(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】デュアルチャンバ型エアロゾルディスペンサ
(51)【国際特許分類】
A24F 42/20 20200101AFI20221025BHJP
A24F 42/60 20200101ALI20221025BHJP
【FI】
A24F42/20
A24F42/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513167
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 IB2020058021
(87)【国際公開番号】W WO2021038493
(87)【国際公開日】2021-03-04
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘジャジ,バヒド
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC16
4B162AC27
4B162AD15
(57)【要約】
本開示は、エアロゾル送達装置に関する。エアロゾル送達装置は、ハウジング(124)と、第1のエアロゾル形成ユニット(102)であって、第1の液体組成物(108)を収容するように構成された第1のチャンバ(106)および、第1のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲の粒子を有するエアロゾルの形態で第1の液体組成物を選択的に放出するように構成された第1の計量オリフィス(110)を備える第1のエアロゾル形成ユニットと、第2のエアロゾル形成ユニット(104)であって、第2の液体組成物(114)を収容するように構成された第2のチャンバ(112)および、第2のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を有するエアロゾルの形態で第2の液体組成物を選択的に放出するように構成された第2の計量オリフィス(116)を含む第2のエアロゾル形成ユニットと、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
ハウジングと、
第1のエアロゾル形成ユニットであって、
第1の液体組成物を収容するように構成された第1のチャンバおよび、
第1のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲の粒子を含むエアロゾルの形態で第1の液体組成物を選択的に放出するように構成された第1の計量オリフィス、
を備える第1のエアロゾル形成ユニットと、
第2のエアロゾル形成ユニットであって、
第2の液体組成物を収容するように構成された第2のチャンバおよび、
第2のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を含むエアロゾルの形態で第2の液体組成物を選択的に放出するように構成された第2の計量オリフィス、
を備える第2のエアロゾル形成ユニットと、
を備える、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
第1の計量オリフィスは、肺投与のために十分に小さい粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
第1の計量オリフィスは、約0.05ミクロン~約5ミクロンの範囲の平均粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されている、請求項2に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
第2の計量オリフィスは、主に肺投与を回避するのに十分に大きい粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
第2の計量オリフィスは、約1ミクロン~約50ミクロンの範囲の平均粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されている、請求項4に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
第1の液体組成物および第2の液体組成物は、双方とも噴射剤を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、蒸気圧調整溶媒をさらに含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、界面活性剤をさらに含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、1つ以上の他の成分をさらに含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
第1の液体組成物は活性成分をさらに含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
活性成分は、ニコチン、刺激剤、医薬成分、栄養補助食品成分、薬用成分、および植物成分からなる群から選択される、請求項10に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項12】
第2の液体組成物は少なくとも1つの香味化合物をさらに含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項13】
第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスは、双方とも、計量弁およびノズルのうちの少なくとも一方をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項14】
第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスは、同時に作動するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項15】
装置は、エアロゾルを放出するための装置の手動作動を提供するように構成された外部からアクセス可能な作動要素をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項16】
装置はコントローラをさらに備え、外部からアクセス可能な作動要素によって装置を手動で作動させると、コントローラにエアロゾルの放出を指示させる、請求項15に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項17】
装置は、ユーザが装置を吸引するときにエアロゾルの放出を提供するように構成されたパフ作動要素をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項18】
パフ作動要素は、装置内の差圧を測定するように構成された圧力センサを備える、請求項17に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項19】
装置は、圧力センサと直接通信するコントローラをさらに備え、パフ作動要素が、コントローラにエアロゾルの放出を指示させる、請求項18に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項20】
電源および1つ以上の制御構成要素をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項21】
第1のチャンバ内の圧力および第2のチャンバ内の圧力は、独立して周囲圧力よりも大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項22】
第1のチャンバ内の圧力および第2のチャンバ内の圧力は、約25psi~約150psiの範囲内である、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項23】
マウスピース部をさらに備え、マウスピース部は、第1および第2の計量オリフィスからエアロゾルを受け入れるように配置され、マウスピース部からエアロゾルを放出するための開口部を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項24】
第1および第2の計量オリフィスとマウスピース部との間に配置された1つ以上のチャネルをさらに備える、請求項23に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項25】
装置は、第1の計量オリフィスからマウスピース部にエアロゾルを移送するように構成された第1のチャネルと、第2の計量オリフィスからマウスピース部にエアロゾルを別々に移送するように構成された第2のチャネルと、を備える、請求項24に記載のエアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達装置に関し、より詳細には、加圧の利用などによってそこから分配可能な液体を収容する複数のチャンバを含む装置に関する。様々な実装では、タバコから製造されることができるか、もしくはタバコに由来することができるか、またはタバコもしくは他のタバコもしくは非タバコ成分を組み込むことができる材料および/または成分を組み込むことができる液体組成物は、人間が消費するための吸入可能な物質として製造されることができる。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙装置は、使用のためにタバコを燃焼させることを必要とする喫煙製品の改良または代替として、長年にわたって提案されている。これらの装置の多くは、タバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する感覚を提供するが、タバコの燃焼に起因するかなりの量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達しないように意図的に設計されている。この目的のために、電気エネルギを利用して揮発性物質を気化もしくは加熱するか、または大幅にタバコを燃焼させることなくタバコ、葉巻またはパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器、および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、およびGriffith Jr.らによる米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、およびSearsらによる米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載された背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および熱源を参照されたい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Blessらによる2014年2月3日に出願された米国特許出願第14/170,838号明細書において商品名および商業的供給源によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動熱源もまた参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献4】米国特許出願第14/170,838号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、改良された機能を送達装置に提供することが望ましい場合がある。これに関して、送達装置のユーザへの液体組成物の送達を改善することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、蒸気、エアロゾル、または他の微粒子化された形態などの吸入可能な形態で液体組成物をユーザに送達するように適合または構成された送達装置に関する。「蒸気」および「エアロゾル」という用語は、本開示を通して互換的に使用されてもよく、蒸気、エアロゾル、または他の微粒子化された形態などの吸入可能な形態でユーザに送達されることができるそのような液体組成物を説明することを意図している。