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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】信号合成器
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/08 20060101AFI20221025BHJP
   H03G 3/10 20060101ALI20221025BHJP
   H03F 1/56 20060101ALI20221025BHJP
   H04B 1/18 20060101ALI20221025BHJP
   H03F 3/343 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
H04B7/08 480
H03G3/10 A
H03F1/56
H04B1/18 A
H04B7/08 372A
H04B7/08 372C
H04B7/08 052A
H04B7/08 052C
H04B7/08 372B
H03F3/343 210
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511105
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 US2020048339
(87)【国際公開番号】W WO2021041769
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】16/557,961
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】リョン、ライ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、シンミン
(72)【発明者】
【氏名】パテル、チラグ・ディパク
(72)【発明者】
【氏名】ランガラジャン、ラジャゴパラン
【テーマコード(参考)】
5J100
5J500
5K062
【Fターム(参考)】
5J100AA26
5J100BA03
5J100BB02
5J100BB11
5J100BB13
5J100BB22
5J100BC01
5J100CA11
5J100EA02
5J100FA02
5J500AA01
5J500AA42
5J500AA43
5J500AA51
5J500AC36
5J500AC52
5J500AC71
5J500AC75
5J500AC81
5J500AF10
5J500AH09
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH38
5J500AK09
5J500AK12
5J500AK29
5J500AM04
5J500AS13
5J500AT01
5K062AA01
5K062AB01
5K062AC01
5K062AD04
5K062AE01
5K062AE03
(57)【要約】
いくつかの態様では、受信機は、第1の増幅器を含み、第1の増幅器の各々は、入力部と出力部とを備える。受信機はまた、第2の増幅器を含み、第2の増幅器の各々は、入力部と出力部とを備え、第2の増幅器の出力部は、合成ノードに結合される。受信機はまた、伝送線路を含み、伝送線路の各々は、第1の増幅器のそれぞれの1つの出力部と第2の増幅器のそれぞれの1つの入力部との間に結合される。受信機は、合成ノードに結合された負荷と、受信機要素とをさらに含み、受信機要素の各々は、入力部と出力部とを備え、受信機要素の各々の出力部は、第1の増幅器のそれぞれ1つの入力部に結合される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の増幅器と、ここにおいて、前記第1の増幅器の各々が入力部と出力部とを備え、
第2の増幅器と、ここにおいて、前記第2の増幅器の各々が入力部と出力部とを備え、前記第2の増幅器の前記出力部が合成ノードに結合され、
伝送線路と、ここにおいて、前記伝送線路の各々が前記第1の増幅器のそれぞれの1つの前記出力部と前記第2の増幅器のそれぞれの1つの前記入力部との間に結合され、
前記合成ノードに結合された負荷と、
受信機要素と、ここにおいて、前記受信機要素の各々が入力部と出力部とを備え、前記受信機要素の各々の前記出力部が前記第1の増幅器のそれぞれの1つの前記入力部に結合され、
を備える、受信機。
【請求項2】
アンテナをさらに備え、
前記受信機要素の各々の前記入力部は、前記アンテナのそれぞれの1つに結合される、請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記受信機要素の各々が、移相器を備え、前記移相器は、
前記アンテナの前記それぞれの1つから信号を受信することと、
前記アンテナの前記それぞれの1つからの前記信号の位相をそれぞれの位相シフトだけシフトすることと、
を行うように構成された、請求項2に記載の受信機。
【請求項4】
位相シフトコントローラをさらに備え、
前記アンテナはフェーズドアンテナアレイの一部であり、前記受信機要素の各々に関して、前記位相シフトコントローラは、前記フェーズドアンテナアレイの受信方向に基づいて前記それぞれの位相シフトを設定するように構成される、請求項3に記載の受信機。
【請求項5】
局部発振器信号を生成するように構成された局部発振器をさらに備え、
前記受信機要素の各々は、混合器をさらに備え、前記混合器は、
前記それぞれの移相器から前記位相シフトされた信号を受信することと、
前記それぞれの移相器からの前記位相シフトされた信号を前記局部発振器信号と混合することと、
を行うように構成された、請求項3に記載の受信機。
【請求項6】
局部発振器信号を生成するように構成された局部発振器をさらに備え、
前記受信機要素の各々は、混合器を備え、前記混合器は、
前記アンテナの前記それぞれの1つから信号を受信することと、
前記アンテナの前記それぞれの1つからの前記信号を前記局部発振器信号と混合することと、
を行うように構成された、請求項2に記載の受信機。
【請求項7】
局部発振器信号を生成するように構成された局部発振器をさらに備え、
前記受信機要素の各々は、
前記局部発振器信号を受信し、前記局部発振器信号の位相をそれぞれの位相シフトだけシフトするように構成された移相器と、
前記アンテナの前記それぞれの1つから信号を受信し、前記アンテナの前記それぞれの1つからの前記信号を前記それぞれの位相シフト局部発振器信号と混合するように構成された混合器と、
を備える、請求項2に記載の受信機。
【請求項8】
前記第2の増幅器の各々は共通ゲート増幅器である、請求項1に記載の受信機。
【請求項9】
前記第2の増幅器の各々は、前記合成ノードに結合されたドレインと、ゲートと、前記伝送線路の前記それぞれの1つに結合されたソースとを備えるトランジスタを備える、請求項8に記載の受信機。
【請求項10】
ゲートバイアス回路をさらに備え、
前記第2の増幅器の各々について、前記ゲートバイアス回路は、前記それぞれのトランジスタの前記ゲートをバイアスするように構成される、請求項9に記載の受信機。
【請求項11】
前記ゲートバイアス回路は、
前記第2の増幅器のうちの第1のものの前記トランジスタの前記ゲートを、第1のゲートバイアス電圧においてバイアスすることと、
前記第2の増幅器のうちの第2のものの前記トランジスタの前記ゲートを、第2のゲートバイアス電圧においてバイアスすることと、ここにおいて、前記第1のゲートバイアス電圧と前記第2のゲートバイアス電圧は異なり、
を行うように構成される、請求項10に記載の受信機。
【請求項12】
前記第2の増幅器の各々について、それぞれのゲートバイアス電圧値を記憶するように構成されたレジスタをさらに備え、
前記第2の増幅器の各々について、前記ゲートバイアス回路は、前記レジスタ内の前記それぞれのゲートバイアス電圧値に基づいて前記それぞれのトランジスタの前記ゲートをバイアスするように構成される、請求項10に記載の受信機。
【請求項13】
前記第2の増幅器のうちの第1のものの前記ゲートバイアス電圧値は、前記第2の増幅器のうちの第2のものの前記ゲートバイアス電圧値とは異なる、請求項12に記載の受信機。
【請求項14】
前記第2の増幅器の各々は、電子的に調整可能なチャネル幅を有する、請求項8に記載の受信機。
【請求項15】
前記第2の増幅器の各々は、
前記合成ノードと前記伝送線路の前記それぞれの1つとの間に結合された複数のブランチ
を備え、
前記複数のブランチの各々は、直列に結合されたトランジスタおよびスイッチを備え、前記複数のブランチの各々は、前記それぞれのスイッチを閉じることによって有効にされ、
前記受信機は、有効にされる前記それぞれのブランチの数を制御することによって、前記第2の増幅器の各々の前記チャネル幅を設定するように構成された制御回路をさらに備える、
請求項14に記載の受信機。
【請求項16】
前記第2の増幅器の各々は、
前記合成ノードと前記伝送線路の前記それぞれの1つとの間に結合された複数のブランチ
を備え、
前記複数のブランチの各々は、トランジスタと、前記トランジスタのゲートをゲートバイアス電圧またはグランドに選択的に結合するように構成されたスイッチとを備え、前記複数のブランチの各々は、前記それぞれのトランジスタの前記ゲートを前記ゲートバイアス電圧に結合するように前記それぞれのスイッチを設定することによって有効にされ、
前記受信機は、有効にされる前記それぞれのブランチの数を制御することによって、前記第2の増幅器の各々の前記チャネル幅を設定するように構成された制御回路をさらに備える、
請求項14に記載の受信機。
【請求項17】
前記複数のブランチの各々における前記スイッチは、それぞれの単極2投スイッチを備える、請求項16に記載の受信機。
【請求項18】
前記第2の増幅器の各々について、それぞれのチャネル幅値を記憶するように構成されたレジスタと、
前記レジスタ内の前記それぞれのチャネル幅値に基づいて、前記第2の増幅器の各々の前記チャネル幅を設定するように構成された制御回路と、
をさらに備える、請求項14に記載の受信機。
【請求項19】
前記第2の増幅器のうちの第1のものの前記チャネル幅値は、前記第2の増幅器のうちの第2のものの前記チャネル幅値とは異なる、請求項18に記載の受信機。
【請求項20】
前記第1の増幅器の各々は電流増幅器である、請求項1に記載の受信機。
【請求項21】
前記第1の増幅器の各々は、
電流源と、
入力部と出力部とを備える電流ミラーと、ここにおいて、前記電流ミラーの前記入力部は、前記電流源および前記第1の増幅器の前記入力部に結合され、前記電流ミラーの前記出力部は、前記伝送線路の前記それぞれの1つに結合され、
を備える、請求項20に記載の受信機。
【請求項22】
前記第1の増幅器の各々の前記電流ミラーは、電子的に調整可能な電流ミラー比を有する、請求項21に記載の受信機。
【請求項23】
前記第1の増幅器の各々について、それぞれの電流利得値を記憶するように構成されたレジスタと、
前記レジスタ内の前記それぞれの電流利得値に基づいて、前記第1の増幅器の各々の前記電流ミラーの前記電流ミラー比を設定するように構成された制御回路と、
をさらに備える、請求項22に記載の受信機。
【請求項24】
前記第1の増幅器のうちの第1のものの前記電流利得値は、前記第1の増幅器のうちの第2のものの前記電流利得値とは異なる、請求項23に記載の受信機。
【請求項25】
前記第1の増幅器の各々の前記電流ミラーは、
前記電流ミラーの前記入力部に結合されたドレインと、前記電流ミラーの前記入力部に結合されたゲートと、グランドに結合されたソースとを備える入力トランジスタと、
前記電流ミラーの前記出力部に結合されたドレインと、前記入力トランジスタの前記ゲートに結合されたゲートと、前記グランドに結合されたソースとを備える出力トランジスタと、
を備える、請求項21に記載の受信機。
【請求項26】
前記第1の増幅器の各々について、前記それぞれの電流ミラーの前記入力トランジスタが、電子的に調整可能なチャネル幅を有する、請求項25に記載の受信機。
【請求項27】
前記第1の増幅器の各々について、前記それぞれの電流ミラーの前記出力トランジスタが、電子的に調整可能なチャネル幅を有する、請求項25に記載の受信機。
【請求項28】
前記伝送線路のうちの第1のものは、前記伝送線路のうちの第2のものの長さよりも少なくとも20パーセント長い長さを有する、請求項1に記載の受信機。
【請求項29】
前記負荷は、インダクタ、チョーク、または共振器のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の受信機。
【請求項30】
前記第1の増幅器のうちの第1のものは、第1のチップ上に集積され、
前記第1の増幅器のうちの第2のものは、第2のチップ上に集積され、
前記第2の増幅器のうちの第1および第2のものは、前記第2のチップ上に集積され、
前記伝送線路のうちの第1のものは、前記第1の増幅器のうちの前記第1のものの前記出力部と前記第2の増幅器のうちの前記第1のものの前記入力部との間に結合され、
前記伝送線路のうちの前記第1のものの少なくとも一部は、前記第1のチップと前記第2のチップの両方の外部にある、
請求項1に記載の受信機。
【請求項31】
前記伝送線路のうちの第2のものは、前記第2のチップ上に集積され、
前記伝送線路のうちの前記第2のものは、前記第1の増幅器のうちの前記第2のものの前記出力部と前記第2の増幅器のうちの前記第2のものの前記入力部との間に結合される、
請求項30に記載の受信機。
【請求項32】
前記第1および第2のチップは基板上に実装され、
前記伝送線路のうちの前記第1のものの前記少なくとも一部は、前記基板上に形成される、
請求項30に記載の受信機。
【請求項33】
前記第1の増幅器のうちの第1のものの前記入力部と前記受信機要素のうちの第1のものの前記出力部との間に結合された第1の整合ネットワークと、
前記第1の増幅器のうちの第2のものの前記入力部と前記受信機要素のうちの第2のものの前記出力部との間に結合された第2の整合ネットワークと、
をさらに備え、
前記第1の整合ネットワークは、第1の周波数において、前記第1の増幅器のうちの前記第1のものの前記入力部と前記受信機要素のうちの前記第1のものの前記出力部との間にインピーダンス整合を提供するように構成され、
前記第2の整合ネットワークは、第2の周波数において、前記第1の増幅器のうちの前記第2のものの前記入力部と前記受信機要素のうちの前記第2のものの前記出力部との間にインピーダンス整合を提供するように構成される、
請求項1に記載の受信機。
【請求項34】
前記負荷は広い周波数帯域に同調され、前記広い周波数帯域は、前記第1の周波数と前記第2の周波数とを含む、請求項33に記載の受信機。
【請求項35】
前記負荷は二重共振負荷を備える、請求項33に記載の受信機。
【請求項36】
前記第1の周波数および前記第2の周波数は、少なくとも1ギガヘルツ離間している、請求項33に記載の受信機。
【請求項37】
信号合成のための方法であって、
受信機要素から信号を受信することと、
前記受信機要素からの前記信号を増幅して、第1の増幅信号にすることと、
前記第1の増幅信号によって伝送線路を駆動することと、
前記伝送線路から前記第1の増幅信号を受信することと、
前記伝送線路からの前記第1の増幅信号を増幅して、第2の増幅信号にすることと、
前記第2の増幅信号を、合成信号へと合成することと、
を備える、方法。
【請求項38】
前記受信機要素からの前記信号を増幅することは、
前記受信機要素からの前記信号のうちの第1のものを第1の利得だけ増幅して、前記第1の増幅信号のうちの第1のものにすることと、
前記受信機要素からの前記信号のうちの第2のものを第2の利得だけ増幅して、前記第1の増幅信号のうちの第2のものにすることと、
を備え、
前記第1の利得と前記第2の利得とは異なる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記伝送線路を駆動することは、
前記第1の増幅信号のうちの前記第1のものによって前記伝送線路のうちの第1のものを駆動することと、
前記第1の増幅信号のうちの前記第2のものによって前記伝送線路のうちの第2のものを駆動することと、
を備え、
前記伝送線路のうちの前記第1のものが、前記伝送線路のうちの前記第2のものの長さよりも少なくとも20パーセント長い長さを有する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記受信機要素からの前記信号のうちの前記第1のものを増幅することは、第1のチップ上で前記受信機要素からの前記信号のうちの前記第1のものを増幅することを備え、
前記第2の増幅信号を合成することは、第2のチップ上で前記第2の増幅信号を合成することを備え、
前記伝送線路を駆動することは、前記第1の増幅信号のうちの前記第1のものによって前記伝送線路のうちの第1のものを駆動することを備え、
前記伝送線路のうちの前記第1のものの少なくとも一部は、前記第1のチップと前記第2のチップの両方の外部にある、
請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記伝送線路を駆動することは、前記第1の増幅信号のうちの前記第2のものによって前記伝送線路のうちの第2のものを駆動することを備え、
前記伝送線路のうちの前記第2のものは、前記第2のチップ上に集積される、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第2の増幅信号は電流を備え、
前記第2の増幅信号を合成することは、合成電流へと前記電流を合成することと、前記合成信号を生成するために前記合成電流を負荷を通して伝導することと、を備える、
請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記負荷は、インダクタ、チョーク、または共振器のうちの少なくとも1つを備える、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記受信機要素からの前記信号のうちの第1のものは、第1の周波数を有し、
前記受信機要素からの前記信号のうちの第2のものは、第2の周波数を有し、
前記負荷は、前記第1の周波数および前記第2の周波数を含む広い周波数帯域に同調される広帯域負荷を備えるか、または、前記負荷は二重共振負荷を備える、
請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の周波数および前記第2の周波数は、少なくとも1ギガヘルツ離間している、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の増幅信号は電流を備え、
前記第1の増幅信号によって前記伝送線路を駆動することは、前記伝送線路のそれぞれの1つを通して前記電流の各々を伝導することを備える、
請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記伝送線路からの前記第1の増幅信号を増幅することは、共通ゲート増幅器を使用して前記伝送線路からの前記第1の増幅信号を増幅することを備える、請求項37に記載の方法。
【請求項48】
前記共通ゲート増幅器の第1および第2のものの各々は、調整可能なチャネル幅を有し、
前記方法は、
