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特表2022-545853密閉電極チップ・アセンブリを含む力検出カテーテル、およびその組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】密閉電極チップ・アセンブリを含む力検出カテーテル、およびその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20221025BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577362
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 US2020048219
(87)【国際公開番号】W WO2021041692
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】62/893,439
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク ビー. クランズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ホルムバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェイ. バイズマン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK04
4C160KK13
4C160KK54
4C160KK64
4C160MM33
4C160MM38
(57)【要約】
本明細書の開示は、灌注導管と、力センサと、電極チップ・アセンブリと、シールと、温度センサとを含む、アブレーション・カテーテルである。灌注導管は、アブレーション・カテーテルの遠位端部まで灌注流体を運ぶように構成された灌注内腔を画定する。センサは、灌注導管の遠位端部に隣接して灌注導管に結合される変形可能ボディを含む。電極チップ・アセンブリは、変形可能ボディに結合されかつ変形可能ボディから遠位に延在しており、灌注内腔と流体連通する内部空洞、および変形可能ボディの遠位部分が受け入れられる外部空洞を画定する。シールは、電極チップ・アセンブリと変形可能ボディとの間に配置されており、内部空洞と外部空洞との間での流体流れを阻止する。温度センサは、電極チップ・アセンブリに結合されかつ電極チップ・アセンブリから灌注内腔を通って延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブレーション・カテーテルであって、
近位端部および遠位端部を有する灌注導管であって、前記アブレーション・カテーテルの遠位端部まで灌注流体を運ぶように構成された灌注内腔を画定する、前記灌注導管と、
前記灌注導管の前記遠位端部に隣接して前記灌注導管に結合される変形可能ボディを備える、力センサと、
前記変形可能ボディに結合されかつ前記変形可能ボディから遠位に延在する電極チップ・アセンブリであって、前記灌注内腔と流体連通する内部空洞、および前記変形可能ボディの遠位部分が受け入れられる外部空洞を画定する、前記電極チップ・アセンブリと、
前記電極チップ・アセンブリと前記変形可能ボディとの間に配置されるシールであって、前記内部空洞と前記外部空洞との間での流体流れを阻止する、前記シールと、
前記電極チップ・アセンブリに結合されかつ前記電極チップ・アセンブリから前記灌注内腔を通って延在する温度センサと、
を備える、アブレーション・カテーテル。
【請求項2】
前記電極チップ・アセンブリは、
前記電極チップ・アセンブリの近位端部に配置されかつ前記外部空洞を画定するステムと、
前記ステムから遠位に延在しかつ前記内部空洞を画定する円筒形側壁と、
を備える、請求項1に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項3】
前記ステムは、フランジ、および前記フランジから近位に延在する円筒形壁を備え、
前記円筒形壁は、前記変形可能ボディの前記遠位部分が受け入れられる前記外部空洞を画定し、
前記シールは、前記フランジと前記変形可能ボディの前記遠位部分との間に配置されかつ前記フランジ及び前記変形可能ボディの前記遠位部分と係合する、請求項2に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項4】
前記電極チップ・アセンブリは、前記円筒形側壁の遠位端部において前記円筒形側壁に結合されかつ前記内部空洞を取り囲むキャップをさらに備え、
前記キャップは、前記キャップを貫通して軸方向に延在するカウンターボアを画定し、
前記温度センサの遠位端部は、前記カウンターボア内に埋め込まれる、請求項2に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項5】
前記電極チップ・アセンブリは、前記内部空洞内に配置されかつ前記灌注導管からの灌注流体を分散させるように構成された流体マニホルドをさらに備え、
前記流体マニホルドは、前記ステムから遠位に延在する管状側壁を備え、
前記管状側壁は、そこに複数の流体分配孔を画定し、
前記流体分配孔は、灌注流体を前記流体マニホルドから径方向外側に分散させるように配向される、請求項2に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項6】
前記流体マニホルドは、灌注流体を前記流体マニホルドから軸方向に分散させるように構成された第1の軸方向流体通路および第2の軸方向流体通路を画定し、
前記第1の軸方向流体通路および前記第2の軸方向流体通路は、前記流体マニホルドの長手方向中心線からオフセットされ、
前記第2の軸方向流体通路は、前記第1の軸方向流体通路よりも長い長さを有する、請求項5に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項7】
前記温度センサは、前記第1の軸方向流体通路を通って延在する、請求項6に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項8】
前記流体マニホルドは、前記管状側壁内に受け入れられるインサートをさらに備え、
前記インサートは、ベース、および前記ベースから遠位に延在する管状延長部を備え、
前記ベースは、前記第1の軸方向流体通路を画定し、
前記管状延長部は、前記第2の軸方向流体通路を画定する、請求項6に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項9】
前記流体マニホルドは、一体部品として形成され、
前記流体マニホルドは、
前記ステムと係合して配置される環状フランジであって、前記管状側壁は前記環状フランジから遠位に延在する、前記環状フランジと、
前記管状側壁の遠位端部に配置される遠位端部キャップであって、前記第1の軸方向流体通路を画定する、前記遠位端部キャップと、
前記遠位端部キャップから遠位に延在する管状延長部であって、前記第2の軸方向流体通路を画定する、前記管状延長部と、
をさらに備える、請求項6に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項10】
前記電極チップ・アセンブリは、前記流体マニホルドを前記ステムに対して付勢するために前記環状フランジと係合して配置されたばねをさらに備える、請求項9に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項11】
前記円筒形側壁は、前記円筒形側壁に画定されかつ前記円筒形側壁を貫通して延在する少なくとも1つの灌注流体チャネルを含み、
前記少なくとも1つの灌注流体チャネルは、前記電極チップ・アセンブリが負荷下に置かれているときの前記側壁の長手軸に対する前記電極チップ・アセンブリの曲げ運動のための前記側壁における可撓性を提供する、請求項2に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項12】
前記電極チップ・アセンブリは、可撓性の電極チップ・アセンブリである、請求項1に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項13】