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示にかかる送達装置は、ハウジングと、第1のエアロゾル形成ユニットと、第2のエアロゾル形成ユニットとを備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成ユニットは、第1の液体組成物を収容するように構成された第1のチャンバと、第1のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲の粒子を含むエアロゾルの形態で第1の液体組成物を選択的に放出するように構成された第1の計量オリフィスとをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル形成ユニットは、第2の液体組成物を収容するように構成された第2のチャンバと、第2のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を含むエアロゾルの形態で第2の液体組成物を選択的に放出するように構成された第2の計量オリフィスとをさらに備えてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスは、肺投与のための十分に小さい粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスは、約0.05ミクロン~約5ミクロンの範囲の平均粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の計量オリフィスは、肺投与を回避するのに十分に大きい粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の計量オリフィスは、約1ミクロン~約50ミクロンの範囲の平均粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示のエアロゾル/蒸気送達装置は、第1の液体組成物および第2の液体組成物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物は、双方とも噴射剤を含有する。いくつかの実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、蒸気圧調整溶媒をさらに含有する。いくつかの実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、界面活性剤をさらに含有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、1つ以上の他の成分をさらに含有する。いくつかの実施形態では、第1の液体組成物は、活性成分をさらに含有してもよい。いくつかの実施形態では、活性成分は、ニコチン、刺激剤、医薬成分、栄養補助食品成分、薬用成分、および植物成分からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の液体組成物は、少なくとも1つの香味化合物をさらに含有してもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスは、双方とも、計量弁およびノズルのうちの少なくとも一方をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスは、同時に作動されるように構成される。いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスは、第2の計量オリフィスと比較して遅れて、またはその逆で作動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、機械的に作動される装置である。いくつかの実施形態では、機械的に作動される装置は、装置の外部にアクチュエータ、電気回路、およびボタンのうちの1つ以上をさらに備える。いくつかの実施形態では、ユーザは、所望の持続時間にわたってボタンを押して保持することによって蒸気/エアロゾル生成の持続時間を制御することができ、またはボタンは、ユーザによって押されると所定の持続時間にわたってエアロゾルを生成するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、パフ作動式装置である。いくつかの実施形態では、パフ作動式装置は、アクチュエータ、電気回路、および圧力センサをさらに備える。いくつかの実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物の含有量は、送達装置のユーザに対して約20~約400パフと等しくなるのに十分である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のエアロゾル送達装置は、電源および1つ以上の制御構成要素をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバ内の圧力および第2のチャンバ内の圧力は、周囲圧力よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバ内の圧力および第2のチャンバ内の圧力は、約25psi~約150psiの範囲内である。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示のエアロゾル送達装置は、第1および第2の計量オリフィスとマウスピース部との間に配置された1つ以上のチャネルをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、第1の計量オリフィスからマウスピース部にエアロゾルを移送するように構成された第1のチャネルと、第2の計量オリフィスからマウスピース部にエアロゾルを別々に移送するように構成された第2のチャネルとをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のエアロゾル送達装置は、エアロゾルを受容するように配置され、マウスピース部からエアロゾルを放出するための開口部を有するマウスピース部をさらに備えてもよい。
【0012】
本開示は、限定されるものではないが、以下の実施形態を含む。
【0013】
実施形態1:エアロゾル送達装置であって、ハウジングと、第1のエアロゾル形成ユニットであって、第1の液体組成物を収容するように構成された第1のチャンバおよび、第1のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲の粒子を含むエアロゾルの形態で第1の液体組成物を選択的に放出するように構成された第1の計量オリフィスを備える第1のエアロゾル形成ユニットと、第2のエアロゾル形成ユニットであって、第2の液体組成物を収容するように構成された第2のチャンバおよび、第2のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を含むエアロゾルの形態で第2の液体組成物を選択的に放出するように構成された第2の計量オリフィスを備える第2のエアロゾル形成ユニットと、を備える。
【0014】
実施形態2:第1の計量オリフィスは、肺投与のために十分に小さい粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されている、実施形態1に記載のエアロゾル送達装置。
【0015】
実施形態3:第1の計量オリフィスは、約0.05ミクロン~約5ミクロンの範囲の平均粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されている、実施形態1~2のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0016】
実施形態4:第2の計量オリフィスは、主に肺投与を回避するのに十分に大きい粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されている、実施形態1~3のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0017】
実施形態5:第2の計量オリフィスは、約1ミクロン~約50ミクロンの範囲の平均粒径を有するエアロゾルを生成するように構成されている、実施形態1~4のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0018】
実施形態6:第1の液体組成物および第2の液体組成物が、双方とも噴射剤を含有する、実施形態1~5のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0019】
実施形態7:第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、蒸気圧調整溶媒をさらに含有する、実施形態1~6のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0020】
実施形態8:第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、界面活性剤をさらに含有する、実施形態1~7のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0021】
実施形態9:第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、1つ以上の他の成分をさらに含有する、実施形態1~8のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0022】
実施形態10:第1の液体組成物は活性成分をさらに含有する、実施形態1~9のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0023】
実施形態11:活性成分は、ニコチン、刺激剤、医薬成分、栄養補助食品成分、薬用成分、および植物成分からなる群から選択される、実施形態1~10のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0024】
実施形態12:第2の液体組成物は少なくとも1つの香味化合物をさらに含有する、実施形態1~11のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0025】
実施形態13:第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスは、双方とも、計量弁およびノズルのうちの少なくとも一方をさらに備える、実施形態1~12のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0026】
実施形態14:第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスは、同時に作動するように構成されている、実施形態1~13のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0027】
実施形態15:装置は、エアロゾルを放出するための装置の手動作動を提供するように構成された外部からアクセス可能な作動要素をさらに備える、実施形態1~14のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0028】
実施形態16:装置はコントローラをさらに備え、外部からアクセス可能な作動要素によって装置を手動で作動させると、コントローラにエアロゾルの放出を指示させる、実施形態1~15のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0029】
実施形態17:装置は、ユーザが装置を吸引するときにエアロゾルの放出を提供するように構成されたパフ作動要素をさらに備える、実施形態1~14のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0030】
実施形態18:パフ作動要素は、装置内の差圧を測定するように構成された圧力センサを備える、実施形態1~14および17のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0031】
実施形態19:装置は、圧力センサと直接通信するコントローラをさらに備え、パフ作動要素は、コントローラにエアロゾルの放出を指示させる、実施形態1~14および17~18のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0032】
実施形態20:電源および1つ以上の制御構成要素をさらに備える、実施形態1~19のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0033】
実施形態21:第1のチャンバ内の圧力および第2のチャンバ内の圧力は、独立して周囲圧力よりも大きい、実施形態1~20のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0034】
実施形態22:第1のチャンバ内の圧力および第2のチャンバ内の圧力は、約25psi~約150psiの範囲内である、実施形態1~21のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0035】
実施形態23:マウスピース部をさらに備え、マウスピース部は、第1および第2の計量オリフィスからエアロゾルを受け入れるように配置され、マウスピース部からエアロゾルを放出するための開口部を有する、実施形態1~22のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0036】
実施形態24:第1および第2の計量オリフィスとマウスピース部との間に配置された1つ以上のチャネルをさらに備える、実施形態1~23のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0037】
