(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-02
(54)【発明の名称】乗り物通勤制御方法及び装置、電子機器、媒体、並びに車両
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20221026BHJP
G06V 10/82 20220101ALI20221026BHJP
G06V 20/59 20220101ALI20221026BHJP
G07C 9/37 20200101ALI20221026BHJP
【FI】
G06T7/00 660A
G06T7/00 350C
G06V10/82
G06V20/59
G07C9/37
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513629
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(85)【翻訳文提出日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2020092107
(87)【国際公開番号】W WO2021159630
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】202010092833.0
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519290264
【氏名又は名称】シャンハイ センスタイム インテリジェント テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ホン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,キン
【テーマコード(参考)】
3E138
5L096
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138JA01
3E138JB16
3E138JC01
3E138JC19
5L096DA02
5L096HA09
5L096JA03
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
本開示は、画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することと、体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定することと、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理することと、を含む乗り物通勤制御方法及び装置、電子機器、媒体、並びに車両に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することと、
体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定することと、
前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理することと、
を含むことを特徴とする乗り物通勤制御方法。
【請求項2】
前記乗り物の関連情報は、前記乗り物の位置特定情報、路線情報、ドライバー情報、および識別情報のうちの1つ以上を含み、および/または、
前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の室外に取り付けられ、または、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の室内に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項3】
前記乗り物は、車両であり、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、前記車両のドアまたはルーフまたはBピラーに取り付けられ、
前記方法は、
検出結果が、前記顔画像における搭乗者がマスクを着用していないことを検出したことと、検出した体温データが予め設定された体温範囲を超えたことと、前記顔画像の身分識別結果は搭乗者が乗車禁止のものであることを示すことと、を含む予め設定された条件の少なくとも1つを満たすことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項4】
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集した後に、前記方法は、
前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することと、
前記搭乗者が帽子を着用していることを検出したことに応じて、前記搭乗者に帽子を外すか、または額を露出させるよう提示するための第1の提示情報を発することと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項5】
前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することは、
前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、または前記搭乗者の額の温度の測定に成功できなかったことに応じて、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することを含むことを特徴とする請求項4に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項6】
前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することは、
第1のニューラルネットワークによって前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することを含み、前記第1のニューラルネットワークは、予め第1の訓練画像群および/または第2の訓練画像群により訓練されたもので、前記第1の訓練画像群における訓練画像には帽子を着用しているか否かのラベル情報が付いており、前記第2の訓練画像群における訓練画像には帽子のキーポイントのラベル情報が付いていることを特徴とする請求項4または5に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項7】
前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することは、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、前記顔画像における隠されていない顔キーポイントの位置を特定し、隠されていない顔キーポイントに基づいて前記顔画像の特徴を抽出することと、
抽出した前記顔画像の特徴に基づいて、前記搭乗者の身分情報を特定することと、
を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項8】
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集した後に、前記方法は、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出し、かつ前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、前記搭乗者にマスクを外すよう提示するための第2の提示情報を発するか、または、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、第2の提示情報を発することと、
前記画像収集モジュールによって前記搭乗者の顔画像を再収集することと、
をさらに含み、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することは、再収集した顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することを含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項9】
前記搭乗者の身分情報を特定した後に、前記方法は、前記搭乗者にマスクを着用するよう提示するための第3の提示情報を発することをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項10】
前記体温測定モジュールは、非接触型の体温測定モジュールを含み、
前記体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定する前に、前記方法は、人体が前記体温測定モジュールに近づくことを検出したことに応じて、前記搭乗者に温度測定される額または手首部位を露出させるよう、および/または温度測定される額または手首部位を前記体温測定モジュールに近づけるよう提示するための第4の提示情報を発することをさらに含むことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項11】
前記体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定した後に、前記方法は、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、体温異常を提示するための第5の提示情報を発することをさらに含み、および/または、
前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立した後に、前記方法は、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に、前記対応関係を含む第6の提示情報を送信することをさらに含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項12】
前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に第6の提示情報を送信することは、
前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記乗り物の位置特定情報および前記体温データの測定時間のうちの1つ以上に基づいて、前記搭乗者に対応する提示端末を特定し、前記搭乗者に対応する提示端末は、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上を含むことと、
前記提示端末に第6の提示情報を送信することと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項13】
前記対応関係を記憶処理した後に、前記方法は、
クエリ対象の搭乗者の身分情報を含むクエリリクエストを取得することと、
前記クエリ対象の搭乗者の身分情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した乗り物の関連情報および前記クエリ対象の搭乗者の乗り物搭乗時間を特定することと、
前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した乗り物の関連情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者と同じ時間に同じ乗り物に搭乗した搭乗者である前記クエリ対象の搭乗者の同乗者の身分情報を特定することと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項14】
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定するための収集及び識別モジュールと、
体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定するための温度測定モジュールと、
前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理するための確立及び記憶モジュールと、
を含むことを特徴とする乗り物通勤制御装置。
【請求項15】
1つ以上のプロセッサと、
実行可能命令を記憶処理するためのメモリと、
を備える電子機器であって、
前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能命令を呼び出して請求項1~13のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法を実行するように構成されることを特徴とする電子機器。
【請求項16】
コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行されると、請求項1~13のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法を実現させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
搭乗者の顔画像を収集するための画像収集モジュールと、
