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2022-545864スクリュータイプ・カップリング用のニップル、カップリング、及びニップルを接続するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】スクリュータイプ・カップリング用のニップル、カップリング、及びニップルを接続するための方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/10 20060101AFI20221025BHJP
   F16L 37/14 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
F16L37/10
F16L37/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506845
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2020072697
(87)【国際公開番号】W WO2021037571
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】1912304.1
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.トルクス
(71)【出願人】
【識別番号】513253869
【氏名又は名称】セイン アーベー
【氏名又は名称原語表記】CEJN AB
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ヨナス エリクソン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン-オロフ ヨハンソン
(72)【発明者】
【氏名】トニー ルンドベリ
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106BE29
3J106CA08
3J106CA12
3J106EA10
3J106EB06
3J106EC02
3J106EC07
3J106ED22
3J106EE11
(57)【要約】
本明細書には、スクリュータイプ・カップリング用のニップルが開示されている。ニップルは、手持ち式の可動ニップルであり、カップリングにおけるねじ接続部のための1個又は複数のねじ山(12)を有すると共に、ギア(20)を有するロックスリーブ(10)と、ギア(20)と噛み合うと共に、外部回転工具に接続するための手段(24)を含む1個又は複数のピニオン(22)を有するギアハウジング(30)と、ロックスリーブ(10)を回転可能に支持すると共に、ギアハウジング(30)を支持するニップル本体(40)と、ニップル本体(40)とギアハウジング(30)との間の相対回転を防止するストッパ(50)とを備える。本明細書には、スクリュータイプ・カップリングにおけるそのようなニップル及びカップリングも開示されている。この方法は、ニップル及びカップリングを、位置合わせしてねじ接続部を係合させるステップと、手持ち式の電動回転動力工具(80)を、外部回転工具に接続するための手段(24)に適用するステップと、手持ち式の電動回転動力工具(80)を操作してロックスリーブ(10)を回転させ、これによりスクリュータイプ・カップリングにおけるニップルをカップリングと接続するステップとを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリュータイプ・カップリング用のニップルであって、前記ニップルが、手持ち式の可動ニップルであり、
・カップリングにおけるねじ接続部のための1個又は複数のねじ山(12)を有すると共に、ギア(20)を有するロックスリーブ(10)と、
・前記ギア(20)と噛み合うと共に、外部回転工具に接続するための手段(24)を含む1個又は複数のピニオン(22)を有するギアハウジング(30)と、
・前記ロックスリーブ(10)を回転可能に支持すると共に、前記ギアハウジング(30)を支持するニップル本体(40)と、
・前記ニップル本体(40)と前記ギアハウジング(30)との間の相対回転を防止するストッパ(50)と、
を備えるニップルにおいて、
前記ギア(20)が、前記ロックスリーブ(10)周りで周方向に配置されると共に、前記ニップルの面から離れるよう軸線方向を指向し、前記ギア(20)が、前記ロックスリーブ(10)と一体であり、前記ロックスリーブ(10)及び前記ギア(20)が、1つの同じ部品を構成し、前記ニップルとは別個の部品であることを特徴とする、ニップル。
【請求項2】
