(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】相互作用型アトラクションシステム及びオブジェクトとユーザとを関連付ける方法
(51)【国際特許分類】
A63G 31/00 20060101AFI20221027BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A63G31/00
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510117
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 US2020047248
(87)【国際公開番号】W WO2021035075
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】リン ユ-ジェン
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA62
5E555AA71
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC13
5E555CA42
5E555CB66
5E555CC01
5E555EA05
5E555EA14
5E555EA22
(57)【要約】
遊園地のアトラクションシステムは、光を検出し、検出された光に基づいて光学データを提供するように構成された光学センサと、光学センサに通信可能に接続された回路を有する制御装置とを含む。制御装置は、光学データを受け取り、光学データを処理して、ユーザの第1の動きと、携帯型又は装着型オブジェクトの第2の動きとを検出し、第1の動きと第2の動きとの間の相関関係を検出し、相関関係に基づいて携帯型又は装着型オブジェクトとユーザとを関連付けるように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を検出し、検出された光に基づいて光学データを提供するように構成された光学センサと、
前記光学センサに通信可能に接続された回路を含む制御装置と、
を備える、遊園地のアトラクションシステムであって、前記制御装置は、
前記光学データを受け取り、
前記光学データを処理して、ユーザの第1の動きと、携帯型又は装着型オブジェクトの第2の動きとを検出し、
前記第1の動きと前記第2の動きとの間の相関関係を検出し、
前記相関関係に基づいて、前記携帯型又は装着型オブジェクトと前記ユーザとを関連付ける、
ように構成されている、システム。
【請求項2】
前記光学センサ及び前記制御装置は、前記携帯型又は装着型オブジェクトの追跡可能な参照要素に基づいて、前記携帯型又は装着型オブジェクトを検出するために協働するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記参照要素は、有限帯域幅内の波長を有する光を反射するように構成された再帰反射材料を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記光学データへの顔認識アルゴリズムの適用に基づいて、前記ユーザを検出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記光学データへの身体的特徴認識アルゴリズムの適用に基づいて、前記ユーザの骨格構造を検出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記骨格構造に基づいて前記ユーザの少なくとも1つの腕関節を識別するように構成され、前記第1の動きは、前記少なくとも1つの腕関節の動きである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記携帯型又は装着型オブジェクトは、携帯型の細長いオブジェクトであり、前記第1の動きは、前記ユーザの手の動きであり、前記第2の動きは、前記携帯型の細長いオブジェクトの先端の動きである、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、
携帯型又は装着型オブジェクのポジショニングと小道具との間の追加的な相関関係を検出し、
前記携帯型又は装着型オブジェクトのポジショニングと前記小道具との間の追加的な相関関係に基づいて、特殊効果をアクティブにするための信号を出力する、
ように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記携帯型又は装着型オブジェクトのポジショニングと前記小道具との間の追加的な相関関係は、前記携帯型又は装着型オブジェクトが前記小道具に接触していることを示す、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記光学センサは、前記携帯型又は装着型オブジェクト上の参照要素の検出を容易にするように構成されたフィルタを含む第1のセンサを備え、前記光学センサは、前記ユーザを検出するように構成された第2のセンサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
実行可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を備えるアトラクションシステムの制御装置であって、前記実行可能な命令は、前記制御装置のプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記アトラクションシステムの光学センサから光学データを受け取る、
前記光学データに基づいてユーザの第1の動きを検出する、
前記光学データに基づいて携帯型又は装着型オブジェクトの第2の動きを検出する、
前記第1の動きと前記第2の動きの間の相関関係を決定する、
前記第1の動きと前記第2の動きの間の相関関係に基づいて、前記携帯型又は装着型オブジェクトと前記ユーザとを関連付ける、
ことを行わせるように構成されている、制御装置。
【請求項12】
前記ユーザの前記第1の動きを検出することは、前記光学データに適用される身体的特徴認識アルゴリズムを用いて前記ユーザの画像を検出することを含む、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記第1の動きと前記第2の動きとの間の前記相関関係は、前記携帯型又は装着型オブジェクト上の参照要素の検出されたポジショニングと、前記ユーザの前記検出された画像に適用された身体運動学アルゴリズムとに基づく、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記実行可能な命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに
複数の点と、前記複数の点を互いに接続する複数の線分とに関連付けられる、前記画像の複数の特徴を決定する、
前記画像の前記複数の特徴に基づいて、前記画像を前記ユーザに関連付ける、
ことを行わせるように構成される、請求項12に記載の制御装置。
