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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】二重反転差動電動モータアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H02K 13/00 20060101AFI20221027BHJP
   B64C 11/48 20060101ALI20221027BHJP
   B64C 27/10 20060101ALI20221027BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20221027BHJP
   H01R 39/08 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H02K13/00 M
B64C11/48
B64C27/10
B64D27/24
H01R39/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512779
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 US2020047836
(87)【国際公開番号】W WO2021041434
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】62/893,290
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/893,293
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/993,594
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519177312
【氏名又は名称】シーアール フライト エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】ウィシャート,ランデル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】エミ,ジョナサン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】エミ,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ポーター,レイ
【テーマコード(参考)】
5H613
【Fターム(参考)】
5H613AA01
5H613AA02
5H613BB05
5H613GA02
5H613GA08
(57)【要約】
改良された二重反転(CR)差動電動モータアセンブリは、航空機又は気体を移動させるためのファンに動力を供給するために利用され、1つのプロペラのみを有する従来のモータのための取り付け空間と同様のサイズの空間で水平飛行及び垂直離陸航空機又はファンハウジングに取り付けることができる2つの反対方向に回転するプロペラを含み、中空中央シャフトと、反対方向に回転する構成要素の内部、わずかに上方、又は完全に上方に、及び中空中央シャフトの周りに取り付けられるスリップリングアセンブリとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.第1及び第2の端部を有する中央中空シャフトと、
b.前記中央中空シャフトの周りに配置され、前記中央中空シャフトの周りで第1の方向に回転する第1の回転部材と、
c.前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第2の端部との間に配置され、前記第1の回転部材の回転方向とは反対方向に、前記中央中空シャフトの周りで回転する第2の回転部材と、
d.前記中央中空シャフトを通って外部電源から延びるワイヤを介して電気を受け取ると、前記中央中空シャフトの周りで反対方向に前記第1及び第2の回転部材の回転に動力を供給するため前記第1及び第2の回転部材に関連付けられた電磁界コイル及び永久磁石と、
e.外部電源から前記電磁手段に電気を伝達するためのスリップリングアセンブリであって、前記スリップリングアセンブリは、前記中央中空シャフトの周りに、並びに前記第1及び第2の回転部材内又は前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第1の端部との間のいずれかに配置される、スリップリングアセンブリと、
f.前記反対方向に回転する第1及び第2の回転部材と、前記スリップリングアセンブリと、前記中央中空シャフトとを支持構造体に取り付けるためのベース部材であって、前記ベース部材は、前記中央中空シャフトの前記第2の端部に近接して配置される、ベース部材と、
を備える、二重反転(CR)差動電動モータアセンブリ。
【請求項2】
a.第1及び第2の端部を有する中央中空シャフトと、
b.前記中央中空シャフトの周りに配置され、前記中央中空シャフトの周りで第1の方向に回転する第1の回転部材と、
c.前記第1の回転部材に固定された第1のプロペラと、
d.第2の回転部材であって、前記中央中空シャフトの周りに、並びに前記第1及び第2の回転部材内又は前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第2の端部との間のいずれかに配置され、前記第1の回転部材の回転方向とは反対方向に、前記中央中空シャフトの周りを回転する第2の回転部材と、
e.前記第2の回転部材に固定された第2のプロペラと、
f.前記中央中空シャフトを通って外部電源から延びるワイヤを介して電気を受け取ると、前記中央中空シャフトの周りで反対方向に前記第1及び第2の回転部材の回転に動力を供給するため前記第1及び第2の回転部材に関連付けられた電磁界コイル及び永久磁石と、
