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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】表示機構
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/247 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
G04B19/247 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571601
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 IB2020057825
(87)【国際公開番号】W WO2021038396
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】19194522.9
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501099611
【氏名又は名称】パテック フィリップ ソシエテ アノニム ジュネーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ファゲ セドリック
(72)【発明者】
【氏名】スーダン マルク アントワーヌ
(57)【要約】
本発明は、同一平面上にあるように配置された第1の表示ホイール(110;120)と第2の表示ホイール(130;140)とを備えた時計ムーブメントの表示機構に関し、第1及び第2の表示ホイール(110、120;130;140)は更に、少なくとも1つのボールベアリングによって互いに対して枢動するように配置されている。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一平面上に配置された第1の表示ホイール(110;120)及び第2の表示ホイール(130;140)を備えた時計ムーブメントの表示機構であって、
前記第1及び第2の表示ホイール(110、120;130;140)は、少なくとも1つのボールベアリング(161、162、163、164)によって互いに対して枢動するように更に構成されている、
ことを特徴とする表示機構。
【請求項2】
前記第1及び第2の表示ホイールの各々は、固定部と、第1及び第2のボールベアリングによって前記固定部に対して枢動する可動部と、をそれぞれ備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の表示機構。
【請求項3】
前記第1及び第2の表示ホイール(110、130;120、140)もまた同軸である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の表示機構。
【請求項4】
前記第1及び第2の表示ホイールの各々は可動部を含み、前記第2の表示ホイールの前記可動部は、第1のボールベアリングによって前記第1の表示ホイールの前記可動部の内側で枢動する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の表示機構。
【請求項5】
前記第1の表示ホイールの前記可動部が第2のボールベアリングによって前記固定部の内側で枢動されるか、又は前記第2の表示ホイールの前記可動部が第3のボールベアリングによって前記固定部の外側で枢動されるように構成された少なくとも1つの固定部を更に備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示機構。
【請求項6】
前記第1及び第2の表示ホイール(110、130、120、140)と同軸且つ同一平面上にある固定リング(15;17)を備え、
前記第1の表示ホイールは、外側リング(110;120)を含み、前記第2の表示ホイールは、内側リング又はディスク(130;140)を含み、
前記第1の表示ホイールの前記外側リング(110;120)は、第1のボールベアリング(162;164)によって固定リング(15;17)に対してその外側で枢動運動するように構成され、
前記第2の表示ホイールの内側リング又はディスク(130;140)は、第2のボールベアリング(161;163)によって固定リング(15;17)に対してその内側で枢動運動するように構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示機構。
【請求項7】
前記第1及び第2の表示ホイールは、それぞれ第1及び第2のインジケーター(11、12、13、14)を担持し、前記第1及び第2のインジケーターは、少なくとも1つの情報項目を表示するための少なくとも1つの固定されたアパーチャと協働するようになっている、
ことを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載の表示機構。
【請求項8】
前記第1及び第2のインジケーター(11、12、13、14)は、同じ固定された単一のアパーチャと協働するように構成されている、
ことを特徴とする、請求項7に記載の表示機構。
【請求項9】
前記第1及び第2の表示ホイールによって担持される前記第1及び第2のインジケーター(11、12)は、前記固定されたアパーチャと協働して単一の情報項目を表示する、
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の表示機構。