前記共通ゲート増幅器のうちの前記第1のものの前記チャネル幅を第1のチャネル幅に設定することと、前記共通ゲート増幅器のうちの前記第2のものの前記チャネル幅を第2のチャネル幅に設定することとをさらに備え、
前記第1のチャネル幅は、前記第2のチャネル幅とは異なる、
請求項47に記載の方法。
【請求項49】
第1のゲートバイアス電圧によって前記共通ゲート増幅器のうちの第1のもののゲートをバイアスすることと、第2のゲートバイアス電圧によって前記共通ゲート増幅器のうちの第2のもののゲートをバイアスすることとをさらに備え、
前記ゲートバイアス電圧は、前記第2のゲートバイアス電圧とは異なる、
請求項47に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
[0001]本特許出願は、2019年8月30日に出願され、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれる、「SIGNAL COMBINER」と題する米国非仮出願第16/557,961号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0002]本開示の態様は、一般に、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、フェーズドアレイ受信機において使用するための信号合成器に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]フェーズドアンテナアレイは、ミリメートル波(mmWave)帯域(たとえば、数十ギガヘルツ)で動作するワイヤレス通信システム(たとえば、第5世代(5G)通信システム)において使用される。フェーズドアンテナアレイは、ワイヤレスデバイスが、増加した範囲に対して高い指向性で信号を送信および/または受信することを可能にする。
【発明の概要】
【0004】
[0004]以下では、1つまたは複数の実装形態の基本的理解を与えるために、そのような実装形態の簡略化された概要を提示する。本発明の概要は、すべての企図される実装形態の広範な概観ではなく、すべての実装形態の主要または重要な要素を識別するものでも、いずれかまたはすべての実装形態の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の実装形態のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0005】
[0005]第1の態様は受信機に関する。受信機は、(複数の)第1の増幅器を含み、第1の増幅器の各々は、入力部と出力部とを備える。受信機はまた、(複数の)第2の増幅器を含み、第2の増幅器の各々は、入力部と出力部とを備え、第2の増幅器の出力部は、合成(combining)ノードに結合される。受信機はまた、伝送線路を含み、伝送線路の各々は、第1の増幅器のそれぞれの1つの出力部と第2の増幅器のそれぞれの1つの入力部との間に結合される。受信機は、合成ノードに結合された負荷と、(複数の)受信機要素とをさらに含み、受信機要素の各々は、入力部と出力部とを備え、受信機要素の各々の出力部は、第1の増幅器のそれぞれの1つの入力部に結合される。
【0006】
[0006]第2の態様は、信号合成のための方法に関する。本方法は、受信機要素から信号を受信することと、受信機要素からの信号を増幅して、第1の増幅信号にすることと、第1の増幅信号によって伝送線路を駆動することとを含む。本方法はまた、伝送線路から第1の増幅信号を受信することと、伝送線路からの第1の増幅信号を増幅して、第2の増幅信号にすることと、第2の増幅信号を合成信号へと合成することとを含む。
【0007】
[0007]上記の目的および関係する目的を達成するために、1つまたは複数の実装形態は、以下で十分に説明され、特に特許請求の範囲において指摘される特徴を含む。以下の説明および添付の図面は、1つまたは複数の実装形態のいくつかの例示的な態様を詳細に記載する。ただし、これらの態様は、様々な実装形態の原理が採用され得る様々な方法のうちのほんのいくつかを示すものであり、説明される実装形態は、すべてのそのような態様およびそれらの均等物を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]本開示のいくつかの態様による、移相器を使用してフェーズドアンテナアレイの受信方向をステアリングする例を示す図。
図2】[0009]本開示のいくつかの態様によるフェーズドアンテナアレイの一例を示す図。
図3】[0010]本開示のいくつかの態様によるフェーズドアレイ受信機の一例を示す図。
図4】[0011]本開示のいくつかの態様によるフェーズドアレイ受信機の別の例を示す図。
図5】[0012]本開示のいくつかの態様によるフェーズドアレイ受信機のまた別の例を示す図。
図6】[0013]本開示のいくつかの態様によるデュアルバンドフェーズドアレイ受信機の一例を示す図。
図7】[0014]本開示のいくつかの態様による合成器の一例を示す図。
図8】[0015]本開示のいくつかの態様による、合成器の入力部がそれぞれの受信機要素に結合される例を示す図。
図9】[0016]本開示のいくつかの態様による、電流増幅器の例示的な実装形態を示す図。
図10】[0017]本開示のいくつかの態様による、調整可能な電流利得をもつ電流増幅器の例示的な実装形態を示す図。
図11】[0018]本開示のいくつかの態様による、電流増幅器を含む合成器の一例を示す図。
図12】[0019]本開示のいくつかの態様による、共通ゲート増幅器を含む合成器の一例を示す図。
図13】[0020]本開示のいくつかの態様による、調整可能なチャネル幅をもつ共通ゲート増幅器を含む合成器の一例を示す図。
図14A】[0021]本開示のいくつかの態様による、調整可能なチャネル幅をもつ共通ゲート増幅器の例示的な実装形態を示す図。
図14B】[0022]本開示のいくつかの態様による、調整可能なチャネル幅をもつ共通ゲート増幅器の別の例示的な実装形態を示す図。
図15】[0023]本開示のいくつかの態様による、電流増幅器と共通ゲート増幅器とを含む合成器の一例を示す図。
図16】[0024]本開示のいくつかの態様による、整合ネットワークを含む合成器の一例を示す図。
図17A】[0025]本開示のいくつかの態様による、整合ネットワークの例示的な実装形態を示す図。
図17B】[0026]本開示のいくつかの態様による、整合ネットワークの別の例示的な実装形態を示す図。
図18】[0027]本開示のいくつかの態様による、チップ間合成器の一例を示す図。
図19】[0028]本開示のいくつかの態様による、ツリー構成で結合された複数の合成器の一例を示す図。
図20】[0029]本開示のいくつかの態様による、チェーン構成で結合された複数の合成器の一例を示す図。
図21】[0030]本開示のいくつかの態様による、信号合成のための方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0031]添付の図面に関して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、本明細書で説明する概念が実施され得る唯一の構成を表すことを意図されていない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を与えるための特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかとなるであろう。いくつかの例では、そのような概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および構成要素がブロック図形式で示される。
【0010】
[0032]mmWave帯域においてワイヤレス通信システム(たとえば、5G通信システム)を動作させることによって、ワイヤレス通信システムは、より高いデータレートに対してより広い帯域幅で信号を送信することが可能になる。しかしながら、mmWave帯域において動作するワイヤレス通信システムは、高い信号減衰に問題があり得る。高い信号減衰を補償するために、mmWave帯域において動作するワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスが改善された範囲に対して高い指向性で信号を受信および/または送信することを可能にするフェーズドアンテナアレイを含む。
【0011】
[0033]フェーズドアンテナアレイの受信方向は、フェーズドアンテナアレイ内のアンテナによって受信された信号の位相をシフトすることによって電子的にステアリングされ得る。この例は、フェーズドアンテナアレイにおける2つの隣接するアンテナ110-1および110-2の例を示す図1に示されている。アンテナ110-1~110-2は、それぞれ、調整可能な(すなわち、同調可能な)移相器(phase shifters)115-1~115-2に結合される。各移相器115-1および115-2は、そのそれぞれのアンテナ110-1および110-2によって受信された信号の位相をシフトするように構成される。
【0012】
[0034]この例では、アンテナ110-1と110-2との間の距離(すなわち、間隔)はdであり、フェーズドアンテナアレイによって受信される無線信号の波面は、アンテナボアサイト(antenna boresight)に対して角度θで到達する。この例では、無線信号の波面は、アンテナ110-2に到達するのにアンテナ110-1に対してd・sinθの追加の距離を進む必要がある。この追加の距離は、次の時間遅延に変換される。
【0013】
【数1】
【0014】
ここで、Δtは時間遅延であり、cは無線信号の伝搬速度である。時間遅延Δtは、次のように所与の周波数fに対する位相シフトとして表され得る。
【0015】
【数2】
【0016】
ここで、Δφは、アンテナ110-1と110-2との間の位相シフトである。式(1)および式(2)は、位相シフトを次のように表すために組み合わせられ得る。
【0017】
【数3】
【0018】
ここで、λは無線信号の波長であり、c/fによって与えられる。フェーズドアンテナアレイの受信方向を角度θに設定するために、移相器115-1および115-2は、式(3)における位相シフトΔφを取り消す、アンテナ110(1)と110(2)との間の位相シフトを提供するように調整され得る。位相シフトΔφを取り消すことによって、移相器115-2および115-2は、角度θでアンテナ110-1および110-2によって受信された信号の位相を揃え、信号が強め合うように合成されることを可能にする。図1は、説明しやすいように、2つのアンテナ110-1および110-2の例を示すが、図1に示された原理は、所望の方向に信号を受信するために、フェーズドアンテナアレイ全体またはフェーズドアンテナアレイのサブセクションに拡張され得ることを諒解されたい。
【0019】
[0035]図2は、複数のアンテナ210-1~210-kを含むフェーズドアンテナアレイ205の一例を示す。図2では、各アンテナ210-1~210-kは、小さい正方形で表される。フェーズドアンテナアレイ205内の各アンテナ210-1~210-kは、アンテナ素子または別の用語で呼ばれることもある。この例では、アンテナ210-1~210-kは、2次元アレイで配置されているが、アンテナ210-1~210-kは、1次元アレイまたは3次元アレイで配置される場合もあることを諒解されたい。アンテナ210-1~210-kの各々は、パッチアンテナまたは別のタイプのアンテナによって実装され得る。図2に示される例では、フェーズドアンテナアレイ205は、64個のアンテナ210-1~210-kを含む。しかしながら、フェーズドアンテナアレイ205は、異なる数のアンテナ210-1~210-kを含み得ることを諒解されたい。フェーズドアンテナアレイ205は、数十個から数百個のアンテナを含み得る。
【0020】
[0036]フェーズドアンテナアレイ205は、ワイヤレスデバイス(たとえば、5Gワイヤレスデバイス)が高い指向性で信号を受信および/または送信することを可能にするために、ワイヤレスデバイスに組み込まれ得る。フェーズドアンテナアレイ205の受信方向は、移相器を使用して(たとえば、式(3)に基づいて)電子的にステアリングされ得る。たとえば、フェーズドアンテナアレイ205の受信方向は、ワイヤレスデバイスに信号を送信する別のワイヤレスデバイスの方向を向くように設定され得る。
【0021】
[0037]mmWave帯域においてワイヤレスデバイスを動作させる利点は、mmWave帯域が(たとえば、ミリメートル範囲における)小型アンテナの使用を可能にすることである。mmWave帯域におけるアンテナ210-1~210-kの小さいサイズは、フェーズドアンテナアレイ205の面積を大幅に低減する。これは、フェーズドアンテナアレイ205が、ハンドセット、小型基地局(たとえば、顧客構内機器(CPE:customer premises equipment))、または別のワイヤレスデバイスに組み込まれることを可能にする。
【0022】
[0038]図3は、フェーズドアンテナアレイ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ205)内のアンテナから信号を受信するためのフェーズドアレイ受信機310の一例を示す。フェーズドアレイ受信機310は、複数の受信機要素315-1~315-nを含み、受信機要素315-1~315-nの各々は、それぞれの入力部312-1~312-nを介してフェーズドアンテナアレイ内のそれぞれのアンテナに結合される。一例では、受信機要素315-1~315-nの数は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kの数に等しく、その場合、nはkに等しい。別の例では、受信機要素315-1~315-nの数は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kの数よりも少ない。この例では、受信機要素315-1~315-nの各々は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kのうちのn個のそれぞれの1つに結合され得る。
【0023】
[0039]受信機要素315-1~315-nの各々は、それぞれの低雑音増幅器(LNA:low noise amplifier)320-1~320-nと、それぞれの移相器325-1~325-nとを含む。LNA320-1~320-nの各々は、そのそれぞれのアンテナ(たとえば、アンテナ210-1~210-kのそれぞれの1つ)からの信号を増幅するように構成され、可変利得を有し得る。
【0024】
[0040]移相器325-1~325-nの各々は、そのそれぞれの信号の位相をそれぞれの位相シフトだけシフトするように構成される。移相器325-1~325-nは、フェーズドアンテナアレイの受信方向を(たとえば、送信デバイスに向かう方向に)設定するために使用される。この点について、位相シフトコントローラ355は、移相器325-1~325-nがアンテナによって受信された信号の位相を所望の受信方向に揃えるように、移相器325-1~325-nの位相シフトを設定する。これは、所望の受信方向においてアンテナによって受信された信号が、以下でさらに説明するように、強め合うように合成されることを可能にする。説明しやすいように、位相シフトコントローラ355と移相器325-1~325-nとの間の個々の接続は、図3には明示的に示されていない。
【0025】
[0041]フェーズドアレイ受信機310はまた、複数の伝送線路330-1~330-nと合成器340とを含む。伝送線路330-1~330-nの各々は、受信機要素315-1~315-nのそれぞれの1つの出力部327-1~327-nと合成器340との間に結合される。受信機要素315-1~315-nは、受信機要素315-1~315-nの出力信号を合成器340にルーティングする伝送線路330-1~330-nによって互いに離間され得る。
【0026】
[0042]合成器340は、受信機要素315~315-nの信号の出力信号をそれぞれの伝送線路330-1~330-nを介して受信し、出力信号を合成信号へと合成し、合成信号を合成器340の出力部350において出力する。上記で説明したように、移相器325-1~325-nは、アンテナによって受信された信号の位相を所望の受信方向に揃える。その結果、合成器340は、合成信号を生成するために、所望の受信方向に対応する信号を強め合うように合成する。合成器340は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、アナログデジタル変換、復調、ベースバンド処理など)のために合成信号を受信回路(図示せず)に出力するか、または後続の合成段階において合成信号を別の合成器(図示せず)に出力し得る。
【0027】
[0043]図4は、フェーズドアンテナアレイ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ205)内のアンテナから信号を受信するためのフェーズドアレイ受信機410の別の例を示す。フェーズドアレイ受信機410は、複数の受信機要素415-1~415-nを含み、受信機要素415-1~415-nの各々は、それぞれの入力部412-1~412-nを介してフェーズドアンテナアレイ内のそれぞれのアンテナに結合される。一例では、受信機要素415-1~415-nの数は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kの数に等しく、その場合、nはkに等しい。別の例では、受信機要素415-1~415-nの数は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kの数よりも少ない。この例では、受信機要素415-1~415-nの各々は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kのn個のそれぞれの1つに結合され得る。
【0028】
[0044]受信機要素415-1~415-nの各々は、それぞれの低雑音増幅器(LNA)420-1~420-nと、それぞれの移相器424-1~424-nと、それぞれの混合器426-1~426-nとを含む。LNA420-1~420-nの各々は、そのそれぞれのアンテナ(たとえば、アンテナ210-1~210-kのそれぞれの1つ)からの信号を増幅するように構成され、可変利得を有し得る。
【0029】
[0045]移相器424-1~424-nの各々は、そのそれぞれの信号の位相をそれぞれの位相シフトだけシフトするように構成される。移相器424-1~424-nは、フェーズドアンテナアレイの受信方向を(たとえば、送信デバイスに向かう方向に)設定するために使用される。この点について、位相シフトコントローラ455は、移相器424-1~424-nがアンテナによって受信された信号の位相を所望の受信方向に揃えるように、移相器424-1~424-nの位相シフトを設定する。これは、所望の受信方向においてアンテナによって受信された信号が、以下でさらに説明するように、強め合うように合成される(constructively combined)ことを可能にする。説明しやすいように、位相シフトコントローラ455と移相器425-1~425-nとの間の個々の接続は、図4には明示的に示されていない。