g.外部電源から前記電磁手段に電気を伝達するためのスリップリングアセンブリであって、前記スリップリングアセンブリは、前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第1の端部との間の前記中央中空シャフトの周りに配置される、スリップリングアセンブリと、
h.前記反対方向に回転する第1及び第2の回転部材と、前記スリップリングアセンブリと、前記中央中空シャフトとを支持構造体に取り付けるためのベース部材であって、前記ベース部材は、前記中央中空シャフトの前記第2の端部に近接して配置される、ベース部材と、
を備える、二重プロペラ二重反転(CR)差動電動モータアセンブリ。
【請求項3】
改良された二重反転(CR)差動電動モータアセンブリであって、第1及び第2の端部を有する中央シャフトと、前記中央シャフトの周りに配置され、前記中央シャフトの周りで第1の方向に回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材と前記中央シャフトの前記第2の端部との間に配置され、前記第1の回転部材の回転方向とは反対方向に、前記中央シャフトの周りを回転する第2の回転部材と、電気を受け取ると、前記中央シャフトの周りで反対方向に前記第1及び第2の回転部材の前記回転に動力を供給するため前記第1及び第2の回転部材に関連付けられた電磁界コイル及び永久磁石と、外部電源から前記電磁手段に電気を伝達するためのスリップリングアセンブリと、前記反対方向に回転する第1及び第2の回転部材と、前記スリップリングアセンブリと、前記中央シャフトとを支持構造体に取り付けるためのベース部材と、を含み、前記ベース部材は、前記中央シャフトの前記第2の端部に近接して配置され、前記改良は、
a.中空中央シャフト内、及び前記スリップリングアセンブリと外部電源との間に電線を延ばすことを可能にする前記中空中央シャフトを利用することと、
b.前記中空中央シャフトの周り、並びに前記第1及び第2の回転部材内又は前記中空中央シャフトの第1の端部と前記第1の回転部材との間のいずれかに前記スリップリングアセンブリを配置し、それによって前記第1及び第2の回転部材を前記ベース部材の近くに位置付けて、前記CR差動電動モータアセンブリの動作中の有害な振動を最小限に抑えることと、
を含む、改良された二重反転(CR)差動電動モータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月23日に出願された米国仮特許出願第62/993,594号の優先権及び利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2019年8月29日に出願された米国仮特許出願第62/893,290号の優先権及び利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2019年8月29日に出願された米国仮特許出願第62/893,293号の優先権及び利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載
該当なし
【0003】
著作権保護対象資料の通知
本特許文書の資料の一部は、米国及びその他の国の著作権法に基づく著作権保護の対象となる。著作権の所有者は、米国特許商標庁の公的に入手可能なファイル又は記録に見られるように、特許文書又は特許開示のいずれかによるファクシミリ複製に異議を唱えないが、それ以外のすべての著作権を留保する。著作権者は、37C.F.R.§1.14に準拠する権利を含むがこれに限定されない、本特許文書を秘密に保つためのその権利のいずれも放棄しない。
【0004】
背景
1.技術分野
【0005】
本開示の技術は、一般に、通常は中大型(10~100ポンド超の推力)用であり、航空機に動力を供給するために、又は空気移動/ファン技術のために頻繁に利用される二重反転(CR)差動電動モータアセンブリに関する。より詳細には、本発明は、水平飛行及び垂直離着陸(VTOL)航空機に動力を供給するためにしばしば使用され、2つの関連付けられた/連結されたプロペラが共通の中心軸の周りで互いに非常に接近して回転することを可能にするCR差動電動モータアセンブリであり、1つのプロペラによって生成された空気流は、他のプロペラの回転に差動的に結合され、それにより、単一のプロペラを回転させる同等の標準的/従来のモータよりもCRモータによる電力消費の効率を高める。本発明は、標準的/従来のモータ用に元々構成された空間において航空機又はファンハウジングで使用することができる。
【0006】
2.背景技術
【0007】
米国特許第8,198,773号明細書、第8,253,294号明細書、及び第8,531,072号明細書(本出願人に発行された)は、様々な二重反転モータ/発電機用途向けである。
【0008】
関連性があるのは、薄型二重反転差動電動モータアセンブリに関する米国特許第10,116,187号明細書(本出願人に発行され、特許‘187号と呼ばれる)である。特に、このCRモータアセンブリは、具体的には通常は推力約10ポンド未満の比較的小型の電動モータ用である。特許‘187号明細書に記載されているように、CRモータアセンブリは、第1及び第2の端部を有する中心個体シャフト(固定されるか又は回転する)と、該中心個体シャフトの周りで反対方向に回転する第1及び第2の回転部材と、第1及び第2の回転部材にそれぞれ固定された第1及び第2のプロペラと、第1及び第2の回転部材に関連付けられた回転に電力を供給するための電磁手段と、反対方向に回転する回転部材と取り付け手段との間に位置し、中心個体シャフトの第2の端部に固定された外部電源から電磁手段に電気を搬送するための手段とを備える。この特定の設計は、CRモータ(主に第1及び第2の回転部材並びに電磁手段)の質量が比較的小さい(推力約10ポンド未満)小型CRモータに理想的である。しかしながら、中大型CRモータ(推力約10~100ポンド超)に関して、第1及び第2の回転部材及び電磁手段の質量が大きくなり、有害な回転生成高調波を防止するために、動作中、第1及び第2の回転部材及び電磁手段は、取り付け手段(ベースプレート)に可能な限り近接している必要がある。特許‘187号明細書に開示されているCRモータは、電気搬送手段(通常はスリップリングアセンブリ又は同等物)を第1及び第2の回転部材と電磁手段と取り付け手段との間に位置付け、それによって第1及び第2の回転部材及び電磁手段を取り付け手段からかなりの距離に配置する。この場合も、小型のCRモータでは完全に良好であるが、大型化したCRモータでは有害な共振が容易に発生する。
