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特表2022-546288カッティング要素を軸方向に振動させることを含む粥腫切除デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】カッティング要素を軸方向に振動させることを含む粥腫切除デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510963
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2020073467
(87)【国際公開番号】W WO2021032874
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/890,114
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(71)【出願人】
【識別番号】515122402
【氏名又は名称】フィリップス イメージ ガイディッド セラピー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ロー ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】リリー リチャード
(72)【発明者】
【氏名】デ シコ ディノ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM36
(57)【要約】
粥腫切除デバイスは、カッター組立体を含む。カッター組立体は、ハウジングを含み、ハウジングは、ハウジングベアリング面を含む。カッター組立体は、ハウジングにより回転可能に、及び並進移動可能に保持されたカッティング要素を更に含む。カッティング要素は、ハウジングに対するカッティング要素の回転時に閉塞物質を切るように構成された少なくとも1つのカッティングブレードを含む。カッティング要素は、ハウジングベアリング面に係合するように構成されたカッターベアリング面を更に含む。カッティング要素がハウジングに対して回転し、少なくとも1つのカッティングブレードが閉塞物質を切ったとき、カッターベアリング面がハウジングベアリング面に係合するまで、カッティング要素がハウジングに対して遠位方向に並進移動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーにより操作されるハンドルと、
前記ハンドルに結合されたカテーテルであって、前記カテーテルが、外側シースと駆動シャフトとを備え、前記駆動シャフトが前記外側シース内に位置して前記外側シースに対して回転可能な、カテーテルと、
カッター組立体とを備える粥腫切除デバイスであって、
前記カッター組立体が、
前記外側シースに結合され、前記外側シースから遠位方向に延びたハウジングであって、ハウジングベアリング面を備える、ハウジングと、
前記ハウジングにより回転可能に、及び並進移動可能に保持されたカッティング要素であって、前記駆動シャフトに結合されて前記駆動シャフトから遠位方向に延びている、カッティング要素とを備え、
前記カッティング要素が、
前記ハウジングに対する前記カッティング要素の回転時に閉塞物質を切る少なくとも1つのカッティングブレードと、
前記ハウジングベアリング面に係合するカッターベアリング面とを備え、
前記カッティング要素が前記ハウジングに対して回転して前記少なくとも1つのカッティングブレードが閉塞物質を切ると、前記カッターベアリング面が前記ハウジングベアリング面に係合するまで、前記カッティング要素が前記ハウジングに対して遠位方向に並進移動する、
粥腫切除デバイス。
【請求項2】
前記カッティング要素が前記ハウジングに対して遠位方向に並進移動するとき、前記駆動シャフトが軸方向に延び、前記カッターベアリング面が前記ハウジングベアリング面に係合すると、前記駆動シャフトは、軸方向に短くなって、前記ハウジングに対して近位方向に前記カッティング要素を並進移動させる、
請求項1に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項3】
前記カッター組立体が、前記ハウジングに結合されたフェルールを更に備え、前記カッターベアリング面が前記ハウジングベアリング面に係合すると、前記駆動シャフトが軸方向に短くって、前記カッティング要素は、前記フェルールに係合するように、前記ハウジングに対して近位方向に前記カッティング要素を並進移動させる、
請求項1に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項4】
前記カッティング要素が、0.010インチから0.035インチの距離にわたって前記ハウジングに対して並進移動可能である、
請求項1に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項5】
前記カッティング要素が、0.015インチから0.030インチの距離にわたって前記ハウジングに対して並進移動可能である、
請求項1に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項6】
前記カッティング要素が、近位カッティング要素であり、前記カッター組立体が、遠位カッティング要素を更に備え、前記遠位カッティング要素が、前記近位カッティング要素に結合されており、及び前記ハウジングに対して前記近位カッティング要素とともに回転可能であり、前記遠位カッティング要素が、少なくとも1つのカッティングブレードを備える、
請求項1に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項7】
