(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】Eセレクチン阻害剤中間体を調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C07H 15/207 20060101AFI20221027BHJP
C07H 1/00 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
C07H15/207
C07H1/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510815
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 US2020046742
(87)【国際公開番号】W WO2021034796
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506167421
【氏名又は名称】グリコミメティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】フラナー, ヘンリー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン, ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】サーカー, アルン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】マグナニ, ジョン エル.
(72)【発明者】
【氏名】オスヴァルト, ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイツァ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ランツ, マルク
(72)【発明者】
【氏名】キュアス, アンドレアス ヘルムート ベルント
【テーマコード(参考)】
4C057
【Fターム(参考)】
4C057AA03
4C057CC03
4C057DD03
4C057JJ25
(57)【要約】
E-セレクチン阻害剤の合成に有用な式15の中間体の合成のためのプロセスが提供される。本プロセスから得た有用な中間体もまた提供される。化合物15を作製するためのプロセスは、以下のステップのうちの少なくとも1つを含む:(a)水素付加;(b)MeO-トリチル開裂;(c)alloc開裂/アシル化;(d)O-アルキル化;(e)メトキシ-トリチル化;(f)脱アセチル化;(g)グリコシル化;(h)TBDMS-脱保護;および(i)フコシル化。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物15
【化21】
を作製するためのプロセスであって、前記プロセスが、
(a)化合物14
【化22】
の水素付加、
(b)化合物13
【化23】
のMeO-トリチル開裂、
(c)化合物12
【化24】
のalloc開裂/アシル化、
(d)化合物9
【化25】
のO-アルキル化、
(e)化合物8
【化26】
のメトキシ-トリチル化、
(f)化合物7
【化27】
の脱アセチル化、
(g)化合物4
【化28】
のグリコシル化、
(h)化合物3
【化29】
のTBDMS-脱保護、および
(i)化合物1
【化30】
のフコシル化から選択される少なくとも1つのステップを含む、プロセス。
【請求項2】
前記プロセスが、ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも2つのステップを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記プロセスが、ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも3つのステップを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記プロセスが、ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも4つのステップを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
化合物15が結晶性固体として単離される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
化合物14が結晶性固体として単離される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
化合物8が結晶性固体として単離される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
化合物4が結晶性固体として単離される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
化合物14
【化31】
の化合物。
【請求項10】
前記化合物が結晶性である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が、
図2に実質的に類似のXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルから選択される少なくとも1つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルから選択される少なくとも2つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルから選択される少なくとも3つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルから選択される少なくとも4つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルを少なくとも含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルから選択される少なくとも1つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルから選択される少なくとも2つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項19】
前記化合物が、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルから選択される少なくとも3つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項20】
前記化合物が、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルから選択される少なくとも4つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項21】
前記化合物が、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルを少なくとも含むXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項22】
前記化合物が、以下の単位格子:
a=8.76Å α=90°
b=24.19Å β=90°
c=27.59Å γ=90°
体積=5850Å
3
Z=4、Z’=2
空間群:斜方晶空間群P2
12
12
1
により特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項23】
前記化合物が、約170℃において吸熱開始を有するDSC曲線により特徴付けられる、請求項10に記載の化合物。
【請求項24】
化合物15のエタノール溶媒和物水和物
【化32】
の化合物であって、
前記化合物が、以下の単位格子:
a=45.7Å α=90°
b=4.95Å β=96°
c=16.73Å γ=90°
体積=3763Å
3
Z=4、Z’=1
空間群:単斜晶C2
により特徴付けられる、化合物。
【請求項25】
化合物8
【化33】
の化合物であって、
前記化合物が、以下の単位格子:
a=22.61Å α=90°
b=8.66Å β=90°
c=24.51Å γ=90°
体積=4797Å3
Z=4、Z’=1
空間群:単斜晶I2
により特徴付けられる、化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年8月20日に出願された米国仮出願第62/889,326号の、米国特許法§119(e)に基づく利益を主張し、この出願は、その全体が参考として本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
E-セレクチン阻害剤の合成に有用な中間体の合成のためのプロセスが提供される。本プロセスから得た有用な中間体もまた提供される。このクラスの化合物は、例えば、米国特許第9,796,745号および同第9,867,841号、米国特許出願第15/025,730号、同第15/531,951号、同第16/081,275号、同第16/323,685号、および同第16/303,852号、ならびにPCT国際出願PCT/US2018/067961に記載されている。
【0003】
セレクチンは、内皮細胞への白血球の結合を媒介するために重要な、構造的に類似した細胞表面受容体の群である。これらのタンパク質は1型膜タンパク質であり、アミノ末端レクチンドメイン、上皮成長因子(EGF)様ドメイン、様々な数の補体受容体関連リピート、疎水性ドメイン貫通領域および細胞質ドメインで構成される。結合相互作用は、セレクチンおよび様々な炭水化物リガンドのレクチンドメインの接触により媒介されているようである。
【0004】
3種の公知のセレクチン:E-セレクチン、P-セレクチン、およびL-セレクチンがある。E-セレクチンは、毛細血管の内壁を裏打ちする活性化内皮細胞の表面上に見出される。E-セレクチンは、ある特定の白血球(単球および好中球)の表面上の糖タンパク質または糖脂質として現れる炭水化物シアリル-Lewisx(sLex)に結合し、周辺組織が感染または損傷を受けた領域内で、これらの細胞が毛細血管壁に接着するのを助け、E-セレクチンは、多くの腫瘍細胞上に発現するシアリル-Lewisa(sLea)にも結合する。P-セレクチンは炎症性内皮および血小板上に発現し、やはりsLexおよびsLeaを認識するばかりでなく、硫酸化チロシンと相互作用する第2の部位も含有する。E-セレクチンおよびP-セレクチンの発現は、毛細血管に隣接する組織が感染または損傷を受けた場合一般的に増加する。L-セレクチンは白血球上に発現する。セレクチン媒介性の細胞間接着はセレクチン媒介性機能の一例である。
感染症と闘い、外来性物質を破壊するためにはセレクチン媒介性細胞接着が必要とされるが、このような細胞接着が望ましくなく、または過剰であり、修復の代わりに組織損傷をもたらす状況が存在する。例えば、多くの病態(例えば、自己免疫性および炎症性疾患、ショックおよび再灌流傷害など)は、白血球の異常な接着を含む。このような異常な細胞接着はまた、移植および移植片拒絶においてある役割を果たし得る。加えて、一部の循環するがん細胞は、活性化した内皮と結合して、転移するために炎症性機序を活用しているようである。このような状況では、セレクチン媒介性細胞間接着のモジュレーションが望ましいこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9,796,745号明細書