前記搭乗者の体温データを測定するための体温測定モジュールと、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定し、前記体温データの測定時間と前記車両の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理するための電子機器と、
が装着されていることを特徴とする車両。
【請求項18】
コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードが電子機器において動作すると、前記電子機器のプロセッサが請求項1~13のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法を実現させるための命令を実行することを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
「関連出願の相互参照」
本開示は、2020年2月14日に中国特許庁に出願された、出願番号が202010092833.0で、発明の名称が「乗り物通勤制御方法及び装置、電子機器、媒体、並びに車両」である中国特許出願の優先権を主張し、当該出願の全体内容は援用により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、交通技術分野に関し、特に、乗り物通勤制御方法及び装置、電子機器、媒体、並びに車両に関する。
【背景技術】
【0003】
乗り物において、通常、人が密集している。特に、学生などの特別な集団を対象とするか、又は、インフルエンザや肺炎等の伝染病が流行るなどの期間において、乗り物に対して通勤制御を行うことは重要な意味がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、乗り物通勤制御に関する技術案を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一方面によれば、
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することと、
体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定することと、
前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理することと、
を含む乗り物通勤制御方法を提供する。
【0006】
本開示の一方面によれば、
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定するための収集及び識別モジュールと、
体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定するための温度測定モジュールと、
前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理するための確立及び記憶モジュールと、
を含む乗り物通勤制御装置を提供する。
【0007】
本開示の一方面によれば、
搭乗者の顔画像を収集するための画像収集モジュールと、
前記搭乗者の体温データを測定するための体温測定モジュールと、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定し、前記体温データの測定時間と前記車両の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理するための電子機器と、
が装着されている車両を提供する。
【0008】
本開示の一方面によれば、1つ以上のプロセッサと、実行可能命令を記憶処理するためのメモリとを備え、前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能命令を呼び出して上記方法を実行するように構成される電子機器を提供する。
【0009】
本開示の一方面によれば、コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行されると、上記方法を実現させるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0010】
本開示の一方面によれば、コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードが電子機器において動作すると、前記電子機器のプロセッサが上記方法を実現させるための命令を実行するコンピュータプログラムを提供する。
【0011】
本開示の実施例では、画像収集モジュールによって、乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定し、体温測定モジュールによって、前記搭乗者の体温データを測定し、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理する。これにより、搭乗者の関係者(例えば保護者、学校、連絡者)が搭乗者の体温データをタイムリーに取得することに寄与することができ、後日における記憶されたデータに基づく遡及調査を容易にすることができ、特にインフルエンザや肺炎等の伝染病の流行期間における感染防止策に重要な意味がある。
【0012】
以上の一般的な説明および以下の詳細的な説明は、例示的や解釈的なものに過ぎず、本開示を制限するものではないことを理解すべきである。
【0013】
以下、図面を参照しながら例示的な実施例を詳細に説明することによって、本開示の他の特徴および方面は明瞭になる。
【0014】
明細書の一部として組み込まれる図面は、本開示による実施例を示し、明細書と共に本開示の技術的解決手段の説明に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の実施例による乗り物通勤制御方法のフローチャートを示す。
【
図2】本開示の実施例による乗り物通勤制御方法における前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールの取付位置の模式図を示す。
【
図3】本開示の実施例による乗り物通勤制御方法における前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールの取付位置の別の模式図を示す。
【
図4】本開示の実施例による乗り物による体温モニタリングシステムの模式図を示す。
【
図5】本開示の実施例による乗り物通勤制御装置のブロック図を示す。
【
図6】本開示の実施例による電子機器800のブロック図を示す。
【
図7】本開示の実施例による電子機器1900のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら本開示の様々な例示的実施例、特徴および方面を詳細に説明する。図面における同じ符号は、同じまたは類似する機能の要素を示す。図面において実施例の様々な方面を示したが、特に断らない限り、比例に従って図面を描く必要がない。
【0017】
ここでの用語「例示的」とは、「例、実施例として用いられることまたは説明的なもの」を意味する。ここで「例示的」に説明されるいかなる実施例は他の実施例より好ましいまたは優れるものであると理解すべきではない。
【0018】
本明細書における用語「および/または」は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、3つの関係が存在可能であることを示す。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在するケース、AとBの両方が存在するケース、Bのみが存在するケースという3つのケースを示すことができる。また、本明細書における「少なくとも1つ」という用語は、複数のうちのいずれか1つ、又は複数のうちの少なくとも2つの任意の組み合わせを示す。例えば、A、B、Cのうちの少なくとも1つを含むということは、A、BおよびCからなる集合から選択されるいずれか1つ又は複数の要素を含むことを示すことができる。
【0019】
また、本開示をより良く説明するために、以下の具体的な実施形態において多くの具体的な細部を示した。当業者であれば、本開示は、何らかの具体的な細部がなくても同様に実施できることを理解すべきである。いくつかの実施例では、本開示の趣旨を強調するために、当業者によく知られている方法、手段、要素および回路について、詳細な説明を省略する。
【0020】
図1は、本開示の実施例による乗り物通勤制御方法のフローチャートを示す。前記乗り物通勤制御方法の実行主体は、乗り物通勤制御装置であってもよい。例えば、前記乗り物通勤制御装置は、乗り物に取り付けられてもよい。例えば、前記乗り物通勤制御方法は、端末装置または他の処理装置により実行されてもよい。端末装置は、ユーザ装置(User Equipment、UE)、携帯機器、ユーザ端末、端末、手持ち機器、計算装置、または車載装置などであってもよい。いくつかの可能な実施形態において、前記乗り物通勤制御方法は、プロセッサがメモリに記憶されているコンピュータ読み取り可能な命令を呼び出すことにより実現されてもよい。
図1に示すように、前記乗り物通勤制御方法は、ステップS11~ステップS13を含む。
【0021】
ステップS11において、画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定する。
【0022】
本開示の実施例の乗り物は、公共交通機関であってもよく、プライベートな乗り物であってもよい。例えば、前記乗り物は、自動車(例えば、スクールバス、送迎バス、オンライン配車、バス)、地下鉄、列車、船、飛行機などであってもよい。乗り物の搭乗者は、乗り物に搭乗する任意の人を含んでよく、例えば、乗り物に搭乗する非運転者(例えば、乗客、乗務員など)を含んでもよく、乗り物の運転者を含んでもよい。
【0023】
本開示の実施例では、前記画像収集モジュールは、RGB(Red(赤)、Green(緑)、Blue(青))カメラ、RGBD(Red(赤)、Green(緑)、Blue(青)、Depth(深度))カメラ、双眼赤外線カメラ、および赤外線サーマルカメラモジュールなどのうちの1つ以上を含んでもよい。双眼赤外線カメラやRGBDカメラなどを使用することにより、生体検出機能を発揮することができる。
【0024】
可能な一実施形態では、人体が画像収集モジュールまたは体温測定モジュールに近づくことを検出すると、画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集するようにしてもよい。例えば、前記画像収集モジュールまたは前記体温測定モジュールの近傍に距離センサまたは焦電型赤外線センサを配置して、距離センサまたは焦電型赤外線センサ等によって画像収集モジュールまたは体温測定モジュールに近づく人体がいるか否かを検出するようにしてもよい。
【0025】
本開示の実施例では、第2のニューラルネットワークによって前記顔画像における顔特徴を抽出し、さらに前記顔特徴を予め確立された顔特徴ライブラリと照合し、照合結果に基づいて前記顔画像に対応する身分情報(すなわち、前記搭乗者の身分情報)を特定するようにしてもよい。第2のニューラルネットワークは、顔位置の特定および顔特徴の抽出の能力を学習するように、顔キーポイントラベル情報を有する顔画像群に基づいて予め訓練されてもよい。顔キーポイントは、額、目、眉毛、口、鼻、顔の輪郭等の部位のキーポイントを含んでもよい。顔キーポイントの数は、21個、106個または240個などとしてもよい。本開示の実施例は、第2のニューラルネットワークの構造については限定せず、例えば、バックプロパゲーション(Back Propagation、BP)ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、放射基底関数(Radial Basis Function、RBF)ニューラルネットワーク、パーセプトロンニューラルネットワーク、線形ニューラルネットワーク、フィードバックニューラルネットワークなどを含んでもよいが、これらに限らない。
【0026】
可能な一実施形態では、画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集した後に、前記方法は、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していないことを検出した場合、前記搭乗者にマスクを着用するよう提示するための第3の提示情報を発することをさらに含む。この実施形態では、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していないことを検出した場合、前記搭乗者にマスクを着用するよう提示するための第3の提示情報を発することにより、前記乗り物での伝染病の伝播可能性を低減することができる。
【0027】
この実施形態の一例として、前記乗り物に設けられた発声モジュール、表示モジュール、および発光モジュールのうちの1つ以上によって第3の提示情報を発するようにしてもよい。例えば、前記発声モジュールはスピーカーまたはブザーなどを含んでもよく、前記表示モジュールは表示画面等を含んでもよく、前記発光モジュールはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)等を含んでもよい。例えば、発声モジュールによって「マスクを着用してください」という音声を発してもよく、表示モジュールによって「マスクを着用してください」というテキストメッセージを表示してもよい。前記乗り物の担当者(例えばスクールバスのドライバーやスクールバスにいる教員、バスのドライバーや車掌、列車、飛行機等の乗務員)は、第3の提示情報を受信すると、例えば、前記搭乗者がマスクを着用せずに前記乗り物に入ることを拒否するなどの処理をタイムリーに行うことにより、前記乗り物での伝染病の伝播可能性を低減することができる。