【請求項15】
前記実行可能な命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記第1の動き及び前記第2の動きに基づいて、前記アトラクションシステムの小道具に関連付けられているアクションを特定する、
前記アクションに基づいて特殊効果をアクティブにするための信号を出力する、
ことを行わせるように構成されている、請求項11に記載の制御装置。
【請求項16】
遊園地のアトラクションシステムであって、
光を検出し、検出された光に基づいて光学データを提供するように構成された光学センサと、
前記アトラクションシステムに関連するデータを格納するように構成されたデータベースと、
前記光学センサ及び前記データベースに通信可能に接続された制御装置と、
を備え、前記制御装置は、
前記光学データを受け取り、
前記光学データを処理して、ユーザの第1の動きと、オブジェクトの第2の動きとを検出し、
前記第1の動きと前記第2の動きとの間の相関関係を検出し、
前記相関関係に基づいて前記オブジェクトと前記ユーザとを関連付け、
前記第1の動き及び前記第2の動きに基づいて、前記オブジェクトに関連する相互作用を特定し、
前記相互作用の決定に応答して、前記データベースを更新する、
ように構成されている、アトラクションシステム。
【請求項17】
前記アトラクションシステムに関連する前記データは、前記ユーザに関連するユーザプロファイルを含み、前記データベースを更新することは、前記ユーザプロファイルにポイント値を与えることを含む、請求項16に記載のアトラクションシステム。
【請求項18】
前記制御装置は、前記光学データを、
追加のユーザの第3の動きと、追加のオブジェクトの第4の動きを検出する、
前記第3の動きと前記第4の動きとの間の追加の相関関係を検出する、
前記追加の相関関係に基づいて、前記追加のオブジェクトと前記追加のユーザとを関連付ける、
ように処理するように構成される、請求項16に記載のアトラクションシステム。
【請求項19】
前記相関関係及び前記追加の相関関係は、顔認識アルゴリズムに基づく関連付けを含む、請求項18に記載のアトラクションシステム。
【請求項20】
前記相互作用は、前記アトラクションシステムの複数の小道具のうちの選択された小道具に対する前記オブジェクトのポジショニングに関連付けられ、前記データベースの更新は、前記選択された小道具に基づく、請求項16に記載のアトラクションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年8月21日出願の米国特許仮出願第62/889,957号「対話型アトラクションシステム及び物体とユーザを関連付ける方法」の優先権及び利益を主張し、その開示内容全体は、全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般的に、相互作用型遊園地アトラクションに関し、具体的には、携帯型又は装着型オブジェクトをユーザと関連付けるための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、読み手に、以下に記載する本開示の種々の態様に関連し得る種々の態様を紹介することを意図している。この考察は、読み手に対して本開示の種々の態様をより理解するのを容易にするための背景情報を提供するのを助けると考えられる。従って、本記載はこの観点から読まれものであり従来技術の自認ではないことを理解されたい。
【0004】
遊園地及び他の娯楽施設は、来客を楽しませるために様々な特徴部を使用する。遊園地は、来客にユニークな体験を提供することができるジェットコースター、ドロップタワー、ログフルームなどの様々な乗り物を含むことができる。加えて、遊園地は、来客を環境に没頭させるためのパフォーマンスショー、特殊効果、及び装飾などの様々な他の特徴部を含むことができる。遊園地の人気が高まるにつれ、来客の間で改善されたより独創的な特徴部への期待が高まっている。例えば、来客は、様々な来客と相互作用する又は来客に応答する特徴部を望む場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、相互作用的な特徴部の実装は、複雑で困難な場合がある、
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載された特定の実施形態を以下に要約する。これらの形態は、単にこれらの特定の実施形態の要約を読み手に提示するために示されており、これらの形態は本開示の範囲を制限することが意図されていないことに留意されたい。実際には、本開示は、以下に記載されていない場合がある様々な形態を包含することができる。
【0007】
一実施形態では、遊園地のアトラクションシステムは、光を検出し、検出された光に基づいて光学データを提供するように構成された光学センサと、光学センサに通信可能に接続された回路を有する制御装置とを含む。制御装置は、光学データを受け取り、光学データを処理して、ユーザの第1の動きと、携帯型又は装着型オブジェクトの第2の動きとを検出し、第1の動きと第2の動きとの間の相関関係を検出し、相関関係に基づいて携帯型又は装着型オブジェクトとユーザとを関連付けるように構成される。
【0008】
一実施形態では、実行可能な命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含むアトラクションシステムの制御装置は、制御装置のプロセッサによって実行されると、プロセッサに、アトラクションシステムの光学センサから光学データを受け取る、光学データに基づいてユーザの第1の動きを検出する、光学データに基づいて携帯型又は装着型オブジェクトの第2の動きを検出する、第1の動きと第2の動きとの間の相関関係を決定する、第1の動きと第2の動きとの間の相関関係に基づいて携帯型又は装着型オブジェクトとユーザとを関連付ける、ことを行わせるように構成される。
【0009】
一実施形態では、遊園地のアトラクションシステムは、光を検出し、検出された光に基づいて光学データを提供するように構成された光学センサを含む。また、アトラクションシステムは、アトラクションシステムに関連するデータを格納するように構成されたデータベースと、光学センサ及びデータベースに通信可能に接続された制御装置とを含む。制御装置は、光学データを受け取り、光学データを処理して、ユーザの第1の動きと、オブジェクトの第2の動きとを検出し、第1の動きと第2の動きとの間の相関関係を検出し、相関関係に基づいてオブジェクトとユーザとを関連付け、第1の動き及び第2の動きに基づいてオブジェクトに関連する相互作用を決定し、相互作用の決定に応答してデータベースを更新する、ように構成される。
【0010】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面を通して同様の符号が同様の要素を表す添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態による、ユーザ及びオブジェクトの動きを検出するように構成された相互作用型アトラクションシステムの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による、オブジェクトのそれぞれの参照要素に基づいてユーザ及びオブジェクトの動きを追跡するように構成された光学センサを有するアトラクションシステムの概略図である。
