(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-02
(54)【発明の名称】LEDディスプレイの補正方法及び関連装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20221026BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 642A
G09G3/20 670L
G09G3/20 641P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539394
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(85)【翻訳文提出日】2021-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2021078684
(87)【国際公開番号】W WO2022021874
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】202010751971.5
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520166187
【氏名又は名称】深▲せん▼市艾比森光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN ABSEN OPTOELECTRONIC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】馮 双磊
(72)【発明者】
【氏名】呉 涛
(72)【発明者】
【氏名】丁 崇康
(72)【発明者】
【氏名】肖 道粲
【テーマコード(参考)】
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
5C080AA07
5C080CC03
5C080DD05
5C080DD20
5C080EE01
5C080EE17
5C080EE19
5C080JJ02
5C080JJ07
5C380AA03
5C380AB34
5C380BA42
5C380BB03
5C380BB04
5C380BB06
5C380CF62
5C380FA04
5C380FA05
(57)【要約】
本出願の実施形態は、LEDディスプレイの補正方法及び関連する装置を提供する。前記方法は、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数とに基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出することと、ドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことと、を含む。本願で提供される方法及び装置は、熱補償補正係数とドット毎補正係数を分けて別々に補正することで、LEDディスプレイモジュール位置の変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同じ構造とPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDディスプレイの補正方法であって、
LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出することと、
前記ドット毎熱補償補正係数に基づいて、前記LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことと、
を含み、
前記熱補償補正係数は、前記LEDディスプレイ筐体の機械構造に関係し、前記LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であり、
前記ドット毎補正係数は、前記LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関係し、
前記ドット毎熱補償補正係数は、前記LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、前記LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係である、
ことを特徴とする画像デコーディング方法。
【請求項2】
前記LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数及びドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出することは、
前記熱補償補正係数と前記ドット毎補正係数を乗算して、前記ドット毎熱補償補正係数を求めることを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドット毎熱補償補正係数に基づいて、前記LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことは、
前記LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、前記ドット毎熱補償補正係数に基づいて前記LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ドット毎熱補償補正係数に基づいて、前記LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことは、
前記LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満である場合、第1のドット毎熱補償補正係数を使用して、前記LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことと、
前記LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値より大きい場合、第2のドット毎熱補償補正係数を使用して、前記LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことと、
前記LEDディスプレイ筐体の温度が前記第1閾値以上であり且つ前記第2閾値以下である場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いて前記LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことと、
を含み、
ここでは、前記第1のドット毎熱補償補正係数、前記第2のドット毎熱補償補正係数及び前記第3のドット毎熱補償補正係数は、異なる値の前記ドット毎熱補償補正係数である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ドット毎熱補償補正係数を算出する前に、前記方法は、
前記LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を行ってサンプル筐体を取得し、コールドスクリーン補正後の前記LEDディスプレイ筐体をサンプル筐体とすることと、
前記サンプル筐体が熱平衡状態になるまで、前記サンプル筐体に対して白色光老化処理を行い、前記熱平衡状態とは、前記サンプル筐体の熱分布と最高温度が変化しなくなる状態であることと、
前記熱平衡状態にある前記サンプル筐体の赤の輝度値の行列を収集することと、
前記赤の輝度値行列に基づいて、前記LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出し、前記熱補償補正係数行列は前記熱補償補正係数を含むことと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記赤の輝度値行列に基づいて、前記LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出することは、
前記赤の輝度値行列の最大値を前記赤の輝度値行列で除算して、前記LEDディスプレイ筐体の前記熱補償補正係数行列を算出することを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ドット毎熱補償補正係数を算出する前に、前記方法は、
前記LEDディスプレイ筐体の輝度と色度のデータを収集することと、
前記LEDディスプレイ筐体の輝度と色度データに基づいて、前記LEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数行列を算出し、前記ドット毎補正係数行列は、前記ドット毎補正係数を含むことと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ドット毎補正係数と前記熱補償補正係数は、異なる場所に格納される、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
LEDディスプレイの補正装置であって、
演算部と補正部を含み、
前記演算部は、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出するために使用され、前記熱補償補正係数は、前記LEDディスプレイ筐体の機械構造に関係し、前記LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であり、前記ドット毎補正係数は、前記LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関係し、前記ドット毎熱補償補正係数は、前記LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、前記LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であり、
前記補正部は、前記ドット毎熱補償補正係数に基づいて、前記LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために使用される、
ことを特徴とするLEDディスプレイの補正装置。