【0028】
可能な一実施形態では、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することは、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、前記顔画像における隠されていない顔キーポイントの位置を特定し、隠されていない顔キーポイントに基づいて前記顔画像の特徴を抽出することと、抽出した前記顔画像の特徴に基づいて、前記搭乗者の身分情報を特定することと、を含む。この実施形態では、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出した場合、前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて顔識別を行うことができる。例えば、マスクを着用している顔については、額、目、眉毛、顔の輪郭などのキーポイントを用いて顔位置の特定および顔特徴の抽出を行い、さらに身分の識別を行ってもよい。この実施形態によれば、搭乗者がマスクを着用している場合、搭乗者がマスクを外すことなく顔識別を実施することができるので、非知覚的な顔識別を実現することができ、且つ、搭乗者が伝染病に感染する可能性を低減することができる。
【0029】
可能な一実施形態では、画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集した後に、前記方法は、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出し、かつ前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、前記搭乗者にマスクを外すよう提示するための第2の提示情報を発するか、または、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、第2の提示情報を発することと、前記画像収集モジュールによって前記搭乗者の顔画像を再収集することと、をさらに含み、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することは、再収集した顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することを含む。
【0030】
この実施形態では、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出した場合、前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったら、前記搭乗者にマスクを外すよう提示し、搭乗者の顔画像を再収集し、再収集した顔画像に基づいて顔識別を行うようにしてもよい。この実施形態では、前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できた場合、搭乗者にマスクを外すよう提示する必要はないので、搭乗者による操作なしに、顔識別および温度測定を実現することができ、搭乗者の通過速度を上げることができる。
【0031】
この実施形態では、顔識別を早めに完了させるために、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出した場合、搭乗者にマスクを外すよう直接提示し、搭乗者の顔画像を再収集し、再収集した顔画像に基づいて顔識別を行うようにしてもよい。
【0032】
この実施形態の一例としては、前記搭乗者の身分情報を特定した後に、前記方法は、前記搭乗者にマスクを着用するよう提示するための第3の提示情報を発することをさらに含む。この例では、搭乗者がマスクを外して顔識別に成功した後に、搭乗者にマスクを再着用するよう提示して、前記乗り物での伝染病の伝播可能性を低減することができる。
【0033】
ステップS12では、体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定する。
【0034】
なお、本開示の実施例では、ステップS11とステップS12の実行順序について限定しない。例えば、ステップS11とステップS12を同時に実行してもよく、または、まずステップS11を実行し、そしてステップS12を実行してもよく、または、まずステップS12を実行し、そしてステップS11を実行してもよい。
【0035】
可能な一実施形態では、前記体温測定モジュールは、非接触型の体温測定モジュールであってもよい。これにより、交差感染を低減することができるとともに、搭乗者の通過効率を高めることができる。
【0036】
一例では、前記体温測定モジュールは、サーモグラフィー体温検出器を有してもよい。自然界では、温度が絶対零度(-273°C)よりも高い物体は、電磁波を放射する。赤外線は、電磁波の最も一般的な存在形態である。サーモグラフィー体温検出器は、物体から放射される赤外線信号を収集し、赤外線信号を電気信号に変換し、さらに信号処理システムにより電気信号を温度に変換し、肉眼で容易に識別可能なサーモグラフィー画像を出力することができる。このように、サーモグラフィー体温検出器は、非接触型の温度測定を実現することができる。
【0037】
実環境におけるサーモグラフィー体温検出器の温度測定誤差は、±1℃程度であり、ひいてはこれよりも高い。このため、温度測定精度を向上させるために、一例では、前記体温測定モジュールは、温度校正装置、例えば黒体を有してもよい。黒体は、サーモグラフィー体温検出器の対向側に取り付けられてもよく、これにより、黒体の放射標的面がサーモグラフィー体温検出器のイメージ画像に現れることを確保することができる。サーモグラフィー体温検出器は、温度測定の精度が±0.3℃の要求を満たすように、黒体に設定された温度値を基準としてリアルタイム的な温度測定及び校正を行うことができる。黒体は、電源に接続すれば使用可能であり、インターネットに接続する必要がない。
【0038】
別の一例では、前記体温測定モジュールは、額の温度または手首の温度を測定するための赤外線温度計を含んでもよい。
【0039】
可能な一実施形態では、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の室外に取り付けられ、または、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の室内に取り付けられる。
図2は、本開示の実施例による乗り物通勤制御方法における前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールの取付位置の模式図を示す。
図2に示すように、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、
図2の符号21の箇所に取り付けられてもよい。つまり、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、ドアの近傍、例えばドアの左側に取り付けられてもよい。
図3は、本開示の実施例による乗り物通勤制御方法における前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールの取付位置の別の模式図を示す。
図3に示すように、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、
図3の符号22の箇所に取り付けられてもよい。つまり、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、ドアに取り付けられてもよい。一例では、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、室内に取り付けられてもよい。例えば、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の乗降用のカード読取機の位置に取り付けられてもよい。例えば、前記乗り物がバスである場合、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、バスの乗降用のカード読取機の位置に取り付けられてもよい。1つの乗り物には、1セット以上の画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールが取り付けられてもよい。
【0040】
別の可能な一実施形態では、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、前記乗り物の搭乗始点に取り付けられてもよい。例えば、前記乗り物がスクールバスである場合、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、スクールバスの乗り場、例えば学校の出入り口に取り付けられてもよい。前記乗り物がバスまたは列車である場合、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、ホームに取り付けられてもよい。前記乗り物が地下鉄である場合、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、地下鉄の改札口に取り付けられてもよい。前記乗り物が飛行機である場合、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、搭乗口に取り付けられてもよい。
【0041】
可能な一実施形態では、画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集した後に、前記方法は、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することと、前記搭乗者が帽子を着用していることを検出したことに応じて、前記搭乗者に帽子を外すか、または額を露出させるよう提示するための第1の提示情報を発することと、をさらに含む。この実施形態では、前記乗り物に設けられた発声モジュールまたは表示モジュールによって第1の提示情報を発してもよい。この実施形態では、前記顔画像に基づいて前記搭乗者が帽子を着用していることを検出した場合、第1の提示情報を発することにより、搭乗者に帽子を外すよう提示して、顔識別の速やかな実施を支援することができる。
【0042】
この実施形態の一例として、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することは、前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、または前記搭乗者の額の温度の測定に成功できなかったことに応じて、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することを含む。この一例では、前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかった場合、または前記搭乗者の額の温度の測定に成功できなかった場合、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出し、さらに、前記搭乗者が帽子を着用していることを検出した場合、搭乗者に帽子を外すか、または額を露出させるよう提示することができる。前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別でき、かつ前記搭乗者の額の温度の測定に成功できた場合には、搭乗者に帽子を外すか、または額を露出させるよう提示する必要はない。これにより、搭乗者による操作なしに、顔識別および温度測定を実現することができ、搭乗者の通過速度を上げることができる。
【0043】
この実施形態の一例として、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することは、第1のニューラルネットワークによって前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することを含む。前記第1のニューラルネットワークは、予め第1の訓練画像群および/または第2の訓練画像群により訓練されたもので、前記第1の訓練画像群における訓練画像には帽子を着用しているか否かのラベル情報が付いており、前記第2の訓練画像群における訓練画像には帽子のキーポイントのラベル情報が付いている。この例では、前記顔画像を収集した後に、前記第1のニューラルネットワークによって前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出するために、帽子を検出するための第1のニューラルネットワークを予め訓練してもよい。前記第1のニューラルネットワークは、エンドツーエンドの方法で訓練されてもよい。第2の訓練画像群における訓練画像は、予め設定されたスタイルの帽子(例えばスクール帽子)を含む訓練画像であってもよい。例えば、前記乗り物がスクールバスであり、搭乗者が学生である場合、学生が着用するスクール帽子は、通常、一定の規格および形状を有するので、スクール帽子の規格および形状に基づいてキーポイントを設定し、第1のニューラルネットワークがスクール帽子の検出能力を学習するように前記スクール帽子のキーポイントのラベル情報に基づいて第1のニューラルネットワークを訓練するようにしてもよい。本開示の実施例では、第1のニューラルネットワークの構造を限定しない。この例では、第1の訓練画像群によって第1のニューラルネットワークを訓練することにより、第1のニューラルネットワークに様々なタイプの帽子の検出能力を学習させることができる。また、第2の訓練画像群によって第1のニューラルネットワークを訓練することにより、第1のニューラルネットワークに予め設定されたスタイルの帽子(例えばスクール帽子)の検出能力を学習させることができる。