実施形態25:装置は、第1の計量オリフィスからマウスピース部にエアロゾルを移送するように構成された第1のチャネルと、第2の計量オリフィスからマウスピース部にエアロゾルを別々に移送するように構成された第2のチャネルと、を備える、実施形態1~24のいずれかに記載のエアロゾル送達装置。
【0038】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面とともに以下の詳細な説明を読むことから明らかになろう。本開示の範囲は、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の上述した実施形態の任意の組み合わせ、ならびにそのような特徴または要素が本明細書における特定の実施形態の説明において明示的に組み合わせられるかにかかわらず、本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組み合わせを含む。本開示は、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、任意の分離可能な特徴または要素が、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り組み合わせ可能であることが意図されるものとして見なされるべきであるように、全体的に読まれるように意図される。
【0039】
上記の一般用語で本開示をそのように説明してきたが、ここで、必ずしも縮尺どおりに描かれていない添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本開示の例示的な実施形態にかかる、第1のエアロゾル形成ユニットおよび第2のエアロゾル形成ユニットを備えるエアロゾル送達装置の側断面概略図を示している。
【
図2】本開示の例示的な実施形態にかかる、ハウジングと、第1のチャンバおよび第1の計量オリフィスを備える第1のエアロゾル形成ユニットと、第2のチャンバおよび第2の計量オリフィスを備える第2のエアロゾル形成ユニットとを備えるエアロゾル送達装置の側断面概略図を示している。
【
図3】本開示の例示的な実施形態にかかる、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスが双方とも計量弁およびオリフィスを備えるノズルをさらに備える、第1のエアロゾル形成ユニットおよび第2のエアロゾル形成ユニットの部分切欠側面図を示している。
【
図4】本開示の例示的な実施形態にかかる、カートリッジおよび制御ユニットが分離構成にある、カートリッジおよび制御ユニットを備えるエアロゾル送達装置の正面断面概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示は、その実施形態を参照して、以下においてより完全に説明される。これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の変形を含む。
【0042】
以下に記載されるように、本開示の実施形態は、蒸気および/またはエアロゾルおよび/または別の微粒子化された形態などの吸入可能な形態で液体組成物をユーザに送達するように適合または構成された送達装置に関する。したがって、本開示の装置は、送達装置、エアロゾル送達装置、蒸気送達装置、または気化装置と呼ばれることがあり、前記用語は本明細書では互換的に使用される。本開示にかかる送達装置は、吸入可能な物質を形成するための粒子を生成することができる。そのような装置の構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置と見なすのに十分にコンパクトである物品の形態を有する。すなわち、いくつかの送達装置の構成要素の使用は、タバコの燃焼または熱分解の副産物からの煙の生成をもたらさず、むしろ、これらの好ましいシステムの使用は、液体組成物の気化から生じる蒸気の生成をもたらす。いくつかの例では、送達装置の構成要素は、電子タバコとして特徴付けられることができ、それらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコに由来する成分を組み込み、したがって、エアロゾル形態のタバコ誘導成分を送達する。他の例は、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、植物、医薬品、および/または他の活性成分のための送達装置を含む。
【0043】
本開示の送達装置は、そのいずれかの成分のかなりの程度の燃焼を何ら伴わずにタバコを点火して燃焼させることによって(したがって、タバコの煙を吸い込むことによって)使用されるタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙の多くの感覚(例えば、吸入および呼気行為、味または風味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用行為、視認可能なエアロゾルによって提供されるような視覚的合図など)を提供することができる。例えば、本開示のいくつかの例示的な実施形態にかかるエアロゾル送達装置のユーザは、喫煙者が伝統的な種類の喫煙品を使用するように、その部品を保持して使用し、その部品によって生成されるエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸引し、選択された時間間隔でタバコを吸うまたは吸引するなどすることができる。
【0044】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」または「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達装置および/または気化装置に関連する実施形態に関して本明細書に記載されるが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書で提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻きタバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱式タバコ、計量吸入器、および本明細書に開示される製品のいずれかについての関連する包装の実施形態と併せて使用されることができる。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴、および方法の説明は、例としてのみエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して説明され、他の様々な製品および方法において具現化および使用されてもよいことを理解されたい。
【0045】
本開示の送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品であるとして特徴付けられることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で1つ以上の物質(例えば、香味料および/または医薬品有効成分)を提供するように構成されることができる。例えば、吸入可能物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点より低い温度で気相にある物質)とすることができる。あるいは、吸入可能物質は、エアロゾル(すなわち、気体中の微細な固体粒子または液滴の懸濁液)の形態とすることができる。簡潔にするために、本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、可視であるかどうか、および煙のように見なすことができる形態であるかどうかにかかわらず、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、ガス、およびエアロゾルを含むことを意味する。吸入可能物質の物理的形態は、本発明の装置の性質によって必ずしも限定されないが、それが蒸気状態またはエアロゾル状態で存在するかどうかに関して媒体および吸入可能物質自体の性質に依存することができる。いくつかの実施形態では、「蒸気」および「エアロゾル」という用語は交換可能とすることができる。したがって、簡単にするために、本開示の態様を説明するために使用される「蒸気」および「エアロゾル」という用語は、特に明記しない限り交換可能であると理解され、そのような用語は、本明細書で他の様式で記載される液体組成物から形成された粒子の送達を包含すると理解されることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、本開示の送達装置は、エアロゾル送達装置および蒸気送達装置にしばしば存在する以下の構成要素:電源(例えば、電力源)と、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動させ、制御し、調整し、停止させるための手段、例えば、個々に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)と、液体組成物(例えば、一般に、「スモークジュース」、「e-リキッド」および「e-ジュース」と一般に呼ばれる成分などのエアロゾルを生成することができるエアロゾル前駆体組成物液体)と、液体組成物を収容するように構成された複数(例えば、2つ以上)のチャンバ(例えば、一般に、タンク、リザーバ、キャニスタ、または他の壁付き容器)と、2つ以上の計量オリフィス(例えば、蒸気の形態で液体組成物を選択的に放出する手段、例えば、チャンバと流体連通する1つ以上の弁および/またはノズル)と、マウスピース部と、のうちの1つ以上を備えることができる。上記の構成要素のうちの1つ以上を物理的に組み合わせ、および/または上記の構成要素の一部のみを含み、本明細書に記載の送達装置を提供することが可能であることに留意されたい。
【0047】
様々な実施形態では、いくつかの実施形態ではハウジングと呼ばれることがある外側本体またはシェル内にいくつかのこれらの構成要素が設けられることができる。外側本体またはシェルの全体設計は、様々なものとすることができ、送達装置の全体サイズおよび形状を画定することができる外側本体の形式または構成は、様々なものとすることができる。他の構成も可能であるが、いくつかの実施形態では、紙巻きタバコまたは葉巻の形状に似た細長本体は、単一の一体型ハウジングから形成されてもよく、または細長ハウジングは、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、略管状の形状としてもよく、そのため、従来の紙巻きタバコまたは葉巻の形状に類似している細長シェルまたは本体を備えてもよい。一例では、送達装置の全ての構成要素は、1つのハウジングまたは本体内に収容されている。他の実施形態では、送達装置は、接合されて分離可能な2つ以上のハウジングを備えてもよい。例えば、送達装置は、一端に、1つ以上の再利用可能な構成要素(例えば、充電式電池および/または充電式スーパーキャパシタなどのアキュムレータ、ならびにその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を含むハウジングを備える制御本体を有するとともに、他端に且つ取り外し可能に連結可能に、使い捨て部分を含む外側本体またはシェル(例えば、使い捨て香味料含有カートリッジ)を有してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の送達装置のシェルまたはハウジングまたは送達装置の一部は、実質的に非円形の断面形状を有してもよい。例えば、外側ハウジングまたはシェルは、略平行四辺形の形状であってもよく、したがって少なくとも1対の平行な側面を有してもよく、具体的には2対の平行な側面を有してもよい。他の断面形状(例えば、楕円形、三角形)も包含され、外側ハウジングは、所望に応じて3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれ以上の側面を有してもよいことが理解される。
【0048】
本開示にかかる送達装置は、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給など、物品に様々な機能を提供するのに十分な電流を供給するために、必要に応じてバッテリまたは他の電源を組み込むことができる。電源は、様々な実施形態をとることができる。電源は、好ましくは、送達装置を容易に取り扱うことができるように、送達装置内に都合よく適合するようなサイズにされる。さらに、好ましい電源は、送達装置の望ましい使用を損なわないように十分に軽量である。
【0049】
