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特表2022-545984希土類マイクロアロイド鋼及び制御方法
<図1a>
  • 特表-希土類マイクロアロイド鋼及び制御方法 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】希土類マイクロアロイド鋼及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   C21C 7/04 20060101AFI20221025BHJP
   C21C 7/10 20060101ALI20221025BHJP
   C22C 38/00 20060101ALN20221025BHJP
   C22C 38/18 20060101ALN20221025BHJP
   C22C 38/24 20060101ALN20221025BHJP
   C21C 7/06 20060101ALN20221025BHJP
【FI】
C21C7/04 D
C21C7/10 F
C22C38/00 301Z
C22C38/00 302Z
C22C38/18
C22C38/24
C21C7/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535426
(86)(22)【出願日】2019-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2019108857
(87)【国際公開番号】W WO2021046937
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】201910854347.5
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522094967
【氏名又は名称】中国科学院金属研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 殿中
(72)【発明者】
【氏名】▲欒▼ ▲義▼坤
(72)【発明者】
【氏名】王 培
(72)【発明者】
【氏名】胡 小▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】傅 排先
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 宏▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】夏 立▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 超▲雲▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 航航
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 航
(72)【発明者】
【氏名】李 依依
【テーマコード(参考)】
4K013
【Fターム(参考)】
4K013BA08
4K013BA16
4K013CA02
4K013CE01
4K013CE05
4K013CE06
4K013EA26
4K013FA02
(57)【要約】
本願は希土類マイクロアロイド鋼及び制御プロセスを提供し、鋼中に特殊の微細構造を有し、前記微細構造は直径が1-50nmの希土類リッチナノクラスターを含み、ナノクラスターはマトリックスと同じ結晶構造タイプを有する。前記希土類リッチナノクラスターはS、P及びAs元素の粒界での偏析を抑制し、鋼の疲労寿命を大幅に延ばし、固溶希土類はさらに相転移の動力学過程に直接影響し、鋼中の拡散型相転移開始温度を少なくとも2℃変化させ、鋼種によっては40-60℃変化させるものもあり、その機械的特性を大幅に高め、高性能鋼種をより多く開発するために基礎を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼中に微細構造を有し、前記微細構造は直径が1-50nmの希土類リッチナノクラスターを含み、前記ナノクラスターはマトリックスと同じ結晶構造タイプを有することを特徴とする希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項2】
前記希土類リッチナノクラスターは数個から数百個の希土類元素原子が凝集して形成されたナノスケールの粒子集団であることを特徴とする請求項1に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項3】
前記希土類リッチナノクラスターの直径は2-50nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項4】