【請求項10】
請求項1~9の何れか1項に記載の表示機構を備える時計用ムーブメント。
【請求項11】
請求項10に記載のムーブメントを備える時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計の表示機構に関し、詳細には、簡易型又は永久型日付表示機構、好ましくは、日付、曜日、及び月を表示できる表示機構に関する。
【0002】
時計、特に腕時計の日付を表示する際に引き起こされる問題の1つは、視認性である。実際、表示ホイール(日付ディスク)にわたって31個の表示を配置すると、多くの場合、表示のサイズが極めて小さくなり、快適に読むには小さすぎることもある。この問題は、51個の表示を含む週番号の表示についても同様である。
【0003】
この問題の複数の解決策として、読み取りを助けるために、ガラスに拡大鏡などの光学的拡大手段を設けること、又は、1の位と十の位を別個のホイールに分けて、従ってこれらの桁のサイズを大幅に拡大できることが考えられる。
【0004】
この後者の方法を用いた日付機構は、一般に「ラージデイト」と呼ばれ、周知である。スイス国特許第310 559号には、例えば、一方が十の位を有し他方が1の位を有する、2つの並置されたディスク又は同一平面上にあるディスクによって日付が表示される日付表示部が記載されている。1の位と十の位のディスクの他の配置も可能である。欧州特許第0 529 191号及び欧州特許第1 070 996号には、1の位のディスクと十の位のディスクが重ね合わされた日付表示が記載されている。スイス国特許第690 515号、ドイツ国特許第102005010602号、及びスイス国特許第688 671号には、同一平面上及び同軸上にある1の位のディスクと十の位のディスクを有する日付表示部が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】スイス国特許第310 559号明細書
【特許文献2】欧州特許第0 529 191号明細書
【特許文献3】欧州特許第1 070 996号明細書
【特許文献4】スイス国特許第690 515号明細書
【特許文献5】ドイツ国特許第102005010602号明細書
【特許文献6】スイス国特許第688 671号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの機構には、幾つかの欠点がある。一方では、これらの機構が重なり合っている場合、十の位のディスクと1の位のディスクのレベルの差異により、日付表示部の読み取り及び外観が損なわれる。他方では、これらが同一平面上にあるかどうかに関わらず、十の位のディスクと1の位のディスクが同軸上にある場合、それぞれの支持体の枢動運動に関連する制約:すなわち、ベアリング又は石の枢動運動による摩擦、相互作用するスピンドルとホイールとの間の枢動運動による摩擦がある。これらの制約の一部の理由によって、ディスクは、互いにブレーキをかけるか、又は不適切な瞬間に摩擦により互いに駆動することがある。更に、これらの機構は、これらの制約を克服し、日付の1の位と十の位が変わるときに2つのディスクを同時に枢動させるためには、かなりのトルクを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明の目的は、2つの同一平面上にある表示ディスクを含む表示機構、特に日付を表示する機構であって、上述した欠点を解消する表示機構を提示することである。本発明の1つの特定の目的は、ディスクの重ね合わせなしに、可能な限り大きい単一のアパーチャの単一のラインに日付、曜日、及び月を表示することを可能にする表示機構を提示することである。
【0008】
本発明は、請求項1に記載の表示機構、並びに請求項10及び11にそれぞれ記載のムーブメント及び時計に関する。
【0009】
添付図は、本発明による表示機構の一実施形態を概略的且つ例示的に示したものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】日付、曜日、及び月の表示を可能にする、本発明の一実施形態による表示機構を示す図である。
図2図1の曜日及び月のインジケーターがない図である。
図3図1の曜日及び月のインジケーター又はディスクがない状態を示す図である。
図4a図1の表示機構の表示ホイールの透視図である。
図4b図1の表示機構の表示ホイールの側面図である。
図5a図1の表示機構のボールベアリングの透視図である。
図5b図1の表示機構のボールベアリングの断面図である。
【0011】
本発明は、時計のムーブメントで使用されることを目的とする表示機構に関する。図示された実施形態では、表示機構は、日付、曜日、及び月を表示することが可能である。
【0012】
詳細には、図示の表示機構は、全体として日付表示を形成する十の位インジケーター11及び1の位インジケーター12、並びに曜日インジケーター13及び月インジケーター14を備える。
【0013】
十の位インジケーター11は、クラウンの形をしており、0、1、2、3の一連の数字が反時計回りに5回繰り返されている。
【0014】
1の位インジケーター12はまた、クラウンの形をしており、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9の一連の数字が反時計回りに2回繰り返されている。
【0015】
1の位と十の位が別々のホイールで示されるので、日付の表示は「ラージデイト」タイプであり、従って、読み取りを容易にするため適度なサイズの表示が可能である。
