery Interlock Smart Close-In System」という名称の米国仮特許出願第62/892,809号の優先権を主張する。前述の出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、バッテリモジュールに関する。より具体的には、本開示は、電子絶縁システムを有するバッテリモジュールに関する。
【背景】
【0003】
バッテリモジュールシステムは、一組の任意の数のバッテリモジュールであり、各バッテリモジュールはバッテリパックを含む。各バッテリパックは、1つまたは複数のバッテリセルを含む。バッテリモジュールシステムのバッテリモジュールは、任意の数の用途に必要な所望の電圧、容量、または電力密度を供給するために、直列、並列、または両方の混合で電気的に構成され得る。バッテリモジュールシステムは、電気自動車(「EV」)の充電、高耐久性電動工具への電力供給などのエネルギー密度の高いバッテリ用途に使用されている。
【0004】
バッテリモジュールシステムのバッテリモジュールを組み立てる際の危険性は、バッテリパックが等しく適合する限り低くなり得る。バッテリパックは、初期製造業者において、内部抵抗、初期電圧および充電状態(SOC)などのパラメータについて正確に測定、較正および適合され得る。次いで、バッテリモジュールは、工場で出荷に合法的なSOC(例えば、満充電の30%~60%)まで放電され、それらの最終目的地に出荷され、そこでバッテリモジュールを所望のバッテリモジュールシステムに組み立てることができる。
【0005】
しかしながら、問題として、バッテリモジュールは、出荷中にSOC、内部抵抗、および他の内部パラメータを不注意に変更する可能性がある。例えば、導電性材料は、出荷中にバッテリモジュールの電源接点と接触する可能性がある。さらに、バッテリモジュールは、使用中にそれらの内部パラメータが異なるレートまたは異なる程度に変更されることがあり得る。2つのバッテリモジュール間の内部パラメータの差が許容できないほど大きい場合には、アーク放電、火災または他の危険性が著しく増大する。
【0006】
さらに、2つのバッテリモジュールが著しく異なるSOCにある場合には、より大きいSOCを有するバッテリモジュールは、より小さいSOCを有するバッテリモジュール内に放電し、総電力出力は著しく低下する。さらに、バッテリモジュール間でSOCが大きく異なると、逆流電流が発生し、バッテリモジュールが損傷する可能性がある。
【0007】
したがって、内部パラメータが著しく異なる場合に、他のバッテリモジュール(または他の同様の電気装置)との電気的接触を防止または阻止することができるバッテリモジュールが必要とされている。さらに、逆流を防止または抑制できるバッテリモジュールが求められている。さらに、バッテリモジュールシステムの個々のバッテリモジュールが、各バッテリモジュールの内部パラメータの差に応じて選択的に互いに接続することができるバッテリモジュールシステムが必要とされている。
【概要】
【0008】
本開示は、バッテリパックとバッテリモジュールの電源接点との間に電気的に接続された電子絶縁システムと、電子絶縁システムを制御する電子制御システムと、を有するバッテリモジュールを提供することによって、従来技術を超える利点および代替案を提供する。電子制御システムによって制御される電子絶縁システムは、バッテリモジュールまたはバッテリモジュールに接続される第2の電気装置のいずれかからの1つまたは複数のパラメータが許容できない値にある場合には、バッテリパックが電源接点に接続するのを防止する。例えば、電子制御システムは、第1および第2のバッテリモジュールのSOCが許容可能な値の範囲外である場合には、バッテリパックと、第2のバッテリモジュールに接続されるべき第1のバッテリモジュールの電源コネクタと、の間の電気的接触を防止することができる。さらに、バッテリモジュールは、バッテリモジュールシステムに組み立てることができ、バッテリモジュールの各々は、それらの内部パラメータの違いに応じて他のバッテリモジュールに選択的に接続することができる。さらに、制御システムは、電源コネクタからバッテリモジュールのバッテリパックへの電流逆流を防止または阻止する。
【0009】
本開示の1つまたは複数の態様に係るバッテリモジュールは、第1の組の電源接点および第1の組の信号接点を含む。バッテリパックは、一組の電源接点に電力を供給するように動作可能である。電子絶縁システムは、バッテリパックと第1の組の電源接点とを電気的に接続解除および電気的に接続するように動作可能である。電子制御システムは、電子絶縁システムと、第1の組の信号接点および/または第1の組の電源接点のうちの1つと、に電気的に接続される。電子制御システムは、バッテリモジュールと電気装置との充電状態の第1の比較を取得し、バッテリモジュールと電気装置との健全性状態の第2の比較を取得し、バッテリモジュールと電気装置との温度の第3の比較を取得し、バッテリモジュールと電気装置との電力の第4の比較を取得するように動作可能である。第1の比較、第2の比較、第3の比較、および/または第4の比較に基づく閉路パラメータが、電子制御システムによって計算される。閉路パラメータは、第1のバッテリモジュールを電気装置に接続することが望ましいかどうかに関する接続判定をもたらすために所定の閉路パラメータ値と比較される。電子絶縁システムは、接続判定の肯定的な結果に基づいてバッテリパックを第1の組の電源接点に接続する。電子絶縁システムは、接続判定の否定的な結果に基づいてバッテリパックと第1の組の電源接点とを接続解除する。
【0010】
