(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】仮想と現実を組み合わせた測位方法
(51)【国際特許分類】
G01S 19/42 20100101AFI20221027BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20221027BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20221027BHJP
G01C 21/28 20060101ALI20221027BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
G01S19/42
G01S5/02 A
G08G1/13
G01C21/28
G08G1/09 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548278
(86)(22)【出願日】2019-11-02
(85)【翻訳文提出日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 CN2019115190
(87)【国際公開番号】W WO2021082024
(87)【国際公開日】2021-05-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521363550
【氏名又は名称】遊戯橘子数位科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】庄賢哲
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5J062
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129BB22
2F129BB26
2F129BB33
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2F129GG17
5H181AA21
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5J062AA09
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5J062DD25
5J062FF01
5J062FF02
5J062FF04
(57)【要約】
仮想と現実を組み合わせた測位方法では、電子機器が、電子機器の位置追跡のために測位情報をサーバに伝送するだけでなく、電子機器が外部の情景画像と情景音声を捕捉するか、サーバが、測位情報に基づいて対応する情景画像及び情景音声を生成し、これらを更に電子機器の位置確認に利用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想と現実を組み合わせた測位方法であって、
サーバが測位要求を第1電子機器に送信し、
前記第1電子機器は、測位要求に基づいて、測位情報、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を生成してサーバに伝送し、第1電子機器は、画像捕捉ユニットで第1電子機器付近の少なくとも1つの情景画像を捕捉し、第1電子機器は、音声捕捉ユニットで第1電子機器付近の少なくとも1つの情景音声を捕捉し、
前記サーバは、前記測位情報に基づき、データベース内の少なくとも1つの基準画像及び少なくとも1つの基準音声を読み取って、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声と照合することで、測位情報の正確性を確認し、
サーバは、少なくとも1つの情景画像、少なくとも1つの情景音声及び測位情報に基づいて第1電子機器の位置を確認する測位方法。
【請求項2】
少なくとも1つの情景画像は、建築オブジェクト画像、屋内オブジェクト画像又は人物画像である請求項1に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項3】
少なくとも1つの情景音声は、流体音声信号、機械運転音声信号、動物音声信号又は虫の声音声信号である請求項1に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項4】
第1電子機器が、測位要求に基づいて、測位情報、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を生成して前記サーバに伝送するステップにおいて、第1電子機器は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、ジャイロスコープ、加速度計又はこれらの組み合わせを利用して前記測位情報を取得し、前記サーバに伝送する請求項1に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項5】
更に、第2電子機器は、前記測位要求を前記サーバに伝送する請求項1に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項6】
第1電子機器が、測位要求に基づいて、測位情報、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を生成して前記サーバに伝送するステップにおいて、第1電子機器は、更に、タイムスタンプを前記サーバに伝送し、タイムスタンプは、少なくとも1つの情景画像、少なくとも1つの情景音声及び測位情報に対応しており、サーバは、測位情報に基づくとともに、更に前記タイムスタンプに基づいて、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を照合する請求項1に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項7】
