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特表2022-546140血液処理のための装置、消耗品、方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】血液処理のための装置、消耗品、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/113 20210101AFI20221027BHJP
   A61M 60/37 20210101ALI20221027BHJP
   A61M 1/36 20060101ALI20221027BHJP
   A61M 1/34 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A61M60/113
A61M60/37
A61M1/36 111
A61M1/34 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021500390
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2021-01-06
(86)【国際出願番号】 KR2020015354
(87)【国際公開番号】W WO2021091237
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0139273
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】63/025,964
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/065,480
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522072806
【氏名又は名称】エクソリーナル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Exorenal Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】ジェイク ギョンス イ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077CC03
4C077DD10
4C077DD26
4C077EE01
4C077EE03
4C077JJ02
4C077JJ03
4C077JJ16
4C077JJ28
(57)【要約】
本発明の一実施例に係る血液処理装置は、内部空間を有する複数の流体チャンバと、前記複数の流体チャンバの内部空間を圧縮あるいは膨張させるチャンバ押圧部材と、チャンバ押圧部材を駆動する押圧部材駆動器、及び流路調節部と、を含んで構成される。前記複数のチャンバの各々は、チャンバに流体が流入される第1流動管及びチャンバの流体が流出される第2流動管と連結され、前記流路調節部は、チャンバと連結された流動管を介した流動を調節することを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有する複数の流体チャンバと、
前記複数の流体チャンバの内部空間を圧縮あるいは膨張させるチャンバ押圧部材と、
前記チャンバ押圧部材を駆動する押圧部材駆動器、及び
流路調節部と、を含んで構成され、
前記複数の流体チャンバは、n個の流体チャンバを含んで構成され、(ここでnは2以上の正の整数)、
n個のチャンバの各々は、チャンバに流体が流入される第1流動管及びチャンバの流体が流出される第2流動管と連結されて構成され、
前記流路調節部は、前記第n個のチャンバと連結された流動管を介した流動を調節することを特徴とする、血液処理装置。
【請求項2】
前記n個のチャンバは、前記チャンバ押圧部材によって同時に圧縮されるか膨張されることを特徴とする、請求項1に記載の血液処理装置。
【請求項3】
前記nが偶数のとき、n/2個のチャンバは同時に圧縮され、n/2個のチャンバは同時に膨張され、
前記nが奇数のとき、(n+1)/2個のチャンバは同時に圧縮され、(n-1)/2個のチャンバは同時に膨張されることを特徴とする、請求項2に記載の血液処理装置。
【請求項4】
内部で血液を処理する血液処理フィルタと、をさらに含んで構成され、前記血液処理フィルタは、
内部空間を有する血液フィルタハウジングと、
前記血液フィルタハウジングの一端に設けられて血液が前記血液処理フィルタに流入される第1血液ポートと、
前記血液フィルタハウジングの他端に設けられて血液処理フィルタから血液が排出される第2血液ポート、及び
前記血液フィルタハウジングに設けられて透析溶液が流動することができる少なくとも一つ以上の透析溶液ポートと、を含んで構成されることを特徴とする、請求項3に記載の血液処理装置。
【請求項5】
前記透析溶液ポートは、少なくとも2個以上のチャンバと連結されたことを特徴とする、請求項4に記載の血液処理装置。
【請求項6】
前記第1血液ポートは、少なくともいずれか一つのチャンバと連結された第2流動管と連結されたことを特徴とする、請求項5に記載の血液処理装置。
【請求項7】
前記第2血液ポートは、少なくともいずれか一つのチャンバと連結された第1流動管と連結されたことを特徴とする、請求項6に記載の血液処理装置。
【請求項8】
前記流路調節部は、
前記流動管の一部を押圧して内部の流動を遮断する流路遮断部材と、
流路遮断部材によって押圧される前記流動管を支持する流路遮断壁、及び
流路遮断部材を駆動する流路遮断部材駆動器と、を含んで構成されることを特徴とする、請求項7に記載の血液処理装置。
【請求項9】
前記流路調節部は、
シリンダ形状の内部空間を有する流路調節ハウジングと、
シリンダ形状を有して前記流路調節ハウジングの内部空間に設けられる流路調節ロータと、
流路調節ハウジングを貫通するように設けられる複数の流路調節ポート、及び
前記流路調節ロータを駆動させるロータ駆動部と、を含み、
前記流路調節ロータによって少なくとも1個以上の流路調節ポートを介した流動は遮断され、前記流路調節ハウジングの内周面に位置した流路調節ポートの一端はシリンダ形状を有する前記流路調節ロータの円周面内に位置することを特徴とする、請求項7に記載の血液処理装置。
【請求項10】
前記流路調節部は、
流路調節部によって内部の流動が調節される流動管を押圧あるいは減圧することができる空気圧チャネル、及び
前記空気圧チャネルを押圧あるいは減圧することができる空気圧駆動器と、から構成されたことを特徴とする、請求項7に記載の血液処理装置。
【請求項11】
前記流路調節部は、流路調節部によって内部の流動が調節される各々の流動管に設けられて内部の流動を一方向に制限する一方向バルブと、から構成されることを特徴とする、請求項7に記載の血液処理装置。
【請求項12】
前記流路調節部は、流路調節部によって内部の流動が調節される各々の流動管に設けられて内部の流動を一方向に制限する一方向バルブと、をさらに含んで構成される請求項8に記載の血液処理装置。
【請求項13】
前記第1あるいは第2血液ポートと連結された血液流動管に設けられて前記血液処理フィルタを介して血液を移送させることができる血液ポンプと、をさらに含んで構成される、請求項5に記載の血液処理装置。
【請求項14】
前記流路調節部は、流路調節部によって内部の流動が調節される流動管のうち少なくとも半分の流動管を介した流動を遮断することを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の血液処理装置。
【請求項15】
前記チャンバは、硬い材質で作られ、
前記チャンバ押圧部材は、前記チャンバの内部空間を圧縮あるいは膨張させることができるように柔軟な材質からなる部分を含んで構成されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の血液処理装置。
【請求項16】
前記チャンバは、圧縮及び膨張が容易な柔軟な材質で作られ、
前記チャンバ押圧部材は、前記チャンバの内部空間を圧縮あるいは膨張させることができるように硬い材質からなる部分を含んで構成されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の血液処理装置。
【請求項17】
同時に圧縮されるチャンバのうち少なくとも2個のチャンバは互いに同一のストロークボリュームを有し、
同時に膨張されるチャンバのうち少なくとも2個のチャンバは互いに同一のストロークボリュームを有することを特徴とする、請求項2から13のいずれか1項に記載の血液処理装置。
【請求項18】
圧縮されるチャンバのうち少なくともいずれか一つのチャンバの圧縮-膨張ストロークボリュームは、膨張されるチャンバのうち少なくともいずれか一つのチャンバのストロークボリュームよりも大きいかあるいは小さいことを特徴とする、請求項17に記載の血液処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液処理のための装置、消耗品及び方法に関し、さらに詳細には、複数の流体チャンバを同時に圧縮あるいは膨張させ、これを通じて血液と透析溶液を一緒に移送させることで装置全体が単純化し、設置が容易で、処置コストを節減した血液処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
腎臓機能に障害が生じると、体外に排出されなければならない水分と老廃物が体内に蓄積されると同時に電解質の不均衡が発生するようになる。このような腎不全症状を改善する方法として、血液を体外で循環させ、半透過性膜(membrane)を介して体内に蓄積された尿毒素と余剰水分を除去する血液透析療法が主に行われている。血液透析は、半透過性膜の一側に血液を、他側に透析溶液を流動させることで、この二つの流体の濃度差による拡散(diffusion)と圧力差による濾過(filtration)の原理を利用して体内尿毒素と余剰水分を除去し、電解質の均衡を図る方法である。
