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特表2022-545943自動車のワイパーブレード用端部フィッティング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】自動車のワイパーブレード用端部フィッティング
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/46 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
B60S1/46 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513399
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2020070494
(87)【国際公開番号】W WO2021037440
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】1909605
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ゴシェ
(72)【発明者】
【氏名】カンタン、フォリオル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、クシュリー
(72)【発明者】
【氏名】ロイク、ルセル
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AC02
3D225AE03
3D225AE04
3D225AE05
3D225AE27
3D225AF01
(57)【要約】
本発明は、自動車のワイパーシステム(100)の駆動アーム(1)に対する流体を供給するパイプ(4)用の取付ブラケット(5)に関する。駆動アーム(1)は少なくとも1つのバネ(14)を備え、装着ブラケット(5)は供給パイプ(4)を保持するように構成された少なくとも1つのスリーブ(51)を備える。本発明による装着ブラケット(5)は、実質的に中空の円筒状の本体(50)を備える。前記本体(50)は、スリーブ(51)に連結されるとともに、駆動アーム(1)のバネ(14)に囲まれたスペース(141)内に挿入されるように構成される。また、本発明は、このような装着ブラケット(5)を備える駆動アーム(1)に、および、このような装着ブラケット(5)の本体(50)を前記スペース(141)の少なくとも一部に挿入する予備ステップを備えるこのような駆動アーム(1)を組み立てるための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のワイパーシステム(100)の駆動アーム(1)に流体送達チューブ(4)を装着するためのブラケット(5)であって、前記駆動アーム(1)は少なくとも1つのバネ(14)を備え、前記装着ブラケット(5)は前記送達チューブ(4)を保持するように構成された少なくとも1つのスリーブ(51)を備える、
装着ブラケット(5)において、
前記装着ブラケット(5)は、円筒状の本体(50)を備え、
前記本体(50)は、前記スリーブ(51)に連結されるとともに、前記駆動アーム(1)の前記バネ(14)に囲まれた容積部(141)内に挿入されるように構成される、
ことを特徴とする装着ブラケット(5)。
【請求項2】
前記スリーブ(51)は、前記装着ブラケット(5)の前記本体(50)の主方向に対して実質的に平行な主方向(510)に沿って延びる、
請求項1に記載の装着ブラケット(5)。
【請求項3】
前記本体(50)は円錐形状を有する、
請求項1または2に記載の装着ブラケット(5)。
【請求項4】
前記本体(50)は、径方向の弾性を前記本体(50)に付与する少なくとも1つの長手方向スロット(53)を備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の装着ブラケット(5)。
【請求項5】
前記装着ブラケット(5)の静止状態において、前記本体(50)の前方長手方向端部(50b)において測定された前記装着ブラケット(5)の前記本体(50)の直径は、前記本体(50)の後方長手方向端部(50a)において測定された前記本体(50)の直径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の装着ブラケット(5)。
【請求項6】
前記本体(50)の前記前方長手方向端部(50b)は、傾斜部(56)を備える、
請求項5に記載の装着ブラケット(5)。
【請求項7】
前記本体(50)は、径方向に配置された複数の周囲リブ(55)を備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載の装着ブラケット(5)。
【請求項8】
自動車用のワイパーシステム(100)の駆動アーム(1)であって、前記駆動アーム(1)は、
前記駆動アーム(1)を駆動するための装置(2)に連結されるように構成された駆動部(10)と、
前記ワイパーシステム(500)の風防ガラス用ワイパー(3)を受容するように構成された端部(11)と、を備え、
前記駆動アーム(1)は、バネ(14)を備え、