請求項1に記載のニップルであって、前記ロックスリーブ(10)、前記ギアハウジング(30)、並びに前記ニップル本体(40)が、前記ニップルにおける別個の部品である、ニップル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のニップルであって、前記ニップル本体(40)が、前記1個又は複数のピニオン(22)の少なくとも一部を収容するための1つ又は複数の開口(46)を有する、ニップル。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のニップルであって、前記1個又は複数のピニオン(22)が、1個のピニオン(22)であるか、又は互いに180度で配置された2個のピニオン(22)であるか、又は互いに120度で配置された3個のピニオン(22)である、ニップル。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載のニップルであって、前記1個又は複数のピニオン(22)及び前記ギア(20)が、ベベルギアを形成している、ニップル。
【請求項6】
請求項5に記載のニップルであって、前記1個又は複数のピニオン(22)のそれぞれが、前記ニップルの軸線方向に対して垂直であり、前記1個又は複数のピニオン(22)のそれぞれが、軸線方向突起(23)を有し、該軸線方向突起(23)のそれぞれが、前記ニップル本体(40)によって支持されている、ニップル。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のニップルであって、前記ギアハウジング(30)に接続されたホルダ(32)を更に備え、前記ホルダ(32)が、前記ベベルギアの前記ピニオン(22)を前記ギアハウジング(30)及び前記ニップル本体(40)内に保持している、ニップル。
【請求項8】
請求項1~4の何れか一項に記載のニップルであって、前記1個又は複数のピニオン(22)及びギア(20)が、ウォームギアを形成している、ニップル。
【請求項9】
請求項8に記載のニップルであって、前記ウォームギアにおける前記ピニオン(22)の一端に、外部回転工具に接続するための1個の手段(24)が配置されると共に、前記ニップルの軸線方向に対して垂直に位置合わせされ、又は、前記ウォームギアにおける前記ピニオン(22)の両端に、外部回転工具に接続するための2個の手段(24)が互いに反対側に1個ずつ配置されると共に、前記ニップルの軸線方向に対して垂直に位置合わせされている、ニップル。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載のニップルであって、前記ロックスリーブ(10)を前記ニップル本体(40)に対してロック又はロック解除するためのロック機構(60,62,64)を更に備える、ニップル。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のニップルであって、前記ロックスリーブ(10)が、前記ニップル本体(40)と前記ギアハウジング(30)との間に取り付けられている、ニップル。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載のニップルであって、前記ストッパ(50)が、複数のストッパ(50)であり、前記各ストッパ(50)の一部が、前記ニップル本体(40)の溝(52)内に配置され、前記各ストッパ(50)の一部が、前記ギアハウジング(30)の溝(54)内に配置されている、ニップル。
【請求項13】
スクリュータイプ・カップリングであって、請求項1~12の何れか一項に記載のニップルと、カップリングとを備える、スクリュータイプ・カップリング。
【請求項14】
スクリュータイプ・カップリングにおける、請求項1~12の何れか一項に記載のニップルと、カップリングとを接続するための方法であって、
・前記ニップル及び前記カップリングを、位置合わせしてねじ接続部を係合させるステップ(910)と、
・手持ち式の電動回転動力工具(80)を、外部回転工具に接続するための手段(24)に適用するステップ(920)と、
・前記手持ち式の電動回転動力工具(80)を操作してロックスリーブ(10)を回転させ、これにより前記スクリュータイプ・カップリングにおける前記ニップルを前記カップリングと接続するステップ(930)と、
