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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】車両用の可視化補助装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
G08G1/16 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022510945
(86)(22)【出願日】2020-08-03
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 AU2020050794
(87)【国際公開番号】W WO2021030858
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】2019903036
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522063402
【氏名又は名称】トゥロック,ダニエル
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】トゥロック,ダニエル
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL15
(57)【要約】
本発明は、地表面上の車両の前輪(90A、90B)の投影位置を車両の運転手に示すための可視化補助装置に関する。本可視化補助装置は、インジケータ(10A、10B)を含む。インジケータは、車両から地表面を見ている運転手の視線(5A、5B)上に位置決め可能である。インジケータは、視線上の車両の境界(140)に、またはその上方に、位置決め可能である。車両の境界より先の視線(5A、5B)は、車両(90A、90B)の前輪から前方に延びる仮想鉛直面(7A、7B)と交差する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面上の車両の前輪の投影位置を前記車両の運転手に示すための可視化補助装置であって、前記可視化補助装置はインジケータを含み、
前記インジケータは前記車両から前記地表面を見ている前記運転手の視線上に位置決め可能であり、
前記インジケータは前記視線上の前記車両の境界に、またはその上方に、位置決め可能であり、
前記車両の前記境界より先の前記視線は、前記車両の前記前輪から前方に延びる仮想鉛直面と交差する、
可視化補助装置。
【請求項2】
前記インジケータは、前記車両のフロントガラスから外を見ている前記運転手の前記視線上の前記車両の前記境界に位置決め可能である、請求項1に記載の可視化補助装置。
【請求項3】
前記仮想鉛直面の幅は、前記前輪の幅によって画定される、請求項1または請求項2に記載の可視化補助装置。
【請求項4】
前記インジケータのための目標位置が、
-運転手の高さ、
-前記運転手に見える前記車両の前記境界の形状または構成、
-運転席の高さ、
-前記運転席の背凭れの傾斜角、
-運転手の視野の偏り、
-車両の寸法、
-車両車輪のサイズ、
-車両前輪の向き、
-ステアリングホイールの向き、
-地表面の傾斜、
-前記地表面の他の特性、および/または
-前記運転手に対する前記車輪の相対位置、
を含む要因のうちの1つ以上、または前記要因の何れかの組み合わせ、を基準に決定される、請求項1~3の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項5】
前記可視化補助装置は、前記インジケータを位置決めするために前記要因のうちの1つ以上を適用することによって、前記インジケータを前記目標位置に、またはその近くに、自動的に位置決めする手段を含む、請求項4に記載の可視化補助装置。
【請求項6】
前記インジケータは、
前記運転手の眼球位置、
車両の速度または加速度、
前記運転席の位置、
運転状況、
地表面の傾斜、
前記地表面の他の特性、
前輪の向き、および/または
ステアリングホイールの向き、
のうちの1つ以上、または何れかの組み合わせ、を含む同時期の運転パラメータに応じて自動的に調整可能である、請求項1~5の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項7】
前記可視化補助装置は、センサデータを提供するためのセンサとして、
運転手の眼球位置センサ、
車両の速度計または加速度計、
ステアリングホイールの向きセンサ、
前輪の向きセンサ、
座席の高さおよび/または背凭れの傾斜のセンサ、および/または
地面または表面上の危険な物体を検出するためのセンサ、
のうちの1つ以上、またはこれらセンサの組み合わせと、
前記センサのうちの1つ以上、または前記センサの組み合わせ、からセンサデータを受信する手段と、を含む、請求項1~6の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項8】
前記可視化補助装置は、運転状況を感知するためのセンサを含み、前記運転状況は、前記地表面の特性、または、そのために前記運転手を助けるように前記可視化補助装置が適合化されている他の運転状況、を含み、前記可視化補助装置は、前記感知された運転状況に応じて自動的に起動または停止するように、またはその位置および/または可視形態を前記感知された運転状況に自動的に適合化するように、更に適合化される、請求項1~7の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項9】
前記インジケータは、運転手が前記インジケータを通して、および/または前記インジケータの周囲で、前記地面または他の表面を眺められるように、構成される、請求項1~8の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項10】
前記インジケータは、前記前輪の向き、および/または前記投影された車輪位置、の変化を、前記運転手が眺めている前記インジケータの向きの対応する変化によって、前記運転手に示すように適合化される、請求項1~9の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項11】
前記可視化補助装置は、前記車両前輪が横切る可能性がある地表面の延長部分を含む車両車輪進路の投影位置を前記運転手に示すように適合化される、請求項1~10の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項12】
前記インジケータは、前記インジケータを通して、および/または前記インジケータの周囲に、妨げられない、または実質的に妨げられない、地表面の光景を前記運転手に提供することによって、前記車両車輪進路の投影位置を示す、請求項11に記載の可視化補助装置。
【請求項13】
前記車両車輪進路は、前記地表面に対する前記インジケータの向きに基づき、前記車両車輪進路を前記運転手が推定できるようにすることによって、示される、請求項11または請求項12に記載の可視化補助装置。
【請求項14】
前記可視化補助装置は、前記車両車輪進路の変化を前記インジケータの前記回転または他の移動によって示すように適合化され、前記インジケータの前記回転または移動は、前記ステアリングホイールの向きに対応する、請求項11~13の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項15】
前記可視化補助装置は、既存車両に後付け可能である、請求項1~14の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項16】
前記インジケータは、インジケータ本体を備える、請求項1~15の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項17】
前記インジケータ本体は、前記車両のフロントガラスの前方に位置決め可能である、請求項16に記載の可視化補助装置。
【請求項18】
前記可視化補助装置は、前記インジケータ本体を前記車両に接続するためのコネクタを含む、請求項16または請求項17に記載の可視化補助装置。
【請求項19】
前記コネクタは、細長い肉薄要素を含む、請求項18に記載の可視化補助装置。
【請求項20】
前記コネクタは折り畳み可能である、請求項18または請求項19に記載の可視化補助装置。
【請求項21】
前記インジケータ本体は、作動位置から不作動位置に移動可能である、請求項18~20の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項22】
前記インジケータ本体が作動位置にあるとき、前記コネクタは前記地面または他の表面に実質的に垂直である、請求項21に記載の可視化補助装置。
【請求項23】
前記コネクタおよび/またはインジケータ本体は、前記車両に対して回転、枢動、または別様の移動が可能である、請求項16~22の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項24】
前記インジケータ本体は、そこを通して前記運転手が前記地面または他の表面を眺めることができる中心開口部を含み、前記開口部は外周部が側部に配され、または前記外周部によって取り囲まれる、請求項16~23の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項25】
前記外周部は、
「V」字状要素、
「O」字状要素、
矢印状要素、および/または
円錐台状要素、
のうちの1つ以上、または何れかの組み合わせ、から成る1つ以上の要素を含む、請求項24に記載の可視化補助装置。
【請求項26】
前記外周部は丸みを帯び、軸対称である、請求項24または請求項25に記載の可視化補助装置。
【請求項27】
前記インジケータはインジケータ表示を備える、請求項1~15の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項28】
前記インジケータ表示は、前記インジケータ表示がスクリーンと前記運転手の前記視線との交点で、またはその近くで、前記スクリーンに現れるように、画像を前記スクリーン上に備える、請求項27に記載の可視化補助装置。
【請求項29】
前記インジケータ表示は、前記車両のフロントガラス上の画像を含む、請求項28に記載の可視化補助装置。
【請求項30】
前記インジケータ表示は、前記車両の内部に取り付け可能なスクリーン上の画像を含む、請求項28に記載の可視化補助装置。
【請求項31】
車両車輪進路を前記スクリーンに表示することによって前記車輪進路の投影位置を前記運転手に示すことができ、前記表示された車輪進路は、前記車両前輪が横切る可能性がある地表面の延長部分を示す画像を含む、請求項28~30の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項32】
前記インジケータ表示は前記車両のダッシュボードに、またはその近くに、表示可能である、請求項27~31の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項33】
前記インジケータ表示、または前記インジケータ表示の一部、は半透明である、請求項27~32の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項34】