前記バネ(14)は、一端部において前記駆動部(10)に連結されるとともに、他端部において、風防ガラス用ワイパー(3)を受容するように構成された前記端部(11)に接続されたロッド(13)に連結され、
前記駆動アーム(1)は、洗浄流体を前記ワイパーシステム(500)の前記風防ガラス用ワイパー(3)に送達するためのチューブ(4)を備える、
駆動アーム(1)において、
前記駆動アームは、前記送達チューブ(4)を装着するための請求項1~7のいずれか一項に記載のブラケット(5)を備える、
ことを特徴とする駆動アーム(1)。
【請求項9】
請求項8に記載の少なくとも1つの駆動アーム(1)と、
前記駆動アーム(1)の一端部に支持された風防ガラス用ワイパー(3)と、
を有することを特徴とする自動車用のワイパーシステム(500)。
【請求項10】
請求項8に記載の駆動アーム(1)を組み立てるための方法であって、
請求項1~7のいずれか一項に記載の装着ブラケット(5)を前記駆動アーム(1)の前記バネ(14)の前記容積部(141)内に設置するステップを備え、
前記ステップは、前記装着ブラケット(5)が設けられた前記バネ(14)を、前記駆動部(10)と前記ロッド(13)との間に取り付けるステップに先行する、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のガラス面の払拭および/または洗浄の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用ワイパーシステムは、一般に、被払拭面の前で角度を付けた往復運動を行う少なくとも1つの駆動アームを備えている。このようなアームは、可撓性材料から作製されるとともに被払拭面に接触して保持されるワイパーブレードを備える少なくとも1つの風防ガラス用ワイパーを駆動する。風防ガラス用ワイパーは、ワイパーシステムの駆動アームに、接続アセンブリにより取り付けられている。風防ガラス用ワイパーは、ワイパーブレードがワイパーおよびアームの移動により駆動されることで被払拭面を擦過して、そこから水や汚れの一部を払いそれらをドライバーの視界から除去するように構成されている。
【0003】
駆動アームは、駆動部を備えている。駆動部を介して、駆動アームは、上述の角度を付けた往復運動を駆動アームに付与するように構成された駆動装置に連結されている。駆動アームは、端部も備えている。端部を介して、駆動アームは、風防ガラス用ワイパーに連結されている。この端部は、特に、駆動アームと風防ガラス用ワイパーとの間の接続アセンブリを受容するヨークを備えている。駆動アームは、ヨークを駆動部に接続するロッドをさらに備えている。ロッドと駆動部との間には、風防ガラス用ワイパーとこれが接触保持される被払拭面との永久的な接触を保証するという主な役割を有するバネが配置されている。換言すれば、バネは、被払拭面上の当接力を風防ガラス用ワイパーに付与するように構成されている。この力は、車両が例えば高速で移動しているときに、ワイパーブレードが被払拭面から離れるように移動することがないように十分に強く、かつ、ワイパーブレードが被払拭面を擦過することによりドライバー側に過度の努力を要することなく所望の払拭が可能とされるように適合されている。
【0004】
本発明は、より具体的には、被払拭面を洗浄するための流体を噴霧する手段を設けられたこのようなワイパーシステムに関する。種々の実施形態によれば、このような噴霧手段は、例えば、風防ガラス用ワイパーそれ自体に、または駆動アームの端部に配置され得る。一般に、洗浄流体は、駆動アームに沿って部分的に延びる少なくとも1つのチューブにより、風防ガラス用ワイパーに搬送される。
【0005】
過剰な摩耗を回避するため、ワイパーブレードの移動中に、このようなチューブは被払拭面に接触しないようにする必要がある。さらに、美観上の理由から、このようなチューブは、車両に乗っている人から見えず、かつ車両の外側からできるだけ目立たないことが好適である。1つの解決策は、一端部にチューブを保持する手段を備えるとともに他端部に例えば弾性スナップ留めにより駆動アームを装着する手段を備える装置を用いて、チューブを駆動アームに装着することである。しかしながら、チューブを駆動アームに装着する手段は嵩張ることが多く、駆動アームの構造や大きさを理由として特定の組立ツールを使用することが必要な場合がある。さらに、チューブを駆動アームに装着する先行技術で知られている手段は各駆動アームに固有であるため、チューブを装着するこれらの様々な手段を設計し、製造し、参照し、保管するために必要な労力が増大する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、上述のような可撓性チューブを自動車用のワイパーシステムの駆動アームに装着するための単純な解決策であって、先行技術で知られている解決策よりも嵩張らずより安価な解決策を提供することである。
【0007】
この目的のために、一態様によれば、本発明は、自動車のワイパーシステムの駆動アームに流体送達チューブを装着するためのブラケットであって、前記駆動アームは少なくとも1つのバネを備え、前記装着ブラケットは前記送達チューブを保持するように構成された少なくとも1つのスリーブを備え、前記装着ブラケットは、円筒状の本体を備え、前記本体は、前記スリーブに連結されるとともに、前記駆動アームの前記バネに囲まれた容積部内に挿入されるように構成される装着ブラケットに関する。