【
図3】本開示の実施形態による、ユーザ及び光学センサによって検出されたユーザに関連する画像を示すアトラクションシステムの概略図である。
【
図4】本開示の実施形態による、オブジェクトに関連する相互作用に応答して、アトラクションシステムの特徴部を更新するための方法又はプロセスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、実際の実行例の全ての特徴を本明細書で説明することができるというわけではない。何らかの工業設計又は設計プロジェクトの場合と同様に、何らかの当該の実際の実行例の開発において、実行例間で変動する場合があるシステム関連及び事業関連の制約の遵守など、開発担当者らの特定の目標を達成するために数多くの実行固有の意思決定を行う必要があることを認識されたい。さらに、このような開発作業は、複雑かつ時間が掛かることがあり得るが、それでも、本開示の恩恵を有する当業者にとって設計、作製、及び製造の日常的な仕事になることを認識されたい。
【0013】
本開示の様々な実施形態の要素を説明する場合に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上があることを意味することが意図されている。用語「~を備える」、「~を含む」、及び「~を有する」は、包括的であり、かつ、記載された要素以外のさらなる要素がある場合があることを意味することが意図されている。本明細書で説明する本発明の実施形態の1又は2以上の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、実際の実行例の全ての特徴を本明細書で説明することができるというわけではない。何らかの工業設計又は設計プロジェクトの場合と同様に、何らかの当該の実際の実行例の開発において、実行例間で変動する場合があるシステム関連及び事業関連の制約の遵守など、開発担当者らの特定の目標を達成するために数多くの実行固有の意思決定を行う必要があることを認識されたい。さらに、このような開発作業は、複雑かつ時間が掛かることがあり得るが、それでも、本開示の恩恵を有する当業者にとって設計、作製、及び製造の日常的な仕事になることを認識されたい。
【0014】
本開示は、ユーザ及びオブジェクトの動きを利用して、ユーザ及びオブジェクトが互いに関連付けられているか否かを決定するシステム及び方法に向けられている。一実施構成において、開示された技術は、遊園地又はテーマパークなどの娯楽施設内で提供される。このように、記載された技術は、より相互作用的な環境を来客に提供するように、関連付けられたオブジェクトに基づいて、より個別化された体験で来客を楽しませるために使用することができる。追加的な又は代替的な実施構成では、本明細書に記載された技術は、他の環境で使用することができる。
【0015】
遊園地及び他の娯楽施設は、来客を楽しませるために様々な特徴部を備える。例えば、遊園地は、乗り物やショーなどの様々なアトラクションシステムや、特殊効果及び舞台小道具などの没入型の環境設定を使用することができる。また、遊園地は、来客が相互作用することができる特徴部を備えることができる。例えば、遊園地の各来客は、アニメーションフィギュアなど、遊園地の様々な特徴部と相互作用することができる。このような相互作用は、アニメーションフィギュアの動きなどの特定の特殊効果をアクティブにし、それによって来客に相互作用的な体験を提供することができる。
【0016】
しかしながら、より個別化された相互作用的な体験を来客に提供することが望ましい場合がある。換言すると、遊園地の特徴部と来客との間の相互作用は、各来客に固有のものとすることができる。例えば、第1の来客と特徴部との間の相互作用は、特徴部の第1の更新(例えば、第1の特殊効果セットのアクティブ化)をもたらすことができる。第2の来客と同じ特徴部との間の相互作用は、特徴部の第2の更新(例えば、第2の特殊効果セットのアクティブ化)をもたらすことができる。その結果、各来客は、固有の個別化された相互作用を経験する。また、第1の来客の第1のオブジェクトと、重複する視覚空間に位置する第2の来客の第2のオブジェクトとを区別することが望ましい(又は、個別化を提供するために必要である)場合がある。従って、開示された実施形態は、来客の動きと携帯型又は装着型なオブジェクトの動きの協調に基づいて、来客の動きと携帯型又は装着型なオブジェクトの動きを相関させることで、そのような区別を識別することを容易にする。オブジェクトの携帯性又は装着性は、オブジェクトの動きを引き起こすためのユーザの身体的特徴及び動きを助長することができる。
【0017】
この目的のために、本開示は、来客と来客が所持する対応するオブジェクトとを関連付けて、オブジェクトを介して実行されるアクションと来客をリンクさせる技術に向けられている。一実施形態では、来客は、所持しているオブジェクトを使用して、小道具又は他の来客など、遊園地の様々な特徴部と相互作用することができる。所持するオブジェクトによる来客の特定された相互作用及び来客の相互作用に基づいて、固有の事象が生じる場合があり、それによって来客に個別化された体験を提供することができる。本開示に記載されたシステム及び方法は、来客及びオブジェクトのそれぞれの動きに基づいて、来客とオブジェクトとを関連付ける正確なやり方を含む。一例として、来客の動きがオブジェクトの動きを引き起こしているか否かを決定することができ、それによって来客がオブジェクトを所持し、オブジェクトと関連していることを示すことができる。このようにして、来客はオブジェクトと正確にリンクさせることができ、来客、オブジェクト、及び/又は来客がオブジェクトを使用して行ったアクションに基づいて、ユニークな体験を提供することができる。
【0018】
この点を考慮して、