【0003】
血液処理療法は、血液を体外で循環させて血液中の毒性物質を除去したり、あるいは有益な成分を供給する方法であるが、血液透析は、代表的な血液処理療法に該当する。血液処理療法は、内部で血液などの生理的な体液と透析溶液などの浄化された無菌溶液との間で物質伝達が起こる血液処理フィルタと一緒に使用される。
【0004】
血液と透析溶液が通過する間、物質移動が容易に起こるように円筒状容器に半透過性膜を装填し、その両端部にポリウレタンなどの合成樹脂を利用してポート加工した中空糸膜型血液処理フィルタが主に使用されている。これは、中空糸形態の血液処理フィルタはその大きさに比べて物質伝達面積が広いため、高い物質伝達効率を図ることができるためである。
【0005】
血液と透析溶液は、血液処理フィルタを通過しながら静水圧が減少するようになるが、血液と透析溶液が血液処理フィルタ内で互いに反対方向に流動するため、血液処理フィルタ内で血液の流入パートでは血液圧力が透析溶液圧力よりも高いため血液中の水分が透析溶液領域に移動する濾過現象が発生し、反対に血液流出パートでは透析溶液圧力が血液圧力よりも高いため透析溶液から血液領域に水分が移動する逆濾過現象が起こるようになる。
【0006】
既存の血液処理装置の場合、複数の透析溶液ラインに連結されたバランスチャンバと2個以上の透析溶液ポンプを利用して透析溶液の流れを調節し、また、血液ポンプを介して血液を移送させる。また、上述のバランスチャンバ及び透析溶液ポンプは、周期的な消毒が不可避であり、したがって、既存の血液処理装置は、非常に複雑で、患者が使用するのにかなり困難がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような既存の血液処理装置の問題点を解決するために考案されたものであり、単一チャンバ押圧部材を利用して複数の流体チャンバを同時に圧縮あるいは膨張させ、これを通じて血液と透析溶液を同時に移送させることができる。前記複数の流体チャンバは、血液処理フィルタに供給される透析溶液と血液処理フィルタから排出される透析溶液の量を同一に維持させることができる。したがって、既存の血液ポンプ及びバランスチャンバの使用を排除することができ、これを通じて血液処理装置全体を飛躍的に小型化及び軽量化させることができ、設置が容易で、血液処理コストを節減することができる。したがって、本発明に係る血液処理装置は、病院だけでなく病院外部の場所でも血液処理を効率的に行うことができる血液処理装置を提供することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような目的を達成するための本発明の一実施例に係る血液処理装置は、各々内部空間を有する複数の流体チャンバと、各流体チャンバの内部空間を圧縮あるいは膨張させることができるチャンバ押圧部材と、前記チャンバ押圧部材を駆動させることができる押圧部材駆動器、及び流路調節部と、を含んで構成される。
【0009】
前記複数の流体チャンバは、n個の流体チャンバを含んで構成されるが、ここでnは2以上の整数値を有する。そして、n個の流体チャンバの各々は、チャンバに流体が流入される流入管及びチャンバ内部の流体が流出される流出管と連結されて構成されてもよい。
【0010】
前記流路調節部は、n個の流体チャンバと連結される流入管と流出管を介した流動(あるいは流路)を調節することを特徴とする。したがって、流動を開放あるいは遮断することができる多様なバルブ構造が利用されてもよい。例えば、
前記流路調節部によって内部の流路が調節される流動管の各々に設けられて内部の流動を一方向に流れるように制限する一方向バルブと、
前記流路調節部によって内部の流路が調節される流動管の各々に設けられて内部の流動を開放あるいは遮断するソレノイドバルブと、
直線運動あるいは曲線運動を通じて前記流動管の一部を圧縮して流動を遮断することができる流路遮断部材と、前記流路遮断部材によって圧縮される流動管を支持する流路遮断壁、及び前記流路遮断部材を駆動する流路遮断部材駆動器を含んで構成される押圧型バルブ、及び
内部空間を有する流路調節ハウジングと、前記流路調節ハウジングの内部空間に回転あるいは直線移動が可能になるように設けられる流路調節ロータと、流路調節ハウジングを貫通するように設けられる複数の流路調節ポート、及び前記流路調節ロータを駆動するロータ駆動部を含む回転型バルブと、などで構成されてもよい。
【0011】
ここで、本発明の一実施例に係る流路調節部は、前記チャンバが圧縮あるいは膨張されると、流路調節部によって内部の流路が調節される流動管のうち約半分の流動管を介した流路を遮断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施例に係る血液処理装置によれば、単一チャンバ押圧部材を利用して複数の流体チャンバを同時に圧縮あるいは膨張させ、これを通じて血液と透析溶液を同時に移送させることができる。前記複数の流体チャンバは、血液処理フィルタに供給される透析溶液と血液処理フィルタから排出される透析溶液の量を同一に維持させることができる。したがって、既存の血液ポンプ及びバランスチャンバの使用を排除することができ、これを通じて血液処理装置全体を飛躍的に小型化及び軽量化させることができ、設置が容易で、血液処理コストを節減することができる。したがって、本発明に係る血液処理装置は病院だけでなく、病院外部の場所でも血液処理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る血液処理装置の概念図
図2】本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図(flow circuit diagram)
図3】本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図(flow circuit diagram)
図4】本発明の一実施例に係る血液処理装置に含まれる流体移送装置部の一例を示す図
図5】本発明の一実施例に係る血液処理装置に含まれる流体移送装置部の一例を示す図
図6】本発明の一実施例に係る血液処理フィルタを示す図
図7】押圧型バルブで構成された本発明の一実施例に係る流路調節部を示す図
図8】押圧型バルブで構成された本発明の一実施例に係る流路調節部を示す図
図9】回転型バルブで構成された本発明の一実施例に係る流路調節部を示す図
図10】回転型バルブで構成された本発明の一実施例に係る流路調節部を示す図
図11】回転型バルブで構成された流路調節部を有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図12】回転型バルブで構成された本発明の一実施例に係る流路調節部を示す図
図13】4個の流体チャンバを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図14】4個の流体チャンバを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図15】3個の流体チャンバを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図16】4個の流体チャンバを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図17】5個の流体チャンバを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図18】5個の流体チャンバを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図19】6個の流体チャンバを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図20】6個の流体チャンバを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図21】6個の流体チャンバを有する本発明の他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図22】6個の流体チャンバを有する本発明の他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図23】6個の流体チャンバを有する本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図24】6個の流体チャンバを有する本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図25】一方向バルブで構成された流路調節部と6個の流体チャンバを有する本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図26】一方向バルブで構成された流路調節部と6個の流体チャンバを有する本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図27】8個の流体チャンバを有する本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図28】8個の流体チャンバを有する本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図29】血液ポンプを有する本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図30】流体チャンバが垂直に構成された本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置の流動回路図
図31】本発明の一実施例に係る流路調節付議作動方法を示した図