【請求項10】
電子デバイスであって
プロセッサ及びメモリを備え、
前記メモリはプログラム命令を格納し、前記プログラム命令が前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を実行させる、
ことを特徴とする電子デバイス。
【請求項11】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが格納されており、前記コンピュータプログラムが1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を実行する、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、表示技術の分野に関し、特に、発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)ディスプレイの補正方法及び関連装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDディスプレイは、小さなLEDモジュールパネルで構成されるフラットパネルディスプレイであり、テキスト、画像、動画などのさまざまな情報を表示すために使用される。LEDディスプレイは、信号機、劇場公演、ニュース配信など様々なシーンで幅広く使用できるため、LEDディスプレイの表示品質に対する要求はますます高まっている。ここでは、LEDディスプレイの発光輝度と色度は、表示品質の2つの重要な指標である。LEDディスプレイの発光輝度は、温度の上昇とともに低下し、発光色度の異なるLEDは、温度による影響も異なる。そのため、LEDディスプレイの熱分布の不均一による表示輝度・色度の均一性の低下が技術分野で大きな課題となっている。
【0003】
現在、上記のディスプレイの輝度と色度の均一性欠如の課題を解決するために、ドット毎熱補償補正の方法が一般的に使用されている。ドット毎熱補償補正は、まずLEDディスプレイの熱補償補正を行い、LEDディスプレイが熱平衡状態になった後、LEDディスプレイのドット毎補正を行う。但し、上記のドット毎熱補償補正方法では、時間がかかりすぎて補正効率が悪く、LEDディスプレイモジュールの位置変更があった場合、熱補償補正が期待通りの効果を得られない。
【発明の概要】
【0004】
本実施形態は、LEDディスプレイの補正方法及び関連装置を開示し、熱補償補正係数とドット毎補正係数を分けて別々に補正することで、LEDディスプレイモジュールの位置変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同じ構造とプリント回路基板(printed circuit board,PCB)レイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0005】
第1の態様では、本実施形態は、LEDディスプレイの補正方法を開示する。LEDディスプレイの補正方法は、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出することと、ドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体の補正を行うことと、を含む。熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係である。ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関係する。ドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係である。
【0006】
本実施形態では、従来の補正方法で使用される熱補償補正係数がドット毎補正係数に含まれており、ドット毎補正係数はLEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係しているので、熱補償補正係数もLEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係している。即ち、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、そのモジュール位置変更によって熱補償補正係数が影響を受けるため、熱補償補正が期待通りの効果を達成できない。本実施形態では、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つの部分に分けて補正し、且つ別々に2つの補正係数として保存するため、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0007】
第1の態様の可能な実施形態では、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数及びドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出することは、
熱補償補正係数とドット毎補正係数を乗算して、ドット毎熱補償補正係数を算出することを含む。
【0008】
本実施形態では、熱補償補正とドット毎補正を2つの異なる補正に分け、2つの補正は係数が別々となる。熱補償補正係数とドット毎補正係数との積を計算することにより、得られたドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造のみに関連し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係である。従って、補正を分けることが可能となり、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更しても熱補償補正は依然として有効である。
【0009】
第1の態様の可能な実施形態では、ドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことは、
LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、ドット毎熱補償補正係数に基づいてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことを含む。
【0010】
本実施形態では、算出されたドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造のみに関連し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であるため、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更されても、熱補償補正は依然として有効である。
【0011】
第1の態様の可能な実施形態では、ドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことは、
LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満である場合、第1のドット毎熱補償補正係数を使用してLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことと、
LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値より大きい場合、第2のドット毎熱補償補正係数を使用してLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことと、
LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値以上であり且つ第2閾値以下である場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことと、
を含み、
ここでは、第1のドット毎熱補償補正係数、第2のドット毎熱補償補正係数及び第3のドット毎熱補償補正係数は、異なる値のドット毎熱補償補正係数である。
【0012】
本実施形態では、LEDディスプレイ筐体の異なる温度に基づいて、異なるドット毎熱補償補正係数を使用して、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数は温度によって異なるため、異なる熱補償補正係数とドット毎補正係数の積の結果も、複数の異なるドット毎熱補償補正係数に対応する。従って、LEDディスプレイ筐体の温度監視をドット毎熱補償補正係数に関連付けることができ、即ち、第1閾値、第2閾値などのような複数の温度閾値を設定できる。LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満であることが検出された場合、第1のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値よりも大きいことが検出された場合、第2のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値以上且つ第2閾値以下であると検出された場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。したがって、上記の補正方法により、LEDディスプレイ筐体の自動ドット毎熱補償補正機能を実現することができる。
【0013】
第1の態様の可能な実施形態では、ドット毎熱補償補正係数を算出する前に、本方法は、
LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を行ってサンプル筐体を取得し、コールドスクリーン補正後のLEDディスプレイ筐体をサンプル筐体とすることと、
サンプル筐体が熱平衡状態になるまで、サンプル筐体に対して白色光老化処理を行い、熱平衡状態とは、サンプル筐体の熱分布と最高温度が変化しない状態であることと、
熱平衡状態にあるサンプル筐体の赤の輝度値行列を収集することと、
赤の輝度値行列に基づいて、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出し、熱補償補正係数行列は熱補償補正係数を含むことと、