図1は、遊園地の相互作用型アトラクションシステム50の一実施形態の概略図である。本明細書で使用される場合、アトラクションシステム50は、ユーザ52(例えば、遊園地の来客)が参加してアトラクションシステム50の様々な特徴部と相互作用することができる空間を含むことができる。一実施構成において、アトラクションシステム50は、ユーザ52が収容される囲い又は境界(物理的又は仮想的)を含むことができる。追加的に又は代替的に、アトラクションシステム50は、ユーザ52が自由に歩き回ることができるオープンスペースを有することができる。各ユーザ52は、それぞれのオブジェクト54を所持することができ、このオブジェクト54は、ユーザ52の手に把持された携帯型オブジェクト又はデバイス(例えば、スポンジ状の剣)とすることができる。各ユーザ52は、それぞれのオブジェクト54を使用して、アトラクションシステム50の環境内でアクションを実行することができる。実行されたアクション及びこのアクションの検出に基づいて、アトラクションシステム50の特徴部は、更新することができる。例示的に。第1のユーザ52Aは、第1のオブジェクト54Aを所持して、第1のオブジェクト54Aをアトラクションシステム50の小道具55に向けることができる。これに応答して、実行されたアクションを反映するために、特定の特殊効果(例えば、照明、音声)を生じさせることができる。さらに、第2のユーザ52Bは、第2のオブジェクト54Bを所持し、第2のオブジェクト54Bを第1のユーザ52Aに向けることができる。これに応じて、アトラクションシステム50の別の特徴部は、更新することができる(例えば、追加の特殊効果を生じさせることができる)。ある実施形態では、特徴部は、アクションを実行する特定のユーザ52及び/又は特定のオブジェクト54に基づいて更新することができる。すなわち、例えば、第1の特徴部は、第1のユーザ52Aが第1のオブジェクト54Aを小道具55に向けると更新することができる。しかしながら、第1のユーザ52Aが第1のオブジェクト54Aを小道具55に向けたのと同じような方法で、第2のユーザ52Bが第2のオブジェクト54Bを小道具55に向ける場合でも、第2の異なる特徴部は、第2のユーザ52Bが第2のオブジェクト54Bを小道具55に向けると更新することができる。このように、アトラクションシステム50によって提供される体験は、特定のユーザ52の各々に対してより個別化される。向けることは、本実施形態に従って識別することができるジェスチャーの一例に過ぎないことに留意されたい。追加的に又は代替的に、ジェスチャーは、オブジェクト54を特定の特徴部(例えば、小道具55)に接触させること、オブジェクト54を特定の動作で動かすこと(例えば、幾何学的形状を形作ること)などを含むことができる。
【0019】
限られた空間内では、視覚データの重なりに起因して、センサ(例えば、カメラ)を用いて、どのユーザ52A,52Bがオブジェクト54A,54Bのうちの特定の1つを制御しているかを識別することが困難な場合がある。従って、アトラクションシステム50は、各オブジェクト54を、そのオブジェクト54を所持する対応するユーザ52と関連付けるように構成されており、それによって、アトラクションシステム50は、各オブジェクト54に関連する各ユーザ52によって実行されるアクションを決定することができる。1つの実施形態では、アトラクションシステム50は、機械視覚又は画像技術を利用して各オブジェクト54をそれぞれのユーザ52に関連付けることができる。例えば、アトラクションシステム50は、光を検出するように構成された光学センサ56を含むことができる。光学センサ56は、赤外線カメラ、3原色(RGB)カメラ、深度センサ、他の適切なタイプの光学センサ56、又はそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。さらに、光学センサ56は、複数のセンサ又は構成要素を含むことができる。例えば、光学センサ56は、特定の範囲の赤外光を取り込むように構成されたフィルタ補正センサ及び可視光を検出するためのセンサを含むことができる。光学センサ56は、例えば骨格追跡を用いてユーザ52の画像又はモデルを取得することができる。加えて、光学センサ56は、オブジェクト54の少なくとも一部の画像を取得することができる。一実施形態では、各オブジェクト54は、それぞれの参照要素58を含むことができ、参照要素58は光学センサ56で追跡可能であり、光学センサ56がオブジェクト54をより明確かつ正確に検出することを可能にする。参照要素58は、光学センサ56が(例えば、フィルタを使用して)参照要素58の位置を決定するための反射光をより確実に捕捉することを可能にする光反射器とすること又はそれを含むことができる。しかしながら、参照要素58は、光学センサ56が受け取る信号を出力するように構成された発光体など、光学センサ56がオブジェクト54を検出することを可能にする何らかの他の適切な構成要素を含むことができる。このように、光学センサ56は、アトラクションシステム50内の他の特徴部、例えば、光学センサ56に向かって光を反射する又は向かわせる可能性のある他の構成要素からオブジェクト54をより明確に区別することができ、それによって、光学センサ56は、参照要素58及びオブジェクト54をより正確に追跡することができる。一実施形態では、参照要素58は、例えばファスナ及び/又は接着剤によってオブジェクト54に結合することができる。追加的な又は代替的な実施形態では、参照要素58は、例えば溶着及び/又は成形によって、オブジェクト54と一体形成することができる。
【0020】
また、アトラクションシステム50は、メモリ62及びプロセッサ64を有する制御装置60を含むことができる。メモリ62は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又は、読出し専用(ROM)などの不揮発性メモリ、光学ドライブ、ハードディスクドライブ、半導体ドライブ、又は、アトラクションシステム50を動作させる命令を含む何らかの他の非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。プロセッサ64は、そのような命令を実行するように構成することができる。例えば、プロセッサ64は、1又は2以上の特定用途向けプロセッサ(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1又は2以上の汎用プロセッサ、又はそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。また、制御装置60は、光学センサ56から送られた光学データを受け取ることがきるように、光学センサ56に通信可能に接続された回路を含むことができる。光学データは、検出された光に基づいており、光学センサ56によって撮影された画像データを含むことができる。画像データは、ユーザ52及びオブジェクト54(例えば、オブジェクト54の参照要素58)のポジショニングを示す。制御装置60は、光学データを処理することができ、例えば、画像データを使用して、ユーザ52及びオブジェクト54のポジショニング(例えば、動き、位置、向き)を決定することができる。従って、光学センサ56及び制御装置60は、ユーザ52及びオブジェクト54のポジショニングを追跡するために協働することができる。
【0021】