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。しかし、本発明は後述の実施例に限定されず、多様に変形されてもよい。本発明の説明において、図面に示した構成要素の大きさや形状などは説明の明瞭性と便宜のために誇張されたり単純化される場合がある。また本発明の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は、使用者、運用者の意図または慣例によって変わる場合がある。このような用語は本明細書全般にわたる内容を基に本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0015】
本発明の説明において、単数で表現された発明の要素は、その要素が複数存在し得るという意味を含むものと解釈されることが好ましい。また、発明の要素間の位置を明らかにする表現の場合、可能な限り最も広く解釈されることが好ましい。例えば、第1要素が第2要素の上に、間に、あるいは横に存在するという意味は、二つの要素間に第3の他の要素が存在する場合がある。本発明の説明において、「同じあるいは同一である」などの意味は、「完全に」同一であるという意味以外にほぼ同じか同一の場合を含む意味で解釈されることが好ましい。「同時に」など時間の同等性を表現する意味は、完全に「同時に」起こる意味以外にほぼ類似する時間(時)に起こる場合を含む。図面上で同一の発明の構成要素は、明細書全般にかけて同一の図面符号を使用して表現された。
【0016】
以下、添付の図面を参照して本発明の一実施例に係る血液処理装置について詳しく説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施例に係る血液処理装置1の概念図を示したものである。本発明に係る血液処理装置は、血液から血漿あるいは血球を分離したり、または血液を貯蔵するなどの単純な処理だけでなく、血液を介して患者に治療を提供する多様な装置を含む概念である。腎不全患者のための血液透析装置、急性肝不全患者のための肝透析装置、肺あるいは心臓の機能を代替する体外循環装置(extracorporeal life supporter, ECLS)、あるいは多臓器不全(multi-organ failure)治療のための各種浄化装置などを含んでもよい。
【0018】
前記血液処理装置は、血液処理処置部2と消耗品セット3を含んで構成されてもよい。前記血液処理処置部2は、ハードウェアでユニットとして通常ハウジング内部に各種電子装置が備えられており、これを通じて血液処理療法を行ってもよい。各種ソフトウェア及びプログラムが設けられて血液処理処置部2内部の各種電子装置を駆動する。前記消耗品セット3は、通常1、2回など短期間使用された後に廃棄される使い捨て要素として血液、透析溶液、あるいは各種溶液が流動する流動管、空気を除去するためのエアチャンバ、あるいは/及び血液処理フィルタ10などが挙げられる。
【0019】
図2及び図3は本発明の一実施例に係る血液処理装置1の流動回路図を示したものである。本発明の一実施例に係る血液処理装置1は、血液と透析溶液を移送させる流体移送装置部50、イオン均衡(濃度)を調整することで透析溶液を製造する透析溶液処理部30、超純水を製造する水処理装置部40、及び流体が流動する流動管を介した流路を調節する流路調節部60を含んで構成される。なおかつ、各種モニタリングセンサ24、34を含んで構成され、内部で血液処理が起こる血液処理フィルタ10を含んで構成される。例えば、血液処理フィルタ10内部で血液と透析溶液との間で物質伝達が起こってもよい。
【0020】
本発明の一実施例に係る流体移送装置部50は、内部空間を有する複数の流体チャンバと、前記複数の流体チャンバの内部空間を圧縮あるいは膨張させるチャンバ押圧部材59と、チャンバ押圧部材を駆動する押圧部材駆動器(図示しない)を含んで構成される。前記複数の流体チャンバは、内部空間を有する第n個の流体チャンバを含んで構成されるが、ここでnは2以上の正の整数値を有する。好ましくは本発明の一実施例に係る血液処理装置1は、3個から8個の流体チャンバを含んで構成されてもよい。例えば、図2図3は各々4個の流体チャンバ及び6個の流体チャンバ51ないし56を含んで構成される本発明の一実施例に係る血液処理装置1の流動回路図を示したものである。
【0021】
ここで、透析溶液という表現を使用したが、これは血液と区分するための表現であり、前記透析溶液は血液透析、腹膜透析、急性腎不全患者のための持続的腎代替療法(CRRT)などに使用される透析液に限定されない。透析溶液は、血液処理療法に使用される多様な流体を含む意味であるが、例えば血漿、血清、蒸溜水、生理食塩水、ラクトース溶液などが含まれてもよい。
【0022】
各々のチャンバは、チャンバに流体が流入される流入管及びチャンバの流体が流出される流出管と連結されてもよい。第1チャンバ51は、第1チャンバ流入管51a及び第1チャンバ流出管51bと連結されるが、第1チャンバ流入管51aを介して流体が第1チャンバ51に流入され、第1チャンバ51の流体は、前記第1チャンバ流出管51bを介して排出されてもよい。同様に、第2チャンバ52は、第2チャンバ流入管52a及び第2チャンバ流出管52bと連結され、第2チャンバ流入管52aを介して流体が第2チャンバ52に流入され、第2チャンバ52の流体は第2チャンバ流出管52bを介して流出されてもよい。他のチャンバも同様である。
【0023】
ここで流入管及び流出管という表現を使用したが、これは流体が必ずしも流入管を介してチャンバに流入され、流出管を介して流体が流出されることを意味しない。例えば、流体は流出管を介してチャンバに流入されてもよく、あるいは流入管及び流出管を全て介して流体が流入されたり流出されてもよい。各チャンバに2個の流動管(すなわち、流入管及び流出管)が連結されたものを示したが、図2及び図3に示したように、各チャンバと連結された流入管及び流出管は、一部が互いに重なり、各チャンバには一つの流動管が連結されてもよい。
【0024】
前記n個の流体チャンバは、同時に圧縮あるいは膨張されることを特徴とする。すなわち、n個のチャンバ全て同時に圧縮されたり、あるいはn個のチャンバ全て同時に膨張されてもよい。あるいは前記n個の流体チャンバのうち一部は圧縮され、同時に他の一部は膨張されてもよい。例えば、前記流体移送装置部50が6個の流体チャンバを含む場合、6個のチャンバ全てが一度に圧縮されるか、あるいは一度に膨張されてもよい。あるいは前記6個のチャンバのうちいずれか3個は圧縮され、他の3個は膨張されてもよい。あるいは前記6個のチャンバのうちいずれか4個は圧縮され、同時に他の2個は膨張されるか、あるいは反対にいずれか4個は膨張され、他の2個は圧縮されてもよい。
【0025】
図2及び図3に示されるように、前記流体チャンバは、シリンダ形状の内部空間を有し、チャンバ押圧部材59は、シリンダ形状の内部空間を圧縮あるいは膨張させるピストン形状を有するように示した。しかし、本発明の一実施例に係るチャンバとチャンバ押圧部材は、図示した形状に限定されない。流体を収容することができるように、内部空間を有する容器と、その容器内部空間を圧縮あるいは膨張させることで内部に流体を移送させることができる多様な部材が本願発明のチャンバとチャンバ押圧部材として使用されてもよい。例えば、内部空間を有する流体サック(fluid sac)、流体バッグ(fluid bag)、圧縮膨張が可能な軟質の流体チューブ(fluid tube)、そしてその流体サック、流体バッグあるいは流体チューブ内部を膨張あるいは圧縮させることで内部に流体を吐出させることができる押圧部材で構成されてもよい。
【0026】
また、前記流体チャンバは、決められた形状(例えば、シリンダ形状)を有するように硬い材質で製造され、このとき、前記チャンバ押圧部材59は、ゴム、ポリマー、シリコーンなどの軟質の材質で作られた部分を含んで構成されてもよい。またはチャンバは、圧縮膨張が容易な柔軟な材質で形成され、このとき、前記チャンバ押圧部材59は、軟質の流体チャンバを圧縮あるいは膨張させる硬い材質で形成されてもよい。
【0027】
例えば、図4及び図5は軟質で作られ、内部空間を同様の流体サック(あるいは流体袋)形態のチャンバを有する流体移送装置部50を示した。ここで上述の流体サックは、容易に設けられるようにフレーム590内に設けられてもよい。前記チャンバ押圧部材59は、前記流体サックを圧縮あるいは膨張させる構造を有するが、例えば、前記流体サックは、空気圧ポンプ、ガスポンプ、真空ポンプなどの空気圧駆動器の作動によって圧縮あるいは膨張されてもよい。すなわち、血液処理装置1のハウジング4に位置した空気圧駆動器によって空気圧チャネル591が膨張あるいは圧縮されるが、これを通じて流体サックが圧縮あるいは膨張されてもよい。これは前記空気圧チャネル591が前記流体サックを囲む空間と連結されているためである。すなわち、前記空気圧チャネル591が前記チャンバ押圧部材59の役割をすることができることを意味する。このとき、前記流体サックを囲む空間の漏出が発生しないようにガスケット592がさらに設けられてもよいが、このガスケット592は、軟質の材質だけでなく、プラスチック、金属、ポリマーなどの硬い材質で製作されてもよい。
【0028】
本発明の一実施例によって、前記チャンバは、同時に圧縮あるいは膨張されてもよく、したがって、一つのチャンバ押圧部材59によってチャンバは圧縮あるいは膨張され、同様に単一押圧部材駆動器によって前記チャンバ押圧部材59は駆動されてもよい。押圧部材駆動器は、チャンバ押圧部材59に直線運動あるいは曲線運動をさせることができる多様な形態が利用されてもよい。例えば、チャンバ押圧部材59を一方向に移動させるためにモータとモータによって回転するカムを含んで構成されてもよい。あるいはモータとモータによって回転する円形ギア、円形ギアの回転によって直線運動をするリニアギアなどを利用してもよい。カムあるいは円形ギアの回転によってチャンバ押圧部材59が一方向に移動し、カムあるいは円形ギアがさらに回転したり、あるいは逆方向に回転することでさらにチャンバ押圧部材59は反対方向に移動してもよい。
