(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】FGFR阻害剤とするピラゾール類誘導体及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
C07D 231/40 20060101AFI20221025BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221025BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221025BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20221025BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20221025BHJP
A61K 31/415 20060101ALI20221025BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20221025BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20221025BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
C07D231/40 CSP
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P35/02
A61K31/496
A61K31/415
C07D403/12
C07D401/12
A61K31/454
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513305
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 CN2020112173
(87)【国際公開番号】W WO2021037219
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】201910819661.X
(32)【優先日】2019-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010451000.9
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520415959
【氏名又は名称】上海奕拓醫藥科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】ETERN BIOPHARMA (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】F3-B1, NO.400 FANGCHUN RD SHANGHAI PILOT FREE TRADE ZONE SHANGHAI 201210 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼乾▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陸▼▲繼▼▲廷▼
(72)【発明者】
【氏名】姚佳奇
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC22
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD10
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC36
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC42
(57)【要約】
本発明は、EGFRの不可逆阻害剤とするアミドピラゾール化合物、その調製方法および応用を提供する。具体的に、本発明は、式Iに示された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物を提供する。上記の一般式Iの化合物は、FGFR阻害活性を有し、FGFR活性または発現量に関連する疾患、好ましくは癌などを予防または治療することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iに示された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物:
【化A】
ただし、
【化B】
は、二重結合または三重結合を表す;
R
6は、Hまたはなしから選べられ、かつ
【化C】
は、二重結合を表す場合、R
6はHであり、
【化D】
は三重結合である場合、R
6がない;
X、Y、Zは、それぞれに、独立にCまたはNから選べられる;
R
1の個数は、1-3個であり、かつ独立に以下から選べられる:H、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、
-CO
2R
1-1基、
-CONR
1-2OR
1-3基、
-NR
1-4COR
1-5基、
-NR
1-6CO
2R
1-7基、
-NR
1-8R
1-9基、
-SO
2R
1-10基、
-SO
2NR
1-11R
1-12基、
-NR
1-13SO
2R
1-14基、
C1-C8アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C8アルケニル基、3-8元ヘテロシクリル基、C1-C6アルコキシ基、5-10元アリール環基、5-10元ヘテロアリール環基、または二つの隣接するR
1基は、それらと連結する原子と一緒に3-8元炭素環基またはヘテロシクリルを形成し、または二つの隣接するR
1基は、それらと連結する原子と一緒に5-10元アリール環基またはヘテロアリール環基を形成し、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリール環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルカルボニル、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)
2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)
2(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)
2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)N(置換または置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリール包含1-4個の以下から選べられるヘテロ原子:N、OまたはS、かつ上記の置換基が、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、アミノ基(-NH
2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)
2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)と-CO
2(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル);
R
2は、以下から選べられる:ハロゲン、
--CO
2R
2-1基、
-CONR
2-2OR
2-3基、
-NR
2-4COR
2-5基、
-NR
2-6CO
2R
2-7基、
-NR
2-8R
2-9基、
-SO
2R
2-10基、
-SO
2NR
2-11R
2-12基、
-NR
2-13SO
2R
2-14基、
C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元芳香環基、5-10元ヘテロ芳香環基;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロゲン化アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C1-C6アルキルチオ基、-N(C1-C6アルキル)
2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、-S(O)
2N(C1-C6アルキル)
2、-S(O)
2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)
2N(C1-C6アルキル)
2、-S(O)N(C1-C6アルキル)
2、-S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)
2、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリルと3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS、かつ上記の置換基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、ハロゲン化C3-C8シクロアルキル、ハロゲン化C1-C6アルキルチオ基、(ハロゲン化C1-C6アルキル)NH-、(ハロゲン化C1-C6アルキル)
2N-、-CO
2(ハロゲン化C1-C6アルキル);
R
3は、以下から選べられる:H、
-CO
2R
3-1基、
-CONR
3-20R
3-3基、
-NR
3-4COR
3-5基、
-NR
3-6CO
2R
3-7基、
-NR
3-8R
3-9基、
-SO
2R
3-10基、
-SO
2NR
3-11R
3-12基、
-NR
3-13SO
2R
3-14基、
C1-C8アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C8アルケニル基、3-8元ヘテロシクリル基、C1-C6アルコキシ基、5-10元アリール環基、5-10元ヘテロアリール環基、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリール環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルカルボニル、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)
2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)
2(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)
2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)N(置換または置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS、かつ上記の置換基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、アミノ基(-NH
2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)
2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CO
2(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル);
R
5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基;上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルカルボニル、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)
2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)
2(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)
2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)N(置換または置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはSであり、かつ上記の置換基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、アミノ基(-NH
2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)
2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CO
2(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル);
R
1-1は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、または置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
R
1-2とR
1-3は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
1-2とR
1-3は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
1-4とR
1-5は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
1-4とR
1-5は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
1-6とR
1-7は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
1-6とR
1-7は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
1-8とR
1-9は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
1-8とR
1-9は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
1-10は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
R
1-11とR
1-12は、それぞれに独立にH、C1-C6アルキル、またはC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
1-11とR
1-12は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH
2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)
2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
R
1-13とR
1-14は、それぞれに独立にC1-C6アルキル、C1-C6シクロアルキルを表し、またはR1
-13とR1
-14は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH
2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)
2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
R
2-1は、ハロゲン化されたC1-C6アルキルまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
R
2-2とR
2-3は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
2-2とR
2-3は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
2-4とR
2-5は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
2-4とR
2-5は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
2-6とR
2-7は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
2-6とR
2-7は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
2-8とR
2-9は、それぞれに独立に、C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
2-8とR
2-9は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成し、またはR
2-8とR
2-9は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された5-10元不飽和複素芳香環を形成し、またはR
2-8とR
2-9は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された5-10元複素芳香環を形成する;
R
2-10は、ハロゲン化されたC1-C6アルキルまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
R
2-11とR
2-12は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
2-11とR
2-12は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
2-13とR
2-14は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
2-13とR
2-14は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
-CO
2R
3-1基、
-CONR
3-20R
3-3基、
-NR
3-4COR
3-5基、
-NR
3-6CO
2R
3-7基、
-NR
3-8R
3-9基、
-SO
2R
3-10基、
-SO
2NR
3-11R
3-12基、
-NR
3-13SO
2R
3-14基、
R
3-1は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、または置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
R
3-2とR
3-3は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
3-2とR
3-3は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
3-4とR
3-5は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
3-4とR
3-5は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
3-6とR
3-7は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
3-6とR
3-7は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
3-8とR
3-9は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
3-8とR
3-9は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
3-10は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
R
3-11とR
3-12は、それぞれに独立にH、C1-C6アルキル、またはC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
3-11とR
3-12は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH
2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)
2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
R
3-13とR
3-14は、それぞれに独立にC1-C6アルキル、C1-C6シクロアルキルを表し、またはR
3-13とR
3-14は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH
2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)
2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH。
【請求項2】
請求項1に記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物、ただし、R
3は、5-10元芳香環基と5-10元ヘテロ芳香環基から選べられ、上記のヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルカルボニル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)
2N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)
2(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)、-N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)S(O)
2N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)、-N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)
2、-N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)S(O)(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)、ハロゲン化または置換されない5-10元アリール、ハロゲン化または置換されない5-10元ヘテロアリール、ハロゲン化または置換されない3-8元ヘテロシクリル、ハロゲン化または置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;
好ましくに、R
3は、以下から選べられる:5-10元アリール環基と5-10元ヘテロアリール環基、上記のヘテロアリール環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルカルボニル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシカルボニル。
【請求項3】
請求項2に記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、以下の式IIに示された構造を有する:
【化E】
ただし、R
4は、1-5個であり、かつそれぞれに独立にH、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、
-CO
2R
4-1基、
-CONR
4-20R
4-3基、
-NR
4-4COR
4-5基、
-NR
4-6CO
2R
4-7基、
-NR
4-8R
4-9基、
-SO
2R
4-10基、
-SO
2NR
4-11R
4-12基、
-NR
4-13SO
2R
4-14基、
C1-C8アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C8アルケニル基、3-8元ヘテロシクリル基、C1-C6アルコキシ基、5-10元アリール環基、5-10元ヘテロアリール環基、または二つの隣接するR
4基は、それらと連結する原子と一緒に3-8元炭素環基またはヘテロシクリルを形成し、または二つの隣接するR
4基は、それらと連結する原子と一緒に5-10元アリール環基またはヘテロアリール環基を形成し、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリール環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルカルボニル、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)
2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)
2(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)
2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)N(置換または置換されないC1-C6アルキル)
2、-S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS、かつ上記の置換基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、アミノ基(-NH
2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)
2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CO
2(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル);
R
4-1は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、または置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
R
4-2とR
4-3は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
4-2とR
4-3は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
4-4とR
4-5は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
4-4とR
4-5は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
4-6とR
4-7は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
4-6とR
4-7は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
4-8とR
4-9は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
4-8とR
4-9は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
R
4-10は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
R
4-11とR
4-12は、それぞれに独立にH、C1-C6アルキル、またはC3-C6シクロアルキルを表し、またはR
4-11とR
4-12は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH
2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)
2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
R
4-13とR
4-14は、それぞれに独立にC1-C6アルキル、C1-C6シクロアルキルを表し、またはR
4-13とR
4-14は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH
2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)
2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
【化F】
、X、Y、X、R
1、R
2、R
5とR
6の定義は、請求項1に記載された通りである。
【請求項4】
請求項1-3のいずれか一つに記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、R
1は、以下から選べられる:H、Cl、F、Br、-OH、-CN、C1-C4アルキル、C1-C4アルキルヒドロキシル、-(C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)
2、-(C1-C3アルキル)NH
2、C1-C3アルコキシ、-O-(C1-C3アルキル)-OH、-O(C1-C3アルキル)O(C1-C3アルキル)、-N(C1-C3アルキル)
2、-NHPh、-NH(C1-C3アルキル)、-NH(C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)
2、-CONH
2、-NHCO(C1-C3アルキル)、-NHCOH、-NHCOPh、-CO
2H、-CO
2(C1-C3アルキル)、-SO
2(C1-C3アルキル)、-NHSO
2(C1-C3アルキル)、-SO
2N(C1-C3アルキル)
2;好ましくに、R
1は、H、Cl、F、Br、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシから選べられる。
【請求項5】
請求項1-3のいずれか一つに記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、R
2は、以下から選べられる:ハロゲン、ハロゲン化C1-C4アルキル、ハロゲン化C1-C4アルキルヒドロキシル、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)
2、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH
2、ハロゲン化C1-C3アルコキシ、-O-(ハロゲン化C1-C3アルキル)-OH、-O(ハロゲン化C1-C3アルキル)O(C1-C3アルキル)、-O(C1-C3アルキル)O(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-N(C1-C3アルキル)(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、ハロゲン化フェニルアミノ、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)
2、-NH(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-NH(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-NHCO(ハロゲン化C1-C3アルキル)、ハロゲン化ベンズアミド、-CO
2(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-SO
2(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-NHSO
2(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-SO
2N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、3-7元炭素環基、3-7元ヘテロシクリル基、5-6元芳香環基と5-6元ヘテロ芳香環基;上記のヘテロシクリルまたはヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の環基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、ハロゲン化C1-C4アルキル、ハロゲン化C1-C4アルコキシ、ハロゲン化C3-C8シクロアルキル、ハロゲン化C1-C4アルキルチオ基、-N(ハロゲン化C1-C6アルキル)
2、-NH(ハロゲン化C1-C6アルキル)、ハロゲン化C1-C3アルキル-O-C1-C3アルキル、C1-C3アルキル-O-ハロゲン化C1-C3アルキル、ハロゲン化C3-C6シクロアルキル-C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル-ハロゲン化C1-C4アルキル、ハロゲン化C1-C4アルキルカルボニル、ハロゲン化C1-C4アルコキシカルボニル、-S(O)
2N(ハロゲン化C1-C4アルキル)
2、-S(O)
2(ハロゲン化C1-C4アルキル)、-N(ハロゲン化C1-C4アルキル)S(O)
2N(C1-C6アルキル)
2、-N(C1-C4アルキル)S(O)
2N(ハロゲン化C1-C4アルキル)
2、-S(O)N(ハロゲン化C1-C4アルキル)
2、-S(O)(ハロゲン化C1-C4アルキル)、-N(ハロゲン化C1-C4アルキル)S(O)N(C1-C4アルキル)
2、-N(C1-C4アルキル)S(O)N(ハロゲン化C1-C4アルキル)
2、-N(ハロゲン化C1-C4アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C4アルキル)S(O)(ハロゲン化C1-C6アルキル)、ハロゲン化5-6元アリール、ハロゲン化5-6元ヘテロアリール、ハロゲン化3-7元ヘテロシクリル、ハロゲン化3-7元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;
好ましくに、R
2は、-NR
2-8R
2-9基、ただし、R
2-8とR
2-9は、それぞれに独立に、H、C1-C6アルキルとハロゲン化C1-C6アルキルであり、かつR
2-8とR
2-9には、少なくとも一つは、ハロゲン化C1-C6アルキルである;及びC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元アリール環基と5-10元ヘテロアリール環基から選べられる、ただし、これらの基は、少なくとも、ハロゲンおよび/またはC1-C6ハロゲン化アルキルに置換され、任意的にさらに、以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換される:C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、-N(C1-C6アルキル)
2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリル和3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS。
【請求項6】
請求項1-3のいずれか一つに記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、R
5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基;上記の基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS、かつ上記の置換基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、アミノ(-NH
2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)
2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル);
好ましくに、R
5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基;上記の基C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基は、それぞれに、任意的に、一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換される:-D、ハロゲン、-OH、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)。
【請求項7】
請求項1に記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、
R
1は、H、ハロゲン、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシから選べられ、好ましくに、H、ハロゲンまたはC1-C3アルコキシであり、より好ましくに、Hである;
R
2は、-NR
2-8R
2-9基、ただし、R
2-8とR
2-9は、それぞれに独立に、H、C1-C6アルキルとハロゲン化C1-C6アルキルであり、かつR
2-8とR
2-9には、少なくとも一つは、ハロゲン化C1-C6アルキルである;及びC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元アリール環基と5-10元ヘテロアリール環基から選べられ、ただし、これらの基は、少なくとも、ハロゲンおよび/またはC1-C6ハロゲン化アルキルに置換され、任意的にさらに、以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換される:C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、-N(C1-C6アルキル)
2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリル和3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;