【0008】
ここで、駆動アームのバネは巻線コイルバネであり、駆動アームのバネに囲まれた容積部は、このようなバネの全ての巻線コイルにより画定された容積部であることを理解する必要がある。したがって、この容積部は、実質的に円筒状である。このため、本発明による装着ブラケットの本体は、この容積部内の少なくとも一部に挿入されるように構成され、流体送達チューブは、容積部の外部に、好適には容積部に沿って留まることを理解する必要がある。
【0009】
また、ここで、上述の駆動アームのバネの容積部と、装着ブラケットの本体の容積部とを区別することが適切である。後者の容積部は、装着ブラケットの本体の実質的に円筒状の壁により画定される。
【0010】
本発明によれば、一体となってバネの容積部を画定するバネのコイルは、装着ブラケットの本体の外面、すなわち、本体の実質的に円筒形状の軸に対して垂直な径方向において、取付ブラケットの本体の外側に位置する、装着ブラケットの本体の表面を囲む。
【0011】
上述のように装着ブラケットの本体を駆動アームのバネの容積部の少なくとも一部に挿入することにより、本発明は、上述のような送達チューブの自動車のワイパーシステムの駆動アームに対する装着部の嵩を顕著に小さくすることができる。したがって、本発明は、設定された目的の少なくとも1つを成功裏に達成する。
【0012】
一例によれば、円筒状の本体は中空である。したがって、その中心は広がりを有するため、本体にある程度の可撓性が付与されることで、本体はバネのコイルの内壁により画定された容積部に挿入され得る。
【0013】
有利には、本発明による装着ブラケットは、合成材料を金型に射出することにより作製される。このような製造は安価であることに加え、装着ブラケットの本体の特定の中空の構造と組み合わせた合成材料の使用により、特に装着ブラケットの本体の長手延在方向に対して垂直な径方向において、本発明による装着ブラケットの本体に弾性変形性が付与される。これにより、このような装着ブラケットは、種々のタイプの駆動アームバネ、特に、様々に異なる直径の容積部を有するバネとともに使用することができる。このように、装着ブラケットは、複数のタイプの駆動アームと利用され得るように標準化されている。
【0014】
また、本発明は、個別にまたは組み合わせて考慮される単数または複数の以下の特徴を有し得る。
【0015】
前記スリーブは、前記装着ブラケットの前記本体の主方向に対して実質的に平行な主方向に沿って延びる。以下のテキストでは、装着ブラケットの本体の長手方向を、本体の円等形状の軸の方向と称するものとする。ひいては、この方向を、以下で、本発明による装着ブラケット、および装着ブラケットを構成する要素の長手方向とも称するものとする。本発明による装着ブラケットにおいて、したがって、スリーブは、上述の長手方向に対して実質的に平行な方向において主として延びる。
【0016】
本発明の一例において、スリーブは、装着ブラケットの上述の長手方向における一端部において、装着ブラケットの本体に取り付けられる。以下のテキストにおいて、この端部を任意に本発明による装着ブラケットの本体の後方端部、ひいては、本発明による装着ブラケットの後方端部と称するものとする。この呼称を基準として、装着ブラケットの本体の前方端部、ひいては本発明による装着ブラケットの前方端部を、長手方向において上述の後方端部から反対側の端部と称するものとする。この結果、本発明による装着ブラケットが設けられたワイパーシステムの駆動アームにおいて、装着ブラケットの本体は、その前方端部が上述の容積部内に位置し、上述のスリーブが設けられたその後方端部がバネの係合端部、すなわちバネの端部であって、この端部を介して装着ブラケットの本体がバネの容積部に挿入される端部と同一平面となる態様において、駆動アームのバネの容積部内に挿入される。
【0017】
有利な態様によれば、スリーブは中空円筒の全体形状を有する。その軸は、装着ブラケットの本体の長手方向軸に対して平行である。この中空円筒は開口を有し、この開口は、中空円筒の長手方向一端部から他端部に延びる。有利には、本発明による装着ブラケットを作製するために使用された材料の弾性により、洗浄流体送達チューブをスナップ留めによって上述のスリーブにより形成された中空円筒に保持することができるように、スリーブにより形成された円筒の内径は、上述の洗浄流体送達チューブの外径に対して相補的である。一例において、本発明による装着ブラケットのスリーブは、本体の後方端部からその長手方向に対して実質的に垂直に延びるベースを介して装着ブラケットの本体に取り付けられる。
【0018】
装着ブラケットの本体は、実質的に円錐形状を有する。より具体的には、本発明は、装着ブラケットの本体の直径が、長手方向において、本体の後方端部から長手方向において反対側のその端部まで拡大することを提供する。換言すれば、装着ブラケットの本体の長手方向軸に対して垂直な平面内で測定された本発明による装着ブラケットの本体の外周は、その後方端部から前方端部に向かって拡大する。上記を参照すると、これにより、装着ブラケットを様々に異なる内径を有するバネの容積部の内部でロックすることがより容易になる。
【0019】