をさらに含む。
【0014】
本実施形態では、熱補償補正係数を求める方法を提供する。LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を施した後、LEDディスプレイ筐体の熱分布と最高温度が変化しなくなるまで白色光老化処理を行い、その後、LEDディスプレイ筐体の赤の輝度値行列を収集し、収集した赤の輝度値行列に基づいて熱補償補正係数を算出する。この方法で得られる熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは関係ない。
【0015】
第1の態様の可能な実施形態では、赤の輝度値行列に基づいて、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出することは、
赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算して、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出することを含む。
【0016】
本実施形態では、熱補償補正係数行列を算出する方法を提供する。収集されたサンプル筐体の赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算して熱補償補正係数行列を算出する。該熱補償補正係数行列は、異なる温度におけるLEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数を含む。
【0017】
第1の態様の可能な実施形態では、ドット毎熱補償補正係数を算出する前に、本方法は、
LEDディスプレイ筐体の輝度と色度のデータを収集することと、
LEDディスプレイ筐体の輝度と色度データに基づいて、LEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数行列を算出し、ドット毎補正係数行列は、ドット毎補正係数を含むことと、
をさらに含む。
【0018】
本実施形態では、ドット毎補正係数を取得する方法を提供する。LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データを収集し、該輝度・色度データに基づいてドット毎補正係数行列を算出する。該ドット毎補正係数行列は、ドット毎補正係数を含み、該ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関連性を有する。
【0019】
第1の態様の可能な実施形態では、ドット毎補正係数と熱補償補正係数は、異なる場所に格納される。
【0020】
本実施形態では、ドット毎補正係数と熱補償補正係数を別々に保存することにより、熱補償補正とドット毎補正を2つの部分に分けて補正し、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置の変更によって、熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0021】
第2の態様では、本実施形態は、LEDディスプレイの補正装置を開示する。LEDディスプレイの補正装置は、演算部と補正部を含む。演算部は、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出するために使用される。熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であり、ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関係する。ドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係である。補正部は、ドット毎熱補償補正係数に基づいてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために使用される。
【0022】
本実施形態では、従来の補正方法で使用される熱補償補正係数がドット毎補正係数に含まれており、ドット毎補正係数はLEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係しているので、熱補償補正係数もLEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係している。即ち、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、そのモジュール位置変更によって熱補償補正係数が影響を受けるため、熱補償補正が期待通りの効果を達成できない。本実施形態では、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つの部分に分けて補正し、且つ別々に2つの補正係数として保存するため、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0023】
第2の態様の可能な実施形態では、演算部は、具体的に熱補償補正係数とドット毎補正係数を乗算してドット毎熱補償補正係数を算出するために用いられる。
【0024】
本実施形態では、熱補償補正とドット毎補正を2つの異なる補正に分け、2つの補正は係数が別々となる。熱補償補正係数とドット毎補正係数との積を計算することにより、得られたドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造のみに関連し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係である。従って、補正を分けることが可能となり、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更しても熱補償補正は依然として有効である。
【0025】
第2の態様の可能な実施形態では、校正部は、具体的に、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、ドット毎熱補償補正係数に基づいてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために用いられる。
【0026】
本実施形態では、算出されたドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造のみに関連し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であるため、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更されても、熱補償補正は依然として有効である。
【0027】
第2の態様の実施形態では、補正部は、さらに、LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満である場合、第1のドット毎熱補償補正係数を使用してLEDディスプレイ筐体に対して補正を行い、LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値より大きい場合、第2のドット毎熱補償補正係数を使用してLEDディスプレイ筐体に対して補正を行い、LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値以上であり且つ第2閾値以下である場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために用いられる。ここでは、第1のドット毎熱補償補正係数、第2のドット毎熱補償補正係数及び第3のドット毎熱補償補正係数は、異なる値のドット毎熱補償補正係数である。
【0028】
本実施形態では、LEDディスプレイ筐体の異なる温度に基づいて、異なるドット毎熱補償補正係数を使用して、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数は温度によって異なるため、異なる熱補償補正係数とドット毎補正係数の積の結果も、複数の異なるドット毎熱補償補正係数に対応する。従って、LEDディスプレイ筐体の温度監視をドット毎熱補償補正係数に関連付けることができ、即ち、第1閾値、第2閾値などのような複数の温度閾値を設定できる。LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満であることが検出された場合、第1のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値よりも大きいことが検出された場合、第2のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値以上且つ第2閾値以下であると検出された場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。したがって、上記の補正方法により、LEDディスプレイ筐体の自動ドット毎熱補償補正機能を実現することができる。
【0029】
第2の態様の可能な実施形態では、校正部は、さらに、LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を行ってサンプル筐体を取得するために用いられ、コールドスクリーン補正後のLEDディスプレイ筐体をサンプル筐体とする。
【0030】
装置は、さらに、老化部及び収集部をさらに備える。老化部は、サンプル筐体が熱平衡状態になるまで、サンプル筐体に対して白色光老化処理を行うために使用され、熱平衡状態とは、サンプル筐体の熱分布と最高温度が変化しなくなる状態である。収集部は、熱平衡状態にあるサンプル筐体の赤の輝度値マトリックスを収集するために使用される。演算部は、さらに、赤の輝度値行列に基づいてLEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出するように使用され、熱補償補正係数行列は熱補償補正係数を含む。
【0031】