R
3は、5-10元アリール環基と5-10元ヘテロアリール環基から選べられ、上記のヘテロアリール環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルカルボニル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシカルボニル;
【化G】
は、二重結合を表す;
R
5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基;上記の基C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基は、それぞれに、任意的に、一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換される:-D、ハロゲン、-OH、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル);
R
6は、Hである。
【請求項8】
請求項3に記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、
R
1は、H、ハロゲン、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシから選べられ、好ましくに、H、ハロゲンまたはC1-C3アルコキシであり、より好ましくに、Hである;
R
2は、-NR
2-8R
2-9基、ただし、R
2-8とR
2-9は、それぞれに独立に、H、C1-C6アルキルとハロゲン化C1-C6アルキルであり、かつR
2-8とR
2-9には、少なくとも一つは、ハロゲン化C1-C6アルキルである;及びC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元アリール環基と5-10元ヘテロアリール環基から選べられ、ただし、これらの基は、少なくとも、ハロゲンおよび/またはC1-C6ハロゲン化アルキルに置換され、任意的にさらに、以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換される:C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、-N(C1-C6アルキル)
2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリル和3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;
R
4は、以下から選べられる:C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基;ただし、これらの基は、任意的に、一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換される:-D、ハロゲン、-OHと置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ;
【化H】
は、二重結合を表す;
R
5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基;上記の基C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基は、それぞれに、任意的に、一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換される:-D、ハロゲン、-OH、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)
2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル);
R
6は、Hである。
【請求項9】
請求項1-6のいずれか一つに記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、R
2は、以下から選べられる:ハロゲン化C1-C3アルキル、ハロゲン化C1-C3アルコキシ、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)
2、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH
2、-O-(ハロゲン化C1-C3アルキル)-OH、-O(ハロゲン化C1-C3アルキル)O(C1-C3アルキル)、-O(C1-C3アルキル)O(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)
2、-NH(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-NH(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-NHCO(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-CO
2(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-SO
2(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-NHSO
2(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-SO
2N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、
【化I】
ただし、これらの環基は、少なくとも一個の以下の基から選べられる置換基に置換される:ハロゲン、C1-C4アルキル和ハロゲン化C1-4アルキル、かつ置換基の少なくとも一つは、ハロゲンまたはハロゲン化C1-C4アルキルである。
【請求項10】
請求項1又は3に記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、
Xは、CまたはNから選べられる;
Yは、Cである;
Zは、Cである;
R
1は、H、ハロゲン、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシから選べられ、好ましくに、H、ハロゲンまたはC1-C3アルコキシであり、より好ましくに、Hである;
R
2は、以下から選べられる:ハロゲン化C1-C3アルキル、ハロゲン化C1-C3アルコキシ、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)
2、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH
2、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)
2、-NH(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-NH(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、及び
【化J】
ただし、これらの環基は、少なくとも一個の以下の基から選べられる置換基に置換される:ハロゲン、C1-C4アルキル和ハロゲン化C1-4アルキル、かつ置換基の少なくとも一つは、ハロゲンまたはハロゲン化C1-C4アルキルである;
R
3は、任意的に一つまたは複数のハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシから選べられる置換基に置換された5-10元芳香環基である;またはR
4は、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシである;
【化K】
は、二重結合を表す;
R
5は、H、C1-C3アルキル基とC1-C3アルコキシ基から選べられる;
R
6は、Hである。
【請求項11】
請求項1に記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、
Xは、CまたはNから選べられる;
Yは、Cである;
Zは、Cである;
R
1は、H、ハロゲン、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシから選べられ、好ましくに、H、ハロゲンまたはC1-C3アルコキシであり、より好ましくに、Hである;
R
2は、以下から選べられる:ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)
2、-(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、ハロゲン化3-8元ヘテロシクリルとハロゲン化C1-C6アルキルに置換された3-8元ヘテロシクリル、ただし、上記のヘテロシクリルは、任意的に1または2個の上記のハロゲンとハロゲン化C1-C6アルキル以外のC1-C6アルキルとC1-C6アルコキシから選べられる置換基に更に置換された;好ましくに、上記のヘテロシクリルは、1または2つの窒素を有するヘテロシクリルであり、より好ましくに、上記のヘテロシクリルは、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルとアゼチジンから選べられる;
R
3は、任意的に一つまたは複数のハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシから選べられる置換基に置換された5-10元芳香環基であり、好ましくに、一つまたは複数のハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシから選べられる置換基に置換されたフェニルである;
【化L】
は、二重結合を表す;
R
5は、HまたはC1-C3アルキルである;及び
R
6は、Hである。
【請求項12】
請求項1に記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物であって、ただし、上記の化合物は、以下から選べられる:
【化M-1】
【化M-2】
【請求項13】
薬物組成物であって、ただし、上記の薬物組成物は、以下を含む:
(i)活性成分である請求項1~12のいずれか一つに記載された有效量の式I化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物;及び
(ii)薬学的に許容される担体。
【請求項14】
請求項13に記載された薬物組成物であって、ただし、上記の薬物組成物は、FGFRの活性または発現量に関連する疾患の治療または予防に用いられ、好ましくに、上記の疾患は、以下から選べられる:膀胱がん、肝がん、脳がん、乳がん、結腸がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、胃がん、子宮頸がん、結腸がん、甲状腺がん、皮膚がん、胆管がん、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、バーケッツリンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形腫、神経芽細胞腫、神経膠腫。
【請求項15】
請求項1-12のいずれか一つに記載された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物の応用であって、ただし、上記の応用は:
(1)FGFRキナーゼ活性または発現量と関連する疾患を治療または予防する医薬品組成物を調製する;
(2)FGFRキナーゼ阻害剤を調製する。
【請求項16】
請求項15に記載された応用であって、ただし、上記のFGFRキナーゼは、以下から選べられる:FGFR1、FGFR2、FGFR3、とFGFR4。
【請求項17】
請求項15に記載された応用であって、ただし、上記の疾患は、以下から選べられる:膀胱がん、肝がん、脳がん、乳がん、結腸がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、胃がん、子宮頸がん、結腸がん、甲状腺がん、皮膚がん、胆管がん、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、バーケッツリンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形腫、神経芽細胞腫、神経膠腫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が、ピラゾール類誘導体及びその調製方法、及びそれらを含む薬物組成物、と当該薬物組成物を調製する方法、及びそれが疾患の治療における応用を開示した。
【背景技術】
【0002】
線維芽細胞成長因子(FGF)は、発生中や血管新生の形態形成など、多くの生理学的プロセスの重要なメディエーターであると考えられる。現在、FGFファミリーには25を超える既知のメンバーがいる。線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)ファミリーには、細胞外リガンド結合領域、単一の膜貫通領域、および細胞内細胞質タンパク質チロシンキナーゼ領域で構成される4つのメンバー(FGFR1、FGFR2、FGFR3とFGFR4)が含まれている。FGF刺激下では、FGFRが二量体化とリン酸転移を起こし、受容体の活性化につながる。受容体の活性化は、細胞増殖、細胞代謝、細胞生存の調節などのさまざまなプロセスに関与する特定の下流シグナルリガンドを回復および活性化するのに十分である。その結果、FGFおよびFGFRは腫瘍形成を引き起こしたり促進したりする可能性がある。
【0003】
現在、FGFシグナル伝達がヒトの癌に直接関係しているという証拠はたくさんあり、さまざまな種類の腫瘍(膀胱、腎臓細胞、前立腺腫瘍など)では、さまざまなFGFの発現が増加しているという報告がある。FGFは強力な血管新生因子としても述べられる。生理学的条件下では、その受容体メンバーの1つであるFGFR4シグナル伝達経路は厳密に制御されているが、FGFR4シグナル伝達の調節不全は、癌の発生、発展、生存、および転移を引き起こす。したがって、線維芽細胞成長因子受容体FGFRは、重要な抗腫瘍薬の標的と広く見なされている。たとえば、PCT/GB2007/004917に開示されたAZD4547は、FGFR1、2、および3を標的とする阻害剤であり、乳がんおよび非小細胞肺がんの治療に使用される。その構造は次のとおり:
【0004】
【0005】
上記のAZD4547は、FGFR1、FGFR2、FGFR3の生物学的活性に強い阻害効果があることが知られているが、FGFR4に対する阻害効果は弱いため、FGFR4の活性に依存する腫瘍(例えば、原発性肝がん)に対する阻害効果は有意ではない。さらに、AZD4547は可逆性のFGFR阻害剤であるため、持続性と有効性が不十分で、薬剤耐性を誘発しやすいという欠点がある。Fairhurstなどが、Medchemcomm.2017;8:1604-1613には、汎FGFR不可逆阻害剤として使用できる化合物aを開示したが、当該阻害剤には、物理的および化学的特性が低く、経口薬物動態学的特性が低いなどの欠点があり、経口薬への開発が容易ではない。
【0006】
【0007】
したがって、当技術分野では、経口的に効果を発揮することができる汎FGFR不可逆的阻害剤を開発することが緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、汎FGFR不可逆的阻害剤、特にFGFR4不可逆的阻害剤を提供することである。本発明の汎FGFR不可逆的阻害剤は、FGFRの異なるサブタイプに依存する腫瘍細胞に対して良好な活性を有し、特に肝臓がん/胆管がんなどの強い不均一性を有する腫瘍細胞株に対して優れた阻害活性を示し、かつ、優れた物理的および化学的特性、薬物動態学的特性、および優れた腫瘍抑制活性を示した。
【0009】
本発明の第1の態様は、式Iに示された化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物を提供する:
【0010】
【0011】
ただし、
【0012】
【0013】
は、二重結合または三重結合を表す;
R6は、Hまたはなしから選べられ、かつ
【0014】
【0015】
は、二重結合を表す場合、R6はHであり、
【0016】
【0017】
は三重結合である場合、R6がない;
X、Y、Zは、それぞれに、独立にCまたはNから選べられる;
【0018】
R1の個数は、1-3個であり、かつ独立に以下から選べられる:H、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、
-CO2R1-1基、
-CONR1-20R1-3基、
-NR1-4COR1-5基、
-NR1-6CO2R1-7基、
-NR1-8R1-9基、
-SO2R1-10基、
-SO2NR1-11R1-12基、
-NR1-13SO2R1-14基、
【0019】
C1-C8アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C8アルケニル基、3-8元ヘテロシクリル基、C1-C6アルコキシ基、5-10元芳香環基、5-10元ヘテロ芳香環基、または二つの隣接するR1基は、それらと連結する原子と一緒に3-8元炭素環基またはヘテロシクリルを形成し、または二つの隣接するR1基は、それらと連結する原子と一緒に5-10元芳香環基またはヘテロ芳香環基を形成し、上記のヘテロシクリルまたはヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルカルボニル、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)2(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)N(置換または置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリール包含1-4個の以下から選べられるヘテロ原子:N、OまたはS、かつ上記の置換基被置換、それが、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、アミノ基(-NH2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CO2(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CF3;
【0020】
R2は、以下から選べられる:ハロゲン(例えばF)、
-CO2R2-1基、
-CONR2-20R2-3基、
-NR2-4COR2-5基、
-NR2-6CO2R2-7基、
-NR2-8R2-9基、
-SO2R2-10基、
-SO2NR2-11R2-12基、
-NR2-13SO2R2-14基、
【0021】
C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元芳香環基、5-10元ヘテロ芳香環基、または二つの隣接するR2基は、それらと連結する原子と一緒に3-8元炭素環基またはヘテロシクリルを形成し、上記のヘテロシクリルまたはヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン(例えばF)、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C1-C6アルキルチオ基、-N(C1-C6アルキル)2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリル、3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはSであり、かつ上記の置換基は置換された場合、それが、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、ハロゲン化C3-C8シクロアルキル、ハロゲン化C1-C6アルキルチオ基、(ハロゲン化C1-C6アルキル)NH-、(ハロゲン化C1-C6アルキル)2N-、-CO2(ハロゲン化C1-C6アルキル)、好ましくに、上記のハロゲンは、Fであり、上記のハロゲン化は、フッ素化である;好ましくに、その条件は、R2は、ハロゲンを含有する基、例えばハロゲンまたはその置換基に少なくともハロゲンを含有する基である;
【0022】
R3は、以下から選べられる:H、
-CO2R3-1基、
-CONR3-2OR3-3基、
-NR3-4COR3-5基、
-NR3-6CO2R3-7基、
-NR3-8R3-9基、
-SO2R3-10基、
-SO2NR3-11R3-12基、
-NR3-13SO2R3-14基、
【0023】
C1-C8アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C8アルケニル基、3-8元ヘテロシクリル基、C1-C6アルコキシ基、5-10元芳香環基、5-10元ヘテロ芳香環基、上記のヘテロシクリルまたはヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルカルボニル、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)2(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)N(置換または置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS、かつ上記の置換基は置換された場合、それが、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、アミノ基(-NH2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CO2(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CF3;
【0024】
R5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基;上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルカルボニル、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)2(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)N(置換または置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはSであり、かつ上記の置換基は置換された場合に、それが、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、アミノ基(-NH2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CO2(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CF3;
【0025】
R1-1は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、または置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
【0026】
R1-2とR1-3は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR1-2とR1-3は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0027】
R1-4とR1-5は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR1-4とR1-5は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0028】
R1-6とR1-7は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR1-6とR1-7は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0029】
R1-8とR1-9は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR1-8とR1-9は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0030】
R1-10は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
【0031】
R1-11とR1-12は、それぞれに独立にH、C1-C6アルキル、またはC3-C6シクロアルキルを表し、またはR1-11とR1-12は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
【0032】
R1-13とR1-14は、それぞれに独立にC1-C6アルキル、C1-C6シクロアルキルを表し、またはR1-13とR1-14は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
【0033】
R2-1は、ハロゲン化C1-C6アルキルまたはハロゲン化C3-C6シクロアルキルを表し、好ましくに、上記のハロゲン化は、フッ素化である;
【0034】
R2-2とR2-3は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR2-2とR2-3は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;好ましくに、上記のハロゲン化は、フッ素化である;
【0035】
R2-4とR2-5は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR2-4とR2-5は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;好ましくに、上記のハロゲン化は、フッ素化である;
【0036】
R2-6とR2-7は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR2-6とR2-7は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;好ましくに、上記のハロゲン化は、フッ素化である;
【0037】
R2-8とR2-9は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR2-8とR2-9は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成し、またはR2-8とR2-9は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された5-10元不飽和複素芳香環を形成し、またはR2-8とR2-9は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された5-10元複素芳香環を形成する;好ましくに、上記のハロゲン化は、フッ素化である;
【0038】
R2-10は、ハロゲン化C1-C6アルキルまたはハロゲン化C3-C6シクロアルキルを表し、好ましくに、上記のハロゲン化は、フッ素化である;
【0039】
R2-11とR2-12は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR2-8とR2-9は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;好ましくに、上記のハロゲン化は、フッ素化である;
【0040】
R2-13とR2-14は、それぞれに独立にハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR2-8とR2-9は、それらと連結する窒素原子と一緒にハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;好ましくに、上記のハロゲン化は、フッ素化である;
【0041】
R3-1は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、または置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
【0042】
R3-2とR3-3は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR3-2とR3-3は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0043】
R3-4とR3-5は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR3-4とR3-5は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0044】
R3-6とR3-7は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR3-6とR3-7は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0045】
R3-8とR3-9は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR3-8とR3-9は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0046】
R3-10は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
【0047】
R3-11とR3-12は、それぞれに独立にH、C1-C6アルキル、またはC3-C6シクロアルキルを表し、またはR3-11とR3-12は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
【0048】
R3-13とR3-14は、それぞれに独立にC1-C6アルキル、C1-C6シクロアルキルを表し、またはR3-13とR3-14は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH。
【0049】
理解すべくのは、X、YとZは、Cである場合、当該Cは、R1に置換されてもよく、またはR1に置換されないと、原子価結合理論を満たすために、CHであるはず。
【0050】
式Iの好ましい実施形態として、Xは、CまたはNから選べられる;好ましくに、Yは、Cである;好ましくに、Zは、Cである。好ましくに、Xは、CまたはNから選べられ、Yは、Cであり、かつZは、Cである。一部の実施形態において、X、YとXは、いずれもCである。
【0051】
式Iの好ましい実施形態として、R1の個数は、1-3個であり、かつ独立にハロゲン、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシから選べられる。
【0052】
式Iの一部の実施形態において、R2は、以下から選べられる:ハロゲン(例えばF)、
-CO2R2-1基、
-CONR2-20R2-3基、
-NR2-4COR2-5基、
-NR2-6CO2R2-7基、
-NR2-8R2-9基、
-SO2R2-10基、
-SO2NR2-11R2-12基、
-NR2-13SO2R2-14基、
【0053】
C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元芳香環基、5-10元ヘテロ芳香環基、または二つの隣接するR2基は、それらと連結する原子と一緒に3-8元炭素環基またはヘテロシクリルを形成し、上記のヘテロシクリルまたはヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン(例えばF)、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、C1-C6アルキルチオ基、-N(C1-C6アルキル)2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、-S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-S(O)2(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-S(O)N(C1-C6アルキル)2、-S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)S(O)N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C6アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリル、3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS、かつ上記の置換基は、置換された場合、それが、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、ハロゲン化C3-C8シクロアルキル、ハロゲン化C1-C6アルキルチオ基、(ハロゲン化C1-C6アルキル)NH-、(ハロゲン化C1-C6アルキル)2N-、-CO2(ハロゲン化C1-C6アルキル)、好ましくに、上記のハロゲンは、Fであり、上記のハロゲン化は、フッ素化である;好ましくに、その条件は、R2は、ハロゲンを含有する基、例えばハロゲンまたはその置換基に少なくとも、ハロゲンを含有する基である。
【0054】
式Iの好ましい実施形態として、R2は、以下から選べられる:ハロゲン(例えばF);-NR2-8R2-9基、ただし、R2-8とR2-9は、それぞれに独立に、H、C1-C6アルキルとハロゲン化C1-C6アルキルである;及びC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元芳香環基と5-10元ヘテロ芳香環基、ただし、これらの基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、ハロゲン化C1-C6アルキル、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、-N(C1-C6アルキル)2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリル和3-8元炭素環基;ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS。
【0055】
式Iの好ましい実施形態として、R2は、ハロゲンであり、またはその置換基に少なくともハロゲンを含有する基である。好ましくに、当該基は、-NR2-8R2-9基、C1-C6アルキル、C2-C8アルケニル、C1-C6アルコキシ、任意的にC1-C6アルキルに置換された5-10元アリール、任意的にC1-C6アルキルに置換された5-10元ヘテロアリール、任意的にC1-C6アルキルに置換された3-8元ヘテロシクリルと任意的にC1-C6アルキルに置換された3-8元炭素環基を含むが、これらに限定されない;上記の「少なくともハロゲンを含む」は、ハロゲンの置換が、上記のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルと炭素環基の環に発生すること、および/または、上記の環は、別の基に置換された場合、例えばC1-C6アルキルに置換にされる場合、ハロゲンの置換は、当該置換基に発生しても良い。一つまたは複数の実施形態中、R2は、以下から選べられる:-NR2-8R2-9基、ただし、R2-8とR2-9は、それぞれに独立にH、C1-C6アルキルとハロゲン化C1-C6アルキルであり、かつR2-8とR2-9の少なくとも一つは、ハロゲン化C1-C6アルキルである;C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元芳香環基、5-10元ヘテロ芳香環基、かつこれらの基は、少なくともハロゲンおよび/またはC1-C6ハロゲン化アルキルに置換され、任意的に更に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されても良い:C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、-N(C1-C6アルキル)2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリルと3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS。一部の実施形態において、R2は、その置換基に少なくともハロゲンを含有する基である場合、R2におけるハロゲン原子の数は、2個以上であり、例えば2-6個である。好ましくに、ハロゲン置換は、フッ素化である。
【0056】
式Iの好ましい実施形態として、R3は、5-10元芳香環基、5-10元ヘテロ芳香環基から選べられ、上記のヘテロシクリルまたはヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルカルボニル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)2N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)2(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)、-N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)S(O)2N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)(ハロゲン化または置換されない的C1-C6アルキル)、-N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)2、-N(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)S(O)(ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキル)、ハロゲン化または置換されない5-10元アリール、ハロゲン化または置換されない5-10元ヘテロアリール、ハロゲン化または置換されない3-8元ヘテロシクリル、ハロゲン化または置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS。