前記灌注導管は、前記灌注導管の長手軸に対して斜めの角度に配向された貫通孔を画定し、前記温度センサは、前記貫通孔を通って延在する、請求項1に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項14】
前記シールは、エラストマーOリングを含む、請求項1に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項15】
温度センサは、熱電対を含む、請求項1に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項16】
アブレーション・カテーテルを組み立てる方法であって、
温度センサが灌注導管の遠位端部から外へ延在するように、前記灌注導管によって画定された灌注内腔を通して前記温度センサを送るステップと、
力センサの変形可能ボディを前記灌注導管の前記遠位端部に結合するステップと、
前記変形可能ボディの遠位部分に隣接させてシールを位置させるステップと、
前記温度センサを電極チップ・アセンブリ内へ送るステップであって、前記電極チップ・アセンブリは、内部空洞および外部空洞を画定する、前記送るステップと、
前記変形可能ボディの前記遠位部分を前記電極チップ・アセンブリの前記外部空洞内に位置させるステップと、
前記電極チップ・アセンブリが前記変形可能ボディから遠位に延在しまた前記内部空洞が前記灌注内腔と流体連通するように前記電極チップ・アセンブリを前記変形可能ボディに結合するステップであって、前記シールは、前記電極チップ・アセンブリと前記変形可能ボディとの間に配置されて、前記内部空洞と前記外部空洞との間での流体流れを阻止する、前記結合するステップと、
前記温度センサが前記電極チップ・アセンブリから前記灌注内腔を通って延在するように、前記温度センサを前記電極チップ・アセンブリに結合するステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記電極チップ・アセンブリは、
前記電極チップ・アセンブリの近位端部に配置されかつ前記外部空洞を画定するステムと、
前記ステムから遠位に延在しかつ前記内部空洞を画定する円筒形側壁と、
前記円筒形側壁の遠位端部において前記円筒形側壁に結合されかつ前記内部空洞を取り囲むキャップと、
を備え、
前記温度センサを前記電極チップ・アセンブリに結合するステップは、前記温度センサの遠位端部を前記キャップ内に画定されたカウンターボア内に埋め込むことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電極チップ・アセンブリは、前記内部空洞内に配置されかつ前記灌注導管からの灌注流体を分散させるように構成された流体マニホルドをさらに備え、
前記流体マニホルドは、灌注流体を前記流体マニホルドから軸方向に分散させるように構成された第1の軸方向流体通路および第2の軸方向流体通路を画定し、
前記第1の軸方向流体通路および前記第2の軸方向流体通路は、前記流体マニホルドの長手方向中心線からオフセットされ、
前記温度センサを電極チップ・アセンブリ内へ送るステップは、前記第1の軸方向流体通路および前記第2の軸方向流体通路のうちの1つを通して前記温度センサを送ることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
灌注内腔を通して温度センサを送るステップは、前記灌注導管内に形成されかつ前記灌注導管の長手軸に対して斜めの角度に配向された貫通孔を通して前記温度センサを送ることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
カテーテル・システムは、
アブレーション・カテーテルと、
アブレーション・ジェネレータと、
を備え、
前記アブレーション・カテーテルは、
近位端部および遠位端部を有する灌注導管であって、前記アブレーション・カテーテルの遠位端部まで灌注流体を運ぶように構成された灌注内腔を画定する、前記灌注導管と、
前記灌注導管の前記遠位端部に隣接して前記灌注導管に結合される変形可能ボディを備える、力センサと、
前記変形可能ボディに結合されかつ前記変形可能ボディから遠位に延在する電極チップ・アセンブリであって、前記灌注内腔と流体連通する内部空洞、および前記変形可能ボディの遠位部分が受け入れられる外部空洞を画定する、前記電極チップ・アセンブリと、
前記電極チップ・アセンブリと前記変形可能ボディとの間に配置されるシールであって、前記内部空洞と前記外部空洞との間での流体流れを阻止する、前記シールと、
前記電極チップ・アセンブリに結合されかつ前記電極チップ・アセンブリから前記灌注内腔を通って延在する温度センサと、
を備え、
前記アブレーション・ジェネレータは、前記電極チップ・アセンブリに電気的に結合されているとともに、前記電極チップ・アセンブリにアブレーション・エネルギーを供給するように構成されている、カテーテル・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年8月29日に出願された米国仮特許出願第62/893,439号の優先権を主張するものであり、その開示は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、電気生理学的(EP)カテーテルに関する。より詳細には、本開示は、力センサと、灌注流体が力センサに干渉するのを防止する密閉電極チップ・アセンブリとを含むEPカテーテルを含む、アブレーション・システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気生理学カテーテルは、ますます数を増している医療処置のために使用される。例えば、カテーテルは、診断的処置、治療的処置、およびアブレーション処置のために使用される。典型的には、カテーテルは、患者の脈管構造を通して、心臓または腎動脈といった患者の心臓血管系内の部位などの目標部位へと操作される。
【0004】
カテーテルは、アブレーション、マッピング、診断などのために使用され得る1つまたは複数の電極を担持してもよい。組織アブレーションは、様々な臨床的障害を治療するために使用されてもよい。例えば、組織アブレーションは、異常な電気信号を心臓の筋肉に伝えるであろう異常な経路(aberrant pathways)を破壊することによって、心不整脈を治療するために使用されてもよい。冷凍アブレーション、マイクロ波アブレーション、高周波(RF)アブレーション、および高周波超音波アブレーションを含む、いくつかのアブレーション技法が開発されてきた。
【0005】
RFアブレーションは、かなりの熱を発生させ得るので、アブレーション処置中にアブレーション・アセンブリの温度を監視することが望ましい場合がある。アブレーション・アセンブリの温度は、熱電対を使用して処置中に監視されてもよく、この熱電対は、アブレーション・アセンブリの1つまたは複数の電極の先端内に配置されてもよい。そのような熱電対は、従来の方法では、アブレーション・アセンブリの外部からアブレーション・アセンブリの内部に、またアブレーション部位付近の温度測定のための電極チップに送られる。熱電対がアブレーション・アセンブリ内へ導入される場合、熱電対の周りに適切なシールを設けることが必要である。
【0006】
生理食塩水などの生体適合性流体を用いて特定の標的領域に灌注するための機構を含むことも、望ましい場合がある。この灌注は、過度のまたは不要な組織損傷、および血液凝固、ならびにそれらに関連する問題を軽減もしくは回避することができる。アブレーション・アセンブリには、外部の灌注ポート、または内部の灌注内腔が設けられてもよい。
【0007】