【0016】
曜日インジケーター13及び月インジケーター14は、ディスク状になっており、それぞれ、時計回りに配置された曜日の7つのインジケーター及び年の月の12のインジケーターを有する(図中のインジケーターでは、通常の英語の略語が使用されている)。
【0017】
図示の実施形態では、十の位インジケーター11と曜日インジケーター13とは同軸且つ同一平面上にあり、十の位インジケーター11が曜日インジケーター13を取り囲んでいる。また、1の位インジケーター12と月インジケーター14もまた、同軸且つ同一平面上にあり、1の位インジケーター12が月インジケーター14を取り囲んでいる。4つのインジケーター11,12,13,14は、同一平面上にあるように配置されている。このようにして、曜日、日付及び月を同じ平面で単一の大きなアパーチャにて表示することができる。
【0018】
より正確には、曜日インジケーター13は、曜日ディスク130によって担持されている。曜日ディスク130は、当該曜日ディスク130と同軸で、ムーブメントのプレート又はブリッジに固定的に取り付けられた第1の固定リング15に対して枢動するように配置されている。曜日ディスク130は、曜日ディスク130と第1の固定リング15との間に、第1の一連のボール161が任意の適切な手段(ケージ)によって規則的な間隔の配置で保持されている第1のボールベアリング(図5a及び5b参照)によって、第1の固定リング15の内部で枢動する。
【0019】
十の位インジケーター11は、曜日ディスク130及び第1の固定リング15に同軸に取り付けられた十の位のリング110によって担持され、十の位のリング110と第1の固定リング15との間に任意の適切な手段(ケージ)によって第2の一連のボール162が規則的な間隔の配置で保持されている第2のボールベアリング(図5a及び5b参照)によって、前記第1の固定リング15に対して枢動するように配置されている。
【0020】
1の位インジケーター12と月インジケーター14の配置は同様である。月インジケーター14は、月ディスク140によって担持されている。月ディスク140は、当該月ディスク140と同軸の第2の固定リング17に対して枢動するように配置されており、ムーブメントのプレート又はブリッジに固定的に取り付けられている。月ディスク140は、月ディスク140と第2の固定リング17との間に任意の適切な手段(ケージ)によって第3の一連のボール163が規則的な間隔の配置で保持されている第3のボールベアリング(図5a及び5b参照)によって、第2の固定リング17の内側で枢動する。
【0021】
1の位インジケーター12は、月ディスク140及び第2の固定リング17に同軸に取り付けられた1の位リング120によって担持されており、1の位リング120と第2の固定リング17との間に任意の適切な手段(ケージ)によって第4の一連のボール164が規則的な間隔の配置で保持されている第4ボールベアリング(図5a及び5b参照)によって、上記第2の固定リング17に対して枢動するように配置されている。
【0022】
このように、4つのボールベアリングが、第1に曜日ディスク130、第1の固定リング15及び第1のシリーズのボール161によって形成され、第2に第1の固定リング15、十の位のリング110及び第2のシリーズのボール162によって形成され、第3に月ディスク140、第2の固定リング17及び第3のシリーズのボール163によって形成され、第4に第2の固定リング17によって形成されており、この4つのボールベアリングは、曜日ディスク130、十の位のリング110、及び第1の固定リング15の間、並びに月ディスク140、1の位のリング120、及び第2の固定リング17の間の転がり摩擦によって、(2つのベアリング又は石の間のスピンドルの、或いは他方の内側で相互作用するチューブの)滑り摩擦を置き換えることを可能にする。
【0023】
一般的には、第1の実施形態による表示機構は、1の位のリング120(1の位インジケーター12)を月に30回(31から01への移行中は駆動しない、以下を参照)駆動し、曜日ディスク130(曜日インジケーター13)を1日に1回駆動し、十の位のリング110と十の位のインジケーター11を月に4回駆動し、月ディスク140(月インジケーター14)を月に1回駆動するように配置されている。
【0024】
これを行うために、十の位のリング110は、表示機構の専用の運動連鎖機構を介して月に4ステップ駆動するようにされる外歯配列111と、角度位置決めのためにジャンパー113と協働する位置決め歯配列112とを有する。
【0025】
1の位のリング120はまた、表示機構の専用の運動連鎖機構を介して月に30ステップ駆動するようにされる外歯配列121と、角度位置決めのためにジャンパー123と協働する位置決め歯配列122とを有する。
【0026】
曜日ディスク130は、その一部が、表示機構の専用の運動連鎖機構によって1日あたり1ステップ駆動されるように配置された7つの歯を含む曜日スター30に固定的に取り付けられており、その位置決めはジャンパー31によって行われるようになっている。
【0027】
最後に、月ディスク140はまた、12個の歯を有して1年で1回転するように配置された月スター4に固定的に取り付けられている。月スター4及びひいては月ディスク140の位置決めは、月ジャンパー41によって行われる。
【0028】