【0030】
[0046]混合器426-1~426-nの各々は、局部発振器(LO:local oscillator)435からLO信号を受信し、そのそれぞれの移相器424-1~424-nからの信号を周波数ダウンコンバートするために、そのそれぞれの移相器424-1~424-nからの信号をLO信号と混合するように構成される。周波数ダウンコンバートは、無線周波数(RF)から中間周波数(IF)にし得る。したがって、この例では、信号合成の前に、受信機要素415-1~415-nにおいて、周波数ダウンコンバートが実行される。
【0031】
[0047]フェーズドアレイ受信機410はまた、複数の伝送線路430-1~430-nと合成器440とを含む。伝送線路430-1~430-nの各々は、受信機要素415-1~415-nのそれぞれの1つの出力部428-1~428-nと合成器440との間に結合される。受信機要素415-1~415-nは、受信機要素415-1~415-nの出力信号を合成器440にルーティングする伝送線路430-1~430-nによって互いに離間され得る。
【0032】
[0048]合成器440は、受信機要素415~415-nの信号の出力信号をそれぞれの伝送線路430-1~430-nを介して受信し、出力信号を合成信号へと合成し、合成信号を合成器440の出力部450において出力する。上記で説明したように、移相器424-1~424-nは、アンテナによって受信された信号の位相を所望の受信方向に揃える。その結果、合成器440は、合成信号を生成するために、所望の受信方向に対応する信号を強め合うように合成する。合成器440は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、アナログデジタル変換、復調、ベースバンド処理など)のために合成信号を受信回路(図示せず)に出力するか、または後続の合成段階において合成信号を別の合成器(図示せず)に出力し得る。
【0033】
[0049]図4の例では、合成器440は、IF領域において信号を合成する。これは、受信機要素415-1~415-n内の混合器426-1~426-nにおいて、RFからIFへの周波数ダウンコンバートが実行されるからである。その結果、受信機要素415-1~415-nの出力信号(合成器440によって合成される)はIF信号となる。対照的に、図3の合成器340は、RF領域において信号を合成する。図3の例では、信号合成後に、周波数ダウンコンバートが実行される。
【0034】
[0050]図4のフェーズドアレイ受信機410は、図3のフェーズドアレイ受信機310よりも多くのハードウェアを含み得る。これは、フェーズドアレイ受信機410が、合成器440による信号合成の前に、アンテナからのRF信号をIF信号に周波数ダウンコンバートするために受信機要素415-1~415-n内に混合器426-1~426-nを含むためである。対照的に、図3の合成信号は、1つの混合器(図3には図示せず)を使用してRFからIFに周波数ダウンコンバートされ得る。フェーズドアレイ受信機410はより多くのハードウェアを必要とし得るが、合成器440においてIF信号を合成することは、RF信号を合成することと比較して合成器440の動作周波数を低下させるという利益を有する。合成器440におけるより低い周波数は、合成器440における寄生(たとえば、寄生キャパシタンス)に起因して、より低い信号損失を生じ得、合成器440の性能を改善する。したがって、受信機要素415-1~415-nに混合器426-1~426-nを含めることに関連する追加のハードウェアコストは、合成器440における寄生に起因するより低い信号損失によって相殺され得る。
【0035】
[0051]図5は、フェーズドアンテナアレイ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ205)内のアンテナから信号を受信するためのフェーズドアレイ受信機510の別の例を示す。フェーズドアレイ受信機510は、複数の受信機要素515-1~515-nを含み、受信機要素515-1~515-nの各々は、それぞれの入力部512-1~512-nを介してフェーズドアンテナアレイ内のそれぞれのアンテナに結合される。一例では、受信機要素515-1~515-nの数は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kの数に等しく、その場合、nはkに等しい。別の例では、受信機要素515-1~515-nの数は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kの数よりも少ない。この例では、受信機要素515-1~515-nの各々は、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kのn個のそれぞれの1つに結合され得る。
【0036】
[0052]受信機要素515-1~515-nの各々は、それぞれの低雑音増幅器(LNA)520-1~520-nと、それぞれの移相器522-1~522-nと、それぞれの混合器525-1~525-nとを含む。LNA520-1~520-nの各々は、そのそれぞれのアンテナ(たとえば、アンテナ210-1~210-kのそれぞれの1つ)からの信号を増幅するように構成され、可変利得を有し得る。
【0037】
[0053]移相器522-1~522-nの各々は、局部発振器(LO)535からLO信号を受信し、それぞれの位相シフトしたLO信号を生成するために、受信したLO信号の位相をそれぞれの位相シフトだけシフトするように構成される。移相器522-1~522-nの各々は、そのそれぞれの位相シフトしたLO信号を、そのそれぞれの混合器525-1~525-nに出力する。
【0038】
[0054]混合器525-1~525-nの各々は、そのそれぞれのLNA520-1~520-nからの信号の周波数ダウンコンバートおよび位相シフトされたバージョンを生成するために、そのそれぞれのLNA520-1~520-nからの信号を、そのそれぞれの移相器522-1~522-nからの位相シフトしたLO信号と混合するように構成される。周波数ダウンコンバートは、無線周波数(RF)から中間周波数(IF)にし得る。この場合、受信機要素515-1~515-nによって受信される信号はRF信号であり、混合器525-1~525-nの出力信号はIF信号である。したがって、この例では、受信機要素515-1~515-nにおいて、周波数ダウンコンバートおよび位相シフトが実行される。
【0039】
[0055]いくつかの態様では、位相シフトコントローラ555は、所望の受信方向(たとえば、送信デバイスに向かう方向)に従って移相器522-1~522-nの位相シフトを設定する。この点について、位相シフトコントローラ555は、所望の受信方向に対応する混合器525-1~525-nの出力信号が同相でほぼ揃うように、移相器522-1~522-nの位相シフトを設定し得る。これは、所望の受信方向に対応する信号が、以下でさらに説明するように、強め合うように合成されることを可能にする。説明しやすいように、位相シフトコントローラ555と移相器522-1~522-nとの間の個々の接続は、図5には明示的に示されていない。
【0040】
[0056]フェーズドアレイ受信機510はまた、複数の伝送線路530-1~530-nと合成器540とを含む。伝送線路530-1~530-nの各々は、受信機要素515-1~515-nのそれぞれの1つの出力部527-1~527-nと合成器540との間に結合される。受信機要素515-1~515-nは、受信機要素515-1~515-nの出力信号を合成器540にルーティングする伝送線路530-1~530-nによって互いに離間され得る。
【0041】
[0057]合成器540は、受信機要素515-1~515-nの信号の出力信号をそれぞれの伝送線路530-1~530-nを介して受信し、出力信号を合成信号へと合成し、合成信号を合成器540の出力部550において出力する。上記で説明したように、所望の受信方向に対応する混合器525-1~525-nの出力信号は、同相でほぼ揃っている。その結果、合成器540は、合成信号を生成するために、所望の受信方向に対応する信号を強め合うように合成する。合成器540は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、アナログデジタル変換、復調、ベースバンド処理など)のために合成信号を受信回路(図示せず)に出力するか、または後続の合成段階において合成信号を別の合成器(図示せず)に出力し得る。
【0042】
[0058]図6は、本開示のいくつかの態様によるデュアルバンドフェーズドアレイ受信機605の一例を示す。デュアルバンドフェーズドアレイ受信機605は、ローバンド(LB)受信機610とハイバンド(HB)受信機640とを含む。LB受信機610は、LBにおけるフェーズドアンテナアレイのアンテナから信号を受信するために使用され、HB受信機640は、HBにおけるフェーズドアンテナアレイのアンテナから信号を受信するために使用される。一例では、LBは24~33GHzの周波数範囲内にあり得、HBは37~43GHzの周波数範囲内にあり得る。LBおよびHBは、上記に与えた例示的な周波数範囲に限定されないことを諒解されたい。一般に、LBは第1の周波数範囲内にあり得、HBは第2の周波数範囲内にあり得、第1の周波数範囲は第2の周波数範囲よりも低い。LB受信機610およびHB受信機640は、同じフェーズドアンテナアレイから信号を受信するか、または別のフェーズドアンテナアレイから信号を受信し得る。
【0043】
[0059]LB受信機610は、複数の受信機要素615-1~615-nを含み、受信機要素615-1~615-nの各々は、それぞれの入力612-1~612-nを介してフェーズドアンテナアレイ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ205)のそれぞれのアンテナに結合される。受信機要素615-1~615-nの各々は、それぞれの低雑音増幅器(LNA)620-1~620-nと、それぞれの移相器625-1~625-nとを含む。LNA620-1~620-nの各々は、そのそれぞれのアンテナからの信号を増幅するように構成され、可変利得を有し得る。移相器625-1~625-nの各々は、以下でさらに説明するように、LBに関して所望の受信方向に従って、そのそれぞれの信号の位相をそれぞれの位相シフトだけシフトするように構成される。
【0044】
[0060]LB受信機610はまた、複数の伝送線路630-1~630-nと、第1の合成器635とを含む。伝送線路630-1~630-nの各々は、受信機要素615-1~615-nのそれぞれの1つの出力部618-1~618-nと、第1の合成器635との間に結合される。
【0045】
[0061]第1の合成器635は、受信機要素615-1~615-nの出力信号をそれぞれの伝送線路630-1~630-nを介して受信し、LB出力信号を合成信号へと合成し、LB合成信号を第1の合成器635の出力部638において出力する。
【0046】
[0062]HB受信機640は、複数の受信機要素645-1~645-mを含み、受信機要素645-1~645-mの各々は、それぞれの入力642-1~642-mを介してフェーズドアンテナアレイ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ205)のそれぞれのアンテナに結合される。HB受信機640に結合されたフェーズドアンテナアレイは、LB受信機610に結合された同じフェーズドアンテナアレイであっても、異なるフェーズドアンテナアレイであってもよい。HB受信機640内の受信機要素645-1~645-mの数は、LB受信機610内の受信機要素615-1~615-nの数と同じであっても、異なっていてもよい。
【0047】
[0063]受信機要素645-1~645-mの各々は、それぞれの低雑音増幅器(LNA)650-1~650-mと、それぞれの移相器655-1~655-mとを含む。LNA650-1~650-mの各々は、そのそれぞれのアンテナからの信号を増幅するように構成され、可変利得を有し得る。移相器655-1~655-mの各々は、以下でさらに説明するように、HBに関して所望の受信方向に従って、そのそれぞれの信号の位相をそれぞれの位相シフトだけシフトするように構成される。
【0048】
[0064]HB受信機640はまた、複数の伝送線路660-1~660-mと、第2の合成器665とを含む。伝送線路660-1~660-mの各々は、受信機要素645-1~645-mのそれぞれの出力部648-1~648-mと、第2の合成器665との間に結合される。
【0049】
[0065]第2の合成器665は、受信機要素645-1~645-mの出力信号をそれぞれの伝送線路660-1~660-mを介して受信し、HB出力信号を合成信号へと合成し、HB合成信号を第2の合成器665の出力部668において出力する。
【0050】
[0066]デュアルバンドフェーズドアレイ受信機605はまた、第3の合成器675を含む。第3の合成器675は、伝送線路670-1を介して第1の合成器635の出力部638に結合され、伝送線路670-2を介して第2の合成器665の出力部668に結合される。第3の合成器675は、第1の合成器635からのLB合成信号と第2の合成器665からのHB合成信号とを、デュアルバンド合成信号へと合成し、第3の合成器675の出力部678においてデュアルバンド合成信号を出力するように構成される。第3の合成器675は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、復調、アナログデジタル変換、ベースバンド処理など)のためにデュアルバンド合成信号を受信回路(図示せず)に出力するか、または後続の合成段階においてデュアルバンド合成信号を別の合成器(図示せず)に出力し得る。
【0051】
[0067]いくつかの態様では、移相器625-1~625-nおよび655-1~655-mの位相シフトは、位相シフトコントローラ680によって制御される。説明しやすいように、位相シフトコントローラ680と移相器625-1~625-nおよび655-1~655-mとの間の個々の接続は、図6には明示的に示されていない。
【0052】
[0068]位相シフトコントローラ680は、LBに関して所望の受信方向に従って(たとえば、LBにおいて送信するデバイスに向かう方向に)LB受信機610内の移相器625-1~625-nの位相シフトを設定する。この点について、位相シフトコントローラ680は、移相器625-1~625-nがLBに関して所望の受信方向に対応する信号の位相を揃えるように、移相器625-1~625-nの位相シフトを設定する。これは、第1の合成器635が、LBに関して所望の受信方向に対応する信号を強め合うように合成することを可能にする。
【0053】
[0069]位相シフトコントローラ680はまた、HBに関して所望の受信方向に従って(たとえば、HBにおいて送信するデバイスに向かう方向に)HB受信機640内の移相器655-1~655-mの位相シフトを設定する。この点について、位相シフトコントローラ680は、移相器655-1~655-mがHBに関して所望の受信方向に対応する信号の位相を揃えるように、移相器655-1~655-mの位相シフトを設定する。これは、第2の合成器665が、HBに関して所望の受信方向に対応する信号を強め合うように合成することを可能にする。HBに関する所望の受信方向は、LBに関する所望の方向とは異なり得る。
【0054】
[0070]図7は、本開示のいくつかの態様による例示的な合成器710を示す。合成器710は、複数の入力部712-1~712-n(「In1」~「Inn」と標示される)と、1つの出力部750(「out」と標示される)とを有する。合成器710は、入力部712-1~712-nにおいて信号を受信し、受信信号を合成信号へと合成し、合成信号を出力部750において出力するように構成される。合成器710に入力される信号は、受信機要素(たとえば、受信機要素315-1~315-n、415-1~415-n、515-1~515-n、615-1~615-n、または645-1~645-m)から来る場合がある。この場合、合成器710の入力部712-1~712-nの各々は、受信機要素のそれぞれの1つの出力部に結合される。合成器710は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、アナログデジタル変換、復調、ベースバンド処理など)のために合成信号を受信回路(図示せず)に出力するか、または後続の合成段階において合成信号を別の合成器(図示せず)に出力し得る。
【0055】
[0071]合成器710は、複数の第1の増幅器720-1~720-nと、複数の伝送線路725-1~725-nと、複数の第2の増幅器730-1~730-nと、負荷740とを含む。伝送線路725-1~725-nは、以下でさらに説明するように、合成器710によって合成される信号をルーティングするために使用される。
【0056】
[0072]第1の増幅器720-1~720-nの各々は、合成器710の入力部712-1~712-nのそれぞれの1つに結合された入力部722-1~722-nと、伝送線路725-1~725-nのそれぞれの1つの第1の端部に結合された出力部724-1~724-nとを有する。合成器710の入力部712-1~712-nの各々がそれぞれの受信機要素の出力部に結合される例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々の入力部は、それぞれの受信機要素の出力信号を受信する。第1の増幅器720-1~720-nの各々は、そのそれぞれの入力部722-1~722-nにおいて信号を増幅し、得られた増幅信号をそれぞれの伝送線路725-1~725-nに出力するように構成される。第1の増幅器720-1~720-nの各々は、電流増幅器、相互コンダクタンス増幅器、電圧増幅器、または別のタイプの増幅器によって実装され得る。
【0057】
[0073]第2の増幅器730-1~730-nの各々は、伝送線路725-1~725-nのそれぞれの1つの第2の端部に結合された入力部732-1~732-nと、合成ノード735に結合された出力部734-1~734-nとを有する。図7に示すように、伝送線路725-1~725-nの各々は、それぞれの第1の増幅器720-1~720-nから、それぞれの第2の増幅器730-1~730-nに信号をルーティングするために、それぞれの第1の増幅器720-1~720-nの出力部724-1~724-nとそれぞれの第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nとの間に結合される。伝送線路725-1~725-nは、1つまたは複数のチップ(すなわち、ダイ)上の金属トレース、プリント回路板上の金属トレース、ケーブル(たとえば、同軸ケーブル)、またはそれらの任意の組合せを含み得る。伝送線路725-1~725-nは、図7では直線状に示されているが、そうである必要はないことを諒解されたい。たとえば、伝送線路725-1~725-nの1つまたは複数は、(たとえば、第1の増幅器720-1~720-nおよび第2の増幅器730-1~730-nのレイアウトに応じて)非直線経路をたどり得る。