【0009】
追加で、国際公開第2018/106611号パンフレット(本出願人にも発行され、WIPO‘611と呼ばれる)は、特許‘187号に開示されているCRモータと共に利用することができる電気搬送手段又は高電流及びRPM対応スリップリングアセンブリを記載している。しかしながら、特許‘187号のCRモータと同様に、このスリップリングアセンブリは、電線が電源からスリップリングアセンブリの外側に延びるので、第1及び第2の回転部材(及び関連する電磁手段)と取り付け手段との間で利用されなければならない。中央シャフト又は軸は、このスリップリングアセンブリのために個体である。このスリップリングアセンブリを第1及び第2の回転部材内又はその上方に位置付けること(第1及び第2の回転部材並びに電磁手段の質量を取り付け手段に近づけること)は、反対方向に回転するプロペラが電線と絡み合うために不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第8,198,773号明細書
【特許文献2】米国特許第8,253,294号明細書
【特許文献3】米国特許第8,531,072号明細書
【特許文献4】米国特許第10,116,187号明細書
【特許文献5】国際公開第2018/106611号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本明細書に記載の技術の目的は、水平飛行及び垂直離着陸航空機に動力を供給するために利用される中大型CR差動電動モータアセンブリを提供することである。
【0012】
本明細書に記載の技術の追加の目的は、空気又は他の気体の移動のためにファンに動力を供給するために利用される中大型CR差動電動モータアセンブリを提供することである。
【0013】
本明細書に記載の技術の別の目的は、1つのプロペラを有する従来の/標準的なモータとほぼ同じ空間配分を必要とする水平飛行及び垂直離着陸航空機に動力を供給するために利用される2つのプロペラを有する中大型CR差動電動モータアセンブリを供給することである。
【0014】
本明細書に記載の技術のさらなる目的は、単一のプロペラを有する標準的/従来のモータと比較したときに、機械的動力出力と比較して減少した電力入力で水平飛行及び垂直離着陸航空機に動力を供給するために利用される中大型CR差動電動モータアセンブリを供給することである。
【0015】
本明細書に記載の技術のさらに別の目的は、同等の標準的/従来のモータよりも長いバッテリ寿命及びより大きな推力で水平飛行及び垂直離着陸航空機に動力を供給するために利用される中大型CR差動電動モータアセンブリを開示することである。
【0016】
本発明のさらに追加の目的は、1)従来のモータマウントに無駄にならない付加エネルギー、2)より低い熱生成による付加エネルギー、3)スリップリングアセンブリの中央から外側への位置付けによって生成される低振動高調波による付加エネルギー、及び4)正味の回転速度を増加させて標準モータよりもCRモータの効率を高める2つの反対方向に回転する部材間の相乗的な差動結合、の組み合わせを利用する中大型CRモータを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
a)第1及び第2の端部を有する中央中空シャフト(又は軸)と、b)中央中空シャフトの周りに取り付けられた2つの反対方向に回転する回転部材であって、第1の回転部材が界磁コイル巻線を含み、第2の回転部材が永久磁石を含む、回転部材と、c)第1の回転部材に固定されたプロペラブレードの第1のセット及び第2の回転部材に固定されたプロペラブレードの第2のセットと、d)中央中空シャフトの周りで、第1及び第2の回転部材内に、又は中央中空シャフトの(第1の端部に向かって)全体的に若しくは部分的に上方に配置された電源及びコントローラから界磁コイルに電気を運ぶためのスリップリングアセンブリと、e)CRモータアセンブリを車両又はファンに固定するための取り付けベースと、f)任意選択的に、CRモータアセンブリを動作させるための制御手段と、g)及び任意選択的に、電源と、を備える航空機又はファンに動力を供給するために利用される中大型CR差動電動モータアセンブリが、開示される。
【0018】
本明細書に記載の技術のさらなる態様は、本明細書の以下の部分で明らかにされ、詳細な説明は、限定を課すことなく、技術の好ましい実施形態を完全に開示することを目的とする。
【0019】
本明細書に記載の技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによってより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】スリップリングアセンブリが第1及び第2の回転部材の上方及び中央中空シャフトの周りに部分的又は全体的に配置されている、本発明の一実施形態の側面図である。
図1B図1Aに見られる実施形態の透視図である。
図1C図1Aに見られる実施形態の断面図である。
図2A】スリップリングアセンブリが第1及び第2の回転部材内並びに中央中空シャフトの周りに配置されている、本発明の別の実施形態の側面図である。
図2B図2Aに見られる実施形態の透視図である。
図2C図2Aに見られる実施形態の断面図である。
図3図1A図1B、及び図1Cで利用されるスリップリングアセンブリの断面図である。
図4図2A図2B、及び図2Cで利用されるスリップリングアセンブリの断面図である。
図5】界磁コイル接続部及びワイヤに対して等間隔に配置されたスリップリングアセンブリを示す、本発明の別の実施形態の上面部分透視図である。
図6】本発明の一実施形態の分解斜視図である。