を含む方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、請求項10に係る前記ニップルと、前記カップリングとを接続したときに、ロック機構(60,62,64)を使用し、前記ロックスリーブ(10)をニップル本体(40)に対してロックするステップ(940)を更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クイックコネクトカップリングの一種であるスクリュータイプ・カップリング(screw to connect couplings)に関する。より具体的には、本開示は、スクリュータイプ・カップリング用のニップル、並びにそのようなニップルをスクリュータイプ・カップリングにおけるカップリングに接続する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クイックコネクトカップリングは、雄部分であるニップル及び雌部分であるカップリングを備える。スクリュータイプ・カップリングは、クイックコネクトカップリングの一種であり、ニップル及びカップリングの一方を他方にねじ込むことによって接続される。このように、スクリュータイプ・カップリングは既知であるが、近年ではその取り扱い及び操作が注目されている。特許文献1(米国特許第2967069号明細書)及び特許文献2(英国特許第1379519号明細書)には、背景技術を理解するのに有用な従来技術が開示されている。
【0003】
1つの課題は、例えばニップルを、対応するカップリングにねじ込むのに要する時間である。この作業には数分かかる場合があり、その時間を大幅に、好適には75%短縮するのが望ましい。スクリュータイプ・カップリングは、かなり大きいことが多い。カップリング内及びカップリングが属する流体システム内の圧力は、そのことを困難にしている。多くの場合、カップリングが配置される場所には空間上の制約のみならず、環境上の問題がある。このような問題により、スクリュータイプ・カップリングを接続するには時間がかかるのみならず、大変な作業を必要とする。
【0004】
更なる課題は、これら課題に対する解決策が、従来のスクリュータイプ・カップリングに接続可能なものでなければならないことである。スクリュータイプ・カップリングにおけるニップル又はカップリングに加えられる如何なる変更にかかわらず、従来のニップル及びカップリングは、変更されたニップル及びカップリングに接続可能でなければならない。
【0005】
また、安価かつ容易に製造可能であると共に、堅牢なスクリュータイプ・カップリングを提供することが望ましい。更に、スクリュータイプ・カップリングは、カップリングを通る流れを良好で信頼性高く提供可能でなければならない。本開示は、上述した課題の1つ又は複数を克服することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第2967069号明細書
【特許文献2】英国特許第1379519号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、スクリュータイプ・カップリング用のニップル、並びにスクリュータイプ・カップリングにおけるそのようなニップル及びカップリングを接続するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、独立請求項に規定される特徴によって解決することができる。更なる構成は、従属請求項によって特徴付けられる。
【0009】
一実施形態によれば、スクリュータイプ・カップリング用のニップルが開示され、そのニップルは、手持ち式の可動ニップルである。ニップルは、カップリングにおけるねじ接続部のための1個又は複数のねじ山12を有すると共に、ギア20を有するロックスリーブ10と、ギア20と噛み合うと共に、外部回転工具に接続するための手段24を含む1個又は複数のピニオン22を有するギアハウジング30と、ロックスリーブ10を回転可能に支持すると共に、ギアハウジング30を支持するニップル本体40と、ニップル本体40とギアハウジング30との間の相対回転を防止するストッパ50とを備える。ギア20は、ロックスリーブ10周りで周方向に配置されると共に、ニップルの面から離れるよう軸線方向を指向している。ギア20は、ロックスリーブ10と一体であり、従ってロックスリーブ10及びギア20は同じ部品を構成し、ニップルとは別個の部品である。
【0010】
一実施形態によれば、ロックスリーブ10、ギアハウジング30、並びにニップル本体40は、ニップルにおける別個の部品であり得る。
【0011】
一実施形態によれば、ニップル本体40は、1個以上のピニオン22の少なくとも一部を収容するための1つ以上の開口46を有することができる。
【0012】
一実施形態によれば、1個又は複数のピニオン22は、1個のピニオン22とすることができ;又は2個のピニオン22を互いに180度で配置することができ;又は3個のピニオン22を互いに120度で配置することができる。
【0013】
一実施形態によれば、1個以上のピニオン22及びギア20は、ベベルギアを形成することができる。
【0014】
一実施形態によれば、1個以上のピニオン22のそれぞれは、ニップルの軸線方向に対して垂直であってもよく、1個以上のピニオン22のそれぞれは、軸線方向突起23を有することができ、その軸線方向突起23のそれぞれは、ニップル本体40によって支持することができる。
