IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

<>
  • 特表-エアロゾル発生装置のための断熱 図1
  • 特表-エアロゾル発生装置のための断熱 図2
  • 特表-エアロゾル発生装置のための断熱 図3
  • 特表-エアロゾル発生装置のための断熱 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置のための断熱
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20221027BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20221027BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20221027BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022512320
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2020073676
(87)【国際公開番号】W WO2021037820
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】19194026.1
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB28
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC41
4B162AC50
4B162AD03
4B162AD15
4B162AD20
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル形成基体(18)を含むエアロゾル発生物品(12)を受容するための空洞(10)を備える、エアロゾル発生装置に関する。空洞は基部(28)を備える。基部は、少なくとも一つの空気開口(30)を備える。装置は、誘導加熱装置をさらに備える。誘導加熱装置は、サセプタ装置(14)および誘導コイル(16)を備える。誘導加熱装置は、空洞を少なくとも部分的に包囲、または形成して配設される。装置は、断熱要素(22)をさらに備える。断熱要素は、サセプタ装置と誘導コイルとの間に配設される。断熱要素は、空洞の基部において、空洞の中への横方向の気流を防止するために、基部に封止的に取り付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するための空洞であって、前記空洞が基部を備え、前記基部が少なくとも一つの空気開口を備える、空洞と、
誘導加熱装置であって、前記誘導加熱装置が、サセプタ装置および誘導コイルを備え、前記誘導加熱装置が、前記空洞を少なくとも部分的に包囲または形成して配設される、誘導加熱装置と、
断熱要素であって、前記サセプタ装置と前記誘導コイルとの間に配設され、かつ前記空洞の前記基部における前記空洞の中への横方向の気流を防止するように、前記基部へと封止的に取り付けられ、かつ
前記サセプタ装置の一つ以上の側壁が、横方向の気流に対して前記空洞に入るように浸透性であること、および
前記サセプタ装置の前記一つ以上の側壁と前記断熱要素の側壁との間に間隙が提供されること、のうち一方または両方に該当する断熱要素と、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置がハウジングを備え、前記空洞が前記ハウジングの下流端内に配設され、かつ前記断熱要素が前記ハウジングの前記下流端に封止的に取り付けられて、前記空洞の前記下流端において前記空洞の中への横方向の気流を防止する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記断熱要素が、下流端面を有し、前記下流端面が平坦である、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記装置が、前記誘導コイルが配設される区画を備え、前記区画が、前記空洞の前記下流端において前記断熱要素によって前記空洞から気密的に封止される、請求項2または3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記エアロゾル発生装置が、前記ハウジングの前記下流端において空気吸込み口を備え、前記空気吸込み口が、前記誘導コイルが配設される前記区画の前記下流端と流体接続している、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置がハウジングを備え、前記空洞が前記ハウジングの下流端内に配設され、かつ前記断熱要素と前記ハウジングの前記下流端との間に間隙が提供されて、前記空洞の前記下流端の前記空洞の中への横方向の気流を可能にする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記断熱要素が凸状下流端面を有する、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記誘導コイルが配設される前記区画と、前記空洞の前記下流端における前記空洞との間に流体接続が確立される、請求項6または7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置が、前記空洞の上流端に隣接する空気吸込み口を備え、前記空気吸込み口が、前記誘導コイルが配設される前記区画の上流端と流体連通する、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記断熱要素が、前記空洞の側壁を少なくとも部分的に形成する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記断熱要素が、前記空洞の前記長さに沿って部分的または完全に延びる、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記断熱要素が前記空洞の前記基部に接着される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは公知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度へとエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーなどの空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。加熱装置は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中へと挿入されると、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの周りに配設されてもよい。加熱装置は、誘導加熱装置として構成されてもよい。誘導加熱装置については、加熱装置は、誘導コイルおよびサセプタ装置を備えてもよい。サセプタ装置は、加熱チャンバーを少なくとも部分的に包囲するように配設されてもよい。誘導コイルは、サセプタ装置を包囲して配設されてもよい。動作中、サセプタ装置の加熱は、加熱チャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品を加熱することに加えて、誘導コイルの温度の上昇につながる場合がある。誘導コイルの温度上昇は、誘導コイルの動作に悪影響を及ぼす場合がある。模範的に、誘導コイルの電気抵抗は増加する場合がある。さらに、熱が失われる場合があり、これによりエアロゾル発生装置のエネルギー効率は悪影響を受けることがある。
【0003】
改善された動作効率を有する誘導加熱装置を備えるエアロゾル発生装置を有することが望ましい。改善された加熱効率を有する誘導加熱装置を備えるエアロゾル発生装置を有することも望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態によると、エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するための空洞を備えるエアロゾル発生装置が提供される。空洞は基部を備えてもよい。基部は、少なくとも一つの空気開口を備える。装置は、誘導加熱装置をさらに備える。誘導加熱装置は、サセプタ装置および誘導コイルを備える。誘導加熱装置は、空洞を少なくとも部分的に包囲、または形成して配設される。装置は、断熱要素をさらに備える。断熱要素は、サセプタ装置と誘導コイルとの間に配設される。断熱要素は、空洞の基部において、空洞の中への横方向の気流を防止するために、基部に封止的に取り付けられる。