【0057】
式Iの好ましい実施形態として、R3は、以下から選べられる:5-10元芳香環基と5-10元ヘテロ芳香環基、上記のヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルカルボニル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシカルボニル。
【0058】
式Iの好ましい実施形態として、
【0059】
【0060】
は、二重結合を表す。
【0061】
式Iの好ましい実施形態として、R5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基;上記の基C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基は、それぞれに、任意的に、一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換された:-D、ハロゲン、-OH、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)。
【0062】
式Iの好ましくい実施形態として、R6は、Hである。
【0063】
式Iの好ましい実施形態として、上記の化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物は、以下の式IIに示された構造を有する:
【0064】
【0065】
ただし、R4は、1-5個であり、かつそれぞれに独立にH、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、
-CO2R4-1基、
-CONR4-20R4-3基、
-NR4-4COR4-5基、
-NR4-6CO2R4-7基、
-NR4-8R4-9基、
-SO2R4-10基、
-SO2NR4-11R4-12基、
-NR4-13SO2R4-14基、
【0066】
C1-C8アルキル基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C8アルケニル基、3-8元ヘテロシクリル基、C1-C6アルコキシ基、5-10元芳香環基、5-10元ヘテロ芳香環基、または二つの隣接するR1基は、それらと連結する原子と一緒に3-8元炭素環基またはヘテロシクリルを形成し、または二つの隣接するR1基は、それらと連結する原子と一緒に5-10元芳香環基またはヘテロ芳香環基を形成し、上記のヘテロシクリルまたはヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルチオ基、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、置換された又は置換されないC1-C6アルキルカルボニル、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、ヒドロキサム酸基、-S(O)2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)2(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)2N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)N(置換または置換されないC1-C6アルキル)2、-S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)S(O)(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリール包含1-4個の以下から選べられるヘテロ原子:N、OまたはS、かつ上記の置換基被置換、それが、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、アミノ基(-NH2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CO2(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CF3;
【0067】
R4-1は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、または置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
【0068】
R4-2とR4-3は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR4-2とR4-3は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0069】
R4-4とR4-5は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR4-4とR4-5は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0070】
R4-6とR4-7は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR4-6とR4-7は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0071】
R4-8とR4-9は、それぞれに独立にH、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表し、またはR4-8とR4-9は、それらと連結する窒素原子と一緒に置換されないまたはハロゲン化された4-6元飽和複素環を形成する;
【0072】
R4-10は、H、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC3-C6シクロアルキルを表す;
【0073】
R4-11とR4-12は、それぞれに独立にH、C1-C6アルキル、またはC3-C6シクロアルキルを表し、またはR4-11とR4-12は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
【0074】
R4-13とR4-14は、それぞれに独立にC1-C6アルキル、C1-C6シクロアルキルを表し、またはR4-13とR4-14は、それらと連結する窒素原子と一緒に4-6元飽和複素環を形成し、かつ上記の基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換されてもよい:ハロゲン、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキルチオ基、-NH2、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)2N-、(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C4アルキル)NH-、-OH;
【0075】
その他は、前述の実施形態のいずれかで定義された通りである。
【0076】
式IIの好ましい実施形態として、R4は、以下から選べられる:C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基;ただし、これらの基は、任意的に、一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換された:-D、ハロゲン、-OHと置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ。好ましくに、R4の数は、1-3個であり、各R4は、同じでも異なってもよい。一部の実施形態において、R4は、2個であり、いずれもメタ位に位置する。好ましい実施形態において、R4は、2個のC1-C6アルコキシである。
【0077】
式IIの好ましくい実施形態として、R2は、ハロゲンであり、またはその置換基に少なくともハロゲンを含有する基である。好ましくに、当該基は、-NR2-8R2-9基、C1-C6アルキル、C2-C8アルケニル、C1-C6アルコキシ、任意的にC1-C6アルキルに置換された5-10元アリール、任意的にC1-C6アルキルに置換された5-10元ヘテロアリール、任意的にC1-C6アルキルに置換された3-8元ヘテロシクリルと任意的にC1-C6アルキルに置換された3-8元炭素環基を含むが、これらに限定されない;上記の「少なくともハロゲンを含む」は、ハロゲンの置換が、上記のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルと炭素環基の環に発生すること、および/または、上記の環は、別の基に置換された場合、例えばC1-C6アルキルに置換にされる場合、ハロゲンの置換は、当該置換基に発生しても良い。一つまたは複数の実施形態において、R2は、以下から選べられる:-NR2-8R2-9基、ただし、R2-8とR2-9は、それぞれに独立に、H、C1-C6アルキルとハロゲン化C1-C6アルキルであり、かつR2-8とR2-9には、少なくとも一つは、ハロゲン化C1-C6アルキルである;かつC1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基、3-8元炭素環基、3-8元ヘテロシクリル基、5-10元芳香環基と5-10元ヘテロ芳香環基、ただし、これらの基は、少なくとも、ハロゲンおよび/またはC1-C6ハロゲン化アルキルに置換され、任意的にさらに、以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換された:C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C3-C8シクロアルキル、-N(C1-C6アルキル)2、-NH(C1-C6アルキル)、C1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、C3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、C1-C6アルキルカルボニル、C1-C6アルコキシカルボニル、5-10元アリール、5-10元ヘテロアリール、3-8元ヘテロシクリル和3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS。一部の実施形態において、R2は、ハロゲンに置換された基である場合、R2におけるハロゲン原子の数は、2個以上、例えば2-6個である。好ましくに、ハロゲン置換は、フッ素化である。
【0078】
式IとIIの好ましい実施形態として、R1は、以下から選べられる:H、ハロゲン(Cl、F、Brを含む)、-OH、-CN、C1-C4アルキル、C1-C4アルキルヒドロキシル、-(C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH2、C1-C3アルコキシ、-O-(C1-C3アルキル)-OH、-O(C1-C3アルキル)O(C1-C3アルキル)、-N(C1-C3アルキル)2、-NHPh、-NH(C1-C3アルキル)、-NH(C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-CONH2、-NHCO(C1-C3アルキル)、-NHCOH、-NHCOPh、-CO2H、-CO2(C1-C3アルキル)、-SO2(C1-C3アルキル)、-NHSO2(C1-C3アルキル)、-SO2N(C1-C3アルキル)2。さらに、式IとII好ましい実施形態として、R1は、H、ハロゲン、C1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシであり、好ましくに、H、ハロゲンまたはC1-C3アルコキシであり、さらに好ましくにHである。
【0079】
式IとIIの好ましい実施形態として、R2は、以下から選べられる:-F、フッ素化されるC1-C4アルキル、フッ素化されるC1-C4アルキルヒドロキシル、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-(C1-C3アルキル)N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH2、フッ素化されるC1-C3アルコキシ、-O-(フッ素化されるC1-C3アルキル)-OH、-O(フッ素化されるC1-C3アルキル)O(C1-C3アルキル)、-O(C1-C3アルキル)O(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、フッ素化フェニルアミノ基、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-NH(C1-C3アルキル)N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-NH(C1-C3アルキル)NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-NHCO(フッ素化されるC1-C3アルキル)、フッ素化ベンズアミド、-CO2(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-SO2(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-NHSO2(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-SO2N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、3-7元炭素環基、3-7元ヘテロシクリル基、5-6元芳香環基、5-6元ヘテロ芳香環基、上記のヘテロシクリルまたはヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の環基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:F、フッ素化されるC1-C4アルキル、フッ素化されるC1-C4アルコキシ、フッ素化されるC3-C8シクロアルキル、フッ素化されるC1-C4アルキルチオ基、-N(フッ素化されるC1-C6アルキル)2、-NH(フッ素化されるC1-C6アルキル)、フッ素化されるC1-C3アルキル-O-C1-C3アルキル、C1-C3アルキル-O-フッ素化されるC1-C3アルキル、フッ素化されるC3-C6シクロアルキル-C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル-フッ素化されるC1-C4アルキル、フッ素化されるC1-C4アルキルカルボニル、フッ素化されるC1-C4アルコキシカルボニル、-S(O)2N(フッ素化されるC1-C4アルキル)2、-S(O)2(フッ素化されるC1-C4アルキル)、-N(フッ素化されるC1-C4アルキル)S(O)2N(C1-C6アルキル)2、-N(C1-C4アルキル)S(O)2N(フッ素化されるC1-C4アルキル)2、-S(O)N(フッ素化されるC1-C4アルキル)2、-S(O)( フッ素化されるC1-C4アルキル)、-N(フッ素化されるC1-C4アルキル)S(O)N(C1-C4アルキル)2、-N(C1-C4アルキル)S(O)N(フッ素化されるC1-C4アルキル)2、-N(フッ素化されるC1-C4アルキル)S(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C4アルキル)S(O)(フッ素化されるC1-C6アルキル)、フッ素化される5-6元アリール、フッ素化される5-6元ヘテロアリール、フッ素化される3-7元ヘテロシクリル、フッ素化される3-7元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS。
【0080】
式IとIIの好ましい実施形態として、R5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基;上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、置換された又は置換されない5-10元アリール、置換された又は置換されない5-10元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-8元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-8元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS、かつ上記の置換基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルコキシ、アミノ基(-NH2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C6アルキル)、-CF3。
式IとIIのさらに好ましい実施形態として、R1は、以下から選べられる:H、Cl、F、Br、-OH、C1-C3アルキル、C1-C3アルキルヒドロキシル、-(C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH2、C1-C3アルコキシ、-O-(C1-C3アルキル)-OH、-O(C1-C3アルキル)O(C1-C3アルキル)、-N(C1-C3アルキル)2、-NHPh、-NH(C1-C3アルキル)。一部の実施形態において、R1の数は、1個であり、Cl、F、Br、C1-C4アルキルまたはC1-C3アルコキシである。一部の実施形態において、R1は、Hである。
【0081】
式IとIIのさらに好ましい実施形態、R2は、以下から選べられる:ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、-N(ハロゲン化C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C6アルキル)、-N(ハロゲン化C1-C6アルキル)2、-(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、ハロゲン化3-8元ヘテロシクリル、ハロゲン化C1-C6アルキルに置換された3-8元ヘテロシクリル、ただし、上記のヘテロシクリルは、任意的に1または2個の上記のハロゲンとハロゲン化C1-C6アルキル以外の基(例えばC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシなど)に更に置換されても良い;好ましくに、上記のヘテロシクリルは、1または2個の窒素を含むヘテロシクリルであり、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルとアゼチジンなどを含むが、これらに限定されない。
【0082】
式IとIIのさらに好ましい実施形態として、R2は、以下から選べられる:-F、フッ素化されるC1-C3アルキル、フッ素化されるC1-C3アルコキシ、-N(フッ素化されるC1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-(C1-C3アルキル)N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH2、-O-(フッ素化されるC1-C3アルキル)-OH、-O(フッ素化されるC1-C3アルキル)O(C1-C3アルキル)、-O(C1-C3アルキル)O(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-NH(C1-C3アルキル)N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-NH(C1-C3アルキル)NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-NHCO(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-CO2(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-SO2(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-NHSO2(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-SO2N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、
【0083】
【0084】
ただし、これらの環基におけるHは、少なくとも一つの以下の基から選べられる置換基に置換されても良い:F、-CF3、-CHF2、-CH2CF3、 -CH2CHF2、-CH2CH2CF3、CH2CH2CHF2、CH2CF2CF3。さらに好ましくに、R2は、以下から選べられる:-F、フッ素化されるC1-C3アルキル、フッ素化されるC1-C3アルコキシ、-N(フッ素化されるC1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-(C1-C3アルキル)N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH2、-N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-NH(C1-C3アルキル)N(フッ素化されるC1-C3アルキル)2、-NH(C1-C3アルキル)NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、
【0085】
【0086】
ただし、これらの環基におけるHは、少なくとも一つの以下の基から選べられる置換基に置換されても良い:F、-CF3、-CHF2、-CH2CF3、 -CH2CHF2、-CH2CH2CF3、CH2CH2CHF2、CH2CF2CF3。
【0087】
式IとIIの好ましい実施形態として、R5は、以下から選べられる:H、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基;上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、置換された又は置換されないC1-C3アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C6シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C3アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C3アルキル)、置換された又は置換されない5-6元アリール、置換された又は置換されない5-6元ヘテロアリール、置換された又は置換されない3-6元ヘテロシクリル、置換された又は置換されない3-7元炭素環基、ただし、上記のヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS、かつ上記の置換基は、任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:ハロゲン、-OH、-CN、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C3アルキル、置換されないまたはハロゲン化されたC1-C3アルコキシ、アミノ基(-NH2)、-N(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C3アルキル)2、-NH(置換されないまたはハロゲン化されたC1-C3アルキル)、-CF3。より好ましくに、R5は、以下から選べられる:H、C1-C4アルキル基とC1-C4アルコキシ基;上記の基C1-C4アルキル基とC1-C4アルコキシ基は、それぞれに、任意的に、一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換された:-D、ハロゲン、-OH、置換された又は置換されないC1-C3アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C3アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C3アルキル);より好ましくに、R5は、Hまたは置換されないまたはハロゲン化C1-C3アルキルである。
【0088】
式IとIIのさらに好ましい実施形態として、R2は、以下から選べられる:-F、フッ素化されるC1-C3アルキル、フッ素化されるC1-C3アルコキシ、-N(C1-C3アルキル)(フッ素化C1-C3アルキル)、
【0089】
【0090】
前記の実施形態のいずれか1つを他の1つまたは複数の実施形態と組み合わせて、本出願の他の実施形態を形成することができ、これらの実施形態はすべて、本出願に開示される範囲に含まれることを理解されたい。したがって、例えば、一部の実施形態では、本出願の式IとIIの化合物において:
【0091】
R1は、以下から選べられる:H、Cl、F、Br、-OH、-CN、C1-C4アルキル、C1-C4アルキルヒドロキシル、-(C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH2、C1-C3アルコキシ、-O-(C1-C3アルキル)-OH、-O(C1-C3アルキル)O(C1-C3アルキル)、-N(C1-C3アルキル)2、-NHPh、-NH(C1-C3アルキル)、-NH(C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-CONH2、-NHCO(C1-C3アルキル)、-NHCOH、-NHCOPh、-CO2H、-CO2(C1-C3アルキル)、-SO2(C1-C3アルキル)、-NHSO2(C1-C3アルキル)、-SO2N(C1-C3アルキル)2;
【0092】
R2は、以下から選べられる:ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、-N(ハロゲン化C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)、ハロゲン化3-8元ヘテロシクリル、ハロゲン化C1-C6アルキルに置換された3-8元ヘテロシクリル、ただし、上記のヘテロシクリルは、任意的にさらに1または2個の上記のハロゲンとハロゲン化C1-C6アルキル以外の基(例えばC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ等)に更に置換されてもよい;好ましくに、上記のヘテロシクリルは、1または2個の窒素を含むヘテロシクリルであり、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルとアゼチジンなどを含むが、これらに限定されない;
【0093】
R3は、以下から選べられる:5-10元芳香環基と5-10元ヘテロ芳香環基、上記のヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルカルボニル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、好ましい置換基は、以下の一つまたは複数の置換基から選べられる:ハロゲン、ハロゲン化または置換されないC1-C4アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル;またはR4は、1-3個、例えば2個であり、それぞれに以下から選べられる:C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基;ただし、これらの基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換された:-D、ハロゲン、-OH和置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ;
【0094】
【0095】
は、二重結合を表す;
【0096】
R5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基;上記の基には、C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基は、それぞれに、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換された:-D、ハロゲン、-OH、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、好ましい置換基は、一つまたは複数の以下から選べられる置換基である:ハロゲンと置換された又は置換されないC1-C4アルコキシ;
【0097】
R6は、Hである;
【0098】
好ましくに、これらの実施形態において、Xは、CまたはNから選べられる;Yは、Cである;Zは、Cである。
【0099】
一部の実施形態において、本発明の式IとIIの化合物において:
【0100】
R1は、以下から選べられる:H、Cl、F、Br、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシ;
【0101】
R2は、以下から選べられる:-F、フッ素化C1-C3アルキル、フッ素化C1-C3アルコキシ、-N(フッ素化C1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)、-(フッ素化C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-(フッ素化C1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、-(C1-C3アルキル)N(フッ素化C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH(フッ素化C1-C3アルキル)、-(フッ素化C1-C3アルキル)NH2、-N(フッ素化C1-C3アルキル)2、-NH(フッ素化C1-C3アルキル)、-NH(フッ素化C1-C3アルキル)N(C1-C3アルキル)2、-NH(C1-C3アルキル)N(フッ素化C1-C3アルキル)2、-NH(C1-C3アルキル)NH(フッ素化C1-C3アルキル)、-NH(フッ素化されるC1-C3アルキル)NH(C1-C3アルキル)、
【0102】
【0103】
ただし、これらの環基におけるHは、少なくとも一つの以下の基から選べられる置換基に置換されても良い:F、-CF3、-CHF2、-CH2CF3、 -CH2CHF2、-CH2CH2CF3、CH2CH2CHF2、CH2CF2CF3;
【0104】
R3は、以下から選べられる:5-10元芳香環基と5-10元ヘテロ芳香環基、上記のヘテロ芳香環基は、1-4個の以下から選べられるヘテロ原子を含む:N、OまたはS;かつ上記の基は任意的に以下から選べられる一つまたは複数の置換基に置換されてもよい:-D、ハロゲン、-OH、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC3-C8シクロアルキル-C1-C8アルキル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルキルカルボニル、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシカルボニル、好ましい置換基は、以下の一つまたは複数の置換基から選べられる:ハロゲン、ハロゲン化または置換されないC1-C4アルコキシ、ハロゲン化または置換されないC1-C8アルコキシ-C1-C8アルキル;またはR4は、1-3個、例えば2個であり、それぞれに以下から選べられる:C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基;ただし、これらの基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換された:-D、ハロゲン、-OH和置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ;
【0105】
【0106】
は、二重結合を表す;
【0107】
R5は、以下から選べられる:H、C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基;上記の基には、C1-C6アルキル基とC1-C6アルコキシ基は、それぞれに、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換された:-D、ハロゲン、-OH、置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ、置換された又は置換されないC3-C8シクロアルキル、-N(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)2、-NH(置換された又は置換されないC1-C6アルキル)、好ましい置換基は、一つまたは複数の以下から選べられる置換基である:ハロゲンと置換された又は置換されないC1-C4アルコキシ;
【0108】
R6は、Hである;
【0109】
好ましくに、これらの実施形態において、Xは、CまたはNから選べられる;Yは、Cである;Zは、Cである。
【0110】
一部の実施形態において、本発明の式Iの化合物において:Xは、CまたはNから選べられる;Yは、Cである;Zは、Cである;R1は、以下から選べられる:H、ハロゲン、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシ;R2は、以下から選べられる:ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、ハロゲン化3-8元ヘテロシクリルとハロゲン化C1-C6アルキルに置換された3-8元ヘテロシクリル、ただし、上記のヘテロシクリルは、任意的に更に1または2個の上記のハロゲンとハロゲン化C1-C6アルキル以外の基(例えばC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ等)に置換されてもよく、好ましくに、上記のヘテロシクリルは、1または2個の窒素を含むヘテロシクリルであり、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルとアゼチジンなどを含むが、これらに限定されない;R3は、任意的に一つまたは複数のハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシの置換基に置換された5-10元芳香環基である;
【0111】
【0112】
は、二重結合を表す;R5は、HまたはC1-C3アルキルである;及びR6は、Hである。更に好ましくに、R1は、H、ハロゲンとC1-C3アルコキシから選べられる;R3は、一つまたは複数の、ハロゲン化または置換されないC1-C6アルコキシから選べられる置換基に置換されたフェニルである。
【0113】
一部の実施形態において、本発明の式IIの化合物において:Xは、CまたはNから選べられる;Yは、Cである;Zは、Cである;R1は、以下から選べられる:H、ハロゲン、C1-C4アルキルとC1-C3アルコキシ;R2は、以下から選べられる:ハロゲン化C1-C6アルキル、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)(C1-C3アルキル)、-NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、-N(ハロゲン化C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)N(ハロゲン化C1-C3アルキル)2、-(C1-C3アルキル)NH(ハロゲン化C1-C3アルキル)、ハロゲン化3-8元ヘテロシクリルとハロゲン化C1-C6アルキルに置換された3-8元ヘテロシクリル、ただし、上記のヘテロシクリルは、任意的に更に1または2個の上記のハロゲンとハロゲン化C1-C6アルキル以外の基(例えばC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ等)に置換されてもよく、好ましくに、上記のヘテロシクリルは、1または2個の窒素を含むヘテロシクリルであり、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルとアゼチジンなどを含むが、これらに限定されない;R4の数は、1-3個、例えば2個であり、それぞれに以下から選べられる:C1-C8アルキル基、C2-C8アルケニル基、C1-C6アルコキシ基;ただし、これらの基は、任意的に一つまたは複数の以下から選べられる置換基に置換された:-D、ハロゲン、-OHと置換された又は置換されないC1-C6アルコキシ;
【0114】
【0115】
は、二重結合を表す;R5は、HまたはC1-C3アルキルである;及びR6は、Hである。更に好ましくに、R1は、H、ハロゲンとC1-C3アルコキシから選べられる;R4は、置換されないC1-C6アルコキシである。
【0116】
更なる更に好ましい方式として、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物は、以下の構造から選べられる:
【0117】
【0118】
本発明の第二の様態では、本発明の第一の様態の式I化合物またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物は、FGFRの活性または発現量に関連する疾患の治療または予防に用いられる。