本開示の1つまたは複数の態様によるバッテリモジュールシステムは、バッテリモジュールシステム電源バスと、複数のバッテリモジュールと、を含む。複数のバッテリモジュールのうちの第1のバッテリモジュールは、電源バスに電気的に接続された第1の組の電源接点と、第1の組の信号接点と、第1の組の電源接点に電力を供給するように動作可能な第1のバッテリパックと、を含む。第1の電子絶縁システムは、第1のバッテリパックと第1の組の電源接点とを電気的に接続解除および接続するように動作可能である。第1の電子制御システムは、電子絶縁システムならびに第1の組の信号接点および/または第1の組の電源接点に電気的に接続される。電子制御システムは、複数のバッテリモジュールのうちの第1のバッテリモジュールと第2のバッテリモジュールとの充電状態の第1の比較を取得し、第1のバッテリモジュールと第2のバッテリモジュールとの健全性状態の第2の比較を取得し、第1のバッテリモジュールと第2のバッテリモジュールとの温度の第3の比較を取得し、第1のバッテリモジュールと第2のバッテリモジュールとの電力の第4の比較を取得するように動作可能である。閉路パラメータは、第1の比較、第2の比較、第3の比較および/または第4の比較に基づいて計算される。閉路パラメータは、第1のバッテリモジュールを第2のバッテリモジュールに接続することが望ましいかどうかに関する接続判定をもたらすために所定の閉路パラメータ値と比較される。電子絶縁システムは、接続判定の肯定的な結果に基づいてバッテリパックを第1の組の電源接点に接続する。電子絶縁システムは、接続判定の否定的な結果に基づいてバッテリパックと第1の組の電源接点とを接続解除する。
【0011】
本開示の1つまたは複数の態様による、バッテリモジュールを電気装置に接続するコンピュータにより実施される方法は、少なくとも1つの温度センサを用いてバッテリモジュールおよび電気装置の温度を測定するステップと、少なくとも1つの電流センサを用いてバッテリモジュールおよび電気装置の電流を測定するステップと、少なくとも電圧センサを用いてバッテリモジュールおよび電気装置の電圧を測定するステップと、を含む。バッテリモジュールの充電状態、健全性状態、および電力は、バッテリモジュールの電流、温度、または電圧のうちの少なくとも1つから計算される。電気装置の充電状態、健全性状態、および電力は、電気装置の電流、温度、または電圧のうちの少なくとも1つから計算される。第1の比較は、バッテリモジュールの充電状態と電気装置との間で得られる。第2の比較は、バッテリモジュールの健全性状態と電気装置との間で得られる。第3の比較は、バッテリモジュールの温度と電気装置との間で得られる。第4の比較は、バッテリモジュールの電力と電気装置との間で得られる。第1、第2、第3、および第4の比較に基づいて閉路パラメータが計算される。閉路パラメータは、接続判定をもたらすために所定の閉路パラメータ値と比較される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【0013】
図1】本明細書に記載の態様による、バッテリモジュールおよびその外部インターフェースの概略図の一例を示す図である。
【0014】
図2】本明細書に記載の態様による、図1のバッテリモジュールの電力および通信システムの一実施形態の概略図の一例を示す図である。
【0015】
図3】本明細書に記載の態様による、バッテリモジュール(図1など)と電気装置との間の制御インターフェースの概略図の一例を示す図である。
【0016】
図4】本明細書に記載の態様による、図2の電気制御システム、電気絶縁システム、および電力潮流制御システムの回路の一実施形態の概略図の一例を示す図である。
【0017】
図5】本明細書に記載の態様による、図1の複数のバッテリモジュールを有するバッテリモジュールシステムの一実施形態の概略図の一例を示す図である。
【0018】
図6】本明細書に記載の態様による、図1のバッテリモジュールの電力および通信システムの別の実施形態の概略図の一例を示す図である。
【0019】
図7】本明細書に記載の態様による、図6の電気制御システムおよび電気絶縁システムの回路の別の実施形態の概略図の一例を示す図である。
【0020】
図8】本明細書に記載の態様による、図1の複数のバッテリモジュールを有するバッテリモジュールシステムの別の実施形態の概略図の一例を示す図である。
【0021】
図9】本明細書に記載の態様による、図1のバッテリモジュールなどのバッテリモジュールを電気装置に接続するための方法の流れ図の一例を示す図である。
【詳細な説明】
【0022】
ここで、本明細書に開示する方法、システム、およびデバイスの構造、機能、製造、および使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例を説明する。1つまたは複数の例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に示されている方法、システム、および装置は非限定的な例であり、本開示の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。一例に関連して図示または説明された特徴は、他の例の特徴と組み合わされてもよい。そのような修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0023】
「有意に」、「実質的に」、「およそ」、「約」、「相対的に」という用語、または特許請求の範囲を含む本開示全体で使用され得る他のそのような類似の用語は、基準またはパラメータからの処理の変動などによる小さな変動を記述および説明するために使用される。このような小さな変動には、基準またはパラメータからのゼロ変動も含まれる。例えば、それらは、±10%以下、例えば±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下を指すことができる。
【0024】
図1を参照すると、本明細書に記載の態様による、第1のバッテリモジュール100およびその外部インターフェースの概略図の一例が示されている。外部インターフェースは、一組のまたは複数組の電源接点102と、一組のまたは複数組の信号接点104と、を含む。各組の電源接点102は、バッテリパック106(図2参照)から生成された電力をバッテリモジュール100に伝導するように動作可能な1つまたは複数の接点を有することができる。各組の信号接点104は、信号と通信し、信号を送信および/または受信するように動作可能な1つまたは複数の接点を有することができる。
【0025】
概要として、バッテリモジュール100などのバッテリモジュールは、感電およびアーク放電などの他の安全上の危険を防ぐために、輸送および保管中に外界から電気的に絶縁され得る。本明細書でより詳細に説明するように、バッテリモジュール100は、電源接点102の通電を可能にする前にハードウェアおよびソフトウェアの冗長性を使用する。
【0026】