前記マイクロアロイド鋼中の希土類残留量TREは30-1000ppm、好ましくは30-600ppm、さらに好ましくは50-500ppmであることを特徴とする請求項1-3のいずれか一項に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項5】
前記希土類リッチナノクラスターの直径は鋼中の希土類残留量TREに正比例する関係を示すが、鋼中の全酸素含有量に反比例する関係を示すことを特徴とする請求項4に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項6】
希土類マイクロアロイド鋼の拡散型相転移開始温度の変化は下記表を満たすことを特徴とする請求項1-5のいずれか一項に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【表1】
【請求項7】
希土類マイクロアロイド普通炭素鋼中のフェライト相転移開始温度は20-50℃低下し、希土類マイクロアロイド低合金鋼中のベイナイト相転移開始温度は30-60℃低下することを特徴とする請求項6に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項8】
希土類マイクロアロイド鋼中の希土類リッチナノクラスターの数及び直径は前記相転移開始温度の変化に正比例することを特徴とする請求項6に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項9】
Feマトリックス中の空孔が複数の希土類原子と希土類-空孔対を形成し、それにより前記空孔の周囲の複数の希土類原子が規則的に配列され、さらに希土類リッチナノクラスターの微細構造が形成され、好ましくは、1つのFe空孔の存在によって、14個までの希土類原子からなる局所希土類リッチナノクラスターを安定させることを特徴とする請求項1-8のいずれか一項に記載の希土類マイクロアロイド鋼の微細構造の制御プロセス。
【請求項10】
(1)溶鋼中の全酸素含有量T[O]mを50ppm以下、好ましくは25ppm以下にし、T[S]≦50ppmを制御するステップと、
(2)全酸素含有量が60ppm未満の希土類金属を溶鋼に添加し、希土類金属添加量をWRE>α×T[O]m+T[S]にし、αの値は6-30、好ましくは8-20であり、T[O]mは鋼中の全酸素含有量であり、T[S]は鋼中の全硫黄含有量であり、希土類金属添加時における溶鋼の温度を溶鋼の液相線T+(20-100)℃に制御し、好ましくは、希土類金属を一括添加し又は2回以上にして段階的に添加し、さらに好ましくは、2回ごとの希土類金属添加の時間間隔を1分間以上10分間以下にするステップと、
(3)希土類金属含有溶鋼を空気から保護し、溶鋼中の希土類金属の残留量TREを30-1000ppmに制御するステップと、を含む請求項1-8のいずれか一項に記載の希土類マイクロアロイド鋼の制御プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年09月10日に中国特許庁に提出された、出願番号201910854347.5、発明の名称「希土類マイクロアロイド鋼及び制御方法」の中国特許出願の優先権を主張し、その内容のすべてが引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、合金及び特殊鋼の製造の分野に属し、希土類マイクロアロイド鋼及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
希土類及び希土類鋼の研究と開発は冶金の分野で長い歴史があり、希土類元素(例えば、La、Ce等)の添加は、溶鋼の脱酸及び脱硫の点では効果的な浄化作用をもたらすとともに、介在物の改質及びマイクロアロイ化等の点でも優れた特性を示している。これらの影響によって、より良好な特性をもたらし、その靭性、塑性、耐熱性、耐食性、及び耐摩耗性を向上させることもあれば、その特性を劣化させることもあり、良くなったり悪くなったりして、希土類マイクロアロイド鋼の機械的特性が大きく変動する問題がある。
【0004】
