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特表2022-546226排熱回収ボイラ(HRSG)の頂部プラットフォーム組立体のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】排熱回収ボイラ(HRSG)の頂部プラットフォーム組立体のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/24 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
F22B37/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508542
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 US2020049090
(87)【国際公開番号】W WO2021046145
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/895,925
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】モラー、フィリップ ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】トリパシー、ジャンメジャヤ
(57)【要約】
排熱回収ボイラ(HRSG)は、基部と、この基部上に配置された頂部プラットフォーム組立体と、を備える。この頂部プラットフォーム組立体は、蒸気マニホールドが配置された第1の矩形フレームを有する第1の頂部プラットフォーム補助モジュールと、高圧(HP)ドラムが配置された第2の矩形フレームを有する第2の頂部プラットフォーム補助モジュールと、低圧(LP)ドラム及び中圧(IP)ドラムが配置された第3の矩形フレームを有する第3の頂部プラットフォーム補助モジュールと、を含む。頂部プラットフォーム補助モジュールはそれぞれ、基部上に設置するために高く引き上げられる前に、地面上に予め組み立てられてもよい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部(101)と、
前記基部(101)上に配置された頂部プラットフォーム組立体(100)であって、
蒸気マニホールド(111)が配置された第1の矩形フレーム(105)を有する第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)、
高圧(HP)ドラム(76)が配置された第2の矩形フレーム(107)を有する第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)、及び
低圧(LP)ドラム(56)及び中圧(IP)ドラム(66)が配置された第3の矩形フレーム(109)を有する第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)を含む、頂部プラットフォーム組立体(100)と、
を備える、排熱回収ボイラ(HRSG)(18)。
【請求項2】
前記第1の矩形フレーム(105)、前記第2の矩形フレーム(107)、及び前記第3の矩形フレーム(109)が同じ長さを含む、請求項1に記載のHRSG(18)。
【請求項3】
前記第1の矩形フレーム(105)、前記第2の矩形フレーム(107)、及び前記第3の矩形フレーム(109)が同じ高さを含む、請求項1に記載のHRSG(18)。
【請求項4】
前記第1の矩形フレーム(105)が第1の幅を含み、前記第2の矩形フレーム(107)が第2の幅を含み、前記第3の矩形フレーム(109)が第3の幅を含み、ここで、前記第1の幅が前記第2の幅及び前記第3の幅とは異なっている、請求項1に記載のHRSG(18)。
【請求項5】
前記基部(101)が複数の支柱部(103)を含み、前記支柱部(103)がそれぞれ、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)、前記第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)、及び前記第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)が配置された平面の一部を形成している、少なくとも1つの隆起部(121)を有する、請求項1に記載のHRSG(18)。
【請求項6】
前記基部(101)が基部最上部(99)を含み、前記第1の矩形フレーム(105)及び前記蒸気マニホールド(111)を有する前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)が、第1の組立操作において、地面から前記基部最上部(99)まで引き上げられるように構成され、前記第2の矩形フレーム(107)及び前記HPドラム(76)を有する前記第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)が、第2の組立操作において、地面から前記基部最上部(99)まで引き上げられるように構成され、また、前記第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)が、第3の組立操作において、地面から前記基部最上部(99)まで引き上げられるように構成されている、請求項1に記載のHRSG(18)。
【請求項7】
前記基部(101)が、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)、前記第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)、及び前記第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)が列を成して配置される平面を形成している基部最上部(99)を含む、請求項1に記載のHRSG(18)。
【請求項8】
前記基部最上部(99)が外周を含み、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)、前記第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)、及び前記第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)が、前記基部最上部(99)の外周を越えて延在している、請求項7に記載のHRSG(18)。
【請求項9】
排熱回収ボイラ(HRSG)(18)の頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)であって、前記頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)が、
フレーム(105、107、109)と、
前記フレーム(105、107、109)内に配置され、かつ前記HRSG(18)の基部(101)内に配置された対応する端末継手(126)に連結されるように構成された、端末継手(125)と、
前記フレーム(105、107、109)から外側に延在し、かつ前記HRSG(18)の前記基部(101)の取付け機構(128)を収容するように構成された取付組立体であって、前記取付組立体が前記端末継手(125)からある距離(115)を置いて離隔されている、取付組立体と、
を備え、
前記取付組立体が前記取付け機構(128)と接合する際に、前記頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)の前記端末継手(125)が前記対応する端末継手(126)と位置合わせされる、排熱回収ボイラ(HRSG)(18)の頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)。
【請求項10】
前記取付組立体が、第1のアームと、第2のアームと、前記第1のアームと前記第2のアームとの間の間隙と、を含み、前記第1のアームと前記第2のアームとの間の前記間隙が、前記HRSG(18)の前記基部(101)の前記取付け機構(128)を収容するように構成されている、請求項9に記載の頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)。
【請求項11】
前記第1のアームと前記第2のアームとの間の前記間隙が、前記HRSG(18)の前記基部(101)のスライド係合プレート(121)を収容するように構成されている、請求項10に記載の頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)。
【請求項12】
前記頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)のドラム(56、66、76)が前記基部(101)の熱交換器構成部品と流体連結されるように、前記端末継手(125)が、前記対応する端末継手(126)と流体連結されるように構成された導管を含む、請求項9に記載の頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)。
【請求項13】
前記頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)が、
蒸気マニホールド(111)、
高圧(HP)ドラム(76)、又は
低圧(LP)ドラム(56)及び中圧(IP)ドラム(66)