【0119】
一つの好ましい実施形態において、上記の疾患は、以下から選べられる:膀胱がん、肝がん、脳がん、乳がん、結腸がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、胃がん、子宮頸がん、結腸がん、甲状腺がん、皮膚がん、胆管がん、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、バーケッツリンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形腫、神経芽細胞腫、神経膠腫。
【0120】
本発明の第三の態様では、薬物組成物を提供し、上記の薬物組成物が、以下を含む:
(i)活性成分である本発明の第一の様態の有效量の式I化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物;及び
(ii)薬学的に許容される担体。
一つの好ましい実施形態では、上記の薬物組成物は、更に(iii)第二の活性成分を含む。
【0121】
一つの好ましい実施形態において、上記の薬物組成物は、FGFRの活性または発現量に関連する疾患の治療または予防に用いられ、好ましくに、上記の疾患は、以下から選べられる:膀胱がん、肝がん、脳がん、乳がん、結腸がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、胃がん、子宮頸がん、結腸がん、甲状腺がん、皮膚がん、胆管がん、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、バーケッツリンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形腫、神経芽細胞腫、神経膠腫。
【0122】
本発明の第四の態様では、式Iまたは式II化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグ、代謝産物またはこれらの混合物が、以下から選べられる応用に用いられることを提供する:
(1)FGFRキナーゼ活性または発現量と関連する疾患の治療または予防する薬物組成物を調製する;
(2)FGFRキナーゼ阻害剤を調製する。
【0123】
一つの好ましい実施形態において、上記のFGFRキナーゼは、以下から選べられる:FGFR1、FGFR2、FGFR3、とFGFR4。
【0124】
一つの好ましい実施形態において、上記の疾患は、以下から選べられる:膀胱がん、肝がん、脳がん、乳がん、結腸がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、胃がん、子宮頸がん、結腸がん、甲状腺がん、皮膚がん、胆管がん、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、バーケッツリンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形腫、神経芽細胞腫、神経膠腫。
【0125】
本発明の範囲内で、本発明の上記の技術的特徴および以下に具体的に記載される技術的特徴(実施例など)を互いに組み合わせて、新しいまたは好ましい技術を形成することができることを理解すべきである。スペースを節約するために、ここでは説明を繰り返しない。
【発明を実施するための形態】
【0126】
長期にわたる詳細な研究の結果、本発明者らは、式Iによって表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグまたは代謝産物が、優れたFGFRキナーゼ阻害活性、特にFGFR4に対する阻害活性を有し、したがってFGFRキナーゼ関連疾患の治療または予防に使用できることを予期せず発見した。上記の発見に基づいて、本発明者らが、本発明を至る。
【0127】
≪用語≫
特に定義がない限り、本明細書のすべての科学技術用語は、特許請求の範囲の主題が属する当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。特に明記しない限り、本明細書に引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0128】
上記の説明および以下の詳細な説明は例示的なものであり、説明のためだけのものであり、本発明の主題にいかなる制限も課さないことを理解すべきである。本出願では、特に明記しない限り、単数の使用には複数の数も含まれる。明確に示さない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される単数形は、言及されるものの複数形を含む。「または」および「或いは」の使用は、特に明記しない限り、「および/または」を意味することを理解すべきである。さらに、「含む」という用語および「含める」、「含有」および「有する」などの他の形態は、限定的ではなく、それらは、開放、半閉鎖、および閉鎖することができる。言い換えれば、上記の用語は、「基本に・構成される」または「・からなる」という意味も含む。
【0129】
標準的な化学用語の定義は、参考文献(Carey and Sundberg “ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4THED。“Vols。A(2000)and B(2001)、Plenum Press、New Yorkを含む)に記載される。特に明記しない限り、質量分析、NMR、IRおよびUV/VIS分光法、ならびに薬理学的方法など、当技術分野の技術的範囲内の従来の方法が使用される。特定の定義が提供されない限り、本明細書の分析化学、合成有機化学、および医薬品と薬物化学の説明で使用される用語は、当技術分野で知られている。標準的な技術は、化学合成、化学分析、薬物の調製、製剤と送達、および患者の治療に用いられる。例えば、反応および精製は、メーカーによるキットのユーザーマニュアルに従って、または当技術分野で知られている方法または本発明の指示に従って実施することができる。一般に、上記の技術および方法は、当技術分野で公知の従来の方法に従って、本明細書で引用および論じられているいくつかの要約およびより具体的な文書の説明に従って実施することができる。本明細書では、基およびそれらの置換基は、安定した構造および化合物を提供するために当業者によって選択され得る。
【0130】
置換基が左から右に書かれた従来の化学式で記述される場合、その置換基には、構造式が右から左に書かれたときに得られる化学的に均等する置換基も含まれる。たとえば、-CH2O-は-OCH2-と同じである。
【0131】
この明細書で使用されている章の見出しは、明細書を整理することのみを目的としており、主題を制限するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、文献、本、操作マニュアル、および論文を含むがこれらに限定されない、本出願で引用されたすべての文書または文書部分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0132】
本明細書で定義される特定の化学基の前には、その基に存在する炭素原子の総数を示す簡略化された記号が付いている。例えば、C1~C6アルキル基は、合計1から6個の炭素原子を有する、以下に定義されるようなアルキル基を指す。簡略化された記号における炭素原子の総数には、基の置換基に存在する可能性のある炭素は含まれない。
【0133】
上記に加えて、本出願の明細書および特許請求の範囲で使用される場合、別段の指定がない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
本発明では、用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指す。
「ヒドロキシル」とは、-OH基を指す。
「ヒドロキシルアルキル」とは、ヒドロキシル基(-OH)に置換された、以下に定義されるようなアルキル基を指す。
【0134】
「カルボニル」とは、-C(=O)-基を指す。
「ニトロ」とは、-NO2を指す。
「シアノ」とは、-CNを指す。
「アミノ」とは、-NH2を指す。
【0135】
「置換されたアミノ」とは、一個又は二個の、以下に定義されるようなアルキル基、アルキルカルボニル基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基に置換されたアミノ基を指し、例えば、モノアルキル基アミノ基、ジアルキル基アミノ基、アルキル基アミド基、アラルキル基アミノ基、ヘテロアラルキル基アミノ基を指す。
「カルボキシル」とは、-COOHを指す。
【0136】
本発明には、基又は他の基の一部として(例えば、ハロゲンに置換されたアルキル基などの基に使用される)、用語「アルキル」とは、完全に飽和的な直鎖又は分岐の炭化水素鎖基を指し、それが、炭素原子と水素原子だけからなり、例えば1~12個(好ましくに1~8個、より好ましくに1~6個)の炭素原子を有し、かつ単結合で分子の残りの部分と接続し、例えばメチル基、エチル基、N-プロピル基、イソプロピル基、N-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基などを含むが、これらに限定されない。本発明の場合、用語「アルキル」とは、1~8個の炭素原子を含むアルキル基を指す。
【0137】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「アルケン」とは、炭素原子と水素原子だけからなり、少なくとも一つの二重結合を有し、例えば2~20個(好ましくに2至10個、より好ましくに2至6個)の炭素原子を有し、かつ単結合で分子の残りの部分と接続する直鎖又は分岐の炭化水素鎖基を指し、例えばビニル基、プロペニル基、アリル基、ブト-1-エニル基、ブト-2-エニル基、ペント-1-エニル基、ペント-1,4-ジエニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0138】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「シクロ炭化水素基」とは、炭素原子と水素原子だけからなる、安定的な非芳香族単環式又は多環式の炭化水素基を指し、それが、縮合環系、架橋環系又はスピロ環系を含み、3~15個の炭素原子(好ましくに3~10個の炭素原子、より好ましくに3~8個の炭素原子)を有し、かつ飽和又は不飽和であり、任意の適切な炭素原子を介して単結合で分子の残りの部分に接続することができる。本明細書に特に明記しない限り、シクロ炭化水素基における炭素原子は、任意に酸化されてもよい。好ましい実施形態において、シクロ炭化水素基は、シクロアルキル、例えばC3-C8アルコキシである。シクロ炭化水素基の例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセン基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1H-インデニル基、2,3-ジヒドロ化インデニル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン基、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレン基、8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテニル-6-イル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-ベンゾシクロオクテニル、フルオレニル基、ジシクロ[2.2.1]ヘプチル基、7,7-ジメチル-ジシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ジシクロ[2.2.1]ヘプテニル基、ジシクロ[2.2.2]オクチル基、ジシクロ[3.1.1]ヘプチル基、ジシクロ[3.2.1]オクチル基、ジシクロ[2.2.2]オクテニル基、ジシクロ[3.2.1]オクテニル基、アダマンチル基、オクタヒドロ-4,7-メチレン-1H-インデニル基、オクタヒドロ-2,5-メチレン-ジシクロペンタジエニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0139】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「ヘテロシクリル基」とは、2~14個の炭素原子及び窒素、リン、酸素、硫黄から選べられる1~6個のヘテロ原子からなる安定的な3元~20元の非芳香族環状基を指す。本明細書に特に説明しない限り、ヘテロシクリル基は、単環、二環、三環又はより多い環の環系であっても良く、それが、縮合環系、架橋環系又はスピロ環系を含む;ヘテロシクリル基における窒素原子、炭素原子又は硫黄原子は、任意的に酸化されてもよい;窒素原子は、任意的に四級化されてもよい;かつヘテロシクリル基は、部分的に又は完全に飽和なものでも良い。ヘテロシクリル基は、炭素原子又はヘテロ原子に介して、単結合で分子の残りの部分に接続することができる。縮合環を含むヘテロシクリル基には、分子の残りの部分との接続点は非芳香族環原子である場合、一個又は多個の環は、以下に定義されるようなアリール基又はヘテロアリール基であっても良い。本発明の目的のために、ヘテロシクリル基は、好ましくに、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~3個のヘテロ原子を含む、安定的な4元~11元の非芳香性単環、二環、架橋環又はスピロ環であり、より好ましくに、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~3個のヘテロ原子を含む、安定的な4元~8元の非芳香性単環、二環、架橋環又はスピロ環基である。ヘテロシクリル基の例としては、ピロリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピペリジニル基、チオモルホリニル基、2,7-ジアザ-スピロ[3.5]ノナン-7-イル、2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、2,5-ジアザ-ジシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、アゼチジン基、ピラニル基、テトラヒドロピラニル基、チオピラン基、テトラヒドロフラニル基、オキサジニル基、ジオキソラン基、テトラヒドロイソキノリニル基、デカヒドロイソキノリニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、キノリジジン基、チアゾリジン基、イソチアゾリジン基、イソオキサゾリジン基、ジヒドロインドリル基、オクタヒドロインドリル基、オクタヒドロイソインドリル基、ピロリジニル基、ピラゾリジン基、フタルイミドなどを含むが、これらに限定されない。
【0140】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「アリール基」とは、6~18個の炭素原子(好ましくに、6~10個の炭素原子を有する)を有する共役炭化水素環系基を指す。本発明の目的のために、アリール基は、単環、二環、三環又はより多い環の環系であっても良く、アリール基が、芳香環における原子に介して、単結合で分子の残りの部分に接続する場合に、以上に定義されるようなシクロアルキル基又はヘテロシクリル基と縮合しても良い。アリール基の例としては、フェニル基、ナフタレン基、アンスリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドリル基、2-ベンゾオキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オン-7-イルなどを含むが、これらに限定されない。
【0141】
本発明には、用語「アリールアルキル」とは、以上に定義されるようなアリール基に置換された以上に定義されるようなアルキル基を指す。
【0142】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「ヘテロアリール基」とは、環の中に、1~15個の炭素原子(好ましくに、1~10個の炭素原子を有する)と、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~6個のヘテロ原子を有する5元~16元の共役環系基を指す。本明細書に特に説明しない限り、ヘテロアリール基は、単環、二環、三環又はより多い環の環系であっても良く、ヘテロアリール基が、芳香環における原子に介して、単結合で分子の残りの部分に接続する場合に、以上に定義されるようなシクロアルキル基又はヘテロシクリル基と縮合しても良い。ヘテロアリール基における窒素原子、炭素原子又は硫黄原子は、任意的に酸化されてもよい;窒素原子は、任意的に四級化されてもよい。本発明の目的のために、ヘテロアリール基は、好ましくに、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~5個のヘテロ原子を含む安定的な5元~12元の芳香性基であり、より好ましくに、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~4個のヘテロ原子を含む安定的な5元~10元の芳香性基又は、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~3個のヘテロ原子を含む5元~6元の芳香性基である。ヘテロアリール基の例としては、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キサゾリル基、オキサジアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、インドリル基、フラニル基、ピロリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、トリアジニル基、インダジニル基、イソインドリル基、インダゾリル基、イソインダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジアゾナフチル基、ナフチリジン基、キノキサリン基、プテリジン基、カルバゾール基、カルボリン基、フェナントリジン基、フェナントロリン基、アクリジン基、フェナジン基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、オクストリアゾール基、シンノリン基、キナゾリン基、フェニルチオ基、インドリジン基、o-ジアザフェナントリル基、イソキサゾリル基、フェノキサジン基、フェノチアジン基、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チエニル基、ナフトピリジル基、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、イミダゾ[1,2-a]ピリジン、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、イミダゾ[1,2-a]ピラジンなどを含むが、これらに限定されない。
【0143】
本発明には、用語「ヘテロアリールアルキル」とは、以上に定義されるようなヘテロアリール基に置換された以上に定義されるようなアルキル基を指す。
【0144】
本発明には、「任意」とは、その後に述べられる事象または状態が発生する場合と発生しない場合があることを意味し、当該述べられるものには、事象または状態の発生および非発生の両方が含まれる。例えば、「任意に置換されたアリール基」は、アリール基が、置換された又は置換されないことを意味し、かつ当該用語が、置換されたアリール基と、置換されないアリール基を含む。本発明の特許請求の範囲と明細書に記載された「任意」的な置換基は、アルキル基、アルケン基、アルキニル基、ハロゲン、ハロアルキル基、ハロアルケン基、ハロアルキニル基、シアノ基、ニトロ基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基、任意に置換されたシクロ炭化水素基、任意に置換された複素環式炭化水素基から選べられる。本出願において、置換基の数は、一つまたは複数、例えば1-6個または1-3個であっても良い。置換基の数は、化合物の分子構造によって影響を受けることを理解すべく。例えば、置換基は、アリール、ヘテロアリール、シクロ炭化水素基または複素環炭化水素基である場合、置換基の数は、一般的に1個である;置換基は、ハロゲンである場合、置換された基の鎖長または環炭素原子の数によって、ハロゲン原子の数は、2-6個であっても良い;置換された基は、鎖状基である場合、より多いハロゲン原子を有しても良く、例えば5つのフッ素に置換されたプロピルである(例えば-CH2CF2CF3)。
【0145】
線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)ファミリーには、細胞外リガンド結合領域、単一の膜貫通領域、および細胞内細胞質タンパク質チロシンキナーゼ領域で構成される4つのメンバー(FGFR1、FGFR2、FGFR3とFGFR4)が含まれている。
【0146】
個々の異性体を調製/分離するための従来の技術には、適切な光学的ボイドネスな前駆体からのキラル合成、または例えばラセミ体(または塩または誘導体のラセミ体)からキラル高速液体クロマトグラフィーでの分離が含まれ、例えば、Gerald Guebitz and Martin G.Schmid(Eds.),Chiral Separations,Methods and Protocols,Methods in Molecular Biology,Vol.243,2004;A.M.Stalcup,Chiral Separations,Annu.Rev.Anal.Chem.3:341-63,2010;Fumiss et al.(eds.),VOGEL’S ENCYCLOPEDIA OF PRACTICAL ORGANIC CHEMISTRY 5.sup.TH ED.,Longman Scientific and Technical Ltd.,Essex,1991,809-816;Heller,Acc.Chem.Res.1990,23,128を参照する。
【0147】
本発明は、また、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩のすべての適切な同位体変体を含む。本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の同位体変体は、その中の少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが、自然界でしばしば見られる原子量とは異なる原子量を有する原子に置換されたものとして定義される。本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩に組み込むことができる同位体が、H、C、N、およびOの同位体(例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F、36Clと125I)を含むが、これらに限定されない。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の同位体変体は、適切な試薬の適切な同位体変体の使用で、従来の技術によって調製されてもよい。
【0148】
本発明には、用語「薬学的に許容される塩」が、薬学的に許容される酸付加塩および薬学的に許容される塩基付加塩を含む。
【0149】
「薬学的に許容される酸付加塩」とは、他の副作用なしに遊離塩基の生物学的有効性を保持することができる、無機酸または有機酸と形成した塩を指す。無機酸性塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などを含むが、これに限定されない;有機酸性塩が、ギ酸塩、酢酸塩、2,2-ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、オクタン酸塩、デカン酸塩、ウンデシレン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、セバシン酸塩、アジピン酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ケイ皮酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、ピログルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、4-アミノサリチル酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩などを含むが、これらに限定されない。これらの塩は、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。
【0150】
「薬学的に許容される塩基付加塩」とは、他の副作用なしに遊離酸の生物学的有効性を保持することができる、無機塩基または有機塩基と形成した塩を指す。無機塩基に由来する塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などを含むが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩が、以下の塩を含むが、これらに限定されない:第一級、第二級および第三級アミン;天然的に置換されたアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などの置換されたアミン、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂など。好ましい有機塩基が、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインを含む。これらの塩は、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。
【0151】
本発明には、「薬物組成物」とは、本発明の化合物と、生物学的に活性な化合物を哺乳動物(ヒトなど)に送達するために当技術分野で一般に許容される媒体との製剤を指す。当該媒体が、薬学的に許容される担体を含む。薬物組成物の目的としては、生物体への投与を促進し、有効成分の吸収を寄与し、そして生物学的活性を発揮することである。
【0152】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される」とは、本発明の化合物の生物学的活性または特性に影響を及ぼさず、比較的毒性がない物質(担体または希釈剤など)を指し、すなわち、当該物質は、有害な生物学的反応を引き起こしないように、或いは、組成物に含まれる成分と望ましくない方式で相互作用することがないように、個体に投与されることができる。
【0153】
本発明には、「薬学的に許容される賦形剤」が、関連する政府当局によって、ヒトまたは家畜に使用可能であると承認された任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味料、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、香味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒または乳化剤を含むが、これらに限定されない。
【0154】
本発明に記載された「腫瘍」が、ヌーナン症候群、ヒョウ症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、肉腫、黒色腫、関節軟骨腫、胆管腫、白血病、乳癌、胃腸間質腫瘍、組織球性リンパ腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、食道癌、膵臓癌、肺扁平上皮癌、肺腺癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、皮膚癌、上皮細胞癌、子宮頸癌、卵巣癌、腸癌、鼻咽頭癌、脳癌、骨癌、腎臓癌、口腔癌/頭部癌、神経芽細胞腫、頭頸部の扁平上皮癌、未分化大細胞リンパ腫または神経膠芽細胞腫および他の疾患を含むが、これらに限定されない。
【0155】
本明細書で使用される用語「予防」、「予防的」および「防止」とは、患者における疾患又は病気の発生または悪化する可能性を低減することを含む。
【0156】
本明細書で使用される用語「治療」及び他の同義語が、以下の意味を含む:
(i)哺乳動物における疾患又は病気の発生を予防すること、特にそのような哺乳動物が当該疾患又は病気を罹患する可能性が高いが、当該疾患又は病気を罹患すると診断されていない場合;
(ii)疾患又は病気を阻害すること、すなわちその発症を抑制すること;
(iii)疾患又は病気を緩和すること、すなわち、当該疾患又は病気の状態を治めること;または
(iv)疾患又は病気によって引き起こされる症状を軽減すること。
【0157】
本明細書で使用される用語「有効量」、「治療有効量」または「薬学有効量」とは、投与後に治療される疾患又は病気の一つまたは複数の症状を緩和するのに、少なくとも一つの薬剤または化合物の十分な量を指す。その結果は、兆候、症状や原因の軽減および/または緩和、あるいは生物学的システムにおけるその他の望ましい変化が生じることであっても良い。例えば、治療に用いられる「有効量」は、臨床的に有意な疾患の軽減を提供するために必要とされる、本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。用量漸増試験などの技術を使用して、任意の個体に適した有効量を決定することができる。
【0158】
本明細書で使用される用語「投与」、「投薬」、「使用」とは、化合物または組成物を、生物学的作用に必要とするの部位に送達することができる方法を指す。これらの方法が、経口経路、経十二指腸経路、非経口注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、動脈内注射または注入を含む)、局所投与、および直腸投与を含むが、これらに限定されない。当業者が、Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,current ed.;Pergamon;and Remingtons,Pharmaceutical Sciences(current edition),Mack Publishing Co.,Easton,Paで論じられるものなど、本明細書に記載の化合物および方法に使用することができる投与技術に熟知している。好ましい実施形態では、本明細書に記載された化合物および組成物は経口投与される。
【0159】
本明細書で使用される用語「薬物の組み合わせ」、「薬物の併用」、「薬物の組合せ」、「他の治療の使用」、「他の治療剤の投与」などとは、複数の活性物質を混合または組み合わせることによって得られる薬物治療を指し、有効成分の固定および非固定の組み合わせを含む。用語「固定の組み合わせ」とは、単一の実体または単一の剤形の形態で、本明細書に記載された少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの相乗剤を、患者への同時投与を指す。用語「非固定の組み合わせ」とは、単一の実体の形態で、本明細書に記載された少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの相乗剤を、患者へ同時投与、併用または可変間隔で順次に投与することを指す。これらは、3つ以上の有効成分の投与などのカクテル療法にも適用される。
【0160】
当業者はまた、以下に記載される方法において、中間化合物の官能基が、適切な保護基によって保護される必要がある可能性があることを理解すべきである。このような官能基が、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基およびカルボン酸を含む。適切なヒドロキシ保護基が、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどを含む。アミノ、アミジノおよびグアニジノの適切な保護基が、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。メルカプトの適切な保護基が、-C(O)-R”(ただし、R”はアルキル基、アリール基またはアラルキル基)、p-メトキシベンジル、トリチルなどを含む。カルボキシの適切な保護基が、アルキル基、アリール基またはアラルキルエステルを含む。
【0161】
保護基を、当業者に知られている或いは本明細書に記載されている標準的な技術に従って、導入および除去することができる。保護基の使用は、Greene,T.W.とP.G.M.Wuts,Protective Groups in Organi Synthesis,(1999),4th Ed.,Wileyに詳しくに説明されている。保護基は、ポリマー樹脂であっても良い。
【0162】
≪式Iの化合物≫
本発明は、式Iに示された化合物を提供する:
【0163】
【0164】
ただし、式Iの化合物は、薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のような酸付加塩またはナトリウム塩またはカリウム塩のようなアルカリ金属塩に転換できる;
【0165】
式Iの化合物、更に、立体異性体などの形式、例えば常温での互変異性体、几何異性体、メソマー、ラセミート、エナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの混合物の形式で存在しても良い;
【0166】
式Iの化合物における水素原子は、その同位体重水素の形式で存在しても良く、例えば-CH3は、-CD3の形式で存在しても良く、-CH2-は、-CD2-の形式で存在しても良い。
【0167】
本発明で定義される化合物またはその薬学的に許容される塩は、有効な抗癌剤であり、その特性は、FGFR活性の調節または阻害によって生成されると考えられていることを見出した。したがって、本発明の化合物は、全体的または部分的にFGFRによって誘発される疾患または病状の治療に使用されることが期待され、すなわち、上記の化合物は、そのような治療を必要とする温血動物においてFGFR阻害効果を生み出すために使用することができる。好ましくに、上記のFGFRは、FGFR1、FGFR2、FGFR3とFGFR4を含む。
【0168】
FGFRの制御されていない発現または異常な活性化は、多くのヒトのがん(膀胱、肝臓、胃、乳房、前立腺、および多発性骨髄腫を含むが、これらに限定されない)で観察されているので、本発明の化合物は、広域スペクトルの抗癌特性を有することが期待される。したがって、本発明の化合物は、これらの癌に対して抗癌活性を有することが期待される。さらに、本発明の化合物は、白血病、リンパ性悪性腫瘍、および例えば、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房、膵臓の癌や肉腫などの組織での固形腫瘍に対して活性を有することが期待される。一つの実施形態では、本発明の化合物は、皮膚、結腸、甲状腺、肺、および卵巣などの原発性および再発性固形腫瘍の成長を有利に遅らせることが期待される。より具体的には、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、FGFRに関連する腫瘍、特にその成長および広がりがFGFRに有意に依存する腫瘍、例えば、特定の膀胱、肝臓、胃、乳房と前立腺腫瘍と多発性骨髄腫を阻害することが期待される。
【0169】
さらに、本発明の化合物は、FGFRキナーゼの活性または発現の阻害から利益を得る疾患、特にFGFR4キナーゼの活性または発現の阻害から利益を得る疾患の治療または予防に使用することができる。このような病気は、固形腫瘍または血液腫瘍であっても良く、以下を含むが、これらに限定されない:膀胱がん、肝がん、脳がん、乳がん、結腸がん、腎臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、胃がん、子宮頸がん、結腸がん、甲状腺がん、皮膚がん、胆管がん、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、バーケッツリンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形腫、神経芽細胞腫、神経膠腫。
【0170】
≪薬品組成物≫
本発明のもう一つの様態では、本明細書で定義される式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、以下の疾患を治療する薬物の調製における応用を提供する:黒色腫、乳頭状甲状腺がん、胆管がん、結腸がん、卵巣がん、肺がん、白血病、リンパ系悪性腫瘍、多発性骨髄腫;肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫;及び、皮膚、結腸、甲状腺、肺、および卵巣の原発性および続発性固形腫瘍。
【0171】
本発明は、さらに、本明細書で定義される式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される補助原料、希釈剤または担体を含む薬物組成物を提供する。上記の薬物組成物は、ヒトなどの温血動物においてFGFR阻害効果または抗癌効果を生み出すために使用される。
【0172】
本発明は、ヒトなどの温血動物における以下の疾患を治療するための薬物組成物を提供する:黒色腫、乳頭状甲状腺がん、胆管がん、結腸がん、卵巣がん、肺がん、白血病、リンパ系悪性腫瘍、多発性骨髄腫;肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、乳房および膵臓の癌腫および肉腫;及び、皮膚、結腸、甲状腺、肺、および卵巣の原発性および続発性固形腫瘍。上記の組成物は、本明細書で定義される式(I)化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される希釈剤または担体を含む。
【0173】