これにより、バッテリモジュール100または第2の電気装置120のいずれかの特定の測定されたパラメータが許容可能な値を有する場合にのみ、電源接点102が第2の電気装置120(図3参照)に接続された後に通電されることが保証される。第2の電気装置は、例えば、エネルギー伝達モジュール、特定のバッテリモジュール充電器、特定の所定の負荷、および/または追加のバッテリモジュールであってもよい。バッテリモジュール100は、例えば、携帯型電気自動車206(図5参照)の充電に使用されるエネルギー密度の高いバッテリモジュールシステム200(図5参照)で使用することができる。さらに、バッテリモジュール100は、接続された複数のバッテリモジュールが互いに放電しないことを保証する電気ハードウェアを含む。バッテリモジュール100の電力潮流制御システム108は、バッテリモジュール100および第2の電気装置120がどの電圧にあっても実質的にわずかな逆電流を保証する。これにより、バッテリモジュール100の効率および信頼性が向上する。
【0027】
図2を参照すると、本明細書に記載の態様による、バッテリモジュール100の電力および通信システムの概略図の一例が示されている。先に述べたように、バッテリモジュール100は、外部インターフェースとして一組または複数組の電源接点102および信号接点104を含む。さらに、バッテリモジュール100の内部には、バッテリパック106、電力潮流制御システム108、電子絶縁システム110、およびバッテリモジュール100と図3に示す第2の電気装置120などの他の電気装置との両方のための電子制御システム112がある。
【0028】
電源接点102は、バッテリモジュール100を充電または放電する能力を提供する。信号接点104は、バッテリモジュール100と他の電気装置120との間で補助電圧、制御信号、およびシリアル通信線を伝達する。図2に示すように、電力潮流制御システム108は、より低い充電状態(SOC)を有するバッテリモジュール100がより高いSOCを有するバッテリモジュール100によって充電されるのを防止または抑制する。電子絶縁システム110は、電子絶縁システム110に制御電圧(図示せず)がない場合に電源コネクタ102が確実に通電されないようにする能動的切り替え素子(図4参照)を含むことができるシステムである。バッテリモジュール100内の電子制御システム112は、多数の機能を処理する。例として、電子制御システム112は、バッテリモジュール100の外部の装置に補助電圧を供給し、バッテリモジュールシステム200(図5参照)内の接続されたバッテリモジュール100の数を決定し、バッテリモジュール100と外部装置(図3の電気装置120など)との間のシリアル通信を提供し、電子絶縁システム110を安全にオンおよびオフする時期を決定することができる。
【0029】
電子制御システム112は、電子絶縁システム110および電力潮流制御システム108を制御するために使用することができるいくつかの電気信号およびセンサ(図4参照)を含む。これらの信号およびセンサは、バッテリカウント、頂部検出、底部検出、CANバス、バッテリイネーブル、および制御電圧を含むが、これらに限定されない。これらの信号およびセンサの組み合わせにより、バッテリモジュール100およびバッテリモジュールシステム200は、適切な装置(図3の第2の電気装置120など)が接続され、バッテリモジュール100および/またはバッテリモジュールシステム200に貯蔵されたエネルギーを使用する準備ができたときにのみ、電源端子102に電力を供給することを確実にすることができる。
【0030】
再び図1および図2を参照すると、第1のバッテリモジュールは、外部インターフェースとして第1の組の電源接点102および第1の組の信号接点104を含む。バッテリパック106は、一組の電源接点102に電力を供給するように動作可能である。バッテリパック106は、バッテリセルのシステム(図示せず)から構成されてもよい。各バッテリセルは、電解質によって分離された1つまたは複数のアノードおよびカソードを含むことができる。
【0031】
電子絶縁システム110は、バッテリパック106と第1の組の電源接点102とを電気的に接続解除および電気的に接続するように動作可能である。電子制御システム112は、電子絶縁システム110と、第1の組の信号接点104または第1の組の電源接点102の少なくとも一方と、に電気的に接続されている。電子制御システム112は、第1のバッテリモジュール100および/または第2の電気装置120(図3参照)に関連するパラメータを測定し、そのパラメータを所定の値と比較して、第1のバッテリモジュール100を第2の電気装置120に接続することが望ましいかどうかを決定するように動作可能である。電子絶縁システム110は、パラメータを所定の値と比較した肯定的な結果に基づいて、バッテリパック106を第1の組の電源接点102に接続することができる。電子絶縁システムは、比較の否定的な結果に基づいて、バッテリパック106と第1の組の電源接点102とを接続解除することができる。
【0032】
第2の電気装置120は、いくつかの異なる種類の装置とすることができる。例えば、別のバッテリモジュール100であってもよい。また、充電装置、またはエネルギー伝達モジュール、または特定の所定の負荷であってもよい。
【0033】
上述の測定されたパラメータは、機能するために重要な第1のバッテリモジュール100または第2の電気装置120のいずれかのいくつかのパラメータおよび/または特性のうちの1つであってもよい。例えば、測定されたパラメータは、第1のバッテリモジュール100および/または第2の電気装置120における特定の特性の有無を示すことができる。また、一例として、パラメータは、第1のバッテリモジュール100または第2の電気装置120の抵抗、電流、電圧、充電状態(SOC)または健全性状態(SOH)であってもよい。
【0034】
第1のバッテリモジュール100および/または第2の電気装置120に関連するパラメータは、第1のバッテリモジュール100に関連する第1のパラメータと、第2の電気装置120に関連する第2のパラメータと、を含んでもよい。さらに、パラメータと所定の値との比較は、第1のパラメータと第2のパラメータとの間の差と、差の所定の許容範囲との比較をさらに含むことができる。差が許容範囲内にある場合には、電子絶縁システム110は、バッテリパック106を第1の組の電源接点102に接続することができる。差が許容範囲内にない場合には、電子絶縁システム110は、バッテリパック106と第1の組の電源接点102とを接続解除することができる。
