IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソンウ、ユンの特許一覧

特表2022-545985液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置
<>
  • 特表-液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置 図1
  • 特表-液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置 図2
  • 特表-液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置 図3
  • 特表-液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置 図4
  • 特表-液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(54)【発明の名称】液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20221025BHJP
   A63H 9/00 20060101ALI20221025BHJP
   A63H 33/42 20060101ALI20221025BHJP
   B29C 41/14 20060101ALN20221025BHJP
【FI】
A63H33/00 J
A63H9/00 U
A63H33/42 Z
B29C41/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536473
(86)(22)【出願日】2019-08-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 KR2019010482
(87)【国際公開番号】W WO2021033788
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0100033
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522061567
【氏名又は名称】ソンウ、ユン
【氏名又は名称原語表記】SUNWOO,Yoon
【住所又は居所原語表記】#215-1604(Ichon-dong,Hangaram Apt.),51,Ichon-ro 65ga-gil Yongsan-Gu Seoul 04422,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ソンウ、ユン
【テーマコード(参考)】
2C150
4F205
【Fターム(参考)】
2C150BA17
2C150FD15
2C150FD22
2C150FD31
4F205AA01
4F205AC05
4F205AG06
4F205GA08
4F205GB01
4F205GC01
4F205GF01
4F205GN21
4F205GN29
(57)【要約】
本発明は、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置に関する。本発明は、水槽に模型金型全体が浸せるように一定量の水を満たす第1段階と、水槽に満たされた水に、パウダー成分であってアルギン酸ナトリウムとの化学作用によるゲル化の程度を予想して投入量が決定される塩化カルシウムを投入して溶解させる第2段階と、模型金型に、前記パウダー成分と反応できるように、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、夜光物質0.01重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水91重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、グリッター物質5重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、色変換物質0.01重量%の混合物質からなる、所定の色素が添加された所定の粘度の液状絵具を、模型金型に満たす第3段階と、液状絵具が満たされた模型金型を水槽に浸漬する第4段階と、水槽に浸漬された模型金型に満たされた液状絵具が凝固収縮される第5段階と、凝固収縮された玩具が模型金型から分離されるように模型金型を揺らす第6段階とを含み、模型金型から分離された玩具は、水槽内の液体に保持されながら玩具の形状を保ち、水槽から取り出すと形態が変形する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽に模型金型全体が浸せるように一定量の水を満たす第1段階と、
前記水槽に満たされた水に、パウダー成分であってアルギン酸ナトリウムとの化学作用によるゲル化の程度を予想して投入量が決定される塩化カルシウムを投入して溶解させる第2段階と、
前記模型金型に、前記パウダー成分と反応できるように、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、夜光物質0.01重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水91重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、グリッター物質5重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、色変換物質0.01重量%の混合物質からなる、所定の色素が添加された所定の粘度の液状絵具を、模型金型に満たす第3段階と、
前記液状絵具が満たされた模型金型を水槽に浸漬する第4段階と、
前記水槽に浸漬された模型金型に満たされた液状絵具が凝固収縮される第5段階と、
前記凝固収縮された玩具が模型金型から分離されるように模型金型を揺らす第6段階とを含み、
前記模型金型から分離された玩具は、水槽内の液体に保持されながら玩具の形状を保ち、水槽から取り出すと形態が変形することを特徴とする、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法。
【請求項2】
パウダー成分である塩化カルシウムが溶解された液体が満たされる水槽と、
