(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】娯楽用アトラクションのための抵抗制御システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A63G 31/16 20060101AFI20221027BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20221027BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A63G31/16
G06T19/00 300B
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510118
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 US2020047245
(87)【国際公開番号】W WO2021035074
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ステパニアン マーク アラン
(72)【発明者】
【氏名】バーナー ジョーダン ディロン
(72)【発明者】
【氏名】ブランケンシップ タイラー ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】モガダム デヴィッド ボバック
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050BA11
5B050EA09
5B050EA27
5B050FA02
5E555AA08
5E555AA76
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC01
5E555BE17
5E555CA41
5E555CA45
5E555DA08
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
娯楽用アトラクションの乗客支持体のための抵抗制御システム(12)が、第1の基礎と、第2の基礎と、第1の基礎と第2の基礎との間に延びる支持体とを含む。第2の基礎は、枢動継手(46)において支持体に枢動可能に結合される。抵抗制御システム(12)は、モータ(320)と、モータ(320)及び第2の基礎に結合されたリンクシステム(322)とをさらに含み、モータ(320)は、リンクシステム(322)を介して、枢動継手(46)を中心とした第1の基礎に対する第2の基礎の動きに対する抵抗を調整するトルクを出力するように構成される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
娯楽用アトラクションの乗客支持体のための抵抗制御システムであって、
第1の基礎と、
第2の基礎と、
前記第1の基礎と前記第2の基礎との間に延びる支持体と、
を備え、前記第2の基礎は、枢動継手において前記支持体に枢動可能に結合され、前記抵抗制御システムは、
モータと、
前記モータ及び前記第2の基礎に結合されたリンクシステムと、
をさらに備え、前記モータは、前記リンクシステムを介して、前記枢動継手を中心とした前記第1の基礎に対する前記第2の基礎の動きに対する抵抗力を調整するためにトルクを出力するように構成される、
ことを特徴とするリンクシステム。
【請求項2】
前記リンクシステムは、リンケージに結合されたブラケットを含み、前記リンケージは前記第2の基礎に結合され、前記モータは、前記ブラケットの回転を引き起こして前記リンケージを介して前記第2の基礎上に力を与えて、前記枢動継手を中心とした前記第2の基礎の動きに対する抵抗を調整するために前記トルクを出力するように構成される、
請求項1に記載の抵抗制御システム。
【請求項3】
前記リンケージは、前記ブラケットに回転可能に結合される、
請求項2に記載の抵抗力制御システム。
【請求項4】
前記モータに通信可能に結合されたコントローラを備え、該コントローラは、前記モータに前記トルクを出力するように命令するよう構成される、
請求項1に記載の抵抗力制御システム。
【請求項5】
前記コントローラは、仮想現実(VR)コントローラに通信可能に結合され、前記コントローラは、前記VRコントローラから受け取られた入力に基づいて前記モータに前記トルクを出力するように命令するよう構成される、
請求項4に記載の抵抗制御システム。
【請求項6】
前記モータは、前記第2の基礎を前記第1の基礎に対して縦揺れ、横揺れ、平行移動、又はこれらのいずれかの組み合わせで動かすために前記トルクを出力するように構成される、
請求項1に記載の抵抗制御システム。
【請求項7】
前記リンクシステムに結合されたさらなるモータを備え、前記モータ及び前記さらなるモータは逆駆動可能モータである、
請求項1に記載の抵抗制御システム。
【請求項8】
娯楽用アトラクションの乗り物車両のための抵抗制御システムであって、
第1の基礎と、
枢動継手に結合され、該枢動継手を介して前記第1の基礎に対して動くように構成された第2の基礎と、
リンクシステムを介して前記第2の基礎の動きを引き起こすように構成されたモータと、
前記モータに通信可能に結合されたコントローラと、
を備え、前記コントローラは、入力を受け取り、該入力に基づいて、前記枢動継手を中心とした前記第1の基礎に対する前記第2の基礎の動きに対する抵抗を調整するためにトルクを出力するように前記モータに命令するよう構成される、
ことを特徴とする抵抗制御システム。
【請求項9】
前記コントローラに通信可能に結合されたセンサを備え、前記入力は、前記センサによって送信されたセンサデータを含む、
請求項8に記載の抵抗制御システム。
【請求項10】
前記センサは、位置センサ、重量センサ、視覚センサ、又はこれらのいずれかの組み合わせである、
請求項9に記載の抵抗制御システム。
【請求項11】
前記コントローラに通信可能に結合された入力装置を備え、前記入力は、前記入力装置を介して受け取られたユーザ入力を含む、
請求項8に記載の抵抗制御システム。
【請求項12】
前記コントローラは、抵抗設定データベースを記憶するメモリを含み、前記コントローラは、前記抵抗設定データベースに問い合わせて前記入力に基づいて目標トルクを決定し、前記モータに前記目標トルクを出力するように命令するよう構成される、
請求項8に記載の抵抗制御システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記枢動継手を中心とした前記第1の基礎に対する前記第2の基礎の動きを引き起こすために前記トルクを高めるように前記モータに命令するよう構成される、
請求項8に記載の抵抗制御システム。
【請求項14】
前記コントローラは、仮想現実(VR)コントローラに通信可能に結合され、前記入力は、前記VRコントローラによって送信された信号を含む、
請求項8に記載の抵抗制御システム。
【請求項15】
娯楽用アトラクションであって、
VRコントローラを含む仮想現実(VR)装置と、
乗り物車両と、
車両コントローラと、
を備え、
前記VRコントローラは、前記VR装置に画像を提示するように命令するよう構成され、
前記乗り物車両は、
第1の基礎と、
第2の基礎と、
前記第1の基礎と前記第2の基礎との間に延びる支持体と、
を含み、前記支持体は、枢動継手を介して前記第2の基礎に枢動可能に結合され、前記第2の基礎は、前記枢動継手を介して前記第1の基礎に対して動くように構成され、前記乗り物車両は、
前記枢動継手、又は前記第2の基礎に結合されたリンクシステムを介して、前記第1の基礎に対する前記第2の基礎の動きを引き起こすように構成されたモータをさらに含み、
前記車両コントローラは、前記VRコントローラ及び前記モータに通信可能に結合され、前記車両コントローラと前記VRコントローラとの間の通信に基づいて前記モータにトルクを出力するように命令するよう構成される、
ことを特徴とする娯楽用アトラクション。
【請求項16】
前記VRコントローラは、前記VR装置に前記画像を含む仮想環境を提示するように命令するよう構成され、前記車両コントローラは、前記VR装置によって提示された前記仮想環境に対応して前記トルクを出力するように前記モータに命令するよう構成される、
請求項15に記載の娯楽用アトラクション。
【請求項17】
前記車両コントローラは、前記第1の基礎に対する前記第2の基礎の動きを示す信号を受け取るように構成され、前記車両コントローラは、前記VR装置によって提示された画像を前記信号に基づいて調整するように前記VRコントローラに命令するよう構成される、
請求項15に記載の娯楽用アトラクション。
【請求項18】
前記車両コントローラは、前記枢動継手を中心とした前記第1の基礎に対する前記第2の基礎の動きに対する抵抗を調整するために前記トルクを出力するように前記モータに命令する半受動モードで動作するように構成される、
請求項15に記載の娯楽用アトラクション。
【請求項19】
前記車両コントローラは、前記枢動継手を中心とした前記第1の基礎に対する前記第2の基礎の動きを引き起こすために前記トルクを出力するように前記モータに命令する能動モードで動作するように構成される、
請求項15に記載の娯楽用アトラクション。
【請求項20】
前記車両コントローラは、前記VRコントローラから触覚フィードバック要求を受け取るように構成され、前記車両コントローラは、前記触覚フィードバック要求を満たすために前記トルクを出力するように前記モータに命令するよう構成される、
請求項15に記載の娯楽用アトラクション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2019年8月21日に出願された「娯楽用アトラクションのための抵抗制御システム及び方法(RESISTANCE CONTROL SYSTEMS AND METHODS FOR AMUSEMENT ATTRACTIONS)」という名称の米国仮特許出願第62/889,943号の利益を主張する、2019年11月18日に出願された「娯楽用アトラクションのための抵抗制御システム及び方法」という名称の米国出願第16/687,354号の一部継続出願であり、これらの文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下で説明及び/又は特許請求する本技術の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0003】