前記カッターベアリング面が、前記少なくとも1つのカッティングブレードの遠位端部と近位端部との間に位置する、
請求項1に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項8】
ユーザーにより操作されるハンドルと、
前記ハンドルに結合されたカテーテルであって、前記カテーテルが、外側シースと駆動シャフトとを備え、前記駆動シャフトが、前記外側シース内に位置して前記外側シースに対して回転可能な、カテーテルと、
カッター組立体とを備える粥腫切除デバイスであって、
前記カッター組立体は、
前記外側シースに結合され前記外側シースから遠位方向に延びたハウジングであって、カッター並進移動チャンバを備える、ハウジングと、
前記ハウジングにより回転可能及び並進移動可能に保持されたカッティング要素であって、前記駆動シャフトに結合され前記駆動シャフトから遠位方向に延びる、カッティング要素とを備え、
前記カッティング要素が、
前記ハウジングに対する前記カッティング要素の回転時に閉塞物質を切る少なくとも1つのカッティングブレードと、
前記カッター並進移動チャンバに回転可能に受容され、前記カッター並進移動チャンバ内において第1の位置から第2の位置まで、及び第2の位置から第1の位置まで並進移動可能なカッター制限部とを備え、
前記カッティング要素が前記ハウジングに対して回転して前記少なくとも1つのカッティングブレードが閉塞物質を切ると、前記カッター制限部が回転して前記カッター並進移動チャンバ内において前記第1の位置から前記第2の位置まで並進移動し、前記カッティング要素が、前記ハウジングに対して遠位方向に並進移動し、前記カッター制限部が前記第2の位置に到達すると、前記カッター制限部が、前記第2の位置から前記第1の位置まで並進移動し、前記カッティング要素が、前記ハウジングに対して近位方向に並進移動する、
粥腫切除デバイス。
【請求項9】
前記カッティング要素が前記ハウジングに対して遠位方向に並進移動するとき、前記駆動シャフトが軸方向に延び、前記カッター制限部が前記第2の位置に到達すると、前記駆動シャフトは、軸方向に短くなり、前記ハウジングに対して近位方向に前記カッティング要素を並進移動させる、
請求項8に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項10】
前記カッター制限部が前記第1の位置から前記第2の位置まで並進移動するとき、前記カッティング要素が、0.010インチから0.035インチの距離にわたって前記ハウジングに対して並進移動する、
請求項8に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項11】
前記カッター制限部が前記第1の位置から前記第2の位置まで並進移動するとき、前記カッティング要素が、0.015インチから0.030インチの距離にわたって前記ハウジングに対して並進移動する、
請求項8に記載の粥腫切除デバイス。
【請求項12】
前記カッティング要素が、近位カッティング要素であり、前記カッター組立体が、遠位カッティング要素を更に備え、前記遠位カッティング要素が、前記近位カッティング要素に結合されて前記ハウジングに対して前記近位カッティング要素とともに回転可能であり、前記遠位カッティング要素が、少なくとも1つのカッティングブレードを備える、
請求項8に記載の粥腫切除デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本明細書において説明されているデバイス及び方法は概して、例えば血管又は他の体の部位からの閉塞物質の除去といった、閉塞した体管腔の処置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 末梢及び介入型心臓学は、冠動脈疾患及び末梢脈管疾患を含む心臓血管疾患の様々な形態の処置に関連した医療専門分野である。冠動脈疾患及び末梢脈管疾患は、(動脈硬化とも呼ばれる)粥状硬化による動脈の狭窄に起因して発生し得る。冠動脈疾患は概して、心筋及び周辺組織に血液を搬送する心臓動脈の動脈に影響を与える。末梢脈管疾患は、例えば足に血液を搬送する、心臓及び脳の外部における脈管系の様々な疾患を表す。
【0003】
[0003] 粥状硬化は通常、中程度の、及び大きい動脈に影響を与え、脂肪、コレステロール、及び他の物質が動脈壁において成長し、及び、プラーク/病変と呼ばれる肉質の、又は硬質/石灰化構造物を形成するときに発生する。プラークが動脈壁内に形成されるにつれて、動脈が狭くなり、柔軟が低くなり、このことは、血液が動脈を通って流れることをより困難にする。末梢動脈内では、プラークは典型的には限局されておらず、10mm程度以上(幾つかの例において、最大400mm以上)にわたって動脈の軸に沿って長さ的に延び得る。
【0004】
[0004] プラークの一部が崩壊し得、罹患した動脈を通って、より小さい血管まで動き得、このようなプラークは、幾つかの例においてより小さい血管を閉塞させ、組織の損傷又は組織の壊死(塞栓形成)をもたらす。幾つかの例において、アテローム性動脈硬化プラークは、動脈瘤をもたらし得る罹患した動脈の壁の弱化と関連する。粥状硬化の合併症を軽減すること、又は防止するために役立てることを目的として動脈からプラークを除去するために、低侵襲性手術が実施される。
【0005】
[0005] 多くの介入型の外科的手法が、粥状硬化を処置するために使用される。バルーン脈管形成では、例えば、医師は、狭窄動脈内に潰れた脈管内バルーンカテーテルを前進させ、バルーンを膨張させて、プラークを浸軟させ、及び/又は、脈管壁に対してプラークを移動させる。脈管形成の成功は動脈を再び開くことに役立ち、改善された血流を可能にする。多くの場合、バルーン脈管形成は、動脈の再狭窄を最小化することに役立つように、動脈内におけるステント又は足場構造物の配置と組み合わされて実施される。しかし、バルーン脈管形成は、ステントの配置が動脈組織を切り得、更には瘢痕組織形成を誘発し得るとともに、動脈を伸ばし得、及び瘢痕組織形成を誘発し得る。瘢痕組織形成は動脈の再狭窄をもたらす。幾つかの例において、バルーン脈管形成は更に脈管壁を裂き得る。