【0005】
基部内に配設された空気開口は、空洞の中への軸方向の気流を可能にする。空洞の中への気流は、軸方向では可能にされ、一方で横方向の空洞の中への気流は、断熱要素によって阻止される。軸方向の気流は、エアロゾル発生物品の中への空気の流れを改善する場合があり、軸方向の気流は、気流をエアロゾル発生物品の上流端面へと方向付ける場合がある。断熱要素を空洞の基部に取り付けるために、断熱要素を空洞の基部に接着してもよい。断熱要素の上流端面は、空洞の基部に接着されてもよい。別の方法として、断熱要素は、空洞の基部の外側に延びてもよく、これにより断熱要素の内側面は空洞の基部に接着などによって取り付けられてもよい。
【0006】
サセプタ装置は、サセプタ装置の一つ以上の側壁を備えてもよい。サセプタ装置の一つ以上の側壁は、横方向の気流が空洞に入るように浸透性であってもよい。サセプタ装置の側壁は、ブレード形状のサセプタから形成されてもよく、横方向の気流は、ブレード形状のサセプタの間の間隙を通して空洞に入ってもよい。サセプタ装置の一つ以上の側壁は、穿孔またはスリットを備えてもよく、これにより横方向の気流は穿孔またはスリットを通して空洞に入ってもよい。
【0007】
断熱要素は、断熱要素の一つ以上の側壁を備えてもよい。サセプタ装置の一つ以上の側壁と、断熱要素の一つ以上の側壁との間に間隙が提供されてもよい。間隙は、間隙内で空気が流れることを可能にしてもよい。間隙内の軸方向の気流が提供されてもよい。気流に対する軸方向経路が、間隙によって提供されて、異なる軸方向位置において空洞の中への横方向の気流を可能にしてもよい。間隙は、有利なことに、サセプタ装置と断熱要素との間の断熱性を改善しうる。
【0008】
断熱要素の一つ以上の側壁は、横方向で実質的に気密になるように配設され、横方向の気流が空洞を出ることを阻止してもよい。
【0009】
断熱要素の一つ以上の側壁は、サセプタ装置の一つ以上の側壁を同軸で包囲してもよい。断熱要素の一つ以上の側壁は、部分的にまたは完全に空洞の側壁を形成してもよく、またサセプタ装置の一つ以上の側壁は、空洞の内部に向かって断熱要素の一つ以上の側壁に隣接して配設されてもよい。
【0010】
サセプタ装置の一つ以上の側壁は、空洞に入るための横方向の気流に対して浸透性であってもよく、またサセプタ装置の一つ以上の側壁と断熱要素の一つ以上の側壁との間に間隙が提供されてもよい。サセプタ装置の通気性の側壁は、横方向の気流が絶縁要素の側壁によって空洞から出ることを防止するために気密にされてもよい。
【0011】
「封止的に取り付けられる」という用語は、気流が取り付けの区域内で阻止されるような、断熱要素と基部との間の取り付けを指してもよい。言い換えれば、密封は、断熱要素と基部との間の取り付けによって提供されてもよい。
【0012】
「横方向」という用語は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して直角を成す方向を指してもよい。
【0013】
空気開口は、エアロゾル発生装置の軸方向において長軸方向の延長部を有してもよい。空気開口は円形断面を有してもよい。空気開口は、細長い、楕円形、または長方形の断面を有してもよい。
【0014】
断熱要素は、空洞の側壁を部分的または完全に形成してもよい。断熱要素は、空洞の軸方向長さに沿って部分的または完全に延びてもよい。断熱要素は、空洞の基部に直に当接してもよい。断熱要素は、空洞の基部に直に取り付けられてもよく、それによって断熱要素と基部との間の封止取り付けを容易にしてもよい。
【0015】
エアロゾル発生装置は、ハウジングを備えてもよく、空洞は、ハウジングの下流端に配置されてもよい。断熱要素は、空洞の下流端において、空洞の中への横方向の気流を防止するために、ハウジングの下流端に封止的に取り付けられてもよい。
【0016】
この実施形態によると、断熱要素は、空洞の側壁を完全に形成する、または空洞の軸方向の全長に沿って延びることが好ましい。断熱要素は、空洞の基部への封止取り付けによって、空洞の基部における空洞の中への横方向の気流を防止する。さらに、この実施形態による断熱要素は、断熱要素とエアロゾル発生装置のハウジングとの間の取り付けによって、空洞の下流端における空洞の中への横方向の気流を防止する。この実施形態では、空洞の中への気流は、空洞の基部に配設された空気開口を通してのみ可能になることが好ましい。
【0017】
断熱要素は、平坦な下流端面を有してもよい。平坦な下流端面は、断熱要素とエアロゾル発生装置のハウジングとの間の取り付けを支援してもよい。下流端面は、エアロゾル発生装置のハウジングに直接的に当接してもよい。下流端面は、エアロゾル発生装置のハウジングに接着されてもよい。
【0018】
誘導コイルが配設されてもよい区画は、空洞の下流端において断熱要素によって空洞から気密的に封止されてもよい。誘導コイルが配設されてもよい区画は、空洞を包囲して配設されてもよい。この区画は、コイル区画と呼ばれてもよい。コイル区画は、空洞を部分的または完全に包囲してもよい。コイル区画は、空洞の全長に沿って延びてもよい。コイル区画は、下記により詳細に説明するように、誘導コイルまたは複数の誘導コイルを収容してもよい。断熱要素による空洞と空洞の下流端部におけるコイル区画との間の密封封止によって、空洞の下流端におけるコイル区画と空洞との間の気流が阻止される。加えて、断熱要素が空洞の基部に封止的に取り付けられ、そしてそれによって空洞の基部における空洞の中への横方向の気流が防止されるため、空洞とコイル区画との間の気流は、コイル区画の全長にわたって横方向で阻止されてもよい。
【0019】
エアロゾル発生装置は、ハウジングの下流端において空気入口を備えてもよく、空気吸込み口は、誘導コイルが配設されてもよい区画の下流端と流体接続していてもよい。言い換えれば、エアロゾル発生装置は、コイル区画と接続された下流空気吸込み口を備えてもよい。コイル区画は、開放された上流端を有してもよい。空気は、下流空気吸込み口からコイル区画を通して、コイル区画を通しかつコイル区画の開いた上流端の外へと引き出されてもよい。コイル区画の上流の開放端は、空洞の基部に配設された開口と流体接続されてもよい。
【0020】
周囲空気は、下流空気吸込み口を通してコイル区画の中へと引き込まれてもよい。続いて、空気は、コイル区画を通して引き込まれ、それによってコイル区画内に配設された誘導コイルを冷却してもよい。コイル区画を通った後、空気は、コイル区画の開いた上流端を通してコイル区画の外へと引き出されてもよい。コイル区画を出た後、空気は、空洞の基部に向かって、かつ空気開口を通してU字形状で空気チャネル内に案内されてもよい。次に、空気は空洞に入り、そして空洞内に配設されたエアロゾル発生物品を通って流れてもよい。コイル区画を通る空気の通過は、空気が空洞内に受容されたエアロゾル発生物品を通って流れる時の、最適化されたエアロゾル発生のために、空気を予熱してもよい。
【0021】
ハウジングの下流端においてハウジングに対して封止的に取り付けられる断熱要素の代替的な実施形態として、断熱要素とハウジングの下流端との間に間隙が提供されて、空洞の下流端における空洞の中への横方向の気流を可能にしてもよい。この実施形態では、気流は、空洞の下流端においてコイル区画と空洞との間で可能にされる。言い換えれば、この実施形態では、空洞の下流端においてコイル区画と空洞との間で、流体接続が確立される。気流は、断熱要素の下流端に隣接して可能にされる。気流は、断熱要素の下流端とエアロゾル発生装置のハウジングとの間で可能にされる。
【0022】
断熱要素は、凸状下流端面を有してもよい。凸状下流端面は、気流を負に損なうことなく、コイル区画と空洞との間の滑らかな気流を可能にする場合がある。
【0023】
エアロゾル発生装置は、空洞の上流端に隣接する空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口は、誘導コイルが配設されうる区画の上流端と流体連通してもよい。
【0024】
