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特表2022-545979交換可能なカートリッジをすすめるエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】交換可能なカートリッジをすすめるエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/65 20200101AFI20221025BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20221025BHJP
   A24F 40/60 20200101ALI20221025BHJP
【FI】
A24F40/65
A24F40/50
A24F40/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514141
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-03-01
(86)【国際出願番号】 KR2020013784
(87)【国際公開番号】W WO2021071305
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0126295
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ウ ソク
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC13
4B162AC17
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD20
4B162AD32
4B162AD41
(57)【要約】
エアロゾル生成装置は、出力部、ユーザの瞳孔イメージを獲得する生体情報獲得部、ユーザの瞳孔イメージをサーバに伝送し、神経網基盤の感情演算モデル及び神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いてサーバが演算した感情状態情報に対応する推薦カートリッジ情報を受信する通信部、及び推薦カートリッジ情報を出力するように出力部を制御する制御部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
出力部と、
ユーザの瞳孔イメージを獲得する生体情報獲得部と、
前記ユーザの瞳孔イメージをサーバに伝送し、前記ユーザの感情状態に対応する推薦カートリッジ情報を受信する通信部と、
前記推薦カートリッジ情報を出力するように前記出力部を制御する制御部と、を含み、
前記ユーザの感情状態は、前記瞳孔イメージに基づいた神経網基盤の感情演算モデルを用いて前記サーバによって演算され、前記推薦カートリッジ情報は、前記ユーザの感情状態に基づいた前記神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いて前記サーバによって演算される、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記ユーザの感情状態に係わる入力情報を受信するユーザインターフェースをさらに含み、
前記制御部は、
既設定の学習期間の間、前記入力情報及び前記瞳孔イメージを前記通信部を介して前記サーバに伝送し、
前記ユーザの瞳孔イメージは、前記入力情報が受信された時点に、前記生体情報獲得部によって獲得される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記感情演算モデルは、
前記学習期間の間、収集された前記感情状態の入力情報及び前記瞳孔イメージに基づいて機械学習によって生成される、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記カートリッジ推薦モデルは、
前記ユーザの感情状態に基づいて液状組成物の成分比が互いに異なるカートリッジをすすめる、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記エアロゾル生成装置に結合されるカートリッジの種類を識別するカートリッジ識別部をさらに含み、
前記制御部は、
前記推薦カートリッジ情報を出力した以後に新たに結合される交換カートリッジ情報を、前記通信部を介して前記サーバに伝送し、前記交換カートリッジ情報は、前記カートリッジ識別部によって識別される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記カートリッジ推薦モデルは、
前記交換カートリッジ情報に基づいてアップデートされる、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記カートリッジ推薦モデルは、
ベイズ最適化(bayesian optimization)アルゴリズムによってアップデートされる、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記サーバから前記ユーザの感情状態に係わる情報を受信し、
前記出力部は、
前記ユーザの感情状態情報に対応する音声メッセージを出力する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
エアロゾル生成システムにおいて、
エアロゾル生成物質を含む交換可能なカートリッジを含み、ユーザの瞳孔イメージを獲得し、推薦カートリッジに係わる情報を出力するエアロゾル生成装置と、
前記エアロゾル生成装置から前記瞳孔イメージを受信し、神経網基盤の感情演算モデルを用いて前記瞳孔イメージに基づいた前記ユーザの感情状態を演算し、神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いて前記ユーザの感情状態に基づいた推薦カートリッジを演算し、推薦カートリッジ情報を前記エアロゾル生成装置に伝送するサーバと、を含む、エアロゾル生成システム。
【請求項10】
前記エアロゾル生成装置は、
既設定の学習期間の間、前記エアロゾル生成装置のユーザインターフェースを介して受信した前記感情状態に係わる入力情報及び前記ユーザの瞳孔イメージを前記サーバに伝送し、
前記瞳孔イメージは、前記入力情報が受信された時点に獲得される、請求項9に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項11】
前記サーバは、
前記学習期間の間、収集された前記感情状態の入力情報及び前記瞳孔イメージに基づいて機械学習によって前記感情演算モデルを生成する、請求項10に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項12】
前記カートリッジ推薦モデルは、