【0006】
[0006] 粥腫切除は、粥状硬化に対する別の処置手法であり、動脈の壁からプラークを機械的に除去する(すなわち摘除する)ために脈管内デバイスの使用を伴う。粥腫切除デバイスは、動脈の壁からプラークの除去を可能にし、伸ばすこと、カッティング、又は動脈壁を切ること、及び、再狭窄をもたらす組織の損傷をもたらすことの危険性を減らす。幾つかの例において、粥腫切除は、瘢痕組織を除去することにより再狭窄を処置するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007] 残念ながら、幾つかの粥腫切除デバイスは、構造上の、及びパフォーマンスの制限に悩まされている。例えば、幾つかの粥腫切除デバイスのカッティング要素又は組立体は、完全閉塞を適切に処置することができない。したがって、改善された粥腫切除デバイス及び方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008] 本開示は、粥腫切除デバイスを提示する。粥腫切除デバイスは、ユーザーにより操作されるように構成されたハンドルを含む。カテーテルはハンドルに結合されている。カテーテルは、外側シースと駆動シャフトとを含み、駆動シャフトは、外側シース内に位置し、及び外側シースに対して回転可能である。カッター組立体は、外側シースに結合された、及び外側シースから遠位方向に延びたハウジングを含み、ハウジングはハウジングベアリング面を含む。カッター組立体は、ハウジングにより回転可能に、及び並進移動可能に保持されたカッティング要素を更に含む。カッティング要素は、駆動シャフトに結合されており、及び駆動シャフトから遠位方向に延びている。カッティング要素は、ハウジングに対するカッティング要素の回転時に閉塞物質を切るように構成された少なくとも1つのカッティングブレードを含む。カッティング要素は、ハウジングベアリング面に係合するように構成されたカッターベアリング面を更に含む。カッティング要素がハウジングに対して回転し、及び少なくとも1つのカッティングブレードが閉塞物質を切るとき、カッターベアリング面がハウジングベアリング面に係合するまで、カッティング要素がハウジングに対して遠位方向に並進移動する。
【0009】
[0009] カッティング要素がハウジングに対して遠位方向に並進移動するとき、駆動シャフトが軸方向に延び、カッターベアリング面がハウジングベアリング面に係合したとき、駆動シャフトが軸方向に短くなり、ハウジングに対して近位方向にカッティング要素を並進移動させる、前述の段落に記載の粥腫切除デバイスである。
【0010】
[0010] カッター組立体が、ハウジングに結合されたフェルールを更に備え、カッターベアリング面がハウジングベアリング面に係合したとき、駆動シャフトが軸方向に短くなり、カッティング要素がフェルールに係合するように、ハウジングに対して近位方向にカッティング要素を並進移動させる、前述の段落のいずれか1つに記載の粥腫切除デバイスである。
【0011】
[0011] カッティング要素が、0.010インチから0.035インチの距離にわたってハウジングに対して並進移動可能である、前述の段落のいずれか1つに記載の粥腫切除デバイスである。
【0012】
[0012] カッティング要素が、0.015インチから0.030インチの距離にわたってハウジングに対して並進移動可能である、前述の段落のいずれか1つに記載の粥腫切除デバイスである。
【0013】
[0013] カッティング要素が、近位カッティング要素であり、カッター組立体が、遠位カッティング要素を更に備え、遠位カッティング要素が、近位カッティング要素に結合されており、及びハウジングに対して近位カッティング要素とともに回転可能であり、遠位カッティング要素が、少なくとも1つのカッティングブレードを備える、前述の段落のいずれか1つに記載の粥腫切除デバイスである。
【0014】
[0014] カッターベアリング面が、少なくとも1つのカッティングブレードの遠位端部と近位端部との間に位置する、前述の段落のいずれか1つに記載の粥腫切除デバイスである。
【0015】
[0015] 本開示は、粥腫切除デバイスを更に提示する。粥腫切除デバイスは、ユーザーにより操作されるように構成されたハンドルを含む。カテーテルは、ハンドルに結合されている。カテーテルは、外側シースと駆動シャフトとを含み、駆動シャフトは、外側シース内に位置し、及び外側シースに対して回転可能である。カッター組立体は、外側シースに結合された、及び外側シースから遠位方向に延びたハウジングを含み、ハウジングは、カッター並進移動チャンバを含む。カッター組立体は、ハウジングにより回転可能に、及び並進移動可能に保持されたカッティング要素を更に含む。カッティング要素は、駆動シャフトに結合されており、及び駆動シャフトから遠位方向に延びている。カッティング要素は、ハウジングに対するカッティング要素の回転時に閉塞物質を切るように構成された少なくとも1つのカッティングブレードを含む。カッティング要素は、カッター並進移動チャンバに回転可能に受容された、及び、カッター並進移動チャンバ内において第1の位置から第2の位置まで、及び逆に並進移動可能なカッター制限部を更に含む。カッティング要素がハウジングに対して回転し、及び少なくとも1つのカッティングブレードが閉塞物質を切ったとき、カッター制限部が回転し、カッター並進移動チャンバ内において第1の位置から第2の位置まで並進移動し、カッティング要素が、ハウジングに対して遠位方向に並進移動する。カッター制限部が第2の位置に到達したとき、カッター制限部が第2の位置から第1の位置まで並進移動し、カッティング要素がハウジングに対して近位方向に並進移動する。
