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特表2022-545964電子タバコ器具とその加熱方法、及びコンピュータ記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】電子タバコ器具とその加熱方法、及びコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20221025BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20221025BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513691
(86)(22)【出願日】2020-09-01
(85)【翻訳文提出日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2020112869
(87)【国際公開番号】W WO2021047423
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】201910865250.4
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 昌河
(72)【発明者】
【氏名】竇 恒恒
(72)【発明者】
【氏名】李 亜飛
(72)【発明者】
【氏名】張 幸福
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AC22
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD23
(57)【要約】
電子タバコ器具(10)とその加熱方法、及びコンピュータ記憶媒体が提供される。この電子タバコ器具(10)は少なくとも発熱体(12)を含む。発熱体(12)は、エアロゾル発生基質を加熱するために使用される。この加熱方法は、発熱体(12)の現在の電気的特性値を取得することと、現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体(12)の現在の温度値を確定することであって、発熱体パラメータは、発熱体(12)の電気的特性値と温度値との対応関係を表すことと、現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体(12)の現在の温度値を調整することであって、加熱パラメータは、加熱時間と温度値との対応関係を表すことと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タバコ器具の加熱方法であって、前記電子タバコ器具は少なくとも発熱体を含み、前記発熱体は、エアロゾル発生基質を加熱するために使用され、前記加熱方法は、
前記発熱体の現在の電気的特性値を取得することと、
現在の前記電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の温度値を確定することであって、前記発熱体パラメータは、前記発熱体の前記電気的特性値と前記温度値との対応関係を表すことと、
現在の加熱時間、現在の前記温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を調整することであって、前記加熱パラメータは、前記加熱時間と前記温度値との対応関係を表すことと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記発熱体の現在の前記電気的特性値を取得することは、
前記発熱体の現在の抵抗値を取得することであって、前記発熱体パラメータは、前記発熱体の前記抵抗値と前記温度値との対応関係を表すことを含み、
現在の前記電気的特性値及び予め取得された前記発熱体パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を確定することは、
現在の前記抵抗値及び前記発熱体パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を確定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子タバコ器具は、前記発熱体に直列接続された特性抵抗をさらに含み、前記特性抵抗の抵抗値は既知であり、
前記発熱体の現在の前記抵抗値を取得することは、
前記発熱体の両端の電圧値及び前記特性抵抗の両端の電圧値を検出し、前記特性抵抗の前記抵抗値に基づいて、前記発熱体の現在の前記抵抗値を計算することを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記発熱体パラメータは、前記発熱体の前記抵抗値と温度との対応関係表であり、
現在の前記抵抗値及び前記発熱体パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を確定することは、