【0015】
一実施形態によれば、ニップルは、ギアハウジング30に接続されたホルダ32を更に備えることができ、そのホルダ32は、ベベルギアのピニオン22をギアハウジング30及びニップル本体40内に保持することができる。
【0016】
一実施形態によれば、1個以上のピニオン22及びギア20は、ウォームギアを形成することができる。
【0017】
一実施形態によれば、外部回転工具に接続するための1個又は2個の手段24は、ウォームギアにおけるピニオン22の一端に1個、又は両端に1個ずつ配置されていてもよく、この場合に2個の手段24は、互いに反対側に1個ずつ配置可能であると共に、ニップルの軸線方向に対して垂直に位置合わせ可能である。
【0018】
一実施形態によれば、ニップルは、ロックスリーブ10をニップル本体40に対してロック又はロック解除するためのロック機構60,62,64を更に備えることができる。
【0019】
一実施形態によれば、ロックスリーブ10は、ニップル本体40とギアハウジング30との間に取り付けることができる。
【0020】
一実施形態によれば、ストッパ50は、複数のストッパ50であってもよく、各ストッパ50は、一部がニップル本体40の溝52内に配置可能であり、一部がギアハウジング30の溝54内に配置可能である。
【0021】
一実施形態によれば、スクリュータイプ・カップリングは、本明細書に開示された実施形態に係るニップルと、カップリングを備える。
【0022】
一実施形態によれば、スクリュータイプ・カップリングにおいて、上述した実施形態の何れか1つに係るニップルと、カップリングとを接続するための方法が開示されている。この方法は、ニップル及びカップリングを位置合わせしてねじ接続部を係合させるステップ910と、手持ち式の電動回転動力工具80を外部回転工具に接続するための手段24に適用するステップ920と、手持ち式の電動回転動力工具80を操作してロックスリーブ10を回転させ、これによりスクリュータイプ・カップリングにおけるニップルをカップリングと接続するステップ930とを含む。
【0023】
一実施形態によれば、本発明の方法は、ロック機構を備えるニップル及びカップリングが接続されたときに、以下のステップを更に備えることができる。即ち、ロック機構60,62,64を使用し、ロックスリーブ10をニップル本体40に対してロックするステップ940を更に含むことができる。
【0024】
本明細書に開示された1つ以上の実施形態においては、迅速に接続可能なスクリュータイプ・カップリングが提供される。少なくとも一実施形態においては、スクリュータイプ・カップリングにおけるニップルが提供され、この場合、ロックスリーブは、カップリングとの接続を確立するために容易かつ迅速に操作することができる。少なくとも一実施形態においては、スクリュータイプ・カップリングにおけるニップルが提供され、そのニップルは、製造が安価であり、製造が容易であり、更に堅牢である。少なくとも一実施形態においては、スクリュータイプ・カップリングにおけるそのようなニップル及びカップリングを接続するための方法が提供される。
【0025】
上述した実施形態の少なくとも1つは、背景技術における課題及び欠点に対して1つ以上の解決策を提供する。当業者にとって、本開示の他の技術的利点は、以下の説明及び特許請求の範囲から明らかであろう。本出願の様々な実施形態により、記載された各利点の一部のみが得られる。各実施形態にとって、何れの利点も決定的ではない。本明細書に開示された任意の実施形態は、本明細書に開示された他の任意の実施形態と技術的に組み合わせることができる。
【0026】
添付図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、上記の概要及び下記の実施形態の詳細な説明と共に、本開示の原理を例示的に説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】ギアが設けられていない状態のスクリュータイプ・カップリングにおけるカップリングの一実施形態を示す略図である。
図2】ギアが設けられていない状態のスクリュータイプ・カップリングにおけるニップルの一実施形態を示す略図である。
図3】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図4】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図5】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図6】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図7】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図8図7における本開示の例示的な実施形態のラインA‐Aに沿う断面を示す略図である。