【特許文献2】米国特許第9,867,841号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2015/025730号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/531951号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2016/081275号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2016/323685号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2016/303852号明細書
【特許文献8】PCT国際出願PCT/US2018/067961
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
化合物15、E-セレクチン阻害剤の合成に有用な中間体を作製するための新規のプロセスが本明細書で提供される。
【化1】
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1a】
図1aおよび1bは化合物15の合成を例示している。
【
図1b】
図1bは化合物15の合成を例示している。
【0008】
【
図2】
図2は、結晶性化合物14の観察された粉末X線回折(XRPD)パターンを示している。
【0009】
【
図3】
図3は、結晶性化合物14の熱重量分析(TGA)曲線を示している。
【0010】
【
図4】
図4は、結晶性化合物14の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスであって、化合物14の水素付加を含むプロセスが提供される。
【化2】
【0012】
一部の実施形態では、化合物14の水素付加は、H2およびPd/Cの使用を含む。一部の実施形態では、化合物14の水素付加は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はアルコールから選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒は2-プロパノールである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はエステルおよびエーテルから選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はTHFである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒は水である。一部の実施形態では、化合物14の水素付加は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒は2-プロパノールおよびTHFである。一部の実施形態では、化合物14の水素付加は少なくとも3種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも3種の溶媒は2-プロパノール、THF、および水である。
【0013】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、化合物13のMeO-トリチルを開裂して化合物14を生成するステップを含む。
【化3】
【0014】
一部の実施形態では、化合物13のMeO-トリチル開裂は少なくとも1種の酸の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の酸は無機酸から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の酸は有機酸から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の酸は塩酸である。一部の実施形態では、少なくとも1種の酸はトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸、p-トルエンスルホン酸、およびメタンスルホン酸から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の酸はトリクロロ酢酸である。
【0015】
一部の実施形態では、化合物13のMeO-トリチル開裂は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はアルコールから選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はメタノールである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒は水である。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はジクロロメタンである。一部の実施形態では、化合物13のMeO-トリチル開裂は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はジクロロメタンおよびメタノールである。
【0016】
一部の実施形態では、化合物14は、シリカゲルクロマトグラフィーを含む方法で精製される。一部の実施形態では、シリカゲルクロマトグラフィーはn-ヘプタンの存在下で実施される。一部の実施形態では、シリカゲルクロマトグラフィーは酢酸エチルの存在下で実施される。一部の実施形態では、シリカゲルクロマトグラフィーはn-ヘプタンおよび酢酸エチルの存在下で実施される。
【0017】
一部の実施形態では、化合物14は結晶性である。一部の実施形態では、化合物14の結晶化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はアルコールから選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒は2-プロパノールである。一部の実施形態では、結晶性化合物14は棒状形態により特徴付けられる。
【0018】
一部の実施形態では、結晶性化合物14は、以下の位置のうちの1つまたは複数においてシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる:
【表A】
【0019】
一部の実施形態では、結晶性化合物14は、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルから選択される少なくとも1つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルから選択される少なくとも2つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルから選択される少なくとも3つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルから選択される少なくとも4つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、13.9±0.2、11.1±0.2、12.2±0.2、7.1±0.2、4.6±0.2、および4.9±0.2のd間隔におけるシグナルを少なくとも含むXRPDパターンにより特徴付けられる。
【0020】
一部の実施形態では、結晶性化合物14は、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルから選択される少なくとも1つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルから選択される少なくとも2つシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルから選択される少なくとも3つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルから選択される少なくとも4つのシグナルを含むXRPDパターンにより特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、19.2±0.2、18.0±0.2、12.4±0.2、7.9±0.2、7.3±0.2、および6.4±0.2の2シータの度数のシグナルを少なくとも含むXRPDパターンにより特徴付けられる。
【0021】
一部の実施形態では、結晶性化合物14は、約170℃において吸熱開始を有するDSC曲線により特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、約171℃において吸熱ピークを有するDSC曲線により特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、約170℃において吸熱開始および約171℃においてピークを有するDSC曲線により特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、169.7℃において吸熱開始および171.4℃においてピークを有するDSC曲線により特徴付けられる。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、熱重量分析で分析した場合、140℃まで約2重量%未満の質量損失を有する。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、熱重量分析で分析した場合、140℃まで約1重量%未満の質量損失を有する。一部の実施形態では、結晶性化合物14は、熱重量分析で分析した場合、140℃まで約0.7重量%の質量損失を有する。
【0022】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、化合物12をalloc開裂およびアシル化して、化合物13を生成するステップを含む。
【化4】
【0023】
一部の実施形態では、化合物12のalloc開裂/アシル化は少なくとも1つの塩基の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの塩基は4-メチルモルホリンである。一部の実施形態では、化合物12のalloc開裂/アシル化は少なくとも1種の酸の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の酸は酢酸である。一部の実施形態では、化合物12のalloc開裂/アシル化は少なくとも1種の無水物の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の無水物は無水酢酸である。
【0024】
一部の実施形態では、化合物12のalloc開裂/アシル化は少なくとも1種のホスフィンの使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種のホスフィンはトリフェニルホスフィンである。一部の実施形態では、化合物12のalloc開裂/アシル化は少なくとも1種の触媒の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の触媒はPd[(C6H5)3P]4である。
【0025】
一部の実施形態では、化合物12のalloc開裂/アシル化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はジクロロメタンである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はトルエンである。
