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特表2022-546401伝達、駆動、および滅菌アセンブリ、手術器具およびシステム、ならびに手術ロボット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】伝達、駆動、および滅菌アセンブリ、手術器具およびシステム、ならびに手術ロボット
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20221027BHJP
   A61B 34/35 20160101ALI20221027BHJP
   F16D 3/06 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B34/35
F16D3/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513103
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 CN2020111869
(87)【国際公開番号】W WO2021037170
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】201910816696.8
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519068560
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロポート メドボット(グループ)カンパニー,リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ユーユエン
(72)【発明者】
【氏名】ユエ,セン
(72)【発明者】
【氏名】ホー,チャオ
(57)【要約】
伝達アセンブリ(1000)、駆動アセンブリ(100)、滅菌アセンブリ(200)、手術器具(300)およびシステム、ならびに手術ロボット。伝達アセンブリ(1000)を構成している伝達ディスク(1100、1200、1300)にガイド面(1010、1040)を設けることにより、係合コンポーネント(1020、1030、1050、1060)が正確に位置付けられ、ガイド面(1010、1040)によって係合され、手術器具システムの迅速で正確な係合を達成し、連結異常の発生を回避し、手術ロボットの安全性および有効性を向上することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1伝達ディスクと第2伝達ディスクとを備える手術器具用の伝達アセンブリであって、
前記第1伝達ディスクは第2端部を有し、前記第2伝達ディスクは前記第2端部と向かい合って配置されている第3端部を有し、
前記第2端部の端面および前記第3端部の端面の一方は、その端面に形成されている第1ガイド面を有し、前記第2端部の前記端面および前記第3端部の前記端面の他方には、第2係合コンポーネントが設けられており、前記第1ガイド面には少なくとも1つの第1係合コンポーネントが設けられ、前記第2係合コンポーネントは前記第1係合コンポーネントと係合可能に構成されており、
前記第2係合コンポーネントは、前記第2係合コンポーネントが前記第1係合コンポーネントと係合するまで前記第1ガイド面に沿って動き、前記第1伝達ディスクと前記第2伝達ディスクとの間のトルクの伝達を可能にするように構成されている伝達アセンブリ。
【請求項2】
前記第1ガイド面は、前記第1ガイド面が形成されている端部の端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記第1ガイド面の前記谷部に設けられている、請求項1に記載の伝達アセンブリ。
【請求項3】
前記第1ガイド面の軸方向投影は、前記第1ガイド面の山部から谷部までの軸方向距離の10分の1以上の径を有する、請求項2に記載の伝達アセンブリ。
【請求項4】
前記第1伝達ディスクの前記第2端部には、軸方向に延びている第1位置決めピンがさらに設けられ、前記第2伝達ディスクの前記第3端部には、軸方向に延びている第1位置決め穴がさらに設けられ、前記第1位置決めピンおよび前記第1位置決め穴は互いに協働して、前記第1伝達ディスクおよび前記第2伝達ディスクの同心配置を容易化するように構成されている、請求項1に記載の伝達アセンブリ。
【請求項5】
前記第1係合コンポーネントは凹部であり、前記第2係合コンポーネントは凸部であり、
前記第2係合コンポーネントが設けられている前記端面には前記凸部を囲む第1遮蔽壁が設けられ、前記第1遮蔽壁は環状であり、前記凸部と接続され、
前記第1ガイド面が形成されている前記端面の軸方向投影は、前記第1遮蔽壁の内径以下である径を有する、請求項4に記載の伝達アセンブリ。
【請求項6】
前記第2係合コンポーネントは、第1ガイド部と第1駆動力伝達部とを含み、
前記第1ガイド部は、前記第1ガイド面と接触して、前記第2係合コンポーネントを前記第1ガイド面に沿ってスライドするようにガイドするように構成され、
前記第1駆動力伝達部は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、駆動力を伝達するように構成されている、請求項5に記載の伝達アセンブリ。
【請求項7】
前記第1係合コンポーネントの軸方向投影および前記第1駆動力伝達部の軸方向投影のそれぞれは、腎臓形状を有する、または
前記第1係合コンポーネントの前記軸方向投影および前記第1駆動力伝達部の前記軸方向投影のそれぞれは、扇形を有し、前記第1係合コンポーネントによって形成されている扇は、前記第1駆動力伝達部によって形成されている扇の角度以上の角度を有する、請求項6に記載の伝達アセンブリ。
【請求項8】
前記第2係合コンポーネントは、第1ガイド部を含み、前記第1ガイド部は、前記第1ガイド面と接触して、前記第2係合コンポーネントを前記第1ガイド面に沿ってスライドするようにガイドすると共に、前記第2係合コンポーネントが前記第1係合コンポーネントと係合するときに、駆動力を伝達するように構成されている、請求項5に記載の伝達アセンブリ。
【請求項9】
前記第1ガイド部および前記第1係合コンポーネントは、前記第1ガイド部と前記第1係合コンポーネントとの間の摩擦力を増加させるために面接触するように構成されている、請求項8に記載の伝達アセンブリ。
【請求項10】
少なくとも2つの第2係合コンポーネントが設けられ、前記第1ガイド面および前記第2係合コンポーネントは、軸方向外力が前記第2伝達ディスクに印加され、前記第1ガイド面が前記第2係合コンポーネントと接触するときに、前記第2係合コンポーネントが不均衡な力を受けるように構成されている、請求項6から9のいずれか一項に記載の伝達アセンブリ。
【請求項11】
前記第2係合コンポーネントのそれぞれは、第1ガイド部を含み、各第1ガイド部は、第1交差線を形成する2つのくさび面を含み、
前記第1ガイド面は順に接続される複数のガイドサブ面を含み、隣接するガイドサブ面同士は前記第1ガイド面の山部で第2交差線を形成し、
前記第1交差線および前記第2交差線は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面の前記山部で前記第1ガイド面と接触するときに、第1交差線の軸方向投影が対応する第2交差線の軸方向投影と少なくとも部分的に一致するように構成され、または前記第1交差線および前記第2交差線は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面の前記山部で前記第1ガイド面と接触するときに、複数の前記第1交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあり、複数の前記第2交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあるように構成されている、請求項10に記載の伝達アセンブリ。
【請求項12】
前記第2係合コンポーネントのそれぞれは第1ガイド部を含み、各第1ガイド部は2つのくさび面と、2つの前記くさび面間の1つの第1遷移面とを含み、前記第1遷移面は一群の平坦または湾曲した仮想切断面によって切断され、一群の切断された交差線は前記第1遷移面と、前記一群の平坦または湾曲した仮想切断面との間に形成されており、第1交差線は前記一群の切断された交差線の特徴点のそれぞれを接続することで形成されている接続線として定義され、
前記第1ガイド面は複数のガイドサブ面を含み、隣接するガイドサブ面同士は前記第1ガイド面の山部で第2遷移面により接続され、前記第2遷移面は一群の平坦または湾曲した仮想切断面によって切断され、一群の切断された交差線は前記第2遷移面と、前記一群の平坦または湾曲した仮想切断面との間に形成されており、第2交差線は前記一群の切断された交差線の特徴点のそれぞれを接続することで形成されている接続線として定義され、
前記第1交差線および前記第2交差線は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、第1交差線の軸方向投影が対応する第2交差線の軸方向投影と少なくとも部分的に一致するように構成され、または複数の前記第1交差線および複数の前記第2交差線は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、複数の前記第1交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあり、複数の前記第2交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあるように構成されている、請求項10に記載の伝達アセンブリ。
【請求項13】
前記第2係合コンポーネントが設けられている前記端面には第1合わせ面が形成されており、前記第1合わせ面には前記第2係合コンポーネントが設けられており、前記第1合わせ面は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面に沿って動くとともに前記第1係合コンポーネントと係合することを妨げないように構成されている、請求項1に記載の伝達アセンブリ。
【請求項14】
前記第1合わせ面は、前記第2係合コンポーネントが前記第1係合コンポーネントと係合するときに、前記第1合わせ面が前記第1ガイド面に対し少なくとも部分的に当接するように構成されている、請求項13に記載の伝達アセンブリ。
【請求項15】
前記第1ガイド面は前記第1ガイド面が形成されている前記端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記第1ガイド面の前記谷部に設けられ、
前記第1合わせ面は対応する端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に設けられ、
前記第1合わせ面の前記山部は前記第1ガイド面の前記谷部と対応するように構成されており、前記第1合わせ面の前記谷部は前記第1ガイド面の前記山部と対応するように構成されており、
前記第1合わせ面の前記谷部は、前記第1係合コンポーネントおよび前記第2係合コンポーネント間の係合を妨げないように構成されている、請求項13に記載の伝達アセンブリ。
【請求項16】
前記第1合わせ面の前記谷部は、前記第1伝達ディスクが前記第2伝達ディスクと係合するときに、前記第1合わせ面の前記谷部が、対応する前記第1ガイド面の山部と一切接触しないように構成され、または
前記第1合わせ面の前記谷部が、対応する前記第1ガイド面の山部と接触することなく、前記第1合わせ面の前記谷部の2つの側部と、対応する前記第1ガイド面の山部の2つの側部との間に線接触または面接触が形成されるように構成されている、請求項15に記載の伝達アセンブリ。
【請求項17】
前記第1ガイド面は前記第1ガイド面が形成されている前記端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記第1ガイド面の前記谷部に設けられ、
前記第1合わせ面の前記山部は前記第1ガイド面の前記谷部と対応するように構成されており、前記第1合わせ面の前記谷部は前記第1ガイド面の前記山部に対応するように構成されており、
前記第1合わせ面には第1収容溝がさらに設けられており、前記第1収容溝は前記第1ガイド面の前記山部を収容するように構成されている、請求項13に記載の伝達アセンブリ。
【請求項18】
第3伝達ディスクをさらに備え、前記第1伝達ディスク、前記第2伝達ディスク、および前記第3伝達ディスクは順に連結されており、
前記第2伝達ディスクは前記第3端部に対向する第4端部をさらに有し、前記第3伝達ディスクは前記第4端部と向かい合って配置されている第5端部を有し、
前記第4端部の端面および前記第5端部の端面の一方は、その端面に形成されている第2ガイド面を有し、前記第4端部の前記端面および前記第5端部の前記端面の他方には第4係合コンポーネントが設けられ、前記第2ガイド面には少なくとも1つの第3係合コンポーネントが設けられ、前記第4係合コンポーネントは前記第3係合コンポーネントと係合可能に構成され、
前記第4係合コンポーネントは、前記第4係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記第2ガイド面に沿ってスライドして、前記第2伝達ディスクと前記第3伝達ディスクとの間のトルクの伝達を可能にするように構成される、請求項1に記載の伝達アセンブリ。
【請求項19】
前記第1係合コンポーネントは前記第3係合コンポーネントと同一の形状およびサイズを有し、前記第2係合コンポーネントは前記第4係合コンポーネントと同一の形状およびサイズを有し、前記第1ガイド面は前記第2ガイド面と同一の形状を有する、請求項18に記載の伝達アセンブリ。
【請求項20】
前記伝達アセンブリは相互に係合する少なくとも2つの第2伝達ディスクを含み、その一方は前記第1伝達ディスクと係合され、他方は前記第3伝達ディスクと係合されている、請求項18に記載の伝達アセンブリ。
【請求項21】
前記第4係合コンポーネントおよび前記第2係合コンポーネントは、前記伝達アセンブリの円周方向に沿って交互に配置されている、請求項18に記載の伝達アセンブリ。
【請求項22】
手術ロボット用の手術器具システムであって、
第1ボックス体と前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構とを含み、前記第1ボックス体には少なくとも1つの出力穴が設けられている、駆動力ボックスと、
器具軸と器具端末と器具ボックスとを含む手術器具であって、前記器具ボックスは第2ボックス体と伝達モジュールとを含み、前記伝達モジュールは前記第2ボックス体内に配置されると共に、前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体には少なくとも1つの入力穴が設けられている、手術器具と、
請求項1に記載の前記伝達アセンブリと、を備え、
前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクが前記第2伝達ディスクと係合するときに、前記駆動機構により与えられる駆動力は前記伝達アセンブリによって前記伝達モジュールに伝達され、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かす、手術器具システム。
【請求項23】
手術ロボット用の手術器具システムであって、
第1ボックス体と前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構とを含み、前記第1ボックス体には少なくとも1つの出力穴が設けられている、駆動力ボックスと、
少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
器具軸と器具端末と器具ボックスとを含む手術器具であって、前記器具ボックスは第2ボックス体と伝達モジュールとを含み、前記伝達モジュールは前記第2ボックス体内に配置されると共に、前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体には少なくとも1つの入力穴が設けられている、手術器具と、
請求項18に記載の前記伝達アセンブリと、を備え、
前記駆動力ボックス、前記滅菌プレート、および前記器具ボックスは、順に配置され、
前記第1伝達ディスクは、前記出力穴内に設けられ、前記第2端部と対向する第1端部をさらに含み、前記第1伝達ディスクの前記第1端部は前記駆動機構に連結されており、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に設けられ、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に設けられ、前記第5端部に対向する第6端部をさらに含み、前記第3伝達ディスクの前記第6端部は前記伝達モジュールに連結されており、
前記第1伝達ディスク、前記第2伝達ディスク、および前記第3伝達ディスクが順に係合されると、前記駆動機構により与えられる駆動力は、前記伝達アセンブリによって前記伝達モジュールに伝達され、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かす、手術器具システム。
【請求項24】
少なくとも1つの位置補正マグネットセットをさらに備え、
前記第3伝達ディスクはゼロ位置を有し、前記位置補正マグネットセットは前記第3伝達ディスクの前記ゼロ位置への到達を支援するように構成されている、請求項23に記載の手術器具システム。
【請求項25】
前記位置補正マグネットセットは、第1マグネットと第2マグネットとを含み、前記第1マグネットは前記第3伝達ディスクに配置され、前記第2マグネットは前記器具ボックスに配置され、前記第1マグネットおよび前記第2マグネットは相互に引き付け合い、前記第3伝達ディスクの前記ゼロ位置への到達を支援するように構成されている、請求項24に記載の手術器具システム。
【請求項26】
少なくとも1つのずれ防止マグネットセットをさらに備え、
前記伝達アセンブリは最悪位置を有し、前記ずれ防止マグネットセットは前記伝達アセンブリが前記最悪位置に到達することを防止するように構成されている、請求項23に記載の手術器具システム。
【請求項27】