予め取得された前記発熱体の前記抵抗値と温度との前記対応関係表から、前記発熱体の現在の前記温度値として前記現在の前記抵抗値に対応する前記温度値を検索することを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
現在の前記加熱時間、現在の前記温度値、及び予め取得された前記加熱パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を調整することは、
現在の前記加熱時間を取得することと、
前記加熱パラメータに基づいて、現在の前記加熱時間に対応する標準温度値を確定することと、
前記標準温度値に基づいて、現在の前記温度値を調整することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電子タバコ器具は、電源とコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記電源と前記発熱体に接続されて、前記電源を制御して前記発熱体に電気エネルギーを提供し、
前記標準温度値に基づいて、現在の前記温度値を調整することは、
現在の前記温度値が前記標準温度値よりも低い場合、前記発熱体への電力供給パワーを高め、現在の前記温度値が前記標準温度値よりも高い場合、前記発熱体への前記電力供給パワーを下げることを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コントローラは、前記発熱体にパルス電圧を提供し、
前記発熱体への前記電力供給パワーを高めることは、
前記パルス電圧のデューティ比を高めることを含み、
前記発熱体への前記電力供給パワーを下げることは、
前記パルス電圧のデューティ比を下げることを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
電子タバコ器具であって、電源と、発熱体と、メモリと、コントローラと、を含み、
前記発熱体は、エアロゾル発生基質を加熱するために使用され、
前記メモリは、前記発熱体の発熱体パラメータと加熱パラメータを記憶するために使用され、前記発熱体パラメータは、前記発熱体の電気的特性値と温度値との対応関係を表し、前記加熱パラメータは、加熱時間と前記温度値との対応関係を表し、
前記コントローラは、前記電源及び前記発熱体に接続され、前記発熱体の現在の前記電気的特性値を取得し、現在の前記電気的特性値及び予め取得された前記発熱体パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を確定し、現在の前記加熱時間、現在の前記温度値、及び予め取得された前記加熱パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を調整するために使用される、ことを特徴とする電子タバコ器具。
【請求項9】
前記発熱体パラメータは、前記発熱体の抵抗値と前記温度値との対応関係を表し、
前記コントローラはまた、現在の前記抵抗値及び前記発熱体パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を確定するために使用される、ことを特徴とする請求項8に記載の電子タバコ器具。
【請求項10】
前記電子タバコ器具は、前記発熱体に直列接続された特性抵抗をさらに含み、前記特性抵抗の抵抗値は既知であり、
前記コントローラはまた、前記発熱体の両端の電圧値及び前記特性抵抗の両端の電圧値を検出し、前記特性抵抗の前記抵抗値に基づいて、前記発熱体の現在の前記抵抗値を計算するために使用される、ことを特徴とする請求項9に記載の電子タバコ器具。
【請求項11】
前記発熱体パラメータは、前記発熱体の前記抵抗値と温度との対応関係表であり、
前記コントローラはまた、予め取得された前記発熱体の前記抵抗値と温度との対応関係表から、前記発熱体の現在の前記温度値として現在の前記抵抗値に対応する前記温度値を検索するために使用される、ことを特徴とする請求項9に記載の電子タバコ器具。
【請求項12】
前記コントローラはまた、現在の前記加熱時間を取得し、前記加熱パラメータに基づいて、現在の前記加熱時間に対応する標準温度値を確定し、前記標準温度値に基づいて、現在の前記温度値を調整するために使用される、ことを特徴とする請求項8に記載の電子タバコ器具。
【請求項13】
前記電子タバコ器具は、電源とコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記電源と前記発熱体に接続されて、前記電源を制御して前記発熱体に電気エネルギーを提供し、
前記コントローラはまた、現在の前記温度値が前記標準温度値よりも低い場合、前記発熱体への電力供給パワーを高め、前記現在の前記温度値が前記標準温度値よりも高い場合、前記発熱体への前記電力供給パワーを下げるために使用される、ことを特徴とする請求項12に記載の電子タバコ器具。
【請求項14】
前記コントローラは、前記発熱体にパルス電圧を提供し、前記発熱体への電力供給パワーを高めるときに、前記パルス電圧のデューティ比を高めるか、又は前記発熱体への前記電力供給パワーを下げるときに、前記パルス電圧のデューティ比を下げる、ことを特徴とする請求項13に記載の電子タバコ器具。
【請求項15】
