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特表2022-546202耐衝撃性を有する圧縮粉末形態の化粧品組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】耐衝撃性を有する圧縮粉末形態の化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20221027BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20221027BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20221027BHJP
   C08F 220/58 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/81
A61Q17/04
C08F220/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505566
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 FR2020051313
(87)【国際公開番号】W WO2021019151
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】1908744
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(71)【出願人】
【識別番号】522035834
【氏名又は名称】ストランド コスメティク ヨーロッパ
(72)【発明者】
【氏名】カンボス、ソフィー
(72)【発明者】
【氏名】テールボワ、セシル
(72)【発明者】
【氏名】ムシカ、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】クーヴァル、エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルデレット、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】リッセラーダ、クリスタ
(72)【発明者】
【氏名】パケ、ジュリア
【テーマコード(参考)】
4C083
4J100
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC351
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083BB21
4C083BB23
4C083BB24
4C083CC19
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE17
4J100AL09Q
4J100AM17P
4J100AM24R
4J100BA56P
4J100CA05
4J100JA61
(57)【要約】

その100重量%あたり、i)89.5重量%~94.65重量%の少なくとも1種の充填剤(AC)と;ii)5重量%~10重量%の少なくとも1種の着色顔料(PC)と;iii)0.35重量%~0.5重量%の架橋されたアニオン性高分子電解質タイプの少なくとも1種のポリマー(P)であって、100モル%あたり、65モル%~95モル%の部分的に又は完全に塩の形態の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位と、4.8モル%~25モル%の2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジアルキルアクリルアミド(アルキル基のそれぞれは1~4個の炭素原子を有する)により構成される群の要素から選択される少なくとも1種の中性モノマーに由来するモノマー単位と、0.1モル%~5モル%の式(I)の少なくとも1種のモノマーに由来するモノマー単位と、を含む少なくとも1種のポリマー(P)と;を含有する粉末形態の粉状組成物(C)。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その質量の100%あたり、
i)84.3質量%~95.8質量%の少なくとも1種の充填剤(FA)、
ii)4質量%~15質量%の少なくとも1種の着色顔料(CP)、
iii)0.2質量%~0.7質量%の架橋されたアニオン性高分子電解質タイプの少なくとも1種のポリマー(P)であって、100モル%あたり、65モル%~95モル%の部分的に又は完全に塩の形態の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位と、4.8モル%~25モル%の2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジアルキルアクリルアミド(アルキル基のそれぞれは1~4個の炭素原子を有する)からなる群の要素から選択される少なくとも1種の中性モノマーに由来するモノマー単位と、0.1モル%~5モル%の式(I)の少なくとも1種のモノマー
【化1】
(式中、Rは8~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキルラジカルを表し、nはゼロ以上且つ20以下の数を表す)
に由来するモノマー単位と、0.1モル%~5モル%の少なくとも1種のジエチレン系又はポリエチレン系架橋モノマーに由来するモノマー単位と、を含む少なくとも1種のポリマー(P)、
を含有する粉末形態の粉状組成物(C)。
【請求項2】
前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、前記中性モノマーが、2-ヒドロキシエチルアクリレート又はN,N-ジメチルアクリルアミドからなる群の要素から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の粉状組成物(C)。
【請求項3】
前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、前記式(I)のモノマーが、Rがn-ドデシルラジカルを表しnが4である式(I)に対応する式(I)のテトラエトキシル化されたラウリルメタクリレート、Rがn-ドデシルラジカルを表しnがゼロである式(I)に対応する式(I)のラウリルメタクリレート、Rがイソデシルラジカルを表しnがゼロである式(I)に対応する式(I’)のイソデシルメタクリレート、及びRがn-オクタデシルラジカルを表しnがゼロである式(I)に対応する式(I)のステアリルメタクリレートからなる群の要素から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粉状組成物(C)。
【請求項4】
前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、前記ジエチレン系又はポリエチレン系架橋モノマーがエチレングリコールジメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、エチレングリコールジアクリレート、ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、メチレンビス(アクリルアミド)、又はこれらの化合物の混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の粉状組成物(C)。
【請求項5】
前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、トリメチロールプロパントリアクリレートで架橋された、アンモニウム塩の形態で部分的に又は完全に塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、式(I)のテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートとのポリマーであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の粉状組成物(C)。
【請求項6】
前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、100モル%あたり、
・ 65モル%~95モル%の、アンモニウム形態で塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位;
・ 4.8モル%~25モル%の、N,N-ジメチルアクリルアミドに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%の、式(I)のテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%の、トリメチロールプロパントリアクリレートに由来するモノマー単位;
を含有することを特徴とする、請求項5に記載の粉状組成物(C)。
【請求項7】
前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、ナトリウム塩の形態で部分的に又は完全に塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、2-ヒドロキシエチルアクリレートと、式(I)のラウリルメタクリレート又は式(I’)のイソデシルメタクリレートと、式(I)のステアリルメタクリレートとのポリマーであり、(I)/(I)又は(I’)/(I)のモル比が1/10以上10/1以下であり、且つトリメチロールプロパントリアクリレートで架橋されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の粉状組成物(C)。
【請求項8】
前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、100モル%あたり:
・ 70モル%~95モル%の、ナトリウム塩形態で塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位;
・ 4.8モル%~20モル%の、2-ヒドロキシエチルアクリレートに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%の、1/6以上6/1以下の(I)/(I)又は(I’)/(I)のモル比の、式(I)のラウリルメタクリレート又は式(I’)のイソデシルメタクリレート及び式(I)のステアリルメタクリレートに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%の、トリメチロールプロパントリアクリレートに由来するモノマー単位;
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の粉状組成物(C)。
【請求項9】
前記充填剤(FA)が、無機層状タイプの充填剤、有機層状タイプの充填剤、無機球状タイプの充填剤、有機球状タイプの充填剤からなる群の要素から選択されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の粉状組成物(C)。
【請求項10】
前記着色顔料(CP)が、無機顔料、有機顔料、及び真珠光沢顔料からなる群の要素から選択されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の粉状組成物(C)。
【請求項11】
その質量の100%あたり、2質量%以下の水の質量含有量を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の粉状組成物(C)。
【請求項12】
その質量の100%あたり:
i)90質量%~97質量%の、請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1種の粉状組成物(C)、
ii)3質量%~10質量%の、20℃で液体である少なくとも1種の脂肪系結合剤(BA)、
を含む局所使用のための組成物(F)。
【請求項13】
前記結合剤(BA)が、ヒマシ油、オクチルドデカノール、ジメチコン、セテアリルエチルヘキサノエート、及びミリスチン酸イソプロピルからなる群の要素から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の局所使用のための組成物(F)。
【請求項14】
少なくとも1種の結合剤(BA)を含有する局所使用のための圧縮化粧品組成物の衝撃強さを改善するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)の使用。