式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩のみを使用しても良いが、一般的に、薬物組成物の形式で投与し、ただし、式(I)化合物または塩(活性成分)が、薬学的に許容される補助原料、希釈剤または担体を結合する。投与の方式によって、薬物組成物は、総組成物重量の0.01-99%w(重量百分比)、0.05-80%w、0.10-70%w、および/または0.10-50%wの活性成分を含んでも良い。
【0174】
本発明は、さらに、本発明の薬物組成物を調製する方法を提供し、上記の薬物組成物は、本明細書で定義される式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される補助原料、希釈剤または担体を含む。
【0175】
薬物組成物は、クリーム、溶液、懸濁液、ヘキサフルオロアルカンエアロゾルおよび乾燥粉末製剤の形式で局所的に投与しても良い(例えば、皮膚または肺および/または気道);または、錠剤、カプセル、シロップ、粉末または顆粒の形式での経口投与など、全身的に投与しても良い;または、溶液または懸濁液の形式で胃腸管に投与しても良い;または皮下に投与しても良い;または坐剤の形式で直腸に投与しても良い;または経皮的に投与しても良い。
【0176】
本発明の組成物は、当技術分野で周知の従来の薬物賦形剤を使用する従来の方法によって得ることができる。したがって、経口使用を目的とした組成物は、例えば、1つまたは複数の着色剤、甘味剤、香味剤および/または防腐剤を含んでも良い。
【0177】
錠剤の調製に適する薬学的に許容される賦形剤は、例えば、以下を含む:ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムなどの不活性希釈剤;コーンスターチまたはアルゲン酸などの造粒および崩壊剤;デンプンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤;p-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸プロピルなどの防腐剤;およびアスコルビン酸などの酸素剤。錠剤は、コーティングされなくても良いか、またはそれらの崩壊およびその後の胃腸管における活性成分の吸収を改善するために、またはそれらの安定性および/または外観を改善するために、当技術分野で周知の従来のコーティング材料および方法でコーティングすることができる。
【0178】
経口投与用の組成物は、硬ゼラチンカプセルの形態であっても良く、ただし、活性成分は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンなどの不活性基希釈剤と混合される;または、ソフトゼラチンカプセルの形式であっても良く、ただし、活性成分は、水または油(ピーナッツオイル、液体パラフィン、オリーブオイルなど)と混合しても良い。
【0179】
水性懸濁液は、一般的に、微細粉末形式の活性成分と1つまたは複数以下の成分を含む:懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒプロメロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム和アラビアガムである;分散剤または湿潤剤、例えばレシチンまたは1、2-エポキシアルカンと脂肪酸との縮合産物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合産物(例えばセブンティーンカーボンエチレンセチルアルコール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルの縮合産物(例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合産物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Polyethylenesorbitanmonooleate))である。水性懸濁液はまた、1つ以上の防腐剤を含んでも良く、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸プロピル、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)、着色剤、香料、甘味料(例えば、スクロース、サッカリン、アスパルテーム)。
【0180】
油性懸濁液は、活性成分を植物油(例えば、ピーナッツオイル、オリーブオイル、ゴマ油、ココナッツオイル)または鉱油(液体パラフィンなど)に懸濁することによって調製できる。油性懸濁液は、蜜蝋、パラフィン、セチルアルコールなどの増粘剤を含んでも良い。上記の甘味料および香味料を添加して、口当たりの良い経口製剤を得ることができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることによって保存することができる。
【0181】
水を加えることによる水性懸濁液の調製に適する分散性粉末および顆粒剤は、一般に、活性成分および分散剤または湿潤剤、懸濁剤と1つまたは複数の防腐剤を含む。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上記のように例示された。甘味料、香味料および着色剤などの他の賦形剤も存在しても良い。
【0182】
本発明の薬物組成物は、水中油型エマルジョンの形式であっても良い。油相は、オリーブ油や落花生油などの植物油、液体パラフィンなどの鉱油、またはこれらのいずれかの混合物にしても良い。適切な乳化剤は、例えば、アラビアガムまたはトラガカントゴムなどの天然に存在するガム、大豆リン脂質、レシチンなどの天然に存在するリン脂、脂肪酸と無水ヘキシトール(例えば、ソルビタンモノオレエート)から誘導されたエステルまたは部分エステル、とポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどの上記の部分エステルとエチレンオキシドとの縮合産物である。乳化剤は、甘味料、香料、防腐剤も含んでも良い。
【0183】
シロップおよびエリキシルは、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはスクロースなどの甘味料と配合することができ、同時に、鎮痛剤、防腐剤、香味料および/または着色剤を含んでも良い。
【0184】
薬物組成物はまた、無菌注射の水性または油性懸濁液の形式であっても良く、それは、既知の方法に従って、上記の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤のうちの1つ以上を使用できる。無菌注射製剤はまた、毒性または非経口的に許容される希釈剤または溶媒(例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液)中の無菌注射溶液または懸濁液であっても良い。
【0185】
坐剤は、活性成分を、常温では固体であるが直腸温度では液体であるが直腸で溶融し薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。適切な賦形剤は、例えば、カカオバターおよびポリエチレングリコールを含む。
【0186】
クリーム、軟膏、ゲルまたは水性または油性の溶液または懸濁液などの局所製剤の場合、通常、当技術分野で周知の従来の方法によって、従来の局所的に許容される賦形剤とともに活性成分を使用することによって調製して得られる。
【0187】
吹送投与用の組成物は、例えば、平均粒子径が30μ以下の細かく分散する粉末として投与することができ、当該粉末は、活性成分自体のみを含むか、ラクトースなどの1つまたは複数の生理学的に許容される担体で希釈されても良い。続いて、吹送用の粉末は、例えば1~50mgの活性成分を含むカプセルに入れられ、例えば、既知の薬物であるクロモグリク酸ナトリウムの吹送のために、ターボ吸入器装置と共に使用される。
【0188】
吸入によって投与される組成物は、活性成分を細かく分散する固体または液滴を含むエアロゾルに分配する従来の加圧エアロゾルの形式であっても良い。従来のエアロゾル推進剤(例えば、揮発性フッ素化炭化水素または炭化水素)を使用することができ、エアロゾル装置は活性成分の量を容易に決定することができる。
【0189】
周知の医学的原理によれば、治療目的のための本発明の化合物の投与量は、疾患の性質および重症度、動物または患者の年齢および性別、ならびに投与経路に応じて自然に変化するできる。
【0190】
一般に、本発明の化合物は、例えば、0.1mg~1000mgの範囲の活性成分/kg体重の1日量が得られるように投与され、必要に応じて、分割投与することもできる。ただし、1日の投与量は、治療する宿主、特定の投与経路、および治療する疾患の重症度によって異なる。したがって、最適な投与量は、特定の患者を治療する医師が決定することができる。一般的に言えば、非経口経路を使用する場合は投与量が与えられる。したがって、例えば、静脈内投与の場合、例えば、0.1mgから30mgの活性成分/ kg体重の投与量が一般的に使用される。同様に、吸入投与の場合、例えば、0.1mgから25mgの活性成分/ kg体重の投与量が一般的に使用される。しかしながら、経口投与が好ましい。例えば、ヒトへの経口投与を目的とした製剤は、一般に、0.1mgから2gの有効成分を含む。
【0191】
他の製剤、投与経路、投与計画については、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;編集委員長)の出版物を参照する。
【0192】
≪併用療法≫
上記で定義された抗癌治療は、単剤療法または併用療法として使用することができ、すなわち、本発明の化合物による治療に加えて、従来の手術または放射線療法または化学療法も同時に使用される。このような化学療法は、1つまたは複数の以下のタイプの抗腫瘍剤を含んでも良い:
【0193】
(1)腫瘍学で使用される他の抗増殖/抗腫瘍薬およびそれらの組み合わせ:例えば、アルキル化剤(シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、テモゾロミド、およびニトロ尿素など)、代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビンと葉酸拮抗薬例えば5-フルオロウラシルやテガフールなどのフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトチン、シタラビン、ヒドロキシ尿素)、抗腫瘍抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、ブリリアンスマイシンなどのアントラサイクリン)、有糸分裂阻害剤(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビンなどのビンカアルカロイド、パクリタキセル、ドセタキセルなどのタキサン、およびポロキナーゼ阻害剤)、トポイソメラーゼ阻害剤(ポドフィロトキシン、例えば、エトポシドやテニポシド、アムシリジン、トポテカン、カンプトテシン);
【0194】
(2)細胞増殖阻害剤:抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗薬またはLHRH作動薬(例えば、ゴセレリン、リュープロリド、ブセレリン)、プロゲスチン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、フルクロゾール、エキセメスタン)と5*-レダクターゼ阻害剤(例えば、フィナステリド);
【0195】
(3)がん細胞の浸潤を阻害する薬剤:例えば、4-(6-クロロ-2,3-メチレンジオキシアニリノ)-7-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]-5-テトラヒドロピラン-4-イルオキシキナゾリンのようなc-Srcキナーゼファミリー阻害剤(AZD0530;国際特許出願WO01194341)とN-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-{6-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-イル]-2-メチルイミジジン-4-イルアミノ}チアゾール-5-カルボキサミド(dasatinib,BMS-354825,J.Med.Chem.,2004,47,6658-6661)、とマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、とウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター受容体機能の阻害剤またはヘパラナーゼ抗体;
【0196】
(4)成長因子機能阻害剤:成長因子抗体および成長因子受容体抗体(抗erbB2抗体トラスツズマブ[HerceptinTM]、抗EGFR抗体パニツムマブ、抗erbB1抗体セツキシマブ[Erbitux、C225]など)、ならびにCritical reviews in oncology/hematology、2005年、第54巻、11~29ページでStemらによって開示された任意の成長因子または成長因子受容体抗体を含む;これらの阻害剤には、チロシンキナーゼ阻害剤のような表皮成長因子ファミリー阻害剤(例えば、EGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N-(2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-4-メトキシ-5-((4-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)アクリルアミド(AZD9291)、N-(3-エチルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ、OSI-774)および6-アシルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(CI 1033))、ラパチニブのようなerbB2チロシンキナーゼ阻害剤、イマチニブのような血小板由来成長因子ファミリー阻害剤、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤(例えば、Ras/Rafシグナル伝達阻害剤、例えばソラフェニブ(BAY43-9006)のようなファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤)、MEKおよび/またはAKTキナーゼを介した細胞シグナル伝達阻害剤、肝細胞増殖因子ファミリー阻害剤、c-kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、IGF受容体(インスリン様成長因子)キナーゼ阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、AZD1152、PH739358、VX-680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX-528、AX39459)、およびCDK2および/またはCDK4および/またはCDK6阻害剤のようなサイクリンキナーゼ阻害剤;
【0197】
(5)抗血管新生剤:例えば、血管内皮増殖因子の効果を阻害する抗血管新生剤(抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[AvastinTM]と、4-(4-ブロモ-2-フルオロアニリノ)-6-メトキシ-7-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)キナゾリン(AZD6474;WO01132651の実施例2)と4-(4-フルオロ-2-メチルインドール-5-イルオキシ)-6-メトキシ-7-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171;WO00/47212の実施例240)、のようなVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、ヴァタラニブ(PTK787;WO98/35985)およびSU11248(スニチニブ;WO01160814)、例えば、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856およびWO98/13354に開示されている化合物、ならびに他のメカニズムを介して作用する化合物(例えば、Linuo Gum、インテグリンαvb3機能阻害剤およびアンギオスタチンなど);
【0198】
(6)血管損傷剤:例えば、コンブスタチンA4と国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01192224、WO02/04434およびWO02/08213に開示されている化合物;
【0199】
(7)アンチセンス療法:ISIS 2503(抗rasアンチセンス)のような上記の標的に対する療法;
【0200】
(8)遺伝子治療:例えば、異常なp53または異常なBRCA1またはBRCA2などの異常な遺伝子を置き換える方法、シチジンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼを使用する方法などのGDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ療法)法、及び、多剤耐性遺伝子療法のような患者の化学療法または放射線療法に対する耐性を改善する方法を含む;及び
【0201】
(9)免疫療法:免疫チェックポイント阻害法(例えば、オプジーボ(Opdivo)やキートルーダ(Keytruda)などのPD-1抗体やテセントリック(Tecentriq)などのPD-L1抗体のようなキメラ抗原受容体T細胞免疫療法(Chimeric antigen receptor T-cell immunotherapy))、患者の腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのinvitroおよびinvivo療法とinvivo療法、例えばT細胞アネルギーを低減するために、インターロイキン2、インターロイキン4、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインによるトランスフェクション方法、トランスフェクトされた免疫細胞(サイトカインでトランスフェクトされた樹状細胞など)を使用する方法、サイトカインをトランスフェクトした腫瘍細胞株の使用方法、抗イディオタイプ抗体を使用する方法を含む。
【0202】
≪式Iの化合物の調製≫
式Iの化合物は、以下の経路で調製することができる:出発物質I-A-1から、求核置換反応によりI-A-1を得る。次に、I-A-2のニトロ基を還元剤で還元し、アミノ化合物I-A-3を得る。次に、I-A-3を置換(非置換)塩化アクリロイルまたは置換(非置換)プロピオリルクロリドでアシル化して、I-A-4を得る。最後に、I-A-4とI-Bは、ウレタン交換反応を受けて、最終産物である式Iの化合物を得る。
【化19】
【0203】
本発明の主な利点は次のとおり:
1.式Iに示された化合物を提供する。
2.新しい構造を有するFGFR阻害剤及びその調製と応用を提供し、上記の阻害剤は、非常に低濃度でさまざまなFGFRキナーゼの活性を阻害することができ、上記の阻害剤は、良好な経口投与量を有する。
3.FGFRキナーゼ活性に関連する疾患を治療する薬物組成物を提供する。
【実施例】
【0204】
以下、具体的な実施例を参照して、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の単なる例示であることが理解されるべく。以下の実施例に具体的な条件を示さない実験方法は、一般的に、通常の条件またはメーカーの推奨条件に従う。特に断らない限り、百分率および部は重量を指す。
【0205】
≪中間体A:3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾリル-5-アミン≫
【0206】
【0207】
氷浴で、丸底フラスコに3-(3,5-ジメトキシフェニル)プロピオン酸(A1、21g、100mmol)を加え、200mLエタノールを添加し、溶解した後に14.6mL(200mmol)塩化チオニルを滴下し、反応液を室温で12h攪拌反応した後に、反応液を減圧でスピン乾燥し、酢酸エチルを添加し、溶解した後に飽和NaHCO3溶液で洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し(勾配溶離、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~10:1)、無色液体3-(3,5-ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチル(23.2g、收率:97.4%)を得た。
【0208】
丸底フラスコに攪拌棒を入れ、N2の保護で、100mL THFを加え、丸底フラスコを-78℃に置き、10min攪拌した後に、74.4mLのn-BuLi(2.5M,185mmol)を加え、アセトニトリル(8.64mL、201.6mmol)を100mL THFに溶解した後に、反応液に滴下し、1h攪拌した後に、化合物3-(3,5-ジメトキシフェニル)プロピオン酸エチル(20g、84mmol)を48mL THFに溶解した後に、ゆっくり反応液に滴入した。反応液を-78℃で3h攪拌し、ゆっくりに室温まで昇温し、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することで反応をクエンチした。反応液を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和NaClで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した後に、再びスピン乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し(勾配溶離、石油エーテル:酢酸エチル=20:1~5:1)、5-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-オキソバレロニトリルを得た(A2、14.2g,収率:73%)。
【0209】
丸底フラスコに5-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-オキソバレロニトリル(A2、10.2g、43.78mmol)を加え、280mLエタノールを添加し、溶解し、そして、ゆっくりヒドラジン水和物(12.86mL、218.9mmol)を滴下し、80℃まで昇温し、24h反応した。反応液を、減圧でスピン乾燥し、酢酸エチルの添加で抽出し、得された溶液をH2Oで洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し(勾配溶離、ジクロロメタン:メタノール=200:1~40:1)、薄黄色固体の中間体3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾリル-5-アミンを得た(A、9.34g、収率:86.35%)。
【0210】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ6.26(m,3H),5.39(s,1H),4.72(brs,3H),3.70(s,6H),2.78(s,4H);LCMS:m/z=248.1[M+H]+。
【0211】
≪中間体B:2-アクリルアミド-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル≫
【0212】
【0213】
丸底フラスコに、4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸エチル(B1、5g、25.8mmol)、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(6.5g、38.7mmol)とトリエチルアミン(10mL、77.4mmol)を加え、かつDMSO(55mL)を添加した後に、70℃まで加熱し、5時間攪拌した。LCMSで原料を完全に反応したまでモニターし、その後に30mL冰水を添加することでクエンチし、酢酸エチルで抽出し(100mL×2)、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し(100mL×2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し(勾配溶離、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~2:1)、黄色固体2-アクリルアミド-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(B2、9.0g、収率:92%)を得た。
LCMS:m/z=325.0(M+H)+.
【0214】
【0215】
化合物2-アクリルアミド-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(B2、2.5g、6.6mmol)を、30mL DCMに溶解し、12M塩酸エタノール7mL(84mmol)を加え、室温条件で2時間反応した。LCMSで完全に反応するまでモニターし、スピン乾燥で、薄黄色固体である2-ニトロ-4-(ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル二塩酸塩(B3、2.32g、収率:100%)を得た。
LCMS:m/z=280.1[M+H]+.
【0216】
【0217】
化合物2-ニトロ-4-(ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル二塩酸塩(B3、2.3g、6.6mmol)を、30mL DMFに溶解し、そして、トリエチルアミン(3.2mL、23.1mmol)とトリフルオロヨードプロパン(3.25g、14.5mmol)を添加し、90℃で反応を一晩攪拌した(16時間)。LCMSで原料を完全に反応したまでモニターし、その後に60mL水を添加することでクエンチし、酢酸エチルで抽出し(100mL×3)、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し(100mL×2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し(勾配溶離、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~3:1)、黄色固体2-ニトロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(B4、1.42g、収率:57%)を得た。
【0218】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.76(d,J=8.8Hz,1H),7.04(d,J=2.5Hz,1H),6.96(dd,J=8.9,2.6Hz,1H),4.31(q,J=7.1Hz,2H),3.36(t,J=5.0Hz,4H),2.64(dt,J=19.8,6.4Hz,6H),2.35(s,2H),1.32(t,J=7.1Hz,3H);LCMS:m/z=376.1(M+H)+.
【0219】
【0220】
丸底フラスコに、2-ニトロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(B4、1.42g、3.79mmol)、還元鉄粉(1.06g、19mmol)と塩化アンモニウム(1.26g、19mmol)を加え、かつ30mLエタノールと3mL水を添加した後に、80℃まで加熱し、2時間攪拌した。LCMSで原料を完全に反応したまでモニターし、反応液を、珪藻土で濾過し、酢酸エチル(20mL×2)で二回洗浄し、スピン乾燥し、薄黄色固体2-アミノ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチルを得た(B5、1.25g、収率:96%)。
【0221】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.53(d,J=9.1Hz,1H),6.48(s,2H),6.22(dd,J=9.1,2.5Hz,1H),6.13(d,J=2.4Hz,1H),4.17(q,J=7.1Hz,2H),3.18(dd,J=6.3,3.8Hz,4H),2.53(dd,J=10.8,4.3Hz,8H),1.26(t,J=7.0Hz,3H);LCMS:m/z=346.1[M+H]+.
【0222】
【0223】
化合物2-アミノ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(B5、1.25g、3.62mmol)を、15mLジクロロメタンに溶解し、氷水浴で0~5℃まで冷却した。トリエチルアミン(0.80mL、5.80mmol)、塩化アクリロイル(0.38mL、4.70mmol)を添加し、室温で12時間攪拌し、LCMSで完全に反応するまでモニターし、50mL氷水の添加でクエンチし、酢酸エチルで抽出し(100mL×3)、飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し(勾配溶離、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~2:1)、黄色固体2-アクリルアミド-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(B、1.16g、収率:80%)を得た。
【0224】
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ11.58(s,1H),8.47(d,J=2.6Hz,1H),7.92(d,J=9.0Hz,1H),6.54(dd,J=9.1,2.6Hz,1H),6.45-6.28(m,2H),5.77(dd,J=10.0,1.5Hz,1H),4.33(q,J=7.1Hz,2H),3.42(t,J=5.2Hz,4H),2.71-2.54(m,6H),2.42-2.28(m,2H),1.39(t,J=7.1Hz,3H);LCMS:m/z=400.1[M+H]+。
【0225】
≪中間体C:2-アクリルアミド-4-(4-(2,2,2-トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル≫
【0226】
【0227】
中間体Cの合成は、中間体Bの経路を参照する。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ11.21(s,1H),8.16(d,J=2.6Hz,1H),7.82(d,J=9.1Hz,1H),6.74(dd,J=9.2,2.6Hz,1H),6.44-6.22(m,2H),5.89-5.73(m,1H),4.28(q,J=7.1Hz,2H),3.38-3.17(m,6H),2.75(t,J=5.0Hz,4H),1.31(t,J=7.1Hz,3H);LCMS:m/z=386.1[M+H]+.
【0228】
≪中間体D:2-アクリルアミド-4-(4-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル≫
【0229】
【0230】
中間体Dの合成は、中間体Bの経路を参照する。
LCMS:m/z=368.1[M+H]+.
【0231】
≪中間体E:1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン塩酸塩≫
【0232】
【0233】
ステップ一:N-tert-ブトキシカルボニルピペラジン(E-1、300g,1.61mol)のアセトニトリル(2.5L)溶液に、炭酸カリウム(667g,4.83mol)とトリフルオロヨードプロパン(1.0Kg,4.46mol)を添加した。アルゴンガスの保護で、80℃で加熱し、16h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を水(2L)の添加で希釈し、酢酸エチル(3×1.0L)で抽出し、抽出液を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で、乾燥まで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)し、白色固体であるTert-ブチル4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-カルボキシレート(E-2、430g、収率:94.5%)を得た。
【0234】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm3.43(t,J=5.2Hz,4H),2.63~2.59(m,2H),2.40(t,J=5.2Hz,4H),2.34~2.29(m,2H),1.46(s,9H).
【0235】
ステップ二:Tert-ブチル4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-カルボキシレート(E-2、382g、1.35mol)のメタノール(2L)溶液に、塩酸/1,4-ジオキサン(4M,2.0L)を滴下した。40℃まで加熱し、16h反応した。LCMSで完全に反応したことをモニターした。反応液を減圧で乾燥まで濃縮し、白色固体である1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン塩酸塩(E、375g)を得た。粗生成物を次のステップで直接使用した。
【0236】
1H NMR(400MHz,MeOD-d4):δppm3.68~3.56(m,9H),3.32~3.30(m,1H),2.97~2.90(m,2H).
【0237】
≪実施例1:化合物1の合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【0238】
【0239】
三口フラスコに、中間体3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、310mg、1.25mmol)を加え、N2の保護で、3mL超乾燥キシレンを添加し、溶解し、氷浴で10min攪拌した後に、2Mのトリメチルアルミニウム(1.9mL、3.75mmol)溶液を滴下し、1h反応した後に、2-アクリルアミド-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(B、500mg、1.25mmol)を加え、10min攪拌した後に、氷浴を取り外し、115℃で3h反応した後に、温度を下げ、H2Oの滴下で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、得された溶液を、飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し(勾配溶離、ジクロロメタン:メタノール=200:1~10:1)、白色粉末状固体2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミドを得た(化合物1,157mg,収率:21%)。
【0240】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.21(s,1H),12.04(s,1H),10.59(s,1H),8.22(d,J=2.5Hz,1H),7.90(d,J=9.0Hz,1H),6.71(d,J=8.6Hz,1H),6.42(d,J=2.3Hz,3H),6.39-6.18(m,3H),5.85-5.73(m,1H),3.71(s,6H),3.28(s,4H),2.87(s,4H),2.56(m,8H);LCMS:m/z=601.2[M+H]+.
【0241】
≪実施例2:化合物2の合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【0242】
【0243】
二口フラスコに3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、963mg、3.9mmol)を加え、N2の保護で、30mL超乾燥キシレンを加え、溶解した後に、氷浴で一瞬攪拌し、そして、再びに、ゆっくりで2M トリメチルアルミニウム溶液(5.85mL、11.69mmol)を加え、氷浴で続いて1時間攪拌した。1時間後に、2-アクリルアミド-4-(4-(2,2,2-トリフルオロメチル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(C、1.5g、3.9mmol)を加え、そして反応系を、115℃の油浴に移動し、続いて攪拌した。3時間反応した後に、薄層クロマトグラフィーで反応が終了したことを確認した。反応液に10 mL水を加え、反応液をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ケイ砂を加え、シリカゲルカラムで単離精製し(DCM:MeOH=100:1から、DCM:MeOH=10:1まで勾配溶離し)、乳白色粉末2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物2、535mg、収率:23.4%)を得た。
【0244】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.22(s,1H),12.02(s,1H),10.61(s,1H),8.21(d,J=2.6Hz,1H),7.90(d,J=9.0Hz,1H),6.71(dd,J=9.2,2.6Hz,1H),6.43-6.21(m,6H),5.81(dd,J=9.9,1.8Hz,1H),3.71(s,6H),3.30(t,J=5.2Hz,4H),3.27-3.21(m,2H),2.86(s,4H),2.76(t,J=5.1Hz,4H);LCMS:m/z=587.3(M+H)+.
