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特表2022-546240口当たりの良い顆粒状の獣医学的組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】口当たりの良い顆粒状の獣医学的組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/46 20060101AFI20221027BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 33/14 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 33/10 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20221027BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20221027BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20221027BHJP
   A61K 31/403 20060101ALN20221027BHJP
【FI】
A61K47/46
A61P33/00
A61P33/14
A61P33/10
A61P31/04
A61P31/12
A61P29/00
A61P25/18
A61P1/04
A61P25/04
A61P37/08
A61P9/12
A61K9/16
A61K47/02
A61K45/00
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/08
A61K47/44
A61K47/18
A61K47/36
A61K47/04
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/26
A61K9/28
A61K9/06
A61K31/403
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022509161
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 US2020049336
(87)【国際公開番号】W WO2021046305
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/897,103
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516001834
【氏名又は名称】エランコ・ユーエス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Elanco US Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ロス,ステイシー
(72)【発明者】
【氏名】ステファニック,ジャレッド
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA31
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC03
4C076CC11
4C076CC16
4C076CC32
4C076CC34
4C076CC35
4C076DD23T
4C076DD25B
4C076DD28B
4C076DD29B
4C076DD37X
4C076DD38B
4C076DD38X
4C076DD39X
4C076DD43X
4C076DD52X
4C076EE16B
4C076EE23X
4C076EE30B
4C076EE31B
4C076EE32B
4C076EE36B
4C076EE38B
4C076EE57T
4C076EE58B
4C076EE58T
4C076FF52
4C084AA17
4C084MA28
4C084MA35
4C084MA41
4C084MA52
4C084NA09
4C084ZA08
4C084ZA18
4C084ZA42
4C084ZA68
4C084ZB11
4C084ZB13
4C084ZB33
4C084ZB35
4C084ZB37
4C084ZB39
4C084ZC61
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC12
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA41
4C086MA52
4C086NA09
4C086ZB11
4C086ZC61
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの活性剤と、少なくとも1つの湿潤剤と、少なくとも1つのパラタントまたは香味剤と、を含む、口当たりの良い顆粒状の獣医学的組成物を対象とする。また、本発明は、動物の状態の制御または治療を必要とする動物に、口当たりの良い組成物を投与することを含む、動物における状態を制御または治療するための方法も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口当たりの良い顆粒組成物であって、
(a)少なくとも1つのパラタントと、
(b)少なくとも1つの湿潤剤と、
(c)少なくとも1つの活性成分と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記(a)少なくとも1つのパラタントが、リンゴ粉末、豆粉末、ビート粉末、コショウ粉末、ブルーベリー粉末、ブロッコリー粉末、スクワッシュ粉末、キャベツ粉末、ニンジン粉末、カリフラワー粉末、セロリ粉末、チャービル粉末、チャイブ粉末、トウモロコシ粉末、クランベリー粉末、ディル粉末、ケール粉末、ニラ粉末、レモン粉末、キノコ粉末、タマネギ粉末、オレンジ粉末、ジャガイモ粉末、エンドウマメ粉末、カボチャ粉末、エシャロット粉末、ホウレンソウ粉末、トマト粉末、トマティーヨ粉末、サツマイモ粉末、ズッキーニ粉末、天然肉粉末および人工肉粉末(例えば、肝臓粉末および人工牛肉)、酵母、タピオカシロップ、蜂蜜、および塩からなる群から選択される、請求項1に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項3】
前記(b)少なくとも1つの湿潤剤が、グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、マルチトール、ソルビトール、リンゴ酸、セチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メトキシプロパノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチルジグリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、n-メチルホルムアミド、ジプロピレングリコール n-ブチルエーテル、プロピレングリコール、PEG6000、PEG4000、PEG3350、PEG2000、PEG1000、PEG400、PEG300、および鉱油からなる群から選択される、請求項1または2に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項4】
(d)微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポビドン、アカシア、トラガカントガム、ゼラチン、スクロース、ラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギネート、ワックス、固体脂質、PEG6000、PEG4000、PEG3350、PEG2000、PEG1000、PEG400、およびPEG300からなる群から選択される少なくとも1種の硬化剤をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項5】
(e)寒天(agar-agar)、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプンおよび加工デンプン、粘土、アルギネート、アルギン酸、ケイ酸、デンプングリコール酸ナトリウム、メチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース低置換、コロイド状二酸化ケイ素、セルロースポリアクリリンカリウム、ガム、グアー、イナゴマメ、カラヤ、キサンタン、ペクチン、トラガカント、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、直接圧縮性マンニトール、およびクロスカルメロースナトリウムからなる群から選択される少なくとも1つの崩壊剤をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項6】