図9】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図10】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図11】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図12】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図13】本開示の例示的な実施形態を示す略図である。
図14図13における本開示の例示的な実施形態のラインA‐Aに沿う断面を示す略図である。
図15】本開示の例示的な実施形態に係る、スクリュータイプ・カップリングにおけるニップル及びカップリングを接続するための接続方法を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び図2は、スクリュータイプ・カップリング(セイン(登録商標)社のTLX)を、ギアが設けられていない状態の略図を示し、特許請求項に記載のニップルを示すものではない。図1は、スクリュータイプ・カップリングにおける雌部分1(カップリング1としても知られている)を示す。図2は、カップリングの雄部分2(ニップル2としても知られている)を示す。図1及び図2の両方は、左側においてはスクリュータイプ・カップリングの中央部からの断面図を示し、右側においてはスクリュータイプ・カップリングの外面の略図を示す。ニップル2は、ニップル本体40に対して相対回転可能なロックスリーブ10を備える。カップリング1及びニップル2は、ロックスリーブ10を回転させることによってロックスリーブ10の内ねじがカップリング1の外ねじに噛み合い、これによりカップリング1及びニップル2が引き合わされて完全に接続することができる。その後にピン64を差し込み、ロックスリーブ10をニップル本体40に対して回転不可能にロックすることができる。ピン64は、ワイヤ66により、ニップル2に又はニップル2に接続されたホースに取り付けることができる。
【0029】
図3図14は、本開示の様々な例示的実施形態の略図を示す。図3図8は、ベベルギアを備える例示的な実施形態を示し、図9図14は、ウォームギアを備える例示的な実施形態を示す。
【0030】
図3は、ベベルギアを備える例示的な実施形態の側面図を示し、図4は、ニップル本体40が表された端部図を示し、図5は、ベベルギアを備える例示的な実施形態の斜視図を示す。図4は更に、ベベルギアを駆動するのに外部回転工具80を如何にして使用できるかの概略図を示す。工具80は、以下に説明するように、外部回転工具80に接続するための手段24を有する1個以上のピニオンに差し込むことができる。
【0031】
図6は、ニップルのベベルギアを備える例示的な実施形態を示す。ニップルは、スクリュータイプ・カップリング用である。ニップルは、手持ち式の可動ニップルである。即ち、ニップルは、作業者が手で取り扱って移動させることができ、例えば、人間の力で持ち上げることができる。従って、ニップルは、70キロ未満、好適には50キロ未満である。ニップルを取り扱ったり移動させたりするのに、外部持ち上げ工具又は持ち上げ機械を使用する必要はない。
【0032】
ニップルは、カップリングにおけるねじ接続部のための1個以上のねじ山12を有するロックスリーブ10を備える。ロックスリーブは、一条ねじ山又は二条ねじ山を有することができる。好適には、ロックスリーブは、ニップルが他の既存のスクリュータイプ・カップリングにおけるカップリングに接続できるよう一条ねじ山を有する。ロックスリーブ10は、ギア20を有する。ギア20は、ロックスリーブ10周りで周方向に配置されると共に、ニップルの面から離れるよう軸線方向を指向している。ギア20は、ロックスリーブ10と一体であり、従ってロックスリーブ10及びギア20は同じ部品を構成し、ニップルとは別個の部品である。代替的に、ロックスリーブ10及びギア20は、別個の部品としてもよい。一実施形態によれば、ロックスリーブ10は、その一端の内側に1個以上のねじ山12を有する実質的に円筒形とすることができる。一実施形態によれば、ギア20は、ロックスリーブ10の他端に配置されると共に、軸線方向を指向することができる。
【0033】