【0026】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、化合物9を化合物11でO-アルキル化して、化合物12を生成するステップを含む。
【化5】
【0027】
一部の実施形態では、化合物9のO-アルキル化は、少なくとも1種のアルキルスズの使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種のアルキルスズは酸化ジブチルスズ(IV)である。一部の実施形態では、化合物9のO-アルキル化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はアセトニトリルである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はメタノールである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はトルエンである。一部の実施形態では、化合物9のO-アルキル化は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はトルエンおよびアセトニトリルである。一部の実施形態では、化合物9のO-アルキル化は少なくとも1種のフッ化物を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種のフッ化物はフッ化セシウムである。
【0028】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、化合物8をメトキシ-トリチル化して化合物9を生成するステップを含む。
【化6】
【0029】
一部の実施形態では、化合物8のメトキシ-トリチル化は4-MeO-トリチル-Clの使用を含む。一部の実施形態では、化合物8のメトキシ-トリチル化は少なくとも1種の塩基の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の塩基はDABCO、ピリジン、および2,6-ルチジンから選択される。一部の実施形態では、化合物8のメトキシ-トリチル化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はジクロロメタンである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はMe-THFである。一部の実施形態では、化合物8のメトキシ-トリチル化は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はMeTHFおよびジクロロメタンである。
【0030】
一部の実施形態では、化合物9は沈殿する。一部の実施形態では、化合物9は少なくとも1種の溶媒の存在下で沈殿する。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はMeTHFである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はn-ヘプタンである。一部の実施形態では、化合物9は少なくとも2種の溶媒の存在下で沈殿する。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はMeTHFおよびn-ヘプタンである。
【0031】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、化合物7を脱アセチル化して、化合物8を生成するステップを含む。
【化7】
【0032】
一部の実施形態では、化合物7の脱アセチル化は少なくとも1種の塩基の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の塩基はアルコキシドから選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の塩基はNaOMeである。一部の実施形態では、化合物7の脱アセチル化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はメタノールである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒は酢酸メチルである。一部の実施形態では、化合物7の脱アセチル化は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はメタノールおよび酢酸メチルである。
【0033】
一部の実施形態では、化合物8は結晶性である。一部の実施形態では、化合物8は少なくとも1種の溶媒の存在下で結晶化する。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒は2-メチル-2-ブタノールである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はn-ヘプタンである。一部の実施形態では、化合物8は少なくとも2種の溶媒の存在下で結晶化する。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒は2-メチル-2-ブタノールおよびn-ヘプタンである。
【0034】
一部の実施形態では、化合物8はエタノール溶媒和物として結晶化する。一部の実施形態では、化合物8は、少なくとも1種の溶媒の存在下でエタノール溶媒和物として結晶化する。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はエタノールである。一部の実施形態では、化合物8は、少なくとも2種の溶媒の存在下でエタノール溶媒和物として結晶化する。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はエタノールおよび水である。一部の実施形態では、結晶性化合物8はエタノール溶媒和物である。一部の実施形態では、結晶性化合物8エタノール溶媒和物は棒状結晶により特徴付けられた。
【0035】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、化合物4を化合物6でグリコシル化して、化合物7を生成するステップを含む。
【化8】
【0036】
一部の実施形態では、化合物4のグリコシル化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はトルエンである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はジクロロメタンである。一部の実施形態では、化合物4のグリコシル化は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はトルエンおよびジクロロメタンである。一部の実施形態では、化合物4のグリコシル化は少なくとも1種の酸の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の酸はトリフル酸である。
【0037】
一部の実施形態では、化合物6を作製するためのプロセスは、化合物5の活性化を含む。
【化9】
【0038】
一部の実施形態では、化合物5の活性化は、少なくとも1種のホスファイトの使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種のホスファイトはクロロホスファイトから選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種のホスファイトはジエチルクロロホスファイトである。一部の実施形態では、化合物5の活性化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はトルエンである。一部の実施形態では、化合物5の活性化は少なくとも1種の有機塩基の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の有機塩基はトリエチルアミンである。
【0039】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、化合物3をTBDMS-脱保護して、化合物4を生成するステップを含む。
【化10】
【0040】
一部の実施形態では、化合物3のTBDMS-脱保護は少なくとも1種のフッ化物の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種のフッ化物はTBAFである。一部の実施形態では、化合物3のTBDMS-脱保護は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はTHFである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はACNである。一部の実施形態では、化合物3のTBDMS-脱保護は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はTHFおよびACNである。
【0041】
一部の実施形態では、化合物4は結晶化する。一部の実施形態では、化合物4は少なくとも1種の溶媒の存在下で結晶化する。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はジクロロメタンである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はメタノールである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒は水である。一部の実施形態では、化合物4は少なくとも2種の溶媒の存在下で結晶化する。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒は水およびメタノールである。
【0042】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、化合物1を化合物2bでフコシル化して、化合物3を生成するステップを含む。
【化11】
【0043】
一部の実施形態では、化合物1のフコシル化はTBABrの使用を含む。一部の実施形態では、化合物1のフコシル化は少なくとも1種の塩基の使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1種の塩基はDIPEAである。一部の実施形態では、化合物1のフコシル化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はMeTHFである。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はジクロロメタンである。一部の実施形態では、化合物1のフコシル化は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はMeTHFおよびジクロロメタンである。
【0044】
一部の実施形態では、化合物2bを作製するプロセスは、化合物2aをBr2と反応させるステップを含む。一部の実施形態では、化合物2aのBr2との反応は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はシクロヘキサンである。
【0045】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、以下のステップのうちの少なくとも1つを含む:
(a)化合物14の水素付加;
(b)化合物13のMeO-トリチル開裂;
(c)化合物12のalloc開裂/アシル化;
(d)化合物9のO-アルキル化;
(e)化合物8のメトキシ-トリチル化;