【請求項15】
太陽の紫外線のヒトの皮膚に対する審美的な悪影響から前記ヒトの皮膚を保護するための、有効量の少なくとも1種の有機日焼け止め及び/又は少なくとも1種の無機日焼け止めを含む請求項12又は13に記載の局所使用のための組成物(F)。
【請求項16】
請求項12又は13に記載の局所使用のための組成物(F)をヒトの皮膚に塗布する少なくとも1つの工程を含むことを特徴とする、前記ヒトの皮膚の化粧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の充填剤と、少なくとも1種の着色顔料と、架橋したアニオン性高分子電解質タイプの少なくとも1種のポリマーとを含有する、周囲温度で粉末形態の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、改善された耐衝撃性を示す、前記粉状組成物と少なくとも1種の結合剤とを含有する圧縮形態の局所使用のための化粧品組成物にも関する。
【0003】
本発明は、ヒトの皮膚を化粧するための製品としてのそのような圧縮化粧品組成物の使用、及びそのような圧縮組成物を使用してヒトの皮膚を化粧するための方法にも関する。
【0004】
例えば顔用のファンデーション、顔用のファンデーションパウダー、アイシャドウ、又は頬紅などの皮膚を化粧することを目的とした局所使用のための特定の化粧品組成物は、一般的には圧縮粉末又は成型粉末の形態である。
【0005】
本発明の目的のためには、「圧縮粉末」という用語は、少なくとも1種の充填剤と、少なくとも1種の顔料と、架橋したアニオン性高分子電解質タイプの少なくとも1種のポリマーと、少なくとも1種の結合剤とを含む、主に粉末の混合物からなる組成物を意味することが理解される。形成された後、この混合物はポット内での圧縮によって成形される。
【0006】
これらの圧縮粉末は、一般的には、少量を取り、次いでそれを指を使用して、或いは例えばブラシやスポンジなどの塗布具を使用して、皮膚に塗布することによって使用される。
【0007】
高品質の圧縮粉末は、取りやすく、塗り広げやすく、得られる広がりが均一であり、且つ皮膚に塗られた後に柔らかな感触を有することが求められる。より具体的には、高品質の圧縮粉末は、滑らか且つ平らな表面を有し、その特性を長期間保持しなければならない。また、断片化しないように、及びその特性を維持するために、十分に大きい衝撃強さも有していなければならない。
【0008】
衝撃強さの特性を改善するために、皮膚を化粧することを目的とした圧縮粉末の設計者は、特定の結合剤の最適化に基づいた解決手段を開発した。
【0009】
例えば、国際公開第9/17660A1号パンフレットとして公開された国際特許出願には、後に圧縮粉末を得るために固体粒子相と混合することを目的とした脂肪系結合剤を構成する、少なくとも1種のシリコーンオイルと、少なくとも1種のシリコーンワックスと、少なくとも1種のシリコーン樹脂との混合物の使用が記載されている。しかしながら、使用される結合剤の量が大きな影響を与えることが示されており、その後、圧縮粉末の表面の外観が油っぽくなり、塗布前の指又は塗布具への移行の効率が悪くなる。
【0010】
欧州特許出願公開第0171979A2号明細書として公開された欧州特許出願には、平坦で滑らかな表面を特徴とする、圧縮された貯蔵安定性のある耐衝撃性粉末の形態をとる組成物を調製するプロセスが記載されている。欧州特許出願出願公開第0717979A2号明細書の主題を形成するプロセスは、予め形成された水中油型エマルジョン中に粉末相を分散させる工程と、次いで得られた分散液をモールドの中に注型する工程と、先に得た分散液をその後凍結乾燥によって乾燥する工程とを含む。しかしながら、そのようなプロセスは、大量のエネルギーを消費する高価な装置を伴うため、工業規模で実施するのが難しいという欠点を有している。
【0011】
米国特許出願公開第2005/0186235A1号明細書として公開された米国特許出願には、圧縮粉末の形態をとり、粉状相と固体脂肪相とを含み、その調製のために非常にエネルギーを消費することが証明されている固体脂肪相(又はワックス)の溶融工程の実施を必要とする、化粧品組成物が記載されている。
【0012】
米国特許出願公開第2016/167040A1号明細書として公開された米国特許出願には、ポリマー骨格が2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホネートのアンモニウム塩(ATBS)、(2-ヒドロキシエチル)アクリレート(HEA)、ステアリルメタクリレート(SMA)、及びラウリルメタクリレート(LAUMA)から構成されており、トリメチロールプロパントリアクリレートで架橋されている、架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(ATBS/HEA/SMA/LAUMA:88.1/9.9/1.5/0.5;高分子電解質1)が記載されている。米国特許出願公開第2016/167040A1号明細書として公開された米国特許出願には、2質量%の高分子電解質1を含む圧縮粉末の化粧品組成物(実施例52)についても記載されている。
【0013】
仏国特許出願公開第2980108A1号明細書として公開された仏国特許出願には、粉状相と液相とを含むが、架橋されたアニオン高分子電解質タイプのポリマーを含まない、圧縮された耐衝撃性の粉末の形態の化粧品組成物が記載されている。
【0014】
これらの欠点を克服する試みの中で、本発明者らは、取りやすさ及び皮膚への塗布を行いやすさを促進するための優れた移行品質を特徴とし、大量のエネルギー投入を必要としないプロセスに従って調製される、圧縮された耐衝撃性の粉末の形態をとる化粧品組成物を提供することを試みた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
かくして、本発明の主題は、その質量の100%あたり、
i)少なくとも1種の充填剤(FA)84.3質量%~95.8質量%、好ましくは86.9質量%~95.2質量%、更に好ましくは89.5質量%~94.65質量%と、
ii)少なくとも1種の着色顔料(CP)4質量%~15質量%、好ましくは4.5質量%~12.5質量%、更に好ましくは5質量%~10質量%と、
iii)少なくとも1種の架橋剤の存在下、部分的に又は完全に塩の形態の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸を、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジアルキルアクリルアミド(アルキル基のそれぞれは1~4個の炭素原子を有する)からなる群の要素から選択される少なくとも1種の中性モノマー、及び式(I)の少なくとも1種のモノマー
【化1】
(式中、Rは8~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキルラジカルを表し、nはゼロ以上且つ20以下の数を表す)
と重合させることにより誘導される架橋されたアニオン性高分子電解質タイプの少なくとも1種のポリマー(P)0.2質量%~0.7質量%、好ましくは0.3質量%~0.6質量%、更に好ましくは0.35質量%~0.5質量%と、
を含む粉末形態の粉状組成物(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的のためには、「充填剤」という用語は、水と混和せずにマトリックス中に分散している固体化学物質を意味すると理解される。充填剤は、そのコスト、及び例えば皮膚のカバー力又は粉状組成物の密度などの特定の特性を改善するために、混合物の中に、この場合は化粧品組成物の中に導入される。
【0017】
より具体的な態様によれば、粉状組成物(C1)は、200マイクロメートル以下の直径、より具体的には100マイクロメートル以下の直径を有する粒子を少なくとも90体積%含む。本発明との関係において、これは、粉状組成物C1が、200マイクロメートル以下の直径、より具体的には100マイクロメートル以下の直径を有する球に匹敵する粒子の粉末に相当することを意味する。なお、このサイズの粒子は、その後に得られる圧縮粉末のより優れた凝集の実現を可能にする。
【0018】
このパラメータは、レーザー回折分析装置によって、例えばMS1-Small Volume Sample Dispersion(商標)タイプの分散装置などの分散装置を備えており、且つ分析された粉末で表される粒子の各サイズの回折画像の重ね合わせからなるディフラクトグラムを取得することを可能にする計算ソフトウェアに接続されている、例えばMalvern Mastersizer(商標)2000レーザー粒度分析計によって決定される。
【0019】
このようにして収集されたデータの分析では、初期サイズ分布が見積もられ、理論上のディフラクトグラムが計算された後に、記録された実際のデータと比較される。続いて、見積もられたデータと実際のデータとの差が、最小二乗法を使用して最小化される。その後、ソフトウェアによって基本的な結果として体積分布が計算され、その他の情報は、粒子が球形であると仮定してこの結果から推定される。
【0020】
この測定方法は、粉末を構成する粒子が直径3000マイクロメートルから0.1マイクロメートルの球に匹敵する粉末、及び乾燥粉末の特性評価に特によく適している。このタイプの方法の使用は、10マイクロメートルを超える粒子サイズで特によい結果が示されている[P.Bowen,“Particle Size Distribution Measurement from Millimeters to Nanometers and from Rods to Platelets”;J.Dispersion Science and Technology,23(5),pp.631-662(2002)]。
【0021】
粉状組成物(C)の定義において、「架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)」という用語は、水に不溶性であるが水に膨潤性であるため化学ゲルを精製する、三次元ネットワークの形態である非直線状に架橋されたアニオン高分子電解質を意味する。
【0022】
粉状組成物(C)の定義において、「部分的に塩の形態又は完全に塩の形態」という用語は、2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸の酸官能基が、通常は例えばナトリウム塩又はカリウム塩などのアルカリ金属塩の形態、又はアンモニウム塩の形態で、部分的に又は完全に塩の形態であることを意味する。
【0023】
上で定義された本発明の主題である粉状組成物(C)において、前記使用される架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)は、100モル%あたり、通常65モル%~95モル%、より具体的には65モル%~90モル%、更に具体的には68モル%~95モル%、更に具体的には70モル%~95モル%、更に具体的には70モル%~90モル%の、部分的又は完全に塩の形態の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位を含む。
【0024】
上で定義された本発明の主題である粉状組成物(C)において、前記使用される架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)は、100モル%あたり、通常4.8モル%~25モル%、より具体的には4.8モル%~20モル%、更に具体的には5モル%~20モル%の、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジアルキルアクリルアミド(アルキル基のそれぞれは1~4個の炭素原子を有する)からなる群の要素から選択される少なくとも1種の中性モノマーのモノマー単位を含む。
【0025】
特定の態様によれば、本発明の主題である粉状組成物(C)に使用される架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、アルキル基のそれぞれが1~4個の炭素原子を含むN,N-ジアルキルアクリルアミドから選択される中性モノマーは、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、及びN,N-ジプロピルアクリルアミドから選択される。
【0026】