電子タバコ器具であって、電源と、発熱体と、メモリと、コントローラと、を含み、
前記発熱体は、エアロゾル発生基質を加熱するために使用され、
前記メモリは、前記発熱体の発熱体パラメータと加熱パラメータを記憶するために使用され、前記発熱体パラメータは、前記発熱体の抵抗値と温度値との対応関係を表し、前記加熱パラメータは、加熱時間と前記温度値との対応関係を表し、
前記コントローラは、前記電源及び前記発熱体に接続され、前記発熱体の現在の前記抵抗値を取得し、現在の前記抵抗値及び前記発熱体パラメータに基づいて、前記発熱体の現在の前記温度値を確定するため、及び、現在の前記加熱時間を取得し、前記加熱パラメータに基づいて、現在の前記加熱時間に対応する標準温度値を確定し、前記標準温度値に基づいて、現在の前記温度値を調整するために使用される、ことを特徴とする電子タバコ器具。
【請求項16】
プログラムデータが記憶され、プロセッサによって実行されると、前記プログラムデータは、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実現するために使用される、ことを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年9月12日に出願された「電子タバコ器具とその加熱方法、及びコンピュータ記憶媒体」という中国特許出願第2019108652504号の優先権を主張し、その内容を参照により本願に援用する。
【0002】
本願は、加熱非燃焼技術の分野に関し、特に、電子タバコ器具及びその加熱方法、コンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
電子タバコは、タバコの代替品として、使用の安全性、利便性、健康、環境に優しいなどの利点を有するため、ますます多くの人々の注目と愛顧を受けている。加熱非燃焼電子タバコは、比較的低い温度で動作する。比較的低い温度でエアロゾル発生基質を加熱して霧化する。
【0004】
異なるエアロゾル発生基質は、異なる加熱特性を有し、同じエアロゾル発生基質は、異なる時間に異なる加熱温度を有する。一般に、エアロゾル発生基質ごとに対応する加熱曲線を設定するが、この加熱曲線によって発熱体の温度を迅速かつ正確に調整することは、緊急に解決する必要がある問題となっている。
【発明の概要】
【0005】
上記の問題を解決するために、本願は、電子タバコ器具とその加熱方法、及びコンピュータ記憶媒体を提供し、電子タバコ器具の発熱体の温度を迅速かつ正確に制御して、電子タバコ器具の性能を向上させることができる。
【0006】
本願によって採用される技術的手段は、電子タバコ器具の加熱方法を提供することである。この電子タバコ器具は少なくとも発熱体を含む。発熱体は、エアロゾル発生基質を加熱するために使用される。この加熱方法は、発熱体の現在の電気的特性値を取得することと、現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定することであって、発熱体パラメータは、発熱体の電気的特性値と温度値との対応関係を表すことと、現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を調整することであって、加熱パラメータは、加熱時間と温度値との対応関係を表すことと、を含む。
【0007】
発熱体の現在の電気的特性値を取得することは、前記発熱体の現在の抵抗値を取得することを含み、前記発熱体パラメータは、前記発熱体の抵抗値と温度値との対応関係を表す。現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を取得することは、現在の抵抗値及び発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定することを含む。
【0008】
電子タバコ器具は、発熱体に直列接続された特性抵抗をさらに含み、特性抵抗の抵抗値は既知である。発熱体の現在の抵抗値を取得することは、発熱体の両端の電圧値及び特性抵抗の両端の電圧値を検出し、特性抵抗の抵抗値に基づいて、発熱体の現在の抵抗値を計算することを含む。
【0009】
発熱体パラメータは、発熱体の抵抗値と温度との対応関係表である。現在の抵抗値及び発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定することは、予め取得された発熱体の抵抗値と温度との対応関係表から、発熱体の現在の温度値として現在の抵抗値に対応する温度値を検索することを含む。
【0010】
現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を調整することは、現在の加熱時間を取得することと、加熱パラメータに基づいて、現在の加熱時間に対応する標準温度値を確定することと、標準温度値に基づいて、現在の温度値を調整することと、を含む。
【0011】
電子タバコ器具は、電源とコントローラをさらに含む。コントローラは、電源と発熱体に接続されて、電源を制御して発熱体に電気エネルギーを提供する。標準温度値に基づいて、現在の温度値を調整することは、現在の温度値が標準温度値よりも低い場合、発熱体への電力供給パワーを高め、現在の温度値が標準温度値よりも高い場合、発熱体への電力供給パワーを下げることを含む。