本実施形態では、熱補償補正係数を求める方法を提供する。LEDディスプレイ筐体にコールドスクリーン補正を施した後、LEDディスプレイ筐体の熱分布と最高温度が変化しなくなるまで白色光老化処理を行い、その後、LEDディスプレイ筐体の赤の輝度値行列を収集し、収集した赤の輝度値行列に基づいて熱補償補正係数を算出する。この方法で得られる熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは関係ない。
【0032】
第2の態様の可能な実施形態では、演算部は、さらに、赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算して、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出するために用いられる。
【0033】
本実施形態では、熱補償補正係数行列を算出する方法を提供する。サンプル筐体の収集された赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算して熱補償補正係数行列を算出する。該熱補償補正係数行列は、異なる温度におけるLEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数を含む。
【0034】
第2の態様の可能な実施形態では、収集部は、さらに、LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データを収集するためにも使用され、演算部は、さらに、LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データに基づいて、LEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数行列を算出するために使用される。ドット毎補正係数行列は、ドット毎補正係数を含む。
【0035】
本実施形態では、ドット毎補正係数を取得する方法を提供する。LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データを収集し、輝度・色度データに基づいてドット毎補正係数行列を算出する。該ドット毎補正係数行列はドット毎補正係数を含み、ドット毎補正係数はLEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関連性を有する。
【0036】
第2の態様の可能な実施形態では、ドット毎補正係数と熱補償補正係数は、異なる場所に格納される。
【0037】
本実施形態では、ドット毎補正係数と熱補償補正係数を別々に保存することにより、熱補償補正とドット毎補正を2つの部分に分けて補正し、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置の変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0038】
第3の態様では、本実施形態は、LEDディスプレイ補正の電子デバイスを開示する。電子デバイスは、メモリとプロセッサを含み、メモリにはプログラム命令が格納されている。プログラム命令がプロセッサによって実行されると、プロセッサは、第1の態様、又は第1の態様の可能な実施方式のいずれかの方法を実行する。
【0039】
第4の態様では、本実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を開示する。コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが格納されている。コンピュータプログラムが1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、第1の態様、又は第1の態様の可能な実施方式のいずれかの方法を実行する。
【0040】
本実施形態では、熱補償補正に使用される熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造とモジュールの位置に関連し、ドット毎補正に使用されるドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係しているため、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、熱補償補正係数が影響を受けて、熱補償補正が期待通りの効果を達成できない。但し、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つの部分に分けて補正し、且つ2つの補正係数として保存するため、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決できる。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本実施形態又は背景技術の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、本実施形態又は背景技術で使用する必要な図面を簡単に説明する。
【
図1】
図1は、本願の実施形態に係わるLEDディスプレイ筐体補正の概略アーキテクチャ図である。
【
図2】
図2は、本願の実施形態に係わるLEDディスプレイの補正方法の概略フローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態に係わる別のLEDディスプレイの補正方法の概略フローチャートである。
【
図4】
図4は、本願の実施形態に係わるLEDディスプレイ補正装置の概略構造図である。
【
図5】
図5は、本願の実施形態に係わるLEDディスプレイ補正装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本出願の目的、技術的解決策、及び利点をより明確にするために、以下、添付の図面と併せて本願をさらに説明する。
【0043】
本出願の明細書、請求の範囲、及び添付図面における用語「第1」及び「第2」は、特定の順序を説明するためではなく、ただ異なる対象を区別するために使用される。さらに、「含む」及び「有する」という用語及び類似表現は、非排他的な包含を含むことを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットのプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスなどを含む。リストされたステップ又はユニットに限定されず、オプションとしてさらにリストされていないステップ又はユニットを含む。又は、これらのプロセス、方法、製品、装置等の固有の他のステップ又はユニットをさらに含む。
【0044】
本明細書で記載されている「実施形態」は、ある実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本願の少なくとも1つの実施形態に含まれる可能性があることを意味する。明細書の様々な箇所に現れる該語句は、必ずしも同じ実施形態を指すものではなく、また、他の実施形態と相互に排他的な独立した又は代替の実施形態でもない。本業界の技術者は、本明細書に記載の実施形態を他の実施形態と組み合わせることができることを明示的及び暗示的に理解することができる。
【0045】
本願では、「少なくとも1つ(項目)」は1つ以上、「複数」は2つ以上、「少なくとも2つ(項目)」は2つ又は3つ以上を意味する。「及び/又は」は、関連する対象の関連性を説明するために使用され、3つの関係が存在し得ることを示す。例えば、「A及び/又はB」とは、Aのみ存在、Bのみ存在、及びAとBの両方の存在を示すことができ、ここで、A、Bは単数でも複数でもよい。文字「/」は、通常、前後の関連オブジェクトが「又は」の関係であることを示す。「以下の少なくとも1つ」又は類似の表現は、これらの項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b、又はcのうち少なくとも1項目(個)」は、a、b、c、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、又は「a及びb及びc」を示すことができる。
【0046】
本実施形態は、LEDディスプレイの補正方法を提供する。本願の解決策をより明確に説明するために、以下、先ず、LEDディスプレイ筐体の補正に関する知識を説明する。
【0047】
LEDディスプレイ筐体:LEDディスプレイ筐体とは、簡単に言うと、複数の組み合わせ・結合可能な表示ユニット(ユニット表示パネル又はユニットディスプレイ筐体)で構成されたスクリーン本体である。異なる環境に適合するために、適切なコントローラ(メイン制御ボード又は制御システム)1セット搭載するので、さまざまな表示パネル(又はユニット筐体)が異なる制御技術のコントローラと連携して、異なるLEDディスプレイを構成して、様々なディスプレイ要件を満たすことができる。LEDディスプレイ筐体の面積は、大きすぎてはない。一般的に、1つの筐体スには1つのディスプレイが付いている。主な設置方法は吊り上げ設置である。ディスプレイの両面で1つのLEDコントロールカードを共有でき、コントロールカードはパーティションのコントロールカードを使用している。一般的に両面の面積は等しく、表示内容も同じであり、ソフトウェアの内容を同じ2つの部分に分割すればよい。LEDディスプレイ筐体は、ステージ、会議、屋外など様々な分野で使用されているが、テンプレートの重量が非常に重く、使い勝手が悪く、コストも高いため、技術の向上に伴い、LEDディスプレイ筐体は改造され、ますます簡素化されている。LEDディスプレイ筐体は、放熱が速く、放熱性能が高いため、モジュール回路を効果的に保護することができる。抗干渉と独自の抗電磁波干渉機能を備え、強度が高く、容器の引張強度は300kgに達する。
【0048】
LEDディスプレイモジュール:LEDディスプレイモジュールは、LEDディスプレイ製品を構成する主要コンポーネントの1つであり、主にLEDライト、PCB回路基板、ドライバーIC、抵抗器、コンデンサ、プラスチックキットで構成されている。
【0049】