過去10年間で、希土類金属自体の初期酸素含有量と溶鋼の総酸素含有量を同時に制御する二重低酸素化技術の応用に伴って、希土類の作用は非常に安定し目立つようになり、発明者の多くの先行出願をはじめとしていずれも関連技術を提案しており、例えば、CN201610265575.5は高純度希土類金属の製造方法に関し、CN201611144005.7は超低酸素希土類合金及び用途に関し、CN201410141552.4は超低酸素清浄鋼の製錬方法に関し、2回の真空炭素脱酸と希土類の添加によるさらなる脱酸とを組み合わせることによって、溶融金属中の酸素含有量を減らし、CN201610631046.2は希土類金属の添加による鋼の性能の向上方法に関し、希土類添加前の溶鋼のT[O]s<20ppmと希土類金属自体のT[O]r<60ppmのように同時に制御することによって、ノズル詰まりの問題を解決し、介在物の結晶粒を微細化し、鋼の衝撃靭性を向上させ、CN201710059980.6は、高純度希土類鋼の処理方法に関し、希土類の添加量は溶鋼中の溶存酸素O溶存酸素、全酸素T.O、硫黄含有量S及び精錬スラグの塩基度R=CaO/SiO、FeO+MnO総含有量に応じて決められる。北京科技大学の成国光らによる発明である201811319185.7では、軸受鋼に適量の希土類Ceを添加し、鋼中のMgAlを特定のタイプのCeS又はCeSに改質することで、凝固中のMgAl上でのTiNの不均質核生成と析出を抑制し、軸受鋼の清浄度及び疲労寿命を高めるという目的を達成する。
【0005】
また、いくつかのジャーナル(例えば、「セリウムによる1Cr17ステンレス鋼の介在物に対する影響」、希土類、2010年)にも、1Cr17ステンレス鋼中のCe添加量が0.12%-0.18%である場合、希土類元素が溶鋼に添加されると、O、Sと反応して球状希土類RES又はREを形成することができることが指摘されているが、希土類についての理解はまだ鋼中の介在物のサイズ、形態に対する影響の分析にとどまっている。
【0006】
従来技術では、希土類添加による鋼の微細構造に対する影響に関するものは極めて少なく、希土類による鋼の微細組織構造に対する影響に関するものがあるとしても、希土類による鋼の性能に対する影響メカニズムを深入りして系統的に研究しておらず、希土類を鋼中に添加することを系統的に指導するプロセス操作がなく、例えば、高品質軸受用鋼、歯車鋼、金型鋼、ステンレス鋼、原子力発電用鋼、自動車用鋼等の高性能鋼及び様々な重要部品の製造での低コストの希土類の応用が制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
希土類による鋼の性能に対する影響メカニズムを解明して産業の大規模な生産において高性能鋼の品種を開発するように指導又は応用するために、本願は希土類マイクロアロイド鋼及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願は主に以下の技術案を提供する。
【0009】
一態様では、本願の実施例は希土類マイクロアロイド鋼を提供し、鋼中に微細構造を有し、前記微細構造は直径が1-50nm、好ましくは2-50nm、さらに好ましくは2-4nm、2-30nm、5-50nm、又は5-20nmの希土類リッチナノクラスターを含む。
【0010】
ここで、前記希土類リッチナノクラスターとは、数個から数百個の希土類元素原子が凝集して形成されたナノスケールの粒子集団であり、このような希土類元素に富む粒子クラスターは希土類リッチナノクラスターと呼ばれる。Feマトリックス中の空孔が複数の希土類原子と希土類-空孔対を形成し、それにより空孔の周囲の複数の希土類原子が規則的に配列され、さらに希土類リッチナノクラスターが形成される。これらのナノクラスターはFeマトリックスと同じ結晶構造タイプを有するが、マトリックスと比較して明らかな格子歪みがある。
【0011】
結晶構造とは、内部の原子、イオン、分子が空間において三次元で周期的かつ規則的に配列されることを結晶の最も基本的な構造特徴とすることであり、典型的な結晶構造タイプには面心立方(FCC)、体心立方(BCC)、稠密六方格子(HCP)等が含まれる。
【0012】
前記希土類リッチナノクラスターは希土類固溶体であり、前記希土類リッチナノクラスターはS、P及びAs元素の粒界での偏析を抑制し、その粒界での偏析量はその結晶粒子内部での量よりも大きく、S、P及びAs元素の結晶粒子内部での量はその粒界での偏析量よりも大きい。
【0013】
研究によると、REがbcc-Fe又はfcc-Feにある場合、Ce及びLaの置換固溶エンタルピーは非常に大きな正の値であり、そのうち、bcc Feでは、2.79eV及び1.47eVであり、fcc Feでは3.39eV及び1.73eVである。しかしながら、Fe空孔にREが近接して存在する場合、La及びCeのbcc Feでの固溶エンタルピーはそれぞれ-1.84eV及び-1.56eVに低下し、即ち、空孔の存在は希土類ナノクラスターの形成に有利であり、1つのFe空孔の存在によって、14個までの希土類原子からなる局所ナノクラスターを安定させることができ、それにより上記特徴を含む微細構造が形成され、且つRE固溶は格子欠陥及び/又はボイド位置で固溶しやすく、不純物元素S、P及びAs等の粒界での偏析が抑制され、それによりREリッチナノクラスターの粒界での偏析量はその結晶粒内部での量よりも大きく、S、P及びAs等の不純物元素の結晶粒内部での量はその粒界での偏析量よりも大きい。