前記ずれ防止マグネットセットは第3マグネットと第4マグネットとを含み、前記第3マグネットは前記第2伝達ディスクに設けられ、前記第4マグネットは前記滅菌プレートに設けられ、前記第3マグネットおよび前記第4マグネットは、反発力の作用下で前記伝達アセンブリを前記最悪位置から離すように、互いに反発するように配置されている、請求項26に記載の手術器具システム。
【請求項28】
前記第3伝達ディスクの回転範囲を制限するように構成されている円周方向リミッタをさらに備える、請求項23に記載の手術器具システム。
【請求項29】
前記円周方向リミッタは前記第3伝達ディスクの円周側壁に設けられている制限突起と、前記入力穴の内壁に設けられているスライド溝とを含み、前記制限突起は前記スライド溝内に設けられると共に、前記スライド溝に沿って移動可能である、請求項28に記載の手術器具システム。
【請求項30】
前記第2伝達ディスクが前記滅菌プレートから脱落することを防止するように構成されている軸方向リミッタをさらに備える、請求項23に記載の手術器具システム。
【請求項31】
前記滅菌プレートが滅菌基板と滅菌カバーとを含み、前記滅菌基板は前記駆動力ボックスに連結され、前記滅菌基板には第1貫通孔が設けられ、前記滅菌カバーには第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は前記第1貫通孔と共に前記伝達穴を構成し、前記軸方向リミッタは前記第2伝達ディスクの円周側壁に設けられている制限カラーを含み、前記第1貫通孔に近い前記第2貫通孔の部分は前記第1貫通孔から離れている前記第2貫通孔の部分の内径および前記第1貫通孔の内径のそれぞれよりも大きな内径を有し、前記制限カラーの外径と一致する、請求項30に記載の手術器具システム。
【請求項32】
請求項22に記載の前記手術器具システムを備える手術ロボット。
【請求項33】
ロボットアームをさらに備え、前記駆動力ボックスが前記ロボットアームの端末に固定され、前記器具ボックスが前記駆動力ボックスに脱着可能に取り付けられている、請求項32に記載の手術ロボット。
【請求項34】
請求項23に記載の前記手術器具システムを備える手術ロボット。
【請求項35】
ロボットアームをさらに備え、前記駆動力ボックスが前記ロボットアームの端末に固定され、前記滅菌プレートが前記駆動力ボックスに脱着可能に設けられ、前記器具ボックスが前記滅菌プレートに脱着可能に取り付けられている、請求項34に記載の手術ロボット。
【請求項36】
手術器具用の駆動アセンブリであって、
少なくとも1つの出力穴が設けられている第1ボックス体と、
前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構と、
第2係合コンポーネントを含む第2伝達ディスク、または第4係合コンポーネントを含む第3伝達ディスクと係合するように構成されている第1伝達ディスクであって、前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記駆動機構に連結され、他方はその端面に形成されているガイド面を有し、前記ガイド面には少なくとも1つの第1係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面は前記第1係合コンポーネントと係合するまで、前記第2伝達ディスクの前記第2係合コンポーネントまたは前記第3伝達ディスクの前記第4係合コンポーネントが前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成されている第1伝達ディスクと、
を備える駆動アセンブリ。
【請求項37】
前記第1伝達ディスクの前記ガイド面は、対応する端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記ガイド面の前記谷部に設けられている、請求項36に記載の駆動アセンブリ。
【請求項38】
前記第1伝達ディスクの前記ガイド面には、前記ガイド面に中心対称的に配置されている少なくとも2つの第1係合コンポーネントが設けられている、請求項36に記載の駆動アセンブリ。
【請求項39】
手術器具用の駆動アセンブリであって、
少なくとも1つの出力穴が設けられている第1ボックス体と、
前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構と、
第1ガイド面と第1係合コンポーネントとを含む第2伝達ディスク、または第2ガイド面と第3係合コンポーネントとを含む第3伝達ディスクと係合するように構成される第1伝達ディスクであって、前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記駆動機構に連結され、他方はその端面に形成されている少なくとも1つの第2係合コンポーネントを有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1係合コンポーネントと係合するまで、前記第1ガイド面に沿って動くように構成され、または前記第3係合コンポーネントと係合するまで、前記第2ガイド面に沿って動くように構成されている第1伝達ディスクと、
を備える駆動アセンブリ。
【請求項40】
前記第1伝達ディスクの他方の前記端部の端面には、第1合わせ面が形成されており、前記第1合わせ面は、前記端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に配置されている、請求項39に記載の駆動アセンブリ。
【請求項41】
滅菌アセンブリであって、
少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
第1伝達ディスクおよび第3伝達ディスクと係合するように構成されている少なくとも1つの第2伝達ディスクであって、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、少なくとも1つの前記端部の端面にはガイド面が設けられ、前記第2伝達ディスクの2つの前記端部のそれぞれの端面には少なくとも1つの係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面および前記係合コンポーネントは、前記第2伝達ディスクと前記第1および第3伝達ディスクのそれぞれとの係合を可能にするように構成されている第2伝達ディスクと、を備える滅菌アセンブリ。
【請求項42】
前記第2伝達ディスクの前記ガイド面は、対応する前記端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記ガイド面に設けられている前記係合コンポーネントは、前記ガイド面の前記谷部に配置されている、請求項41に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項43】
前記第2伝達ディスクの2つの前記端部のそれぞれは、それぞれの端面に形成されているガイド面を有し、各ガイド面には少なくとも1つの係合コンポーネントが設けられ、前記係合コンポーネントは凹部である、請求項41に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項44】
前記第2伝達ディスクの前記端部の一方のみが、その端面に形成されているガイド面を有しており、前記ガイド面に設けられている前記係合コンポーネントは凹部であり、他方の前記端部の端面に設けられている前記係合コンポーネントは凸部である、請求項41に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項45】
少なくとも1つのずれ防止マグネットセットをさらに備え、
前記伝達アセンブリは最悪位置を有し、前記ずれ防止マグネットセットは前記伝達アセンブリが前記最悪位置に到達することを防止するように構成されている、請求項41に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項46】
前記滅菌アセンブリは、積層されている少なくとも2つの滅菌プレートを備え、少なくとも2つの前記滅菌プレートの前記伝達穴は互いに整列し、各伝達穴内に1つの伝達ディスクが設けられている、請求項44に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項47】
前記伝達ディスクが前記伝達穴から脱落することを防止するように構成されている軸方向リミッタをさらに備える、請求項41に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項48】
前記滅菌プレートは、滅菌基板と滅菌カバーとを含み、前記滅菌基板は駆動力ボックスを連結するように構成され、前記滅菌基板には第1貫通孔が設けられ、前記滅菌カバーには第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は前記第1貫通孔と共に前記伝達穴を構成し、前記軸方向リミッタは、前記第2伝達ディスクの円周側壁に設けられている制限カラーを含み、前記第1貫通孔に近い前記第2貫通孔の部分は前記第1貫通孔から離れている前記第2貫通孔の部分の内径および前記第1貫通孔の内径のそれぞれよりも大きな内径を有し、前記制限カラーの外径と一致する、請求項47に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項49】
滅菌アセンブリであって、
少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
第1ガイド面と第1係合コンポーネントとを含む第1伝達ディスクおよび第2ガイド面と第3係合コンポーネントとを含む第3伝達ディスクと係合するように構成されている少なくとも1つの第2伝達ディスクであって、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、各端部がそれぞれの端面に形成されている少なくとも1つの係合コンポーネントを有し、前記係合コンポーネントは、前記第2伝達ディスクと前記第1および第3伝達ディスクのそれぞれとの係合を可能にするように構成されている第2伝達ディスクと、
を備える滅菌アセンブリ。
【請求項50】
前記第2伝達ディスクの対向する2つの前記端部は、それぞれの端面に形成されている合わせ面を有し、前記合わせ面には、対応する前記端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部が設けられ、前記係合コンポーネントのそれぞれは対応する合わせ面の山部に設けられている、請求項49に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項51】
器具軸と器具端末とを備える手術器具用の器具ボックスアセンブリであって、
第2ボックス体と前記第2ボックス体内に配置されている伝達モジュールとを含む器具ボックスであって、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体は前記第2ボックス体に設けられている少なくとも1つの入力穴を有する、器具ボックスと、
第2係合コンポーネントを含む第1伝達ディスクまたは第4係合コンポーネントを含む第2伝達ディスクと係合するように構成されている第3伝達ディスクであって、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第3伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記伝達モジュールに連結され、他方はその端面に形成されているガイド面を有し、前記ガイド面には少なくとも1つの第3係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面は前記第1伝達ディスクの前記第2係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成され、または前記第2伝達ディスクの前記第4係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成されている、第3伝達ディスクと、
を備える、器具ボックスアセンブリ。
【請求項52】
前記第3伝達ディスクの前記ガイド面は、対応する前記端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第3係合コンポーネントが前記ガイド面の前記谷部に設けられている、請求項51の器具ボックスアセンブリ。
【請求項53】
前記伝達モジュールは、回転部材、可撓性部材、および一群のガイドプーリを含み、前記一群のガイドプーリは前記可撓性部材の伸長方向を変化させるように構成され、前記回転部材は前記可撓性部材を介して前記器具端末を駆動して回転させるように構成されており、前記回転部材は前記第3伝達ディスクと脱着可能に連結されているまたは一体的に形成されている、請求項51に記載の器具ボックスアセンブリ。
【請求項54】
前記手術器具は少なくとも1つの位置補正マグネットセットをさらに含み、
前記第3伝達ディスクは、ゼロ位置を有し、前記位置補正マグネットセットは前記第3伝達ディスクの前記ゼロ位置への到達を支援するように構成されている、請求項51に記載の器具ボックスアセンブリ。
【請求項55】
前記手術器具は、前記第3伝達ディスクの回転範囲を抑制するように構成されている円周方向リミッタをさらに含む、請求項51に記載の器具ボックスアセンブリ。
【請求項56】
器具軸と器具端末とを備える手術器具用の器具ボックスアセンブリであって、
第2ボックス体と前記第2ボックス体内に配置されている伝達モジュールとを含む器具ボックスであって、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記器具ボックスは前記器具ボックスに設けられている少なくとも1つの入力穴を有する器具ボックスと、
第1ガイド面と第1係合コンポーネントとを含む第1伝達ディスクまたは第2ガイド面と第3係合コンポーネントとを含む第2伝達ディスクと係合するように構成されている第3伝達ディスクであって、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第3伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記伝達モジュールに連結され、他方はその端面に形成されている少なくとも1つの第4係合コンポーネントを有し、前記第4係合コンポーネントは、前記第1伝達ディスクの前記第1係合コンポーネントと係合するまで前記第1ガイド面に沿って動くように構成され、または前記第2伝達ディスクの前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記第2ガイド面に沿って動くように構成されている第3伝達ディスクと、
を備える器具ボックスアセンブリ。
【請求項57】
対向する2つの前記端部の他方は、その端面に形成されている第1合わせ面を有し、前記第1合わせ面は対応する端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第4係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に設けられている、請求項56に記載の器具ボックスアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手術器具の分野に関し、より具体的には、伝達、駆動、および滅菌アセンブリ、手術器具およびシステム、ならびに手術ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ロボット工学、特にコンピューティング技術の応用と開発が増すにつれて、臨床診療における手術ロボットの役割にますます大きな重要性が付加されてきている。一方で、低侵襲手術ロボットは、手術中における外科医の身体運動を低減できる。また一方で、精密手術の目的を達成できるため、外傷が最小限に抑えられ、出血が少なく、術後の感染症が減少し、術後の回復が早いという利点を提供する。
【0003】
多くの場合、手術で使用される手術器具は滅菌する必要がある。しかしながら、手術ロボット自体は、従来の方法を使用しての滅菌に適さない多くのコンポーネント(例えば、モータ、センサ等)を含むため、手術ロボット全体を滅菌することは不可能である。従って、通常は滅菌プレートが滅菌バッグと組み合わされて、滅菌可能な手術器具から滅菌不可能な部分を分離するために使用される。しかしながら、多くの場合、手術中に手術器具を頻繁に交換する必要ある。さらに、手術器具の交換の度に手術器具と滅菌プレートとを分解して組み立てる必要がある。従って、滅菌プレートと手術器具との間に簡単かつ効率的な方法で伝達接続を達成することが望ましい。
【0004】
中国特許出願公開第106102640号明細書は、手術器具を遠隔操作アクチュエータと係合させる方法に関するものであり、伝達インターフェースの接続は、器具操縦部のキャリッジ駆動部と手術器具の器具駆動部との間の回転連結を介して行われる。しかしながら、このような設計は、次の欠点に関連している。(1)このような構造は、キャリッジ駆動部を軸方向に動かすように、弾性コンポーネントを介してキャリッジ駆動部に軸方向の力を与える。しかしながら、キャリッジ駆動部の軸方向の動きは、入力駆動軸に対する円周方向に隙間を生じさせる結果となり、これによって手術精度に誤差が生じさせ、精密手術に悪影響を及ぼす。(2)このような解決策では、キャリッジ駆動部が対応する器具駆動部に摩擦連結される。このことは、回転盤のいくつかの特別な位置に連結異常を引き起こす傾向がある(中国特許出願公開第106102640号明細書の段落0006参照)。(3)弾性コンポーネントがキャリッジ駆動部に軸方向の力を働かせることを可能にするために、装置全体に静止コンポーネント、相対滑りコンポーネント、制限コンポーネント、および精密な滑りシュートを提供する必要があり、このことで装置の構造的複雑性が高まる。さらに、キャリッジ駆動部の安定性を確保するために、装置の十分な軸方向長さを提供することも必要であり、このことで装置がかなりかさばってしまう。(4)このような解決策では、装置のさまざまな機能は、複雑な制御プログラムによってのみ達成できる。
【0005】