LEDディスプレイモジュールは、色に応じて、単色モジュール(赤の単色、緑の単色、青の単色、黄の単色、白の単色など)、二色モジュール(赤と緑の2色、赤と青の2色など)、フルカラーモジュール(主に赤、緑、青の3原色をLEDモジュールに使用する製品)に分けられる。LEDディスプレイモジュールは、使用する環境に応じて、屋内用、半屋外用、屋外用の3種類のモジュールに分けられる。使用される異なるLEDパッケージデバイスに応じて、LEDディスプレイモジュールは、インラインLEDディスプレイモジュール、屋内ドットマトリックスLEDディスプレイモジュール、及び表面実装LEDディスプレイモジュールに分けることができる。
【0050】
ドット毎補正:ドット毎補正は、LEDディスプレイの輝度と色度の均一性と色忠実性を向上させるための技術である。即ち、LEDディスプレイ上の各ピクセル(又は各原色サブピクセル)領域の輝度(及び色度)データを収集し、各原色サブピクセルの補正係数又は各ピクセルの補正係数行列を求めて、それをディスプレイの制御システムに送信し、制御システムは補正係数を使用して、各ピクセル(又は各原色サブピクセル)の異なる駆動を実現することで、LEDディスプレイの画像が純粋で繊細なものとなり、色が真に復元される。
【0051】
以下、本実施形態の添付図面を参照しながら本実施形態を説明する。
【0052】
図1は、本願の実施形態に係わるLEDディスプレイ筐体補正の概略アーキテクチャ図である。
図1に示されたように、該アーキテクチャ図には、LEDディスプレイ筐体、LEDコントローラ、制御コンピュータ、及びカメラが含まれる。カメラは、LED筐体の輝度と色度のデータを収集し、収集した輝度と色度のデータを制御コンピュータに送信する。制御コンピュータでドット毎補正係数を算出し、制御コンピュータはLEDコントローラのネットワークに接続され、算出したドット毎補正係数でLEDディスプレイ筐体のドット毎の輝度と色度を補正するようにLEDコントローラに指示する。ドット毎色度補正は、RGBカラーマッチングの原理に基づいて、RGB3色の色座標を変更することで色差の問題を解決する。ドット毎の輝度と色度の補正を行う場合、補正後のRGB3色の色座標を合理的に選択し、色の歪みを防ぐ必要がある。ドット毎の輝度・色度補正は、LEDごとに輝度と色の均一性を調整することである。上記補正のアーキテクチャ図は、工場で標準化管理されている補正に適しており、筐体を自由に組み合わせることができ、筐体のエッジは自動的に修正されて、補正角度は一致し且つ最小であり、補正効率は高く、補正コストは低い。
【0053】
LEDディスプレイ筐体の補正効果は、主にLEDディスプレイの表示品質から判断でき、LEDディスプレイの発光輝度と色度は、表示品質の2つの重要な指標である。LEDディスプレイの発光輝度は、温度の上昇とともに低下し、発光色度の異なるLEDは、温度による影響も異なる。したがって、LEDディスプレイ筐体の補正方法によって、LEDディスプレイの熱分布の不均一に起因する表示輝度・色度の均一性の低下を解決することが技術分野における主要な研究方向である。現在、上記のディスプレイの輝度と色度の均一性の低下の課題を解決するために、ドット毎熱補償補正の方法が一般的に使用されている。ドット毎熱補償補正は、まずLEDディスプレイの熱補償補正を行い、LEDディスプレイが熱平衡状態になった後、LEDディスプレイのドット毎補正を行う。但し、上記のドット毎熱補償補正方法は、時間がかかりすぎて補正効率が低く、LEDディスプレイモジュールの位置が変更する場合、熱補償補正係数が位置の変化に伴って変化するため、熱補償補正が期待通りの効果を得られない。
【0054】
図2を参照してください。
図2は、本願の実施形態に係わるLEDディスプレイの補正方法の概略フローチャートであり、該方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0055】
ステップ201:LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数及びドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出する。
【0056】
LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出する。熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であり、即ち、LEDディスプレイ筐体の機械的構造が変化すると、それに応じてLEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数も変化する。また、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数は、モジュール位置の変更によって変化しない。ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関係している。即ち、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更すると、それに応じてLEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数も変化する。ドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係である。即ち、LEDディスプレイ筐体の機械的構造が変化すると、それに応じてLEDディスプレイ筐体のドット毎熱補償補正係数も変化するが、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更しても、LEDディスプレイ筐体のドット毎熱補償補正係数は変化しない。本実施形態では、ドット毎の熱補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことで、LEDディスプレイ筐体のモジュールの位置が変更した場合でも、ドット毎熱補償補正を行い、期待通りの効果を得ることができることがわかる。本実施形態では、従来の熱平衡後のドット毎補正を、ドット毎補正と熱補償補正の2つ部分に分けて補正し、且つ2つの補正係数として保存する。分けられた熱補償補正係数は、同じ構造とPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して一度だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0057】
具体的には、ドット毎熱補償補正係数を求める計算方法は複数の可能があり、本実施形態では、その可能な実施方法を提供する。LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数を乗算し、その積の結果をドット毎熱補償補正係数とする。ドット毎補正係数は、ディスプレイ筐体の輝度・色度データを収集し、収集した該輝度・色度データに基づいてドット毎補正係数行列を算出する。該ドット毎補正係数行列は、複数の異なるドット毎補正係数を含み、ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係する。熱補償補正係数は、次の方法で取得することができる。先ず、LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を行う。具体的には、コールドスクリーン補正は、上記のLEDディスプレイ筐体を室温で点灯させてから1分以内にドット毎の輝度・色度補正を完了させる。ここでの室温は約25℃であり、コールドスクリーン補正後のLEDディスプレイ筐体をサンプル筐体として使用する。オプションとして、上記のドット毎補正係数がこの時点でサンプル筐体の輝度と色度データを収集して、ドット毎補正係数行列を算出することができる。次にLEDサンプル筐体を100%の輝度で点灯させ、白色光老化を約30分間行って、LEDサンプル筐体を熱平衡状態にする。熱平衡状態とは、LEDサンプル筐体の熱分布が変化せず、且つ最高温度も変化しないことを意味し、即ち、LEDサンプル筐体が熱平衡状態に達したと見なせる。その後、コールドスクリーン補正後、熱平衡状態に達したサンプル筐体の赤の輝度値行列を収集し、収集した赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算した結果を熱補償補正係数行列とする。熱補償補正係数行列は、複数の熱補償補正係数を含み、熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造のみに関連し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置の変化にしたがって変化しない。上述した得られたドット毎補正係数と熱補償補正係数を別々に異なる場所に格納することにより、係数の分離を可能にする。さらに、LEDコントローラネットワークに接続されている制御コンピュータは、LEDコントローラの上位コンピュータソフトウェアを介して、熱補償補正係数行列をLEDコントローラの受信カードに送信することで、熱補償補正係数行列とドット毎補正係数行列のポイントツーポイント係数を乗算して、複数のドット毎熱補償補正係数を得ることができ、ドット毎熱補償補正係数によるドット毎熱補償補正機能を実現できる。
【0058】
ステップ202:上記の算出されたドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。
【0059】
上記ステップ201から、算出されたドット毎熱補償補正係数はLEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係であり、即ちモジュール位置が変更してもドット毎熱補償補正係数は変化しないことを分かることができるため、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更しても、上記の算出されたドット毎熱補償補正係数に基づいてLEDディスプレイ筐体に対して補正し、ドット毎熱補償補正機能を実現することができる。また、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つの部分に分けて補正し、且つ2つの補正係数として保存する。分けられた熱補償補正係数は同じ構造とPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して一回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0060】