【0058】
[0074]負荷740は、電圧供給レールと合成ノード735との間に結合され、第2の増幅器730-1~730-nに出力負荷を提供する。負荷740は、以下でさらに説明するように、インダクタ、チョーク、バイアスTネットワーク、共振器、または別のタイプの負荷によって実装され得る。
【0059】
[0075]第2の増幅器730-1~730-nの各々は、そのそれぞれの伝送線路725-1~725-nからの信号を増幅し、および/または緩衝増幅器として機能する(たとえば、負荷740とそれぞれの伝送線路725-1~725-nとの間に高い負荷絶縁を提供する)ように構成され得る。第2の増幅器730-1~730-nの出力信号は、合成信号を生成するために合成ノード735において合成される。一例では、第2の増幅器730-1~730-nの出力信号は、合成ノード735において合成電流へと合成される電流である。この例では、合成電流は、合成器710の合成信号を提供する電圧を生成するために、負荷740を通って流れる。合成信号は、合成器710の出力部750において出力される。合成器710は、合成信号を、さらなる処理のために受信回路(図示せず)に、または後続の合成段階における別の合成器(図示せず)に出力し得る。
【0060】
[0076]上記で説明したように、合成器710の入力部712-1~712-nの各々は、それぞれの受信機要素の出力部に結合され得る。この点について、図8は、合成器710のそれぞれの入力部712-1~712-nに結合された受信機要素815-1~815-nの一例を示す。この例では、受信機要素815-1~815-nは、図3の例示的な受信機要素315-1~315-n、図4の例示的な受信機要素415-1~415-n、図5の例示的な受信機要素515-1~515-n、図6の例示的な受信機要素615-1~615-n、または図6の例示的な受信機要素645-1~645-mによって実装され得る。
【0061】
[0077]受信機要素815-1~815-nの各々は、それぞれのアンテナ810-1~810-nに結合されたそれぞれの入力部822-1~822-nと、合成器710のそれぞれの入力部712-1~712-nに結合されたそれぞれの出力部824-1~824-nとを有する。アンテナ810-1~810-nは、フェーズドアンテナアレイ内のアンテナ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kのうちの2つまたはそれ以上)であり得る。受信機要素815-1~815-nの各々は、それぞれの入力部822-1~822-nを介してそれぞれのアンテナ810-1~810-nからそれぞれの信号(たとえば、それぞれのRF信号)を受信し、それぞれの信号を処理するように構成される。たとえば、受信機要素815-1~815-nの各々は、上記で説明したように、フェーズドアンテナアレイの受信方向を設定するために、それぞれの信号の位相をそれぞれの位相シフトだけシフトし得る。この例では、受信機要素815-1~815-nの各々は、それぞれの信号の位相をシフトするためのそれぞれの移相器(たとえば、移相器325-1~325-n、424-1~424-n、522-1~522-n、625-1~625-n、または655-1~655-mのそれぞれの1つ)を含み得る。受信機要素815-1~815-nの移相器の位相設定は、同じであっても、異なってもよい。
【0062】
[0078]受信機要素815-1~815-nの各々はまた、それぞれの信号を増幅するように構成され得る。この例では、受信機要素815-1~815-nの各々は、それぞれの信号を増幅するためのそれぞれのLNA(たとえば、LNA320-1~320-n、420-1~420-n、520-1~520-n、620-1~620-n、または650-1~650-mのそれぞれの1つ)を含み得る。
【0063】
[0079]受信機要素815-1~815-nの各々はまた、それぞれの信号を(たとえば、RFからIFに)周波数ダウンコンバートするように構成され得る。この例では、受信機要素815-1~815-nの各々は、それぞれの信号を周波数ダウンコンバートするためのそれぞれの混合器(たとえば、混合器426-1~426-nまたは525-1~525-nのそれぞれの1つ)を含み得る。
【0064】
[0080]受信機要素815-1~815-nの各々は、それぞれの出力部824-1~824-nにおいてそれぞれの処理された信号(たとえば、増幅された、位相シフトされた、および/または周波数ダウンコンバートされた信号)を出力する。受信機要素815-1~815-nの出力部824-1~824-nにおいて出力される処理された信号は、受信機要素815-1~815-nの出力信号を提供する。
【0065】
[0081]合成器710は、図7を参照しながら上記で説明したように、それぞれの入力部712-1~712-nを介して受信機要素815-1~815-nの出力信号を受信し、受信した出力信号を合成信号へと合成し、合成信号を出力部750において出力する。合成器710は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、アナログデジタル変換、復調、ベースバンド処理など)のために合成信号を受信回路(図示せず)に出力するか、または後続の合成段階において合成信号を別の合成器(図示せず)に出力し得る。
【0066】
[0082]受信機要素815-1~815-nが図3の例示的な受信機要素315-1~315-nによって実装される例では、入力部822-1~822-nは、図3の入力部312-1~312-nに対応し、出力部824-1~824-nは、図3の出力部327-1~327-nに対応する。
【0067】
[0083]受信機要素815-1~815-nが図4の例示的な受信機要素415-1~415-nによって実装される例では、入力部822-1~822-nは、図4の入力部412-1~412-nに対応し、出力部824-1~824-nは、図4の出力部428-1~428-nに対応する。
【0068】
[0084]受信機要素815-1~815-nが図5の例示的な受信機要素515-1~515-nによって実装される例では、入力部822-1~822-nは、図5の入力部512-1~512-nに対応し、出力部824-1~824-nは、図5の出力部527-1~527-nに対応する。
【0069】
[0085]受信機要素815-1~815-nが図6の例示的な受信機要素615-1~615-nによって実装される例では、入力部822-1~822-nは、図6の入力部612-1~612-nに対応し、出力部824-1~824-nは、図6の出力部618-1~618-nに対応する。
【0070】
[0086]受信機要素815-1~815-nが図6の例示的な受信機要素645-1~645-mによって実装される例では、入力部822-1~822-nは、図6の入力部642-1~642-mに対応し、出力部824-1~824-nは、図6の出力部648-1~648-mに対応する。この例では、図8の「n」(受信機要素815-1~815-nの数を示す)は、図6の「n」(LB受信機610内の受信機要素615-1~615-nの数を示す)と必ずしも等しいとは限らない。
【0071】
[0087]合成器710は、受信機要素からの信号を合成することに限定されないことを諒解されたい。たとえば、合成器710はまた、前の合成段階における2つまたはそれ以上の合成器からの信号を合成するために使用され得る。一例では、合成器710は、図6のLB合成信号とHB合成信号とを、デュアルバンド合成信号へと合成するために使用され得る。この例では、合成器710の入力部712-1~712-nのうちの第1のものは、第1の合成器635の出力部638に結合され、合成器710の入力部712-1~712-nのうちの第2のものは、第2の合成器665の出力部668に結合される。合成器710は、第1および第2の合成器635および668の出力信号を、デュアルバンド合成信号へと合成し、デュアルバンド合成信号を出力部750(図6の第3の合成器675の出力部678に対応する)において出力する。
【0072】
[0088]いくつかの態様では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、それぞれの出力電流によってそれぞれの伝送線路725-1~725-nを駆動するように構成される。一例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、(たとえば、受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部から)それぞれの入力電流を受け取り、それぞれの出力電流を生成するためにそれぞれの入力電流を増幅し、それぞれの出力電流によってそれぞれの伝送線路を駆動するように構成された電流増幅器を用いて実装される。別の例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、(たとえば、受信機要素815-1~815-nのそれぞれの出力部から)それぞれの入力電圧を受け取り、それぞれの入力電圧をそれぞれの出力電流に変換し、それぞれの出力電流によってそれぞれの伝送線路を駆動するように構成された相互コンダクタンス増幅器を用いて実装される。
【0073】
[0089]電流によって伝送線路725-1~725-nを駆動することは、以下でさらに説明するように、電圧によって伝送線路725-1~725-nを駆動することと比較して、信号完全性を改善し得る。
【0074】
[0090]一例では、受信機要素815-1~815-nは、互いに大きく離間され得る。たとえば、受信機要素815-1~815-nの各々は、フェーズドアンテナアレイ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ205)内のそのそれぞれのアンテナ810-1~810-nの近くに位置し得る。この例では、フェーズドアンテナアレイ内のアンテナ810-1~810-nは、大きく離間され得、受信機要素815-1~815-nも大きく離間させる。
【0075】
[0091]上記の例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、そのそれぞれの受信機要素815-1~815-nの近くに位置し得る。これは、第1の増幅器720-1~720-nとそれぞれの受信機要素815-1~815-nとの間の信号損失を低減するために行われ得る。この例では、受信機要素815-1~815-nが大きく離間されるので、第1の増幅器720-1~720-nも大きく離間され得る。第2の増幅器730-1~730-nは、第2の増幅器730-1~730-nと合成ノード735との間の信号損失を低減するために、合成ノード735の近くに隣り合わせに位置し得る。その結果、第1の増幅器720-1~720-nは、第2の増幅器730-1~730-nから大きく離間され得る。したがって、この例では、伝送線路725-1~725-nの長さは、第1の増幅器720-1~720-nの出力部724-1~724-nから、第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nに信号をルーティングするために、比較的長くする必要があり得る。
【0076】
[0092]上記の例では、電圧によって伝送線路725-1~725-nを駆動することにより、第1の増幅器720-1~720-nと第2の増幅器730-1~730-nとの間で大量の信号損失が生じる場合がある。これは、各伝送線路725-1~725-nの抵抗値が長さの増加とともに増加し、それが各伝送線路725-1~725-nにわたるIR電圧降下を増加させるからである。したがって、この例における伝送線路725-1~725-nの比較的長い長さは、伝送線路725-1~725-nにわたるIR電圧降下の増加をもたらす。伝送線路725-1~725-nにわたる増加したIR電圧降下は、第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nに到達する電圧を大幅に低減させ得る。
【0077】
[0093]電流によって伝送線路725-1~725-nを駆動することは、第1の増幅器720-1~720-nと第2の増幅器730-1~730-nとの間の信号損失を大幅に低減させ得る。これは、伝送線路725-1~725-nを通って流れる電流が、伝送線路725-1~725-nにわたるIR電圧降下によって低減されないからである。したがって、電圧とは異なり、電流は、伝送線路725-1~725-nにわたるIR電圧降下によって大幅な損失を受けない。信号損失の低減は、長距離にわたる信号ルーティングを容易にする(たとえば、第1の増幅器720-1~720-nが広がり、第2の増幅器730-1~730-nが合成ノード735の近くに互いに近接して位置する場合)。
【0078】
[0094]いくつかの態様では、第1の増幅器720-1~720-nの各々の出力部が理想的な電流源(無限の出力インピーダンスを有する)に近づくように、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、高い出力インピーダンスを有する。これは、第1の増幅器720-1~720-nの各々によって生成される出力電流の大部分が、それぞれの伝送線路725-1~725-nを通って流れることを確実にするのに役立つ。これらの態様では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、電流増幅器または相互コンダクタンス増幅器によって実装され得る。
【0079】
[0095]第2の増幅器730-1~730-nの各々は、低い入力インピーダンスを有し得る。これは、伝送線路725-1~725-nの各々を通って流れる電流の大部分が、第2の増幅器730-1~730-nのそれぞれの1つの入力部732-1~732-nを通って流れることを確実にするのに役立つ。
【0080】
[0096]したがって、第1の増幅器720-1~720-nは、高い出力インピーダンスを有し得、第2の増幅器730-1~730-mは、低い入力インピーダンスを有し得る。これは、第1の増幅器720-1~720-nによって生成された出力電流の大部分が、高い効率を求めて第2の増幅器730-1~730-mの入力部732-1~723-nを通って流れることを確実にするのに役立つ。一例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々の出力インピーダンスは、第2の増幅器730-1~730-nのそれぞれの1つの入力インピーダンスよりも少なくとも10倍大きい。
【0081】
[0097]上記で説明したように、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、電流増幅器によって実装され得る。この点について、図9は、本開示のいくつかの態様による電流増幅器905の例示的な実装形態を示す。第1の増幅器720-1~720-nの各々は、図9に示される電流増幅器905によって実装され得る(すなわち、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、図9に示される電流増幅器905の別個の例であり得る)。
【0082】
[0098]電流増幅器905は、合成器710(図7に示す)の入力部712-1~712-nのそれぞれの1つに結合された入力部922と、伝送線路725-1~725-n(図7に示す)のそれぞれに結合された出力部924とを有する。電流増幅器905は、電流ミラー910と、電流源915と、交流(AC)結合キャパシタ955とを含む。電流ミラー910は、入力部945と出力部950とを有する。AC結合キャパシタ955は、電流増幅器905の入力部922と電流ミラー910の入力部945との間に結合される。電流ミラー910の出力部950は、電流増幅器905の出力部924に結合される。
【0083】
[0099]動作時、AC結合キャパシタ955は、電流増幅器905の入力部922における入力電流を、電流ミラー910の入力部945にAC結合する。電流ミラー910は、電流増幅器905の出力部924において出力電流を生成するために、入力電流を増幅する。電流増幅器905の出力部924が伝送線路725-1~725-n(図7に示す)のそれぞれの1つに結合されるので、電流増幅器905は、出力電流によって伝送線路725-1~725-nのそれぞれの1つを駆動する。
【0084】
[0100]図9の例では、電流ミラー910は、入力トランジスタ920(たとえば、NFET)と出力トランジスタ925(たとえば、NFET)とを含む。入力トランジスタ920のドレインは、電流ミラー910の入力部945に結合され、入力トランジスタ920のソースは、グランドに結合され、入力トランジスタ920のゲートは、入力トランジスタ920のドレインに接続される。出力トランジスタ925のドレインは、電流ミラー910の出力部950に結合され、出力トランジスタ925のゲートは、入力トランジスタ920のゲートに結合され、出力トランジスタ925のソースは、グランドに結合される。動作時、電流ミラー910は、電流ミラー910の入力部945における電流に電流ミラー比を乗算したものにほぼ等しい出力電流を、電流ミラー910の出力部950において生成する。電流ミラー910の電流ミラー比は、次式によって与えられる。
【0085】
【数4】
【0086】
ここで、current_mirror_ratioは電流ミラー910の電流ミラー比であり、Channel_Widthoutは出力トランジスタ925のチャネル幅であり、Gate_Lengthoutは出力トランジスタ925のゲート長であり、Channel_Widthinは入力トランジスタ920のチャネル幅であり、Gate_Lengthinは入力トランジスタ920のゲート長である。この例では、電流増幅器905の電流利得は、電流ミラー910の電流ミラー比にほぼ等しい。したがって、この例では、電流増幅器905の電流利得は、次式によって与えられる。
【0087】
【数5】
【0088】
ここで、current_gainは、電流増幅器905の電流利得である。出力トランジスタ925のゲート長が入力トランジスタ920のゲート長にほぼ等しい場合、式5は、次のように簡略化され得る。
【0089】
【数6】
【0090】
[0101]電流増幅器905はまた、電流ミラー910の入力部945に結合された電流源915を含む。電流源915は、直流(DC)電流源であってもよい。電流源915は、電流ミラー910をバイアスするために、電流ミラー910の入力部945にDCバイアス電流(「Ibias」と標示される)を提供するように構成される。電流ミラー910は、電流ミラー910の入力部945におけるバイアス電流に電流ミラー比を乗算したものにほぼ等しいバイアス電流を、電流ミラー910の出力部950において生成する。出力部950におけるバイアス電流は、第2の増幅器730-1~730-n(図7に示す)のそれぞれの1つに電流バイアスを提供する。電流源915は、トランジスタ(たとえば、PFET)によって実装され得、トランジスタのゲートは、バイアス電流Ibiasを生成するために基準電流に基づいてバイアスされる。AC結合キャパシタ955は、電流増幅器905の入力部922からのDCバイアス電流Ibiasを妨げる(ブロックする)ことに留意されたい。AC結合キャパシタ955はまた、入力部922における任意のDC電流が電流増幅器905に入ることをブロックする。この意味で、AC結合キャパシタ955は、DCブロッキングキャパシタと呼ばれる場合もある。