空気吸込み口は、空洞の基部内の空気開口と流体接続されてもよい。周囲空気は、コイル区画の上流端部に隣接する空気吸込み口を通って、空洞の基部内の空気開口に向かって流れてもよい。空気は、その後、空洞の中へと、そして空洞内に受容されたエアロゾル発生物品を通して流れてもよい。断熱要素の下流端とエアロゾル発生装置のハウジングとの間に提供される間隙に起因して、空気は空洞からコイル区画へと間隙を通して流れてもよい。この空気は、コイル区画を通し、そしてコイル区画の開いた上流端においてコイル区画の外へと流れてもよい。コイル区画の開いた上流端は、空気吸込み口と空洞の基部内の空気開口との間の気流経路と流体接続されてもよい。円形状の流れは、断熱要素とハウジングとの間の間隙によって、そしてもう一方では、コイル区画の開いた上流端によって、空洞とコイル区画との間で可能にされてもよい。このようにして、コイル区画内に配設された誘導コイルは冷却されてもよい。同時に、空気は、エアロゾル発生を最適化するために予熱されてもよい。
【0025】
エアロゾル発生装置は、電源を備えてもよい。電源は直流(DC)電源であってもよい。電源は、第一の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。一実施形態では、電源は、約2.5ボルト~約4.5ボルトの範囲内のDC供給電圧、および約1アンペア~約10アンペアの範囲内のDC供給電流(約2.5ワット~約45ワットの範囲内のDC電源に対応)を有するDC電源である。エアロゾル発生装置は、有利なことに、DC電源によって供給されるDC電流を交流電流に変換するための直流電流から交流電流への(DC/AC)インバータを備えてもよい。DC/ACコンバータは、クラスDまたはクラスEの電力増幅器を備えてもよい。電源は、交流電流を提供するように構成されてもよい。
【0026】
電源は再充電可能なリチウムイオン電池などの電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、エアロゾル発生装置の一回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間の間エアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0027】
電源は高周波で動作するように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する、振動する電流を意味する。高周波振動電流は、約1メガヘルツ~約30メガヘルツの周波数を有してもよく、約1メガヘルツ~約10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、約5メガヘルツ~約8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
【0028】
誘導加熱装置は、誘導によって熱を生成するように構成されてもよい。誘導加熱装置は、誘導コイルおよびサセプタ装置を備える。単一の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ装置が提供されてもよい。単一の誘導コイルより多くの誘導コイルが提供されることが好ましい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ装置より多くのサセプタ装置が提供されることが好ましい。好ましくは、第一のサセプタ装置および第二のサセプタ装置が提供される。誘導コイルは、サセプタ装置を包囲してもよい。第一の誘導コイルは、第一のサセプタ装置を包囲してもよい。第二の誘導コイルは、第二のサセプタ装置を包囲してもよい。別の方法として、単一のサセプタ装置を包囲する少なくとも二つの誘導コイルが提供されてもよい。二つ以上のサセプタ装置が提供される場合、サセプタ装置の間に電気絶縁要素が提供されることが好ましい。
【0029】
サセプタ装置は、サセプタを備えてもよい。サセプタ装置は、複数のサセプタを備えてもよい。サセプタ装置は、ブレード形状のサセプタを備えてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞を包囲して配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の内側に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入された時に、エアロゾル発生物品を保持するように配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、ブレード形状のサセプタの中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にするために、裾が広がった下流端を有してもよい。空気は、空洞の基部内の空気開口を通して空洞の中へと流れてもよい。空気は、その後、エアロゾル発生物品の上流端面においてエアロゾル発生物品の中へと入ってもよい。別の方法としてまたは追加的に、空気は、断熱要素によって形成されることが好ましい空洞の側壁とブレード形状のサセプタとの間を流れてもよい。次いで、空気は、ブレード形状のサセプタの間の間隙を通して、エアロゾル発生物品の中へと入ってもよい。空気によるエアロゾル発生物品の均一な貫通は、このようにして達成されてもよく、それによってエアロゾル発生を最適化する。
【0030】
エアロゾル発生装置は磁束集中器を備えてもよい。磁束集中器は、高い透磁率を有する材料から作製されてもよい。磁束集中器は、誘導加熱装置を包囲して配設されてもよい。磁束集中器は、磁力線を磁束集中器の内部に集中させ、それによって誘導コイルによるサセプタ装置の加熱効果を増加させてもよい。
【0031】
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の誘導コイルへ、および第二の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、誘導コイルへと供給される電流、そしてそれ故に誘導コイルによって生成される磁界強度を制御するように構成されてもよい。
【0032】
電源およびコントローラは、誘導コイル、好ましくは第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに接続され、そして誘導コイルの各々に互いに独立して交流電流を提供するように構成されてもよく、これにより使用時に、誘導コイルは各々、交番磁界を生成する。これは、電源およびコントローラが、第一の誘導コイル単独で、第二の誘導コイルに単独で、または、両方の誘導コイルに同時に交流電流を提供することができうることを意味する。異なる加熱プロファイルは、そのように達成されてもよい。加熱プロファイルは、それぞれの誘導コイルの温度を指してもよい。高温に加熱するために、交流電流を両方の誘導コイルに同時に供給してもよい。より低い温度に加熱するため、またはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の一部分のみを加熱するために、交流電流を第一の誘導コイルのみに供給してもよい。その後、交流電流は、第二の誘導コイルのみに供給されてもよい。
【0033】
コントローラは、誘導コイルおよび電源に接続されてもよい。コントローラは、電源から誘導コイルへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。コントローラは、マイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路であってもよい。コントローラは、さらなる電子構成要素を備えてもよい。コントローラは誘導コイルへの電流供給を調節するよう構成されてもよい。電流はエアロゾル発生装置の起動後、誘導コイルのうちの一方または両方に連続的に供給されてもよく、または断続的に(毎回の吸煙ごとなど)供給されてもよい。
【0034】
電源およびコントローラは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルの各々に供給される交流電流の振幅を独立して変化させるように構成されてもよい。この配設では、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって生成された磁界の強度は、各コイルに供給される電流の振幅を変化させることによって独立して変化されてもよい。これは、好都合なことに、可変加熱効果を容易にする場合がある。例えば、コイルのうちの一方または両方に提供される電流の振幅は、起動中に増加されて、エアロゾル発生装置の開始時間を減少させてもよい。
【0035】