前記水槽に浸漬されると、一定時間後に、金型に合致する玩具が凝固収縮されて製造され、凝固収縮された玩具が分離されるように揺れる模型金型と、
前記模型金型に満たされるように水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、夜光物質0.01重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水91重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、グリッター物質5重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、色変換物質0.01重量%の混合物質からなる、所定の色素が添加された所定の粘度の液状絵具とを備え、
前記模型金型から分離された玩具は、水槽内の液体に保持されながら玩具形状を保ち、水槽から取り出すと形態が変形することを特徴とする、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、一定成分の化学物質が含まれている液体に様々な色の液状絵具を満たした模型金型を浸漬すると、一定時間後に、模型金型の形状に合致する玩具が凝固して模型金型から分離され、液体中で玩具としての機能を果たすことができるようにしたものである。
【背景技術】
【0003】
韓国特許登録第10-0309193号は、玩具金型の製造方法に関するものであって、加工しやすい素材で模型を作製する模型作製段階と、前記模型の外表面に金粉または銀鏡が塗装されるようにする金粉または銀鏡塗装段階と、金粉または銀鏡が塗装された模型を弱酸性の金属溶液中に入れ、一定距離を隔てた溶液中には前記金属溶液と同じ元素の金属片を浸しておいた状態で前記金属片を陽極に連結し、前記模型の外表面の金粉または銀鏡に陰極を連結して所定時間反応させることにより、所定の金属イオンが金粉または銀鏡の外表面にくっつくようにする金型形成段階と、前記金型内部の模型を分離する模型除去段階と、前記金型の外表面に金属補強剤を被覆する補強剤形成段階と、金型内の不純物を除去する不純物除去段階と、金型の内部に金属保護膜を形成する保護膜形成段階と、前記金型の内部を希酸で洗浄する酸処理段階とを含み、玩具などその形状が複雑な物品もパラフィンや石膏、プラスチックなどを用いて比較的容易に模型を加工した後、このような模型上に銅イオンまたはニッケルイオンがくっ付くようにすると、複雑な形状の金型も比較的簡単な工程によって容易に製造でき、前記金型は、比較的加工しやすい素材で模型を作製するため、複雑な形状の模型も精密に加工することができ、このような模型上に金属イオンがくっ付くようにして金型が形成されるので、複雑な内部構造を有する金型も精密に加工できるという利点がある。
【0004】
韓国特許公開第10-2010-0115267号は、板状の合成樹脂発泡体を用いて製造される組立玩具用合成樹脂発泡体ブロック及びその製造方法に関するものであって、前記組立玩具用合成樹脂発泡体ブロックは、一つ以上の垂直貫通ホールを有し、上部、下部が平面状に形成され、合成樹脂発泡体からなる下部ボディと、前記下部ボディの上面に第1接着層を介して接着され、上部には、前記垂直貫通ホールと相応する位置に一つ以上の嵌合突部挿入溝が設けられ、合成樹脂発泡体からなる板状の上部ボディと、前記各嵌合突部挿入溝に第1接着層を介して挿入される丸棒状の合成樹脂発泡体からなる嵌合突部と、前記各貫通ホールと上部ボディの下面に設けられ、前記嵌合突部が挿入される一つ以上の嵌合溝部とを含み、市販の板状の合成樹脂発泡体を用いて製造される組立玩具用合成垂直発泡体ブロックを提供することにより、各ブロックを組み立てる過程でそれぞれのブロックが伸縮性を持っているので、少ない力でもブロックを互いに連結して組み立てることができるようにし、これにより幼児または子供たちが容易に持って遊ぶことができるようにし、ブロック組み立て時に指や爪が折れるなどの怪我を予防できる安定性のあるブロックを提供することができるとともに、板状の合成樹脂発泡体を用いて簡単な工程でブロックの量産を可能にすることにより、安価な価格で、合成樹脂発泡体からなるブロックを消費者に供給することができる。
【0005】
ところが、これらの従来技術は、機構的な構造を用いて玩具を製造することに関する技術であって、複雑且つ高価な装置を必要とするという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一定成分の化学物質が含まれている液体に様々な色の液状絵具を満たした模型金型を浸漬すると、一定時間後に、模型金型の形状に合致する玩具が凝固して模型金型から分離されるようにした、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置を提供するところにある。
【0007】
また、本発明の別の目的は、夜光、グリッター、色変換物質を選択的に混合して子供たちが遊びの楽しさを倍増できるようにした、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置を提供するところにある。
また、本発明のさらに別の目的は、以下の説明から推論可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法は、
水槽に模型金型全体が浸せるように一定量の水を満たす第1段階と、
【0009】
前記水槽に満たされた水に、パウダー成分であってアルギン酸ナトリウムとの化学作用によるゲル化の程度を予想して投入量が決定される塩化カルシウムを投入して溶解させる第2段階と、
【0010】
前記模型金型に、前記パウダー成分と反応できるように、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、夜光物質0.01重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水91重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、グリッター物質5重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、色変換物質0.01重量%の混合物質からなる、所定の色素が添加された所定の粘度の液状絵具を、模型金型に満たす第3段階と、
前記液状絵具が満たされた模型金型を水槽に浸漬する第4段階と、