例示的な実施形態では、制御装置60は、データを格納するように構成されたクラウドデータベース及び/又はローカルデータベースなどのデータベース66に通信可能に接続することもできる。データベース66は、各ユーザ52に関する情報を格納することができる。例示的に、データベース66は、各ユーザ52に関連付けられたユーザプロファイルを含むことができ、制御装置60は、対応するユーザ52によって実行された(例えば、対応するオブジェクト54を用いて及び/又は小道具55に対して)検出されたアクションに基づいて、各ユーザプロファイルを更新することができる。例えば、第1のユーザ52Aが第1のオブジェクト54を小道具55に向けたと判定することに応答して、制御装置60は、第1のユーザ52Aに関連付けられた第1のユーザプロファイルに第1のポイント値を与えることができる。同様に、第2のユーザ52Bが第2のオブジェクト54Bを小道具55に向けたと判定することに応答して、制御装置60は、第2のユーザ52Bに関連付けられた第2のユーザプロファイルに第2のポイント値を与えることができる。加えて、制御装置60は、第1のユーザ52Aが第2のユーザ52Bの第2のオブジェクト54Bに接触したと判定すると、第3のポイント値(例えば、負のポイント値)を第1のユーザプロファイルに与えることができる。各ユーザ52がそれぞれのアクションを実行すると、制御装置60は、実行されたアクション、関連するオブジェクト54などに基づいて、対応するユーザプロファイルを動的に更新することができる。さらなる実施形態では、制御装置60は、小道具55などのアトラクションシステム50の他の構成要素に通信可能に接続することができ、制御装置60は、オブジェクト54のうちの1つが小道具55に向かって適切にジェスチャーした、又は小道具55に接触したと判定すると、小道具55に関連する特殊効果を生じさせる信号を出力するように構成することができる。
【0022】
図2は、ユーザ52及びオブジェクト54の動きを追跡するように構成された光学センサ56を有するアトラクションシステム50の一実施形態の概略図である。図示された実施形態では、光学センサ56は、参照要素58を検出することができるが、光学センサ56は、オブジェクト54(
図1)の残りの部分を明確に検出しない場合がある。一例として、オブジェクト54の残りの部分は、光学センサ56のフィルタ処理された構成要素によって検出可能な光を反射しない場合がある。その結果、光学センサ56にから送られた光学データ(又はその一部)は、オブジェクトの残りの部分の画像データを含まない場合があり、制御装置60は、ユーザ52の画像と参照要素58の画像とを比較する際に、各参照要素58を対応するユーザ52に関連付けることによって、各オブジェクトを対応するユーザ52に関連付けることができる。ユーザ52の画像データは、参照要素58を検出するものとは異なる光学センサ56又は形態によって取得できることに留意されたい。いくつかの状況では、ユーザ52の1つ及び参照要素58の1つの瞬間的な位置に基づいて、参照要素58をユーザ52に関連付けることは正確ではない場合がある。例えば、図示の実施形態では、第1の参照要素58Aは、第1のユーザ52Aよりも第2のユーザ52Bに近接する場合があり、第2の参照要素58Bは、第2のユーザ52Bよりも第1のユーザ52Aに近接する場合がある。従って、各オブジェクト54を最も近接したユーザ52に関連付けることにより、制御装置60は、第1の参照要素58Aを第2のユーザ52Bに、同様に第2の参照要素58Bを第1のユーザ52Aに不正確に関連付ける可能性がある。
【0023】
このため、制御装置60は、瞬間的な画像データ(例えば、1つの時点を表す)を使用する代わりに、複数の画像データを使用して、各参照要素58を対応するユーザ52に関連付けることができる。このように、制御装置60は、各ユーザ52の動き及び各参照要素58の動きを決定して、ユーザ52と参照要素58とを互いに関連付けることができる。例示的に、制御装置60は、ユーザ52のうちの1つの動きを決定し、参照要素58のうちの1つの動きを決定し、ユーザ52の動きと参照要素58の動きとの間に相関関係がある否かを決定することができる。
【0024】
一例では、制御装置60は、第1のユーザ52Aが第1の方向90に(例えば、小道具55に向かって)移動していると決定することができる。また、制御装置60は、第1の参照要素58Aが第1の方向90に実質的に類似した第2の方向92に動いている及び第2の参照要素58Bが振動又は揺動様式で動いていると決定することができる。従って、制御装置60は、第1の参照要素58Aが、第1のユーザ52Aに対して相関的様式で動いており、第2の参照要素58Bが、第1のユーザ52Aに対して相関的様式で動いていないと決定することができる。従って、制御装置60は、第1の参照要素58Aが第1のユーザ52Aに対して位置するよりも、第第2の参照要素58Bが第1のユーザ52Aに対してより近接して位置するにもかかわらず、第1の参照要素58Aが第1のユーザ52Aに関連付けられていると決定することができる。さらに、制御装置60は、第2のユーザ52Bが第2の参照要素58Bと同様の振動又は揺動運動をしている(例えば、第1のユーザ52Bの腕が揺動している)と決定することができる。従って、制御装置60は、第2の参照要素58Bと第2のユーザ52Bとを正確に関連付けることができる。
【0025】
図3は、光学センサ56によって検出することができるユーザ52及びユーザ52の画像110(例えば、単一又は複数の画像)を示すアトラクションシステム50の実施形態の概略図である。図示された実施形態では、画像110は、視覚データ及び運動中の身体(例えば、人体)の骨格構造又は形態を特定するためのアルゴリズム又はモデル(例えば、身体的特徴認識アルゴリズム)から決定できるような、ある時点でのユーザ52の骨格構造を表す。光学センサ56は、画像110を示す光学データを制御装置60に送ることができる。ユーザ52が動くと、画像110はそれに応じてポジショニングを変え、光学センサ56から送られた光学データは、変化する画像110と骨格構造の再ポジショニングを示す。
【0026】
図3に示すように、画像110は、ユーザ52の骨格構造を表すための複数の点及び線分を含む。画像データから骨格構造を特定するための技術を用いて、これらの点及び線分を特定して、人間の特徴部に相関させることができる。実際には、点は一般的にユーザ52の様々な関節や他の特徴部を表すことができ、線分は各点を互いに接続することができる。例えば、画像110は、ユーザ52の頭部114を表すことができる第1の点112を含む。画像110は、さらに、ユーザ52の第1の肩又は腕の関節118を表す第2の点116と、第2の肩又は腕の関節122を表す第3の点120とを含むことができる。第1の線分124及び第2の線分126は、第2の点116から延びてユーザ52の第1の腕128を表し、第1及び第2の線分124,126は、ユーザ52の第3の腕関節(例えば、第1の肘)132を表す第4の点130で互いに接続される。また、第2の線分126は、ユーザ52の第1の手136を表すことができる第5の点134に接続される。同様に、第3の線分138及び第4の線分140は、第3の点120から延びてユーザ52の第2の腕142を表し、第3及び第4の線分138、140は、ユーザ52の第4の腕関節(例えば、第2の肘)146を表す第6の点144で互いに接続される。第4の線分140は、ユーザ52の第2の手150を表す第7の点148に接続される。さらに、第1の点112、第2の点116、及び第3の点120の各々は、それぞれ第5の線分154、第6の線分156、及び第7の線分158を介して第8の点152(例えば、ユーザ52の胸部)に接続することができる。