を含む、請求項9に記載の頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)。
【請求項14】
前記フレーム(105、107、109)が、略矩形の形状を含む、請求項9に記載の頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)。
【請求項15】
前記フレーム(105、107、109)が、前記HRSG(18)の前記基部(101)と係合するように構成された、略平坦な底面(119)を含む、請求項14に記載の頂部プラットフォーム補助モジュール(102、104、106)。
【請求項16】
排熱回収ボイラ(HRSG)(18)を組み立てる方法(200)であって、
第1の略平坦な底面(119)を含む第1のフレーム(105)を有し、かつ前記第1のフレーム(105)内に配置された蒸気マニホールド(111)を有する、第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)を形成するステップ(202)と、
第2の略平坦な底面(119)を含む第2のフレーム(107)を有し、かつ前記第2のフレーム(107)内に配置された高圧(HP)ドラム(76)を有する、第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)を形成するステップ(204)と、
第3の略平坦な底面(119)を含む第3のフレーム(109)を有し、かつ前記第3のフレーム(109)内に配置された低圧(LP)ドラム(56)及び中圧(IP)ドラム(66)を有する、第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)を形成するステップ(206)と、
前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)を高く引き上げ、次いで前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)の前記第1の略平坦な底面(119)が基部(101)によって形成された平面(123)内に配置されるように、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)を前記HRSG(18)の前記基部(101)上に配置するステップ(208)と、
前記第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)を高く引き上げ、次いで前記第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)の前記第2の略平坦な底面(119)が前記基部(101)によって形成された前記平面(123)内に配置されるように、前記第2の頂部プラットフォーム補助モジュール(104)を前記HRSG(18)の前記基部(101)上に配置するステップ(210)と、
前記第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)を高く引き上げ、次いで前記第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)の前記第3の略平坦な底面(119)が前記基部(101)によって形成された前記平面(123)内に配置されるように、前記第3の頂部プラットフォーム補助モジュール(106)を前記HRSG(18)の前記基部(101)上に配置するステップ(212)と、
を含む、排熱回収ボイラ(HRSG)(18)を組み立てる方法(200)。
【請求項17】
前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)を前記HRSG(18)の前記基部(101)上に配置するステップ(208)が、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)の取付組立体を前記基部(101)のスライド係合プレート(121)と係合させるステップを含む、請求項16に記載の方法(200)。
【請求項18】
前記基部(101)の前記スライド係合プレート(121)の上面が、前記平面(123)の一部を形成している、請求項17に記載の方法(200)。
【請求項19】
前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)の前記取付組立体からある距離(115)を置いて、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)の端末継手(125)を設けるステップであって、前記距離(115)により、前記取付組立体を前記スライド係合プレート(121)に係合させると、前記HRSG(18)の前記基部(101)において対応する端末継手(126)と前記端末継手(125)とが位置合わせされる、ステップを含む、請求項17に記載の方法(200)。
【請求項20】
前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)を高く引き上げるステップ(208)が、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)の第1の側から、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)と係合した第1のクレーン(140)を使用することと、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)において前記第1の側に対向する第2の側から、前記第1の頂部プラットフォーム補助モジュール(102)と係合した第2のクレーン(142)を使用することと、を含む、請求項17に記載の方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、排熱回収ボイラ(HEAT RECOVERY STEAM GENERATOR:HRSG)の頂部プラットフォーム組立体を備えるHRSGの組み立てを行うためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
HRSGは、排ガスから熱を回収する際に一般的に利用される熱交換器である。例えば、このHRSGは、混合気を燃焼させて燃焼ガスを発生させるように構成された1つ又は複数のガスタービンエンジンを有する、複合サイクル発電プラント(combined cycle power plant:CCPP)の一部であり得る。この燃焼ガスは、ガスタービンエンジンのタービンの回転を駆動することができ、当該ガスタービンエンジンは、回転エネルギーを使用して電力系統の電力を生成する負荷(例えば、発電機)に結合され得る。この燃焼ガスは、タービンを通過した後に熱を保持する排ガスとして、タービンを退出することができる。この排ガスは、最終的にHRSGに送られ得る。HRSGは1つ又は複数の段(例えば、圧力段)を備えている可能性があり、各段は、排ガスが送られる蒸発器(例えば、通水コイル)を含む。この排ガスは蒸発器内の水を加熱し、それによって蒸発器の頂部に連結されたドラム内の水から収集かつ/又は分離される蒸気を生成することができる(例えば、直接的又は間接的に)。この蒸気を使用して、CCPPの1つ又は複数の蒸気タービンが駆動され得る。このようにして、HRSGは、1つ又は複数のガスタービンとCCPPの1つ又は複数の蒸気タービンとの間の熱力学的リンクとして機能している。
【0003】
従来の実施形態では、従来型のHRSGのドラム及び/又は通常従来型のHRSGの頂部に配置される他の機器には重量があり、その上、従来型のHRSGの他の部分と接合させることが困難であるため、面倒であり、著しく時間がかかるような構造の複雑さを招き得る。現在では、HRSGの構成部品や組立技術を改善することが望ましいと認識されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/191266号パンフレット
【発明の概要】
【0005】
最初に特許請求している主題の範囲に相応する特定の実施形態を、以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求している主題の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、これらの実施形態は、実現性のある本主題の形態の概要を提供することのみを意図している。実際、本主題は、以下に記載する実施形態と同様であってもよいし、異なっていてもよい様々な形態を包含することができる。
【0006】
第1の実施形態では、排熱回収ボイラ(HRSG)は、基部と、この基部上に配置された頂部プラットフォーム組立体と、を備える。この頂部プラットフォーム組立体は、蒸気マニホールドが配置された第1の矩形フレームを有する第1の頂部プラットフォーム補助モジュールと、高圧(HP)ドラムが配置された第2の矩形フレームを有する第2の頂部プラットフォーム補助モジュールと、低圧(LP)ドラム及び中圧(IP)ドラムが配置された第3の矩形フレームを有する第3の頂部プラットフォーム補助モジュールと、を含む。
【0007】
第2の実施形態では、排熱回収ボイラ(HRSG)の頂部プラットフォーム補助モジュールは、フレームを含む。頂部プラットフォーム補助モジュールは、フレーム内に配置され、かつ本HRSGの基部内に配置された対応する端末継手に連結されるように構成された、端末継手をさらに含む。頂部プラットフォーム補助モジュールは、フレームから外側に延在し、かつ本HRSGの基部の取付け機構を収容するように構成された取付組立体をさらに含み、この取付組立体が取付け機構と接合する際に、頂部プラットフォーム補助モジュールの端末継手が対応する端末継手と連結されるよう位置合わせされるように、この取付組立体が端末継手からある距離を置いて離隔されている。