【0014】
好ましくは、本願における希土類マイクロアロイド鋼にはWRE>α×T[O]m+T[S]が添加され、ここで、αの値は6-30、好ましくは8-20であり、T[O]mは鋼中の全酸素含有量であり、T[S]は鋼中の全硫黄含有量であり、鋼中の希土類残留量TREは30-1000ppm、好ましくは30-600ppm、さらに好ましくは50-500ppmである。
【0015】
好ましくは、前記希土類リッチナノクラスターの直径は鋼中の希土類残留量TREに正比例する関係を示すが、鋼中の全酸素含有量に反比例する関係を示す。
【0016】
研究によると、希土類マイクロアロイド固溶はさらに相転移の動力学過程に直接影響し、REが添加された鋼では拡散型相転移の相転移開始温度(フェライト相転移開始温度等を含む)は少なくとも2℃変化し、鋼種によっては40-60℃低下するものもあり、鋼の焼入れ性を大幅に向上させ、鋼の機械的特性に影響を与えることがわかり、ppmレベルのRE添加により相転移点にこのように大きな変化を引き起こすことができることが鋼において初めて観察された。
【0017】
その理由について、炭素拡散による鋼の拡散型相転移過程に対する影響が最も大きく、ppmレベルのRE添加だけで炭素拡散エネルギー障壁が向上し、より重要なこととして、RE添加は最も近接する格子間位置にある炭素原子の移動エネルギー障壁に影響を与えるだけでなく、また2番目/3番目に近接する格子間位置にある移動エネルギー障壁にも大きな影響を与え、それにより炭素の拡散を大幅に遅くする。一方、速い冷却速度では、相転移過程で炭素が拡散するのに十分な時間がなく、このとき、REによる相転移に対する影響が非常に明らかであることで、このように低いRE含有量だけで相転移開始温度の明らかな変化を効果的に引き起こすことができ、最終的に組織及び機械的特性の重要な変化を引き起こし、明らかなマイクロアロイ化効果を果たす。
【0018】
分析によると、タイプにより鋼に上記ppmレベルのREを添加することによる相転移点の変化の効果が異なり、下記表1に示される。
【0019】
【表1】
【0020】
好ましくは、希土類マイクロアロイド普通炭素鋼のフェライト相転移開始温度は20-50℃低下し、希土類マイクロアロイド低合金鋼中のベイナイト相転移開始温度は30-60℃低下する。
【0021】
好ましくは、前記希土類マイクロアロイド鋼中の希土類リッチナノクラスターの数及び直径は前記相転移開始温度の変化に正比例する。
【0022】
本願の前記希土類マイクロアロイド鋼の微細構造の制御プロセスは、Feマトリックス中の空孔が複数の希土類原子と希土類-空孔対を形成することで、前記空孔の周囲の複数の希土類原子が規則的に配列されるようになり、さらに希土類リッチナノクラスターの微細構造を形成し、1つのFe空孔の存在によって、14個までの希土類原子からなる局所希土類リッチナノクラスターを安定させることである。
【0023】
別の態様では、本願の前記希土類微合金鋼の製造の制御ポイントは以下の通りである。
【0024】
(1)Al脱酸、シリコマンガン脱酸、チタン脱酸、真空脱酸等に限定されない方式を用いて、溶鋼母液中の全酸素含有量T[O]mを50ppm以内、好ましくは25ppm以内に制御し、
(2)溶鋼母液中に全酸素含有量T[O]rが60ppm未満の希土類金属を添加し、希土類金属の添加量をWRE>α×T[O]m+T[S]にし、αの値は6-20、好ましくは8-15であり、T[O]mは鋼中の全酸素含有量であり、T[S]は鋼中の全硫黄含有量であり、希土類添加時における溶鋼の温度は溶鋼の液相線Tm+(20-100)℃であり、好ましくは、希土類金属を一括添加し又は2回以上にして段階的に添加し、希土類添加量が大きい場合、段階的に添加する方法を選択し、2回ごとの希土類添加の時間間隔を1分間以上10分間以下にし、好ましくは、高純度希土類添加後のRH又はVDの高真空循環時間を10min以上に確保し、Arガスのソフトブロー時間を15min以上に制御し、
(3)希土類金属含有溶鋼を空気から保護し、希土類金属を溶鋼母液に添加した後の焼損量を制御し、溶鋼母液中の希土類金属の残留量が30-1000ppmに達することを実現する。
【発明の効果】
【0025】
本願は以下の優れた技術的効果を有する。
【0026】
(1)希土類マイクロアロイド鋼中の希土類がリッチナノクラスターの形態で固溶して存在するとともに、S、P及びAs等の不純物元素の粒界での偏析を抑制し、鋼の性能を大幅に向上させることが初めて明らかになり、鋼中の希土類マイクロアロイ化の研究と開発に重要な根拠を提供し、