【0091】
[0102]したがって、電流増幅器905は、電流増幅器905の入力部922において入力電流を受け取り、入力電流を電流増幅器905の電流利得だけ増幅して、出力電流を電流増幅器905の出力部950において生成するように構成される。入力部922が受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部に結合される例では、入力電流は、受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部から来る場合がある。受信機要素815-1~815-nのそれぞれが電圧を出力する場合、受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部は、それぞれの受信機要素の出力部における電圧を、入力電流に変換するように構成された相互コンダクタンス増幅器(図示せず)を介して電流増幅器905の入力部922に結合され得る。
【0092】
[0103]図9の例では、電流ミラー910の入力部945は、低い入力インピーダンスを有する。これは、入力トランジスタ920がダイオード接続されて、1/gmにほぼ等しい低入力インピーダンスを生成するからであり、ここで、gmは入力トランジスタ920の相互コンダクタンスである。電流ミラー910の低入力インピーダンスは、電流増幅器905に入力された電流が、電流ミラー910の入力部945を通って流れることを確実にするのに役立つ。電流源915が、電流ミラー910の入力部945よりもはるかに高いインピーダンスを有することに留意されたい。その結果、電流増幅器905に入力された電流のごくわずかしか、電流源915内に流れない。
【0093】
[0104]図9の例では、電流ミラー910の出力部950は、高い出力インピーダンスを有する。これは、出力トランジスタ925のドレインを見たインピーダンスが高いからである。高い出力インピーダンスは、電流増幅器905が、出力電流によってそれぞれの伝送線路を効率的に駆動することを可能にする。
【0094】
[0105]いくつかの態様では、入力トランジスタ920のチャネル幅は、電子的に調整可能であり、出力トランジスタ925のチャネル幅は、電子的に調整可能である。これは、図9の入力トランジスタ920および出力トランジスタ925を通る矢印によって示される。これらの態様では、電流増幅器905の電流利得は、(たとえば、式(5)に基づいて)所望の電流利得を達成するために、入力トランジスタ920のチャネル幅を調整すること、および/または出力トランジスタ925のチャネル幅を調整することによって調整され得る。
【0095】
[0106]図10は、入力トランジスタ920のチャネル幅が電子的に調整可能であり、出力トランジスタ925のチャネル幅が電子的に調整可能である、入力トランジスタ920および出力トランジスタ925の例示的な実装形態を示す。この例では、入力トランジスタ920のチャネル幅は、それぞれのマルチビット制御信号Cminによって制御され、出力トランジスタ925のチャネル幅は、それぞれのマルチビット制御信号Cmoutによって制御される。制御信号CminおよびCmoutは、以下でさらに説明するように、制御回路1070によって生成され出力される。
【0096】
[0107]この例では、入力トランジスタ920は、複数の並列ブランチ1010-1~1010-mを含み、ブランチ1010-1~1010-mの各々は、電流ミラー910の入力部945とグランドとの間に結合される。ブランチ1010-1~1010-mの各々は、直列に結合された、それぞれのトランジスタ1015-1~1015-m(たとえば、NFET)と、それぞれのスイッチ1020-1~1020-mとを含む。トランジスタ1015-1~1015-mのゲートは、電流ミラー910の入力部945に結合される。図10の「m」(入力トランジスタ920内のブランチ1010-1~1010-mの数を示す)は、図6の「m」(HB受信機640内の受信機要素645-1~645-mの数を示す)と必ずしも等しいとは限らないことに留意されたい。
【0097】
[0108]この例では、それぞれのマルチビット制御信号Cminは、m個の制御ビットCmin<1>~Cmin<m>を含み、制御ビットの各々は、ブランチ1010-1~1010-mのそれぞれの1つに対応する。制御ビットの各々は、それぞれのブランチ1010-1~1010-mのスイッチ1020-1~1020-mがオンにされる(すなわち、閉じられる)か、またはオフにされる(すなわち、開かれる)かを制御する。スイッチ1020-1~1020-mがオンにされる(すなわち、閉じられる)と、それぞれのブランチ1010-1~1010-mが有効にされ、その場合、それぞれのトランジスタ1015-1~1015-mのチャネル幅は、入力トランジスタ920のチャネル幅に寄与する。スイッチ1020-1~1020-mがオフにされる(すなわち、開かれる)と、それぞれのブランチ1010-1~1010-mが無効にされ、その場合、それぞれのトランジスタ1015-1~1015-mのチャネル幅は、入力トランジスタ920のチャネル幅に寄与しない。この例では、入力トランジスタ920のチャネル幅は、有効にされたブランチ1010-1~1010-m内のトランジスタ1015-1~1015-mのチャネル幅の総計である。したがって、この例では、マルチビット制御信号Cminは、有効にされるブランチ1010-1~1010-mの数を制御することによって、入力トランジスタ920のチャネル幅を制御する。有効にされたブランチ1010-1~1010-mの数が多いほど、チャネル幅は広くなる。
【0098】
[0109]出力トランジスタ925は、複数の並列ブランチ1050-1~1050-pを含み、ブランチ1050-1~1050-pの各々は、電流ミラー910の出力部950とグランドとの間に結合される。ブランチ1050-1~1050-pの各々は、直列に結合された、それぞれのトランジスタ1055-1~1055-p(たとえば、NFET)と、それぞれのスイッチ1060-1~1060-pとを含む。トランジスタ1055-1~1055-pのゲートは、トランジスタ1015-1~1015-mのゲートに結合される。
【0099】
[0110]この例では、それぞれのマルチビット制御信号Cmoutは、p個の制御ビットCmout<1>~Cmout<p>を含み、制御ビットの各々は、ブランチ1050-1~1050-pのそれぞれの1つに対応する。制御ビットの各々は、それぞれのブランチ1050-1~1050-pのスイッチ1060-1~1060-pがオンにされる(すなわち、閉じられる)か、またはオフにされる(すなわち、開かれる)かを制御する。スイッチ1060-1~1060-pがオンにされる(すなわち、閉じられる)と、それぞれのブランチ1050-1~1050-pが有効にされ、その場合、それぞれのトランジスタ1055-1~1055-pのチャネル幅は、出力トランジスタ925のチャネル幅に寄与する。スイッチ1060-1~1060-pがオフにされる(すなわち、開かれる)と、それぞれのブランチ1050-1~1050-pが無効にされ、その場合、それぞれのトランジスタ1055-1~1055-pのチャネル幅は、出力トランジスタ925のチャネル幅に寄与しない。この例では、出力トランジスタ925のチャネル幅は、有効にされたブランチ1050-1~1050-p内のトランジスタ1055-1~1055-pのチャネル幅の総計である。したがって、この例では、マルチビット制御信号Cmoutは、有効にされるブランチ1050-1~1050-pの数を制御することによって、出力トランジスタ925のチャネル幅を制御する。有効にされたブランチ1050-1~1050-pの数が多いほど、チャネル幅は広くなる。
【0100】
[0111]したがって、この例では、制御回路1070は、制御信号Cminを使用して入力トランジスタ920のチャネル幅を設定し、制御信号Cmoutを使用して出力トランジスタ925のチャネル幅を設定することができる。これは、制御回路1070が、電流ミラー910の電流ミラー比を(たとえば、式(4)に基づいて)設定し、したがって、電流増幅器905の電流利得を(たとえば、式(5)に基づいて)設定することを可能にする。説明しやすいように、制御回路1070と、スイッチ1020-1~1020-mおよび1060-1~1060-pとの間の個々の接続は、図10には示されていないことに留意されたい。
【0101】
[0112]一例では、制御回路1070は、レジスタ1080に記憶された電流利得値に従って電流増幅器905の電流利得を設定する。この例では、電流利得値は、電流増幅器905の電流利得を示す。電流利得を設定するために、制御回路1070は、電流ミラー910の電流ミラー比を、(たとえば、式(5)に基づく)電流利得値によって示される電流利得に対応する電流ミラー比に設定する。制御回路1070は、制御信号Cminを使用して入力トランジスタ920のチャネル幅を設定し、それに応じて(たとえば、式(4)に基づいて)制御信号Cmoutを使用して出力トランジスタ925のチャネル幅を設定することによって、電流ミラーの電流ミラー比を設定する。この例では、電流増幅器905の電流利得は、レジスタ1080に記憶された電流利得値をプログラムする(たとえば、書き込む)ことによってプログラムされ得る。
【0102】
[0113]図10の例では、入力トランジスタ920と出力トランジスタ925の両方が、調整可能なチャネル幅を有する。しかしながら、本開示は、この例に限定されないことを諒解されたい。たとえば、入力トランジスタ920のチャネル幅が固定され得る一方で、出力トランジスタ925のチャネル幅は調整可能である。この例では、制御回路1070は、制御信号Cmoutを使用して出力トランジスタ925のチャネル幅を調整することによって、電流ミラー910の電流ミラー比を調整する(したがって、電流増幅器905の電流利得を調整する)ことができる。別の例では、出力トランジスタ925のチャネル幅が固定され得る一方で、入力トランジスタ920のチャネル幅は調整可能である。この例では、制御回路1070は、制御信号Cminを使用して入力トランジスタ920のチャネル幅を調整することによって、電流ミラー910の電流ミラー比を調整する(したがって、電流増幅器905の電流利得を調整する)ことができる。
【0103】
[0114]図11は、第1の増幅器720-1~720-nの各々が、図10に示される例示的な電流増幅器905によって実装される例を示す(すなわち、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、図10に示される電流増幅器905の別個の例である)。説明しやすいように、図11では、第1の増幅器720-1~720-nのうちの1つ(すなわち、第1の増幅器720-1)についてのみ詳細が示されている。この例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、合成器710のそれぞれの入力部712-1~712-nからそれぞれの入力電流を受け取り、それぞれの出力電流を生成するために、それぞれの入力電流をそれぞれの電流利得だけ増幅する。第1の増幅器720-1~720-nの各々は、それぞれの出力電流によってそれぞれの伝送線路725-1~725-nを駆動する。
【0104】
[0115]一例では、第1の増幅器720-1~720-nの電流利得は、独立して制御され得る。この例では、制御回路1150は、第1の増幅器720-1~720-nの各々の電流利得を独立して設定し得る。第1の増幅器720-1~720-nの各々に関して、制御回路1150は、それぞれの入力トランジスタのチャネル幅を設定するためのそれぞれの制御信号(「Cmin_1」~「Cmin_n」と標示される)と、それぞれの出力トランジスタのチャネル幅を設定するためのそれぞれの制御信号(「Cmout_1」~「Cmout_n」と標示される)とを出力する。第1の増幅器720-1~720-nの各々に関して、制御回路1070は、以下でさらに説明するように、増幅器の電流利得を設定するために、制御信号Cmin_1~Cmin_nのそれぞれの1つと、制御信号Cmout_1~Cmout_nのそれぞれの1つとを使用する。説明しやすいように、制御回路1150と第1の増幅器720-1~720-nとの間の個々の接続は、図11には示されていない。
【0105】
[0116]この例では、レジスタ1160は、複数の電流利得値を記憶することができ、ここで、電流利得値の各々は、第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つの電流利得を示す。本明細書で使用する「レジスタ」は、複数の値を記憶するための複数のレジスタによって実装され得る。制御回路1150は、第1の増幅器720-1~720-nの各々の電流利得を、レジスタ1160内のそれぞれの電流利得値によって示される電流利得に設定する。より詳細には、第1の増幅器720-1~720-nの各々に関して、制御回路1150は、それぞれの電流ミラーの電流ミラー比を、(たとえば、式(5)に基づいて)それぞれの電流利得値によって示される電流利得に対応する電流ミラー比に設定するために、制御信号Cmin_1~Cmin_nのそれぞれの1つを使用してそれぞれの入力トランジスタのチャネル幅を設定し、制御信号Cmout_1~Cmout_nのそれぞれの1つを使用してそれぞれの出力トランジスタのチャネル幅を設定する。この例では、第1の増幅器720-1~720-nの電流利得は、レジスタ1160に記憶された電流利得値をプログラムする(たとえば、書き込む)ことによってプログラムされ得る。
【0106】
[0117]したがって、第1の増幅器720-1~720-nは、プログラム可能な電流利得を有する電流増幅器によって実装され得る。第1の増幅器720-1~720-nの電流利得は、たとえば、第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nにおける電流の振幅がほぼ同じになるように、プログラムされ得る。これは、合成ノード735において合成される信号がほぼ同じ振幅を有することを確実にするのに役立ち、フェーズドアレイ受信機のビームパターンを狭くするのに役立ち得る。より狭いビームパターンは、フェーズドアレイ受信機の指向性を増加させる。
【0107】
[0118]一例では、伝送線路725-1~725-nの長さは、第1の増幅器720-1~720-nおよび第2の増幅器730-1~730-nのレイアウトにより変化し得る。この例では、伝送線路725-1~725-nのうちの1つの長さは、伝送線路725-1~725-nのうちの別の1つの長さよりも少なくとも20パーセント長くてもよい。伝送線路725-1~725-nの長さのばらつきは、伝送線路725-1~725-nにおける信号損失のばらつきを引き起こす場合がある。伝送線路725~725-nにおける信号損失のばらつきは、第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-~732-nにおける電流の振幅のばらつきにつながる場合がある。これを補正するために、第1の増幅器720-1~720-nの電流利得は、伝送線路725-1~725-nにおける信号損失のばらつきを補償するようにプログラムされ得る。たとえば、第1の増幅器720-1~720-nのうちの第1のものに結合された伝送線路が、第1の増幅器720-1~720-nのうちの第2のものに結合された伝送線路よりも高い信号損失を受ける場合、第1の増幅器720-1~720-nのうちの第1のものの電流利得は、より高い信号損失を補償するために、第1の増幅器720-1~720-nのうちの第2のものの電流利得よりも高くなるようにプログラムされ得る。この例では、レジスタ1150は、第1の増幅器720-1~720-nのうちの第1のものと、第1の増幅器720-1~720-nのうちの第2のものとに対して異なる電流利得値を記憶し得る。第1の増幅器720-1~720-nの電流利得はまた、他の要因に基づいてプログラムされてもよく、その例は、以下で説明することを諒解されたい。
【0108】
[0119]上記の例では、伝送線路725-1~725-nの長さのばらつきはまた、第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nにおける電流間の位相オフセットを引き起こし得る。これを補正するために、受信機要素815-1~815-n内の移相器(たとえば、325-1~325-n、424-1~424-n、522-1~522-n、625-1~625-n、または655-1~655-m)の位相シフトは、伝送線路725-1~725-nの長さのばらつきによる位相オフセットを補償する位相シフト成分を含み得る。したがって、この例では、各移相器の位相シフトは、(たとえば、式(3)に基づいて)フェーズドアンテナアレイの受信方向を設定するための位相シフト成分と、伝送線路725-1~725-nの長さのばらつきによる位相オフセットを補償するための位相シフト成分とを含み得る。これは、第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nにおける電流が、合成ノード735における強め合う合成のために同相で揃うことを確実にするのに役立つ。
【0109】
[0120]図12は、第2の増幅器730-1~730-nの各々が、合成ノード735に結合されたドレイン(「D」と標示される)と、それぞれのバイアス電圧Vg1~Vgnによってバイアスされるゲート(「G」と標示される)と、それぞれの伝送線路725-1~725-nに結合されたソース(「S」と標示される)とを有するそれぞれのトランジスタ1230-1~1230-nを含む共通ゲート増幅器によって実装される例を示す。この例では、第2の増幅器730-1~730-nの各々の出力部734-1~734-nは、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-nのドレインに位置し、第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力部732-1~732-nは、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-nのソースに位置する。図12の例では、トランジスタ1230-1~1230-nの各々は、n型電界効果トランジスタ(NFET)である。しかしながら、トランジスタ1230-1~1230-nは、他のタイプのトランジスタ(たとえば、p型電界効果トランジスタ(PFET))によって実装され得ることを諒解されたい。
【0110】
[0121]第2の増幅器730-1~730-nの各々を共通ゲート増幅器によって実装する利点は、共通ゲート増幅器が小さくなり得ることである。これは、第2の増幅器730-1~730-nが互いに近接して位置することを可能にする。第2の増幅器730-1~730-nが極めて近接していることは、第2の増幅器730-1~730-nの出力部734-1~734-nと合成ノード735との間の信号損失を低減し、合成ノード735における信号合成の品質を改善する。