仮想と現実を組み合わせた測位方法であって、
サーバが測位要求を第1電子機器に送信し、
第1電子機器は、前記測位要求に基づいて測位情報を生成するとともに、前記測位情報に基づき仮想情報を生成して、前記サーバに伝送し、前記仮想情報は、少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声の仮想パラメータを含み、
サーバは、仮想情報に基づいて、少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声を作成し、前記少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声は測位情報に対応しており、
サーバは、前記測位情報に基づいて、少なくとも1つの基準画像及び少なくとも1つの基準音声を読み取って、前記少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声と照合することで、前記測位情報の正確性を確認し、
サーバは、前記少なくとも1つの仮想画像、少なくとも1つの仮想音声及び測位情報に基づいて第1電子機器の位置を確認する測位方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの仮想画像は、建築オブジェクト画像、屋内オブジェクト画像又は人物画像である請求項7に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの仮想音声は、流体音声信号、機械運転音声信号、動物音声信号又は虫の声音声信号である請求項7に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項10】
第1電子機器がアプリケーションプログラムと前記測位要求に基づいて測位情報及びマルチメディア情報を前記サーバに伝送するステップにおいて、第1電子機器は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、ジャイロスコープ、加速度計又はこれらの組み合わせを利用して測位情報を取得し、前記サーバに伝送する請求項7に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項11】
更に、第2電子機器は、測位要求をサーバに伝送する請求項7に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項12】
第1電子機器が、前記測位要求に基づいて測位情報を生成するとともに、前記測位情報に基づき仮想情報を生成して、前記サーバに伝送するステップにおいて、第1電子機器は、前記測位情報の経度、緯度及びエリア名に基づいて前記仮想情報を生成する請求項7に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項13】
サーバが、仮想情報に基づいて少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声を作成するステップにおいて、サーバは、仮想情報に基づき、データベース内の複数の画像データ及び複数の音声データを読み取って、少なくとも1つの前記仮想画像及び少なくとも1つの前記仮想音声を然るべく生成する請求項7に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【請求項14】
仮想情報は、更に、少なくとも1つの仮想画像と少なくとも1つの仮想音声のタイムスタンプを含み、サーバが、仮想情報に基づいて少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声を作成するステップにおいて、第1電子機器は、測位情報に基づくとともに、更にタイムスタンプに基づいて、少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声を作成する請求項7に記載の仮想と現実を組み合わせた測位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位方法に関し、特に、仮想と現実を組み合わせた測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、電話、ビデオ、データ、情報の伝達や放送といった各種電気通信サービスを提供するために、広範囲にわたって配置されている。代表的な無線通信システムには、使用可能なシステム資源(例えば、帯域幅や伝送効率)を共用して複数のユーザとの通信をサポートするマルチプルアクセス技術を採用可能である。この種のマルチプルアクセス技術の事例には、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システム、及び時分割-同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)システムが含まれる。
【0003】