装着ブラケットの本体は、径方向の弾性を本体に付与するように構成された少なくとも1つの長手方向スロットを備える。より具体的には、上述の長手方向スロットは、装着ブラケットの長手方向において、装着ブラケットの本体の前方端部から延びる。また、装着ブラケットの本体の長手方向軸に対して垂直な平面において、長手方向スロットは、この本体の外周の一部を占める。よりさらに正確には、このスロットは、装着ブラケットの本体の前方長手方向端部において開口する。すなわち、スロットは、本発明による装着ブラケットの本体の前方端部の外周の角度的部分に亘って延びる。
【0020】
本実施形態の一例において、長手方向スロットの上述の長手方向において測定された寸法は、装着ブラケットの本体の長手方向寸法よりも小さい。
【0021】
例示的な一実施形態によれば、装着本体は、複数の長手方向スロットを備える。例えば、3つの上述の長手方向スロットが存在する。個数がいくつであっても、これらの長手方向スロットは、有利には、本発明による装着ブラケットの本体の周囲に、換言すればその軸を中心として、角度的に均等に分散配置される。有利には、長手方向スロットは、装着ブラケットの本体の後方端部の付近に位置するその後方端部から、上述の本体の前方端部で開口するその前方端部に向かって幅広となる形状を有する。この結果、長手方向スロットは、それらの間に、本発明による装着ブラケットの本体におけるフィンガを規定する。これらの長手方向スロットの存在は、本発明による装着ブラケットを形成する材料の弾性との組み合わせにより、これらのフィンガの径方向移動を可能とする。換言すれば、本体の長手方向軸に径方向に向けられた応力であって、本体の外側から内側に及ぼされる応力を受けて、長手方向スロットの存在により、フィンガは本体の長手方向軸に向かって互いに接近するように移動するため、装着ブラケットの本体の外径が縮小する。これにより、特に、装着ブラケットの本体を、様々に異なる直径を有する駆動アームバネの容積部に挿入することがより簡単になるため、本発明による装着ブラケットの想定される用途が増加する。また、この態様により、装着ブラケットの本体とバネとの間に十分な固定力があることが保証される。
【0022】
装着ブラケットの静止状態において、装着ブラケットの本体の前方長手方向端部において測定された装着ブラケットの本体の直径は、その後方長手方向端部において測定された直径よりも大きい。ここで、本発明による装着ブラケットの静止状態とは、装着ブラケットの本体がワイパーシステムの駆動アームのバネの容積部の外側にある状態であるということを理解する必要がある。これに対し、装着ブラケットの作動状態とは、装着ブラケットの本体がこのようなバネの容積部の少なくとも一部に挿入されている状態である。本発明によれば、装着ブラケットの本体の寸法は、本体の前方端部付近の外径が、装着ブラケットの本体が挿入されるべきバネの容積部の直径よりも大きいように規定される。
【0023】
本体は、径方向に配置された複数の周囲リブを備えている。より具体的には、本発明は、これらの周囲リブが装着ブラケットの本体の外壁から、すなわち、駆動アームのバネの内壁に接触して配置されることが意図されたこの本体の壁から突出して配置されることを提供する。これらの周囲リブは、例えば、本体の軸に対して垂直であるとともに、互いに対して平行である。一例によれば、それらは、長手方向において、少なくとも1つの長手方向スロットの長手方向寸法に実質的に等しい寸法に亘って配置される。換言すれば、これらの周囲リブは、装着ブラケットの本体の前方端部と上述の長手方向スロットの後方端部との間に配置される。これらのリブは、バネの容積部において保持用の要素として機能するように本体の外壁から出現するリングを形成し得る。
【0024】
本体の1つの長手方向端部は、傾斜部を備えている。より具体的には、上述の傾斜部は、装着ブラケットの本体の前方端部に配置されている。すなわち、本発明による装着ブラケットの本体の壁は、その前方長手方向端部において、実質的に円錐台の形状を有し、その最小外径が本体の前方端部の外径である。
【0025】
有利には、この傾斜部は、本体の外壁を薄肉化することにより作製される。このような傾斜部の役割は、特に、装着ブラケットの本体の前方端部を駆動アームのバネの上述の容積部内に係合することを容易にすることである。さらに、このような傾斜部の構造により、本体を上述の容積部に係合する際に本体の前方端部に及ぼされる応力が径方向に及ぼされることが可能になる。この結果、上述の長手方向スロットにより規定されたフィンガは、本体の長手方向軸に接近するように移動するため、本体の直径が縮小する。したがって、本体を上述の容積部に挿入することが容易になる。
【0026】
また、第2態様によれば、本発明は、自動車のワイパーシステムの駆動アームであって、前記駆動アームは、特に、前記駆動アームを駆動するための装置に連結されるように構成された駆動部と、前記ワイパーシステムの風防ガラス用ワイパーを受容するように構成された端部と、を備え、前記駆動アームは、バネを備え、前記バネは、一端部において前記駆動部に連結されるとともに、他端部において、風防ガラス用ワイパーを受容するように構成された前記端部に接続されたロッドに連結され、前記駆動アームは、洗浄流体を前記ワイパーシステムの前記風防ガラス用ワイパーに送達するためのチューブを備える駆動アームにおいて、前記駆動アームは、前記送達チューブを装着するための上述のブラケットを備えることを特徴とする駆動アームにも及ぶ。