様々な娯楽用アトラクションは、乗客に固有の動き及び視覚的体験を提供するように形成されている。いくつかの事例では、娯楽用アトラクションが、乗り物車両と、乗り物車両が移動する乗り物軌道(又はその他の経路)とを含むことができる。ますます増加する娯楽用アトラクションでは、乗り物車両が経路をたどらないこともある。例えば、車両は、ある場所に固定されている間に横揺れ、縦揺れ及び/又は偏揺れするように構成することができる。このような車両は静止型車両と呼ぶことができる。静止型車両及び経路をたどる車両の両方では、さらなる興奮をもたらすために仮想現実(VR)装置が採用されている。現在では、乗り物体験における興奮及び没入感を高めるために、乗客にこれらの乗り物及び/又は関連するVR体験のいくつかの側面を制御する能力を与えることが望ましいと認識されている。例えば、現在では、ユーザに乗り物車両を操縦する能力を与え、又はVR装置を介してユーザに少なくとも自分が乗り物車両を操縦していると感じさせることが望ましいと認識されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0005】
本実施形態は、第1の基礎と、第2の基礎と、第1の基礎と第2の基礎との間に延びる支持体とを含む、娯楽用アトラクションの乗客支持体のための抵抗制御システムに関する。第2の基礎は、枢動継手(pivot joint)において支持体に枢動可能に結合される。抵抗制御システムは、モータと、モータ及び第2の基礎に結合されたリンクシステムとを含み、モータは、リンクシステムを介して、枢動継手を中心とした第1の基礎に対する第2の基礎の動きに対する抵抗を調整するためにトルクを出力するように構成される。
【0006】
本実施形態は、第1の基礎と、枢動継手に結合されて枢動継手を介して第1の基礎に対して動くように構成された第2の基礎と、リンクシステムを介して第2の基礎の動きを引き起こすように構成されたモータと、モータに通信可能に結合されたコントローラとを含む、娯楽用アトラクションの乗り物車両のための抵抗制御システムに関する。コントローラは、入力を受け取り、入力に基づいて、枢動継手を中心とした第1の基礎に対する第2の基礎の動きに対する抵抗を調整するためにトルクを出力するようにモータに命令するよう構成される。
【0007】
本実施形態は、VRコントローラを有する仮想現実(VR)装置と、乗り物車両とを含み、VRコントローラが、VR装置に画像を提示するように命令するよう構成され、乗り物車両が、第1の基礎と、第2の基礎と、第1の基礎と第2の基礎との間に延びる支持体とを有する娯楽用アトラクションに関する。支持体は、枢動継手を介して第2の基礎に枢動可能に結合され、第2の基礎は、枢動継手を介して第1の基礎に対して動くように構成される。乗り物車両は、枢動継手、又は第2の基礎に結合されたリンクシステムを介して、第1の基礎に対する第2の基礎の動きを引き起こすように構成されたモータも含む。娯楽用アトラクションは、VRコントローラ及びモータに通信可能に結合された車両コントローラをさらに含む。車両コントローラは、車両コントローラとVR制御装置との間の通信に基づいて、モータにトルクを出力するように命令するよう構成される。
【0008】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態による、仮想現実(VR)装置を装着した乗客の体験を強化する抵抗制御システム及び静止型乗り物車両を有する娯楽用アトラクションの実施形態を示す概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による、抵抗制御システムが
図1の静止型乗り物車両の抵抗を調整できるようにするプロセスの実施形態のフロー図である。
【
図3】本開示の実施形態による、
図1の静止型乗り物車両の実施形態の断面立面図である。
【
図4】本開示の実施形態による、傾斜配向にある
図3の静止型乗り物車両の実施形態の側面斜視図である。
【
図5】本開示の実施形態による、複合ばねを有する静止型乗り物車両の別の実施形態の概略的斜視図である。
【
図6】本開示の実施形態による、
図5の静止型乗り物車両の複合ばね列の実施形態の概略図である。
【
図7】本開示の実施形態による、モータを有する
図1の静止型乗り物車両の別の実施形態の斜視図である。
【
図8】本開示の実施形態による、モータを有する
図1の静止型乗り物車両の別の実施形態の斜視図である。
【
図9】本開示の実施形態による、抵抗制御システムがモータを介して
図1の静止型乗り物車両の動作を調整できるようにするプロセスの実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明していない場合もある。いずれかの工学又は設計プロジェクトに見られるいずれかのこのような実施の開発では、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の特定の目的を達成するために数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0011】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介する場合、「a」、「an」及び「the」といった冠詞は、これらの要素が1つ又は2つ以上存在することを意味するものとする。「備える(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的なものとして意図されており、列記する要素以外のさらなる要素が存在し得ることを意味する。また、本開示の「1つの実施形態」又は「ある実施形態」についての言及は、記載する特徴も含むさらなる実施形態の存在を排除するものとして解釈されるように意図するものではないと理解されたい。
【0012】
本実施形態は、乗客が仮想現実(VR)システムのVR装置を装着するアトラクションなどの娯楽用アトラクションの抵抗制御システムに関する。一般に、乗客は、乗客の下方に位置する乗り物車両に対して体重を預け又は移動させることによって、静止型アトラクションのVRシステムに入力を提供する。乗り物車両は、VR装置を通じて提供される乗馬又はパラグライダー操縦などの仮想体験をシミュレートするために、この動きに適切に抵抗するように引張し、係合し、又は別様に力を与える支持体を含む。本明細書で説明するように、抵抗制御システムは、動きに対する乗り物車両の抵抗を選択的に調整することを可能にし、従って、例えば様々な体重の人々に特定の(例えば、同様の)体験を提供し、及び/又は静止型アトラクション上で幅広い乗客の好み又は因子に対応することを可能にする。
【0013】
抵抗制御システムの乗り物車両は、一般にばね板に結合された椅子又はシートなどの乗客収容部を含む。いくつかの実施形態では、ばね板が、乗客が自身の体重でばね板を縦揺れ及び横揺れさせることを可能にする構造継手(例えば、自在継手(universal joint))によって支持される。とりわけ、ばねは、ばね板の下方に配置されたアクチュエータプレートに選択的に接触するようにばね板に係合し、又はばね板の表面に結合される。アクチュエータプレートは、アクチュエータを介してばね板に対して垂直に配置され、従ってばね板の縦揺れ及び横揺れの動き中にばね板のばねが収縮して安定性をもたらすことを可能にする。アクチュエータは、乗客の動きに対する抵抗制御システムの抵抗を増加又は減少させるために、アクチュエータプレートをそれぞれ上下に動かすことができる。従って、抵抗制御システムは、通常の乗り物サイクル中に乗客の体重又はその他のパラメータを測定し、これに応じてばねの張力を所定の設定又は有効ばね定数に変更するようにアクチュエータに命令することができる。他の実施形態では、ばね板に結合された複合ばね又は円錐ばねが乗客によって目標高さまで受動的に圧縮されてラチェット装置で固定され、これによって乗客の動きに対する目標抵抗を与えることができる。
【0014】
さらなる実施形態では、抵抗制御システムがモータの制御を介して移動抵抗(resistance of movement)を与えることができる。例えば、モータは、リンケージを介してばね板に結合することができ、(例えば、アクチュエータプレートに対する)ばね板の動きに対する抵抗を高めるためにばね板上にトルクを与えるように構成することができる。さらに、モータは、ユーザがばね板を動かす(例えば、縦揺れ又は横揺れさせる)ことを可能にするために、ユーザが自身の体重などを介してばね板に与える力によって逆駆動することができる。従って、モータは、ばね板の移動抵抗を増加又は減少させるためにそれぞれ出力トルクを増加又は減少させることができる。例えば、抵抗制御システムは、ユーザの体重及び/又は好みに基づいて出力トルクを調整してばね板の移動抵抗を変化させることができる。さらに、抵抗制御システムは、ばね板の動きを積極的に引き起こすトルクをモータに出力させることもできる。いずれにせよ、抵抗制御システムは、完全に受動的なシステム及び/又は完全に能動的なシステムと比べてゲストに改善された体験を提供する。
【0015】
図1に示すように、娯楽用アトラクション10は、車両コントローラ14(例えば、コントローラ)と乗り物車両16(例えば、動きシミュレータ)とを有する抵抗制御システム12を含む。この娯楽用アトラクション10の実施形態には、乗り物車両16がシート20を有し、ここから乗客22が乗り物車両16を操縦して、VRコントローラ26を有するVR装置24(例えば、VRヘッドセット、ウェアラブル視覚化装置)によってサポートされる仮想体験を受け取ることができることを示す。他の実施形態では、VR装置24が含まれず、VR効果を有していない抵抗制御システム12によってさらなる興奮が加わる。なお、乗り物車両16は、そり、オートバイ、動物、サーフボード及びスケートボードなどを含むいずれかの好適な形態をとることができると理解されたい。本明細書では1人の乗客22を参照しながら抵抗制御システム12について説明しているが、同様の技術を適用して抵抗制御システム12を多乗客用乗り物車両に適合させることもできると理解されたい。
【0016】