【0012】
コントローラは、発熱体にパルス電圧を提供する。発熱体への電力供給パワーを高めることは、パルス電圧のデューティ比を高めることを含む。発熱体への電力供給パワーを下げることは、パルス電圧のデューティ比を下げることを含む。
【0013】
本願によって採用される別の技術的手段は、電子タバコ器具を提供することである。この電子タバコ器具は、電源と、発熱体と、メモリと、コントローラとを含む。発熱体は、エアロゾル発生基質を加熱するために使用される。メモリは、発熱体の発熱体パラメータと加熱パラメータを記憶するために使用される。発熱体パラメータは、発熱体の電気的特性値と温度値との対応関係を表し、加熱パラメータは、加熱時間と温度値との対応関係を表す。コントローラは、電源及び発熱体に接続され、発熱体の現在の電気的特性値を取得し、現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定し、現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を調整するために使用される。
【0014】
電子タバコ器具は、発熱体に直列接続された特性抵抗をさらに含み、特性抵抗の抵抗値は既知である。コントローラはまた、発熱体の両端の電圧値及び特性抵抗の両端の電圧値を検出し、特性抵抗の抵抗値に基づいて、発熱体の現在の抵抗値を計算するために使用される。
【0015】
本願によって採用される別の技術的手段は、コンピュータ記憶媒体を提供することである。このコンピュータ記憶媒体にはプログラムデータが記憶されている。プロセッサによって実行されると、プログラムデータは、上記の方法を実現するために使用される。
【0016】
本願によって提供される電子タバコ器具の加熱方法は、発熱体の現在の電気的特性値を取得することと、現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定することであって、発熱体パラメータは、発熱体の電気的特性値と温度値との対応関係を表すことと、現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を調整することであって、加熱パラメータは、加熱時間と温度値との対応関係を表すことと、を含む。上記の方式により、発熱体の温度値を取得して、発熱体の温度値が正常であるか否かを判断し、発熱体の温度を制御し、発熱体の温度に対する迅速かつ正確な調整を実現することができる。それにより、発熱体は、エアロゾル発生基質をよりよく加熱し、エアロゾル発生基質の品質を改善し、電子タバコ器具の使用性能を提供するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本出願の実施例の技術的手段を更に詳細に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。当然のことながら、下記の説明における図面は本出願の幾つかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。ここで、
図1】本願によって提供される電子タバコ器具の第1実施例の構造模式図である。
図2】本願によって提供される電子タバコ器具の加熱方法の第1実施例のフローチャートである。
図3】本願によって提供される電子タバコ器具の第2実施例の構造模式図である。
図4】本願によって提供される加熱曲線の模式図である。
図5】本願によって提供される別の加熱曲線の模式図である。
図6】ステップ23のフローチャートである。
図7】本願によって提供されるパルス電圧の模式図である。
図8】本願の実施例によって提供されるコンピュータ記憶媒体の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の実施例における技術案は、本願の実施例における図面と併せて以下に明確かつ完全に説明する。ここで述べた具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことが理解され得る。また、説明を簡単にするために、図面には、すべての構造ではなく、本願に関連する部分のみが示されていることを説明する必要がある。当業者が創造的な作業なしに本願の実施例に基づいて得られる全ての他の実施例は、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【0019】
本願における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対称を区別するために使用され、特定の順序を説明するためのものではない。また、「含む」や「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカーバすることを意図する。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、挙げられたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、挙げられていないステップ又はユニットを更に含み、又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを更に含む。