前記水槽に浸漬された模型金型に満たされた液状絵具が凝固収縮される第5段階と、
前記凝固収縮された玩具が模型金型から分離されるように模型金型を揺らす第6段階とを含み、
前記模型金型から分離された玩具は、水槽内の液体に保持されながら玩具の形状を保ち、水槽から取り出すと形態が変形することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の液体中で模型金型を用いて玩具を製造する装置は、
パウダー成分である塩化カルシウムが溶解された液体が満たされる水槽と、
前記水槽に浸漬されると、一定時間後に、金型に合致する玩具が凝固収縮されて製造され、凝固収縮された玩具が分離されるように揺れる模型金型と、
【0011】
前記模型金型に満たされるように水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、夜光物質0.01重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水91重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、グリッター物質5重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、色変換物質0.01重量%の混合物質からなる、所定の色素が添加された所定の粘度の液状絵具とを備え、
前記模型金型から分離された玩具は、水槽内の液体に保持されながら玩具形状を保ち、水槽から取り出すと形態が変形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置によれば、模型金型に液状絵具を満たし、これを液体の満たされた水槽内に浸漬すると、模型金型に合致する形状を持つ玩具が凝固製造されるため、子供たちが所望する形状の玩具を簡単に製造して遊ぶことができるという利点がある。
また、夜光、グリッター、色変換物質を選択的に混合して子供たちが遊びの楽しさを倍増させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現するための装置の構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
図3】本発明の第2の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて夜光玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
図4】本発明の第3の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いてグリッター玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
図5】本発明の第4の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて色変換玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるため、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明において詳しく説明する。
【0015】
しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、本発明の精神及び技術の範囲内の全ての変更、均等物ならびに代替物を包含するものであると理解されるべきである。
本発明で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【0016】
単数の表現は、文脈上、明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないものとものと理解されるべきである。
【0017】
別に定義されない限り、技術的や科学的な用語を含む、本明細書で使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味がある。
[第1の実施形態]
以下、添付図面を参照して本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現する動作例示図である。図2は、本発明の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
図1に示すように、本発明の液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現するための装置は、水槽10、模型金型20および絵具30から構成される。
水槽10は、前記模型金型20を浸漬するためのもので、所定量の水、すなわち模型金型が完全に浸漬される程度の液体15が満たされることが良い。
【0019】
水槽10に満たされる液体15は、模型金型20が浸漬されるとき、模型金型20に満たされた液状絵具30が凝固するようにパウダー成分が含有される。前記パウダー成分は塩化カルシウム(CaCl)であり得る。
【0020】
模型金型20は、前記水槽10に浸漬された状態で、満たされた液状絵具30が凝固して分離されるようにするものであって、幼児及び子供たちだけでなく、すべての人々が持って遊ぶことができる様々な形状の玩具を製造できるように備えられる。
【0021】
絵具30は、前記模型金型20に満たされるもので、前記水槽10に満たされた液体15と模型金型20に満たされた絵具30とが互いに反応して凝固する成分で構成される。
【0022】
好ましくは、絵具30は、所定の色素が含まれた水96重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム(Sodium Alginate)3重量%で混合構成できる。
【0023】
CNCは、今まで知られている材料の中で最も強い木から抽出された木材パルプからなるセルロースナノクリスタル(cellulose nanocrystals)である。
アルギン酸ナトリウムは、茶色ワカメから抽出するものであって、カルシウムと酸性媒質があれば弾力のあるゲルを形成する。
【0024】
これは、球形化工程において乳酸カルシウムまたは塩化カルシウムと一緒に最も一般的に使われる。アルギン酸ナトリウムは、カルシウムのない状態でせん断増粘剤(shear-thinning thickener)としてカルシウムの存在下でゲル化し、乳剤または泡を安定化させ、フィルムを形成させるために用いられる。例えば、現代料理で、アルギン酸ナトリウムはカルシウム塩と一緒に使用され、口の中に液体が入っている小さなキャビア状の大きい球形を作り上げる。