【0027】
有利には、このような駆動アームのバネは巻線コイルバネであり、その全てのコイルが、バネの容積部を囲むことでこれを画定する。バネの容積部の少なくとも一部に、装着ブラケットの本体が挿入され得る。
【0028】
上述の配向および呼称を基準として、このような駆動アームにおいて、上述の装着ブラケットの設置は、まず最初に、装着ブラケットの本体の長手方向軸と実質的に円筒状であるバネの容積部の長手方向軸とが実質的に一致するようにして、装着ブラケットの本体の前方長手方向端部を駆動アームのバネの上述の容積部の係合端部に係合することにより実施される。有利であるが排他的でない例によれば、バネの容積部の係合端部は、バネの主延在方向において、駆動アームの端部であって、この端部を介してバネが上述のワイパーシステムの駆動部に接続される端部に最も近接する端部である。
【0029】
装着ブラケットの本体の前方端部のバネの容積部への係合は、上述のように、本体の前方端部に配置された傾斜部の存在および構造により容易とされる。また、この結果、本体がバネの容積部に係合する際に本体に径方向に及ぼされる応力は、この本体の上述のフィンガを装着ブラケットの長手方向軸に近づくように移動させ、この本体の外径を縮小させるとともに上述の容積部への本体の挿入を容易とする効果を有する。
【0030】
装着ブラケットの駆動アームのバネへの設置は、バネの容積部の内部に向かう本体の並進移動を伴って継続する。この並進移動は、装着ブラケットの本体の長手方向において実施される。この並進移動の間、一方で上述の本体の実質的に円錐形である形状およびその寸法、そして、他方で装着ブラケットの本体に配置された長手方向スロットにより付与される径方向の弾性、および装着ブラケットを作製するために使用された材料の可撓性の結果、上述の長手方向スロットにより規定されたフィンガは、装着ブラケットの本体の長手方向軸に向かって径方向に移動し、装着ブラケットの本体の外径をバネの内側容積部の直径に適合させる。さらに、上述の長手方向スロットにより付与される径方向の弾性、および装着ブラケットを作製するために使用された材料の生来の弾性の結果、上述のフィンガは、互いから離れるように移動して、装着ブラケットの上述の静止状態においてそれらが占めていた位置に戻る自然な傾向を有する。したがって、装着ブラケットの本体は、バネの容積部内にロックされる。
【0031】
バネの内部における装着ブラケットの本体の並進移動は、上述のスリーブが取り付けられている装着ブラケットの後方端部が、バネの容積部の係合端部に位置するバネのコイルに突き当たるまで継続する。装着ブラケットのスリーブが装着ブラケットの本体に、本体の後方端部から本体の軸の長手方向に対して実質的に垂直に延びるベースを介して取り付けられている上述の例において、バネの容積部内での本体の並進移動は、上述のベースがバネの容積部の係合端部に位置するバネのコイルに突き当たるまで継続する。
【0032】
この位置において、装着ブラケットの本体は、バネの容積部内に、バネを構成する材料の生来の弾性、および上述の長手方向スロットにより画定されたフィンガの存在により付与される弾性に由来する上述の径方向応力により保持される。そして、装着ブラケットの本体は、実質的にバネのコイル間に配置された上述の周囲リブの存在により、バネの容積部の内部に長手方向に保持される。したがって、本発明は、装着ブラケットをワイパーシステムの駆動アームに簡単かつ効果的にロックすることを可能とする一方で、装着ブラケットのスリーブの存在によって、上述のワイパーシステムの風防ガラス用ワイパーを収容することが意図された駆動アームの端部に向けて洗浄流体を送達するためのチューブを簡単かつ効果的に保持することを保証する。
【0033】
以上のテキストを読むことにより、長手方向スロットおよびそれらが規定するフィンガの構造により、かつその本体の寸法により、上述の装着ブラケットが、特に様々に異なる直径の内側容積を有する種々のタイプのバネとともに使用できることが明瞭になる。これにより、このような装着ブラケットを標準化することができるとともに、駆動アームの、より一般的にはワイパーシステムのコストを削減することができる。
【0034】
最後に、第3態様によれば、本発明は、上述の駆動アームを組み立てるための方法であって、上述の装着ブラケットを前記駆動アームの前記バネの前記容積部内に設置するステップを備え、前記ステップは、前記装着ブラケットが設けられた前記バネを、前記駆動部と前記ロッドとの間に取り付けるステップに先行することを特徴とする方法に及ぶ。このような一連のステップにより、バネと装着ブラケットとにより構成されるサブアセンブリを予め組み立てることができる。バネが駆動部およびロッドに取り付けられて駆動アームのケーシングに収容されている場合と異なり、バネにアクセス可能なときにブラケットをバネにより画成された容積部により簡単に導入できるため、有利である。
【0035】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、以下の説明および図面によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、自動車の被払拭面を払拭/洗浄することが意図されたワイパーシステムの概略図である。