前記(c)少なくとも1つの活性成分が、抗寄生虫剤、殺ダニ剤、駆虫剤、殺虫剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗生剤、抗炎症剤、向精神剤、プロトンポンプ阻害剤、鎮痛剤、抗アレルギー薬、および降圧薬からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項7】
前記(a)少なくとも1つのパラタントが、前記口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、1%~90%の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項8】
前記(a)少なくとも1つのパラタントが、前記口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、10%~80%の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項9】
前記(b)少なくとも1つの湿潤剤が、前記口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、5%~80%の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項10】
前記(d)少なくとも1つの硬化剤が、前記口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、1%~75%の量で存在する、請求項4~9のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項11】
前記(e)少なくとも1つの崩壊剤が、前記口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、0.01%~50%の量で存在する、請求項5~10のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項12】
前記(c)少なくとも1つの活性成分が、前記口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、0.001%~75%の量で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項13】
前記(c)少なくとも1つの活性成分が、前記口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、0.005%~50%の量で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項14】
前記口当たりの良い顆粒組成物が、低剪断湿式造粒、高剪断湿式造粒、または乳鉢および乳棒によって製造される、請求項1~13のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物。
【請求項15】
疾患または状態を有する動物を治療する方法であって、前記動物に、請求項1~14のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記口当たりの良い顆粒組成物が、任意の他の剤形または食品と組み合わせて、またはそれらの一部として投与されない、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記動物が、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ラマ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、シカ、エルク、ウシ、または家禽である、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記動物が、イヌまたはネコである、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記疾患または状態が、炎症である、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記疾患または状態が、寄生虫である、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
動物を治療するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の口当たりの良い顆粒組成物の使用。
【請求項22】
最終剤形としての、口当たりの良い顆粒の使用。
【請求項23】
ソフトチュー組成物、咀嚼可能な錠剤、ゲル、ペースト、または他の口当たりの良い基材などの、別個の最終剤形に組み込むための、口当たりの良い顆粒の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月6日に出願された米国仮特許出願第62/897,103号の優先権を主張する、特許協力条約に基づく国際出願であり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、少なくとも1つの活性剤と、少なくとも1つの湿潤剤と、少なくとも1つのパラタント(palatant)または香味剤とを含む口当たりの良い顆粒状の獣医学的組成物、および動物における状態の制御または治療を必要とする当該動物に当該組成物を投与することを含む、動物における状態を制御または治療するための方法、を対象とする。
【背景技術】
【0003】
活性な獣医学的成分を動物に送達するために効果的で非常に口当たりの良い剤形を開発する継続的な必要性がある。
【0004】
経口獣医薬を動物に投与することの容易さは、オーナーのコンプライアンスの主要な側面であり、動物の健康に対して重大な影響を有する。動物が自発的に薬を摂取する意欲は、剤形の口当たりの良さに依存する。
【0005】
オーナーまたはトレーナーが獣医薬を給餌ボウルもしくは他の容器に入れるか、または手を伸ばして与える場合、動物が進んで、かつ自由な選択によってその薬を受け入れ、消費する必要がある。しかしながら、ほとんどの経口薬は、動物に対して苦味および/または不快な匂いがあり、これが動物への投薬を困難にしている。
【0006】
獣医用剤形の口当たりの良さは、口の中での薬の匂い、味、および感覚(一般に「良好な口当たり」と呼ばれる)によって決定される。一般に、口当たりの良さは、製造プロセス中に、パラタントを製剤に添加することによって達成される。
【0007】
いくつかの口当たりの良い咀嚼可能な剤形は、咀嚼可能な錠剤(すなわち、「ハードチュー(hard chew)組成物」または「ハードチュー」)およびソフトチュー(soft chew)組成物(すなわち、「ソフトチュー」)など、動物によって自発的に摂取されるように設計される。
【0008】
しかしながら、動物が不従順であるか、またはその他、獣医用剤形を受け入れる意欲がない場合、動物のオーナーおよびトレーナーは、一般に、4つの方法のうちの1つを介して経口薬を投与する。
【0009】
第一に、オーナーおよびトレーナーは、液体経口薬を動物の喉に直接注入してもよい。第二に、オーナーおよびトレーナーは、液体ドロップの経口薬を、動物の餌に適用してもよい。第三に、オーナーおよびトレーナーは、液体ドロップの経口薬を、動物に経口投与してもよい。
【0010】
最後に、オーナーおよびトレーナーは、「突っ込む(poke down)」方法を用いてもよい。動物が食欲を失った場合、または薬を食物とともに与えることができない場合、オーナーまたはトレーナーは、固体剤形(例えば、錠剤、ソフトチュー、またはカプセル)を動物の喉に突っ込むという不快な任務を負うことになる。オーナーおよびトレーナーは、例えば、大型犬の場合、犬にまたがって、犬の背中に体重をかけないようにしながら、膝の間でその肩をしっかりと押さえて、じたばたさせないようにすることが容易な場合がある。オーナーまたはトレーナーは、片手で動物の口元をつかみ、反対の手で慎重に下顎を引き下げる必要がある。オーナーまたはトレーナーは、動物が飲み込むまで、錠剤またはカプセルをできるだけ奥に突っ込んで口を閉じ、片手でしっかりと押さえながら、反対の手で優しく喉を撫でる必要がある。
【0011】
これらの方法の各々は、強制、力、および/またはコツ(trickery)を必要とする。動物が空腹でない場合、または特に抵抗する場合、コンプライアンス、したがって、処置の奏功は著しく減少する。これらの方法は、特に、空腹時に薬を与える必要がある場合、または長期間の服薬が必要とされる場合、オーナーにとっては非常に困難である。したがって、咀嚼可能な口当たりの良い固体剤形が好ましい。
【0012】
一般的な咀嚼可能な固体剤形としては、口当たりの良さを改善するためのハードチュー圧縮錠剤が挙げられ、一般に、パラタントおよびコーティングが含まれる。しかしながら、製造中に剤形の質感も考慮されなければならない。例えば、ハードチュー圧縮錠剤は、ざらざらしているか、またはその他、動物にとって魅力的でない傾向がある。一般に、動物のオーナーおよびトレーナーは、ハードチューが咀嚼可能な剤形として市販されているにもかかわらず、いまだに、ハードチューを突っ込む方法を用いているか、またはハードチューを他の食物もしくはおやつに隠すことに頼っている。
【0013】