【0025】
【表1】
【0026】
前記実験1乃至3によれば、水96重量%、CNC1重量%及びアルギン酸ナトリウム3重量%を混合した絵具を、塩化カルシウム10gが溶解した液体1000mlに投入した結果、ゲル化の程度が最も優れていることが分かった。
【0027】
実験1の水90重量%、CNC5重量%及びアルギン酸ナトリウム5重量%を混合した絵具を、塩化カルシウム10gが溶解した液体1000mlに投入した結果、ゲル化の程度が悪くないが、実験3に比べて凝固の程度が低いため、玩具としての形状維持が容易ではないという結論を導出した。
【0028】
実験2の水85重量%、CNC10重量%及びアルギン酸ナトリウム5重量%を混合した絵具を、塩化カルシウム10gが溶解した液体1000mlに投入した結果、ゲル化の程度が3つの実験の中で最も悪いことが分かった。
【0029】
前記実験1乃至3はいずれも、塩化カルシウム10gが溶解した液体1000mlに投入する。液体量は、玩具形状を示す模型金型のサイズを勘案したもので、模型金型が完全に浸かる程度の量と決定した。塩化カルシウムは、前記実験1乃至3に示されたアルギン酸ナトリウムとの化学作用によるゲル化の程度を予想して量を決定した。
【0030】
次に、このような実験例を用いて、本発明の玩具が凝固製造されることを説明する。
水96重量%、CNC1重量%及びアルギン酸ナトリウム(Sodium Alginate)3重量%を混合して絵具30を製造すれば、絵具30は、粘性が生じて容易に模型金型20から分離されるか或いは強く接着されることを防止することができる。
【0031】
その後、例えば、塩化カルシウム10gを、水槽10内に満たされた水1000mlに溶かす。よって、水槽10内に満たされた水は、前記混合物質成分からなる絵具30が凝固するようにする化学成分を含有する液体15に変化する。
したがって、このように変化した水槽10内の液体15に、上述したように製造された絵具30を模型金型20に満たした後で浸漬する。
【0032】
次いで、所定の時間後に、模型金型20に満たされた絵具30が凝固して若干収縮するので、このとき模型金型20を軽く揺らすと模型金型20から玩具が分離され、液体15内で玩具としての形状及び機能を維持する。
【0033】
次に、このように構成された本発明の装置を用いて玩具を製造する方法について、図2を参照して説明する。
まず、水槽10に一定量の水を満たす(S10)。
前記水槽10に満たす水は、模型金型20が完全に浸かる程度の量となるようにすることが良い。
次に、前記水槽10に満たされた水にパウダー成分の物質を一定量投入してよくかき混ぜて溶解させる(S20)。
その後、予め用意された模型金型20に様々な色の液状絵具30を満たす(S30)。
【0034】
液状絵具30を模型金型20に満たすことは、特定の方法に制限するのではなく、いずれの形状の模型金型20であっても、ユーザーが所望する色の絵具30を満たせば良い。
次いで、前記液状絵具30が満たされた模型金型20を、水槽10に満たされた液体15に完全に浸漬する(S40)。
その後、前記模型金型20を、水槽10に満たされた液体15中で左右に若干揺らす(S50)。
【0035】
ここで、左右に若干揺らすことは、模型金型20に満たされた液状絵具30が未だ凝固する前に模型金型20から分離されることを防止するためであり、もし上下に揺らしたらその分離程度がさらにひどくなる可能性があるので、左右に若干揺らすのである。
【0036】
また、前記模型金型20に満たされた液状絵具30は、水槽10に満たされたパウダー成分が溶解した液体15中で短時間で凝固するので、凝固した玩具が模型金型20から分離されることを助けるために左右に若干揺らすのが良い。
次に、前記模型金型20から凝固した玩具が分離されて水槽10内の液体15に保持されながら玩具形状を保つ(S60)。
【0037】
一方、上述したように凝固製造された本発明の玩具は、水槽10に満たされた液体15から分離されると、すなわち、水槽10から取り出すと、乾燥してなくなる。したがって、本発明の方法によって製造された玩具は、常に水槽10内にある状態で有効である。
【0038】
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて夜光玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
本発明の第2の実施形態では、前記第1の実施形態の装置を用いるが、夜光物質をさらに混合して夜間や暗い環境でも玩具がよく見えるようにすることで、子供たちに楽しみを感じさせることができる。
【0039】
水96重量%(CAS NO.:7732-18-5),CNC0.99重量%(CAS NO.:9004-65-3),アルギン酸ナトリウム3重量%(CAS NO.:9005-38-3)、夜光物質0.01重量%(CAS NO.:12004-37-4)をそれぞれ混合する。
【0040】
すなわち、第1の実施形態では、水96重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%を混合して絵具を製造するが、第2の実施形態では、水の比率をそのままにして、CNCとアルギン酸ナトリウムの比率を減らす分だけ夜光物質を混合する。
このようにして製造された玩具は、水槽10内の液体15中でその形態を維持しながら夜光を発して、光のない場所でも子供たちが楽しく遊べるようにする。
【0041】
[第3の実施形態]
図4は、本発明の第3の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いてグリッター玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
本発明の第3の実施形態では、第1の実施形態の装置を用いるが、グリッター物質をさらに混合して玩具が光を放出することによって子供たちが楽しめるようにする。
【0042】
水91重量%(CAS NO.:7732-18-5)、CNC1重量%(CAS NO.:9004-65-3)、アルギン酸ナトリウム3重量%(CAS NO:9005-38-3)、グリッター物質5重量%(CAS NO.:12597-70-5)をそれぞれ混合する。