上で定義された本発明の主題である粉状組成物(C)において、使用される前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)は、100モル%あたり、通常0.1モル%~10モル%、より具体的には0.1モル%~5モル%、更に具体的には0.1モル%~4.0モル%の、式(I)の少なくとも1種のモノマーのモノマー単位を含む。
【0027】
本発明の主題である粉状組成物(C)中で前記使用される架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)中に存在するモノマーの式(I)において、「8~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐のアルキルラジカル」は、より具体的には、以下のRを意味する:
・ 直鎖一級アルコール、例えばオクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、若しくはエイコシルラジカルに由来するラジカルのいずれか;
・ 又は下記一般式に対応する分岐1-アルカノールであるゲルベアルコールに由来するラジカル:
CH-(CH-CH[CH-(CHp-2]-CHOH
(式中、pは2~9の整数を表し、例えば2-エチルヘキシル、2-プロピルヘプチル、2-ブチルオクチル、2-ペンチルノニル、2-ヘキシルデシル、又は2-オクチルドデシルラジカルを表す);
・ 又は下記一般式に対応するイソアルカノールに由来するラジカル:
CH-CH(CH)-(CH-CHOH
(式中、mは2~16の整数であり、例えば4-メチルペンチル、5-メチルヘキシル、6-メチルヘプチル、15-メチルペンタデシル、若しくは16-メチルヘプタデシルラジカル、又は2-ヘキシルオクチル、2-オクチルデシル、若しくは2-ヘキシルドデシルラジカルを表す)。特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が100モル%あたり以下を含むことを特徴とする、上記粉状組成物(C)である:
・ 65モル%~95モル%、好ましくは70モル%~95モル%の、部分的又は完全に塩の形態の2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位;
・ 4.8モル%~25モル%、好ましくは4.8モル%~20モル%の、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジアルキルアクリルアミド(アルキル基のそれぞれは1~4個の炭素原子を含む)からなる群の要素から選択される中性モノマーに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%、好ましくは0.5モル%~5モル%、より好ましくは0.5モル%~4モル%の、上で定義した式(I)のモノマーに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%、好ましくは0.5モル%~5モル%、より好ましくは0.5モル%~3モル%の、少なくとも1種のジエチレン系又はポリエチレン系架橋モノマーに由来するモノマー単位。
【0028】
特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、前記中性モノマーが、2-ヒドロキシエチルアクリレート又はN,N-ジメチルアクリルアミドからなる群の要素から選択されることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0029】
特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、及び上記式(I)の前記モノマーについて、Rが12~18個の炭素原子を含むアルキルラジカルを表すことを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0030】
別の特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、Rがn-ドデシルラジカル又はイソドデシルラジカル又はn-テトラデシルラジカル又はn-ヘキサデシルラジカル又はn-オクタデシルラジカルであり、nが3~20の整数を表すことを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0031】
別の特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、上で定義した前記式(I)のモノマーが、nが4でありRがn-ドデシルラジカルを表す式(I)に対応する、式(I)のテトラエトキシル化されたラウリルメタクリレートであることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0032】
別の特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、上で定義した前記式(I)のモノマーが、nが20でありRがn-オクタデシルラジカルを表す式(I)に対応する、式(I)のエイコサエトキシル化されたステアリルメタクリレートであることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0033】
別の特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、Rがn-ドデシルラジカル又はイソドデシルラジカル又はn-テトラデシルラジカル又はn-ヘキサデシルラジカル又はn-オクタデシルラジカルを表し、nがゼロであることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0034】
別の特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、上で定義した前記式(I)のモノマーが、Rがn-ドデシルラジカル及び/又はイソドデシルラジカルを表しnがゼロである式(I)に対応する、式(I)のラウリルメタクリレートであることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0035】
別の特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、上で定義した前記式(I)のモノマーが、Rがn-オクタデシルラジカルを表しnがゼロである式(I)に対応する、式(I)のステアリルメタクリレートであることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0036】
より具体的な態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、前記式(I)のモノマーが、Rがn-ドデシルラジカルを表しnが4である式(I)に対応する式(I)のテトラエトキシル化されたラウリルメタクリレート、Rがn-ドデシルラジカルを表しnがゼロである式(I)に対応する式(I)のラウリルメタクリレート、Rがイソドデシルラジカルを表しnがゼロである式(I)に対応する式(I’)のイソデシルメタクリレート、及びRがn-オクタデシルラジカルを表しnがゼロである式(I)に対応する式(I)のステアリルメタクリレートからなる群の要素から選択されることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0037】
特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)において、前記ジエチレン系又はポリエチレン系架橋モノマーがエチレングリコールジメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、エチレングリコールジアクリレート、ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、メチレンビス(アクリルアミド)、又はこれらの化合物の混合物から選択されることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0038】
上記粉状組成物(C)に使用される架橋されたアニオン性高分子電解質(P)は、錯化剤、移動剤、又は鎖制限剤などの様々な添加剤も含み得る。
【0039】
「移動剤」又は「鎖制限剤」という用語は、架橋されたアニオン性高分子電解質(P)を調製するためのラジカル重合反応中に存在する場合に、不均化や再結合反応などの停止反応を生じさせて、より短い長さの、及び結果としてより低い分子量のポリマー鎖を形成する化合物を意味する。移動剤又は鎖制限剤としては、ドデシルメルカプタンなどのチオール、四塩化炭素などのハロゲン化物、エタノールやn-プロパノールやイソプロパノールやn-ブタノールやイソブタノールなどの短いアルコール、及びNaPOの化学式の次亜リン酸ナトリウムを挙げることができる。
【0040】
特定の態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、トリメチロールプロパントリアクリレートで架橋された、アンモニウム塩の形態で部分的に塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、テトラエトキシル化ラウリルメタクリレートとのポリマー、又はトリメチロールプロパントリアクリレートで架橋された、アンモニウム塩の形態で部分的に塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、エイコサエトキシル化ステアリルメタクリレートとのポリマーから選択されることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0041】
更に具体的な態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、トリメチロールプロパントリアクリレートで架橋された、アンモニウム塩の形態で部分的に又は完全に塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、式(I)のテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートとのポリマーであることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0042】
更に具体的な態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、100モル%あたり以下のものを含むことを特徴とする、上記粉状組成物(C)である:
・ 65モル%~95モル%の、アンモニウム形態で塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位;
・ 4.8モル%~25モル%の、N,N-ジメチルアクリルアミドに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%の、式(I)のテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%の、トリメチロールプロパントリアクリレートに由来するモノマー単位。
【0043】
更に具体的な態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、ナトリウム塩の形態で部分的に又は完全に塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、2-ヒドロキシエチルアクリレートと、式(I)のラウリルメタクリレート又は式(I’)のイソデシルメタクリレートと、式(I)のステアリルメタクリレートとのポリマーであり、(I)/(I)又は(I’)/(I)のモル比が1/10以上10/1以下であり、且つトリメチロールプロパントリアクリレートで架橋されていることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0044】
更に具体的な態様によれば、本発明の主題は、前記架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)が、100モル%あたり以下のものを含むことを特徴とする、上記粉状組成物(C)である:
・ 70モル%~95モル%の、ナトリウム塩形態で塩の形態にされている2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位;