1つ以上の実施形態では、本開示にかかる送達装置は、その全ての構成要素が単一の外側ハウジングまたはシェルに設けられた一体型装置として提供されることができる。しかしながら、所望であれば、送達装置は、機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に整列させることができるカートリッジおよび別個の制御本体によって画定されるように適合または構成されることができる。カートリッジと制御本体との間の係合の様々な実施形態、例えば、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などが使用されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、一体型装置、カートリッジ、および/または制御本体は、使い捨て可能であるか、または再使用可能であると呼ばれることがある。例えば、制御本体は、交換可能なバッテリまたは再充電可能なバッテリに適合または構成されてもよく、したがって、典型的な交流電気コンセントへの接続、自動車充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどを介したコンピュータへの接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Changらによる米国特許出願公開第2014/0060555号明細書に開示されているように、使い捨てカートリッジを備えてもよい。カートリッジおよび制御本体が利用される場合、必要に応じて、カートリッジは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月15日に出願されたNovakらによる米国特許出願第13/840,264号明細書に開示されているように、カートリッジと制御本体との間の相対回転を実質的に防止する回転防止機構を備えることができるベースを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、本開示にかかる送達装置は、ハウジング内に配置された複数のエアロゾル形成ユニットを含んでもよい。エアロゾル形成ユニットのそれぞれは、液体貯蔵チャンバおよび計量オリフィスを含むように適合または構成されることができる。本明細書でさらに説明するように、計量オリフィスは、放出された液体の少なくとも一部が微粒子化されて、規定の粒径範囲内の平均粒径を有する粒子の形態の液体を提供するように、液体貯蔵チャンバから液体を選択的に放出するように特に適合または構成されることができる。
【0052】
図1は、ハウジングと、第1のエアロゾル形成ユニットと、第2のエアロゾル形成ユニットとを含むカートリッジの形態の送達装置の実施形態を示している。
図2は、本開示の例示的な実施形態にかかる、ハウジングと、第1のチャンバおよび第1の計量オリフィスを具備する第1のエアロゾル形成ユニットと、第2のチャンバおよび第2の計量オリフィスを具備する第2のエアロゾル形成ユニットと、を備えるエアロゾル送達装置を示している。
図1および
図2の双方は、ハウジングまたはカートリッジ内に収容された第1および第2のエアロゾル形成ユニットを備えるエアロゾル送達装置を表す。これに関して、
図1は、本開示の例示的な実施形態にかかる送達装置100を示している。図示するように、送達装置は、第1のエアロゾル形成ユニット102および第2のエアロゾル形成ユニット104を含んでもよい。送達装置は、サイズおよび形状の双方が異なっていてもよく、例えば、いくつかの実施形態では、送達装置は、略棒状、略管状、略円筒形状、または略矩形形状であってもよい。様々な他の実施形態では、送達装置の形状は、略楕円形、略三角形、または不規則な形状であってもよい。
【0053】
図2に示す実施形態などのいくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置100は、ハウジング124内に収容された第1のエアロゾル形成ユニット102および第2のエアロゾル形成ユニット104の双方を含んでもよい。
図2に示すように、いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成ユニット102は、第1の液体組成物108を収容するように構成された第1のチャンバ106と、第1のチャンバ106と流体連通し、第1の平均サイズ範囲の粒子を含む蒸気の形態で第1の液体組成物108を選択的に放出するように構成された第1の計量オリフィス110とを備えてもよい。さらに、第2のエアロゾル形成ユニット104は、第2の液体組成物114を収容するように構成された第2のチャンバ112と、第2のチャンバ112と流体連通し、第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を含む蒸気の形態で第2の液体組成物114を選択的に放出するように構成された第2の計量オリフィス116とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、タンク、リザーバ、キャニスタ、および/または液体エアロゾル形成組成物を貯蔵することができる一般に任意の区画の形態としてもよい。送達装置内のチャンバのサイズおよび配置は、本明細書に記載の異なる実施形態では異なるものとしてもよい。同様に、実質的に同様のサイズであるように示されているが、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、それぞれ独立してサイズ設定されてもよく、異なるサイズであってもよく、例えば、第2のチャンバは、第1のチャンバより小さくてもよく、その逆であってもよいことが理解される。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物は、双方とも噴射剤を含んでもよい。噴射剤は、規定の沸点および規定の蒸気圧を有する液体の形態とすることができる。例えば、適切な噴射剤は、限定されるものではないが、HFA-134a(沸点-26.1℃および蒸気圧約572kPa)、HFA-227(沸点-15.6℃および蒸気圧約390kPa)、HFC-152a(沸点25℃および蒸気圧約510kPa)、および0または0に近いオゾン破壊係数(ODP)を有する任意の他の液体噴射剤を含んでもよい。噴射剤は、好ましくは、制御された選択的な方法で、それぞれのチャンバからの液体の加圧放出を提供するのに十分な量で含まれる。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、蒸気圧調整溶媒をさらに含有してもよい。液体組成物に添加される場合、そのような蒸気調整溶媒は、全溶液に添加される溶媒の量に基づいて液体組成物の全体的な蒸気圧を調整することができる。任意の適切な蒸気圧調整溶媒、例えばエチルアルコールなどが使用されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方は、1つ以上の界面活性剤をさらに含んでもよい。適切な界面活性剤は、これらに限定されるものではないが、ソルビタントリオレート、オレイン酸、大豆レシチン、および肺界面活性剤を含んでもよい。そのような界面活性剤は、液体組成物の総重量に基づいて約0.05%~約5重量%の濃度で含まれてもよい。有利には、液体組成物中の界面活性剤の使用は、粒子凝集およびノズル詰まりの可能性を低減することができ、液体組成物を蒸気に変換するために使用される弁およびノズル機構を潤滑することもできる。さらに、界面活性剤が有益に使用されて、第1の液体組成物および第2の液体組成物の一方または双方の特性を変化させることができる。例えば、界面活性剤を含めることは、様々な液体特性(例えば、表面張力、粘度、および密度)に影響を及ぼす可能性があり、界面活性剤が使用されて粒径を調整するか、または必要に応じて、本明細書に記載の液体組成物を安定化することができる。様々な実施形態では、界面活性剤の使用は任意であり、必要とされることを意図しない。
【0057】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、成分が互いに可溶性であるかまたは互いに不溶性である製剤を提供するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤が第1の液体組成物および第2の液体組成物のうちの少なくとも一方に含まれてもよく、そのような界面活性剤は、加圧噴射剤も含む組成物において不溶性であってもよい。一般に、この理論に拘束されることを意図するものではないが、本明細書に記載の液体組成物中の可溶性成分の使用は、蒸気送達装置内の弁およびノズルの詰まりの可能性を有利に低減することができる。液体組成物のうちの少なくとも一方が懸濁粒子の製剤からなる特定の実施形態では、前記液体組成物内に懸濁粒子を完全に分散させるために、消費者が使用前に吸入器を振盪することも重要であり得る。例えば、粒子および溶液の密度のために、懸濁粒子を含む製剤では、懸濁粒子は、液体表面に上昇するか、または底部において沈降して、装置の作動時に液体組成物の不均一な放出をもたらすことがある。限定されるものではないが、溶液中の活性剤としての硫酸アルブテロール、液体組成物配合物中の低揮発性共溶媒としてのエタノール、および1つ以上の追加の香味剤を含む他の追加の成分が本明細書に記載の液体組成物に組み込まれてもよい。そのような他の追加の成分はまた、これらに限定されるものではないが、溶液中の第1の液体組成物および/または第2の液体組成物の特性を変化させることができる様々な活性剤および溶媒化合物を含んでもよい。例えば、硫酸アルブテロールは、溶液中の活性剤として有用とすることができる。いくつかの実施形態では、エタノールが溶液製剤中の低揮発性共溶媒として使用されて、溶液に添加された様々な界面活性剤を可溶化するか、またはさらに液体組成物の内部蒸気圧を調整することができる。
【0058】
さらに、いくつかの実施形態では、第1のチャンバ内の第1の液体組成物の含有量および第2のチャンバ内の第2の液体組成物の含有量は、エアロゾル送達装置のユーザに対して約20~約400パフに相当するのに十分なものとしてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の液体組成物の含有量は、エアロゾル送達装置のユーザに対して少なくとも約50パフ、またはユーザに対して少なくとも約100パフ、またはユーザに対して少なくとも約150パフ、またはユーザに対して少なくとも約200パフ、またはユーザに対して少なくとも約250パフ、またはユーザに対して少なくとも約300パフ、またはユーザに対して少なくとも約350パフ、またはユーザに対して少なくとも約400パフに相当するのに十分なものとしてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の液体組成物は、活性成分をさらに含有してもよい。適切な活性成分は、これらに限定されるものではないが、ニコチンおよび/または合成ニコチン、植物成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、タイム、ユーカリ、ショウガ、大麻、人参、マカおよびチサン)、刺激剤(例えば、カフェインおよびガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン)および/または医薬、栄養補助食品および薬用成分(例えば、ビタミン、例えばB6、B12およびCならびにカンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD))を含んでもよい。様々な適切な活性成分の例は、別途以下に記載される。いくつかの実施形態では、第1の液体組成物中の活性成分は、エアロゾル前駆体組成物またはニコチン物質の形態としてもよい。例えば、好ましいニコチン物質は、ニコチン塩または遊離ニコチンからなる懸濁粒子(実質的に不溶性)または溶液(完全に可溶性)の形態としてもよい。
【0060】