ニップルは、ギア20と噛み合う1個以上のピニオン22を有するギアハウジング30を備える。ギアハウジング30は、別個の部品、好適には外側の部品とすることができる。ギアハウジング30は、実質的に円筒形とすることができると共に、その内側にニップル本体40を有することができる。1個以上のピニオン22は、例えば図4に示すように、外部回転工具80に接続するための手段24を有する。回転工具80は、ニップルの一部ではない。手段24は、回転工具のための任意の接続部、例えば、内部スロット若しくはクロスドライブ;内部若しくは外部のトライアングル、スクエア、ヘックス、若しくはダブルスクエア;内部若しくは外部のトルクス;任意の内部ソケット頭ねじ;又はこれらと同様の接続部とすることができる。好適には、内部接続が手段24に用いられる。これにより、回転工具は、1個以上のピニオン22の近傍又はその内側のみならず、ギアハウジング30の内側にも係合可能であり、従って安定性や取り扱い性が向上する。
【0034】
ニップルは、ニップル本体40を備え、そのニップル本体40は、雌部分であるカップリングに接続する雄部分の中央部としても称され得る。ニップル本体40は、ロックスリーブ10を回転可能に支持している。これにより、ロックスリーブ10は、固定的なニップル本体周りで回転可能であると共に、スクリュータイプ・カップリングにおけるニップル及びカップリングを引き合わせることが可能である。ニップル本体40は、ギアハウジング30を支持している。ニップルは、流体用、例えば、油圧、空気、高圧流体とすることができる。ニップルは、単一の流体ホース用とするか又は同軸ニップルとすることができる。
【0035】
ニップルは、その本体40とギアハウジング30との間の相対回転を防止するストッパ50を備える。ストッパは、一部がニップル本体40の溝内にあり、一部がギアハウジング30における対応の溝内にある細長ストッパ部材50とすることができる。ニップル本体40及びギアハウジング30は、ストッパ50と一緒に、ロックスリーブ10を回転可能に支持することができる。これにより、ロックスリーブ10は、ニップル本体40及びギアハウジング30に対して回転することができる。ロックスリーブ10は、以下に説明するように、別個のロック機構60,62,64により、ニップル本体40及びギアハウジング30に対して回転不可能にすることができ、これによりスクリュータイプ・カップリングにおけるニップルとカップリングとをロック可能である。
【0036】
ロックスリーブ10、ニップル本体40、並びにギアハウジング30は、ニップルにおける別個の部品であり得る。別個の部品は、図3図14に明示されている。これにより、ニップルを容易に組み立てることができる。一実施形態によれば、ロックスリーブ10は、ニップル本体40とギアハウジング30との間に取り付けられ、好適には回転可能に取り付けられている。好適には、ロックスリーブ10の一端は、ニップル本体40とギアハウジング30との間に回転可能に取り付けられている。一実施形態によれば、ギアハウジング30は、ロックスリーブ10と部分的に重なることができる。一実施形態によれば、ギアハウジング30は、ニップル本体40と部分的に重なることができる。一実施形態によれば、ロックスリーブ10は、ギアハウジング30内に部分的に差し込むことができるのみならず、ニップル本体40と部分的に重なることができる。ニップル本体40は、ロックスリーブ10がニップル本体40から軸線方向に外れるのを防止する第1面42を軸線方向に有することができる。これにより、ロックスリーブは、ニップル本体の第1面42とギアハウジング30との間に保持可能である。ニップル本体40は、実質的に2つのパーツで構成可能であり、これらパーツは組み立てることができ、例えばねじ接続することができる。図7及び図13に最適に示すように、一方のパーツは、第1面42を有し、他方のパーツは第2面44を有することができる。ギアハウジング30及びロックスリーブ10の一部は、第1面42と第2面44との間で保持可能であり、これによりギアハウジング30及びロックスリーブ10の一部がニップル本体40によって軸線方向に保持されている。これは、ニップルを容易に組み立て可能とし、その結果として堅牢なニップルを得ることができる。
【0037】
一実施形態によれば、ニップル本体40は、1個以上のピニオン22の少なくとも一部を収容するための1つ以上の開口46を有することができる。これにより、1個以上のピニオン22は、ニップル本体40によって回転可能に支持することができる。ギアハウジング30は、1個以上のピニオン22の少なくとも一部を収容するための1つ以上の開口36を有することができる。これにより、図7図8図13及び図14に最適に示すように、1個以上のピニオン22は、ギアハウジング30によって回転可能に支持することができる。
【0038】
一実施形態によれば、1個又は複数のピニオン22は、1個のピニオン22とすることができ;又は2個のピニオン22を好適には互いに180度で配置することができ;又は3個のピニオン22を好適には互いに120度で配置することができる。これにより、回転動力工具80で容易にアクセスしてスクリュータイプ・カップリングにおけるニップルのギアを操作可能である。
【0039】