【0035】
言い換えれば、パラメータは、第1のバッテリモジュール100と第2の電気装置120の両方で測定された2つのパラメータの差であってもよい。例えば、パラメータは、第1のバッテリモジュール100と第2の電気装置120との健全性状態(SOH)または充電状態(SOC)の差であってもよい。
【0036】
パラメータが比較される所定の値は、第1のバッテリモジュール100および/または第2の電気装置120の機能にとって重要な値であり得る。例えば、所定値は、第1のバッテリモジュール100と第2の電気装置120(例えば、第2の電気装置120は第2のバッテリモジュール100であってもよい)とのSOCの差の許容範囲であってもよい。例えば、許容範囲は、第1のバッテリモジュール100のSOCが第2の電気装置のSOCの±50%、±30%、±25%、±15%、±10%、または±5%以内であってもよい。
【0037】
第1のバッテリモジュール100はまた、バッテリパック106と第1の組の電源接点102との間に接続された電力潮流制御システム108を含む。図2に示す例では、電力潮流制御システム108は、電子絶縁システム110と第1の組の電源接点102との間に接続される。電力潮流制御システム108は、第1の組の電源接点102からバッテリパック106への電流の逆流を防止または阻止するように動作可能である。電力潮流制御システム108は、バッテリパック106と第1の組の電源接点102との間に接続された少なくとも1つのダイオード140(図4参照)を含んでもよい。
【0038】
図3を参照すると、本明細書に記載の態様による、第1のバッテリモジュール100と第2の電気装置120との間の制御インターフェース128の概略図の一例が示されている。第1のバッテリモジュール100は、制御インターフェース128において第2の電気装置120の第2の組の電源接点102に電気的に接続するように動作可能な第1の組の電源接点122を含む。さらに、バッテリモジュール100の第1の組の信号接点104は、第2の電気装置120の第2の組の信号接点124に電気的に接続するように動作可能である。
【0039】
図3に示すように、バッテリモジュール100の電子制御システム112および第2の電気装置120の電子制御システム126は両方とも、第1および第2の組の信号接点104、124が互いに接続されたとき、ならびに/あるいは第1および第2の組の電源接点102、122が互いに接続されたときに、バッテリモジュール100に関連する第1のパラメータと第2の電気装置120に関連する第2のパラメータとの間の差を測定するように動作可能である。バッテリモジュール100の電子制御システム112は、第1の組の電源接点102および/または第1の組の信号接点104を介してパラメータを測定することができる。第2の電気装置120の電子制御システム126は、第2の組の電源接点122および/または第2の組の信号接点124を介してパラメータを測定することができる。
【0040】
図4を参照すると、本明細書に記載の態様による、バッテリモジュール100の電子制御システム112、電子絶縁システム110、および電力潮流制御システム208の回路の概略図の一例が示されている。電子制御システム112は、メモリおよびメモリ内の実行可能プログラムを有するマイクロプロセッサ130を含むことができる。マイクロプロセッサ130は、信号接点104および/または電源接点102と通信し、信号を受信し、および/または信号を処理することができる。
【0041】
電子制御システム112は、第1の組の電源接点102とバッテリパック106との間の様々な電圧を測定するために、マイクロプロセッサ130と電気的に通信する様々な電圧センサ132、134を含んでもよい。さらに、電子制御システム112は、バッテリパック106と第1の組の電源接点102との間で伝導されている電流を測定するために、マイクロプロセッサ130と電気的に通信する電流センサ136を含んでもよい。
【0042】
電子絶縁システム110は、バッテリパック106と第1の組の電源接点102との間に電気的に接続された少なくとも1つの切り替え装置138を含んでもよい。少なくとも一方の切り替え装置138が開位置にあるとき、第1の組の電源接点102はバッテリパック106から絶縁される。少なくとも1つの切り替え装置138が閉位置にあるとき、第1の組の電源接点102はバッテリパック106に電気的に接続される。少なくとも1つの切り替え装置138は、1つまたは複数のリレー、MOSFETおよび/または他の種類のトランジスタスイッチなどを含んでもよい。
【0043】
電力制御システム108は、1つまたは複数のダイオード140を含んでもよい。さらに、他の一方向性電流素子および/または回路が利用されてもよい。
【0044】
図5を参照すると、本明細書に記載の態様による、複数のバッテリモジュール100を有するバッテリモジュールシステム200の概略図の一例が示されている。バッテリモジュールシステム200は、電気的に並列に接続されたバッテリモジュール100から出力された電力を電気自動車206のバッテリなどの外部電気負荷に導くバッテリモジュールシステム電源バス202を含む。一例として、バッテリモジュールシステム200の電力出力は、負荷コネクタ208を介して外部電気負荷に接続されてもよい。
【0045】
図5に示す例では、外部電気負荷は、バッテリモジュールシステム200が充電している電気自動車206用のバッテリである。しかしながら、外部電気負荷は、任意の数の電気装置、システム、および用途を含んでもよい。例えば、外部電気負荷は、電動工具、航空機システムなどを含んでもよい。
【0046】
バッテリモジュールシステム200は、電源バス202において互いに並列に接続された複数のバッテリモジュール100a~100eを含む。しかしながら、バッテリモジュールシステム200には、任意の数のバッテリモジュール100が用いられてもよい。
【0047】
同様の構成要素についての同様の符号は、図5において、バッテリモジュールシステム200内のバッテリモジュールのいずれかまたはすべて、ならびに/あるいはバッテリモジュールの構成要素およびシステムを指すときに使用される。しかしながら、明確にするために、図5の特定のバッテリモジュール、構成要素、またはシステムを参照する場合、文字「a~e」が符号の最後に付加される。