【0029】
前記血液処理フィルタ10は、血液処理が可能な多様なフィルタ装置が利用されてもよい。図6は血液処理フィルタ10の一例を示したが、前記血液処理フィルタ10は、内部空間を有する血液処理フィルタハウジング11と、前記血液処理フィルタハウジング11に収容されて血液と透析溶液との間に物質伝達が起こる血液処理メンブレン12で構成されてもよい。前記血液処理フィルタ10の内部空間は、前記メンブレン12によって複数の流体流動領域に区画されてもよいが、例えば、血液処理フィルタハウジング11の内部空間は、血液処理メンブレン12によって血液が流動する区間と透析溶液が流動する区間とに区画されてもよい。
【0030】
血液処理フィルタハウジング11の一端と他端には第1血液ポート13と第2血液ポート14が備えられ、第1血液ポート13を介して血液が血液処理フィルタ10に流入されて第2血液ポート14を介して排出されてもよい。したがって、前記第1血液ポート13及び第2血液ポート14は、各々第1血液流動管21及び第2血液流動管22と連結され、これを通じて血液が前記血液処理フィルタ10に流動してもよい。前記血液処理フィルタハウジング11の外周面一側と他側には透析溶液が流動するように第1透析溶液ポート15と第2透析溶液ポート16が備えられるが、具体的に、透析溶液は、第1透析溶液ポート15を介して血液処理フィルタ10に供給され、第2透析溶液ポート16を介して血液処理フィルタ10から排出されてもよい。
【0031】
血液は、血液処理フィルタ10内部の血液流動領域(compartment)を通過し、透析溶液は、血液処理フィルタ10内部の透析溶液流動領域を通過するようになる。このとき、血液と透析溶液は、血液処理フィルタ10内部で互いに反対方向に流動してもよい。血液処理フィルタは、図示した形態に限定されず、多様な形態に変更されてもよいが、例えば、血液透析フィルタ(hemodialyzer)、血液透析濾過フィルタ(hemodiafilter)、吸着フィルタ(adsorption filter)などが含まれてもよい。
【0032】
本発明の一実施例に係る血液処理装置1は、透析溶液を製造する透析溶液処理部30をさらに含んで構成されてもよい。透析溶液処理部30は、水処理装置部40を介して生成された超純水(ultrapure water)に酸イオン(acid ion)及び重炭酸(bicarbonate)溶液、あるいは酸イオン(acid ion)及び重炭酸(bicarbonate)パウダーを混合してbicarbonate、sodiumなど電解質濃度とpHなどを調整して製造されてもよい。
【0033】
透析溶液処理部30は、上述の酸イオン溶液及び重炭酸イオン溶液を移送するための透析溶液プロセスポンプ31をさらに含んで構成されてもよい。前記透析溶液プロセスポンプ31は、また第1イオン溶液を移送するための第1透析溶液プロセスポンプ31aと第2イオン溶液を移送するための第2透析溶液プロセスポンプ31bとに区画されてもよい。ここで前記透析溶液プロセスポンプ31は、正確な量のイオン溶液を移送する必要があるが、したがって、定量流体ポンプを使用することが好ましい。例えば、ロータリピストンポンプ、定量脈動ポンプ、精密ピストンポンプなどが挙げられる。
【0034】
また、本発明の一実施例に係る血液処理装置1は、供給透析溶液貯蔵部36と排出透析溶液貯蔵部38をさらに含んで構成されてもよいが、供給透析溶液貯蔵部36は、前記透析溶液を貯蔵した後に血液処理フィルタ10に供給し、前記排出透析溶液貯蔵部38は、使用された透析溶液を貯蔵してもよい。しかし、透析溶液は、供給透析溶液貯蔵部36に貯蔵されずに直ちに血液処理フィルタ10に供給されてもよく、使用された透析溶液は、前記排出透析溶液貯蔵部38に貯蔵されずに直ちに排出、廃棄されてもよい。
【0035】
透析溶液は、上述のように、前記透析溶液処理部30を介して造成されるものに限定されず、例えば、既に作られた透析溶液バッグ(bag)を利用して供給されてもよい。また、本発明の一実施例に係る血液処理装置1は、製造された透析溶液の純度を測定することができる手段、例えば、伝導度センサなどをさらに含んで構成されてもよい。
【0036】
前記水処理装置部40は、超純水を製造するためにいくつかの段階の濾過段階を経るようになるが、例えば、前処理フィルタ、カーボンフィルタ、逆滲透圧フィルタ、イオン交換樹脂、そして内毒素(endotoxin)フィルタなどを含んで構成されてもよい。前記水処理装置部40は、血液処理療法の目的に合うようにその構成が変更されてもよい。
【0037】
前記流路調節部60は、前記n個の流体チャンバと連結される流入管と流出管を介した流動(あるいは流路)を調節することを特徴とする。したがって、流動を開放あるいは遮断することができる多様なバルブ構造が前記流路調節部60に利用されてもよい。例えば、前記流路調節部60は、一方向バルブ、ソレノイドバルブ、オンオフバルブ、押圧型バルブ(pressurizing type valv)、回転型バルブ(rotating-type valve)、及び空気圧バルブ(pneumatic valve)のうちいずれか一つの構造を有するか、これらバルブの組み合わせからなってもよい。
【0038】
一方向バルブは、前記流路調節部60によって内部の流路が調節される流動管の各々に設けられて内部の流動を一方向に流れるように制限する。ソレノイドバルブとオンオフバルブは、前記流路調節部60によって内部の流路が調節される流動管の各々に設けられて内部の流動を開放あるいは遮断する。空気圧バルブあるいは空気圧バルブアセンブリは、空気圧駆動器(pneumatic driver)と空気圧チャネル(pneumatic channel。)で構成されてもよい。空気圧駆動器は、空気圧チャネルを押圧あるいは減圧することができるが、これを通じて空気圧チャネルと連結された流動管を膨張あるいは押圧、すなわち内部の流動を開放あるいは遮断させることができる。一例の空気圧流路調節部60を図4及び図5に示した。上述のように、多様な形態の空気圧駆動器を介して空気圧チャネルと流動管を押圧あるいは減圧することができる。
【0039】
図7ないし図9は前記押圧型バルブ、すなわち押圧型流路調節部60を示したものである。本発明の一実施例に係る押圧型バルブは、直線運動あるいは曲線運動を通じて前記流動管の一部を圧縮して流動を遮断することができる流路遮断部材61と、前記流路遮断部材61によって圧縮される流動管を支持する流路遮断壁62、及び前記流路遮断部材61を駆動する流路遮断部材駆動器を含んで構成されてもよい。
【0040】
図7及び図8は4個のチャンバ51ないし54と連結された8個の流動管51a、51b、52a、52b、53a、53b、54a及び54bを介した流路を調節する一例の流路調節部60を示したものである。前記流路遮断部材61が流動管51a、52b、53a、54b側に移動すると、流路遮断部材61の一端が流路遮断壁62に支持されているこの流動管を圧縮して内部の流動を遮断してもよい。このとき、流動管51b、52a、53b、54aを介した流路は開放される。また、流路遮断部材61が反対に移動すると流路遮断部材61の他端が流動管51b、52a、53b、54aを圧縮して内部の流動を遮断してもよい。
【0041】
ここで説明の便宜のために流路遮断部材61の一端と他端を言及したが、本発明の一実施例に係る流路調節部60は、図示した構造に限定されない。例えば、図7に示したように、2個以上の分離した流路遮断部材61a及び61bによって流動管51a、52b、53a、54bと流動管51b、52a、53b、54aを介した流動を交互に遮断してもよく、流路遮断部材駆動器は、分離した流路遮断部材61a及び61bを各々駆動するように変更されてもよい。
【0042】
あるいは前記流動管がシリコーン、ポリウレタン、ポリアセタールなど軟質の材料で製造された場合、流動管が所定の角度に曲がれば内部の流動が遮断されることができる。すなわち前記流路遮断部材61は、前記流動管を圧搾して内部の流動を遮断するものに限定されず、前記流動管が決められた角度曲がるように作動し得ることは当業者にとって自明である。
【0043】
流路遮断部材駆動器は、流路遮断部材61に直線運動あるいは曲線運動を起こすことができる多様な構造のものが利用されてもよい。上述のチャンバ押圧部材駆動器に対する説明が流路遮断部材駆動器にも同一に適用されてもよい。例えば、流路遮断部材61を流路遮断壁62側に移動させるためのカムとカムを回転させるためのモータが含まれてもよく、カムの回転によって流路遮断部材が流動管を圧縮すると内部の流動は遮断され、カムによる外力が除去されると流路遮断部材は流動管から離隔され、流動管はそれ自体の弾性力により元の状態に復元されながら開放される。あるいは、モータに連結された偏心カムが回転して一側の流動管を圧縮すると、圧縮された流動管内部の流動は遮断される。カムがさらに回転すると管を圧縮するカムの外力は除去され、管は元の状態に復元されながら開放されてもよい。あるいはモータに連結された偏心カム(eccentric cam)が回転をすることで前記流路調節部60によって内部の流動が調節される流動管を押圧し、これを通じて内部の流動を遮断してもよい。またカムがさらに回転したり、あるいは逆方向に回転をすることでカムによる外力は除去され、流動管は元の状態に復元して内部の流動は開放されてもよい。
【0044】
ここで、前記流路調節部60は、図8に示したように、6個のチャンバ51ないし56と連結された12個の流動管51a、51b、52a、52b、53a、53b、54a、54b、55a、55b、56a及び56bを介した流路を調節することができるように変更されてもよい。特に、前記流路調節部60は、流動管51a、52b、53a、54b、55a、56bと流動管51b、52a、53b、54a、55b、56aを交互に遮断することを特徴とする。このとき、前記流路遮断部材61によって押圧される流動管を支持するために押圧型バルブで構成された流路調節部60は、チューブ固定部63(図示しない)をさらに含んで構成されてもよい。