前記ユーザの感情状態に基づいて液状組成物の成分比が互いに異なるカートリッジをすすめる、請求項9に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項13】
前記エアロゾル生成装置は、
前記推薦カートリッジ情報を出力した以後に新たに結合される交換カートリッジの情報を前記サーバに伝送する、請求項9に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項14】
前記サーバは、
前記交換カートリッジの情報に基づいて前記カートリッジ推薦モデルをアップデートする、請求項13に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項15】
前記サーバは、
ベイズ最適化(bayesian optimization)アルゴリズムを用いて前記カートリッジ推薦モデルをアップデートする、請求項14に記載のエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換可能なカートリッジをすすめるエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムに係り、さらに詳細には、ユーザの感情状態に基づいてカートリッジをすすめるエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、伝統的なシガレットを代替する必要性が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレットまたは液体保存部内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルを生成する方法に係わる需要が増加している。
【0003】
エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を収容するカートリッジを備えることができる。カートリッジは、交換可能に設計されうるが、カートリッジは、ユーザの好みによってのみ選択される。ユーザの感情状態によってカートリッジをすすめるメカニズムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、ユーザの感情状態を把握し、感情状態に対応するカートリッジをすすめることができるエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムを提供することである。
【0005】
本発明の技術的課題は、前述したところに限定されず、以下の例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面によるエアロゾル生成装置は、出力部、ユーザの瞳孔イメージを獲得する生体情報獲得部、前記ユーザの瞳孔イメージをサーバに伝送し、前記ユーザの感情状態に対応する推薦カートリッジ情報を受信する通信部及び前記推薦カートリッジ情報を出力するように前記出力部を制御する制御部を含み、前記ユーザの感情状態は、前記瞳孔イメージに基づいた神経網基盤の感情演算モデルを用いて前記サーバによって演算され、前記推薦カートリッジ情報は、前記ユーザの感情状態に基づいた前記神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いて前記サーバによって演算される。
【発明の効果】
【0007】
本発明のエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムは、ユーザの感情状態に対応するカートリッジをすすめることで、ユーザ満足を向上させる。
【0008】
また、エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システム内の感情演算モデルは、ユーザの瞳孔イメージに基づいて機械学習されるので、ユーザに合わせた感情状態演算が可能である。
【0009】
また、エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システム内のカートリッジ推薦モデルは、ユーザが装着した交換カートリッジ情報に基づいてアップデートされるので、ユーザに合わせたカートリッジ推薦が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
図2図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
図3図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
図4】一実施例によるエアロゾル生成システムの構成図である。
図5】一実施例によるエアロゾル生成装置の内部ブロック図である。
図6】一実施例によるサーバの内部ブロック図である。
図7】一実施例による感情演算モデルの機械学習方法及びユーザの感情状態演算方法を説明するための図面である。
図8】一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
図9】一実施例によるエアロゾル生成システムの信号フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
エアロゾル生成装置は、出力部、ユーザの瞳孔イメージを獲得する生体情報獲得部、前記ユーザの瞳孔イメージをサーバに伝送し、前記ユーザの感情状態に対応する推薦カートリッジ情報を受信する通信部及び前記推薦カートリッジ情報を出力するように前記出力部を制御する制御部を含み、前記ユーザの感情状態は、前記瞳孔イメージに基づいた神経網基盤の感情演算モデルを用いて前記サーバによって演算され、前記推薦カートリッジ情報は、前記ユーザの感情状態に基づいた前記神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いて前記サーバによって演算される。
【0012】
また、エアロゾル生成装置は、前記ユーザの感情状態に係わる入力情報を受信するユーザインターフェースをさらに含み、前記制御部は、既設定の学習期間の間、前記入力情報及び前記瞳孔イメージを前記通信部を介して前記サーバに伝送し、前記ユーザの瞳孔イメージは、前記入力情報が受信された時点に前記生体情報獲得部によって獲得される。
【0013】
また、前記感情演算モデルは、前記学習期間の間、収集された前記感情状態の入力情報及び前記瞳孔イメージに基づいて機械学習によって生成される。
【0014】
また、前記カートリッジ推薦モデルは、前記ユーザの感情状態に基づいて液状組成物の成分比が互いに異なるカートリッジをすすめる。
【0015】
また、前記エアロゾル生成装置は、前記エアロゾル生成装置に結合されて前記カートリッジの種類を識別するカートリッジ識別部をさらに含み、前記制御部は、前記推薦カートリッジ情報を出力した以後に新たに結合される交換カートリッジ情報を、前記通信部を介して前記サーバに伝送し、前記交換カートリッジ情報は、前記カートリッジ識別部によって識別される。