本実施形態では、乗り物車両16のばね板32の上面30にシート20が結合され、ばね板32の下面36にばね34が係合又は結合される。なお、他の実施形態では、ばね板32がフレーム又はフレームワークであって固体板ではない。さらに、乗り物車両16の残り部分に対してばね板32の移動抵抗を与えるために、モータ及び/又はリンケージ(例えば、リンクシステム)などの他の特徴又はコンポーネントを使用することもできる。本実施形態では、乗り物車両16が、筋交い(struts)44を介して支持梁42に結合されたベース40を含む。支持梁42は、枢動継手46を介してばね板32の底面36に結合される。本実施形態の枢動継手46は、ばね板32が横揺れ50及び縦揺れ52を介してベース40に対して回転することを可能にする。図示の実施形態では、ベース40が地面54に対して概ね固定されている。しかしながら、他の実施形態では、ベース40を、経路(例えば、軌道)をたどるさらに大型の車両の一部とすることもできる。いくつかの実施形態では、枢動継手46を、垂直軸72に平行な軸を中心としたばね板32の回転運動56(例えば、偏揺れ運動)も可能にする球面軸受継手(spherical bearing joint)又は自在継手とすることができる。他の実施形態では、枢動継手46が、(例えば、単一自由度に対応する)単一軸に沿った動きを可能にすることができ、これは簡略化された娯楽用アトラクション10に適することができる。例えば、枢動継手46は、単一軸の周囲の回転をもたらすために、ジンバル継手又はヒンジ付きジンバル拡張継手(hinged gimbal expansion joint)とすることができる。いずれにせよ、ベース40、支持梁42及び枢動継手46は、一般にばね板32のいずれかの好適な枢動自由度を可能にしながらばね板32を支持する支持アセンブリ60を形成する。
【0017】
乗客22によって装着されるVR装置24は、乗客22の視野内に相互作用的仮想体験をレンダリングするVR技術を実装する。例えば、VRコントローラ26は、VR装置24のディスプレイに、プロセッサ62及びメモリ64を介して相互作用的仮想体験に対応する標的仮想イメージセットを生成するように命令することができる。いくつかの実施形態では、VR技術が拡張現実技術も含む。図示のように、VR装置24のVRコントローラ26は、無線通信コンポーネント66を介して車両コントローラ14に通信可能に結合される。他の実施形態では、VRコントローラ26が、有線接続、BLUETOOTH(登録商標)接続及びWi-Fi接続などの通信接続を形成するいずれかの好適なコンポーネントを介して車両コントローラ14に通信可能に結合することができる。なお、いくつかの実施形態では、VR装置24を通じて提供される仮想体験を、乗り物車両16の物理的外観及び/又は娯楽用アトラクション10のテーマに対応するように選択することができると理解されたい。例えば、娯楽用アトラクション10のテーマがジャングルである実施形態では、乗り物車両16のシート20を動物として設計し、仮想体験をジャングル内を走り抜けるレースとして乗客22に表示することができる。このようなまとまりのある娯楽用アトラクション10のコンポーネントの設計は、乗客22に一貫した没入的体験を提供することができる。他の実施形態では、VR装置24を拡張現実装置に置き換えることもできる。さらに、抵抗制御システム12は、半受動的抵抗制御フレームワークがユーザ体験を向上させるいずれかの好適な環境(例えば、相互作用的映画館又は動きに基づく乗り物)内に実装することができると理解されたい。
【0018】
抵抗制御システム12の抵抗調整機能をさらに詳細に見ていくと、乗り物車両16は、垂直軸72に関してばね板32とベース40との間に配置されたアクチュエータプレート70を含む。アクチュエータプレート70は、ばね板32と同様にフレームワークとすることができ、必ずしも固体板を含まない。本実施形態では、アクチュエータプレート70とベース40との間に、車両コントローラ14からの命令に基づいてアクチュエータプレート70の位置を調整するアクチュエータ74が結合される。換言すれば、アクチュエータ74は、アクチュエータプレート70をばね板32からの特定の分離距離76に位置付けるように、完全に収縮した長さと完全に伸長した長さとの間のいずれかの好適なアクチュエータ長さに収縮又は伸長するように命令される。アクチュエータ74は、電気式アクチュエータ、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、磁気アクチュエータ、機械式アクチュエータ及び/又はサーボモータなどを含む、アクチュエータプレート70の動きを容易にするいずれかの好適なコンポーネントとすることができる。なお、本実施形態では、アクチュエータプレート70がばね板32に直接結合されていないと理解されたい。
【0019】
上述したように、ばね34はばね板32の底面36に結合され、さらに乗客22の動きに応答してアクチュエータプレート70に対して選択的に収縮してアクチュエータプレート70に接触することができる。例えば、乗客22が支持梁42に対して体重を預けて動かすと、これに応じて枢動継手46がばね板32の傾斜を可能にし、従ってばね34の対応する部分をアクチュエータプレート70の上面80に接触(例えば、係合)させて配置することができる。上面80に接触したばね34の部分は、継続的な体重移動又は係合に応答して収縮し、抵抗力を与えてばね板32の動きを減速させ、最終的には停止させる。本明細書で認識されるように、抵抗制御システム12は、ばね板32とアクチュエータプレート70との間の分離距離76を調整することによって、VR装置24によって提供される複数のVR体験のうちのいずれか1つに適した中立浮力の感覚を乗客22に与えるように乗り物車両16を効果的に調整することができる。
【0020】
さらに、単純にするために2つのばね34及び2つのアクチュエータ74を示しているが、これらはあらゆる数のこのような特徴を表すものであると理解されたい。本実施形態によれば、1つのばね34及び/又は1つのアクチュエータ74を含むいずれかの好適な数のばね34及びアクチュエータ74を乗り物車両16に含めることができる。例えば、単一のアクチュエータ74を有する実施形態では、単一のアクチュエータ74が、本技術に従って単一のアクチュエータ74が1又は複数の次元でアクチュエータプレート70の位置を調整することを可能にするいずれかの好適な4バーリンケージ、シザーリンケージ、ガイドレールと車輪との組み合わせ、又はその他の好適なリンク機構を含むことができる。また、単一のばね34を有する実施形態では、単一のばね34を、乗客22の予想質量中心に対応する中心位置に配置することができる。また、本実施形態では機械ばね、螺旋ばね又はコイルばねとして示すばね34は、いくつかの実施形態では、ガスばね、空気ばね、エラストマー、板ばね、剛性空気袋、円錐ばねワッシャ(例えば、ベルビルワッシャ)、ガスストラット又は磁気反発アセンブリ、或いはこれらのいずれかの組み合わせなどのいずれかの好適な抵抗装置を含み又は表すこともできると理解されたい。すなわち、現在のところは、好適な装置の次元の関数として可変力を適用するいずれかの好適な装置が抵抗制御システム12の好適なコンポーネントとして想定される。
【0021】
また、図ではばね板32のばね34がアクチュエータプレート70から分離しているが、他の実施形態では、ばね板32に正規化バイアス(normalizing bias)をもたらすようにばね34をばね板32とベース40との間に結合することもできる。さらに、本明細書ではばね板32に結合されたばね34を参照しながら説明しているが、ばね34は、ばね34がカンチレバー作用又は他のいずれかの好適な力分散部品(force-distributing components)を介してアクチュエータプレート70のいずれかの好適な表面に係合する位置を含む、ばね34の選択的係合を可能にする乗り物車両16のいずれかの好適な位置に結合することができると理解されたい。すなわち、この好適な位置は、閾値角度を超えたばね板32の傾斜に応答してばね34が係合するいずれかの好適な位置とすることができる。これらの実施形態の一部では、ばね34の一方又は両方の端部をばね板32に結合して、ばね板32とアクチュエータプレート70との間で選択的に圧縮することができる。他の実施形態では、これに代えてばね34をアクチュエータプレート70の上面80に結合することができる。
【0022】
図示のように、抵抗制御システム12は、乗り物車両16及び/又は乗り物車両16上の乗客22に関する好適な情報を収集するセンサ90も含む。例えば、現在のところ、センサ90は、ばね板32に結合されてばね板32の角度及び傾斜方向又は位置を感知する傾斜計92を含む。いくつかの実施形態では、傾斜計92が、ばね板32の傾斜を1000分の1度まで感知する。他の実施形態では、これに加えて又はこれに代えて加速度計及び位置センサなどを乗り物車両16に結合することもできる。さらに、抵抗制御システム12のセンサ90は、乗客22の体重を示すデータを感知してこのデータを車両コントローラ14に送信する重量センサ94を含む。本実施形態では、重量センサ94を支持梁42に直接結合された形で、従って支持梁42を通じて向けられる乗客22からの体重又は力全体を重量センサ94が感知できるように示す。他の実施形態では、重量センサ94が、シート20とばね板32との間などの、乗客22と乗り物車両16のベース40との間のいずれかの場所に位置することができる。
【0023】
他の実施形態では、重量センサ94を省略して、乗り物車両16が、乗客22が体重、ユーザプロファイル及び/又は所望の又は目標抵抗設定を示す別のパラメータを示す入力を提供できるようにするユーザ入力装置を含むこともできる。ある実施形態では、車両コントローラ14が、乗り物車両16を制御する他のデータを受け取ることができる。一例として、車両コントローラ14は、乗客22によって装着されたものなどの乗客22に関連するコンポーネントの識別子(例えば、無線周波数識別タグ、バーコード)を読み取ることができる視覚センサ又はイメージングセンサ96を含み、又はこれらに通信可能に結合することができる。例えば、この識別子は、乗客22のユーザプロファイルに一意に関連することができ、設定(例えば、抵抗)の好み、ユーザ履歴(例えば、過去の娯楽用アトラクションの体験)、又は乗客22に具体的に関連するその他の側面を示すことができる。従って、車両コントローラ14は、抵抗制御システム12が提供すべき所望の又は目標抵抗設定を決定するために識別子を使用することができる。別の例として、車両コントローラ14は、所望の抵抗設定を示す入力を提出するために乗客22が相互作用できる入力装置98を含み、又はこのような入力装置98に通信可能に結合することができる。この目的のために、入力装置98は、タッチ画面、キーボード、音声認識コンポーネント、トラックパッド、ダイヤル、ボタン、ノブ、スイッチ又は他のいずれかの好適な特徴などの特徴を含むことができ、乗客22は、入力装置98を利用して体重、識別子及び所望の抵抗設定などを入力することができる。その後、車両コントローラ14は、ユーザ入力に基づいてばね板32に対するアクチュエータプレート70の位置を調整するように抵抗制御システム12に命令することができる。