【0044】
可能な一実施形態では、前記体温測定モジュールは、非接触型の体温測定モジュールを含む。前記体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定する前に、前記方法は、人体が前記体温測定モジュールに近づくことを検出したことに応じて、前記搭乗者に温度測定される額または手首部位を露出させるよう、および/または温度測定される額または手首部位を前記体温測定モジュールに近づけるよう提示するための第4の提示情報を発することをさらに含む。この実施形態では、前記体温測定モジュールの近傍に距離センサまたは焦電型赤外線センサを配置して、距離センサまたは焦電型赤外線センサ等によって近づく人体がいるか否かを検出するようにしてもよい。この実施形態では、前記乗り物に設けられた発声モジュールまたは表示モジュールによって第4の提示情報を発してもよい。この実施形態では、人体が前記体温測定モジュールに近づくことを検出した場合、第4の提示情報を発することにより、搭乗者に温度測定される額または手首部位を露出させて前記体温測定モジュールに近づけるよう提示して、温度測定の速やかな実施を支援することができる。
【0045】
可能な一実施形態では、前記体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定した後に、前記方法は、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、体温異常を提示するための第5の提示情報を発することをさらに含む。例えば、予め設定された体温範囲は、37.3℃以下である。この実施形態では、前記乗り物に設けられた発声モジュール、表示モジュール、および発光モジュールのうちの1つ以上によって第5の提示情報を発するようにしてもよい。
【0046】
この実施形態では、前記体温データが予め設定された体温範囲内でない場合、体温異常を提示するための第5の提示情報を発することにより、前記乗り物の担当者(例えばスクールバスのドライバーやスクールバスにいる教員、バスのドライバーや車掌、列車、飛行機等の乗務員)が、例えば、前記搭乗者が前記乗り物に入ることを拒否するなどの処理をタイムリーに行うようにすることができる。これにより、前記乗り物内に体温異常の人が現れる確率を下げることができ、前記乗り物での伝染病の伝播可能性を低減することができる。
【0047】
可能な一実施形態では、前記乗り物は、車両であり、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モュールは、前記車両のドアまたはルーフまたはBピラーに取り付けられ、前記方法は、検出結果が、前記顔画像における搭乗者がマスクを着用していないことを検出したことと、検出した体温データが予め設定された体温範囲を超えたことと、前記顔画像の身分識別結果は搭乗者が乗車禁止のものであることを示すことと、を含む予め設定された条件の少なくとも1つを満たすことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御することをさらに含む。
【0048】
例えば、搭乗者情報が予め登録されたスクールバス、オンライン配車、シェア送迎バス等の適用シーンでは、画像収集モジュールが収集した顔画像中の搭乗者が予め登録された搭乗者ではない場合、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御してもよい。前記顔画像の身分識別結果は搭乗者が乗車禁止のものであることを示すことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御することにより、搭乗者の乗り間違いの可能性を減少することができる。前記顔画像における搭乗者がマスクを着用していないことを検出したことに応じて、または検出した体温データが予め設定された体温範囲を超えたことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御することにより、前記乗り物での伝染病の伝播可能性を低減することができる。
【0049】
ステップS13では、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理する。
【0050】
可能な一実施形態では、前記乗り物の関連情報は、前記乗り物の位置特定情報、路線情報、ドライバー情報、および識別情報のうちの1つ以上を含む。例えば、前記乗り物が車両である場合、前記乗り物の識別情報は、前記乗り物のナンバープレートの番号を含んでもよい。前記乗り物がバスである場合、前記乗り物の識別情報は、前記乗り物の系統番号、例えば801Aを含んでもよい。前記乗り物が飛行機である場合、前記乗り物の識別情報は、前記乗り物のフライトナンバーを含んでもよい。前記乗り物が列車である場合、前記乗り物の識別情報は、前記乗り物の列車番号および号車番号を含んでもよい。ドライバー情報は、ドライバーの身分証明書番号、写真、名前、顔画像等のドライバーを一意に特定できる情報であってもよい。
【0051】
可能な一実施形態では、前記対応関係を記憶処理することは、前記乗り物のメモリに前記対応関係を記憶することを含む。
【0052】
別の可能な一実施形態では、前記対応関係を記憶処理することは、前記対応関係をサーバに送信し、前記サーバにより前記対応関係を記憶することを含む。この実施形態では、サーバにより前記対応関係を記憶することにより、後日におけるサーバに記憶されたデータに基づく遡及調査を容易にすることができる。
【0053】
可能な一実施形態では、前記対応関係を記憶処理した後に、前記方法は、クエリ対象の搭乗者の身分情報を含むクエリリクエストを取得することと、前記クエリ対象の搭乗者の身分情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した乗り物の関連情報および前記クエリ対象の搭乗者の乗り物搭乗時間を特定することと、前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した乗り物の関連情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者と同じ時間に同じ乗り物に搭乗した搭乗者である前記クエリ対象の搭乗者の同乗者の身分情報を特定することと、をさらに含む。この実施形態では、クエリリクエストは、クエリをリクエストする時間範囲をさらに含んでもよい。例えば、クエリをリクエストする時間範囲は、クエリ対象の搭乗者の発症時間および病気の潜伏期間の長さに応じて決定してもよい。この実施形態では、クエリ対象の搭乗者は、ある伝染病の感染が確認された搭乗者であってもよく、該搭乗者の感染が確認された後に、記憶されたデータに基づいて該搭乗者自身の行方、同乗者およびその行方に対して調査、管理およびコントロールすることができる。
【0054】
本開示の実施例では、画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定し、体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定し、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理することにより、搭乗者の関係者(例えば保護者、学校、連絡者)が搭乗者の体温データをタイムリーに取得することに寄与することができ、後日における記憶されたデータに基づく遡及調査を容易にすることができ、インフルエンザや肺炎等の伝染病の流行期間において重要な意味がある。
【0055】
可能な一実施形態では、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立した後に、前記方法は、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に、前記対応関係を含む第6の提示情報を送信することをさらに含む。この実施形態では、前記体温データが予め設定された体温範囲内でない場合、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に第6の提示情報を送信することにより、搭乗者が体温異常になった場合、前記搭乗者の保護者、学校、連絡者が搭乗者の体温データをタイムリーに取得するようにすることができる。
【0056】
例えば、前記乗り物は、スクールバスであり、前記搭乗者は、学生である。前記搭乗者の体温データが予め設定された体温範囲内でない場合、前記搭乗者に対応する保護者端末および学校端末に第6の提示情報を送信してもよい。これにより、保護者および学校側は、学生の体温データをタイムリーに取得することができるので、インフルエンザや肺炎等の伝染病の流行期間において、学生等の特別な集団に対して健康モニタリングを行うことができる。
【0057】
この実施形態の一例として、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に第6の提示情報を送信することは、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記乗り物の位置特定情報および前記体温データの測定時間のうちの1つ以上に基づいて、前記搭乗者に対応する提示端末を特定し、前記搭乗者に対応する提示端末は、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上を含むことと、前記提示端末に第6の提示情報を送信することと、を含む。一例では、前記体温データの測定時間が午前の学校時間である場合、または前記乗り物の位置特定情報が学生の家に近い場合、保護者端末を前記提示端末と特定し、まず保護者端末に第6の提示情報を送信して、保護者が提示情報をタイムリーに受信して学生を家に連れ戻すことができるようにしてもよい。
【0058】
この実施形態では、搭乗者が成人である場合、連絡者は、搭乗者が予め設定した緊急連絡先であってもよい。
【0059】
可能な一実施形態では、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立した後に、前記方法は、前記体温データと前記搭乗者の体温履歴との差が所定値以上である場合、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に第6の提示情報を送信することをさらに含む。この実施形態では、前記搭乗者の体温履歴は、前記搭乗者の健康良好状態での体温の平均値であってもよく、または前記搭乗者の前回の体温であってもよい。例えば、学生の放課時の体温を学生の登校時の体温と比較し、差が所定値以上である場合、体温異常とみなし、保護者端末、学校端末に第6の提示情報を送信するようにしてもよい。
【0060】
別の可能な一実施形態では、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立した後に、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に第6の提示情報を直接送信してもよい。つまり、前記体温データが予め設定された体温範囲内であるかを問わず、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に第6の提示情報を送信するようにしてもよい。例えば、前記乗り物がスクールバスであり、前記搭乗者が学生である場合、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立した後に、保護者および学校側が学生の体温データをタイムリーに取得できるように保護者端末および学校端末に第6の提示情報を送信してもよい。
【0061】
なお、以上のように、インフルエンザや肺炎等の伝染病の流行期間を例に、乗り物による体温モニタリングの適用シーンを説明したが、当業者であれば、本開示はこれに限定しないことを理解できる。本開示の実施例は、重大な疫病の発生後の長期間およびインフルエンザなどの伝染性疾病の高発生期間等のいずれにおいても実施することができる。当然、伝染病の非流行期間においても、本開示の実施例による方法を用いて、乗り物により体温をモニタリングすることができる。例えば、スクールバスにより学生の体温を長期間にわたりモニタリングし、通勤バスにより従業員の体温を長期間にわたりモニタリングするようにしてもよい。
【0062】
図4は、本開示の実施例による乗り物による体温モニタリングシステムの模式図を示す。