【0016】
[0016] カッティング要素がハウジングに対して遠位方向に並進移動するとき、駆動シャフトが軸方向に延び、カッター制限部が第2の位置に到達したとき、駆動シャフトが軸方向に短くなり、ハウジングに対して近位方向にカッティング要素を並進移動させる、前述の段落に記載の粥腫切除デバイスである。
【0017】
[0017] カッター制限部が第1の位置から第2の位置まで並進移動するとき、カッティング要素が、0.010インチから0.035インチの距離にわたってハウジングに対して並進移動する、前述の段落のいずれか1つに記載の粥腫切除デバイスである。
【0018】
[0018] カッター制限部が第1の位置から第2の位置まで並進移動するとき、カッティング要素が、0.015インチから0.030インチの距離にわたってハウジングに対して並進移動する、前述の段落のいずれか1つに記載の粥腫切除デバイスである。
【0019】
[0019] カッティング要素が、近位カッティング要素であり、カッター組立体が、遠位カッティング要素を更に備え、遠位カッティング要素が、近位カッティング要素に結合されており、及びハウジングに対して近位カッティング要素とともに回転可能であり、遠位カッティング要素が、少なくとも1つのカッティングブレードを備える、前述の段落のいずれか1つに記載の粥腫切除デバイスである。
【0020】
[0020] 「少なくとも1つの」、「1つ又は複数の」、及び「及び/又は」という表現は、論理において連言的なものと選言的なものとの両方である非排他的な表現である。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ又は複数」、「A、B、又はCのうちの1つ又は複数」及び「A、B、及び/又はC」という表現の各々が、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBとの組み合わせ、AとCとの組み合わせ、BとCとの組み合わせ、又は、AとBとCとの組み合わせを意味する。上記の表現におけるA、B、及びCの1つ1つが、例えばX、Y、及びZといった要素、又は、例えばX~X、Y~Y、及びZ~Zといった要素の集合を表す場合、その表現はX、Y、及びZから選択された1つの要素、同じ集合(例えばX及びX)から選択された要素の組み合わせ、及び、2つ以上の集合(例えばY及びZ)から選択された要素の組み合わせを表すことを意図したものである。
【0021】
[0021] 1つの実体という表現は、その実体のうちの1つ又は複数を表す。したがって、「1つの」、「1つ又は複数の」、及び「少なくとも1つの」という表現は、本明細書では相互に置換して使用されてもよい。「備える」、「含む」、及び「有する(もつ)」という表現は、置換して使用されてもよいことにも留意されたい。
【0022】
[0022] 本明細書において使用される「手段」という表現は、米国特許法第112条(f)に従ってそのできる限り最も広い解釈を与えられるものとする。したがって、「手段」という表現を含む請求項は、本明細書に記載されている全ての構造物、物質、又は動作、及びそれらと均等な全てのものを包含することとする。更に、構造物、物質、又は動作、及びその均等なものが、概要、図面の簡単な説明、詳細な説明、要約書、及び請求項自体において説明されている全てのものを含むこととする。
【0023】
[0023] 本開示を通して与えられる最大の数値限定の各々は、より低い数値限定が本明細書に明示的に記述されている場合のように、代替例としてこのようなより低い数値限定の各々を含むと考えられることが理解されなければならない。本開示を通して与えられる最小の数値限定の各々は、より高い数値限定が本明細書に明示的に記述されている場合のように、代替例としてこのようなより高い数値限定の各々を含むと考えられる。本開示を通して与えられる各数値範囲は、より狭い数値範囲が本明細書に明示的に全て記述されている場合のように、このようなより広い数値範囲内に入るこのようなより狭い数値範囲の各々を含むと考えられる。
【0024】
[0024] 前述の内容は、本開示の幾つかの態様の理解を提供するための本開示の簡略化した概要である。この概要は、本開示及びその様々な態様、実施形態、及び構成の広範囲にわたる概観でも網羅的な概観でもない。本開示の重要な、又は決定的な要素を特定することを意図したものではなく、本開示の範囲を表すことを意図したものでもなく、以下に提示されるより詳細な説明への導入として簡略化された形態により本開示の選択された概念を提示することを意図したものである。理解されるように、上述の、又は後で詳細に説明される特徴のうちの1つ又は複数を単独で、又は組み合わせて使用した、本開示の他の態様、実施形態、及び構成が可能である。
【0025】
[0025] 添付図面が本開示の幾つかの例を示すために本明細書に組み込まれ、及び本明細書の一部を形成する。これらの図面は説明とともに、本開示の原理を説明する。図面は、本開示がどのように製造され、及び使用されるかの好ましい、及び代替的な例を単に示すだけであり、示される、及び説明される例のみに本開示を限定するとは解釈されない。更なる特徴及び利点が、以下で参照される図面に示されているように、本開示の様々な態様、実施形態、及び構成の以下のより詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】[0026] 本開示の実施形態による粥腫切除システムの側面図である。
図2A】[0027] 図1の粥腫切除システムの遠位部の詳細な側面図である。