【0043】
すなわち、第1の実施形態では、水96重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%を混合して絵具を製造したが、第2の実施形態では、CNCとアルギン酸ナトリウムの比率をそのままにして、水の比率を減らす分だけグリッター物質を混合する。
このようにして製造された玩具は、水槽10内の液体15中でその形態を維持しながらグリッター特性を発揮し、子供たちが楽しく遊べるようにする。
【0044】
[第4の実施形態]
図5は、本発明の第4の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて色変換玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
本発明の第4の実施形態では、前記第1の実施形態の装置をそのまま用いるが、色変換物質をさらに混合して子供たちが楽しめるようにする。
【0045】
水96重量%(CAS NO.:7732-18-5)、CNC0.99重量%(CAS NO.:9004-65-3)、アルギン酸ナトリウム3重量%(CAS NO.:9005-38-3),色変換物質0.01重量%(CAS NO.:67340-41-4)をそれぞれ混合する。
【0046】
すなわち、第1の実施形態では、水96重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%を混合して絵具を製造したが、第4の実施形態では、水とアルギン酸ナトリウムの比率をそのままにして、CNCの比率を減らす分だけ色変換材料を混合する。
このようにして製造された玩具は、水槽10内の液体15中でその形態を維持しながら色変換効果を発揮し、子供たちが楽しく遊べるようにする。
【0047】
液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置の実施形態が記述された。上述した実施形態は、本発明に記述される原理を示す多くの具体的実施形態のうちの一部の実施形態を例示するものである。したがって、本発明の実施形態を用いることにより、当業者が本発明の請求の範囲によって定義された範囲内で多くの別の配列を容易に実現することができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置に関するものであって、一定成分の化学物質が含まれている液体に様々な色の液状絵具を満たした模型金型を浸漬すると、一定時間後に、模型金型の形状に合致する玩具が凝固して模型金型から分離され、液体中で玩具としての機能を果せるような分野に有用である。
さらに、本発明は、夜光、グリッター、及び色変換がすべて一緒に又は選択的に適用されることで、子供用玩具としての満足感を与えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置に関する。
【0002】
本発明は、特に、一定成分の化学物質が含まれている液体に様々な色の液状絵具を満たした模型金型を浸漬すると、一定時間後に、模型金型の形状に合致する玩具が凝固して模型金型から分離され、液体中で玩具としての機能を果たすことができるようにしたものである。
【背景技術】
【0003】
韓国特許登録第10-0309193号は、玩具金型の製造方法に関するものであって、加工しやすい素材で模型を作製する模型作製段階と、前記模型の外表面に金粉または銀鏡が塗装されるようにする金粉または銀鏡塗装段階と、金粉または銀鏡が塗装された模型を弱酸性の金属溶液中に入れ、一定距離を隔てた溶液中には前記金属溶液と同じ元素の金属片を浸しておいた状態で前記金属片を陽極に連結し、前記模型の外表面の金粉または銀鏡に陰極を連結して所定時間反応させることにより、所定の金属イオンが金粉または銀鏡の外表面にくっつくようにする金型形成段階と、前記金型内部の模型を分離する模型除去段階と、前記金型の外表面に金属補強剤を被覆する補強剤形成段階と、金型内の不純物を除去する不純物除去段階と、金型の内部に金属保護膜を形成する保護膜形成段階と、前記金型の内部を希酸で洗浄する酸処理段階とを含み、玩具などその形状が複雑な物品もパラフィンや石膏、プラスチックなどを用いて比較的容易に模型を加工した後、このような模型上に銅イオンまたはニッケルイオンがくっ付くようにすると、複雑な形状の金型も比較的簡単な工程によって容易に製造でき、前記金型は、比較的加工しやすい素材で模型を作製するため、複雑な形状の模型も精密に加工することができ、このような模型上に金属イオンがくっ付くようにして金型が形成されるので、複雑な内部構造を有する金型も精密に加工できるという利点がある。
【0004】
韓国特許公開第10-2010-0115267号は、板状の合成樹脂発泡体を用いて製造される組立玩具用合成樹脂発泡体ブロック及びその製造方法に関するものであって、前記組立玩具用合成樹脂発泡体ブロックは、一つ以上の垂直貫通ホールを有し、上部、下部が平面状に形成され、合成樹脂発泡体からなる下部ボディと、前記下部ボディの上面に第1接着層を介して接着され、上部には、前記垂直貫通ホールと相応する位置に一つ以上の嵌合突部挿入溝が設けられ、合成樹脂発泡体からなる板状の上部ボディと、前記各嵌合突部挿入溝に第1接着層を介して挿入される丸棒状の合成樹脂発泡体からなる嵌合突部と、前記各貫通ホールと上部ボディの下面に設けられ、前記嵌合突部が挿入される一つ以上の嵌合溝部とを含み、市販の板状の合成樹脂発泡体を用いて製造される組立玩具用合成垂直発泡体ブロックを提供することにより、各ブロックを組み立てる過程でそれぞれのブロックが伸縮性を持っているので、少ない力でもブロックを互いに連結して組み立てることができるようにし、これにより幼児または子供たちが容易に持って遊ぶことができるようにし、ブロック組み立て時に指や爪が折れるなどの怪我を予防できる安定性のあるブロックを提供することができるとともに、板状の合成樹脂発泡体を用いて簡単な工程でブロックの量産を可能にすることにより、安価な価格で、合成樹脂発泡体からなるブロックを消費者に供給することができる。
【0005】