(2)希土類固溶体が相転移の動力学過程に直接影響することが初めて見出され、ppmレベルのRE含有量だけが添加される場合、鋼中の拡散型相転移開始温度が少なくとも2℃変化し、鋼種によっては25-60℃変化するものがさらにあり、鋼の焼入れ性を大幅に向上させ、その機械的特性に影響を与え、REが添加された高性能鋼種をより多く開発するために基礎を提供し、
(3)鋼中の希土類リッチナノクラスターのサイズ、構造及び分布特性を深入りして研究したところ、希土類リッチナノクラスターのサイズが鋼中の希土類残留量TREに正比例する関係を示すが、鋼中の全酸素含有量に反比例する関係を示し、一方、鋼中の希土類リッチナノクラスターの数及び直径は前記相転移開始温度の変化に正比例する関係を示すことが見出され、該半定量的研究結果は希土類を異なるタイプの鋼に添加して高級鋼を開発するプロセス操作に規範的な科学的指導を提供し、普及及び応用に適し、将来性及び応用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1(a)】本願の実施例1におけるREマイクロアロイド鋼のHAADF-STEM相の高解像度画像である。
図1(b)】図1(a)中のA領域の回折パターンである。
図1(c)】図1(a)中のB領域の回折パターンである。
図2】実施例1におけるREマイクロアロイド鋼の2.5℃/sの冷却速度での希土類固溶体によるフェライト相転移開始温度(Fs)に対する影響である。
図3】本願の実施例2におけるREマイクロアロイド鋼のHAADF-STEM相の高解像度画像である。
図4】実施例2におけるREマイクロアロイド鋼の2.5℃/sの冷却速度での希土類固溶体による粒状ベイナイト相転移開始温度に対する影響である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、具体的な実施形態を参照しながら本願をさらに詳しく説明するが、本願の保護範囲はこれに限定されない。
【0029】
実施例1
普通炭素鋼の希土類マイクロアロイ化方法であって、生産プロセスの手順はVIM製錬→インゴット鋳造→鍛造→圧延であり、具体的には以下のステップを含む。
【0030】
(1)好ましくは純鉄、Mn-Fe、Si-Fe等の出発材料を使用し、出発材料の純度を制御し、出発材料をVIM真空誘導炉で製錬し、出発材料の選択は溶け落ちた後の金属母液の全酸素含有量を25ppm未満に確保し、それぞれ30%電力*0.1-0.5h、50%電力0.2-0.5h及び80%電力を用いてVIM製錬を行い、坩堝中の金属が溶け落ちた後、熱電対を用いて温度を測定し、温度が1560℃よりも大きい場合、真空室内に高純度の希土類LaCe合金を添加し、希土類合金中のT[O]r<60ppmであり、希土類金属の粒度は1-10mmであり、希土類金属添加時における溶鋼の全酸素含有量はT[O]m≦25ppmであり、T[S]≦50ppmであり、鋼インゴットを鋳造し、ここで、希土類金属添加量はWRE>α×T[O]m+T[S]であり、
(2)上記鋼インゴットを断面50mm*80mmの矩形棒材に鍛造し、その後、棒材を1170-1210℃に加熱し、圧延して厚さ3-8mmの板材を形成し、
(3)サンプリングしてその成分(表2参照)、構造、及び性能をテストした。
【0031】
【表2】
【0032】
球面収差補正電子透過型顕微鏡の高解像度の高角度環状暗視野(HAADF)による特性評価を行ったところ、実験でも半径が2-4nmの高輝度希土類リッチナノクラスターが観察され、図1(e)中の閉じた円Aに示される。図1(f)に示すように、これらのナノクラスターはbcc Feと同じ構造である[図1(g)]が、Feマトリックスと比較して明らかな格子歪みがある。
【0033】
図2(a)には、2.5℃/sの冷却速度で、REマイクロアロイド鋼は360 ppm RE含有量(即ち、希土類LaとCeの総量)で、フェライト相転移開始温度(Fs)が755℃から707℃に低下し、開始温度が48℃低下し、鋼の硬化性を大幅に向上させ、それによりその機械的特性に影響を与えることが示される。
【0034】
分析したところ、REの添加はより高い拡散エネルギー障壁を引き起こし、より重要なこととして、最も近接する格子間位置にある炭素原子の移動エネルギー障壁に影響を与えるだけでなく、2番目/3番目に近接する格子間位置にある移動エネルギー障壁にも大きな影響を与え、それにより炭素の拡散を大幅に遅くすると考えられる。2.5℃/sの冷却速度では、RE含有量が360 ppmである場合、Fsの低下幅は48℃に近く[図2(a)]、その理由について、主に、このように速い冷却速度では、相転移過程で炭素が拡散するのに十分な時間がなく、REによる相転移に対する影響が非常に明らかであり、このように低いRE溶解度だけでFs温度の明らかな変化を効果的に引き起こすことができ、最終的に組織及び機械的特性の重要な変化を引き起こす。
【0035】
実施例2