【0048】
複数のバッテリモジュール100a~100eのうちの第1のバッテリモジュール100aは、電源バス202に電気的に接続された第1の組の電源接点102aを含む。第1のバッテリモジュール100aはまた、信号バス204を介して互いに電気的に接続された第1の組の信号接点104aを含む。あるいは、信号接点は、様々なセンサなどの信号源に独立して接続されてもよい。このような独立した信号は、このような信号を搬送する独立した導体を有するが、共通の信号バスを有さない、より大きなケーブルハーネスを通過することができる。
【0049】
第1のバッテリモジュール100aの第1のバッテリパック106aは、第1の組の電源接点102aに電力を供給するように動作可能である。第1のバッテリモジュール100aの第1の電子絶縁システム110aは、第1のバッテリパック102aと第1の組の電源接点102aとを電気的に接続解除および接続するように動作可能である。第1の電子制御システム112aは、第1の電子絶縁システム110aと、第1の組の信号接点104aおよび第1の組の電源接点102aの一方または両方と、に電気的に接続されている。
【0050】
第1のバッテリモジュール100aの電子制御システム112aは、複数のバッテリモジュール100a~100eの第1のバッテリモジュール100aおよび/または第2のバッテリモジュール100bに関連するパラメータを測定するように動作可能であってもよい。電子制御システム112aはまた、パラメータを所定の値と比較して、第1のバッテリモジュール100aを第2のバッテリモジュール100bに接続することが望ましいかどうかを決定するように動作可能であってもよい。次いで、バッテリモジュール100aの電子絶縁システム110aは、比較の肯定的な(例えば、互換性のある充電状態または充電前の互換性のある電圧)結果に基づいて、バッテリモジュール100aのバッテリパック106aをバッテリモジュール100aの第1の組の電源接点102aに接続することができる。電子絶縁システム110aは、比較の否定的な(例えば、非適合充電状態)結果に基づいて、バッテリパック106aと第1の組の電源接点102aとを接続解除することができる。
【0051】
バッテリモジュールシステム200の第1および第2のバッテリモジュールをそれぞれ具体的にバッテリモジュール100aおよびバッテリモジュール100bと称したが、第1および第2のバッテリモジュールはそれぞれ、バッテリモジュールシステム200の任意のバッテリモジュール100であってもよい。言い換えると、第1のバッテリモジュール100は、バッテリモジュールシステム200の複数のバッテリモジュールのうちのいずれかのバッテリモジュール100a~100eを含んでもよい。さらに、第2のバッテリモジュール100は、バッテリモジュールシステム200の複数のバッテリモジュールのうちの他の任意のバッテリモジュール100a~100eを含んでもよい。
【0052】
電子制御システム112aによって測定され、第1のバッテリモジュール100aおよび第2のバッテリモジュール100bの一方または両方に関連するパラメータは、第1のバッテリモジュール100aに関連する第1の充電状態およびバッテリモジュール100bに関連する第2の充電状態をさらに含んでもよい。さらに、パラメータと所定の値との比較は、第1の充電状態と第2の充電状態との間の差を、差の所定の許容範囲と比較することをさらに含むことができる。
【0053】
第1の充電状態(第1のSOC)と第2の充電状態(第2のSOC)との差が許容範囲内にある場合には、電子絶縁システム110aは、バッテリパック106を第1の組の電源接点102aに接続することができる。差が許容範囲内にない場合には、電子絶縁システム110aは、バッテリパック106aと第1の組の電源接点102aとを接続解除することができる。許容範囲は、第1のバッテリモジュール100aのSOCが第2のバッテリモジュール100bのSOCの±50%以内、±30%以内、±25%以内、±15%以内、±10%以内、または±5%以内であってもよい。
【0054】
バッテリモジュールシステム200の第1のバッテリモジュール100aはまた、第1のバッテリパック106aと第1の組の電源接点102aとの間に接続された第1の電力潮流制御システム108aを含んでもよい。第1の電力潮流制御システム108aは、第1の組の電源接点102aから第1のバッテリパック106aへの電流の逆流を防止または実質的にわずかなレベルまで抑制するように動作可能である。これは、他の一方向電流素子または回路を使用して、1つまたは複数のダイオード140(図4参照)を用いて行うことができる。
【0055】
第2のバッテリモジュール100bはまた、第2のバッテリパック106bと第2の組の電源接点102bとの間に接続された第2の電力潮流制御システム108bを含んでもよい。第2の電力潮流制御システム108bは、第2の組の電源接点102bから第2のバッテリパック106bへの電流の逆流を防止または阻止するように動作可能である。
【0056】
バッテリモジュールシステム200の様々なバッテリモジュール100a~100eはまた、頂部検出装置および底部検出装置を含んでもよい。例えば、第1のバッテリモジュール100aは、第1のバッテリモジュール100aの頂部に位置する複数のバッテリモジュール100a~100eのうちの他のバッテリモジュール100を検出するように動作可能な頂部検出装置を含んでもよい。さらに、第1のバッテリモジュール100aは、第1のバッテリモジュール100aの底部に位置する複数のバッテリモジュール100a~100eのうちの他のバッテリモジュール100を検出するように動作可能な底部検出装置を含んでもよい。
【0057】