図4に示すように、前記乗り物による体温モニタリングシステムは、運営管理制御センター41と、データアクセスプラットフォーム42と、保護者端末43と、スクールバス端末44と、学校端末45とを備える。データアクセスプラットフォーム42は、搭乗者の体温データの測定時間と乗り物の関連情報と搭乗者の身分情報と搭乗者の体温データとの間の対応関係を記憶することができる。運営管理制御センター41は、ある搭乗者のある伝染病が確認された後に、データアクセスプラットフォーム42に記憶されたデータに基づいて搭乗者自身の行方、同乗者およびその行方に対して調査分析することができる。保護者端末43、スクールバス端末44および学校端末45のそれぞれの数は1つ以上であってもよい。保護者端末43は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルスマートデバイス(例えばスマートウォッチ)などであってもよい。保護者端末43には、学生の体温を調べるApp(Application、アプリケーション)が実装されてもよい。また、保護者端末43は、このAppを介して第5の提示情報を取得してもよい。学校端末45は、学校教室のコンピュータ、教員の携帯電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブルスマートデバイス等を含んでもよい。教員は、学校教室のコンピュータのウェブページを介して学生の体温データを調べてもよい。スクールバス端末44は、マルチチャネル感知モジュール441と、信号処理モジュール442と、通信モジュール443と、表示モジュール444とを含んでもよい。マルチチャネル感知モジュール441は、画像収集モジュールおよび体温モニタリングモジュールを含んでもよく、信号処理モジュール442は、マルチチャネル感知モジュール441によって収集された顔画像および体温データに基づいて処理を行ってもよく、通信モジュール443は、データアクセスプラットフォーム42、保護者端末43および学校端末45と通信を行ってもよい。信号処理モジュール442は、運転状態でのドライバーの挙動を分析してもよく、例えば、運転者が疲れているか、電話をかけているか、ハンドルから手を離しているかなどを分析してもよい。スクールバスが停車になった後に、すべての学生がバスから降りたことを確保するためにスクールバス内の残りの人をチェックしてもよい。
【0063】
本開示で言及された上記各方法の実施例は、原理と論理に反しない限り、相互に組み合わせて実施例を形成可能であることを理解できる。紙数に限りがあるので、本開示では詳細な説明を省略する。
【0064】
当業者であれば、具体的な実施形態による上記の方法において、各ステップの記載順序は、実行順序を厳密に限定して実施過程を限定するものではなく、各ステップの具体的な実行順序はその機能と可能な内在的論理により決められることを理解できる。
【0065】
また、本開示では、さらに、乗り物通勤制御装置、電子機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、プログラムを提供する。これらは、いずれも本開示で提供される乗り物通勤制御方法のいずれかを実現するために用いられる。対応する技術的解決手段および効果については、方法の対応の記載を参照すればよく、詳細な説明を省略する。
【0066】
図5は、本開示の実施例による乗り物通勤制御装置のブロック図を示す。
図5に示すように、前記乗り物通勤制御装置は、画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定するための収集及び識別モジュール51と、体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定するための温度測定モジュール52と、前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理するための確立及び記憶モジュール53とを含む。
【0067】
可能な一実施形態では、前記乗り物の関連情報は、前記乗り物の位置特定情報、路線情報、ドライバー情報、および識別情報のうちの1つ以上を含む。
【0068】
可能な一実施形態では、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の室外に取り付けられ、
または、
前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の室内に取り付けられる。
【0069】
可能な一実施形態では、前記乗り物は、車両であり、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、前記車両のドアまたはルーフまたはBピラーに取り付けられ、前記装置は、検出結果が、前記顔画像における搭乗者がマスクを着用していないことを検出したことと、検出した体温データが予め設定された体温範囲を超えたことと、前記顔画像の身分識別結果は搭乗者が乗車禁止のものであることを示すことと、を含む予め設定された条件の少なくとも1つを満たすことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御するための制御モジュールをさらに含む。
【0070】
可能な一実施形態では、前記装置は、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出するための検出モジュールと、前記搭乗者が帽子を着用していることを検出したことに応じて、前記搭乗者に帽子を外すか、または額を露出させるよう提示するための第1の提示情報を発するための第1の提示モジュールと、をさらに含む。
【0071】
可能な一実施形態では、前記検出モジュールは、前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、または前記搭乗者の額の温度の測定に成功できなかったことに応じて、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することに用いられる。
【0072】
可能な一実施形態では、前記検出モジュールは、第1のニューラルネットワークによって前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することに用いられ、前記第1のニューラルネットワークは、予め第1の訓練画像群および/または第2の訓練画像群により訓練されたもので、前記第1の訓練画像群における訓練画像には帽子を着用しているか否かのラベル情報が付いており、前記第2の訓練画像群における訓練画像には帽子のキーポイントのラベル情報が付いている。
【0073】
可能な一実施形態では、前記収集及び識別モジュール51は、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、前記顔画像における隠されていない顔キーポイントの位置を特定し、隠されていない顔キーポイントに基づいて前記顔画像の特徴を抽出し、抽出した前記顔画像の特徴に基づいて、前記搭乗者の身分情報を特定することに用いられる。
【0074】
可能な一実施形態では、前記装置は、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出し、かつ前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、前記搭乗者にマスクを外すよう提示するための第2の提示情報を発するか、または、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、第2の提示情報を発するための第2の提示モジュールをさらに含み、前記画像収集モジュールによって前記搭乗者の顔画像を再収集し、前記収集及び識別モジュール51は、再収集した顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することに用いられる。
【0075】
可能な一実施形態では、前記装置は、前記搭乗者にマスクを着用するよう提示するための第3の提示情報を発するための第3の提示モジュールをさらに含む。
【0076】
可能な一実施形態では、前記体温測定モジュールは、非接触型の体温測定モジュールを含み、前記装置は、人体が前記体温測定モジュールに近づくことを検出したことに応じて、前記搭乗者に温度測定される額または手首部位を露出させるよう、および/または温度測定される額または手首部位を前記体温測定モジュールに近づけるよう提示するための第4の提示情報を発するための第4の提示モジュールをさらに含む。
【0077】
可能な一実施形態では、前記装置は、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、体温異常を提示するための第5の提示情報を発するための第5の提示モジュールをさらに含む。
【0078】
可能な一実施形態では、前記装置は、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に、前記対応関係を含む第6の提示情報を送信するための送信モジュールをさらに含む。
【0079】
可能な一実施形態では、前記送信モジュールは、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記乗り物の位置特定情報および前記体温データの測定時間のうちの1つ以上に基づいて、前記搭乗者に対応する提示端末を特定し、前記搭乗者に対応する提示端末は、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上を含み、前記提示端末に第6の提示情報を送信することに用いられる。
【0080】
可能な一実施形態では、前記装置は、クエリ対象の搭乗者の身分情報を含むクエリリクエストを取得するための取得モジュールと、前記クエリ対象の搭乗者の身分情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した乗り物の関連情報および前記クエリ対象の搭乗者の乗り物搭乗時間を特定するための第1の特定モジュールと、前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した乗り物の関連情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者と同じ時間に同じ乗り物に搭乗した搭乗者である前記クエリ対象の搭乗者の同乗者の身分情報を特定するための第2の特定モジュールと、をさらに含む。
【0081】
本開示の実施例は、さらに、車両であって、車両の搭乗者の顔画像を収集するための画像収集モジュールと、前記搭乗者の体温データを測定するための体温測定モジュールと、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定し、前記体温データの測定時間と前記車両の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理するための電子機器と、が装着されている車両を提供する。
【0082】
可能な一実施形態では、前記車両の関連情報は、前記車両の位置特定情報、路線情報、ドライバー情報、および識別情報のうちの1つ以上を含む。
【0083】
可能な一実施形態では、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記車両の室外に取り付けられ、または、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記車両の室内に取り付けられる。
【0084】
この実施形態では、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールが前記車両の室外または室内に取り付けられることにより、画像収集モジュールおよび体温測定モジュールの1セットが1台の車両に対応するので、車両による体温モニタリングを容易に行うことができる。
【0085】
可能な一実施形態では、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、前記車両のドアまたはルーフまたはBピラーに取り付けられ、前記電子機器はさらに、検出結果が、前記顔画像がマスクにおける搭乗者を着用していないことを検出したことと、検出した体温データが予め設定された体温範囲を超えたことと、前記顔画像の身分識別結果は搭乗者が乗車禁止のものであることを示すことと、を含む予め設定された条件の少なくとも1つを満たすことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御することに用いられる。
【0086】
この実施形態では、前記顔画像マスクを着用していないことを検出したことに応じて、または検出した体温データが予め設定された体温範囲を超えたことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御することにより、前記車両での伝染病の伝播可能性を低減することができる。前記顔画像の身分識別結果は搭乗者が乗車禁止のものであることを示すことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御することにより、搭乗者の乗り間違いの可能性を減少することができる。