【0024】
次に、車両コントローラ14について説明すると、車両コントローラ14は、一般にばね板32とアクチュエータプレート70との間に目標距離を提供するように乗り物車両16を制御するとともに、乗客の体験(例えば、車両16の物理的な動き)とVR装置24を通じて提供される仮想体験とを整合させることに関与する。なお、VR装置24は、異なる及び/又はさらなる効果(例えば、フラット画面ディスプレイ及びオーディオシステム)を表すことができる。車両コントローラ14は、いずれかの好適なそれぞれの通信回路を介して娯楽用アトラクション10及び/又は抵抗制御システム12の他のコンポーネントと通信する(例えば、有線又は無線ネットワークを形成する)ことができる。本実施形態では、車両コントローラ14が、VR装置24のVRコントローラ26、アクチュエータ74、傾斜計92及び重量センサ94に通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、車両コントローラ14を乗り物車両16のハウジング又はシャーシに含めることができる。他の実施形態では、車両コントローラ14が、乗り物車両16から離れて存在して複数の乗り物車両16の動作を協調させることができる。
【0025】
図示の実施形態の車両コントローラ14は、それぞれの無線通信コンポーネント66を通じて乗り物車両16に命令を与えるプロセッサ100と、プロセッサ100のための命令を記憶するメモリ102(例えば、1又は2以上のメモリ)と、抵抗設定データベース104とを含む。しかしながら、いずれかのコンポーネントをクラウドデータベース内などのいずれかの好適な場所に好適に記憶してそこから更新することもできると理解されたい。プロセッサ100は、汎用プロセッサ、システムオンチップ(SoC)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何らかの同様のプロセッサ構成などの、現在開示している技術を実行するための命令を実行できるいずれかの好適なプロセッサである。いくつかの実施形態では、これらの命令が、メモリ102及び/又はその他の記憶回路又は記憶装置などの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム又はコードに符号化される。
【0026】
理解されるように、抵抗設定データベース104は、センサ90から受け取られたデータに基づいてばね板32の移動抵抗を相関させる抵抗設定を有するデータのストアである。実際には、抵抗設定データベース104は、データをアクチュエータ74の目標アクチュエータ長(例えば、目標長、閾値範囲内の長さ)に相関させることができる。従って、抵抗設定データベース104は、幅広い要因に関連する乗客22のために車両コントローラ14がアクチュエータプレート70を適切に動かして乗り物車両16のばね34を引張させることを可能にする。一例として、抵抗制御システム12は、体重の軽い乗客22には低い抵抗を与えて体重の重い乗客22には高い抵抗を与えるようにアクチュエータ74に命令する。別の例として、抵抗制御システム12は、乗客22によって要求された抵抗入力に基づいて、又は乗客22によって別様に示された抵抗を与えるようにアクチュエータ74に命令することができる。いくつかの実施形態では、抵抗設定データベース104が、重量センサ94のボルト単位の未加工出力などの、センサ90によって受け取られた信号に目標アクチュエータ長を相関させる。このような相関性は、未加工出力を重量単位などの値に変換する実施形態と比べてプライバシーを向上させ、及び/又は抵抗制御システム12の計算遅延時間を抑えることができる。抵抗設定データベース104は、例えば1ポンド毎、5ポンド毎、10ポンド毎、50ポンド毎などのカスタマイズ可能な下限重量を上回る未加工出力及び/又は重量のいずれかの好適な範囲にわたる目標アクチュエータ長を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、抵抗設定データベース104が、それぞれの仮想体験、それぞれの乗客年齢及びそれぞれの乗客プロファイルなどに対応する個別の目標アクチュエータ長を含む。例えば、VR装置24を介して提供される仮想体験が細部重視の(detail-oriented)体験又は挑戦的な体験である実施形態では、抵抗制御システム12が、乗り物車両16により多くの動き感度をもたらすように比較的高い抵抗設定(例えば、10%高い張力)を実装することができる。また、抵抗制御システム12が、乗客22の乗客プロファイルがリラックスした体験(例えば、リラックスしたVRゲームプレイ)を好むことを示していると判定する実施形態では、抵抗制御システム12が比較的低い抵抗設定を実装して、この比較的低い抵抗設定にふさわしい簡略化された仮想体験を提供するようにVR装置24に命令することができる。いくつかの実施形態の抵抗制御システム12は、乗り物サイクルが終了に近づいている、VR装置24によってサポートされている模擬環境の特定の領域に乗客22が進入中である、乗客22が模擬環境内で特定のタスクを実行した、及び乗客22が抵抗調整の要求を示すユーザ入力を提供したなどと判定したことに応答して抵抗を高めることなどによって、娯楽用アトラクション10の乗り物サイクルの継続時間にわたって乗り物車両16の抵抗を調整することもできる。
【0028】
本明細書では、上記の抵抗制御システム12の特徴を踏まえて、乗り物車両16の重量抵抗を調節して乗り物車両16上の乗客満足度を高める抵抗制御システム12の動作に関するさらなる説明を行う。例えば、
図2は、抵抗制御システム12が娯楽用アトラクション10の乗り物サイクルを通じて乗り物車両16を制御することを可能にするプロセス120の実施形態を示すフロー図である。プロセス120に示すステップは、さらなるステップを実行し、いくつかのステップを省略し、適切な場合には図示のステップを別の順序で又は並行して実行することもできるので、説明を容易にするためのものであって本開示の範囲を限定するように意図するものではない。プロセス120は、非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ102)に記憶されて抵抗制御システム12の車両コントローラ14のプロセッサ100などによって実行される開始コード又は命令を表すことができる。プロセッサ100は、後述する命令及び信号を送受信するように無線ネットワークなどのネットワークを介して通信可能に結合することができる。
【0029】
現在示している実施形態では、プロセス120を実行する車両コントローラ14が、入力を受け取る(ブロック124)ことによって乗り物サイクルを開始する(ブロック122)。例えば、車両コントローラ14は、乗客22が乗り物車両16に乗車した後に重量センサ94から信号を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、重量センサ94が継続的に信号を送信し、車両コントローラ14が、信号が閾値期間にわたって一定(例えば、1%以内、5%以内)であることに応答して、これらの信号のうちの1つを乗客22の体重を示すものとして識別することができる。このような実施形態は、乗客22の基準重量値を車両コントローラ14に提供することによって娯楽用アトラクション10内のセキュリティを促すことができる。従って、車両コントローラ14は、(例えば、アイテムが落ちたこと、出発が早すぎること示す)基準重量値からの所定の閾値外にある重量値が検出されたことに応答して、娯楽用アトラクション10のオペレータにアラートを提示し、及び/又は乗り物車両16を停止させることができる。さらなる又は異なる実施形態では、車両コントローラ14が、視覚センサ96などから画像又はその他の識別子を受け取ることができる。この識別子は、乗客22の要求抵抗設定などの抵抗設定を示すことができる。他の実施形態では、車両コントローラ14が、入力装置98からユーザ入力を受け取ることができる。このユーザ入力は、ユーザインターフェイスに入力された乗客22の体重又は要求抵抗設定を示すことができる。いくつかの実施形態では、車両コントローラ14が、ユーザ入力を重量値などの値に変換する。従って、車両コントローラ14は、例えば重量センサ94のボルト単位での未加工出力を含むことができるいずれかの好適な受信情報に対してプロセス120の以下のステップを実行することができると理解されたい。
【0030】
プロセス120を続行すると、車両コントローラ14は、入力に対応する目標アクチュエータ長を検索するために抵抗設定データベース104に問い合わせる(ブロック126)。上述したように、抵抗設定データベース104は、アクチュエータ74のそれぞれの長さを乗客体重などの様々なデータ又はパラメータに関連付けるエントリを含む。従って、車両コントローラ14は、この入力を利用して、特定のパラメータに基づいて、乗客22の動きに適切な抵抗を与えるアクチュエータ74の好適なアクチュエータ長を識別する。一般に、目標アクチュエータ長は、重い乗客重量では乗り物車両16の移動抵抗を高めるように、重い乗客重量の場合の方が軽い乗客重量の場合よりも長くなる(例えば、より小さな分離距離76に対応する)。適切な目標アクチュエータ長が識別されると、車両コントローラ14は、アクチュエータ74を目標アクチュエータ長に達するまで伸長又は収縮するように、従ってアクチュエータプレート70をばね板32から特定の分離距離76に配置するように制御、操作又は命令する(ブロック130)。他の実施形態では、抵抗設定データベース104が、アクチュエータプレート70のそれぞれの位置を様々な乗客パラメータに関連付けるエントリを含むことができ、抵抗制御システム12は、特定の乗客パラメータに対応する、ばね板32からの目標分離距離76に対応する目標アクチュエータプレート位置にアクチュエータプレート70を動かすことによって乗り物車両16の重量抵抗を制御することができる。
【0031】