ところが、これらの従来技術は、機構的な構造を用いて玩具を製造することに関する技術であって、複雑且つ高価な装置を必要とするという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一定成分の化学物質が含まれている液体に様々な色の液状絵具を満たした模型金型を浸漬すると、一定時間後に、模型金型の形状に合致する玩具が凝固して模型金型から分離されるようにした、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置を提供するところにある。
【0007】
また、本発明の別の目的は、夜光、グリッター、色変換物質を選択的に混合して子供たちが遊びの楽しさを倍増できるようにした、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置を提供するところにある。
また、本発明のさらに別の目的は、以下の説明から推論可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法は、
水槽に模型金型全体が浸せるように一定量の水を満たす第1段階と、
【0009】
前記水槽に満たされた水に、パウダー成分であってアルギン酸ナトリウムとの化学作用によるゲル化の程度を予想して投入量が決定される塩化カルシウムを投入して溶解させる第2段階と、
【0010】
前記模型金型に、前記パウダー成分と反応できるように、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、夜光物質0.01重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水91重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、グリッター物質5重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、色変換物質0.01重量%の混合物質からなる、所定の色素が添加された所定の粘度の液状絵具を、模型金型に満たす第3段階と、
前記液状絵具が満たされた模型金型を水槽に浸漬する第4段階と、
前記水槽に浸漬された模型金型に満たされた液状絵具が凝固収縮される第5段階と、
前記凝固収縮された玩具が模型金型から分離されるように模型金型を揺らす第6段階とを含み、
前記模型金型から分離された玩具は、水槽内の液体に保持されながら玩具の形状を保ち、水槽から取り出すと形態が変形することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の液体中で模型金型を用いて玩具を製造する装置は、
パウダー成分である塩化カルシウムが溶解された液体が満たされる水槽と、
前記水槽に浸漬されると、一定時間後に、金型に合致する玩具が凝固収縮されて製造され、凝固収縮された玩具が分離されるように揺れる模型金型と、
【0011】
前記模型金型に満たされるように水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、夜光物質0.01重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水91重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、グリッター物質5重量%の混合物質からなる液状絵具、または、水96重量%、CNC0.99重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%、色変換物質0.01重量%の混合物質からなる、所定の色素が添加された所定の粘度の液状絵具とを備え、
前記模型金型から分離された玩具は、水槽内の液体に保持されながら玩具形状を保ち、水槽から取り出すと形態が変形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置によれば、模型金型に液状絵具を満たし、これを液体の満たされた水槽内に浸漬すると、模型金型に合致する形状を持つ玩具が凝固製造されるため、子供たちが所望する形状の玩具を簡単に製造して遊ぶことができるという利点がある。
また、夜光、グリッター、色変換物質を選択的に混合して子供たちが遊びの楽しさを倍増させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現するための装置の構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
図3】本発明の第2の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて夜光玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
図4】本発明の第3の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いてグリッター玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
図5】本発明の第4の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて色変換玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるため、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明において詳しく説明する。
【0015】
しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、本発明の精神及び技術の範囲内の全ての変更、均等物ならびに代替物を包含するものであると理解されるべきである。
本発明で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
【0016】
単数の表現は、文脈上、明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないものとものと理解されるべきである。
【0017】
別に定義されない限り、技術的や科学的な用語を含む、本明細書で使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味がある。
[第1の実施形態]
以下、添付図面を参照して本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現する動作例示図である。図2は、本発明の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