一実施形態によれば、1個以上のピニオン22及びギア20は、図6図8に最適に示すように、ベベルギアを形成することができる。ベベルギアは、ストレートベベルギア、スパイラルベベルギア、ゼロールベベルギア、又はハイポイドベベルギアとすることができる。
【0040】
一実施形態によれば、1個以上のピニオン22のそれぞれは、ニップルの軸線方向に対して垂直に配置することができる。1個以上のピニオン22のそれぞれは、軸線方向突起23を有することができ、各軸線方向突起23は、ニップル本体40によって支持することができる。軸線方向突起23は、ニップルの中央部に向けることができる。好適には、各軸線方向突起23は、ニップル本体40の各開口46内に適合可能である。これにより、軸線方向突起23の一端は、ニップル本体40によって支持することができる。1個以上のピニオン22のそれぞれは、延長部25を有することができ、各延長部25は、ホルダ32によって支持することができる。
【0041】
一実施形態によれば、ニップルは、ギアハウジング30に接続された1個以上のホルダ32を更に備えることができる。各ホルダ32は、ベベルギアの各ピニオン22をギアハウジング30内に保持することができる。ホルダ32は、ピニオン22を、ニップル本体40内で及び/又はニップル本体40に対して、好適には開口46内にて保持することができる。このように、軸線方向突起23の一端は、ニップル本体40によって支持することができ、ピニオン22の反対側の端部は、ホルダ32及びギアハウジング30内の開口36によって支持することができる。ホルダ32は、ピニオンのための開口を有するねじ頭とすることができる。
【0042】
一実施形態によれば、各ピニオン22は、ギアハウジング30の各開口36に適合する直径を有することができる。一実施形態によれば、ストッパ50は、複数のストッパ50であってもよく、各ストッパ50は、一部がニップル本体40の溝52内に配置可能であり、一部がギアハウジング30の溝54内に配置可能である。一実施形態によれば、ニップル本体40におけるストッパ50のための各溝52は、ストッパ50と同じ長さとすることができ、及び/又は、ギアハウジング30におけるストッパ50のための各溝54は、ストッパ50よりも長くすることができ、これによりニップルの組み立て中にニップル本体40とギアハウジング30との間の相対的なスライド移動が可能である。これは、図6及び図12に最適に示す。
【0043】
図9は、ウォームギアを備える例示的な実施形態の側面図を示し、図10は、ニップル本体40が表された端部図を示し、図11は、ウォームギアを備える例示的な実施形態の斜視図を示す。図10は更に、ウォームギアを駆動するのに外部回転工具80を如何にして使用できるかの概略図を示す。
【0044】
図12は、ニップルのウォームギアを備える例示的な実施形態を示す。ニップルは、スクリュータイプ・カップリング用である。一実施形態によれば、1個以上のピニオン22及びギア20は、ウォームギア(ウォームドライブ)を形成している。一実施形態によれば、ニップルは、1個のピニオン22のみを備え、そのピニオン22は、ねじの形態のウォームであり得る。ウォームは、ギア20と噛み合うことができる。ギア20は、ウォームギアのギアであり得る。ウォームギアは、ストレートウォームギア、スパイラルウォームギア、ゼロールウォームギア、又はハイポイドウォームギアとすることができる。
【0045】
一実施形態によれば、ニップルは、外部回転工具80に接続するための手段24を1個又は2個、即ち、ウォームギアにおけるピニオン22の一端に1個、又はウォームギアにおけるピニオン22の両端に1個ずつ有することができる。2個の手段24は、互いに反対側に配置できると共に、ニップルの軸線方向に対して垂直に位置合わせすることができる。2個の手段24は、同軸であり得る。ウォームギア22は、例えば図10に示すように、外部回転工具80に接続するための手段24を有する。回転工具80は、ニップルの一部ではない。手段24は、回転工具のための任意の接続部、例えば、内部スロット若しくはクロスドライブ;内部若しくは外部のトライアングル、スクエア、ヘックス、若しくはダブルスクエア;内部若しくは外部のトルクス;任意の内部ソケット頭ねじ;又はこれらと同様の接続部とすることができる。好適には、内部接続が手段24に用いられる。これにより、回転工具は、1個以上のピニオン22(ウォームギア22)の近傍又はその内側のみならず、ギアハウジング30の内側にも係合可能であり、従って安定性や取り扱い生が向上する。
【0046】
一実施形態によれば、2個の手段24が設けられ、それぞれがウォームギア22の端部に接続可能である。好適には、この接続は、図12に最適に示すように、ねじ接続によって行われる。ウォームギア22の各端部は、ホルダ32、例えばボルトにより、外部回転工具80に接続するための手段24に接続可能である。各手段24は、ホルダ32によってウォームギア22の各端部に接続された延長部25を有することができる。