他のエアロゾル形成材料は、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、およびトリエチレングリコール)および可視エアロゾルを生じる任意の他の材料、ならびにそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。エアロゾル形成材料の代表的なタイプは、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、Sensabaugh,Jrらによる米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらによる米国特許第5,101,839号明細書、Biggsらによる国際公開第98/57556号、およびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988年)に記載されている。他の代表的なタイプのエアロゾル前駆体成分および製剤もまた、これらの開示がそれらの全体の参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらによる米国特許第7,726,320号明細書、Collettらによる米国特許第8,881,737号明細書、およびChongらによる米国特許第9,254,002号明細書、Zhengらによる米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらによる米国特許出願公開第2015/0020823号明細書、およびKollerによる米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらによる国際公開第2014/182736号に記載されて特徴付けられる。使用されることができる他のエアロゾル前駆体は、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品、およびBritish American TobaccoによるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体を含む。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。さらに別の例示的なエアロゾル前駆体組成物は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM,MT.BAKER VAPOR、およびJIMMY THE JUICE MANの商品名で販売されている。発泡性材料の実施形態は、エアロゾル前駆体組成物とともに使用されることができ、例として、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Huntらによる米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に記載されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、Niaziらによる米国特許第4,639,368号明細書、Wehlingらによる米国特許第5,178,878号明細書、Wehlingらによる米国特許第5,223,264号明細書、Patherらによる米国特許第6,974,590号明細書、Bergquistらによる米国特許第7,381,667号明細書、Crawfordらによる米国特許第8,424,541号明細書、Stricklandらによる米国特許第8,627,828号明細書、およびSunらによる米国特許第9,307,787号明細書、ならびにBrinkleyらによる米国特許出願公開第2010/0018539号明細書、およびJohnsonらによる国際公開第97/06786号に記載されており、これらは全てそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。タバコまたはその中に含まれるタバコに由来する成分の説明を含む、エアロゾル前駆体組成物の実施形態に関する追加の説明は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる、それぞれDavisらによる米国特許出願公開第2018/0020722号明細書および米国特許出願公開第2018/0020723号明細書に提供されている。エアロゾル前駆体組成物は、追加的または代替的に、植物成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、タイム、ユーカリ、ショウガ、大麻、人参、マカおよびチサン)、刺激剤(例えば、カフェインおよびガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン)および/または医薬、栄養補助食品および薬用成分(例えば、ビタミン、例えばB6、B12およびCならびにカンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD))を含むがこれらに限定されない他の活性成分を含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、第2の液体組成物は、少なくとも1つの香味化合物をさらに含有してもよい。本明細書で使用される場合、「香味化合物」への言及は、エアロゾル化してユーザに送達することができ、味および/または芳香に関して感覚的経験を与える化合物または成分を指す。例示的な香味化合物は、これらに限定されるものではないが、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、フルーツ(例えば、リンゴ、チェリー、ストロベリー、ピーチ、およびライム、レモン、マンゴーを含む柑橘類香味料、および他の柑橘類香味料)、カエデ、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ジンジャー、ハチミツ、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、エルバメイト、グアユサ、ハニーブッシュ、ルイボス、アマレット、モジト、イエルバサンタ、人参、カモミール、ウコン、バコパモニエラ、ギンコビロバ、ウィザニアソムニフェラ、シナモン、サンダルウッド、ジャスミン、カスカリラ、ココア、リコリス、およびタバコ、葉巻、パイプタバコの香味料に伝統的に使用されているタイプと特性の香味料および香味料パッケージを含む。他の例は、バーレー、オリエンタルタバコ、煙道硬化タバコなどに由来する、またはこれらを模倣する香料を含む。高フルクトースコーンシロップなどのシロップも使用されることができる。好適な例示的な植物由来の組成物は、双方ともDubeらによる米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。そのようなさらなる構成要素の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であり、本開示は、タバコおよびタバコ関連またはタバコ由来の製品の当業者にとって容易に明らかであるそのようなさらなる構成要素を包含することが意図される。例えば、Gutcho、Tobacco Flavoring Substances and Methods、Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。香味化合物への言及は、上記のような単一の香味化合物に限定されるべきではなく、実際には、1つ以上の香味化合物の組み合わせを表すことができることに留意されたい。
【0062】
上述したように、いくつかの実施形態では、第2のチャンバは、1つ以上の肺界面活性剤を含んでもよい。有用な肺界面活性剤は、これらに限定されるものではないが、例えば、リン脂質、ジパルミトイルホスファチジル塩素(DPPC)、界面活性剤タンパク質(SP-A、SP-B、SP-C、SP-Dなど)、中性脂質(コレステロール)、および場合により低濃度の他の液体、例えば水、エチルアルコール、および/または追加の香料を含有してもよい。さらに、第2の液体組成物の粘度および他の特性は、他の相溶性溶媒を添加することによって制御および調整されることができる。第2の液体組成物中の界面活性剤としてリン脂質系分子を使用することが特に有利となり得ることに留意されたい。一般に、上記のリン脂質系分子は、2つの末端を有する。一端は親水性であり、他端は疎水性である。一方の端部の親水性および粒子の大きなサイズのために、それらのほとんどは、それらの疎水性端部が空気経路に向いた状態で口および喉の領域に堆積することに留意されたい。この理論に拘束されることを意図するものではないが、リン脂質粒子のこの早期送達が、2つの異なる利点を有することにさらに留意されたい。1)香味料の観点から消費者を完全に満たすことができる香味料が最初に送達され、喉および口に堆積する(例えば、改善された感覚特性を提供する)、および2)リン脂質分子の疎水性末端は、後で生成されるニコチンを含む水性エアロゾル粒子をはじき、これによりニコチン含有粒子が肺にほぼ完全に送達される(例えば、改善されたニコチン送達を提供する)。
【0063】
上述したように、
図2に戻って参照すると、第1の計量オリフィス110は、第1のチャンバ106と流体連通し、第1の平均サイズ範囲の粒子を含む蒸気の形態で第1の液体組成物108を選択的に放出するように構成されてもよい。本明細書で使用される選択的放出は、それぞれのチャンバからの液体組成物の自発的放出が実質的にまたは完全に回避されるように装置が適合または構成されていることを示す。むしろ、液体組成物は、ユーザによって実行される手動作動および/または個々のユーザの使用動作に応答してコントローラによって実行される自動作動などによって、放出の特定の選択時にそれぞれのチャンバからのみ放出される。いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスは、計量弁(例えば、チャンバから液体組成物を選択的に放出するための手段、例えば、電子的に作動される弁、空気的に作動される弁、または機械的に作動される弁)、ノズル(例えば、チャンバから液体組成物を選択的に放出し、および/または液体組成物を噴霧、気化、またはエアロゾル化するための手段、例えば、内部または外部混合ノズル)、および/またはオリフィス(例えば、放出された蒸気内に含まれる粒径を変更するための手段)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。弁、ノズル、およびオリフィスの様々な組み合わせが、蒸気の形態の第1の液体組成物の選択的放出を提供するように第1の計量オリフィスに組み込まれてもよい。
【0064】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、第2の計量オリフィス116は、第2のチャンバ112と流体連通し、第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を含む蒸気の形態で第2の液体組成物114を選択的に放出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の計量オリフィスは、計量弁(例えば、チャンバから液体組成物を選択的に放出するための手段、例えば、電子的に作動される弁、空気的に作動される弁、または機械的に作動される弁)、ノズル(例えば、液体組成物を噴霧、気化、および/またはエアロゾル化するための手段、例えば、内部または外部混合ノズル)、および/またはオリフィス(例えば、放出された蒸気内に含まれる粒径を変更するための手段)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。弁、ノズル、およびオリフィスの様々な組み合わせが、蒸気の形態の第2の液体組成物の選択的放出を提供するように第2の計量オリフィスに組み込まれてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスのうちの一方は、送達装置のユーザへの前記粒子の肺投与を提供するのに十分に小さい粒径を有する蒸気を生成するように構成されてもよい。本明細書に記載の肺投与は、肺気道におけるエアロゾル投与による、気管内吸入または吸入蒸気中の粒子の堆積を指す。活性成分の肺へのこの堆積は、一般に、以下の機構のうちの1つ以上によって促進される:重力堆積、慣性衝突、および/または拡散。具体的には、本明細書で使用される場合、肺投与は、エアロゾル送達装置のユーザによって吸入された蒸気中の粒子の、実質的に全てがそのユーザの肺に堆積することを指す。いくつかの実施形態では、第1の平均粒径範囲は、約0.05ミクロン~約5ミクロンとしてもよい。いくつかの実施形態では、第1の平均粒径は、約5ミクロン未満、または約2.5ミクロン未満、または約1ミクロン未満、または約0.5ミクロン未満、または約0.1ミクロン未満としてもよい。そのような実施形態では、この平均サイズ範囲内の粒子は、エアロゾル送達装置のユーザへの前記粒子の肺投与を提供する。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスのうちの一方は、送達装置のユーザへの前記粒子の肺投与を主に回避するのに十分に大きい粒径を有する蒸気を生成するように構成される。そのような実施形態では、これらのより大きな粒子は、肺気道に到達する粒子の数が最小限に抑えられるように、ユーザの口または喉への粒子の経口堆積を促進するように特にサイズ決めされる。本明細書で使用される場合、「主に肺投与を回避する」という語句は、蒸気中の粒子の実質的に全てが肺気道に到達する前にユーザの口および喉に吸収されることを意味する。例えば、蒸気中の粒子の少なくとも約50%、または粒子の少なくとも約60%、または粒子の少なくとも約70%、または粒子の少なくとも約80%、または粒子の少なくとも約90%、または粒子の少なくとも約95%、または粒子の少なくとも約99%が、肺気道に到達する前にユーザの口または喉に吸収される。経口堆積は、本明細書中に記載されるように、吸入された蒸気中の粒子の実質的に全てが、肺投与のために必要とされるように、前記粒子の実質的に全てが肺気道に到達しないように、ユーザの口および喉に堆積することを指す。より大きな粒径は、蒸気/エアロゾル粒子の、この所望の経口堆積を、前記蒸気を吸入するユーザに提供するように、蒸気の肺投与を有益に回避することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、第2の平均粒径範囲は、約1ミクロン~約50ミクロンとしてもよい。いくつかの実施形態では、第2の平均粒径は、少なくとも約1ミクロン、または少なくとも約10ミクロン、または少なくとも約20ミクロン、または少なくとも約30ミクロン、または少なくとも約40ミクロン、または少なくとも約50ミクロンとしてもよい。そのような実施形態では、この平均サイズ範囲内の、好ましくはこのサイズ範囲の上端の粒子は、粒子が肺気道に到達する前にユーザの口および喉に吸収されるため、送達装置のユーザへの前記粒子の肺投与を主に回避する。