図2図2は、図1に示すワイパーシステムの駆動アームの部分斜視図である。
図3図3は、本発明の一態様による装着ブラケットの斜視図である。
図4図4は、図2に示す駆動アームのバネの容積内に受容される図3の装着ブラケットの、その長手方向を含む平面における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
まず第一に、図面には本発明を実施するために本発明についての詳細が記載されているが、当然ながら前記図面は、必要に応じて本発明をより明確に定義するために使用され得ることに留意されたい。また、全ての図面において、類似および/または同一の機能を果たす要素は、同じ参照符号で示されていることにも留意されたい。
【0038】
図1を参照すると、自動車を対象とするワイパーシステム100は、車両の図示しない被払拭面に対して角度を付けた往復運動を行うように構成された駆動アーム1を備えている。駆動アーム1は、主延在方向において細長い形状を有する。主延在方向を、以下で駆動アーム1の長手方向と称する。駆動アーム1は、その長手方向における端部の一方において、上述の角度を付けた往復運動を駆動アーム1に付与するように構成された駆動装置2に接続されている。駆動装置2は、例えば、電気モータを備えている。駆動アーム1は、駆動装置2に、図1では概略的に示す駆動部10により接続されている。
【0039】
駆動アーム1は、その長手方向において反対側の端部11において、風防ガラス用ワイパー3に、図1で詳細に示さない接続装置を介して接続されている。風防ガラス用ワイパー3は、図1で概略的に示す可撓性材料から作製されるブレードゴム30を特に有している。駆動アーム1は、車両の被払拭面に対して角度を付けた往復運動において駆動されると、風防ガラス用ワイパー3およびそのブレードゴム30を駆動する。ブレードゴム30は、この動きを受けて被払拭面を擦過し、車両のドライバーが有する周囲の視界を妨げ得る水や汚れを除去する。
【0040】
図2は、本発明による駆動アーム1をより具体的に示す。本図は、上述の駆動部10を含んでいる。さらに図2を参照すると、駆動アーム1は、その主延在方向において駆動部10を有する端部とは反対側の端部に、ヨーク12を備えている。ヨーク12は、図2で示さない上述の接続装置を受容することが意図されている。駆動部10とヨーク12との間に、駆動アーム1は細長いロッド13を備えている。その主延在方向は、駆動アーム1の長手方向と実質的に一致する。ロッド13は、その主延在方向における端部の一方において、ヨーク12に接続されている。ロッド13は、その主延在方向における反対側の端部において、図示しないケーシングを介して、かつバネ14を介して駆動部10に接続されている。
【0041】
バネ14は、巻線コイルバネである。図2に示す例において、バネ14は、実質的に円筒状の全体形状を有している。バネ14を形成する全てのコイル140が、バネ14の容積部141を画定している。バネ14の役割は、本質的に、駆動アーム1に力を及ぼすことにより、風防ガラス用ワイパー3が被払拭面に接触して保持されることを保証することである。この目的は、駆動アーム1の往復運動中に、かつ車両の移動中に、ブレードゴム30が被払拭面から離れないようにすることである。
【0042】
図2に示す例において、送達チューブ4が、駆動アーム1に沿って、その長手方向寸法の実質的に全体に亘って延びている。換言すれば、送達チューブ4は、駆動アーム1に沿って駆動部10からヨーク12まで延びている。
【0043】
送達チューブ4は、洗浄流体をヨーク12に送達するように構成されている。この目的は、この洗浄流体をワイパーシステム100の風防ガラス用ワイパー3で分配することである。種々の例において、このような分配は、ヨーク12に割り当てられた噴霧部材により、またはヨーク12に受容された接続装置により実施され得る。あるいは、洗浄流体は、風防ガラス用ワイパー3および/またはブレードゴム30に沿って分配され得る。後者の場合、風防ガラス用ワイパーは、その全部または一部の長さに沿って延びる噴霧ラインを備えている。
【0044】
種々の例において、洗浄流体は、液体または液体混合物、気体または気体混合物、または液体と気体の混合物であり得る。洗浄流体は、その組成がどのようなものであっても、ブレードゴム30の擦過運動と組み合わせて、当該被払拭面を効率的かつ再現可能に洗浄して払拭するように規定される。
【0045】
一例において、ロッド13とバネ14と送達チューブ4とにより形成されたアセンブリは、バネ14の領域において、図2に示さないケーシングに受容される。ケーシングは、有利には、ロッド13および駆動部10に連続して延びてこれらの要素とともに実質的に連続する表面を形成しつつ、駆動アーム1のこの領域においてバネ14および送達チューブ4を保護するように構成されている。
【0046】
また、図2は、本発明の第1態様による装着ブラケット5を示している。装着ブラケット5は、特に送達チューブ4の早期摩耗を回避するように、送達チューブ4を駆動アーム1に機械的に連結するように構成されている。図2に示すように、装着ブラケット5は、有利には、バネ14の端部であって、バネ14がこの端部を介して駆動部10に接続される端部に配置される。