【0027】
第8の点152は、さらに、第8の線分162を介して第9の点160(例えば、ユーザ52の腰)に接続することができる。第9の線分164及び第10の線分166は、第9の点160から延びてユーザ52の第1の脚168を表すことができ、第9の線分164及び第10の線分166は、ユーザ52の第1の脚関節(例えば、第1の膝)172を表すことができる第10の点170で互いに接続することができる。ユーザ52の第1の足176を表すことができる第11の線分174は、第11の点178で第10の線分166に接続することができる。加えて、第12の線分180及び第13の線分182は、第9の点160から延びてユーザ52の第2の脚184を表すことができ、第12の線分180及び第13の線分182は、ユーザ52の第2の脚関節(例えば、第2の膝)188を表すことができる第12の点186で互いに接続することができる。第14の線分190は、第13の点192で第13の線分182に接続することができ、第14の線分190は、ユーザ52の第2の足194を表すことができる。
【0028】
一実施形態では、制御装置60は、画像110の各部分をユーザ52の対応する特徴部と関連付けるように構成することができる。例えば、制御装置60は、光学センサ56から受け取った光学データに身体的特徴アルゴリズムを適用して、第1の点112がユーザ52の頭部の一部に関連付けられること、第3の点120、第3の線分138、第4の線分140、第6の点144、及び第7の点148がユーザの第2の腕142に関連付けられること、第6の点144が第2の腕142の第4の腕関節146に関連付けられることなどを決定することができる。このようにして、制御装置60は、参照要素58の動きがユーザ52の動きによって引き起こされるか否かを決定するために、ユーザ52がどのように動いているか(例えば、ユーザ52のどの身体特徴部が動いているか)を良好に認識することができる。例えば、ユーザ52の特定の姿勢では、画像110の特定の部分(例えば、第1の脚168の第9の線分164と第1の腕128の第1の線分124)が互いに交差するか又は互いに密接に並んだ状態になる場合がある(例えば、ユーザ52が靴ひもを結ぶために前かがみになっている場合)。その結果、ユーザ52のそのような姿勢において、画像110のそのような部分によってユーザ52のどの部分が表されているかを区別することが難しい場合がある。しかしながら、制御装置60は、身体的特徴認識アルゴリズムを使用して、画像110の各部分をユーザ52の身体的特徴部に割り当てることができ、ユーザ52の特定の姿勢又は向きに関わらず、又は、ユーザ52の特定の姿勢又は向きに関して、画像110の各部分を区別することができる。従って、ユーザ52が、第1の線分124と第3の線分138が互いに交差して重なり合い、第7の点148が第4の点130に隣接して位置するように、第1の腕128と第2の腕142とを交差させている場合、制御装置60は、第1の線分124が第1の腕128に関連付けられ、第3の線分138が第2の腕142に関連付けられ、第4の点130が第3の腕関節132に関連付けられ、第7の点148が第2の手150に関連付けられることを決定し続けることができる。結果として、制御装置60は、ユーザ52のポジショニングを決定し続けることができる。
【0029】
本明細書では、画像110は、特定の数の点及び点同士を接続する線分を有するものとして説明されるが、追加的な又は代替的な実施形態は、ユーザ52の骨格構造を表すために、何らかの他の適切な数の点及び線分を有する画像110を含むことができる。一例として、代替的な画像は、
図3を参照して示された画像110よりも少ない点及び線分を有することができ、又は、代替的な画像は、追加の点及び線分を有することができる(例えば、ユーザ52の個々の指を表すために)。
【0030】
さらに、光学センサ56は、ユーザ52の画像データと参照要素58の画像データとの間の干渉を回避するために、互いに独立して、ユーザ52を追跡するように及び参照要素58を追跡するように構成された別個のセンサを含むことができることに留意されたい。例えば、光学センサ56は、参照要素58を画像110に関連付けせず、画像110の各部分をオブジェクト54に関連付けしない。このため、光学センサ56は、ユーザ52の画像110を追跡するように特に構成された、RGBカメラ、深度カメラ、光検出と測距(LIDAR)センサ、別の適切な位置センサ、又はこれらの何らかの組み合わせなどの第1のセンサ196を含むことができる。加えて、光学センサ56は、参照要素58を追跡するように特に構成された、赤外線センサなどの第2のセンサ198を含むことができる。このため、参照要素58は、参照要素58を他の特徴(例えば、ユーザ52、他の光源)からより効果的に区別するために、第1のセンサ196ではなく、第2のセンサ198によって検出可能な信号又は他の指示を出す(例えば、引き起こす又は反射する)ことができる。例示的に、参照要素58は、有限帯域幅内の波長を有する光(例えば、赤外光)を反射するようにフィルタ処理された再帰反射材料を含むことができ、第2のセンサ198は、有限帯域幅内の波長を有する光を検出しかつ他の帯域幅内の波長を有する光を検出しないようにフィルタ処理することができる。このように、光学センサ56は、有限帯域幅の外側の波長を有する光を反射することができる他の特徴部と参照要素58を区別することができる。ある実施形態では、各オブジェクト54のそれぞれの参照要素58は、互いに異なることができる。例示的に、各参照要素58は、制御装置60が参照要素58と他の参照要素58を区別することができるように、特定の形状又は特定の波長の反射光などの特定の特徴を有することができる。このようにして、制御装置60は、異なるオブジェクト54を互いに区別することができ、個別に決定されたオブジェクト54に基づいて、ユニークな体験を提供することができる。
【0031】
さらに、制御装置60は、それぞれの画像110に基づいて、異なるユーザ52を互いに区別するように構成することができる。一実施形態では、制御装置60は、それぞれの画像110の各点のポジショニング、各線分の長さなどに基づいて異なる画像110を互いに区別することができる。このように、制御装置60は、特定の画像110(例えば、特定の特性を有する)をアトラクションシステム50内の各ユーザ52に関連付け、どのユーザ52がアクションを行っているかを正確に決定することができる。これは、起こり得る人間の動きと参照要素58の相関する動きを認識するための一連の画像110の分析を含むことができる。例えば、参照要素58が前後に揺動していると決定され、ユーザ52の手首が相関したやり方で素早く動いている(flick)と決定された場合、参照要素58とユーザ52の手首との関連付けを行うことができる。データベース66に格納されたデータ、及び/又は、機械学習又は人工知能を用いて確立されたデータは、そのような関連性を認識するために使用することができる。追加的な又は代替的な実施形態では、制御装置60は、ユーザ52の顔の特徴を認識するように構成することもできる。このため、光学センサ56は、各ユーザ52の目の色、鼻の位置、目の間隔、顔色などの顔の特徴を示す光学データを制御装置60に送るように構成された第3のセンサ199(又は単に同じセンサを使用)を含むことができる。次に、制御装置60は、固有の顔の特徴を識別し、特定のユーザ52を対応する固有の顔の特徴に割り当てるために、例えば、各画像110に特定の顔の画像を割り当てるために顔認識アルゴリズムを適用することができ、制御装置60は、さらにユーザ52を互いに区別することができる。