前記可視化補助装置は、組み込まれた自動車用ヘッドアップ表示ユニットを含む、請求項27~33の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項35】
前記前輪の前記投影位置は、前記インジケータの前記位置によってのみ前記運転手に示される、請求項1~34の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項36】
前記可視化補助装置は、前記車両の第1の前輪の前記投影位置と前記車両の第2の前輪の前記投影位置とを前記運転手にそれぞれ示すための第1および第2のインジケータを含む、請求項1~35の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月20日に提出された「車両用の可視化補助装置(VISUALISATION AID FOR A VEHICLE)」と題するオーストラリア仮特許出願第2019903036号に対する優先権を主張し、参照によってこのオーストラリア仮出願の全内容を引用したものとする。
【0002】
分野
本発明は、車両用の可視化補助装置に関し、特に、本発明は、自動車、トラック、およびバスなどの道路車両用の可視化補助装置に関する。
【背景技術】
【0003】
車両、特に道路車両、は本質的に危険な機械である。それらは高速で移動でき、通常、混雑した、または困難な、運転状況で運転され、それら車両に組み込まれた(多くの場合、政府によって義務付けられた)種々の安全システムを有するにも拘らず、運転手による小さな過失または判断ミスが運転手、乗客、他の道路利用者、または歩行者に重傷を負わせるなどの劇的な結果もたらすことがあり、著しいコスト(例えば、車両の損傷の修理、医療関連コスト、等々)を伴い得る。
【0004】
時には、運転している車両の車輪位置を、あるいは車両が走行する可能性がある道路の部分を、あるいは道路上の、または他の地表面または他の表面上の、車両が走行する可能性がある進路を、運転手が正しく判断することが困難であり得る。これは、いくつかの要因に起因し得る。一部は運転手に関連し、一部は自動車に関連し、他は走行環境に関連する。例えば、一部の運転手は、距離または寸法の判断が特に下手であり得る。一部の車両は、運転手の眼球と車両車輪のとの間にかなりの距離があるような形状または寸法であり得る、または車両の形状が車両車輪の位置、投影された車輪位置、または車輪進路を運転手が判断し難くしている、あるいは路面の可視性が限られている。状況によっては、運転手は、車両の左側(または車両の右側)から車両を運転することに慣れていることもあり、その経験に基づく空間認識を有し得る。その空間認識は、彼らが彼らの習慣的な運転状況から離れて車両の反対側から運転する場合は(例えば、外国での運転時)、車両の形状(特に、車両車輪の位置)を精確に推定することが困難になる。
【0005】
時には、運転手が車両の車輪位置あるいは車輪が横切る道路または他の地表面を知ることが特に重要になり得るのは、地表面が狭い場合(例えば山際の周辺)、路面に凹凸(例えば大きなポットホール)または運転手が回避したい地表面上の他の障害物が存在する場合などである。またある時には、車輪を車輪自体の幅より十分に広くないこともあるランプの薄い区間に位置合わせすることが重要であり得る(例えば、輸送のために、車両が別の車両に積み重ねられる場合)。更に、より全般的には、他の車両に衝突しないなどの明らかな理由から、運転手がその車両を車線区分線の内側に確実に維持することが重要である。道路工事中に一時的な車線区分線が施されている状況では、車両を車線区分線の内側に維持することは特に困難であり得る。その理由は、そのような一時的区分線は不明確であるか、または運転手が一時的な交通整理に不慣れである故に、別様に追従困難であり得るからである。
【0006】
車両に取り付けられたばねまたは針金を備えたカーブフィーラなどの既存装置は、フィーラが縁石に衝突したことを音または衝撃力によって運転手に警告するために動作する。これら装置は、縁石を感知するときに有用である。ただし、これら装置は、縁石に関するフィードバックを運転手に提供するだけであり、路面の他の特徴(例えばポットホール)に対処できるように、または車両の車輪が地表面または他の表面の特定区間を確実に横切れるように、運転手を助けるためには適していない。
【0007】
車両車輪および車輪近くの地表面の画像を運転手に中継するために、カメラまたは他の光学センサなど、他のより精巧な装置が考えられている。この場合、画像はモニタを使用して運転手に提示される。これら装置は、運転手の視野を車両の前方にある地表面(または地表面上の物体)から離すので、運転手の気を散らし得る。更には、デジタルモニタの介在の故に、注意を逸らさせ、問題であり得る(嵩張るのでダッシュボードに一体に後付けするのが困難であり得る)。
【0008】
既存装置の他の問題は、以下の問題のうちの1つ以上を含む。
a.車輪の直前の空間が限られている故に、車輪および車輪が横切る地表面の画像を単一のカメラまたは他のセンサで得ることは容易ではない。
b.車両車輪の走行進路を示すには、地表面を撮像した以前の画像上に車輪の位置を投影するために、複数のセンサまたは他の手段が必要であり得る。
c.複数のセンサによって撮像した複数の画像を組み合わせた合成画像を生成する必要があり得る。
【0009】
したがって、既存の諸装置は、これだけには限定されないが、以下の点のうちの1つ以上が足りなかった。
a.車両車輪の位置、投影された車輪位置、または車両車輪が取る表面上の進路を判定させるために運転手に提供される支援が限られている。より具体的には、さまざまな異なる路面または他の表面上で運転手のために従来技術によって提供される支援が限られている。
b.運転手の気を散らし、車両が横切っている表面(または表面上の物体)から運転手の気を逸らす。
c.運転から気を逸らす不要な視覚情報を運転手に提供する。
d.車輪近くにセンサを位置付けるための限られた空間および所望の画像を得ることの難しさに対処するために、複数のセンサおよび/または画像処理(または他のより精巧な設備またはプロセス)の(任意性とは反対の)必要性。
e.所望の結果をもたらすための複数の構成要素の精巧な組み合わせ。および/または、
f.既存車両への後付けの困難さ。
【0010】
本願明細書において従来技術の何れかの情報に言及する場合、そのような言及は、その情報がオーストラリアまたは何れか他の国における当業界における共通の一般知識の一部を形成するという承認ではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来技術の1つ以上の短所に対処する、または有用な代替案を少なくとも提供する運転手補助装置によって、車輪位置および/または車輪進路に対する運転手の意識を向上させられるという認識から生じている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によると、地表面上の車両の前輪の投影位置を車両の運転手に示すための可視化補助装置が提供される。この可視化補助装置はインジケータを含む。このインジケータは、車両から地表面を見ている運転手の視線上に位置決め可能である。インジケータは、視線上の、またはその近くの、車両の境界に、またはその近くに、またはその上方に、位置決め可能である。車両の境界を越えた視線は、車両の前輪から延びる仮想鉛直面と交差する。
【0013】
インジケータは、運転手の視線上の車両の境界に位置決め可能であることが好ましい。インジケータは、車両のフロントガラスから外を見ている運転手の視線上に位置決め可能であると更に好適である。
【0014】
運転手の視線上の車両の境界として、とりわけ、ダッシュボードの端縁、車両のフロントボンネットの一部、または車両の前部に取り付けられた、ブルバーなどの、付属品、または、座位にある運転手に見え、また、フロントガラスから地表面を見ている運転手の視線上にある、車両取り付け品または付属品を含む、車両の何れか他の周辺、が挙げられ得る。
【0015】
仮想鉛直面の幅は、前輪の幅によって画定されることが好ましい。仮想鉛直面は、車両の前輪から前方に延在することが特に好ましい。
【0016】
可視化補助装置は、インジケータのための目標位置を設定するように構成されることが好ましい。この目標位置は、運転手の高さ、運転手に見える車両の境界の形状または構成、運転席の高さ、運転席の背凭れの傾斜角、運転手の眼球位置、運転手の視野の偏り、車両の寸法、車両車輪のサイズ、車両前輪の向き、ステアリングホイールの向き、地表面の傾斜、地表面の他の特性、および/または運転手に対する車輪の相対位置、を含む諸要因のうちの1つ以上、またはこれら要因の何れかの組み合わせ、を基準に決定される。
【0017】
可視化補助装置は、インジケータを位置決めするために上記要因のうちの1つ以上を適用することによって、インジケータを目標位置に、またはその近くに、自動的に位置決めする手段を含むことが好ましい。
【0018】
インジケータは、運転手の眼球位置、車両の速度または加速度、運転席の位置、運転状況、地表面の傾斜、地表面の他の特性、前輪の向き、および/またはステアリングホイールの向きのうちの1つ以上、またはこれらの何れかの組み合わせ、を含む、同時期の運転パラメータに応じて自動的に調整可能であることが好ましい。
【0019】
本可視化補助装置は、センサデータを提供するためのセンサとして、運転手の眼球位置センサ、車両の速度計および/または加速度計、ステアリングホイールの向きセンサ、前輪の向きセンサ、座席の高さセンサおよび/または背凭れの傾斜センサ、および/または地面または表面上の危険な物体を検出するためのセンサ、のうちの1つ以上、またはこれらセンサの組み合わせと、これらセンサのうちの1つ以上、またはこれらセンサの組み合わせ、からセンサデータを受信する手段と、を含むことが好ましい。
【0020】
本可視化補助装置は、好適な一形態において、地表面の特性を含む運転状況、または運転手を助けるように可視化補助装置が適合化されている他の運転状況、を感知するためのセンサを含む。本可視化補助装置は、前記感知された運転状況に応じて自動的に起動または停止されるように、またはその位置および/または可視形態を前記感知された運転状況に自動的に適合化させるように、更に適合化される。
【0021】
インジケータは、運転手がインジケータを通して、および/またはその周囲で、地表面を眺められるように構成されていることが好ましい。
【0022】
インジケータは、前輪の向きおよび/または投影された車輪位置の変化を、運転手が眺めているインジケータの向きの対応する変化によって、運転手に示すように適合化されることが好ましい。
【0023】
可視化補助装置は、車両前輪が横切る可能性がある地表面の延長部分を含む、車両車輪進路の投影位置を運転手に示すように適合化されることが好ましい。好適な一形態において、インジケータは、インジケータを通して、および/またはインジケータの周囲で、妨げられない、または実質的に妨げられない地表面の光景を運転手に提供することによって、車両車輪進路の投影位置を示す。投影される車両車輪進路は、地表面に対するインジケータの向きに基づき運転手が車両車輪の進路を推定できるようにすることによって、示されることが好ましい。