【0008】
第3の実施形態では、排熱回収ボイラ(HRSG)を組み立てる方法は、第1の略平坦な底面を含む第1のフレームを有し、かつこの第1のフレーム内に配置された蒸気マニホールドを有する、第1の頂部プラットフォーム補助モジュールを形成するステップを含む。本方法は、第2の略平坦な底面を含む第2のフレームを有し、かつこの第2のフレーム内に配置された高圧(HP)ドラムを有する、第2の頂部プラットフォーム補助モジュールを形成するステップをさらに含む。本方法は、第3の略平坦な底面を含む第3のフレームを有し、かつこの第3のフレーム内に配置された低圧(LP)ドラム及び中圧(IP)ドラムを有する、第3の頂部プラットフォーム補助モジュールを形成するステップをさらに含む。本方法は、第1の頂部プラットフォーム補助モジュールを高く引き上げ、次いで第1の頂部プラットフォーム補助モジュールの第1の略平坦な底面が基部によって形成された平面内に配置されるように、第1の頂部プラットフォーム補助モジュールを本HRSGの基部上に配置するステップをさらに含む。本方法は、第2の頂部プラットフォーム補助モジュールを高く引き上げ、次いで第2の頂部プラットフォーム補助モジュールの第2の略平坦な底面が基部によって形成された平面内に配置されるように、第2の頂部プラットフォーム補助モジュールを本HRSGの基部上に配置するステップをさらに含む。本方法は、第3の頂部プラットフォーム補助モジュールを高く引き上げ、次いで第3の頂部プラットフォーム補助モジュールの第3の略平坦な底面が基部によって形成された平面内に配置されるように、第3の頂部プラットフォーム補助モジュールを本HRSGの基部上に配置するステップをさらに含む。
【0009】
本主題のこれらの、並びに他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読解すれば、さらに良好に理解されよう。添付の図面では、すべての図面を通して、類似の符号は類似の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】複合サイクル発電プラント(CCPP)の一実施形態を示すブロック図である。
図2図1のCCPPにおける排熱回収ボイラ(HRSG)の一実施形態を示すブロック図である。
図3】基部上に頂部プラットフォーム組立体を配置した状態の、図2のHRSGの一実施形態を示す斜視図である。
図4図3に示すHRSGの頂部プラットフォーム組立体用の頂部プラットフォーム補助モジュールの一実施形態を示す斜視図であり、ここで、頂部プラットフォーム補助モジュールは蒸気マニホールドを含む。
図5図3に示すHRSGの頂部プラットフォーム組立体用の頂部プラットフォーム補助モジュールの一実施形態を示す斜視図であり、ここで、頂部プラットフォーム補助モジュールは高圧(HP)ドラムを含む。
図6図3に示すHRSGの頂部プラットフォーム組立体用の頂部プラットフォーム補助モジュールの一実施形態を示す斜視図であり、ここで、頂部プラットフォーム補助モジュールは低圧(LP)ドラム及び中圧(IP)ドラムを含む。
図7図3に示すHRSGの頂部プラットフォーム組立体の一部の一実施形態を示す上面斜視図である(見やすくするために、特定の構成部品が削除されている)。
図8図3に示すHRSGの頂部プラットフォーム組立体の一部の一実施形態を示す底面斜視図である(見やすくするために、特定の構成部品が削除されている)。
図9図3に示すHRSGの基部の一実施形態を示す斜視図である。
図10図3に示すHRSGの一実施形態を示す側面図である。
図11】当該図のHRSGの一部を、図10の11-11線に沿って示す側面図である。
図12図3に示すHRSGの頂部プラットフォーム組立体と基部との間の接合機構の一実施形態を示す概略図である。
図13図3に示すHRSGの頂部プラットフォーム組立体用の頂部プラットフォーム補助モジュールにおける、接合機構の一実施形態を示す斜視図である。
図14図3に示すHRSGの基部のスライド係合プレート(又は支柱部)に係合する、図13に示す接合機構の一実施形態を示す斜視図である。
図15】頂部プラットフォーム補助モジュールが図3に示すHRSGの基部の最上部に向かって地面から引き上げられる、組立操作のステップの一実施形態を示す斜視図である。
図16図15に示す組立操作の別のステップを示す斜視図である。
図17図3に示すHRSGを組み立てる方法の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の主題の1つ又は複数の具体的な実施形態について、以下で説明する。これらの実施形態について簡潔に説明しようと努めているが、実際的な実装のすべての特徴を本明細書中で記載しきれない場合がある。実装ごとに異なり得るシステム関連かつビジネス関連の制約条件の遵守など、開発者の特定の目標を達成するために、あらゆるそのような実際的な実装の開発において、あらゆるエンジニアリングプロジェクト又は設計プロジェクトと同様に、実装に特有の多数の決定が行われる必要があることを理解すべきである。また、そのような開発の努力は、複雑かつ多大な時間を要するものであるかもしれないが、それでもなお、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、作製、及び製造における日常的な取組みにすぎないものであることを、理解すべきである。
【0012】
本主題の様々な実施形態の要素を導入する場合に、冠詞の「1つの(a)」、「1つの(an)」、「この(the)」及び「前記(said)」は、その要素が1つ又は複数存在することを意味するものである。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は包括的なものであり、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものである。
【0013】
排熱回収ボイラ(HRSG)は、複合サイクル発電プラント(CCPP)で一般的に利用される熱交換器である。本HRSGは、CCPPの1つ又は複数の蒸気タービンに動力を供給する際に使用される蒸気を生成するために、CCPPの1つ又は複数のガスタービンからの高温ガス流(例えば、排ガス)を、蒸発器(例えば、通水コイル)を介して流すことができる。このようにして、HRSGは、1つ又は複数のガスタービンとCCPPの1つ又は複数の蒸気タービンとの間の熱力学的リンクとして機能している。
【0014】
従来の実施形態では、本HRSG(例えば、排ガス流路、1つ又は複数の蒸発器、及び対応する機器を有する)の基部が設計され、かつ組み立てられ、本HRSGのドラム及び配管(例えば、蒸気マニホールド)などの他の構成部品は、基部の最上部まで個別に引き上げられ、基部及び対応する構成部品に連結されるように適合されている。例えば、従来の実施形態における基部はモジュール化かつ/又は標準化されてもよく、また、この基部の最上部に配置されたドラム及びマニホールド又は配管は高く引き上げられ、この基部のモジュール化構成部品に連結される。基部の最上部まで引き上げられる構成部品には重量があって扱いにくいため、個々の場合に応じて(例えば、特定の作業現場又はプロジェクトに合わせてカスタマイズされている)連結手法を変更する必要があり得る。ある高さで実行されるこうした連結手法は、基部上に配置された構成部品に重量があり、移動操作が困難であることが少なくとも原因となるため、面倒で複雑となり得る。したがって、従来の実施形態では、基部の最上部に配置された構成部品を基部内に設けられた構成部品と接合するのに多大な建設時間又は組立時間が費やされることになる。
【0015】
本HRSGの組立時間は、本HRSGの基部の最上部に配置された機構をまずモジュール化かつ標準化し、次いで必要に応じて、これらのモジュールを収容するように基部を設計することによって改善され得ることが、現在では認識されている。例えば、いくつかの「頂部プラットフォーム補助モジュール」を地面上に組み立ててもよく、また、これらは様々なHRSGの実施形態に使用できる標準的なサイズ、形状、及び端末継手を有してもよい。これらの頂部プラットフォーム補助モジュールは、例えば、配管又はマニホールド(例えば、蒸気マニホールド)及び対応する機器(例えば、サイレンサ、ケーブルトレイ)が配置された第1の頂部プラットフォーム補助モジュールと、高圧(HP)ドラム及び対応する機器(例えば、サイレンサ、ケーブルトレイ)が配置された第2の頂部プラットフォーム補助モジュールと、中圧(IP)ドラム、低圧(LP)ドラム、及び対応する機器(例えば、サイレンサ、ケーブルトレイ)が配置された第3の頂部プラットフォーム補助モジュールと、を含んでいてもよい。頂部プラットフォーム補助モジュールはそれぞれ、上記の構成部品が設置された略矩形のフレームを含んでいてもよく、この略矩形のフレームは、本HRSGの基部によって容易に収容される略平面の底面を含む。例えば、本HRSGの基部は、基部の1つ又は複数の支柱部の上端によって形成された、略平面の表面を含んでいてもよい。さらに、頂部プラットフォーム補助モジュールはそれぞれ地面上に組み立てられ、次いで本HRSGの基部の最上部に配置されるように(例えば、クレーンによって)引き上げられてもよい。即ち、頂部プラットフォーム補助モジュールに対応するドラム、サイレンサ、ケーブルトレイ、配管、マニホールド、及び/又は端末継手は、頂部プラットフォーム補助モジュールを本HRSGの基部の最上部まで引き上げる前に、この頂部プラットフォーム補助モジュールに設置されてもよく、これにより、各モジュールに対応するすべての構成部品が対応するモジュールと共に一度で引き上げられるようにすることができる。他の実施形態(図示せず)では、これらのモジュールが上述したものとは異なる構成部品を含んでいてもよいが、これらのモジュールは、高く引き上げられて頂部プラットフォーム組立体を形成する前に、地面上に同様に組み立てられてもよい。