エアロゾル発生装置の第一の誘導コイルは、第一の回路の一部を形成してもよい。第一の回路は、共鳴回路であってもよい。第一の回路は、第一の共鳴周波数を有してもよい。第一の回路は、第一のコンデンサーを備えてもよい。第二の誘導コイルは、第二の回路の一部を形成してもよい。第二の回路は、共鳴回路であってもよい。第二の回路は、第二の共鳴周波数を有してもよい。第一の共鳴周波数は、第二の共鳴周波数とは異なってもよい。第一の共鳴周波数は、第二の共鳴周波数と同一であってもよい。第二の回路は、第二のコンデンサーを備えてもよい。共鳴回路の共鳴周波数は、それぞれの誘導コイルのインダクタンスおよびそれぞれのコンデンサーの静電容量に依存する。
【0036】
エアロゾル発生装置の空洞は、開放端を有してもよく、エアロゾル発生物品はその中へと挿入される。空洞は、開放端とは反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は、空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口の提供を除いて閉じられていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は、空洞の上流に配設されてもよい。開放端は、空洞の下流に配設されてもよい。長軸方向は開放端と閉鎖端との間に延びる方向であってもよい。空洞の長軸方向軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行であってもよい。
【0037】
空洞は、加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は、円筒形状を有してもよい。空洞は、中空円筒形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は、楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の直径に対応する直径を有してもよい。
【0038】
本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、エアロゾル発生装置のユーザー端、またはエアロゾル発生装置の口側端を指し、また「遠位」という用語は、近位端とは反対側の端を指す。空洞を参照する時、「近位」という用語は、空洞の開放端に最も近い領域を指し、また「遠位」という用語は、閉鎖端に最も近い領域を指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、エアロゾル発生装置の、エアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の長軸方向における主要な寸法を指す。
【0040】
本明細書で使用される場合、「幅」という用語は、エアロゾル発生装置の、エアロゾル発生物品の、またはエアロゾル発生装置もしくはエアロゾル発生物品の構成要素の、その長さに沿った特定の場所における、横断方向における主要な寸法を指す。「厚さ」という用語は、幅と直角を成す横断方向における寸法を指す。
【0041】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部である。
【0042】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、システムの近位端またはユーザー端でマウスピースを吸うまたは吸煙するユーザーによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含む物品は、たばこスティックと呼ばれる。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞の中へと挿入可能であってもよい。
【0043】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾルを発生させる装置を指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに説明および図示されるようなエアロゾル発生物品の、本明細書でさらに説明および図示されるようなエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムでは、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置は協働して、呼吸に適したエアロゾルを発生する。本発明はまた、エアロゾル発生システムにも関しうる。
【0045】
本明細書で使用される場合、「サセプタ装置」は、変化する磁界に供された時に加熱する導電性要素を意味する。これはサセプタ装置内で誘導された渦電流、ヒステリシス損失、または渦電流とヒステリシス損失の両方の結果であってもよい。使用中に、サセプタ装置は、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と熱的接触して、または熱的に近接して位置する。このように、エアロゾル形成基体は、サセプタ装置によって加熱され、これによりエアロゾルが形成される。
【0046】
サセプタ装置は、好ましくは個別のブレード形状のサセプタによって構造化された円筒形状を有してもよい。サセプタ装置は、対応する誘導コイルの形状に対応する形状を有してもよい。サセプタ装置は、サセプタ装置を誘導コイルの内側に配設することができるように、対応する誘導コイルの直径より小さい直径を有してもよい。
【0047】
「加熱ゾーン」という用語は、加熱ゾーン内、または加熱ゾーンの周りに定置されたサセプタ装置が誘導コイルによって誘導加熱可能になるように、誘導コイルによって少なくとも部分的に包囲される空洞の長さの一部分を指す。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンを備えてもよい。加熱ゾーンは、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンへと分割されてもよい。第一の加熱ゾーンは、第一の誘導コイルによって包囲されてもよい。第二の加熱ゾーンは、第二の誘導コイルによって包囲されてもよい。三つ以上の加熱ゾーンが提供されてもよい。複数の加熱ゾーンが提供されてもよい。誘導コイルは、各加熱ゾーンに対して提供されてもよい。一つ以上の誘導コイルは、加熱ゾーンを包囲するように移動可能に配設されてもよく、また加熱ゾーンのセグメント化された加熱のために構成されてもよい。
【0048】
本明細書で使用される場合、「コイル」という用語は、「誘導コイル(inductive coil)」または「誘導コイル(induction coil)」または「インダクタ」または「インダクタコイル」という用語と全体を通して互換可能である。コイルは、電源に接続された被駆動(一次)コイルであってもよい。
【0049】
加熱効果は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを独立して制御することによって変化する場合がある。異なる構成を有する第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを提供することによって、同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界は異なるため、加熱効果は、変化する場合がある。例えば、異なるタイプのワイヤから第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを形成することによって、同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界が異なるため、加熱効果は変化する場合がある。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルを独立して制御することによって、および第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに異なる構成を提供することによって、同じ印加電流下で各コイルによって生成される磁界が異なるため、加熱効果は変化する場合がある。
【0050】
誘導コイル(複数可)は各々、少なくとも部分的に加熱ゾーンの周りに配置される。誘導コイルは、加熱ゾーンの領域内の空洞の周囲の周りに部分的にのみ延びてもよい。誘導コイルは、加熱ゾーンの領域内の空洞の周囲全体の周りに延びてもよい。
【0051】
誘導コイル(複数可)は、空洞の周囲の一部の周りまたは空洞の周囲の周り全体に配置される平面状コイルであってもよい。本明細書で使用される場合、「平面状コイル」は、コイルが置かれた表面に対して垂直である巻線の軸を有する、スパイラル状に巻かれたコイルを意味する。平面状コイルは、平坦なユークリッド平面内に置かれてもよい。平面状コイルは、曲面上に置かれてもよい。例えば、平面状コイルは、平坦なユークリッド平面内で巻かれ、そしてその後曲げられて曲面上に置かれてもよい。