【0245】
≪実施例3:化合物3の合成≫
2-アクリルアミド-4-(4-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド
【0246】
【0247】
化合物3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、114mg、0.463mmol)を窒素ガスの保護で、5mL超乾燥キシレンに加え、氷水浴で一瞬攪拌し、ゆっくりにトリメチルアルミニウムの2Mトルエン溶液(0.7mL、1.4mmol)を加え、続いて氷水浴で1時間攪拌し、2-アクリルアミド-4-(4-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)安息香酸エチル(D、117mg、0.463mmol)を加え、反応系を油浴で加熱還流(115℃)し、3時間反応し、LCMSで完全に反応したことをモニターし、反応液に30mL水をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、溶剤をスピン乾燥した後に、調製し、冷凍乾燥し、白色固体2-アクリルアミド-4-(4-(2,2-ジフルオロエチル)ピペラジン-1-イル)-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド(化合物3、60mg、収率:23%)を得た。
【0248】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.22(s,1H),12.03(s,1H),10.60(s,1H),8.21(d,J=2.6Hz,1H),7.90(d,J=9.0Hz,1H),6.71(d,J=8.5Hz,1H),6.42(m,3H),6.39-6.16(m,4H),5.81(dd,J=9.9,1.9Hz,1H),3.71(s,6H),3.29(m,4H),2.87(s,4H),2.78(dd,J=15.7,4.3Hz,2H),2.67(dd,J=6.8,3.1Hz,4H);LCMS:m/z=569.2[M+H]+.
【0249】
≪実施例4:化合物4の合成≫
2-アクリラミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0250】
【0251】
ステップ一:2-ニトロ-4-トリフルオロメチル安息香酸(4-1、3.0g、12.2mmol)とDMF(0.3mL)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、アルゴンガスを三回置換した後に、アルゴンガスの保護で0℃まで温度を下げ、塩化オキサリル(4.05 g、31.90mmol)を添加した後に、室温まで昇温し、一晩反応し、反応を終了した。減圧で溶剤と過量の塩化オキサリルをスピン乾燥し、トルエン(20mL)帯一次、スピンで乾燥した後にジクロロメタン(50mL)に溶解し、混合物をメタノール(50mL)に加え、室温で3時間攪拌し、反応が終了した。カラムで濃縮し(PE:EA=20/1)、ライトグリーン液体2-ニトロ-4-トリフルオロメチル安息香酸メチル(4-2、3.14g、収率:98.7%)を得た。
【0252】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.22(s,1H),7.96(d,J=8.0Hz,1H),7.89(d,J=8.0Hz,1H),3.97(s,3H).
【0253】
ステップ二:2-ニトロ-4-トリフルオロメチル安息香酸メチル(4-2、3.14g,12.6mmol)をメタノール(60mL)に添加した。水素ガス条件でパラジウム炭素(310mg)を加え、室温で一晩反応し、反応が終了した。濾過濃縮で、白色固体に近い2-アミノ-4-トリフルオロメチル安息香酸メチル(4-3、2.6g、収率:94%)を得た。
LCMS:m/z220.2[M+H]+.
【0254】
ステップ三:化合物2-アミノ-4-トリフルオロメチル安息香酸メチル(4-3、1.5g、6.8mmol)とトリエチルアミン(1.05g、10.3mmol)を、ジクロロメタン(30mL)に溶解した。アルゴンガスの保護で、0℃に温度を下げた後に、塩化アクリロイル(807mg、8.9mmol)を滴下し、室温まで昇温し、3時間攪拌し、反応が終了した。水の添加でクエンチし、ジクロロメタン(50mL)で三回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、カラムで濾過濃縮(PE:EA=8/1)し、白色固体2-アクリラミド-4-トリフルオロメチル安息香酸メチル(4-4、750mg、収率:40%)を得た。
LCMS:m/z274.2[M+H]+.
【0255】
ステップ四:化合物3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、305mg、1.23mmol)を、キシレン(25mL)に懸濁し、アルゴンガスの保護で0℃まで温度を下げた後に、2Mトリメチルアルミニウム(0.62mL、1.23mmol)を滴下した後に、温度を保持し、1時間反応した。2-アクリラミド-4-トリフルオロメチル安息香酸メチル(4-4、330mg、1.23mmol)をキシレン(5mL)に溶解した後に、上記の反応系に滴下し、100℃まで昇温し、3時間反応し、反応が終了した。反応液を氷水でクエンチし、酢酸エチル(50mL)で三回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過・濃縮した後に、カラムとPrep-TLCで精製し、白色固体2-アクリラミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物4、100mg、収率:17%)を得た。
【0256】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ11.17(s,1H),9.45(s,1H),9.30(brs,1H),9.09(s,1H),7.71(d,J=8.0Hz,1H),7.33(d,J=8.4Hz,1H),6.69(s,1H),6.47(d,J=16.8Hz,1H),6.32(s,3H),6.30(d,J=16.8Hz,1H),5.83(d,J=10.4Hz,1H),3.77(s,6H),2.97-2.91(m,4H);LCMS:m/z489.3[M+H]+.
【0257】
≪実施例5:化合物5の合成≫
2-アクリラミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ベンズアミド
【0258】
【0259】
ステップ一:2,2,2-トリフルオロエチル-1-オール(188mg,1.880mmol)をDMF(5mL)に溶解した。アルゴンガスの保護、氷水で0℃まで温度を下げた。ゆっくりに、60%水素ナトリウム(45mg、1.125mmol)を添加した後に、1時間攪拌した。0℃で4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸エチル(B1、200mg、0.938mmol)のDMF(2mL)溶液を滴下した。自然に室温まで昇温し、攪拌しながら一晩反応した。反応液を氷塩化アンモニウム水溶液(100mL)に加え、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー法で精製し(0~3%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)、精製で2-ニトロ-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)安息香酸エチル(5-1、172mg、収率:62.5%)を得た。
【0260】
ステップ二:2-ニトロ-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)安息香酸エチル(5-1、172mg、0.587mmol)を、無水メタノール(10mL)に溶解した。パラジウムカーボン(10%、28mg)を加え、真空で水素ガスを5回置換した。水素ガスで室温で一晩攪拌し、TLC(PE/EA=10/1)で反応が終了したことをモニターした。濾過でパラジウムカーボンを除去し、ろ液を濃縮し、粗生成物(2-アミノ-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル)(エトキシ)メタノール(5-2、146mg、収率を100%とする)を得、次のステップで直接使用した。
LCMS:m/z264.4[M+H]+.
【0261】
ステップ三:粗生成物(2-アミノ-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル)(エトキシ)メタノール(5-2、146mg、0.587mmol)とトリエチルアミン(95mg、0.939mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解した。アルゴンガスで保護し、0℃塩化アクリロイル(69mg、0.762mmol)を滴下した。室温で一晩攪拌した。反応液を氷水に加え、ジクロロメタンで3次抽出した。有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー法で精製し(0~20%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)、精製で2-アクリラミド-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)安息香酸エチル(5-3、133mg,収率:71.4%)を得た。
LCMS:m/z318.0[M+H]+.
【0262】
ステップ四:化合物3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、106mg,0.334mmol)をキシレン(5mL)に溶解した。アルゴンガスで保護し、0℃で、トリメチルアルミニウム(0.6mL、1.2mmol)を滴下した。0℃に1時間温度を保持した後に、2-アクリラミド-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)安息香酸エチル(5-3、133mg,0.419mmol)のキシレン溶液(5mL)を滴下した。110℃で3時間攪拌し、TLC(DCM/MeOH=50/1)で反応が終了したことをモニターした。反応液を氷水(100mL)に添加した。酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和塩水で一回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、prep-HPLCで精製し、白色固体2-アクリラミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ベンズアミド(化合物5、110mg、収率:50.6%)を得た。
【0263】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.26(s,1H),11.69(s,1H),10.84(s,1H),8.22(d,J=2.4Hz,1H),7.80(d,J=8.8Hz,1H),6.92-6.89(m,1H),6.42-6.28(m,6H),5.86-5.83(m,1H),4.89-4.82(m,2H),3.72(s,6H),2.88(s,4H);LCMS:m/z519.4[M+H]+.
【0264】
≪実施例6:化合物6の合成≫
2-アクリラミド-4-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド
【0265】
【0266】
ステップ一:化合物4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸エチル(B1、300mg,1.407mmol)を、DMF(6mL)に溶解した。順番に3,3-ジフルオロアゼチジン(230mg,1.776mmol)と無水炭酸カリウム(777mg、5.626mmol)を添加した。アルゴンガスの保護で、50℃で攪拌し、一晩反応した。反応液を氷水(50mL)に添加した。酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー法で精製し(0~3%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)、精製で4-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸エチル(6-1、139mg、収率:34.5%)を得た。
LCMS:m/z287.3[M+H]+.
【0267】
ステップ二:化合物4-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸エチル(6-1、139mg、0.4857mmol)を、無水メタノール(10mL)に溶解した。パラジウムカーボン(10%、20mg)を加え、水素ガスを5回置換した。水素ガスで室温で一晩攪拌した。TLC(PE/EA=10/1)で反応が終了したことをモニターした。濾過でパラジウムカーボンを除去し、ろ液を濃縮し、粗生成物2-アミノ-4-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)安息香酸エチル(6-2、121mg、収率を100%とする)を得、次のステップで直接使用した。
LCMS:m/z257.4[M+H]+.
【0268】
ステップ三:粗生成物である化合物2-アミノ-4-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)安息香酸エチル(6-2、121mg、0.486mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(79mg、0.781mmol)を加えた。アルゴンガスで保護し、0℃塩化アクリロイル(57mg、0.630mmol)を滴下した。室温で一晩攪拌した。反応液を氷水に加え、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー法で精製し(0~20%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)、精製で2-アクリラミド-4-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)安息香酸エチル(6-3、108mg,収率:71.6%)を得た。
LCMS:m/z311.4[M+H]+.
【0269】
ステップ四:3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、88mg,0.356mmol)を、キシレン(5mL)に溶解した。アルゴンガスで保護し、0℃で、トリメチルアルミニウム(0.5mL、1.0mmol)を滴下した。0℃で1時間保温した後に、2-アクリラミド-4-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)安息香酸エチル(6-3、108mg,0.348mmol)のキシレン(5mL)溶液を滴下した。110℃で3時間攪拌し、TLC(DCM/MeOH=50/1)で反応が終了したことをモニターした。反応液を氷水(100mL)に加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法で精製し(0~5%勾配のメタノール:ジクロロメタン)、2-アクリラミド-4-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド(化合物6、63mg、収率:35.4%)を得た。
【0270】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.22(s,1H),12.04(s,1H),10.63(s,1H),7.94(d,J=9.2Hz,1H),7.79(s,1H),6.42-6.22(m,7H),5.83(d,J=10Hz,1H),4.41-4.35(m,4H),3.71(s,6H),2.87(s,4H);LCMS:m/z512.4[M+H]+.
【0271】
≪実施例7:化合物7の合成≫
2-アクリラミド-4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド
【0272】
【0273】
ステップ一:化合物4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸エチル(B1、300mg,1.407mmol)を、DMF(6mL)に溶解した。順番に4,4-ジフルオロピペリジン(179mg,1.478mmol)と無水炭酸カリウム(389mg,2.817mmol)を添加し、アルゴンガスの保護で、50℃一晩攪拌した。反応液を氷水(50mL)に添加した。酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法(0~3%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸エチル(7-1、219mg、収率:49.5%)を得た。
【0274】
ステップ二:4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸エチル(7-1、219mg、0.697mmol)を無水メタノール(10mL)に溶解した。パラジウムカーボン(10%、23mg)を加えた。真空で水素ガスを5回置換した。室温で一晩攪拌し、TLC(石油エーテル/アセトン=10/1)で反応が終了したことをモニターした。濾過でパラジウムカーボンを除去し、ろ液を乾燥まで濃縮し、粗生成物2-アミノ-4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)安息香酸エチル(7-2、収率を100%とする)を得、次のステップで直接使用した。
LCMS:m/z285.1[M+H]+.
【0275】
ステップ三:粗生成物2-アミノ-4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)安息香酸エチル(7-2、0.697mmol)を、ジクロロメタン(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(113mg、1.117mmol)を加えた。アルゴンガスで保護し、0℃塩化アクリロイル(90mg、0.994mmol)を滴下した。室温で一晩攪拌した。反応液を氷水に加え、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法(0~20%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、無色油状物2-アクリラミド-4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)安息香酸エチル(7-3、183mg,収率:77.6%)を得た。
LCMS:m/z339.4[M+H]+.
【0276】
ステップ四:化合物3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、134mg,0.542mmol)をキシレン(5mL)に溶解した。アルゴンガスで保護し、0℃で、トリメチルアルミニウム(0.8mL、1.6mmol)を滴下した。0℃で1時間保温した後に、2-アクリラミド-4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)安息香酸エチル(7-3、183mg,0.541mmol)のキシレン(5mL)溶液を滴下した。110℃3時間攪拌し、TLC(DCM/MeOH=20/1+2dアンモニア液)で反応が終了したことをモニターした。反応液を氷水(100mL)に加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和塩水で一回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー法(0~5%勾配のメタノール:ジクロロメタン)で精製した後に、prep-TLC(DCM/MeOH=20/1+2dアンモニア液)で精製し、2-アクリラミド-4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド(化合物7、137mg、収率:46.9%)を得た。
【0277】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.31(s,1H),12.06(s,1H),10.67(s,1H),8.33(d,J=2.8Hz,1H),7.99(d,J=8.8Hz,1H),6.86-6.84(m,1H),6.48(s,3H),6.42-6.37(m,2H),6.33-6.28(m,1H),5.90-5.87(m,1H),3.78(s,6H),3.56-3.54(m,4H),2.93-2.95(m,4H),2.16-2.07(m,4H);LCMS:m/z540.5[M+H]+.
【0278】
≪実施例8:化合物8の合成≫
2-アクリラミド-4-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド
【0279】
【0280】
ステップ一:4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸エチル(B1、300mg,1.407mmol)を、DMF(6mL)に溶解した。順番に3,3-ジフルオロピロリジン(218mg,2.035mmol)と無水炭酸カリウム(389mg,2.817mmol)を添加した。アルゴンガスの保護で、50℃で一晩攪拌した。反応液を氷水(50mL)に添加した。酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法(0~3%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸エチル(8-1、177mg、収率:41.8%)を得た。
【0281】
ステップ二:4-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸エチル(8-1、177mg、0.589mmol)を無水メタノール(10mL)に溶解し、パラジウムカーボン(10%、25mg)を加えた。真空で水素ガスを5回置換した。室温で一晩攪拌し、TLC(石油エーテル/アセトン=10/1)で反応が終了したことをモニターした。濾過でパラジウムカーボンを除去し、ろ液を濃縮し、粗生成物2-アミノ-4-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)安息香酸エチル(8-2、収率を100%とする)を得、次のステップで直接使用した。
LCMS:m/z271.0[M+H]+.
【0282】
ステップ三:粗生成物2-アミノ-4-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)安息香酸エチル(8-2、0.589mmol)を、ジクロロメタン(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(96mg、0.949mmol)を加えた。アルゴンガスで保護し、0℃で塩化アクリロイル(80mg、0.884mmol)を滴下した。室温で一晩攪拌した。反応液を氷水に加え、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法(0~20%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)を精製し、薄黄色固体2-アクリラミド-4-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)安息香酸エチル(8-3、112mg,収率:58.6%)を得た。
LCMS:m/z325.4[M+H]+.
【0283】
ステップ四:3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、85mg,0.344mmol)を、キシレン(5mL)に溶解した。アルゴンガスで保護し、0℃で、トリメチルアルミニウム(0.5mL、1.0mmol)を滴下した。0℃で1時間保温した後に、2-アクリラミド-4-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)安息香酸エチル(8-3、112mg、0.345mmol)のキシレン(5mL)溶液を滴下した。110℃で3時間攪拌し、TLC(DCM/MeOH=20/1+2dアンモニア液)で反応が終了したことをモニターした。反応液を氷水(100mL)に加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法で精製し(0~5%勾配のメタノール:ジクロロメタン)、得られた固体をさらにメタノールで洗い、2-アクリラミド-4-(3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド(化合物8、54mg、収率:29.7%)を得た。
【0284】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.19(d,J=11.6Hz,2H),10.55(s,1H),7.95-7.92(m,2H)6.43-6.22(m,7H),5.84-5.81(m,1H),3.81-3.75(m,2H),3.72(s,6H),3.58-3.55(m,2H),2.88(s,4H),2.62-2.55(m,2H);LCMS:m/z526.5[M+H]+.
【0285】
≪実施例9:化合物9の合成≫
2-アクリラミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ベンズアミド
【0286】
【0287】
ステップ一:0℃、Arの保護で、3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オール(228mg、2.0mmol)のDMF(8mL)に、ゆっくりに水素ナトリウム(60%油に分散し、80mg、2.0mmol)を加え、0℃で1h攪拌した。4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸エチル(B1、213mg、1.0mmol)のDMF(4mL)溶液を滴下した。反応を、室温で一晩攪拌した。反応液を氷の飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)に加え、酢酸エチルで抽出(3×30mL)し、有機相を合併し、飽和塩水(100mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物シリカゲルクロマトグラフィー法で(石油エーテル:酢酸エチル=30:1)精製し、2-ニトロ-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)安息香酸エチル(9-1、117mg、収率:38.1%)を得た。
【0288】
ステップ二:2-ニトロ-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)安息香酸エチル(9-1、117mg、0.38mmol)の無水メタノール(15mL)溶液に、パラジウムカーボン(10%、13mg)を加えた。真空で水素ガスを三回置換した。水素バルーンで、室温で一晩撹拌する。濾過し、ろ液を減圧で乾燥まで濃縮し、2-アミノ-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)安息香酸エチルの粗生成物(9-2、110mg、収率を100%とする)を得、粗生成物を次のステップで直接使用した。
LCMS:m/z278[M+H]+.
【0289】
ステップ三:0℃、Arの保護で、2-アミノ-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)安息香酸エチルの粗生成物(9-2、110mg、0.397mmol)とトリエチルアミン(64mg、0.635mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、塩化アクリロイル(47mg、0.516mmol)を滴下した。自然に室温まで昇温し、一晩攪拌した。反応液を氷水(50mL)に加え、ジクロロメタンで抽出した(3×20mL)。有機相を飽和塩水で洗った(50mL)。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法で精製し、2-アクリラミド-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)安息香酸エチル(9-3、33mg、収率:25.2%)を得た。
LCMS:m/z332.0[M+H]+.
【0290】
ステップ四:0℃、Arの保護で、3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、20mg、0.08mmol)のキシレン(5mL)に、トリメチルアルミニウム(0.2mL、0.288mmol)を滴下した。0℃で1h攪拌した後に、2-アクリラミド-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)安息香酸エチル(9-3、33mg,0.1mmol)のキシレン(5mL)溶液を滴下した。110℃まで昇温し、3h攪拌した。反応液を氷水(100mL)に加え、酢酸エチルで抽出し(3×20mL)、有機相を飽和塩水で洗い(20mL)、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、Prep-TLCで精製し、白色固体2-アクリラミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ベンズアミド(化合物9、15.46mg、収率:36.3%)を得た。
【0291】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm12.25(s,1H),11.75(s,1H),10.79(s,1H),8.19(s,1H),7.97(d,J=8.9Hz,1H),6.79(d,J=9.3Hz,1H),6.42-6.23(m,6H),5.83(d,J=10.5Hz,1H),4.28(s,2H),3.72(s,6H),2.93-2.79(m,6H);LCMS:m/z533[M+H]+.
【0292】
≪実施例10:化合物10の合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-5-メトキシ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【0293】
【0294】
ステップ一:4-フルオロ-3-メトキシ安息香酸(10-1、11g、64.65mmol)のMeOH(100mL)溶液に、H2SO4(98%、5mL)を加えた。反応を70℃まで加熱し、16h反応した。TLCで完全に反応したことを示した。反応液を室温まで冷却した後に、減圧で濃縮し、大部の溶剤を除去した。酢酸エチル(100mL)の添加で希釈した後に、氷水(200mL)に加え、5min攪拌し、分離し、さらに、水相を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機相を合併し、水(2×100mL)で洗い、飽和塩水(2×100mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、薄黄色固体4-フルオロ-3-メトキシ安息香酸メチル(10-2、11.8g、収率:99%)を得た。
【0295】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δppm7.66-7.64(m,2H),7.14-7.09(m,1H),3.94(s,3H),3.91(s,3H).