さらに、ソフトチュー組成物を投与することができ、1つ以上のパラタントを含んでいても、いなくてもよい。
【0014】
動物による獣医薬の自発的な受容を増加させるために、獣医用活性剤を所望の経口薬(edible medication)に改良された製剤が必要である。対象の動物が自発的に摂取する追加の口当たりの良い剤形も必要である。
【発明の概要】
【0015】
本発明者らは、本明細書に記載の口当たりの良い顆粒組成物が、高い口当たりの良さを示し、その結果として、高い動物の受容性およびオーナーのコンプライアンスを示すことを見出した。
【0016】
本発明は、口当たりの良い粒状組成物を提供し、
(a)少なくとも1種のパラタントと、
(b)少なくとも1つの湿潤剤と、
(c)少なくとも1つの活性成分と、を含む。
【0017】
本開示はさらに、疾患または状態を有する動物を治療する方法を提供し、本開示の口当たりの良い粒状組成物を、当該動物に投与することを含む。
【0018】
本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願人は、本発明の口当たりの良い顆粒剤形が、動物の間で優れた受容性を示すことを見出した。
【0020】
本開示の口当たりの良い粒状組成物は、高い口当たりの良さを達成するために、典型的な医薬成分ではなく、口当たりの良い成分の使用を最大化する。
【0021】
典型的な医薬品成分は、動物に魅力のある味または匂いがしない可能性があり、コンプライアンスが悪い結果となり得る。
【0022】
したがって、本開示の口当たりの良い粒状組成物は、高い薬物負荷を達成し、処置された動物対象において優れた医薬効果をもたらすことができる。
【0023】
市販されている獣医用製品は、一般に、崩壊するのに少なくとも17分、多くの場合、60分を超えることが必要である。崩壊時間の改善は、胃腸系にわたって様々な活性医薬成分を吸収することを可能にし、剤形が動物対象をインタクトで通過する苦情を防止し得る。
【0024】
当該分野では、顆粒は、通常、最終剤形のカプセル、錠剤(すなわち、ハードチュー組成物)、またはソフトチュー組成物に含まれている。
【0025】
一般に、獣医学的顆粒は、カプセル、錠剤、およびソフトチュー組成物などの、それらが通常組み込まれている剤形よりもはるかに小さい。例えば、獣医学的顆粒は、一般に、ナノメートルサイズ、マイクロメートルサイズ、またはナノメートルサイズの顆粒の凝集体であって、マイクロメートルサイズの顆粒を形成し得る。一般に、咀嚼可能な錠剤またはソフトチューの質量と同じ質量を構成するために、いくつかの顆粒が必要である。
【0026】
しかしながら、本発明の口当たりの良い顆粒は、最終剤形であり、動物が、自発的に摂取することができる。
【0027】
本発明の口当たりの良い粒状組成物は、インタクトのソフトチュー剤形と比較した場合、本質的に、すでに崩壊しているという独自の利点を有する。
【0028】
本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、さらなる最終剤形の構成要素として単に組み込まれる既存の顆粒製剤よりも改善を表す。しかしながら、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、従来のように、カプセル、錠剤、またはソフトチューの剤形に組み込まれてもよい。
【0029】
一般に、本発明の口当たりの良い顆粒は、咀嚼可能な錠剤(すなわち、ハードチュー組成物)またはソフトチュー組成物よりも小さい。咀嚼可能な錠剤またはソフトチューと同じ質量を有するには、複数の顆粒が必要になる。したがって、本発明の口当たりの良い顆粒のさらなる利点は、動物に投与される活性成分の投薬量が、動物が自発的に摂取する追加の口当たりの良い顆粒を投与することによって、容易に調整され得ることである。
【0030】
したがって、本発明の口当たりの良い顆粒状組成物は、動物のオーナー、トレーナー、または獣医師にはこれまで利用できなかった完全に独自の獣医用剤形を表す。
【0031】
「動物」とは、哺乳類、爬虫類、または鳥類のクラスに属する個々の動物を意味する。一態様では、本発明の口当たりの良い粒状組成物は、動物に投与され得る。
【0032】
別の態様では、本発明の口当たりの良い粒状組成物は、哺乳類または鳥類に投与され得る。
【0033】
別の態様では、本発明の口当たりの良い粒状組成物は、動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ラマ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、シカ、エルク、ウシ、および家禽に投与され得る。
【0034】
「対象」とは、疾患もしくは状態、および/またはその症状の治療、予防、および/または回復のために、本発明の口当たりの良い顆粒が投与される動物を意味する。
【0035】
「顆粒組成物」または「顆粒剤形」または「口当たりの良い顆粒」または「口当たりの良い顆粒組成物」は、動物が丸ごと咀嚼もしくは飲み込み、摂取することができる剤形を意味する。本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、一般に、ソフトチュー獣医学的組成物よりも小さい。一般に、本発明の複数の口当たりの良い顆粒は、典型的なソフトチュー組成物の質量を構成するために必要とされる。本発明の口当たりの良い顆粒は、例えば、湿式造粒法および乾式造粒法によって製造することができ、噴霧乾燥、流動床、高剪断湿式造粒、低剪断湿式造粒、リボンブレンダーでの乾式造粒、乳鉢と乳棒、ならびに他の既知の製造方法が含まれる。
【0036】
顆粒は、活性医薬成分を他の成分と組み込むための効率的な方法である。典型的には、1つ以上の活性成分が顆粒に組み込まれる場合、顆粒は、ペットフード、ゲル、カプセル、錠剤、およびソフトチューまたはハードチューなどの他の最終剤形にさらに組み込まれる。
【0037】
本発明者らは、しかしながら、本発明の口当たりの良い顆粒組成物が、さらなる最終剤形に組み込まれない場合であっても、対象動物によって自発的に摂取されることを見出した。むしろ、本発明の口当たりの良い顆粒は、それ自体が最終剤形を表し、錠剤もしくは咀嚼剤(chew)に組み込まれる必要はなく、またはペットフードと混合される必要はない。本発明は、それ自体が味わいやすくなく、例えば、ペットフードもしくは家畜飼料の上に散布されるか、またはその他、それと混合される、既存の顆粒組成物を上回る改善を表す。対照的に、本発明の口当たりの良い顆粒は、動物によって自発的に摂取され、口当たりの良い顆粒自体があたかも食物であるかのように扱われる。
【0038】
本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、以下の実施例によって実証されるように、咀嚼可能な組成物よりも高い薬物負荷が可能であるという明らかな利点を有する。
【0039】
したがって、特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、最終剤形として用いることができる。
【0040】
他の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、ペットフード、ゲル、カプセル、錠剤、ソフトチュー、および/またはハードチューを含むさらなる剤形に組み込むことができる。
【0041】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、ペットフードなどの他の口当たりの良い材料と混合する必要はないか、またはその他、組み合わせる必要はない。
【0042】
別の態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、必要に応じて、ペットフードなどの他の口当たりの良い材料と混合してもよく、またはその他、組み合わせてもよい。
【0043】
本発明での使用のために、本発明の口当たりの良い顆粒の不活性成分は、食品グレードの品質未満であってはならず、より高い品質(例えば、USPまたはNFグレード)であり得る。この文脈では、「食品グレード」とは、その材料が、健康に有害な化学物質または薬剤を、含有もしくは付与しないことを意味する。したがって、動物由来の場合、食品グレードの風味付けは、例えば、低温殺菌、加圧、または照射などのプロセスによって、その中の感染病原体または汚染物質の存在を、実質的に低減もしくは排除するように調製されたものである。特に後者のプロセスは、大腸菌、サルモネラ、およびカンピロバクターなどの感染性病原体を、生肉製品、野菜、穀物、および果物などの多種多様な食品および動物由来の物質から効果的に排除することができる。
【0044】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒は、任意の動物起源の成分を含有しない、および/または任意の動物起源の香味料を含まない。
【0045】
他の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒は、動物起源の成分、例えば、香味剤を含み得る。
【0046】