【0047】
図3は、図2に示す装着ブラケット5の概略斜視図である。
【0048】
図3を参照すると、装着ブラケット5は、軸500を有する実質的に円錐形の中空の本体50と、スリーブ51と、を備えている。上述の配向および呼称を基準として、本体50の軸500の方向は、本体50の長手方向、ひいては、装着ブラケット5およびこれを構成する要素の長手方向に相当する。有利には、装着ブラケット5は、例えばポリプロピレンやポリエチレン等の安価な合成材料を射出することにより作製される。
【0049】
スリーブ51は、実質的に中空円筒の形状を有している。その軸510は、装着ブラケット5の本体50の長手方向軸500に対して実質的に平行である。
【0050】
図3に示すように、スリーブ51は開口511を有している。開口511は、上述の軸510に対して平行に、スリーブ51の一長手方向端部からその反対側の長手方向端部まで延びている。より具体的には、図3により詳しく示す例において、開口511は、本体50の軸500およびスリーブ51の軸510を含む長手方向平面600が、前記平面600に対して垂直な方向において開口511の中央を通過するような態様で配置されている。換言すれば、上述の長手方向平面600は、開口511の、より全体的には装着ブラケット5の中央長手方向平面である。
【0051】
有利には、図2に示す駆動アーム1において、送達チューブ4が上述の開口511によってスリーブ51により形成された中空円筒のスペース512にスナップ留めにより受容保持され得るように、スリーブ51により形成された円筒の内径は、送達チューブ4の外径に実質的に等しい。
【0052】
図3に示す実施形態によれば、スリーブ51は、本体50の軸500およびスリーブ51の軸510に対して垂直または実質的に垂直なベース52を介して、本体50に接続されている。装着ブラケット5のスリーブ51を本体50に機械的に連結するベース52は、本体50の長手方向端部50aに配置されている。この長手方向端部50aを、上述の配向および呼称を基準として、本体50および装着ブラケット5の後方長手方向端部50aと称する。
【0053】
図3を参照すると、装着ブラケット5の本体50は、実質的に円錐形の全体形状を有している。この形状の直径は、本体50の後方端部50aからその前方端部50bに向かって増加している。本体50の前方端部50bは、軸500の長手方向において、上述の後方端部50aから反対側の端部である。
【0054】
より具体的には、図2に示す本発明による駆動アーム1において、前方端部50b付近で測定された本体50の直径は、駆動アーム1のバネ14のコイル140により画定された上述の容積部141の直径よりも大きい。
【0055】
図3により詳しく示す例において、装着ブラケット5の本体50は、本体50の軸500に対して平行に配置された3つの長手方向スロット53であって、本体50の前方端部50bを始点とする長手方向スロット53を備えている。したがって、長手方向スロット53は、互いに対して実質的に平行であり、各々が本体50の前方端部50bにおいて開口している。さらに、長手方向スロット53は、本体50の周囲に、換言すればその軸500を中心として、角度的に均等に分散配置されているとともに、上述の長手方向において実質的に同一の寸法を有している。図3に示すように、各長手方向スロット53の長手方向寸法は、本体50の長手方向寸法よりも小さい。すなわち、長手方向スロット53は、本体50の後方端部50aにおいて開口していない。
【0056】
図3に示すように、本体50の外周の周囲で測定された各長手方向スロット53の寸法は、本体50の前方端部50bから後方端部50aに向かって縮小している。換言すれば、本体50の軸500に対して垂直な平面700において測定された場合、長手方向スロット53が占める本体50の外周の割合は、上述の平面700が本体50の後方端部50aに長手方向に接近するにつれて小さくなる。
【0057】
長手方向スロット53は、対となってそれらの間に、各々が円錐台の一部の形状を有するフィンガ54を画定している。長手方向スロット53の形状および寸法の結果、上述の平面700において測定された場合、フィンガ54が占める本体50の外周の部分が、本体50の前方端部50bからその後方端部50aに向かって拡大する。装着ブラケット5を作製するために使用される材料の弾性および長手方向スロット53の構造の結果、本体50の軸500に対して径方向に及ぼされる応力であって、その軸500の方に向けられる応力を受けて、フィンガ54は上述の軸500に接近するように移動し得る。このような移動の過程で、フィンガ54は互いに接近するように移動することにより、本体50の直径をその前方端部50bにおいて減少させる。
【0058】
図3に示すように、装着ブラケット5の本体50は、互いに対して実質的に平行であるとともに本体50の外面50cから突出して配置される複数の周囲リブ55も備えている。図3に示す例において、周囲リブ55は、実質的に円形であり、本体50の長手方向軸500に対して垂直な平面において実質的に延びている。図3に示すように、周囲リブ55は、上述の長手方向スロット53が作製された本体50の部分に配置されている。換言すれば、周囲リブは、上述のフィンガ54に配置されている。図3により詳しく示す例において、6つの周囲リブ55が存在している。