中国特許出願公開第103533908号明細書は、テーパー構造を使用した摩擦伝達を手段として器具を駆動する器具インターフェースに言及している。この設計は、次の欠点に関連している。(1)インターフェースが駆動ディスクの任意の位置で駆動モータと係合できることで、器具端末の初期位置の特定ができなくなり、それによってロボットシステムが器具端末の絶対位置情報を取得できなくなり、このことは手術中の安全性の確保に有害である。(2)摩擦伝達には、滑りのリスクが伴う。滑りが発生すると、精度エラーが発生し、外科手術に悪影響となりかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、手術器具と滅菌プレートとの間の係合を迅速且つ正確にでき、連結異常の発生を回避して手術ロボットの安全性を向上させることを可能にする、伝達アセンブリ、駆動アセンブリ、および滅菌アセンブリ、手術器具、手術器具システム、ならびに手術ロボットを提供することである。
【0007】
上記の目的を達成するために、本開示は、第1伝達ディスクと第2伝達ディスクとを備える手術器具用の伝達アセンブリであって、
前記第1伝達ディスクは第2端部を有し、前記第2伝達ディスクは前記第2端部と向かい合って配置されている第3端部を有し、
前記第2端部の端面および前記第3端部の端面の一方は、その端面に形成されている第1ガイド面を有し、前記第2端部の前記端面および前記第3端部の前記端面の他方には、第2係合コンポーネントが設けられており、前記第1ガイド面には少なくとも1つの第1係合コンポーネントが設けられ、前記第2係合コンポーネントは前記第1係合コンポーネントと係合可能に構成されており、
前記第2係合コンポーネントは、前記第2係合コンポーネントが前記第1係合コンポーネントと係合するまで前記第1ガイド面に沿って動き、前記第1伝達ディスクと前記第2伝達ディスクとの間のトルクの伝達を可能にするように構成されている伝達アセンブリを提供する。
【0008】
任意選択で、前記第1ガイド面は、前記第1ガイド面が形成されている端部の端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記第1ガイド面の前記谷部に設けられている。
【0009】
任意選択で、前記第1ガイド面の軸方向投影は、前記第1ガイド面の山部から谷部までの軸方向距離の10分の1以上の径を有する。
【0010】
任意選択で、前記第1伝達ディスクの前記第2端部には、軸方向に延びている第1位置決めピンがさらに設けられ、前記第2伝達ディスクの前記第3端部には、軸方向に延びている第1位置決め穴がさらに設けられ、前記第1位置決めピンおよび前記第1位置決め穴は互いに協働して、前記第1伝達ディスクおよび前記第2伝達ディスクの同心配置を容易化するように構成されている。
【0011】
任意選択で、前記第1係合コンポーネントは凹部であり、前記第2係合コンポーネントは凸部であり、
前記第2係合コンポーネントが設けられている前記端面には前記凸部を囲む第1遮蔽壁が設けられ、前記第1遮蔽壁は環状であり、前記凸部と接続され、
前記第1ガイド面が形成されている前記端面の軸方向投影は、前記第1遮蔽壁の内径以下である径を有する。
【0012】
任意選択で、前記第2係合コンポーネントは、第1ガイド部と第1駆動力伝達部とを含み、
前記第1ガイド部は、前記第1ガイド面と接触して、前記第2係合コンポーネントを前記第1ガイド面に沿ってスライドするようにガイドするように構成され、
前記第1駆動力伝達部は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、駆動力を伝達するように構成されている。
【0013】
任意選択で、前記第1係合コンポーネントの軸方向投影および前記第1駆動力伝達部の軸方向投影のそれぞれは、腎臓形状を有する、または
前記第1係合コンポーネントの前記軸方向投影および前記第1駆動力伝達部の前記軸方向投影のそれぞれは、扇形を有し、前記第1係合コンポーネントによって形成されている扇は、前記第1駆動力伝達部によって形成されている扇の角度以上の角度を有する。
【0014】
任意選択で、前記第2係合コンポーネントは、第1ガイド部を含み、前記第1ガイド部は、前記第1ガイド面と接触して、前記第2係合コンポーネントを前記第1ガイド面に沿ってスライドするようにガイドすると共に、前記第2係合コンポーネントが前記第1係合コンポーネントと係合するときに、駆動力を伝達するように構成されている。
【0015】
任意選択で、前記第1ガイド部および前記第1係合コンポーネントは、前記第1ガイド部と前記第1係合コンポーネントとの間の摩擦力を増加させるために面接触するように構成されている。
【0016】
任意選択で、少なくとも2つの第2係合コンポーネントが設けられ、前記第1ガイド面および前記第2係合コンポーネントは、軸方向外力が前記第2伝達ディスクに印加され、前記第1ガイド面が前記第2係合コンポーネントと接触するときに、前記第2係合コンポーネントが不均衡な力を受けるように構成されている。
【0017】
任意選択で、前記第2係合コンポーネントのそれぞれは、第1ガイド部を含み、各第1ガイド部は、第1交差線を形成する2つのくさび面を含み、
前記第1ガイド面は順に接続される複数のガイドサブ面を含み、隣接するガイドサブ面同士は前記第1ガイド面の山部で第2交差線を形成し、
前記第1交差線および第2交差線は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面の前記山部で前記第1ガイド面と接触するときに、第1交差線の軸方向投影が対応する第2交差線の軸方向投影と少なくとも部分的に一致するように構成され、または前記第1交差線および前記第2交差線は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面の前記山部で前記第1ガイド面と接触するときに、複数の前記第1交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあり、複数の前記第2交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあるように構成されている。
【0018】
任意選択で、前記第2係合コンポーネントのそれぞれは第1ガイド部を含み、各第1ガイド部は2つのくさび面と、2つの前記くさび面間の1つの第1遷移面とを含み、前記第1遷移面は、一群の平坦または湾曲した仮想切断面によって切断され、一群の切断された交差線は前記第1遷移面と、前記一群の平坦または湾曲した仮想切断面との間に形成されており、第1交差線は、前記一群の切断された交差線の特徴点のそれぞれを接続することで形成されている接続線として定義され、
前記第1ガイド面は複数のガイドサブ面を含み、隣接するガイドサブ面同士は前記第1ガイド面の山部で第2遷移面により接続され、前記第2遷移面は一群の平坦または湾曲した仮想切断面によって切断され、一群の切断された交差線は前記第2遷移面と、前記一群の平坦または湾曲した仮想切断面との間に形成されており、第2交差線は前記一群の切断された交差線の特徴点のそれぞれを接続することで形成されている接続線として定義され、
複数の前記第1交差線および複数の前記第2交差線は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、第1交差線の軸方向投影が対応する第2交差線の軸方向投影と少なくとも部分的に一致するように構成され、または
複数の前記第1交差線および複数の前記第2交差線は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、複数の前記第1交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあり、複数の前記第2交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあるように構成されている。
【0019】
任意選択で、前記第2係合コンポーネントが設けられている前記端面には第1合わせ面が形成されており、前記第1合わせ面には前記第2係合コンポーネントが設けられており、前記第1合わせ面は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面に沿って動くと共に前記第1係合コンポーネントと係合することを妨げないように構成されている。
【0020】
任意選択で、前記第1合わせ面は、前記第2係合コンポーネントが前記第1係合コンポーネントと係合するときに、前記第1合わせ面が前記第1ガイド面に対し少なくとも部分的に当接するように構成されている。
【0021】
任意選択で、前記第1ガイド面は前記第1ガイド面が形成されている前記端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記第1ガイド面の前記谷部に設けられ、
前記第1合わせ面は対応する端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に設けられ、
前記第1合わせ面の前記山部は前記第1ガイド面の前記谷部と対応するように構成されており、前記第1合わせ面の前記谷部は前記第1ガイド面の前記山部と対応するように構成されており、
前記第1合わせ面の前記谷部は、前記第1係合コンポーネントおよび第2係合コンポーネント間の係合を妨げないように構成されている。
【0022】
任意選択で、前記第1合わせ面の前記谷部は、前記第1伝達ディスクが前記第2伝達ディスクと係合するときに、
前記第1合わせ面の前記谷部が、対応する前記第1ガイド面の山部と一切接触しないように構成され、または
前記第1合わせ面の前記谷部が、対応する前記第1ガイド面の山部と接触することなく、前記第1合わせ面の前記谷部の2つの側部と、対応する前記第1ガイド面の前記山部の2つの側部との間に線接触または面接触が形成されるように構成されている。
【0023】
任意選択で、前記第1ガイド面は前記第1ガイド面が形成されている前記端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記第1ガイド面の前記谷部に設けられ、
前記第1合わせ面の前記山部は前記第1ガイド面の前記谷部と対応するように構成されており、前記第1合わせ面の前記谷部は前記第1ガイド面の前記山部に対応するように構成されており、
前記第1合わせ面には第1収容溝がさらに設けられており、前記第1収容溝は前記第1ガイド面の前記山部を収容するように構成されている。
【0024】
任意選択で、伝達アセンブリは第3伝達ディスクをさらに備え、前記第1伝達ディスク、前記第2伝達ディスク、および前記第3伝達ディスクは順に連結されており、
前記第2伝達ディスクは前記第3端部に対向する第4端部をさらに有し、前記第3伝達ディスクは前記第4端部と向かい合って配置されている第5端部を有し、
前記第4端部の端面および前記第5端部の端面の一方は、その端面に形成されている第2ガイド面を有し、前記第4端部の前記端面および前記第5端部の前記端面の他方には第4係合コンポーネントが設けられ、前記第2ガイド面には少なくとも1つの第3係合コンポーネントが設けられ、前記第4係合コンポーネントは前記第3係合コンポーネントと係合可能に構成され、
前記第4係合コンポーネントは、前記第4係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記第2ガイド面に沿ってスライドして、前記第2伝達ディスクと前記第3伝達ディスクとの間のトルクの伝達を可能にするように構成される。
【0025】
任意選択で、前記第1係合コンポーネントは前記第3係合コンポーネントと同一の形状およびサイズを有し、前記第2係合コンポーネントは前記第4係合コンポーネントと同一の形状およびサイズを有し、前記第1ガイド面は前記第2ガイド面と同一の形状を有する。
【0026】
任意選択で、前記伝達アセンブリは相互に係合する少なくとも2つの第2伝達ディスクを含み、その一方は前記第1伝達ディスクと係合され、他方は前記第3伝達ディスクと係合される。
【0027】
任意選択で、前記第4係合コンポーネントおよび前記第2係合コンポーネントは、前記伝達アセンブリの円周方向に沿って交互に配置されている。
【0028】
上記の目的を達成するために、本開示は、手術ロボット用の手術器具システムであって、第1ボックス体と前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構とを含み、前記第1ボックス体には少なくとも1つの出力穴が設けられている、駆動力ボックスと、
器具軸と器具端末と器具ボックスとを含む手術器具であって、前記器具ボックスは第2ボックス体と伝達モジュールとを含み、前記伝達モジュールは前記第2ボックス体内に配置されると共に、前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体には少なくとも1つの入力穴が設けられている、手術器具と、
上記で定義されている前記伝達アセンブリと、を備え、
前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクが前記第2伝達ディスクと係合するときに、前記駆動機構により与えられる駆動力は前記伝達アセンブリによって前記伝達モジュールに伝達され、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かす、手術器具システムを提供する。
【0029】
上記の目的を達成するために、本開示は、手術ロボット用の手術器具システムであって、第1ボックス体と前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構とを含み、前記第1ボックス体には少なくとも1つの出力穴が設けられている、駆動力ボックスと、
少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
器具軸と器具端末と器具ボックスとを含む手術器具であって、前記器具ボックスは第2ボックス体と伝達モジュールとを含み、前記伝達モジュールは前記第2ボックス体内に配置されると共に、前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体には少なくとも1つの入力穴が設けられている、手術器具と、
上記で定義されている前記伝達アセンブリと、を備え、
前記駆動力ボックス、前記滅菌プレート、および前記器具ボックスは、順に配置され、
前記第1伝達ディスクは、前記出力穴内に設けられ、前記第2端部と対向する第1端部をさらに含み、前記第1伝達ディスクの前記第1端部は前記駆動機構に連結されており、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に設けられ、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に設けられ、前記第5端部に対向する第6端部をさらに含み、前記第3伝達ディスクの前記第6端部は前記伝達モジュールに連結されており、
前記第1伝達ディスク、前記第2伝達ディスク、および前記第3伝達ディスクが順に係合されると、前記駆動機構により与えられる駆動力は、前記伝達アセンブリによって前記伝達モジュールに伝達され、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かす、手術器具システムをさらに提供する。
【0030】
任意選択で、手術器具システムは、少なくとも1つの位置補正マグネットセットをさらに備え、
前記第3伝達ディスクはゼロ位置を有し、前記位置補正マグネットセットは前記第3伝達ディスクの前記ゼロ位置への到達を支援するように構成されている。
【0031】
任意選択で、前記位置補正マグネットセットは、第1マグネットと第2マグネットとを含み、前記第1マグネットは前記第3伝達ディスクに配置され、前記第2マグネットは前記器具ボックスに配置され、前記第1マグネットおよび前記第2マグネットは相互に引き付け合い、前記第3伝達ディスクの前記ゼロ位置への到達を支援するように構成されている。
【0032】
任意選択で、手術器具システムは、少なくとも1つのずれ防止マグネットセットをさらに備え、
前記伝達アセンブリは最悪位置を有し、前記ずれ防止マグネットセットは前記伝達アセンブリが前記最悪位置に到達することを防止するように構成されている。
【0033】
任意選択で、前記ずれ防止マグネットセットは第3マグネットと第4マグネットとを含み、前記第3マグネットは前記第2伝達ディスクに設けられ、前記第4マグネットは前記滅菌プレートに設けられ、前記第3マグネットおよび前記第4マグネットは、反発力の作用下で前記伝達アセンブリを前記最悪位置から離すように、互いに反発するように配置されている。
【0034】
任意選択で、手術器具システムは、前記第3伝達ディスクの回転範囲を制限するように構成されている円周方向リミッタをさらに備える。
【0035】
任意選択で、前記円周方向リミッタは前記第3伝達ディスクの円周側壁に設けられている制限突起と、前記入力穴の内壁に設けられているスライド溝とを含み、前記制限突起は前記スライド溝内に設けられると共に、前記スライド溝に沿って移動可能である。
【0036】
任意選択で、手術器具システムは、前記第2伝達ディスクが前記滅菌プレートから脱落することを防止するように構成されている軸方向リミッタをさらに備える。
【0037】
任意選択で、前記滅菌プレートが滅菌基板と滅菌カバーとを含み、前記滅菌基板は前記駆動力ボックスに連結され、前記滅菌基板には第1貫通孔が設けられ、前記滅菌カバーには第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は前記第1貫通孔と共に前記伝達穴を構成し、前記軸方向リミッタは前記第2伝達ディスクの円周側壁に設けられている制限カラーを含み、前記第1貫通孔に近い前記第2貫通孔の部分は前記第1貫通孔から離れている前記第2貫通孔の部分の内径および前記第1貫通孔の内径のそれぞれよりも大きな内径を有し、前記制限カラーの外径と一致する。
【0038】
上記の目的を達成するために、本開示は、上記で定義されている前記手術器具システムを備える手術ロボットをさらに提供する。
【0039】
任意選択で、手術ロボットは、ロボットアームをさらに備え、前記駆動力ボックスが前記ロボットアームの端末に固定され、前記器具ボックスが前記駆動力ボックスに脱着可能に取り付けられている。
【0040】
上記の目的を達成するために、本開示は、上記で定義されている前記手術器具システムを備える手術ロボットをさらに提供する。
【0041】