図2B】[0028] 図1の粥腫切除システムの遠位部の詳細な斜視図である。
図2C】[0029] 図2Aの粥腫切除システムの遠位部の詳細な断面図である。
図3A】[0030] 図2Aの粥腫切除システムの遠位部の詳細な側面図であり、ハウジングが隠れ線により示されており、切断要素がハウジングに対して第1の位置に示されている。
図3B】[0031] 図2Aの粥腫切除システムの遠位部の詳細な側面図であり、ハウジングが隠れ線により示されており、カッティング要素がハウジングに対して第2の位置に示されている。
図4A】[0032] 図1の粥腫切除システムの遠位カッティング要素の斜視図である。
図4B】[0033] 図4Aの遠位カッティング要素の側面図である。
図4C】[0034] 図4Bの4C-4C線に沿った遠位カッティング要素の断面図である。
図5A】[0035] 図1の粥腫切除システムの近位カッティング要素の斜視図である。
図5B】[0036] 図5Aの近位カッティング要素の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0037] 図は一定の縮尺とは限らないことが理解されなければならない。特定の例において、本開示の理解に必要とは限らない詳細事項、又は知覚することが困難な他の詳細を表す詳細事項は省略されている場合がある。本開示が本明細書に示されている特定の実施形態に限定されるとは限らないことが当然に理解されるはずである。
【0028】
[0038] 本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示がその用途において、以下の説明に記載されている、又は以下の図面に示されている詳細な構造及びコンポーネントの配置に限定されないことが理解される。本開示は、他の実施形態であることが可能であり、様々な手法により実施されること、又は実行されることが可能である。更に、本明細書において使用される術語及び用語が説明を目的としていること、及び限定と考えられてはならないことが理解される。本明細書における「備える」、「含む」、又は「有する(もつ)」、及びそれらのバリエーションの使用は、その後に列記された項目、及びそれらと同等なもの、並びに更なる項目を包含することを意味する。
【0029】
[0039] 本開示は概して機械的粥腫切除のためのデバイス、システム、及び方法に関する。図1を参照すると、本明細書において説明されている粥腫切除システムの例示的な実施形態が示されている。粥腫切除システム100は、脈管内粥腫切除デバイス102とガイドワイヤ104とを含み、ガイドワイヤ104を介して粥腫切除デバイス102が配備される。幾つかの実施形態において、ガイドワイヤ104はシリコンコーティングされており、又はコーティングされておらず(むき出しであり)、又は別様にはPTFEコーティングを含まない。本開示の幾つかの実施形態による粥腫切除システムは、PTFEコーティングを含むガイドワイヤ104を備え、又は本開示の幾つかの実施形態による粥腫切除システムは、ガイドワイヤ104を含まない。
【0030】
[0040] 続けて図1を参照すると、粥腫切除デバイス102は、概してハンドル106とカテーテル108とを含む。ハンドル106は、粥腫切除工程中にユーザー(例えば医療専門家)により把持されるように、及び操作されるように構成されている。カテーテル108は、ハンドル106に結合されており、及びハンドル106に対して遠位方向に延びている。カテーテル108は、脈管構造からの閉塞物質(例えばプラーク)の除去を円滑化するために、粥腫切除工程中に対象者(例えば患者)の脈管構造内に位置するように構成されている。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、カテーテル108の遠位部110は、湾曲形状又は構成をもつ。幾つかの実施形態において、カテーテル108の遠位部110は通常、湾曲した構成をもち(「通常」は、カテーテル108が例えば血管壁との接触に起因した外部の接触力を全く受けていないことと理解される)、他の構成に偏向させられる。他の実施形態において、カテーテル108の遠位部110は通常、直線形又は構成をもち、他の構成に偏向させられる。幾つかの実施形態において、カテーテル108は、粥腫切除工程中にカテーテル108の遠位部110を適切に配置すること、及び/又は、「スイープ」することを円滑化するために、ハンドル106に対してカテーテル回転軸112の周りで選択的に回転可能である。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、ハンドル106は、ハンドル106に対してカテーテル108を選択的に回転させるための回転可能ノブ又はダイヤル114を保持している。カテーテル108は、外側シース116を含み、外側シース116は、外側シース116から遠位方向に延びたカッター組立体118に結合している。カッター組立体118は、以下で更に詳細に説明される。
【0031】
[0041] 図2A図2Cは、他のコンポーネントの中でも、外側シース116とカッター組立体118とを含むカテーテル108の遠位部110を示す。カッター組立体118は、外側シース116に結合した、及び外側シース116から遠位方向に延びたフェルール200を含む。カッター組立体118は、フェルール200に結合した、及びフェルール200から遠位方向に延びたハウジング202を更に含む。ハウジング202は、カッティング要素を回転可能に保持する。特に図2B図2Cを参照すると、ハウジング202は、第1の、すなわち遠位カッティング要素204と、第2の、すなわち近位カッティング要素206とを回転可能に保持している。ハウジング202に対する回転方向210における回転軸208の周りでの第1のカッティング要素204と第2のカッティング要素206との回転は、カッティング要素204、206に閉塞物質を切らせ、及びハウジング202内に閉塞物質を搬送させる(「摘除」とも呼ばれる工程)。