(f)化合物7の脱アセチル化;
(g)化合物4のグリコシル化;
(h)化合物3のTBDMS-脱保護;および
(i)化合物1のフコシル化。
【0046】
一部の実施形態では、上記ステップdは、化合物9を化合物11でO-アルキル化して、化合物12を形成するステップを含む。一部の実施形態では、上記ステップgは、化合物4を化合物6でグリコシル化して、化合物7を形成するステップを含む。
【0047】
一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、上記ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも2つのステップを含む。一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、上記ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも3つのステップを含む。一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、上記ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも4つのステップを含む。一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、上記ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも5つのステップを含む。一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、上記ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも6つのステップを含む。一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、上記ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも7つのステップを含む。一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは、上記ステップ(a)~(i)から選択される少なくとも8つのステップを含む。一部の実施形態では、化合物15を作製するためのプロセスは上記ステップ(a)~(i)のそれぞれを含む。
【0048】
一部の実施形態では、化合物15は結晶性である。一部の実施形態では、化合物15の結晶化は少なくとも1種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はアルコールから選択される。一部の実施形態では、少なくとも1種の溶媒はエタノールである。一部の実施形態では、化合物15の結晶化は少なくとも2種の溶媒の存在下で実施される。一部の実施形態では、少なくとも2種の溶媒はエタノールおよび水である。一部の実施形態では、結晶性化合物15はエタノール溶媒和物水和物である。一部の実施形態では、結晶性化合物15のエタノール溶媒和物水和物はプレート状結晶により特徴付けられる。
【0049】
化合物15は、
図1aおよび1bに示されている一般反応スキームに従い調製することができる。当業者は、これらの化合物を類似の方法でまたは当業者に公知の他の方法を組み合わせることにより生成することができることを理解されたい。一般的に、出発構成成分は、例えば、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis、Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCI、およびFluorochem USAなどの供給元から入手してもよいし、ならびに/または当業者に公知のソースに従い合成してもよいし、(例えば、Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 5th edition (Wiley, December 2000)を参照されたい)ならびに/または本明細書に記載されているように調製してもよい。
【0050】
本明細書に記載されているものと類似の反応物質は、American Chemical SocietyのChemical Abstract Serviceにより作成された公知の化学物質のインデックスを介して特定することができ、これは、ほとんどの公共図書館および大学図書館、ならびにオンラインデータベースを介して(より詳細については、American Chemical Society、Washington,D.C.に問い合わせることができる)入手可能である。公知であるが、カタログで市販されていない化学物質は、特注化学合成会社により調製することができ、この標準的な薬品供給会社(例えば、上記に列挙されたものなど)の多くが、特注合成サービスを提供している。本開示の薬学的塩の調製および選択についての参考文献は、P. H. StahlおよびC. G. Wermuth 「Handbook of Pharmaceutical Salts」Verlag Helvetica Chimica Acta、Zurich、2002年である。
【0051】
当業者に公知の方法は、様々な参照用の本、論文、およびデータベースを介して特定することができる。本開示の化合物の調製に有用な反応物質の合成を詳述する、または調製について記載している論文への参照を提供する、適切な参照用の本および専門書として、例えば、「Synthetic Organic Chemistry」John Wiley & Sons, Inc.、New York;S. R. Sandlerら、「Organic Functional Group Preparations」第2版、Academic Press、New York、1983年;H. O. House、「Modern Synthetic Reactions」第2版、W. A. Benjamin, Inc.、Menlo Park、Calif.、1972年;T. L. Gilchrist、「Heterocyclic Chemistry」第2版、John Wiley & Sons、New York、1992年;J. March、「Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structure」第4版、Wiley-Interscience、New York、1992年が挙げられる。本開示の化合物の調製に有用な反応物質の合成を詳述する、または調製について記載している論文への参照を提供する、追加の適切な参照用の本および専門書として、例えば、Fuhrhop, J.およびPenzlin G.「Organic Synthesis: Concepts, Methods, Starting Materials」、第2版、改訂版、および拡大版、(1994年)John Wiley & Sons、ISBN: 3- 527-29074-5;Hoffman, R.V.「Organic Chemistry, An Intermediate Text」、(1996年)Oxford University Press、ISBN 0-19-509618-5;Larock, R. C.「Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations」第2版(1999年)Wiley-VCH、ISBN: 0-471-19031-4;March, J.「Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure」第4版(1992年)John Wiley & Sons、ISBN: 0-471-60180-2;Otera, J.(編)「Modern Carbonyl Chemistry」(2000年)Wiley-VCH、ISBN: 3-527-29871-1;Patai, S.「Patai's 1992 Guide to the Chemistry of Functional Groups」(1992年)Interscience ISBN: 0-471-93022-9;Quin, L.D.ら、「A Guide to Organophosphorus Chemistry」(2000年)Wiley-Interscience、ISBN: 0-471-31824-8;Solomons, T. W. G.「Organic Chemistry」第7版(2000年)John Wiley & Sons、ISBN: 0-471-19095-0;Stowell, J.C.、「Intermediate Organic Chemistry」第2版(1993年)Wiley-Interscience、ISBN: 0-471-57456-2;「Industrial Organic Chemicals: Starting Materials and Intermediates: An Ullmann's Encyclopedia」(1999年)John Wiley & Sons、ISBN: 3-527-29645-X、全8巻;「Organic Reactions」(1942~2000年)John Wiley & Sons、全55巻超;ならびに「Chemistry of Functional Groups」John Wiley & Sons、全73巻が挙げられる。
【実施例】
【0052】
(実施例1)
化合物15の合成
ステップ1
【化12】
化合物3:39.34gの化合物2a(1.30当量)をシクロヘキサン(8vol)に溶解させ、Ta=55℃/200mbarで揮散させ(6volを除去)、シクロヘキサン(5vol)を加え、再度(5volを除去)Ta=55℃/230~210mbarで揮散させた。DCM(2.2vol)を加え、溶液をTi=0℃で冷却した。臭素(1.20当量)のDCM(0.4vol)溶液をTi=0~5℃で67分間にわたり加え、Ti0℃でもう55分間撹拌してから、シクロヘキセン(1.5当量)をTi=0~5℃で55分間にわたり加えた。混合物(DCM中化合物2b)を0℃でもう40分間撹拌した。
【0053】
DIPEA(3.0当量)、TBABr(1.0当量)およびMeTHF(2vol)をTi=0℃で加えた。次いで、化合物1(20.02g/1.0当量)のDCM(2vol)溶液をTi=0~1℃で10分間にわたり加えた。添加タンクをDCM(1vol)ですすぎ、洗浄液を反応混合物に加えた。反応混合物を120分間にわたりTi=25℃まで温め、Ti=25℃で120時間撹拌し続けた。
【0054】
水(7vol)をTi=25℃で加え、相を分離し、水相をDCM(2vol)(APのpH約7)で再抽出した。合わせた有機層を15%水性クエン酸(5vol)、7.4%水性NaHCO
3(5vol)および水(5vol)で逐次的に洗浄した(最終APのpH約7)。有機層の体積を決定し(OP4#1~260mL)、Ta=45℃/500mbarで10volに濃縮した。濃縮物のpHを制御し(pH4~5)、DIPEA(0.2当量)を加えて、pH約9にした。pHの調節後、蒸留を再開し、4volの溶媒をTa=60℃/500~190mbarで蒸留した。アセトニトリル(7vol)を加え、6volをTa=55℃/200~190mbarで蒸留した。
ステップ2
【化13】
【0055】
化合物4:THF(2.2当量)中の1M TBAFを、Ti約20℃で、10分間にわたり加え、反応混合物(赤色の溶液)をTi=55℃に加熱し、Ti=55℃で19時間撹拌した。
【0056】