図7図6に示す実施形態の部分分解垂直図である(取り付けられたプロペラが部分的に示されている)。
図8図6に示す組み立てられた実施形態の断面図である(取り付けられたプロペラは部分的に示されている)。
図9図6に示す組み立てられた実施形態の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面をより具体的に参照すると、例示目的のために、本技術は、図1図9に全体的に示されるシステムにおいて具現化される。主題のシステムCR差動電動モータアセンブリは、構成及び構成要素の詳細に関して変化してもよく、方法は、本明細書に開示される基本概念から逸脱することなく、特定のステップ及び動作シーケンスに関して変化してもよいことが理解されよう。
【0022】
主題の小型から大型のCRモータは、任意の所望の電気相構成であってもよいが、限定ではなく例示目的のために、本明細書に関連するCRモータはブラシレス電気三相設計である。他の位相設計は、現在の三相版と同様に等しく機能する。本CRモータを動作させるために、適切なコントローラ及び電源が使用される。
【0023】
一般に、本発明は、航空機に又は気体を移動させるためのファンに動力を供給するために利用される中型(推力約10ポンド超)から大型(推力約100ポンド超)のCR差動電動モータアセンブリである。構成部品に関連付けられたかなりの質量を有するCRモータ(又は任意の中大型モータ)に関して、回転構成要素モータを取り付けベースの近くに位置付けることは、推力を低減し、エネルギーを浪費し、軸受を摩耗し、かつ有害な熱を生成する悪影響を及ぼす回転振動を排除するのに役立つ。本CRモータは、a)外側(第1の)端部及び内側(第2の、取り付けベース領域内の)端部を有し、CR差動電動モータアセンブリの構造的支持を提供する中心軸に沿って配向された中央中空シャフトと、b)その外周の周りで電磁界コイルに固定された内側(第1の)回転部材であって、動作中に、中心軸の周りで第1の方向に回転する、内側回転部材と、c)内側回転部材が中心軸の周りで第1の方向に回転することを可能にする、内側回転部材に固定された第1の軸受アセンブリと、d)動作中に、中心軸の周りで第1の回転部材とは反対の第2の方向に回転する外側回転部材であって、通電されたときに電磁界コイルによって反発される複数の永久磁石が並ぶ、外側回転部材と、e)外側回転部材が中心軸の周りで第1の回転方向とは反対の第2の方向に回転することを可能にする、外側回転部材に固定された第2の軸受アセンブリと、f)内側回転部材に固定された第1のプロペラアセンブリであって、少なくとも2つのプロペラブレードを備える第1のプロペラアセンブリと、g)第2の回転部材に固定された第2のプロペラアセンブリであって、少なくとも2つのプロペラブレードを含む、第2のプロペラアセンブリと、h)中央中空シャフトの第2の端部に固定された取り付けベース部材と、h)外部コントローラ及び電源から界磁コイル巻線に電気を運ぶためのスリップリングアセンブリであって、中央中空シャフトの周りの第1及び第2の回転部材内に位置付けられているか、又は中央中空シャフトの周りの第1及び第2の回転部材のわずかに上方に突出しているか、若しくは完全に上方にある、スリップリングアセンブリと、を備える。
【0024】
以下の説明は、限定ではなく例示のみを目的とした、具体的には水平飛行及びVTOL航空機に関するものであり、本CRモータの発明は、家庭内又は商業ビルのファンなどの空気移動装置にも使用されることを強調する。
【0025】
より具体的には、図1A図1B図1C、及び図3に示すように、スリップリングアセンブリが2つの反対方向に回転する回転部材の上方に位置付けられている本発明5の第1の実施形態が示されている。一般に、この実施形態は、軸受11によって中央中空シャフト35に回転可能に固定された外側部分10及び内側部分12の両方を備える第1の回転部材を含む。明確にするために、「外側」は、取り付けベース部材40から中央中空シャフト35上でさらに離れていることを指し、「内側」は、取り付けベース部材40により近いことを指す。プロペラ15は、外側部分10に締結されている。例示的なプロペラ15は、2つのブレードを備えるが、他のブレードの数(2つ、4つなど)も本開示の範囲内であると考えられる。電磁界コイル14は、第1の回転部材の内側部分12に固定されている。
【0026】
第2の回転部材は、軸受26によって中央中空シャフト35に回転可能に固定された外側部分20及び内側部分25の両方を備える。プロペラ30が内側部分25に締結されている。ここでも、例示的なプロペラ30は、2つのブレードを含むが、他のブレードの数(2つ、4つなど)も本開示の範囲内であると考えられる。永久磁石27は、第2の回転部材の外側部分20の内周に固定され、これに沿っている。
【0027】
中央中空シャフト35は、取り付けベース40に固定され、CRモータの動作中は回転しない。取り付けベースは、航空機及び空中移動システムなどの装置に本CRモータを固定するために利用することができる。中央中空シャフト35は、電気配線60が外部コントローラ及び電源62からスリップリングアセンブリの受電構成要素(図3に見られるような焼結/多孔性ディスク73)まで通過することを可能にするように中空である。配線60は位置66に取り付けられる。中央中空シャフト35は、通常、適切な金属又は金属合金から製造されるが、構造的に許容可能なポリマーが使用されてもよく、ワイヤ60が位置付けられる内部通路37を有する。しかしながら、内部通路37は通常円形であることが強調され、中央シャフト35内の様々な切削経路が可能であるが、円形通路は有害な回転共振を防止するために好ましい。
【0028】