【0052】
有利なことに、誘導コイル(複数可)はらせん状である。誘導コイルは、らせん状であってもよく、また空洞が位置付けられる中央空間の周りに巻かれてもよい。誘導コイルは、空洞の周囲全体の周りに配置されてもよい。
【0053】
誘導コイル(複数可)は、らせん状かつ同心であってもよい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは異なる直径を有してもよい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルはらせん状かつ同心であってもよく、また異なる直径を有してもよい。こうした実施形態では、二つのコイルのうちの小さい方は、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのうちの大きい方の中に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。
【0054】
第一の誘導コイルの巻線は、第二の誘導コイルの巻線から電気的に絶縁されてもよい。
【0055】
エアロゾル発生装置は、一つ以上の追加的な誘導コイルをさらに備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、好ましくは異なる加熱ゾーンと関連付けられた追加的なサセプタと関連付けられることが好ましい、第三の誘導コイルおよび第四の誘導コイルをさらに備えてもよい。
【0056】
有利なことに、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは異なるインダクタンス値を有してもよい。第一の誘導コイルは、第一のインダクタンスを有してもよく、第二の誘導コイルは、第一のインダクタンスより小さい第二のインダクタンスを有してもよい。これは、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによって生成された磁界が、所与の電流に対して異なる強度を有することになることを意味する。これにより、同じ振幅の電流を両方のコイルに適用する一方で、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルによる異なる加熱効果を容易にする場合がある。このことは、エアロゾル発生装置の制御要件を減少させる場合がある。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが独立して起動される場合、より大きいインダクタンスを有する誘導コイルは、より小さいインダクタンスを有する誘導コイルとは異なる時間に起動されてもよい。例えば、より大きいインダクタンスを有する誘導コイルは、吸煙中などの動作中に起動されてもよく、より小さいインダクタンスを有する誘導コイルは、吸煙間などの動作と動作との間に起動されてもよい。有利なことに、これは、通常の使用と同じ電力を必要とすることなく、使用と使用との間の空洞内の高温の保守を容易にする場合がある。この「予熱」は、エアロゾル発生装置の使用の動作が再開されると、空洞が望ましい使用温度に戻るためにかかる時間を低減する場合がある。代替的に、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、同じインダクタンス値を有してもよい。
【0057】
第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルは、同じタイプのワイヤから形成されてもよい。有利なことに、第一の誘導コイルは第一のタイプのワイヤから形成され、また第二の誘導コイルは、第一のタイプのワイヤと異なる第二のタイプのワイヤから形成される。例えば、ワイヤの組成または断面は異なってもよい。このように、第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルのインダクタンスは、全体的なコイルの幾何学的形状が同じである場合でさえも異なってもよい。これは、同じまたは類似のコイルの幾何学的形状を第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルに対して使用することを可能にする場合がある。これは、よりコンパクトな配設を容易にする場合がある。
【0058】
第一のタイプのワイヤは、第一のワイヤ材料を含んでもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一のワイヤ材料とは異なる第二のワイヤ材料を含んでもよい。第一のワイヤ材料の電気特性と第二のワイヤ材料の電気特性とは異なってもよい。例えば、第一のタイプのワイヤは、第一の抵抗率を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の抵抗率とは異なる第二の抵抗率を有してもよい。
【0059】
誘導コイル(複数可)のための適切な材料としては、銅、アルミニウム、銀、および鋼が挙げられる。誘導コイルは、銅またはアルミニウムから形成されることが好ましい。
【0060】
第一の誘導コイルが第一のタイプのワイヤから形成され、また第二の誘導コイルが第一のタイプのワイヤとは異なる第二のタイプのワイヤから形成される場合、第一のタイプのワイヤは、第二のタイプのワイヤとは異なる断面を有してもよい。第一のタイプのワイヤは、第一の断面を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の断面とは異なる第二の断面を有してもよい。例えば、第一のタイプのワイヤは、第一の断面形状を有してもよく、また第二のタイプのワイヤは、第一の断面形状とは異なる第二の断面形状を有してもよい。第一のタイプのワイヤは、第一の厚さを有してもよく、第二のタイプのワイヤは、第一の厚さとは異なる第二の厚さを有してもよい。第一のタイプのワイヤおよび第二のタイプのワイヤの断面形状および厚さは異なってもよい。
【0061】
サセプタ装置は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するために十分な温度まで誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。サセプタ装置のために適切な材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合材料が挙げられる。好ましいサセプタ装置は、金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ装置は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。適切なサセプタ装置はアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ装置は、5パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含んでもよく、20パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことが好ましく、50パーセント超または90パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことがより好ましい。好ましいサセプタ装置は摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0062】
サセプタ装置は、単一の材料層から形成されてもよい。単一の材料層は、鋼層であってもよい。
【0063】
サセプタ装置は、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コアを含んでもよい。例えば、サセプタ装置は、セラミックコアまたは基体の外表面上に形成された金属トラックを備えてもよい。
【0064】