【0024】
特に好適な一形態において、可視化補助装置は、インジケータの回転または他の移動によって、車両車輪進路の投影における変化を示すように適合化される。インジケータの回転または移動は、ステアリングホイールの向きに対応する。
【0025】
可視化補助装置は、既存車両に後付け可能であることが好ましい。
【0026】
好適な一形態において、インジケータは、インジケータ本体を備える。インジケータ本体は、車両のフロントガラスの前方に位置決め可能であることが好ましい。
【0027】
本可視化補助装置は、インジケータ本体を車両に接続するためのコネクタを含むことが好ましい。コネクタは、細長い肉薄要素を含むことが好ましい。好適な一形態において、コネクタは折り畳み可能である。特に好適な一形態において、コネクタおよび/またはインジケータ本体は、車両に対して回転、枢動、または別様の移動が可能である。
【0028】
可視化補助装置は、作動位置から不作動位置に移動可能であることが好ましい。可視化補助装置が作動位置にあるとき、コネクタは地表面または他の表面に実質的に垂直であることが好ましい。
【0029】
インジケータ本体は、そこを通して運転手が地面または他の表面を眺めることができる中心開口部を含み、この開口部は側面に形成されるか、または外周部によって取り囲まれていることが好ましい。好適な一形態において、外周部は、「V」字状要素、「O」字状要素、矢印状要素、および/または円錐台状要素のうちの1つ以上の要素、またはこれら要素の何れかの組み合わせ、から成る1つ以上の要素を含む。特に好適な一形態において、外周部は丸みを帯び、軸対称である。
【0030】
好適な一形態において、インジケータは、インジケータ表示を備える。
【0031】
好適な一形態において、インジケータ表示は、スクリーンと運転手の視線との交点において、またはその近くにおいて、インジケータ表示がスクリーン上に現れるように、スクリーン上の画像を含んでいる。特に好適な一形態において、インジケータ表示は、車両のフロントガラス上の画像を含んでいる。更なる特に好適な形態において、インジケータ表示は、車両の内部に取り付け可能なスクリーン上の画像を含んでいる。
【0032】
車輪進路をスクリーンに表示することによって投影される車両車輪進路を運転手に示すことができる。表示される車輪進路は、車両前輪が横切る可能性がある地表面の延長部分を示す画像を含むことが好ましい。
【0033】
好適な一形態において、インジケータ表示は、車両のダッシュボードに、またはその近くに、表示可能である。
【0034】
インジケータ表示、またはインジケータ表示の一部は、半透明、または実質的に半透明であることが好ましい。
【0035】
可視化補助装置は、組み込まれた自動車用ヘッドアップ表示ユニットを含むことが好ましい。
【0036】
前輪の位置は、インジケータの位置によってのみ運転手に間接的に示されることが好ましい。
【0037】
本可視化補助装置は、車両の第1の前輪の投影位置と車両の第2の前輪の投影位置とを運転手にそれぞれ示すための第1および第2のインジケータを含み得る。
【0038】
本発明の第2の態様によると、インジケータと、このインジケータを車両に接続するためのコネクタとを含む、車両の運転手を助けるための可視化補助装置が提供される。インジケータは、車両内の座位から地面または他の表面を見ている運転手の視線上に位置決め可能である。インジケータは、車両の車輪の位置および/または向きを運転手に示すように、適合化される。
【0039】
インジケータは、車両のフロントのワイドスクリーンの前方に位置決め可能であることが好ましい。インジケータは、車両のワイドスクリーンを通して地面または他の表面を見ている運転手の視線上に位置決め可能であることが好ましい。
【0040】
好ましくは、座位にある運転手には、車両の運転席に着座している運転手が含まれる。
【0041】
インジケータは、車両車輪の進路を運転手に示すように適合化されることが好ましい。
【0042】
車両車輪の進路を示すことには、車両車輪が横切る可能性がある地面または他の表面の部分を示すことが含まれていることが好ましい。
【0043】
インジケータは、インジケータを通して、および/またはインジケータの周囲で、妨げられない、または実質的に妨げられない地表面の光景を運転手に提供することによって、車両車輪の進路を示すことが好ましい。
【0044】
インジケータの最大幅は、運転手が車両のボンネットまたは他の境界越しに見ているときに運転手の視線上の実質的に平坦な地表面(または他の表面)上に運転者により視認される平均的な車輪の幅に相当することが好ましい。インジケータの最大幅は、好ましくは約20mmと約40mmの間であり、特にインジケータの最大幅は、約25mmと約35mmの間であり、特に好適な一形態におけるインジケータの幅は、約30mmである。
【0045】
コネクタは、細長い要素を含むことが好ましい。細長い要素は、肉薄であることが好ましい。細長い要素の最大幅は、インジケータより短いことが好ましい。コネクタは、幅が12mm未満であることが好ましい。
【0046】
好適な一形態において、細長い要素は、ロッドを含んでおり、またはロッドを備えている。
【0047】
好適な一形態において、コネクタは折り畳み可能である。特に好適な一形態において、コネクタは、複数の入れ子部分を含む。
【0048】
インジケータは、細長い要素の上部に、またはその近くに、位置決め可能であることが好ましい。
【0049】
インジケータおよび/またはコネクタは、光源を含むことが好ましい。光源はLEDランプでもよい。光源は、車両バッテリーによって電力が供給されることが好ましい。代替的に、光源は、可視化補助装置上に、またはその近くに位置するバッテリーによって電力が供給され得る。
【0050】
好適な一形態において、インジケータおよび/またはコネクタは、可視性を高めるために暗闇で光る化合物を含む。暗闇で光る化合物は、燐、硫化亜鉛、またはアルミン酸ストロンチウムのうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0051】
インジケータは、運転手に見える車両の境界に、またはその近くに位置決め可能であることが好ましい。使用中、車両の境界の一部が、運転手が眺めているインジケータの下部の直下で、運転手に見えることが好ましい。
【0052】
車両の可視境界は、運転手の着座嗜好(例えば、運転手が運転席をどれだけ上昇させるか)、運転手の特性(例えば運転手の高さ)、および/または道路を眺めるために運転手が好む角度、に応じて決まり得る。車両の境界は、車両自体の形態にも依存し得る。運転手に見える車両の境界は、ダッシュボードなどの車両の内装品、または車両の外装品(例えば自動車のフロントボンネット)であり得る。
【0053】
使用中、インジケータの下部と運転手に見える車両の境界部分との間に間隙が存在し、またはインジケータ自体を貫通する間隙が存在し、前記間隙を通して運転手に見える地面または他の表面を運転手が眺められることが好ましい。
【0054】
前記間隙を通して運転手に見える地面または他の表面を眺められることによって、車両車輪の進路を運転手に示すことができることが好ましい。
【0055】
可視化補助装置は、車両の左側または右側よりの着座の故に起こる運転手の視野の偏りを打ち消す、車輪の上方の、位置に位置決め可能であることによって、車両車輪の位置を運転手に示すように適合化されることが好ましい。
【0056】
インジケータの位置は、視野の偏り程度がそれぞれ異なる複数の運転手を助けられるように、調整可能であることが好ましい。
【0057】
車両車輪の位置は、運転手と車輪との間の仮想視線に沿って実際の車輪位置より先に延びる鉛直面に、またはその周囲に位置決め可能なインジケータによって示されることが好ましい。
【0058】
インジケータのための目標位置は、運転手の高さ、運転手に見える車両の境界の形状または構成、運転席の高さ、運転席の背凭れの傾斜角、運転手の視野の偏り、車両の寸法、車両車輪のサイズ、および/または運転手に対する車輪の相対位置、を含む1つ以上の要因を基準に決定されることが好ましい。
【0059】
インジケータのための目標位置は、車両の境界の一部が、運転手が眺めているインジケータの下部の直下で運転手に見えるようであることが好ましい。
【0060】
この目標位置は、インジケータの下部と車両の境界部分との間に、またはインジケータ自体を貫通させて、運転手に見える間隙を設けることによって、運転手に見える地面または他の表面を、前記間隙を通して運転手が眺められるようにすることが好ましい。運転手に見える地面または他の表面を、前記間隙を通して眺めることができるようにすることによって、車両車輪の進路を運転手に示すことができることが好ましい。
【0061】
目標位置は、車両車輪の位置を運転手に示すために働くことが好ましい。車両車輪の位置は、運転手とインジケータとの間の仮想視線に沿って実際の車輪位置より先に延びる鉛直面に、またはその周囲に車両車輪が位置するように位置決め可能なインジケータによって示されることが好ましい。
【0062】
好適な一形態において、可視化補助装置は、インジケータを位置決めするための要因のうちの1つ以上を適用することによって、インジケータを目標位置に、またはその近くに自動的に位置決めする手段を提供する。
【0063】
更に好適な一形態において、インジケータの位置は、目標位置に、またはその近くに、手動で位置決め可能である。
【0064】
可視化補助装置は、自動位置決めおよび手動位置決めに備えることが好ましい。
【0065】
可視化補助装置は、作動位置から不作動位置に移動可能であることが好ましい。作動位置にあるコネクタは、(運転手から見て)車両のボンネットに実質的に垂直であることが好ましい。代替的に、コネクタは、作動位置において(運転手から見て)車両のボンネットに対して鈍角または鋭角に延び得る。これは、車両が方向転換している場合に該当し得る。
【0066】
好適な一形態において、不作動位置にあるコネクタは、運転姿勢にある運転手に見えない。好適な一形態において、不作動位置にあるコネクタは、(運転手から見て)車両のボンネットに実質的に平行である。
【0067】
可視化補助装置は、運転手によって作動位置から不作動位置に車両内から遠隔移動可能であることが好ましい。
【0068】
可視化補助装置は、作動位置から不作動位置に自動的に移動可能であることが好ましい。
【0069】
可視化補助装置は、道路上の障害物または路面の非一様性が存在する場合などの運転状況に応じて、自動的に作動位置に移動されるように適合化されることが好ましい。
【0070】
インジケータは、外周部を含み得る。
【0071】
外周部は、車両車輪の(例えば、車両の水平主軸に対する)向きを示すように適合化されることが好ましい。
【0072】
外周部は、1つ以上の要素を含み得る。インジケータの外周部は、「V」字状要素を含み得る。インジケータの外周部は、「O」字状要素を含み得る。インジケータの外周部は、矢印状要素を含み得る。インジケータの外周部は、円錐台状要素を含み得る。
【0073】
インジケータの外周部は、丸みを有し得る。インジケータの外周部は、軸対称であり得る。好適な一形態において、インジケータは、運転手がさまざまな角度で眺めたときに同じ形状に見えるように、丸みを帯び、且つ軸対称である。
【0074】