・ 4.8モル%~20モル%の、2-ヒドロキシエチルアクリレートに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%の、1/6以上6/1以下の(I)/(I)又は(I’)/(I)のモル比の、式(I)のラウリルメタクリレート又は式(I’)のイソデシルメタクリレート及び式(I)のステアリルメタクリレートに由来するモノマー単位;
・ 0.1モル%~5モル%の、トリメチロールプロパントリアクリレート。
【0045】
架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)は、以下を含む方法を実行することによって得ることができる:
・ 全てのモノマーと、2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のためのアンモニア含有中和剤と、架橋剤と、必要な場合或いは望まれる場合の他の添加剤と、を有機溶媒、好ましくはtert-ブタノール中で混合する工程a);
・ 工程a)で調製した分散液にフリーラジカル開始剤を導入することによって重合反応を開始し、その後完了するまで進行させる工程b);
・ 任意選択的な、存在するアンモニウムイオンをナトリウムイオン又はカリウムイオンと交換する工程c);
・ 工程b)の終了時、任意選択的には工程c)の終了時に形成されたポリマーを析出させる工程d);
・ 任意選択的な、工程d)の終了時に得られた析出物を乾燥させる工程e)。
【0046】
上で定義した方法の工程a)で使用されるアンモニア含有中和剤として、例えばアンモニア又は炭酸水素アンモニウムが存在する。
【0047】
上で定義した方法の工程b)において、重合反応は、ジラウロイルペルオキシド、アゾビス(イソブチロニトリル)、又はアゾ誘導体などのホモリシスによってラジカルを生成するラジカル開始剤を使用して、通常50℃以上の温度で開始される。
【0048】
上で定義した方法の別の実施形態によれば、重合反応はレドックス対によって開始される。
【0049】
上で定義した方法の工程c)において、アンモニウムカチオンのナトリウムカチオン又はカリウムカチオンとの交換は、任意選択的には、ナトリウムtert-ブトキシド又はカリウムtert-ブトキシドを用いて行われる。
【0050】
上で定義した方法の工程d)において、架橋されたアニオン性高分子電解質(P)の析出は、溶媒の蒸発又は析出物の濾過のいずれかによって行われる。
【0051】
このようにして得られた架橋されたアニオン性高分子電解質(P)は、その後、粉砕された粉末の混合物を得るために、少なくとも1種の着色顔料及び少なくとも1種の充填剤の存在下で、例えばナイフミルなどのミルに導入される。
【0052】
この粉状混合物は、少なくとも1種の結合剤の存在下で金属ポットに入れられ、次いで、適切な圧力下で機械によって圧縮の工程にかけられる。
【0053】
特定の態様によれば、本発明の主題は、充填剤(FA)が、無機層状タイプの充填剤、有機層状タイプの充填剤、無機球状タイプの充填剤、有機球状タイプの充填剤からなる群の要素から選択されることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0054】
各タイプの充填剤は、本発明による組成物(C)に特定の異なる品質を付与することを可能にする。したがって、例えば無機層状タイプの充填剤は通常柔らかさを提供し、無機球状タイプの充填剤は通常良好な崩壊を提供し、有機球状充填剤は通常構造化の役割を有し、また柔らかさを提供する。
【0055】
特定の態様によれば、本発明の主題は、充填剤(FA)が、タルク又はケイ酸マグネシウム水和物;マイカ又はアルミノケイ酸塩、例えば白雲母、マーガライト、バナジン雲母、リチア雲母、黒雲母;粘土、例えば絹雲母;カオリン又はケイ酸アルミニウム水和物;及び窒化ホウ素からなる群の要素から選択される無機層状タイプの充填剤であることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0056】
特定の態様によれば、本発明の主題は、充填剤(FA)がテトラフルオロエチレンポリマー粉末及びラウロイルリシンからなる群の要素から選択される有機層状タイプの充填剤であることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0057】
特定の態様によれば、本発明の主題は、充填剤(FA)が、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、非多孔質球状シリカ、ヒドロキシアパタイト、開孔性のシリカミクロスフェア、中空シリカミクロスフェア、ガラスマイクロカプセル、及びセラミックマイクロカプセルからなる群の要素から選択される無機球状タイプの充填剤であることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0058】
特定の態様によれば、本発明の主題は、充填剤(FA)が、8~22個の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムなど;未発泡合成ポリマー粉末、例えばポリエチレン粉末、ポリエステル粉末、例えばポリエチレンイソフタレート粉末又はポリエチレンテレフタレート粉末、ポリアミド粉末;架橋又は非架橋の合成ポリマー粉末、例えばポリアクリル酸粉末、ポリメタクリル酸粉末、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンの粉末、シリコーン樹脂粉末など;コーンスターチ、小麦でんぷん、タピオカでんぷん、又は米でんぷん粉末;アクリルポリマーミクロスフェア、ポリメチルメタクリレートミクロスフェア、及びスチレン-ジビニルベンゼンコポリマーミクロスフェアからなる群の要素から選択される有機球状タイプの充填剤であることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0059】
より具体的な態様によれば、本発明の主題は、充填剤(FA)が以下からなる群の要素から選択されることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である:
・ タルク又はケイ酸マグネシウム水和物;マイカ又はアルミノケイ酸塩、例えば白雲母、マーガライト、バナジン雲母、リチア雲母、黒雲母;粘土、例えば絹雲母など;カオリン又はケイ酸アルミニウム水和物;及び窒化ホウ素からなる群から選択される無機層状タイプの充填剤;
・ 例えばテトラフルオロエチレンポリマー粉末やラウロイルリシンなどの有機層状タイプの充填剤;
・ 酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、非多孔質球状シリカ、ヒドロキシアパタイト、開孔性のシリカミクロスフェア、中空シリカミクロスフェア、ガラスマイクロカプセル、及びセラミックマイクロカプセルからなる群の要素から選択される無機球状タイプの充填剤;
・ 8~22個の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムなど;未発泡合成ポリマー粉末、例えばポリエチレン粉末、ポリエステル粉末、例えばポリエチレンイソフタレート粉末又はポリエチレンテレフタレート粉末、ポリアミド粉末;架橋又は非架橋の合成ポリマー粉末、例えばポリアクリル酸粉末、ポリメタクリル酸粉末、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンの粉末、シリコーン樹脂粉末など;コーンスターチ、小麦でんぷん、タピオカでんぷん、又は米でんぷん粉末;アクリルポリマーミクロスフェア、ポリメチルメタクリレートミクロスフェア、及びスチレン-ジビニルベンゼンコポリマーミクロスフェアからなる群の要素から選択される有機球状タイプの充填剤。
【0060】
特定の態様によれば、本発明の主題は、着色顔料(CP)が、無機顔料、有機顔料、及び真珠光沢顔料からなる群の要素から選択されることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0061】
特定の態様によれば、本発明の主題は、着色顔料(CP)が、任意選択的に表面処理されていてもよい二酸化チタン(ルチル又はアナターゼ);黒色、黄色、赤色、及び褐色の酸化鉄;マンガンバイオレット;ウルトラマリンブルー;任意選択的に水和していてもよい酸化クロム;フェリックブルーからなる群の要素から選択される無機顔料であることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0062】
特定の態様によれば、本発明の主題は、着色顔料(CP)が、D&C Red顔料、D&C Orange顔料、D&C Yellow顔料、カーボンブラック、コチニールカーマインに基づくレーキからなる群の要素から選択される有機顔料であることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0063】
特定の態様によれば、本発明の主題は、着色顔料(CP)が、例えば酸化鉄を含む酸化チタン被覆マイカ、フェリックブルー又は酸化クロムを含む酸化チタン被覆マイカ、有機顔料を含む酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマスに基づく顔料などの白色真珠光沢顔料からなる群の要素から選択される真珠光沢顔料であることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0064】
より具体的な態様によれば、本発明の主題は、着色顔料(CP)が以下からなる群の要素から選択されることを特徴とする、上記粉状組成物(C)である:
・ 任意選択的に表面処理されていてもよい二酸化チタン(ルチル又はアナターゼ);黒色、黄色、赤色、及び褐色の酸化鉄;マンガンバイオレット;ウルトラマリンブルー;任意選択的に水和していてもよい酸化クロム;フェリックブルーからなる群の要素から選択される無機顔料、
・ D&C Red顔料、D&C Orange顔料、D&C Yellow顔料、カーボンブラック、コチニールカーマインに基づくレーキからなる群の要素から選択される有機顔料、
・ 例えば酸化鉄を含む酸化チタン被覆マイカ、フェリックブルー又は酸化クロムを含む酸化チタン被覆マイカ、有機顔料を含む酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマスに基づく顔料などの白色真珠光沢顔料からなる群の要素から選択される真珠光沢顔料。
【0065】
より具体的な態様によれば、本発明の主題は、その質量100%あたり、2質量%以下、好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下の水の質量含有量を含むことを特徴とする、上記粉状組成物(C)である。
【0066】
第2の態様によれば、本発明の主題は、その質量の100%あたり以下のものを含む、局所使用のための組成物(F)である:
・ 90質量%~97質量%、好ましくは92.5質量%~96.5質量%、更に好ましくは94質量%~96質量%の、上で定義した少なくとも1種の粉状組成物(C)、
・ 3質量%~10質量%、好ましくは3.5質量%~7.5質量%、更に具体的には4質量%~6質量%の、20℃で液体である少なくとも1種の脂肪系結合剤(BA)。
【0067】
組成物(F)の定義において使用される「局所使用のための」という表現は、局所使用のための前記組成物が、これが化粧品、皮膚化粧品、皮膚医薬品、若しくは医薬品の配合物の場合の直接的な塗布であるか、又は例えば繊維や紙のワイプの形態の身体衛生製品の場合の、若しくは皮膚或いは粘膜と接触することが意図された生理用品の場合の間接的な塗布であるかに関わらず、身体及び顔の皮膚、毛髪、頭皮、又は粘膜への塗布によって使用されることを意味する。
【0068】
本発明との関係において、「脂肪系結合剤」という用語は、粉末又は顆粒の形態の粒子を固体塊へと凝集させて、衝撃の影響下でその断片化のリスクを低減する、及びこれを確実に取りやすくする機能を有する、脂肪系の親油性化学組成物又は物質を意味する。
【0069】
特定の態様によれば、本発明の主題は、脂肪系結合剤(BA)が以下からなる群の要素から選択されることを特徴とする、上記局所使用のための組成物(F)である:
i)国際公開第93/17660A1号パンフレットとして公開された国際特許出願で定義されている、少なくとも1種のシリコーンオイル、少なくとも1種のシリコーンワックス、及び少なくとも1種のシリコーン樹脂、並びに任意選択的な少なくとも1種のシリコーンガム及び少なくとも1種のフェニルジメチコンを含有する組成物、