さらに、治療が効果的に行われることを確実にするために、アブレーション・アセンブリと標的部位における組織との間の接触を監視することが望ましい場合がある。そのような接触は、アブレーション・アセンブリ内に設けられた力センサを使用して監視されてもよい。力センサは、光学的力センサ(例えば、光ファイバ力センサ)であってよい。少なくともいくつかの事例では、力センサに浸入する流体が、不正確な力測定をもたらすおそれがある。熱電対および灌注導管をも含むアブレーション・カテーテル内に力センサを密閉することは、カテーテル設計におけるいくつかの課題を提示し得る。例えば、シールを収容するために力センサのサイズを大きくすることは、力センサの光ファイバの変形を増やし、不正確な力読取り、または光ファイバへの過度の応力を招くおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、適切な密閉機構とともに熱電対および力センサを含む、改善されたアブレーション・カテーテル・アセンブリが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、近位端部および遠位端部を有する灌注導管であって、アブレーション・カテーテルの遠位端部まで灌注流体を運ぶように構成された灌注内腔を画定する、灌注導管を含む、アブレーション・カテーテルを対象とする。アブレーション・カテーテルは、灌注導管の遠位端部に隣接して灌注導管に結合される変形可能ボディを含む力センサと、変形可能ボディに結合されかつ変形可能ボディから遠位に延在する電極チップ・アセンブリと、をも含む。電極チップ・アセンブリは、灌注内腔と流体連通する内部空洞、および変形可能ボディの遠位部分が受け入れられる外部空洞を画定する。アブレーション・カテーテルは、電極チップ・アセンブリと変形可能ボディとの間に配置されるシールをさらに含む。シールは、内部空洞と外部空洞との間での流体流れを阻止する。アブレーション・カテーテルは、電極チップ・アセンブリに結合されかつ電極チップ・アセンブリから灌注内腔を通って延在する温度センサをさらに含む。
【0010】
本開示はまた、温度センサが灌注導管の遠位端部から外へ延在するように、灌注導管によって画定された灌注内腔を通して温度センサを送るステップを含む、アブレーション・カテーテルを組み立てる方法を対象とする。本方法は、力センサの変形可能ボディを灌注導管の遠位端部に結合するステップと、変形可能ボディの遠位部分に隣接させてシールを位置させるステップと、温度センサを電極チップ・アセンブリ内へ送るステップであって、電極チップ・アセンブリは、内部空洞および外部空洞を画定する、送るステップと、をも含む。本方法は、変形可能ボディの遠位部分を電極チップ・アセンブリの外部空洞内に位置させるステップと、電極チップ・アセンブリが変形可能ボディから遠位に延在しまた内部空洞が灌注内腔と流体連通するように電極チップ・アセンブリを変形可能ボディに結合するステップと、を含む。シールは、電極チップ・アセンブリと変形可能ボディとの間に配置されて、内部空洞と外部空洞との間での流体流れを阻止する。本方法は、温度センサが電極チップ・アセンブリから灌注内腔を通って延在するように、温度センサを電極チップ・アセンブリに結合するステップをさらに含む。
【0011】
本開示は、アブレーション・カテーテルと、アブレーション・ジェネレータと、を含むカテーテル・システムをさらに対象とする。アブレーション・カテーテルは、近位端部および遠位端部を有するとともに、アブレーション・カテーテルの遠位端部まで灌注流体を運ぶように構成された灌注内腔を画定する、灌注導管を含む。アブレーション・カテーテルは、灌注導管の遠位端部に隣接して灌注導管に結合される変形可能ボディを含む、力センサと、変形可能ボディに結合されかつ変形可能ボディから遠位に延在する電極チップ・アセンブリと、をも含む。電極チップ・アセンブリは、灌注内腔と流体連通する内部空洞、および変形可能ボディの遠位部分が受け入れられる外部空洞を画定する。アブレーション・カテーテルは、電極チップ・アセンブリと変形可能ボディとの間に配置されるシールをさらに含む。シールは、内部空洞と外部空洞との間での流体流れを阻止する。アブレーション・カテーテルは、電極チップ・アセンブリに結合されかつ電極チップ・アセンブリから灌注内腔を通って延在する温度センサをさらに含む。アブレーション・ジェネレータは、電極チップ・アセンブリに電気的に結合されているとともに、電極チップ・アセンブリにアブレーション・エネルギーを供給するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】アブレーション・システムの概略的なブロック図である。
【0013】
図2図1のアブレーション・システムとともに使用するのに適したアブレーション・カテーテルの1つの典型的な実施形態の斜視図である。
【0014】
図3図2に示されたアブレーション・カテーテルの破断図である。
【0015】
図4図2に示されたアブレーション・カテーテルの断面図である。
【0016】
図5図2~4に示されたアブレーション・カテーテルの電極チップ・アセンブリの断面図である。
【0017】
図6図2~4に示されたアブレーション・カテーテルとともに使用するのに適した別の代替的な電極チップ・アセンブリの断面図である。
【0018】
図7】アブレーション・カテーテルを組み立てる方法の一実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、アブレーション・システムおよびそれを形成する方法を対象とし、より詳細には、力センサと、力センサから密閉された電極チップ・アセンブリと、を含むアブレーション・カテーテルに関する。本明細書において開示されるシステムおよび方法の実施形態は、電極チップ・アセンブリから密閉された力センサおよび温度センサをアブレーション・カテーテルに設けることを容易にし、したがって、アブレーション処置中に温度および印加される力を監視することを容易にする。温度センサは、力測定に悪影響を与え得る力センサ付近での漏れの可能性を低下させるために、灌注導管を通して送られる。この配置は、力センサと電極チップ・アセンブリとの間でのより単純であり、より確実な密閉を可能にし、また、力センサの直径を小さくすることを可能にし、そのことが、動作中に力センサが過度の応力または変形を受ける可能性を低下させる。本明細書において説明されるアブレーション・カテーテルはまた、温度センサを収容するだけでなく電極チップ・アセンブリを通じた灌注流体の分散を改善するように構成された、流体マニホルドを含む。本明細書において説明されるアブレーション・カテーテルの実施形態は、より迅速な組立て、構成要素の数の減少、構成要素費用の削減、および組立てにおけるばらつきの減少を促進し、そのことが、アブレーション・カテーテルの全体的な信頼性を向上させる。
【0020】
次に図面を参照すると、図1は、1つまたは複数の診断上および/もしくは治療上の機能を実行するためのアブレーション・システム100の1つの典型的な実施形態を示し、このアブレーション・システム100は、患者の組織102に行われるアブレーション処置の前、その間、および/またはその後に電極の温度を監視するだけでなく、アブレーション処置の前、その間、および/またはその後に電極と組織102との間の接触力を監視するための構成要素を含む。この例示的な実施形態では、組織102は、心臓または心臓組織である。しかし、システム100は、他の組織へのアブレーション処置に対しても同等の適用性を有するものであって、心臓組織へのアブレーション処置には限定されないことが、理解されるべきである。
【0021】
システム100は、(例えば、カテーテル104などの)医療デバイスと、アブレーション・ジェネレータ106と、1つまたは複数の帰還パッチ電極(return patch electrode)108(分散性パッチ電極または中性パッチ電極とも呼ばれる)と、アブレーション・システム100の1つまたは複数の構成要素と通信し、および/または制御するための制御システム110と、を含む。制御システム110は、例えば、限定はしないが、制御装置または電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)112、出力デバイス114、ユーザ入力デバイス116、および記憶装置118を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御システム110は、アブレーション・システム100の他のシステムおよび/またはサブ・システムとの組合せで、その一部として、もしくはそれに組み込まれて実現されてもよく、そのような他のシステムおよび/またはサブ・システムは、例えば、限定はしないが、アブレーション・ジェネレータ106、撮像システム、マッピング・システム、ナビゲーション・システム、およびアブレーション・システム100の任意の他のシステムもしくはサブ・システムを含む。
【0022】