【0016】
また、前記カートリッジ推薦モデルは、前記交換カートリッジ情報に基づいてアップデートされる。
【0017】
また、前記カートリッジ推薦モデルは、ベイズ最適化(bayesian optimization)アルゴリズムによってアップデートされる。
【0018】
また、前記通信部は、前記サーバから前記ユーザの感情状態に係わる情報を受信し、前記出力部は、前記ユーザの感情状態情報に対応する音声メッセージを出力する。
【0019】
エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成物質を含む交換可能なカートリッジを含み、ユーザの瞳孔イメージを獲得し、推薦カートリッジに係わる情報を出力するエアロゾル生成装置及び前記エアロゾル生成装置から前記瞳孔イメージを受信し、神経網基盤の感情演算モデルを用いて前記瞳孔イメージに基づいた前記ユーザの感情状態を演算し、神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いて前記ユーザの感情状態に基づいた推薦カートリッジを演算し、推薦カートリッジ情報を前記エアロゾル生成装置に伝送するサーバを含む。
【0020】
また、前記エアロゾル生成装置は、既設定の学習期間の間、前記エアロゾル生成装置のユーザインターフェースを介して受信した前記感情状態に係わる入力情報及び前記ユーザの瞳孔イメージを前記サーバに伝送し、前記瞳孔イメージは、前記入力情報が受信された時点に獲得される。
【0021】
また、前記サーバは、前記学習期間の間、収集された前記感情状態の入力情報及び前記瞳孔イメージに基づいて機械学習によって前記感情演算モデルを生成する。
【0022】
また、前記推薦カートリッジモデルは、前記ユーザの感情状態に基づいて液状組成物の成分比が互いに異なるカートリッジをすすめる。
【0023】
また、前記エアロゾル生成装置は、前記推薦カートリッジ情報を出力した以後に新たに結合される交換カートリッジの情報を前記サーバに伝送する。
【0024】
また、前記サーバは、前記交換カートリッジの情報に基づいて前記カートリッジ推薦モデルをアップデートする。
【0025】
また、前記サーバは、ベイズ最適化(bayesian optimization)アルゴリズムを用いて前記カートリッジ推薦モデルをアップデートする。
【0026】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に係わる技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該開示の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0027】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載の「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0028】
ここで、使用された「少なくとも1つ」のような表現は、全体構成リスト(list)を修飾し、リストの個別構成を修飾しない。例えば、「a、b及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は、「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」または「a、b及びc」をいずれも含んでいると理解されねばならない。
【0029】
あるエレメントまたはあるレイヤが他のエレメントまたは他のレイヤの「上方に」、「上に」、「連結された」または「結合された」と指称されるとき、それは、他のエレメントまたは他のレイヤに直接連結されたり、直接結合されたり、または別途の結合されたエレメントまたはレイヤが存在してもよい。対照的に、あるエレメントが他のエレメントまたはレイヤの「直ぐ上に」、「直上に」、「直接に連結された」または「直接に結合された」と言及されるとき、中間に別途のエレメントが存在しないと理解されねばならない。同じ参照番号は、全体として同じ要素を指称する。
【0030】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明のエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成システムは、様々な互いに異なる形態によっても具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0032】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置との結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0033】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10と、を含む。
【0034】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部が本体10の収容空間19に挿入されることで、カートリッジ20が本体10に装着されうる。
【0035】
カートリッジ20は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態などのいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0036】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分や、これら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0037】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれてもよい。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有してもよい。
【0038】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合でもあるが、それらに限定されない。
【0039】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0040】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。他の例として、カートリッジ20が自体的な電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ20に伝達される電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ20が作動することで、エアロゾルを発生させうる。