【0045】
前記流体チャンバが圧縮あるいは膨張されると、前記流路調節部60は、流路調節部60によって内部の流動が調節される流動管のうち少なくとも半分以上の流動管を介した流路を遮断することを特徴とする。
【0046】
前記流路調節部60は、上述の構造に限定されず、他の構造に変更されてもよい。図9及び図10に示したように、回転型バルブで構成された本発明の一実施例に係る流路調節部60は、内部空間を有する流路調節ハウジング64と、前記流路調節ハウジングの内部空間に回転あるいは直線移動が可能になるように設けられる流路調節ロータ66と、流路調節ハウジング64を貫通するように設けられる複数の流路調節ポート65、及び前記流路調節ロータ66を駆動するロータ駆動部67を含んで構成されてもよい。
【0047】
ここで前記流路調節ロータ66が前記流路調節ハウジング64に密着結合した状態で円滑に回転あるいは直線移動するためには、流路調節ハウジング64の内部空間と前記流路調節ロータ66はシリンダ形状を有するのがより好ましい。あるいは前記流路調節ロータ66は、回転をしながら直線運動をするように変更されてもよい。すなわち前記流路調節ロータ66の回転運動あるいは直線運動を通じて少なくとも2個以上の流路調節ポート65間の流路が連結されてもよい。
【0048】
また、本発明の一実施例に係る流路調節部60は、前記流路調節ロータ66に流路調節凹部68をさらに含んで構成されてもよいが、流路調節凹部68はいずれか二つの流路調節ポート65間の流動が開放されたとき、この流路調節ポート65を介した流体の移動をより容易することができる。図9では断面上の形状が三日月のような流路調節凹部68を示したが、流路調節凹部68の形状は図面に限定されず、四角形、三角形、など他の形状に変更されてもよい。図11は前記流路調節部60が回転型バルブで構成された本発明の一実施例に係る血液処理装置1の流動回路図を示したものである。
【0049】
前記複数の流路調節ポート65は、シリンダ形状を有する流路調節ハウジング64の内部空間(あるいはシリンダ形状を有する流路調節ロータ)の円周方向に沿って離隔されて設けられてもよい。そして、前記複数の流路調節ポート65は、同一の断面上に位置してもよいが、具体的に、前記流路調節ロータ66の軸方向に垂直な断面を考慮すると、前記流路調節ポート65がいずれか一つの断面に位置するように設けられてもよい。図9でD-D’及びE-E’と表示された断面上に前記流路調節ポート65が位置したことが分かる。ここで同一の断面に位置するという意味は、必ずしも同一の断面に位置することを意味するだけでなく、流路調節ロータ66の軸方向に沿ってほぼ類似する高さに位置することを意味することを当業者であれば理解することができる。なおかつ、前記流路調節ポート65は、図11のG-G’及びH-H’に示したように、2個あるいはそれ以上の断面に分けられて設けられてもよい。すなわち前記流路調節ポート65は、流路調節ロータ66の軸方向に沿ってほぼ同一の高さの平面上に位置することができることを特徴とする。
【0050】
上記で説明したように、流路調節ロータ66は一方向に回転してもよいが、時計方向及び反時計方向など両方向に回転してもよい。また、前記流路調節ロータ66は、回転をしながら直線運動をするなど前記流路調節ポート65間の流動を開放したり遮断することができる他の方法で具現されてもよい。ここで、流路調節ロータ66の回転速度を通じて前記流路調節ポート65間の流路の遮断あるいは開放時間を調節してもよい。
【0051】
流路調節ロータ66が流路調節ハウジング64の内部に密着結合したとき、この結合面を介して流体の漏出がないことが好ましい。このため、前記流路調節ロータ66あるいは/及び前記流路調節ハウジング64は、流体漏出を抑制することができるポリマー、金属、ABS、アクリルなどの材料で製作されることが好ましい。
【0052】
また、かかる漏出を防止するために、図12に示したように、本発明の一実施例に係る流路調節部60は、前記流路調節ロータ66の円周面にOリングあるいはガスケット(gasket)など突出部69をさらに含んで構成されてもよい。かかる突出部69は、流路調節ロータ66と流路調節ハウジング64の接着面を介した流体漏出を抑制するためにシリコーン、ゴムなど柔軟な材質で構成されるか、あるいは流体漏出をより効率的に抑制するために金属、アルミニウム、ポリマー、プラスチックなど堅い材質で構成されてもよい。ここでOリングあるいはガスケット(gasket)などの突出部69は、前記流路調節ロータ66の代わりに前記流路調節ハウジング64の内部空間に備えられた突出部69に変更されてもよい。
【0053】
前記回転型バルブは、上述の構造に限定されず、他の構造に変更されてもよい。また、前記流路調節部60も上述の構造に限定されず、流体チャンバと連結された流動管を介した流路を開放あるいは遮断することができる他の構造に変更されてもよい。
【0054】
なおかつ、前記血液処理装置1は、各種センサ24、34を含んで構成されてもよい。かかるセンサは、血液処理処置をモニタリングする役割をするが、例えば圧力センサ、空気バブルセンサ(air bubble sensor)、血液漏出センサ(blood leak sensor)、温度センサ、伝導度センサなどが含まれてもよい。また、前記血液処理装置1は、内毒素フィルタ(endotoxin filter)をさらに含んで構成されてもよいが、これは透析溶液中に含まれる可能性のあるいくつかの内毒素、細菌など有害な物質を除去することで血液と触れないようにする。
【0055】
以下、添付の図面を参照して本発明の一実施例に係る血液処理装置1の多様な実施例を詳しく説明する。図13ないし図28は血液処理装置1のいくつかの実施例と作動を示したものである。
【0056】
実施例1
血液処理装置1は、第1、第2、第5、及び第6など4個の流体チャンバ51、52、55及び56を含んで構成される(図13)。2個のチャンバ51及び52は、透析溶液を移送させるために血液処理フィルタ10の透析溶液ポートと連結され、他の2個のチャンバ55及び56は、血液を移送させるために血液ポートと連結される。前記流路調節部60は、各チャンバの流入管及び流出管を介した流動を調節することができるように押圧型バルブで構成されたことが分かる。
【0057】
2個のチャンバ52及び56が圧縮され、他の2個のチャンバ51及び55は膨張される。このとき、前記流路調節部60は、流動管51a、52b、55a及び56bを介した流路は遮断し、流動管51b、52a、55b及び56aを介した流路は開放する(図13)。前記第1チャンバ51の膨張によって透析溶液が前記第1チャンバ流入管51aを介してチャンバに流入される。前記第2チャンバ52の圧縮によって、チャンバ内部の透析溶液が前記第2チャンバ流出管52bを介して排出される。前記第5チャンバ55の膨張によって、患者の血液が第5チャンバ流入管55aを介してチャンバに流入される。前記第6チャンバ56の圧縮によって、チャンバ内部の血液が患者に回送される。このとき、血液処理フィルタ10を介して血液と透析溶液は一緒に流動しない。
【0058】
ここで、図面の太い黒い線はその流動管を介して流動があることを意味する。すなわち流路調節部60によってその流動管の流路は開放される。一方、薄い黒い線はその流動管を介して流動がないことを意味する。すなわち流路調節部60によってその流動管の流路は遮断される。また、点線は補助透析溶液流動管81とここに設けられた補助透析溶液ポンプ82を示したものである。
【0059】
一方、2個のチャンバ52及び56が膨張され、他の2個のチャンバ51及び55は圧縮されると、前記流路調節部60は、流動管51a、52b、55a及び56bを介した流路は開放し、流動管51b、52a、55b及び56aを介した流路は遮断する(図13)。前記第1チャンバ51の圧縮によってチャンバ内部の透析溶液が前記第1チャンバ流出管51bを介して血液処理フィルタ10に供給される。前記第2チャンバ52の膨張によって血液処理フィルタ10の透析溶液が第2チャンバ流入管52aを介して第2チャンバ52に流入される。前記第5チャンバ55の圧縮によってチャンバ内部の血液が第5チャンバ流出管55bを介して前記血液処理フィルタ10に供給される。前記第6チャンバ56の膨張によって前記血液処理フィルタ10の血液が第6チャンバ流入管56aを介して第6チャンバ56に流入される。このとき、血液と透析溶液が血液処理フィルタ10を介して流動する。
【0060】
すなわち第1チャンバ51は、新しい透析溶液を血液処理フィルタ10に供給し、第2チャンバ52は、血液処理フィルタ10の使用された透析溶液を排出させる役割をする。第5チャンバ55は、患者の血液を血液処理フィルタ10に供給し、第6チャンバ56は、血液処理フィルタ10の血液を患者に回送させる。ここで、前記透析溶液処理部30が透析溶液を製造するため、透析溶液処理部30は、前記第1チャンバ51と連結されてもよいが、具体的に、前記第1チャンバ51の第1チャンバ流入管51aを介して連結されてもよい。
【0061】
ここで、各々のチャンバ51、52、55及び56を介した流体の流動量を調節するために前記チャンバは、互いに同一の圧縮-膨張ストローク(stroke)ボリュームを有するか、あるいは互いに異なる圧縮-膨張ストローク(stroke)ボリュームを有してもよい。図13でチャンバ押圧部材59が左右に決められた長さ動き、これにより前記チャンバが圧縮あるいは膨張されるが、このとき、各チャンバの圧縮及び膨張されるボリュームをストロークボリュームと定義することができる。
【0062】