【0296】
ステップ二:4-フルオロ-3-メトキシ安息香酸メチル(10-2、5.0g、27.15mmol)を、H2SO4(98%、40mL)とAcOH(80mL)との混合溶剤に溶解した。10℃以下の温度で、HNO3(65%、2.6g、27.15mmol)を滴下した。添加を完成した後に、室温で3h反応した。LCMSで基本的に完全に反応したことをモニターした。反応液を氷水(300mL)に加え、酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。有機相を合併し、飽和塩水(2×100mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:ジクロロメタン=5:2)で精製し、薄黄色固体4-フルオロ-5-メトキシ-2-ニトロ安息香酸メチル(10-3、3.3g、収率:53%)を得た。
【0297】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.81(d,J=10.0Hz,1H),7.18(d,J=7.6Hz,1H),4.01(s,3H),3.94(s,3H).
【0298】
ステップ三:1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン(中間体E、1.4g、6.24mmol)、Cs2CO3(5.5g、17.02mmol)をDMF(40mL)に加え、10min攪拌した。4-フルオロ-5-メトキシ-2-ニトロ安息香酸メチル(10-3、1.3g、5.67mmol)を加え、Arの保護で、80℃で攪拌し、4h反応した。LCMSでのモニターにより副生成物を生成し始めると、反応を停止した。反応液を室温まで冷却した。酢酸エチル(200mL)の添加で希釈し、水で洗い(3×150mL)、飽和塩水(2×100mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥まで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、茶色固体5-メトキシ-2-ニトロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(10-4、610mg、収率:34%)を得た。
LCMS:m/z392.1[M+H]+.
【0299】
ステップ四:5-メトキシ-2-ニトロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(10-4、730mg、2.44mmol)のMeOH(15mL)溶液に、Pd/C(10%、100mg)を加えた。H2環境で、40℃で4h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を室温まで冷却した後に、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル:酢酸エチル:ジクロロメタン=5:1:1)、薄黄色固体2-アミノ-5-メトキシ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(10-5、580mg、収率:87%)を得た。
LCMS:m/z362.4[M+H]+.
【0300】
ステップ五:0℃で、Arの保護で、2-アミノ-5-メトキシ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(10-5、580mg、1.61mmol)とトリエチルアミン(1.3g、12.84mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、塩化アクリロイル(290mg、3.21mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下した。添加した後に、自然にRTまで昇温し、1.5h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を氷水(50mL)に加え、ジクロロメタンで抽出した(3×40mL)。有機相を合併し、飽和塩水(2×50mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:ジクロロメタン=1:1-0:1)で精製し、薄黄色固体2-アクリルアミド基-5-メトキシ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(10-6、570mg、収率:85%)を得た。
LCMS:m/z416.0[M+H]+.
【0301】
ステップ六:0℃、Arの保護で、3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、66mg、0.26mmol)のキシレン(3mL)懸濁液に、AlMe3(2MinTHF、0.4mL、0.72mmol)を滴下した。0℃で30min攪拌した後に、2-アクリルアミド-5-メトキシ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(10-6、100mg、0.24mmol)のキシレン(3mL)溶液を加えた。室温で30min攪拌した後に、100℃まで昇温し、4h反応した。 TLCで完全に反応したことをモニターした後に、反応液を室温まで冷却し、そして、氷水(50mL)に加え、酢酸エチル(30mL)を添加し、5min攪拌し、濾過で綿状物を除去し、分離した。水相を、さらに酢酸エチルで抽出し(2×20mL)、有機相を合併し、水で洗い(2×50mL)、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、Prep-TLCで精製し、125mg薄黄色固体を得た。得られた固体を、Prep-HPLCで精製し、薄黄固体2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-5-メトキシ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物10、20mg、収率:13%)を得た。
【0302】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm12.25(s,1H),11.60(s,1H),10.83(s,1H),8.13(s,1H),7.47(s,1H),6.45-6.19(m,6H),5.79(d,J=10.0Hz,1H),3.88(s,3H),3.72(s,6H),3.09(s,4H),2.88(s,4H),2.58-2.50(m,8H).
19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δ ppm-63.55.
LCMS:m/z631.7[M+H]+.
【0303】
≪実施例11:化合物11の合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
【0304】
【0305】
ステップ一:1-ブロモ-2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(11-1、1.00g、3.50mmol)のDMF(2mL)溶液に、CuCN(313mg,3.5mmol)を加えた。150℃で1h反応した。トルエン(5mL)を加え、続いて1h還流した。反応液を氷水(50mL)に加え、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で乾燥まで濃縮し、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー法(石油エーテル:酢酸エチル=1:0-15:1)で精製し、黄色油状物2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(11-2、710mg、収率:87.9%)を得た。
【0306】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm8.40~8.35(m,2H),8.06~8.04(m,1H).
【0307】
ステップ二:2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル(11-2、400mg,1.72mmol)を、aq.55%硫酸(10mL)に溶解した後に、120℃まで加熱し、16h反応した。反応液を室温まで下げ、氷水(50mL)に加え、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機相をaq.10%NaOH溶液(50mL)で洗った。水相を、稀塩酸で、pHを2に調製しした後に、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、抽出液を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、白色固体2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(11-3、374mg,収率:86.4%)を得た。
LCMS:m/z250.1[M-H]-.
【0308】
ステップ三:0℃、Arの保護で、2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(11-3、250mg,0.99mmol)のメタノール(2mL)とアセトニトリル(16mL)溶液に、トリメチルシラン化ジアゾメタン(ヘキサン中2.0M,1.0mL,2.0mmol)を滴下した。室温で2h反応した。反応液を減圧で乾燥まで濃縮し、酢酸エチル(50mL)の添加で希釈し、飽和塩水で(100mL)洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、Prep-TLC(酢酸エチル:石油エーテル=1:16)で精製し、無色透明の液体である2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸メチル(11-4、226mg,収率:85.6%)を得た。
【0309】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δppm7.86(d,J=8.4Hz,1H),7.74(d,J=0.8Hz,1H),7.54(d,J=8.4Hz,1H),3.05(s,3H).
【0310】
ステップ四:2-ニトロ-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸メチル(11-4、188mg,0.66mmol)のメタノール(20mL)溶液に、Pd/C(10%、30mg)を加えた。真空で水素ガスを3回置換した。水素(バルーン)雰囲気で、室温で16h撹拌した。反応液を珪藻土で濾過し、ろ液を乾燥まで濃縮し、薄茶色油状物2-アミノ-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸メチル(11-5、146mg、収率:94.1%)を得た。
LCMS:m/z236.3[M+H]+.
【0311】
ステップ五:0℃、Arの保護で、2-アミノ-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸メチル粗生成物(11-5、146mg,0.62mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、順番に、トリエチルアミン(101mg,1.00mmol)と塩化アクリロイル(73mg,0.81mmol)を加えた。室温で3h攪拌した。反応液を氷水(50mL)に加え、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、飽和塩水(50mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で乾燥まで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(酢酸エチル:石油エーテル=1:80-1:15)で精製し、2-アクリルアミド-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸メチル(11-6、178mg,収率:99.3%)を得た。
LCMS:m/zN/A[M+H]+.
【0312】
ステップ六:0℃、Arの保護で、3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、155mg,0.63mmol)のキシレン(5mL)懸濁液に、ゆっくりに、AlMe3(2.0M、0.9mL、1.84mmol)を加えた。滴下した後に、続いて、0℃で1h攪拌した。2-アクリルアミド-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸メチル(11-6、178mg、0.62mmol)のキシレン(5mL)溶液を滴下した。110℃まで昇温し、反応を3h攪拌した。反応液を氷水(50mL)に加え、酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、飽和塩水(50mL)で洗浄した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で乾燥まで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(酢酸エチル:石油エーテル=1:50~1:15)で精製した後に、Prep-TLC(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)で精製し、2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(化合物11、34mg,収率:10.9%)を得た。
【0313】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δppm11.41(s,1H),9.09(s,1H),8.78(d,J=1.6Hz,1H),7.66(d,J=8.8Hz,1H),7.26(s,1H),6.93(d,J=1.2Hz,1H),6.67(s,1H),6.44(s,1H),6.35-6.3(m,4H),5.84-5.81(m,1H),3.78(s,6H),2.98-2.91(m,4H).
LCMS:m/z505.6[M+H]+.
【0314】
≪実施例12:化合物12の合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(3-メチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【0315】
【0316】
ステップ一:4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸メチル(B1、2.00g,10.04mmol)、2-メチル-1-tert-ブトキシカルボニルピペラジン(2.41g,12.05mmol)とK2CO3(2.78g,20.08mmol)を、DMF(20mL)に溶解した。100℃まで加熱し、反応を16h攪拌した。反応液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和塩水で洗い(2×150mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、黄色固体とするtert-ブチル4-(4-(メトキシカルボニル)-3-ニトロフェニル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(12-1、1.6g、収率:42%)を得た。
【0317】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm7.78(d,J=8.8Hz,1H),6.97(d,J=2.4Hz,1H),6.91(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),4.38-4.31(m,1H),3.97-3.92(m,1H),3.85(s,3H),3.69-3.64(m,1H),3.54-3.51(m,1H),3.36-3.25(m,2H),3.10-3.03(m,1H),1.49(s,9H),1.24(d,J=6.8Hz,3H).
【0318】
ステップ二:tert-ブチル4-(4-(メトキシカルボニル)-3-ニトロフェニル)-2-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(12-1、1.6g、4.21mmol)のCH2Cl2(20mL)にTFA(4mL)を滴下した。室温で60min攪拌した。反応液を減圧で乾燥まで濃縮し、CH2Cl2(50mL)の添加で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(50mL)で洗い、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、黄色固体4-(3-メチルピペラジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸メチル(12-2、1.2g、収率:100%)を得た。
【0319】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm7.77(d,J=8.8Hz,1H),7.04(d,J=2.4Hz,1H),6.97(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),3.85(s,3H),3.70~3.65(m,2H),3.21-3.18(m,1H),3.04-2.98(m,3H),2.66(dd,J=12.0,10.4Hz,1H),1.22(d,J=6.4Hz,3H).
【0320】
ステップ三:4-(3-メチルピペラジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸メチル(12-2、600mg,2.15mmol)とDIPEA(1388mg、10.74mmol)のDMF(20mL)に、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(2406mg、10.74mmol)を加えた。120℃まで反応を加熱し、3h攪拌した。反応液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和塩水で洗い(2×100mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、黄色固体とする4-(3-メチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸メチル(12-3、380mg、収率:47%)を得た。
【0321】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm7.76(d,J=8.8Hz,1H),7.02(d,J=2.8Hz,1H),6.95(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),3.85(s,3H),3.61-3.51(m,2H),3.16-3.10(m,1H),3.05-2.97(m,1H),2.91(dt,J=11.2,3.6Hz,1H),2.86-2.79(m,1H),2.68-2.51(m,2H),2.50-2.44(m,1H),2.36-2.23(m,2H),1.16(d,J=6.0Hz,3H).
【0322】
ステップ四:4-(3-メチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)-2-ニトロ安息香酸メチル(12-3、380mg,1.01mmol)のMeOH(10mL)に、Pd/C(10%,50mg)を加えた。反応液をH2で三回置換した後に、40℃まで加熱し、3h攪拌した。反応液を濾過し、ろ液を減圧で乾燥まで濃縮し、白色固体2-アミノ-4-(3-メチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(12-4、290mg、収率:83%)を得た。
【0323】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm7.73(d,J=9.2Hz,1H),6.24(dd,J=9.2,2.4Hz,1H),6.00(d,J=2.4Hz,1H),5.68(br,2H),3.82(s,3H),3.56-3.46(m,2H),3.04-2.96(m,2H),2.86(dt,J=11.2,3.6Hz,1H),2.72-2.61(m,2H),2.58-2.52(m,1H),2.45(td,J=11.2,3.2Hz,1H),2.33-2.24(m,2H),1.14(d,J=6.0Hz,3H).
【0324】
ステップ五:0℃、Arの保護で、2-アミノ-4-(3-メチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(12-4、290mg、0.84mmol)とEt3N(255mg、2.52mmol)のCH2Cl2(10mL)に、塩化アクリロイル(114mg、1.26mmol)を加えた。室温で反応を3h攪拌した。反応液を氷水(30mL)に、CH2Cl2(2×20mL)で抽出し、抽出液を合併し、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、得た残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、黄色固体2-アクリルアミド-4-(3-メチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(12-5、300mg、収率:89%)を得た。
【0325】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm11.53(s,1H),8.44(d,J=2.4Hz,1H),7.90(d,J=8.8Hz,1H),6.54(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),6.40(d,J=1.2Hz,1H),6.35(d,J=10.0Hz,1H),5.79(dd,J=9.2,1.6Hz,1H),3.87(s,3H),3.71-3.61(m,2H),3.16-3.10(m,1H),3.04-2.96(m,1H),2.89-2.79(m,2H),2.69-2.54(m,2H),2.46(td,J=11.2,3.2Hz,1H),2.33-2.25(m,2H),1.15(d,J=6.4Hz,3H).
【0326】
ステップ六:0℃、Arの保護で、3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、223mg、0.90mmol)のキシレン(5mL)系に、AlMe3(2M in THF、3.00mmolL)を滴下した。0℃で60min攪拌した。2-アクリルアミド-4-(3-メチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(12-5、300mg、0.75mmol)のキシレン(3mL)溶液を滴下した。110℃まで反応を加熱し、3h攪拌した。反応液を氷水(30mL)に加え、CH2Cl2(2×20mL)で抽出し、抽出液を合併し、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、得られた残留物を、Prep-HPLCで精製し、白色固体2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(3-メチル-4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物12、62.45mg、収率:14%)を得た。
【0327】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δppm12.20(s,1H),12.05(s,1H),10.58(s,1H),8.20(d,J=2.4Hz,1H),7.91(d,J=9.2Hz,1H),6.73(dd,J=10.8,2.4Hz,1H),6.42-6.21(m,6H),5.83(dd,J=9.6,1.6Hz,1H),3.71(s,6H),3.71-3.68(m,1H),3.60(d,J=12.0Hz,1H),2.99-2.87(m,7H),2.70-2.64(m,1H),2.58-2.36(m,5H),1.08(d,J=6.0Hz,3H).
19F NMR(376MHz,CDCl3):δppm-63.52.
LCMS:m/z615.4[M+H]+.
【0328】
≪実施例13:化合物13の合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)ベンズアミド
【0329】
【0330】
ステップ一:4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸メチル(B1、2.00g、10.04mmol)とメチルアミン(2M、THF溶液、20mL)の混合溶液を、密封されたチューブに、100℃まで加熱し、反応を16h攪拌した。反応液を減圧で乾燥まで濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法(0~40%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、黄色固体4-(メチルアミノ)-2-ニトロ安息香酸メチル(13-1,1.2g、収率:57%)を得た。
【0331】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm7.69(d,J=8.8Hz,1H),7.13-7.11(m,1H),6.84(d,J=2.4Hz,1H),6.75(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),3.73(s,3H),2.77(d,J=5.2Hz,3H).
【0332】
ステップ二:4-(メチルアミノ)-2-ニトロ安息香酸メチル(13-1,1.10g,5.23mmol)とCs2CO3(8.53g、26.17mmol)のDMF(15mL)に、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(5.86g、26.17mmol)を加えた。120℃まで反応を加熱し、16h攪拌した。反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和塩水で洗い(2×100mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、さらにPrep-TLC(石油エーテル:酢酸エチル)を行い、黄色固体とする4-(メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)-2-ニトロ安息香酸メチル(13-2、90mg、収率:5.6%)を得た。
【0333】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm7.81(d,J=8.8Hz,1H),6.80(d,J=2.4Hz,1H),6.76(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),3.85(s,3H),3.71(t,J=7.2Hz,2H),3.07(s,3H),2.43-2.37(m,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl3):δppm-65.15.
【0334】
ステップ三:4-(メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)-2-ニトロ安息香酸メチル(13-2,90mg,1.01mmol)のMeOH(5mL)に、Pd/C(10%,20mg)を加えた。反応液をH2で三回置換した後に、40℃まで加熱し、3h攪拌した。反応液を濾過し、ろ液を減圧で乾燥まで濃縮し、白色固体2-アミノ-4-(メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)安息香酸メチル(13-3,75mg、収率:92%)を得た。
LCMS:m/z277.0[M+H]+.
【0335】
ステップ四:0℃、Arの保護で、2-アミノ-4-(メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)安息香酸メチル(13-3,75mg、0.27mmol)とEt3N(82mg、0.81mmol)のCH2Cl2(5mL)に、塩化アクリロイル(37mg、0.41mmol)を加えた。室温で反応を3h攪拌した。反応液を氷水(20mL)に加え、CH2Cl2(2×20mL)で抽出し、抽出液を合併し、飽和塩水で洗い(2ラ50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、得た残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー法(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、薄黄色固体2-アクリル酸アミド-4-((3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)安息香酸メチル(13-4、32mg、収率:36%)を得た。
【0336】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δppm11.58(s,1H),8.28(d,J=2.8Hz,1H),7.92(d,J=9.2Hz,1H),6.44-6.29(m,3H),5.79(dd,J=10.0,1.6Hz,1H),3.87(s,3H),3.71(t,J=7.2Hz,2H),3.08(s,3H),2.50-2.38(m,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl3):δppm-65.13.
【0337】
ステップ五:0℃、Arの保護で、3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A,36mg、0.15mmol)のキシレン(2mL)系に、AlMe3(2M in THF、0.3mL)を滴下した。0℃で60min攪拌した。2-アクリル酸アミド-4-((3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)安息香酸メチル(13-4、32mg、0.10mmol)のキシレン(2mL)溶液を滴下した。110℃まで反応を加熱し、3h攪拌した。反応液を氷水(30mL)に加え、EtOAc(2×20mL)で抽出し、抽出液を合併し、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、得られた残留物を、Prep-HPLCで精製し、白色固体2-アクリルアミド基-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ)ギ酸ベンズアミド(化合物13,10.31mg、収率:20%)を得た。
【0338】
1H NMR(400MHz,MeOD-d4):δppm8.12(d,J=2.0Hz,1H),7.78(d,J=8.8Hz,1H),6.56(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),6.37-6.30(m,7H),5.84-5.80(m,1H),3.76-3.74(m,8H),3.07(s,3H),2.95-2.89(m,4H),2.55-2.49(m,2H).
19F NMR(376MHz,MeOD-d4):δppm-66.64.
LCMS:m/z546.2[M+H]+.
【0339】
≪実施例14:化合物14の合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【0340】
【0341】
ステップ一:0℃で、tert-ブチル4-(4-(メトキシカルボニル)-3-ニトロフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(B2、4.6g、12.59mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、TFA(20mL)を滴下した。温度を徐々に25℃に上げ、1h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を減圧で乾燥まで濃縮し、残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和NaHCO3(3×300mL)で洗い、飽和塩水(300mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、粗生成物を石油エーテル:酢酸エチル=10:1でスラリーにし、黄色固体2-ニトロ-4-(ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-1、3.0g、収率:91%)を得た。
LCMS:m/z266.4[M+H]+.
【0342】
ステップ二:Arの保護で、2-ニトロ-4-(ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-1、1.7g、6.41mmol)とトリエチルアミン(8mL)のジクロロメタン(30mL)溶液に、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピオン酸無水物(2.4g、7.69mmol)を加えた。Arの保護で、室温で反応を20h攪拌した。TLCで基本的に完全に反応したことをモニターした。反応液に、ジクロロメタン(150mL)の添加で希釈し、飽和塩水(2×150mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(石油エーテル:酢酸エチル=10:1-5:1)で精製し、黄色固体2-ニトロ-4-(4-(2-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピオニル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-2、2.4g、収率:92%)を得た。
LCMS:m/z412.4[M+H]+.
【0343】
ステップ三:0℃、Arの保護で、2-ニトロ-4-(4-(2-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピオニル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-2、1.6g、3.89mmol)のTHF(30mL)溶液に、BH3・Me2S(10M in THF、1.95mL、19.45mmol)を滴下した。室温で5min攪拌した後に、70℃に昇温し、3.5h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を0℃に下げ、ゆっくりにMeOH(15mL)を滴下し、クエンチして。10min攪拌した後に、濃縮で大部の溶剤を除去し、ジクロロメタン(150mL)の添加で希釈し、水で洗い(3×100mL)、飽和塩水で洗い(150mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)で精製し、黄色固体2-ニトロ-4-(4-(2-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-3、1.17g、収率:76%)を得た。
LCMS:m/z398.1[M+H]+
【0344】
ステップ四:2-ニトロ-4-(4-(2-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-3、1.17g、2.94mmol)のMeOH(50mL)溶液に、Pd/C(10%、200mg)を加えた。H2環境で、40℃で6h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー法で精製(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)し、薄黄色固体2-アミノ-4-(4-(2-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-4、1.0g、収率:92%)を得た。
LCMS:m/z368.4[M+H]+.
【0345】
ステップ五:0℃、Arの保護で、2-アミノ-4-(4-(2-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-4、1.0g、2.72mmol)とトリエチルアミン(2.2g、21.78mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、塩化アクリロイル(740mg、8.17mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下した。30℃で反応を2h攪拌し、TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を氷水(100mL)に加え、ジクロロメタンで抽出(2×50mL)し、有機相を合併し、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(ジクロロメタン:メタノール=100:1-50:1)で精製し、薄黄色固体2-アクリルアミド-4-(4-(4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-5、550mg、収率:48%)を得た。
LCMS:m/z422.4[M+H]+.