【0041】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を行う霧化器(atomizer)とを含んでもよい。
【0042】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単純に入れる機能を行うことと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことと、を意味する。
【0043】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(wick;ウィック)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータを含んでもよい。
【0044】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0045】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現され、ニクロム線のような素材を用いて伝導性フィラメントによって具現されるか、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0046】
また、霧化器は、別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能と、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能とをいずれも行うメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の発熱体によっても具現される。
【0047】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部から視認可能なようにカートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な素材を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び液体保存部21の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によって作製され、液体保存部21の一部に該当する突出窓21aだけが透明な素材によって作製されうる。
【0048】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを介してカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0049】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0050】
本体10には、スライダ7が本体10に対して移動自在に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆うか、マウスピース22の少なくとも一部を外部に露出させる機能を行う。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0051】
スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有する。スライダ7の構造は、図面に図示されたように筒状に制限されるものではなく、本体10の縁部に結合された状態を保持しながら、本体10に対して移動可能なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板の構造や、湾曲された円弧状の断面形状を有する曲がった半円筒状などの構造を有することができる。
【0052】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含む。磁性体は、永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0053】
磁性体は、スライダ7の内部空間を挟んで対向する2つの第1磁性体8aと、スライダ7の内部空間を挟んで対向する2つの第2磁性体8bを含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向、すなわち、本体10が延びる方向である本体10の長手方向に沿って互いに離隔されて配置される。
【0054】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を挟んで互いに対向するように2つが設けられる。
【0055】
スライダ7の位置によって、固定磁性体9と第1磁性体8a、または固定磁性体9と第2磁性体8bとの間で作用する磁力によってスライダ7は、マウスピース22の端部を覆うか露出させる位置に安定して保持されうる。
【0056】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとの移動経路上に配置される位置変化感知センサ3を含む。位置変化感知センサ3は、例えば、磁場の変化を感知して信号を発生させるホール効果(hall effect)を用いたホールセンサ(hall IC)を含んでもよい。
【0057】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置5において、本体10、カートリッジ20、及びスライダ7は、長手方向を横切る方向での断面形状がほぼ長方形であるが、実施例は、そのようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形や楕円形や正方形やさまざまな形態の多角形の断面形状を有することができる。また、エアロゾル生成装置5が長手方向に延びるとき、必ずしも直線的に延びる構造に制限されるものではなく、ユーザが把持しやすく、例えば、流線形に湾曲されるか、特定領域で既設定の角度に折り曲げられつつ長く延びうる。
【0058】
図2は、図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0059】
図2では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を覆う位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を覆う位置に移動した状態では、マウスピース22が外部の異物から安全に保護され、清潔な状態を保持しうる。
【0060】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを介してカートリッジの突出窓21aを視認することで、カートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させうる。