【0020】
本明細書における「実施例」への言及は、実施例に関して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書の様々なところで出現する該用語は、必ずしも同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的な独立した又は代替の実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせることができることを明確かつ暗黙的に理解している。
【0021】
図1を参照されたい。図1は、本願によって提供される電子タバコ器具の第1実施例の構造模式図である。この電子タバコ器具10は、コントローラ11と、前記コントローラ11に接続された発熱体12と、メモリ13と、電源14とを含む。
【0022】
このコントローラ11は、電源14を使用して発熱体12に電気エネルギーを提供することで、発熱体12が発熱するようにし、さらに発熱体12を介して、発熱体12と接触するエアロゾル発生基質を加熱して、エアロゾルを生成する。電子タバコ器具10では、エアロゾル発生基質は、固体タバコ又は液体タバコであり得、ここで限定されない。
【0023】
このメモリ13には発熱体パラメータ及び加熱パラメータが記憶されている。コントローラ11は、発熱体の現在の電気的特性値を取得し、現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定し、現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を調整するために使用される。以下の実施例では、このプロセスについて詳細に説明する。
【0024】
図2を参照されたい。図2は、本願によって提供される電子タバコ器具の加熱方法の第1実施例のフローチャートである。この方法は、ステップ21~ステップ23を含む。
【0025】
ステップ21では、発熱体の現在の電気的特性値を取得する。
【0026】
オプションの実施例では、この発熱体は抵抗式発熱体である。この電気的特性値は、発熱体の抵抗値、発熱体の両端の電圧値、又は発熱体を通る電流の電流値であり得る。
【0027】
抵抗値を例にとると、発熱体の両端の電圧、及び発熱体を通る電流の電流値を検出し、
【0028】
別のオプションの実施例では、分圧法を使用して、発熱体の抵抗値を計算することができる。図3に示すように、図3は、本願によって提供される電子タバコ器具の第2実施例の構造模式図である。電子タバコ器具10は、コントローラ11、前記コントローラ11に接続された発熱体12、メモリ13、及び電源14を含む。発熱体12には、抵抗が直列接続される。
【0029】
ここで、発熱体12の抵抗値がR1であり、発熱体12に直列接続された抵抗の抵抗値がR2であり、発熱体12の一端が電源の正極に接続され、他端が抵抗に直列接続され、抵抗の他端が接地すると仮定すると、発熱体12の正極電圧がV1、負極電圧がV2である場合、以下の式を得る。
【0030】
ステップ22では、現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定する。発熱体パラメータは、発熱体の電気的特性値と温度値との対応関係を表す。
【0031】
ここで依然として、例として電気的特性値を抵抗値として取り上げる。発熱体の材料、プロセス、製造機器などの要因の影響により、発熱体パラメータ(例えば「温度T-抵抗R」曲線、初期抵抗値R0、TCR(temperature coefficient of resistance、抵抗の温度係数)など)に差異が存在する。製品の生産中、発熱体を測定装置内に置き、異なるモデルの発熱体の発熱体パラメータを測定する。
【0032】
【0033】
以上の表に発熱体の抵抗値と温度との対応関係が示される。具体的な実施例では、予め取得された発熱体の抵抗値と温度との対応関係表から、発熱体の現在の温度値として現在の抵抗値に対応する温度値を検索することができる。
【0034】
ステップ23では、現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を調整する。加熱パラメータは、加熱時間と温度値との対応関係を表すことと、を含む。
【0035】
一般的に、エアロゾル発生基質(タバコなど)を加熱してよりよい味を得るために、必要な加熱温度は時間帯により異なることが理解できる。
【0036】
オプションの実施例では、図4に示すように、図4は、本願によって提供される加熱曲線の模式図であり、横座標は時間を表し、縦座標は温度を表す。
【0037】
T0-T1時間帯に、発熱体を加熱して、その温度を常温W0から温度W1に上昇させる。
T1-T2時間帯に、発熱体の温度をW1に維持する。
T2-T3時間帯に、発熱体の温度を低下させて、その温度をW1から温度W2に低下させる。
T3-T4時間帯に、発熱体の温度をW2に維持する。