カテーテル104は、心臓組織102などの体内組織の検査、診断、および/または治療のために提供される。典型的な実施形態では、カテーテル104は、高周波(RF)アブレーション・カテーテルを含む。しかし、カテーテル104はRFアブレーション・カテーテルに限定されないことが、理解されるべきである。むしろ、他の実施形態では、カテーテル104は、灌注カテーテルおよび/または他のタイプのアブレーション・カテーテル(例えば、冷凍アブレーション、超音波、不可逆的電気穿孔、バルーン、バスケット、単一電極、バレット、など)を含んでもよい。
【0023】
典型的な実施形態では、カテーテル104は、RFエネルギーの送達を可能にするために、アブレーション・ジェネレータ106に電気的に接続される。カテーテル104は、ケーブル・コネクタまたはインタフェース120と、ハンドル122と、近位端部126および遠位端部128(本明細書において、「近位の(proximal)」は、医師に近いカテーテル104の端部に向かう方向を意味し、「遠位の(distal)」は、医師から離れかつ(一般に)対象者または患者の身体内に向かう方向を意味する)を有するシャフト124と、カテーテル104のシャフト124内またはシャフト124上に取り付けられた1つまたは複数の電極130と、を含んでもよい。典型的な実施形態では、電極130は、シャフト124の遠位端部128にまたはその近傍に配置され、電極130は、心臓組織102と接触するためにシャフト124の最遠位端部128に配置されたアブレーション電極を含む。カテーテル104は、電極130内に配置された熱電対(図1には不図示)と、電極130内および/または電極130の近位に配置された力センサ(やはり図1には不図示)と、をさらに含む。カテーテル104は、例えば、限定はしないが、センサ、追加的な電極(例えば、リング電極)および対応する導体もしくは導線、熱電対、または追加的なアブレーション要素、例えば高密度焦点式超音波アブレーション要素といった他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0024】
コネクタ120は、アブレーション・ジェネレータ106、制御システム110、ならびにアブレーション・システム100の他のシステムおよび/またはサブ・システムから延在するケーブル132のための機械的かつ電気的な接続を提供する。コネクタ120は、カテーテル104の近位端部に配置される。
【0025】
ハンドル122は、医師がカテーテル104を保持するための箇所を提供しており、更に、患者内でシャフト124を操作または案内するための手段を提供してもよい。例えば、ハンドル122は、シャフト124を操作するために、カテーテル104を通ってシャフト124の遠位端部128まで延在するガイドワイヤの長さを変化させるための手段を含んでもよい。ハンドル122は、アブレーション・システム100が本明細書において説明されるように機能することを可能にする、任意の適切な構造を有してもよい。別の典型的な実施形態では、カテーテル104は、ロボットで駆動または制御されてもよい。したがって、医師がハンドルを操作してカテーテル104およびそのシャフト124を操作または案内するのではなく、具体的には、カテーテル104を操作するためにロボットが使用される。
【0026】
シャフト124は、一般に、患者内での移動のために構成された、細長い管状の可撓性部材である。シャフト124は、例えば、限定はしないが、電極130、熱電対、およびそれに関連する力センサ、関連する導体、ならびに場合によっては信号処理または信号調整のために使用される追加的な電子装置を支持する。シャフト124はまた、組織102のアブレーション部位への灌注流体を含む流体の輸送、送達、および/または除去を可能にする。シャフト124は、さらに、またはその代わりに、他の流体(極低温アブレーション流体および/または体液)、医薬、および/または外科用の器具もしくは計器の輸送、送達、ならびに/あるいは除去を可能にしてもよい。シャフト124は、ポリウレタンなどの従来材料から作られ、かつ、少なくとも導電体、流体、および/もしくは外科用器具を収容、および/または輸送するように構成された1つまたは複数の内腔を画定してもよい。シャフト124は、従来の導入器を通して心臓組織102内へ導入されてもよい。次いで、シャフト124は、ガイドワイヤまたは当該技術分野で知られている他の手段により、所望の箇所まで心臓組織102内で操作または案内されてもよい。
【0027】
アブレーション・ジェネレータ106は、具体的には、アブレーション・カテーテル104およびその電極130によるRFエネルギー出力を生成し、送達し、かつ制御する。典型的な実施形態では、アブレーション・ジェネレータ106は、アブレーション信号を生成するように構成されたRFアブレーション信号ソース134を含み、このアブレーション信号は、1対のソース・コネクタ、すなわちカテーテル104のチップ電極130に電気的に接続され得る正極性コネクタソース(+)と、患者の皮膚上に配置される1つまたは複数の帰還パッチ電極108に(例えば、伝導性の線またはケーブル136を介して)電気的に接続され得る負極性コネクタソース(-)とに亘って出力される。
【0028】
本明細書において使用されるコネクタという用語は、特定のタイプの物理的なインタフェース機構を意味するのではなく、むしろ1つまたは複数の電気的ノード(electrical node)を表すように広く意図されていることが、理解されるべきである。ソース134は、1つまたは複数のユーザ指定パラメータ(例えば、威力、時間など)に従って、また当該技術分野で知られている様々なフィードバック検知および制御回路の制御下で、所定の周波数で信号を生成するように構成されている。アブレーション・システム100はまた、例えば、インピーダンス、カテーテルの遠位先端の温度、印加されるアブレーション・エネルギー、およびカテーテルの位置を含む、アブレーション処置に関連する様々なパラメータを監視し、かつ、これらのパラメータに関して医師またはシステム100内の別の構成要素にフィードバックを提供してもよい。
【0029】
次に図2~5を参照すると、アブレーション・システム100とともに使用するのに適した典型的なアブレーション・カテーテル200が示されている。アブレーション・カテーテル200は、実質的にカテーテル104に類似したものであってもよく、したがって、カテーテル104とカテーテル200との間の同様の特徴は、同様の参照符号を使用して表示されている。具体的には、アブレーション・カテーテル200は、シャフト124(図4)および電極130を含む。典型的な実施形態では、電極130は、アブレーション・カテーテル200の遠位端部204を少なくとも部分的に画定する、中空の細長い電極チップ・アセンブリ202として具現化される。
【0030】
典型的な実施形態では、電極チップ・アセンブリ202は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,510,903号で説明されている電極チップ・アセンブリなどの可撓性の電極チップ・アセンブリである。例えば、電極チップ・アセンブリ202は、灌注流体チャネル208が貫通している全体的に円筒形の側壁206を含む。いくつかの実施形態では、流体チャネル208は、インターロッキングブロックパターンで形成されるが、流体チャネル208は、電極チップ・アセンブリ202が本明細書において説明されるように機能することを可能にする任意の適切な形状、配向、および/またはパターンを有してもよい。典型的な実施形態では、流体チャネル208は、円筒形側壁206内に画定され、かつ、電極チップ・アセンブリ202の可撓性を向上させるために、円筒形側壁206の厚さにわたって延在または貫通する。「可撓性」は、電極チップ・アセンブリ202が負荷下に置かれているときの電極チップ・アセンブリ202の長手軸210(図4)に対する電極チップ・アセンブリ202の長手方向長さに沿った屈曲および曲りを意味する。
【0031】
電極チップ・アセンブリ202は、その近位端部214に配置されたステム212をさらに含む。具体的には、ステム212は、円筒形側壁206の近位に延在する。ステム212は、フランジ216と、フランジ216から近位に延在する円筒形壁またはカラー218とを含む。フランジ216は、円筒形側壁206から近位にかつ円筒形側壁206の径方向内側に延在する。さらに、電極チップ・アセンブリ202は、その遠位端部222に配置されたキャップ220を含む。キャップ220は、円筒形側壁206の遠位端部224に結合される。