すべての成分は、薬学的に許容されるものでなければならない(例えば、必要に応じて、食品グレード、USPまたはNFグレード)。
【0047】
「薬学的に許容される」とは、成分、物質、または組成物が、化学的および/または毒性学的に、製剤、組成物、および/またはそれで治療される動物の中の他の成分と適合性でなければならないことを意味する。
【0048】
「パラタント」とは、ペットに、食物、おやつ、サプリメント、または獣医薬を摂取させるように誘引する非活性香味成分を意味する。本発明の組成物に使用されるパラタントは、乾燥粉末パラタント、非粉末パラタント、または乾燥粉末パラタントと非粉末パラタントの両方を使用するシステムの形態をとることができる。
【0049】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、乾燥粉末パラタントを含む。好適な口当たりの良い粉末としては、植物由来および動物由来の香味剤および人工肉香味料が挙げられる。一態様では、本発明の組成物は、果物、野菜、牛肉、家禽、魚、および/または人工肉の香味料に由来するパラタントを含む。
【0050】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、砂糖、砂糖代替物、塩、骨髄、血液粉末、副産物粉末、芳香粉末もしくは液体、リンゴ粉末、豆粉末、ビート粉末、コショウ粉末、ブルーベリー粉末、ブロッコリー粉末、スクワッシュ粉末、キャベツ粉末、ニンジン粉末、カリフラワー粉末、セロリ粉末、チャービル粉末、チャイブ粉末、トウモロコシ粉末、クランベリー粉末、ディル粉末、ケール粉末、ニラ粉末、レモン粉末、キノコ粉末、タマネギ粉末、オレンジ粉末、ジャガイモ粉末、エンドウマメ粉末、カボチャ粉末、エシャロット粉末、ホウレンソウ粉末、トマト粉末、トマティーヨ粉末、サツマイモ粉末、ズッキーニ粉末、他の野菜粉末もしくは果実粉末、ならびに/または天然肉粉末および人工肉粉末、および他の固形肉パラタント(肝臓および牛肉を含む)、ならびに市販のパラタント、から選択される1つ以上の口当たりの良い粉末を含む。
【0051】
別の態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、ブルーベリー粉末、ニンジン粉末、サツマイモ粉末、肝臓粉末、および/または人工牛肉から選択されるパラタントを含む。
【0052】
別の態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物で使用されるパラタントは、代替的に、粉末ではなく、チップまたは他の固形パラタントであり得る。
【0053】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、酵母、酵母エキス、タピオカシロップ、蜂蜜、および/または塩などの1つ以上の非粉末パラタントを含む。
【0054】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、1重量%~90重量%、または10重量%~80重量%、または20重量%~70重量%、または30重量%~60重量%の総量で、1つ以上の口当たりの良さを含む。
【0055】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、塩および/または糖を含み得、これは、イヌに対して非常に口当たりの良いことが知られている。
【0056】
「薬学的に有効な量」は、対象に投与された場合、本明細書に記載される有益なまたは所望の結果をもたらすのに十分な非毒性量の活性成分を意味する。効果的な投与、すなわち、対象の動物への、口当たりの良い顆粒組成物の給餌および投薬量は、経験的に決定されてもよく、かかる決定は、当該分野の技術の範囲内である。投薬量は、排泄率、治療期間、投与される任意の他の薬物の同一性、動物の年齢、サイズおよび種、ならびに獣医学の分野で周知の同様の要因に応じて異なることが当業者に理解される。一般に、本発明による組成物の好適な用量は、副作用がないか、または副作用が最小限で、所望の効果をもたらすのに有効な最低用量である、組成物の量である。
【0057】
活性成分の量は、活性成分、治療される動物、動物の状態、および状態の重症度に依存する。これらの要因の決定は、十分に、獣医学分野の当業者のレベル内である。
【0058】
「活性成分」は、その通常の意味で理解されるべきであり、動物の体の治療用に薬学的に許容され、有効な成分、ならびに1つまたはいくつかのかかる薬剤の連携を包含する。一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、経口摂取に好適な任意の活性成分を含み得る。一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、少なくとも1つの活性成分を含み、例えば、抗寄生虫薬(内部または外部)、殺ダニ剤、駆虫剤、殺虫剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、抗炎症剤、向精神剤、プロトンポンプ阻害剤、鎮痛剤、抗アレルギー剤、降圧剤、および動物の状態の治療に有用な任意の他の活性成分である薬剤を含み得る。
【0059】
活性成分は、殺ダニ剤のクラスの群から選択される1つ以上の殺ダニ剤から選択され、そのクラスは、抗生物質殺ダニ剤(例えば、アバメクチン、ドラメクチン、エナメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、レピメクチン、ミルベメクチン、ニッコマイシン、セラメクチン、テトラナクチン、およびチューリンゲンシン)、架橋ジフェニル殺ダニ剤(例えば、アゾベンゼン、ベンゾキシメート、安息香酸ベンジル、ブロモプロピレート、クロルベンシド、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンスルフィド、クロロベンジレート、クロロプロピレート、ジコホル、ジフェニルスルホン、ドフェナピン、フェンソン、フェントリファニル、フルオルベンシド、プロクロノール、テトラジホン、およびテトラスルスル)、カルバメート殺ダニ剤(例えば、ベノミル、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、フェノチオカルブ、メチオカルブ、メトイカルブ、プロマシイ、およびプロポキスル)、オキシムカルバメート殺ダニ剤(例えば、アルジカルブ、ブトカルボキシム、オキサミル、チオカルボキシム、およびチオファノックス)、ジニトロフェノール殺ダニ剤(例えば、ビナパクリル、ジネックス、ジノブトン、ジノカップ、ジノカップ-4、ジノカップ-6、ジノクトン、ジノペントン、ジノスルホン、ジノテルボン、およびDNOC)、ホルムアミジン殺ダニ剤(例えば、アミトラズ、クロルジメホルム、クロロメブホルム、ホルメタネート、およびホルムパラネート)、ダニ成長制御剤(例えば、cbフェンテジン、ドフェナピン、フルアズロン、フルベンジミン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、およびヘキシチアゾックス)、有機塩素殺ダニ剤(例えば、ブロモシクレン、カンフェクロル、ジエノクロル、およびエンドスルファン)、有機スズ殺ダニ剤(例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、およびフェンブタチン)、ピラゾイエ殺ダニ剤(例えば、アセトプロール、フィプロニル、およびその類似体および誘導体、テブフェンピラド、およびバニリプロール)、ピレスロイド殺ダニ剤(例えば、ピレスロイドエステル殺ダニ剤(アクリナトリン、ビフェントリン、シハロトリン、シペルメトリン、α-シペルメトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、フルバリネート、τ-フルバリネート、およびペルメトリンのような)、ならびにピレスロイドエーテル殺ダニ剤(ハルフェンプロックスのような)を含む)、キノキサイイン殺ダニ剤(例えば、キノメチオネートおよびチオキノックス)、亜流酸エステル殺ダニ剤(例えば、プロパルギット)、テトロン酸殺ダニ剤(例えば、スピロジクロフェン)、ならびに未分類形態の殺ダニ剤(例えば、アセキノシル、アミドフェルメト、亜ヒ酸、クロロメチウロン、クロサンテル、クロタミトン、ジアフェンチウロン、ジクロフルアニド、ジスルフィラム、フェナザフロル、フェナザキン、フェンピロキシメート、フルアクリピリム、フルエネチル、メスルフェン、MNAF、ニフルリジド、ピリダベン、ピリミジフェン、スルフィラム、スルフルラミド、硫黄、およびトリアラセン)からなる。
【0060】