任意選択で、手術ロボットは、ロボットアームをさらに備え、前記駆動力ボックスが前記ロボットアームの端末に固定され、前記滅菌プレートが前記駆動力ボックスに脱着可能に設けられ、前記器具ボックスが前記滅菌プレートに脱着可能に取り付けられている。
【0042】
上記の目的を達成するために、本開示は、手術器具用の駆動アセンブリをさらに提供し、手術器具用駆動アセンブリは、
少なくとも1つの出力穴が設けられている第1ボックス体と、
前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構と、
第2係合コンポーネントを含む第2伝達ディスク、または第4係合コンポーネントを含む第3伝達ディスクと係合するように構成されている第1伝達ディスクであって、前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記駆動機構に連結され、他方はその端面に形成されているガイド面を有し、前記ガイド面には少なくとも1つの第1係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面は前記第1係合コンポーネントと係合するまで、前記第2伝達ディスクの前記第2係合コンポーネント、または前記第3伝達ディスクの前記第4係合コンポーネントが前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成されている第1伝達ディスクと、を備える。
【0043】
任意選択で、前記第1伝達ディスクの前記ガイド面は、対応する端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記ガイド面の前記谷部に設けられている。
【0044】
任意選択で、前記第1伝達ディスクの前記ガイド面には、前記ガイド面に中心対称的に配置されている少なくとも2つの第1係合コンポーネントが設けられている。
【0045】
上記の目的を達成するために、本開示は手術器具用の駆動アセンブリをさらに提供し、手術器具用駆動アセンブリは、
少なくとも1つの出力穴が設けられている第1ボックス体と、
前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構と、
第1ガイド面と第1係合コンポーネントとを含む第2伝達ディスク、または第2ガイド面と、第3係合コンポーネントとを含む第3伝達ディスクと係合するように構成される第1伝達ディスクであって、前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記駆動機構に連結され、他方はその端面に形成されている少なくとも1つの第2係合コンポーネントを有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1係合コンポーネントと係合するまで、前記第1ガイド面に沿って動くように構成され、または前記第3係合コンポーネントと係合するまで、前記第2ガイド面に沿って動くように構成されている第1伝達ディスクと、を備える。
【0046】
任意選択で、前記第1伝達ディスクの他方の前記端部の端面には、第1合わせ面が形成されており、前記第1合わせ面は、前記端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に配置されている。
【0047】
上記の目的を達成するために、本開示は、滅菌アセンブリであって、少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
第1伝達ディスクおよび第3伝達ディスクと係合するように構成されている少なくとも1つの第2伝達ディスクであって、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、少なくとも1つの前記端部の端面にはガイド面が設けられ、前記第2伝達ディスクの2つの前記端部のそれぞれの端面には少なくとも1つの係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面および前記係合コンポーネントは、前記第2伝達ディスクと前記第1および第3伝達ディスクのそれぞれとの係合を可能にするように構成されている第2伝達ディスクと、を備える滅菌アセンブリをさらに提供する。
【0048】
任意選択で、前記第2伝達ディスクの前記ガイド面は対応する前記端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記ガイド面に設けられている前記係合コンポーネントは前記ガイド面の前記谷部に配置されている。
【0049】
任意選択で、前記第2伝達ディスクの2つの前記端部のそれぞれは、それぞれの端面に形成されているガイド面を有し、各ガイド面には少なくとも1つの係合コンポーネントが設けられ、前記係合コンポーネントは凹部である。
【0050】
任意選択で、前記第2伝達ディスクの前記端部の一方のみがその端面に形成されているガイド面を有しており、前記ガイド面に設けられている前記係合コンポーネントは凹部であり、他方の前記端部の端面に設けられている前記係合コンポーネントは凸部である。
【0051】
任意選択で、滅菌アセンブリは、少なくとも1つのずれ防止マグネットセットをさらに備え、
前記伝達アセンブリは最悪位置を有し、前記ずれ防止マグネットセットは前記伝達アセンブリが前記最悪位置に到達することを防止するように構成されている。
【0052】
任意選択で、前記滅菌アセンブリは積層されている少なくとも2つの滅菌プレートを備え、少なくとも2つの前記滅菌プレートの前記伝達穴は互いに整列し、各前記伝達穴内に1つの伝達ディスクが設けられている。
【0053】
任意選択で、滅菌アセンブリは、前記伝達ディスクが前記伝達穴から脱落することを防止するように構成されている軸方向リミッタをさらに備える。
【0054】
任意選択で、前記滅菌プレートは、滅菌基板と滅菌カバーとを含み、前記滅菌基板は駆動力ボックスを連結するように構成され、前記滅菌基板には第1貫通孔が設けられ、前記滅菌カバーには第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は前記第1貫通孔と共に前記伝達穴を構成し、前記軸方向リミッタは、前記第2伝達ディスクの円周側壁に設けられている制限カラーを含み、前記第1貫通孔に近い前記第2貫通孔の部分は前記第1貫通孔から離れている前記第2貫通孔の部分の内径および前記第1貫通孔の内径のそれぞれよりも大きな内径を有し、前記制限カラーの外径と一致する。
【0055】
上記の目的を達成するために、本開示は滅菌アセンブリをさらに提供し、滅菌アセンブリは、
少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
第1ガイド面と、第1係合コンポーネントとを含む第1伝達ディスクおよび第2ガイド面と、第3係合コンポーネントとを含む第3伝達ディスクと係合するように構成されている少なくとも1つの第2伝達ディスクであって、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、各端部がそれぞれの端面に形成されている少なくとも1つの係合コンポーネントを有し、前記係合コンポーネントは、前記第2伝達ディスクと前記第1および第3伝達ディスクのそれぞれとの係合を可能にするように構成されている第2伝達ディスクと、を備える。
【0056】
任意選択で、前記第2伝達ディスクの対向する2つの前記端部はそれぞれの端面に形成されている合わせ面を有し、前記合わせ面には、対応する前記端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部が設けられ、前記係合コンポーネントのそれぞれは対応する合わせ面の山部に設けられている。
【0057】
上記の目的を達成するために、本開示は、器具軸と器具端末とを備える手術器具用の器具ボックスアセンブリをさらに提供し、前記手術器具用の器具ボックスアセンブリは、
第2ボックス体と前記第2ボックス体内に配置されている伝達モジュールとを含む器具ボックスであって、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体は前記第2ボックス体に設けられている少なくとも1つの入力穴を有する、器具ボックスと、
第2係合コンポーネントを含む第1伝達ディスクまたは第4係合コンポーネントを含む第2伝達ディスクと係合するように構成されている第3伝達ディスクであって、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第3伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記伝達モジュールに連結され、他方はその端面に形成されているガイド面を有し、前記ガイド面には少なくとも1つの第3係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面は前記第1伝達ディスクの前記第2係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成され、または前記第2伝達ディスクの前記第4係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成されている、第3伝達ディスクとを備える。
【0058】
任意選択で、前記第3伝達ディスクの前記ガイド面は、対応する前記端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第3係合コンポーネントが前記ガイド面の前記谷部に設けられている。
【0059】
任意選択で、前記伝達モジュールは回転部材、可撓性部材、および一群のガイドプーリを含み、前記一群のガイドプーリは前記可撓性部材の伸長方向を変化させるように構成され、前記回転部材は、前記可撓性部材を介して前記器具端末を駆動して回転させるように構成されており、前記回転部材は前記第3伝達ディスクと脱着可能に連結されているまたは一体的に形成されている。
【0060】
任意選択で、前記手術器具は少なくとも1つの位置補正マグネットセットをさらに含み、
前記第3伝達ディスクは、ゼロ位置を有し、前記位置補正マグネットセットは前記第3伝達ディスクの前記ゼロ位置への到達を支援するように構成されている。
【0061】
任意選択で、前記手術器具は、前記第3伝達ディスクの回転範囲を抑制するように構成されている円周方向リミッタをさらに含む。
【0062】
上記の目的を達成するために、本開示は、器具軸と器具端末とを備える手術器具用の器具ボックスアセンブリをさらに提供し、手術器具用の器具ボックスアセンブリは、
第2ボックス体と前記第2ボックス体内に配置されている伝達モジュールとを含む器具ボックスであって、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記器具ボックスは前記器具ボックスに設けられている少なくとも1つの入力穴を有する器具ボックスと、
第1ガイド面と第1係合コンポーネントとを含む第1伝達ディスクまたは第2ガイド面と第3係合コンポーネントとを含む第2伝達ディスクと係合するように構成されている第3伝達ディスクであって、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第3伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記伝達モジュールに連結され、他方はその端面に形成されている少なくとも1つの第4係合コンポーネントを有し、前記第4係合コンポーネントは、前記第1伝達ディスクの前記第1係合コンポーネントと係合するまで前記第1ガイド面に沿って動くように構成され、または前記第2伝達ディスクの前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記第2ガイド面に沿って動くように構成されている第3伝達ディスクと、を備える。
【0063】
任意選択で、対向する2つの前記端部の他方は、その端面に形成されている第1合わせ面を有し、前記第1合わせ面は対応する端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第4係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に設けられている。
【0064】
先行技術と比較して、本開示に記載の伝達アセンブリ、駆動アセンブリ、および滅菌アセンブリ、手術器具、手術器具システム、および手術ロボットは、以下の利点を有する。
【0065】
第1に、手術器具用の伝達アセンブリは、少なくとも第1伝達ディスクと、第2伝達ディスクとを含む。第1伝達ディスクは第2端部を有し、第2伝達ディスクは第2端部と向かい合って配置されている第3端部を有する。第2端部または第3端部は、第2端部または第3端部の端面に形成されている第1ガイド面を有し、第1ガイド面に少なくとも1つの第1係合コンポーネントが設けられている。さらに、第2端部または第3端部の他方の端面には、第1係合コンポーネントに係合可能な第2係合コンポーネントが設けられている。第2係合コンポーネントは、第1係合コンポーネントと係合するまで第1ガイド面に沿って動いて、第1伝達ディスクと第2伝達ディスクとの間のトルク伝達を可能にするように構成されている。第1ガイド面のガイド機能および第1と第2係合コンポーネント間の係合構成は、係合の異常の発生を回避することを可能にする。さらに、第1ガイド面および第2係合コンポーネントの組み合わせは、追加の制御プログラムを用意することなく迅速な係合の達成を可能にする。
【0066】
第2に、伝達アセンブリは、第3伝達ディスクをさらに含む。第1伝達ディスク、第2伝達ディスク、および第3伝達ディスクは順に連結されている。第2伝達ディスクは第3端部に対向する第4端部をさらに有し、第3伝達ディスクは第4端部と向かい合って配置されている第5端部を有する。第4端部または第5端部は、第4端部または第5端部の端面に形成されている第2ガイド面を有し、第2ガイド面に少なくとも1つの第3係合コンポーネントが設けられている。さらに、第4端部または第5端部の他方の端面には、第3係合コンポーネントと係合可能な第4係合コンポーネントが設けられている。第4係合コンポーネントは、第4係合コンポーネントが第3係合コンポーネントと係合するまで第2ガイド面に沿ってスライドして、第2伝達ディスクと第3伝達ディスクとの間のトルク伝達を可能にするように構成されている。第2ガイド面のガイド機能および第3と第4係合コンポーネントとの間の係合構成は、手術ロボットシステム全体を消毒する必要のないように、手術器具システムに滅菌プレートを装着して、手術器具から駆動アセンブリを分離することを可能する。
【0067】
第3に、第1および第2合わせ面を設け、第1および第2合わせ面にそれぞれ第2および第4係合コンポーネントを配置することによって、伝達中の第2と第4係合コンポーネントとの間の応力状況を改善し、伝達ディスクの構造強度を強化して、使用寿命を延ばすことを可能にする。
【0068】
第4に、第2係合コンポーネントに接続され、第2係合コンポーネントの外周に配置されている第1遮蔽壁は、伝達中の第2係合コンポーネントの応力状況を改善するのみならず、伝達アセンブリ全体の軸方向サイズを縮小することも可能にし、その結果、軸方向サイズの利用率を増加させ、さらに伝達アセンブリの重量を減少させることを可能にする。同様に、第4係合コンポーネントに接続され、第4係合コンポーネントの外周に配置されている第2遮蔽壁は、伝達中の第4係合コンポーネントの応力状況を向上させることを可能にし、その結果、軸方向サイズの利用率を増加させ、さらに伝達アセンブリの重量を減少させることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】本開示の実施形態による動作中の手術ロボットを概略的に示す。
図2a】本開示の実施形態による手術器具システムの構造概略図である。
図2b】分解された図2aの手術器具システムを概略的に示す。
図2c図2aの手術器具システムの概略分解図であるが、いくつかの要素は不図示である。
図3】滅菌基板、滅菌基板と位置補正マグネットセットが分解されている図2aの手術器具システムを概略的に示す。
図4】本開示の実施形態による滅菌アセンブリの部分断面図である。
図5a】本開示の実施形態1による伝達アセンブリの構造概略図である。
図5b】一方向からの図5aの伝達アセンブリの第1伝達ディスクの構造概略図である。
図5c】別の方向からの図5bの第1伝達ディスクの構造概略図である。
図5d】一方向からの図5aの伝達アセンブリの第2伝達ディスクの構造概略図である。
図5e】別の方向からの図5dの第2伝達ディスクの構造概略図である。
図5f】一方向からの図5aの伝達アセンブリの第3伝達ディスクの構造概略図である。
図5g】別の方向からの図5fの第3伝達ディスクの構造概略図である。
図6a】交差線が仮想の切断面によって得られる、実施形態1による遷移面によって接続されているガイド部のくさび面を概略的に示す。
図6b】交差線が仮想の切断面によって得られる、実施形態1による遷移面によって接続されているガイド部のくさび面を概略的に示す。
図7a図5aの伝達アセンブリの変形例の概略分解図である。
図7b】別の方向からの図7aの伝達アセンブリの概略分解図である。
図7c図5aの伝達アセンブリの別の変形例の概略分解図である。
図7d】別の方向からの図7cの伝達アセンブリの概略分解図である。
図7e図5aの伝達アセンブリのさらなる変形例の概略分解図である。
図7f】別の方向からの図7eの伝達アセンブリの概略分解図である。
図7g図5aの伝達アセンブリのさらなる変形例の概略分解図である。
図7h】別の方向からの図7gの伝達アセンブリの概略分解図である。
図8a】本開示の実施形態2による伝達アセンブリの構造概略図である。
図8b】一方向からの図8aの伝達アセンブリの第1伝達ディスクの構造概略図である。
図8c】別の方向からの図8bの第1伝達ディスクの構造概略図である。
図8d】一方向からの図8aの伝達アセンブリの第2伝達ディスクの構造概略図である。
図8e】別の方向からの図8dの第2伝達ディスクの構造概略図である。
図8f】一方向からの図8aの伝達アセンブリの第3伝達ディスクの構造概略図である。
図8g】別の方向からの図8fの第3伝達ディスクの構造概略図である。
図9a】本開示の実施形態3による伝達アセンブリの構造概略図である。