サセプタ装置はオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。ステンレス鋼の一つ以上の層は、オーステナイト鋼の層上に配設されてもよい。例えば、サセプタ装置は、その上面および下面の各々の上にステンレス鋼の層を有するオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。サセプタ装置は、単一のサセプタ材料を備えてもよい。サセプタ装置は、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と密接な物理的接触をして配置されてもよい。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は密接に接触して分解できない単一のサセプタを形成してもよい。ある特定の実施形態では、第一のサセプタ材料はステンレス鋼であり、また第二のサセプタ材料はニッケルである。サセプタ装置は、二層構造を有してもよい。サセプタ装置はステンレス鋼層およびニッケル層から形成されてもよい。
【0065】
第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料との間の密接な接触は、任意の適切な手段によってなされてもよい。例えば、第二のサセプタ材料は、第一のサセプタ材料の上へとメッキ、堆積、被覆、クラッディング、または溶接されてもよい。好ましい方法としては、電気メッキ、亜鉛メッキ、およびクラッディングが挙げられる。
【0066】
第二のサセプタ材料は摂氏500度より低いキュリー温度を有してもよい。第一のサセプタ材料は、サセプタが交番電磁場内に定置された時に、サセプタを加熱するために主に使用されてもよい。任意の適切な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点を下回るべきである。第二のサセプタ材料のために適切な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、好ましくは摂氏400度より低く、好ましくは摂氏380度よりも低く、または摂氏360度より低くなるように選択されてもよい。第二のサセプタ材料は所望の最高加熱温度と実質的に同じであるキュリー温度を有するように選択された磁性材料であることが好ましい。すなわち、第二のサセプタ材料のキュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。第二のサセプタ材料のキュリー温度は、例えば、摂氏200度~摂氏400度の範囲内、または摂氏250度~摂氏360度の範囲内であってもよい。一部の実施形態では、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料とが共積層されることが好ましい場合がある。共積層は、任意の適切な手段によって形成されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料の細片は第二のサセプタ材料の細片に溶接または拡散接合されてもよい。別の方法として、第二のサセプタ材料の層は第一のサセプタ材料の細片の上へと堆積またはメッキされてもよい。
【0067】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。システムは電気的に作動する喫煙システムであってもよい。システムは手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生装置は、およそ30ミリメートル~およそ150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置は、およそ5ミリメートル~およそ30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0068】
ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽く、かつ脆くないことが好ましい。
【0069】
ハウジングはマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、少なくとも一つの空気吸込み口と、少なくとも一つの空気出口と、を備えてもよい。マウスピースは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口のうちの一つ以上は、エアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの温度を低減してもよく、またエアロゾルがユーザーに送達される前にエアロゾルの濃度を低減してもよい。
【0070】
別の方法として、マウスピースはエアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。
【0071】
本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、ハウジングの空洞内に受容されたエアロゾル発生物品からエアロゾル発生装置によって発生したエアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中へと入れられるエアロゾル発生装置の一部分を指す。
【0072】
空気吸込み口は、半開放入口として構成されてもよい。半開放入口は、空気がエアロゾル発生装置に入ることを可能にすることが好ましい。空気または液体は、半開放入口を通してエアロゾル発生装置から出るのを阻止されてもよい。半開放入口は、例えば半透過性の膜であってもよく、空気については一方向でのみ透過性であるが、反対方向では気密かつ液密である。半開放入口はまた、例えば一方向弁であってもよい。半開放入口は、例えばエアロゾル発生装置の最小限の押圧、または弁もしくは膜を通過する空気の量といった特定の条件が満たされる場合にのみ、入口を通して空気が通過できることが好ましい。
【0073】
加熱装置の動作は、吸煙検出システムによってトリガされてもよい。代替的に、加熱装置は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間にわたって保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流センサーとして構成されて、気流速度を測定してもよい。気流速度は、ユーザーによってエアロゾル発生装置の気流経路を通して引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動する際に検出されてもよい。
【0074】
センサーはまた、吸煙中にユーザーによって装置の気流経路を通して引き出される、エアロゾル発生装置の内側の空気の圧力を測定するための圧力センサーとして構成されてもよい。センサーは、エアロゾル発生装置の外側の周囲空気の圧力とユーザーによって装置を通して引き出される空気の圧力との間の圧力差または圧力降下を測定するように構成されてもよい。空気の圧力は、空気吸込み口、装置のマウスピース、空洞(加熱チャンバー、または空気が通って流れるエアロゾル発生装置内の任意の他の通路もしくはチャンバーなど)において検出されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、陰圧または真空が装置の内側に作り出され、この陰圧は圧力センサーによって検出されてもよい。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力よりも相対的に低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き出される空気は、装置の外側の周囲空気の圧力より低い圧力を有する。吸煙の開始は、圧力差が所定の閾値を超える場合、圧力センサーによって検出されてもよい。
【0075】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えばエアロゾル発生装置の加熱を開始するボタン、またはエアロゾル発生装置またはエアロゾル形成基体の状態を表示するディスプレイを含んでもよい。
【0076】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置で使用する一つ以上のエアロゾル発生物品との組み合わせである。しかしながら、エアロゾル発生システムは、例えば、電気的に作動するエアロゾル発生装置または電気式エアロゾル発生装置内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなどの、追加的な構成要素を含んでもよい。
【0077】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。