ii)例えばイソドデカン又は2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン(CAS番号:31807-55-3/93685-81-5/13475-82-6)、イソヘキサデカンCAS=(93685-80-4)、又は2,2,4,4,6,8,8-ヘプタメチルノナン(CAS=4390-04-9)などの20℃で液体である分岐アルカン、
iii)例えば液体パラフィン、非分岐アルカン(例えばn-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、n-テトラデカン、n-ペンタデカン、n-ヘキサデカン、n-ヘプタデカンなど)などの20℃且つ大気圧で液体である鉱油、
iv)調製に必要な原料が植物である、式(A)及び/若しくは式(A’)のモノグリセリド、並びに/又は式(A)及び/若しくは式(A’)のジグリセリド、並びに/又は式(A)のトリグリセリドを含む化学物質を表す、モノグリセリド及び/又はジグリセリド及び/又はトリグリセリドに基づく植物由来の油:
CH-(CHx1-C(O)-O-CH-CH(OH)-CH-OH (A
HO-CH-CH[O-C(O)-(CHx2-CH]-CH-O-H (A’
CH-(CHx3-C(O)-O-CH-CH(OH)-CH-O-C(O)-(CHx4-CH (A
CH-(CHx5-C(O)-O-CH-CH[O-C(O)-(CHx6-CH]-CH-O-H (A’
CH-(CHx7-C(O)-O-CH-CH[O-C(O)-(CHx8-CH]-CH-O-C(O)-(CHx9-CH (A
(これらの式中、x1、x2、x3、x4、x5、x6、x7、x8、及びx9は、同じであっても異なっていてもよく、7~23の整数を表す)。
【0070】
上で定義したモノグリセリド及び/又はジグリセリド及び/又はトリグリセリドに基づく植物由来の油の中でも以下が挙げられ、例えば、スイートアーモンド油、ココナッツ核油、ヒマシ油、オリーブ油、菜種油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、トウモロコシ胚芽油、大豆油、綿実油、アルファルファ油、ケシ種子油、カボチャ種子油、ウォード(woad)油、ボラージ油、イブニングプリムローズ油、キビ油、大麦油、ライ麦油、サフラワー油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、ヘーゼルナッツ油、パーム油、シアバター、アプリコット核油、テリハボク油、シシンブリウム油、アボカド油、カレンデュラ油、ヘンプ油、花由来の油、野菜由来の油、植物由来の脂肪酸とグリセロールとの間のエステル化反応によって得られたトリグリセリド、例えばグリセリルトリイソステアレート、Stearinerie DuboisからDUBMCTの名称で販売されているカプリル/カプリン酸トリグリセリド、Stearinerie DuboisからDUB THGの名称で販売されている7個の炭素原子を含む脂肪酸とグリセロールとの間のエステル化反応によって得られるトリグリセリド、CrodaからSyncrowax HRCの名称で販売されている22個の炭素原子を含む脂肪酸とグリセロールとの間のエステル化反応によって得られるトリグリセリド、
v)例えば、ネオペンタン酸イソステアリル、カプリン酸ジカプリリル、ステアリン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ヘキサデシルなどの20℃で液体である脂肪酸エステル、
vi)式(II)のイソアルカノール:
(CH)(CH)CH-(CH)r-CH-OH (II)
(式(II)において、rは8~20の整数を表し、例えばイソデシル、イソウンデシル、イソドデシル、イソトリデシル、イソテトラデシル、イソペンタデシル、イソヘキサデシル、イソペンタデシル、イソオクタデシル、イソノナデシル、イソエイコシル、又はイソドコシルラジカルである)、
vii)式(III)のゲルベアルコール:
CH(CsH+1)(C2t+1)-CH-OH (III)
(式(III)において、tは6~18の整数であり、sは4~18の整数であり、合計s+tは10以上22以下であり、例えば2-ブチルオクチル、2-ブチルデシル、2-ヘキシルオクチル、2-ヘキシルデシル、2-オクチルデシル、2-ヘキシルドデシル、2-オクチルドデシル、2-デシルテトラデシル、2-ドデシルヘキサデシル、又は2-テトラデシルオクタデシルラジカルである)、
viii)例えばオレイルアルコール又は(Z)-オクタデク-9-エン-1-オール、リノレイルアルコール、又はシス,シス-9,12-オクタデカジエン-1-オール、リノレニルアルコール、又は(9Z,12Z,15Z)-9,12,15-オクタデカトリエン-1-オールなどの20℃で液体である脂肪族アルコール、
ix)例えばジメチコン、シクロペンタシロキサン、ビニルジメチコン、カプリリルメチコン、ジフェニルジメチコンなどのシリコーン誘導体。
【0071】
特定の態様によれば、20℃で液体である脂肪系結合剤(BA)は、ジメチコン、シクロペンタシロキサン、ビニルジメチコン、カプリリルメチコン、ジフェニルジメチコン、イソヘキサデカン、イソドデカン、液体パラフィン、ヒマシ油、スイートアーモンド油、マカダミア油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、カプリン酸ジカプリリル、ネオペンタン酸イソステアリル、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノールからなる群の要素から選択される。
【0072】
より具体的な態様によれば、脂肪系結合剤は、ヒマシ油、オクチルドデカノール、ジメチコン、セテアリルエチルヘキサノエート、及びミリスチン酸イソプロピルからなる群の要素から選択される。
【0073】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)は、特に、頬紅、アイシャドウ、顔を化粧するための粉末、(香り付け及び/又は脱臭用の)足及び手用の粉末を含むボディパウダーの形態である。
【0074】
圧縮粉末の形態であり本発明の主題である局所使用のための組成物(F)は、特に局所使用のための化粧品、皮膚化粧品、医薬品、又は皮膚医薬品の配合物の分野で一般的に使用されている、防腐剤、収斂剤、日焼け止め、治癒剤、フリーラジカル捕捉剤、ビタミン;粘滑剤、皮膚軟化剤、保湿剤(グリセロール、ソルビトールなど)、皮膚美白剤、香料、粘度調整剤から選択される添加剤を含み得る。
【0075】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)中に任意選択的に存在していてもよい消臭剤の例としては、アルカリ金属ケイ酸塩;硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛、又は乳酸亜鉛などの亜鉛塩;セチルトリメチルアンモニウム塩又はセチルピリジニウム塩などの四級アンモニウム塩;カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、又はカプリン酸ポリグリセリルなどのグリセロール誘導体;1,2-デカンジオール、1,3-プロパンジオール;サリチル酸;重炭酸ナトリウム;シクロデキストリン;金属ゼオライト;Triclosan(商標);アルミニウムブロモハイドレート、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウムナトリウム、又はアルミニウムクロロハイドレートとグリコールの錯体(アルミニウムクロロハイドレートとプロピレングリコールとの錯体など)、アルミニウムジクロロハイドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムクロロハイドレートとポリエチレングリコールとの錯体、アルミニウムジクロロハイドレートとポリエチレングリコールとの錯体、又はアルミニウムセスキクロロハイドレートとポリエチレングリコールとの錯体などを挙げることができる。
【0076】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)に含まれ得る太陽の紫外線から保護するための薬剤の中でも、顔料、有機日焼け止め、及び無機日焼け止めを挙げることができる。
【0077】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)に含まれ得る太陽の紫外線から保護するための薬剤として使用される顔料としては、例えば、二酸化チタン、褐色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、若しくは赤色酸化鉄、又は酸化チタン被覆マイカなどの白色若しくは有色の真珠光沢顔料が存在する。
【0078】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)に含まれ得る太陽の紫外線から保護するための薬剤として使用される有機日焼け止めとしては、例えば、以下のものが存在する:
・ パラアミノ安息香酸(PABA)、特にPABAのモノグリセリルエステル、N,N-プロポキシPABAのエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのメチルエステル、N,N-ジメチルPABAのブチルエステルなどの安息香酸誘導体の分類のもの;
・ ホモメンチル-N-アセチルアントラニル酸エステルなどのアントラニル酸誘導体の分類のもの;
・ サリチル酸アミル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p-イソプロパノールフェニルなどのサリチル酸誘導体の分類のもの;
・ ケイ皮酸エチルヘキシル、4-イソプロピルケイ皮酸エチル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p-メトキシケイ皮酸プロピル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸イソアミル、p-メトキシケイ皮酸オクチル(p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル)、p-メトキシケイ皮酸2-エトキシエチル、p-メトキシケイ皮酸シクロヘキシル、α-シアノ-β-フェニルケイ皮酸エチル、α-シアノ-β-フェニルケイ皮酸2-エチルヘキシル、又はジ(パラ-メトキシケイ皮酸モノ(2-エチルヘキサノイル)グリセリルなどのケイ皮酸誘導体の分類のもの;
・ 2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル4’-フェニルベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-(n-オクチルオキシ)ベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン;3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルなどのベンゾフェノン誘導体の分類のもの;
・ 2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩などのスルホン酸の誘導体の分類のもの;ヒドロキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルオキシヒドロキシフェニル-4-メトキシフェニルトリアジン、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、安息香酸の4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイルジイミノ)ビス(2-エチルヘキシル)エステル、2-フェニル-5-メチルベンゾオキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアジン誘導体の分類のもの;ジベンザジン;ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4”-t-ブチルベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオネート;2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート又はエチル2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエートなどのジフェニルアクリレート誘導体の分類のもの;