【0111】
[0122]図12の例では、第2の増幅器730-1~730-nの各々は、1/gmにほぼ等しい低入力インピーダンスを有し、ここで、gmは、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-nの相互コンダクタンスである。第2の増幅器730-1~730-nの各々の低入力インピーダンスは、以下でさらに説明するように、第2の増幅器の入力部とそれぞれの伝送線路725-1~725-nとの間の良好なインピーダンス整合を提供するために、それぞれの伝送線路725-1~725-nの特性インピーダンス(たとえば、40~50オーム)にほぼ整合され得る。
【0112】
[0123]図12の例では、第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力インピーダンスは、それぞれのゲートバイアス電圧Vg1~Vgn(すなわち、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-nのゲートに印加されるゲートバイアス電圧Vg1~Vgn)の関数である。たとえば、第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力インピーダンスは、それぞれのゲートバイアス電圧Vg1~Vgnにほぼ反比例し得る。これは、第2の増幅器730-1~730-1の各々の入力インピーダンスが、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-1の1/gmにほぼ等しく、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-nのgmが、飽和領域におけるそれぞれのゲートバイアス電圧Vg1~Vgnにほぼ比例するからである。したがって、第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力インピーダンスは、以下でさらに説明するように、それぞれのゲートバイアス電圧を調整することによって調整(すなわち、同調)され得る。
【0113】
[0124]一例では、第2の増幅器730-1~730-nの各々のゲートバイアス電圧Vg1~Vgnは、第2の増幅器の入力インピーダンスがそれぞれの伝送線路725-1~725-nの特性インピーダンスにほぼ整合するように設定され得る。第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力部とそれぞれの伝送線路との間の良好なインピーダンス整合は、伝送線路725-1~725-nと第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nとの間の電力伝達を増加させる。
【0114】
[0125]一例では、ゲートバイアス回路1260は、第2の増幅器730-1~730-nのゲートバイアス電圧Vg1~Vgnを生成して出力する。説明しやすいように、ゲートバイアス回路1260と第2の増幅器730-1~730-nとの間の個々の接続は、図12には明示的に示されていない。
【0115】
[0126]この例では、複数のゲートバイアス電圧値が、ゲートバイアス回路1260に結合されたレジスタ1250に記憶され、ここで、ゲートバイアス電圧値の各々は、第2の増幅器730-1~730-nのそれぞれの1つのゲートバイアス電圧を示す(すなわち、Vg1~Vgnのそれぞれの1つを示す)。上記で説明した「レジスタ」は、複数の値を記憶するための複数のレジスタによって実装され得る。この例では、ゲートバイアス回路1260は、レジスタ1250から第2の増幅器730-1~730-nの各々のゲートバイアス電圧値を取り出し、それぞれのゲートバイアス電圧値に基づいて第2の増幅器730-1~730-nの各々のゲートバイアス電圧を設定する。ゲートバイアス回路1260は、それぞれのゲートバイアス電圧値に基づいて、第2の増幅器730-1~730-nの各々のゲートバイアス電圧を独立して設定し得る。第2の増幅器730-1~730-nの各々のゲートバイアス電圧は、レジスタ1250に記憶された対応するゲートバイアス電圧値をプログラムする(たとえば、書き込む)ことによってプログラムされ得る。
【0116】
[0127]上記の例では、レジスタ1250内のゲートバイアス電圧値の各々は、良好なインピーダンス整合のために、第2の増幅器730-1~730-nのそれぞれの1つの入力インピーダンスを、それぞれの伝送線路725-1~725-nの特性インピーダンスにほぼ整合させるゲートバイアス電圧を示し得る。第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nと伝送線路725-1~725-nとの間の良好なインピーダンス整合を提供するゲートバイアス電圧は、合成器710のコンピュータシミュレーションおよび/または合成器710に対して実行される試験に基づいて決定され得る。
【0117】
[0128]いくつかの態様では、第2の増幅器730-1~730-nのうちの1つまたは複数の各々は、電子的に調整可能なチャネル幅を有する。この一例が図13に示されており、第2の増幅器730-1~730-nの各々を通る矢印は、第2の増幅器730-1~730-nのチャネル幅が調整可能であることを示している。図13に示される例では、第2の増幅器730-1~730-nのすべてが調整可能なチャネル幅を有するが、そうである必要はないことを諒解されたい。この例では、第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力インピーダンスは、それぞれのチャネル幅の関数である。チャネル幅が大きいほど、相互コンダクタンスgmは大きくなる(したがって、1/gmにほぼ等しい入力インピーダンスは小さくなる)。したがって、第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力インピーダンスは、それぞれのチャネル幅を調整することによって調整(すなわち、同調)され得る。一例では、第2の増幅器730-1~730-nの各々のチャネル幅は、以下でさらに説明するように、第2の増幅器の入力インピーダンスがそれぞれの伝送線路725-1~725-nの特性インピーダンスにほぼ整合するように設定され得る。
【0118】
[0129]一例では、第2の増幅器730-1~730-nの各々のチャネル幅は、それぞれの制御信号Cw1~Cwnによって制御される。この例では、制御回路1360は、制御信号Cw1~Cwnを生成して第2の増幅器730-1~730-nに出力し、それぞれの制御信号Cw1~Cwnを使用して第2の増幅器730-1~730-nの各々のチャネル幅を設定する。説明しやすいように、制御回路1360と第2の増幅器730-1~730-nとの間の個々の接続は、図13には明示的に示されていない。
【0119】
[0130]この例では、複数のチャネル幅値が、制御回路1360に結合されたレジスタ1350に記憶され、チャネル幅値の各々は、第2の増幅器730-1~730-nのそれぞれの1つのチャネル幅を示す。上記で説明した「レジスタ」は、複数の値を記憶するための複数のレジスタによって実装され得る。この例では、制御回路1360は、レジスタ1350から第2の増幅器730-1~730-nの各々のチャネル幅値を取り出し、それぞれのチャネル幅制御信号を使用して、それぞれのチャネル幅値に基づいて第2の増幅器730-1~730-nの各々のチャネル幅を設定する。制御回路1360は、それぞれのチャネル幅値に基づいて、第2の増幅器730-1~730-nの各々のチャネル幅を独立して設定し得る。第2の増幅器730-1~730-nの各々のチャネル幅は、レジスタ1350に記憶された対応するチャネル幅値をプログラムする(たとえば、書き込む)ことによってプログラムされ得る。
【0120】
[0131]上記の例では、レジスタ1350内のチャネル幅値の各々は、良好なインピーダンス整合のために、第2の増幅器730-1~730-nのそれぞれの1つの入力インピーダンスを、それぞれの伝送線路725-1~725-nの特性インピーダンスにほぼ整合させるチャネル幅を示し得る。第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nと伝送線路725-1~725-nとの間の良好なインピーダンス整合を提供するチャネル幅は、合成器710のコンピュータシミュレーションおよび/または合成器710に対して実行される試験に基づいて決定され得る。
【0121】
[0132]図14Aは、共通ゲート増幅器1430の例示的な実装形態を示し、共通ゲート増幅器1430は、それぞれの制御信号(たとえば、制御信号Cw1~Cwnのそれぞれの1つ)によって制御される電子的に調整可能なチャネル幅を有する。図13に示される第2の増幅器730-1~730-nの各々は、図14Aに示される共通ゲート増幅器1430によって実装され得る(すなわち、第2の増幅器730-1~730-nの各々は、図14Aに示される共通ゲート増幅器1430の別個の例であり得る)。
【0122】
[0133]図14Aに示される例では、共通ゲート増幅器1430は、複数の並列ブランチ1410-1~1410-kを含み、ブランチ1410-1~1410-kの各々は、共通ゲート増幅器1430の出力部1434と入力部1432との間に結合される。出力部1434は、合成ノード735(図13に示す)に結合され、入力部1432は、それぞれの伝送線路725-1~725-n(図13に示す)に結合される。ブランチ1410-1~1410-kの各々は、直列に結合された、それぞれのトランジスタ1415-1~1415-k(たとえば、NFET)と、それぞれのスイッチ1420-1~1420-kとを含む。トランジスタ1415-1~1415-kのゲートは、ゲートバイアス電圧Vg(たとえば、図13のゲートバイアス電圧Vg1~Vgnのそれぞれの1つ)によってバイアスされる。図14Aの「k」(ブランチ1410-1~1410-kの数を示す)は、図2の「k」(フェーズドアンテナアレイ205内のアンテナ210-1~210-kの数を示す)と必ずしも等しいとは限らないことに留意されたい。
【0123】
[0134]この例では、それぞれの制御信号は、k個の制御ビットCw<1>~Cw<k>を含み、制御ビットの各々は、ブランチ1410-1~1410-kのそれぞれの1つに対応する。制御ビットの各々は、それぞれのブランチ1410-1~1410-kのスイッチ1420-1~1420-kがオンにされる(すなわち、閉じられる)か、またはオフにされる(すなわち、開かれる)かを制御する。スイッチ1420-1~1420-kがオンにされる(すなわち、閉じられる)と、それぞれのブランチ1410-1~1410-kが有効にされ、その場合、それぞれのトランジスタ1415-1~1415-kのチャネル幅は、共通ゲート増幅器1430のチャネル幅に寄与する。スイッチ1420-1~1420-kがオフにされる(すなわち、開かれる)と、それぞれのブランチ1410-1~1410-kが無効にされ、その場合、それぞれのトランジスタ1415-1~1415-kのチャネル幅は、共通ゲート増幅器1430のチャネル幅に寄与しない。この例では、共通ゲート増幅器1430のチャネル幅は、有効にされたブランチ1410-1~1410-k内のトランジスタ1415-1~1415-kのチャネル幅の総計である。したがって、この例では、それぞれの制御信号は、有効にされるブランチ1410-1~1410-kの数を制御することによって、共通ゲート増幅器1430のチャネル幅を制御する。有効にされたブランチ1410-1~1410-kの数が多いほど、チャネル幅は広くなる。第2の増幅器730-1~730-nの各々が図14Aの共通ゲート増幅器1430によって実装される例では、図14Aに示されるブランチ1410-1~1410-kが、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-nを実装することに留意されたい。
【0124】
[0135]図14Bは、共通ゲート増幅器1480の別の例示的な実装形態を示し、共通ゲート増幅器1480は、それぞれの制御信号(たとえば、制御信号Cw1~Cwnのそれぞれの1つ)によって制御される電子的に調整可能なチャネル幅を有する。図13に示される第2の増幅器730-1~730-nの各々は、図14Bに示される共通ゲート増幅器1480によって実装され得る(すなわち、第2の増幅器730-1~730-nの各々は、図14Bに示される共通ゲート増幅器1480の別個の例であり得る)。
【0125】
[0136]図14Bに示される例では、共通ゲート増幅器1480は、複数の並列ブランチ1460-1~1460-kを含み、ブランチ1460-1~1460-kの各々は、共通ゲート増幅器1480の出力部1484と入力部1482との間に結合される。出力部1484は、合成ノード735(図13に示す)に結合され、入力部1482は、それぞれの伝送線路725-1~725-n(図13に示す)に結合される。ブランチ1460-1~1460-kの各々は、出力部1484に結合されたドレインと、共通ゲート増幅器1480の入力部1482に結合されたソースとを有するそれぞれのトランジスタ1465-1~1465-k(たとえば、NFET)を含む。ブランチ1460-1~1460-kの各々はまた、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートに結合されたそれぞれのスイッチ1470-1~1470-kを含む。各スイッチ1470-1~1470-kは、以下でさらに説明するように、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートを、ゲートバイアス電圧Vg(たとえば、図13のゲートバイアス電圧Vg1~Vgnのそれぞれの1つ)またはグランドに選択的に結合するように構成される。各スイッチ1470-1~1470-kは、単極2投(SP2T:single-pole-two-throw)スイッチまたは別のタイプのスイッチによって実装され得る。
【0126】
[0137]この例では、それぞれの制御信号は、k個の制御ビットCw<1>~Cw<k>を含み、制御ビットの各々は、ブランチ1460-1~1460-kのそれぞれの1つに対応する。制御ビットの各々は、それぞれのブランチ1460-1~1460-kのスイッチ1470-1~1470-kが、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートを、ゲートバイアス電圧Vgに結合するか、またはグランドに結合するかを制御する。この点について、制御ビットの各々は、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートを、ゲートバイアス電圧Vgまたはグランドに結合するように、それぞれのブランチ1460-1~1460-kのスイッチ1470-1~1470-kを設定し得る。一例では、スイッチ1460-1~1460-kは、それぞれの制御ビットが第1の論理値を有するとき、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートをゲートバイアス電圧Vgに結合し、それぞれの制御ビットが第2の論理値を有するとき、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートをグランドに結合するように構成され得る。
【0127】
[0138]スイッチ1460-1~1460-kが、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートをゲートバイアス電圧Vgに結合するとき、それぞれのブランチ1460-1~1460-kは有効にされ、その場合、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートは、共通ゲート増幅器のゲート電圧(たとえば、図13のゲートバイアス電圧Vg1~Vgnのそれぞれの1つ)によってバイアスされる。スイッチ1470-1~1470-kが、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kのゲートをグランドに結合するとき、それぞれのブランチ1460-1~1460-kは無効にされ、その場合、それぞれのトランジスタ1465-1~1465-kはオフにされる。この例では、共通ゲート増幅器1480のチャネル幅は、有効にされたブランチ1460-1~1460-k内のトランジスタ1465-1~1465-kのチャネル幅の総計である。したがって、この例では、それぞれの制御信号は、有効にされるブランチ1460-1~1460-kの数を制御することによって、共通ゲート増幅器1480のチャネル幅を制御する。有効にされたブランチ1460-1~1460-kの数が多いほど、チャネル幅は広くなる。第2の増幅器730-1~730-nの各々が図14Bの共通ゲート増幅器1480によって実装される例では、図14Bに示されるブランチ1460-1~1460-kが、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-nを実装することに留意されたい。
【0128】
[0139]したがって、第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力インピーダンスは、それぞれのゲートバイアス電圧またはそれぞれのチャネル幅を調整することによって調整(すなわち、同調)され得る。いくつかの態様では、第2の増幅器730-1~730-nの各々のゲートバイアス電圧とチャネル幅の両方が、それぞれの入力インピーダンスを設定するために調整(すなわち、同調)され得る。言い換えれば、第2の増幅器730-1~730-nの各々のゲートバイアス電圧およびチャネル幅は、それぞれの入力インピーダンスを設定するための2つの自由度を提供する。第2の増幅器730-1~730-nの各々に関して、それぞれのゲートバイアス電圧値およびそれぞれのチャネル幅値は、組み合わされて、それぞれのゲートバイアス電圧値およびそれぞれのチャネル幅値が、それぞれの入力インピーダンスを、所望のインピーダンス(たとえば、それぞれの伝送線路の特性インピーダンスに整合するインピーダンス)に設定するようにプログラムされ得る。動作時、ゲートバイアス回路1260は、レジスタ1350に記憶されたそれぞれのゲートバイアス電圧値に基づいて第2の増幅器730-1~730-nのゲートバイアス電圧Vg1~Vgnを設定し、制御回路1360は、レジスタ1250に記憶されたそれぞれのチャネル幅値に基づいて第2の増幅器730-1~730-nのチャネル幅を設定する。
【0129】