【0078】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に、高密度で、かつ安定なエアロゾルの形成を容易にし、またシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体は、グリセリンであることが好ましい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量パーセント以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また乾燥重量基準で5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0079】
上記の実施形態のうちのいずれかでは、エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に部分的に受容されるように配設されてもよい。エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に完全に受容されるように配設されてもよい。
【0080】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周と、を有してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成セグメントはまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とも有してもよい。
【0081】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの全長を有してもよい。一実施形態では、エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルの外径を有してもよい。一実施形態では、エアロゾル発生物品は、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0082】
エアロゾル形成基体は、約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。一実施形態では、エアロゾル形成セグメントは、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成セグメントは、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0083】
エアロゾル発生セグメントは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。エアロゾル形成セグメントの外径は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルであってもよい。一実施形態では、エアロゾル形成セグメントは、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0084】
エアロゾル発生物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルタープラグは、中空セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態では、フィルタープラグはおよそ7ミリメートルの長さであるが、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。
【0085】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。
【0086】
エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグとの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18ミリメートルであってもよいが、およそ5ミリメートル~およそ25メートルの範囲内であってもよい。
【0087】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明のその他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0088】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1図1は、本発明によるエアロゾル発生装置の断面図を示す。
図2図2は、挿入されたエアロゾル発生物品を有し、かつ表示された気流を有するエアロゾル発生装置の例示的な図を示す。
図3図3は、エアロゾル発生装置のさらなる実施形態の断面図を示す。
図4図4は、挿入されたエアロゾル発生物品を有し、かつ表示された気流を有する図3のエアロゾル発生物品の例示的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1は、エアロゾル発生装置の近位部分または下流部分を示す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品12の挿入のための空洞10を備える。挿入されたエアロゾル発生物品12を、図2および図4で見ることができる。空洞10は、加熱チャンバーとして構成される。
【0091】
空洞10の内側に、サセプタ装置14が配設される。サセプタ装置14は、複数のサセプタブレードを備える。個別のサセプタブレードは、エアロゾル発生物品12の空洞の中10への挿入の簡単のために、それぞれの下流端において裾が広がっている。サセプタ装置14の内径は、エアロゾル発生物品12の外径に対応する、またはこれよりわずかに小さい。エアロゾル発生物品12は、エアロゾル発生物品12の空洞10の中への挿入後、サセプタ装置14によって保持される。
【0092】
サセプタ装置14は、誘導加熱装置の一部である。誘導加熱装置は誘導コイル16を備える。誘導コイル16は、空洞10を少なくとも部分的に包囲して配設される。誘導コイル16は、空洞10の全円周を包囲する。誘導コイル16は、サセプタ装置14を包囲して配設される。誘導コイル16は、エアロゾル発生物品12の基体部分18が受容される空洞10の一部を包囲する。エアロゾル発生物品12のフィルター部分20は、エアロゾル発生物品12の空洞10の中への挿入後、空洞10から突き出る。ユーザーは、フィルター部分20を吸う。
【0093】
二つ以上の誘導コイル16が提供されてもよい。二つの誘導コイル16、または三つ以上の誘導コイル16が提供されることが好ましい。誘導コイル16は、誘導加熱装置の一部であってもよい。誘導コイル16は、空洞10内の別個の加熱ゾーンの加熱を可能にするように別々に制御可能であってもよい。模範的には、第一の誘導コイルは、下流加熱ゾーンに対応する空洞10の下流部分を包囲するように配設されてもよく、一方で、第二の誘導コイルは、上流加熱ゾーンに対応する空洞10の上流部分を包囲するように配設されてもよい。
【0094】
エアロゾル発生装置は、誘導加熱装置を制御するためのコントローラなどの図中には示されていないさらなる要素を備えてもよい。コントローラは、誘導加熱装置が二つ以上の誘導コイル16を備える場合、個別のコイルを別々に制御するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、電池などの電源を備えてもよい。コントローラは、電源から誘導コイル16への、または個別の誘導コイル16への電気エネルギーの供給を制御するように構成されてもよい。
【0095】
サセプタ装置14と誘導コイル16との間に、断熱要素22が配設される。断熱要素22は、空洞10の側壁を形成する。断熱要素22は、細長い延長部を有する。断熱要素22は、中空の円筒形状を有する。断熱要素22は、エアロゾル発生装置のハウジング24に取り付けられる。断熱要素22は、図1に図示するように、ハウジング24の下流端26に取り付けられることが好ましい。加えて、断熱要素22は、空洞10の下流端において空洞10の基部28に取り付けられる。空洞10の基部28では、一つ以上の空気開口30が配設される。
【0096】
空気開口30は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行な細長い延長部を有する。空気開口30は、空洞10の上流端32において空洞10の中へと空気が入ることを可能にする。断熱要素22は、空気が横方向で空洞10の中へと入るのを防止する。言い換えれば、断熱要素22は空洞10を包囲して配設され、これにより、空気は、空洞10の上流端32においてのみ空洞10に入ることができ、また空洞10の開放された下流端においてのみ空洞10を出ることができる。
【0097】