・ ベンジリデンシロキサンマロネートなどのポリシロキサン分類のもの。
【0079】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)に含まれ得る太陽の紫外線から保護するための薬剤として使用される無機日焼け止めとしては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、黄色、赤色、又は黒色の酸化鉄、及び酸化クロムが存在する。これらの無機遮蔽剤は、微粉化されていてもいなくてもよく、表面処理をされていてもいなくてもよく、任意選択的には水性又は油性の予備分散液の形態であってもよい。
【0080】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)に含まれ得る酸化防止剤としては、EDTA及びその塩、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、酢酸トコフェリルなどのトコフェロール誘導体、Dissolvine GL 47S(INCI名:Tetrasodium Glutamate Diacetate)などの酸化防止剤化合物の混合物を挙げることができる。
【0081】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)に含まれ得る有効成分の中でも、以下のものを挙げることができる:
・ レチノール(ビタミンA)及びそのエステル(例えばパルミチン酸レチニル)、アスコルビン酸(ビタミンC)及びそのエステル、アスコルビン酸の糖誘導体(アスコルビルグルコシドなど)、トコフェロール(ビタミンE)及びそのエステル(酢酸トコフェロールなど)、ビタミンB3又はB10(ナイアシンアミド及びその誘導体)などのビタミン及びそれらの誘導体、特にそれらのエステル;鎮静作用を示す化合物、特にSepicalm(商標)S、アラントイン、及びビサボロール;抗炎症剤;尿素、ヒドロキシ尿素、グリセロールグルコシド、ジグリセロールグルコシド、ポリグリセリルグルコシド、グリセロール、ジグリセロール、又はAquaxyl(商標)のブランド名で販売されているキシリチルポリグルコシドなどの保湿作用を示す化合物;ブドウ抽出物、松抽出物、ワイン抽出物、又はオリーブ抽出物などのポリフェノールを豊富に含む植物抽出物;カフェイン又はその誘導体、Adiposlim(商標)、Adipoless(商標)、又はフコキサンチンなどの痩身又は脂肪分解作用を示す化合物;N-アシル化タンパク質;Matrixil(商標)などのN-アシル化ペプチド;N-アシル化アミノ酸;N-アシル化タンパク質の部分加水分解物;アミノ酸;ペプチド;タンパク質の全加水分解物;大豆抽出物、例えばRaffermine(商標);小麦抽出物、例えばTensine(商標)又はGliadine(商標);タンニンを豊富に含む植物抽出物、イソフラボンを豊富に含む植物抽出物、又はテルペンを豊富に含む植物抽出物などの植物抽出物;淡水藻又は海藻の抽出物;海洋植物の抽出物;サンゴなどの一般的な海洋抽出物;エッセンシャルワックス;細菌抽出物;セラミド;リン脂質;Lipacide(商標)C8G、Lipacide(商標)UG、Sepicontrol(商標)A5、Octopirox(商標)又はSensiva(商標)SC50などの抗菌作用又は精製作用を示す化合物;Physiogenyl(商標)などのエネルギー付与若しくは刺激付与特性を示す化合物、又はSepicap(商標)MPなどのパンテノール及びその誘導体;Sepilift(商標)DPHP、Lipacide(商標)PVB、Sepivinol(商標)、Sepivital(商標)、Manoliva(商標)、Phyto-Age(商標)、Timecode(商標)、又はSurvicode(商標)などの老化防止有効成分;光老化防止有効成分;表皮真皮接合部の完全性を保護する有効成分;コラーゲン、エラスチン、又はグリコサミノグリカンなどの細胞外マトリックスの成分の合成を増加させる有効成分;サイトカインなどの化学的細胞伝達に有利に作用する有効成分、又はインテグリンなどの物理的細胞伝達に有利に作用する有効成分;皮膚微小循環の活性剤(ニコチン酸誘導体など)などの皮膚に「加熱」の感覚を生み出す有効成分又は皮膚に「涼しさ」の感覚を生み出す製品(メントール及び誘導体など);皮膚微小循環を改善する有効成分、例えばベノトニクス;排出有効成分;イチョウ、ツタ、トチノキ、竹、ラスカス、ナギイカダ、ツボクサ(Centalla asiatica)、ヒバマタ、ローズマリー、又はヤナギの抽出物などの、充血緩和を目的とした有効成分;例えばジヒドロキシアセトン(DHA)、エリスルロース、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、アロキサン、ニンヒドリン、植物抽出物、例えばプテロカルプス(Pterocarpus)属又はバフィア(Baphia)属のセコイアの抽出物など、例えばプテロカルプス・サンタリヌス(Pteropcarpus santalinus)、プテロカルプス・オスン(Pterocarpus osun)、プテロカルプス・ソヨウキシ(Pterocarpus soyauxii)、プテロカルプス・エリナケウス(Pterocarpus erinaceus)、プテロカルプス・インディクス(Pterocarpus indicus)、又はバフィア・ニティダ(Baphia nitida)、例えば欧州特許出願公開第0971683号明細書に記載されているものなどの皮膚を日焼けさせるか褐色にするための薬剤;ヒトの皮膚の日焼け及び/若しくは褐色化を促進及び/若しくは加速するそれらの作用について知られている薬剤、並びに/又は例えばカロテノイド(より具体的にはβ-カロテン及びγ-カロテン)、カロテノイドとビタミンEとビタミンKとを含む、Provitalからブランド名「Carrot oil」(INCI名:Daucus Carota,Helianthus Annuus Sunflower Oil)として販売されている製品などの、ヒトの皮膚を着色するそれらの作用について知られる薬剤;紫外線への曝露と組み合わせてヒトの皮膚の日焼けを促進する効果について知られているチロシン及び/又はその誘導体、例えばチロシンとリボフラビン(ビタミンB)とを含む、Provitalからブランド名「SunTan Accelerator(商標)」として販売されている製品、Zymo Lineからブランド名「Zymo Tan Complex」として販売されているチロシンとチロシナーゼとの複合体、アセチルチロシンを含む、Mibelleからブランド名MelanoBronze(商標)(INCI名:Acetyl Tyrosine,Monk’s Pepper Extract(Vitex Agnus-Castus))として販売されている製品、Unipexからブランド名Unipertan VEG-24/242/2002(INCI名:Butylene Glycol and Acetyl Tyrosine and Hydrolyzed Vegetable Protein and Adenosine Triphosphate)として販売されている製品、マロウ種子の抽出物(又はヘチマ油)を含む、Sedermaからブランド名「Try-Excell(商標)」(INCI名:Oleoyl Tyrosine and Luffa Cylindrica(Seed)Oil and Oleic Acid)として販売されている製品、Alban Mullerからブランド名「Actibronze(商標)」(INCI名:Hydrolyzed Wheat Protein and Acetyl Tyrosine and Copper Gluconate)として販売されている製品、Synergaからブランド名Tyrostan(商標)(INCI名:Potassium Caproyl Tyrosine)として販売されている製品、Synergaからブランド名Tyrosinol(INCI名:Sorbitan Isostearate,Glyceryl Oleate,Caproyl Tyrosine)として販売されている製品、Alban Mullerからブランド名InstaBronze(商標)(INCI名:Dihydroxyacetone and Acetyl Tyrosine and Copper Gluconate)として販売されている製品、Exsymolからブランド名Tyrosilane(INCI名:Methylsilanol and Acetyl Tyrosine)として販売されている製品;メラニン形成を活性化する効果について知られているペプチド、例えばInfinitec Activosからブランド名Bronzing SF Peptide Powder(INCI名:Dextran and Octapeptide-5)として販売されている製品、アルファ-MSHアゴニスト作用で知られる、アセチルヘキサペプチド-1を含有するブランド名Melitane(INCI名:Glycerin and Aqua and Dextran and Acetyl Hexapeptide-1)として販売されている製品、Lipotecからブランド名Melatimes Solutions(商標)(INCI名:Butylene Glycol,Palmitoyl Tripeptide-40)として販売されている製品、糖及び糖誘導体、例えばProvitalからブランド名Tanositol(商標)(INCI名:Inositol)として販売されている製品、海洋由来のオリゴ糖(マグネシウム及びマンガンイオンでキレート化されたグルロン酸及びマンヌロン酸)を含有する、Codif Internationalからブランド名Thalitan(商標)(又はPhycosugar(商標)AG)(INCI名:Aqua and Hydrolyzed Algin(Laminaria digitata)and Magnesium Sulfate and Manganese Sulfate)として販売されている製品、Alban Mullerからブランド名Melactiva(商標)(INCI名:Maltodextrin,Mucuna Pruriens Seed Extract)として販売されている製品、フラボノイドを多く含む化合物、例えばSilabからブランド名「Biotanning」(INCI名:Hydrolyzed Citrus Aurantium Dulcis Fruit Extract)として販売されておりレモンフラボノイド(ヘスペリジンタイプ)を豊富に含むことが知られている製品。
【0082】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)に含まれ得るテクスチャー付与剤としては、AjinomotoからAminohope(商標)LLという名称で販売されているラウロイルリシン、National StarchからDryflo(商標)という名称で販売されているオクテニルコハク酸デンプン、SEPPICからMontanov(商標)14という名称で販売されているミリスチルポリグルコシド、セルロース繊維、綿繊維、又はキトサン繊維を挙げることができる。
【0083】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)に含まれ得る芳香付与物質又は風味付与物質としては、以下のものを挙げることができる:
・ 植物の様々な部分の抽出物:花、葉、茎又は木、樹皮又はウッドモス、果実又は種子、根、
・ バラ、ジャスミン、ツベローズ、キンコウボクの花、プルメリアの花、イランイランの花、ハスの花、ミモザの花、カーネーションの花、オスマンサスの花、アカシアの花、スイートオレンジの花、ダイダイの花又はネロリ、スイセンの花、ラベンダー、クチナシなどの花の抽出物、
・ ブラックカラントの芽、ツノマタゴケ、ブナの苔、地衣類、アカシアの葉、バジルの葉、カノコソウの葉、リンドウの葉、スミレの葉、ゼラニウムの葉、ラブダナムの葉、ローズマリー、パチョリの葉、バーベナの葉、シナモン樹皮、トネリコの樹皮、桂皮、カスカリラの樹皮、サンダルウッド、シダーウッド、ローズウッド、沈香、カバノキの樹皮、グアヤクウッド、ペルーバルサム、トルーバルサム、ベンゾイン樹脂、没薬、ラブダナム樹脂、エレミ樹脂、乳香、オポポナックス、グッグル、松若しくはトウヒ若しくはモミの針葉及び枝などの葉、苔、樹皮、樹脂、又は芽の抽出物、
・ タラゴン、レモングラス、セージ、タイムなどのハーブ又は草の抽出物、
・ トンカ豆、バニラの莢、カルダモン、コリアンダー、スターアニス、ビターアーモンド、クミン、クローブ、ジュニパーベリー、レモンやオレンジのような柑橘系の果実(スイートレモン及びベルガモット、マンダリンなど)などの果物又は種子の抽出物、