【0087】
可能な一実施形態では、前記電子機器はさらに、
前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出し、
前記搭乗者が帽子を着用していることを検出したことに応じて、前記搭乗者に帽子を外すか、または額を露出させるよう提示するための第1の提示情報を発することに用いられる。
【0088】
この実施形態では、前記顔画像に基づいて前記搭乗者が帽子を着用していることを検出した場合、第1の提示情報を発することにより、搭乗者に帽子を外すよう提示して、顔識別の速やかな実施を支援することができる。
【0089】
可能な一実施形態では、前記電子機器は、
前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、または前記搭乗者の額の温度の測定に成功できなかったことに応じて、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することに用いられる。
【0090】
この実施形態では、前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別でき、かつ前記搭乗者の額の温度の測定に成功できた場合には、搭乗者に帽子を外すか、または額を露出させるよう提示する必要はない。これにより、搭乗者による操作なしに、顔識別および温度測定を実現することができ、搭乗者の通過速度を上げることができる。
【0091】
可能な一実施形態では、前記電子機器は、
第1のニューラルネットワークによって前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出し、前記第1のニューラルネットワークは、予め第1の訓練画像群および/または第2の訓練画像群により訓練されたもので、前記第1の訓練画像群における訓練画像には帽子を着用しているか否かのラベル情報が付いており、前記第2の訓練画像群における訓練画像には帽子のキーポイントのラベル情報が付いている。
【0092】
この実施形態では、第1の訓練画像群によって第1のニューラルネットワークを訓練することにより、第1のニューラルネットワークに様々なタイプの帽子の検出能力を学習させることができる。また、第2の訓練画像群によって第1のニューラルネットワークを訓練することにより、第1のニューラルネットワークに予め設定されたスタイルの帽子(例えばスクール帽子)の検出能力を学習させることができる。
【0093】
可能な一実施形態では、前記電子機器は、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、前記顔画像における隠されていない顔キーポイントの位置を特定し、隠されていない顔キーポイントに基づいて前記顔画像の特徴を抽出し、
抽出した前記顔画像の特徴に基づいて、前記搭乗者の身分情報を特定することに用いられる。
【0094】
この実施形態によれば、搭乗者がマスクを着用している場合、搭乗者がマスクを外すことなく顔識別を実施することができるので、非知覚的な顔識別を実現することができ、且つ、搭乗者が伝染病に感染する可能性を低減することができる。
【0095】
可能な一実施形態では、前記電子機器はさらに、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出し、かつ前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、前記搭乗者にマスクを外すよう提示するための第2の提示情報を発するか、または、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、第2の提示情報を発することに用いられて、
前記画像収集モジュールによって前記搭乗者の顔画像を再収集し、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することは、再収集した顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することを含む。
【0096】
この実施形態では、前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できた場合、搭乗者にマスクを外すよう提示する必要はないので、搭乗者による操作なしに、顔識別および温度測定を実現することができ、搭乗者の通過速度を上げることができる。
【0097】
可能な一実施形態では、前記電子機器はさらに、
前記搭乗者にマスクを着用するよう提示するための第3の提示情報を発することに用いられる。
【0098】
この実施形態では、搭乗者がマスクを外して顔識別に成功した後に、搭乗者にマスクを再着用するよう提示して、前記車両での伝染病の伝播可能性を低減することができる。
【0099】
可能な一実施形態では、前記体温測定モジュールは、非接触型の体温測定モジュールを含み、
前記電子機器はさらに、
人体が前記体温測定モジュールに近づくことを検出したことに応じて、前記搭乗者に温度測定される額または手首部位を露出させるよう、および/または温度測定される額または手首部位を前記体温測定モジュールに近づけるよう提示するための第4の提示情報を発することに用いられる。
【0100】
この実施形態では、人体が前記体温測定モジュールに近づくことを検出した場合、第4の提示情報を発することにより、搭乗者に温度測定される額または手首部位を露出させて前記体温測定モジュールに近づけるよう提示して、温度測定の速やかな実施を支援することができる。
【0101】
可能な一実施形態では、前記電子機器はさらに、
前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、体温異常を提示するための第5の提示情報を発することに用いられる。
【0102】
この実施形態では、前記体温データが予め設定された体温範囲内でない場合、体温異常を提示するための第5の提示情報を発することにより、前記車両の担当者(例えばスクールバスのドライバーやスクールバスにいる教員、バスのドライバーや車掌、列車、飛行機等の乗務員)が、例えば、前記搭乗者が前記車両に入ることを拒否するなどの処理をタイムリーに行うようにすることができる。これにより、前記車両内に体温異常の人が現れる確率を下げることができ、前記乗り物での伝染病の伝播可能性を低減することができる。
【0103】
可能な一実施形態では、前記電子機器はさらに、
前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に、前記対応関係を含む第6の提示情報を送信することに用いられる。
【0104】
この実施形態では、前記体温データが予め設定された体温範囲内でない場合、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に第6の提示情報を送信することにより、搭乗者が体温異常になった場合、前記搭乗者の保護者、学校、連絡者が搭乗者の体温データをタイムリーに取得するようにすることができる。
【0105】
可能な一実施形態では、前記電子機器は、
前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記車両の位置特定情報および前記体温データの測定時間のうちの1つ以上に基づいて、前記搭乗者に対応する提示端末を特定し、前記搭乗者に対応する提示端末は、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上を含み、
前記提示端末に第6の提示情報を送信することに用いられる。
【0106】
この実施形態では、まず前記車両に近い関係者に提示情報を送信することにより、前記搭乗者の体温異常の状況をタイムリーに処理することに寄与する。
【0107】
可能な一実施形態では、前記電子機器はさらに、
クエリ対象の搭乗者の身分情報を含むクエリリクエストを取得し、
前記クエリ対象の搭乗者の身分情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した車両の関連情報および前記クエリ対象の搭乗者の車両搭乗時間を特定し、
前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した車両の関連情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者と同じ時間に同じ車両に搭乗した搭乗者である前記クエリ対象の搭乗者の同乗者の身分情報を特定することに用いられる。
【0108】
この実施形態では、クエリ対象の搭乗者は、ある伝染病の感染が確認された搭乗者であってもよく、該搭乗者の感染が確認された後に、記憶されたデータに基づいて該搭乗者自身の行方、同乗者およびその行方に対して調査、管理およびコントロールすることができる。
【0109】
いくつかの実施例では、本開示の実施例による装置が有する機能またはモジュールは、上述した方法の実施例に説明される方法を実行するために用いられることができ、その具体的な実現および技術的効果については、上述した方法の実施例の説明を参照すればよく、簡素化のために、ここでは詳細な説明を省略する。
【0110】
本開示の実施例では、さらに、コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行されると、上記方法を実現させるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよく、または揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
【0111】
本開示の実施例では、さらに、コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードが電子機器において動作すると、前記電子機器のプロセッサが上記方法を実現させるための命令を実行するコンピュータプログラムを提供する。
【0112】
本開示の実施例では、さらに、コンピュータ読み取り可能な命令を記憶するためのコンピュータプログラム製品であって、命令が実行されると、コンピュータに上記実施例のいずれか1つによる乗り物通勤制御方法の操作を実行させる別のコンピュータプログラム製品を提供する。
【0113】
本開示の実施例では、さらに、1つ以上のプロセッサと、実行可能命令を記憶するためのメモリとを備え、前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能命令を呼び出して上記方法を実行するように構成される電子機器を提供する。
【0114】
電子機器は、端末、サーバまたは他の形態の装置として提供されてもよい。
【0115】
図6は、本開示の実施例による電子機器800のブロック図を示す。例えば、電子機器800は、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージ送受信機器、ゲームコンソール、タブレット型機器、医療機器、フィットネス機器、パーソナル・デジタル・アシスタント等の端末であってもよい。
【0116】
図6を参照すると、電子機器800は、処理コンポーネント802、メモリ804、電源コンポーネント806、マルチメディアコンポーネント808、オーディオコンポーネント810、入力/出力(I/O)インタフェース812、センサコンポーネント814、および通信コンポーネント816のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0117】
処理コンポーネント802は、通常、電子機器800の全体的な動作、例えば表示、電話の呼び出し、データ通信、カメラ動作および記録動作に関連する動作を制御する。処理コンポーネント802は、上記方法の全てまたは一部のステップを実行するために、命令を実行する一つ以上のプロセッサ820を含んでもよい。また、処理コンポーネント802は、他のコンポーネントとのインタラクションのための一つ以上のモジュールを含んでもよい。例えば、処理コンポーネント802は、マルチメディアコンポーネント808とのインタラクションのためにマルチメディアモジュールを含んでもよい。
【0118】
メモリ804は、電子機器800での動作をサポートするための様々なタイプのデータを記憶するように構成される。これらのデータは、例として、電子機器800において操作するあらゆるアプリケーションプログラムまたは方法の命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、ピクチャー、ビデオなどを含む。メモリ804は、例えば静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなどの様々なタイプの揮発性または不揮発性の記憶装置またはそれらの組み合わせによって実現できる。
【0119】
電源コンポーネント806は、電子機器800の各コンポーネントに電力を供給する。電源コンポーネント806は、電源管理システム、一つ以上の電源、および電子機器800のための電力生成、管理および配分に関連する他のコンポーネントを含んでもよい。
【0120】