【0016】
上記で示唆したように、基部の支柱部と、基部の継手(例えば、過熱器継手、エコノマイザ継手、又は蒸発器継手などの熱交換器継手)とは、頂部プラットフォーム補助モジュールのモジュール化又は標準化された端末継手を含む、頂部プラットフォーム補助モジュールに嵌合かつ/又は収容されるように設計されてもよい。頂部プラットフォーム補助モジュールの基部への接合に対応するための変更箇所は、基部内に生じてもよく、これにより、当該設備が地面により近接しているために、変更がより容易となり得る。例えば、基部の支柱部(並びに過熱器、蒸発器、及び/又はエコノマイザなど、支柱部内の対応する熱交換設備)は、各支柱部に対応する基部の継手(例えば、蒸発器継手、過熱器継手、又はエコノマイザ継手などの熱交換器継手)が頂部プラットフォーム補助モジュール内に設けられた機構(例えば、端末流体継手などの端末継手)に適切な距離を置いて連結されるように、特定の距離を置いて離隔されてもよい。したがって、頂部プラットフォーム補助モジュールがそれぞれ、本HRSGの基部の最上部まで引き上げられる(例えば、クレーン2台式技術を用いて)と、本HRSGの基部の上に対する頂部プラットフォーム補助モジュールの組み立てが、従来の実施形態と比較して簡略化される。実際、この基部は、頂部プラットフォーム補助モジュールが配置される平面、又は平面を形成する複数の面を含んでいてもよい。さらに、頂部プラットフォーム補助モジュールは、基部の最上部に沿って延在する取付け機構(例えば、スライド係合プレート)と接合するか、又はこれを収容する取付組立体(例えば、一対の延長部、フック、アーム、又は爪部)を含んでいてもよく、この取付組立体は、各頂部プラットフォーム補助モジュールを基部及び対応する機器に対して位置決めし、次いで各頂部プラットフォーム補助モジュールを基部に取り付けるものである。頂部プラットフォーム補助モジュールが本HRSGの基部上に配置された後、この頂部プラットフォーム補助モジュールと、基部上に頂部プラットフォーム補助モジュールを配置した後に組み立てられる他の機構とは、「頂部プラットフォーム組立体」を形成することができる。これらの機構については、図面に関連して以下に詳述する。
【0017】
説明を開始するにあたって、図1は、複合サイクル発電プラント(CCPP)10の一実施形態を示す概略図である。図示の実施形態では、CCPP10は、ガスタービンシステム14と、蒸気タービンシステム16と、これらガスタービンシステム14と蒸気タービンシステム16との間に配置された排熱回収ボイラ(HRSG)18と、を備える。HRSG18は通常、ガスタービンシステム14の排ガス20から蒸気タービンシステム16の流体(例えば、水22)へと熱伝達されるようにし、これによって、蒸気タービンシステム16で使用する蒸気24を生成するように構成されている。図示のように、高圧(HP)蒸気、中圧(IP)蒸気、及び低圧(LP)蒸気などの蒸気24の別々の流れが生成されてもよく、これらの流れがそれぞれ、蒸気タービンシステム16の蒸気タービン26における異なる領域又はセクションによって受け取られる。
【0018】
ガスタービンシステム14は、圧縮機28と、1つ又は複数の燃焼器30と、タービン32と、を備えていてもよい。稼働中、圧縮機28によって酸化剤(例えば、空気、酸素、酸素富化空気、又は酸素還元空気)が受け取られる。圧縮機28は、圧縮機ブレードを用いて一連の圧縮機段(例えば、ロータディスク)の空気を圧縮する。この圧縮空気が圧縮機28を退出すると、当該空気は燃焼器30に進入して、燃料と混ざり合う。混合気は燃焼器30で点火されてもよく、次いで燃焼器30により、この燃焼生成物がタービン32の1つ又は複数のタービン段を通じて送られる。タービン32を通過する際、この燃焼生成物は、タービンロータディスクに装着されたタービンブレード(例えば、それぞれが軸線を中心に周方向に配置されたタービンブレードを有する、タービン段のうちの1つ)に接触する。タービン32を通って移動する際、この燃焼生成物は、タービンブレードにロータディスクを回転させてもよい。このロータディスクの回転は、少なくとも一方のシャフト34の回転と、圧縮機28内のロータディスク(例えば、シャフト34の一方と回転可能に連結されてもよい)の回転とを誘発する。ガスタービンシステム14の負荷36(例えば、発電機)は、シャフト34の一方に連結され、シャフト34の回転エネルギーを使用して、電力系統によって使用される電力を生成する。次いで、燃焼生成物は、排ガス20としてガスタービン32から退出する。
【0019】
前述したように、次いで排ガス20は、水22と共にHRSG18に送られ、これにより、HRSG18は、排ガス20を利用して水22を加熱して、加圧蒸気を生成する。蒸気タービンシステム16は、蒸気タービン26と、シャフト38と、負荷40(例えば、発電機)と、を備える。高温加圧蒸気24が蒸気タービン26に進入する際、高温加圧蒸気24は、タービンロータディスクに装着されたタービンブレード(例えば、タービン段)に接触する。蒸気24が蒸気タービン26のタービン段を通過する際、この蒸気24により、タービンブレードがロータディスクを回転させる。このロータディスクの回転は、シャフト38の回転を誘発する。図示のように、負荷40(例えば、発電機)はシャフト38に連結されている。したがって、シャフト38が回転すると、負荷40(例えば、発電機)は回転エネルギーを使用して、電力系統の電力を生成する。加圧蒸気24が蒸気タービン26を通過する際、加圧蒸気24はエネルギーを失う(即ち、膨張して冷えていく)。蒸気タービン26を退出した後、排蒸気は凝縮器42に進入してもよく、この凝縮器42により、排蒸気がHRSG18に戻される水22へと変換される。
【0020】
図2は、低圧(LP)セクション50、中圧(IP)セクション60、及び高圧(HP)セクション70を含むHRSG18を示す概略図である。セクション50、60、70はそれぞれ、種々の圧力で蒸気24を生成するように構成されていてもよい。例えば、LPセクション50はLP蒸気51を生成してもよく、IPセクション60はIP蒸気61を生成してもよく、また、HPセクション70はHP蒸気71を生成してもよい。
【0021】
図示の実施形態におけるHRSG18の構成部品は簡略化されているが、これによって限定することを意図するものではない。即ち、LPセクション50、IPセクション60、HPセクション70、又はこれらのセクション50、60、70それぞれの個々の構成部品のいずれかを相対的に順序付けしたものや位置付けしたものとして、図2が読み取られるべきではない。図示のHRSG18はむしろ、あるHRSGシステムの通常の動作を伝えるために示されている。上述したように、排ガス20は第1の流路を介してHRSG18に、かつHRSG18を通って送られ、次いで、1つ又は複数の第2の流路を介してHRSG18に送られた水22を加熱するために使用されてもよい。排ガス20は、HRSG18の各セクション50、60、70内の水22を加熱してもよい。
【0022】
LPセクション50は、順不同で示されているが、LPエコノマイザ52と、LP蒸発器54と、LPドラム56と、LP過熱器58と、を含む。LPエコノマイザ52は、水22を予熱して、排ガス20から熱を受け取るための水22を調製するように構成された装置であってもよい。例えば、このLPエコノマイザ52は通常、蒸気24を生成するのに必要な熱量を制御するために、水22を好適な温度に予熱することができる。次いで、LPエコノマイザ52は、この予熱水22を、HRSG18の他の構成部品、例えばLPドラム56に送ってもよい。このLPドラム56は、水22をLP蒸発器54に供給する貯蔵容器であってもよい。このLP蒸発器54は、予熱水22を受け取り、この水22をさらに加熱して蒸気24を生成することができる。いくつかの実施形態では、この水22は、LP蒸発器54内の排ガス20による加熱前、加熱中、又は加熱後に蒸気の形態であってもよい。次いで、蒸気24はLP過熱器58によって受け取られてもよく、このLP過熱器58は、LP蒸発器54によって生成された飽和蒸気を過熱蒸気又は乾燥蒸気(例えば、蒸気24)に変換してもよい。
【0023】
図示のように、IPセクション60は、IPエコノマイザ62と、IP蒸発器64と、IPドラム66と、IP過熱器68と、を含んでいてもよい。IPエコノマイザ62、IP蒸発器64、IPドラム66、及びIP過熱器68は、LPエコノマイザ52、LP蒸発器54、LPドラム56、及びLP過熱器58と同様の機能をそれぞれ有していてもよい。さらに、図示のように、HPセクション70は、エコノマイザ72と、蒸発器74と、ドラム76と、過熱器78と、を含む。HPエコノマイザ72、HP蒸発器74、HPドラム76、及びHP過熱器78は、それぞれ、LPエコノマイザ52、LP蒸発器54、LPドラム56、及びLP過熱器58と同様の機能を有していてもよい。前述したように、本開示によるHRSG18が備える構成部品又は他の構成部品の数が、上記のものよりも少なくてもよいことは言うまでもない。具体的には、HRSG18は、蒸気24を受け取り、次いで図1に示す蒸気タービンシステム16にこの蒸気24を送るように構成された、1つ又は複数の蒸気マニホールドをさらに備えていてもよい。