乗り物車両16の張力が入力に合わせて校正されると、車両コントローラ14は、乗り物車両16を通じて、VR装置24を通じて提供される仮想体験に対応する乗り物体験を乗客22に提供する(ブロック132)。例えば、VR装置24のVRコントローラ26は、乗客22に表示すべき特定の仮想イメージを生成するようにプロセッサ62に命令することができる。乗客22は、一般に乗り物車両16に対して自身の体重を移動させて(例えば、傾斜計92を介して)車両コントローラ14にユーザ入力を提供し、車両コントローラ14はこのユーザ入力をVRコントローラ26に伝える。従って、VRコントローラ26は、乗客22に表示される仮想イメージを、受け取られたユーザ入力に対応する目標仮想イメージセットを表示するように調整する。例えば、ばね板32は、乗客22が左側に体を寄せたことに応答して、乗り物車両16の抵抗に基づいて特定の量(例えば、インチ)だけ縦揺れ52することができる。傾斜計92は、ばね板32の動きを感知して、この動きを示す信号を車両コントローラ14に送信する。従って、車両コントローラ14は、VR装置24を通じて提供される仮想イメージを、対応する仮想的な縦揺れ52の動きを表示するように調整するようVRコントローラ26に命令することができる。なお、他の実施形態では、VRコントローラ26が車両コントローラ14内に埋め込まれ又は保管されると理解されたい。他の実施形態では、娯楽用アトラクション10が、乗客の楽しみを向上させるフィードバックとしてのユーザ入力を受け取る投影画面などの、VR装置24以外の又はこれに加えた特徴を含むこともできると理解されたい。乗り物車両16が軌道に沿って移動するようなさらなる実施形態では、VR装置24及びVRコントローラ26が省略される。
【0032】
抵抗制御システム12は、乗り物車両16の動きに応答するようにVR装置24に命令することに加えて、乗り物車両16がVRコントローラ26からの命令に応答することを可能にする。例えば、プロセス120を実行する車両コントローラ14は、VRコントローラ26から触覚フィードバック要求が受け取られたかどうかを判定する(ブロック134)。上記の例を続けると、VRコントローラ26は、乗客22が乗り物車両16の仮想表現を境界(例えば、フェンス、雲、障害物)に接触させるように乗り物車両16を操縦したことに応答して、この接触を示すように乗り物車両16を振動させ又は別様に操作するように車両コントローラ14に要求することができる。なお、車両コントローラ14は、連続する要求及び/又は予めプログラムされた要求を含むいずれかの単一の又は複数の触覚フィードバック要求をVRコントローラ26から受け取ることができると理解されたい。
【0033】
車両コントローラ14は、触覚フィードバック要求を受け取ったことに応答して、VR装置24のVR体験に対応するようにアクチュエータプレート70を操作するようアクチュエータ74に命令する(ブロック136)。いくつかの実施形態では、アクチュエータ74が伸びて、アクチュエータプレート70をばね板32のばね34に接触させて位置付け及び/又はばね板32を動かすことによって、乗客22に触覚フィードバックを提供することができる。車両コントローラ14は、アクチュエータ74に個別に又は互いに同期して長さを調整するように命令することができる。例えば、アクチュエータ74には、乗り物車両16の1つの領域(例えば、象限、側面)をさらに引張させて、乗客22がこの1つの領域に対応する方向に乗り物車両16を操縦することを妨げるように命令することができる。他の実施形態では、アクチュエータ74に、アクチュエータプレート70全体を順に上下に又はランダムに動かして乗客22に浮遊体験を提供ように命令することができる。車両コントローラ14は、触覚フィードバック要求を満たした後に、アクチュエータ74に再び目標アクチュエータ長に動くように命令することができる(ブロック130)。
【0034】
或いは、車両コントローラ14は、触覚フィードバック要求が満たされていない又は未解決であると判定したことに応答して、娯楽用アトラクション10の現在の乗り物サイクルが完了しているかどうかを判定することができる(ブロック140)。車両コントローラ14は、ブロック140の判定を実行するために、時計、VRコントローラ26又は他のいずれかの好適なコンポーネントを参照することができる。図示のプロセス120の実施形態を実行する車両コントローラ14は、乗り物サイクルが完了していないと判定したことに応答して、ブロック134に戻って触覚フィードバック要求が受け取られたかどうかを判定し続ける。一方で、車両コントローラ14は、乗り物サイクルが完了したと判定したことに応答して、アクチュエータ74にデフォルト長に戻るように命令し(ブロック142)、これによってプロセス120を終了する(ブロック144)。デフォルト長は、アクチュエータ74の緩和状態、大半の乗客22に適した最も一般的な長さ、及び乗り物車両16からの降車を容易にする(例えば、ばね板32を娯楽用アトラクション10の出口に向かって傾斜させる)長さなどに対応することができる。従って、車両コントローラ14を有する抵抗制御システム12は、乗り物車両16の重量抵抗を各特定の乗客パラメータに半受動的に同調させることによって、娯楽用アトラクション10内の乗客体験を効率的に向上させる。さらに、本明細書に開示する抵抗制御システム12は、VR装置24を通じて提供される仮想イメージに対応する動的触覚フィードバックを乗客22に提供して、動的かつ楽しい乗客体験をさらに生成する。
【0035】
いくつかの実施形態では、VRコントローラ26を、乗客22が同じ仮想環境内で互いに仮想的に相互作用できる形でそれぞれの乗客22の複数のVR装置24を動作させるように構成することができる。例えば、VRコントローラ26は、乗客22が互いにレースで競争できる仮想体験をVR装置24に提示させることができる。このため、VRコントローラ26は、VR装置24に別の乗客22の仮想イメージを提示させ、別の乗客22との相互作用に基づいて触覚フィードバックを出力させ、或いは別の乗客22に基づいて別様にVR装置24を動作させることもできる。一例として、それぞれのVR装置24によって提示される同じ仮想環境に参加する乗客22などの複数の乗客22を娯楽用アトラクション10が同時に収容できるように、娯楽用アトラクション10の同じエンクロージャ又は部屋内に複数の乗り物車両16を配置することができる。さらなる又は別の実施形態では、娯楽用アトラクション10が、異なる仮想環境及び体験に参加している複数の乗客22を収容することもできる。すなわち、娯楽用アトラクション10は複数の乗客22を収容することができるが、乗客22の少なくとも一部は別の仮想体験内に存在して互いに仮想的に相互作用しないこともできる。いずれにせよ、このような構成は、単一の乗り物車両16を有する娯楽用アトラクション10と比べて乗客22に仮想体験を提供する効率を高めることができる。
【0036】
上記の抵抗制御システム12の動作の理解を踏まえた上で、本明細書では、抵抗制御システム12によって制御される乗り物車両16の実施形態例に関するさらなる説明を行う。例えば、
図3は、(例えば、水平軸160と整列して)水平方向に配置されたばね板32を有する乗り物車両16の実施形態の断面立面図である。上述したように、乗り物車両16は、アクチュエータプレート70と、ばね板32と、ベースプレート、支持梁42及び枢動継手46を有する支持アセンブリ60とを含む。乗り物車両16は静止しているため、ベース40は地面54に接触して配置されている。他の実施形態では、可動モーションベース上で抵抗制御システム12を利用することができ、地面54は、乗り物車両16が結合されたさらに大型の車両を表すことができる。
【0037】
乗り物車両16は、本実施形態では円錐機械ばねとして示す6つのばね34も含む。円錐機械ばねは、一般にアクチュエータプレート70に対するばねの初期圧縮がばね34のさらなる圧縮よりも小さな力で進展するような可変長又は非線形のばね定数を有する。本実施形態では、ばね34が、枢動継手46を中心とする六角形又は円形構成で互いに等間隔で配置される。しかしながら、乗り物車両16内では、アクチュエータプレート70に対して選択的に収縮及び/又は接触する他のいずれかの好適なタイプ、構成及び量のばね34を採用することもできると理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、円錐ばねを、互いに直列に結合された漸進的ばね定数を有する円筒形螺旋ばね(例えば、複合ばね)に置き換えることができる。或いは、乗り物車両16は、現在開示している特徴が乗り物車両16の重量抵抗を動的に調整できるように乗り物車両16内に好適に配置された単一のばね34を含むこともできる。
【0038】
抵抗制御システム12は、乗り物車両16上の乗客の体験をさらに向上させる減速機構(moderating features)も含む。例えば、本実施形態の乗り物車両16は、ばね板32の動きを制御する速度リミッタ170(例えば、ガスばね)を含む。速度リミッタ170は、それぞれがばね板32と、ばね板32の外縁174の下方に配置された周辺支持梁172との間に結合される。図示の実施形態では、速度リミッタ170が、3軸回転自由度を与える球状転がり軸受176を含むが、同じ又はより制限された回転運動をもたらす他のいずれかの好適な接続コンポーネントを採用することもできる。速度リミッタ170は、ピストン180と、ピストン180に対して移動して乗り物車両16の動きを減衰させるロッド182とを含む。なお、いくつかの実施形態では、この減衰された動きが、乗り物車両内の座席又は乗り物車両の一部、事実上座席である乗り物車両、或いは乗り物車両及び乗り物車両の座席の両方の動きに相関する。
【0039】
図4は、傾斜配向にあるばね板32を有する静止型乗り物車両16の実施形態の側面斜視図である。図示のように、ばね板32は、ばね板32上に乗車できる乗客22の体重移動に起因してアクチュエータプレート70に対して傾斜角200で配置されている。乗り物車両16は、ばね板32の下方に配置された周辺支持梁172上に配置されたバンパー202(例えば、ゴムバンパー、ストッパ)も含む。バンパー202は、一般にばね板32の底面36がバンパー202に接触する閾値傾斜角までばね板32の自由な回転を可能にし、アクチュエータプレート70に対するばね板32の不安定な配向を避けるようにばね板32のさらなる回転を阻止することができる。一例として、バンパー202は、ばね板32がアクチュエータプレート70に対して10度以内の傾斜角200を形成する様々な位置に回転するのを可能にすることができる。従って、バンパー202は、ばね板32の動きを物理的移動範囲内又は限度内に制限することができる。バンパー202は、ばね板32がそれぞれのバンパー202に接触しているかどうかを示す信号を車両コントローラ14に供給する接触センサを含むこともできる。例えば、車両コントローラ14は、ばね板32がバンパー202のうちの1つに接触していると判定したことに応答して、ばね板32がもはやバンパー202に接触しないように乗客22に体重移動を促す触覚フィードバックを提供することができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両16に6つのバンパー202及び6つの周辺支持梁172を含めることができる。このような事例では、上述した速度リミッタ170のうちの1つを介して1つおきの周辺支持梁172をばね板32に間接的に結合することもできる。