インジケータは、そこを通して地表面または他の表面が運転手に見える中心開口部を含むことが好ましい。中心開口部は、外周部が側面に配され得る。
【0075】
インジケータ、またはインジケータの一部は透明または半透明であることが好ましい。
【0076】
示される車輪進路は、同時期の運転パラメータに応じることが好ましい。
【0077】
コネクタは、車両に対して回転、枢動、または別様に移動可能であることが好ましい。このような移動は、同時期の運転パラメータに応じることが好ましい。インジケータは、車両に対して回転、枢動、または別様に移動可能であることが好ましい。このような移動は、同時期の運転パラメータに応じることが好ましい。
【0078】
好適な一形態において、インジケータは、運転手の眼球位置、車両の速度または加速度、運転席の位置、運転状況(例えば道路上の障害物の有無、または可視化補助装置によって感知される走行面の一様性の変化)、および/またはステアリングホイールの向き、のうちの何れか1つ以上、または何れかの組み合わせを含む、同時期の運転パラメータに応じて自動的に調整される。
【0079】
車両車輪の進路は、背景にある地表面または他の表面に対するインジケータの向きに基づき、運転手が車両車輪の進路を推定できるようにすることによって、示されることが好ましい。インジケータは、車両車輪の進路を運転手に示し易くするために、矢印または線または同様のマーキングを含むことが好ましい。
【0080】
インジケータは、運転手が車両を直進、または実質的に直進させるように操縦する場合に、車両車輪の進路を運転手に示すように適合化されることが好ましい。
【0081】
インジケータは、運転手が方向転換するように車両を操縦する場合に、車両車輪の進路を運転手に示すように適合化されることが好ましい。ステアリングホイールの回転に伴い、車両車輪の進路を運転手に示し易いように、インジケータは、運転手または車両に対して回転するように、および/または運転手または車両に対して移動するように適合化されることが好ましい。
【0082】
好適な一形態において、可視化補助装置は、コネクタに対するインジケータの回転によって車輪の向きを示すように適合化される。インジケータの回転は、ステアリングホイールの向きに対応する。
【0083】
可視化補助装置は、センサデータを提供するためのセンサとして、運転手の眼球位置センサ、車両の速度計または加速度計、ステアリングホイールの向きセンサ、および/または座席の高さおよび/または背凭れの傾斜のセンサ、地面または表面上の危険な物体を検出するためのセンサ、運転手を助けるように可視化補助装置が適合化されている、表面または他の運転状況を検出するためのセンサ、のうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0084】
可視化補助装置は、上記センサのうちの1つ以上、または上記センサの組み合わせからセンサデータ受信する手段を含むことが好ましい。
【0085】
可視化補助装置は、同時期の運転パラメータおよび/または目標位置に応じてインジケータの移動および/または位置を決定するために、同時期の運転パラメータに対応するセンサデータを処理する処理装置を含むことが好ましい。
【0086】
インジケータは、感知された運転状況(例えば、道路上の障害物の有無、または可視化補助装置によって感知された走行面の一様性の変化、など)に応じて自動的に起動または停止されるように、またはその位置および/または可視形態を感知された運転状況に自動的に適合化させるように、適合化されることが好ましい。
【0087】
本発明の第3の態様によると、視覚的に投影可能なインジケータを備えたインジケータ表示を含む、車両の運転手を助けるための可視化補助装置が提供される。視覚的に投影可能なインジケータは、スクリーンを通して地面または他の表面を見ている運転手の視線上のスクリーンに投影可能である。視覚的に投影可能なインジケータは、車輪の位置および/または向きを運転手に示すように適合化される。
【0088】
視覚的に投影可能なインジケータは、車両車輪の進路を運転手に示すように適合化されることが好ましい。
【0089】
車両車輪の進路を示すことには、車両車輪が横切る可能性がある地面または他の表面の部分を示すことが含まれていることが好ましい。
【0090】
視覚的に投影可能なインジケータは、インジケータを通して、および/またはインジケータの周囲に、妨げられない、または実質的に妨げられない、地表面の光景を提供する手段によって、車両車輪の進路を示すことが好ましい。
【0091】
視覚的に投影可能なインジケータは、外周部を含み得る。
【0092】
視覚的に投影可能なインジケータの外周部は、(例えば、車両の水平主軸に対する)車両車輪の向きを示すように適合化されることが好ましい。
【0093】
外周部は、1つ以上の要素を含み得る。インジケータの外周部は、「V」字状要素を含み得る。視覚的に投影可能なインジケータの外周部は、「O」字状要素を含み得る。視覚的に投影可能なインジケータの外周部は、矢印状要素を含み得る。視覚的に投影可能なインジケータの外周部は、円錐台状要素の二次元投影を含み得る。
【0094】
インジケータの外周部は、丸みを有し得る。インジケータの外周部は、軸対称であり得る。
【0095】
視覚的に投影可能なインジケータは、そこを通して地面または他の表面を運転手が眺められる中心開口部を含むことが好ましい。中心開口部の側部に、外周部が配され得る。
【0096】
視覚的に投影可能なインジケータ、または視覚的に投影可能なインジケータの一部は透明または半透明であることが好ましい。
【0097】
視覚的に投影可能なインジケータは、車両のフロントガラスを通して地面または他の表面を見ている運転手の視線上の車両のフロントガラスに投影可能であることが好ましい。代替的に、または加えて、視覚的に投影可能なインジケータは、車両のフロントガラスを通して地面または他の表面を見ている運転手の視線上の、車両の内部に取り付け可能な、スクリーンに投影可能であり得る。このスクリーンは、車両のダッシュボードの上部に取り付け可能であることが好ましい。
【0098】
好適な一形態において、車輪の進路は、車輪の走行進路を運転手の視線上のフロントガラスまたは他のスクリーンに投影することによって運転手に示される。
【0099】
使用中、運転手へ車両車輪の進路を示すことができるように、運転手は、視覚的に投影可能なインジケータを通して、および/またはその周囲に、地面または他の表面を眺められることが好ましい。
【0100】
視覚的に投影可能なインジケータは、車両の左または右側よりの着座の故の運転手の視野の偏りを打ち消す位置に位置決め可能であることによって、車両車輪の位置を運転手に示すように適合化されることが好ましい。
【0101】
インジケータの位置は、視野の偏り程度がそれぞれ異なる複数の運転手を助けるために、調整可能であることが好ましい。
【0102】
運転手と車輪との間の仮想視線に沿って延びる鉛直面に、またはその周囲に位置決め可能なインジケータによって、車両車輪の位置は、前記鉛直面がスクリーンと交差する位置に示されることが好ましい。
【0103】
視覚的に投影可能なインジケータの目標投影位置は、運転手の高さ、運転手に見える車両の境界の形状または構成、運転席の高さ、運転席の背凭れの傾斜角、運転手の視野の偏り、車両の寸法、車両車輪のサイズ、および/または運転手に対する車輪の相対位置を含む1つ以上の要因を基準に決定されることが好ましい。
【0104】
インジケータのための目標位置は、車両車輪の進路を運転手に示すことを可能にしつつ、運転手に見える地面または他の表面をインジケータを通して、またはインジケータの周囲で眺められるようにするものであることが好ましい。
【0105】
この目標位置は、車両車輪の位置を運転手に示すように働くことが好ましい。車両車輪の位置は、運転手とインジケータとの間の仮想視線に沿って延びる鉛直面で、またはその周囲で、前記鉛直面がスクリーンと交差する位置に、車両車輪が位置するように、位置決め可能なインジケータによって、示されることが好ましい。
【0106】
好適な一形態において、可視化補助装置は、インジケータを位置決めするための上記要因のうちの1つ以上を適用することによって、目標位置にまたはその近くに、インジケータを自動的に投影する手段を提供する。
【0107】
更に好適な一形態において、この投影(その位置を含む)は、目標位置に、またはその近くに、手動で位置決め可能である。
【0108】
視覚的に投影可能なインジケータの位置および/または可視形態は、運転手の高さ、運転手に見える車両の境界の形状または構成、座席の高さ、視覚的に投影可能なインジケータを投影可能なスクリーンのサイズまたは位置、座席の背凭れの傾斜角、車両の寸法、車輪のサイズ、および/または運転手に対する車輪の相対位置、のうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせ、を含む複数の要因に対応するように適合化されることが好ましい。
【0109】
視覚的に投影可能なインジケータは、複数の要因に自動的に対応するように適合化されることが好ましい。
【0110】
視覚的に投影可能なインジケータの位置および/または可視形態は、運転手によって手動で制御されることが好ましい。
【0111】
車両車輪の進路は、背景にある地表面または他の表面に対するインジケータの向きに基づき、運転手が車両車輪の進路を認識および/または推定できるようにすることによって、示されることが好ましい。インジケータは、車両車輪の進路を運転手に示し易いように、矢印または線または同様のマーキングを含むことが好ましい。
【0112】
視覚的に投影可能なインジケータは、運転手が車両を直進、または実質的に直進、させようと操縦する場合に取られる車両車輪の進路を運転手に示すように適合化されることが好ましい。
【0113】
視覚的に投影可能なインジケータは、運転手が車両を方向転換させるように操縦する場合に取られる車両車輪の進路を運転手に示すように適合化されることが好ましい。インジケータは、車両車輪の進路を運転手に示すことの助けとなるように、ステアリングホイールの回転に伴い調整されるように適合化されることが好ましい。
【0114】
好適な一形態において、視覚的に投影可能なインジケータの位置および/または可視形態は、同時期の複数の運転パラメータに応じて適合化される。これら運転パラメータは、運転手の眼球位置、車両の速度または加速度、運転席の位置、運転状況、運転状況(例えば、道路上の障害物の有無、または可視化補助装置によって感知される走行面の一様性の変化など)、および/またはステアリングホイールの向き、のうちの1つ以上、またはこれらパラメータの何れかの組み合わせ、を含む。
【0115】
本可視化補助装置は、センサデータを提供するためのセンサとして、運転手の眼球位置センサ、車両の速度計または加速度計、ステアリングホイールの向きセンサ、座席の高さおよび/または背凭れ傾斜のセンサ、地面または表面上の危険な物体を検出するためのセンサ、運転手を助けるように可視化補助装置が適合化されている表面または他の運転状況を検出するためのセンサ、のうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせ、を含み得る。
【0116】