【0024】
上記の説明で示唆したように、図2に示すHRSG18(及び図1のCCPP)は大型となり得るため、複雑な組立方法を必要とする可能性がある。工業規模の実施形態では、例えば、HRSG18の最上部は、地上30メートル(約98フィート)以上の高さまで引き上げられてもよい。さらに、HRSG18において重量があり、かつ/又は扱いにくい特定の構成部品は、HRSG18の最上部に配置されてもよい。例えば、図2の概略図に示すLPドラム56、IPドラム66、及びHPドラム76は、HRSG18の最上部又はこれに隣接して配置されてもよい。ドラム56、66、76をHRSG18の他の種々の構成部品に連結している、対応する配管も同様に、HRSG18の最上部又はこれに隣接して配置されてもよい。
【0025】
従来の実施形態では、HRSG18の基部がまず設計され、次いで組み立てられてもよく、HRSG18の最上部に配置された構成部品が、例えば、1つ又は複数のクレーンによって個別に引き上げられ、次いでHRSG18の基部に取り付けられるか、又は連結される高さとなるように適合され得る。即ち、従来の実施形態では、HRSG18の基部が、蒸発器、エコノマイザ、及び/又は過熱器などの特定の構成部品を、HRSG18の最上部の下に配置している標準モジュール内に組み立てられる可能性がある。これら従来の実施形態では、HRSG18の最上部に配置された構成部品はモジュール化されておらず、代わりに、HRSG18の基部を形成しているモジュールに嵌合するように適合され、改変され、考案され、又は他の方法で即時提供される。この従来の組立技術は、組立時間を実質的に増加させ得る、効率的ではない高さで行われる手順を含み得る。
【0026】
本開示によれば、HRSG18の最上部又はこれに隣接して配置された構成部品は、標準的な機構(本明細書では「頂部プラットフォーム補助モジュール」と呼ぶ)でモジュール化されてもよく、現在、HRSG18の基部が、頂部プラットフォーム補助モジュールのこれらの機構の周辺に設計されてもよいと考えられている。
【0027】
例えば、図3は、頂部プラットフォーム組立体100と、基部101とを有するHRSG18の一部を示す実施形態である。図示の実施形態は、煙突又は排ガスダクトを含まないが、これらの構成部品が通常、HRSG18の先端部90に含まれ得ることを理解されたい。図示のように、3つの頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106は頂部プラットフォーム組立体100を形成しており、また基部101の最上部に配置されている。当然ながら、これらの頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106はそれぞれ、個別に組み立てられ(例えば、地面上に)、また、これらの頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106はそれぞれ、地面から基部101の最上部まで個別に引き上げられて、基部101の最上部に配置される。各頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106内に設けられた構成部品は、前述のように事前配置され、かつ標準化されている。即ち、これら頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106を高く引き上げる前に、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の端末継手がまず配置され、次いで基部101からの継手部分(例えば、蒸発器継手、過熱器継手、又はエコノマイザ継手)が、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の端末継手に連結される(例えば、中間導管セグメントを介して)ように組み立てられる。即ち、図示のように、基部101は、列を成して配置された支柱部103を含んでいてもよく、この支柱部103は、支柱部103内の構成部品、及び支柱部103内に配置された構成部品の継手機構が基部101の最上部まで引き上げられた後に、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106を収容し、かつ連結するために確実かつ適切に離隔されるようにすべく、特定の距離115を置いて離隔されている。図示の実施形態では、この支柱部103は、例えば、2.0メートル(6.6フィート)~5.0メートル(16.4フィート)、2.5メートル(8.2フィート)~4.5メートル(14.8フィート)、3.0メートル(9.8フィート)~4.0メートル(13.1フィート)、又は3.25メートル(10.7フィート)~3.75メートル(12.3フィート)の距離115で離隔されていてもよい。
【0028】
さらに、これら頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の標準化された端末継手は、基部101内に配置された圧力部品の範囲の収容に対応するように設計されてもよい。即ち、これら頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106は、上記の範囲のうちの1つにおいて、任意の距離115を置いて離隔された支柱部103を収容するように設計されてもよい。したがって、標準化されているにもかかわらず、これら頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106には、HRSG18が必要とする出力に応じて、様々なサイズの基部101と接合されるような汎用性がある。
【0029】
図示の実施形態では、図4に示すように、第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102は、この第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102のフレーム105内に少なくとも部分的に配置され、かつ/又はこのフレーム105と一体化された配管(又は蒸気マニホールド111)、ケーブルトレイ、及びサイレンサ112を含む。第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102のフレーム105の近似長さ×近似幅×近似高さは、25.6メートル×6.6メートル×7.4メートル(84フィート×22フィート×24フィート)であり、近似重量は130トンである。第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102は、LPドラム56、IPドラム66、及びHPドラム76を含まない。第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104(図5に示す)は、HPドラム76、ケーブルトレイ、及びサイレンサ112を含み、これらは第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104のフレーム107内に少なくとも部分的に配置され、かつ/又はこのフレーム107と一体化されている。第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104のフレーム107の近似長さ×近似幅×近似高さは、25.6メートル×8.5メートル×7.4メートル(84フィート×28フィート×24フィート)であり、近似重量は350トンである。第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104は、LPドラム56、IPドラム66、及び蒸気マニホールド111を含まない。第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106(図6に示す)は、IPドラム66、LPドラム56、ケーブルトレイ、及びサイレンサ112を含み、これらは第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106のフレーム109内に少なくとも部分的に配置され、かつ/又はこのフレーム109と一体化されている。第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106のフレーム109の近似長さ×近似幅×近似高さは、25.6メートル×8.5メートル×7.4メートル(84フィート×28フィート×24フィート)であり、近似重量は222トンである。第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106は、蒸気マニホールド111及びHPドラム76を含まない。
【0030】