絶対アドレス指定技術(例えば、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、Wi-Fi及び近接標識)は、信頼性があり、且つ正確な位置情報を提供可能である。しかし、最大可能速度でこの類の情報を更新する場合には、相当な電力消費を要し、完全なカバー率を保証することもできない。一方、相対測位技術(例えば、歩行者自律航法(pedestrian dead reckoning,PDR))では、予め判定した位置に基づき、ユーザ機器の慣性センサを利用してユーザ機器の現在位置を予測する。この技術は、絶対位置情報では得られない環境下で使用可能であるが、予測される現在位置に累積誤差が存在する。
【0004】
注目すべき点として、モバイル機器には、相対測位技術を実行可能とする組み込みセンサ(例えば、加速度計、ジャイロセンサ及び磁力計)が備わっていることが多い。モバイル機器の中央処理装置(CPU)は、センサが生成したサンプルを収集し、サンプルに基づいていくつかの処理を実行可能である。例えば、CPUは、モバイル機器の移動及び方位の演算や、モバイル機器のユーザの歩行済み歩数の演算が可能である。
【0005】
科学技術の進歩が目覚ましい昨今、位置情報サービス(Location Based Service,LBS)が民生用に幅広く応用されるようになっている。測位システムは、かつては軍事面にのみ利用されていたが、近年では、カーナビ、災害救援、医療及びショッピングのプッシュ通知といった関連の用途にも取り入れられるようになっている。しかし、測位の方式は非常に多く、一般的なグローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System,GPS)のほか、近年は3G無線基地局測位等の技術も数多く研究されている。このうち、GPSは、モバイルポジショニング及びスピードポジショニングを正確に実行可能であり、精度が10メートル以内に達し得るほか、最大面積が地表(98%)にも達する。しかし、GPSは、高層ビルが林立する市街地や屋内においては、環境による屈折、回折、家具配置といった干渉要因の影響を受けやすく、GPSを用いた屋内測位の結果は誤差が非常に大きくなる。
【0006】
現在は、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Beacon等のモジュールがGPSに代わって屋内測位の役割を果たしており、様々なアルゴリズムやメカニズムも発展している。中でも、指紋照合法が広く用いられているが、指紋照合法では、測定環境内の異なる位置における無線測位信号のパターンを予めトレーニングし、データベースを作成して保存しておく必要がある。そして、測位する際には、データベース内のトレーニングパターンと照合し、現在の信号と類似する1点又は複数の点を選択して標的位置を予測する。しかし、この場合には、特定の既存無線基地局(Access Point)からの信号値(RSSI)を検出して照合の基準及び根拠としているにすぎないため、環境の影響を受けて判定エラーを生じやすく、誤差率も高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の課題に基づいて、本発明は、実体的な現実環境条件と仮想的な現実環境条件を組み合わせた測位システム上の対応するランドマークを利用して、測位の信頼性を向上させる仮想と現実を組み合わせた測位方法を提供する。
【0008】
本発明の主たる目的は、現実環境条件を切り取るか保存して測位情報と組み合わせることで、測位情報の信頼性を向上させる仮想と現実を組み合わせた測位方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、仮想と現実を組み合わせた測位方法を開示する。前記測位方法では、まず、サーバが測位要求を第1電子機器に送信する。その後、前記第1電子機器は、前記測位要求に基づいて、測位情報、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を生成して前記サーバに伝送する。前記画像捕捉ユニットは、前記第1電子機器付近の少なくとも1つの情景画像を捕捉して前記サーバに伝送する。前記音声捕捉ユニットは、前記第1電子機器付近の少なくとも1つの情景音声を捕捉して前記サーバに伝送する。前記サーバは、前記少なくとも1つの情景画像、前記少なくとも1つの情景音声及び前記測位情報に基づいて、データベース内の基準画像及び基準音声と照合することで、測位情報の正確性を確認したあとに、前記第1電子機器の位置を確認する。このように、捕捉した情景画像と情景音声を利用して測位情報の信頼性を向上させる。
【0010】
本発明で提供する一実施例において、前記少なくとも1つの情景画像は、建築オブジェクト画像、屋内オブジェクト画像又は人物画像である。
【0011】
本発明で提供する一実施例において、前記少なくとも1つの情景音声は、流体音声信号、機械運転音声信号、動物音声信号又は虫の声音声信号である。
【0012】
本発明で提供する一実施例において、前記第1電子機器が、前記測位要求に基づいて、測位情報、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を生成して前記サーバに伝送するステップにおいて、前記第1電子機器は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、ジャイロスコープ、加速度計又はこれらの組み合わせを利用して前記測位情報を取得し、前記サーバに伝送する。
【0013】
本発明で提供する一実施例において、本発明における仮想と現実を組み合わせた測位方法は、更に、第2電子機器が前記測位要求を前記サーバに伝送するステップを含む。
【0014】