可視化補助装置は、上記センサのうちの1つ以上、または上記センサの組み合わせ、からのセンサデータを受信する手段を含むことが好ましい。
【0117】
可視化補助装置は、同時期の運転パラメータに応じて視覚的に投影可能なインジケータの移動および/または位置を決定するために、同時期の運転パラメータに対応するセンサデータを処理する処理装置を含むことが好ましい。
【0118】
視覚的に投影可能なインジケータは、感知された運転状況に応じて自動的に起動または停止されるように、またはその位置および/または可視形態を感知された運転状況に自動的に適合化するように、適合化されることが好ましい。
【0119】
視覚的に投影可能なインジケータは、運転手がインジケータの投影を起動または停止できるように適合化されることが好ましい。
【0120】
好適な一形態において、視覚的に投影可能なインジケータは、車両車輪の向きを示すように適合化される。車輪の向きを示す投影は、ステアリングホイールの向きに対応する。
【0121】
好適な一形態において、本発明の第3の態様の(すなわち、視覚的に投影可能なインジケータを含む)可視化補助装置は、組み込まれた自動車用ヘッドアップ表示ユニットに含まれるように適合化される。
【0122】
本発明の可視化補助装置は、車両に組み込まれた場合、一構成として提供されるように適合化され得る。
【0123】
本発明の可視化補助装置は、既存車両に後付けされるように適合化されることが好ましい。
【0124】
後付け形態において、インジケータ表示または視覚的に投影可能なインジケータを含む、可視化補助装置または可視化補助装置の一部は、車両のダッシュボードに取り付け可能であることが好ましい。特に好適な一形態において、後付けされる可視化補助装置は、車両のダッシュボードに、または車両のダッシュボードの周囲に、取り外し可能に取り付け可能である。
【0125】
本発明の1つ以上の態様に関して記載されている諸特徴は、本発明の他の態様にも適用可能であると理解されたい。
【0126】
本発明の他の態様も開示されている。
【発明の有利な効果】
【0127】
本発明によって多くの利点が実現される。それらのうちの多くは、当業者によって十分に認識されるであろう。それらのうちの一部を以下に概説する。
【0128】
本発明の諸利点は、以下の利点を1つ以上含む。
a.使い易さ。
b.特に本発明の最も基本的な形態において、費用効果が高い。
c.運転中、運転手による地面または他の表面の直視が妨げられないので、視覚的連続性が維持される。
d.地面または他の表面、および/または地面または他の表面上に位置する危険な物体を運転手が上手く通り抜けられるように助けることによって、安全性を向上させる。
e.地面上の岩、轍、あるいは、丸太または木など他の異物を含む、平らでない地形上を運転する際に車輪の配置を決定できるように運転手を助ける。
f.車両の損傷低減を助ける。
g.狭い橋、または、一時的な保護柱が置かれている両面交通道路など、道路状態へのより精確な注意を要する他のシナリオ、などの狭い環境を運転手が上手く通り抜けられるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0129】
図1】知覚された車輪位置と実際の車輪位置との間の差を表す概略図である。
図2】本発明の第1の好適な実施形態による可視化補助装置の概略図である。
図3】本発明の第2の好適な実施形態による可視化補助装置の概略図である。
図4】本発明の第3の好適な実施形態による可視化補助装置の概略図である。
図5】本発明の第4の好適な実施形態による可視化補助装置の概略図である。
図6】可視化補助装置の第1の好適な実施形態の実装を示す概略図である。
図7】第1の運転シナリオにおける、インジケータ表示を備えた、本発明の第5の好適な実施形態による可視化補助装置の実装を示す概略図である。
図8】第2の運転シナリオにおける、インジケータ表示を備えた、本発明の第6の好適な実施形態による可視化補助装置の実装を示す概略図である。
図9】本発明の第7の好適な実施形態による可視化補助装置の概略図である。
図10】本発明の第8の好適な実施形態による可視化補助装置の概略図である。
図11】本発明の第9の好適な実施形態による可視化補助装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0130】
以下においては、当業者には理解されるような、記載の可視化補助装置の構造、原理、および動作を説明する。
【0131】
図1は、車両の右側の運転手が経験する視野の偏りを示す。左側の車両60には、車両の左右の車輪(不図示)の位置に沿って鉛直に延びる実際の2本の車両車輪進路65が示されている。このシナリオにおいては、自動車65、70の各々が直進するように、車両の車輪が位置合わせされていると想定される。
【0132】
右側の車両70では、2本の車両車輪進路75は、運転手によって知覚される車輪進路を示している。この知覚される2本の車輪進路75の離間距離はYであるが、実際の2本の車輪進路65の離間距離はXである。XはYより大きい。知覚される車両車輪進路75の左側の車輪進路は、実際の車両車輪進路65の左側の車輪進路に比べ、車両の中心により近いことが明らかであろう。本明細書に上記した理由により、これはいくつかの問題を生じさせ得る。
【0133】
図2図5は、可視化補助装置10、11、12、および13を示す。各可視化補助装置は、車両の車輪の位置および/または向きを運転手に示すことによって、車両の運転手を助ける。可視化補助装置10、11、12、13の各々は、外周部40、41、42、43をそれぞれ含む。
【0134】
図2は、可視化補助装置10を示す。可視化補助装置10は、「O」字状の管状区間を備えたインジケータ20と、インジケータ20を車両に間接的に接続するためのロッドを備えたコネクタ30とを含む。インジケータ20は、(外周部40が側部に配された)中心開口部を含み、中心開口部を通して地面または他の表面が運転手に見える。
【0135】
図3は、可視化補助装置11を示す。可視化補助装置11は、「V」字状要素を備えたインジケータ21と、インジケータ21を車両に間接的に接続するためのロッドを備えたコネクタ31とを含む。インジケータ22は(外周部42が側面に配された)中心開口部を含み、そこを通して地表面または他の表面が運転手に見える。インジケータ21は、車両車輪の進路を運転手に示すために役立つ矢印45を含む。「V」字状セグメントの内部(前記矢印を除く)は、そこを通して地面または他の表面を運転手が眺め得る境界を外周部42が形成するように、透明である。
【0136】
図4は、可視化補助装置12を示す。可視化補助装置12は、円錐台状の肉薄管状部分を備えたインジケータ22と、インジケータ22を車両に間接的に接続するためのロッドを備えたコネクタ32とを含む。インジケータ22は、(外周部42が側部に配された)中心開口部を含み、中心開口部を通して地表面または他の表面が運転手に見える。
【0137】
図2図5を参照すると、可視化補助装置10、11、12、13の各々は、目標位置に、またはその近くに、手動で位置決めされ得る。目標位置とは、使用中、インジケータ20、21、22、23の各々が、運転手に見える車両の境界(図示せず)の僅か上方に位置する位置である。したがって、運転手は、インジケータ20、21、22、23の周囲で地表面を観察することによって、車両車輪の進路を決定し易くなり得る。
【0138】
インジケータ20、21、22の各々は、それぞれのコネクタおよびインジケータの本体に位置する回転手段(図示せず)によって、コネクタに対して回転可能である。この場合、インジケータの回転は、車両車輪の向きを運転手に視覚的に示すために、車両のステアリングホイールの回転に対応する。
【0139】
図5に示されている可視化補助装置は、自動的に入れ子式に伸縮するコネクタ33を含む。コネクタ33は、運転席の位置または運転手の高さなどを基準に運転手の視線を感知する車両内のセンサに応じて、コネクタ33の複数の入れ子部分を上下させるので、インジケータ23は目標位置に、またはその近くに、留まる。インジケータ23は、丸みを帯び、軸対称であり、LEDランプを含む。LEDランプは、(例えば、雨天など特定の運転状況において)起動されると、運転手が眺める背景に対してより強いコントラストをもたらす。LEDランプは、車両電池によって電力が供給される。LED光源の強度は、運転手の好みおよび/または運転状況に基づき調整可能である。
【0140】
図5は、可視化補助装置13を車両に固定するための固定手段53にコネクタ33を取り付けるためのばね装置51を更に含む。ばね装置51は、(例えば、コネクタ33またはインジケータ13に影響を及ぼす何れの力も吸収し、ひいてはこれら構成要素の損傷を最小化するために)固定手段に対するコネクタの枢動を許容するので、可視化補助装置13の復元力を向上させる。固定手段53は、巻き付きフック58を含む。巻き付きフック58は、可視化補助装置13を、車両のブルバー59の一部を介して、車両に固定する。
【0141】
図2および図4の固定手段50および52は、図5の巻き付きフックと同様に働く。図3の固定手段56は、コネクタ31の円形部分の周囲にぴったり嵌合する半円形断面を有するステープルである。これらステープルは、可視化補助装置11を車両に確実に固定するために、車両シャシー(図示せず)に打ち込み可能である。
【0142】
インジケータ20、21、22、23の各々は、車両のフロントガラス(図2図5には不図示)の前方に、車両のフロントガラスを通して地面または他の表面を見ている運転手の視線上に、位置決め可能である。
【0143】
図6図11は、限定のためではなく説明のための、特定用途(すなわち自動車)の好適な実施形態に関して、本願明細書に記載されている可視化補助装置を示す。
【0144】
図6は、(直線矢印130によって表されている)直線上を走行している車両の内部を示す。車両の左右の車輪90A、90Bは、真上から(すなわち、車両の構成要素を通して)見えた場合の位置に描かれている。可視化補助装置のインジケータ10Aおよび10Bは、車輪90A、90Bから車両140の境界を越えて延びる鉛直面7A、7Bと交差する運転手の視線5A、5B上において、車両の境界近くに位置している(なお、運転手の好みまたは特性、および/または車両の形態に応じて、運転手に見える車両の境界140は、ダッシュボードなどの車両の内装品であり得る。図9を参照)。
【0145】
インジケータ10A、10Bは、フロントガラス190を通して運転手に見える地表面(図示せず)上の前輪90A、90Bの各々の投影位置を運転手に示す。特に、前輪90A、90Bの投影位置は、それぞれの視線5A、5Bとそれぞれの鉛直面7A、7Bとの交点である。
【0146】
インジケータ10Aおよび10Bは、車両のフロントガラス190の前方の、フロントガラスから外を見ている運転手の視線上に位置する。
【0147】
可視化補助装置のインジケータ10A、10Bは、そこを通して地表面(および、特に投影された車輪位置)が見える小さな間隙がインジケータと自動車のボンネットによって画定された境界140との間に、ならびにインジケータ10A、10Bの中心部を貫通して、存在するように、位置する。
【0148】
図6図10をそれぞれ参照すると、仮想鉛直面7A、7B、70A、70B、170A、170Bの幅は、前輪90A、90Bの幅によって画定されている。