【0059】
また、装着ブラケット5の本体50は、その前方端部50bに、傾斜部56を備えている。図3に示すように、傾斜部56は、本体50を形成する壁を、その前方端部50bにおいて薄肉化することにより作製されている。換言すれば、本体50の壁は、その前方端部50bの付近で、最小径が本体50の前方端部50bに位置する円錐形状を有している。上述の配向および呼称を基準として、円錐形状の最小径の部分は傾斜部56の前方端部を構成している。図2に示す本発明による駆動アーム1において、傾斜部56の後方端部における本体50の外径は、有利には、上述のバネ14の容積部141の直径よりも小さい。装着ブラケット5の長手方向において本体50の後方端部50aに最も近接した傾斜部56の後方端部における本体50の直径は、有利には、上述の容積部141の直径よりも大きい。
【0060】
図4は、図3に示す装着ブラケット5の本体50の軸500およびスリーブ51の軸510を含む平面における断面図であって、装着ブラケットは、図2に示す駆動アーム1のバネ14の容積部141に挿入されている。
【0061】
このような挿入は、第1ステップにおいて、装着ブラケット5の本体50の前方端部50bを、バネ14の容積部141の係合端部141aに係合させることにより実施される。より具体的には、上述の傾斜部56を、まず最初に係合端部141aに係合させる。この係合は、傾斜部56の存在、および上述のバネの容積部141の内径よりも小さい傾斜部56の前方直径の寸法により容易となっている。
【0062】
装着ブラケット5の本体50の上述の容積部141への挿入は、本体50の長手方向における、装着ブラケット5の本体50のバネ14に対する相対的な並進移動を伴って継続する。この並進移動の方向を、図4において矢印Fで示す。この方向は、容積部141の係合端部141aからその内部に向かっている。図4に示すように、この並進移動の間、装着ブラケット5の本体50の軸500と、バネ14およびバネ14の全てのコイル140に囲まれた範囲の主軸145とが、実質的に一致することに留意されたい。
【0063】
この並進移動中に、バネ14のコイル140は、装着ブラケットの本体50に、本体50とバネ14とに共通の長手方向軸500、145に向かって径方向に向けられた応力を及ぼす。この応力の方向を、図4においてF1で示す。装着ブラケット5を構成する材料の弾性、および上述の長手方向スロット53の存在の結果、本体50のフィンガ54は、上述の径方向応力を受けて上述の共通の軸500、145に向かって径方向に移動する。これにより、本体50の外径が縮小するため、本体50がバネ14の容積部141の内部で摺動することが可能となる。
【0064】
図4に示す例によれば、上述の並進移動は、スリーブ51を装着ブラケット5の本体50に取り付けているベース52が、上述の係合端部141aに位置する端部コイル140aに突き当たるまで継続する。この位置において、装着ブラケット5を構成する材料の弾性、および上述の長手方向スロット53の存在の結果、初期位置に戻ろうとする自然の傾向を有するフィンガ54は、バネ14のコイル140に共通の軸500、145から離れる方向に応力を及ぼすことにより、本体50とバネ14とに共通の長手方向軸500、145から離れるように移動する傾向を示す。これらの径方向応力を、図4において矢印F2で示す。本体50の径方向寸法および容積部141の直径の径方向寸法により、装着ブラケット5の本体が上述の容積部141の内部でロックされる結果となる。本体50は、容積部141において上述の周囲リブ55により長手方向にロックされる。周囲リブ55は、図4に示すように、バネ14のコイル140の間に径方向において部分的に挿入される歯の役割を果たす。
【0065】
したがって、上述したように、本発明は、図3に示す装着ブラケット5によって、ワイパーシステム100の駆動アーム1に洗浄流体送達チューブ4を単純な態様で機械的に連結することを可能にする。さらに、装着ブラケット5のスリーブ51の構造により、送達チューブ4を簡単かつ効果的に保持することが可能となる。装着ブラケット5の本体50を駆動アーム1のバネ14の容積部141に挿入することにより、本発明は、この機械的連結部を嵩張らないものとすることができる。さらにまた、装着ブラケット5の本体50の構造および寸法、また特に上述の長手方向スロット53の存在により、装着ブラケットを、容積部141の直径が異なり得る種々のバネ14とともに使用することができる。したがって、本発明は、図2に示す駆動アーム1の製造コストを低減することを可能にする。
【0066】
しかしながら、説明および図示した手段および構造に限定されず、同等の全ての手段または構造、およびこれらの任意の組み合わせにも適用される。特に、本発明を装着ブラケット5の本体50が3つの長手方向スロット53を備える例にしたがって説明したが、当然ながら、長手方向スロット53が上述の本体50の軸500を中心として角度的に分散配置される限り、本発明は2よりも大きいいかなる個数の長手方向スロット53にも適用される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】