本発明で提供する一実施例において、前記第1電子機器が、前記測位要求に基づいて、測位情報、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を生成して前記サーバに伝送するステップにおいて、前記第1電子機器は、更に、タイムスタンプを前記サーバに伝送する。前記タイムスタンプは、前記少なくとも1つの情景画像、前記少なくとも1つの情景音声及び前記測位情報に対応している。前記サーバは、前記測位情報に基づくとともに、更に前記タイムスタンプに基づいて、前記少なくとも1つの情景画像及び前記少なくとも1つの情景音声を照合する。
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明は、更に、仮想と現実を組み合わせた測位方法を開示する。前記測位方法では、まず、サーバが測位要求を第1電子機器に送信する。その後、前記第1電子機器は、前記測位要求に基づいて測位情報を生成し、測位情報に基づいて対応する仮想情報を生成する。且つ、前記仮想情報は、少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声の仮想パラメータを含む。その後、前記サーバは、前記仮想情報に基づいて、少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声を作成する。そして、データベース内の少なくとも1つの基準画像及び少なくとも1つの基準音声と照合して、前記測位情報の正確性を確認することで、前記第1電子機器の位置を確認する。このように、仮想画像と仮想音声によっても測位情報の信頼性を提供可能である。
【0016】
本発明で提供する一実施例において、前記少なくとも1つの仮想画像は、建築オブジェクト画像、屋内オブジェクト画像又は人物画像である。
【0017】
本発明で提供する一実施例において、前記少なくとも1つの仮想音声は、流体音声信号、機械運転音声信号、動物音声信号又は虫の声音声信号である。
【0018】
本発明で提供する一実施例において、前記第1電子機器がアプリケーションプログラムと前記測位要求に基づいて測位情報及びマルチメディア情報を前記サーバに伝送するステップにおいて、前記第1電子機器は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、ジャイロスコープ、加速度計又はこれらの組み合わせを利用して前記測位情報を取得し、前記サーバに伝送する。
【0019】
本発明で提供する一実施例において、上記の仮想と現実を組み合わせた測位方法は、更に、第2電子機器が前記測位要求を前記サーバに伝送するステップを含む。
【0020】
本発明で提供する一実施例において、前記第1電子機器が、前記測位要求に基づいて測位情報を生成するとともに、前記測位情報に基づき仮想情報を生成して、前記サーバに伝送するステップにおいて、前記第1電子機器は、前記測位情報の経度、緯度及びエリア名に基づいて前記仮想情報を生成する。
【0021】
本発明で提供する一実施例において、前記サーバが、前記仮想情報に基づいて少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声を作成するステップにおいて、前記サーバは、前記仮想情報に基づき、エリアデータベース内の複数の画像データ及び複数の音声データを読み取って、前記少なくとも1つの仮想画像及び前記少なくとも1つの仮想音声を然るべく生成する。
【0022】
本発明で提供する一実施例において、前記仮想情報は、更に、少なくとも1つの仮想画像と前記少なくとも1つの仮想音声のタイムスタンプを含む。前記サーバが、前記仮想情報に基づいて少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声を作成するステップにおいて、前記第1電子機器は、前記測位情報に基づくとともに、更に前記タイムスタンプに基づいて、前記少なくとも1つの仮想画像及び前記少なくとも1つの仮想音声を作成する。
【発明の効果】
【0023】
従来技術と比較して、本発明は、測位の信頼性を向上させられるとの有益な技術的効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係るシステムの概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例に係るシステムの概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の実施例のフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施例に係るシステムの概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の他の実施例のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の他の実施例に係るシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、技術者が本発明における上記の特徴及び達成される効果をよりよく理解できるよう、図面を組み合わせて、具体的実施例により本発明につき詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施例のフローチャートである。図示するように、本発明における仮想と現実を組み合わせた測位方法は、以下を含む。
ステップS10:第2電子機器は、測位要求をサーバに伝送する。
ステップS20:サーバは、測位要求を第1電子機器に送信する。