具体的には、LEDディスプレイ筐体補正装置は、LEDディスプレイ筐体の異なる温度に基づいて、異なるドット毎熱補償補正係数を使用して、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数は温度によって異なるため、異なる熱補償補正係数とドット毎補正係数の積の結果も、複数の異なるドット毎熱補償補正係数に対応する。従って、LEDディスプレイ筐体の温度監視をドット毎熱補償補正係数に関連付けることができ、即ち、第1閾値、第2閾値などの複数の温度閾値を設定できる。LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満であることが検出された場合、第1のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値よりも大きいことが検出された場合、第2のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値以上且つ第2閾値以下であると検出された場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。ここでは、第1閾値と第2閾値は固定値ではなく、利用シーンに応じて異なる設定が可能であり、例えば、第1閾値を50℃、第2閾値を70℃に設定してもよい。したがって、上記の補正方法を用いて、LEDディスプレイ筐体の温度監視をドット毎熱補償補正係数の指令に関連付けて、LEDディスプレイ筐体の自動ドット毎熱補償補正機能を実現することができる。
【0061】
図3を参照すると、
図3は、本実施形態に係わる別のLEDディスプレイの補正方法の概略フローチャートである。該方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0062】
ステップ301:LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データに基づいて、LEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数を算出する。
【0063】
LED制御コンピュータなどのLEDディスプレイ筐体の補正装置は、カメラなどの外部接続デバイスを介して、LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データを収集し、該輝度・色度データに基づいてドット毎補正係数行列を算出する。該ドット毎補正係数行列はドット毎補正係数を含み、ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関連性を有する。オプションとして、LED制御コンピュータなどのLEDディスプレイ筐体の補正装置のネットワークに接続されるLEDコントローラは、算出されたLEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体に対してドット毎補正を行うことができる。ドット毎補正は、LEDディスプレイの輝度と色度の均一性と色忠実性を向上させるための技術である。即ち、LEDディスプレイ上の各ピクセル(又は各原色サブピクセル)領域の輝度(及び色度)データを収集し、各原色サブピクセルの補正係数又は各ピクセルの補正係数行列を求めて、それをディスプレイの制御システムに送信し、制御システムに補正係数が適用され、各ピクセル(又は各原色サブピクセル)の異なる駆動を実現することで、LEDディスプレイの画像が純粋で繊細なものとなり、色が真に復元される。
【0064】
ステップ302:コールドスクリーン補正後、熱平衡状態に達したLEDディスプレイ筐体の赤の輝度値行列を収集する。
【0065】
このステップでは、LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を行う。具体的には、コールドスクリーン補正は、上記のLEDディスプレイ筐体を室温で点灯させてから1分以内にドット毎の輝度・色度補正を完了させる。ここでの室温は約25℃であり、コールドスクリーン補正後のLEDディスプレイ筐体をサンプル筐体として使用する。オプションとして、上記のドット毎補正係数がこの時点でサンプル筐体の輝度と色度データを収集して、ドット毎補正係数行列を算出することができる。次にLEDサンプル筐体を100%の輝度で点灯させ、白色光老化ステップを約30分間行って、LEDサンプル筐体を熱平衡状態にする。熱平衡状態とは、LEDサンプル筐体の熱分布が変化せず、且つ最高温度も変化しないことを意味し、即ち、LEDサンプル筐体が熱平衡状態に達したと見なせる。その後、コールドスクリーン補正後、熱平衡状態に達したサンプル筐体の赤の輝度値行列を収集し、収集した該赤の輝度値行列を用いて、LEDサンプル筐体の熱補償補正係数を算出することができる。
【0066】
ステップ303:上記の収集した赤の輝度値行列に基づいて、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数を算出する。
【0067】
上記のステップ302でLEDディスプレイ筐体の赤の輝度値行列を収集できる。該赤の輝度・色度値行列は、LEDサンプル筐体の熱補償補正係数を算出するために使用できる。具体的には、収集した赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算した結果を熱補償補正係数行列として使用することができ、熱補償補正係数行列は複数の熱補償補正係数を含み、この方法で得られる熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係である。なお、上記の求めたドット毎補正係数と熱補償補正係数は別々の異なる場所に保存されており、ドット毎補正係数と熱補償補正係数を別々に保存することにより、熱補償補正とドット毎補正を2つの部分に分けて補正し、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置の変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0068】
ステップ304:上記の算出されたドット毎補正係数及び熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体のドット毎熱補償補正係数を計算する。
【0069】
以上のステップ301~303によって、LEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数と熱補償補正係数を算出でき、両者を異なる場所に保存することにより、係数の分離が可能となる。さらに、LEDコントローラネットワークに接続されている制御コンピュータは、LEDコントローラの上位コンピュータソフトウェアを介して、熱補償補正係数行列をLEDコントローラの受信カードに送信することで、熱補償補正係数行列とドット毎補正係数行列のポイントツーポイント係数を乗算して、複数のドット毎熱補償補正係数を得ることができ、ドット毎熱補償補正係数によってドット毎熱補償補正機能を実現できる。上記の算出されたドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係であり、即ちモジュール位置が変更してもドット毎熱補償補正係数は変化しない。従って、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更しても、上記の算出されたドット毎熱補償補正係数に基づいてLEDディスプレイ筐体に対して補正し、ドット毎熱補償補正機能を実現することができる。また、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つ部分に分けて補正し、且つ別々に2つの補正係数として保存する。分けられた熱補償補正係数は同じ構造とPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して一回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0070】
ステップ305:上記の算出されたドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。
【0071】
上記のステップ202と一致する。
【0072】
本実施形態の方法は上記で詳述され、本実施形態の装置は以下で提供される。
【0073】
図4を参照すると、
図4は、本願の実施形態に係わるLEDディスプレイの補正装置40の概略構造図である。該LEDディスプレイ補正装置は、演算部401、補正部402、老化部403及び収集部404を含むことができ、各部の説明は以下の通りである。
【0074】
演算部401は、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出するために使用される。熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係であり、ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関係する。ドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係である。
【0075】
補正部402は、ドット毎熱補償補正係数に基づいてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために使用される。
【0076】