各CRモータは、一方が永久磁石のセット27(第2の回転部材外側部分20)を有し、他方が界磁コイル巻線14(第1の回転部材内側部材12)を有する2つの反対方向に回転する部材を有するので、これらの界磁コイル巻線14に電気を送達するための非伝統的な手段が必要とされる。実施形態5の好ましい電気伝達手段は、図1B図1C、及び図3に見ることができるスリップリングアセンブリである。スリップリングアセンブリを構成するのは、潤滑剤含有焼結/多孔質金属又は金属許容物から製造された対の導電性ディスクのセット50である(そのような容易に市場で購入できる焼結/多孔質材料はOilite(商標)と呼ばれる)。焼結ディスクを製造するために、青銅、真鍮、鋼などが利用されることが多い。焼結ディスクは、適用された潤滑剤を内部に閉じ込め、動作中に潤滑剤をゆっくりと放出する微細な通路を含む。潤滑剤は天然油及び合成油であってもよく、より軽質のSAE10(W)-50が好ましいが、他の粘度も本開示の範囲内であることが分かる。
【0029】
通常、対の両方のディスク70は潤滑焼結/多孔質ディスクであることが好ましいが、各対のセットのディスク70の一方の部材のみが焼結/多孔質であり、他方は金属又は金属合金などの非焼結/多孔質材料であってもよいことに留意されたいが、この可能性はCRモータの動作中にはるかに高い摩耗特性を有することが分かった。両方とも潤滑された焼結/多孔質ディスク上の焼結/多孔質ディスクは、CRモータの長期動作中(100時間超)に極めて低い摩耗特性を有することが分かった。
【0030】
図1B図1C、及び図3に示す対のディスクのセットは、各セット内に外側ディスク72及び内側ディスク73を有する3つの対70を備える。各入力電気接続は、外側ディスク72及び内側ディスク73を有する1対のセット70を必要とする。したがって、例示的なCRモータ5は、三相配線を利用して、3本のワイヤ60がコントローラ及び電源62から中央中空シャフト開口37に入り、3対のディスクのセット50に続く。各セット70において、内側ディスク73 inは、CRモータが動作している間、スピンドルハウジング45内に静止して保持される。したがって、3本の入力ワイヤ60は各々、静止内側ディスク73のうちの1つに固定される。各対のディスク70(外側72及び内側73)は、絶縁体ディスク75によって次の対のディスク70から電気的に絶縁されている。各対のセットの外側ディスク72は、外側ディスク72をスピンドルハウジング45内にロックする取り付けタブ67を介して、界磁コイル14に延びる出力ワイヤ65に接続される。ディスク70の各セットについて、各対の1つのディスクが静止し、1つのディスクが回転している限り、並びに入力ワイヤが静止ディスクに取り付けられ、出力ワイヤが回転ディスクに固定されている限り、入力及び出力ワイヤを切り替えることができることに留意されたい。3対のディスクのセット50は、スピンドルハウジング45内に保持され、スピンドルハウジング45は、CRモータ動作中に電気的接触を維持するために積み重ねられたディスクのセットに圧縮を加える1つ又は複数のばね52の弾性手段を含む。スピンドルハウジング45は、Delrin、PEEK、様々なナイロン及び類似の材料などの十分に剛性の非導電性ポリマーから製造される。スピンドルハウジング45及び関連する構成要素は、通常、スリップリングアセンブリカバー51によって囲まれているが、必ずしもそうである必要はない。
【0031】
必要に応じて、外側ディスク72は、入力ワイヤ60に取り付けられた非回転ディスクであってもよく、内側ディスク73は、退出/出力ワイヤ65に取り付けられた回転ディスクであってもよいことが強調される。
【0032】
本発明の第2の実施形態は、図2A図2B図2C、及び図4に示されており、一般に、第1及び第2の端部を有する中央中空シャフトと、前記中央中空シャフトの周りに配置され、前記中央中空シャフトの周りで第1の方向に回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材に固定された第1のプロペラと、第2の回転部材であって、前記中央中空シャフトの周りに配置され、前記第1及び第2の回転部材内、又は前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第2の端部との間に配置され、前記第1の回転部材の回転方向とは反対方向に、前記中央中空シャフトの周りを回転する第2の回転部材と、前記第2の回転部材に固定された第2のプロペラと、前記中央中空シャフトを通って外部電源から延びるワイヤを介して電気を受け取ると、前記中央中空シャフトの周りで反対方向に前記第1及び第2の回転部材の前記回転に動力を供給するため前記第1及び第2の回転部材に関連付けられた電磁界コイル及び永久磁石と、外部電源から前記電磁手段に電気を伝達するためのスリップリングアセンブリであって、前記スリップリングアセンブリは、前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第1の端部との間の前記中央中空シャフトの周りに配置される、スリップリングアセンブリと、前記反対方向に回転する第1及び第2の回転部材と、前記スリップリングアセンブリと、前記中央中空シャフトとを支持構造体に取り付けるためのベース部材であって、前記中央中空シャフトの前記第2の端部に近接して配置される、ベース部材と、を備える二重プロペラCR差動電動モータアセンブリを含む。
【0033】
より具体的には、図2A図2B図2C、及び図4は、スリップリングアセンブリが2つの反対方向に回転する回転部材の間又はわずかに上方に位置付けられる、本発明100の第2の実施形態に関する。図2A図2B図2C、及び図4では、要素表示は100番台であり、第1の実施形態の図1A図1B図1C、及び図3に見られるものと同等であるが、スリップリングアセンブリは、2つの反対方向に回転する部材内の空間の下の方に下げられる。一般に、この実施形態は、軸受111によって中央中空シャフト135に回転可能に固定された外側部分110及び内側部分112の両方を備える第1の回転部材を含む。明確にするために、「外側」は、取り付けベース部材140から中央中空シャフト135上でさらに離れていることを指し、「内側」は、取り付けベース部材140により近いことを指す。プロペラ115は、外側部分110に締結されている。例示的なプロペラ115は、2つのブレードを含むが、他のブレードの数(2つ、4つなど)も本開示の範囲内であると考えられる。電磁界コイル114は、第1の回転部材の内側部分112に固定されている。