【0346】
ステップ六:0℃、Arの保護で、3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、65mg、0.26mmol)のキシレン(5mL)懸濁液に、AlMe3(2M、THF溶液、0.36mL、0.71mmol)を滴下した。0℃で30min攪拌した後に、2-アクリルアミド-4-(4-(4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(14-5、100mg、0.24mmol)的キシレン(2mL)溶液を加えた。室温で30min攪拌した後に、100℃まで加熱し、4h反応した。LC-MSとTLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を室温まで冷却した後に、氷水(50mL)に加え、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機相を合併し、水で洗い(2×50mL)、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法で(ジクロロメタン:メタノール=40:1)精製し、110mg黄色固体を得た。得られた固体を、さらにPrep-HPLCで精製し、白色固体2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(4-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物14、20mg、収率:13%)を得た。
【0347】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm12.22(s,1H),12.02(s,1H),10.59(s,1H),8.22(s,1H),7.92(d,J=9.2Hz,1H),6.72(d,J=9.2Hz,1H),6.42-6.22(m,6H),5.84(d,J=10.6Hz,1H),3.72(s,6H),3.36-3.29(m,6H),2.88(s,4H),2.76(s,4H).
19F NMR(376MHz,DMSO-d6):δppm-82.82,-117.79.
LCMS:m/z637.6[M+H]+.
【0348】
≪実施例15:化合物15の合成≫
3-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-5-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ピリドリンアミド
【0349】
【0350】
ステップ一:3-アミノ-5-ブロモピコリン酸(15-1、9.0g、41.47mmol)のDMA(150mL)溶液に、炭酸カリウム(11.2g、82.94mmol)とヨウ化メチル(8.8g、82.94mmol)を加えた。Arの保護で、25℃で反応を12h攪拌した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を、酢酸エチル(400mL)の添加で希釈し、水(3×500mL)で洗い、飽和塩水(2×400mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(石油エーテル:酢酸エチル=10:1-3:1)で精製し、薄黄色固体3-アミノ-5-ブロモピコリン酸メチル(15-2、8.9g、収率:93%)を得た。
LCMS:m/z231.3[M+H]+.
【0351】
ステップ二:3-アミノ-5-ブロモピコリン酸メチル(15-2、1.2g、5.19mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、DMAP(1.27g、10.39mmol)とジ炭酸ジ-tert-ブチル(2.27g、10.39mmol)を加えた。Ar環境で、徐々に60℃まで昇温し、反応を0.5h攪拌した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を室温まで冷却した。酢酸エチル(200mL)の添加で希釈し、水で洗い(3×150mL)、飽和塩水(2×150mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥まで濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)、白色固体に近い5-ブロモ-3-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピコリネートメチル(15-3、1.6g、収率:71%)を得た。
LCMS:m/z433.3[M+H]+.
【0352】
ステップ三:5-ブロモ-3-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピコリネートメチル(15-3、1.25g、2.90mmol)、1-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン(中間体E,634mg、3.48mmol)、キサントホス(670mg、1.16mmol)、Cs2CO3(4.72g、14.49mmol)の1,4-ジオキサン(30mL)溶液にPd2(dba)3(530mg、0.58mmol)を加えた。Ar環境で、100℃で反応を3.5h撹拌した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(300mL)の添加で希釈し、水で洗い(3×150mL)、飽和塩水で(2×150mL)洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製し、茶色固体3-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ピコリネートメチル(15-4、1.3g、収率:84%)を得た。
LCMS:m/z533.5[M+H]+.
【0353】
ステップ四:3-(ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ピコリネートメチル(15-4、1.3g、2.44mmol)を、TFA(15mL)に溶解した。室温で反応を2h攪拌した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を氷の飽和NaHCO3(50mL)溶液に加えた。酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機相を合併し、飽和NaHCO3(50mL)で洗い、飽和塩水で(100mL)洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(ジクロロメタン:メタノール=70:1~40:1)で精製し、薄黄色固体3-アミノ-5-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ピコリネートメチル(15-5、710mg、収率:87%)を得た。
LCMS:m/z333.5[M+H]+.
【0354】
ステップ五:0℃、Arの保護で、3-アミノ-5-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ピコリネートメチル(15-5、710mg、2.14mmol)とトリエチルアミン(1.8g、17.09mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、塩化アクリロイル(580mg、6.41mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下した。添加した後に、自然に室温まで昇温し、1.5h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を氷水(50mL)に加え、ジクロロメタンで抽出(3×40mL)し、有機相を合併し、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製し、薄黄色固体3-アクリルアミド-5-(4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ピコリン酸メチル(15-6、580mg、収率:70%)を得た。
LCMS:m/z387.0[M+H]+.
【0355】
ステップ六:0℃、Arの保護で、3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、218mg、0.883mmol)のキシレン(8mL)懸濁液にAlMe3(1.2mL、2M in THF、2.407mmol)を滴下した。0℃で反応を30min攪拌した後に、さらに3-アクリルアミド-5-(4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ピコリン酸メチル(15-6、310mg、0.802mmol)のキシレン(7mL)溶液を加えた。添加した後に、自然に室温まで昇温し、30min攪拌し、100℃まで昇温し、4h反応した。LC-MSとTLCで完全に反応したことをモニターした。室温まで冷却した後に、反応液を氷水(50mL)に加え、酢酸エチル(50mL)を加え、5min攪拌し、濾過で絮状物を除去し、分離し、水相を酢酸エチルで抽出(2×25mL)し、有機相を合併し、水で洗い(2×50mL)、飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製し、170mg黄色固体を得た。得られた固体を、さらにPrep-HPLCで精製し、白色固体3-アクリルアミド基-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-5-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ピリドリンアミド(化合物15、45mg、収率:9%)を得た。
【0356】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm12.29(s,1H),12.13(s,1H),10.23(s,1H),8.55(s,1H),8.17(s,1H),6.48-6.27(m,6H),5.91(d,J=10.0Hz,1H),3.71(s,6H),3.77-3.33(m,4H),2.88(s,4H),2.58-2.50(m,8H).
19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δppm-63.55.
LCMS:m/z602.7[M+H]+.
【0357】
≪実施例16:化合物16の合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-6-フルオロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【0358】
【0359】
ステップ一:4,6-ジフルオロインドール-2,3-ジケトン(16-1、2.0g、10.92mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(2.0g、10.92mmol)とトリエチルアミン(2mL)を加えた。アルゴンガスの環境で、室温で16h反応した。TLCで基本的に完全に反応したことを示した。濾過し、ケーキを酢酸エチルですすぎ、黄色固体tert-ブチル4-(4-フルオロ-2,3-ジオキソインドール-6-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(16-2、850mg、収率:22%)を得た。
【0360】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δppm6.34(dd,J=9.6Hz,1.6Hz,1H),6.08(d,J=1.6Hz,1H),3.56~3.54(m,4H),3.47~3.46(m,4H),1.40(s,9H).
19F NMR(376MHz,DMSO-d6)δppm108.62.
LCMS:m/z350.0[M+H]+.
【0361】
ステップ二:tert-ブチル4-(4-フルオロ-2,3-ジオキソインドール-6-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(16-2、500mg、1.43mmol)を、水酸化ナトリウム(687mg、17.17mmol)の水(15mL)溶液に溶解した。70℃まで昇温し、ゆっくり過酸化水素水(30%、406mg、3.58mmol)を滴下した。添加を完成した後に、続いて1h反応した。TLCで基本的に完全に反応したことを示した。酢酸エチル(20mL)と少量の角氷を加え、aq.2N塩酸でpH=4に調製した。分離し、水相を酢酸エチルで抽出し(2×20mL)、有機相を合併し、飽和塩水(40mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過で濃縮し、黄色固体2-アミノ-4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-6-フルオロ安息香酸(16-3、480mg、収率:98%)を得た。
LCMS:m/z284.1(M+H-56)+.
【0362】
ステップ三:0℃、アルゴンガスの保護で、2-アミノ-4-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-6-フルオロ安息香酸(16-3、400mg、77%、1.18mmol)、トリフェニルリン(340mg、1.30mmol)とメタノール(1mL)のジクロロメタン(10mL)溶液に、アゾジカルボン酸ジエチル(226mg,1.30mmol)を滴下した。添加を完成した後に、続いて1h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液にジクロロメタン(50mL)の添加で希釈した後に、飽和塩水(2×50mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)、白色固体に近いtert-ブチル4-(3-アミノ-5-フルオロ-4-(メトキシカルボニル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(16-4、140mg、収率33%)を得た。
【0363】
ステップ四:tert-ブチル4-(3-アミノ-5-フルオロ-4-(メトキシカルボニル)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(16-4、140mg、0.40mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液にトリフルオロアセテート(2mL)を滴下した。室温で反応を2h攪拌した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液をジクロロメタン(20mL)の添加で希釈した後に、飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×30mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、薄黄色固体2-アミノ-6-フルオロ-4-(ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(16-5、136mg)を得た。粗生成物を次のステップで直接使用した。
LCMS:m/z254.5[M+H]+.
【0364】
ステップ五:2-アミノ-6-フルオロ-4-(ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(16-5、136mg、0.40mmol)、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(445mg、1.98mmol)及びトリエチルアミン(200mg、1.98mmol)を、DMF(10mL)溶液に溶解した。窒素ガスの保護で、95℃で5h反応した。反応液を、酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(2×40mL)で洗い、飽和塩水(2×40mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)し、薄黄色固体2-アミノ-6-フルオロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(16-6、94mg、ツーステップ収率:68%)を得た。
LCMS:m/z350.4[M+H]+.
【0365】
ステップ六:アルゴンガスの保護で、2-アミノ-6-フルオロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(16-6、94mg、0.27mmol)とトリエチルアミン(218mg、2.15mmol)を、ジクロロメタン(9mL)に溶解して得られた溶液に、塩化アクリロイル(73mg、0.81mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液を滴下した。30℃で2.5h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液を氷水(20mL)に加え、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、有機相を合併し、飽和塩水で(40mL)洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン:酢酸エチル=5:1)し、黄色固体2-アクリル酸アミド-6-フルオロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(16-7、100mg、収率:92%)を得た。
【0366】
1H NMR(400Hz,CDCl3):ppm11.54(s,1H),8.29(d,J=1.6Hz,1H),6.44~6.23(m,3H),5.80(dd,J=10.0Hz,1.2Hz,1H),3.91(s,3H),3.41~3.39(m,4H),2.67~2.56(m,6H),2.36(m,2H).
19F NMR(376Hz,CDCl3):ppm65.29,101.98.
LCMS:m/z404.4[M+H]+.
【0367】
ステップ七:0℃、アルゴンガスの保護で、3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(16-7、67mg、0.27mmol)のキシレン(4mL)反応系に、トリメチルアルミニウム(2M in THF,0.37mL,0.74mmol)を滴下した。0℃で20min攪拌した後に、2-アクリル酸アミド-6-フルオロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)安息香酸メチル(16-7、100mg、0.25mmol)のキシレン(4mL)溶液を加えた。添加した後に、徐々に100℃まで昇温し、4h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした。反応液にジクロロメタンとメタノール(v/v=10/1、50mL)の混合溶剤の添加で希釈し、氷水(3×30mL)で洗い、飽和塩水(30mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し(ジクロロメタン:メタノール=50:1)、薄黄色固体(78mg)を得た。得られた固体を、さらにPrep-HPLCで精製し、白色に近い固体(18mg,TFA塩)を得た。アンモニア液がなくなったら、C18で精製し、白色固体2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-6-フルオロ-4-(4-(3,3,3-トリフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド(化合物16、8.1mg、収率:5%)を得た。
1H NMR(400Hz,DMSO-d6):ppm12.14(brs,1H),10.54(m,2H),7.69(s,1H),6.63-6.61(m,1H),6.41-6.19(m,6H),5.79(d,J=10.0Hz,1H),3.71(s,6H),3.25(brs,4H),2.85(s,4H),2.56-2.54(m,8H).
19F NMR(376Hz,DMSO-d6):ppm63.55,109.29.
LCMS:m/z619.7[M+H]+.
【0368】
≪参照化合物aの合成≫
2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド
【0369】
【0370】
公開されている合成方法を参照して、対照化合物aを得た。
ステップ一:0℃、Arの保護で、2-アミノ安息香酸メチル(a-1、1.0g、6.6mmol)とトリエチルアミン(2.0g、19.8mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解して得られた溶液に、塩化アクリロイル(778mg、8.6mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下した。ゆっくり、室温まで昇温し、3h反応した。LCMSで完全に反応したことを示した。反応液をジクロロメタン(50mL)の添加で希釈し、飽和重炭酸ナトリウムと飽和塩化ナトリウムで洗浄し、乾燥し、濾過し、減圧で乾燥まで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)で、2-アクリラミド安息香酸メチル(a-2、940mg、収率:69.3%)を得た。
LCMS:m/z206.2[M+H]+.
【0371】
ステップ二:0℃、Arの保護で、2-アクリラミド安息香酸メチル(a-2、130mg、0.53mmol)のキシレン(15mL)懸濁液に、トリメチルアルミニウム(0.75mL、1.5mmol)を滴下した。0℃で1h反応した。3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-アミン(A、103mg、0.53mmol)を、反応液に加え、110℃まで昇温し、4h反応した。LCMSで完全に反応したことを示した。反応液を、氷水でクエンチした。酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機相を合併し、飽和塩化ナトリウムで洗い、乾燥し、濾過し、減圧で乾燥まで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー法(ジクロロメタン:メタノール=10:1)とprep-HPLCで、2-アクリルアミド-N-(3-(3,5-ジメトキシフェニルエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンズアミド(化合物a、48mg、収率:22.7%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ11.11(s,1H),9.75(s,1H),9.46(brs,1H),8.69(d,J=8.4Hz,1H),7.59(d,J=7.6Hz,1H),7.50-7.46(m,1H),7.07-7.03(m,1H),6.68(s,1H),6.46-6.41(m,1H),6.35(s,3H),6.32-6.28(m,1H),5.80-5.77(m,1H),3.78(s,6H),2.97-2.90(m,4H).
LCMS:m/z421.0[M+H]+.
【0372】
≪FGFR不可逆阻害剤とFGFRによる共有結合形成の質量分析による確認≫
化合物1を例として、FGFR1とインキュベートし、質量分析を使用し、タンパク質と化合物の複合体の分子量を検出した。
操作手順:精製したFGFR1(456-763)キナーゼドメインタンパク質を20mM Tris-HCL pH8.0、150mM Naclタンパク質バッファーで最終濃度約20μM(800ng/μl)に希釈した。100μlインキュベーションシステムを使用し、タンパク質と化合物のモル比1:5に従って、最終濃度が100μMの化合物1を実験グループに添加した;対照群にDMSOを添加し、2群のDMSO量をシステム容量の1%に制御した。実験群と対照群を同時に氷上で2時間インキュベートした後、続いて、4倍量のアセトンで希釈し、-20℃で一晩し、16000×gで10分間遠心分離した後、ペレットを0.1%ギ酸に再懸濁し、質量分析データ収集のためにロードした。
【0373】
【0374】
上記のデータは、FGFR1タンパク質の平均分子量が35747.8であり、化合物1とFGFR1によって形成される複合体の分子量が36345.5であり、分子量が598増加したことを示した;これは、化合物1の分子量(600)と非常に近く、測定誤差範囲内にある。この実験は、化合物1がFGFR1タンパク質と不可逆的な共有結合を形成したことを示した。
【0375】
≪FGFR阻害剤の酵素活性試験-キャリパーモデル≫
化合物によるFGFR酵素活性に対する阻害は、キャリパー(Caliper)技術によって検出された。モデルで使用される試薬は次のとおり:FGFR4(Invitrogen,Cat.NoPR4380A,Lot.No.1856505A);FGFR1(Carna,Cat.No08-133,Lot.No.12CBS-0123K);P22 peptide(GL Biochem,Cat.No.112393,Lot.No.P170622-SL112393);ATP(Sigma,Cat.No.A7699-1G,CAS No.987-65-5);96-well plate(Corning,Cat.No.3365,Lot.No.22008026);384-well plate(Corning,Cat.No.3573,Lot.No.12608008)。具体的な手順は次のとおり:
【0376】
1.1Xキナーゼバッファー(20mM HEPES、pH7.5、0.0015%Brij-35)および反応停止バッファー(100mM HEPES、pH7.5、0.015%Brij-35、0.2%コーティング試薬#3、50mM EDTA)を準備した。
2.化合物を最初に5%DMSO溶液で段階希釈し、5μLの化合物溶液を384ウェルプレートに添加し、化合物の最大最終濃度は1μMで、3倍に希釈し、10つの濃度を有する。
【0377】
3.10μLのキナーゼ溶液を384ウェルプレートに加え、室温で10分間インキュベートした。
4.10μLのP22ペプチドとATP溶液を384ウェルプレートに加え、28℃で特定の時間に反応した後に、25μLの反応停止バッファーを加えた。
【0378】
5.Caliperリーダー値でデータを収集し、抑制率を計算した:抑制率=(max-conversion)/(max-min)*100。ここで、maxはDMSO参照、conversionは化合物処理のリーダー値、minは最大抑制参照である。XLfit excel add-in version 5.4.0.8ソフトウェアを使用し、化合物IC50値を計算した。
【0379】
FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に対する一部の実施例および対照物(AZD4547)のinvitro阻害実験の結果を次の表に示した。
【0380】
【0381】
上記の結果によって、AZD4547がFGFR4に対して非常に弱い阻害活性を有するが、本発明の一連の化合物が、FGFR4に対して非常に強い阻害活性を有することを示している。
【0382】
≪ヒト肝がん細胞Hep3B生存試験≫
ヒト肝がんHep3B細胞株はATCCから由来する。細胞をDMEM液体培地で培養し、さらにウシ胎児血清(10%FBS)とペニシリン-ストレプトマイシン(100,000U/L)を添加した。細胞は、培地中で37℃、湿度95%、二酸化炭素5%に保たれている。実験中、Hep3B細胞を96ウェルプレートにウェルあたり3000細胞の密度で播種し、細胞懸濁液の量をウェルあたり100μLとし、細胞を一晩培養して細胞を付着させた。翌日、各化合物をDMSOで3倍の勾配に希釈し、1μLの化合物DMSO溶液を細胞培養培地に添加すると同時に、1μLのDMSOをコントロールとして使用し、それぞれ化合物には、各濃度に対して3つの平行なサブウェルがある。次に、細胞を37℃インキュベーターに入れ、72時間の連続化合物処理の後、50μLのCellTiter-Glo(Promega、ウィスコンシン州マディソン)を細胞培養培地に加え、各ウェルの相対発光単位(RLU)を確定し、細胞生存率と化合物活性(IC50)を計算した。
実施例Hep3B細胞阻害活性の結果を次の表に示した。
【0383】
【0384】
≪化合物の薬物動態学的実験≫
本発明の化合物の薬物動態を測定した。本出願では、次の方法を使用して、本願の化合物の薬物動態学的パラメータを測定した。
研究に使用された健康な雄の成体マウスには、動物の各グループに対して5~100 mg/Kgの単回胃内投与が行われた。投与の10時間前から投与後4時間まで絶食させた。投与後の異なる時点で採血し、化合物の血漿含有量を測定した(LC-MS/MS)。血漿濃度と時間の関係を専門のソフトウェア(winnonlin)で分析して、化合物の薬物動態学的パラメーターを計算した。結果は、対照化合物aと比較して、本発明の化合物が、経口薬物ピーク濃度または経口薬物曝露において有意な増加を有することを示している。
【0385】
【0386】
≪Hep3B移植腫瘍モデル≫
本発明の化合物は、マウスに移植された腫瘍に対して優れた抗腫瘍活性を示す。
細胞培養:ヒト肝癌Hep3B細胞はinvitroで単層で培養され、培養条件は、10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを含む1640培地で、37℃、5%CO2インキュベーターに行う。パンクレリパーゼ-EDTAによる日常的な消化は、継代を処理するために週に2回使用された。細胞の飽和度が80%~90%で、その数が要件に達する場合に、細胞を収集し、カウントし、接種した。
【0387】
動物:Balb/cヌードマウス、雌、6~8週齢、体重18~22グラム。上海斯莱克実験動物有限会社またはその他の資格のあるサプライヤーから提供される。
腫瘍接種:0.2mL(10×106+Matrixgel)Hep3B細胞を各マウスの右背部に皮下接種し、平均腫瘍体積が約140~200mm3に達した時点で、群ごとに投与を開始した。
【0388】
投与:化合物処方(0.5%MC+0.5%Tween80)を配置し、投与量は、0.3mg/Kg、1mg/Kg、2mg/Kg、3mg/Kg、21日間連続して1日2回の胃内投与を行った。
【0389】
実験指標:腫瘍の成長が阻害、遅延、または治癒したかどうかを調査すること。腫瘍の直径は、ノギスで週に3回測定された。腫瘍体積の計算式は:V=0.5a×b2、ここで、aとbは、それぞれ腫瘍の長径と短径を表す。化合物の抗腫瘍効果は、TGI(%)によって評価された。TGI(%)は、腫瘍増殖阻害率を反映する。TGI(%)の計算:TGI(%)=[(1-(特定の治療群の投与終了時の平均腫瘍体積-当該治療群の投与開始時の平均腫瘍体積))/(溶媒対照群の治療終了時の平均腫瘍体積-溶媒対照群で治療を開始する時の平均腫瘍体積)]×100%。本発明の化合物の抗腫瘍活性TGIを以下の表に示す:
【0390】
【0391】
本出願に言及されている全ての参考文献は、参照として単独に引用されるように、本出願に引用されて、参照になる。理解すべきのは、本発明の上記の開示に基づき、当業者は、本発明を様々な変更または修正を行っても良い、これらの同等の形態も本出願に添付された請求の範囲に規定される範囲内に含まれる。
【国際調査報告】