図3に示し、かつ上述しているように、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106のフレーム105、107、109はそれぞれ、同じ長さ及び高さを含んでいてもよい。図示の実施形態では、第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102のフレーム105は、第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104のフレーム107及び第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106のフレーム109とは異なる幅を含む。本開示によれば、各頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106のフレーム105、107、109の寸法がそれぞれ、プラスマイナス10%程度変動してもよいことに留意されたい。例えば、第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102のフレーム105の寸法は、以下の範囲内、即ち(23メートル~28.2メートル[75.5フィート~92.5フィート])×(5.9メートル~7.3メートル[19.4フィート~24フィート])×(6.7メートル~8.1メートル[22フィート~26.6フィート])であってもよい。さらに、例えば、第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104のフレーム107の寸法は、以下の範囲内、即ち(23メートル~28.2メートル[75.5フィート~92.5フィート])×(7.7メートル~9.4メートル[25.3フィート~30.8フィート])×(6.7メートル~8.1メートル[22フィート~26.6フィート])であってもよい。さらに、例えば、第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106のフレーム109の寸法は、以下の範囲内、即ち(23メートル~28.2メートル[75.5フィート~92.5フィート])×(7.7メートル~9.4メートル[25.3フィート~30.8フィート])×(6.7メートル~8.1メートル[22フィート~26.6フィート])であってもよい。また、上記の範囲が、上記のより詳細な例に含まれる比率によって限定されないことにも留意されたい。換言すれば、第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106のフレーム109は、上記の範囲内である以下の寸法、即ち、23メートル×9.4メートル×7.0メートル(75.5フィート×30.8フィート×23フィート)を含み得る。しかしながら、通常、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106のフレーム105、107、109はそれぞれ同じ長さ及び高さを含んでいてもよいが、その一方で、第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102のフレーム105は、第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104及び第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106のフレーム107、109とはそれぞれ、異なる幅を含んでいてもよい。
【0031】
また、これらの頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106それぞれについて、その幅及び高さは、その長さの関数(例えば、比率)であってもよい。例えば、第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102は、長さL、幅0.26L、及び高さ0.29Lを含んでいてもよい。第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104は、長さL、幅0.33L、及び高さ0.29Lを含んでいてもよい。第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106は、長さL、幅0.33L、及び高さ0.29Lを含んでいてもよい。ただし、その実施形態によっては、上記比率が若干異なる場合がある。例えば、第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102は、長さL、幅0.21L~0.31L、及び高さ0.24L~0.35Lを含んでいてもよい。第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104は、長さL、幅0.27L~0.41L、及び高さ0.24L~0.35Lを含んでいてもよい。第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106は、長さL、幅0.27L~0.41L、及び高さ0.24L~0.35Lを含んでいてもよい。
【0032】
また、特定の状況では、出荷上の制約により、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の高さを、上記の高さよりも低くすることが必要になる場合があることにも留意されたい。例えば、出荷上の制約が設けられている特定の状況では、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106がそれぞれ、高さ寸法に沿って2つの部分に分割されてもよく、これらの部分はそれぞれ、上記の例で開示している高さの半分を有する。即ち、設置面積(即ち、長さx幅)は同じままであってもよいが、当該モジュールが高さ寸法に沿って半分にされてもよい。そのような実施形態では、各頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の分割された部分は、高く引き上げられる前に地面上で連結されてもよい。他の実施形態では、これら6つの部分はそれぞれ、個別に高く引き上げられてもよい。
【0033】
図3に示すように、基部101の最上部に配置され、頂部プラットフォーム組立体100を形成している頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106は、基部101の外周上に突出してもよい。その略矩形のフレームを含む頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106は、地面の上に組み立てられるか、又は建設されるので、普通なら基部101の外周を越えて突出し、この基部101に対して煩雑な組立技術を要する構成部品が、代わりに頑丈な剛性モジュール102、104、106内に収容されながら、基部101上に容易に配置される。
【0034】
図4図6は、各頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106をそれぞれ示す。即ち、図4は、蒸気マニホールド111、2つのサイレンサ112、及びケーブルトレイを有する第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102を示し、図5は、HPドラム76、3つのサイレンサ112、及びケーブルトレイを有する第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104を示し、図6は、IPドラム66、LPドラム56、ケーブルトレイ、及び3つのサイレンサ112を有する第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106を示す。図4図6に示すように、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106はそれぞれ、略平面の、又は略平坦な底面119を含んでいてもよく、この底面119は、中実の表面又はフレーム部材(例えば、メッシュ構造又は格子構造を形成している)を含んでいてもよい。これらのモジュール102、104、106の略平面の底面119(及び/又はフレームの略矩形の形状)は、本HRSGの基部の最上部にモジュール102、104、106を配置する際、これが改善されるようにする可能性がある。他の実施形態では、これらのモジュール102、104、106は、それらの間で共通の異なる形状を含んでいてもよい。
【0035】
さらに、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106はそれぞれ、異なるサイズの構成部品の群のいずれかを収容するように構成された、対応するフレーム105、107、109を含んでいてもよい。例えば、とりわけ図5のHPドラム76を有する頂部プラットフォーム補助モジュール104に着目すると、頂部プラットフォーム補助モジュール104のフレーム107は、異なるサイズのHPドラム76の群のいずれかを収容するように、上記の説明に従ってサイズ決めされてもよい。即ち、上記のサイズを有するフレーム107は、対応するHRSG及び/又はCCPPが必要とする出力に応じて、いくつかの異なるサイズのHPドラム76のいずれかを収容することができる。非限定的な例として、上記のフレーム107は、1.0メートル(3.3フィート)~3.0(9.8フィート)の略全高を有するHPドラム76を収容することができる。さらに、上記のフレーム107は、12メートル(39.4フィート)~22メートル(72.2フィート)の略全長を有するHPドラム76を収容することができる。前述したように、現在企図されている実施形態が、種々のサイズのHRSGに合わせて拡大縮小されてもよいことは言うまでもない。したがって、ここで開示している、必要とする出力に応じて異なるサイズの構成部品の群のいずれかを収容するように構成されたモジュール式フレーム(例えば、フレーム107)を含むという概念が、本明細書で提供している例に含まれるものよりも小型のHRSG又は大型のHRSGに適用されてもよい。