ここで、チャンバ51及び52は、互いに同一のストロークボリュームを有し、チャンバ55及び56も互いに同一のストロークボリュームを有してもよい。ここで上述のように、同一であるとの意味は、完全に同じであるとの意味以外にほぼ類似するとの意味を含む。また、チャンバ51及び52のストロークボリュームは、チャンバ55及び56のストロークボリュームよりもさらに大きくてもよい。例えば、チャンバ51及び52のストロークボリュームは、チャンバ55及び56のストロークボリュームの約2倍になるように設計されてもよい。しかし、チャンバのストロークボリュームは、血液処理療法の目的に応じて異なるように変更されてもよい。前記チャンバが同一のストロークボリュームを有するためには、各チャンバ内部空間の断面積が同じか、あるいはほぼ類似していてもよい。チャンバの内部空間がシリンダ形状を有する場合、この内部空間断面積の内径が同一か、あるいは類似していてもよい。
【0063】
前記血液処理装置1は、異なるように変更されてもよいが、例えば、新しい透析溶液は、第2チャンバ52を介して血液処理フィルタ10に供給し、血液処理フィルタ10の使用済みの透析溶液は、第1チャンバ51を介して排出されてもよい。同じように、血液は、第6チャンバ56を介して血液処理フィルタ10に供給され、血液処理フィルタ10の血液は、第5チャンバ55を介して患者に回送されてもよい。
【0064】
なおかつ、前記流路調節部60は、チャンバ55及び56と連結された流入管及び流出管の流路調節のために押圧型バルブで構成されるものに限定されず、図14に示したように、前記流路調節部60は、一方向バルブ55c及び56cで構成されてもよい。
【0065】
実施例2
血液処理装置1は、第1、第2、及び第5など3個の流体チャンバ51、52及び55を含んで構成される(図15)。2個のチャンバ51及び52は、透析溶液を移送させるために前記血液処理フィルタ10の透析溶液ポートと連結され、他の一つのチャンバ55は、血液を移送させるために血液ポートと連結される。前記流路調節部60は、各チャンバ51、52及び55と連結された流入管及び流出管を介した流動を調節することができるように押圧型バルブで構成されたことが分かる。ここで、前記血液流動管22にさらに流路調節部60が設けられてもよいが、これを通じて前記第2血液ポート14と連結された血液流動管22を介した流動を開閉してもよい。
【0066】
第2及び第5チャンバ52及び55は圧縮され、第1チャンバ51は膨張されると、前記流路調節部60は、流動管51a、52b、55b及び22を介した流路は開放し、流動管51b、52a及び55aを介した流路は遮断する(図15)。前記第1チャンバ51の膨張によって、血液処理フィルタ10の透析溶液が前記第1チャンバ流入管51aを介してチャンバに流入される。前記第2チャンバ52の圧縮によってチャンバ内部の透析溶液が前記第2チャンバ流出管52bを介して血液処理フィルタ10に供給される。前記第5チャンバ55の圧縮によってチャンバ内部の血液が第5チャンバ流入管55aを介して血液処理フィルタ10に供給され、血液流動管22を介して患者に回送される。
【0067】
一方、2個のチャンバ52及び55は膨張され、他の1個のチャンバ51は圧縮されるとき、前記流路調節部60は、流動管51a、52b、55b及び22を介した流路は遮断し、流動管51b、52a及び55aを介した流路は開放する。前記第1チャンバ51の圧縮によってチャンバ内部の透析溶液が前記第1チャンバ流出管51bを介して排出される。前記第2チャンバ52の膨張によって透析溶液が前記第2チャンバ流入管52aを介してチャンバに供給される。前記第5チャンバ55の膨張によって患者の血液がチャンバに供給される。
【0068】
図面に示したように、本実施例の場合、患者と連結された単一針(あるいはカテーテル)によって血液が流出されるか、回送されてもよい。
【0069】
実施例3
本発明の一実施例に係る血液処理装置1は、上述の構造に限定されず、他の回路構造に変更されてもよい。例えば、患者の血液は2個の分離したチャンバ55及び56によって血液処理フィルタ10に供給されるか、あるいは患者に回送されてもよい。この2個の流体チャンバ55及び56は、一度に圧縮されるか、あるいは一度に膨張されてもよい(図16)。すなわち前記血液処理装置1は、上述の実施例1のように4個のチャンバを含んで構成されるが、1個のチャンバが圧縮されるとき、他の3個のチャンバは膨張され、反対に1個のチャンバが膨張されるとき、他の3個のチャンバは圧縮されてもよい。
【0070】
このとき、第5及び第6チャンバ55及び56に連結された流動管55a、55b、56a及び56bを介した流動を調節することができるように前記流路調節部60は、各流動管に設けられた一方向バルブで構成されてもよい。前記実施例2と類似する作動だが、図16の血液処理装置1ではチャンバ55及び56が圧縮されるか膨張されると全て血液が前記血液処理フィルタ10を介して流動することを特徴とする。
【0071】
実施例4
図17及び図18は5個の流体チャンバを含んで構成される本発明の一実施例に係る血液処理装置1を示したものである。特に、4個のチャンバ51ないし54は、透析溶液ポート15及び16と連結されて透析溶液を流動させ、他の一つのチャンバ55は、第1血液ポート13と連結されて血液を移送させる。
【0072】
前記チャンバ押圧部材59が図17で右側に移動する場合、すなわちチャンバ52及び54が圧出されるとき、血液が血液処理フィルタ10に移送される。ここで透析溶液は、4個のチャンバによって移送されるため、チャンバが圧縮されるか、あるいは膨張されると全ての透析溶液は血液処理フィルタ10を介して流動する。
【0073】
透析溶液の流動回路及び作動は、後述する実施例5及び6とほぼ類似するため、後でより詳しく説明する。血液の流動回路及び作動は、上述の実施例2と類似する。
【0074】
同じように、本発明の一実施例に係る血液処理装置1は、血液と透析溶液を移送させるために6個の流体チャンバ51ないし56を有するように変更されてもよい。図17及び図18に示したように、透析溶液は第1ないし第4チャンバ51ないし54によって移送される。しかし、血液は、2個のチャンバ55及び56によって移送されるが、この2個のチャンバは、図16に示したように、同時に圧縮されるか、あるいは同時に膨張されることを特徴とする。このとき、チャンバ55及び56と連結された流動管55a、55b、56a及び56bを介した流路を調節するための流路調節部60は、一方向バルブで構成されてもよい。また、チャンバ51ないし54と連結された流動管を介した流路を調節する流路調節部60は、一方向バルブ、ソレノイドバルブ、押圧型バルブ、回転型バルブのうちいずれか一つ、あるいはこれらの組み合わせからなってもよい。
【0075】
実施例5
図19及び図20は血液処理装置1の他の実施例を示したものである。前記血液処理装置1は、6個の流体チャンバ51ないし56を含んで構成されるが、透析溶液は、チャンバ51ないし54を介して移送される。特に、透析溶液は、第1チャンバ51及び第4チャンバ54を介して血液処理フィルタ10に供給され、第2チャンバ52及び第3チャンバ53を介して排出される。したがって、チャンバ51及び54は、第1透析溶液ポート15と連結され、チャンバ52及び53は、第2透析溶液ポート16と連結されることが好ましい。このとき、透析溶液処理部30は、第1チャンバ流入管51a及び第4チャンバ流入管54aを介して各々第1チャンバ51及び第4チャンバ54と連結されてもよい。
【0076】
血液は、チャンバ55及び56を介して移送される。第5チャンバ55を介して血液が血液処理フィルタ10に供給され、第6チャンバ56を介して血液が患者に回送される。したがって、第5チャンバ55は、第1血液ポート13に連結され、第6チャンバ56は第2血液ポート14に連結されてもよい。
【0077】
このとき、前記流路調節部60は、チャンバ51ないし54と連結された流動管のために押圧バルブと、チャンバ55及び56と連結された流動管のためにこれらの流動管に各々設けられた一方向バルブで構成されてもよい。
【0078】
図19に示したように、前記チャンバ押圧部材59によって第1、第3、及び第5チャンバ51、53、55が膨張され、第2、第4、及び第6チャンバ52、54、56が圧縮される。このとき、流路調節部60は、第1チャンバ流入管51a、第2チャンバ流出管52b、第3チャンバ流入管53a、及び第4チャンバ流出管54bを介した流動は開放し、第1チャンバ流出管51b、第2チャンバ流入管52a、第3チャンバ流出管53b及び第4チャンバ流入管54aを介した流動は遮断する。
【0079】
第1チャンバ51の膨張によって透析溶液が第1チャンバ流入管51aを介してチャンバ内部に流入される。第2チャンバ52の圧縮によって内部の透析溶液が第2チャンバ流出管52bを介して排出される。第3チャンバ53の膨張によって血液処理フィルタ10の透析溶液が第3チャンバ流入管53aを介してチャンバ内部に流入される。第4チャンバ54の圧縮によって内部の透析溶液が第4チャンバ流出管54bを介して血液処理フィルタ10に供給される。第5チャンバ55の膨張によって患者の血液が第5チャンバ流入管55aを介してチャンバ内部に流入される。第6チャンバ56の圧縮によって内部の血液が第6チャンバ流出管56bを介して血液処理フィルタ10に供給される。このとき、第5チャンバ55及び第6チャンバ56の流入管及び流出管に設けられたチェックバルブ55c、56cの作動によって第6チャンバ56の血液が患者に逆流せず、血液処理フィルタ10の血液が第5チャンバ55に逆流しない。このとき、血液は血液処理フィルタ10を介して流動しないことが分かる。
【0080】
一方、図20に示したように、前記チャンバ押圧部材59によって第1、第3、及び第5チャンバ51、53、55が圧縮され、第2、第4、及び第6チャンバ52、54、56が膨張される。このとき、流路調節部60は、流動管51a、52b、53a及び54bを介した流動は遮断し、流動管51b、52a、53b及び54aを介した流動は開放する。
【0081】