【0032】
典型的な実施形態では、アブレーション・カテーテル200のシャフト124は、それを貫通する灌注導管226を含む。あるいは、灌注導管226は、シャフト124と平行して(例えば、外部の灌注導管として)延在してもよい。灌注導管226は、近位端部228および遠位端部230を有し、かつ、灌注導管226を貫通する灌注内腔232を画定する。灌注内腔232は、灌注流体(不図示)をアブレーション・カテーテル200の遠位端部204まで、具体的には電極チップ・アセンブリ202まで運ぶように構成される。いくつかの実施形態では、灌注導管226は、ステンレス鋼から形成される。他の実施形態では、灌注導管226は、任意の他の適切な材料で形成される。
【0033】
電極チップ・アセンブリ202は、灌注導管226の遠位端部230に隣接して灌注導管226に結合される。円筒形側壁206は、電極チップ・アセンブリ202の内部空洞234を少なくとも部分的に画定し、内部空洞234は、灌注内腔232と流体連通する。具体的には、灌注流体が灌注内腔232から内部空洞234内に提供されるように、灌注内腔232の遠位端部(灌注導管226の遠位端部230に対応する)が、内部空洞234内に位置する。灌注流体は、流体チャネル208を通して組織102(図1に図示)にさらに提供される。キャップ220は、内部空洞234をさらに画定し、かつ、より具体的には、円筒形側壁206の遠位端部224において内部空洞234を取り囲む。
【0034】
典型的な実施形態では、ステム212は、電極チップ・アセンブリ202の外部空洞236を画定する。より具体的には、ステム212の円筒形壁218が、外部空洞236を画定する。外部空洞236は、内部空洞234の近位にあり、灌注導管226の少なくとも一部分が、外部空洞236を通って内部空洞234まで延在する。
【0035】
電極チップ・アセンブリ202はまた、内部空洞234内に配置された流体マニホルド240を含む。いくつかの実施形態では、流体マニホルド240は、電極チップ・アセンブリ202のステム212に結合される。例えば、流体マニホルド240は、ステム212のフランジ216に接着され、溶接され、かつ/または他の方法で機械的に結合されてもよい。典型的な実施形態では、流体マニホルド240は、ステム212から内部空洞234内へ遠位に延在する管状側壁242を含む。管状側壁242は、そこに複数の流体分配孔244を画定し、流体分配孔244は、管状側壁242の周りに周方向に配置される。流体マニホルド240は、灌注導管226の遠位端部230と流体連通しており、かつ、流体マニホルド240から内部空洞234内に灌注流体を分散させるように構成される。具体的には、流体分配孔244は、灌注流体を流体マニホルド240から径方向外側に分散させるように配置されかつ配向される。
【0036】
さらに、いくつかの実施形態では、流体マニホルド240は、第1の軸方向流体通路246および第2の軸方向流体通路248を画定する。軸方向流体通路246、248は、灌注流体を流体マニホルド240から軸方向に分散させるように構成される。1つの典型的な実施形態では、図4で最も良く分かるように、軸方向流体通路246、248は、流体マニホルド240の長手方向中心線からそれぞれオフセットされ、長手方向中心線は、示された実施形態では長手軸210に対応する。さらに、いくつかの実施形態では、第2の軸方向流体通路248は、第1の軸方向流体通路246よりも長い長さを有する。軸方向流体通路246、248のこの配置、特に第2の軸方向流体通路248のこの配置は、(例えば、第2の軸方向流体通路からの流体流れを偏心させることによって)内部空洞234内での灌注流体の流れを改善する。
【0037】
いくつかの実施形態では、流体マニホルド240は、鋳造または機械加工プロセスなどによって、一体部品として形成される。いくつかのそのような実施形態では、図4および5に最も良く示されているように、流体マニホルド240は、電極チップ・アセンブリ202のステム212と向かい合って(例えば、ステム212のフランジ216と向かい合って)位置しかつそれと係合する、環状フランジ250を含む。管状側壁242は、環状フランジ250から遠位に延在する。流体マニホルド240は、管状側壁242の遠位端部254に配置されかつそこから径方向内側に延在する遠位端部キャップ252と、遠位端部キャップ252から遠位に延在する管状延長部256と、をさらに含む。そのような実施形態では、遠位端部キャップ252は、それを貫通する第1の軸方向流体通路246を画定し、管状延長部256は、第2の軸方向流体通路248を画定する。遠位端部キャップ252は、実質的に平面状であってよく、かつ、環状フランジ250に対して平行に配向されてもよい。あるいは、遠位端部キャップ252は、管状側壁242に対して斜めに角度を付けられてもよい。いくつかの実施形態では、遠位端部キャップ252は、そこに追加の流体分配孔244をさらに画定してもよい。
【0038】
他の実施形態では、図6に示されるように、流体マニホルド240は、電極チップ・アセンブリ202のステム212の延長部として少なくとも部分的に形成される。具体的には、管状側壁242は、ステム212のフランジ216と一体であり、かつ、フランジ216から遠位に延在する。そのような実施形態では、流体マニホルド240は、管状側壁242内に受け入れられるインサート258をさらに含む。インサート258は、ベース260と、ベース260から遠位に延在する管状延長部262とを含む。そのような実施形態では、ベース260は、第1の軸方向流体通路246を画定し、管状延長部262は、第2の軸方向流体通路248を画定する。ベース260は、管状側壁242の内側表面264と係合するためのサイズで作られ、かつ、形づくられる。ベース260は、締り嵌めによって、かつ/または接着、溶接、および/もしくは任意の他の適切な結合方法によって、管状側壁242の内側表面264に接触して保持されてもよい。
【0039】
代替的な実施形態では、流体マニホルド240は、流体マニホルド240を形成するために後で互いに結合される2つ以上の部品から形成される。例えば、流体マニホルド240は、フランジ、管状側壁、および遠位端部キャップを多く含むベースから、また、ベースに結合されるように構成された別体の管状延長部から、形成されてもよい。
【0040】
アブレーション・カテーテル200は、遠位端部230に隣接して灌注導管226に結合された力センサ270をさらに含む。典型的な実施形態では、力センサ270は、灌注導管226の遠端部230に隣接して灌注導管226の周りに周方向に延在する、全体的に管状の変形可能ボディ272を含む。電極チップ・アセンブリ202は、力センサ270にさらに結合される。具体的には、電極チップ・アセンブリ202は、力センサ270の変形可能ボディ272に結合され、かつ、そこから遠位に延在して、アブレーション・カテーテル200の遠位端部204を少なくとも部分的に画定する。典型的な実施形態では、外部空洞236は、変形可能ボディ272の少なくとも一部分をその中に受け入れる。例えば、外部空洞236は、変形可能ボディ272の遠位部分274をその中に受け入れる。
【0041】
力センサ270は、米国特許第8,435,232号および第9,597,036号で説明されている力センサを含む、任意の適切な力センサを含んでもよく、これらの特許のそれぞれは、参照により全体として本明細書に組み込まれる。例えば、力センサ270は、変形可能ボディ272の変形を光学的に検知することによりアブレーション・カテーテル200に印加された長手方向および/または横方向の力を検知する、光ファイバ・センサである。具体的には、変形可能ボディ272の変形の光学的な検知を可能にする複数の空隙276が、変形可能ボディ272内に画定される。
【0042】