T4の後、発熱体の温度を低下させて、その温度をW2から常温まで低下させる。
【0038】
具体的な実施例では、T1の値は5~10s、T2の値は12~18s、W1の値は320~360℃、W2の値は300~340℃とすることができる。
【0039】
オプションの実施例では、T1=7s、T2=15s、W1=340℃、W2=320℃であるため、本実施例の発熱体は、温度が1℃低下すると、それに応じてその抵抗が2.28mΩ減少すると仮定すると、温度W1からW2、即ち、温度が20℃低下すると、その抵抗値は20*2.28mΩ低下するように調整する必要がある。
【0040】
別のオプションの実施例では、次の表に示すように、異なる加熱時間に対応する温度を表すために、加熱パラメータのセットを事前に提供することができる。
【0041】
上記の表は理想的な加熱状態を表す。実際の検出中に偏差がある。図5に示すように、図5は、本願によって提供される別の加熱曲線模式図であり、横座標は時間を表し、縦座標は温度を表す。例えば、0ミリ秒の場合、それに対応する実際の温度は345℃に達することができない。
【0042】
図6を参照されたい。図6は、ステップ23のフローチャートである。オプションの実施例では、ステップ23は、具体的には、ステップ231~ステップ233を含み得る。
【0043】
ステップ231では、現在の加熱時間を取得する。
【0044】
上記の表と合わせて、加熱時間とは、電子タバコ器具が作動してからの時間を指す。例えば、電子タバコ器具が作動し始めると、第1時間を記録する。次に、発熱体を制御しようとするときに、現在の第2時間を取得する。その後、第2時間と第1時間の差を使用して、加熱時間を確定する。
【0045】
ステップ232では、加熱パラメータに基づいて、現在の加熱時間に対応する標準温度値を確定する。
【0046】
ステップ233では、標準温度値に基づいて、現在の温度値を調整する。
【0047】
具体的には、現在の温度値が標準温度値よりも低い場合、発熱体への電力供給パワーを高め、現在の温度値が標準温度値よりも高い場合、発熱体への電力供給パワーを下げる。
【0048】
例えば、コントローラは、発熱体にパルス電圧を提供する。電気エネルギーを利用して発熱体に対して加熱温度制御を行うときに、発熱体に供給される電力のパルス周波数及び/又はパルス振幅及び/又はデューティ比を変更して、発熱体に対する温度制御を提供することを含み得、従って、エアロゾル装置を制御して、より良い味の煙霧を放出することができる。図7に示すように、図7は、本願によって提供されるパルス電圧の模式図である。例えば、t1時間帯にイネーブルスイッチがオンにされると、電池は発熱体に電気エネルギーを提供し、t2時間帯にイネーブルスイッチがオフにされると、電池は発熱体に電気エネルギーを提供しない。従って、周期Tにおけるt1のパーセンテージを調整することで、発熱体の温度を調整することができる。具体的には、t1のデューティ比が増加すると、発熱体の温度は上昇し、t1のデューティが減少すると、発熱体の温度は低下する。
【0049】
従来技術とは異なり、本実施例によって提供される電子タバコ器具の加熱方法は、発熱体の現在の電気的特性値を取得することと、現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定することであって、発熱体パラメータは、発熱体の電気的特性値と温度値との対応関係を表すことと、現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を調整することであって、加熱パラメータは、加熱時間と温度値との対応関係を表すことと、を含む。上記の方式により、発熱体の温度値を取得して、発熱体の温度値が正常であるか否かを判断し、発熱体の温度を制御し、発熱体の温度に対する迅速かつ正確な調整を実現することができる。それにより、発熱体は、エアロゾル発生基質をよりよく加熱し、エアロゾル発生基質の品質を改善し、電子タバコ器具の使用性能を提供するのに役立つ。
【0050】
図8を参照されたい。図8は、本願の実施例によって提供されるコンピュータ記憶媒体の構造模式図である。このコンピュータ記憶媒体80にはプログラムデータ81が記憶されている。プロセッサによって実行されると、このプログラムデータは、次のような方法を実現するために使用される。
【0051】
発熱体の現在の電気的特性値を取得することと、現在の電気的特性値及び予め取得された発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定することであって、発熱体パラメータは、発熱体の電気的特性値と温度値との対応関係を表すことと、現在の加熱時間、現在の温度値、及び予め取得された加熱パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を調整することであって、加熱パラメータは、加熱時間と温度値との対応関係を表すことと、を含む。
【0052】