【0061】
図3は、図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0062】
図3では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態で、ユーザが自分の口腔にマウスピース22を挿入してマウスピース22の排出孔22aを介して排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0063】
スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態でも、スライダ7の長孔7aを介してカートリッジの突出窓21aが外部に露出されるので、ユーザがカートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を視認可能である。
【0064】
図4は、本発明によるエアロゾル生成システムの構成図である。
【0065】
図4を参照すれば、エアロゾル生成システム400は、エアロゾル生成装置410及びサーバ420を含んでもよい。
【0066】
図4のエアロゾル生成装置410は、図1ないし図3のエアロゾル生成装置5に対応しうる。実施例によって、図4のエアロゾル生成装置410は、シガレット加熱式エアロゾル生成装置に対応しうる。したがって、以下の内容は、シガレット加熱式エアロゾル生成装置にも適用されうる。すなわち、サーバ420は、ユーザの感情状態に対応するシガレットをおすすめし、エアロゾル生成装置410は、推薦シガレット情報を出力することもできる。
【0067】
エアロゾル生成装置410は、本体、及び本体に交換可能に結合されるカートリッジを備えることができる。カートリッジは、液状組成物を収容し、液状組成物の成分比によって、カートリッジの加熱時、霧化量、香味、風味などに差が発生する。ユーザの多様な好みを満足させるために、カートリッジは、液状組成物の成分比によって多様な種類に区分されて販売されうる。
【0068】
エアロゾル生成装置410は、ユーザの感情状態情報を受信し、ユーザの感情状態に対応する推薦カートリッジの情報を出力することができる。
【0069】
さらに詳細には、エアロゾル生成装置410は、ユーザの生体情報を獲得することができる。例えば、エアロゾル生成装置410は、ユーザの瞳孔イメージを獲得することができる。他の例として、エアロゾル生成装置410は、ユーザの血圧、脈拍、体温、心電図、呼吸、心臓拍動数のうち、少なくともいずれか1つの情報を獲得することができる。
【0070】
エアロゾル生成装置410は、有線または無線ネットワークを通じてユーザの生体情報をサーバ420に伝送することができる。
【0071】
サーバ420は、神経網基盤の感情演算モデルを用いて生体情報に対応するユーザの感情状態を演算することができる。また、サーバ420は、神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いてユーザの感情状態に対応する推薦カートリッジ情報を生成することができる。
【0072】
推薦カートリッジは、ユーザの否定的な感情状態を改善させうる液状組成物が収容されたカートリッジを意味することができる。または、推薦カートリッジは、ユーザの肯定的な感情状態を向上させうる液状組成物が収容されたカートリッジを意味することができる。
【0073】
例えば、サーバ420は、第1感情状態に基づいて第1カートリッジ情報を出力することができる。例えば、第1感情状態は、うつ状態のような否定的な感情状態であり、第1カートリッジ情報は、ユーザのうつ状態を改善させうるビタミンD成分が含まれたカートリッジ情報でもある。また、サーバ420は、第2感情状態に対応して第2カートリッジ情報を出力することができる。この際、第2感情状態は、幸せ状態のような肯定的な感情であり、第2カートリッジ情報は、ユーザの幸せ状態をさらに向上させうるメントール成分が含まれたカートリッジ情報でもある。
【0074】
サーバ420は、有線または無線ネットワークを通じて推薦カートリッジ情報をエアロゾル生成装置410に伝送することができる。
【0075】
エアロゾル生成装置410は、サーバ420から受信した推薦カートリッジ情報を出力することで、ユーザが推薦によってカートリッジを交換可能にする。
【0076】
一方、実施例によって、エアロゾル生成装置410は、ユーザの感情状態を演算及び/または推薦カートリッジを決定する。
【0077】
図5は、本発明の実施例によるエアロゾル生成装置の内部ブロック図である。
【0078】
図面を参照すれば、エアロゾル生成装置410は、生体情報獲得部411、入力部412、出力部413、通信部414、カートリッジ識別部415、メモリ416、バッテリ417、ヒータ418、及び制御部419を含んでもよい。
【0079】
生体情報獲得部411は、ユーザの生体情報を獲得することができる。例えば、エアロゾル生成装置410は、ユーザの瞳孔イメージを獲得することができる。生体情報獲得部411は、ユーザの瞳孔イメージを獲得するために、カメラ(例えば、赤外線(Infrared Red: IR)カメラ)を含んでもよい。また、生体情報獲得部411は、ユーザの瞳孔動きを追跡するための瞳孔追跡モジュールを含んでもよい。
【0080】
入力部412は、ユーザ入力を受信することができるユーザインターフェースでもある。入力部412は、プッシュ(push)ボタン状に設けられるか、タッチ(touch)方式によっても設けられる。
【0081】
ユーザは、現在感情状態を入力部412を通じて入力し、入力部412は、ユーザの現在感情状態を所定信号に変換して制御部419に伝送することができる。例えば、ユーザの感情状態は、不安(anxiety)、うつ(gloom)、悲しみ(sadness)、いら立ち(irritation)、怒り(anger)のような否定的な感情状態、楽しさ(amusement)、幸せ(happy)、喜び(joy)のような肯定的な感情状態及び平穏(calmness)のように中立(neutral)的な感情状態のうち、少なくともいずれか1つでもある。
【0082】
制御部419は、ユーザの感情状態に係わる情報(以下、感情状態の入力情報)及びユーザが入力部412を通じて感情状態を入力した時点に生体情報獲得部411が獲得した瞳孔イメージを通信部414を通じてサーバ420に伝送することができる。
【0083】
制御部419は、感情演算モデルの学習のために、既設定の学習期間の間、感情状態の入力情報及び感情状態の入力情報に対応する瞳孔イメージをサーバ420に提供することができる。例えば、学習期間は、30日に設定されるが、それに制限されない。ユーザの感情状態入力回数によって学習期間は増加または減少しうる。