【0032】
制御装置60は、特定の参照要素58がユーザ52に関連付けられているか否かを決定するために、画像110の点及び線分のポジショニングを特定することができる。一実施形態では、制御装置60は、光学センサ56から受け取った光学データに身体運動学アルゴリズムを適用して、ユーザ52の動きが参照要素58の動きと相関しているか否かを決定することができる。図示された例では、オブジェクト54は、細長い又は伸長された形状の剣であり、参照要素58は、オブジェクト54の先端200に位置する。追加的な又は代替的な例では、オブジェクト54は、球形などの何らかの適切な形状とすることができ、及び/又は、参照要素58は、光学センサ56及び制御装置60が協働して参照要素58のポジショニングを追跡できるように、オブジェクト54の何らかの適切な場所に位置することができる。
【0033】
オブジェクト54は、図示された実施構成では、ユーザ52の第1の手136に保持されているが、オブジェクト54は、何らかの適切な方法でユーザ52が装着又は所持できることに留意されたい。
図3を参照すると、第1の腕128の何らかの部分(例えば、第1の腕関節118及び/又は第3の腕関節132)が動くと、参照要素58は同様に動くことができる。身体運動学アルゴリズムは、第1の腕128を表す画像110(例えば、第1の点112、第1の線分124、第2の線分126、第4の点130、第5の点134の)の動きが、参照要素58の動きに対応するか否かを決定するために使用することができる。一例として、制御装置60は、身体的特徴認識アルゴリズムを用いて、第5の点134がユーザ52の第1の手136に関連付けられていると決定することができる。また、制御装置60は、参照要素58と第5の点134との間の距離、第5の点134と参照要素58の動きなどの、参照要素58と第5の点134のポジショニングに基づいて、ユーザ52が第1の手136にオブジェクト54を保持していると決定することができる。
【0034】
別の例として、制御装置60は、第5の点134が第4の点130を中心に回転方向202に回転しており(例えば、ユーザ52が第3の腕関節132を中心に第1の手136を揺動させている)、参照要素58も回転方向202に動いていると決定することができる。次に、制御装置60は、身体運動学アルゴリズムを適用して、例えば、第5の点134及び参照要素58のそれぞれの回転に関連する各円弧の半径、第5の点134及び参照要素58の回転角度、第5の点134と参照要素58の間の距離などに基づいて、第5の点134の回転運動が参照要素58の回転運動と相関しているか否かを決定することができる。従って、第1のユーザ52Aが主として第1及び第2の脚168,184を動かしており(例えば、歩行)、第1及び第2の腕128,142を動かしておらず、さらに第2のユーザ52Bが第1の腕128を動かして第5の点134の動きを生じさせる場合、制御装置60は、参照要素58が第2のユーザ52Bに関連付けられていると決定することができる。
【0035】
さらに、制御装置60は、ユーザ52がもはや第1の手136でオブジェクト54を保持していないか否かを決定することができる。さらなる例として、制御装置60は、ユーザ52の第1の腕128の動きが、もはや参照要素58の動きに影響を与えないと決定することができる。しかしながら、制御装置60は、ユーザ52の第2の腕142の動きが、参照要素58の動きと相関していると決定することができる。結果的に、制御装置60は、次に、ユーザ52が第2の手150でオブジェクト54を保持していると決定する。
【0036】
また、制御装置60は、身体運動学アルゴリズムを使用して、画像110の他の部分の動きが参照要素58の動きと相関するか否かを決定することができる。身体運動学アルゴリズムは、動きを身体の特徴及び動きシーケンスに相関させることができる。相関は、例えば、腕の長さを肩(例えば、第1又は第2の腕関節118、122)を中心点とする球の半径のように扱う、身体及び関連する幾何学的形状に対する規定された腕の動きに基づくことができる。一例として、ユーザ52は、かがみ込み、結果的に第1及び第2の脚168,184を曲げる場合がある。制御装置60は、画像110の垂直方向206への全体的な動き、第9の線分164の第10の点170を中心とした回転、第12の線分180の第12の点186を中心とした回転などに基づいて、ユーザ52のそのような動きを決定することができる。次に、制御装置60は、画像110の動きを、垂直方向206において参照要素58が動いた距離などの参照要素58の動きと比較して、ユーザ52の動きが、参照要素58及びオブジェクト54の動きと相関しているか否かを決定することができる。
【0037】
制御装置60は、オブジェクト54が異なるユーザ52によって所持されていると決定するまで、参照要素58及びオブジェクト54をユーザ52と関連付けし続ける場合があることに留意されたい。例えば、ユーザ52は、オブジェクト54を落とす場合がある。従って、ユーザ52及びユーザ52に関連付けられた画像110の動きは、参照要素58の動きを生じさせない場合がある。しかしながら、制御装置60は、ユーザ52の画像110の動きと参照要素58の動きに相関がないにもかかわらず、参照要素58をユーザ52に関連付けし続ける場合がある。このため、ユーザ52がオブジェクト54を物理的に所持していない場合であっても、制御装置60は、オブジェクト54に基づいてユーザ52に関連付けられた特徴部を更新し続ける場合があり、例えば、オブジェクト54によって生じる相互作用(例えば、オブジェクト54が転がって小道具に向かって規定されたジェスチャーを行う)に応じてユーザ52にポイントが与えられる場合がある。しかしながら、制御装置60は、異なるユーザの動きが参照要素58の動きと相関すると決定すると、オブジェクト54を異なるユーザと関連付けるように構成することができる。一例では、第1のユーザ52A(
図3)がオブジェクト54を第2のユーザ52B(