【0032】
[0042] 更に図2B図2Cを参照すると、第1のカッティング要素204は概して、第2のカッティング要素206とハウジング202とから遠位方向に延びている。第1のカッティング要素204は、第2のカッティング要素206に結合するための中央開口212(図2C参照)を含む。第2のカッティング要素206は概してハウジング202内に位置しており、幾つかの実施形態において、及び図示されているように、ハウジング202内に完全に位置する。第2のカッティング要素206は更に概して、第1のカッティング要素204より近位に位置するが、第2のカッティング要素206は、中央開口212に受容されたシャフト又はステム214を含む。ステム214は、様々な手法により第1のカッティング要素204に結合する。例えば、ステム214は、溶接により第1のカッティング要素204に結合する。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、ステム214は、第1のカッティング要素204に対して遠位方向に延びている。ステム214は、ガイドワイヤ(別途示されている)を受容するための内側管腔216を含む。
【0033】
[0043] 特に図2Cを参照すると、粥腫切除デバイス102は、第1のカッティング要素204と第2のカッティング要素206とを原動機(例えば、図示されていないハンドル106により保持されたモーター)に結合する回転可能駆動シャフト218を更に含む。すなわち、原動機が駆動シャフト218を回転させ、駆動シャフト218が更に第1のカッティング要素204と第2のカッティング要素206とを回転させて、閉塞物質を切ること、及びハウジング202内に閉塞物質を搬送することを円滑化する。幾つかの実施形態において、カッター組立体118は、真空吸引を使用せずに血液から切られた閉塞物質を捕捉する。他の実施形態において、真空吸引が、切られた閉塞物質の捕捉を補助する。
【0034】
[0044] 続けて図2Cを参照すると、幾つかの実施形態において、粥腫切除デバイス102は、駆動シャフト218に結合された、及び駆動シャフト218とともに回転する内部コンベヤー220を更に含む。閉塞物質は、第1のカッティング要素204と第2のカッティング要素206とによりカッターハウジング202内に搬送され、コンベヤー220は、対象者の体の外部に排出するためにカテーテル108を通して切られた閉塞物質を近位に移動させる。幾つかの実施形態において、この搬送は、真空吸引補助を使用せずに行われる。他の実施形態において、真空吸引が、切られた閉塞物質の搬送を補助する。
【0035】
[0045] カッター組立体118は、カッティング要素204、206が粥腫切除工程中にハウジング202に対して遠位方向に、及び近位方向に繰り返し並進移動する、又は並進移動方向に振動することを可能にするという特徴をもつ。幾つかの状況において、このような運動は、カッティング要素204、206に閉塞物質に比較的小さい断続的な切り込みを作らせる。これは、比較的小量の閉塞物質を効率的に切ること、及び搬送することを円滑化し、このことが、結果として、詰まる可能性を減らし、場合によっては、例えばカルシウムといった比較的硬質な閉塞物質をより効果的に切ることをもたらす。より詳細には、及び、図3A及び図3Bを参照すると、ハウジング202は内部ハウジングベアリング面300を含み、第2のカッティング要素206は、1つ又は複数のカッターベアリング面302を含む(例えば、4つのカッターベアリング面302を含み、そのうちの3つが図3A及び図3Bにおいて視認可能である)。カッター組立体118が閉塞物質に対して進行させられ、カッティング要素204、206がハウジング202に対して回転して閉塞物質を切るとき、上述のようにカッティング要素204、206が閉塞物質を近位方向に搬送する。この動作は、カッティング要素204、206を遠位方向に動かす。すなわち、この動作は、カッティング要素204、206を図3Aに示される位置から図3Bに示される位置まで並進移動させ、駆動シャフト218が軸方向に延びる、又は引き延ばされる。カッティング要素204、206が図3Bに示される位置に到達したとき、カッターベアリング面302がハウジングベアリング面300に係合し、このことが、カッティング要素204、206がハウジング202に対して遠位方向に更に並進移動することを阻止する。結果として、及び、カッター組立体118が十分に低い速度(例えば、1mm/秒以下)で進行させられることを条件として、カッティング要素204、206が更なる閉塞物質を切ること、及び近位方向に搬送することを阻止される。したがって、カッティング要素204、206は、閉塞物質により遠位方向に進行させられず、駆動シャフト218が軸方向に短くなり、又は緩和し、カッティング要素204、206は図3Bに示される位置から図3Aに示される位置まで並進移動する。カッティング要素204、206が図3Aに示される位置に到達したとき、第2のカッティング要素206がフェルール200に係合する。次に、カッター組立体118の進行、又はカッティング要素204、206の回転の終了まで、本工程が繰り返される。
【0036】
[0046] カッティング要素204、206は、上述の工程中、ハウジング202に対して様々な距離を並進移動する。幾つかの実施形態において、カッティング要素204、206は、上述の工程中、ハウジング202に対して0.010インチから0.035インチの距離を並進移動する。幾つかの実施形態において、カッティング要素204、206は、上述の工程中、ハウジング202に対して0.015インチから0.030インチの距離を並進移動する。