【0149】
図7は、(直線矢印130によって表されている)直線上を走行している車両の内部を示す。車両の左右の車輪90A、90Bは、上から(すなわち、車両の構成要素を通して)見えた場合の位置に描かれている。インジケータ画像100Aおよび100Bが車両のフロントガラス190に表示されている。インジケータ画像100Aおよび100Bは、車輪90A、90Bの上方(すなわち、車輪90A、90Bの真上ではなく、略上方)、且つ車両140の境界の上方、の位置にある。これらインジケータは、フロントガラス190を通して運転手に見える地表面(図示せず)上の前輪90A、90Bの各々の投影位置を運転手に示す。
【0150】
インジケータ100A、100Bは、車両から、視線上の車両の境界140で、およびその上方で地表面(図示せず)を見ている運転手の視線50A、50B上に、それぞれ位置決めされる。車両の境界140より先の視線50A、50Bの部分は、車両のそれぞれの前輪90A、90Bから前方に延びる仮想鉛直面70A、70Bとそれぞれ交差する。
【0151】
インジケータ100A、100Bは、直線矢印の形状を有する半透明要素である。この矢印は、車両が直進し続けた場合に車両が走行する可能性がある車輪進路の投影位置を地表面に重ね合わせる(この実施形態における可視化補助装置は、不図示のステアリングホイールセンサに反応する)。
【0152】
インジケータ100A、100Bを備えた矢印の直線の向きは、車両車輪90A、90Bの向きも運転手に示す。
【0153】
インジケータ100A、100Bは、車両のダッシュボード上に位置する可視化補助装置モジュール120からの投影線110A、110Bに沿って投影される。インジケータ100A、100Bを含む投影画像がフロントガラス190に位置付けられると、それらの位置は、前輪90A、90Bから延びる平面より、図7に示されている中心視野より中心に位置付けられる。運転手は、図7に描かれている左ハンドル車両の左前よりに位置しているので、地表面を見ている運転手の視線50A、50Bは、運転手の視野から見えるより中心の位置で、フロントガラス190と交差することになる(運転手の視野からは視線50A、50Bと鉛直面70A、70Bとの交点の近くに現れることなる)。
【0154】
(特に)視覚的に投影可能なインジケータ100Bは、車両の左側よりの着座の故の運転手の視野の偏りを打ち消すために、車両車輪90Bの投影位置を運転手に示すように適合化される。
【0155】
可視化補助装置モジュール120は、車両車輪および車輪走行進路の投影位置を運転手に示すことができる位置にインジケータ100A、100Bを表示するために、以下の要因を適用することによって、インジケータ100A、100Bをフロントガラス190上の目標位置に、またはその近くに、自動的に投影する手段を提供する。この場合の要因は、運転手の高さ、運転手に見える車両の境界の形状および構成、運転席の高さ、運転席の背凭れの傾斜角、運転手の視野の偏り、車両の寸法、車両車輪のサイズ、地表面の傾斜、車両前輪の向き、ステアリングホイールの向き、地表面の傾斜、地表面の他の特性、および/または運転手に対する車輪の相対位置、を含む。更に、インジケータ100A、100Bの位置および可視形態は、前記要因(例えば、ステアリングホイールの向き。図8を参照)に応じて変化する。
【0156】
図8を見ると、この概略図は、(右向き矢印131によって表されている)右に方向転換している車両の内部を示している。車両の左右の車輪90A、90Bは、真上から見えた場合の位置に描かれている。インジケータ101Aおよび101Bは、車両のフロントガラスに表示されており、車輪90A、90Bの上方に(すなわち、車輪90A、90Bの真上ではなく、より高い位置に)ある。インジケータ101A、101Bは、フロントガラス190を通して運転手に見える地表面(図示せず)上の前輪90A、90Bの各々の投影位置を運転手に示す。
【0157】
インジケータ101A、101Bは、右向き矢印の形状を有する半透明要素であり、方向転換を継続した場合に車両が走行する可能性がある車輪走行進路の投影位置を地表面に重ね合わせる(なお、図8では、説明のために、走行進路を示す矢印の形状が誇張されているが、実際にインジケータが示す走行進路はより緩やかな曲線を含むであろう)。
【0158】
インジケータ101A、101Bは、車両から視線上の車両の境界140で、およびその上方で、地表面(図示せず)を見ている運転手の視線50A、50B上にそれぞれ位置決めされる。車両の境界140より先の視線50A、50Bの部分は、車両のそれぞれの前輪90A、90Bから前方に延びる仮想鉛直面70A、70Bとそれぞれ交差する。
【0159】
インジケータ101A、101Bは、バックミラー150に接続された(図10では部分的に見える)可視化補助装置モジュール120からの投影線110A、110Bに沿って投影される。
【0160】
インジケータ101A、101Bは、運転手が方向転換するために車両を操縦した場合に取られる車両車輪進路の投影位置を運転手に示すように適合化される。インジケータ101A、101Bは、車両車輪の進路を運転手に示し易いように、ステアリングホイールの回転に伴い調整されるように適合化される。
【0161】
図7および図8の実装に関連して、表示されるインジケータ100A、101A、100B、101Bの各々の位置および/または可視形態は、同時期の運転パラメータに対応するように適合化される。この場合の運転パラメータは、運転手の眼球位置、車両の速度または加速、運転席の位置、運転状況、前輪の向き、地表面の特性(例えば、車両に対する地表面の傾斜)、運転状況(例えば、道路上の障害物の有無、または可視化補助装置によって感知される走行面の一様性の変化など)、およびステアリングホイールの向き、を含む。
【0162】
図7および図8に示されている可視化補助装置は、センサデータを提供するための任意使用のセンサ(図示せず)として、(バックミラー150の傍のモジュール120に組み込まれた)運転手の眼球位置センサ、車両の速度計または加速度計、ステアリングホイールの向きセンサ、座席の高さおよび/または背凭れの傾斜のセンサ、地面または表面上の危険な物体を検出するためのセンサ、前輪の向きセンサ、運転手を助けるように可視化補助装置が適合化されている、表面または他の運転状況を検出するためのセンサ、を含む。
【0163】
可視化補助装置モジュール120は、上記センサからのセンサデータを受信する手段を更に含む(例えば、車両の速度計および加速度計の場合、可視化補助装置は、センサデータを受信するために、標準化されたデジタル通信法を使用して(例えば、OBD-IIまたはEOBD規格を適用して)車載診断ポートを車両に接続する)。
【0164】
可視化補助装置モジュール120は、同時期の運転パラメータに応じて視覚的に投影可能なインジケータの移動および/または位置を決定するために、同時期の運転パラメータに対応するセンサデータを処理する処理装置を含む。本可視化補助装置は、視覚的に投影可能なインジケータ100A、101A、100B、101Bを感知された運転状況に応じて自動的に起動または停止させるように、またはインジケータの位置および/または可視形態を感知された運転状況に自動的に適合化させるように、適合化される。
【0165】
可視化補助装置モジュール120は、既存車両のダッシュボード(図7を参照)またはバックミラー150(図8を参照)への取り付けによって、既存車両に後付けされるように適合化される。後付け用可視化モジュール120は、車両のダッシュボードまたはバックミラー150に取り外し可能に取り付け可能である。
【0166】
図9に示されている可視化補助装置は、車両の前輪90A、90Bの各々の投影車輪位置を運転手(図示せず)に示すために、起動可能な表示スクリーン160A、160Bを備える。各表示スクリーン160A、160Bは、LED表示インジケータが(スクリーンの左側から右側に)組み込まれた透明なスクリーンを備える。それぞれのスクリーン上で起動された特定のLEDインジケータ161A、161B(車輪に近似した矩形形状)は各前輪90A、90Bの投影車輪位置をそれぞれ示す。表示または表示インジケータ(図示せず)の代替実施形態は、LCDまたは他のスクリーンへの表示用要素を備え得る。
【0167】
表示スクリーン160A、160Bは、車両のフロントガラス190から前方の地表面を見ている運転手に見えるように、着座した運転手に見えるダッシュボードの周辺(可視境界)部の一部に位置する。地表面(図示せず)は、図9に示されている配置では、透明な表示スクリーン160A、160Bの先にある(透明な表示スクリーン160A、160Bを通して運転手に見える)。
【0168】
表示インジケータ161A、161Bは、車両から視線上の車両の境界140で地表面(図示せず)を見ている運転手の視線150A、150B上にそれぞれ位置決めされる。車両の境界140より先に延びる視線150A、150Bの部分は、車両のそれぞれの前輪90A、90Bから前方に延びる仮想鉛直面170A、170Bとそれぞれ交差し、ひいては(すなわち、前記交点をもたらす配置によって)各前輪の投影車輪位置をそれぞれ示す。
【0169】
起動された各表示インジケータ161A、161Bは、目標位置を占める。この目標位置は、表示インジケータが如何に配置されるか、および/または表示インジケータが何時起動されるか、に影響を及ぼし得る、更には表示インジケータのサイズおよび/または形状に影響を及ぼし得る、複数の要因に依存する。この複数の要因は、運転手の高さ、運転手に見える車両の外側境界(またはダッシュボードなどの内部境界)の形状、運転席の高さおよび座席の傾斜、運転手の視野の偏り、運転手の眼球位置、車両車輪のサイズ、および運転手に対する車輪の相対位置、を含む。
【0170】
表示要素160A、160Bを備えた可視化補助装置は、複数のパラメータに応じて自動的に調整可能である(起動される表示要素が変化し得る)。この複数のパラメータは、運転手の眼球位置(例えば運転手が左または右に傾いている場合)、運転席の位置、運転状況(例えば、可視化補助装置は、平常時は停止状態であり、感知された道路工事の間、または、前輪位置の認識がより重要な他のシナリオの間、などの特定の運転状況に応じてのみ自動的に起動可能である)、および/またはステアリングホイールの向き、を含む。本可視化補助装置は、上記パラメータのうちの1つ以上を感知するためのセンサを複数含む。これらセンサは、運転手の眼球位置センサ、ステアリングホイールの向きセンサ、座席の高さおよび/または背凭れの傾斜のセンサ、地面または表面上の危険な物体を検出するためのセンサ、そのために運転手を助けるように可視化補助装置が適合化されている表面状態を含む運転状況を感知するためのセンサ、を含む(何れも不図示)。
【0171】
本発明のこの実施形態においては路面自体上の進路をより直接的に示す投影式、または追加の視覚手段は提供されない(図10を参照)が、路面を見ている運転手の視線上(車両のダッシュボードの外側境界のすぐ上)に表示要素161A、161Bが位置することによって、運転手は、車輪が横切る可能性がある車輪進路の投影位置を識別し易い(運転手は、インジケータ161A、161Bの助けを借りて、各前輪の投影位置をより正確に判定でき、ひいては路面上の車両車輪進路を決定できる)。
【0172】