頂部および底部検出装置は、バッテリモジュール100がバッテリモジュール100のスタックの中間部分にあるかどうかを判定するように設計された任意の数の回路素子およびシステムを含んでもよい。頂部および底部検出装置はまた、任意の所与のバッテリモジュール100の上方または下方にいくつのバッテリモジュール100があるかを決定するのを助けることができる。一例では、CANバス接点は、接点がそのようなCANバスに接続することを可能にするために、バッテリモジュールのスタック内の最も下のバッテリモジュール(例えば、バッテリモジュール100a)の底部側で有効にすることができる。残りの部分、すなわち最も下ではないバッテリモジュールでは、CANバスは最も下のモジュールにのみ接続され、スタック内の中央または頂部のモジュール上のCANバス接点は有用ではないため、そのようなCANバス接点は有効にならない。したがって、位置検出装置(例えば、頂部または底部検出装置)は、バッテリモジュールのスタックの1つまたは複数のみが別の装置に接続する場合、またはそうでなければバッテリモジュールのスタックの残りの部分とは異なるように機能する場合に有用であり得る。頂部および底部検出器の使用の別の例は、電源バスがユーザ/オペレータから安全に絶縁され得るかどうかを判定することができることである。最も下のバッテリには、電源バスが完全に絶縁されたままであることを確実にするためにベースまたはカバーが含まれてもよい。
【0058】
図6を参照すると、本明細書に記載の態様による、バッテリモジュール100の電力および通信システムの別の実施形態の概略図の一例が示されている。図6のモジュール100の実施形態と図1のモジュール100の実施形態との主な違いは、電力潮流制御システム108が取り外されていることである。そのダイオード140(図4参照)および/または他の一方向性回路を含む電力潮流制御システム108を取り外すことによって、バッテリモジュールの効率を高めることができる。しかしながら、本明細書でより詳細に説明するように、電子制御装置112の回路は、電力潮流制御システム108の取り外しを補償するように変更されてもよい。
【0059】
残りの図6図9では、説明された構成要素の多くは、本明細書で前述した構成要素と同じまたは同様の形状適合および機能を有する。その場合、それらの構成要素は同一符号で参照される。
【0060】
バッテリモジュール100は、第1の組の電源接点102および第1の組の信号接点104を含む。バッテリパック106は、一組の電源接点102に電力を供給するように動作可能である。電子絶縁システム110は、バッテリパック106と第1の組の電源接点102とを電気的に接続解除および電気的に接続するように動作可能である。
【0061】
電子制御システム212は、電子絶縁システム110、ならびに第1の組の信号接点104および/または第1の組の電源接点102に電気的に接続されている。しかしながら、電子制御システム212は、電力潮流制御システム108の除去を補償するように設計される。
【0062】
図7を参照すると、本明細書に記載の態様による、電気制御システム212および電子絶縁システム110の回路の概略図の一例が示されている。電子絶縁システム110は、図4で前述したものと同様であり、バッテリパック106と第1の組の電源接点102との間に電気的に接続された少なくとも1つの切り替え装置138を含んでもよい。
【0063】
しかしながら、電子制御システム212のマイクロプロセッサ214は、電力潮流制御システム108の除去を補償するように特に設計されたアルゴリズムをそのメモリに含む。アルゴリズムは、バッテリモジュールを最小電流の逆流で別の電気装置(第2のバッテリモジュールなど)に接続するための最適な時間および条件を決定するための1つまたは複数の方法を実行するためにマイクロプロセッサによって実行される一組の命令としてマイクロプロセッサ214のメモリに格納される。さらに、マイクロプロセッサ214は、バッテリモジュール100を別の電気装置に接続する方法を実行するために、より多くの機器と通信することができる。図7に示す例では、マイクロプロセッサは、1つまたは複数の電圧センサ132、134、1つまたは複数の電流センサ136、ならびに1つまたは複数の温度センサ216と電気的に通信する。
【0064】
したがって、電子制御システム212は、バッテリモジュール100の充電状態と図3の電気装置120などの電気装置との間の第1の比較を取得するように動作可能である。電子制御システム212はまた、バッテリモジュール100の健全性状態と電気装置120との第2の比較を得るように動作可能である。電子制御システム100はまた、バッテリモジュール100と電気装置120との温度(平均温度など)の第3の比較を得るように動作可能である。電子制御システム100はまた、バッテリモジュール100の電力(出力電力など)と電気装置120との間の第4の比較を得るように動作可能である。
【0065】
次いで、電子制御システム212は、第1の比較、第2の比較、第3の比較および/または第4の比較に基づいて閉路パラメータを計算することができる。その後に、閉路パラメータを所定の閉路パラメータ値と比較して、第1のバッテリモジュールを電気装置に接続することが望ましいかどうかに関する接続判定をもたらすことができる。電子絶縁システムは、接続判定の肯定的な結果に基づいてバッテリパック106を第1の組の電源接点102に接続することができる。電子絶縁システム212は、接続判定の否定的な結果に基づいて、バッテリパック106と第1の組の電源接点102とを接続解除することができる。
【0066】
バッテリモジュール100は、第1のバッテリモジュール100a(図5および図8参照)などの第1のバッテリモジュールであってもよく、電気装置120は、第2のバッテリモジュール100b(図5および図8参照)などの第2のバッテリモジュールであってもよい。その場合、第1の比較は、第1のバッテリモジュール100aと第2のバッテリモジュール100bとの充電状態の差を含んでもよい。第2の比較は、第1のバッテリモジュール100aと第2のバッテリモジュール100bとの健全性状態の差を含んでもよい。第3の比較は、第1のバッテリモジュール100aと第2のバッテリモジュール100bとの温度差を含んでもよい。最後に、第4の比較は、第1のバッテリモジュール100aと第2のバッテリモジュール100bとの電力差を含んでもよい。
【0067】
図8を参照すると、本明細書に記載の態様による、複数のバッテリモジュール100a~100eを有するバッテリモジュールシステム300の別の実施形態の概略図の一例が示されている。バッテリモジュールシステム300は、図5に示すものと同様の方法でバッテリモジュール100a~100eの電源接点102a~102eに接続された電源バス302を含む。バッテリモジュールシステム300はまた、図5に示すものと同様の方法で信号接点104a~104bに接続された信号バス304を含む。
【0068】