誘導コイル16は、コイル区画34内に配設される。コイル区画34は、断熱要素22を包囲して配設される。層状構造には、中間で、空洞10が中央に提供される。空洞10を包囲して、断熱要素22が提供される。断熱要素22を包囲して、コイル区画34が配設される。コイル区画34を包囲して、エアロゾル発生装置のハウジング24が提供される。
【0098】
周囲空気がコイル区画34に入ることを可能にするように、空気吸込み口36が提供される。空気吸込み口36は、ハウジング24の下流端26に配設される。空気吸込み口36は、コイル区画34に隣接して配設されることが好ましい。空気吸込み口36は、ハウジング24の外周と、断熱要素22に接続されたハウジング24の下流端26の一部との間に提供される。空気吸込み口36は、周囲空気がコイル区画34の中へと引き込まれることを可能にする。空気吸込み口36は、空洞10と直接流体接続されていないことが好ましい。コイル区画34の上流端は、開放されている。空気吸込み口36を通してコイル区画34の中へと引き込まれた空気は、コイル区画34の開いた上流端においてコイル区画34を出る。コイル区画34を出た後、空気は、空洞10の基部28内に配設された空気開口30に向かってU字形状で流れる。次いで空気は、空洞10の上流端32において空洞10の中へと入る。空洞10に入る前にコイル区画34を通って流れる空気は、コイル区画34内に配設された誘導コイル16を冷却するために利用される。
【0099】
図1では、弾力性のあるシール要素38が空洞10の下流端において示される。弾力性のあるシール要素38は、空洞10の下流端を包囲して配設される。弾力性のあるシール要素38は、円形状の形状を有する。弾力性のあるシール要素38は、エアロゾル発生物品12の挿入を容易にする漏斗形状を有する。弾力性のあるシール要素38は、エアロゾル発生物品12の挿入後に、エアロゾル発生物品12に圧力を印加して、エアロゾル発生物品12を定位置に保持する。弾力性のあるシール要素38は、エアロゾル発生物品12を通して漏れ出ることを除いて、空気が空洞10から漏れ出ることを防止するために空気貫通不能である。
【0100】
図2は、エアロゾル発生物品12が空洞10の中へと挿入されている、エアロゾル発生装置の図示を示す。エアロゾル発生物品12の基体部分18は、空洞10内に受容されている。エアロゾル発生物品12のフィルター部分20は、ユーザーがエアロゾル発生物品12を吸うために空洞10から突き出てもよい。
【0101】
図2では、挿入されたエアロゾル発生物品12に加えて、気流が表示されている。空気は、空気吸込み口36を通してエアロゾル発生装置の中へと流れる。二つ以上の空気吸込み口36が提供されてもよい。空気はコイル区画34を通って流れる。コイル区画34を出た後、空気は、空洞10の基部28において配設された空気開口30を通して空洞10の中へと流れる。その後、空気は、個別のサセプタブレードの間に提供された間隙を通して、エアロゾル発生物品12の中へと流れる。
【0102】
図3は、断熱要素22の下流端がエアロゾル発生装置のハウジング24の下流端に取り付けられていない、さらなる実施形態を示す。反対に、断熱要素22の下流端とエアロゾル発生装置のハウジング24との間に間隙が提供される。加えて、図3に示す実施形態では空気吸込み口36は、異なるように定置される。空気吸込み口36は、エアロゾル発生装置のハウジング24の側壁内に定置される。言い換えれば、空気吸込み口36は、エアロゾル発生装置のハウジング24の外周に定置される。空気吸込み口36は、空洞10の上流端に隣接して配設される。
【0103】
図4に図示するように、空気が空気吸込み口36を通して空洞10の中へと引き込まれる時、空気は、空洞10の基部28に配設された空気開口30に向かって空気吸込み口36から直接引き込まれる。空気が空洞10の中へと引き込まれる時、この空気は、図1および図2に図示する実施形態とは対照的に、挿入されたエアロゾル発生物品12を通して空洞10から出るだけではないようにすることができる。そうではなく、空気は、空洞10の外へと、断熱要素22とハウジング24との間の間隙を通して、コイル区画34の中へと引き込まれる。コイル区画34の中へと引き込まれた空気は、図1および図2に示す実施形態と同様に、コイル区画34の開いた上流端を通してコイル区画34を出てもよい。コイル区画34を出る空気は、空洞10の基部28内に配設された空気開口30を通して再度空洞10の中へと引き込まれる。図3に示す実施形態では、空気は空洞10とコイル区画34との間で循環してもよい。これは様々な利点を有する。誘導コイル16は冷却される。追加的にまたは代替的に、空気は、空洞10の中へと入る、または再度入る前に予熱される。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するための空洞であって、前記空洞が基部を備え、前記基部が少なくとも一つの空気開口を備える、空洞と、
誘導加熱装置であって、前記誘導加熱装置が、サセプタ装置および誘導コイルを備え、前記誘導加熱装置が、前記空洞を少なくとも部分的に包囲または形成して配設される、誘導加熱装置と、
断熱要素であって、前記サセプタ装置と前記誘導コイルとの間に配設され、かつ前記空洞の前記基部における前記空洞の中への、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して直角を成す方向への横方向の気流を防止するように、前記基部へと封止的に取り付けられ、かつ
前記サセプタ装置の一つ以上の側壁が、横方向の気流に対して前記空洞に入るように浸透性である、断熱要素と、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置がハウジングを備え、前記空洞が前記ハウジングの下流端内に配設され、かつ前記断熱要素が前記ハウジングの前記下流端に封止的に取り付けられて、前記空洞の前記下流端において前記空洞の中への横方向の気流を防止する、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記断熱要素が、下流端面を有し、前記下流端面が平坦である、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記装置が、前記誘導コイルが配設される区画を備え、前記区画が、前記空洞の前記下流端において前記断熱要素によって前記空洞から気密的に封止される、請求項2または3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記エアロゾル発生装置が、前記ハウジングの前記下流端において空気吸込み口を備え、前記空気吸込み口が、前記誘導コイルが配設される前記区画の前記下流端と流体接続している、請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置がハウジングを備え、前記空洞が前記ハウジングの下流端内に配設され、かつ前記断熱要素と前記ハウジングの前記下流端との間に間隙が提供されて、前記空洞の前記下流端の前記空洞の中への横方向の気流を可能にする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記断熱要素が凸状下流端面を有する、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記誘導コイルが配設される前記区画と、前記空洞の前記下流端における前記空洞との間に流体接続が確立される、請求項6または7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置が、前記空洞の上流端に隣接する空気吸込み口を備え、前記空気吸込み口が、前記誘導コイルが配設される前記区画の上流端と流体連通する、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記断熱要素が、前記空洞の側壁を少なくとも部分的に形成する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記断熱要素が、前記空洞の前記長さに沿って部分的または完全に延びる、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記断熱要素が前記空洞の前記基部に接着される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記サセプタ装置の前記一つ以上の側壁と前記断熱要素の側壁との間に間隙が提供される、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【国際調査報告】