図3)に渡し、第1のユーザ52Aがオブジェクト54を所持しなくなり、第2のユーザ52Bがオブジェクト54を所持する場合がある。その結果、制御装置60は、参照要素58の動きが、第2のユーザ52Bの動き(例えば、第2のユーザ52Bの画像の動き)に対応し、第1のユーザ52Aに対応しないと決定する。従って、制御装置60は、オブジェクト54の関連付けを、第1のユーザ52Aから第2のユーザ52Bに変更することができる。換言すると、制御装置60は、オブジェクト54との間に生じる相互作用に基づいて、第1のユーザ52Aではなく、第2のユーザ52Bに関連付けられた特徴部を更新することができる。追加的に又は代替的に、制御装置60は、どちらのユーザがオブジェクト54を所持しているかに関わらず、オブジェクト54と第1のユーザ52Aを関連付けし続けることができる。このようにして、参照要素58の動きが第2のユーザ52Bの動きと相関し、オブジェクト54との相互作用が第2のユーザ52Bによって引き起こされるように、第2のユーザ52Bがオブジェクト54を所有していても、制御装置60は、オブジェクト54に関連する相互作用の結果として、第1のユーザ52Aに関連する特徴部を更新し続けることができる。
【0038】
図4は、オブジェクトに関連する相互作用に応答してアトラクションシステムの特徴部を更新するための方法又はプロセス230の一実施形態のブロック図である。方法230は、
図1-3の制御装置60のような制御装置によって実行することができる。しかしながら、方法230は、コンピューターデバイスなどの何らかの他の適切な構成要素によって実行することができる。また、方法230の各ステップは、アトラクションシステムの異なる実施形態など、
図4に示すのとは異なるやり方で実行できることに留意されたい。例示的に、追加のステップを実行すること、及び/又は、方法230の特定のステップを削除する、修正する、異なる順序で実行すること、及び/又は、互いに同時に実行することができる。
【0039】
ブロック232において、ユーザの動きを決定する。一例として、ユーザの画像は、画像を示す光学データを送る光学センサによってリアルタイム(例えば、本質的に瞬時)に特定することができる。ユーザの動きは、画像の点、線分、及び画像の他の関連する特徴のポジショニングに基づいて、画像を使用して追跡することができる。さらに、特定のユーザを識別することができる。例えば、検出された画像は、身体的特徴認識アルゴリズムを用いて、画像に関連する固有の特性を決定するために評価及び分析することができる。追加的に又は代替的に、例えば顔認識アルゴリズムを用いて、ユーザの顔の特徴を評価及び分析して、顔の特徴の固有の特性を決定することができる。従って、光学データは、ユーザに関する特徴的な情報を含むことができ、この情報は、ユーザを他のユーザから区別することを可能にし、それによって特定のユーザを追跡することを可能にする。
【0040】
ブロック232でのステップと同時に生じる場合があるブロック234において、オブジェクトの動きを決定する。一実施形態では、オブジェクトは、その上に配置された参照要素を含むことができる。従って、参照要素の動きを決定することは、オブジェクトの動きを決定することにもなる。さらに、参照要素は、参照要素がアトラクションシステムの他の特徴部と区別されるようにする特性(例えば、再帰反射特性)を含むことができる。このように、参照要素及びオブジェクトの動きをより正確に追跡することができる。特定の実施形態では、参照要素は、参照要素を他のオブジェクトから区別することを可能にする固有の特性を含むことができ、それによって特定のオブジェクトを追跡することが可能になる。
【0041】
ブロック236において、ユーザの動きがオブジェクトの動きに対応しているか否かを決定することができる。例えば、身体運動学アルゴリズムを適用して、点及び/又は線分の変位などの画像内のポジショニングが、オブジェクトの参照要素のポジショニングと相関しているか否かを決定することができる。ある実施形態では、特定のオブジェクトが特定のユーザに関連付けられていると決定することができる。例えば、ユーザは、ユーザプロファイルなどの(例えば、ユーザに関連する画像の特徴又は顔の特徴に基づく)固有のユーザ識別子を有することができ、オブジェクトは、オブジェクトタグなどの(例えば、固有の特徴に基づく)固有のオブジェクト識別子を有することができる。従って、固有のユーザ識別子は、固有のオブジェクト識別子と関連付けることができ、それによって、ユーザとオブジェクトとの間により特徴的な関連性を作り出すことができる。
【0042】
ブロック238において、例えばオブジェクトのポジショニングに基づいて、オブジェクトに関連するアクションが決定される。1つの実施構成では、ポジショニングは、オブジェクトの特定の向き又は位置(例えば、座標位置)を含むことができる。オブジェクトの向き又は位置は、オブジェクトがアトラクションシステムの別の特徴部又は構成要素(例えば、小道具又は別のユーザ)と接触しているアクションを示すことができる。別の実施構成では、ポジショニングは、オブジェクトの特定の運動又は動きを含むことができる。オブジェクトのこのような運動は、ユーザがオブジェクトを使用して特定のジェスチャーを行っているアクションを示すことができる(例えば、小道具を指し示すこと)。
【0043】
ブロック240において、オブジェクトに関連するアクションが発生したと決定することに応答して、アトラクションシステムの特徴部が更新される。例示的に、ユーザに相互作用的かつ没入感のある体験を提供するために、特殊効果をアクティブにすることができる。追加的な又は代替的な実施構成において、データベースに保存された情報又はデータなどの、特定のユーザに関する情報又はデータが更新される。情報は、特定のユーザに関連付けられたユーザプロファイル又はユーザレコードに与えられたポイント値、及び/又は、アトラクションシステムの相互作用型ゲームのような、特定のオブジェクトに関連付けられたオブジェクトレコードに与えられたポイント値を含むことができる。さらに、情報は、アクションを実行することができる小道具に基づくことができる。例えば、アトラクションシステムは、複数の小道具を含むことができ、各小道具は、与えられたポイント値の特定の量など、データベースの特定の更新に関連付けられる。従って、複数の小道具のうち第1の選択された小道具に対して実行されたアクションは、複数の小道具のうち第2の選択された小道具に対して実行された別のアクションとは異なる情報の更新をもたらすことができる。このように、特徴部は、ユーザ、オブジェクト、アクション、選択された小道具、又はそれらの何らかの組み合わせに基づいて更新することができ、それによって、ユーザのために個別化されたユニークな体験を作り出すことができる。
【0044】
本明細書では、開示された実施形態の特定の特徴のみを図示及び説明してきたが、当業者であれば多くの修正及び変更を想起するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神の範囲に入るすべてのそのような修正及び変更をカバーすることが意図されていることを理解されたい。
【0045】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0046】
50 アトラクションシステム
52A 第1のユーザ
52B 第2のユーザ
54A 第1のオブジェクト
54B 第2のオブジェクト
55 小道具
56 光学センサ
58A 第1の参照要素
58B 第2の参照要素
60 制御装置
62 メモリ
64 プロセッサ
66 データベース
【国際調査報告】