典型的な実施形態において、シール278は、変形可能ボディ272の遠位部分274の遠位において外部空洞236内に位置する。シール278は、内部空洞234と外部空洞236との間の(例えば、灌注流体の)流体流れを阻止するために、電極チップ・アセンブリ202と変形可能ボディ272との間に配置される。具体的には、シール278は、内部空洞234と外部空洞236との間の密閉を実現するために、ステム212のフランジ216(例えば、フランジ216の近位に面する表面280)および変形可能ボディ272の遠位部分274と係合される。いくつかの実施形態では、シール278は、可撓性のまたはエラストマーの環状構成要素(例えば、シリコーンOリング)を含む。他の実施形態では、シール278は、任意の他の適切な密閉構成要素を含む。
【0043】
電極チップ・アセンブリ202は、円筒形側壁206に接触して内部空洞234内に位置するばね282をさらに含む。ばね282は、電極チップ・アセンブリ202に所望のレベルの剛性を提供するように構成され、かつ、力センサ270によって行われる力測定を改善するように構成される。いくつかの実施形態では、図2~5に示されるように、ばね282は、流体マニホルド240をステム212のフランジ216に対して付勢するために、流体マニホルド240の環状フランジ250に接触して係合される。
【0044】
アブレーション・カテーテル200は、温度センサ284をさらに含む。温度センサ284は、灌注導管226の少なくとも一部分を通って電極チップ・アセンブリ202内へ遠位に延在する。具体的には、灌注導管226は、そこに貫通孔286を画定し、その貫通孔286を通して温度センサ284および関連する配線288を受け入れる。貫通孔286は、長手軸210に対して斜めの角度290に配向される。温度センサ284は、貫通孔286を通って灌注導管226内へ(すなわち、灌注内腔232内へ)延在する。いくつかの実施形態では、貫通孔286は、温度センサ284が貫通孔286を通して、かつ、灌注内腔232を長手方向に通して、容易に送られ得るように、長手軸210に対して約15°の角度290を形成する。角度290は、本明細書において説明されるようなアブレーション・カテーテル200の組立てを容易にするために、例えば約10°から約20°の間であってよい。温度センサ284は、灌注導管226の遠位端部230を通って流体マニホルド240内へ延在し、温度センサ284は、流体マニホルド240を通って電極チップ・アセンブリ202内へ(例えば、内部空洞234を通って)延在する。
【0045】
少なくともいくつかの代替的なまたは従来のカテーテルにおいて意図されるように、温度センサ284がより遠位の位置において、かつ/または灌注導管226を通らずに(例えば、ステム212を通して)電極チップ・アセンブリ202内へ送られる場合、そのような配置は、力センサ270を内部空洞から適切に密閉することに関して難点を示す。具体的には、空隙276が流体(例えば、水、灌注流体、体液など)にさらされる場合、力センサ270の光学構成要素は、変形可能ボディ272の変形を正確に検出することができない場合があり、したがって、力測定が不正確になるおそれがある。提案される1つの解決策では、力センサへの灌注流体の侵入を阻止するために、力センサとチップ・アセンブリとの間の接触面に接着剤またはエポキシ材料が塗布され得る。しかしながら、そのようなシールは手作業で塗布され、適切に塗布されなかった場合には、さらなる支障原因を力センサに与える可能性があり、それにより不正確な力測定がもたらされるおそれがある。
【0046】
したがって、アブレーション・カテーテル200は、温度センサ284を変形可能ボディ272の近位の位置において灌注導管226に通して、変形可能ボディの遠位の位置において内部空洞234内へ送ることにより、そのようなカテーテル設計に対する改善を提供する。したがって、アブレーション・カテーテル200はシール278を含み、このシール278は、内部空洞234を変形可能ボディ272から密閉するために、アブレーション・カテーテル200の組立て中に電極チップ・アセンブリ202と変形可能ボディ272との間に位置される。シール278は、誤用または不適切な位置決めの傾向がなく、したがって、力センサ270によって行われる力測定を妨げ得る流体の漏出を起こしにくい。
【0047】
温度センサ284は、電極チップ・アセンブリ202の遠位端部222において電極チップ・アセンブリ202に結合される。より具体的には、温度センサ284は、電極チップ・アセンブリ202のキャップ220に結合される。キャップ220は、キャップ220を貫通して軸方向に延在するカウンターボア292を画定し、温度センサ284の遠位端部294は、接着剤またはエポキシ材料296によって、カウンターボア292内に固定係止されるかまたは埋め込まれる。いくつかの実施形態では、温度センサ284は、その遠位端部294に熱電対センサ298を含む。
【0048】
典型的な実施形態では、温度センサ284は、第1の軸方向流体通路246を通って流体マニホルド240から内部空洞234内へ延在する。第1の軸方向流体通路246を通して(したがって、第2の軸方向流体通路248を通さずに)温度センサ284を送ることにより、第2の軸方向流体通路248を通る十分な流体流れを確保することができる。つまり、温度センサ284は、第2の軸方向流体通路248を通る流体流れを妨げない。
【0049】
さらに、温度センサ284は、非直線的な配向で(例えば、湾曲したまたは部分的に螺旋状の構成で)電極チップ・アセンブリ202を通って延在する。したがって、温度センサ284は、電極チップを通って直線的に(例えば、電極チップの長手軸と平行にかつ/または同軸に)延在する温度センサを含む、少なくともいくつかの従来のカテーテルと比較して、不正確な力測定をもたらし得る力センサ270との負荷分散を起こしにくい。
【0050】
いくつかの実施形態では、温度センサ284は、その上に配置された外部被覆(不図示)を含む。外部被覆は、温度センサ上に熱収縮被覆を形成する材料から形成されてもよい。適した材料は、例えば、限定はしないが、ポリエチレン・テレフタラート(PET)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)などのポリマー材料を含む。外部被覆は、温度センサ284(配線288を含む)を灌注導管226および/または内部空洞234内の灌注流体から、絶縁かつ/または他の方法で保護してもよい。
【0051】
図2~4の実施形態では、灌注導管226、変形可能ボディ272、および電極チップ・アセンブリ202(流体マニホルド240を含む)は、概して同軸であり、かつ、長手軸210を共有する。代替的な実施形態において、これらの構成要素のうちの1つまたは複数は、任意の他の構成要素と同軸でなくてもよい。さらに、温度センサ284は、長手軸210がキャップ220と交わる箇所において、または、キャップ220の中心および/もしくは電極チップ・アセンブリ202の長手方向中心において、キャップ220に結合される。中心から外れた温度測定は、アブレーション部位における組織102の状態を完全に示すことができないので、温度センサ284のそのような配置は、温度測定の有用性を高めることができる。他の実施形態では、温度センサ284は、他の方法で位置されてもよい。
【0052】
アブレーション・カテーテル200は、追加のおよび/または代替的な構成要素を含んでもよい。図2~4の実施形態では、アブレーション・カテーテル200は、アブレーション・ジェネレータ106(図1に図示)から電極チップ・アセンブリ202に電力を伝達するように構成された配線300を含む。例えば、配線300は、電極チップ・アセンブリ202に(例えば、ステム212を介して)電気的に結合される。アブレーション・カテーテル200は、力センサ270の温度および/または力センサ270の近傍の温度を測定するために、追加の温度センサ302をさらに含んでもよい。これらの温度測定は、力センサ270を形成する力測定への熱の影響を明らかにするために使用されることができる。
【0053】
典型的な実施形態では、シャフト124は、アブレーション・カテーテル200の様々な構成要素を収容するように構成された管304を含む。管304は、シャフト124の近位端部126から電極チップ・アセンブリ202まで延在する。例えば、管304の遠位端部306は、ステム212のフランジ216に当接する。管304は、力センサ270、配線300、温度センサ284、302などのアブレーション・カテーテル200の収容された構成要素への流体の侵入を防止する。
【0054】