【0040】
本実施形態に示すアクチュエータ74は、アクチュエータプレート70とベース40との間に結合される。従って、アクチュエータ74は、(例えば、枢動継手46又はばね板32の支点に対応する水平位置で)アクチュエータプレート70とばね板32との間の分離距離76を増加又は減少させることなどによって垂直軸72に沿ってアクチュエータプレート70を移動させてばね34の有効ばね定数を調整することができる。乗り物車両16は、互いに三角形構成で等間隔を空けた3つのアクチュエータ74を含むことができるが、さらなるアクチュエータ74を含めていずれかの好適な多角形形状で互いに等間隔で配置することもできると理解されたい。さらに、上述した速度リミッタ170は、アクチュエータ74の三角形構成の鏡像である三角形構成で配置されることによって、速度リミッタ170及びアクチュエータ74の力を乗り物車両16の周囲で均等に分散させることができる。乗り物車両16が移動可能であるような他の実施形態では、速度制限器170及びアクチュエータ74の力を乗り物車両16の座席の周囲で均等に分散させることができる。
【0041】
図5は、娯楽用アトラクション10内の乗り物車両16を制御する抵抗制御システム12の別の実施形態を示す斜視図である。乗り物車両16は、ばね板32と、ばね板32の上面30に結合されたシート20又はその他の乗客収容設備とを含む。乗客22は、シート20から自分の体重で乗り物車両16を操縦することができる。とりわけ、乗り物車両16は、ばね板32の底面36に結合されて、乗客22に関連するパラメータに基づいて乗り物車両16の抵抗を選択的に調整するばね列(spring columns)250を含む。各ばね列250は、乗客22の体重によって目標高さ260まで受動的に(例えば、自然に)圧縮される高さ調整可能なばねアセンブリ252を含む。
【0042】
本実施形態では、各高さ調整可能なばねアセンブリ252が、3つのばね領域262、すなわち高圧縮領域264、中圧縮領域266及び低圧縮領域268を含む。本明細書で使用する各ばね領域262は、それぞれのばね定数を提供するいずれかの好適なコンポーネントとして定義される。従って、低圧縮領域268は、中圧縮領域266又は高圧縮領域264よりも大きなばね定数を有し、低圧縮領域268を圧縮するには(例えば、フックの法則によって近似される)より多くの力が利用されることを示す。本実施形態では、各ばね領域262の圧縮性が、ばね領域262の目標ワイヤ太さを選択することによってもたらされるが、ばね領域262の他のいずれかの好適な特性(例えば、材料、コーティング、処理、サイズ)を変化させることもできる。
【0043】
例えば、高圧縮領域264は、第1の体重範囲(例えば、0~50ポンド)を有する乗客について作動し、これを超えると完全に圧縮されて実質的に剛性になるように設計することができる。他のばね領域266、268は、第1の体重範囲内の体重を有する乗客については無視できるほどしか圧縮されず、実質的に剛性として作動することができる。中圧縮領域266は、第1の体重範囲よりも高い第2の体重範囲(例えば、51~150ポンド)について作動するように設計することができる。従って、第2の体重範囲内の体重を有する乗客については、中圧縮領域266は能動的に圧縮可能である一方で、高圧縮領域264は完全に圧縮され、低圧縮領域268は実質的に剛性である。同様に、低圧縮領域268は、他のばね領域264、266が完全に圧縮されるような第3の体重範囲(例えば、151~300ポンド)内の体重を有する乗客を支持する際に作動するように設計することができる。従って、乗り物車両16の高さ調整可能なばねアセンブリ252は、乗客22が乗り物車両16に乗車した後に受動的に収縮して、乗り物車両16の重量抵抗を乗客22の重量に同調させる。さらなる又は別の実施形態では、ばねアセンブリ252の圧縮が、(例えば、受信又は決定された入力に基づいて重量抵抗を調整する半受動的制御システムを介して)要求される抵抗設定及び以前の体験などを含む、乗客に関連する他のパラメータに基づくことができる。
【0044】
現在のところ、ばね領域262は、ばね板32とそれぞれのベースプレート272との間に互いに直列に結合された円筒形の螺旋状コイルばねを含む。他の実施形態では、各ばね列250が、ばね列250の高さに沿って連続的に変化するばね領域を提供する単一の円錐ばね、又は上述した他の好適な抵抗可変コンポーネント(例えば、ガスばね、磁気反発アセンブリ)を含むことができる。それぞれが3つのばね領域262を有する4つのばね列250を示しているが、乗り物車両16内には、ばね板32の中心点274の下方に配置された単一のばね列250を含む、いずれかの好適な数のばね領域262を有するいずれかの好適な数のばね列250を実装することができると理解されたい。本開示によれば、ばね要素への言及は、金属ばね、プラスチックばね、板ばね、円錐又は円筒コイル、ガスばね、磁気反発アセンブリなどの、抵抗性ばね力を提供できるいずれかの特徴を含むことができる。
【0045】
図示の実施形態では、各ばね列250が、それぞれのベースプレート272とばね板32との間に結合されてばね列250の横方向の動きを制限するリンク機構280(例えば、ケーブル、ロープ、チェーン)を含む。リンク機構280は、高さ調整可能なばねアセンブリ252内に配置されるように示しているが、ばね列250内の他の場所に配置することもできると理解されたい。以下でさらに詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、リンク機構280がばね列250を目標高さ260に固定することを容易にする。他の実施形態では、乗り物車両16が、ばね列250を固定せずに動作することによって、より単純な娯楽用アトラクション10の構造及び動作を可能にすることができる。
【0046】
図6は、上述した車両コントローラ14及びVRコントローラ26を含む抵抗制御システム12の実施形態の概略図である。本説明は、乗り物車両16の単一のばね列250の動作に焦点を当てているが、各ばね列250は同様に動作することができると理解されたい。図示のばね列250の実施形態は、乗客22の体重に基づいてばね列250を目標高さ260に選択的に固定するロック装置300を含む。例えば、ロック装置300は、リンク機構280の本体306の遠位端304に結合されたリブ付き延長部302を受け取るラチェット装置とすることができる。このような実施形態では、ベースプレート272が、ベースプレート272のリブ付き延長部302とは反対側にリンク機構280の本体306を結合して配置できるようにする開口部を含むことができる。このような実施形態では、乗客22の体重が高さ調整可能なばねアセンブリ252を受動的に目標高さ260に圧縮し、ばね板32をベースプレート272に近づけて、リブ付き延長部302をロック装置300に対して目標位置まで押し下げることができる。乗り物車両16内には、リンク機構280を固定するリール及びスプール、キャリパーブレーキ、ロック用ガスばね、磁気保持システム、ロック用ラック及び/又はピニオンなどの他のいずれかの好適なロック装置を実装することもできると理解されたい。
【0047】
ロック装置300を有する実施形態では、車両コントローラ14が、ロック装置300に通信可能に結合されてロック装置300の動作を制御する。例えば、ラチェット式のロック装置300の実施形態は、乗客の体重によって加わる力に応答して目標高さ260を有するようにばね列250を受動的に保持することができる。能動的なロック装置300を有する他の実施形態では、車両コントローラ14が、娯楽用アトラクション10の乗り物サイクルが開始したと判定したことに応答してばね列250を固定するようにロック装置300に命令することができる。いずれの場合にも、車両コントローラ14は、乗り物サイクルが完了したと判定したことに応答して、ばね列250のリブ付き延長部302又はその他の好適なコンポーネントを解放してばね列250をデフォルト高さ(例えば、未圧縮高さ)に戻すようにロック装置300に命令することができる。
【0048】
図示の抵抗制御システム12の実施形態は、VRコントローラ26にフィードバックを提供することによってVRコントローラ26がVR装置24の仮想体験を乗り物車両16の現在位置に整列できるようにする、ばね板に結合された傾斜計92も含む。上述したように、これに加えて又はこれに代えて、乗り物車両16には、娯楽用アトラクション10の操作を容易にする他のいずれかの好適なセンサ90を結合することもできる。とりわけ、
図5及び
図6の抵抗制御システム12は、重量センサ94を含まないことによってより単純な乗り物車両16の実施形態を提供する一方で、乗り物車両16の重量抵抗の半受動的制御を可能にして乗客体験を改善することができる。
【0049】
図7は、抵抗制御システム12を使用して乗客支持体(例えば、シート20、乗り物車両キャビン)の動きを制御する乗り物車両16の実施形態の斜視図である。抵抗制御システム12は、モータ320と、ばね板32とアクチュエータプレート70との間に延びる支持梁42の枢動継手46を中心としたばね板32の動きをモータ320が引き起こすことを可能にするリンクシステム322とを含む。従って、モータ320は、アクチュエータプレート70に対するばね板32の動きを引き起こすことができる。図示の乗り物車両16はばね板32及びアクチュエータプレート70を含むが、ばね板32及びアクチュエータプレート70は、いずれかの好適な基礎、支持体又はブレースを表すものである。すなわち、ばね板32及び/又はアクチュエータプレート70は、乗り物車両16の動きをもたらすいずれかの好適な形状(例えば、ドーム、球、立方体)を有することができる。
【0050】