第1チャンバ51の圧縮によって内部の透析溶液が第2チャンバ流出管52bを介して血液処理フィルタ10に供給される。第2チャンバ52の膨張によって血液処理フィルタ10の透析溶液が第2チャンバ流入管52aを介してチャンバ内部に流入される。第3チャンバ53の圧縮によって内部の透析溶液が第3チャンバ流出管53bを介して排出される。第4チャンバ54の膨張によって透析溶液が第4チャンバ流入管54aを介してチャンバ内部に流入される。第5チャンバ55の圧縮によって内部の血液が第5チャンバ流出管55bを介して血液処理フィルタ10に供給される。第6チャンバ56の膨張によって患者の血液が第6チャンバ流入管56aを介してチャンバ内部に流入される。第5チャンバ55及び第6チャンバ56の流入管及び流出管に設けられた一方向バルブ55c、56cによって第5チャンバ55の血液が患者に逆流せず、血液処理フィルタ10の血液が第6チャンバ56に逆流しない。このとき、血液と透析溶液が皆血液処理フィルタ10を介して流動することを特徴とする。
【0082】
上述のように、前記チャンバ51ないし56は、互いに他のストロークボリュームを有してもよい。例えば、図21及び図22は第1チャンバ51及び第3チャンバ53が第2チャンバ52及び第4チャンバ54よりも大きいストロークボリュームを有する本発明の一実施例に係る血液処理装置1の流動回路図を示したものである。前記チャンバ押圧部材59が左側に移動すると(図21)、第3チャンバ53が第4チャンバ54に比べてさらに大きいストロークボリュームを有するため、血液中の水分及び尿毒素がメンブレン12を横切り血液処理フィルタ10の透析溶液領域(compartment)に移動する濾過(ultrafiltration)現象が起こる。
【0083】
反対に、前記チャンバ押圧部材59が右側に移動すると(図22)、第1チャンバ51が第2チャンバ52に比べてさらに大きいストロークボリュームを有するため、透析溶液がメンブレン12を横切り血液処理フィルタ10の血液領域(compartment)に移動する逆濾過(backfiltration)現象が起こる。したがって、チャンバのストロークボリュームを調整することで濾過量と逆濾過量を調節することができるが、これは血液と透析溶液との間でさらに積極的な(dynamic)物質伝達が起こることを意味する。
【0084】
同じように、チャンバ55及び56のストロークボリュームを互いに同一かあるいは異なるように変更することで濾過量と逆濾過量の差値で計算され得る純水濾過量(net filtration)を調節してもよい。また、前記6個のチャンバのストロークボリュームが全て同一かあるいは全て異なるように設定してもよい。
【0085】
前記流路調節部60は、第1ないし第4チャンバ51ないし54と連結された流動管には押圧型バルブで構成され、前記第5及び第6チャンバ55及び56と連結された流動管には一方向バルブで構成された。しかし、前記流路調節部60は、このような構成に限定されない。例えば、前記流路調節部60は、第1ないし第6チャンバ51ないし56と連結された流動管を介した流路を開閉することができるように押圧型バルブで構成されてもよい。すなわち図8に示したように、押圧型バルブの形態を有する流路調節部60は、第1ないし第6チャンバ51ないし56と連結された流動管51a、51b、52a、52b、53a、53b、54a、54b、55a、55b、56a及び56bを介した流路を調節することを特徴とする。あるいは前記流路調節部60は、第1ないし第6チャンバ51ないし56と連結された流動管を介した流路を開閉することができるように各流動管に設けられた一方向バルブで構成されてもよい。これは下記にさらに詳しく記述する。
【0086】
実施例6
図23及び図24は本発明の他の一実施例に係る血液処理装置1を示したものである。血液が第5チャンバ55及び第6チャンバ56を介して血液処理フィルタ10に供給される。しかし、上述の実施例5と異なり、第5及び第6チャンバ55及び56全て第1血液ポート13と連結されたことが分かる。
【0087】
前記チャンバ押圧部材59によって第1、第3、及び第5チャンバ51、53、55が膨張され、第2、第4、及び第6チャンバ52、54、56が圧縮されると(図23)、第5チャンバ55の膨張によって患者の血液が第5チャンバ流入管55aを介してチャンバに流入される。このとき、第6チャンバ56の圧縮によってチャンバ内部の血液が第6チャンバ流出管56bを介して血液処理フィルタ10に供給される。
【0088】
一方、チャンバ押圧部材59によって第1、第3、及び第5チャンバ51、53、55が圧縮され、第2、第4、及び第6チャンバ52、54、56が膨張されると(図24)、第5チャンバ55の圧縮によって、チャンバ内部の血液が第5チャンバ流出管55bを介して血液処理フィルタ10に供給される。第6チャンバ55の膨張によって患者の血液が第6チャンバ流入管56aを介してチャンバに流入される。したがって、チャンバが圧縮及び膨張する間に血液と透析溶液全てが血液処理フィルタ10を介して流動する。
【0089】
前記第1ないし第4チャンバ51ないし54は、ほぼ同一のストロークボリュームを有するが、チャンバ55及び56のストロークボリュームは、チャンバ51ないし54のストロークボリュームと互いに異なってもいい。例えば、チャンバ55及び56のストロークボリュームは、チャンバ51ないし54のストロークボリュームの約半分程度を有するように設定されてもよい。
【0090】
ここで、前記第1ないし第6チャンバ51ないし56のうち第1流体(例えば、血液)が流れるチャンバの個数と第2流体(例えば、透析溶液)が流れるチャンバの個数は、血液処理療法の目的に合うように変更され得ることは当業者にとって自明である。
【0091】
実施例7
図25及び図26は本発明のまた他の一実施例に係る血液処理装置1の流動回路図を示したものである。具体的に、前記流路調節部60が第1ないし第6チャンバ51ないし56と連結された流動管に各々設けられた一方向バルブ(あるいはチェックバルブ)で構成された。すなわち第1チャンバチェックバルブ51cが前記第1チャンバ流入管51a及び第1チャンバ流出管51bに設けられている。同様に、第2チャンバチェックバルブ52cが前記第2チャンバ流入管52a及び第2チャンバ流出管52bに設けられている。
【0092】
図25に示したように、前記チャンバ押圧部材59によって第1、第3、及び第5チャンバ51、53、55が膨張され、第2、第4、及び第6チャンバ52、54、56が圧縮される。
【0093】
第1チャンバ51の膨張によって透析溶液が第1チャンバ流入管51aを介してチャンバ内部に流入される。このとき、第1チャンバチェックバルブ51cによって血液処理フィルタ10の透析溶液がチャンバに逆流しない。第2チャンバ52の圧縮によって内部の透析溶液が第2チャンバ流出管52bを介して排出される。このとき、第2チャンバチェックバルブ52cによって透析溶液は血液処理フィルタ10に逆流しない。第3チャンバ53の膨張によって血液処理フィルタ10の透析溶液が第3チャンバ流入管53aを介してチャンバ内部に流入される。このとき、第3チャンバチェックバルブ53cによって使用済みの透析液がチャンバに逆流しない。第4チャンバ54の圧縮によって内部の透析溶液が第4チャンバ流出管54bを介して血液処理フィルタ10に供給される。このとき、第4チャンバチェックバルブ54cによって透析溶液が供給透析溶液貯蔵部36側に逆流しない。第5チャンバ55の膨張によって患者の血液が第5チャンバ流入管55aを介してチャンバ内部に流入される。第5チャンバチェックバルブ55cによって血液処理フィルタ10の血液が第5チャンバ55に逆流しない。第6チャンバ56の圧縮によって内部の血液が第6チャンバ流出管56bを介して血液処理フィルタ10に供給される。このとき、第6チャンバチェックバルブ56cによって第6チャンバ56の血液が患者に逆流しない。
【0094】
一方、図26に示したように、前記チャンバ押圧部材59によって第1、第3、及び第5チャンバ51、53、55が圧縮され、第2、第4、及び第6チャンバ52、54、56が膨張される。
【0095】
第1チャンバ51の圧縮によって内部の透析溶液が第2チャンバ流出管52bを介して血液処理フィルタ10に供給される。このとき、第1チャンバチェックバルブ51cによって透析溶液が供給透析溶液貯蔵部36側に逆流しない。第2チャンバ52の膨張によって血液処理フィルタ10の透析溶液が第2チャンバ流入管52aを介してチャンバ内部に流入される。このとき、第2チャンバチェックバルブ52cによって使用済みの透析溶液が第2チャンバ52に逆流しない。第3チャンバ53の圧縮によって内部の透析溶液が第3チャンバ流出管53bを介して排出される。このとき、第3チャンバチェックバルブ53cによって透析溶液が血液処理フィルタ10に逆流しない。第4チャンバ54の膨張によって透析溶液が第4チャンバ流入管54aを介してチャンバ内部に流入される。このとき、第4チャンバチェックバルブ54cによって血液処理フィルタ10の透析溶液が第4チャンバ54に逆流しない。第5チャンバ55の圧縮によって内部の血液が第5チャンバ流出管55bを介して血液処理フィルタ10に供給される。第5チャンバチェックバルブ55cによってチャンバ内部の血液が患者に逆流しない。第6チャンバ56の膨張によって患者の血液が第6チャンバ流入管56aを介してチャンバ内部に流入される。第6チャンバチェックバルブ56cによって血液処理フィルタ10の血液が第6チャンバ56に逆流しない。
【0096】
当該流動管に設けられたチェックバルブは、当該流動管を介した流体の流れを一方向に流れるように制限する。ここで前記チェックバルブを開放することができるチェックバルブ開放圧力(cracking pressure)は決められた値を持たず、血液処理装置の駆動のために要される適切な値に設定されてもよい。前記開放圧力は、一方向バルブを介した流動を開放することができる一方向バルブ上流と下流の圧力差を指す。例えば、前記流路調節部60が作動しないと、一方向バルブを介して流動が発生しない開放圧力を有することが好ましいが、例えば、本発明の一実施例に係る一方向バルブは、10mmHgから180mmHgの開放圧力を有してもよい。より具体的には12mmHgから60mmHgの開放圧力を有してもよい。