【0034】
第2の回転部材は、軸受126によって中央中空シャフト135に回転可能に固定された外側部分120及び内側部分125の両方を備える。プロペラ130は、内側部分125に締結されている。ここでも、例示的なプロペラ130は、2つのブレードを含むが、他のブレードの数(2つ、4つなど)も本開示の範囲内であると考えられる。永久磁石127は、第2の回転部材の外側部分120の内周に固定され、これに沿っている。
【0035】
中央中空シャフト135は、取り付けベース140に固定され、CRモータの動作中は回転しない。取り付けベース140は、航空機及び空中移動システムなどの装置に本CRモータを固定するために利用することができる。中央中空シャフト135は、電気配線160が外部コントローラ及び電源162からスリップリングアセンブリの受電構成要素(図4に見られる焼結ディスク173)まで通過することを可能にするように中空である。配線160は位置166に取り付けられる。中央中空シャフト135は、通常、適切な金属又は金属合金から製造されるが、構造的に許容可能なポリマーが使用されてもよく、ワイヤ160が位置付けられる内部通路137を有する。しかしながら、内部通路137は通常円形であることが強調され、中央シャフト135内の様々な切削経路が可能であるが、円形通路は有害な回転共振を防止するために好ましい。
【0036】
各CRモータは、一方が永久磁石のセット127(第2の回転部材外側部分120)を有し、他方が界磁コイル巻線14(第1の回転部材内側部材112)を有する2つの反対方向に回転する部材を有するので、これらの界磁コイル巻線114に電気を送達するための非伝統的な手段が必要とされる。実施形態100の好ましい電気伝達手段は、図2B図2C、及び図4に見ることができるスリップリングアセンブリである。スリップリングアセンブリを構成するのは、潤滑剤含有焼結/多孔質金属又は金属許容物から製造された対の導電性ディスクのセット150である(そのような容易に市場で購入できる焼結/多孔質材料はOilite(商標)と呼ばれる)。焼結ディスクを製造するために、青銅、真鍮、鋼などが利用されることが多い。焼結ディスクは、適用された潤滑剤を内部に閉じ込め、動作中に潤滑剤をゆっくりと放出する微細な通路を含む。潤滑剤は天然油及び合成油であってもよく、より軽いSAE10-50が好ましいが、他の粘度も本開示の範囲内であることが分かる。
【0037】
図2B図2C、及び図4に示す対のディスクのセットは、各セット内に外側ディスク172及び内側ディスク173を有する3つの対170を備える。各入力電気接続は、外側ディスク172及び内側ディスク173を有する1対のセット170を必要とする。したがって、例示的なCRモータ100は、三相配線を利用して、3本のワイヤ160がコントローラ及び電源162から中央中空シャフト開口137に入り、3対のディスクのセット150に続く。各セット170において、内側ディスク173 inは、CRモータが動作している間、スピンドルハウジング145内に静止して保持される。したがって、3つの入力ワイヤ160はそれぞれ、静止内側ディスク173のうちの1つに固定される。ディスク170の各セットについて、各対の1つのディスクが静止し、1つのディスクが回転している限り、並びに入力ワイヤが静止ディスクに取り付けられ、出力ワイヤが回転ディスクに固定されている限り、入力及び出力ワイヤを切り替えることができることに留意されたい。各対のディスク170(外側172及び内側173)は、絶縁体ディスク175によって次の対のディスク170から電気的に絶縁されている。各対のセットの外側ディスク172は、外側ディスク172をスピンドルハウジング145内にロックする取り付けタブ167を介して、界磁コイル114に延びる出力ワイヤ165に接続される。3対のディスクのセット150は、スピンドルハウジング145内に保持され、スピンドルハウジング145は、CRモータ動作中に電気的接触を維持するために積み重ねられたディスクのセット150に圧縮を加える1つ又は複数のばね152の弾性手段を含む。
【0038】
必要に応じて、外側ディスク172は、入力ワイヤ160に取り付けられた非回転ディスクであってもよく、内側ディスク173は、退出/出力ワイヤ165に取り付けられた回転ディスクであってもよいことが強調される。
【0039】
図5は、第1のCRモータ実施形態5について、(界磁コイル14に通じる)出力ディスク接続部/ワイヤ65のためのスリップリングアセンブリ内の好ましい構成がスピンドルハウジング45内の対称配置であることを示している。接続部/ワイヤ65の対称配置は、有害な又はエネルギーを浪費する回転振動を最小限に抑える。
【0040】
水平飛行及びVTOL航空機では、CRモータマウント40及び140は、多くの場合、本CRモータ5及び100を選択された航空機に固定するために利用されるアパーチャを有する。本CR差動モータアセンブリ5及び100の1つの利点は、プロペラを有する従来の/標準的モータが適合する領域内に容易に適合することである。
【0041】
機内電源は、多くの場合、適切な1つ又は複数のバッテリである。追加で、標準的で容易に購入可能な電子速度コントローラ(ESC)を使用して、入力電気を制御して、回転に動力を供給し、回転を開始及び継続するのに必要な磁気反発力を生成する方法で界磁コイル巻線14を作動させる。
【0042】
通常、水平飛行及びVTOL航空機を備えた機内コントローラは、電波、赤外線信号、又は同等物によって地上コントローラと遠隔通信する。
【0043】
本発明の差動又は第1から第2のプロペラフィードバック動作は、単一のプロペラのみを装備した従来の/標準的モータと比較して、2つの内部差動結合プロペラを有する本発明の有効性又は効率を説明する上で重要である。第1のプロペラ上のブレードのセットは、対向する空気に遭遇し、離れる空気の速度を増加させる。第2のプロペラ上のブレードのセットは、第2の回転部材をより速く回転させる第1のプロペラ加速空気に遭遇し、それによって第1の回転部材がさらに加速され、内部差動結合された2つの回転部材は、CR版で見られるように、回転部材間に相乗的なフィードバック強化を提供しないただ1つのプロペラを有するモータよりも高い効率で動作する。