各モータ320(例えば、電気機械式モータ、空気圧モータ、油圧モータ)は、枢動継手46を中心としたばね板32の動きに対する抵抗を調整するように動作することができる。図示の実施形態では、各モータ320がリンクシステム322のそれぞれのギアボックス324に結合され、各ギアボックス324がリンクシステム322の第1のブラケット326に結合される。従って、モータ320によって出力される、モータ320のシャフトの回転を引き起こすようなトルクが、ギアボックス324のギアの回転を引き起こして第1のブラケット326を回転させることができる。一例として、各モータ320は、キーレスブッシュを利用してシャフト及びギアボックス324を回転させてばね板32のスムーズな動きを可能にすることができる。各第1のブラケット326は、リンケージ328の第1の端部330においてリンクシステム322のリンケージ328に結合される。さらに、各リンケージ328の第2の端部332は、リンクシステム322のそれぞれの第2のブラケット334に結合することができ、各第2のブラケット334は、ばね板32の底面36の一部(例えば、隅部、側部)に結合される。
【0051】
各モータ320は、それぞれの水平軸336又は水平軸336に平行なそれぞれの軸を中心とした第1のブラケット326の回転運動を制御及び/又は駆動できるトルクを出力するように構成することができる。このような第1のブラケット326の回転運動は、垂直軸72に平行な軸に概ね沿ったリンケージ328の対応する動きを引き起こしてばね板32のそれぞれの部分に力を与えることができる。この与えられた力は、ばね板32をアクチュエータプレート70に対して動かす(例えば、縦揺れ、横揺れさせる)ことができる。この目的のために、各リンケージ328は、リンクシステム322の回転可能な締結具338(例えば、肩ねじ)を介して対応する第1のブラケット326及び第2のブラケット334に回転可能に結合して、それぞれの水平軸336を中心としたリンケージ328とブラケット326、334との間の回転運動を可能にすることができる。リンケージ328とブラケット326、334との間の回転は、アクチュエータプレート70に対するばね板32の動きのより大きな制御を可能にすることができる。さらに、リンケージ328とブラケット326、334との間の結合は、ブラケット326、334に対するリンケージ328間のさらなる動きを可能にして、アクチュエータプレート70に対するばね板32の動きを容易にすることができる。一例として、リンケージ328は、回転可能な留め具338に沿って線形的に並進し、及び/又は(例えば、リンクシステム322のさらなる留め具を介して)別の軸を中心にブラケット326、334に対して回転することができる。
【0052】
図示の実施形態では、リンクシステム322が、ベース40とアクチュエータプレート70との間に延びる(例えば、支持梁42に結合された)プレート340を介して支持される。例えば、支持アセンブリ60の一部とすることができるプレート340は、アクチュエータプレート70、ベース40及び/又は支持ビーム42に固定して結合され、ギアボックス324は、プレート340に固定して結合されてギアボックス324と支持アセンブリ60との間の動きを阻止し、これによってリンクシステム322を安定化することができる。このようにして、プレート340は、モータ320がアクチュエータプレート70に対するばね板32の望ましい動きを提供することを容易にすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、各モータ320が逆駆動可能(back-drivable)であることができる。すなわち、(例えば、乗客22の体重移動によって)ばね板32に与えられる十分な力が、モータ320によって出力されるトルクによって生じるばね板32の動きとは反対向きにアクチュエータプレート70に対するばね板32の動きを引き起こすことができる。換言すれば、十分な力を使用して、モータ320によって出力されるトルクによって生じる回転方向とは反対向きに第1のブラケット326のいずれかを回転させることができる。このように、ばね板32に与えるためにモータ320によって出力されるトルクの量は、モータ320によって出力されるトルクに抗してばね板32をアクチュエータプレート70に対して動かすために必要な対向力の量を調整することができる。従って、モータ320によって出力されるトルクはばね板32の移動抵抗を設定する。具体的には、出力されるトルクを増加させると移動抵抗が大きくなり、出力されるトルクを減少させると移動抵抗が小さくなる。
【0054】
各モータ320は、車両コントローラ14に通信可能に結合することができ、車両コントローラ14は、これに応じてトルクを出力するようにモータ320に命令することができる。実際には、車両コントローラ14は、傾斜計92、重量センサ94、視覚センサ96、入力装置98、別の好適なソース又はこれらのいずれかの組み合わせなどから入力を受け取り、この入力に基づいてばね板32の移動抵抗をもたらすようにモータ320を動作させることができる。図示の実施形態では、重量センサ94が、ばね板32、支持アセンブリ60、アクチュエータプレート70、モータ320、リンクシステム322及び乗客22など(例えば、乗り物車両16全体)の重量をモニタできるようにベース40の下方に配置される(例えば、ベース40の下面に結合される)。さらなる又は別の実施形態では、重量センサ94を、乗り物車両16及び/又は乗客22の一部をモニタするように(例えば、アクチュエータプレート70とばね板32との間に)配置することができる。いずれにせよ、モータ320によって出力されるトルクを乗客22の体重、乗客22の好み及び乗客22の識別子などに基づいて設定するために、ばね板32の移動抵抗の設定に関して上述した技術のいずれかを組み込むことができる。一例として、車両コントローラ14は、モータ320のトルク出力を介してばね板32とアクチュエータプレート70との間に移動抵抗を与えるように半受動モードで動作し、抵抗設定データベース104を参照して、抵抗設定データベース104に記憶された、トルク出力を別のパラメータに関連付けるアルゴリズム又はデータベーステーブル(例えば、ルックアップテーブル)などに基づいて、モータ320が出力すべき特定のトルクを決定することができる。
【0055】
また、車両コントローラ14は、乗客22によってばね板32に与えられた力に打ち勝つトルクを各モータ320に出力させる能動モードで動作することもできる。実際には、能動モードでは、車両コントローラ14が、(例えば、車両コントローラ14の半受動モードで)乗客22がばね板32の動きを引き起こすことを可能にする代わりに、アクチュエータプレート70に対して望ましい形で(例えば、目標位置又は目標配向に)ばね板32を動かすようにモータ320を動作させることができる。例えば、車両コントローラ14は、能動モードで動作してばね板32を動かし、乗客22に特定の感覚及び乗り物体験を与えることができる。この目的のために、車両コントローラ14は、傾斜計92を介して特定されたばね板32の向き及び/又は重量センサ94を介して特定された乗客22の体重などのセンサデータを受け取って、アクチュエータプレート70に対するばね板32の望ましい動きを引き起こすためにモータ320が出力すべき適切なトルクを決定することができる。
【0056】
実際には、車両コントローラ14は、モータ320によって出力されるトルクを単一の乗り物サイクルの異なる時点で調整することができる。一例として、車両コントローラ14は、乗り物サイクルの第1の時点において、乗客22がばね板32を動かすことを可能にする第1の移動抵抗をばね板32とアクチュエータプレート70との間に引き起こすためにそれぞれのトルクを出力するようにモータ320に命令する第1の半受動モードで動作することができる。車両コントローラ14は、乗り物サイクルの第2の時点において、乗客22がばね板32を動かすことをより困難にする第2の増加した移動抵抗をばね板32とアクチュエータプレート70との間に引き起こすためにトルク出力を高めるようにモータ320に命令する第2の半受動モードで動作することができる。車両コントローラ14は、乗り物サイクルの第3の時点において、ばね板32及びアクチュエータプレート70の動きを引き起こして乗客22がアクチュエータプレート70に対してばね板32を動かすのを阻止するためにトルク出力をさらに高めるようにモータ320に命令する能動モードで動作することができる。従って、車両コントローラ14は、乗り物サイクルの異なる時点で異なるモードで動作して乗客22に異なる体験をもたらすことができる。例えば、車両コントローラ14は、所定の設定(例えば、乗り物サイクルの時点)に基づくこと、センサデータに応答すること、及び乗客22の好みに基づくことなどによって異なるモードで動作することができる。
【0057】
さらに、車両コントローラ14は、モータ320によって出力されるトルクを、アクチュエータプレート70に対するばね板32の位置付けに基づいて調整することもできる。一例として、車両コントローラ14は、(例えば、傾斜計92から受け取られたセンサデータに基づいて)ばね板32とアクチュエータプレート70との間の傾斜角200が増加したと判定したことに応答して、モータ320のうちの1つに、トルク出力を高めて傾斜角200がさらに増加するのを阻止するように命令することができる。このように、車両コントローラ14は、モータ320によって出力されるトルクを調整して、ばね板32とアクチュエータプレート70との間の傾斜角200を閾値未満に維持するようにばね板32の移動抵抗を調整することができる。
【0058】
図8は、3つのモータ320及び3つの対応するリンクシステム322を含む抵抗制御システム12を使用する乗り物車両16の実施形態の斜視図である。車両コントローラ14は、ばね板32を動かすためにモータ320の各々に通信可能に結合することができる。一例として、図示のばね板32は、第1のモータ320Aがばね板32の第1の隅部360に結合された第1のリンクシステム324Aを動かすように構成され、第2のモータ320Bがばね板32の第2の隅部362に結合された第2のリンクシステム324Bを動かすように構成され、第3のモータ320Cがばね板32の第3の隅部364に結合された第3のリンクシステム324Cを動かすように構成された三角形を有する。車両コントローラ14は、隅部360、362、364の動きを協調させてアクチュエータプレート70に対するばね板32の動きを制御するようにモータ320を制御することができる。