【0036】
図7及び図8は、頂部プラットフォーム100の上面斜視図及び底面斜視図をそれぞれ含む。例えば、図7は、第1の頂部プラットフォーム補助モジュール102、第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104、及び第3の頂部プラットフォーム補助モジュール106によって形成された頂部プラットフォーム100を示す。図示のように、モジュール102、104、106は互いに連結され、これにより、種々のモジュール102、104、106に予め配置された足場板120(例えば、鋼格子材料などのプラットフォーム格子材料によって形成される)が連結されて、作業可能な空間を形成する。サイレンサ112、及び図3図6に示す特定の他の構成部品が、頂部プラットフォーム組立体100の他の機構が明確に見えるようにするために、図7及び図8から削除されていることを理解されたい。また、サイレンサ112、及び図3図6に示す、設営の最適化を制限し得る特定の他の構成部品が、図示の頂部プラットフォーム組立体100を引き上げたり、形成したりする前に、地面上の頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106内に設置されてもよいことを理解されたい。
【0037】
図7に示すように、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106は、本HRSGの基部に配置された後に連結されてもよい。足場板120(図7及び図8に示す)は、各モジュール102、104、106のフレームの下側122(図8に示す)の上に形成されてもよい。さらに、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の端末継手は、基部101(図3を参照のこと)の基部継手に連結されるように、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106から下方に延在してもよい。PUP部材124(図8に示す)を使用して、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の端末継手が対応する基部継手と連結されてもよい。「PUP部材」は本開示において、他の2つの導管継手(例えば、基部101において対応する端末継手を有するモジュール102、104、106の端末継手)を連結する際に使用される、短い長さの導管を指すために使用されてもよい。
【0038】
図示の実施形態では、このPUP部材124は、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の端末継手の端部に配置されている。しかしながら、このPUP部材124を端末継手に取り付けることなく、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106がHRSG18の基部101上に配置されてもよく、なおかつこのPUP部材124が、端末継手と基部継手とを位置合わせした後に(例えば、本HRSGの取付け機構又は位置合わせ機構を介して)、端末継手を基部継手に連結するために使用されてもよいことを理解されたい。例えば、図12及び対応する説明を見ると理解されるように、これらの端末継手と対応する基部継手とが、例えば図8に示す介在するPUP部材124を介して連結されるべく位置合わせされるように、頂部プラットフォームモジュール102、104、106はそれぞれ、これら頂部プラットフォームモジュール102、104、106を基部101(図3を参照のこと)に対して適切に位置決めするように構成された、取付け及び/又は位置合わせ機構を含んでいてもよい。前述したように、これらの端末継手は、モジュール102、104、106の一部として標準化され、最小限の調節で、HRSG18(図3を参照のこと)の基部101(図3を参照のこと)の圧力部品の範囲に適合するように構成されている。即ち、モジュール102、104、106は、基部101の複数の実施形態に適合するように標準化されてもよく、基部101の各実施形態は、基部101の他の実施形態とは異なるサイズの圧力部品(例えば、必要とする出力に基づいて)を含んでいてもよい。これらの特徴について、図12を参照しながら詳細に説明する。
【0039】
図9図12は、基部継手と頂部プラットフォーム補助モジュールの端末継手とが位置合わせされるように、基部101に対する頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106の位置決めを可能にするいくつかの特徴を示す。例えば、図9に示すように、また前述したように、基部101は、互いから特定の距離115を置いて離隔された複数の支柱部103を含んでいてもよく、これにより、支柱部103内の構成部品(例えば、蒸発器セクション、過熱器セクション、エコノマイザセクション)及びその継手部分が、頂部プラットフォーム補助モジュール(図示せず)から突出する端末継手と確実に位置合わせされるようにしている。この距離115は、例えば、2.0メートル(6.6フィート)~5.0メートル(16.4フィート)、2.5メートル(8.2フィート)~4.5メートル(14.8フィート)、3.0メートル(9.8フィート)~4.0メートル(13.1フィート)、又は3.25メートル(10.7フィート)~3.75メートル(12.3フィート)であってもよい。
【0040】
基部101の最上部99において、隆起部121は基部101から上方に延在してもよい。これらの隆起部121はそれぞれ、支柱部103のうちの1つに対応している。隆起部121はそれぞれ、略平坦な平面123が隆起部121の先端を横切って延在するように、同様の距離を置いて上方に延在している。頂部プラットフォーム補助モジュール(図示せず)の底部が隆起部121の先端に配置されるように、頂部プラットフォーム補助モジュール(図示せず)は隆起部121の先端に配置されるように構成されていてもよい。例えば、前述のように、頂部プラットフォーム補助モジュール102、104、106はそれぞれ、基部101の隆起部121によって画定された平坦な平面123に沿って収容される、略平坦な又は略平面の底面119を含んでいてもよい。
【0041】
図10及び図11は、基部101の構成部品とモジュール102、104、106の構成部品との間の単純化された連結を促進するために(例えば、図10に示すように、基部101の隆起部121と接合する上記の取付け機構128(例えば、フック、延長部、アーム、爪部)と連携して)、基部101の支柱部103がどのような具合で前述の距離115を置いて離隔されているかを示す。図10は、基部101の一方の先端部90に配置された煙突130と、基部101のもう一方の先端部90に配置された吸気ダクト132(例えば、1つ又は複数のガスタービンから排ガスを受け取るための)と、をさらに示している。
【0042】
図12の概略図に示すように、頂部プラットフォーム補助モジュール(例えば、図示の実施形態における頂部プラットフォーム補助モジュール102、104)はそれぞれ、基部101内の構成部品(例えば、端末継手125と基部継手126との間にPUP部材124が延在する場合)の基部継手126と接合するように構成された、端末継手125を含んでいてもよい。図示のように、頂部プラットフォーム補助モジュール(例えば、図示の実施形態におけるモジュール102、104)は、隆起部121がその間に配置されるように構成されている、位置合わせ及び/又は取付け機構128(例えば、一対のフック、爪部、アーム、又は延長部)を含んでいてもよい。即ち、取付け機構128の各対は、その間に間隙を有する2つのアームを含んでいてもよく、この間隙は、隆起部121の一方を収容するように構成されている。モジュール102又は104の取付け機構128の間にある間隙に基部101の隆起部121を収容すると、基部継手126がモジュールの端末継手125と位置合わせされるように、取付け機構128(例えば、一対のフック、爪部、アーム、又は延長部)がモジュールの端末継手125から距離115を置いて離隔されてもよく、それによって端末継手125と対応する基部継手126との連結が単純化されている。この方法では、隆起部121は、「スライド係合プレート」と呼ばれることがある。モジュール102、104の端末継手125と基部101の基部継手126とが、流体継手(例えば、配管)、電気継手、及び/又は機械式継手を指してもよいことに留意されたい。
【0043】