図1に示すように、本発明の液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法を実現するための装置は、水槽10、模型金型20および絵具30から構成される。
水槽10は、前記模型金型20を浸漬するためのもので、所定量の水、すなわち模型金型が完全に浸漬される程度の液体15が満たされることが良い。
【0019】
水槽10に満たされる液体15は、模型金型20が浸漬されるとき、模型金型20に満たされた液状絵具30が凝固するようにパウダー成分が含有される。前記パウダー成分は塩化カルシウム(CaCl)であり得る。
【0020】
模型金型20は、前記水槽10に浸漬された状態で、満たされた液状絵具30が凝固して分離されるようにするものであって、幼児及び子供たちだけでなく、すべての人々が持って遊ぶことができる様々な形状の玩具を製造できるように備えられる。
【0021】
絵具30は、前記模型金型20に満たされるもので、前記水槽10に満たされた液体15と模型金型20に満たされた絵具30とが互いに反応して凝固する成分で構成される。
【0022】
好ましくは、絵具30は、所定の色素が含まれた水96重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム(Sodium Alginate)3重量%で混合構成できる。
【0023】
CNCは、今まで知られている材料の中で最も強い木から抽出された木材パルプからなるセルロースナノクリスタル(cellulose nanocrystals)である。
アルギン酸ナトリウムは、茶色ワカメから抽出するものであって、カルシウムと酸性媒質があれば弾力のあるゲルを形成する。
【0024】
これは、球形化工程において乳酸カルシウムまたは塩化カルシウムと一緒に最も一般的に使われる。アルギン酸ナトリウムは、カルシウムのない状態でせん断増粘剤(shear-thinning thickener)としてカルシウムの存在下でゲル化し、乳剤または泡を安定化させ、フィルムを形成させるために用いられる。例えば、現代料理で、アルギン酸ナトリウムはカルシウム塩と一緒に使用され、口の中に液体が入っている小さなキャビア状の大きい球形を作り上げる。
【0025】
【表1】
【0026】
前記実験1乃至3によれば、水96重量%、CNC1重量%及びアルギン酸ナトリウム3重量%を混合した絵具を、塩化カルシウム10gが溶解した液体1000mlに投入した結果、ゲル化の程度が最も優れていることが分かった。
【0027】
実験1の水90重量%、CNC5重量%及びアルギン酸ナトリウム5重量%を混合した絵具を、塩化カルシウム10gが溶解した液体1000mlに投入した結果、ゲル化の程度が悪くないが、実験3に比べて凝固の程度が低いため、玩具としての形状維持が容易ではないという結論を導出した。
【0028】
実験2の水85重量%、CNC10重量%及びアルギン酸ナトリウム5重量%を混合した絵具を、塩化カルシウム10gが溶解した液体1000mlに投入した結果、ゲル化の程度が3つの実験の中で最も悪いことが分かった。
【0029】
前記実験1乃至3はいずれも、塩化カルシウム10gが溶解した液体1000mlに投入する。液体量は、玩具形状を示す模型金型のサイズを勘案したもので、模型金型が完全に浸かる程度の量と決定した。塩化カルシウムは、前記実験1乃至3に示されたアルギン酸ナトリウムとの化学作用によるゲル化の程度を予想して量を決定した。
【0030】
次に、このような実験例を用いて、本発明の玩具が凝固製造されることを説明する。
水96重量%、CNC1重量%及びアルギン酸ナトリウム(Sodium Alginate)3重量%を混合して絵具30を製造すれば、絵具30は、粘性が生じて容易に模型金型20から分離されるか或いは強く接着されることを防止することができる。
【0031】
その後、例えば、塩化カルシウム10gを、水槽10内に満たされた水1000mlに溶かす。よって、水槽10内に満たされた水は、前記混合物質成分からなる絵具30が凝固するようにする化学成分を含有する液体15に変化する。
したがって、このように変化した水槽10内の液体15に、上述したように製造された絵具30を模型金型20に満たした後で浸漬する。
【0032】
次いで、所定の時間後に、模型金型20に満たされた絵具30が凝固して若干収縮するので、このとき模型金型20を軽く揺らすと模型金型20から玩具が分離され、液体15内で玩具としての形状及び機能を維持する。
【0033】
次に、このように構成された本発明の装置を用いて玩具を製造する方法について、図2を参照して説明する。
まず、水槽10に一定量の水を満たす(S10)。
前記水槽10に満たす水は、模型金型20が完全に浸かる程度の量となるようにすることが良い。
次に、前記水槽10に満たされた水にパウダー成分の物質を一定量投入してよくかき混ぜて溶解させる(S20)。
その後、予め用意された模型金型20に様々な色の液状絵具30を満たす(S30)。
【0034】
液状絵具30を模型金型20に満たすことは、特定の方法に制限するのではなく、いずれの形状の模型金型20であっても、ユーザーが所望する色の絵具30を満たせば良い。
次いで、前記液状絵具30が満たされた模型金型20を、水槽10に満たされた液体15に完全に浸漬する(S40)。
その後、前記模型金型20を、水槽10に満たされた液体15中で左右に若干揺らす(S50)。
【0035】
ここで、左右に若干揺らすことは、模型金型20に満たされた液状絵具30が未だ凝固する前に模型金型20から分離されることを防止するためであり、もし上下に揺らしたらその分離程度がさらにひどくなる可能性があるので、左右に若干揺らすのである。
【0036】
また、前記模型金型20に満たされた液状絵具30は、水槽10に満たされたパウダー成分が溶解した液体15中で短時間で凝固するので、凝固した玩具が模型金型20から分離されることを助けるために左右に若干揺らすのが良い。
次に、前記模型金型20から凝固した玩具が分離されて水槽10内の液体15に保持されながら玩具形状を保つ(S60)。
【0037】
一方、上述したように凝固製造された本発明の玩具は、水槽10に満たされた液体15から分離されると、すなわち、水槽10から取り出すと、乾燥してなくなる。したがって、本発明の方法によって製造された玩具は、常に水槽10内にある状態で有効である。
【0038】