図9b図9aの伝達アセンブリの概略分解図である。
図10】本開示の実施形態4による伝達アセンブリの構造概略図である。
図11】本開示の実施形態による駆動ボックスの構造概略図である。
図12】本開示の実施形態による滅菌アセンブリの構造概略図である。
図13図12の滅菌アセンブリの伝達ディスクの構造概略図であり、伝達ディスクの2つの端面がそれぞれガイド面として形成されている。
図14図12の滅菌アセンブリの伝達ディスクの構造概略図であり、伝達ディスクの一方の端面がガイド面として形成され、伝達ディスクの他方の端面が合わせ面として形成されている。
図15図12の滅菌アセンブリの伝達ディスクの構造概略図であり、伝達ディスクの一方の端面がガイド面として形成され、伝達ディスクの他方の端面はその上に形成されている遮蔽壁を有する。
図16】2つの滅菌プレートが配置されている、本開示の実施形態による滅菌アセンブリの構造概略図である。
図17】本開示の実施形態による手術器具の構造概略図である。
図18図17のセクションAの概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本開示の目的、利点、および特徴をより明確にするために、以下において、本開示中で提案される伝達アセンブリ、手術器具システム、手術ロボット、駆動アセンブリ、滅菌アセンブリ、および手術器具は、図面と併せて非常に詳細に説明されている。なお、図面は本開示の実施形態をより便利にかつより明確に説明するように役立つ目的のみのためであり、必ずしも正確な縮尺で描かれていない非常に簡単化された形態で提供されている。
【0071】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つ」、「1個」、および「該」は複数の指示対象を含み、「複数の」という句は、文脈において他を明示していない限り、「2以上」を含む意味で使用される。本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「または」という用語は、文脈において他を明示していない限り、通常「および/または」の意味を含む。さらに、「取り付ける」、「接続」、「連結」という用語は、広い意味で解釈されるべきである。例えば、接続は、固定された、取り外し可能な、もしくは一体的な接続、または機械的もしくは電気的な接続、1以上の介在要素との直接的もしくは間接的な接続、または2つの個別の要素間の内部通信もしくは相互作用であってもよい。当業者であれば特定の状況に応じて、本明細書中における上記の用語の特定の意味を理解できる。添付の図面全体を通して、同じまたは同様の参照番号は、同じまたは同様の要素を指している。
【0072】
図1は、本開示の実施形態による動作中の手術ロボットを概略的に示している。図1に示されるように、手術ロボットは、制御ステーションと、エフェクタステーションとを含む。制御ステーションは、マスターマニピュレータが設けられている外科医コンソール10を含み、その一方、エフェクタステーションは、外科手術用カート20、患者側カート30、およびその他の機器を含む。患者は、手術のために外科手術用カート20の上に横たわっている。患者側カート30には、手術器具システムを取り付けるためのロボットアーム(図面には示されていない)が設けられている。ロボットアームおよび手術器具システムのそれぞれは、マスターマニピュレータとの所定のマッピング関係を有して、それらの間と各ロボットアームにマスタースレーブ関係が形成される。ロボットアームおよび手術器具システムのそれぞれは、マスターマニピュレータの動きにあわせてさまざまな方向に向かって動き、手術作業を完成させる。
【0073】
図2aおよび2bに示されるように、各手術器具システムは、駆動アセンブリ100と、滅菌アセンブリ200と、手術器具300とを含む。手術器具300は、器具ボックスアセンブリと、器具ボックスアセンブリに連結される器具端末310とを含む。器具ボックスアセンブリには、伝達インターフェースが設けられている。駆動アセンブリ100は、手術器具300を駆動するように構成されている。滅菌アセンブリ200は、滅菌バッグの両側(例えば、滅菌側および非滅菌側)に配置されている駆動アセンブリ100および器具ボックスアセンブリの伝達インターフェースのために駆動力伝達媒体を提供するように構成されている。器具ボックスアセンブリに配置されている伝達インターフェースは、駆動アセンブリ100から伝達されるトルクを受け、器具端末310の様々なジョイントを駆動して動かす。手術器具300は、器具軸320をさらに含む。器具軸320が器具ボックスアセンブリに回転可能に連結される場合、器具ボックスアセンブリに配置される伝達インターフェースは、駆動アセンブリ100から伝達されるトルクを受け、器具軸320を駆動してその軸上で回転させる。
【0074】
概して、駆動アセンブリ100および滅菌アセンブリ200の両方には伝達インターフェースが設けられる。駆動アセンブリ100および滅菌アセンブリ200の伝達インターフェースは器具ボックスアセンブリの伝達インターフェースと一致する。これらの伝達インターフェースは、互いに接続されて、駆動アセンブリ100によって与えられる駆動力を器具端末310に伝達することで伝達アセンブリを形成し、こうして、器具端末310に様々な動作を実行させる。さらに、駆動アセンブリ100は、駆動力ボックスと、駆動力ボックスに配置されている伝達ディスクとを含む。駆動力ボックスはロボットアーム端末に固定されている。例えば、ロボットアーム端末は可動ジョイントを含み、駆動力ボックスは可動ジョイントの動きと共に動くように可動ジョイント上に配置されている。滅菌アセンブリ200は、滅菌バッグに配置され、駆動アセンブリ100に脱着可能に連結されている。さらに、滅菌アセンブリ200は、滅菌プレートと、滅菌プレートに設けられている伝達ディスクとを含む。滅菌プレートは、駆動力ボックスに脱着可能に配置されている。手術器具300は、器具ボックスアセンブリを介して滅菌アセンブリ200に脱着可能に連結されている。さらに、器具ボックスアセンブリは、器具ボックスと、器具ボックスに設けられている伝達ディスクとをさらに含み、器具ボックスは滅菌プレートに脱着可能に連結されている。他の実施形態では、手術ロボットは特別な方法(例えば、オゾン滅菌、過酸化水素滅菌等)を使用して、全体的に滅菌されてもよい。この場合、手術器具システムは、駆動アセンブリ100と、手術器具300とを含んでもよい。従って、伝達アセンブリは、駆動アセンブリ100によって与えられる駆動力が器具端末310に直接伝達されるように、駆動アセンブリ100の伝達インターフェースを器具ボックスアセンブリの対応する伝達インターフェースと接続することによって構成されている。
【0075】
本開示の実施形態の第1目的は、手術ロボットの手術器具システムでの使用に適した伝達アセンブリ1000を提供することである。図5aから5gに示されるように、本開示の実施形態で提供される伝達アセンブリ1000は、順に配置される第1伝達ディスク1100と、第2伝達ディスク1200と、第3伝達ディスク1300とを含む。第1伝達ディスク1100は、第1端部と、第1端部の反対側の第2端部とを有する。第2伝達ディスク1200は、第3端部と、第3端部の反対側の第4端部とを有する。第3端部と第2端部とは、向かい合うように配置されている。第3伝達ディスク1300は、第5端部と、第5端部の反対側の第6端部とを有する。第5端部と第4端部とは向かい合うように配置されている。
【0076】
第2端部の端面および第3端部の端面のうちの一方に第1ガイド面1010が設けられている。第1ガイド面1010に第1係合コンポーネント1020が設けられ、第2端部の端面および第3端部の端面のうちの他方に第2係合コンポーネント1030が設けられている。第4端部の端面および第5端部の端面のうちの一方に第2ガイド面1040が設けられている。第2ガイド面1040に第3係合コンポーネント1050が設けられ、第4端部の端面および第5端部の端面のうちの他方に第4係合コンポーネント1060が設けられている。
【0077】
第2係合コンポーネント1030は、第1と第2伝達ディスクとの間のトルク伝達を達成するように、第1係合コンポーネント1020と係合するまで第1ガイド面1010に沿ってスライドするように構成されている。第4係合コンポーネント1060は、第2と第3伝達ディスクとの間のトルク伝達を達成するように、第3係合コンポーネント1050と係合するまで第2ガイド面1040に沿ってスライドするように構成されている。
【0078】
第2係合コンポーネント1030のスライド方向をガイドするように第1ガイド面1010を構成することで、第2係合コンポーネント1030は、第1係合コンポーネント1020に対応する位置に正確に動くことができ、第1係合コンポーネント1020と係合することができ、このようにして、第1伝達ディスク1100と、第2伝達ディスク1200との間の不整列によって引き起こされる連結異常を回避できる。同様に、第4係合コンポーネント1060の動きをガイドするように第2ガイド面1040を構成することで、第4係合コンポーネント1060と、第3係合コンポーネント1050との間の素早い係合が達成でき、その結果、第2伝達ディスク1200と、第3伝達ディスク1300との間の接続を達成する。
【0079】
実際の使用では、図2bに示されるように、第1伝達ディスク1100は、駆動アセンブリ100の伝達インターフェースに配置され、第1伝達ディスクの第1端部は、駆動機構に連結されている。第2伝達ディスク1200は、滅菌アセンブリ200の伝達インターフェースに配置されている。第3伝達ディスク1300は、器具ボックスアセンブリの伝達インターフェースに配置されており、伝達機構を介して器具端末310に連結されている。つまり、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300は互いに係合して、伝達アセンブリ1000を作り上げ、駆動機構により与えられる駆動力を器具端末310に伝達して、器具端末310の動きを制御する。
【0080】
さらに、第1係合コンポーネント1020は凹部であってもよく、第2係合コンポーネント1030は凹部に合致する凸部であってもよい。第3係合コンポーネント1050は凹部であってもよく、第4係合コンポーネント1060は凹部に合致する凸部であってもよい。
【0081】
さらに、第1ガイド面は、第1ガイド面が形成されている端部の端面に沿って円周方向に分布する少なくとも1つの山部と、少なくとも1つの谷部とを有する。第2ガイド面は、第2ガイド面が形成されている端部の端面に沿って円周方向に分布する少なくとも1つの山部と、少なくとも1つの谷部とを有する。さらに、第1係合コンポーネント1020は、第1ガイド面1010の谷部に設けられ、第3係合コンポーネント1050は、第2ガイド面1040の谷部に設けられる。つまり、第2係合コンポーネント1030は、第2係合コンポーネントが第1係合コンポーネント1020と係合するまで、山部から谷部への方向に沿って第1ガイド面1010上でスライド可能であってもよい。このプロセス、すなわち、第1ガイド面の山部における相互的な交互配列構成から第1ガイド面の谷部における相互係合構成へとスライドするプロセスにおいて、伝達アセンブリ1000の軸方向のサイズは徐々に減少する。すなわち、第1ガイド面1010の山部と谷部との間の軸方向の位置変化は、第1係合コンポーネント1020と第2係合コンポーネント1030との係合による伝達アセンブリ1000の軸方向の寸法変化を補償することを可能にする。同様に、第4係合コンポーネント1060は、第4係合コンポーネントが第3係合コンポーネント1050と係合するまで、山部から谷部への方向に沿って第2ガイド面1040上でスライド可能である。第2ガイド面1040の山部と谷部との間の軸方向の位置変化は、第3係合コンポーネント1050と第4係合コンポーネント1060との係合による伝達アセンブリ1000の軸方向の寸法変化を補償することを可能にする。
【0082】
さらに、1以上の第1係合コンポーネント1020が第1ガイド面1010上に設けられていてもよい。好適には、少なくとも2つの第1係合コンポーネント1020が、対応する端面上に中心対称的に配置されている。同様に、1以上の第3係合コンポーネント1050が第2ガイド面1040上に設けられていてもよい。好適には、少なくとも2つの第3係合コンポーネント1050が、対応する端面上に中心対称的に配置されている。
【0083】
さらに、第1ガイド面1010と第2ガイド面1040の形状およびサイズは、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。第1ガイド面1010と第2ガイド面1040上の山部および谷部の数は、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。第1係合コンポーネント1020と第3係合コンポーネント1050の数、形状、およびサイズは、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。第2係合コンポーネント1030は、第1係合コンポーネント1020の数と対応する数だけ設けられてもよい。つまり、第2係合コンポーネント1030の数は、第1係合コンポーネント1020の数と同じであってもよいし、同じでなくてもよい。後者の場合、第1係合コンポーネント1020の数は第2係合コンポーネント1030よりも多く、第2係合コンポーネント1030は少なくとも第1係合コンポーネント1020のいくつかと同じように配置されている。同様に、第4係合コンポーネント1060は、第3係合コンポーネント1050の数と対応する数だけ設けられてもよい。これらの態様の特定の構成は、実際のニーズに応じて決定されてもよい。
【0084】
以下、添付の図面を参照して、伝達アセンブリ1000の構造を詳細に説明する。以下の様々な実施形態では、第1ガイド面1010は第2ガイド面1040と同一である。従って、第1係合コンポーネント1020の数は第3係合コンポーネント1050の数と同じで、第1係合コンポーネント1020、第2係合コンポーネント1030、第3係合コンポーネント1050、および第4係合コンポーネント1060は各端面上にそれぞれ中心対称的に設けられている。しかしながら、本開示は、これらの配置に限定されない。さらに、説明を容易にするために、伝達アセンブリ1000の軸に直交する平面は、以下において「基準平面」と呼ばれる。
【0085】
ここから図5aから5gを参照する。図5aは、実施形態1による伝達アセンブリ1000の構造概略図である。図5bおよび5cは、第1伝達ディスク1100の構造概略図である。図5dおよび5eは、第2伝達ディスク1200の構造概略図である。図5fおよび5gは、第3伝達ディスク1300の構造概略図である。本実施形態では、基準平面上における第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300のそれぞれの投影は、円形状である。つまり、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300はそれぞれ、円形状の外周を有する。さらに、基準平面上における第1ガイド面1010および第2ガイド面1040のそれぞれの投影は、円形状である。代替的な実施形態では、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300は、5点形などの別の形状をとってもよい。これらの場合、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300毎に、基準平面上のその投影の半径は中心から縁部までの最長距離として定義され、一方で、その径は半径の2倍であると定義される。さらに、これらのディスクの特定の形状にかかわらず、各ディスクの回転によって占められるスペースは未だ、円柱、円すい台、または円すい状などの回転体の形状をとっている。従って、基準平面上の第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300のそれぞれの投影は、その中心および半径によって円形であると考えることができる。
【0086】
図5bに示されるように、本実施形態では、第1伝達ディスク1100の第1端部は、駆動機構に連結されてもよい。具体的には、第1端部には第1連結ポスト1110が設けられていてもよく、その中に駆動機構の出力軸を受けるように構成されている第1連結穴1120が第1連結ポスト1110に設けられてもよい。さらに、第1連結ポスト1110の側壁に、第1連結穴1120に連通するロック穴1130が設けられてもよい。ロック穴1130は、駆動機構の出力軸を第1伝達ディスク1100と同期して回転させるように構成されている。好適には、ロック穴1130の軸は、第1連結穴1120の軸に直交する。駆動機構、例えば、モータの出力軸は、第1連結穴1120に挿入され、モータの出力軸をロック穴1130にロックするためにロックファスナが使用される。
【0087】
図5cに示されるように、第1伝達ディスク1100の第2端部は、その端面に形成されている第1ガイド面1010を有する。第1ガイド面1010は、第2端部の円周に沿って配置されている2つの山部と2つの谷部とを有する。さらに、2つの山部は第1ガイド面1010の中心に対して互いに対称で、2つの谷部も第1ガイド面1010の中心に対して互いに対称である。各谷部には第1係合コンポーネント1020が1つ設けられている。好適には、軸方向に延びている第1位置決めピン1140が第2端部の端面の中央に設けられている。第1位置決めピン1140は、第1伝達ディスク1100が第2伝達ディスク1200と係合する際に、位置決めを容易にするように構成されている。さらに、基準平面上の第1ガイド面1010の円形状投影は、直径dを有する。すなわち、第1ガイド面1010の軸方向投影は、直径dを有する。さらに、第1ガイド面1010の山部から谷部までの軸方向距離はhであって、h≧1/10dの関係を満たす。
【0088】
さらに、第3端部の端面に第1合わせ面1001が形成され、第1合わせ面1001に第2係合コンポーネント1030が設けられる。本実施形態は、第1ガイド面1010に沿った第2係合コンポーネント1030の動きおよび第2係合コンポーネント1030と第1係合コンポーネント1020との係合を妨げない限りにおいて、第1合わせ面1001の特定形状に限定されない。言い換えると、第1合わせ面1001は、第1ガイド面1010に接触してもよいし、しなくてもよい。好適には、第2係合コンポーネント1030が第1係合コンポーネント1020と係合するときに、第1ガイド面1010が第1合わせ面1001に少なくとも部分的に当接する。