マルチメディアコンポーネント808は、前記電子機器800とユーザとの間で出力インタフェースを提供するスクリーンを含む。いくつかの実施例では、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)およびタッチパネル(TP)を含んでもよい。スクリーンがタッチパネルを含む場合、ユーザからの入力信号を受信するタッチスクリーンとして実現してもよい。タッチパネルは、タッチ、スライドおよびタッチパネルでのジェスチャーを検出するように、一つ以上のタッチセンサを含む。前記タッチセンサは、タッチまたはスライド操作の境界だけではなく、前記タッチまたはスライド操作に関連する持続時間および圧力を検出するようにしてもよい。いくつかの実施例では、マルチメディアコンポーネント808は、前面カメラおよび/または背面カメラを含む。電子機器800が動作モード、例えば撮影モードまたは撮像モードになると、前面カメラおよび/または背面カメラは、外部のマルチメディアデータを受信するようにしてもよい。各前面カメラおよび背面カメラは、固定された光学レンズ系、または焦点距離および光学ズーム能力を有するものであってもよい。
【0121】
オーディオコンポーネント810は、オーディオ信号を出力および/または入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント810は、一つのマイク(MIC)を含み、マイク(MIC)は、電子機器800が動作モード、例えば呼び出しモード、記録モードまたは音声識別モードになると、外部のオーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、さらにメモリ804に記憶されるか、または通信コンポーネント816を介して送信されてもよい。いくつかの実施例では、オーディオコンポーネント810は、オーディオ信号を出力するためのスピーカーをさらに含む。
【0122】
I/Oインタフェース812は、処理コンポーネント802と周辺インタフェースモジュールとの間でインタフェースを提供し、上記周辺インタフェースモジュールは、キーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、ボリュームボタン、スタートボタンおよびロックボタンを含んでもよいが、これらに限らない。
【0123】
センサコンポーネント814は、電子機器800の各方面の状態評価のために一つ以上のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント814は、電子機器800のオン/オフ状態、例えば電子機器800の表示装置およびキーパッドのようなコンポーネントの相対的位置決めを検出でき、センサコンポーネント814は、さらに、電子機器800または電子機器800のあるコンポーネントの位置の変化、ユーザと電子機器800との接触の有無、電子機器800の方位または加減速および電子機器800の温度変化を検出できる。センサコンポーネント814は、いかなる物理的接触もなしに近傍の物体の存在を検出するように構成される近接センサを含んでもよい。センサコンポーネント814は、CMOSまたはCCDイメージセンサのような、イメージングアプリケーションにおいて使用するための光センサをさらに含んでもよい。いくつかの実施例では、該センサコンポーネント814は、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサまたは温度センサをさらに含んでもよい。
【0124】
通信コンポーネント816は、電子機器800と他の機器との間の有線または無線通信を実現するように構成される。電子機器800は、例えばWiFi、2Gまたは3G、またはそれらの組み合わせのような、通信規格に基づく無線ネットワークにアクセスできる。例示的一実施例では、通信コンポーネント816は、放送チャネルを介して外部の放送管理システムからの放送信号または放送関連情報を受信する。例示的一実施例では、前記通信コンポーネント816は、近距離通信を促進させるために、近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(BT)技術および他の技術によって実現できる。
【0125】
例示的な実施例では、電子機器800は、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタルシグナルプロセッサ(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたは他の電子要素によって実現され、上記方法を実行するために用いられることができる。
【0126】
例示的な実施例では、さらに、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばコンピュータプログラム命令を含むメモリ804が提供され、上記コンピュータプログラム命令は電子機器800のプロセッサ820によって実行されると、上記方法を実行させることができる。
【0127】
図7は、本開示の実施例による電子機器1900のブロック図を示す。例えば、電子機器1900は、サーバとして提供されてもよい。
図7を参照すると、電子機器1900は、一つ以上のプロセッサを含む処理コンポーネント1922、および、処理コンポーネント1922によって実行可能な命令、例えばアプリケーションプログラムを記憶するための、メモリ1932を代表とするメモリ資源を含む。メモリ1932に記憶されているアプリケーションプログラムは、それぞれが1つの命令群に対応する一つ以上のモジュールを含んでもよい。また、処理コンポーネント1922は、命令を実行することによって上記方法を実行するように構成される。
【0128】
電子機器1900はさらに、電子機器1900の電源管理を実行するように構成される電源コンポーネント1926、電子機器1900をネットワークに接続するように構成される有線または無線ネットワークインタフェース1950、および入出力(I/O)インタフェース1958を含んでもよい。電子機器1900は、メモリ1932に記憶されているオペレーティングシステム、例えばWindows(登録商標) Server、Mac OS(登録商標) X、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、FreeBSD(登録商標)または類似するものに基づいて動作できる。
【0129】
例示的な実施例では、さらに、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばコンピュータプログラム命令を含むメモリ1932が提供され、上記コンピュータプログラム命令は、電子機器1900の処理コンポーネント1922によって実行されると、上記方法を実行させることができる。
【0130】
本開示は、システム、方法および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本開示の各方面を実現させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含んでもよい。
【0131】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令実行機器に使用される命令を保存および記憶可能な有形装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、電気記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または上記の任意の適当な組み合わせであってもよいが、これらに限らない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のさらなる具体的な例(非網羅的リスト)としては、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、携帯型コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、例えば命令が記憶されているせん孔カードまたはスロット内突起構造のような機械的符号化装置、および上記の任意の適当な組み合わせを含む。ここで使用されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、瞬時信号自体、例えば無線電波または他の自由に伝播される電磁波、導波路または他の伝送媒体を介して伝播される電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過するパルス光)、または電線を介して伝送される電気信号と解釈されるものではない。
【0132】
ここで記述したコンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から各計算/処理機器にダウンロードされてもよいし、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワークおよび/または無線ネットワークを介して外部のコンピュータまたは外部記憶装置にダウンロードされてもよい。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光ファイバー伝送、無線伝送、ルーター、ファイアウォール、交換機、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバを含んでもよい。各計算/処理機器内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ読み取り可能なプログラム命令を受信し、該コンピュータ読み取り可能なプログラム命令を転送し、各計算/処理機器内のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶させる。
【0133】
本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラム命令は、アセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」言語または類似するプログラミング言語などの一般的な手続き型プログラミング言語を含める一つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードまたは目標コードであってもよい。コンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、完全にユーザのコンピュータにおいて実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータにおいて実行されてもよく、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータにおいてかつ部分的にリモートコンピュータにおいて実行されてもよく、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバにおいて実行されてもよい。リモートコンピュータに関与する場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または、(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。いくつかの実施例では、コンピュータ読み取り可能なプログラム命令の状態情報を利用して、例えばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブル論理アレイ(PLA)などの電子回路をパーソナライズし、該電子回路によりコンピュータ読み取り可能なプログラム命令を実行することにより、本開示の各方面を実現するようにしてもよい。
【0134】
ここで本開示の実施例に係る方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照しながら本開示の各態様を説明したが、フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロック、およびフローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックの組み合わせは、いずれもコンピュータ読み取り可能なプログラム命令によって実現できることを理解すべきである。
【0135】
これらのコンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供され、これらの命令がコンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実現させるように、装置を製造してもよい。これらのコンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置および/または他の機器を特定の方式で動作させるようにしてもよい。これにより、命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作の各方面を実現する命令を有する製品を含む。
【0136】
コンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の機器にロードされ、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置または他の機器に一連の動作ステップを実行させることにより、コンピュータにより実施可能なプロセスを生成するようにしてもよい。このようにして、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の機器において実行される命令により、フローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実現する。