図8に示す例では、第1のバッテリモジュール100aおよび第2のバッテリモジュール100bは、バッテリモジュールシステム300の複数のバッテリモジュール100a~100eの少なくとも一部である。バッテリモジュールシステム300は、第1のバッテリモジュール100aの第1の組の電源接点102aおよび第2のバッテリモジュール100bの第1の組の接点102bに接続されるように動作可能な電源バス302を含む。
【0069】
閉路パラメータは、前述したように、閉路電圧とサグ電圧との差の絶対値であってもよい。サグ電圧は、本明細書で使用する場合、バッテリモジュール100aの電源接点102aが電源バス302に接続される前の電源バス302上の測定電圧である。本明細書で使用される場合、閉路電圧は、バッテリモジュール100aの電源接点102aが電源バス302に接続された場合にサグ電圧がどのようになるかの予測値である。
【0070】
閉路パラメータが比較される所定の閉路パラメータ値は、変化してもよい。例えば、閉路パラメータは、5ボルト未満、4ボルト未満、3ボルト未満、2ボルト未満、または1ボルト未満であってもよい。
【0071】
マイクロプロセッサ212のメモリに命令として格納されたアルゴリズムは、閉路パラメータを計算し、一方の温度センサ216(図7参照)を用いてバッテリモジュール100aおよび第2のバッテリモジュール100bなどの電気装置の温度を測定することによって接続判定を決定することができる。電流センサ136により、バッテリモジュール100aおよび第2のバッテリモジュール100bの電流を測定することができる。第1のバッテリモジュール100aおよび第2のバッテリモジュール100bの電圧は、電圧センサ132、134によって測定され得る。測定された温度、電流および電圧を用いて、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの充電状態、健全性状態および電力を計算することができる。次いで、温度、電力、充電状態、および健全性状態を使用して、前述の第1、第2、第3、および第4の比較を取得することができる。次いで、第1、第2、第3、および第4の比較に基づいて閉路パラメータを計算することができる。次いで、閉路パラメータを所定の閉路パラメータ値と比較して、接続判定をもたらすことができる。
【0072】
さらに、第1のバッテリモジュール100aの動作状態は、閉路パラメータ、したがって接続判定の結果に影響を及ぼす。最も重要な3つの動作状態は、「電力取り出し前」の動作状態、「電力取り出し中」の動作状態、および「電力取り出し後」の動作状態である。それらは、本明細書では以下のように定義される。
【0073】
「電力取り出し前」とは、バッテリモジュールシステム300などのシステムがアイドル状態であり、電気自動車207のバッテリ206などの外部電気負荷に接続されてからまだ動作していないときである。これは、バッテリモジュール100aなどのバッテリモジュールからエネルギーが取り出される前に行われる。この状態では、バッテリモジュールは電源バス内に閉じられてもよく、または依然として開いていてもよい。この状態を他の2つの状態と区別する主な要因は、バッテリモジュールが電源バス内に閉じられると、外部電気負荷に電力が流れないことである。電気自動車207などの負荷では、これは車両が充電を開始する前の時間である。
【0074】
「電力取り出し中」とは、バッテリモジュール100aなどのバッテリモジュールが、電気自動車207のバッテリ206などの外部電気負荷にエネルギーを供給しているときである。電気自動車207などの負荷では、これは車両が充電している間の時間である。この状態では、バッテリモジュールから外部の電気負荷に電力が流れている。
【0075】
「電力取り出し後」とは、バッテリモジュール100aなどのバッテリモジュールが依然としてバッテリモジュールシステム300などのシステムに接続されているが、それ以上電力取り出されていない時間である。これは、電気自動車207などの外部電気負荷が充電を停止したとき、または外部電子負荷がシステムから取り外されたときであり得る。これは、電力取り出し停止に起因してバッテリモジュールの電圧サグが除去されるという点で、「電力取り出し前」の状態とは異なる。したがって、バッテリモジュール電圧はその開回路電圧まで上昇する。
【0076】
したがって、接続判定を計算するためにマイクロプロセッサ214によって使用される方法は、バッテリモジュールの動作状態を判定するステップを含むことができ、動作状態は、「電力取り出し前」の状態、「電力取り出し中」の状態、および/または「電力取り出し後」の状態である。その後に、動作状態を使用して閉路パラメータを計算することができる。
【0077】
図9を参照すると、本明細書に記載の態様による、バッテリモジュールを電気装置に接続するためのコンピュータにより実施される方法の流れ図400の一例が示されている。一例として、本明細書で使用する場合、バッテリモジュールは第1のバッテリモジュール100aであってもよく、電気装置は第2のバッテリモジュール100bであってもよい。両方のバッテリモジュール100a、100bは、バッテリモジュールシステム300などのバッテリモジュールシステムに接続され得る。
【0078】
本方法は、402において、第1のバッテリモジュール100aが最初にオンにされ、そのマイクロプロセッサ214を含むその制御回路がアクティブであるときに開始する。さらに、電気装置、例えばバッテリモジュール100bもオンにされ、バッテリモジュール100aに信号を供給する。初期始動のこの時点で、電子絶縁システム110は、デフォルトで、バッテリモジュール100aの電源接点102からバッテリパック106を接続解除する。
【0079】
404において、第1のバッテリモジュール100aおよび第2のバッテリモジュール100aの温度が、温度センサ216などの1つまたは複数の温度センサによって測定される。温度は、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの両方の平均温度であってもよい。温度センサは、バッテリモジュール100a、100b全体のいくつかの場所として配置されてもよい。バッテリモジュール100bからの温度データは、信号データとして信号接点104aおよびバッテリモジュール100aのマイクロプロセッサ214に送信され得る。
【0080】