4volの溶媒をTa=55℃/240~190mbarで蒸留した。DCM(5vol)および水(5vol)を加え、相を分離し、水相をDCM(2vol)で再抽出した。合わせた有機層を3.7%水性NaHCO3(5vol)および水(5vol)逐次的に洗浄した。有機層の体積を決定し(230mL)、Ta=55℃/580~420mbarで6volの濃縮物体積に濃縮した(→溶液)。メタノール(12vol)を加えると、高粘度の懸濁液が得られた。4volをTa=58℃~70℃/480~430mbarで蒸留した。懸濁液をTa=80℃/atm(Ti約60℃)で加熱還流し、透明な溶液を得た。水(1vol)をTa=75℃で17分間にわたり加えた。懸濁液をおよそ85分以内でTi=20℃に冷却した。
【0057】
懸濁液をTi=20℃で4時間20分撹拌し、次いで濾過した。フィルターケーキをMeOH/水6:1(3vol)、MeOH/水4:1(1vol)およびメチル-シクロヘキサン(4vol)で洗浄した。ヌッチェフィルターで、真空およびロータバップ中で、Ta=45℃で、乾燥重量含有量99.56%DCまで乾燥させた。28.36gn.corr./28.24gLODcorr(Y LoDcorr.:72.1%)。
【0058】
1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.27-7.42 (m, 15H), 4.95-5.02 (m, 2H), 4.94-5.03 (m, 2H), 4.73-4.87 (m, 2H), 4.67 (dd, J=14.1, 11.5 Hz, 2H), 4.62-4.72 (m, 2H), 4.06-4.14 (m, 2H), 3.96 (dd, J=10.1, 2.8 Hz, 1H), 3.64-3.73 (m, 4H), 3.38-3.47 (m, 1H), 2.98 (dd, J=10.3, 8.5 Hz, 1H), 2.35 (tt, J=12.6, 3.2 Hz, 1H), 2.23 (tdd, J=7.9, 4.7, 2.9 Hz, 1H), 1.99-2.10 (m, 2H), 1.33-1.56 (m, 2H), 1.07-1.20 (m, 5H), 0.79 (t, J=7.5 Hz, 3H).MS:C
37H
46O
8についての計算値=618.76、実測値m/z=641.3(M+Na
+)。
ステップ3
【化14】
【0059】
化合物6:化合物5(1.50当量corr.、45.32gn.corr./42.47g corr.)に、トルエン(8vol)を加え、次いで5volの溶媒をTa=55℃/130~60mbarで蒸留した。トルエン(2vol)を加え、2volの溶媒をTa=55℃で蒸留した。濃縮物をトルエン(5.5vol)で希釈した。Ti=0~5℃に冷却後、トリエチルアミン(2.05当量)を加えた。ジエチルクロロホスファイト(0.93当量)をTi=0~3℃で30分間にわたり反応混合物に加えた(発熱)。混合物をTi=0℃で30分間撹拌した。第2の部分のジエチルクロロホスファイト(0.13当量)をTi=0~5℃で10分間にわたり加えた。混合物をTi=0℃で30分間撹拌した。第3の部分のジエチルクロロホスファイト(0.09当量)をTi=0~5℃で7分間にわたり加えた。混合物をTi=0℃で30分間撹拌した。
【0060】
反応混合物を、Ti=1℃で、窒素雰囲気下で固体(TEA×HCl)から濾別し、冷たいトルエン(3vol)で洗浄した。濾液を0.2μm先端フィルター上で精密濾過した。濾液を、0.2μm先端フィルター上で2度目の精密濾過をした。濾液をTa=4℃で終夜貯蔵し、続いて0.2μm先端フィルター上で3回目の濾過をした。後のグリコシル化実験のために、ホスファイト溶液を冷凍庫内で貯蔵した。
【0061】
化合物7:126.41gのグリコシルホスファイト溶液(33.1mmol化合物6、1.28当量)を500mLフラスコ内に入れ、16.03gの化合物4(15.95g、25.78mmol)および32mL(2vol)のトルエンを導入した。溶液をロータバップ上でTj=50℃/100~4mbarで濃縮して、175mL(約11vol)のトルエンを除去した。生成した固体残渣を96mL(6vol)のDCMに溶解させ、3口フラスコに移した。
【0062】
3.53g(23.5mmol、0.91当量)のトリフルオロメタンスルホン酸をTi=-30℃で30分間にわたり供給することで反応を開始した。7.5時間後、4.756g(46.94mmol、1.82当量)のNEt
3を導入することにより、反応物をクエンチした。反応混合物(184.16g透明なオレンジ色の溶液)は、さらなる加工までT=-20℃で貯蔵した。
ステップ4
【化15】
【0063】
化合物8:化合物7を含むクエンチした反応混合物を、Ta=55℃/600~100mbarで蒸留して、5volを除去することで濃縮した。トルエン(4vol)を加え、これに続いて23.1%NaCl溶液(2.5vol)と7.4%NaHCO溶液(2.5vol)の混合物を加えた。相を分離し、水層(AP1#1、pH9)をトルエン(5vol)で再抽出した。合わせた有機層(OP1)の体積は198mLであると決定された。OP1は、Ta=58℃/200~79mbarで132mLの溶媒を蒸留して除去することにより、4.3volの濃縮物体積に濃縮した。濃縮物をメタノール(3.5vol)で希釈し、酢酸メチル(1vol)を加えた。MeOH(0.60当量)中のNaOMe30%を加え、添加タンクをメタノール(0.5vol)ですすいだ。反応混合物をTi=20℃で3時間撹拌した。
【0064】
反応混合物を、Ti=20℃で5分間にわたり酢酸(0.60当量)の添加によりクエンチして、pH5~6に到達した。5volの溶媒をTa=56℃/300~260mbarで蒸留した。酢酸エチル(2.5vol)を加え、2.5volをTa58℃/200mbarで蒸留した。酢酸エチル(5vol)、23.1%NaCl溶液(2.5vol)および水(2.5vol)を加え、撹拌後、相を分離した(→AP2#1pH6、OP2#1)。水層(AP2#1)を酢酸エチルで再抽出した(3vol)(→OP2#2)。合わせた有機層を23.1%NaCl溶液(5vol)で洗浄し、有機層(OP3#1)の体積は180mLであると決定された。
【0065】
OP3#1を、Ta=60℃/330~300mbarで116mLの溶媒を蒸留して除去することにより、4.0volの濃縮物体積に濃縮した。2-メチル-2-ブタノール(5vol)をTj=60℃で加えた(依然として溶液)。2.75volの溶媒をTj=67℃/280~195mbarで蒸留すると、わずかに濁った溶液が生成した。
【0066】
溶液を30分間にわたりTi=70℃に温めた。次いで、溶液を100分間にわたり室温まで冷却させておいた。沈殿がTiおよそ33℃で開始した。懸濁液をTi=20℃で85分間撹拌した。次いでn-ヘプタン(8vol)をTi=20℃で50分間にわたり加え、懸濁液を25分間にわたりTi=10℃に冷却し、この温度で3時間撹拌した。懸濁液(2分)を濾過し、フィルターケーキを2-メチル-2-ブタノール/n-ヘプタン(0.7vol/1.4vol、10℃)の混合物で洗浄し、最後にn-ヘプタン(3vol)と共にTi=10℃に冷却した。生成物をヌッチェフィルター上で、真空/窒素で、終夜乾燥させて、さらにロータバップ上で、Ta=45℃で6時間乾燥させて、97.22%の乾燥重量含有量とした。17.00gn.corr./16.527gLODcorr.(Y:73.91%)。
【0067】
1H NMR (クロロホルム-d) δ 7.23-7.43 (m, 17H), 5.90 (ddt, J=17.2, 10.4, 5.8 Hz, 1H), 5.31 (dq, J=17.1, 1.5 Hz, 1H), 5.24 (dd, J=10.4, 1.3 Hz, 1H), 5.10 (d, J=3.3 Hz, 1H), 4.59-5.01 (m, 9H), 4.53-4.58 (m, 2H), 4.44 (d, J=7.9 Hz, 1H), 4.00-4.12 (m, 2H), 3.83-3.94 (m, 2H), 3.71-3.82 (m, 4H), 3.68 (s, 3H), 3.32-3.35 (m, 1H), 2.34 (tt, J=12.2, 3.2 Hz, 1H), 2.20 (d, J=13.2 Hz, 1H), 1.91-2.05 (m, 2H), 1.40-1.60 (m, 3H), 1.16-1.30 (m, 4H), 1.12 (d, J=6.6 Hz, 4H), 0.92 (t, J=7.6 Hz, 1H), 0.81 (t, J=7.4 Hz, 3H).MS:C
47H
61NO
14についての計算値=863.99;実測値m/z=886.4(M+Na
+)。
ステップ5
【化16】
【0068】
化合物9:化合物8(25.00g)をDCM(6vol)に溶解させた。溶媒(4vol)をTj=50℃/vacで蒸留した。DCM(6vol)を加え、同じ体積の溶媒を蒸留した。DCM(6vol)を加え、同じ体積の溶媒を蒸留した。透明な黄色がかった濃縮物をDCM(4vol)で希釈し、窒素下で周辺温度に冷却した。2,6-ルチジン(1.8当量)を加えた。4-MeO-トリチルクロリド(1.03当量)を3回に分けて加え、DCM(0.5vol)で反応混合物をすすぎ、周辺温度で1時間撹拌した。
【0069】
水(3vol)を導入し、これに続いてMe-THF(6vol)を導入し、6volの溶媒を蒸留した。Me-THF(6vol)を加え、同じ量の溶媒を蒸留した。クエン酸15%w/w(3vol)を加え、混合物を激しく撹拌した。相を分離し、有機相を水(3vol)、ブライン(3vol)および飽和水性NaHCO3(1vol)の混合物で洗浄した。相を分離し、水相のpHは7と測定された。有機相を半分濃縮された水性NaCl(6vol)で洗浄して、140mLの有機相を生成した。
【0070】
およそ50mLの溶媒をTj=45℃/250mbarで蒸留により除去して、生成物溶液を4volに濃縮した。濃縮物をTi=40℃に温め、n-ヘプタン(12vol)を同じ温度で30分間にわたり加えた。生成した懸濁液をTi=60℃に加熱して、フラスコの壁に付着したクラストを溶解させ、この温度で25分間保持した。懸濁液を2時間にわたり20℃に冷却し、この温度で終夜撹拌した。固体を250mLターンオーバーフリットP3上で濾過した。フィルターケーキを母液およびn-ヘプタン(2.3vol)ですすぎ、真空中、窒素流下で5時間乾燥させ、さらにロータバップ上でTj=33℃で終夜乾燥させた。30.03gn.corr./29.89gLODcorr.(Y93.8%corr.)。
【0071】
1H NMR (クロロホルム-d) δ 1H NMR (クロロホルム-d) シフト: 7.09-7.47 (m, 28H), 6.76-6.82 (m, 2H), 5.83-5.99 (m, 1H), 5.32 (dd, J=17.2, 1.5 Hz, 1H), 5.24 (dd, J=10.3, 1.4 Hz, 1H), 4.77-5.00 (m, 4H), 4.44-4.75 (m, 7H), 4.10-4.21 (m, 2H), 3.98-4.09 (m, 2H), 3.75-3.95 (m, 4H), 3.61-3.70 (m, 6H), 3.54-3.60 (m, 1H), 3.37-3.50 (m, 2H), 3.27-3.37 (m, 2H), 2.15-2.37 (m, 2H), 1.93-2.14 (m, 2H), 1.36-1.56 (m, 2H), 1.05-1.29 (m, 5H), 0.73-0.86 (m, 3H).MS:C
67H
77NO