【0097】
実施例8
前記血液処理装置1は、他の構造に変更されてもよいが、図27及び図28に示したように、前記血液処理装置1は、8個の流体チャンバを有するように変更されてもよい。このとき、4個のチャンバは、透析溶液を移送させ、他の4個のチャンバは、血液を移送させてもよい。
【0098】
具体的に、第1ないし第4チャンバ51ないし54は、透析溶液を移送させるが、2個のチャンバ51及び54は、透析溶液を血液処理フィルタ10に供給し、他の2個のチャンバ52及び53は、血液処理フィルタ10の透析溶液を排出させる役割をする。これは上述のとおりである。
【0099】
血液は、第5ないし第8チャンバ55ないし58の作動によって流動する。具体的に、2個のチャンバは、血液を血液処理フィルタ10に供給し、他の2個のチャンバは、血液処理フィルタ10の血液を患者に回送させる役割をする。作動はやはり上述のとおりであり、したがって、重複する説明は省略する。
【0100】
前記流路調節部60は、第1ないし第8チャンバ51ないし58と連結された流入管及び流出管を介した流路を調節するが、一方向バルブ、ソレノイドバルブ、オンオフバルブ、押圧型バルブ、回転型バルブなどで構成されてもよい。ここで前記流路調節部60は、いずれか8個の流動管を介した流路を遮断し、他の8個の流動管を介した流路を開放してもよい。
【0101】
また、本発明の一実施例に係る血液処理装置1は、前記血液流動管21あるいは22に設けられた血液ポンプ23をさらに含んで構成されることを特徴とする。図29は血液流動管21に設けられた血液ポンプ23を有する血液処理装置1を示した。図面に示したように、透析溶液は、第1ないし第4チャンバ51ないし54によって流動する。具体的に、2個のチャンバ51及び54は、透析溶液を血液処理フィルタ10に供給し、他の2個のチャンバ52及び53は、血液処理フィルタ10の透析溶液を排出させる役割をする。
【0102】
また、上述の複数の流体チャンバが左右で構成されるものに限定されず、図30に示したように、垂直方向に設けられるように変更されてもよい。左側に位置した半分のチャンバが圧縮されると右側に位置した半分のチャンバは膨張される。その反対も同様である。また、前記チャンバ押圧部材59は、第1チャンバ押圧部材59a及び第2チャンバ押圧部材59bに分離されてもよいが、各々図面の左側及び右側のチャンバを圧縮あるいは膨張させてもよい。ここでチャンバ51ないし54と連結された流動管には押圧型バルブ、チャンバ55及び56と連結された流動管には一方向バルブが設けられたことが分かる。しかし、前記流路調節部60は、第1ないし第6チャンバ51ないし56と連結された流動管を介した流路を調節することができるように一方向バルブ、ソレノイドバルブ、オンオフバルブ、押圧型バルブ、回転型バルブなどで構成されてもよい。
【0103】
なおかつ、血液処理装置1は、補助透析溶液流動管81及び補助透析溶液ポンプ82をさらに含んで構成されてもよい。前記補助透析溶液ポンプ82は、前記補助透析溶液流動管81に設けられて血液処理フィルタ10からさらに透析溶液を除去してもよい。したがって、前記補助透析溶液流動管81は、第2チャンバ52あるいは第3チャンバ53の流入管(すなわち血液処理フィルタ10の透析溶液流入口)と前記排出透析溶液貯蔵部38あるいは排出管(drain line)を互いに連結してもよい。
【0104】
前記流体移送装置部50によって血液処理フィルタ10に供給される透析溶液の量と血液処理フィルタ10から排出される透析溶液の量がほぼ同一に維持された状態で、前記補助透析溶液ポンプ82は、さらに透析溶液を除去してもよい。したがって、前記補助透析溶液ポンプ82は、患者から除去される純水水分量を決定して正確な量の水分を移送する必要がある。前記補助透析溶液ポンプ82は、多様な種類の精密ポンプが使用されてもよいが、例えば、精密脈動ポンプ、ローラポンプ、シリンダ基盤の拍動ポンプ、ギアポンプなどが利用されてもよい。本発明によれば、定量ロータリーピストンポンプ(metering rotary piston pump)が利用されてもよい。
【0105】
図31は流路調節部60の流動調節方法を示したものである。上述のように、流路調節部60は、一部流動管を介した流路は遮断し、同時に他の一部流動管を介した流路は開放することを特徴とする。そして、流路調節部60は、かかる遮断と開放を反復する。例えば、上述の実施例1の流路調節部60は、流動管51a、52b、55a及び56bと流動管51b、52a、55b及び56aを交互に遮断する。
【0106】
したがって、図7及び図8に示したように、前記流路調節部60は、第1流路調節部60a及び第2流路調節部60bとに区画されてもよい。実施例1の場合、流動管51a、52b、55a及び56bは、第1流路調節部60aによって調節され、流動管51b、52a、55b及び56aは、第2流路調節部60bによって調節されてもよい。前記第1流路調節部60aによって流動が遮断されると第2流路調節部60bによる流路は開放されてもよい。
【0107】
前記第1流路調節部60a及び第2流路調節部60bが圧縮と膨張を反復するとしても、本発明の一実施例によれば第1及び第2流路調節部60a及び60bによって同時に流路が遮断される瞬間が存在してもよい。すなわち前記流路調節部60は、前記流路調節部60によって内部の流動が調節される流動管を介した流路が瞬間的に全て遮断し得る。これは第1流路調節部60aと第2流路調節部60bが圧縮あるいは膨張を切り替えるときに発生し得る。
【0108】
したがって、図31に示したように、流路調節部60の流動調節方法は、下記の段階で構成されてもよい:
(S1)第1流路調節部60aを遮断、
(S2)第2流路調節部60bを開放、
(S3)チャンバ押圧部材59作動、
(S4)第2流路調節部60bを遮断、
(S5)第1流路調節部60aを開放、及び
(S6)チャンバ押圧部材59を作動。
【0109】
ここで、チャンバ押圧部材59がチャンバの圧縮と膨張を反復するためには、前記S3で前記チャンバ押圧部材59がいずれか一方向に作動すると前記S6でチャンバ押圧部材59は他方向に動くことが好ましい。そして、前記S1及びS4で、前記第1流路調節部60aと前記第2流路調節部60bは、全て流動を遮断することが分かる。しかし、S2では第1流路調節部60aによってのみ流動が遮断され、反対にS5では第2流路調節部60bによってのみ流動が遮断される。
【0110】
ここで、本発明の一実施例に係る流路調節部60は、前記S1ないしS6の段階の間で決められた時間分、時間を遅らせる段階をさらに含んで構成されてもよい。例えば、S1とS2間に第1時間遅延段階(D1)、S2とS3間に第2時間遅延段階(D2)、及び/またはS3とS4間に第3時間遅延段階(D3)をさらに含んで構成されてもよい。D1ないしD3は血液処理療法の安定性のために決められた値を有することが好ましい。例えば、D1及びD2は0から1.2秒の類似する値を有し、D3は0から2.5秒の値を有してもよい。
【0111】
また、前記S1及びS4段階がかかる時間は互いに同一であり、同様にS2及びS5に所要される時間も同一であってもよい。またはS1、S2、S4及びS5段階はほぼ同一の時間が所要され、その時間は約0.2秒から1.2秒の間に至る。より具体的には、0.4秒から0.8秒が所要される。同様にS3及びS6段階はほぼ同一の時間が所要され、その時間は約0.4秒から2.4秒の範囲に至る。
【0112】
本発明の一実施例に係る血液処理装置によれば、単一チャンバ押圧部材を利用して複数の流体チャンバを同時に圧縮あるいは膨張させ、これを通じて血液と透析溶液を同時に移送させることができる。前記複数の流体チャンバは、血液処理フィルタに供給される透析溶液と血液処理フィルタから排出される透析溶液の量を同一に維持させることができる。したがって、既存の血液ポンプ及びバランスチャンバの使用を排除することができ、これを通じて血液処理装置全体を飛躍的に小型化及び軽量化させることができ、設置が容易で、血液処理コストを節減することができる。したがって、本発明に係る血液処理装置は病院だけでなく、病院外部の場所でも血液処理を効率的に行うことができる。
【0113】
上記で説明して図面に示した本発明の実施例は、本発明の技術的思想を限定するものとして解釈されてはならず、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に記載された事項によってのみ制限される。本発明の技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想を多様な形態で改良したり変更することが可能であり、このような改良及び変更は本発明の保護範囲に属するものである。
図1
図2
図3
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図8
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図11
図12
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図15
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図21
図22
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図26
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図28
図29
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【国際調査報告】