[0140]いくつかの態様では、伝送線路725-1~725-nの特性インピーダンスは変化し得る。たとえば、伝送線路の特性インピーダンスは、周波数依存し得る。この例では、異なる周波数帯域(たとえば、HBおよびLB)において信号を搬送する2つの伝送線路は、異なる特性インピーダンスを有し得る。別の例では、伝送線路725-1~725-nの特性インピーダンスは、プロセス変動および/または伝送線路725-1~725-nの設計の違いに起因して異なり得る(すなわち、1つの伝送線路はチップ上に集積され得るが、別の伝送線路はオフチップ伝送線路である)。これらの態様では、第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力インピーダンスは、それぞれの入力インピーダンスがそれぞれの伝送線路の特性インピーダンスにほぼ整合するように、それぞれのゲートバイアス電圧を設定すること、および/またはそれぞれのチャネル幅を設定することによってプログラムされ得る。したがって、第2の増幅器730-1~730-nの入力インピーダンスは、それぞれの伝送線路725-1~725-nの特性インピーダンスにほぼ整合するように個々にプログラムされ得る。
【0130】
[0141]一例では、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1のものは、伝送線路725-1~725-nのうちの第1のものに結合され、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第2のものは、伝送線路725-1~725-nのうちの第2のものに結合され、伝送線路725-1~725-nのうちの第1および第2のものは、(たとえば、上記で説明した理由のうちのいずれか1つにより)異なる特性インピーダンスを有する。この例では、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1のものの入力インピーダンスは、伝送線路725-1~725-nのうちの第1のものの特性インピーダンスにほぼ整合するようにプログラムされ得、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第2のものの入力インピーダンスは、伝送線路725-1~725-nのうちの第2のものの特性インピーダンスにほぼ整合するようにプログラムされ得る。この例では、伝送線路725-1~725-nのうちの第1および第2のものが異なる特性インピーダンスを有するので、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のものは、異なる入力インピーダンスを有するようにプログラムされ得る。
【0131】
[0142]上記の例では、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のものは、異なるゲートバイアス電圧で第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のものをバイアスすることによって、異なる入力インピーダンスを有するようにプログラムされ得る。この例では、レジスタ1250は、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のものに関する異なるゲートバイアス電圧値を記憶し得る。別の例では、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のもののチャネル幅を異なる幅に設定することによって、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のものは、異なる入力インピーダンスを有するようにプログラムされ得る。この例では、レジスタ1360は、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のものに関する異なるチャネル幅値を記憶し得る。別の例では、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のものを異なるゲートバイアス電圧でバイアスすることと、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のもののチャネル幅を異なる幅に設定することとの両方によって、第2の増幅器730-1~730-nのうちの第1および第2のものは、異なる入力インピーダンスを有するようにプログラムされ得る。
【0132】
[0143]図15は、合成器710の一例を示しており、第1の増幅器720-1~720-nは電流増幅器であり、第2の増幅器730-1~730-nは共通ゲート増幅器である。この例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、図9に示された例示的な電流増幅器905によって実装され得る。説明しやすいように、図15は、第1の増幅器のうちの1つ(すなわち、第1の増幅器720-1)の詳細のみを示す。第2の増幅器730-1~730-nは、図13に示された共通ゲート増幅器によって実装され得る。
【0133】
[0144]この例では、第1の増幅器720-1~720-nは、プログラム可能な電流利得を有し、第1の増幅器720-1~720-nの各々の電流利得は、制御回路1150(図11に示す)によって独立して設定され得る。第2の増幅器730-1~730-nは、プログラム可能な入力インピーダンスを有する。第2の増幅器730-1~730-nの各々の入力インピーダンスは、上記で説明したように、ゲートバイアス回路1260(図12に示す)および/または制御回路1360(図13に示す)によって設定され得る。
【0134】
[0145]この例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、(たとえば、受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部から)それぞれの入力電流を受け取り、それぞれの出力電流を生成するためにそれぞれの入力電流を増幅し、それぞれの出力電流によってそれぞれの伝送線路725-1~725-nを駆動するように構成される。第2の増幅器730-1~730-nの各々は、それぞれの伝送線路725-1~725-nを介して第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つの出力電流を受け取る。
【0135】
[0146]図15の例では、第1の増幅器720-1~720-nの各々は、高い出力インピーダンスを有する。これは、上記で説明したように、それぞれの出力トランジスタ925-1~925-nのドレインを見たインピーダンスが高いからである。第1の増幅器720-1~720-nの各々の高出力インピーダンスは、増幅器720-1~720-nの各々が、それぞれの伝送線路725-1~725-nを電流によって効率的に駆動することを可能にする。第2の増幅器730-1~730-nの各々は、低入力インピーダンス(たとえば、それぞれのトランジスタ1230-1~1230-nの1/gmにほぼ等しい)を有する。
【0136】
[0147]図15の例では、第2の増幅器730-1~730-nの各々は、ほぼ1の電流利得を有する。その結果、第2の増幅器730-1~730-nの出力電流は、第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nにおける電流にほぼ等しい。第2の増幅器730-1~730-nの出力電流は、合成ノード735において、合成電流へと合成される。負荷740は、合成電流を、合成器710の合成信号を提供する電圧に変換する。第2の増幅器730-1~730-nは、高い出力インピーダンスを有し、これは、第2の増幅器730-1~730-nの入力部732-1~732-nから合成信号を絶縁するのに役立つ。
【0137】
[0148]合成信号の出力電圧スイングは、負荷740のインピーダンスに依存する。いくつかの態様では、負荷740のインピーダンスは、合成信号が所望の出力電圧スイングを有するように選択され得る。所望の出力電圧スイングは、良好な信号対雑音比(SNR)を提供するのに十分に高くてもよいが、あまり高くなくてもよい(それは、第2の増幅器730-1~730-nの出力に大量の負担を与え、および/または非線形ひずみを引き起こし得る)。図15は、負荷740が、インダクタ1510を含む誘導性負荷である例を示す。しかしながら、本開示はこの例に限定されず、負荷740は、チョーク、バイアスTネットワーク、共振器、または別のタイプの負荷によって実装され得ることを諒解されたい。
【0138】
[0149]合成器710の合成信号の出力電圧スイングは、負荷740のインピーダンスを同調させる(たとえば、合成されている信号の中心周波数において負荷740のインピーダンスを同調させる)ことによって調整(すなわち、同調)され得る。負荷740のインピーダンスが高いほど、合成信号の出力電圧スイングは大きくなる。この例では、負荷740のインピーダンスは、負荷740内のインダクタのインダクタンスを調整すること、および/または負荷740内のキャパシタのキャパシタンスを調整することによって調整され得る。負荷740は、Tネットワーク、パイネットワーク、インダクタ-キャパシタ(LC)タンクなどによって実装され得る。
【0139】
[0150]別の例では、出力電圧スイングは、第1の増幅器720-1~720-nの電流利得を調整することによって調整(すなわち、同調)され得る。電流利得が高いほど、合成ノード735における合成電流が高くなり、したがって、所与の負荷インピーダンスに対する出力電圧スイングが高くなる。出力電圧スイングはまた、負荷740のインピーダンスと第1の増幅器720-1~720-nの電流利得の両方を調整することによって調整され得る。
【0140】
[0151]上記で説明したように、合成器710は、シングルバンド合成器またはデュアルバンド合成器として使用され得る。シングルバンド合成器の場合、合成器710は、周波数帯域内の信号を合成し得る。この例では、負荷740は、負荷740が周波数帯域内で高いインピーダンスを有するように、周波数帯域内の共振周波数で共振するように構成され得る。高いインピーダンスは、周波数帯域内の合成信号に高い出力電圧スイングを提供するのに役立つ。この例では、合成されている信号の中心周波数は、負荷740の共振周波数に、またはその近くに位置し得る。
【0141】
[0152]デュアルバンド合成器710の場合、合成器710は、第1の周波数帯域内の1つまたは複数の信号と、第2の周波数帯域内の1つまたは複数の信号とを合成し得る。この例では、負荷740は、第1の周波数帯域内の第1の共振周波数、および第2の周波数帯域内の第2の共振周波数での共振性に構成された二重共振負荷であり得る。その結果、負荷740は、第1の周波数帯域内で高いインピーダンスを有し、第2の周波数帯域内で高いインピーダンスを有する。第1の周波数帯域内の高いインピーダンスは、第1の周波数帯域に高い出力電圧スイングを提供し、第2の周波数内の高いインピーダンスは、第2の周波数帯域に高い出力電圧スイングを提供する。
【0142】
[0153]代替実装形態では、負荷740は、広い周波数帯域にわたって高インピーダンス(および高利得)を提供するために広い周波数帯域に同調される広帯域負荷であり得る。この例では、広い周波数帯域は、上記で説明した第1および第2の周波数帯域を含む(すなわち、カバーする)。
【0143】
[0154]図16は、合成器710が複数のインピーダンス整合ネットワーク1615-1~1615-n(以下では、単に整合ネットワークと呼ばれる)を含む例を示す。この例では、整合ネットワーク1615-1~1615-nの各々は、第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つの入力部722-1~722-nと合成器710の入力部712-1~712-nのそれぞれの1つとの間に結合される。合成器710の入力部712-1~712-nの各々が受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部に結合される例では、整合ネットワーク1615-1~1615-nの各々は、第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つの入力部と受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部との間にインピーダンス整合を提供するように構成される。インピーダンス整合は、受信機要素815-1~815-nの出力部と第1の増幅器720-1~720-nの入力部との間の電力伝達を増加させる。
【0144】
[0155]整合ネットワーク1615-1~1615-nの各々は、インダクタ、変圧器、Tネットワーク、πネットワーク、Lネットワーク、または別のタイプのインピーダンス整合ネットワークによって実装され得る。整合ネットワーク1615-1~1615-nの各々は、整合ネットワーク1615-1~1615-nにおける電力損失を低減するために反応性要素(たとえば、インダクタおよび/またはキャパシタ)を含み得る。
【0145】
[0156]図17Aは、整合ネットワーク1710の例示的な実装形態を示す。整合ネットワーク1615-1~1615-nの各々は、図17Aに示される例示的な整合ネットワーク1710によって実装され得る(すなわち、整合ネットワーク1615-1~1615-nの各々は、図17Aの整合ネットワーク1710の別個の例であり得る)。整合ネットワーク1710は、Lネットワークの一例である。整合ネットワーク1710は、整合ネットワーク1710の入力部1722とグランドとの間に結合されたインダクタ1715と、整合ネットワーク1710の入力部1722と出力部1724との間に結合されたキャパシタ1720とを含む。入力部1722は、合成器710のそれぞれの入力部712-1~712-nに結合され、出力部1724は、第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つの入力部722-1~722-nに結合される。インダクタ1715のインダクタンスおよびキャパシタ1720のキャパシタンスは、第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つの入力部と受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部との間のインピーダンス整合を提供するように選択され得る。
【0146】
[0157]図17Bは、整合ネットワーク1750の別の例示的な実装形態を示す。整合ネットワーク1615-1~1615-nの各々は、図17Bに示される例示的な整合ネットワーク1750によって実装され得る(すなわち、整合ネットワーク1615-1~1615-nの各々は、図17Bの整合ネットワーク1750の別個の例であり得る)。整合ネットワーク1750は、πネットワークの一例である。整合ネットワーク1750は、第1の分路キャパシタ1760と、第2の分路キャパシタ1765と、第1の分路キャパシタ1760と第2の分路キャパシタ1765との間に結合されたインダクタ1755とを含む。第1の分路キャパシタ1760は、整合ネットワーク1750の入力部1772とグランドとの間に結合され、第2の分路キャパシタ1765は、整合ネットワーク1750の出力部1774とグランドとの間に結合され、インダクタ1755は、整合ネットワーク1750の入力部1772と出力部1774との間に結合される。インダクタ1755のインダクタンスならびに第1および第2の分路キャパシタ1760および1765のキャパシタンスは、第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つの入力部と受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つの出力部との間のインピーダンス整合を提供するように選択され得る。
【0147】
[0158]合成器710がデュアルバンド合成器である例では、整合ネットワーク1615-1~1615-nのうちの1つまたは複数は、第1の周波数帯域(たとえば、LB)中の信号を受信するために第1の周波数帯域内でインピーダンス整合を提供するように構成され得、整合ネットワーク1615-1~1615-nのうちの1つまたは複数の他のものは、第2の周波数帯域(たとえば、HB)中の信号を受信するために第2の周波数帯域内でインピーダンス整合を提供するように構成され得る。
【0148】
[0159]第1の周波数帯域(たとえば、LB)に使用される整合ネットワーク(たとえば、整合ネットワーク1615-1~1615-nのうちの1つ)は、ネットワーク内に配置された、1つまたは複数のインダクタと、1つまたは複数のキャパシタとを含み得る。この例では、整合ネットワーク内の1つもしくは複数のインダクタ(たとえば、インダクタ1715またはインダクタ1755)のインダクタンスおよび/または1つもしくは複数のキャパシタ(たとえば、キャパシタ1720またはキャパシタ1760および1765)のキャパシタンスは、整合ネットワークが第1の周波数帯域内の第1の周波数においてインピーダンス整合を提供するように選択され得る。第1の周波数は、第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つに入力される信号の中心周波数にほぼ等しい場合があり、信号の中心周波数は第1の周波数帯域内にある。
【0149】
[0160]第2の周波数帯域(たとえば、HB)に使用される整合ネットワーク(たとえば、整合ネットワーク1615-1~1615-nのうちの1つ)は、ネットワーク内に配置された、1つまたは複数のインダクタと、1つまたは複数のキャパシタとを含み得る。この例では、整合ネットワーク内の1つもしくは複数のインダクタ(たとえば、インダクタ1715またはインダクタ1755)のインダクタンスおよび/または1つもしくは複数のキャパシタ(たとえば、キャパシタ1720またはキャパシタ1760および1765)のキャパシタンスは、整合ネットワークが第2の周波数帯域内の第2の周波数においてインピーダンス整合を提供するように選択され得る。第2の周波数は、第1の増幅器720-1~720-nのそれぞれの1つに入力される信号の中心周波数にほぼ等しい場合があり、信号の中心周波数は第2の周波数帯域内にある。第1の周波数および第2の周波数は、(たとえば、第1の周波数帯域がLBであり、第2の周波数帯域がHBである例では)少なくとも1ギガヘルツ離間され得る。
【0150】
[0161]上記の例では、第1の周波数帯域の整合ネットワークおよび第2の周波数帯域の整合ネットワークは、同じタイプのネットワーク(たとえば、ネットワーク、Lネットワーク、πネットワークなど)または異なるタイプのネットワークを使用して実装され得る。第1の周波数帯域の整合ネットワーク内のインダクタおよび/またはキャパシタは、同じタイプの整合ネットワークが両方の周波数帯域に使用される場合でも、第2の周波数帯域の整合ネットワーク内のインダクタおよび/またはキャパシタとは異なるインダクタンスおよび/またはキャパシタンスを有し得る。これは、整合ネットワークが、異なる周波数(すなわち、第1および第2の周波数)にインピーダンス整合を提供するように同調されるからである。
【0151】