オプションで、別の実施例では、プロセッサによって実行されると、このプログラムデータはまた、次のような方法を実現するために使用される。この方法は、発熱体の現在の抵抗値を取得することであって、発熱体パラメータが発熱体の抵抗値と温度値との対応関係を表すことと、現在の抵抗値及び発熱体パラメータに基づいて、発熱体の現在の温度値を確定することと、を含む。
【0053】
オプションで、別の実施例では、プロセッサによって実行されると、このプログラムデータはまた、次のような方法を実現するために使用される。この方法は、発熱体の両端の電圧値及び特性抵抗の両端の電圧値を検出し、特性抵抗の抵抗値に基づいて、発熱体の現在の抵抗値を計算することを含む。
【0054】
オプションで、別の実施例では、プロセッサによって実行されると、このプログラムデータはまた、次のような方法を実現するために使用される。この方法は、予め取得された発熱体の抵抗値と温度との対応関係表から、発熱体の現在の温度値として現在の抵抗値に対応する温度値を検索することを含む。
【0055】
オプションで、別の実施例では、プロセッサによって実行されると、このプログラムデータはまた、次のような方法を実現するために使用される。この方法は、現在の加熱時間を取得することと、加熱パラメータに基づいて、現在の加熱時間に対応する標準温度値を確定することと、標準温度値に基づいて、現在の温度値を調整することと、を含む。
【0056】
オプションで、別の実施例では、プロセッサによって実行されると、このプログラムデータはまた、次のような方法を実現するために使用される。この方法は、現在の温度値が標準温度値よりも低い場合、発熱体への電力供給パワーを高め、現在の温度値が標準温度値よりも高い場合、発熱体への電力供給パワーを下げることを含む。
【0057】
オプションで、別の実施例では、プロセッサによって実行されると、このプログラムデータはまた、次のような方法を実現するために使用される。この方法は、パルス電圧のデューティ比を高めるか、又は、パルス電圧のデューティ比を下げることを含む。
【0058】
本願によって提供される幾つかの実施形態では、開示される方法及び機器は他の方式で実現できることが理解されるべきである。例えば、上述のような機器の実施形態は、単なる例示的なものにすぎない。例えば、前記モジュール又はユニットの区分は、単なる論理的な機能の区分であり、実際に実現するときに他の区分方式があってもよい。例えば、複数のユニット又は組立体が別のシステムに組み合わせ又は一体化してもよく、或いは幾つかの特徴が省略され又は実行されなくてもよい。
【0059】
前記別個の構成要素として説明されたユニットは、物理的に分離されていてもよく、そうでなくてもよく、ユニットとして示された部材は、物理的なユニットであってもよく、そうでなくてもよく、同じところに位置してもよく、複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。実際の要求に応じて、一部又は全部のユニットを選択し、本実施形態の目的を実現することができる。
【0060】
なお、本出願の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに一体化されていてもよく、各ユニットが単独に物理的に存在していてもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに一体化されていてもよい。上記の一体化されたユニットは、ハードウエアの形で実現されてもよく、ソフトウェア機能ユニットの形で実現されてもよい。
【0061】
上記の他の実施形態における一体化されたユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売又は使用されるとき、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体内に記憶されてもよい。そのような理解に基づいて、本願の技術的手段の本質的な部分、即ち、従来技術に貢献する部分、又はこの技術的手段の全部若しくは一部は、ソフトウェア製品の形式で表すことができる。このコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータ機器(パーソナルコンピューター、サーバ又はネットワーク機器などであってもよい)又はプロセッサー(processor)に本願の各実施形態に記載の方法の全部若しくは一部のステップを実行させる複数の命令を含む。前記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、ディスクまたは光ディスクンなどの様々なプログラム・コードを記憶可能である媒体を含む。
【0062】
以上の説明は本願に係る実施形態に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。本願の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フローの変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に実施することは、いずれも同じ理由により本願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】