低合金鋼の希土類マイクロアロイ化方法であって、生産プロセスの手順はLF製錬→VD精錬→連続鋳造であり、具体的には以下のステップを含む。
【0036】
(1)LFステーションでAl脱酸+拡散脱酸を行い、深度脱酸脱硫を行うために、スラグ塩基度を4.5よりも大きく制御し、還元スラグ生成時間を30min以上に保持し、希土類添加後に、より多くの固溶を実現するために、全硫黄含有量を15ppm以下にし、全酸素含有量を25ppm以下にし、
(2)LF精錬後、VD処理前、取鍋内でスラグ層を透過して希土類金属(希土類金属中のT[O]r<60ppm)を添加し、実施例2Aと実施例2Bの希土類添加量をそれぞれ300ppm、680ppmにし、希土類添加前の溶鋼の温度を1550℃以上に制御し、
(3)希土類添加後、VDの高真空時間を15min以上にし、VDの真空破壊後のソフトブロー時間を15min以上にし、
(4)連続鋳造プロセスを行い、二次酸化による希土類焼損を防止するために、取鍋-タンディッシュ-モールドの全窒素増加量を5ppm以下に制御し、
(5)連続鋳造サンプルを取り、その成分(表3参照)、構造及び性能をテストして分析した。
【0037】
【表3】
【0038】
球面収差補正電子透過型顕微鏡の高解像度の高角度環状暗視野(HAADF)による特性評価を行ったところ、実験では、実施例2A(希土類200ppm)のサンプルからサイズが4-8nmの高輝度希土類リッチナノクラスターが観察され、図3に示される。高解像度画像からわかるように、これらのナノクラスターはbcc マトリックスと同じ構造であるが、Feマトリックスと比較して明らかな格子歪みがある。
【0039】
図4には、2.5℃/sの冷却速度で、REマイクロアロイド鋼は200 ppm及び480ppmの残留RE含有量で、鋼の粒状ベイナイト相転移開始温度が573℃から536℃及び543℃に低下し、開始温度がそれぞれ37℃及び30℃低下し、鋼の硬化性を大幅に向上させ、それによりその機械的特性に影響を与えることが示される。その理由について、REの添加はより高い拡散エネルギー障壁を引き起こし、より重要なこととして、最も近接する格子間位置にある炭素原子の移動エネルギー障壁に影響を与えるだけでなく、2番目/3番目に近接する格子間位置にある移動エネルギー障壁にも大きな影響を与え、それにより炭素の拡散を大幅に遅くする。
【0040】
実施例3
低合金鋼の希土類マイクロアロイ化方法であって、生産プロセスの手順はLF製錬→RH精錬→インゴット鋳造→鍛造であり、以下のステップを含む。
【0041】
(1)LFステーションで合金成分を調整し、深度脱酸脱硫を行うために、スラグ塩基度を5よりも大きく制御し、還元スラグ生成時間を40min以上に保持し、酸素、硫黄含有量の両方を20ppm未満にし、
(2)LF精錬後、RH処理の真空度が200Pa以下に達すると、RH高位置バンカーによって希土類金属(希土類金属中のT[O]r<60ppm)を溶鋼に直接添加し、実施例3A及び3Bの希土類添加量をそれぞれ500ppm、1500ppmにし、実施例3Bの希土類を2回に分けて添加し、1回目は1000ppm添加し、3分間後に、500ppm添加し、希土類添加前の溶鋼の温度を1530℃以上に制御し、希土類添加後、RHの高真空時間を12min以上にし、真空破壊後のソフトブロー時間を15min以上にし、
(3)溶鋼を鋼インゴット型に流し込み、冷却して凝固させてインゴットを形成し、
(4)鋼インゴットに対して鍛造加工を行い、直径が100-350mmの金属棒材を製造し、その成分(表4参照)、構造及び性能をテストした。
【0042】
【表4】
【0043】
球面収差補正電子透過型顕微鏡の高解像度の高角度環状暗視野(HAADF)による特性評価を行ったところ、実験では実施例3A(希土類残留量420ppm)及び実施例3B(希土類残留量1020ppm)を含むサンプルにおいてそれぞれサイズが2-25nm及び25-50nmの高輝度希土類リッチナノクラスターが観察された。高解像度画像からわかるように、これらのナノクラスターはbcc マトリックスと同じ構造であるが、Feマトリックスと比較して明らかな格子歪みがある。
【0044】
上記実施例3と実施例3Bのサンプルに対して相転移点テストを行うことによって、その拡散型相転移の相転移温度はそれぞれ15℃及び40℃変化したことが見出される。
【0045】
実施例4
高級軸受鋼の希土類マイクロアロイ化方法であって、生産プロセスの手順はLF製錬→RH精錬→連続鋳造→圧延であり、以下のステップを含む。
【0046】
(1)スラグ系を合理的に調整し、塩基度を6よりも大きくし、LF精錬には還元スラグ生成時間を15min以上に確保し、スラグ塩基度を>5に安定させ、Al予備脱酸を用いて、T[O]≦15ppmにしT[S]含有量を0.003%未満にし、