本実施形態による表示機構は、好ましくは、月(28、29、30又は31)の日の長さ、月末の31から01への移行、及びうるう年を自動的に考慮する。従って、これは永久的な日付表示機構である。このような永久カレンダーの動作及びこれを構成する運動連鎖機構は、本発明の対象ではないので、本明細書ではこれ以上詳細には説明しない。
【0029】
上述した表示機構は、表示された日付、曜日、及び月を修正する修正機構を含むこともできる。
【0030】
上述の表示機構は、日付、曜日、及び月の表示を可能にし、更に、これを永続的に行うものであり、本発明による表示機構の一実施形態の一例である。
【0031】
変形形態として、本発明による表示機構は、単純なカレンダー、年次カレンダー、又は永年カレンダーであり、或いは、週数の表示、更にはクロノグラフカウンタ、もしくはより一般的には、単一のアパーチャにおける単一の情報項目の表示、又は少なくとも1つのアパーチャにおける複数の異なる情報項目の表示を可能にする表示機構とすることができる。
【0032】
上述の実施形態は、実際には、本発明の幾つかの変形形態を組み合わせたものであり、実際に、1の位インジケーターと十の位インジケーターは、同一平面上に並置され、2つのボールベアリングによって互いに対して枢動され、同じアパーチャにおいて単一の情報項目(日付)を表示するように協働し、他方、十の位インジケーターと曜日インジケーターは、同一平面上に同軸上にあって、2つのボールベアリングによって互いに対して枢動して、同じアパーチャにおいて2つの異なる情報項目(日付の十の位と曜日)を表示する。
【0033】
本発明による表示機構は、一般に、少なくとも1つの第1の表示ホイールと第2の表示ホイールとを備え、同軸上にあるか又は並置されるように同一平面上に配置されている。また、第1及び第2の表示ホイールは、少なくとも1つのボールベアリングによって互いに対して枢動するように配置されている。
【0034】
第1の変形形態では、第1及び第2の表示ホイールの各々は、少なくとも、固定部と、第1又は第2のボールベアリングそれぞれによって固定部に対して枢動するように配置された可動部と、を備える。つまり、第1又は第2の一連のボールそれぞれが、第1の表示ホイールの可動部とその固定部との間、及び第2の表示ホイールの可動部とその固定部との間に配置されて、第1及び第2のボールベアリングをそれぞれ形成する。この変形形態では、一方の表示ホイール、他方の表示ホイール、又は両方の表示ホイールについて複数の配列、すなわち、可動部がそれぞれの固定部の内側又は外側に枢着され、可動部が2つのボールベアリングによって第1の固定部と第2の固定部の間に枢着されることが可能である。配列によっては、可動部と固定部は、ディスク状又はリング状になることができる。
【0035】
別の変形形態では、第1及び第2の表示ホイールもまた同軸であり、各々が可動部を有する。第1の代替形態によれば、第2の表示ホイールの可動部は、ボールベアリングによって第1の表示ホイールの可動部の内側で枢動し、ボールは、第1の表示ホイールの可動部と第2の表示ホイールの可動部との間に配置される。この第1の代替形態によれば、第1の表示ホイールは更に、固定部を含むことができ、上記第1の表示ホイールの可動部分は、別のボールベアリングによって上記固定部に対して枢動運動するように配置することができる。第2の代替形態によれば、表示機構は更に、第1及び第2の表示ホイールと同軸で同一平面上にある少なくとも1つの固定部を備え、第1の表示ホイールの可動部は、第1のボールベアリングによって固定部に対してその外側で枢動し、他方、第2の表示ホイールの可動部は、第2のボールベアリングによって固定部に対してその内側で枢動する。この第2の代替形態では、一方の表示ホイール、他方の表示ホイール、又は両方の表示ホイールについて複数の配列が可能であり、すなわち、表示機構は、第2の中央の固定部を備え、その周りに第2の表示ホイールの可動部が別のボールベアリングによって枢動することになり、表示機構は、第3の外側の固定部を備え、その内側に第1の表示ホイールの可動部が更に別のボールベアリングによって枢動することになる。前述の変形形態と同様に、選択された配列に応じて、可動部と固定部は、ディスク状又はリング状の形態とすることができる。
【0036】
第1及び第2の表示ホイールは各々、1又は2以上の情報項目を表示するために、少なくとも1つの固定されたアパーチャと協働することを意図したインジケーターを担持する。インジケーターは、好ましくは、同じ固定された単一のアパーチャと協働する。
【0037】
このようにして、同一平面上にある同軸又は並置されたホイールを備えた表示機構を提示することができ、すなわち、読みやすく魅力的な(レベルの差がない)ディスプレイを提供しながら、従来技術で見られたホイールの枢動に関連する制約を克服することができる。実際に、ボールベアリングを使用して2つの同一平面上のホイールを枢動させることで、石又はベアリングの間で上記ホイールを回転させる必要がなくなり、また、ホイールが同軸上にある場合、チューブ又はホイールを一方を他方の内側で回転させる必要もない。このため、摺動摩擦に起因する制約が排除される。ホイールは、真に互いに独立しており、相互作用のリスクがない(過度の摩擦制約による他のホイールを駆動するホイール)。最後に、転がり摩擦が滑り摩擦よりも小さいので、ホイールの回転に必要なエネルギーもまた、大幅に削減され、これは、月末にかなりの数のホイールを駆動しなければならない上述のような表示機構の場合には極めて有用である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
【国際調査報告】