15についての計算値=1136.33、実測値m/z=1158.5(M+Na
+)。
ステップ6
【化17】
【0072】
化合物11:化合物10(40.03g;1重量)をDCM(4.5vol)に溶解させた。DIPEA(2.3当量)を加え、溶液をTi=-10℃に冷却した。トリフル酸無水物(1.3当量)をTi=-10℃で43分間にわたり導入した。滴下漏斗をDCM(0.5vol)ですすいだ。暗褐色の混合物をTi=-10℃で150分間撹拌した。
【0073】
15%水性クエン酸(4vol)の添加により、反応混合物をTi=-10℃~8℃で25分間にわたりクエンチした。溶液を周辺温度まで温めた。4.45volの溶媒をTj=45℃/600~280mbarで蒸留した。トルエン(4vol)を加え、相を分離した。水相をトルエン(3vol)で抽出し、合わせた有機相を水で洗浄し(3vol)、これに続いてブライン(3vol)で洗浄した。有機相をTj=45℃/250~55mbarで、155mLの溶媒を蒸留して除去することにより5.5volに濃縮した。生成物溶液を0.45μmナイロン膜上で濾過し、トルエン(0.3vol)ですすいで、暗褐色の生成物溶液(ロータバップによるLoD:33.56%w/w)を生成した。183.92gn.corr./61.72gLoDcorr.(Y、乾燥質量ベース:102.56%)。
【0074】
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.30-7.47 (m, 6H), 5.25-5.38 (m, 3H), 1.70-1.81 (m, 3H), 1.51-1.69 (m, 5H), 1.28-1.43 (m, 1H), 1.04-1.21 (m, 5H), 0.76-0.99 (m, 3H).MS:C17H21F3O5S5についての計算値=394.41、実測値m/z=417.0(M+Na)。
【0075】
化合物12:化合物9(20.45g、1重量)、酸化ジブチルスズ(IV)(0.37重量/1.7当量)、メタノール(4vol)およびトルエン(2vol)をTj=82℃で加熱還流し、還流下で2時間撹拌した。蒸留を介して、Tj=65℃/320mbar)で溶媒(3vol)を除去した。トルエン(3vol)を加え、溶液を還流下、Tj=82℃で75分間撹拌した。溶媒(4vol)をTj=65℃/400~140mbarで蒸留により除去した。トルエン(3vol)を加え、蒸留を介してTj=65℃/130mbar)で溶媒(3vol)を除去した。トルエン(3vol)を加え、蒸留を介してTj=65℃/105mbar)で溶媒(3vol)を除去した。
【0076】
アセトニトリル(5vol)を濃縮物にTi=20℃で加えた。トルエン(2.25当量;CA18-0119)中の化合物11、フッ化セシウム(3.0当量;F17-04152)およびメタノール(1.0当量)を加えた。水(0.5当量)とアセトニトリル(0.5当量)の混合物を調製した。調製したACN溶液の1/4を反応混合物に加え、続いてこれをTi=20℃で1時間撹拌した。第2の部分のACN溶液を加え、混合物をもう1時間撹拌した。これをもう2回繰り返した。最後のACN/水の部分の添加後、反応混合物をTi=20℃で180分間撹拌した。
【0077】
7.4%水性NaHCO
3(4vol)の添加により混合物をクエンチし、Ti=20℃で50分間撹拌した。二相性混合物をセライトベッド上で濾過した(2重量;12volトルエンで前もって調整)。フィルターケーキをトルエン(3vol)ですすいだ。相を分離し、水層をトルエン(3vol)で抽出した。合わせた有機層を半飽和水性NaHCO
3(5vol)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4(2.0重量)で乾燥させ、Na
2SO
4を濾過し、フィルターケーキをトルエン(2vol)ですすいだ。4-メチルモルホリン(1.0当量;F17-03830)を生成物溶液に加えた。溶液を4℃で終夜貯蔵した。
ステップ7
【化18】
【0078】
化合物13:化合物12を含む有機相を、ロータバップ上で、Ta=55℃/200~90mbarで5volに濃縮した。4-メチルモルホリン(20当量)およびDCM(8vol)を導入した。無水酢酸(8当量)および酢酸(2当量;F16-04758)をTi=20℃で加えた。フラスコを真空排気し、窒素で3回パージした。トリフェニルホスフィン(0.05当量)およびPd[(C6H5)3P]4(0.05当量)を加え、次に別の真空排気/窒素パージサイクルが続いた。反応混合物をTi=20℃で18時間撹拌した。
【0079】
周辺温度で20分間にわたり水(5vol)を添加することにより、反応をクエンチした。相を分離し、有機層を水性クエン酸15%w/w(5vol)で洗浄した。有機相に、飽和NaHCO
3(5vol)およびメタノール(0.5vol)を導入した。混合物を周辺温度で45分間激しく撹拌した。相を分離し、有機相を水(毎回5vol)で2回洗浄し、ロータバップ上で、Tj=50℃/600mbarで7volに濃縮した。
ステップ8
【化19】
【0080】
化合物14:化合物13を含む濃縮物(140mL)をメタノール(0.2vol)および水(0.5vol)に導入し、Ti=0~5℃で冷却した。TCA(3.0当量)とDCM(1vol)の混合物を調製し、Ti=1~2℃で20分間にわたり濃縮物に供給した。反応混合物をこの温度で3.5時間撹拌した。
【0081】
飽和水性NaHCO3(5vol)を反応混合物にTi=1~3℃で25分以内に供給し、混合物を室温まで温めた。相を分離し、水相をDCM(2vol)で抽出した。合わせた有機層を水(5vol)で洗浄し、Na2SO4(1.5重量)で乾燥させた。Na2SO2を濾過し、DCM(2vol)ですすいだ。
【0082】
精製:クロマトグラフィーカラムに1548g(10重量)シリカゲル(15cm直径、ベッド高さ22cm)を導入し、酢酸エチル/ヘプタン1:1で調整した。ステップ6/7/8テレスコープ(出発材料:157.63g)からの582gの生成物溶液をカラムの上に導入し、15mlのDCMで予備溶出した。60vol(9.5L)の溶出液1(酢酸エチル/ヘプタン1:1)を最初に適用することにより、カラムを溶出し、1Lの洗浄画分19を収集した後、画分1#1~1#19(それぞれ0.5Lvol)を収集した。その後、溶出液を溶出液2(酢酸エチル/ヘプタン3:1)に換え、さらなる画分1#20~1#33(それぞれ1.0Lvol)を収集した。画分をTLC:プール1で分析した。画分1#18~1#29をプールし、濃縮して、化合物14を80.88gの固体残渣、98.15%a/aとして得た。画分1#15~1#17を第2のプールIIとして収集し、9.98gの固体残渣、67.1%a/aとして第2の収集物である化合物14を得た。
【0083】
代替の精製:Biotage cartridge(40kgシリカ、タイプKP-Sil Flash 400L)をジャケット内で2-プロパノール(10L)で放射状に圧縮し、次いでヘプタン(94L)で調整し、次いで1:1ヘプタン/EtOAc(98L)で調整した。トルエン/DCM中の粗製の化合物14(12.319kg n.corr./3.308kg corr.)をヌッチェに導入し、窒素圧力を用いてカラムに移した。ヌッチェを少量のジクロロメタン(0.5L)ですすぎ、すすぎ溶液をカラムに移した。カラムを264L1:1ヘプタン/EtOAcで溶出し、これに続いて260Lの1:3ヘプタン/EtOAcで溶出した。精製ステップを追加の12.234kg n.corr.トルエン/DCM中化合物14を用いて繰り返した。
【0084】
化合物14を含有するすべての画分を収集し、合わせ、160Lのガラスライニング反応器内で、Tj=60℃/242~156mbarで12volに濃縮した。濃縮物を添加タンクに移し、体積は71Lと測定された。
【0085】
溶液を反応器に移し、Tj=60℃/176~170mbarで5volにさらに濃縮した。添加タンクを介して2-プロパノール(36L)を導入し、Tj=60℃/185~120mbarでの蒸留を介して、30Lの溶媒を除去した。2-プロパノール(24.5L)を導入し、Tj=60℃/120~93mbarでの蒸留を介して20Lの溶媒を除去した。2-プロパノール(20L)を導入し、60℃/98~90mbarでの蒸留を介して25Lの溶媒を除去した。
【0086】
反応混合物をTi=55℃でおよそ1時間撹拌し、続いて結晶性化合物14(1g)を播種した(種結晶はクロマトグラフィー後に得た化合物14の試料を2-プロパノールに添加し、結晶化が観察されるまで撹拌することにより得ることができる)。反応混合物を4時間以内でTi=1.7℃に冷却し、この温度で8.5時間撹拌した。生成した懸濁液をヌッチェに移し、濾過して、ML-ドラムに入れた。反応器を母液(14L)ですすいだ。
【0087】
反応器に2-プロパノール(10L)を導入し、Ti=1.7℃に冷却した。洗浄液をヌッチェに移し、2.5時間以内に濾過して、ML-ドラムに入れた。フィルターケーキを真空下および窒素流下で3日間乾燥させた。生成物を放出した。2.246kg n.corr./2.241kg LOD corr。(乾燥質量ベースのY:70.9%回収ステップ)。
【0088】
1H NMR (クロロホルム-d) δ 7.20-7.45 (m, 24H), 5.66 (d, J=6.8 Hz, 1H), 5.14-5.25 (m, 2H), 5.05 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.69-5.01 (m, 7H), 4.61 (d, J=11.4 Hz, 1H), 4.35 (dd, J=10.6, 3.0 Hz, 1H), 3.95-4.12 (m, 3H), 3.76-3.87 (m, 2H), 3.59-3.74 (m, 7H), 3.41 (t, J=4.7 Hz, 1H), 3.29 (t, J=9.6 Hz, 1H), 3.08-3.21 (m, 1H), 2.66 (dd, J=9.5, 2.2 Hz, 1H), 2.29 (tt, J=12.6, 3.1 Hz, 1H), 2.13 (d, J=12.7 Hz, 1H), 1.91-2.08 (m, 5H), 1.36-1.81 (m, 13H), 0.99-1.31 (m, 9H), 0.72-0.98 (m, 5H).MS:C61H79NO15についての計算値=1066.28、実測値m/z=1088.5(M+Na)。
【0089】
化合物14の種結晶は、クロマトグラフィーの後で得た化合物14を2-プロパノールに添加し、結晶化が観察されるまで撹拌することにより得ることができる。
ステップ9
【化20】
【0090】
化合物15:化合物14(5.03g;1重量;CA18-0480)を2-プロパノール(15vol)、水0.5vol)およびTHF(2.5vol)に導入した。懸濁液をTi=30℃に温めて、溶液を得た。Pd/C10%0.2重量;F15-01378)および2-プロパノール(3vol)を加え、混合物を、水素雰囲気下、大気圧およびTj=37℃で7時間撹拌した。脱気した水(1.5vol)を反応混合物に加え、水素付加をTj=37℃/1バールで17時間継続した。脱気した水(2vol)を加え、水素付加を上記の所与の条件でもう7時間継続した。反応混合物を、水素雰囲気下、Tj=37℃/1バールで終夜撹拌した。
【0091】