【0067】
様々な実施形態では、第1および第2のエアロゾル形成ユニットによって生成されるエアロゾル粒子のサイズは、計量オリフィスのサイズ、チャンバの内部蒸気圧、および/または第1の液体組成物および/または第2の液体組成物に使用される配合物の他の物理化学的特性に依存ものとしてもよい。例えば、エアロゾルの粒径は、チャンバの内部蒸気圧を増加させることによって、または製剤中のより小さい粒径を有する溶媒および物質を使用することによって、または製剤中の低濃度のより大きい粒径の物質を使用することによって減少させてもよい。いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスのサイズは、独立して、直径約0.01mm~約0.5mm、または直径約0.05mm~約0.3mm、または直径約0.1mm~約0.2mm(両端を含む)としてもよい。さらに、第1の液体組成物および第2の液体組成物の内部蒸気圧は、それぞれのチャンバ内の各液体組成物の具体的な配合に応じて変えてもよい。例えば、内部蒸気圧は、特定の界面活性剤、異なる種類の溶媒の存在、および/または周囲温度によって影響を受けるものとしてもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバおよび第2のチャンバは、第1のチャンバ内の圧力および第2のチャンバ内の圧力が周囲圧力よりも大きくなるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバ内の圧力および第2のチャンバ内の圧力は、独立して、約25psi~約150psi、または約30psi~約100psi、または約40psi~約70psi(両端を含む)としてもよい。第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスによって生成された蒸気粒子の所望の堆積プロファイルを達成するために、粒径、チャンバの内部蒸気圧、および他の物理化学的特性は変えられてもよい。さらに、第1の計量オリフィスによって生成された粒径が第2の計量オリフィスによって生成された粒径と大きく異なる実施形態では、エアロゾル送達装置は、少なくとも1つの計量オリフィスの下流にバッフルをさらに備え、所望のサイズ範囲内に入らない粒子を除去するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、バッフルは、バッフルから放出される得られた蒸気がより大きなサイズの粒子のみを含むように、サイズがより小さい粒子を吸収するものとしてもよい(その逆も同様)。
【0068】
そのような理論に拘束されることを意図するものではないが、第1の計量オリフィスおよび/または第2の計量オリフィスによって放出される蒸気流の指向速度は、粒径の上述した効果に加えて、エアロゾル粒子の堆積部位にも影響を及ぼし得ることにさらに留意されたい。例えば、蒸気流の指向速度を低下させると、より高い指向速度で達成される経口投与ではなく、エアロゾル粒子の肺投与の可能性を高めることがある。いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスおよび/または第2の計量オリフィスによって生成された蒸気流の指向速度は、約1m/s~約50m/s(両端を含む)としてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、蒸気流を急速に回転する渦に変換する1つ以上の計量オリフィスの下流にシステムを設置し、したがって蒸気流の指向速度を低下させることによって、より低い指向速度(例えば、約10m/s未満、または約5m/s未満、または約2m/s未満)が達成されることができる。そのような実施形態およびシステムは、有利には、より低い指向速度を有する蒸気流の生成および送達装置のユーザの肺内へのエアロゾル粒子の実質的な堆積を提供することができる。
【0069】
上述したように、いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスは、計量弁、ノズル、およびオリフィスのうちの少なくとも1つをさらに備えてもよい。例えば、
図3は、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスが、双方とも、計量弁と、オリフィスを具備するノズルとをさらに備える、第1のエアロゾル形成ユニットおよび第2のエアロゾル形成ユニットの部分切欠側面図を示している。図示の実施形態では、第1のエアロゾル形成ユニット102は、第1の液体組成物108を収容するように構成された第1のチャンバ106と、第1のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲の粒子を含有するエアロゾルの形態で第1の液体組成物を選択的に放出するように構成された第1の計量オリフィス110とを備える。この特定の実施形態では、第1の計量オリフィス110は、第1の計量弁110aと、オリフィス110cを備える第1のノズル110bとをさらに備える。この実施形態によれば、第1の計量弁は、第1のチャンバから第1の液体組成物を選択的に放出し、第1のノズルに第1の液体組成物を送達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、オリフィスを備える第1のノズルは、蒸気が第1の平均サイズ範囲の粒子を含むように、第1の液体組成物を気化/エアロゾル化するように構成される。
【0070】
さらに、図示の実施形態では、第2のエアロゾル形成ユニット104は、第2の液体組成物114を収容するように構成された第2のチャンバ112と、第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を含有する蒸気の形態で第2の液体組成物を選択的に放出するように構成された第2の計量オリフィス116とを備える。この特定の実施形態では、第2の計量オリフィス116は、第2の計量弁116aと、オリフィス116cを備える第2のノズル116bとをさらに備える。この実施形態によれば、第2の計量弁は、第2のチャンバから第2の液体組成物を選択的に放出し、第2のノズルに第2の液体組成物を送達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、オリフィスを備える第2のノズルは、蒸気が第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を含むように、第2の液体組成物を気化/エアロゾル化するように構成される。
【0071】
上述したように、いくつかの実施形態では、送達装置は、エアロゾルを受容するように配置され、マウスピース部からエアロゾルを放出するための開口部を有するマウスピース部を任意に含んでもよい。再び
図2を参照すると、例えば、第1のエアロゾル形成ユニット102および第2のエアロゾル形成ユニット104は、第1のエアロゾル形成ユニット102から放出されたエアロゾルおよび第2のエアロゾル形成ユニット104から放出されたエアロゾルが合成されたエアロゾルとしてマウスピース部118に入るように、マウスピース部118と直接接続している。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成ユニット102および第2のエアロゾル形成ユニット104は、合成されたエアロゾルがマウスピース部に直ちに移送されるようにマウスピース部118に近接して配置されてもよい。例えば、合成されたエアロゾルは、第1のエアロゾル形成ユニット102および第2のエアロゾル形成ユニット104から吹き飛ばされ、吸引され、噴霧され、または他の方法で引き出され、送達装置のマウスピース部118の開口部から外に出されてもよい。
【0072】
さらに、いくつかの実施形態では、送達装置は、任意に、第1および第2のエアロゾル形成ユニットとマウスピース部との間に配置された1つ以上のチャネルを含んでもよく、これらの1つ以上のチャネルを介して、合成された蒸気がエアロゾル形成ユニットからマウスピース部に移送されることを可能にする。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成ユニットとマウスピース部との間に複数のチャネルを有することにより、放出された蒸気がマウスピース部に別々に送達されることを可能にすることができる。例えば、
図2に示すように、送達装置は、第1の計量オリフィス110からマウスピース部118に蒸気を移送するように構成された第1のチャネル120と、第2の計量オリフィス116からマウスピース部118に蒸気を別々に移送するように構成された第2のチャネル122とを含んでもよい。そのような実施形態では、第1の計量オリフィスからの蒸気および第2の計量オリフィスからの蒸気は、マウスピース部で、またはエアロゾル送達装置のユーザの口の中で直接合成される。他の構成は、例えば、計量オリフィスとマウスピース部との間に追加のチャンバまたは管状空隙が存在するように、または蒸気/エアロゾルの混合/合成を提供するセクションが存在するように、またはさらに、放出された蒸気/エアロゾルに追加の香味料を提供するセクションが存在するように、本開示に基づいて知られることが意図される。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の送達装置は、蒸気が生成されて送達装置のユーザに送達されるように送達装置を作動させるための機構を提供する。これらの作動機構は、ユーザによる装置の手動、電子、および/または空気圧作動を提供してもよい。作動および使用の多くの他の方法は、本開示に包含されることが意図されており、本明細書に開示される送達装置は、本明細書に記載される特定の使用および/または作動方法に限定されることを意図しない。いくつかの実施形態では、送達装置は、第1のエアロゾル形成ユニットおよび第2のエアロゾル形成ユニットのうちの少なくとも一方が作動されると作動されることができる。エアロゾル形成ユニットは、アクチュエータ、電気回路、圧力センサ、および/または装置の外部のボタンなどの様々な異なる構成要素の組み合わせを使用して、機械的、電子的、または空気圧で作動されてもよい。本明細書に記載のエアロゾル送達装置は、これらの作動構成要素に限定されず、エアロゾル送達装置に一般的に使用される様々な他の構成要素が、本明細書に記載の送達装置にさらに組み込まれてもよいことに留意されたい。
【0074】
いくつかの実施形態では、送達装置は、蒸気を放出するための装置の手動作動を提供するように構成された外部からアクセス可能な作動要素を備えてもよい。
【0075】
そのような実施形態では、装置は、コントローラを含むこともでき、外部からアクセス可能な作動要素(例えば、装置の外側のボタンを押すこと)によって装置を手動で作動させると、コントローラに蒸気の放出を指示させる(すなわち、計量オリフィスのうちの少なくとも1つを開放する)。いくつかの実施形態では、外部からアクセス可能な作動要素は、ボタンまたはタッチセンサの形態としてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、装置はまた、装置のユーザによって制御されるパフ作動のために構成されることができる。いくつかの実施形態では、送達装置は、ユーザが装置を吸引するときに蒸気の放出を提供するように構成されたパフ作動要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、パフ作動要素は、装置内の差圧を測定するように構成された圧力センサとしてもよい。ユーザが送達装置のマウスピースを吸引または吸入するとき、これは、圧力センサによって測定される装置内に差圧を形成する。本明細書で使用される「差圧」は、装置内の空気流路に沿った単位当たりの流体力の測定値を指す。したがって、ユーザが装置を吸引すると、圧力センサは、高い差圧読み取り値を記録する。いくつかの実施形態では、送達装置は、圧力センサと直接通信するコントローラをさらに備えてもよく、コントローラは、差圧読み取り値が所定のレベルを超えたときに計量オリフィスを作動させるように構成される。そのような実施形態では、ユーザが装置を吸引すると、圧力センサは、コントローラに蒸気の放出を指示させ(すなわち、計量オリフィスのうちの少なくとも1つを開放する)、パフ作動機構を提供する。
【0076】