【0044】
図6図9は、完全機能CRモータの部品を示すCADプログラムから得られた本技術の一実施形態を示す。図6は、本技術の一実施形態の構成要素の分解図である。他の同等の実施形態が本開示の範囲内と見なされることが強調される。外側保持リング205は、取り付けねじ200によって、中空中央シャフト又は軸240が通って延びるスリップリングアセンブリ又は「回転変圧器」210(典型的なスリップリングアセンブリ又は回転変圧器50の説明については上記を参照)の上に固定される。次に、中空中央シャフト240の周りに嵌合された軸受215(他のすべての軸受にも符号215が付されている)がある。次に、第1の回転部材外側部分220が、中空中央シャフト240の周りに位置付けられる。プロペラブレードアンカ点の第1のセットは、第1の回転部材外側部分220の周囲に見られる(所望の2つ以上のプロペラブレードアンカ点が存在するブレードの正確な数に応じて)。次に、別の軸受215が位置付けられる(正確な軸受215の位置は、任意の所与の特定のCRモータの正確な要件に基づいて変化し得る)。第1の回転部材内側部分225が続いており、ここでも中空中央シャフトの周りに位置付けられる。第1の回転部材内側部分225は、電磁界コイルを含む。次に、第2の回転部材外側部分230がある。第2の回転部材外側部分230は、外側部分230の内側面に固定された永久磁石を含む。第2の回転部材外側部分230内には、別の軸受215と、プロペラ取り付け点の第2のセットを提供する第2の回転内側部材235とがある。最終軸受215が続く。内側保持リング245は、取り付けねじ250によって固定される。明らかに、外側及び内側の取り付けねじは、同等の手段で置き換えられてもよい。
【0045】
図7は、本CRモータの一実施形態の部分分解図を示す。プロペラはCRモータに取り付けられている。
【0046】
図8は、図6及び図7に示す組み立てられたCRモータの一実施形態の断面図である。電気配線255は、中空中央シャフト240の内部を通ってスリップリングアセンブリ210まで延びているのが分かる(この場合も、スリップリングアセンブリの詳細は上述されている)。
【0047】
図9は、図6図8に見られる実施形態の組み立てられた外観図を示す。
【0048】
対象発明の第1の実施の形態は、第1及び第2の端部を有する中央中空シャフトと、前記中央中空シャフトの周りに配置され、前記中央中空シャフトの周りで第1の方向に回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第2の端部との間に配置され、前記第1の回転部材の回転方向とは反対方向に、前記中央中空シャフトの周りで回転する第2の回転部材と、前記中央中空シャフトを通って外部電源から延びるワイヤを介して電気を受け取ると、前記中央中空シャフトの周りで反対方向に前記第1及び第2の回転部材の回転に動力を供給するため前記第1及び第2の回転部材に関連付けられた電磁界コイル及び永久磁石と、外部電源から前記電磁手段に電気を伝達するためのスリップリングアセンブリであって、前記スリップリングアセンブリは、前記中央中空シャフトの周りに、並びに前記第1及び第2の回転部材内又は前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第1の端部との間のいずれかに配置される、スリップリングアセンブリと、前記反対方向に回転する第1及び第2の回転部材と、前記スリップリングアセンブリと、前記中央中空シャフトとを支持構造体に取り付けるためのベース部材であって、前記ベース部材は、前記中央中空シャフトの前記第2の端部に近接して配置される、ベース部材と、を備える、CR差動電動モータアセンブリを含む。
【0049】
対象発明の第2の実施の形態は、第1及び第2の端部を有する中央中空シャフトと、前記中央中空シャフトの周りに配置され、前記中央中空シャフトの周りで第1の方向に回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材に固定された第1のプロペラと、第2の回転部材であって、前記中央中空シャフトの周りに、並びに前記第1及び第2の回転部材内又は前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第2の端部との間のいずれかに配置され、前記第1の回転部材の回転方向とは反対方向に、前記中央中空シャフトの周りを回転する第2の回転部材と、前記第2の回転部材に固定された第2のプロペラと、前記中央中空シャフトを通って外部電源から延びるワイヤを介して電気を受け取ると、前記中央中空シャフトの周りで反対方向に前記第1及び第2の回転部材の回転に動力を供給するため前記第1及び第2の回転部材に関連付けられた電磁界コイル及び永久磁石と、外部電源から前記電磁手段に電気を伝達するためのスリップリングアセンブリであって、前記スリップリングアセンブリは、前記第1の回転部材と前記中央中空シャフトの前記第1の端部との間の前記中央中空シャフトの周りに配置される、スリップリングアセンブリと、前記反対方向に回転する第1及び第2の回転部材と、前記スリップリングアセンブリと、前記中央中空シャフトとを支持構造体に取り付けるためのベース部材であって、前記ベース部材は、前記中央中空シャフトの前記第2の端部に近接して配置される、ベース部材と、を備える、CR差動電動モータアセンブリを含む。
【0050】