好適な殺虫剤は、塩素化炭化水素、有機リン酸塩、カルバメート、ピレスレイド、ホルムアミジン、ホウ酸塩、フェニルピラゾール、および大環状ラクトンなどの様々な周知の異なる化学クラスから選択することができる。著名な殺虫剤としては、イミダクロプリド、フェンチオン、フィプロニル、アレスリン、レスメトリン、フェンバレレート、ペルメトリン、マラチオン、およびこれらの誘導体が挙げられる。一実施形態によれば、殺虫剤は、ネオニコチノイドクラスのもの、例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド(上述)、ニテンピラム、チアクロプリドおよびチアメトキサムである。広く使用される昆虫成長調節剤(IGR)としては、例えば、ジフルベンズロン、ルフェヌロン、ノビフルムロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、およびテフィウベンズロンなどのベンゾイルフェニル尿素、またはフェノキシカルブ、ピリプロキシフェン、メトプレン、キノプレン、ヒドロプレン、シロマジン、ブプロフェジン、ピメトロジン、およびそれらの誘導体などの物質が挙げられる。
【0061】
好適な駆虫剤は、内部駆虫剤(endo-parasiticide)および駆虫剤(endecticide)から選択することができ、大環状ラクトン、ベンズイミダゾール、プロベンズイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジン、有機リン酸塩、ピペラジン、サリチルアニリド、および環状デプシペプチドなどの群が含まれる。
【0062】
好適な駆虫剤には、アベルメクチン、ミルベマイシン、およびその誘導体などの広域スペクトル大環状ラクトンが含まれ、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の、イベルメクチン、ドラメクチン、モキシデクチン、セラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、ミルベメクチン、アバメクチン、ミルベマイシンオキシム、ネマデクチン、およびそれらの誘導体が含まれる。ベンズイミダゾール、ベンズイミダゾールカルバメート、およびプロベンズイミダゾールには、チアベンダゾール、メベンダゾール、フェンベンダゾール、オクスフェンダゾール、オキシベンダゾール、アルベンダゾール、ルクサベンダゾール、ネトビミン、パルベンダゾール、フルベンダゾール、シクロベンダゾール、フェバンテル、チオファーネート、およびそれらの誘導体などの強力な化合物が含まれる。イミダゾチアゾールには、テトラミゾール、レバミゾール、およびそれらの誘導体などの非常に活性な化合物が含まれる。テトラヒドロピリミジンには、モランテル、ピランテル、およびそれらの誘導体などの高度に活性な化合物が含まれる。有機リン酸塩には、ジクロルボス、ハロキソン、トリクロルホン、およびそれらの誘導体などの強力な化合物が含まれる。サリチルアニリドには、クロサンテル、トリブロムサラン、ジブロムサラン、オキシクロザニド、クリオキサニド、ラフォキサニド、ブロチアニド、ブロモキサニド、およびそれらの誘導体などの高活性な化合物が含まれる。環状デプシペプチドは、環構造単位としてのアミノ酸およびヒドロキシカルボン酸、ならびに6~30個の環原子からなる化合物が含まれ、例えば、PF1022A、エモデプシド、ならびに米国特許第6,159,932号に記載の他のものが含まれる(これらは、すべての関連する目的のために、参照により本明細書に援用される)。
【0063】
好適な抗菌活性成分としては、様々なペニシリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、セファロスポリン、セファマイシン、アミノグルコシド、トリメトプリム、ジメトリダゾール、エリスロマイシン、フラミセチン、フルアゾリドン、様々なプレウロムチリン(例えば、チアムリン、バルネムリン)、様々なマクロライド、ストレプトマイシン、クロピドール、サリノマイシン、モネンシン、ハロフジノン、ナラシン、ロベニジン、キノロンなどが挙げられる。キノロン(好ましくは、フルオロキノロン)には、米国特許第4,670,444号、第4,472,405号、第4,730,000号、第4,861,779号、第4,382,892号、および第4,704,459号に開示されているものなどの化合物が含まれる(それらは、参照により本明細書に援用される)。フルオロキノロンの具体的な例としては、ベノフロキサシン、ビンフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、ダノフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、エンロフロキサシン、フレロキサシン、イバフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、マルボフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、ペルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、サラフロキサシン、およびスパルフロキサシンが挙げられる。動物に使用する抗菌フルオロキノロンのさらなる例としては、プラドフロキサシンが挙げられ得る。他のキノロンの具体的な例としては、ピペミド酸およびナリジキシン酸が挙げられる。
【0064】
ビタミンやミネラルのサプリメントなどの、獣医学分野で既知の他の薬剤または栄養補助剤もまた、好適な有効成分である。
【0065】
例えば、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、活性成分として、ω3脂肪酸、ω6脂肪酸、メチルスルホニルメタン、グルコサミンHCl、コンドロイチン硫酸およびアスコルビン酸マンガン、セイヨウオトギリソウ、植物性グリセリン、緑色食品、プロバイオティクス、および抗酸化剤(例えば、ビタミンCおよびビタミンE、βカロテンおよびセレン)、ならびに本発明の口当たりの良い顆粒組成物に製剤化され得る任意の他のビタミン、ミネラル、または他の栄養補助食品または栄養補助食品などの1つ以上の栄養補助剤を含み得る。
【0066】
可能であれば、活性成分のうちのいずれかの薬学的に許容される塩を、本明細書に開示される口当たりの良い顆粒組成物に使用してもよい。さらに、活性成分のプロドラッグは、本明細書に開示される口当たりの良い顆粒組成物にも使用され得る。
【0067】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、抗炎症剤および寄生虫駆除剤(すなわち、駆虫剤)から選択される1つ以上の活性成分を含む。
【0068】
別の態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、活性駆虫成分を含み、アバメクチン、アルベンダゾール、クロルスロン、クロサンテル、ジクロロフェン、ジマデクチン、ドラメクチン、エモデプシド、エナメクチン、エプリノメクチン、フェバンテル、フェンベンダゾール、イミダクロプリド、イベルメクチン、ラチデクチン、レピメクチン、レバミゾール、ルフェヌロン、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチン、ニトロスカネート、オキサンテル、オキシベンダゾール、ピペラジン、ピランテル、プラジカンテル、セラメクチン、スピノサド、トリクラベンダゾール、ならびにそれらの塩および誘導体から選択される。
【0069】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、活性抗炎症成分を含み、カルプロフェン、デキサメタゾン、ケトプロフェン、メロキシカム、メタカム、ナプロキセン、ニメセウリド、ペントキシフィリン、フェニルブタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロベナコキシブ、スルファサラジン、トルフェナム酸、ならびにそれらの塩および誘導体から選択される。
【0070】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、有効成分として、アポクエル、サロラネル、アフォキソラネル、フルララネル、ロチラネル、マロピタント、アセトアミノフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、クラバモックス、ナプロキセン、メロキシカム、ケトプロフェン、フェニルプロパノールアミン、マレイン酸クロルフェニラミン、デキストロメトルファン、ジフェンヒドラミン、ファモチジン、ロペラミド、ラニチジン、シメチジン、アステミゾール、テルフェナジン、テルフェナジンカルボキシレート、セチリジン、モキシデクチン、ピランテル、オクラシチニブ、ミルベマイシンオキシム、またはニューロキニン(NK)-1阻害剤を含まない。
【0071】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、活性成分としてカルプロフェンを含む。
【化1】
【0072】
カルプロフェンは、世界中で様々なブランド名で販売されている非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。獣医師は、通常、動物における様々な状態に対する補助的治療としてカルプロフェンを処方する。カルプロフェンは、イヌやウマの投与に特に人気のある治療薬である。カルプロフェンは、様々な種類の関節痛からの疼痛および炎症、ならびに術後疼痛に対する日常的な治療を提供する。カルプロフェンは、COX-1およびCOX-2の阻害を介して炎症を低減する。COX-2に対するカルプロフェンの特異性は種によって異なる。