水素雰囲気を窒素に交換し、固体NaHCO3(0.05当量)および水(2vol)を導入した。反応混合物を30℃で、0.45μmナイロン膜上で濾過し、フィルターケーキを2-プロパノール(3vol)と水(1vol)の混合物ですすいだ。合わせた濾液をTj=35℃/vacで濃縮乾燥させて、4.80gの固形物を生成した。固体を水(0.2vol)とTHF(3vol)の混合物に溶解させて、透明な溶液を得た。
【0092】
酢酸イソプロピル(25.5vol)をTi=0℃に冷却し、生成物溶液を、滴下漏斗を介して、Ti=0℃で55分間にわたり加えた。滴下漏斗を水(0.1vol)とTHF(0.3vol)の混合物ですすいだ。Ti=0℃で80分間撹拌した後、懸濁液を濾過した。フィルターケーキをMTBE(3vol)ですすぎ、生成物を真空下および窒素流下で終夜乾燥させた。3.10gn.corr./3.08gLoDcorr.(Y LoDcorr92.66%)。
【0093】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.61-4.83 (m, 2H), 4.08-4.26 (m, 3H), 3.98 (d, J=8.6 Hz, 1H), 3.80 (s, 1H), 3.29-3.57 (m, 10H), 3.19-3.28 (m, 1H), 3.06 (t, J=9.5 Hz, 1H), 2.34-2.47 (m, 1H), 2.22 (d, J=12.7 Hz, 1H), 1.91-2.04 (m, 1H), 1.71-1.89 (m, 5H), 1.34-1.69 (m, 8H), 0.68-1.31 (m, 13H).MS:C33H55NO15についての計算値=705.79、実測値m/z=728.4(M+Na)。
(実施例2)
化合物8エタノール溶媒和物の単結晶X線分析
【0094】
化合物8エタノール溶媒和物の絶対構造を単結晶エックス線回折で決定した。以下の方法を介して結晶を調製した:
【0095】
2mL透明ガラスバイアル内で化合物8(10mg)をエタノール(100μL)に溶解させ、2滴の水(およそ20μL)を加えた。このバイアルに蓋をし、5℃で放置した。数日後、非常に大きな棒状結晶が溶液メニスカスの下に成長しているのが認められ、これは単結晶エックス線回折による照合に適しているように見えた。
【0096】
モノクロ化Cu Kα(λ=1.54184Å)放射線を使用して、Agilent Technologies(Dual Source)SuperNova回折計によるSXRD分析を行った。回折計にOxford Cryosystems低温デバイスを装着することで、データ収集を120(1)Kで実施し、結晶をParatone油の保護層内に閉じ込めることができた。CrysAlisProソフトウエアパッケージ(Agilent Technologies、2014)の一部として実装された多面的結晶モデルに対するGaussian積分に基づき、吸収作用について収集したデータを補正した。
【0097】
直接的方法(SHELXS97)により構造を解明し、OLEX2ソフトウエアパッケージを介してインターフェイスされた、F(SHELXL97)に対する完全最小二乗法精密化により発展させた。生成された画像はOLEX2を介して行ったものであった。Sheldrick, G. M. Acta Cryst. Sect. A 2008, 64, 112; Dolomanov, O. V., Bourhis, L. J., Gildea, R. J., Howard, J. A. K., Puschmann, H. J Appl. Cryst. 2009, 42, 339-341を参照されたい。
【0098】
データを収集し、解明し、斜方晶系空間群P212121において精密化し、PLATONのADDSYMMルーチンを使用してより高い計量対称性を探究したが、いかなるより高次の対称性も明らかにすることはできなかった。Le Page, Y. J. Appl. Cryst. 1987, 20, 264; Le Page, Y. J. Appl. Cryst. 1988, 21, 983; Spek A. L., Acta Cryst. 2009, D65, 148を参照されたい。
【0099】
すべての非水素原子の位置をFourierマップ内において決定し、すべての非水素原子のこれらの熱的運動を異方性の方法で記載する前に、これらの位置を精密化した。構造内で、1つの完全な、結晶として独立した化合物8式単位が、1個の完全に占有されたエタノール分子と一緒に非対称的単位内に見出された。親化合物8個の分子内で、それぞれ占有率62:38、68:32および53:47を有する剛性の六角形(AFIX66)として精密化された、ベンジル-環C27>C32、C34>C39およびC41>C46において無秩序の領域が認められた。alloc保護基の末端ビニルアームC7>C9もまた無秩序であることが見出され、C7-C8について固定された結合長(DFIX)1.54Å、e.s.d.0.01およびC8-C9について1.40Å、e.s.d.0.01を用いて、占有率50:50で精密化した。
【0100】
すべてのCH、CH2およびNH基について1.2倍ならびにすべてのCH3およびOH基について1.5倍で固定されたUisoを有するライディングモデルを使用して、すべての水素原子を計算した位置に配置した。
【0101】
最も高い残りのFourierピークは、C26から0.56e.Å-3およそ0.92Åであることが見出され、最も深いFourierホールは、O8から-0.24e.Å-3およそ0.94Åであることが見出された。
【0102】
C49H67NO15(M=910.05g/mol)についての結晶データ:単斜晶、空間群I2(no.5)、a=22.606Å、b=8.657Å、c=24.51470(1)Å、β=90.35°、V=4797.44(2)Å3、Z=4、T=120(10)K、μ(CuKα)=0.765mm-1、Dcalc=1.257g/cm3、439372反射を測定(7.212°≦2Θ≦152.404°)、9977ユニーク(Rint=0.0574、Rsigma=0.0142)、これらをすべての計算に使用した。最終R1は0.0467(I>2σ(I))であり、wR2は0.1279(全データ)であった。
【0103】
化合物8エタノール溶媒和物の構造的特徴。収集した構造の単位格子寸法は以下の通りであることが見出された:
空間群:単斜晶I2
a=22.606(1)Å α=90°
b=8.6568(1)Å β=90.345(1)°
c=24.5147(1)Å γ=90°
体積=4797.44(2)Å3
Z=4、Z’=1
非対称的単位は、1つの完全な化合物8の式単位および1つの完全に占有されたエタノール分子として認める得るほど精密化された電子密度の明確な領域を含有することが見出された。
最終精密化パラメーターは以下の通りであった:
R1[I>2σ(I)]=4.67%
GooF(適合度)=1.051
wR2(全データ)=13.20%
Rint=5.74%
Flackパラメーター=-0.07(4)
【0104】
表1は、結晶性化合物8エタノール溶媒和物についての、分数による原子座標(×10
4)および同等の等方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。U
eqは、直交したU
IJテンソルのトレースの1/3と定義される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0105】
表2は、結晶性化合物8エタノール溶媒和物についての異方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。異方性変位因子指数は形態:-2π
2[h
2a*
2U
11+2hka*b*U
12+…]を取る。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0106】
表3は、結晶性化合物8エタノール溶媒和物についての結合長を示している。
【表3-1】
【表3-2】
【0107】
表4は、結晶性化合物8エタノール溶媒和物についての結合角度を示している。
【表4-1】
【表4-2】
【0108】
表5は、結晶性化合物8エタノール溶媒和物についてのねじれ角を示している。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0109】
表6は、結晶性化合物8エタノール溶媒和物についての水素原子座標(Å×10
4)および等方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
(実施例3)
化合物14の熱重量分析/示差熱分析
【0110】
およそ5mgの結晶性化合物14を秤量して、開口アルミニウム皿に置き、同時測定の熱重量分析器/示差熱分析器(TG/DTA)に入れ、室温で保持した。次いで試料を10℃/分の速度で20℃から300℃に加熱し、この間試料重量の変化を任意の示差熱イベント(DTA)と共に記録した。窒素をパージ気体として、流速300cm
3/分で使用した。融解まで有意な質量損失は観察されなかった。
図3を参照されたい。
(実施例4)
化合物14の示差走査熱量測定
【0111】
およそ5mgの結晶性化合物14を秤量して、アルミニウムDSC皿に置き、穿孔したアルミニウム蓋で非気密的に密閉した。次いで試料皿をSeiko DSC6200(クーラー装備)に入れ、冷却し、20℃で保持した。安定したヒートフロー応答が一度得られたら、試料および基準物質をスキャン速度10℃/分で190℃に加熱し、生成したヒートフロー応答をモニターした。窒素を流速50cm
3/分でパージ気体として使用した。単一の吸熱を開始169.7℃、ピーク171.4℃(82.3mJ/mg)で検出した。
図4を参照されたい。
(実施例5)
化合物14の結晶構造特徴付け
【0112】
試料を3~35°2θの間でスキャニングして、XRPD分析をPANalytical X’pert proで行った。結晶性化合物14を穏やかに粉砕して、任意の凝集物を取り除き、試料支持用KaptonまたはMylarポリマーフィルムの付いたマルチウェルプレートに入れた。次いで、マルチウェルプレートを回折計内に配置し、40kV/40mA発生器の設定を使用して透過モード(ステップサイズ0.0130°2θ)で作動する、Cu K放射線(α
1λ=1.54060Å;α
2=1.54443Å;β=1.39225Å;α
1:α
2比率=0.5)を使用して分析した。XRPDパターンは、
図2および以下の表7で要約されている結果を生成した。
【表7-1】
【表7-2】
【0113】
本明細書で列挙されたXRPDピークは、2シータシグナルおよびd間隔シグナルについての正確さ±0.2を反映すると理解するべきである。本開示はまた、XRPDによる結晶性および部分的結晶性固体の特徴付けに関する米国薬局方および国家規格(the United States Pharmacopeia and the National Formulary)2014(USP37/NF32、1巻)のセクション941を完全に組み込んでいる。
(実施例6)
化合物14の単結晶X線分析
【0114】
周囲条件下で、化合物14のTHF溶液へとヘキサンをゆっくりと拡散させて成長させた適切な結晶から、化合物14の絶対構造を単結晶エックス線回折により決定した。
【0115】
モノクロ化Cu Kα(λ=1.54184Å)放射線を使用して、Agilent Technologies(Dual Source)SuperNova回折計によるSXRD分析を行った。回折計にOxford Cryosystems低温デバイスを装着することで、データ収集を120(1)Kで実施し、結晶をParatone油の保護層内に閉じ込めることができた。CrysAlisProソフトウエアパッケージ(Agilent Technologies、2014)の一部として実装された多面的結晶モデルに対するGaussian積分に基づき、吸収作用について収集したデータを補正した。