【0137】
図面のうちフローチャートおよびブロック図は、本開示の複数の実施例に係るシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点では、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは一つのモジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部分を代表することができ、前記モジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部分は指定された論理機能を実現するための一つ以上の実行可能命令を含む。いくつかの代替としての実現形態では、ブロックに表記される機能は、図面に付した順序と異なって実現してもよい。例えば、連続的な二つのブロックは実質的に並列に実行してもよく、また、係る機能によって、逆な順序で実行してもよい場合がある。なお、ブロック図および/またはフローチャートにおける各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定される機能または動作を実行するハードウェアに基づく専用システムによって実現してもよいし、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実現してもよいことにも注意すべきである。
【0138】
このコンピュータプログラム製品は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせによって具体的に実現することができる。選択可能な実施例では、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ記憶媒体として具体化される。別の選択可能な実施例では、コンピュータプログラム製品は、ソフトウェア開発キット(Software Development Kit、SDK)などのソフトウェア製品として具体化される。
【0139】
以上、本開示の各実施例を記述したが、上記説明は例示的なものに過ぎず、網羅的なものではなく、かつ披露された各実施例に限定されるものでもない。当業者にとって、説明された各実施例の範囲および精神から逸脱することなく、様々な修正および変更が自明である。本明細書に選ばれた用語は、各実施例の原理、実際の適用または既存技術に対する改善を好適に解釈するか、または他の当業者に本明細書に披露された各実施例を理解させるためのものである。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することと、
体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定することと、
前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理することと、
を含むことを特徴とする乗り物通勤制御方法。
【請求項2】
前記乗り物の関連情報は、前記乗り物の位置特定情報、路線情報、ドライバー情報、および識別情報のうちの1つ以上を含み、および/または、
前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の室外に取り付けられ、または、前記画像収集モジュールおよび/または前記体温測定モジュールは、前記乗り物の室内に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項3】
前記乗り物は、車両であり、前記画像収集モジュールおよび前記体温測定モジュールは、前記車両のドアまたはルーフまたはBピラーに取り付けられ、
前記方法は、
検出結果が、前記顔画像における搭乗者がマスクを着用していないことを検出したことと、検出した体温データが予め設定された体温範囲を超えたことと、前記顔画像の身分識別結果は搭乗者が乗車禁止のものであることを示すことと、を含む予め設定された条件の少なくとも1つを満たすことに応じて、前記ドアをロック解除しないように、またはドアを開けないように制御することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項4】
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集した後に、前記方法は、
前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することと、
前記搭乗者が帽子を着用していることを検出したことに応じて、前記搭乗者に帽子を外すか、または額を露出させるよう提示するための第1の提示情報を発することと、
をさらに含
み、
前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することは、
前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、または前記搭乗者の額の温度の測定に成功できなかったことに応じて、前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項5】
前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することは、
第1のニューラルネットワークによって前記顔画像中の搭乗者が帽子を着用しているかを検出することを含み、前記第1のニューラルネットワークは、予め第1の訓練画像群および/または第2の訓練画像群により訓練されたもので、前記第1の訓練画像群における訓練画像には帽子を着用しているか否かのラベル情報が付いており、前記第2の訓練画像群における訓練画像には帽子のキーポイントのラベル情報が付いていることを特徴とする請求項
4に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項6】
前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することは、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、前記顔画像における隠されていない顔キーポイントの位置を特定し、隠されていない顔キーポイントに基づいて前記顔画像の特徴を抽出することと、
抽出した前記顔画像の特徴に基づいて、前記搭乗者の身分情報を特定することと、
を含むことを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項7】
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集した後に、前記方法は、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出し、かつ前記顔画像における隠されていない顔領域に基づいて前記搭乗者の身分情報を識別できなかったことに応じて、前記搭乗者にマスクを外すよう提示するための第2の提示情報を発するか、または、前記顔画像に基づいて前記搭乗者がマスクを着用していることを検出したことに応じて、第2の提示情報を発することと、
前記画像収集モジュールによって前記搭乗者の顔画像を再収集することと、
をさらに含み、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することは、再収集した顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定することを含
み、
前記搭乗者の身分情報を特定した後に、前記方法は、前記搭乗者にマスクを着用するよう提示するための第3の提示情報を発することをさらに含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項8】
前記体温測定モジュールは、非接触型の体温測定モジュールを含み、
前記体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定する前に、前記方法は、人体が前記体温測定モジュールに近づくことを検出したことに応じて、前記搭乗者に温度測定される額または手首部位を露出させるよう、および/または温度測定される額または手首部位を前記体温測定モジュールに近づけるよう提示するための第4の提示情報を発することをさらに含むことを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項9】
前記体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定した後に、前記方法は、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、体温異常を提示するための第5の提示情報を発することをさらに含み、および/または、
前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立した後に、前記方法は、前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に、前記対応関係を含む第6の提示情報を送信することをさらに含
み、
前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上に第6の提示情報を送信することは、
前記体温データが予め設定された体温範囲内でないことに応じて、前記乗り物の位置特定情報および前記体温データの測定時間のうちの1つ以上に基づいて、前記搭乗者に対応する提示端末を特定し、前記搭乗者に対応する提示端末は、前記搭乗者に対応する保護者端末、学校端末および連絡者端末のうちの1つ以上を含むことと、
前記提示端末に第6の提示情報を送信することと、
を含むことを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項10】
前記対応関係を記憶処理した後に、前記方法は、
クエリ対象の搭乗者の身分情報を含むクエリリクエストを取得することと、
前記クエリ対象の搭乗者の身分情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した乗り物の関連情報および前記クエリ対象の搭乗者の乗り物搭乗時間を特定することと、
前記クエリ対象の搭乗者が搭乗した乗り物の関連情報に基づいて、前記クエリ対象の搭乗者と同じ時間に同じ乗り物に搭乗した搭乗者である前記クエリ対象の搭乗者の同乗者の身分情報を特定することと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1~
9のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法。
【請求項11】
画像収集モジュールによって乗り物の搭乗者の顔画像を収集し、前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定するための収集及び識別モジュールと、
体温測定モジュールによって前記搭乗者の体温データを測定するための温度測定モジュールと、
前記体温データの測定時間と前記乗り物の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理するための確立及び記憶モジュールと、
を含むことを特徴とする乗り物通勤制御装置。
【請求項12】
1つ以上のプロセッサと、
実行可能命令を記憶処理するためのメモリと、
を備える電子機器であって、
前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能命令を呼び出して請求項1~
10のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法を実行するように構成されることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令がプロセッサにより実行されると、請求項1~
10のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法を実現させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
搭乗者の顔画像を収集するための画像収集モジュールと、
前記搭乗者の体温データを測定するための体温測定モジュールと、
前記顔画像に基づいて前記搭乗者の身分情報を特定し、前記体温データの測定時間と前記車両の関連情報と前記身分情報と前記体温データとの間の対応関係を確立し、前記対応関係を記憶処理するための電子機器と、
が装着されていることを特徴とする車両。
【請求項15】
コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードが電子機器において動作すると、前記電子機器のプロセッサが請求項1~
10のいずれか1項に記載の乗り物通勤制御方法を実現させるための命令を実行することを特徴とするコンピュータプログラム。
【国際調査報告】