【0037】
[0047] カッティング要素204、206がハウジング202に対して並進移動方向に繰り返し振動することを可能にするカッター組立体118の特徴は、他の手法により説明される。例えば、ハウジング202は、内部カッター並進移動チャンバ304を含むものとして説明され、第2のカッティング要素206は、カッター並進移動チャンバ304に回転可能に受容されたカッター制限部306を含むものとして説明される。カッター制限部306は、カッター並進移動チャンバ304とともに、第1の位置(より詳細には、図3Aに示されている位置)から第2の位置(より詳細には、図3Bに示されている位置)まで、及び逆に並進移動可能である。カッター組立体118が閉塞物質に対して進行させられ、カッティング要素204、206がハウジング202に対して回転して閉塞物質を切るとき、カッティング要素204、206は、上述のように閉塞物質を近位方向に搬送する。この動作は、カッティング要素204、206を第1の位置から第2の位置に向けて動かし、駆動シャフト218が軸方向に延び、又は引き延ばされる。カッティング要素204、206が第2の位置に到達したとき、カッター制限部306がカッター並進移動チャンバ304の遠位端部308に到達し、このことが、カッティング要素204、206がハウジング202に対して遠位方向に更に並進移動することを阻止する。結果として、及び、カッター組立体118が十分に低い速度(例えば、1mm/秒以下)で進行させられることを条件として、カッティング要素204、206は更なる閉塞物質を切ること、及び近位方向に搬送することを阻止される。したがって、カッティング要素204、206は、閉塞物質により遠位方向に進行させられず、駆動シャフト218は軸方向に短くなり、又は緩和し、カッティング要素204、206が第2の位置から第1の位置まで並進移動する。カッティング要素204、206が第1の位置に到達したとき、第2のカッティング要素206がカッター並進移動チャンバ304の近位端部310に到達する。次に、カッター組立体118の進行又はカッティング要素204、206の回転の終了まで、本工程が繰り返される。
【0038】
[0048] ここで図4A図4Cを参照すると、第1のカッティング要素204は、ハウジング202に対して遠位方向に延びた1つ又は複数の第1の、すなわち遠位カッティングフルート又はブレードを含む。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、第1のカッティング要素204は、2つの遠位カッティングブレード400を含む。幾つかの実施形態において、第1のカッティング要素204は、例えば3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、又は更に多くのカッティングブレードといった異なる数のカッティングブレードを含む。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、遠位カッティングブレード400のうちの1つ又は複数は、第1のカッティング要素204及び第2のカッティング要素206の回転軸208に対して螺旋状に延びている。
【0039】
[0049] 特に図4Cを参照すると、幾つかの実施形態において、遠位カッティングブレード400は、正のすくい角402をもつ。すなわち、遠位カッティングブレード400は、第1のカッティング要素204の回転軸208からカッティングブレード400の半径方向に最も離れたエッジ406に延びた仮想半径404と、半径方向に最も離れたエッジ406におけるカッティングブレード400の内面410からの接線408との間において測定されたすくい角402をもつ。すくい角402は、回転軸208の周りにおいて第1のカッティング要素204及び第2のカッティング要素206の回転方向210と同じ方向である。幾つかの実施形態において、すくい角402は、40度から80度までの範囲内である。幾つかの実施形態において、すくい角402は、45度から75度までの範囲内である。幾つかの実施形態において、すくい角402は、40度から70度までの範囲内である。幾つかの実施形態において、すくい角402は、45度から65度までの範囲内である。幾つかの実施形態において、すくい角402は、50度から60度までの範囲内である。幾つかの実施形態において、すくい角402は、実質的に55度(すなわち、55度±2.5度)である。
【0040】
[0050] ここで図5A図5Bを参照すると、第2のカッティング要素206は、1つ又は複数の第2の、すなわち近位カッティングフルート又はブレード500を含む。幾つかの実施形態において、第2のカッティング要素206は、第1のカッティング要素204の場合の2倍の数のブレード500を含む。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、第2のカッティング要素206は、4つのカッティングブレード500を含む。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、近位カッティングブレード500は、第1のカッティング要素204及び第2のカッティング要素206の回転軸208に対して螺旋状に延びている。幾つかの実施形態において、及び特に図5Bを参照すると、近位カッティングブレード500は、負のすくい角502をもつ。言い換えると、近位カッティングブレード500は、第2のカッティング要素の回転軸208からカッティングブレード500の半径方向に最も離れたエッジ506まで延びた仮想半径504と、半径方向に最も離れたエッジ506におけるカッティングブレード500の内面510からの接線508との間において測定されたすくい角502をもつ。すくい角502は、回転軸208の周りにおいて第1のカッティング要素204及び第2のカッティング要素206の回転方向210と逆方向にある。更に言い換えると、近位カッティングブレード500の内面510は、カッティングエッジの外向きに、又は前方に傾斜する。幾つかの実施形態において、すくい角502は、5度から45度まで(-5度から-45度までとも表現される)の範囲内である。幾つかの実施形態において、すくい角502は、6度から35度まで(-6度から-35度までとも表現される)の範囲内である。幾つかの実施形態において、すくい角502は、8度から24度まで(-8度から-24度までとも表現される)の範囲内である。幾つかの実施形態において、すくい角502は、実質的に16度である(すなわち、16度±2.5度である。実質的に-16度(すなわち、-16度±2.5度)とも表現される)。