【0084】
通信部414は、既設定の学習期間が徒過した場合、ユーザの瞳孔イメージをサーバ420に伝送し、ユーザの感情状態情報及びユーザの感情状態情報に対応する推薦カートリッジ情報を受信することができる。この際、推薦カートリッジ情報は、神経網基盤の感情演算モデル及び神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いてサーバ420が演算したカートリッジ情報でもある。
【0085】
通信部414がユーザの感情状態情報及び推薦カートリッジ情報を受信した場合、出力部413は、推薦カートリッジ情報を視覚的及び/または聴覚的情報として出力することができる。そのために、出力部413は、ディスプレイ及び/またはスピーカを備えることができる。
【0086】
また、出力部413は、ユーザの感情状態に対応する音声メッセージを出力することができる。例えば、ユーザの感情状態が否定的な感情状態である場合、出力部413は、「今日、大変ですね。」のような音声メッセージを出力することができる。他の例として、ユーザの感情状態が肯定的な感情状態である場合、出力部413は、「いつも、今日のようだったら」のような音声メッセージを出力することができる。さらに他の例として、ユーザの感情状態が中立的な感情状態である場合、出力部413は、「今日も応援します。」のような音声メッセージを出力することができる。
【0087】
一方、後述するように、初期の推薦カートリッジモデルは、学術論文、研究資料、学術誌、実験結果、特許などに基づいて生成されたものなので、実際ユーザの感情状態を改善させうるカートリッジは、初期の推薦カートリッジモデルがすすめるカートリッジと差があり得る。これにより、エアロゾル生成装置410は、推薦カートリッジ情報の出力後に、本体に新たに結合されるカートリッジを識別し、初期推薦カートリッジモデルが交換カートリッジに係わる情報に基づいて学習及びアップデートされるようにカートリッジの情報をサーバ420に提供することができる。
【0088】
具体的に、カートリッジ識別部415は、本体に備えられ、本体に結合されるカートリッジの種類を識別することができる。一実施例において、カートリッジ識別部415は、本体とカートリッジとが結合する場合、接続端子の両端抵抗を測定することで、本体に結合されるカートリッジを識別することができる。他の実施例で、カートリッジ識別部415は、本体とカートリッジが結合する場合、接続端子のキャパシタンス変化を測定することで、本体に結合されるカートリッジを識別することができる。さらに他の実施例において、カートリッジ識別部415は、本体とカートリッジとが結合する場合、カートリッジに付着された識別コード(例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、オプティカルステッカーなど)を認識することで、本体に結合されるカートリッジを識別することができる。
【0089】
カートリッジ識別部415は、出力部413が推薦カートリッジ情報を出力した後、本体に結合されるカートリッジ情報を所定信号に変換して制御部419に伝送することができる。推薦カートリッジ情報の出力以前に本体に結合されたカートリッジと区分するために、推薦カートリッジ情報出力後に、本体に結合されるカートリッジを交換カートリッジとも名付ける。
【0090】
制御部419は、カートリッジ識別部415が識別した交換カートリッジ情報を通信部414を通じてサーバ420に伝送することができる。サーバ420は、交換カートリッジ情報に基づいて推薦カートリッジモデルをアップデートし、アップデート回数が増加するほど、ユーザに合わせた推薦カートリッジの提供が可能である。
【0091】
メモリ416は、エアロゾル生成装置410の動作のための情報、ユーザが入力した感情状態の入力情報、生体情報獲得部411が獲得したユーザの瞳孔イメージ、通信部414が受信したユーザの感情状態情報、感情状態に対応する音声メッセージなどを保存することができる。
【0092】
バッテリ417は、エアロゾル生成装置410の動作に用いられる電力を供給することができる。図5のバッテリ417は、図1ないし図3のバッテリ11に対応しうる。例えば、バッテリ417は、ヒータ418が加熱されるように電力を供給し、制御部419の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ417は、エアロゾル生成装置410に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0093】
図6は、本発明によるサーバのブロック図である。
【0094】
図6を参照すれば、サーバ420は、感情演算部421、カートリッジ推薦部422及び通信部423を含んでもよい。サーバ420は、エアロゾル生成装置410の製造会社が運営するサーバ420や製造会社がサービスを委託した会社が運営するサーバ420でもある。
【0095】
通信部423は、エアロゾル生成装置410が伝送した感情状態の入力情報及び瞳孔イメージを受信し、推薦カートリッジ情報をエアロゾル生成装置410に伝送することができる。また、通信部423は、エアロゾル生成装置410が伝送した交換カートリッジ情報を受信し、アップデートされた推薦カートリッジ情報をエアロゾル生成装置410に伝送することができる。そのために、通信部423は、デジタルモデム、ラジオ周波数(RF)モデム、WiFi chip及び関連ソフトウェア及び/またはファームウェアのうち、少なくとも1つの無線通信モジュールを含んでもよい。
【0096】
感情演算部421は、既設定の学習期間の間、収集された感情状態の入力情報及びユーザの瞳孔イメージに基づいて機械学習(machine learning)によって感情演算モデルを生成することができる。感情演算モデルは、ユーザの互いに異なる感情を範疇化するように構成された機械学習モデルでもある。
【0097】
具体的に、感情演算部421は、ユーザの瞳孔イメージから特徴データを抽出することができる。例えば、特徴データは、瞳孔サイズデータ及び瞳孔振動データのうち、少なくともいずれか1つのデータを含んでもよい。また、感情演算部421は、特徴データをベクトル化し、ベクトル化された特徴データを入力として、ディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network: DNN)、畳み込みニューラルネットワーク (Convolutional Neural Network: CNN)、及び循環神経網(Recurrent Neural Network: RNN)のうち、少なくともいずれか1つの神経網アルゴリズムに基づいた感情演算モデルを生成することができる。
【0098】
カートリッジ推薦部422は、カートリッジ推薦モデルを生成し、カートリッジ推薦モデルを保存することができる。カートリッジ推薦モデルは、ユーザの感情状態を調節するカートリッジをすすめるように構成された機械学習モデルでもある。