図7は、アブレーション・カテーテル200(図2~6に図示)などのアブレーション・カテーテルを組み立てる方法700の1つの実施形態を示すフロー図である。場合によっては、方法700は、手作業で(例えば、ヒューマンオペレータによって)行われる。
【0055】
典型的な実施形態では、方法700は、温度センサが灌注導管の遠位端部から外へ延在するように、灌注導管(例えば、灌注導管226)によって画定された灌注内腔(例えば、灌注内腔232)を通して温度センサ(例えば、温度センサ284)を送るステップ702を含む。いくつかの実施形態では、送るステップ702は、灌注導管内に形成されかつ灌注導管の長手軸に対して斜めの角度に配向された貫通孔(例えば、貫通孔286)を通して温度センサを送ることを含む。
【0056】
方法700はまた、力センサ(例えば、力センサ270)の変形可能ボディ(例えば、変形可能ボディ272)を灌注導管の遠位端部に結合するステップ704と、変形可能ボディの遠位部分に隣接させてシール(例えば、シール278)を位置させるステップ706とを含む。いくつかの実施形態では、位置させるステップ706は、変形可能ボディの遠位端部に接触させてエラストマーOリングを位置させることを含む。
【0057】
方法700は、温度センサを電極チップ・アセンブリ(例えば、電極チップ・アセンブリ202)内へ送るステップ708をさらに含む。本明細書において説明されるように、電極チップ・アセンブリは、内部空洞および外部空洞を画定する。いくつかの実施形態では、電極チップ・アセンブリは、内部空洞内に配置されかつ灌注流体を灌注導管から分散させるように構成された流体マニホルド(例えば、流体マニホルド240)をさらに含む。流体マニホルドは、灌注流体を流体マニホルドから軸方向に分散させるように構成された第1および第2の軸方向流体通路を画定する。第1および第2の軸方向流体通路は、流体マニホルドの長手方向中心線からオフセットされる。そのような実施形態において、送るステップ708は、第1および第2の軸方向流体通路のうちの1つを通して温度センサを送ることを含んでもよい。
【0058】
方法700はまた、変形可能ボディの遠位部分を電極チップ・アセンブリの外部空洞内に位置させるステップ710を含む。位置させるステップ710は、シールを外部空洞内で変形可能ボディの遠位部分と電極チップ・アセンブリの近位部分との間に(例えば、ステム212のフランジ216に接触させて)位置させることをさらに含んでもよい。
【0059】
方法700は、電極チップ・アセンブリが変形可能ボディから遠位に延在しまた内部空洞が灌注内腔と流体連通するように、電極チップ・アセンブリを変形可能ボディに結合するステップ712をさらに含む。結合するステップ712の結果として、シールは、電極チップ・アセンブリと変形可能ボディとの間に配置されて、内部空洞と外部空洞との間での流体流れを阻止する。いくつかの実施形態では、結合するステップ712は、電極チップ・アセンブリと変形可能ボディとの間でシールを圧迫することを含む。
【0060】
方法700は、温度センサが電極チップ・アセンブリから灌注内腔を通って延在するように温度センサを電極チップ・アセンブリに結合するステップ714をさらに含む。結合するステップ714は、温度センサを電極チップ・アセンブリの遠位キャップ(例えば、遠位キャップ220)内に埋め込むかまたは他の方法で固定することを含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、電極チップ・アセンブリはまた、電極チップ・アセンブリの近位端部に配置されかつ外部空洞を画定するステム(例えば、ステム212)と、ステムから遠位に延在しかつ内部空洞を画定する円筒形側壁(例えば、円筒形側壁206)と、円筒形側壁の遠位端部において円筒形側壁に結合されかつ内部空洞を取り囲むキャップとを含む。そのような実施形態では、結合すること714は、温度センサの遠位端部をキャップ内に画定されたカウンターボア内に埋め込むことを含んでもよい。
【0062】
例示的な方法のいくつかのステップが番号付けされているが、そのような番号付けは、記載された順序でステップが行われなければならないことを意味するものではない。したがって、個々のステップは、その説明がそのような順序を特に必要とする場合を除いて、それらが提示された正確な順序で行われる必要はない。ステップは、記載された順序で行われるか、または別の適切な順序で行われてもよい。
【0063】
本明細書において開示された実施形態および例は、特定の実施形態に関連して説明されてきたが、これらの実施形態および例は、本開示の原理および応用の例示にすぎないことが、理解されるべきである。したがって、例示的な実施形態および例に対して多くの修正がなされ得ること、ならびに特許請求の範囲によって定められる本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成が考案され得ることが、理解されるべきである。したがって、本出願は、これらの実施形態およびその均等物の修正形態ならびに変形形態を含むことが、意図されている。
【0064】
本明細書は、最良の形態を含めて本発明を開示するために例を使用しており、また、任意のデバイスまたはシステムを作りかつ使用すること、および組み込まれた任意の方法を行うことを含めて、いかなる当業者も本開示を実践することを可能にするために例を使用している。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められ、かつ、当業者に思い浮かぶ他の例を含んでもよい。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または、それらが特許請求の範囲の文言と実質的な差異のない均等な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲に記載の範囲内にあることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブレーション・カテーテルであって、
近位端部および遠位端部を有する灌注導管であって、前記アブレーション・カテーテルの遠位端部まで灌注流体を運ぶように構成された灌注内腔を画定する、前記灌注導管と、
前記灌注導管の前記遠位端部に隣接して前記灌注導管に結合される変形可能ボディを備える、力センサと、
前記変形可能ボディに結合されかつ前記変形可能ボディから遠位に延在する電極チップ・アセンブリであって、前記灌注内腔と流体連通する内部空洞、および前記変形可能ボディの遠位部分が受け入れられる外部空洞を画定する、前記電極チップ・アセンブリと、
前記電極チップ・アセンブリと前記変形可能ボディとの間に配置されるシールであって、前記内部空洞と前記外部空洞との間での流体流れを阻止する、前記シールと、
前記電極チップ・アセンブリに結合されかつ前記電極チップ・アセンブリから前記灌注内腔を通って延在する温度センサと、
を備える、アブレーション・カテーテル。
【請求項2】
前記電極チップ・アセンブリは、
前記電極チップ・アセンブリの近位端部に配置されかつ前記外部空洞を画定するステムと、
前記ステムから遠位に延在しかつ前記内部空洞を画定する円筒形側壁と、
を備える、請求項1に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項3】
前記ステムは、フランジ、および前記フランジから近位に延在する円筒形壁を備え、
前記円筒形壁は、前記変形可能ボディの前記遠位部分が受け入れられる前記外部空洞を画定し、
前記シールは、前記フランジと前記変形可能ボディの前記遠位部分との間に配置されかつ前記フランジ及び前記変形可能ボディの前記遠位部分と係合する、請求項2に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項4】
前記電極チップ・アセンブリは、前記円筒形側壁の遠位端部において前記円筒形側壁に結合されかつ前記内部空洞を取り囲むキャップをさらに備え、
前記キャップは、前記キャップを貫通して軸方向に延在するカウンターボアを画定し、
前記温度センサの遠位端部は、前記カウンターボア内に埋め込まれる、請求項2又は3に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項5】
前記電極チップ・アセンブリは、前記内部空洞内に配置されかつ前記灌注導管からの灌注流体を分散させるように構成された流体マニホルドをさらに備え、