ステップS30:第1電子機器は、測位要求に基づいて、測位情報、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を生成してサーバに伝送する。
ステップS40:サーバは、測位情報に基づいて、少なくとも1つの基準画像及び少なくとも1つの基準音声を読み取って、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声と照合する。
ステップS50:類似度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
ステップS60:サーバは、少なくとも1つの情景画像、少なくとも1つの情景音声及び測位情報に基づいて第1電子機器の位置を確認する。
【0027】
図2は、本発明の一実施例のシステムを示す。図示するように、本発明における仮想と現実を組み合わせた測位方法で使用する測位システム1は、サーバ10、第1電子機器20及び第2電子機器30を含む。データベース10は、更に、データベース12と通信接続する。第1電子機器20は、更に、画像捕捉ユニット22及び音声捕捉ユニット24に電気的に接続される。
【0028】
ステップS10において、第2電子機器30は、ユーザの操作によって測位要求RQをサーバ10に送信する。続いて、ステップS20において、測位要求RQはサーバ10を経由して第1電子機器20に伝送される。これにより、第2電子機器30は、サーバ10を通じて測位要求RQを第1電子機器20に伝送する。ステップS30において、第1電子機器20は、受信した測位要求RQに基づき、電気的に接続されている画像捕捉ユニット22及び音声捕捉ユニット24を起動する。これにより、第1電子機器20付近の少なくとも1つの情景画像IMG及び少なくとも1つの情景音声Sが捕捉されて、第1電子機器20に伝送される。また、これを受けて、第1電子機器20は、測位情報P、少なくとも1つの情景画像IMG及び少なくとも1つの情景音声Sを合わせてサーバ10に伝送する。第1電子機器20は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、ジャイロスコープ、加速度計又はこれらの組み合わせを利用して測位情報Pを取得する。本実施例において、第1電子機器20は携帯電話である。また、画像捕捉ユニット22及び音声捕捉ユニット24は、それぞれ携帯電話に内蔵されているカメラ及びマイクである。ただし、これに限らず、第1電子機器20をノートパソコンとし、画像捕捉ユニット22及び音声捕捉ユニット24をそれぞれノートパソコンに内蔵されるカメラ及びマイクとしてもよい。このほか、第2電子機器30は、携帯電話、ノートパソコン、又は、例えばタブレットやグーグルグラスのようなその他の携帯機器としてもよい。
【0029】
ステップS40において、サーバ10は、測位情報Pに基づき、データベース12内の対応する基準画像R1及び基準音声R2を読み取って、第1電子機器20からの少なくとも1つの情景画像IMG及び少なくとも1つの情景音声Sと照合する。ステップS50では、基準画像R1及び基準音声R2と、第1電子機器20からの少なくとも1つの情景画像IMG及び少なくとも1つの情景音声Sとを照合することで、基準画像R1及び基準音声R2と、第1電子機器20からの少なくとも1つの情景画像IMG及び少なくとも1つの情景音声Sとの照合の類似度が閾値(例えば、80%)よりも大きいか否かによって、測位情報Pの正確性を確認する。そして、閾値よりも大きい場合にはステップS60を実行し、閾値以下の場合にはステップS30を実行する。最後に、ステップS60において、サーバ10は、第1電子機器20からの少なくとも1つの情景画像IMG及び少なくとも1つの情景音声Sに基づいて測位情報Pの正確性を確認する。そして、第1電子機器20からの少なくとも1つの情景画像IMGと少なくとも1つの情景音声S及び測位情報Pに基づき、第1電子機器20の位置を確認する。更に、第1電子機器20の位置を第2電子機器30に戻すとともに、情景画像IMGと情景音声Sを一緒に第2電子機器30に伝送してもよい。
【0030】
情景画像IMGは、建築オブジェクト画像、屋内オブジェクト画像、又は人物画像であり、情景音声Sは、流体音声信号、機械運転音声信号、動物音声信号又は虫の声音声信号である。
【0031】
更に、
図3を参照して、他の実施例において、第1電子機器20は、更に、タイムスタンプを前記サーバに伝送する。タイムスタンプは、前記少なくとも1つの情景画像、少なくとも1つの情景音声及び測位情報に対応している。前記サーバは、測位情報に基づくとともに、更にタイムスタンプに基づいて、少なくとも1つの情景画像及び少なくとも1つの情景音声を照合する。
【0032】
上記の実施例において、本発明の仮想と現実を組み合わせた測位方法は、電子機器の外部画像及び音声を捕捉して測位情報を確認し、更に、第1電子機器20の位置を確認している。上記の実施例は、別のユーザが第1電子機器20に対し測位を要求した場合である。しかし、他の実施例では、ユーザがサーバ10による第1電子機器20の追跡を設定するため、サーバ10から測位要求RQが直接送信される。この場合を
図4に示す。
図1と
図4の違いは、
図4ではステップS10を含んでおらず、サーバ10から測位要求RQが直接送信される点である。この場合に使用される測位システム2を
図5に示す。測位システム2は、サーバ10及び第1電子機器20を含む。サーバ10と第1電子機器20については上記の実施例と同様のため、ここでは改めて詳述しない。
【0033】
このほか、本発明では、サーバ10を直接読み取るデータベース12内のデータを捕捉することで、更に位置を確認してもよい。