【0116】
直接的方法(SHELXS97)により構造を解明し、OLEX2ソフトウエアパッケージを介してインターフェイスされた、F(SHELXL97)に対する完全最小二乗法精密化により発展させた。生成された画像はOLEX2を介して行ったものであった。Sheldrick, G. M. Acta Cryst. Sect. A 2008, 64, 112; Dolomanov, O. V., Bourhis, L. J., Gildea, R. J., Howard, J. A. K., Puschmann, H. J Appl. Cryst. 2009, 42, 339-341を参照されたい。
【0117】
データを収集し、解明し、斜方晶系空間群P212121において精密化し、PLATONのADDSYMMルーチンを使用してより高い計量対称性を探究したが、いかなるより高次の対称性も明らかにすることはできなかった。Le Page, Y. J. Appl. Cryst. 1987, 20, 264; Le Page, Y. J. Appl. Cryst. 1988, 21, 983; Spek A. L., Acta Cryst. 2009, D65, 148を参照されたい。
【0118】
すべての非水素原子の位置をFourierマップ内において決定し、すべての非水素原子のこれらの熱的運動を異方性の方法で記載する前に、これらの位置を精密化した。構造内で、1つの完全な、結晶として独立した化合物14の式単位が非対称的単位内のみに見出された。最終構造において、無秩序が観察されたり、モデル化されたりすることはなかった。
【0119】
すべてのCH、CH2およびNH基について1.2倍、ならびにすべてのCH3およびOH基について1.5倍で固定されたUisoを有するライディングモデルを使用して、すべての水素原子を計算した位置に配置した。
【0120】
最も高い残りのFourierピークは、C(59)から0.26e.Å-3およそ1.25Åであることが見出され、および最も深いFourierホールは、C21から-0.20e.Å-3およそ0.94Åであることが見出された。
【0121】
C61H79NO15(M=1066.25g/モル)についての結晶データ:斜方晶、空間群P212121(no.19)、a=8.76Å、b=24.19Å、c=27.59Å、V=5850Å3、Z=4、T=120(1)K、μ(CuKα)=0.702mm-1、Dcalc=1.211g/cm3、404815反射を測定(6.408°≦2Θ≦153.014°)、12200ユニーク(Rint=0.1016、Rsigma=0.0309)、これらをすべての計算に使用した。最終R1は0.0435(I>2σ(I))であり、wR2は0.1152(全データ)であった。
【0122】
化合物14の構造的特徴。収集した構造の単位格子寸法は以下の通りあることが見出された:
空間群:斜方晶空間群P212121
a=8.76Å α=90°
b=24.19Å β=90°
c=27.59Å γ=90°
体積=5850Å3
Z=4、Z’=2
非対称的単位は、1つの完全な化合物14式単位のみを含有することが見出された。
最終精密化パラメーターは以下の通りであった:
R1[I>2σ(I)]=4.35%
GooF(適合度)=1.066
wR2(全データ)=11.52%
Rint=10.16%(12200の独立した反射)
Flackパラメーター=-0.03(5)(100%Friedelカバレージ)
【0123】
表8は、結晶性化合物14についての、分数による原子座標(×10
4)および同等の等方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。U
eqは、直交したU
IJテンソルのトレースの1/3と定義される。
【表8-1】
【表8-2】
【0124】
表9は、結晶性化合物14についての異方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。異方性変位因子指数は形態:
-2π
2[h
2a*
2U
11+2hka*b*U
12+…]を取る。
【表9-1】
【表9-2】
【0125】
表10は、結晶性化合物14についての結合長を示している。
【表10-1】
【表10-2】
【0126】
表11は、結晶性化合物14についての結合角度を示している。
【表11-1】
【表11-2】
【0127】
表12は、結晶性化合物14についてのねじれ角を示している。
【表12-1】
【表12-2】
【0128】
表13は、結晶性化合物14についての水素原子座標(Å×10
4)および等方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。
【表13】
(実施例7)
化合物15のエタノール溶媒和物水和物の単結晶X線分析
【0129】
2mL透明ガラスバイアル内で、化合物15(10mg)をエタノール(無水)(400μL)に溶解させ、水(200μL)を加えた。このバイアルに蓋をして、5℃でおよそ3週間放置した。3週間後、小さなプレート状結晶が溶液メニスカスの下に成長しているのが認められ、これは単結晶エックス線回折による照合に適しているように見えた。
【0130】
Agilent SuperNova dual source装置を使用して、封管により生成されたCu Kα放射線(λ=1.54184Å)を使用して、SXRD分析を行った。回折計にOxford Cryosystems低温デバイスを装着することで、データ収集を120(1)Kで実施し、結晶をParatone油の保護層内に閉じ込めることができた。いくつかのデータセットを収集し、これらを解明し、キラル単斜晶空間群C2において精密化した。CrysAlisProソフトウエアパッケージ(Agilent Technologies、2014)の一部としての球面調和関数(スケール3 ABSPACK)により、実験に基づく補正を使用して吸収作用を補正した。
【0131】
直接的方法(SHELXS97)により構造を解明し、OLEX2ソフトウエアパッケージを介してインターフェイスされた、F(SHELXL97)に対する完全最小二乗法精密化により発展させた。生成された画像はOLEX2を介して行ったものであった。Sheldrick, G. M. Acta Cryst. Sect. A 2008, 64, 112; Dolomanov, O. V., Bourhis, L. J., Gildea, R. J., Howard, J. A. K., Puschmann, H. J Appl. Cryst. 2009, 42, 339-341を参照されたい。
【0132】
PLATONのADDSYMMルーチンを使用してより高い計量対称性を探究したが、いかなるより高次の対称性も明らかにすることはできなかった。Le Page, Y. J. Appl. Cryst. 1987, 20, 264; Le Page, Y. J. Appl. Cryst. 1988, 21, 983; Spek A. L., Acta Cryst. 2009, D65, 148を参照されたい。すべての非水素原子の位置をFourierマップ内において決定し、すべての非水素原子の熱的運動を異方性の方法で記載する前に、これらの位置を精密化した。構造内で、1つの完全な化合物15式単位が、占有率0.67を有する水分子および占有率0.33を有するエタノール分子としてよく精密化された電子密度の2つのポケットと一緒に、非対称的単位内に見出された。原子の熱的動作を等方性挙動の付近に制限することに加えて、エタノール分子内の結合長を、C-C長について1.54(2)ÅおよびC-O長について1.44(2)Åに制限した。この溶媒空隙に加えて、親化合物15分子のメトキシ-エーテルアームは無秩序であることが見出され、したがって、等しい占有率を有する2つの位置上にモデル化した。
【0133】
すべてのCH、CH2およびNH基について1.2倍ならびにすべてのCH3およびOH基について1.5倍で固定されたUisoを有するライディングモデルを使用して、すべての水素原子を計算した位置に配置した。
【0134】
最も高い残りのFourierピークはC(36)から0.84e.Å-3およそ0.73Åであることが見出され、最も深いFourierホールはO(11)から-0.29e.Å-3およそ1.04Åであることが見出された。
【0135】
C33.33H58.33NO16(M=729.37g/mol)についての結晶データ:単斜晶、空間群C2(no.5)、a=45.7226(18)Å、b=4.9503(3)Å、c=16.7304(8)Å、α=90°、β=95.885(4)°、β=90°、V=3766.8(3)Å3、Z=4、T=120(1)K、μ(CuKα)=0.860mm-1、Dcalc=1.290g/cm3、114512反射を測定(6.896°≦2Θ≦162.986°)、7536ユニーク(Rint=0.1458、Rsigma=0.0766)、これらをすべての計算に使用した。最終R1は0.0842(I>2σ(I))であり、wR2は0.2463(全データ)であった。
【0136】
化合物15のエタノール溶媒和物水和物の構造的特徴。収集した構造の単位格子寸法は、以下の通りであることが見出された:
空間群:単斜晶I2
a=45.703(4)Å α=90°
b=4.9471(4)Å β=95.819(8)°
c=16.7285(15)Å γ=90°
体積=3762.8(3)Å3
Z=4、Z’=1
非対称的単位は、38個の電子/単位格子(9.5個の電子/非対称的単位)と等しい無秩序な電子密度の小さな領域を有する1つの完全な化合物15式単位を含有することが見出され、これは水についての占有率0.67(およびエタノールについての占有率0.33)で、部分的に占有された混合した水/エタノール空隙として現在精密化されている。注釈:完全な水について10個の電子および完全なエタノール分子について18個の電子。
最終精密化パラメーターは以下の通りであった:
R1[I>2σ(I)]=8.42%
GooF(適合度)=1.010
wR2(全データ)=24.63%
Rint=14.58%
Flackパラメーター=0.3(2)
【0137】
表14は、結晶性化合物15のエタノール溶媒和物水和物についての、分数による原子座標(×10
4)および同等の等方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。U
eqは直交したU
IJテンソルのトレースの1/3と定義される。
【表14-1】
【表14-2】
【0138】
表15は、結晶性化合物15のエタノール溶媒和物水和物についての異方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。異方性変位因子指数は形態:-2π
2[h
2a*
2U
11+2hka*b*U
12+…]を取る。
【表15-1】
【表15-2】
【0139】
表16は、結晶性化合物15のエタノール溶媒和物水和物についての結合長を示している。
【表16-1】
【表16-2】
【0140】
表17は、結晶性化合物15のエタノール溶媒和物水和物についての結合角度を示している。
【表17-1】
【表17-2】
【0141】
表18は、結晶性化合物15のエタノール溶媒和物水和物についての水素原子座標(Å×10
4)および等方性変位パラメーター(Å
2×10
3)を示している。
【表18-1】
【表18-2】
【国際調査報告】