[0162]整合ネットワーク1615-1~1615-nは、いくつかの実装形態では省略され得る。たとえば、整合ネットワーク1615-1~1615-nは、第1の増幅器720-1~720-nが電流増幅器であり、第1の増幅器720-1~720-nの入力部722-1~722-nがそれぞれの受信機要素815-1~815-nによる電流によって駆動される場合には省略されてもよい。この例では、受信機要素815-1~815-nの各々は、受信機要素の出力部が理想的な電流源に近づくように、高い出力インピーダンスを有し得る(無限の出力インピーダンスを有する)。これは、受信機要素815-1~815-nの各々が、それぞれの第1の増幅器720-1~720-nの入力部712-1~712-nを電流によって効率的に駆動することを可能にする。
【0152】
[0163]いくつかの態様では、合成器710は、チップ間信号合成のために使用され得、合成器710は、2つまたはそれ以上のチップ(すなわち、ダイ)からの信号を合成する。この点について、図18は、合成器710が第1のチップ1810(「IC1」と標示される)および第2のチップ1820(「IC2」と標示される)からの信号を合成する例を示す。第1のチップ1810および第2のチップ1820は、共通基板(たとえば、プリント回路板(PCB))上に実装され得る。図18に示す例では、第1の増幅器のうちの第1のもの720-1が、第1のチップ1810上に集積され、第1の増幅器のうちの第2のもの720-2が、第2のチップ1820上に集積される。また、第2の増幅器730-1~730-2および負荷740が、第2のチップ1820上に集積される。
【0153】
[0164]この例では、第1の増幅器のうちの第1のもの720-1は、受信機要素(たとえば、受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つ)または前の合成段階(たとえば、第1の合成器635および第2の合成器665のそれぞれの1つ)から信号を受信することができ、第1のチップ1810上に集積されても、集積されなくてもよい。また、第1の増幅器のうちの第2のもの720-2は、受信機要素(たとえば、受信機要素815-1~815-nのそれぞれの1つ)または前の合成段階(たとえば、第1の合成器635および第2の合成器665のそれぞれの1つ)から信号を受信することができ、第2のチップ1820上に集積されても、集積されなくてもよい。
【0154】
[0165]この例では、第1の増幅器のうちの第1のもの720-1を対応する第2の増幅器730-1に結合する伝送線路725-1の少なくとも一部は、第1のチップ1810および第2のチップ1820の外部にある。伝送線路725-1の外部部分は、ケーブル、導波路、またはRF信号もしくはIF信号を搬送することができる別のタイプの伝送線路を含み得る。第1のチップ1810および第2のチップ1820が共通の基板(たとえば、PCB)上に実装される例では、伝送線路725-1の外部部分は、基板上に形成され得る(たとえば、基板上に1つまたは複数の金属トレースを含む)。図18は、説明しやすいように、第1および第2のチップ1810および1820の外部にあるものとして伝送線路725-1全体を示すことに留意されたい。しかしながら、伝送線路725-1は、第1のチップ1810上の第1の部分(たとえば、金属線)と、第2のチップ1820上の第2の部分(たとえば、金属線)とを含み得ることを諒解されたい。第1の増幅器のうちの第2のもの720-2を対応する第2の増幅器730-2に結合する伝送線路725-2は、図18に示されるように、第2のチップ1820上に集積され得る。
【0155】
[0166]合成器710の出力部750における合成信号は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、復調、アナログデジタル変換、ベースバンド処理など)のために受信回路(図示せず)に出力されるか、または(たとえば、他のチップからの)他の信号と合成されるように後続の合成段階における別の合成器(図示せず)に出力され得る。
【0156】
[0167]図18に示される例では、合成器710は、シングルバンド合成器またはデュアルバンド合成器であり得る。デュアルバンドの例では、第1の増幅器のうちの第1のもの720-1に入力される信号は、第1の周波数帯域(たとえば、LB)内にあり、第1の増幅器のうちの第2のもの720-2に入力される信号は、第2の周波数帯域(たとえば、HB)内にある。この例では、負荷740は、上記で説明したように、二重共振負荷または広帯域負荷であり得る。
【0157】
[0168]図18は、合成器710が2つのチップ(すなわち、第1のチップ1810および第2のチップ1820)からの信号を合成する例を示すが、合成器710が3つ以上のチップからの信号を合成し得ることを諒解されたい。
【0158】
[0169]いくつかの態様では、複数の合成器は、フェーズドアンテナアレイ(たとえば、フェーズドアンテナアレイ205)内の多数のアンテナ(たとえば、64個または128個のアンテナ)からの信号を合成するように構成された大型合成器を形成するように互いに結合され得る。フェーズドアンテナアレイ内の多数のアンテナからの信号を合成することの利点は、多数のアンテナにより、高い受信指向性のために受信ビームパターンが極めて狭くなる(すなわち、集束される)ことを可能にすることである。これらの態様では、大型合成器内の複数の合成器の各々は、合成器710によって実装され得る(たとえば、複数の合成器の各々は、合成器710の別個の例であり得る)。複数の合成器は、大型合成器を形成するために、ツリー構成、チェーン構成、または別の構成で結合され得る。
【0159】
[0170]一例では、単一の合成器(たとえば、合成器710)に結合され得る受信機要素の数は、(たとえば、寄生および/または別の制限により)制限され得る。この例では、大型合成器を形成するために複数の合成器を互いに結合することは、単一の合成器に結合され得る受信機要素の限られた数を克服し、はるかに多い数の受信機要素からの信号が合成されることを可能にする。
【0160】
[0171]図19は、大型合成器1905を形成するためにツリー構成で互いに結合された複数の合成器1910-1~1910-4および1920の例を示す。合成器1910-1~1910-4および1920の各々は、図7図8図11図12図13図15、または図16に示された合成器710によって実装され得る(たとえば、合成器1910-1~1910-4および1920の各々は、合成器710の別個の例であり得る)。図19に示される例では、合成器1910-1~1910-4および1920の各々は、4対1合成器であるが、本開示はこの例に限定されないことを諒解されたい。合成器1910-1~1910-4の各々の入力部は、4つの受信機要素1915-1~1915-4のそれぞれのセットに結合される。各受信機要素は、フェーズドアンテナアレイ内のそれぞれのアンテナ(たとえば、アンテナ210-1~210-kのそれぞれの1つ)から信号を受信し得る。合成器1920の入力部は、合成器1910-1~1910-4の出力部に結合される。合成器1920の出力部は、大型合成器1905の出力部(「Out」と標示される)を与える。
【0161】
[0172]動作時、合成器1910-1~1910-4の各々は、4つの受信機要素1915-1~1915-4のそれぞれのセットからの信号を、それぞれの合成信号へと合成し、それぞれの合成信号を合成器1920に出力する。合成器1920は、合成器1910-1~1910-4からの合成信号を、単一の合成信号へと合成し、大型合成器1905の出力部において単一の合成信号を出力する。単一の合成信号は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、アナログデジタル変換、復調、ベースバンド処理など)のために受信回路(図示せず)に出力されるか、または他の信号と合成されるように後続の合成段階における別の合成器(図示せず)に出力され得る。
【0162】
[0173]合成器1910-1~1910-4および1920は、複数のチップ上に形成されてもよく、合成器1910-1~1910-4および1920は、チップ間に結合された外部伝送線路を含む。図19は、16対1合成器を形成するために複数の4対1合成器が組み合わされる例を示すが、本開示はこの例に限定されないことを諒解されたい。たとえば、より多くの合成器(たとえば、64対1合成器または128対1合成器)を形成するために、より多数の合成器がツリー構成で互いに結合され得る。
【0163】
[0174]一例では、合成器1920の第1の増幅器720-1~720-nは、電流増幅器であり得る。この例では、合成器1910-1~1910-4の各々の出力が電圧である場合、合成器1910-1~1940-4の各々の出力は、それぞれの電圧をそれぞれの電流に変換するように構成された相互コンダクタンス増幅器(図示せず)を介して合成器1920のそれぞれの入力に結合され得る。
【0164】
[0175]図20は、大型合成器2005を形成するためにチェーン構成で互いに結合された複数の合成器2010-1~2010-4の例を示す。合成器2010-1~2010-4の各々は、図7図8図11図12図13図15、または図16に示された合成器710によって実装され得る(たとえば、合成器2010-1~2010-4の各々は、合成器710の別個の例であり得る)。チェーン内の第1の合成器2010-1の入力部は、受信機要素2015-1のそれぞれのセットに結合される。チェーン内の第2の合成器2010-2の入力部は、受信機要素2015-2のそれぞれのセットおよび第1の合成器2010-1の出力部に結合される。チェーン内の第3の合成器2010-3の入力部は、受信機要素2015-3のそれぞれのセットおよび第2の合成器2010-2の出力部に結合される。チェーン内の第4の合成器2010-4の入力部は、受信機要素2015-4のそれぞれのセットおよび第3の合成器2010-3の出力部に結合される。第4の合成器2010-4の出力部は、大型合成器2005の出力部(「Out」と標示される)を与える。各受信機要素は、フェーズドアンテナアレイ内のそれぞれのアンテナ(たとえば、アンテナ210-1~210-kのそれぞれの1つ)から信号を受信し得る。
【0165】
[0176]動作時、第1の合成器2010-1は、受信機要素2015-1のそれぞれのセットからの信号を、それぞれの合成信号へと合成し、それぞれの合成信号を第2の合成器2010-2に出力する。第2の合成器2010-2は、受信機要素2015-2のそれぞれのセットからの信号と第1の合成器2010-1からの合成信号と、それぞれの合成信号へと合成し、それぞれの合成信号を第3の合成器2010-3に出力する。第3の合成器2010-3は、受信機要素2015-3のそれぞれのセットからの信号と第2の合成器2010-2からの合成信号とを、それぞれの合成信号へと合成し、それぞれの合成信号を第4の合成器2010-4に出力する。第4の合成器2010-4は、受信機要素2015-4のそれぞれのセットからの信号と第3の合成器2010-3からの合成信号と、それぞれの合成信号へと合成し、それぞれの合成信号を大型合成器2005の合成信号として出力する。合成信号は、さらなる処理(たとえば、周波数ダウンコンバート、フィルタリング、アナログデジタル変換、復調、ベースバンド処理など)のために受信回路(図示せず)に出力されるか、または他の信号と合成されるように後続の合成段階における別の合成器(図示せず)に出力され得る。
【0166】
[0177]合成器2010-1~2010-4は、複数のチップ上に形成されてもよく、合成器2010-1~2010-4は、チップ間に結合された外部伝送線路を含む。
【0167】
[0178]本開示は、図19および図20に示される例示的な構成に限定されないことを諒解されたい。たとえば、複数の合成器は、合成器がグループに分割されるハイブリッド構成で結合され得る。この例では、グループ内の合成器は、チェーン構成で結合され得る一方で、合成器のグループは、ツリー構成で結合され得るが、またはその逆も同様である。
【0168】
[0179]図21は、本開示のいくつかの態様による、信号合成のための方法2100を示す。
【0169】
[0180]ブロック2110において、信号が受信機要素から受信される。受信機要素は、受信機要素315-1~315-n、415-1~415-n、515-1~515-n、615-1~615-n、または645-1~645-mに対応し得る。
【0170】
[0181]ブロック2120において、受信機要素からの信号は、第1の増幅信号に増幅される。受信機要素からの信号は、電流増幅器(たとえば、図11の電流増幅器720-1~720-n)または相互コンダクタンス増幅器を使用して増幅され得る。いくつかの態様では、受信機要素からの信号のうちの第1のものは、第1の利得だけ増幅され、受信機要素からの信号のうちの第2のものは、第2の利得だけ増幅されるが、第1の利得と第2の利得とは異なる。
【0171】
[0182]ブロック2130において、伝送線路は、第1の増幅信号によって駆動される。伝送線路は、伝送線路725-1~725-nに対応し得る。
【0172】
[0183]ブロック2140において、第1の増幅信号が伝送線路から受信される。いくつかの態様では、伝送線路は、伝送線路の第1の端部において第1の増幅信号によって駆動され、第1の増幅信号は、伝送線路の第2の端部において受信される。
【0173】
[0184]ブロック2150において、伝送線路からの第1の増幅信号は、第2の増幅信号に増幅される。伝送線路からの第1の増幅信号は、共通ゲート増幅器(たとえば、図12の共通ゲート増幅器734-1~734-n)を使用して増幅され得る。一例では、共通ゲート増幅器の第1および第2のものの各々は、調整可能なチャネル幅を有する。この例では、共通ゲート増幅器のうちの第1のもののチャネル幅は、第1のチャネル幅に設定され得、共通ゲート増幅器のうちの第2のもののチャネル幅は、第2のチャネル幅に設定され得るが、第1のチャネル幅は第2のチャネル幅とは異なる。一例では、共通ゲート増幅器のうちの第1のもののゲートは、第1のゲートバイアス電圧によってバイアスされ得、共通ゲート増幅器のうちの第2のもののゲートは、第2のゲートバイアス電圧によってバイアスされ得るが、第1のゲートバイアス電圧は第2のゲートバイアス電圧とは異なる。
【0174】
[0185]ブロック2160において、第2の増幅信号は、合成信号へと合成される。共通ゲート増幅器を使用して第1の増幅信号が第2の増幅信号に増幅される例では、第2の増幅信号は、共通ゲート増幅器の出力部に結合された合成ノード(たとえば、合成ノード735)において合成され得る。
【0175】
[0186]本明細書で使用する「受信機」という用語は、(たとえば、フェーズドアンテナアレイ内の)1つまたは複数のアンテナから受信された1つまたは複数の信号を処理する装置を指すことがある。「受信機」は、1つまたは複数の信号をベースバンド信号までずっと処理する必要はない。たとえば、「受信機」は、1つまたは複数の信号を中間信号(たとえば、合成信号)まで処理することができ、中間信号は、後続の受信回路によってベースバンド信号までさらに処理される。
【0176】
[0187]本明細書で使用する「電子的に調節可能」という用語は、電圧または電流などの電気信号によって調節可能であることを意味する。
【0177】
[0188]上記で説明した伝送線路のいずれも、チップ(ダイ)上の1つもしくは複数の金属トレース、プリント回路板上の1つもしくは複数の金属トレース、1つもしくは複数のケーブル(たとえば、1つもしくは複数の同軸ケーブル)、導波路、またはそれらの任意の組合せを含み得ることを諒解されたい。
【0178】
[0189]本開示は、本開示の態様について説明するために上記で使用された例示的な用語に限定されないことを諒解されたい。たとえば、「信号合成」という用語は、「電力合成」と呼ばれることもある。別の例では、「インピーダンス整合」という用語は、「電力整合」と呼ばれることもある。別の例では、「受信機要素」という用語は、「受信機チェーン」と呼ばれることもある。「受信機要素」がRF信号を出力する例では、「受信機要素」は、「RFチェーン」と呼ばれることもある。
【0179】
[0190]上記で説明した位相シフトコントローラ355、455、555および680、制御回路1070、制御回路1150、ゲートバイアス回路1260ならびに制御回路1360は各々、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ハードウェア構成要素(たとえば、論理ゲート)、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せによって実装され得る。プロセッサは、本明細書で説明された機能を実行するためのコードを備えるソフトウェアを実行することによって機能を実行し得る。ソフトウェアは、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、光ディスク、および/または磁気ディスクなどの、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。
【0180】
[0191]本明細書における「第1」、「第2」などの名称を使用した要素への言及は、それらの要素の数量または順序を概括的に限定するものでない。むしろ、これらの名称は、本明細書において2つまたはそれ以上の要素またはある要素の事例を区別する便利な方法として使用される。したがって、第1および第2の要素への言及は、2つの要素のみが利用され得ること、または第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。
【0181】
[0192]本開示内で、「例示的」という単語は、「例、事例、または例示として働くこと」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明されたいかなる実装形態または態様も、必ずしも本開示の他の態様よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。同様に、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が、論じられた特徴、利点、または動作モードを含むことを必要とするとは限らない。「結合される」という用語は、本明細書では、2つの構造体間の直接的または間接的な結合を指すために使用される。
【0182】
[0193]本開示についての以上の説明は、いかなる当業者も本開示を作成または使用することができるように与えたものである。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明された例に限定されるものではなく、本明細書で開示された原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1
図2
図3
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図5
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図10
図11
図12
図13
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図14B
図15
図16
図17A
図17B
図18
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図21
【国際調査報告】