【0073】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、活性成分としてフェバンテルを含む。
【0074】
フェバンテルは、動物の寄生虫駆除に有用な駆虫薬であり、特に、回虫およびサナダムシに対して効果的である。フェバンテルは、チューブリンサブユニットに結合し、微小管形成を妨げることによって寄生虫を死滅させる。
【化2】
【0075】
ウマでは、フェバンテルは、胃腸管から容易に吸収され、フェンベンダゾール-スルホン、フェンベンダゾール、およびオキシベンダゾールに急速に代謝される。フェバンテルは、牛や羊の腸からも吸収される。
【0076】
フェバンテルは、伴侶動物にも投与される。例えば、イヌおよびネコでは、市販のVercom(登録商標)(フェバンテルとプラジカンテルとの組み合わせ)は、典型的な用量で重大な副作用が引き起こされる可能性は低い。
【0077】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、0.001重量%~75重量%、または0.005重量%~50重量%、または0.01重量%~35重量%、または0.05重量%~20重量%、または0.1重量%~15重量%、または1重量%~10重量%の総量で、1つ以上の活性成分を含む。
【0078】
「崩壊剤」とは、動物への投与時に本発明の口当たりの良い顆粒組成物の分解を助ける、一般に、その他活性ではない成分を意味する。
【0079】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、任意の薬学的に許容される崩壊剤を含み得る。
【0080】
別の態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、寒天(agar-agar)、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプンおよび加工デンプン、粘土(例えば、ベントナイト)、様々なケイ酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、メチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース(例えば、Avicel)、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース低置換、コロイド状二酸化ケイ素、セルロースポリアクリリンカリウム(例えば、Amberlite)、グアー、イナゴマメ、カラヤ、キサンタン、ペクチン、トラガカント、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、イネ、カルメロースカルシウム、直接圧縮性マンニトール、およびクロスカルメロースナトリウムから選択される1種以上の崩壊剤を含む。
【0081】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはヒドロキシプロピルセルロースを含まない。
【0082】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、および/またはクロスカルメロースナトリウムから選択される1つ以上の崩壊剤を含む。
【0083】
クロスポビドン(架橋ポリビニルN-ピロリドン、またはPVPとも呼ばれる)は、活性薬物の吸収を可能にする薬剤および栄養補助食品における一般的な不活性成分である。これは、合成ポビドンのアナログとみなされる。化学的に、クロスポビドンは、不活性で不溶性の白色~淡黄色の自由流動性粉末である。吸湿性、あるいは吸水性があり、膨潤特性に優れている。薬学的剤形の崩壊剤として有用になるのが、この膨潤特性である。クロスポビドンは、経口で吸収されない。
【0084】
デンプングリコール酸ナトリウムは、カルボキシメチルエーテルのナトリウム塩である。デンプングリコール酸は、イネ、ジャガイモ、コムギ、またはトウモロコシ由来である。デンプングリコール酸ナトリウムは、白色~オフホワイト、無味、無臭、比較的自由流動性の粉末であり、錠剤およびカプセルの剤形のための薬学的に許容される溶解賦形剤として使用される。デンプングリコール酸ナトリウムは、急速に水分を吸収し、膨潤をもたらし、錠剤や顆粒の急速な分解につながる。
【0085】
クロスカルメロースナトリウムは、薬学的製剤における崩壊剤として使用するための内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムである。架橋は、水溶性を低下させるが、材料は、水中で、その重量の何倍も膨張し、吸収することができる。結果として、優れた薬物溶解および崩壊特性を提供し、したがって、活性成分を体液とより良好に接触させることによって、生物学的利用能を改善する。
【0086】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、0重量%~60重量%、または0.01重量%~50重量%、または0.1重量%~35重量%、または1重量%~25重量%の総量で、1つ以上の崩壊剤を含む。
【0087】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、崩壊剤を含まない。一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、崩壊剤を含まないが、それにもかかわらず、既存の顆粒ベースの獣医学的組成物と比較して、優れた崩壊速度を示す。
【0088】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物の製剤は、所望の口当たりの良さおよび/または所望の崩壊時間が得られるように修飾され得る。
【0089】
「結合剤(binder)」または「結合剤(binding agent)」は、一般に、その他不活性な成分を意味し、これは、製剤に粘着性を付与して、粘着性の塊を形成し、好適な緻密形態を確保するための結合を提供する。結合剤は、従来、直接圧縮錠剤で使用され、Lieberman et.al.,Pharmaceutical Dosage Forms,2 Ed.,Vol.1,pp.209-214(1990)に記載されている。
【0090】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コポビドン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルファ化デンプン、ポリビニルカプロラクタム、キシリトール、ソルビトール、および/またはマルチトールのいずれも含まない。
【0091】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、結合剤を含まない。
【0092】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、結合剤もしくは崩壊剤を含まないか、または結合剤もしくは崩壊剤のいずれも含まない。
【0093】
不活性の結合剤および/または崩壊剤の除外は、典型的な薬学的成分ではなく、口当たりの良い成分の最大化を可能にすることが見出されており、動物にとって魅力的でなくてもよい。したがって、結合剤および/または崩壊剤を欠く実施形態は、高い口当たりの良さを達成し、その結果、動物コンプライアンスを達成する。
【0094】
さらに、驚くべきことに、結合剤を欠く実施形態は、それでも、所望の凝集性を示すことが見出された。
【0095】
「湿潤剤」は、薬学的組成物中の水分を誘引および/または保持する傾向があり、一般に、その他不活性な成分を意味する。一般に、湿潤剤の包含は、薬学的組成物または獣医学的組成物中の活性成分の溶解性を増加させる。本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、任意の薬学的に許容される1つ以上の湿潤剤または薬剤を含み得る。