図10は、車両が直進している(直線矢印130によって表されている)場合に、車両のフロントガラス190に投影される表示200Bを備えたインジケータを含む可視化補助装置を示す。図9に描かれている実施形態と異なり、本可視化補助装置は、一方の前輪90Bのみ、すなわち車両の運転手の視野から右側の前輪の位置を車両の運転手に示す。表示画像200Bは、車両のバックミラー150の背後に隠れているプロジェクタ(図示せず)を使用して表示される。プロジェクタは、表示200Bの形態の集束光をフロントガラス190に投影するレーザを備える。ただし、プロジェクタは、当業者には公知のヘッドアップ表示装置に一般に適用される他の構成要素を代わりに備え得る。
【0173】
図9の場合のように、図10においては、表示インジケータ200Bは、車両から視線上の車両の境界140で、境界140から上に延びる地表面(図示せず)を見ている運転手の視線150B上に位置決めされる。車両の境界140より先に延びる視線150Bの部分は、車両の前輪90Bから前方に延びる仮想鉛直面170Bと交差する。
【0174】
フロントガラスの内面の、運転手と地表面との間の視線上(またはその近く)にある、表示画像200B(インジケータとも称される)は、車両のフロントガラス190から前方の地表面を見ている運転手に直接見える。表示画像200Bを通して地表面が見えるように、表示画像200Bは半透明である。
【0175】
図9に描かれている可視化補助装置の実施形態の場合のように、表示画像200Bは、上記のようないくつかの要因に応じた目標位置を占める。各要因は、投影表示の配置方法(例えば、運転手の高さまたは眼球位置に応じたフロントガラス上のインジケータ画像200Bの位置)および/または投影表示の形態に影響を及ぼし得る。同様に、これら要因は、仮想鉛直面170Bのサイズおよび/または向きに影響を及ぼし得る(例えば、平面幅は、車輪幅の故に変化し、平面の向きは、前輪の向きまたはステアリングホイールの向きによって変化する)。
【0176】
表示画像200Bを備えた図10の可視化補助装置は、図9の表示要素と同様に、表示インジケータ161A、161Bに関して上に示した諸パラメータに応じて自動的に調整可能である(例えば、図10に図示の実施形態においては、表示画像200Bの配置および/または形態は、ステアリングホイールの向きに依存する)。
【0177】
図10の可視化補助装置の非限定的な例示的実施形態は、図9に関して上に示したような(自動起動または停止などのための)センサと処理装置とを更に含む。
【0178】
路面を見ている運転手の視線上に(車両のボンネットを備えた外側境界140の上方に)表示画像200Bが位置することによって、車輪90Bが横切る可能性がある車輪進路の投影位置を運転手に示す助けとなる。
【0179】
図10の可視化補助装置は、車両前輪が横切る可能性がある地面または他の表面の部分を含む車両車輪進路230を運転手に直接示すこともできる。インジケータ画像200B(ひいては投影された車輪進路230)の形状は、地表面上の車輪進路の動的に調整される投影画像230が運転手に提供されるよう、さまざまな要因/パラメータのうち、ステアリングホイールの向きに応じて調整される。表示画像200Bは、インジケータ200Bを通して、実質的に妨げられない地表面の光景が運転手に提供されるように、透明である。すなわち、運転手は、インジケータを通して路面を安全に見ることができる。
【0180】
投影表示画像200Bを備えたインジケータは、前輪90Bの向きの変化を、運転手が見ているインジケータの向きの対応する変化によって、運転手に示すように更に適合化される。
【0181】
図11は、本発明の更なる非限定的な実施形態を示す。本可視化補助装置は、2つのインジケータ本体210A、210Bを備える。各インジケータ本体は、そこを通して地面または他の表面が運転手に見える中心開口部を含む「V」字状インジケータを備える。この開口部は、「V」字状要素を備えた外周部が側部に配され、または当該外周部によって取り囲まれている。本可視化補助装置は、固定手段(図示せず)によって車両のフロントバーに接続される細長い肉薄要素(その上部のみが図示)を備えた折り畳み可能なコネクタ211A、211Bを更に含む。
【0182】
インジケータ本体210A、210Bは、車両のフロントガラス190の前方に位置決めされ、コネクタ211A、211Bの細長い要素が位置決めされる縦軸上で車両に対して回転可能である。コネクタ211A、211Bが起動されると、コネクタ211A、211Bは、座位にある運転手に見えるようにするべく、インジケータ本体210A、210Bを運転手に見える車両の(境界とも称される)外周部140(すなわち、フロントボンネットの外周部)の少し上方に上昇させるために、停止(折り畳まれた)位置から上方に延びる。起動位置において、インジケータ本体210A、210Bの各々は、車両の前輪90A、90Bの各々の投影された車輪位置を運転手に示す。
【0183】
インジケータ本体210A、210Bは、車両から視線上にある車両の境界140で地表面(図示せず)を見ている運転手の視線150A、150B上にそれぞれ位置決めされる。車両の境界140より先に延びる視線150A、150Bの部分は、車両のそれぞれの前輪90A、90Bから前方に延びる仮想鉛直面170A、170Bとそれぞれ交差する。
【0184】
インジケータ本体210A、210Bは、フロントガラス190から前方を向いて、インジケータ本体に隣接する運転手の視線上に位置する地表面の方を見ている、座位の運転手に直接見えるように位置決めされる。運転手がフロントガラス190の中心により近い位置で前方を見ているとき、インジケータ210A、210Bは運転手に依然として周辺で見えているので、フロントガラスの中心に向かって前方を見ている運転手の気を散らさない。図11に描かれている配置では、地表面(図示せず)は、インジケータ本体210A、210Bの先にあり、インジケータ本体210A、210Bのまさに周囲に見える(図11のダッシュボードの立面図では、図11の主題である運転手の実際の視野からよりも、車両のフロントボンネットがよく見えている)。
【0185】
起動された各インジケータ本体210A、210Bは、上に列挙した要因などの諸要因に応じた目標位置を占める。これら要因は、インジケータ本体210A、210Bが如何に配置されるか、および/またはインジケータ本体210A、210Bが何時起動されるか、に影響を及ぼし得る。このような要因は、仮想鉛直面170A、170Bのサイズおよび/または向きにも影響を及ぼし得る。例えば、(運転手の高さ、または運転手が左または右に傾いているかどうか、によって影響される)運転手の眼球位置は、上方または下方への、左または右への、移動によって目標位置を変化させ得る。
【0186】
インジケータ本体210A、210Bを含む可視化補助装置は、上記のパラメータ、特に図9および図10に関して言及したパラメータ、に応じて、自動的に調整可能である(調整において本体の向きおよび/または位置が変化し得る)。例えば、前記パラメータに応じて、インジケータ本体210A、210Bは上昇または下降し得るし(すなわち、折り畳み可能コネクタが上方または下方に延びる)、または車両に対して回転し得る(すなわち、本来の座位にある運転手に見える本体部分が運転手の眼球位置の移動中も維持される)。別の実施形態(図示せず)において、可視化補助装置は、コネクタ211A、211Bおよび本体210A、210Bの位置を可視化補助装置が接続されている車両のバー(例えばブルバー)に沿って左または右に移動させる移動手段を含み得る(例えば、図示されていない固定手段は、パラメータに応じて、コネクタ211A、211Bを左または右に移動させ得るレールを含み得る)。
【0187】
図11に描かれている実施形態の可視化補助装置は、図9および図10に関して上で説明した諸センサを更に含む。
【0188】
路面を見ている運転手の視線の近く(車両のボンネットの外側境界140のすぐ上)にインジケータ本体210A、210Bが位置することによって、車輪が横切る可能性がある車輪進路を運転手が識別する助けとなる。特に、運転手は、インジケータ210A、210Bの助けを借りて、各前輪の投影位置をより正確に判定でき、ひいては路面上の車両車輪の進路を推定できる。
【0189】
図9図11に示されている可視化補助装置の実施形態の各々は、インジケータ(すなわち、図9のLEDインジケータ、図10の表示画像、および図11のインジケータ本体)と、複数のセンサと、感知されたパラメータの受信、インジケータへの通信、およびインジケータの制御を行う(例えば、インジケータ表示の位置または形態を変化させる、特に、図9および図10のインジケータ表示に関して、インジケータを起動または停止する)処理装置と、を備える。これら可視化補助装置は、既存車両に後付け可能である(例えば表示スクリーン、プロジェクタ、および/またはインジケータ本体は、後付けのために適合化された処理装置との通信のための無線通信手段を含み、処理装置およびセンサは、アフターマーケット車両装備品およびこれらに類するものの供給者によって、またはユーザによって直接、設置可能である)。
【0190】
本願明細書に記載されている各実施形態に対して、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更を行い得ることを当業者は理解されるであろう。
【0191】
投影された車輪位置を示すとは、車輪自体の眺めを(例えばミラーまたはこれに類するものを介して)または車輪自体の何れかの光景を(例えば、カメラまたはこれに類するものを介して)運転手に提供せずに、投影された車輪位置を示すことを含むことは当業者には理解されるであろう。
【0192】
本願明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、単語「を備える(comprise)」およびその派生語は、特に明示的に表明されていない限り、または文脈が別様に要求していない限り、排他的な意味ではなく包括的な意味を有することを意図している。すなわち、用語「を備える(comprise)」およびその派生語は、特に明示的に表明されていない限り、または文脈が別様に要求していない限り、それが直接言及している記載の構成要素、ステップ、または特徴を含むばかりでなく、具体的には記載されていない他の構成要素、ステップ、または特徴も含むことを示すと取られるものとする。
【0193】
本願明細書において、「部品(part)」、「構成要素(component)」、「手段(means)」、「部分(section)」、「セグメント(segment)」、または「モジュール(module)」などの用語は、単数または複数の項目に言及し、1つ以上の部品を有する1つ以上の項目によって成し遂げられる一組の特性、機能、または特徴に言及することを意図している用語である。「部品」、「構成要素」、「手段」、「部分」、「セグメント」、または「モジュール」、または同様の用語が単一の項目で構成されていると記載されている場合、複数の項目で構成された機能的に同等の物体は、その用語の範囲内に含まれると見做される。同様に、「部品」、「構成要素」、「手段」、「部分」、「セグメント」、または「モジュール」、または同様の用語が複数の項目で構成されていると記載されている場合、単一の項目で構成された機能的に同等の物体は、その用語の範囲内に含まれると見做される。この段落に記載されているそのような用語の意図された解釈は、特に明示的に表明されていない限り、または文脈が別様に要求していない限り、適用されるものとする。