【0089】
図5dを参照すると、2つの第2係合コンポーネント1030が第2伝達ディスク1200の第3端部に配置される。好適には、2つの第2係合コンポーネント1030は、第3端部の端面の中央に対して対称的に配置されている。本実施形態では、第1合わせ面1001は、第3端部の円周に沿って配置されている2つの山部と2つの谷部とを有する。2つの山部のそれぞれに第2係合コンポーネント1030が1つ設けられている。さらに、第1ガイド面1010の山部を受けるための第1収容溝1002が谷部に設けられていてもよい。第1合わせ面1001は、実質的に第1ガイド面1010に当接できる。第1合わせ面1001を設けることによって、第2係合コンポーネント1030が伝達のために第1係合コンポーネント1020と係合する際に、第2係合コンポーネント1030の軸方向カンチレバーが過剰な長さとなることを回避でき、こうして、第2係合コンポーネント1030の応力状況を改善し、第2係合コンポーネント1030の使用寿命を延ばす。さらに、第1合わせ面1001も第2伝達ディスク1200の構造的強度を強化できる。
【0090】
図5dを引き続き参照すると、第2係合コンポーネント1030は、互いに連結されている第1駆動力伝達部1031と、第1ガイド部1032とを含んでもよい。第1ガイド部1032から離れている第1駆動力伝達部1031の端部は、第1合わせ面1001に連結され、第1駆動力伝達部1031は、第1係合コンポーネント1020と係合する際にトルクを伝達するように構成されている。本実施形態は、第1係合コンポーネント1020と係合するときに、円周接触(点接触、線接触、または面接触等)を形成できる限りにおいて、第1駆動力伝達部1031の特定形状に限定されない。好適には、基準平面上の第1駆動力伝達部1031の投影は、基準平面上の第1係合コンポーネントの投影の形状と一致する形状を有する。例えば、基準平面上の第1係合コンポーネント1020の投影が腎臓のような楕円体の形状を有する場合、基準平面上の第1駆動力伝達部1031の投影も腎臓のような楕円体の形状を有する。つまり、第1係合コンポーネント1020は、腎臓のような楕円体の形状の凹部である。ここで、腎臓のような楕円体の形状の凹部とは、2つの外側面および1つの遷移面からなり、開放端を有する凹部を指し、2つの外側面は互いに平行であり、凹部の開放端は第2伝達ディスク1200の軸から離れている側に配置されている。第1駆動力伝達部1031も、2つの外側面および1つの遷移面からなる。代替的には、基準平面上の第1係合コンポーネント1020の投影は扇形状を有する。この場合、扇状凹部も第2伝達ディスク1200の軸から離れている開放端を有する。基準平面上の第1駆動力伝達部1031の投影も扇形であるが、第1係合コンポーネント1020によって形成される扇の角度よりも僅かに小さな角度を有する。
【0091】
第1ガイド部1032は、第1ガイド面1010に接触して、第1ガイド面1010に沿ってスライド可能に構成されている。具体的には、第1ガイド部1032は、くさび状構造を有してもよく、2つのくさび面を含むことができる。2つのくさび面は、第1駆動力伝達部1031から離れている第1ガイド部1032の端部で接し、第1ガイド面1010と接触する交差線を形成する。代替的な構造では、2つのくさび面は第1駆動力伝達部1031から離れている端部で湾曲遷移面によって接続されている。つまり、線または面接触が第1ガイド部1032と第1ガイド面1010との間に形成できる。代替的には、第1ガイド部1032は、第1駆動力伝達部1031から離れている端部に頂点を有し、頂点と第1ガイド面1010との間に点接触が形成される。言い換えると、本実施形態は、第2伝達ディスク1200に軸方向外力がかかり、2つの第1ガイド部1032が第1ガイド面1010と接触する際に、2つの第1ガイド部1032に不均衡な力がかかることにより、2つの第1ガイド部1032が第1ガイド面1010に沿って動き、第1係合コンポーネント1020と係合できる限りにおいて、第1ガイド部1032の特定形状に限定されることはない。ここで、軸方向外力とは、軸方向に平行であって第2伝達ディスクに向けられる外力のみならず、軸方向に平行であって第2伝達コンポーネントに向けられる分力を有する外力も指す。さらに、くさび状構造の表面は、連続的な曲面であってもよい。
【0092】
さらに、第1位置決め穴1210が第2伝達ディスク1200の第3端部の中央に設けられている。第1位置決め穴1210は、第1伝達ディスク1100の第1位置決めピン1140と嵌合するように構成されており、第1伝達ディスク1100および第2伝達ディスク1200の同心配置を容易化する。第2伝達ディスク1200の第4端部および第3伝達ディスク1300の第5端部は同じように構造化されていてもよいため、その詳細な説明は省略する。
【0093】
図5eを参照すると、第2伝達ディスク1200の第4端部の端面は第2ガイド面1040を形成し、2つの山部および2つの谷部は、第4端部の円周に沿って、第2ガイド面1040に配置されている。さらに、第3係合コンポーネント1050は、第2ガイド面1040の谷部に設けられている。2つの第3係合コンポーネント1050は各谷部に設けられている。さらに、基準平面上の第2ガイド面1040の投影は、直径d’を有する円であり、第2ガイド面1040は、h’≧1/10d’を満たす山部から谷部までの軸方向距離h’を有する。
【0094】
図5fを参照して、第3伝達ディスク1300の第5端部の端面には、2つの第4係合コンポーネント1060が設けられている。好適には、第5端部の端面は第2合わせ面1003を形成し、2つの山部および2つの谷部が第5端部の円周に沿って第2合わせ面1003に配置されている。さらに、1つの第4係合コンポーネント1060が各山部に設けられ、第2ガイド面1040の山部を収容するための第2収容溝1004が各谷部に設けられてもよい。好適には、第4係合コンポーネント1060が第3係合コンポーネント1050に係合されると、第2ガイド面1040は第2合わせ面1003と少なくとも部分的に合致する。第2合わせ面1003を設け、第2合わせ面1003の山部に第4係合コンポーネント1060を構成することによって、伝達のために第4係合コンポーネント1060が第3係合コンポーネント1050と係合した際に、第4係合コンポーネント1060の軸方向カンチレバーが過剰な長さとなることを回避でき、こうして、第4係合コンポーネント1060の応力状況を改善し、第2係合コンポーネント1030の使用寿命を延ばす。さらに、第2合わせ面1003も第3伝達ディスク1300の構造的強度を強化できる。
【0095】
図5fを続けて参照すると、第4係合コンポーネント1060は第2係合コンポーネント1030と同様に構造化されていてもよい。第4係合コンポーネント1060は、互いに連結されている第2駆動力伝達部1061と、第2ガイド部1062とを含んでもよい。第2ガイド部1062から離れている第2駆動力伝達部1061の端部は、第2合わせ面に連結され、第2駆動力伝達部1061は、第3係合コンポーネント1050と係合する際にトルクを伝達するように構成されている。本実施形態は、第3係合コンポーネント1050と係合するときに、第3係合コンポーネント1050と円周接触(点接触、線接触、または面接触等)を形成できる限りにおいて、第2駆動力伝達部1061の特定形状に限定されない。好適には、基準平面上の第2駆動力伝達部1061の投影は、基準平面上の第1係合コンポーネントの投影の形状と一致する形状を有する。例えば、基準平面上の第1係合コンポーネント1020の投影が腎臓のような楕円体の形状を有する場合、軸に直交する第2駆動力伝達部1061の断面も腎臓のような楕円体の形状を有してもよい。代替的に、基準平面上の第1係合コンポーネント1020の投影が扇形を有する場合、軸に直交する第2駆動力伝達部1061の断面も扇形を有してもよい。
【0096】
第2ガイド部1062は、第2ガイド面1040と接触して、第2ガイド面1040に沿ってスライド可能に構成されている。具体的には、第2ガイド部1062は、くさび状構造を有してもよく、2つのくさび面を含むことができる。2つのくさび面は、第2駆動力伝達部1061から離れている第2ガイド部1062の端部で接し、第2ガイド面1040と接触する交差線を形成する。代替的な構造では、2つのくさび面は第2駆動力伝達部1061から離れている端部で湾曲遷移面によって接続されている。つまり、線または面接触が第2ガイド部1062と第2ガイド面1040との間に形成できる。代替的には、第2ガイド部1062は、第2駆動力伝達部1061から離れている端部に頂点を有し、頂点と第2ガイド面1040との間に点接触が形成される。言い換えると、本実施形態は、第3伝達ディスク1300に軸方向外力がかかり、2つの第2ガイド部1062が第2ガイド面1040と接触する際に、2つの第2ガイド部1062に不均衡な力がかかることにより、2つの第2ガイド部1062が第2ガイド面1040に沿って動き、第3係合コンポーネント1050と係合できる限りにおいて、第2ガイド部1062の特定形状に限定されることはない。同様に、くさび状構造の表面は、連続的な曲面であってもよい。
【0097】
本実施形態では、第1係合コンポーネント1020は、第3係合コンポーネント1050と同一である。従って、第2係合コンポーネント1030は、第4係合コンポーネント1060と同一であってもよい。他の実施形態では、第1係合コンポーネント1020は、第3係合コンポーネント1050と異なっていてもよい。従って、第2係合コンポーネント1030も第4係合コンポーネント1060と異なっていてもよい。
【0098】
図5gを参照すると、第3伝達ディスク1300の第6端部が、器具ボックスアセンブリの伝達モジュールに連結されて、トルクを伝送してもよい。具体的には、第2連結ポスト1310は第6端部に設けられていてもよく、第2連結ポスト1310には第2連結穴1320が設けられていてもよい。本実施形態は、伝達モジュールの特定の構造に限定されるものではない。例えば、伝達モジュールは、回転部材、可撓性部材、および一群のガイドプーリを含んでもよい。可撓性部材は、回転部材を器具端末410のジョイントに連結するように構成されている。一群のガイドプーリは、可撓性部材の伸長方向を変化させるように構成されている。回転部材は、可撓性部材を介して、器具端末410のジョイントを駆動して動かすように構成されている。第2連結穴1320は、脱着可能または固定的に回転部材に連結されて、伝達モジュールにトルクを伝達するように構成されている。
【0099】
本実施形態による伝達アセンブリ1000の使用方法例は、以下のように説明される。第1伝達ディスク1100の第2端部が第2伝達ディスク1200の第3端部と向かい合うように配置され、第2伝達ディスク1200の第4端部が第3伝達ディスク1300の第5端部と向かい合うように配置されている。続いて、第2係合コンポーネント1030は、第1係合コンポーネント1020内へとスライドして入り、第1係合コンポーネント1020と係合するまで第1ガイド面1010に沿ってスライドし、第4係合コンポーネント1060は、第3係合コンポーネント1050内へとスライドして入り、第3係合コンポーネント1050と係合するまで第2ガイド面1040に沿ってスライドする。第1伝達ディスク1100の第1端部が駆動機構に連結され、駆動機構が第1伝達ディスク1100を駆動して回転させる際に、第2伝達ディスク1200が第1伝達ディスク1100と共に回転するように、第2係合コンポーネント1030は第1係合コンポーネント1020と協働してトルクを伝達する。さらに、第3伝達ディスク1300が回転するように第4係合コンポーネント1060が第3係合コンポーネント1050と協働してトルクを伝達する。
【0100】
さらなる変形例では、図5cに示されるように、第1ガイド面1010は、第1ガイドサブ面1011と、第2ガイドサブ面1011’とを含む。第1ガイドサブ面1011および第2ガイドサブ面1011’は、山部で接し、2つの交差線を形成する。2つの交差線が基準平面上に投影され、第1投影線および第3投影線としてラベル付けされている投影線を得る。図5dに示されるように、第2係合コンポーネント1030は第1ガイド部1032を含み、各第1ガイド部1032は2つのくさび面を含む。2つのくさび面は接して交差線を形成する。交差線が基準平面上に投影され、第2投影線および第4投影線としてラベル付けられている投影線を得る。ガイド面およびくさび面の形状に応じて、第1から第4投影線は直線またはS字状、C字状、L字状、もしくは他の形状であってもよく、本実施形態では特に限定されない。第2係合コンポーネント1030が第1ガイド面1010と接触するときに、第1投影線が第2投影線と全体的にまたは部分的に一致し、第3投影線が第4投影線と全体的にまたは部分的に一致するように、第1、第2、第3、および第4投影線は構成されている。代替的には、第1投影線は第3投影線と同一線上にあり、第2投影線は第4投影線と同一線上にある。好適には、第1および第3投影線は同一線上にあり、伝達アセンブリ1000の軸と交差する。第1から第4投影線の構成は、上記の第1ガイド部1032のそれぞれが、第1ガイド面1010と接触する際に不均衡な力を受けることを達成すること可能にし、これは、第2係合コンポーネント1030を第1ガイド面に沿って動かし、第1係合コンポーネントと係合させ、こうして、第1伝達ディスクと第2伝達ディスクとの間のトルクの伝達を可能にする。同様に、第2ガイド面1040は、第5および第7投影線を有し、第2ガイド部1062は第6および第8投影線を有する。第5から第8投影線は、各第2ガイド部1062が第2ガイド面1040と接触する際に不均衡な力を受けるように、上記の投影線と同様に構成されている。
【0101】
加えて、ガイドサブ面が遷移面によって接続されている場合、2つのガイドサブ面の間にはっきりとした交差線は存在しない。同様に、ガイド部の2つのくさび面が遷移面によって接続されている場合、2つのくさび面の間にはっきりとした交差線は存在しない。これらの場合、交差線は以下のように定義される。遷移面は、一群の平坦または湾曲した仮想切断面によって切断され、一群の切断された交差線は、遷移面と一群の平坦または湾曲した仮想切断面との間に形成される。一群の切断交差線の特徴点のそれぞれを接続することで形成される接続線は交差線として定義される。例えば、特徴点は、伝達ディスクの軸方向の切断交差線の最も高い点である。図6aに示されるように(図6aの第2伝達ディスク1200を例示のための例として取り上げる)、平坦または湾曲した仮想切断面の数は、少なくとも2つである。図6aは、3つの湾曲した仮想切断面P1、P2、およびP3を示し、最も高い点は、第2伝達ディスク1200の軸方向に沿って第2伝達ディスク1200の中心から最も遠い交差線上の点を指す。
【0102】
他の例では、平坦な仮想切断面を伝達ディスクの軸に平行に配置してもよく、一群の湾曲した仮想切断面を同軸円筒面としてもよい。図6aに示されるように、第2係合コンポーネント1030の第1ガイド部1032は、2つのくさび面を含む。2つのくさび面は、遷移面によって接続されている。第2および第4投影線を得るために、伝達アセンブリ1000の軸に平行な平坦な仮想切断面を採用して、第1ガイド部1032を切断してもよい。図6bに示すように、平坦な仮想切断面は、第1ガイド部1032と切断交差線を形成し、切断交差線の最も高い点(すなわち、図6に示される点A)が取られる。切断面の数が少なくとも2つの場合、少なくとも2つの最も高い点を取ることができる。これらのすべての最も高い点は基準平面に投影されて投影点が得られ、投影点は第2または第4投影線を得るために接続される。一般的に、多く切断面を使用するほど、得られる第2または第4投影線の精度が高くなる。第4係合コンポーネント1060の第2ガイド部1062が同じように構成されている場合、対応する投影線は同じ方法を使用して得られる。同様に、第2ガイド面1040は第1ガイド面1010と同一に構成され、第4係合コンポーネント1060は第2係合コンポーネント1030と同一に構成される。
【0103】
さらに、本実施形態では、第1ガイド面1010は多数の湾曲面と、多数の平坦面、または1つの連続的な湾曲面とからなる。同様に第2ガイド面1040は多数の湾曲面と、多数の平坦面、または1つの連続的な湾曲面とからなる。第1合わせ面1001は多数の湾曲面と、多数の平坦面、または1つの連続的な湾曲面とからなる。第2合わせ面1003もこのように構成されている。実際に、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300のそれぞれについて、ユーザに対し損傷を与え得るいかなる鋭い接点をも回避するように、すべての交差面が互いにスムーズに移行することが好ましい。
【0104】
ここで、実施形態1の変形例の構造を概略的に示す図7aおよび7bを参照する。図7aおよび7bに示されるように、第1ガイド面1010は、第1伝達ディスク1100の第2端部に形成されている。第1ガイド面1010は、第2端部の円周方向に配置されている1つの山部と、1つの谷部とを有している。従って、1つの第1係合コンポーネント1020および1つの第2係合コンポーネント1030が設けられている。第2ガイド面1040が第2伝達ディスク1200の第4端部に形成されている。第2ガイド面1040は、第4端部の円周方向に配置されている1つの山部と、1つの谷部とを有している。従って、1つの第3係合コンポーネント1050および1つの第4係合コンポーネント1060が設けられている。さらに、本実施形態では、好適には、第1伝達ディスク1100の第2端面の中央に第1位置決めピン1140が設けられ、第1位置決めピン1140と嵌合する第1位置決め穴1210が第2伝達ディスク1200の第3端面の中央に設けられている。第2伝達ディスク1200の第4端面の中央に第2位置決めピン1220が設けられ、第2位置決めピン1220と嵌合する第2位置決め穴1330が第3伝達ディスク1300の第5端面の中央に設けられている。第1位置決めピン1140と第1位置決め穴1210との嵌合、および第2位置決めピン1220と第2位置決め穴1330との嵌合を通じて、第1係合コンポーネント1020が1つ、第2係合コンポーネント1030が1つ、第3係合コンポーネント1050が1つ、および第4係合コンポーネント1060が1つのみ構成される場合、伝達プロセスの安全性の確保が可能となる。