【0041】
[0051] 幾つかの実施形態において、第1のカッティング要素204の正のすくい角402、及び、第2のカッティング要素206の負のすくい角502は、改善されたカッティング効率を促進し、及び/又は、ハウジング202内における閉塞物質の詰まりを抑制する。より詳細には、幾つかの実施形態において、第1のカッティング要素204の正のすくい角402は、閉塞物質を切ること、及び第2のカッティング要素206に向けて搬送することを円滑化し、第2のカッティング要素206の負のすくい角502は、閉塞物をハウジング202に向けて半径方向外向きに、及び近位方向に大きく移動させることを円滑化し、以てハウジング202内における閉塞物質の詰まりを抑制する。
【0042】
[0052] 幾つかの実施形態において、及び図示されているように、カッターベアリング面302は、近位カッティングブレード500の各々に形成される。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、カッターベアリング面302は、近位カッティングブレード500の遠位端部512と近位端部514との間に配置される。このような実施形態において、カッターベアリング面302は、近位カッティングブレード500の遠位端部512と近位端部514との間における様々な位置のうちの任意の位置に配置される。幾つかの実施形態において、カッターベアリング面302は、例えば近位カッティングブレード500の遠位端部512といった他の位置に配置される。
【0043】
[0053] 幾つかの実施形態において、及び図示されているように、カッティングステム214は、閉塞物質を、粥腫切除システム100により捕捉される、及び除去される小粒子に分解することを円滑化する1つ又は複数のカッティング特徴516を更に含む。幾つかの実施形態において、及び図示されているように、カッティングステム214は、2つのカッティング特徴516を含む。他の実施形態において、カッティングステム214は、異なる数のカッティング特徴516(例えば、1つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、又は更に多くのカッティング特徴516)を含む。幾つかの実施形態において、カッティング特徴516は負の特徴(例えば、図示されているカッティングステム214の表面に形成された窪み、又は、カッティングステム214の表面に形成された経路部)である。幾つかの実施形態において、カッティング特徴516は、正の特徴(例えば、カッティングステム214の表面から延びた隆起部又は突出部)である。幾つかの実施形態において、カッティング特徴516は、カッティングステム214の前端部518から実質的に近位方向に延びている。幾つかの実施形態において、カッティング特徴516は前端部518から離れて位置し、及び/又は、ステム214に沿って近位に延びていない。
【0044】
[0054] ここまでの説明は例示及び説明を目的として提示されている。前述の事項は、本明細書において開示されている1つ又は複数の形態に本開示を限定することを意図したものではない。例えば前述の概要において、本開示の様々な特徴は、本開示を簡略化することを目的として1つ又は複数の態様、実施形態、及び/又は、構成において相互にグループ化される。本開示の態様、実施形態、及び/又は構成の特徴は、上述のもの以外の代替的な態様、実施形態、及び/又は構成において組み合わされてもよい。この開示方法は、請求項が各請求項に明示的に記載されている特徴より多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとは解釈されない。むしろ、後述の請求項が示すように、発明の態様は1つの前述の開示されている態様、実施形態、及び/又は構成の全ての特徴より少ないものの中に存在する。したがって、後述の特許請求の範囲は、ここでこの発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項自体が本開示の別々の好ましい実施形態として成立する。
【0045】
[0055] 更に、本説明は1つ又は複数の態様、実施形態、及び/又は構成及び特定の変形例及び変更例の説明を含んでいるが、他の変形例、組み合わせ、及び変更例が、例えば本開示を理解した後に当業者の技量及び知識に含まれるのと同様に、本開示の範囲に入る。代替的な、交換可能な、及び/又は均等な構造物、機能、範囲、又はステップが本明細書において開示されているか否かによらず、及び、いかなる特許可能な主題も公に捧げることを意図せず、請求項に記載されたものに対するこのような代替的な、交換可能な、及び/又は均等な構造物、機能、範囲、又はステップを有する、代替的な態様、実施形態、及び/又は構成を許容される範囲で含む権利を取得することが意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
【国際調査報告】