本実施形態では、従来の補正方法で使用される熱補償補正係数はドット毎補正係数に含まれており、ドット毎補正係数はLEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係しているので、熱補償補正係数もLEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係している。即ち、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、そのモジュール位置変更によって熱補償補正係数が影響を受けるため、熱補償補正が期待通りの効果を達成できない。本実施形態では、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つの部分に分けて補正し、且つ別々に2つの補正係数として保存するため、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0077】
可能な実施形態では、演算部401は、具体的に、熱補償補正係数とドット毎補正係数を乗算して、ドット毎熱補償補正係数を算出するために用いられる。
【0078】
本実施形態では、熱補償補正とドット毎補正を2つの異なる補正に分け、2つの補正は係数が別々となる。熱補償補正係数とドット毎補正係数との積を計算することにより、得られたドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造のみに関連し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係である。従って、補正を分けることが可能となり、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更しても熱補償補正は依然として有効である。
【0079】
他の可能な実施形態では、校正部402は、具体的に、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、ドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために用いられる。
【0080】
本実施形態では、算出されたドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造のみに関連し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であるため、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更されても、熱補償補正は依然として有効である。
【0081】
他の実施形態では、補正部402は、さらに、LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満である場合、第1のドット毎熱補償補正係数を使用してLEDディスプレイ筐体に対して補正を行い、LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値より大きい場合、第2のドット毎熱補償補正係数を使用してLEDディスプレイ筐体に対して補正を行い、LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値以上であり且つ第2閾値以下である場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために用いられる。ここでは、第1のドット毎熱補償補正係数、第2のドット毎熱補償補正係数及び第3のドット毎熱補償補正係数は、異なる値のドット毎熱補償補正係数である。
【0082】
本実施形態において、LEDディスプレイ筐体の異なる温度に基づいて、異なるドット毎熱補償補正係数を使用して、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数は温度によって異なるため、異なる熱補償補正係数とドット毎補正係数の積の結果も、複数の異なるドット毎熱補償補正係数に対応する。従って、LEDディスプレイ筐体の温度監視をドット毎熱補償補正係数に関連付けることができ、即ち、第1閾値、第2閾値などの複数の温度閾値を設定できる。LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満であることが検出された場合、第1のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値よりも大きいことが検出された場合、第2のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値以上且つ第2閾値以下であると検出された場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う。従って、上記の補正方法により、LEDディスプレイ筐体の自動ドット毎熱補償補正機能を実現することができる。
【0083】
他の可能な実施形態では、校正部402は、さらに、LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を行って、サンプル筐体を取得し、コールドスクリーン補正後のLEDディスプレイ筐体をサンプル筐体とする。
【0084】
老化部403は、サンプル筐体が熱平衡状態になるまで、サンプル筐体に対して白色光老化処理を行うために使用される。熱平衡状態とは、サンプル筐体の熱分布と最高温度が変化しなくなる状態である。
【0085】
収集部404は、熱平衡状態にあるサンプル筐体の赤の輝度値行列を収集するために使用される。
【0086】
演算部401は、さらに、赤の輝度値行列に基づいてLEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出するために使用される。熱補償補正係数行列は熱補償補正係数を含む。
【0087】
本実施形態では、熱補償補正係数を求める方法を提供する。LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を施した後、LEDディスプレイ筐体の熱分布と最高温度が変化しなくなるまで白色光老化処理を行い、その後、LEDディスプレイ筐体の赤の輝度値行列を収集し、収集した赤の輝度値行列に基づいて熱補償補正係数を算出する。この方法で得られる熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と無関係である。
【0088】
他の可能な実施形態では、演算部401は、さらに、赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算して、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出する。
【0089】
本実施形態では、熱補償補正係数行列を算出する方法を提供する。収集されたサンプル筐体の赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算して熱補償補正係数行列を算出する。該熱補償補正係数行列は、異なる温度におけるLEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数を含む。
【0090】
他の可能な実施形態では、収集部404は、さらに、LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データを収集するためにも使用される。
【0091】
演算部401は、さらに、LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データに基づいて、LEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数行列を算出するために使用される。ドット毎補正係数行列は、ドット毎補正係数を含む。
【0092】
本実施形態では、ドット毎補正係数を取得する方法が提供される。LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データを収集し、該輝度・色度データに基づいて、ドット毎補正係数行列を算出する。該ドット毎補正係数行列はドット毎補正係数を含み、該ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関連性を有する。
【0093】
さらに、他の可能な実施形態では、ドット毎補正係数と熱補償補正係数は、異なる場所に保存される。
【0094】
本実施形態では、ドット毎補正係数と熱補償補正係数を別々に保存することにより、熱補償補正とドット毎補正を2つ部分に分けて補正し、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置の変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0095】
本実施形態によれば、
図4に示された装置の各ユニットは、それぞれ又は全て1つ又はいくつかの他のユニットに組み合わせたり、又は、そのうちの1つ(いくつか)をさらに分割して機能的に複数のさらに小さいユニットを形成することもでき、本実施形態の技術的効果の実現に影響を与えることなく、同様の動作を実現することができる。上記のユニットは論理機能に基づいて分割されているが、実際の適用においては、1つのユニットの機能を複数のユニットで実現してもよく、又は複数のユニットの機能を1つのユニットで実現してもよい。本願の他の実施形態において、端末に基づいて他のユニットを含むことができ、実際の適用において、これらの機能は、他のユニットの支援を受けて実現されてもよく、複数のユニットが連携して実現されてもよい。
【0096】
なお、各ユニットの実現は、
図2及び
図3に示された方法の実施例の対応する説明を参照することもできる。
【0097】
図4に示されたLEDディスプレイの補正装置では、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つ部分に分けて補正し、且つ2つの補正係数として保存するため、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置の変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決することができる。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0098】