【0096】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、1つ以上の湿潤剤を含み、ガム、ワックス(例えば、パラフィンワックス)、グリセリン、グリセロール、グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ヘキサン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセロール、ミグリオール(例えば、ミグリオール812、ミグリオール840)、マルチトール、ソルビトール、リンゴ酸、セチルアルコール、エチレングリコール、モノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メトキシプロパノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチルジグリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、n-メチルホルムアミド、ジプロピレングリコール n-ブチルエーテル、ジエチレンモノブチルエーテルアセテート、ジエチレンモノエチルエーテルアセテート、モノメチルアセトアミド、2-ピロリドン、およびN-メチルピロリドン、プロピレングリコール、メトキシプロパノール、様々なグレードのポリエチレングリコール(「PEG」)(例えば、PEG6000、PEG4000、PEG3350、PEG2000、PEG1000、PEG400、および/もしくはPEG300)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフルアルコール、Solutol HS 15(12-ヒドロキシステアリン酸のポリグリコールモノエステルおよびジエステル)、グリセリルココエート、メトキシポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、テトラグリコール、ジプロピレングリコール n-ブチルエーテル、カプリル酸/カプリン酸グリセリド、カプリル酸グリセリド、アジピン酸ジブチル、液体ポリエチレングリコール、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、ソルケタール、キシレン、ジメチルイソソルビド、短鎖、中鎖、および長鎖脂肪酸ならびに芳香族脂肪酸(例えば、酪酸、カプリン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ストレアリン酸、リノール酸、および安息香酸)、モノオレイン酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、モノカプリル酸プロピレングリコールモノカプリレート、モノラウリン酸プロピレングリコール、クモ状エステル、セバシン酸ジブチル、トリグリセリド(例えば、ヒマシ油、綿実油、ゴマ油、亜麻仁油、紅花油、ピーナッツ油、大豆油、ヤシ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびアーモンド油、シリコーン、ヒアルロン酸、蜂蜜、糖蜜、アロエ、レシチン、パンテノール、アルギネート、ポリソルベート80、Span 80(モノオレイン酸ソルビタン)、および他の界面活性剤、乳化剤、合成アルコール(例えば、ヒドロキシステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸)、スクロース、トリアセチン、水、ならびに/または鉱油から選択される。
【0097】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、ミグリオール、Solutol HS15(12-ヒドロキシステアリン酸のポリグリコールモノエステルおよびジエステル)、エタノール、またはトリグリセリド(例えば、ヒマシ油、綿実油、ゴマ油、紅花油、ピーナッツ油、大豆油、ヤシ油、および/またはオリーブ油)のいずれも含まない。
【0098】
別の態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、1つ以上の湿潤剤を含み、蜂蜜、糖蜜、ガム、ゼラチン、ワックス、パラフィンワックス、2-ピロリドン、水、油、界面活性剤、乳化剤、アルギネート、グリセリン、液体パラタント、ポリソルベート80、グリセロール、プロピレングリコール、様々なグレードのポリエチレングリコール(「PEG」)(例えば、PEG6000、PEG4000、PEG3350、PEG2000、PEG1000、PEG400、および/またはPEG300)から選択される。
【0099】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、蜂蜜または糖蜜などの口当たりの良い1つ以上の湿潤剤を含む。
【0100】
他の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、口当たりの良い湿潤剤を含まない。
【0101】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、5%~80%、または15%~70%、または30%~60%の量の1つ以上の湿潤剤を含む。
【0102】
「硬化剤(stiffening agent)」または「硬化剤(stiffener)」は、結合剤(binder)もしくは結合剤(binding agent)のいずれでもなく、室温では固体または高粘度であり、一般に、熱で融解し、室温で固化するかまたは粘性になり得、硬化した構造を提供する、不活性成分を意味する。本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、任意選択的に、任意の薬学的に許容される硬化剤を含み得る。
【0103】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、1つ以上の硬化剤を含み、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポビドン、アカシア、トラガカントガム、ゼラチン、スクロース、ラクトース(例えば、水和物、無水物、一水和物)、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギネート、ワックス、固体脂質、および様々なグレードのポリエチレングリコール(「PEG」)、例えば、PEG6000、PEG4000、PEG3350、PEG2000、PEG1000、PEG400、PEG300(例えば、一般に、PEG300以上)から選択される。
【0104】
別の態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、湿潤剤としても機能する1つ以上の硬化剤を含み、ワックス(例えば、パラフィンワックス)、固体脂質、および様々なグレードのポリエチレングリコール(「PEG」)、例えば、PEG6000、PEG4000、PEG3350、PEG2000、PEG1000、PEG400、および/またはPEG300(例えば、一般に、PEG300以上)から選択される。
【0105】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、結合剤としても機能し得る1つ以上の硬化剤、例えば、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コポビドン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルファ化デンプン、ポリビニルカプロラクタム、キシリトール、ソルビトール、マルチトールを含まない。
【0106】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポビドンを含まない。
【0107】
一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、1%~75%、または5%~50%、または10%~30%の量の1つ以上の硬化剤を含む。
【0108】
特定の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、硬化剤を含まない。
【0109】
一実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、デンプンを含む。
【0110】
別の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、結合剤としてデンプンを含まない。
【0111】
さらに別の実施形態では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、いかなるデンプンも含まない。
【0112】
一態様では、本開示は、水を含む口当たりの良い顆粒組成物を提供する。一態様では、本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、口当たりの良い顆粒組成物の総重量に基づいて、0%~20%の水、または0.0001%~10%の水、または0.001%~5%の水、または0.01%~2%の水を含み得る。
【0113】
別の態様では、本開示は、実質的に水を含まない口当たりの良い顆粒組成物をさらに提供する。
【0114】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」、「治療」という用語、およびその文法的変形は、その対象における生理学的応答または転帰を得ることが所望されるプロトコル、レジメン、プロセス、または救済に動物を供することを意味する。具体的には、本発明の方法および組成物を使用して、疾患症状の発症を遅延させるか、または疾患もしくは状態の発症を遅延させるか、または疾患発症の進行を停止させることができる。しかしながら、すべての処置された動物対象は、特定の処置プロトコル、レジメン、プロセス、または救済に応答しない場合があるため、治療することは、所望の生理学的応答または転帰が、各々およびすべての対象または対象集団において達成されることを必要としない。したがって、所与の対象または対象集団は、治療に応答しないか、または不十分に応答し得る。
【0115】