【0099】
具体的に、カートリッジ推薦部422は、液状物の成分比によるユーザの感情状態変化と係わる学術論文、研究資料、学術誌、特許などを入力として、指導学習アルゴリズムを通じて推薦カートリッジモデルを生成することができる。例えば、指導学習アルゴリズムは、K-最近傍(k-Nearest Neighbors)アルゴリズム、線形回帰(Linear Regression)アルゴリズム、ロジスティック回帰(Logistic Regression)アルゴリズム、サポートベクトルマシン(SVM, Support Vector Machine)アルゴリズム、決定ツリー(Decision Tree)アルゴリズム、ランダムフォレスト(Random Forest)アルゴリズムのうち、いずれか1つでもある。
【0100】
カートリッジ推薦部422は、ユーザに合わせたカートリッジを推薦するために、交換カートリッジ情報に基づいてカートリッジ推薦モデルをアップデートすることができる。例えば、カートリッジ推薦部422は、ベイズ(bayesian)最適化アルゴリズムを用いてカートリッジ推薦モデルをアップデートすることができる。カートリッジ推薦モデルのアップデート回数が増加するほど、カートリッジ推薦部422は、ユーザの感情状態に対応する最適のカートリッジを探すことができる。
【0101】
図7は、本実施例による感情演算モデルの機械学習方法及びユーザの感情状態演算方法を説明するための図面である。
【0102】
図7を参照すれば、感情演算部421は、ユーザの瞳孔イメージ710から特徴データを抽出する特徴抽出部421a、特徴データをベクトル化するベクトル変換部421b及び瞳孔イメージ710及び感情状態の入力情報720に基づいて機械学習による感情演算モデルを生成する感情学習部421cを含んでもよい。
【0103】
特徴抽出部421aは、既設定の学習期間の間、受信した瞳孔イメージ710から瞳孔サイズデータ及び瞳孔振動データのうち、少なくともいずれか1つの特徴データを抽出することができる。
【0104】
ベクトル変換部421bは、特徴データをベクトル化することができる。例えば、抽出された特徴データが瞳孔サイズデータ及び瞳孔振動データである場合、ベクトル変換部421bは、瞳孔サイズデータ及び瞳孔振動データの2次元列(column)ベクトルを生成することができる。
【0105】
感情学習部421cは、既設定の学習期間の間、感情状態の入力情報720及びベクトル変換された特徴データ(以下、特徴ベクトルと称する)に基づいて感情演算モデルを生成することができる。
【0106】
感情学習部421cは、感情状態の入力情報720及び特徴ベクトルを入力として、ディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network: DNN)、畳み込みニューラルネットワーク (Convolutional Neural Network: CNN)及び循環神経網(Recurrent Neural Network: RNN)のうち、少なくともいずれか1つの神経網アルゴリズムに基づいて感情演算モデルを機械学習することができる。
【0107】
一方、上述した感情演算モデルの学習過程によって、既設定の学習期間以後には、感情推定部421dが感情演算モデル及び特徴ベクトルに基づいてユーザの感情状態を演算することができる。
【0108】
具体的に、感情推定部421dは、中立的な感情状態とマッチングされる特徴ベクトルをユーザの感情演算のための基準ベクトルに設定することができる。
【0109】
感情推定部421dは、基準ベクトルと入力された特徴ベクトルとの差をソフトマックス(softmax)関数を用いて正規化することができる。感情推定部421dは、正規化された基準ベクトルと特徴ベクトルとの差に基づいて、ユーザの感情状態を演算することができる。
【0110】
一実施例において、感情推定部421dは、正規化された基準ベクトルと特徴ベクトルとの差の範囲に基づいて、ユーザの感情状態を演算することができる。例えば、感情推定部421dは、正規化された基準ベクトルと特徴ベクトルとの差が0.2~0.5範囲である場合、ユーザの感情状態を否定的な感情状態であると演算する。また、感情推定部421dは、正規化された基準ベクトルと特徴ベクトルとの差が0.6~0.9範囲である場合、ユーザの感情状態を肯定的な感情状態であると演算する。
【0111】
他の実施例において、感情推定部421dは、正規化されたそれぞれの数値に感情状態を割り当てることができる。例えば、感情推定部421dは、正規化された基準ベクトルと特徴ベクトルとの差が0である場合、ユーザの感情状態が平穏(calmness)状態であると演算する。また、感情推定部421dは、正規化された基準ベクトルと特徴ベクトルとの差が0.3である場合、ユーザの感情状態がうつ(gloom)状態であると演算する。また、感情推定部421dは、正規化された基準ベクトルと特徴ベクトルとの差が0.8である場合、ユーザの感情状態が幸せ(happy)状態であると演算する。
【0112】
図8は、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0113】
図8を参照すれば、生体情報獲得部411は、ユーザの瞳孔イメージを獲得することができる(S910)。一実施例において、生体情報獲得部411は、ユーザの瞳孔イメージを獲得することができる。そのために、例えば、生体情報獲得部411は、赤外線(IR)カメラを含んでもよい。
【0114】
通信414は、ユーザの瞳孔イメージをサーバに伝送することができる(S920)。
【0115】
また、通信部414は、サーバ420が演算したユーザの感情状態情報及び感情状態に対応する推薦カートリッジ情報を受信することができる(S930)。ユーザの感情状態情報は、神経網基盤の感情演算モデルを通じて演算されうる。また、感情状態に対応する推薦カートリッジ情報は、神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを通じて演算されうる。
【0116】
出力部413は、推薦カートリッジ情報を出力することができる(S940)。出力部413は、推薦カートリッジ情報を視覚的及び/または聴覚的情報として出力することができる。
【0117】
カートリッジ識別部415は、出力部413が推薦カートリッジ情報を出力した後、本体に結合される交換カートリッジの種類を識別することができる(S950)。カートリッジ識別部415は、本体とカートリッジとが結合する場合、接続端子の両端抵抗変化及び/またはキャパシタンス変化、カートリッジに付着された識別コード(例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、オプティカルステッカーなど)などを用いて交換カートリッジの種類を識別することができる。