【0047】
一実施形態によれば、ニップルは、ロックスリーブ10をニップル本体40に対してロック又はロック解除するためのロック機構60,62,64を更に備えることができる。ロック機構は、図2図4図6図10、並びに図12に最適に示す。ピン64は、ロックスリーブ10の孔62を通して差し込むことができる。ピン64は、ロックスリーブ10の外側から1つの孔62を通して差し込み、ロックスリーブ10における位置合わせされた他の同軸の孔62から出て来るまで差し込むことができる。ピン64は、ニップル本体40の側面が回転するのを防止することができる。従って、ピン64は、側面60と平行であり得る。これにより、ロックスリーブ10は、ニップル本体40と一緒に回転不可能にロックすることができる。
【0048】
一実施形態によれば、スクリュータイプ・カップリングは、ニップル及びカップリングに関して本明細書に記載された任意の一実施形態を含む。ロックスリーブ10が、他のスクリュータイプ・カップリングにおける従来のロックスリーブと同じねじ山及び直径を有することを保証することにより、互換性を確保することができる。本開示の例示的な実施形態では、ロックスリーブ10を同じねじ山及び直径で自由に構成可能である。
【0049】
本発明の方法について説明すると、図15は、スクリュータイプ・カップリングにおいて、本明細書に開示された実施形態の何れか1つに係るニップルと、本開示の例示的な実施形態に係るカップリングとを接続するための方法の略図を示す。最初の2つの方法ステップ910,920は、任意の順序で実施することができ、他の方法ステップ930,940は、順序通りに実施することができる。図15に示す方法は、ニップル及びカップリングを位置合わせしてねじ接続部を係合させるステップ910と、手持ち式の電動回転動力工具80を外部回転工具に接続するための手段24に適用するステップ920と、手持ち式の電動回転動力工具80を操作してロックスリーブ10を回転させ、これによりスクリュータイプ・カップリングにおけるニップルをカップリングと接続するステップ930とを含む。
【0050】
一実施形態によれば、本発明の方法は、ニップルがロック機構を備えると共に、ニップル及びカップリングが接続されたときに、最後のステップとして以下のステップを更に含む。即ち、ロック機構60,62,64を使用し、ロックスリーブ10をニップル本体40に対してロックするステップ940を更に含む。
【0051】
一実施形態によれば、手持ち式の電動回転動力工具80を使用して本明細書に開示された実施形態の何れか1つに係るニップルを操作することにより、迅速で強固な接続を確立することができる。スクリュータイプ・カップリングに接続されるシステム内に残圧が残っている場合であっても、手持ち式の電動回転動力工具によってニップル及びカップリングを接続することができる。
【0052】
本明細書に開示された少なくとも一実施形態によれば、スクリュータイプ・カップリング用のニップルが提供され、そのニップルは、迅速に接続可能であると共に、システム内の残圧を力によって克服可能である。少なくとも一実施形態によれば、スクリュータイプ・カップリングにおけるニップルが提供され、この場合、ロックスリーブは、カップリングとの接続を確立するために容易かつ迅速に操作することができる。少なくとも一実施形態によれば、スクリュータイプ・カップリングにおけるニップルが提供され、そのニップルは、製造が安価であり、製造が容易であり、更に堅牢である。少なくとも一実施形態によれば、スクリュータイプ・カップリングにおけるそのようなニップル及びカップリングを接続するための方法が提供される。
【0053】
当業者にとって、スクリュータイプ・カップリングにおけるニップル及びそのニップルを接続するための方法に様々な修正及び変形を加えられることは明らかであろう。当業者にとって、他の実施形態は、開示されたニップルの明細書及び実施例を考慮することによって明らかであろう。本明細書の記載及び実施例は、例示的なものに過ぎず、実際の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される。
【符号の説明】
【0054】
1 カップリング
2 ニップル
10 ロックスリーブ
12 ねじ山
20 ギア
22 ピニオン
23 軸線方向突起
24 外部工具に接続するための手段
25 延長部
30 ギアハウジング
32 ホルダ
36 ギアハウジング30の開口
40 ニップル本体
42 第1面
44 第2面
46 開口
50 ストッパ
52 ニップル本体40の溝
54 ギアハウジング30の溝
60 側面
62 孔
64 ピン
66 ワイヤ
80 外部回転工具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】