本明細書で使用される場合、「緩和する」、「緩和すること」という用語、およびその文法的変形は、対象における疾患の症状の重症度を低減することを意味する。
【0116】
本明細書で使用される場合、「予防する」、「予防すること」という用語、およびその文法的変形は、本発明の化合物または組成物を、投与時には疾患もしくは状態を有すると診断されていないが、疾患もしくは状態を発症することが予想され得るか、または疾患もしくは状態のリスクが増加し得る対象動物に投与することを意味する。予防には、年齢、家族歴、遺伝子もしくは染色体異常により、疾患または状態の1つ以上の生物学的マーカーの存在により、および/または環境要因により、疾患もしくは状態にかかりやすいと考えられる対象に、少なくとも1つの本発明の化合物または組成物を投与することも含まれる。
【0117】
一態様では、本開示は、動物を治療する方法を提供し、本明細書に記載の口当たりの良い顆粒組成物を動物に投与することを含む。
【0118】
一態様では、口当たりの良い顆粒組成物は、投薬量、疾患または状態の重症度、および特定の動物種およびサイズに応じて、1日1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回、動物に投与されてもよい。
【0119】
一態様では、口当たりの良い顆粒組成物は、疾患または状態の重症度、ならびに特定の動物種およびサイズに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の口当たりの良い顆粒の投薬量で投与されてもよい。
【0120】
一態様では、口当たりの良い顆粒組成物は、治療される動物に投与され得る。
【0121】
一態様では、治療される動物は、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウサギ、ラマ、シカ、エルク、または家禽である。
【0122】
別の態様では、治療される動物は、イヌ、ネコ、またはウマである。
【0123】
本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、任意選択的に、そのような獣医用組成物で通常使用される追加の成分および/または材料を含み得る。他の実施形態では、任意選択的な成分は存在しない。これらの成分および材料は、当該技術分野において周知であり、(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、(2)パラフィンなどの溶解遅延剤、(3)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(4)オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、タルク、鉱油、ステアリン酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、(5)エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカントなどの懸濁剤、(6)メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、一塩基性酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウム無水物はおよび二水和物などの緩衝剤、(7)ラクトース、乳糖、ポリエチレングリコール、動物性脂肪および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、カカオバター、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、サリチル酸、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末などの賦形剤、(8)二塩基性リン酸カルシウム、カオリン、ラクトース、デキストロース、炭酸マグネシウム、スクロース、マンニトール、マイクロクリタリン、セルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、沈殿炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ソルビトール、デンプン、および水、または他の溶媒などの不活性希釈剤、(9)Nipagin、Nipasol、アルコール、抗菌剤、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、ソルビン酸、パラベン、およびイソプロピルアルコールなどの保存剤、(10)表面活性剤、(11)トラガカント、アカシアを含む合成ガムおよび天然ガム、アルギネート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、およびゼラチンなどの分散剤、(12)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、生分解性ポリマー、リポソーム、マイクロスフェア、モノステアリン酸アルミニウム、ゼラチン、およびワックスなどの制御放出剤または吸収遅延剤、(13)乳白剤、(14)アジュバント、(15)乳化剤および懸濁剤、(16)エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤および乳化剤、(17)アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、低リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、およびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤、(18)製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする糖や塩化ナトリウムなどの薬剤、(19)増粘剤、(20)レシチンなどのコーティング材料、ならびに(21)甘味剤、着色剤、芳香剤および防腐剤、が含まれる。
【0124】
かかる成分または材料は、各々、製剤の他の成分と適合性があり、対象動物の害にならないという意味で、薬学的に許容されなければならない。
【0125】
本発明の口当たりの良い顆粒組成物は、単一容器造粒、流動床上部噴霧造粒、高剪断造粒/流動床乾燥造粒の組み合わせ、連続流動床造粒、噴霧乾燥、および他の方法などの任意の方法によって製造することができる。また、乾式圧縮(すなわち、乾式造粒)および湿式押出、続いて、サイジングおよび乾燥も用いることができる。
【0126】
以下の実施例は、本開示の特定の態様を例示するのに役立ち、本開示を限定することを意図しない。
【実施例
【0127】
実施例1-例示的な口当たりの良い顆粒プラセボ製剤
表1は、本発明の口当たりの良い顆粒組成物の例示的な製剤を示し、2つの成分、すなわち、固形パラタントと、湿潤剤としてのPEG3350とを、様々な量で含む。
【0128】
【表1】
【0129】
実施例2-例示的な口当たりの良い顆粒プラセボ製剤
表2は、本発明の口当たりの良い顆粒組成物のさらなる例示的な製剤を示し、2つの成分、すなわち、固形パラタントと、湿潤剤としてのポリエチレングリコール、パラフィンワックス、またはSpan 80(ソルビタンモノオレエート)のいずれかとを、様々な量で含む。
【0130】
【表2】
【0131】
例示的な製剤:Ex.6、Ex.7、Ex.8、およびEx.9は、ふるいにかけて90%超の重量を保持した。
【0132】
残りの例示的な製剤のサイズデータは得られなかった。
【0133】
実施例3-例示的な薬剤が負荷された口当たりの良い顆粒製剤
表3は、本発明の口当たりの良い顆粒組成物のさらなる例示的な配合を示し、活性成分と、固形パラタントと、湿潤剤とを、様々な量で含む。
【0134】
【表3】
【0135】
例示的な製剤のEx.13およびEx.14は、Ex.14が、崩壊剤であるクロスポビドンをさらに含む点で異なる。Ex.15は、33.3%の高レベルの薬物負荷を含む。
【0136】
驚くべきことに、本発明による製剤は、高い活性薬物負荷および高いパラタント負荷の両方を担持することができることが見出された。
【0137】
Ex.13、Ex.14、およびEx.15の各々は、47.4%~65.0%の範囲の高濃度のパラタントを含み、高い動物コンプライアンスを達成し、したがって、高濃度で含まれ得る活性成分の投与を可能する。これは、本発明の口当たりの良い顆粒(例えば、Ex.15)でも同様である。
【0138】
本発明の口当たりの良い顆粒で達成される成功例の動物コンプライアンスは、以下の実施例4に記載される。
【0139】
実施例4-口当たりの良さの許容性の結果
11匹の混血犬を用いて、2日間連続で、口当たりの良さの許容性試験を行い、以下の表4に示されるように、ドッグボウル(dog bowl)にプラセボ顆粒を提供した。
【0140】
犬に、ドッグボウルから顆粒を自発的に摂取させ、自発的な完全摂取を記録した。両日ともに、11匹のイヌのうち9匹が提供された顆粒を完全に摂取した。
【0141】
表4は、口当たりの良さの試験に使用したプラセボの2成分製剤を示している。
【0142】
【表4】
【国際調査報告】