・ アンジェリカ、セロリ、カルダモン、アイリス、ショウブ、サボテン、又はベチバーなどの根の抽出物、
・ 芳香性抽出物、アブソリュート、アルコラート、及びエッセンシャルオイル。
【0084】
「エッセンシャルオイル」という用語は、植物学的に定義された植物原料から得られる、化粧品の規制に従う、通常複雑な組成の芳香性の製品を意味すると理解される。エッセンシャルオイルの取得方法は、規格ISO 9235に記載されており、これらのエッセンシャルオイルは、場合によっては脱テルペン処理、脱セスキテルペン処理、又は精留など、適切なその後の処理を受けていてもよい。
【0085】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)と組み合わせることができるエッセンシャルオイルとしては、例えば、ヤロウエッセンシャルオイル、アコーラス・カラムス(Acorus calamus)エッセンシャルオイル、ガーリックエッセンシャルオイル、アジョワンエッセンシャルオイル、アミリスエッセンシャルオイル、ディルエッセンシャルオイル、アニスエッセンシャルオイル、アンジェリカエッセンシャルオイル、ティーツリーエッセンシャルオイル、バジルエッセンシャルオイル、ベイセントトーマスエッセンシャルオイル、ベンゾインエッセンシャルオイル、ベルガモットエッセンシャルオイル、グアヤクウッドエッセンシャルオイル、ホーウッドエッセンシャルオイル、ローズウッドエッセンシャルオイル、サンダルウッドエッセンシャルオイル、サイアムウッドエッセンシャルオイル、ブラックバーチエッセンシャルオイル、カモミールエッセンシャルオイル、カンファーツリーエッセンシャルオイル、シナモンエッセンシャルオイル、カルダモンエッセンシャルオイル、キャロットエッセンシャルオイル、キャラウェイエッセンシャルオイル、シダーエッセンシャルオイル、セルリーエッセンシャルオイル、シーフェンネルエッセンシャルオイル、シスタスエッセンシャルオイル、レモンエッセンシャルオイル、シトロネラエッセンシャルオイル、クレメンタインエッセンシャルオイル、カフィアライムエッセンシャルオイル、コパイバエッセンシャルオイル、コリアンダーエッセンシャルオイル、クリプトメリアエッセンシャルオイル、クミンエッセンシャルオイル、ターメリックエッセンシャルオイル、サイプレスエッセンシャルオイル、フランキンセンスエッセンシャルオイル、スプルースエッセンシャルオイル、タラゴンエッセンシャルオイル、フェンネルエッセンシャルオイル、フラゴニアエッセンシャルオイル、ガルバナムエッセンシャルオイル、ウィンターグリーンエッセンシャルオイル、ジュニパーエッセンシャルオイル、ゼラニウムエッセンシャルオイル、ジンジャーエッセンシャルオイル、クローブ若しくはクローブリーフエッセンシャルオイル、ヘリクリサムエッセンシャルオイル、ヒソップエッセンシャルオイル、アイアリーエッセンシャルオイル、イヌラエッセンシャルオイル、カトラファイエッセンシャルオイル、クエアエッセンシャルオイル、クンゼアエッセンシャルオイル、ラベンダーエッセンシャルオイル、ラバンディンエッセンシャルオイル、マンダリンエッセンシャルオイル、ニアウリエッセンシャルオイル、ペパーミントエッセンシャルオイル、オレンジエッセンシャルオイル、グレープフルーツエッセンシャルオイル、ローズマリーエッセンシャルオイル、タイムエッセンシャルオイル、イランイランエッセンシャルオイル、ラベンサラエッセンシャルオイル、セージエッセンシャルオイル、カブレウーヴァエッセンシャルオイル、レモングラスエッセンシャルオイル、パルマローザエッセンシャルオイル、セントジョーンズワートエッセンシャルオイル、ジャスミンエッセンシャルオイル、カモミールエッセンシャルオイル、メリッサエッセンシャルオイル、パインエッセンシャルオイル、ジンジャーエッセンシャルオイル、パセリエッセンシャルオイル、アルテミシアエッセンシャルオイル、ヘンプエッセンシャルオイル、ホップエッセンシャルオイル、又はワイルドタイムエッセンシャルオイルを挙げることができる。
【0086】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)と組み合わせることができる動物性の「芳香付与物質又は風味付与物質」の中では、例えば、ムスク、カストリウム、シベット、アンバーグリス、ビーワックスアブソリュート、及びヒラセウムを挙げることができる。これらの物質は、合成によって再構成することもできる。
【0087】
本発明の主題である局所使用のための組成物(F)と組み合わせることができる合成の「芳香付与物質又は風味付与物質」の中では、例えば、以下のものを挙げることができる:
a)ミルセン(α-ミルセン又はβ-ミルセン、及びα-ミルセン)、リモネン、α-ピネン、β-ピネン、カンフェン、カジネン、セドレン、ファルネセン、カリオフィレン、チャマズレン、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、クルクメン、クリスメン、ヒマチャレン、リモネン、パラ-シメン、ローズオキシド、FirmenichからAmbroxの名称で販売されているテトラノルラブダンオキシド、テルピネン及びテルピノレン、ベチベンなどのテルペン炭化水素(モノ及びセスキテルペン)、
b)酢酸ベンジル、酢酸ボルニル、酢酸シトロネリル、酢酸セドリル、酢酸ジヒドロミルセニル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸エチル、酢酸ファルネシル、酢酸フェンチル、酢酸ヘキシル、酢酸ゲラニル、酢酸イソブチル、酢酸イソノニル、酢酸イソペンチル、酢酸イソボルニル、酢酸イソプレギル、酢酸リナリル、酢酸メンチル、酢酸メチルフェニルカルビニル、酢酸ネリル、酢酸ノニル、酢酸o-t-ブチルシクロヘキシル、酢酸フェニルエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸フェニルエチル、酢酸プレニル、酢酸スチラリル、酢酸テルペニル、酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸ベチベリル、アントラニル酸メチル、安息香酸ベンジル、安息香酸イソブチル、安息香酸リナリル、クマリン、ブタン酸エチル、ブタン酸ベンジル、ブタン酸イソアミル、酪酸ベンジル、酪酸エチル、酪酸エチル、酪酸イソアミル、酪酸リナリル、ケイ皮酸ブチル、カプロン酸アリル、ケイ皮酸エチル、ギ酸ベンジル、ギ酸シトロネリル、hedione(ジヒドロジャスモン酸メチル)、ギ酸ゲラニル、ギ酸メチル、グリシン酸エチルメチルフェニル、グリコール酸アリルアミル、ヘプタン酸アリル、イソ酪酸フェノキシエチル、イソ酪酸シス-3-ヘキセニル、メタクリル酸イソアミル、ナフトエ酸エチル、ネオペンタン酸ヘキシル、プロピオン酸アミル、プロピオン酸アルキルシクロヘキシル、プロピオン酸アリルシクロヘキサン、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸スチラリル、プロピオン酸シトロネリル、サリチル酸メチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸エチル、チグリン酸ヘキシルなどのエステル、
c)ベンジルアルコール、α-テルピネオール、アネトール、カロトール、カビコール、エストラゴール、シネオール、シンナミルアルコール、シトロネロール、p-クレゾール、クミルアルコール、3,7-ジメチル-1-オクタノール、ジメチルベンジルカルビノール、フェンチルアルコール、ユーカリプトール、ファルネソール、オイゲノール、イソノニルアルコール、イソオイゲノール、グアイアコール、ゲラニオール、グローブロール、リナノール、メントール、ジヒドロミルセノール、ネロリドール、ネロール、フェニルエチルアルコール、サフロール、イソサフロール、フィトール、イソフィトール、テルピネオール、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、チモール、ベチベロール、ウンデカベルトールなどのアルコール及びフェノール、
d)フェニルアセトアルデヒド、サリチルアルデヒド、アニスアルデヒド、カプリルアルデヒド、シンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、ボウルゲオナール、シトラール(ネラール)、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド(リグストラール)、ドデカナール、デシルアルデヒド、エタナール、オクタナール、デカナール、ゲラニアール、ヘリオナール、ラウルアルデヒド、ラクトン(γ-ウンデカラクトンなど)、リリアール、メチル-n-ノニルアセトアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、ウンデカナール、サリチルアルデヒド、バニリンなどのアルデヒド、
e)ベンジルアセトン、カロン(7-メチル-2H-ベンゾ-1,5-ジオキセピン-3(4H)-オン)、カルボン、カンファー、シベトン、ダマスコン、ダマセノン、エチルアミルケトン、エチルヘキシルケトン、ゲラニルアセトン、ジャスモン、イロンズ、マルトール(3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン)、エチルマルトール、メントン、イソメントン、ムスコン、メチルヘプテノン、イオノン(メチルイオノンなど)、4-メチルアセトフェノン、メチルペンチルケトン、メチルヘプチルケトン、メチルヘキシルケトン、α-イソメチルイオノン、及びIFFからVertofixの名称で販売されているメチルセドリルケトンなどのケトン、
f)アネトール、ベンジルエチルエーテル、セドリルメチルエーテル、p-クレジルメチルエーテルなどのエーテル、
g)様々なニトロ化合物、ムスクアンブレット、ムスクケトン、ムスクキシレン、大環状ムスクに由来する人工ムスク、
h)トリメチル-3,5,7-オクタン(エン)ニトリル及びそれらのα-置換誘導体、シトロネリルニトリル、シトロニトリル、ゲラニルニトリルなどのニトリル。
【0088】
別の態様によれば、本発明の主題は、上記局所使用のための化粧品配合物(F)の衝撃強さを改善するための、上記架橋されたアニオン高分子電解質タイプのポリマー(P)の使用である。
【0089】
別の態様によれば、本発明の主題は、上で定義した局所使用のための組成物(F)を前記ヒト又は動物の皮膚に塗布する少なくとも1種の工程を含む、ヒトの皮膚を化粧するための方法である。
【0090】
別の態様によれば、本発明の主題は、太陽の紫外線の前記ヒトの皮膚に対する審美的な悪影響からヒトの皮膚を保護するための、有効量の少なくとも1種の有機日焼け止め及び/又は少なくとも1種の無機日焼け止めを含む本発明による局所使用のための組成物(F)である。
【0091】
「太陽の紫外線の前記ヒトの皮膚に対する審美的な悪影響」という用語は、皮膚の赤い斑点などの望ましくない過剰な着色、皮膚のしわを生じさせる可能性のある皮膚の柔軟性の変化、太陽の紫外線への皮膚の長時間の曝露の結果としての死んだ皮膚の剥離の増加に対応する一般的に「表皮剥脱」と呼ばれる表面の落屑におけるしわ及び/又ははっきりとした細い線の出現を意味する。
【0092】
局所使用のための組成物(F)を皮膚に塗布する前記工程は、指、又は例えばブラシやスポンジなどの塗布具を使用して行うことができる。
【0093】
以下の実施例は本発明を説明するものであるが、本発明を限定するものではない。
【実施例
【0094】
実施例1:
1.1. トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)で架橋された、アンモニウム2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホネートと、N,N-ジメチルアクリルアミドと、テトラエトキシル化ラウリルメタクリレートとのターポリマー[AMPS/DMAM/LMA(4EO)モル比77.4/19.2/3.4]の調製[本発明による実施例]
tert-ブタノール/水混合物(体積比97.5/2.5)中に15質量%のアンモニウム2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホネートが入っている水溶液592gと、10.1gのN,N-ジメチルアクリルアミドと、4.2gのテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートと、0.75gのトリメチロールプロパントリアクリレートを、25℃に維持されている反応器の中に撹拌しながら入れる。