対象発明の第3の実施の形態は、改良されたCR差動電動モータアセンブリであって、第1及び第2の端部を有する中央シャフトと、前記中央シャフトの周りに配置され、前記中央シャフトの周りで第1の方向に回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材と前記中央シャフトの前記第2の端部との間に配置され、前記第1の回転部材の回転方向とは反対方向に、前記中央シャフトの周りを回転する第2の回転部材と、電気を受け取ると、前記中央シャフトの周りで反対方向に前記第1及び第2の回転部材の前記回転に動力を供給するため前記第1及び第2の回転部材に関連付けられた電磁界コイル及び永久磁石と、外部電源から前記電磁手段に電気を伝達するためのスリップリングアセンブリと、前記反対方向に回転する第1及び第2の回転部材と、前記スリップリングアセンブリと、前記中央シャフトとを支持構造体に取り付けるためのベース部材と、を含み、前記ベース部材は、前記中央シャフトの前記第2の端部に近接して配置され、前記改良は、中空中央シャフト内、及び前記スリップリングアセンブリと外部電源との間に電線を延ばすことを可能にする前記中空中央シャフトを利用することと、前記中空中央シャフトの周り、並びに前記第1及び第2の回転部材内又は前記中空中央シャフトの第1の端部と前記第1の回転部材との間のいずれかに前記スリップリングアセンブリを配置し、それによって前記第1及び第2の回転部材を前記ベース部材の近くに位置付けて、前記CR差動電動モータアセンブリの動作中の有害な振動を最小限に抑えることと、を含む、改良されたCR差動電動モータアセンブリを含む。
【0051】
本明細書で使用されるとき、単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことができる。単数形の対象物への言及は、明示的に述べられていない限り、「1つだけ」を意味することを意図しておらず、むしろ「1つまたは複数」を意味する。
【0052】
本開示内の「A、Bおよび/またはC」などの表現構成体は、A、B、もしくはCのいずれかが存在し得る場合か、または事項A、BおよびCの任意の組み合わせを記述する。要素を列記する群が後に続く「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」などの表現構成体は、これら群要素のうちの少なくとも1つが存在することを示し、これには、適用可能な場合、これら列記された要素の任意の可能な組み合わせが含まれる。
【0053】
「一実施形態(an embodiment)」、「少なくとも1つの実施形態(at least one embodiment)」、または同様の実施形態の言い回しに言及する、本明細書における言及は、記載された実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。したがって、これらの様々な実施形態の語句は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではないし、記載されている他のすべての実施形態と異なる特定の実施形態に言及しているわけでもない。実施形態語句は、所与の実施形態の特定の特徴、構造、または特性が、開示された装置、系、または方法の1つ以上の実施形態において任意の適切な仕方で組み合わされ得ることを意味すると解釈されるべきである。
【0054】
本明細書で使用されているように、「セット」という用語は、1つまたは複数の対象物の集合を指す。したがって、例えば、対象物のセットは単一の対象物または複数の対象物を含むことができる。
【0055】
本明細書で使用されているように、「おおよそ」、「おおよその」、「実質的に」および「約」という用語は、小さな変動を記述し、説明するために使用されている。事象または状況と併せて使用される場合、その用語は、その事象または状況が厳密に発生する場合だけでなく、その事象または状況が緊密な近似で発生する場合も指すことができる。数値と共に使用される場合、その用語は、その数値の±10%以下、例えば±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、または±0.05%以下などの変動の範囲を指すことができる。例えば、「実質的に」整列されたとは、±10°以下、例えば±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、または±0.05°以下などの範囲の角度変動を指すことができる。
【0056】
さらに、量、比率、および他の数値は、本明細書では時には範囲の形式で提示することができる。そのような範囲の形式は便宜上および簡潔さのために使用され、範囲の限界として明示的に特定された数値を含むように柔軟に理解されるべきであるが、しかし、あたかも各数値および部分範囲が明示的に特定されているかのように、その範囲内に包含されるすべての個々の数値または部分範囲も含む。例えば、約1から約200の範囲の比は、明示的に列挙された約1から約200の範囲を含むが、約2、約3、および約4などの個々の比、ならびに約10から約50、約20から約100などの部分範囲も含むと理解すべきである。
【0057】
本明細書の記載には多くの詳細が含まれるが、これらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではなく、現時点で好ましい実施形態のいくつかの例を提供したものにすぎない。したがって、本開示の範囲は、当業者に明らかになりうる他の実施形態をすべて包含することを認識されたい。
【0058】
当業者に知られている開示された実施形態の要素と構造的および機能的に等価のものはすべて、本明細書に参照により明確に援用されたものとされ、本特許請求の範囲に包含されるものとする。さらに、本開示にない要素、構成部品または方法ステップは、その要素、構成部品または方法ステップが特許請求の範囲に明確に記載されているか否かにかかわらず、公にされるためのものであることが意図される。本願の請求項の要素は、「~するための手段」という表現を用いて明確に要素を記載していない限り、「ミーンズ・プラス・ファンクション」として解釈されるべきではない。本願の請求項の要素は、「~するためのステップ」という表現を用いて明確に要素を記載していない限り、「ステップ・プラス・ファンクション」として解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】