【0118】
通信部414は、交換カートリッジ情報をサーバ420に伝送することができる(S960)。交換カートリッジ情報は、推薦カートリッジモデルをアップデートするために提供されうる。
【0119】
図9は、一実施例によるエアロゾル生成システムの信号フローチャートである。
【0120】
図9を参照すれば、エアロゾル生成装置410は、ユーザの瞳孔イメージを獲得することができる(S1010)。一実施例において、エアロゾル生成装置410は、赤外線(IR)カメラを用いてユーザの瞳孔イメージを獲得することができる。
【0121】
エアロゾル生成装置410は、ユーザの瞳孔イメージをサーバ420に伝送することができる(S1020)。
【0122】
サーバ420は、神経網基盤の感情演算モデルを用いてユーザの瞳孔イメージに対応するユーザの感情状態を演算することができる(S1030)。感情演算モデルは、既設定の学習期間の間、収集された感情状態の入力情報及びユーザの瞳孔イメージに基づいて機械学習(machine learning)によって生成されたモデルでもある。
【0123】
サーバ420は、神経網基盤のカートリッジ推薦モデルを用いて感情状態に対応する推薦カートリッジを演算することができる(S1040)。カートリッジ推薦モデルは、液状組成物の成分比によるユーザの感情状態変化に係わる学術論文、研究資料、学術誌、特許などを入力として、指導学習アルゴリズムを通じて生成されたモデルでもある。例えば、推薦カートリッジモデルは、ユーザの感情状態がうつ状態である場合、ビタミンD成分が含まれたカートリッジをすすめることができる。他の例として、推薦カートリッジモデルは、ユーザの感情状態がいら立ち状態である場合、ビタミンB及びビタミンCが含まれたカートリッジをすすめることができる。さらに他の例として、推薦カートリッジモデルは、ユーザの感情状態が幸せ状態である場合、メントール成分が含まれたカートリッジをすすめることができる。
【0124】
サーバ420は、推薦カートリッジ情報をエアロゾル生成装置410に伝送することができる(S1050)。サーバ420は、ユーザの感情状態に係わる情報をエアロゾル生成装置410に伝送することもできる。
【0125】
エアロゾル生成装置410は、推薦カートリッジ情報出力することができる(S1060)。エアロゾル生成装置は、推薦カートリッジ情報を視覚的及び/または聴覚的に出力することができる。
【0126】
エアロゾル生成装置410は、推薦カートリッジ情報を出力した後、本体に結合される交換カートリッジの種類を識別することができる(S1070)。
【0127】
エアロゾル生成装置410は、交換カートリッジ情報をサーバ420に伝送することができる(S1080)。
【0128】
サーバ420は、交換カートリッジ情報に基づいてカートリッジ推薦モデルをアップデートすることができる(S1090)。例えば、サーバ420は、ベイズ(bayesian)最適化アルゴリズムを用いてカートリッジ推薦モデルをアップデートすることができる。カートリッジ推薦モデルのアップデート回数が増加するほど、サーバ420は、ユーザの感情状態に対応する最適のカートリッジを演算することができる。
【0129】
図5ないし図7の制御部419、生体情報獲得部411、カートリッジ識別部415、感情演算部421、カートリッジ推薦部422、特徴抽出部421a、ベクトル変換部421b、感情学習部421c、及び感情推定部421dのような図面において、ブロックで表現される構成要素、要素、モジュールまたはユニット(この段落で総称して「構成要素」)のうち、少なくとも1つは、前述した例示的な実施例によってそれぞれの機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェアの構造によっても具現される。例えば、それらコンポーネントのうち、少なくとも1つは、メモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような1つ以上のマイクロプロセッサの制御を通じてそれぞれの機能を行うことができる直接回路構造、または他の制御装置を使用することができる。また、それらの構成要素のうち、少なくとも1つは、モジュール、プログラムまたはコードの一部によっても具体的に具現され、これは、特定の論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令を含み、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置によって実行される。また、これらの構成要素のうち、少なくとも1つは、それぞれの機能を行う中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサなどのプロセッサを含むか、それによっても具現される。これらコンポーネントのうち、2以上は、1つ以上の単一コンポーネントに結合され、単一コンポーネントは、結合された2以上のコンポーネントの全ての動作または機能を行うことができる。また、これらコンポーネントのうち、少なくとも1つの機能のうち、一部は、他のコンポーネントによって遂行されうる。また、バス(bus)は、前記ブロック図には図示されていないが、コンポーネントを介した通信は、バスを通じて遂行されうる。前記例示的な実施例の機能的な側面は、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによっても具現される。また、ブロックまたは処理段階で表現された構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理のための任意の数の関連技術を採用することができる。
【0130】
上述した方法は、コンピュータで実行されうるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読取り可能な記録媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータによっても具現される。また、上述した方法で使用されたデータの構造は、コンピュータで読取り可能な記録媒体に様々な手段を通じて記録されうる。前記コンピュータで読取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM、USB、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0131】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現可能であるということが理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】