【0059】
3つのモータ320を介してばね板32を制御すると、2つのモータ320を介してばね板32を制御する場合と比べてばね板32の動きをより大きく制御することができる。一例として、車両コントローラ14は、アクチュエータプレート70に対してばね板32を縦揺れ及び/又は横揺れさせることに加えて、垂直軸72に平行な軸に沿ってばね板32を平行移動させてばね板32をうねらせることなどができる。いくつかの実施形態では、車両コントローラ14が、隅部360、362、364の各々をそれぞれの目標位置に動かすようにモータ320を制御することができる。例えば、車両コントローラ14は、ばね板32の横揺れ及び/又は縦揺れを伴わずに垂直軸72に平行な軸に沿ってばね板32を平行移動させるために、隅部360、362、364の各々が垂直軸72に平行なそれぞれの軸に沿って実質的に等しい距離だけ動くようにモータ320を制御することができる。
【0060】
図7に示す実施形態は、2つのモータ320及び2つのリンクシステム322を含み、
図8に示す実施形態は、3つのモータ320及び3つのリンクシステム322を含むが、さらなる又は別の実施形態では、他のいずれかの好適な数のモータ320及びリンクシステム322を使用してばね板32とアクチュエータプレート70との間の動きを制御することができる。一例として、単一のモータ320及び単一の対応するリンクシステム322を使用することも、或いは3つよりも多くのモータ320及び3つよりも多くの対応するリンクシステム322を使用することもできる。実際には、ばね板32の動きを制御するために使用されるモータ320及び対応するリンクシステム322の数は、ばね板32の形状(例えば、矩形を有するばね板32のそれぞれの隅部を動かすには4つのモータ320及び4つのリンクシステム322)、及び/又はアクチュエータプレート70に対するばね板32の望ましい移動量(例えば、自由度数)に基づくことができる。さらに、モータ320、リンクシステム322及びばね34の組み合わせを使用してばね板32とアクチュエータプレート70との間の動きを制御することもできる。さらに、上述した技術のいずれかを使用して、水平軸160に平行な軸に沿った並進運動などのばね板32の他のタイプの動きを引き起こすこともできる。
【0061】
図9は、娯楽用アトラクション10の乗り物サイクルを通じてモータ320を介して乗り物車両16を制御するプロセス380の実施形態を示すフロー図である。プロセス380は、抵抗制御システム12の車両コントローラ14のプロセッサ100によって実行されるような、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された開始コード又は命令を表すこともできる。プロセス380に示すいくつかのステップは、プロセス120に関して上述したステップと類似することができる。さらに、さらなるステップを実行することも、及び/又は適切な場合には
図9に示すいくつかのステップを省略し、修正し、又は異なる順序で実行することもできる。
【0062】
プロセス380の実行中、車両コントローラ14は、入力を受け取る(ブロック122)ことによって乗り物サイクルを開始する(ブロック124)こともできる。入力は、重量センサ94からの重量、視覚センサ96からの画像又は識別子、及び/又は入力装置98からのユーザ入力を含むことができる。次に、車両コントローラ14は、入力に対応する目標トルク出力を検索するために抵抗設定データベース104に問い合わせる(ブロック382)。実際には、抵抗設定データベース104は、それぞれのトルク出力を様々なデータ又はパラメータに関連付けるエントリ又はアルゴリズムを含むことができ、車両コントローラ14は、入力を利用して各モータ320に適したトルク出力を識別することができる。一例として、乗客体重が軽い場合よりも乗客体重が重い場合、及び/又は挑戦的な体験の場合よりもリラックスした体験の場合に、トルク出力を高めて乗り物車両16の移動抵抗を高めることができる。車両コントローラ14は、目標トルク出力を識別した後に目標トルクを出力するようにモータ320を制御し、操作し、又はモータ320に命令する(ブロック384)。
【0063】
車両コントローラ14は、モータ320によって出力されたトルクを校正した後に乗り物車両16を介して乗客22に乗り物体験を提供し(ブロック386)、この乗り物体験は、同様に上述した技術を使用してVR装置24によって提供される仮想体験に対応することができる。一例として、VR装置24によって提示される画像は、(例えば、モータ320によって出力されるトルクに抗して乗客22によって与えられる力に基づく)アクチュエータプレート70に対するばね板32の動きに対応することができる。さらに、車両コントローラ14は、乗り物体験中にモータ320によって出力されるトルクを、VR装置24によって乗客22に提示される仮想環境に対応するように調整することができる(ブロック388)。ある例では、車両コントローラ14が、VRコントローラ26から触覚フィードバック要求を受け取り、触覚フィードバック要求に基づいて(例えば、触覚フィードバック要求を満たすように)トルク出力を調整することができる。別の例では、車両コントローラ14が、乗り物体験中の時間、又は乗り物体験の局面(例えば、VR体験の物語的変化)に対応する信号に基づいてトルク出力を自動的に調整することができる。実際には、車両コントローラ14は、ばね板32とアクチュエータプレート70との間の移動抵抗を変化させるために、及び/又は乗客22が主にばね板32の動きを引き起こすことができる半受動モードでの動作と、モータ320が主にばね板32の動きを引き起こすことができる能動モードでの動作との間で移行するためにトルク出力を調整するようにモータ320に命令することができる。さらなる例では、車両コントローラ14が、アクチュエータプレート70に対するばね板32の向きに基づいてトルク出力を調整することができる。例えば、車両コントローラ14は、傾斜角200が閾値よりも大きいことを示すセンサデータを(例えば、傾斜計92から)受け取ったことに応答して、傾斜角200をさらに増加させるばね板32の動きを阻止するためにトルク出力を高めるようにモータ320に命令することができる。
【0064】
乗り物サイクルの完了後、車両コントローラ14は、デフォルトトルクを出力してプロセス120を終了する(ブロック144)ようにモータ320に命令する(ブロック390)ことができる。デフォルトトルクは、ばね板32の(例えば、アクチュエータプレート70に対する)特定の位置付け又は向きを可能にすることができ、及び/又はばね板32とアクチュエータプレート70との間の移動抵抗を、乗り物車両16からの降車を容易にするように設定することができる。例えば、デフォルトトルクは、乗り物車両16からの降車中に乗客22によって与えられる力によって引き起こされるようなアクチュエータプレート70に対する動きを回避して乗客22が乗り物車両16から退出するのを容易にするためにばね板32の移動抵抗を実質的に高めることができる。
【0065】
従って、開示する抵抗制御システムの技術的効果は、乗り物車両の張力又は重量抵抗の選択的調整を可能にすることを含む。従って、乗り物車両は、VR装置を介して静止型アトラクションを体験する幅広い乗客パラメータ又は乗客の好みに対応することができる。一般に、乗客は、乗り物車両に対して自分の体重を傾け又は移動させることによって静止型アトラクションのVRシステムに入力を提供する。乗り物車両は、VR装置を通じて提供される仮想体験をシミュレートするためにこの動きに適切に抵抗するように動作する。いくつかの実施形態では、乗り物車両のばね板が、乗客が自身の体重でばね板を操作することを可能にする枢動継手によって支持される。乗り物車両は、ばね板の表面に結合されて、ばね板の下方に配置されたアクチュエータプレートに対して選択的に収縮する少なくとも1つのばねを含む。アクチュエータプレートは、アクチュエータプレートを上下に動かして乗客の動きに対する抵抗制御システムの抵抗をそれぞれ増加又は減少させることができる少なくとも1つのアクチュエータを介してばね板に対して垂直に配置される。従って、通常の乗り物サイクル中、抵抗制御システムは、乗客に関連するパラメータを示す入力を受け取り、パラメータに対応する所定の設定にばねを引張させるようにアクチュエータに命令することができる。他の実施形態では、列状に配置されてばね板に結合された複合ばね又は円錐ばねが乗客によって目標高さまで受動的に圧縮され、これによって乗客の動きに対する目標抵抗を提供することができる。さらなる実施形態では、乗り物車両が、モータを逆駆動させる出力トルクに打ち勝つ力などに応答してばね板とアクチュエータプレートとの間の移動抵抗を制御するためのトルクを出力する、ばね板に結合された少なくとも1つの逆駆動可能なモータを含むことができる。例えば、抵抗制御システムは、受け取った入力に基づいて、ばね板の移動抵抗を増加又は減少させるように出力トルクを調整することができる。モータは、ばね板を能動的に駆動して移動させるトルクを出力するように制御することもできる。いずれにせよ、開示するシステムは、より幅広い範囲の体重、好み及びその他のパラメータのゲストに改善された体験を提供する。
【0066】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨に従う全てのこのような修正及び変更を含むように意図されていると理解されたい。なお、上述した図に関して図示又は説明した特徴は、いずれもあらゆる好適な形で組み合わせることができると理解されたい。
【0067】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0068】
10 娯楽用アトラクション
12 抵抗制御システム
14 車両コントローラ
16 乗り物車両
32 ばね板
36 ばね板の下面
40 ベース
42 支持梁
46 枢動継手
60 支持アセンブリ
70 アクチュエータプレート
90 センサ
92 傾斜計
94 重量センサ
96 イメージングセンサ
98 入力装置
100 プロセッサ
102 メモリ
104 抵抗設定データベース
320 モータ
322 リンクシステム
324 ギアボックス
326 ブラケット
328 リンケージ
330 リンケージの第1の端部
332 リンケージの第2の端部
334 第2のブラケット
336 水平軸
338 締結具
340 プレート
【国際調査報告】