(2)RH精錬では、成分をできるだけ調整せず、すべての成分調整をLFで完了し、10minRH真空処理した後、バンカーに高純度希土類金属(希土類金属中T[O]r<60ppm)を添加し、高純度希土類の添加量はWRE>α×T[O]+T[S]を満たし、ここで、αは補正係数であり、値が6-30、好ましくは8-20であり、T[O]は鋼中の全酸素含有量であり、T[S]は鋼中の全硫黄含有量であり、高純度希土類添加後、RHの高真空循環時間を10min以上に確保し、Arガスのソフトブロー時間を20min以上に確保し、形成した希土類-酸素-硫化物/希土類-硫化物の一部を浮上させ、それにより介在物の量を減少させ、過熱度を25-40℃に制御し、該過熱度制御は、凝集防止を目的とするという点から、一般的な過熱度制御よりも5-10℃向上し、RH精錬終点におけるAl含有量を0.015-0.030%に制御し、
(3)鋳造スケジュールの後序ヒート回数を選択して高純度希土類添加を行い、実施例4A、4B及び4Cの希土類添加量をそれぞれ100ppm、500ppm及び1200ppmにし、実施例4Cの希土類を2回に分けて添加し、1回目は700ppm添加し、2回目は500ppm添加し、間隔時間を4minにし、
(4)連続鋳造において、取鍋-タンディッシュ-モールド間の密閉性及びタンディッシュ液面の被覆剤の厚さを強化し、タンディッシュ液面のアルゴンパージを強化し、連続鋳造過程における吸気を回避し、連続鋳造の全窒素増加量を5ppm以下に制御して、TiN介在物の形成を抑制し、鋼の純度を確保し、タンディッシュの動作層のMgO含有量を85%よりも大きく制御し、取鍋のロングノズル、タンディッシュのストッパー及び浸漬ノズルにおけるSiO含有量を5%未満にして、タンディッシュの緻密性と耐食性及び上記三者の耐洗い流し性と耐浸食性を確保し、定鋳造速度で流し込んで連続鋳造を行い、直径320*480mmの矩形ビレットを形成し、
(5)矩形連続鋳造ビレットを1150-1250℃に加熱し、連続圧延機によって圧延を行い、直径90-210mmの棒材を形成し、サンプリングしてその成分をテストした(表5参照)。
【0047】
【表5】
【0048】
上記4つの成分の圧延材に対して分析テストを行い、希土類リッチナノクラスターのサイズ及び拡散型相転移温度の変化を表6に示し、鋼中の希土類残留量TREの増加に伴い、希土類リッチナノクラスターのサイズは増加し、拡散型相転移点への影響は増加し、相転移点の変化はその分増加することが分かる。
【0049】
【表6】
【0050】
実施例5
高品質ステンレス鋼の希土類マイクロアロイ化方法であって、生産プロセスの手順はLF製錬→VD精錬→インゴット鋳造→鍛造であり、具体的には以下のステップを含む。
【0051】
(1)LFステーションで合金成分を調整し、深度脱酸脱硫を行うために、スラグ塩基度を3よりも大きく制御し、還元スラグ生成時間を35min以上に保持し、全酸素含有量を25ppm以下にし、全硫黄含有量を30ppm以下にし、
(2)LF精錬後、VD処理前、取鍋スラグ面を通して希土類金属(希土類金属中のT[O]r<60ppm)を迅速に添加し、実施例5A及び5Bにおける希土類添加量をそれぞれ400ppm及び750ppmにし、希土類添加後、VDの高真空時間を15min、VDの真空破壊後のソフトブロー時間を25minにし、
(3)溶鋼を重量がそれぞれ5-30tの鋼インゴット型に流れ込み、冷却して凝固させてインゴットを形成し、
(4)鋼インゴットに対して鍛造加工を行い、断面サイズが280×450mmの矩形ビレットを製造し、その成分(表7参照)及び性能(表8参照)をテストした。
【0052】
【表7】
【0053】
上記3つの成分の鍛造ビレットに対して分析テストを行い、希土類リッチナノクラスターのサイズ及び拡散型相転移温度の変化を表8に示し、鋼中の希土類残留量TREの増加に伴い、希土類リッチナノクラスターのサイズは増大する傾向があり、拡散型相転移点への影響は増加し、相転移点の変化はその分増加し、希土類リッチナノクラスターのサイズは鋼中の希土類残留量TREに正比例する関係を示すが、鋼中の全酸素含有量の増加に伴い、希土類リッチナノクラスターのサイズは減少する傾向があり、両者は反比例関係を示すことが分かる。
【0054】
【表8】
【0055】
以上の実施例は単に本願の好ましい実施形態であり、本願の保護範囲を限定するものではないと理解すべきである。なお、当業者であれば、本願のアイディアを逸脱せずに種々の変形、代替及び改良を行うことができ、これらはすべて本願の保護範囲に属する。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類マイクロアロイド鋼であって、