【0194】
用語「接続された(connected)」または同様の用語は、直接接続のみに限定されていると解釈されるべきではない。したがって、装置Aが装置Bに接続されているという表現の範囲は、装置Aの出力が装置Bの入力に直接接続されている装置またはシステムに限定されないものとする。すなわち、Aの出力とBの入力との間に存在する経路は、他の装置または手段を含む経路であり得る。「接続された(connected)」または同様の用語は、2つ以上の要素が物理的または電気的に直接接触していること、または2つ以上の要素が互いに直接は接触していないが、依然として互いに連携または相互作用すること、を意味し得る。
【0195】
例示的可視化補助装置に関連して記載されている寸法は、本発明の範囲に含まれる全ての可視化補助装置を規定することを意図していない。これら寸法は、説明を目的として提供されているだけであり、別様に解釈されるべきではない。
【0196】
本明細書における製品要素の単なる開示は、特に明示的に表明されていない限り、または請求項に明示的に記載されていない限り、本願において特許請求されている発明に必須であると解釈されるべきではない。
【0197】
特許請求の範囲における用語は、基準日の時点で当業者によって与えられる最も広い意味範囲を有する。
【0198】
用語「一(a)」および「一(an)」は、特に明示的に記載されていない限り、「1つ以上(one or more)」を意味する。
【0199】
本出願の発明の名称も要約も本発明の範囲を限定すると取られるべきではない。
【0200】
特許請求される発明の目的、利点、または可能な用途が請求項の前提部分に記載されている場合、それはその目的、利点、または可能な用途のみを本発明が有していると限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面上の車両の前輪の投影位置を前記車両の運転手に示すための可視化補助装置であって、前記可視化補助装置はインジケータを含み、
前記インジケータは前記車両から前記地表面を見ている前記運転手の視線上に位置決め可能であり、
前記インジケータは前記視線上の前記車両の境界の近くに位置決め可能であり、
前記車両の前記境界より先の前記視線は、前記車両の前記前輪から前方に延びる仮想鉛直面と交差し、
前記可視化補助装置は、前記車両の前輪が横切る可能性がある地表面の延長部分を含む車両車輪進路の投影位置を前記運転手に示すように適合化され、
前記車両車輪進路は、前記地表面に対する前記インジケータの向きによって示される、
可視化補助装置。
【請求項2】
前記仮想鉛直面の幅は、前記前輪の幅によって画定される、請求項1に記載の可視化補助装置。
【請求項3】
前記インジケータのための目標位置が、
-運転手の高さ、
-前記運転手に見える前記車両の前記境界の形状または構成、
-運転席の高さ、
-前記運転席の背凭れの傾斜角、
-運転手の視野の偏り、
-車両の寸法、
-車両車輪のサイズ、
-車両前輪の向き、
-ステアリングホイールの向き、
-地表面の傾斜、
-前記地表面の他の特性、および/または
-前記運転手に対する前記車輪の相対位置、
を含む要因のうちの1つ以上、または前記要因の何れかの組み合わせ、を基準に決定される、請求項1または請求項2に記載の可視化補助装置。
【請求項4】
前記可視化補助装置は、前記インジケータを位置決めするために前記要因のうちの1つ以上を適用することによって、前記インジケータを前記目標位置に、またはその近くに、自動的に位置決めする手段を含む、請求項に記載の可視化補助装置。
【請求項5】
前記インジケータは、
前記運転手の眼球位置、
車両の速度または加速度、
前記運転席の位置、
運転状況、
地表面の傾斜、
前記地表面の他の特性、
前輪の向き、および/または
ステアリングホイールの向き、
のうちの1つ以上、または何れかの組み合わせ、を含む同時期の運転パラメータに応じて自動的に調整可能である、請求項1~の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項6】
前記可視化補助装置は、センサデータを提供するためのセンサとして、
運転手の眼球位置センサ、
車両の速度計または加速度計、
ステアリングホイールの向きセンサ、
前輪の向きセンサ、
座席の高さおよび/または背凭れの傾斜センサ、および/または
地面または表面上の危険な物体を検出するためのセンサ、
のうちの1つ以上、またはこれらセンサの組み合わせと、
前記センサのうちの1つ以上、または前記センサの組み合わせ、からセンサデータを受信する手段とを含む、請求項1~の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項7】
前記可視化補助装置は、運転状況を感知するためのセンサを含み、前記運転状況は、前記地表面の特性、または、そのために前記運転手を助けるように前記可視化補助装置が適合化されている他の運転状況、を含み、前記可視化補助装置は、前記感知された運転状況に応じて自動的に起動または停止するように、またはその位置および/または可視形態を前記感知された運転状況に自動的に適合化するように、更に適合化される、請求項1~の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項8】
前記インジケータは、運転手が前記インジケータを通して、および/または前記インジケータの周囲で、前記地表面を眺められるように、構成される、請求項1~の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項9】
前記インジケータは、前記前輪の向き、および/または前記投影された車輪位置、の変化を、前記運転手が眺めている前記インジケータの向きの対応する変化によって、前記運転手に示すように適合化される、請求項1~の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項10】
前記可視化補助装置は、前記車両前輪が横切る可能性がある地表面の延長部分を含む車両車輪進路の投影位置を前記運転手に示すように適合化される、請求項1~の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項11】
前記車両車輪進路は、前記地表面に対する前記インジケータの向きに基づき、前記車両車輪進路を前記運転手が推定できるようにすることによって、示される、請求項に記載の可視化補助装置。
【請求項12】
前記可視化補助装置は、既存車両に後付け可能である、請求項1~11の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項13】
前記インジケータは、インジケータ本体を備える、請求項1~12の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項14】
前記インジケータ本体は、前記車両のフロントガラスの前方に位置決め可能である、請求項14に記載の可視化補助装置。
【請求項15】
前記可視化補助装置は、前記インジケータ本体を前記車両に接続するためのコネクタを含む、請求項14または請求項15に記載の可視化補助装置。
【請求項16】
前記コネクタは、細長い肉薄要素を含む、請求項16に記載の可視化補助装置。
【請求項17】
前記コネクタは折り畳み可能である、請求項16または請求項17に記載の可視化補助装置。
【請求項18】
前記インジケータ本体は、作動位置から不作動位置に移動可能である、請求項1618の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項19】
前記インジケータ本体が作動位置にあるとき、前記コネクタは前記地面または他の表面にほぼ垂直である、請求項19に記載の可視化補助装置。
【請求項20】
前記コネクタおよび/またはインジケータ本体は、前記車両に対して回転、枢動、または別様の移動が可能である、請求項1420の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項21】
前記インジケータ本体は、そこを通して前記運転手が前記地面または他の表面を眺めることができる中心開口部を含み、前記開口部は外周部が側面に配される、または前記外周部によって取り囲まれる、請求項1421の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項22】
前記外周部は、
「V」字状要素、
「O」字状要素、
矢印状要素、および/または
円錐台状要素、
のうちの1つ以上、または何れかの組み合わせ、から成る1つ以上の要素を含む、請求項22に記載の可視化補助装置。
【請求項23】
前記外周部は丸みを帯び、軸対称である、請求項22または請求項23に記載の可視化補助装置。
【請求項24】
前記インジケータはインジケータ表示を備える、請求項1~13の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項25】
前記インジケータ表示は、前記インジケータ表示がスクリーンと前記運転手の前記視線との交点で、またはその近くで、前記スクリーンに現れるように、画像を前記スクリーン上に備える、請求項25に記載の可視化補助装置。
【請求項26】
前記インジケータ表示は、前記車両のフロントガラス上の画像を含む、請求項26に記載の可視化補助装置。
【請求項27】
前記インジケータ表示は、前記車両の内部に取り付け可能なスクリーン上の画像を含む、請求項26に記載の可視化補助装置。
【請求項28】
車両車輪進路を前記スクリーンに表示することによって前記車輪進路の投影位置を前記運転手に示すことができ、前記表示された車輪進路は、前記車両前輪が横切る可能性がある地表面の延長部分を示す画像を含む、請求項2628の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項29】
前記インジケータ表示は前記車両のダッシュボードに、またはその近くに、表示可能である、請求項2529の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項30】
前記インジケータ表示、または前記インジケータ表示の一部、は半透明である、請求項2530の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項31】
前記可視化補助装置は、組み込まれた自動車用ヘッドアップ表示ユニットを含む、請求項2531の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項32】
前記前輪の前記投影位置は、前記インジケータの前記位置によってのみ前記運転手に示される、請求項1~31の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【請求項33】
前記可視化補助装置は、前記車両の第1の前輪の前記投影位置と前記車両の第2の前輪の前記投影位置とを前記運転手にそれぞれ示すための第1および第2のインジケータを含む、請求項1~32の何れか一項に記載の可視化補助装置。
【国際調査報告】