いくつかの実施形態では、送達装置内の作動機構は、アクチュエータをさらに備えてもよい。そのような実施形態では、アクチュエータは、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスを作動させるように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスは、アクチュエータによって同時に作動されるように構成されてもよい。他の実施形態では、第1の計量オリフィスは、第2の計量オリフィスの作動と比較して遅れて作動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の計量オリフィスは、第1の計量オリフィスの作動と比較して遅れて作動するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、唯一の作動機構として、または送達装置内の1つ以上のセンサ、コントローラ、または外部作動要素と組み合わせて使用されてもよい。例えば、装置が手動作動するように構成されている場合、アクチュエータは、装置の外部のボタンと通信することとしてもよい。そのような構成では、ユーザが装置の外側のボタンを押すと、アクチュエータは、第1および第2の計量オリフィスの双方を同時に、または計量オリフィスの一方に対して遅延して作動させ、それにより、第1および第2の液体組成物を蒸気の形態で選択的に放出する。いくつかの実施形態では、ユーザは、ボタンを所望の期間押して保持することによって蒸気生成の期間を制御することができてもよく(例えば、計量オリフィスが開いている時間を制御し、したがって蒸気の形態で放出される液体組成物の量を制御することによって)、またはボタンは、ボタンを1回押すと所定の期間蒸気を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の計量オリフィスの作動時間(オリフィスが開いている時間の長さ)は、第2の計量オリフィスの作動時間よりも短くてもよい。この作動時間の差は、第2の計量オリフィスに対する第1の計量オリフィスの初期作動を遅延させることによっても達成されてもよい。例えば、第2の計量オリフィスと比較した第1の計量オリフィスの初期作動に対する時間遅延は、0.01秒超、または0.1秒超、または0.5秒超、または1秒超、または2秒超、または3秒超としてもよい。そのような実施形態では、(例えば、香料を有する)第2の液体組成物が、第1の計量オリフィスの作動および(例えば、活性成分を含む)第1の液体組成物の放出の前に、香味付けされたエアロゾル粒子を送達してユーザの口および喉の領域をコーティングすることができるように、第2の計量オリフィスが最初に作動される。装置がパフ作動のために構成されるいくつかの実施形態では、アクチュエータは、代わりに圧力センサと通信してもよい。例えば、ユーザがエアロゾル送達装置を吸引すると、圧力センサは、アクチュエータと通信し、アクチュエータは、計量オリフィスを同時に作動させて、ユーザに送達されることができるエアロゾルを生成する。
【0077】
いくつかの実施形態では、第2の計量オリフィスは、第1のチャンバの前に、または同時に作動されることができる。上述したように、いくつかの実施形態では、蒸気の形態で第2の計量オリフィスから放出される第2の液体組成物は、様々な肺界面活性剤、例えばリン脂質ベースの界面活性剤を含有してもよい。有利には、上記のリン脂質系分子は、2つの末端を有する。一端は親水性であり、他端は疎水性である。一方の端部の親水性および粒子の大きなサイズのために、それらのほとんどは、それらの疎水性端部が空気経路に向いた状態で口および喉の領域に堆積することに留意されたい。この理論に拘束されることを意図するものではないが、リン脂質粒子のこの早期送達が2つの異なる利点を有することにさらに留意されたい。1)香味料の観点から消費者を完全に満たすことができる香味料が最初に送達され、喉および口に堆積する(例えば、改善された感覚特性を提供する)、および2)リン脂質分子の疎水性末端は、後で生成されるニコチンを含む水性エアロゾル粒子をはじき、これによりニコチン含有粒子が肺にほぼ完全に送達される(例えば、改善されたニコチン送達を提供する)。同様に、本明細書に記載の様々な他の活性成分(例えば、刺激剤、医薬成分、栄養補助食品成分、薬用成分、および/または植物成分など)は、ニコチンの有無にかかわらず、様々な実施形態に組み込まれてもよく、上記のニコチン含有粒子と同様に挙動してもよい。
【0078】
本開示の送達装置は、本明細書で上記に開示された構成要素および構成に加えて、エアロゾル送達装置に一般的に使用される任意の数の追加の構成要素または構成を組み込んでもよい。例えば、上述したように、本開示のエアロゾル送達装置はまた、電源(例えば、電力源)と、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、個々に、またはマイクロコントローラの一部として、電源から物品の他の構成要素、例えばマイクロプロセッサへの電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動させ、制御し、調整し、停止させるための手段)と、1つ以上のセンサ(例えば、流量センサ、圧力センサ)と、1つ以上の視覚的構成要素(例えば、LEDインジケータ、視覚的表示ユニット)と、アクチュエータ(例えば、計量オリフィスまたは送達装置内の他の構成要素を作動させるための手段)と、消費者と装置との相互作用構成要素(例えば、ボタン、ニコチン用量送達ディスプレイ、パフカウントディスプレイ、および/またはBluetooth互換性構成要素)と、のうちの1つ以上を含んでもよい。
図4に示す実施形態などのいくつかの実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Taluskieらによる米国特許第10,058,123号明細書に記載されているような、1つ以上の追加の構成要素をさらに備えるエアロゾル送達装置のカートリッジ部に、1つ以上のエアロゾル形成ユニットを組み込んでもよい。
【0079】
図4は、エアロゾル送達装置の場合の制御本体およびカートリッジを含む送達装置の実施形態を示している。これに関して、
図4は、本開示の例示的な実施形態にかかるエアロゾル送達装置200を示している。示されるように、エアロゾル送達装置は、制御本体202およびカートリッジ204を含んでもよい。制御本体およびカートリッジは、エアロゾル送達装置が連結構成または分離構成になり得るように、機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に整列させることができる。これに関して、
図4は、分離構成にあるエアロゾル送達装置の部分切欠側面図を示している。エアロゾル送達装置は、例えば、制御本体およびカートリッジが組み立てられた構成にある場合、いくつかの実施形態では、実質的に棒状、実質的に管状、または実質的に円筒状としてもよい。
【0080】
制御本体202およびカートリッジ204は、圧入(または締まり嵌め)接続、ねじ接続、磁気接続などの様々な接続によって互いに係合するように構成されることができる。したがって、制御本体は、カートリッジ上の第2の係合要素(例えば、コネクタ)に係合するように適合された第1の係合要素(例えば、カプラ)を含んでもよい。第1の係合要素および第2の係合要素は、可逆的であってもよい。例として、第1の係合要素および第2の係合要素のいずれかが雄ねじであり、他方が雌ねじであってもよい。さらなる例として、第1の係合要素または第2の係合要素のいずれかが磁石であってもよく、他方が金属または整合磁石であってもよい。特定の実施態様では、係合要素は、制御本体およびカートリッジの既存の構成要素によって直接画定されてもよい。例えば、制御本体のハウジングは、カートリッジの少なくとも一部(例えば、貯蔵タンクまたはカートリッジの他のシェル形成要素)を受け入れるように構成された空洞をその端部に画定してもよい。特に、カートリッジの貯蔵タンクは、カートリッジのマウスピースが制御本体の空洞の外側に露出したままである間に、制御本体の空洞内に少なくとも部分的に収容されてもよい。カートリッジは、(例えば、戻り止めおよび/またはカートリッジの外面と制御本体空洞を形成する壁の内面との間に干渉係合を形成する他の機構の使用による)締まり嵌め、(例えば、制御本体の空洞内に配置され、カートリッジ上に配置された磁石および/または磁性金属を使用した)磁気係合、または他の適切な技術などによって、制御本体ハウジングによって形成された空洞内に保持されてもよい。
【0081】
図4に示す切断図に見られるように、制御本体202およびカートリッジ204は、それぞれ、複数のそれぞれの構成要素を含む。
図3に示される構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在することができる構成要素の代表であり、本開示によって含まれる構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載されるように、任意の数のこれらの構成要素がエアロゾル送達装置に組み込まれることができるが、それらは存在する必要はないことを理解されたい。図示するように、例えば、制御本体は、制御構成要素208(例えば、処理回路など)、流量センサ210、電源212(例えば、バッテリ、スーパーキャパシタ)、インジケータ214(例えば、LED、量子ドットベースのLED)、および外部からアクセス可能な作動要素218(例えば、ボタン、タッチセンサなど)を含むことができるハウジング206(制御本体シェルと呼ばれることもある)から形成されることができ、そのような構成要素は、可変的に位置合わせされることができる。電源は、再充電可能であってもよく、制御構成要素は、流量センサおよびスイッチに結合されたスイッチおよび処理回路を含んでもよい。制御構成要素はまた、弁またはアクチュエータなどのカートリッジ内の構成要素に接続していてもよい。処理回路は、流量センサからの大気圧の測定値と基準大気圧との間の差を判定するように構成されてもよい。いくつかの実施態様では、流量センサは、絶対圧力センサである。
【0082】
例えば、ハウジングは、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁充電器への接続、自動車充電器(すなわち、シガーライターのレセプタクル)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルまたはコネクタ(例えば、USB 2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(太陽電池と呼ばれることもある)または太陽電池のソーラーパネルへの接続、誘導無線充電を使用する充電器(例えば、ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)からのQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)、または無線周波数(RF)ベースの充電器などの無線充電器を含む、任意のタイプの充電技術と組み合わせられてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Surらによる米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。
【0083】
いくつかの実施形態では、電源はまた、コンデンサを備えてもよい。コンデンサは、バッテリよりも速く放電することができ、パフの間に充電されることができ、バッテリが2つ以上の別個の構成要素に一度に電力を供給するために使用される場合よりも低い速度でコンデンサ内に放電することを可能にする。例えば、スーパーキャパシタ、例えば、電気二重層キャパシタ(EDLC)は、電池とは別に、または電池と組み合わせて使用されてもよい。単独で使用される場合、スーパーキャパシタは、物品を使用する前に再充電されてもよい。したがって、装置はまた、スーパーキャパシタを補充するために使用の間に喫煙品に取り付けられることができる充電器構成要素を含んでもよい。
【0084】
本開示のエアロゾル送達装置では、さらなる構成要素が利用されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、消費者が物品を吸引する際の圧力変化または空気流変化のいずれかに敏感な流量センサを含んでもよい(例えば、パフ作動スイッチ)。他の可能な電流作動/非作動機構は、温度作動オン/オフスイッチまたはリップ圧力作動スイッチを含んでもよい。そのようなパフ作動機能を提供できる機構の例は、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサを含む。代表的なフローセンサ、電流調整構成要素、およびエアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサ、およびスイッチを含む他の電流制御構成要素は、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、全てBrooksらによる米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書、および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらによる米国特許第7,040,314号明細書、およびPanによる米国特許第8,205,622号明細書に記載されており、これらは全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Ampoliniらによる米国特許第9,423,152号明細書に記載されている制御スキームも参照されたい。