鋼中には直径が1-50nmの希土類リッチナノクラスターの微細構造を有し、前記希土類リッチナノクラスターはマトリックス結晶構造と同じ構造であり、前記希土類リッチナノクラスターは数個から数百個の希土類元素原子が凝集して形成されたナノスケールの粒子集団であり、前記希土類リッチナノクラスターの直径は鋼中の希土類残留量T RE に正比例するが、鋼中の全酸素含有量に反比例し、
前記希土類マイクロアロイド鋼の製造の制御ポイントは、
溶鋼中の全酸素含有量T [O]m を50ppm以内にし、T [S] ≦50ppmを制御することと、
溶鋼に添加した希土類金属の全酸素含有量を60ppm未満に制御することと、
希土類金属添加時における溶鋼の温度を溶鋼の液相線T +(20-100)℃に制御することと、
高純度希土類添加後のRH又はVDの高真空循環時間を10min以上に確保し、Arガスのソフトブロー時間を15min以上に制御することと、を含むことを特徴とする希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項2】
Feマトリックス中の空孔が複数の希土類原子と希土類-空孔対を形成し、それにより前記空孔の周囲の複数の希土類原子が規則的に配列され、希土類リッチナノクラスターの微細構造が形成され、1つのFe空孔の存在によって、14個までの希土類原子からなる局所希土類リッチナノクラスターを安定させることを特徴とする請求項1に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項3】
前記希土類リッチナノクラスターの直径は2-50nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項4】
前記マイクロアロイド鋼中の希土類残留量TREは30-1000ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項5】
前記マイクロアロイド鋼中の希土類残留量T RE は30-600ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項6】
前記マイクロアロイド鋼中の希土類残留量T RE は50-500ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項7】
希土類マイクロアロイド鋼の拡散型相転移開始温度の変化は下記表を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【表1】
【請求項8】
希土類マイクロアロイド鋼の拡散型相転移開始温度の変化は下記表を満たすことを特徴とする請求項に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【表2】
【請求項9】
希土類マイクロアロイド普通炭素鋼中のフェライト相転移開始温度は20-50℃低下し、希土類マイクロアロイド低合金鋼中のベイナイト相転移開始温度は30-60℃低下することを特徴とする請求項に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項10】
希土類マイクロアロイド鋼中の希土類リッチナノクラスターの数及び直径は前記相転移開始温度の変化に正比例することを特徴とする請求項に記載の希土類マイクロアロイド鋼。
【請求項11】
請求項1-10のいずれか一項に記載の希土類マイクロアロイド鋼の制御プロセスであって、
溶鋼中の全酸素含有量T [O]m を50ppm以内にし、T [S] ≦50ppmを制御するステップ(1)と、
全酸素含有量が60ppm未満の希土類金属を溶鋼に添加し、希土類金属添加量をW RE >α×T [O]m+T[S] にし、αの値は6-30であり、T [O]m は鋼中の全酸素含有量であり、T [S] は鋼中の全硫黄含有量であり、希土類金属添加時における溶鋼の温度を溶鋼の液相線T +(20-100)℃に制御し、高純度希土類添加後のRH又はVDの高真空循環時間を10min以上に確保し、Arガスのソフトブロー時間を15min以上に制御するステップ(2)と、
希土類金属含有溶鋼を空気から保護し、溶鋼中の希土類金属の残留量T RE を30-1000ppmに制御するステップ(3)と、を含む請求項1-10のいずれか一項に記載の希土類マイクロアロイド鋼の制御プロセス。
【請求項12】
ステップ(1)における全酸素含有量T [O]m は25ppm以内であることを特徴とする請求項11に記載の希土類マイクロアロイド鋼の制御プロセス。
【請求項13】
ステップ(2)において、αの値は8-20であり、希土類金属を一括添加し又は2回以上にして段階的に添加し、段階的に添加するとき、2回ごとの希土類金属添加の時間間隔を1分間以上10分間以下にすることを特徴とする請求項11又は12に記載の希土類マイクロアロイド鋼の制御プロセス。
【国際調査報告】