【0095】
溶液をよく均質化させるのに十分な時間の後、70℃に加熱された窒素でスパージすることによってこれから酸素を除去する。次いで、0.42gのジラウロイルペルオキシドを添加し、その後反応媒体を70℃で約60分間、次いで80℃で2時間維持する。
【0096】
冷却後、重合中に形成された粉末を濾別し、乾燥させることで、目的生成物(以降、高分子電解質1と呼ぶ)を得る。
【0097】
1.2 トリメチルプロパントリアクリレートで架橋された、アンモニウム2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホネートと、(2-ヒドロキシエチル)アクリレートと、ステアリルメタクリレートと、ラウリルメタクリレートとの架橋高分子電解質(ATBS/HEA/SMA/LAUMA:88.1/9.9/1.0/1.0;高分子電解質2)の調製。
以下のものを、25℃に維持されており且つ245gのtert-ブタノールが入っている反応器に撹拌しながら入れる:
・ 33.8gの2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(ATBS);
・ 12.9gの炭酸水素アンモニウム;
・ 2.12gの(2-ヒドロキシエチル)アクリレート(HEA);
・ 0.62gのステアリルメタクリレート(SMA);
・ 0.48gのラウリルメタクリレート(LAUMA);
・ 0.54gのトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)。
【0098】
溶液をよく均質化させるのに十分な時間の後、窒素でスパージすることによってこれから酸素を除去し、次いで媒体の温度を70℃にする。目標温度に到達した後、0.50gのジラウロイルペルオキシドを添加する。すぐに重合が開始する。その後、反応媒体をこの温度で約60分間維持し、次いで混合物を80℃まで加熱する。冷却前にこの温度を2時間維持する。重合中に形成された粉末を濾別し、乾燥させることで高分子電解質2を得る。
【0099】
1.3.トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)で架橋された、アンモニウム2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホネートと、2-ヒドロキシエチルアクリレートと、テトラエトキシル化ラウリルメタクリレートとのターポリマー[AMPS/HEA/LMA(4EO)、モル比77.4/19.2/3.4モル]の調製。
上の実施例1.1に記載の方法の操作条件を使用して、撹拌しながら25℃に維持された反応器に、77.4モル当量のアンモニウム2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホネートを導入するのに必要な質量の、アンモニウム2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホネートの15質量%tert-ブタノール/水混合物(体積比97.5/2.5)溶液と、19.2モル当量の2-ヒドロキシエチルアクリレートを導入するのに必要な質量の2-ヒドロキシエチルアクリレートと、3.4モル当量のテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートを導入するのに必要な質量のテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートと、実施例1.1と同じモル割合のトリメチロールプロパントリアクリレートを得るのに必要な質量のトリメチロールプロパントリアクリレートを入れる。
【0100】
溶液をよく均質化させるのに十分な時間の後、70℃に加熱された窒素でスパージすることによってこれから酸素を除去する。次いで、0.42gのジラウロイルペルオキシドを添加し、その後反応媒体を70℃で約60分間、次いで80℃で2時間維持する。
【0101】
冷却後、重合中に形成された粉末を濾別し、乾燥させることで、目的生成物(以降、高分子電解質3と呼ぶ)を得る。
【0102】
1.4.メチレンビス(アクリルアミド)(MBA)で架橋された、アンモニウム2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホネートと、(2-ヒドロキシエチル)アクリレートとのコポリマー[AMPS/HEAモル比90/10]の調製。
以下のものを、撹拌しながらビーカーに入れる:
・ 2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のナトリウム塩を含む市販の50%溶液608.8グラム
・ 72.6グラムの(2-ヒドロキシエチル)アクリレート、
・ 0.18グラムのジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、及び
・ 0.121グラムのメチレンビス(アクリルアミド)、
・ 上記水相のpHは、0.7gの2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸を加えることにより3.5に調整する。
【0103】
並行して、撹拌されているビーカーの中に以下のものを順々に入れることにより、有機相を調製する。
・ 220gのIsopar M、
・ 25gのMontane70 VG(20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたオレイン酸ソルビタン、SEPPICから販売)及び
・ 0.2gのアゾビス(イソブチロニトリル)。
【0104】
水相を徐々に有機相の中に導入し、その後IKAから販売されているUltra-Turraxを使用して激しく機械撹拌する。
【0105】
次いで、得られたエマルジョンを重合反応器に移す。エマルジョンを、酸素を除去するために窒素で十分にスパージングしてから、約5~6℃に冷却する。
【0106】
その後、イソヘキサデカン中に1.1重量%のクメンヒドロペルオキシドの活性剤が入っている溶液10グラムを入れる。溶液をよく均質化させるのに十分な時間の後、25グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムの水溶液(0.2%溶液)を約25分で導入する。この導入の間に、重合反応器内の温度を最終重合温度まで上昇させ、次いで反応媒体をこの温度で約90分間維持する。
【0107】
その後、得られた混合物を約35℃の温度まで冷却してエマルジョンを得てから、これをNiro(商標)タイプの装置によって噴霧し、高分子電解質4を粉末形態で得る。
【0108】
上述した実施例1.4では、式(1)のモノマーは重合反応に関与せず、そのため架橋されたアニオン性高分子電解質のポリマー骨格中の式(1)のモノマーの存在に関連する効果を比較することを目的とした架橋されたアニオン性高分子電解質(高分子電解質4)が得られる。
【0109】
実施例2:
A-高分子電解質1~4を含む本発明による圧縮組成物及び比較配合物の調製。
試験する着色顔料、充填剤(タルク)、及び架橋されたアニオン高分子電解質を、VorwerkブランドのナイフミルであるThermomix TM3300モデルの中に入れる。次いで、粉末の混合物に対して、25℃の温度で、7700回転/分の撹拌速度で、30秒間を3回、連続して粉砕操作を行う。粉砕工程中に全ての粉末を取り込ませるために、各粉砕操作の合間にボウルの壁をこする。
【0110】
その後、ミルのボウルの中のこのようにして得た粉末の混合物の上に結合剤を広げ入れ、次いでこの新しい混合物に対して30秒間3回粉砕操作を行い、各粉砕の合間にボウルの壁を効果的にこする。
【0111】
この混合物の最適量11gを直径3cmの金属ポットの中に入れ、ポットの表面に「ベルガモット」タイプの布(100%ポリアミド)を置く。次いで、このポットを手動の「圧縮機」、すなわち決定された圧力を加えることによってポット内に存在する粉末を圧縮するための装置の中に入れる。
【0112】
その後、25℃の温度で1秒間、130barの圧力をポットに加える。
【0113】
以下の表1及び2に記載の、本発明による配合物(F1)、(F2)、(F3)、(F4)、並びに比較配合物(F5)、(F6)、(F’1)、及び(F’2)が得られる。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
B-先行技術と比較した、本発明による圧縮配合物の特性及び特徴の実証。
その後、予め調製した配合物(F1)~(F6)並びに比較配合物(F’1)及び(F’2)を以下の通りに評価する:
・ 「落下試験」法による衝撃強さの測定、
・ 周囲温度(25℃)における皮膚への移行の評価、
・ 50℃の高湿雰囲気で保管した後の皮膚への移行の評価。
【0117】
配合物(F1)~(F6)並びに配合物(F’1)及び(F’2)の「落下試験」法による衝撃強さの評価のための実験プロトコル
・原理:試験する圧縮配合物の表面にひび割れ及び/又は崩れが発生するまでの連続した落下の回数を決定する。
・装置:試験する圧縮配合物が入っている直径3センチメートルの金属ポット、落下用の管状ガイド
・手順:試験する配合物を上述した手順に従って調製し、直径3センチメートルのポットの中に得る。各ポットを地面から20センチメートルの高さに配置し、前記高さから管状ガイドに沿ってx回放つ。各落下後、実験者は、ポットの中に存在する配合物の表面を観察し、状況に応じて、「表面にひび割れ又は崩れがない」又は「表面にひび割れ又は崩れが存在する」と記録する。その後、実験者は、「表面のひび割れ又は崩れの存在」を初めて観察するために必要な連続した落下の回数を決定する。試験は、配合物ごとに3回繰り返す。
【0118】
配合物(F1)~(F6)及び配合物(F’1)の25℃及び50℃における皮膚への移行の品質を評価するための実験プロトコル
・原理:ポット上で指を動かした後に回収された量の十分さを見積もることにより、25℃及び50℃における実験者の指への試験する圧縮配合物の移行を認定する。
・装置:試験する圧縮配合物が入っている直径3センチメートルの金属ポット
・手順:試験する配合物を上述した手順に従って調製し、直径3センチメートルのポットの中に得る。各試験の前に、実験者は手を石鹸で洗い、手を乾かして、すすぎによって生じた水分を取り除く。次いで、実験者は、一部を手に取るために、試験される配合物が入っているポットの表面上で指を動かす。その後、実験者は、「不十分な付着量」、「平均的な付着量」、及び「優れた付着量」の基準を使用して、回収された量の十分性を決定する。
・測定条件:配合物は、25℃且つ周囲湿度で、及び高湿下50℃で7日間保管した後に試験する。これらの測定では、ポットは50℃のオーブン中に入れられた密閉チャンバーの中で7日間、水床の上に置く。測定は、1日目、3日目、及び7日目に行う。
【0119】
これらの評価の結果を以下の表3及び4に示す。
【0120】
【表3】
【0121】
【表4】
【0122】
コメント及び結論
以下の場合、結果は満足できるとみなされる:
・ 実験者が「表面のひび割れ又は崩れの存在」を観察せずに連続して落下させた回数が5以上である場合、
・ 25℃における付着量の特性が「優れた付着量」と判断される場合、
・ 50℃における付着量の特性が「優れた付着量」と判断される場合。
【0123】
高分子電解質1、高分子電解質2、及び高分子電解質3をそれぞれ0.5質量%含む配合物(F1)、(F2)、及び(F3)は、望ましい衝撃強さ(ひび割れが観察される前にそれぞれ8回、7回、及び5回の落下回数)を示し、また25℃及び50℃において「優れた付着量」と判断される付着量の特性を示す。対照的に、メチレンビス(アクリルアミド)で架橋されているが上で定義した式(I)のモノマーを含まない、2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のナトリウム塩及び2-ヒドロキシエチルアクリレートに基づくコポリマーを含有する配合物(F’1)は、圧縮配合物(F’1)の表面にひび割れが発生するのに1回の落下しか要さないため、不十分な衝撃強さを示す。
【0124】
組成物(C)中で0.7%を超える質量割合の架橋されたアニオン性高分子電解質(P)を含む比較の配合物(F5)及び(F6)は、50℃の試験による皮膚への付着が不十分であることによって特徴付けられる。
【0125】
架橋されたアニオン性高分子電解質タイプのポリマー(P)を含まないことを特徴とする比較配合物(F’)は、改善されていない衝撃強さを示す。
【国際調査報告】