また、いくつかの実施形態では、隆起部121が、とりわけモジュールの底端部を収容するために使用されてもよく、また、モジュール102、104の取付け機構128(例えば、延長部、フック、アーム、爪部)が、基部101から突出している他のスライド係合プレートと接合するように構成されてもよいことを理解されたい。また、「端末継手125」が、例えば、導管若しくは他の流体継手、電気継手、又は厳密に機械式継手を指してもよいことにも留意されたい。さらに、対応する「基部継手126」が、導管若しくは他の流体継手、電気継手、又は厳密に機械式継手を指してもよい。換言すれば、モジュール102、104、106の取付け機構128と基部101のスライド係合プレート(又は隆起部)121との接合を使用して、モジュール102、104、106の継手125(例えば、流体、電気、又は機械式)が基部の継手126(例えば、流体、電気、又は機械式)に向かって案内されてもよく、その結果、端末継手125と基部継手126との間にPUP部材124が取り付けられるようにすることができる。図13及び図14は、前述したように、頂部プラットフォーム補助モジュール102のうちの一方の接合機構を隆起部121(又はスライド係合プレート)と接合させる一実施形態を示す斜視図である。図13は、頂部プラットフォーム補助モジュール102の略平面の底面119から下方に延在する、頂部プラットフォーム補助モジュール102の取付け機構128(例えば、延長部、フック、アーム、爪部)を示す。図13はこれら取付け機構128(例えば、延長部、フック、アーム、爪部)が、隆起部121と接合されている(例えば、2つの取付け機構128の間に隆起部121、又はスライド係合プレートを収容する)様子を示す。
【0044】
前述したように、頂部プラットフォーム補助モジュールはそれぞれ、地面から本HRSGの基部の最上部まで引き上げられてもよい。例えば、図15及び図16は、第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104が図3に示すHRSGの基部の最上部に向かって地面から引き上げられる、組立操作の一実施形態を示す斜視図である。図15は、組立(又は設置)操作中に、第1の高さにある第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104を示し、また、図16は、組立(又は設置)操作中に、第2の高さにある第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104を示す。図示しているように、第1のクレーン140及び第2のクレーン142を使用して、地面上に予め配置され、かつ形成された第2の頂部プラットフォーム補助モジュール104が高く(例えば、本HRSGの基部の最上部に向かって)引き上げられてもよい。図示のように、本HRSGの基部の最上部に通常配置されているいくつかの構成部品をモジュール化することにより、従来の実施形態よりも煩雑さが低下し、要する時間も減少している技術で、これらの構成部品が本HRSGの基部と接合されるようにすることができる。モジュール104に重量があるため、2つのクレーン140、142はモジュール104の両側に配置されてもよく、また両側でモジュール104を引き上げてもよく、これによって引き上げ技術が安定することになる。従来の実施形態では、1つのより小型のクレーンを使用して、より多くの引き上げ操作を経て個々の構成部品を引き上げ得るので、これは、組立時間の長時間化に寄与することになり得る。
【0045】
図17は、図3に示すHRSGを組み立てる方法200の一実施形態を示す図である。本方法は、フレーム及び配管(例えば、蒸気マニホールド)、並びに対応する機器を有する第1の頂部プラットフォーム補助モジュールを地面上に形成するステップ(ブロック202)を含む。方法200は、フレーム及び高圧(HP)ドラム、並びに対応する機器を有する第2の頂部プラットフォーム補助モジュールを地面上に形成するステップ(ブロック204)をさらに含む。方法200は、フレーム、中圧(IP)ドラム、低圧(LP)ドラム、及び対応する機器を有する第3の頂部プラットフォーム補助モジュールを地面上に形成するステップ(ブロック206)をさらに含む。ブロック202、204、及び206において、これらのモジュールが現地外で形成され、すでに組み立てられた状態で現地に出荷されてもよいことに留意されたい。
【0046】
方法200は、第1の頂部プラットフォーム補助モジュールを高く引き上げ、次いでこの第1の頂部プラットフォーム補助モジュールを本HRSGの基部上に配置するステップ(ブロック208)をさらに含む。方法200は、第2の頂部プラットフォーム補助モジュールを高く引き上げ、次いでこの第2の頂部プラットフォーム補助モジュールを本HRSGの基部上に配置するステップ(ブロック210)をさらに含む。方法200は、第3の頂部プラットフォーム補助モジュールを高く引き上げ、次いでこの第3の頂部プラットフォーム補助モジュールを本HRSGの基部上に配置するステップ(ブロック212)をさらに含む。ブロック208、210、及び212において、対応するモジュールはそれぞれ、本HRSGの基部によって形成された平面内に配置されるように構成された、略平坦な又は略平面の底面を含んでいてもよい。例えば、前述したように、この平面は、本HRSGの基部の支柱部から延在する隆起部によって画定されてもよく、これらの支柱部はそれぞれ、特定のHRSG設備に対応している。さらに、これらのモジュールを本HRSGの基部の最上部に配置する際、これらのモジュールの取付け機構(例えば、延長部、爪部、アーム、フック)は、本HRSGの基部の隆起部(及び/又は他のスライド係合プレート)を収容してもよい。これらのモジュールの取付け機構は、基部の基部継手(例えば、配管などの流体継手)に連結されるように構成された、これらのモジュールの端末継手(例えば、配管などの流体継手)から特定の距離を置いて離隔されていてもよい。したがって、基部の支柱部と基部継手との間の空間は、これらのモジュールの取付け機構と端末継手との間の空間を収容するように設計されてもよい。
【0047】
上記のHRSGの例には、LPドラム、IPドラム、及びHPドラムを有する三圧式HRSGが含まれることに留意されたい。ただし、開示しているモジュール化された頂部プラットフォーム補助モジュールは、貫流式HRSGなどの他の形式のHRSGでも使用され得る。貫流式HRSGは、HPドラムを備えていなくてもよい。例えば、貫流式HRSGでは、これらIPドラム及びLPドラムが、2つの別個の頂部プラットフォーム補助モジュールに分割されてもよく、その際、第3の頂部プラットフォーム補助モジュールは蒸気マニホールドを含む。別の貫流式HRSGでは、2つの頂部プラットフォーム補助モジュールのみが使用されてもよい(例えば、一方は蒸気マニホールドを有し、他方はIPドラム及びLPドラムの両方を有する)。さらに別の貫流式HRSGでは、複数のマニホールド及び/又は配管組立体は、専用の頂部プラットフォーム補助モジュール(例えば、第1のマニホールドに対応する第1の頂部プラットフォーム補助モジュール、及び第2のマニホールドに対応する第2の頂部プラットフォーム補助モジュール)を含んでいてもよい。したがって、三圧式HRSGに関連する図1図17の上記の例が、上記の貫流式HRSGなどの他の形式のHRSGにも適用され得ることを理解されたい。
【0048】
本発明の技術的効果は、HRSGの組立時間の改善、HRSGの組立技術の簡略化、HRSGの組立コスト及び製造コストの低減、HRSGの部品の出荷コスト及び複雑性の低減、並びにHRSGの操作性の改善を含む。
【0049】
本明細書では、本発明を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆる装置又はシステムの製作及び使用並びに組み込まれたあらゆる方法の実行を含む本発明の実施が、当業者にとって可能となるようにするために、例を用いている。本発明の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含んでいてもよい。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構成要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない等価の構成要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0050】
10 複合サイクル発電プラント(CCPP)
14 ガスタービンシステム
16 蒸気タービンシステム
18 排熱回収ボイラ(HRSG)
20 排ガス
22 水、予熱水
24 蒸気、高温加圧蒸気
26 蒸気タービン
28 圧縮機
30 燃焼器
32 ガスタービン
34 シャフト
36 負荷
38 シャフト
40 負荷
42 凝縮器
50 低圧(LP)セクション
51 LP蒸気
52 LPエコノマイザ
54 LP蒸発器
56 LPドラム
58 LP過熱器
60 中圧(IP)セクション
61 IP蒸気
62 IPエコノマイザ
64 IP蒸発器
66 IPドラム
68 IP過熱器
70 高圧(HP)セクション
71 HP蒸気
72 HPコノマイザ
74 HP蒸発器
76 HPドラム
78 HP過熱器
90 先端部
99 最上部
100 頂部プラットフォーム、頂部プラットフォーム組立体
101 基部
102 第1の頂部プラットフォーム補助モジュール、頂部プラットフォームモジュール、剛性モジュール
103 支柱部
104 第2の頂部プラットフォーム補助モジュール、頂部プラットフォームモジュール、剛性モジュール
105 フレーム
106 第3の頂部プラットフォーム補助モジュール、頂部プラットフォームモジュール、剛性モジュール
107 フレーム
109 フレーム
111 蒸気マニホールド
112 サイレンサ
115 距離
119 底面
120 足場板
121 隆起部、スライド係合プレート
122 フレームの下側
123 平面
124 PUP部材
125 端末継手
126 基部継手
128 取付け機構
130 煙突
132 吸気ダクト
140 第1のクレーン
142 第2のクレーン
200 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】