さらに、404において、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの電流は、電流センサ136などの電流センサで測定され得る。電流は、バッテリモジュール100a、100bの出力電流であってもよい。
【0081】
さらに、404において、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの電圧は、電圧センサ132および134などの電圧センサを用いて測定され得る。電圧は、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの出力電圧であってもよい。
【0082】
406において、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの充電状態、健全性状態および電力が、バッテリモジュールの電流、温度および/または電圧のうちの少なくとも1つから計算される。電力は、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの出力電力であってもよい。
【0083】
408において、測定値および計算値は、マイクロプロセッサ214のアルゴリズムに送られる。アルゴリズムは、マイクロプロセッサ214のメモリに格納された実行可能命令の形態である。
【0084】
410において、バッテリモジュール100aの動作状態が判定される。動作状態は、電力取り出し前の状態、電力取り出し中の状態および電力取り出し後の状態であってもよい。
【0085】
412において、アルゴリズムは、第1のバッテリモジュール100a(すなわち、バッテリモジュール)と第2のバッテリモジュール100b(すなわち、電気装置)との充電状態の第1の比較を取得する。アルゴリズムはまた、第1のバッテリモジュール100aと第2のバッテリモジュール100bとの健全性状態の第2の比較を取得する。アルゴリズムはまた、第1のバッテリモジュール100aと第2のバッテリモジュール100bとの温度の第3の比較を取得する。アルゴリズムはまた、第1のバッテリモジュール100aと第2のバッテリモジュール100bの電力の第4の比較を取得する。比較の1つの形態は、差であり得る。すなわち、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの充電状態、健全性状態、温度および電力の比較は、第1および第2のバッテリモジュール100a、100bの充電状態、健全性状態、温度および電力の値の差であってもよい。
【0086】
414において、第1、第2、第3および/または第4の比較に基づいて閉路パラメータが計算される。閉路パラメータはまた、決定された動作状態に基づいてもよい。例えば、閉路パラメータは、閉路電圧とサグ電圧との差の絶対値であってもよい。サグ電圧は、第1のバッテリモジュール100aの電源接点102aが電源バス320に接続される前の電源バス302上の測定電圧であってもよい。閉路電圧は、第1のバッテリモジュール100aの電源接点102aが電源バス302に接続された場合にサグ電圧がどのようになるかの予測値であってもよい。
【0087】
416において、閉路パラメータは、接続判定をもたらすために所定の閉路パラメータ値と比較される。閉路パラメータが閉路電圧とサグ電圧との差の絶対値である場合、所定の閉路パラメータ値は、絶対値が5ボルト未満、4ボルト未満、3ボルト未満、2ボルト未満、または1ボルト未満でなければならないことであり得る。所定の閉路パラメータ値は、動作状態に応じて変化してもよい。
【0088】
接続判定が否定的な結果である場合には、例えば、閉路パラメータが所定の閉路パラメータ値の範囲内にない場合には、第1のバッテリモジュール100aは第2のバッテリモジュール100bから接続解除される(または接続解除されたままである)。これは、電子制御システム212のマイクロプロセッサ214が、バッテリパック106をバッテリモジュール100aの電源接点104aに接続しないように電子絶縁システム110に信号コマンドを提供することによって実施される。次いで、方法は、404にループバックし、新しい一連のステップを開始する。
【0089】
418において、接続判定が肯定的な結果である場合には、例えば、閉路パラメータが所定の閉路パラメータ値の範囲内にある場合には、第1のバッテリモジュール100aは第2のバッテリモジュール100bに接続される。これは、電子制御システム212のマイクロプロセッサ214が、バッテリパック106をバッテリモジュール100aの電源接点104aに接続するために(制御電圧などの)信号コマンドを電子絶縁システム110に提供することによって実施される。次いで、第1のバッテリモジュール100aのバッテリパック106を、バッテリモジュールシステム300の電源バス302および第2のバッテリモジュール100bに接続することができる。次いで、方法は420で停止する。
【0090】
電気自動車(例えば、電気自動車207)のバッテリ(例えば、バッテリ206)を充電するためのシステム(例えば、バッテリモジュール100、電気装置120、バッテリモジュールシステム200、および、バッテリモジュールシステム300)および方法が本明細書に記載されているが、そのようなシステムおよび方法は、電気負荷に電気エネルギーを供給し、および/または他のエネルギー蓄積装置に充電するために使用することができる。そのような他のエネルギー蓄積装置は、電力網連結エネルギー蓄積装置、またはパーソナルエレクトロニクスから産業用電気自動車(例えば、フォークリフトトラックまたは他の作業車両)に及ぶ使用のための移動エネルギー蓄積装置であってもよい。
【0091】
本明細書でより詳細に説明した前述の概念および追加の概念のすべての組み合わせ(そのような概念は相互に矛盾しない限り)は、本明細書に開示する発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示する本発明の主題の一部であると考えられる。
【0092】
本発明を特定の例を参照して説明したが、記載された本発明の概念の趣旨および範囲内で多くの変更を行うことができることを理解されたい。したがって、本開示は、記載された例に限定されず、以下の特許請求の範囲の文言によって定義される全範囲を有することが意図される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】