【0105】
実際に、第1ガイド面1010上の山部と谷部の数は、第1係合コンポーネント1020の数に応じて決定され、一方で、第1係合コンポーネントの数は、必要な耐障害性角度に応じて配置される。概して、より大きな耐障害性角度には、より少ない数の第1係合コンポーネントが必要となる。
【0106】
例えば、耐障害性角度が180°の場合、少なくとも2つの第1係合コンポーネント1020が必要となる。「耐障害性角度」は以下で詳細に説明される。さらに、第1係合コンポーネント1020の厚さ(トルク伝達の方向の寸法)は、トルクの大きさに関係する。より大きなトルクは、第1係合コンポーネント1020のより大きな厚さを必要とする。第1ガイド面1010を構成するための原理は、第2ガイド面1040にも適用される。さらに、2以上の第1係合コンポーネント1020、2以上の第2係合コンポーネント1030、2以上の第3係合コンポーネント1050、および2以上の第4係合コンポーネント1060が設けられる場合は、状況によっては第1位置決めピン1140および第2位置決めピン1220が設けられてもよい。
【0107】
ここで実施形態1の別の変形例の構造を概略的に示す図7cおよび7dを参照する。図7cおよび7dに示されるように、第1ガイド面1010が第1伝達ディスク1100の第2端部に形成され、第1ガイド面1010に3つの山部と、3つの谷部とが設けられている。さらに、第1ガイド面1010は環状であって、第1伝達ディスク1100の第2端部の一部を部分的に覆っている。3つの第1係合コンポーネント1020と3つの第2係合コンポーネント1030とが設けられる。
【0108】
ここで実施形態1のさらなる変形例の構造を概略的に示す図7eおよび7fを参照する。図7eおよび7fに示されるように、第1合わせ面1001が第1伝達ディスク1100の第2端部に設けられている。第2伝達ディスク1200の第3端部に第1ガイド面1010が形成され、第2伝達ディスク1200の第4端部に第2ガイド面1040が形成され、第3伝達ディスク1300の第5端部に第2合わせ面1003が設けられている。さらに、第2合わせ面1003は環状であって、第3伝達ディスク1300の第5端部を部分的に覆っている。第2合わせ面1003は3つの山部および3つの谷部を有している。従って、3つの第4係合コンポーネント1060と、3つの第3係合コンポーネント1050とが設けられている。第1合わせ面1001に第1収容溝は設けられていない。この実施形態は、第1合わせ面1001の谷部が第1伝達ディスク1100と第2伝達ディスク1200との係合を妨げない限り、第1合わせ面1001の谷部の特定の形状に限定されない。つまり、第1ガイド面1010の山部が第1合わせ面1001の谷部と嵌合すると、第1伝達ディスク1100は第2伝達ディスク1200と係合する。言い換えると、第1伝達ディスク1100が第2伝達ディスク1200と係合する際、第1合わせ面1001の谷部と第1ガイド面1010の山部との間には接触がない(例えば、第1合わせ面1001は第1ガイド面1010と全く接触しない、または第1合わせ面1001の谷部は第1ガイド面1010の対応する山部と接触しないが、第1合わせ面1001の谷部の2つの側部と第1ガイド面1010の対応する山部の2つの側部との間に線接触もしくは面接触が形成される)ように、第1合わせ面1001上の谷部の形状は構成されている。代替的には、第1合わせ面1001の谷部の形状は、第1合わせ面1001の谷部が第1ガイド面1010の山部と接触する際、第1伝達ディスク1100も第2伝達ディスク1200と係合するように、構成される必要がある。例えば、第1合わせ面1001の谷部の形状は第1ガイド面1010の山部の形状と相補的である。この場合、第1伝達ディスク1100が第2伝達ディスク1200と嵌合している際、第1ガイド面1010の山部は第1合わせ面1001の谷部に嵌合する。
【0109】
図7eを引き続き参照すると、第1係合コンポーネント1020および第3係合コンポーネント1050は、第2伝達ディスク1200上に交互に配置されている。このことは、第2伝達ディスク1200の軸方向サイズの利用を増加させる結果となることができる。
【0110】
ここで実施形態1のさらなる変形例の構造を概略的に示す図7gおよび7hを参照する。図7gおよび7hに示されるように、第1伝達ディスク1100の第2端部に第1ガイド面1010が形成され、第2伝達ディスク1200の第3端部に第1合わせ面1001が形成され、第2伝達ディスク1200の第4端部に第2合わせ面1003が形成され、第3伝達ディスク1300の第5端部に第2ガイド面1040が形成されている。本実施形態では、第1合わせ面1001および第2合わせ面1003のそれぞれに2つの山部と2つの谷部が設けられ、第1合わせ面1001の山部と第2合わせ面1003の山部が同じ円周方向位置に配置されている。当然、第1合わせ面1001の山部および第2合わせ面1003の山部は、交互配列等の異なる円周方向位置に配置されてもよい。
【0111】
他の実施形態では、第1伝達ディスクの第2端部に第1合わせ面がさらに形成されてもよく、第2伝達ディスクの第3端部に第1ガイド面が形成され、第2伝達ディスクの第4端部に第2ガイド面が形成されている。第3伝達ディスクの第5端部に第2合わせ面が形成されている(不図示)。
【0112】
ここで、図8aから8gを参照する。図8aは、実施形態2による伝達アセンブリ1000の構造概略図である。図8bおよび8cは、第1伝達ディスク1100の構造概略図である。図8dおよび8eは、第2伝達ディスク1200の構造概略図である。図8fおよび8gは、第3伝達ディスク1300の構造概略図である。
【0113】
図8bに示されるように、第1伝達ディスク1100の第1端部は駆動機構を連結するように構成されていてもよい。従って、これらの構造は、実施形態1と同じでもよく、その詳細な説明は省略される。図8cは、第1伝達ディスク1100の第2端部の構造を概略的に示す。図8cに示されるように、第1伝達ディスク1100の第2端部に第1ガイド面1010が形成され、基準平面上に第1ガイド面1010が投影されて、投影円を得る。このような投影円は、基準平面上に第1伝達ディスク1100の投影円の径よりも小さな径を有する。第1ガイド面1010に第1係合コンポーネント1020が設けられている。
【0114】
図8dに示されるように、第2伝達ディスク1200の第3端部に第2係合コンポーネント1030が設けられ、第3端部の端面に第2係合コンポーネント1030を囲む第1遮蔽壁1005が設けられている。第1遮蔽壁1005は環状であり、第1ガイド面1010に外嵌されていてもよい。さらに、第2係合コンポーネント1030は第1遮蔽壁1005内に配置されて、固定的に接続されている。第1遮蔽壁1005の内径は、基準平面上の第1ガイド面1010の投影円の径以上であってもよく、基準平面上の第1伝達ディスク1100の投影円の径よりも小さい。好適には、第1遮蔽壁1005の壁厚は、第1ガイド面1010の投影円の径と、第1伝達ディスク1100の投影円の径との間の差分値と等しくてもよい。つまり、第1係合コンポーネント1020が第2係合コンポーネント1030と係合する際、第1ガイド面1010の配置されている端部が第1遮蔽壁1005内に挿入され、その一方、第2伝達ディスク1200から離れている第1遮蔽壁1005の端部は第1伝達ディスク1100に当接する。
【0115】
図8eに示されるように、第2伝達ディスク1200の第4端部に第2ガイド面1040が形成されている。基準平面上に第2ガイド面1040が投影されて、投影円が得られる。この投影円の径は、基準平面上の第2伝達ディスク1200の投影円の径よりも小さい。第2ガイド面1040に第3係合コンポーネント1050が設けられている。
【0116】
図8fに示されるように、第3伝達ディスク1300の第5端部に第4係合コンポーネント1060が設けられている。第5端部に第4係合コンポーネント1060を囲む第2遮蔽壁1006がさらに設けられている。第2遮蔽壁1006は環状であり、第2ガイド面1040に外嵌されていてもよい。さらに、第4係合コンポーネント1060は第2遮蔽壁1006に配置されて、固定的に接続されている。第2遮蔽壁1006の内径は、第2ガイド面1040の投影円の径以上であり、基準平面上の第2伝達ディスク1200の投影円の径よりも小さい。好適には、第2遮蔽壁1006の壁厚は、第2ガイド面1040の投影円の径と、第2伝達ディスク1200の投影円の径との間の差分値と等しくてもよい。つまり、第3係合コンポーネント1050が第4係合コンポーネント1060と係合する際、第2ガイド面1040の配置されている端部が第2遮蔽壁1006内に挿入され、その一方、第3伝達ディスク1300から離れている第2遮蔽壁1006の端部は第2伝達ディスク1200に当接する。
【0117】
第2係合コンポーネント1030が第1遮蔽壁1005と協働するため、第2係合コンポーネント1030が伝達のために各第1係合コンポーネント1020と係合するときに、第1遮蔽壁1005は第2係合コンポーネント1030の応力状況を改善し、埃または他の異物の侵入を抑制し、第2係合コンポーネント1030の使用寿命を延ばす。さらに、この装置は第2伝達ディスク1200の軽量化と、第2伝達ディスク1200の構造の簡略化をさらに可能にする。同様に、第2遮蔽壁1006は第4係合コンポーネント1060の使用寿命を延ばし、第3伝達ディスク1300の軽量化に役立つことができる。
【0118】
図9aおよび9bは、実施形態3による伝達アセンブリ1000の構造概略図である。多層保護が要求される用途では、複数の滅菌アセンブリ200が必要であってもよい。複数の滅菌アセンブリ200を含む手術器具システムには、それに応じて伝達アセンブリ1000が複数の第2伝達ディスク1200を含んでいてもよい。図9aおよび9bに示されている実施形態では、2つの第2伝達ディスク1200が設けられている。さらに、2つの第2伝達ディスク1200は同一であり、それらのそれぞれは構造が異なる第3および第4端部を有している。例えば、本実施形態では、第2伝達ディスク1200ごとに、第1合わせ面1001が第3端部に形成され、第2係合コンポーネント1030が第1合わせ面1001に設けられる。さらに、第2伝達ディスク1200ごとに、第2ガイド面1040が第4端部に形成され、第3係合コンポーネント1050が第2ガイド面1040に設けられる。つまり、1つの第2伝達ディスク1200の第2係合コンポーネント1030は、他の第2伝達ディスク1200の第3係合コンポーネント1050と係合でき、こうして、2つの第2伝達ディスク1200の連結が達成される。対応して、第1伝達ディスク1100の第2端部に第1ガイド面1010が形成され、第3伝達ディスク1300の第5端部に第2合わせ面1003が形成され、第2合わせ面1003に第4係合コンポーネント1060が設けられる。このようにして、伝達アセンブリ1000は、上記実施形態と同じように組み立てることができる。第2伝達ディスク1200の第3端部の端面に第1ガイド面1010を形成し、第4端部の端面に第4係合コンポーネント1060を設けることも可能であることを理解されたい。1つの代替的な実施形態では、2つの第2伝達ディスクは異なりながらも、それらのそれぞれは第3端部および第4端部で同一に構造化されている。例えば、第1伝達ディスク1100に近位する第2伝達ディスクは、それぞれが合わせ面を備えている第3および第4端部を有し、第1伝達ディスク1100から離れている第2伝達ディスクは、それぞれガイド面を備えている第3および第4端部を有している。
【0119】
図10は、実施形態4による伝達アセンブリ1000の構造概略図である。図10に示すように、本実施形態では、第2係合コンポーネントは、第1ガイド部1032を含んでいるが、第1駆動力伝達部は含んでいない。第4係合コンポーネントの構造は第2係合コンポーネント1030の構造と同様であり、すなわち、第4係合コンポーネントは第2駆動力伝達部を含んでいない。具体的には、第1伝達ディスク1100の第2端部の端面に2つの第1係合コンポーネント1020が設けられ、第2伝達ディスク1200の第3端部の端面に2つの第2係合コンポーネント1030が設けられている。第2係合コンポーネントは、第1ガイド部1032の第2端部の端面に直接的に配置される第1ガイド部1032を含む。同様に、第2伝達ディスク1200の第4端部の端面に2つの第3係合コンポーネント1050が設けられ、第3伝達ディスク1300の第5端部の端面に2つの第4係合コンポーネントが設けられている。第4係合コンポーネントは、第5端部の端面に直接的に接続されている第2ガイド部1062を含む。この場合、第1係合コンポーネント1020および第3係合コンポーネント1050は、形状およびサイズの両方において、第1ガイド部1032および第2ガイド部1062と一致する。これによって係合コンポーネントとガイド部との間の十分な面接触が可能となり、相互摩擦が増加し、トルク伝達およびガイド機能の両方がガイド部に伝わる。
【0120】
明らかに、滅菌アセンブリを1つも含まない手術器具システムの場合、伝達アセンブリは、順に配置される第1伝達ディスクと、第2伝達ディスクとを含む。第1伝達ディスクは、上記実施形態の第1伝達ディスク1100と同様である。さらに、第2伝達ディスクの第3端部の端面は、上記実施形態の第2伝達ディスク1200の第3端部の端面と同様であり、第4端部の端面は、第3伝達ディスクの第6端部の端面と同様である。従って、その詳細な説明は省略される。
【0121】
上記の伝達アセンブリ1000に基づき、本開示の第2の目的は、手術ロボットで使用するための手術器具システムを提供することである。図5aに関連して、図2aから2cを参照すると、手術器具システムは、前述したように、駆動力ボックスと、滅菌プレート4000と、手術器具300と、伝達アセンブリ1000とを含む。駆動力ボックスは、駆動機構2000と、第1ボックス体3000とを含む。駆動機構2000は、第1ボックス体3000内に配置され、少なくとも1つの出力穴(図面ではラベル付けされていない)が第1ボックス体3000に設けられている。少なくとも1つの滅菌プレート4000が設けられ、その上にそれぞれ少なくとも1つの伝達穴(図面ではラベル付けされていない)が設けられている。手術器具300は、器具ボックスと、器具軸320と、器具端末310とを含む。さらに、器具ボックスは第2ボックス体5000と、伝達モジュール(図面ではラベル付けされていない)とを含む。伝達モジュールは、第2ボックス体5000内に配置され、器具軸320および/または器具端末310を駆動して動かすように、器具軸320および/または器具端末310に連結されている。さらに、少なくとも1つの入力穴が第2ボックス体5000に設けられている。第1ボックス体3000、滅菌プレート4000、および第2ボックス体5000は、直列に配置され、出力穴は対応する伝達穴および入力穴と同軸上に配置されている。第1伝達ディスク1100は、その第1端部が駆動機構2000に連結された状態で出力穴内に配置されている。第2伝達ディスク1200は伝達穴内に配置され、第3伝達ディスク1300は、その第6端部が伝達モジュールに連結された状態で入力穴内に配置されている。概して、駆動機構2000の数および伝達アセンブリ1000の数は、手術器具300の動きの自由度によって決定される。駆動力ボックスおよび第1伝達ディスク1100は、駆動アセンブリ100を構成する。滅菌プレート4000および第2伝達ディスク1200は、滅菌アセンブリ200を構成する。器具ボックスおよび第3伝達ディスク1300は、器具ボックスアセンブリを構成する。
【0122】
第1係合コンポーネント1020が第2係合コンポーネント1030と係合し、第3係合コンポーネント1050が第4係合コンポーネント1060と係合する際、駆動機構2000によって与えられる駆動力は、伝達アセンブリ1000によって伝達モジュールに伝達でき、これは、次に器具端末310の様々なジョイントを駆動して動かす。例えば、器具端末310はエンドエフェクタと、エンドエフェクタをヨーおよび/またはピッチに制御するジョイントとを含む。エンドエフェクタは、開閉ジョイントを含んでもよい。エンドエフェクタの具体例として、鉗子、はさみ、把持器具、持針器、切断ブレード、ステープラー等が挙げられるが、これらに限定されない。器具端末310は、エンドエフェクタの近位端に蛇のようなジョイントをさらに含んで、より柔軟により広い範囲内でのエンドエフェクタの調整を可能にしてもよい。
【0123】
手術器具システムが組み立てられる前に、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300は、任意に配向されてもよい。しかしながら、手術器具システムの組み立てが完了した際に、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300のそれぞれは、所定の方向に配向されるべきである。ここでは、所定の方向は「ゼロ位置」と呼ばれ、その他の方向は「非ゼロ位置」と呼ばれる。実際には、ゼロ位置は、実際的な必要性に応じて、ユーザによって定義されてもよい。例えば、手術器具システムの組み立てが完了し、伝達モジュールが器具軸320を通じて器具端末310に連結されている図2aに示されるように、器具端末310が器具軸320と同軸または平行である場合、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、および第3伝達ディスク1300が配置されている方向は、ゼロ位置と定義される。さらに、伝達ディスクの組み立てまたは回転に好ましくないいくつかの位置、例えば、第2係合コンポーネント1030が第1ガイド面1010の山部と接触する位置および第4係合コンポーネント1060が第2ガイド面1040の山部と接触する位置は、伝達アセンブリ1000の「最悪位置」と呼ばれる。
【0124】