図5を参照すると、
図5は、本願の実施形態に係わるLEDディスプレイ補正装置50の概略構造図であり、該LED表示補正装置50は、メモリ501及びプロセッサ502を含むことができる。さらにオプションとして、バス503をさらに含むことができ、メモリ501はバス503を介してプロセッサ502に接続される。
【0099】
ここでは、メモリ501は、格納空間を提供するために使用され、格納空間は、オペレーティングシステム及びコンピュータプログラムなどのデータを格納することができる。メモリ501は、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory,ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(erasable programmable read only memory,EPROM)、又はポータブル読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory,CD-ROM)を含むが、これらに限定されない。
【0100】
プロセッサ502は、算術演算及び論理演算を行うモジュールであり、中央処理装置(central processing unit,CPU)、グラフィック処理装置(graphics processing unit,GPU)、又はマイクロプロセッサ(microprocessor unit,MPU)などの処理モジュールの1つ又は複数の組み合わせであってもよい。
【0101】
メモリ501にはコンピュータプログラムが格納されている。プロセッサ502は、メモリ501に格納されたコンピュータプログラムを呼び出して以下の動作を実行する。 LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数とドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出する。熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係であり、ドット毎補正係数は、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関係する。ドット毎熱補償補正係数は、LEDディスプレイ筐体の機械的構造に関係し、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置とは無関係である。ドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体の補正を行う。
【0102】
本実施形態では、従来の補正方法で使用される熱補償補正係数はドット毎補正係数に含まれており、ドット毎補正係数はLEDディスプレイ筐体のモジュール位置に関係しているので、熱補償補正係数もLEDディスプレイ筐体のモジュール位置と関係している。即ち、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更した場合、そのモジュール位置変更によって熱補償補正係数が影響を受けるため、熱補償補正が期待通りの効果を達成できない。本実施形態では、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つ部分に分けて補正し、且つ別々に2つの補正係数として保存するため、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置の変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決する。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0103】
可能な実施形態では、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数及びドット毎補正係数に基づいて、ドット毎熱補償補正係数を算出する。プロセッサ502は、具体的に、熱補償補正係数とドット毎補正係数を乗算して、ドット毎熱補償補正係数を算出するために使用される。
【0104】
可能な実施形態では、プロセッサ502は、ドット毎熱補償補正係数に基づいてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行う態様で、プロセッサ502は、具体的に、LEDディスプレイ筐体のモジュール位置が変更すると、ドット毎熱補償補正係数に基づいて、LEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために使用される。
【0105】
可能な実施形態では、ドット毎熱補償補正係数に基づいてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うことに関して、プロセッサ502は、具体的に、LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値未満である場合、第1のドット毎熱補償補正係数を使用してLEDディスプレイ筐体に対して補正を行い、LEDディスプレイ筐体の温度が第2閾値より大きい場合、第2のドット毎熱補償補正係数を使用してLEDディスプレイ筐体に対して補正を行い、LEDディスプレイ筐体の温度が第1閾値以上であり且つ第2閾値以下である場合、第3のドット毎熱補償補正係数を用いてLEDディスプレイ筐体に対して補正を行うために使用される。ここでは、第1のドット毎熱補償補正係数、第2のドット毎熱補償補正係数及び第3のドット毎熱補償補正係数は、異なる値のドット毎熱補償補正係数である。
【0106】
可能な実施形態では、ドット毎熱補償補正係数を算出する前に、プロセッサ502は、さらに、具体的に、LEDディスプレイ筐体に対してコールドスクリーン補正を行ってサンプル筐体を取得し、コールドスクリーン補正後のLEDディスプレイ筐体をサンプル筐体とすることと、サンプル筐体が熱平衡状態に達するまで、サンプル筐体に対して白色光老化処理を行い、熱平衡状態とは、サンプル筐体の熱分布と最高温度が変化しない状態であることと、熱平衡状態にあるサンプル筐体の赤の輝度値行列を収集することと、赤の輝度値行列に基づいて、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出し、熱補償補正係数行列は熱補償補正係数を含むことと、を実行するために使用される。
【0107】
可能な実施形態では、赤の輝度値行列に基づいて、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出することに関して、プロセッサ502は、具体的に、赤の輝度値行列の最大値を赤の輝度値行列で除算して、LEDディスプレイ筐体の熱補償補正係数行列を算出するために使用される。
【0108】
可能な実施形態では、ドット毎熱補償補正係数を算出前に、プロセッサ502は、具体的に、LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データを収集し、LEDディスプレイ筐体の輝度・色度データに基づいて、LEDディスプレイ筐体のドット毎補正係数行列を算出するために使用される。ドット毎補正係数行列は、ドット毎補正係数を含む。
【0109】
1つの可能な実装では、ドット毎補正係数と熱補償補正係数は、異なる場所に保存される。なお、LEDディスプレイ補正装置の具体的な実施方法については、
図2及び
図3に示す方法実施例の対応する説明を参照することもできる。
【0110】
図5に示されたLEDディスプレイの補正装置50では、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つの部分に分けて補正し、且つ別々に2つの補正係数として保存するため、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決できる。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0111】
本発明の実施形態は、さらに、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムに格納されている。コンピュータプログラムが1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、
図2及び
図3に示すLEDディスプレイの補正方法を実現できる。
【0112】
本実施形態は、さらに、コンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品がプロセッサによって実行されると、
図2及び
図3に示すLEDディスプレイの補正方法を実現できる。
【0113】
上述したように、本実施形態を実施することにより、従来の熱平衡後のドット毎補正をドット毎補正と熱補償補正の2つの部分に分けて補正し、且つ2つの補正係数として保存するため、熱補償補正後にLEDディスプレイ筐体のモジュール位置の変更による熱補償補正が期待される効果に達成できない問題を解決できる。また、分けられた熱補償補正係数は、同一構造及びPCBレイアウトのLEDディスプレイ筐体に対して1回だけ収集すればよく、補正効率を大幅に向上させる。
【0114】
本業界の一般的な技術者は、上記の実施形態の方法におけるプロセスの全部又は一部が実現され得ることを理解することができる。該プロセスはコンピュータプログラムに関連するハードウェアによって完成することができ、該コンピュータプログラムはコンピュータ可読記憶媒体に格納することができる。該コンピュータプログラムが実行されるとき、上記各方法の実施例のプロセスを含むことができる。前述の記憶媒体には、読み取り専用メモリ(ROM)又はランダム記憶メモリ(RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどのコンピュータプログラムコードを記憶できる各種媒体が含まれる。
【国際調査報告】