【0085】
別の例では、エアロゾル送達装置は、装置を保持するユーザの第1の身体部分に接触するように構成された第1の導電性表面と、第1の導電性表面から導電的に絶縁され、ユーザの第2の身体部分に接触するように構成された第2の導電性表面とを備えてもよい。したがって、エアロゾル送達装置が第1の導電性表面と第2の導電性表面との間の導電性の変化を検出すると、計量オリフィスが作動して物質を気化させ、その結果、蒸気がユニットを保持するユーザによって吸入されることができる。第1の身体部分および第2の身体部分は、唇または手の一部としてもよい。2つの導電性表面はまた、パーソナル気化装置ユニットに含まれるバッテリを充電するために使用されてもよい。2つの導電性表面はまた、メモリに記憶されたデータを出力するために使用されることができるコネクタを形成してもよく、またはその一部であってもよい。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Terryらによる米国特許第9,861,773号明細書を参照されたい。
【0086】
さらに、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.による米国特許第5,261,424号明細書は、吸引取得に関連するユーザの唇の活動を検出した後に加熱装置の加熱をトリガーするために装置の口端に関連付けることができる圧電センサを開示しており、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを介した圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギの流れを制御するためのパフセンサを開示しており、Harrisらによる米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子と、構成要素がレセプタクルに挿入されるときに検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内のレセプタクルを開示しており、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する定義済みの実行可能パワーサイクルについて記載しており、Watkinsらによる米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニック-オプトロニック構成要素を開示しており、Countsらによる米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を介して吸引抵抗を変更するための手段を開示しており、Blakeらによる米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置で使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらによる米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置で使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらによる米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にして装置のコンピュータ制御を可能にするための、喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらによる米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置の識別システムを開示しており、Flickによる国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システムのパフを示す流体フロー検知システムを開示しており、前述の開示の全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0087】
電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素および本装置で使用することができる開示材料または構成要素のさらなる例は、Gerthらによる米国特許第4,735,217号明細書、Morganらによる米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらによる米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらによる米国特許第6,053,176号明細書、Whiteによる米国特許第6,164,287号明細書、Vogesによる米国特許第6,196,218号明細書、Felterらによる米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsによる米国特許第6,854,461号明細書、Honによる米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiによる米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoによる米国特許第7,896,006号明細書、Shayanによる米国特許第6,772,756号明細書、Honによる米国特許第8,156,944号明細書および米国特許第8,375,957号明細書、Thorensらによる米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらによる米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらによる米国特許第8,915,254号明細書および米国特許第8,925,555号明細書、DePianoらによる米国特許第9,220,302号明細書、Honによる米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらによる米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangによる米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、Honによる国際公開第2010/091593号、およびFooによる国際公開第2013/089551号を含み、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、2015年10月13日に出願されたWormらによる米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達装置およびエアロゾル送達装置用のフォブ形状構成に含まれることができるカプセルを開示しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。前述の文献によって開示された様々な材料は、様々な実施形態において本装置に組み込まれることができ、前述の開示の全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0088】
図4に示すように、この図示の実施形態では、カートリッジ204は、第1のエアロゾル形成ユニット220および第2のエアロゾル形成ユニット222を囲むハウジング216(カートリッジシェルと呼ばれることもある)から形成されることができる。上述したように、第1のエアロゾル形成ユニット220は、第1の液体組成物を収容するように構成された第1のチャンバと、第1のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲の粒子を含む蒸気の形態で第1の液体組成物を選択的に放出するように構成された第1の計量オリフィスと、を備えてもよい。さらに、第2のエアロゾル形成ユニット222は、第2の液体組成物を収容するように構成された第2のチャンバと、第2のチャンバと流体連通し、第1の平均サイズ範囲とは異なる第2の平均サイズ範囲の粒子を含む蒸気の形態で第2の液体組成物を選択的に放出するように構成された第2の計量オリフィスと、を備えてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、マウスピース部224はハウジング216内に(例えば、カートリッジの吸口端に)存在してもよく、それによって、第1のエアロゾル形成ユニットおよび第2のエアロゾル形成ユニットから蒸気を受け取るように配置され、マウスピース部224から蒸気を放出するための開口部を有する。カートリッジ204はまた、第1のエアロゾル形成ユニットおよび第2のエアロゾル形成ユニットと通信するように適合されたアクチュエータ226を含んでもよい。アクチュエータ226は、ユーザによるボタンの押下に応答して、またはユーザがエアロゾル送達装置を吸引すると、第1の計量オリフィスおよび第2の計量オリフィスを同時に作動させるように構成されることができる。したがって、エアロゾル送達装置は、手動作動またはパフ作動のために構成されてもよい。アクチュエータは、カートリッジまたはそのベース228内のどこに配置されてもよい。アクチュエータおよびその機能は、エアロゾル形成ユニットに関連するため、本明細書では以下にさらに詳細に説明される。
【0089】
制御本体202およびカートリッジ204は、それらの間の流体係合を促進するように適合された構成要素を含んでもよい。
図4に示すように、制御本体は、内部に空洞232を有するカプラ230を含むことができる。カートリッジのベース228は、カプラと係合するように適合させることができ、空洞内に嵌合するように適合された突起234を含むことができる。そのような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を容易にするとともに、制御本体内の電源212と制御構成要素208とカートリッジ内のアクチュエータ構成要素226との間の電気的接続を確立することができる。さらに、ハウジング206は、吸気口236を含むことができ、吸気口は、カプラの周囲の周囲空気がハウジング内に通過し、次いでカプラの空洞232を通過し、突起234を通ってカートリッジ内に入ることを可能にするカプラに接続するハウジング内のノッチとしてもよい。例えば、ユーザがエアロゾル送達装置の吸口端を吸引するとき、または空気ポンプがエアロゾル送達装置内に空気を押し込むように係合されるとき、この吸引力は、周囲空気を吸気口236に進入させ、カプラ230内の空洞232およびベース228の突起234内の中央開口を通過させる。マウスピース部220において、吸引された空気は、第1のエアロゾル形成ユニットからの蒸気および第2のエアロゾル形成ユニットからの蒸気と合成する。合成されたエアロゾルは、エアロゾル送達装置のマウスピース部224の開口部から払いのけられ、吸引され、噴霧され、または他の方法で引き出される。
【0090】
本開示にかかる有用なカプラおよびベースは、参照により本明細書に組み込まれる、Novakらによる米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されている。例えば、
図4に見られるようなカプラ230は、ベース228の内周240と噛み合うように構成された外周238を画定してもよい。一例では、ベースの内周は、カプラの外周の半径に略等しいか、それよりも僅かに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラは、ベースの内周に画定された1つ以上の凹部244と係合するように構成された外周に1つ以上の突起242を画定してもよい。しかしながら、構造、形状、および構成要素の他の様々な例を使用して、ベースをカプラに結合してもよい。いくつかの例では、カートリッジ104のベースと制御本体102のカプラとの間の接続は、略永続的としてもよいが、他の例では、それらの間の接続は、例えば、制御本体が使い捨ておよび/または詰め替え可能とすることができる1つ以上の追加カートリッジとともに再利用されることができるように解放可能であってもよい。電子タバコの場合の制御本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達装置の実施形態に関するさらなる詳細については、参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月9日に出願されたSurによる米国特許出願第15/836,086号明細書、およびSurらによる米国特許出願第15/916,834号明細書、ならびにSurによる米国特許出願第15/916,696号明細書を参照されたい。
【0091】
本開示の多くの変更および他の実施形態が、前述の説明および関連する図面に示された教示の利益を有することを本開示が関する当業者が思い付くであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用され、限定のためではない。
【国際調査報告】