【0034】
図6は、本発明の他の実施例のフローチャートである。図示するように、本発明における仮想と現実を組み合わせた測位方法のステップは、以下を含む。
ステップS110:第2電子機器は、測位要求をサーバに伝送する。
ステップS120:サーバは、測位要求を第1電子機器に送信する。
ステップS130:第1電子機器は、前記測位要求に基づいて測位情報を生成するとともに、測位情報に基づき仮想情報を生成して、サーバに伝送する。
ステップS140:サーバは、前記仮想情報に基づいて、少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声を作成する。
ステップS150:サーバは、測位情報に基づいて、少なくとも1つの基準画像及び少なくとも1つの基準音声を読み取って、少なくとも1つの仮想画像及び少なくとも1つの仮想音声と照合する。
ステップS160:類似度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
ステップS170:サーバは、少なくとも1つの仮想画像、少なくとも1つの仮想音声及び測位情報に基づいて第1電子機器の位置を確認する。
【0035】
図7は、本発明の他の実施例のシステムを示す。図示するように、本発明における仮想と現実を組み合わせた測位方法で使用する測位システム3は、サーバ10、第1電子機器20及び第2電子機器30を含み、サーバ10がデータベース12に接続されている。
【0036】
ステップS110及びステップS120は、上記のステップS10及びステップS20と同様のため、ここでは改めて詳述しない。ステップS130において、第1電子機器20は、測位要求RQに基づいて測位情報Pを生成する。また、第1電子機器20は、測位情報Pに基づいて対応する仮想情報VRを生成する。且つ、第1電子機器20は、測位情報Pと仮想情報VRをサーバ10に伝送する。第1電子機器20は、測位情報Pに記載されている経度、緯度及び対応するエリア名に基づいて、対応する仮想情報VRを生成する。ステップS140において、サーバ10は、仮想情報VRに基づいて、少なくとも1つの仮想画像V1及び少なくとも1つの仮想音声V2を作成する。仮想画像V1は、建築オブジェクト画像、屋内オブジェクト画像又は人物画像であり、仮想音声V2は、流体音声信号、機械運転音声信号、動物音声信号又は虫の声音声信号である。特に、サーバ10は、前記仮想情報VRに基づいて、データベース12内の複数の画像データVD及び複数の音声データSDを読み取って、少なくとも1つの仮想画像V1及び少なくとも1つの仮想音声V2を生成する。例えば、台北市西門メトロ駅の場合、これらの画像データVD及びこれらの音声データSDは、台北市西門メトロ駅付近の建築物画像、屋内オブジェクト画像又は人物画像、及び、流体音声信号、機械運転音声信号、動物音声信号又は虫の声音声信号に対応している。例えば、メトロ駅の出口や、自動車の走行中に発せられるエンジン音に対応している。
【0037】
ステップS150において、サーバ10は、測位情報Pに基づき、データベース12内の対応する基準画像R1及び基準音声R2を読み取って、少なくとも1つの仮想画像V1及び少なくとも1つの仮想音声V2と照合する。ステップS160において、基準画像R1及び基準音声R2と、仮想画像V1及び仮想音声V2との照合の類似度が閾値(例えば、80%)よりも大きいか否かによって、測位情報Pの正確性を確認する。そして、閾値よりも大きい場合にはステップS170を実行し、閾値以下の場合にはステップS140を実行する。最後に、ステップS170において、サーバ10は、少なくとも1つの仮想画像V1及び少なくとも1つの仮想音声V2に基づいて測位情報Pの正確性を確認する。そして、少なくとも1つの仮想画像V1と少なくとも1つの仮想音声V2及び測位情報Pに基づいて第1電子機器20の位置を確認する。更に、第1電子機器20の位置を第2電子機器30に戻すとともに、更に、仮想画像V1と仮想音声V2を第2電子機器30に伝送してもよい。
【0038】
このほか、他の実施例において、仮想情報VRは、更に、仮想画像V1と仮想音声V2のタイムスタンプ(図示しない)を含む。よって、ステップS140において、第1電子機器20は、測位情報Pに基づくだけでなく、更に前記タイムスタンプにも基づいて、仮想画像V1及び仮想音声V2を作成する。
【0039】
以上述べたように、本発明における仮想と現実を組み合わせた測位方法では、測位情報に基づいて電子機器外部の情景画像と情景音声を捕捉する。或いは、測位情報に基づいて仮想情報を作成することで、サーバにより対応する仮想画像及び仮想音声を作成する。そして、これらを測位情報の正確性の確認に用いることで、測位情報の信頼性を向上させる。
【0040】
以上で記載した内容は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。よって、本発明の請求項で記載する形状、構造、特徴及び精神に基づきなされる均等な変形及び補足は、いずれも本発明の保護の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 測位システム
2 測位システム
3 測位システム
10 サーバ
12 データベース
20 第1電子機器
22 画像捕捉ユニット
24 音声捕捉ユニット
30 第2電子機器
P 測位情報
R1 基準画像
R2 基準音声
RQ 測位要求
V1 仮想画像
V2 仮想音声
VD 画像データ
VR 仮想情報
SD 音声データ
S10~S60 ステップ
S110~S170 ステップ
【国際調査報告】