前記流体マニホルドは、前記ステムから遠位に延在する管状側壁を備え、
前記管状側壁は、そこに複数の流体分配孔を画定し、
前記流体分配孔は、灌注流体を前記流体マニホルドから径方向外側に分散させるように配向される、請求項2から4のいずれか一項に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項6】
前記流体マニホルドは、灌注流体を前記流体マニホルドから軸方向に分散させるように構成された第1の軸方向流体通路および第2の軸方向流体通路を画定し、
前記第1の軸方向流体通路および前記第2の軸方向流体通路は、前記流体マニホルドの長手方向中心線からオフセットされ、
前記第2の軸方向流体通路は、前記第1の軸方向流体通路よりも長い長さを有する、請求項5に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項7】
前記温度センサは、前記第1の軸方向流体通路を通って延在する、請求項6に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項8】
前記流体マニホルドは、前記管状側壁内に受け入れられるインサートをさらに備え、
前記インサートは、ベース、および前記ベースから遠位に延在する管状延長部を備え、
前記ベースは、前記第1の軸方向流体通路を画定し、
前記管状延長部は、前記第2の軸方向流体通路を画定する、請求項6又は7に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項9】
前記流体マニホルドは、一体部品として形成され、
前記流体マニホルドは、
前記ステムと係合して配置される環状フランジであって、前記管状側壁は前記環状フランジから遠位に延在する、前記環状フランジと、
前記管状側壁の遠位端部に配置される遠位端部キャップであって、前記第1の軸方向流体通路を画定する、前記遠位端部キャップと、
前記遠位端部キャップから遠位に延在する管状延長部であって、前記第2の軸方向流体通路を画定する、前記管状延長部と、
をさらに備える、請求項6又は7に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項10】
前記電極チップ・アセンブリは、前記流体マニホルドを前記ステムに対して付勢するために前記環状フランジと係合して配置されたばねをさらに備える、請求項9に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項11】
前記円筒形側壁は、前記円筒形側壁に画定されかつ前記円筒形側壁を貫通して延在する少なくとも1つの灌注流体チャネルを含み、
前記少なくとも1つの灌注流体チャネルは、前記電極チップ・アセンブリが負荷下に置かれているときの前記円筒形側壁の長手軸に対する前記電極チップ・アセンブリの曲げ運動のための前記円筒形側壁における可撓性を提供する、請求項2から10のいずれか一項に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項12】
前記電極チップ・アセンブリは、可撓性の電極チップ・アセンブリである、請求項1から11のいずれか一項に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項13】
前記灌注導管は、前記灌注導管の長手軸に対して斜めの角度に配向された貫通孔を画定し、前記温度センサは、前記貫通孔を通って延在する、請求項1から12のいずれか一項に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項14】
前記シールは、エラストマーOリングを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項15】
温度センサは、熱電対を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のアブレーション・カテーテル。
【請求項16】
アブレーション・カテーテルを組み立てる方法であって、
温度センサが灌注導管の遠位端部から外へ延在するように、前記灌注導管によって画定された灌注内腔を通して前記温度センサを送るステップと、
力センサの変形可能ボディを前記灌注導管の前記遠位端部に結合するステップと、
前記変形可能ボディの遠位部分に隣接させてシールを位置させるステップと、
前記温度センサを電極チップ・アセンブリ内へ送るステップであって、前記電極チップ・アセンブリは、内部空洞および外部空洞を画定する、前記送るステップと、
前記変形可能ボディの前記遠位部分を前記電極チップ・アセンブリの前記外部空洞内に位置させるステップと、
前記電極チップ・アセンブリが前記変形可能ボディから遠位に延在しまた前記内部空洞が前記灌注内腔と流体連通するように前記電極チップ・アセンブリを前記変形可能ボディに結合するステップであって、前記シールは、前記電極チップ・アセンブリと前記変形可能ボディとの間に配置されて、前記内部空洞と前記外部空洞との間での流体流れを阻止する、前記結合するステップと、
前記温度センサが前記電極チップ・アセンブリから前記灌注内腔を通って延在するように、前記温度センサを前記電極チップ・アセンブリに結合するステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記電極チップ・アセンブリは、
前記電極チップ・アセンブリの近位端部に配置されかつ前記外部空洞を画定するステムと、
前記ステムから遠位に延在しかつ前記内部空洞を画定する円筒形側壁と、
前記円筒形側壁の遠位端部において前記円筒形側壁に結合されかつ前記内部空洞を取り囲むキャップと、
を備え、
前記温度センサを前記電極チップ・アセンブリに結合するステップは、前記温度センサの遠位端部を前記キャップ内に画定されたカウンターボア内に埋め込むことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電極チップ・アセンブリは、前記内部空洞内に配置されかつ前記灌注導管からの灌注流体を分散させるように構成された流体マニホルドをさらに備え、
前記流体マニホルドは、灌注流体を前記流体マニホルドから軸方向に分散させるように構成された第1の軸方向流体通路および第2の軸方向流体通路を画定し、
前記第1の軸方向流体通路および前記第2の軸方向流体通路は、前記流体マニホルドの長手方向中心線からオフセットされ、
前記温度センサを電極チップ・アセンブリ内へ送るステップは、前記第1の軸方向流体通路および前記第2の軸方向流体通路のうちの1つを通して前記温度センサを送ることを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
灌注内腔を通して温度センサを送るステップは、前記灌注導管内に形成されかつ前記灌注導管の長手軸に対して斜めの角度に配向された貫通孔を通して前記温度センサを送ることを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
カテーテル・システムは、
アブレーション・カテーテルと、
アブレーション・ジェネレータと、
を備え、
前記アブレーション・カテーテルは、
近位端部および遠位端部を有する灌注導管であって、前記アブレーション・カテーテルの遠位端部まで灌注流体を運ぶように構成された灌注内腔を画定する、前記灌注導管と、
前記灌注導管の前記遠位端部に隣接して前記灌注導管に結合される変形可能ボディを備える、力センサと、
前記変形可能ボディに結合されかつ前記変形可能ボディから遠位に延在する電極チップ・アセンブリであって、前記灌注内腔と流体連通する内部空洞、および前記変形可能ボディの遠位部分が受け入れられる外部空洞を画定する、前記電極チップ・アセンブリと、
前記電極チップ・アセンブリと前記変形可能ボディとの間に配置されるシールであって、前記内部空洞と前記外部空洞との間での流体流れを阻止する、前記シールと、
前記電極チップ・アセンブリに結合されかつ前記電極チップ・アセンブリから前記灌注内腔を通って延在する温度センサと、
を備え、
前記アブレーション・ジェネレータは、前記電極チップ・アセンブリに電気的に結合されているとともに、前記電極チップ・アセンブリにアブレーション・エネルギーを供給するように構成されている、カテーテル・システム。
【国際調査報告】