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて夜光玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
本発明の第2の実施形態では、前記第1の実施形態の装置を用いるが、夜光物質をさらに混合して夜間や暗い環境でも玩具がよく見えるようにすることで、子供たちに楽しみを感じさせることができる。
【0039】
水96重量%(CAS NO.:7732-18-5),CNC0.99重量%(CAS NO.:9004-65-3),アルギン酸ナトリウム3重量%(CAS NO.:9005-38-3)、夜光物質0.01重量%(CAS NO.:12004-37-4)をそれぞれ混合する。
【0040】
すなわち、第1の実施形態では、水96重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%を混合して絵具を製造するが、第2の実施形態では、水の比率をそのままにして、CNCとアルギン酸ナトリウムの比率を減らす分だけ夜光物質を混合する。
夜光物質は、粉末状であってもよく、例えば、硫化亜鉛(ZnS)+銅(Cu)+酸化ケイ素カリウム(K SiO )の混合物、硫化カルシウム(CaS)+ビスマス(Bi)の混合物、硫化ストロンチウムカルシウム(CaSrS)+ビスマス(Bi)の混合物の中から、必要に応じて選択して使用することができる
このようにして製造された玩具は、水槽10内の液体15中でその形態を維持しながら夜光を発して、光のない場所でも子供たちが楽しく遊べるようにする。
【0041】
[第3の実施形態]
図4は、本発明の第3の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いてグリッター玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
本発明の第3の実施形態では、第1の実施形態の装置を用いるが、グリッター物質をさらに混合して玩具が光を放出することによって子供たちが楽しめるようにする。
【0042】
水91重量%(CAS NO.:7732-18-5)、CNC1重量%(CAS NO.:9004-65-3)、アルギン酸ナトリウム3重量%(CAS NO:9005-38-3)、グリッター物質5重量%(CAS NO.:12597-70-5)をそれぞれ混合する。
【0043】
すなわち、第1の実施形態では、水96重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%を混合して絵具を製造したが、第2の実施形態では、CNCとアルギン酸ナトリウムの比率をそのままにして、水の比率を減らす分だけグリッター物質を混合する。
前記グリッター物質は、粉末状であってもよく、グリッター効果、すなわち、キラキラする視覚効果を与える機能を発揮する。
【0044】
本発明に用いられるグリッター粉末としては、市販されている様々なグリッター粉末を使用してもよく、様々な色を有するグリッター粉末を混合して使用してもよい。
グリッター粉末は5重量%で含まれ、グリッター粉末の含有量が5重量%未満の場合はキラキラと輝く効果が弱くなり、5重量%を超える場合はグリッター粉末の分散性が低くなるおそれがある
このようにして製造された玩具は、水槽10内の液体15中でその形態を維持しながらグリッター特性を発揮し、子供たちが楽しく遊べるようにする。
【0045】
[第4の実施形態]
図5は、本発明の第4の実施形態に係る、液体中で模型金型を用いて色変換玩具を製造する方法を実現する動作フローチャートである。
本発明の第4の実施形態では、前記第1の実施形態の装置をそのまま用いるが、色変換物質をさらに混合して子供たちが楽しめるようにする。
【0046】
水96重量%(CAS NO.:7732-18-5)、CNC0.99重量%(CAS NO.:9004-65-3)、アルギン酸ナトリウム3重量%(CAS NO.:9005-38-3),色変換物質0.01重量%(CAS NO.:67340-41-4)をそれぞれ混合する。
【0047】
すなわち、第1の実施形態では、水96重量%、CNC1重量%、アルギン酸ナトリウム3重量%を混合して絵具を製造したが、第4の実施形態では、水とアルギン酸ナトリウムの比率をそのままにして、CNCの比率を減らす分だけ色変換材料を混合する。
本発明で使用される前記色変換物質は、可逆性示温塗料であってもよく、水槽内の液体の温度が変化するか、または子供が水槽内に位置した玩具を手でタッチすることによって色が変化する原理を有するように製造することができる。
【0048】
本発明の色変換組成物は、例えば、塗料100重量%当たりの感温温度域帯及び色の異なる2種以上の示温塗料をそれぞれ8~15重量%、珪砂35~40重量%、硬化剤18~25重量%、酸化亜鉛8~10重量%、及びチタンジオキシド7~10重量%を含み、前記示温塗料は、性質発現に対する感応条件の基準を温度減少又は温度増加とするか否か、及び組成物全体の色混合配色によって決定され、前記色混合配色により選択された色配合数に応じて前記塗料の色及び含まれる示温塗料の数を決定する。
このようにして製造された玩具は、水槽10内の液体15中でその形態を維持しながら色変換効果を発揮し、子供たちが楽しく遊べるようにする。
【0049】
液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置の実施形態が記述された。上述した実施形態は、本発明に記述される原理を示す多くの具体的実施形態のうちの一部の実施形態を例示するものである。したがって、本発明の実施形態を用いることにより、当業者が本発明の請求の範囲によって定義された範囲内で多くの別の配列を容易に実現することができるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、液体中で模型金型を用いて玩具を製造する方法、及びその方法を実現するための装置に関するものであって、一定成分の化学物質が含まれている液体に様々な色の液状絵具を満たした模型金型を浸漬すると、一定時間後に、模型金型の形状に合致する玩具が凝固して模型金型から分離され、液体中で玩具としての機能を果せるような分野に有用である。
さらに、本発明は、夜光、グリッター、及び色変換がすべて一緒に又は選択的に適用されることで、子供用玩具としての満足感を与えることができる。

【国際調査報告】