図2cに示されるように、手術器具システム(より正確には、器具ボックスアセンブリ)は、第3伝達ディスク1300がゼロ位置に到達する支援のために、少なくとも1つの位置補正マグネットセット6000をさらに含んでもよい。具体的には、位置補正マグネットセット6000は、第1マグネット6100と、第2マグネット6200とを含み、第1マグネット6100は第2ボックス体5000に配置され、第2マグネット6200は第3伝達ディスク1300に配置されている。本実施形態は、第1マグネット6100と第2マグネット6200が互いに引き付け合い、第1マグネット6100と第2マグネット6200との間の全周に沿った引力は、第3伝達ディスク1300がそのゼロ位置にある際にその最大値に達する限りにおいて、第1マグネット6100と第2マグネット6200とが配置される特定の位置に限定されるものではない。
【0125】
第3伝達ディスク1300に関しては、第2マグネット6200が第6端部に配置されてもよい。図5gに示されるように、第2マグネット6200を受けるための受け穴1340が第3伝達ディスク1300の第6端部に設けられていてもよい。
【0126】
任意選択で、手術器具システムは、少なくとも1つのずれ防止マグネットセット7000をさらに含んでもよい(具体的には、滅菌アセンブリ200がずれ防止マグネットセット7000を含む)。ずれ防止マグネットセット7000は、伝達アセンブリ1000が最悪位置に到達することを回避するように構成されている。図3に示されるように、ずれ防止マグネットセット7000は、第3マグネット7100と、第4マグネット7200とを含む。第3マグネット7100は第2伝達ディスク1200の円周側壁に配置されてもよく、第4マグネット7200は伝達穴の壁部に配置されてもよい。伝達アセンブリ1000が最悪位置にある際、第3マグネット7100および第4マグネット7200は互いに反発し、その反発力によって第2伝達ディスク1200を回転させて、最悪位置を避ける。
【0127】
任意選択で、手術器具システムは、第3伝達ディスク1300の回転範囲を制限するように構成されている円周方向リミッタをさらに含む(具体的には、器具ボックスアセンブリが円周方向リミッタを含む)。円周方向リミッタは、第3伝達ディスク1300の円周側壁に設けられている制限突起1350を含んでもよい。制限突起1350に嵌合するためのスライド溝(不図示)が第2ボックス体5000に設けられてもよい。制限突起1350は、スライド溝内に設けられ、スライド溝に沿ってスライド可能であってもよい。円周方向リミッタを設けることにより、第3伝達ディスク1300の回転角を正確に制御でき、このことは、ひいては手術器具の使用中の安全性の確保を可能にする。
【0128】
任意選択で、手術器具システムは、第2伝達ディスク1200が滅菌プレート4000から脱落することを防ぐように構成されている軸方向リミッタをさらに含む。図4を参照すると、滅菌プレート4000は、滅菌基板4100と、滅菌カバー4200とを含む。滅菌基板4100Aは、その上に第1貫通孔4110を備え、滅菌カバー4200は、その上に第2貫通孔4210を備えている。第2貫通孔4210および第1貫通孔4110は、伝達穴を構成する。さらに、滅菌カバー4200は、滅菌基板4100に脱着可能に取り付けられ、滅菌基板4100は、駆動力ボックスに脱着可能に取り付けられる(例えば、スナップによって)。第2伝達ディスク1200の円周側壁に制限カラー1230が設けられ、滅菌カバー4200の第2貫通孔4210は、様々な内径を有する。具体的には、第1貫通孔4110に近い第2貫通孔4210の部分は、第1貫通孔4110から離れている第2貫通孔4210の部分の内径および第1貫通孔4110の内径のそれぞれよりも大きな内径を有する。さらに、第1貫通孔4110に近い第2貫通孔4210の部分の内径は、制限カラー1230の外径と一致し、第1貫通孔4110から離れている第2貫通孔4210の部分の内径は、第2伝達ディスク1200の外径と一致する。このようにして、第1貫通孔4110および第2貫通孔4210は共に、制限カラー1230が配置されている制限凹部を画定し、第2伝達ディスク1200が伝達穴から脱落しないようにする。言い換えると、制限凹部および制限カラー1230は、軸方向リミッタを共に構成する。本実施形態では、制限カラー1230は、第2伝達ディスク1200の円周に沿って伸びる連続的なリブであってもよいし、第2伝達ディスク1200の円周に沿って間隔あけている複数のリブセグメントからなってもよい。
【0129】
通常、組み立てられる前に、駆動機構2000、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、第3伝達ディスク1300、および手術器具300はそれぞれ非ゼロ位置にある。それらの組み立て後、駆動機構2000、第1伝達ディスク1100、第2伝達ディスク1200、第3伝達ディスク1300、および手術器具300は、それぞれゼロ位置にあるべきである。ここで、計測用語の「ゼロ位置」は、伝達ディスク、手術器具等の術中の運動パラメータ(例えば、方向、変位、角度等)を測定するためのベンチマークである。典型的には、手術器具300がゼロ位置にある際、器具端末310は、器具軸320の軸と同一線上にある、または平行である。手術器具システムの組み立ての詳細な説明は以下に説明する。
【0130】
まず、エンコーダ(不図示)が駆動機構2000に設けられているので、第1伝達ディスク1100の位置情報は、システムの電源がオンになった後、エンコーダを介して得ることができる。その後、駆動機構2000は、第1伝達ディスク1100を駆動して、そのゼロ位置へと回転させる。このプロセスは、所定のプログラムによって制御されてもよい。ゼロ位置に到達すると、第1伝達ディスク1100はその位置で維持される。その後、第2伝達ディスク1200はどの方向からでも第1伝達ディスク1100に係合できるようになり、そのゼロ位置に直接的に到達する。
【0131】
続いて、第2伝達ディスク1200が第1伝達ディスク1100に係合される。非ゼロ位置にある第2伝達ディスク1200が、外力の作用下で第1伝達ディスク1100と接触する。その後、第2係合コンポーネント1030は、第1ガイド面に沿ってスライドし、第1係合コンポーネント1020に正確に入り込んで第1係合コンポーネント1020と係合する。このとき、第2係合ディスクは正確にゼロ位置まで回転する。
【0132】
その後、器具端末310の位置が調整される。図2bを参照すると、手術器具は、互いに接続された器具端末310と、器具軸320とを含む。器具端末310は、例えば、鉗子である。手術器具システムを組み立てる前に、手術器具システム内の手術器具300の器具端末310を人体に挿入できるように、器具軸320を人体の切開部に配置されたトロカール400へと外嵌する必要がある。
【0133】
トロカール400の内径は器具端末310の外径に同等であるので、鉗子をトロカール400内にうまく挿入するためには、鉗子は、その対称軸を器具軸320の軸と同一線上にできるように一直線でなければならない。このプロセスでは、第3伝達ディスク1300は強制的に回転させられる。鉗子の対称軸が器具軸320の軸と同一直線上にある場合、第3伝達ディスク1300はそのゼロ位置に到達する。しかしながら、実際のところは、手動での調整では、第3伝達ディスク1300をそのゼロ位置に大まかに位置付けることしかできない。
【0134】
従って、第3伝達ディスク1300は外力の作用下で第2伝達ディスク1200と接触する。その後、第4係合コンポーネント1060は第2ガイド面に沿ってスライドし、第3係合コンポーネント1050に正確に入り込み、第3係合コンポーネント1050と係合する。このとき、第3伝達ディスク1300は正確にそのゼロ位置まで回転する。
【0135】
さらに、手術器具システムが組み立てられる前であれば、第1伝達ディスク1100の配向情報は測定できるが、第3伝達ディスク1300の配向情報は得ることができないことに留意されたい。第2伝達ディスク1200および第3伝達ディスク1300が上記のステップのように組み立てられると、第3伝達ディスク1300は特定の角度偏差を伴うそのゼロ位置に大まかに位置付けられるように手動で調整されてもよい。この角度偏差が耐障害性角度よりも小さい場合、第3伝達ディスク1300は器具が正確にゼロとなることを可能にすることができる。
【0136】
耐障害性角度は、第3伝達ディスク1300の係合コンポーネントの数に関連している。2つの第4係合コンポーネント1060(すなわち、4つの第1ガイド面1010が設けられている)をその上に備えている第3伝達ディスク1300を例に取り上げると、ゼロ位置に対する第3伝達ディスク1300の許容角度偏差は、±90°よりも大きい。この場合、第4係合コンポーネント1060が2つの山部の間に配置されている限りにおいて、第4係合コンポーネント1060は、第3係合コンポーネント1500にうまくスライドして入り込むことができ、そうして、第3係合コンポーネント1500と係合できる。ここで、隣接する山部の間の角度が耐障害性角度と呼ばれる。この例での耐障害性角度は180°である。実際に、耐障害性角度は360°/Nに等しく、ここでNは第4係合コンポーネント1060の数を表す。角度偏差が耐障害性角度の範囲内にある場合、器具端末310は、手術器具システムの複数の組み立てプロセス中に、同じ姿勢を維持できる。このような特性は、手術器具システムが組み立てられた後の個別の伝達ディスクの絶対位置情報の判定を容易にし、こうして、外科手術の安全性の確保を可能にする。
【0137】
本開示の第3の目的は、上記のような手術器具システムを含む手術ロボットを提供することである。さらに、手術ロボットは手術器具システムを保持するためのロボットアームをさらに含む。駆動アセンブリ100は、ロボットアーム端末に固定されている。例えば、ロボットアーム端末は可動ジョイントを含み、駆動アセンブリ100は可動ジョイント上に配置され、可動ジョイントの動きにあわせて動く。滅菌アセンブリ200は、滅菌バッグ上に設けられ、駆動アセンブリ100に取り外し可能に連結される。手術器具は、器具ボックスアセンブリを介して滅菌アセンブリ200に取り外し可能に連結されている。
【0138】
代替的な実施形態では、手術ロボットは、特別な滅菌方法(例えば、オゾン滅菌、過酸化水素滅菌等)を使用して一体的に滅菌されてもよい。この場合、手術器具システムは、駆動アセンブリ100および手術器具300を含んでもよい。従って、駆動アセンブリ100によって与えられる駆動力を器具ボックスアセンブリに直接伝達するように、伝達アセンブリは、駆動アセンブリ100に設けられている伝達インターフェースに接続されて、伝達アセンブリを構成している。
【0139】
本開示の第4の目的は、駆動アセンブリ100を提供することである。駆動アセンブリ100は、駆動機構2000および駆動機構2000を収容するように構成され、少なくとも1つの出力穴(図面ではラベル付けされていない)をその上に備えている第1ボックス体3000と、他の係合コンポーネントを含む他の伝達ディスクと係合する少なくとも1つの伝達ディスクとを含む。伝達ディスクは、出力穴内に回転可能に配置され、対向する2つの端部を有し、そのうちの一つは駆動機構2000に連結され、そのうちの他方はその端面に形成されているガイド面を有する。さらに、少なくとも1つの係合コンポーネントがガイド面上に設けられ、ガイド面は、他の係合コンポーネントをガイド面に沿って動かし、少なくとも1つの係合コンポーネントと係合させるように構成されている。代替的な実施形態では、駆動アセンブリ100は、他の係合コンポーネントと、他のガイド面とを含む他の伝達ディスクと係合する1つの伝達ディスクを含む。伝達ディスクは、出力穴内に配置され、対向する2つの端部を有する。対向する2つの端部の一方は、駆動機構2000に連結され、対向する2つの端部の他方は、その端面に形成されている少なくとも1つの係合コンポーネントを有する。係合コンポーネントは、他の伝達ディスクのガイド面に沿って動き、他の伝達ディスクの係合コンポーネントと係合するように構成されている。
【0140】
図11に示されるように、一実施形態では、伝達ディスクは第1伝達ディスク1100であってもよく、他の伝達ディスクは第2伝達ディスク1200または第3伝達ディスク1300であってもよい。第1伝達ディスク1100の第1端部は、駆動機構2000に連結されるように構成されている。例えば、第1連結ポスト1110は第1端部に設けられ、駆動機構の出力軸を受けるように構成されている第1連結穴1120は第1連結ポスト1110に設けられている。さらに、第1連結ポスト1110の側壁には、第1連結穴1120と連通するロック穴1130が設けられている。ロック穴1130は、駆動機構の出力軸を第1伝達ディスク1100と同期して回転させるように構成されている。第1ガイド面1010は、第1伝達ディスク1100の第2端部に形成されている。第1ガイド面1010は、第1ガイド面1010が配置されている端面の円周に沿って配置されている2つの山部および2つの谷部を有している。
【0141】
2つの第1係合コンポーネント1020は第1ガイド面1010に設けられている。第1係合コンポーネント1020は、対応する谷部に設けられている凹部である。第1ガイド面1010は、第2伝達ディスク1200または第3伝達ディスク1300の第2係合コンポーネントが、トルクの伝達を達成するために第1係合コンポーネント1020と係合するまで第1ガイド面に沿ってスライドするように構成されている。
【0142】
本開示の第5の目的は、滅菌アセンブリ200を提供することにある。図12を参照すると、滅菌アセンブリ200は、少なくとも1つの伝達穴を備えている少なくとも1つの滅菌プレート4000と、他の係合コンポーネントを含む他の伝達ディスクと係合する少なくとも1つの伝達ディスクであって、伝達穴内に回転可能に配置され、対向する2つの端部を有する少なくとも1つの伝達ディスクとを含む。対向する2つの端部のうち少なくとも1つは、その端面に形成されているガイド面を有し、ガイド面には少なくとも1つの係合コンポーネントが設けられている。ガイド面は、他の係合コンポーネントが、少なくとも1つの係合コンポーネントと係合するまでガイド面に沿って動くように構成されている。代替的な実施形態では、少なくとも1つの伝達穴を備えている滅菌プレート4000に加えて、滅菌アセンブリ200は、ガイド面およびガイド面に設けられている別の係合コンポーネントを含む他の伝達ディスクと係合する少なくとも1つの伝達ディスクをさらに含んでいる。少なくとも1つの伝達ディスクは、伝達穴内に回転可能に配置され、対向する2つの端部を有している。係合コンポーネントは、2つの端部の少なくとも1つに形成されている。係合コンポーネントは、ガイド面に沿って動き、他の係合コンポーネントと係合するように構成されている。
【0143】
具体的には、伝達ディスクは第2伝達ディスク1200であってもよい。第2伝達ディスク1200は、第1伝達ディスク1100および第3伝達ディスク1300のそれぞれと係合するように構成されている。一実施形態では、図13に示されるように、第2伝達ディスク1200の2つの端部のそれぞれの端面にガイド面が形成され、各ガイド面に係合コンポーネントが設けられている。従って、他の係合コンポーネントが、第1伝達ディスク1100および第3伝達ディスク1300の端面に設けられている。すなわち、第2係合コンポーネント1030は第1伝達ディスク1100の第2端部の端面に設けられ、第4係合コンポーネント1060は第3伝達ディスク1300の第5端部の端面に設けられている。第1ガイド面1010が第2伝達ディスク1200の第3端部の端面に形成されてもよく、第2係合コンポーネント1030と係合するように構成されている少なくとも1つの第1係合コンポーネント1020が第1ガイド面1010に設けられていてもよい。第1係合コンポーネント1020は、凹部であることが好ましい。第2ガイド面1040は、第2伝達ディスク1200の第4端部の端面に設けられ、第4係合コンポーネントと係合するように構成されている少なくとも1つの第3係合コンポーネント1050は、第2ガイド面1040に設けられていてもよい。第3係合コンポーネント1050は、凹部であることが好ましい。第1ガイド面1010は、第2係合コンポーネント1030が第1係合コンポーネント1020と係合するまで第1ガイド面1010に沿って動き、第1伝達ディスク1100と第2伝達ディスク1200との間のトルクの伝達を可能にするように構成されている。第2ガイド面1040は、第4係合コンポーネント1060がその上を動いて、第3係合コンポーネント1050と係合し、第2伝達ディスク1200と第3伝達ディスク1300との間のトルク伝達を可能にするように構成されている。
【0144】
図4を引き続き参照すると、滅菌プレート4000は滅菌基板4100と、滅菌カバー4200とを含む。滅菌基板4100に第1貫通孔4110が設けられ、滅菌カバー4200に第2貫通孔4210が設けられている。第2貫通孔4210および第1貫通孔4110は共に伝達穴を構成する。さらに、滅菌カバー4200が、滅菌基板4100に脱着可能に取り付けられている。滅菌カバー4200は、伝達ディスクが滅菌基板4100から脱落することを防ぐことができる。さらに、制限カラー1230は第2伝達ディスク1200の円周側壁に設けられ、滅菌カバー4200の第2貫通孔4210は異なる内径を有する。具体的には、第1貫通孔4110に近い第2貫通孔4210の部分は、第1貫通孔4110から離れている第2貫通孔4210の部分の内径および第1貫通孔4110の内径のそれぞれよりも大きな内径を有する。さらに、第1貫通孔4110に近い第2貫通孔4210の部分の内径は、制限カラー1230の外径と一致し、第1貫通孔4110から離れている第2貫通孔4210の部分の内径は、第2伝達ディスク1200の外径と一致する。さらに、第1貫通孔4110の内径も第2伝達ディスク1200の外径と一致する。このようにして、第2伝達ディスク1200が伝達穴から脱落しないように、第1貫通孔4110および第2貫通孔4210は共に制限カラー1230が配置されている制限凹部を画定する。
【0145】
代替的な実施形態では、図14に示すように、第2伝達ディスク1200の一端の端面にガイド面が形成され、ガイド面には凹部として形成されている第1係合コンポーネント1020が少なくとも1つ設けられている。例えば、第1ガイド面1010は、第2伝達ディスク1200の第3端部の端面に設けられている。第1ガイド面1010には少なくとも1つの第1係合コンポーネント1020が設けられ、第1係合コンポーネント1020は凹部である。第2伝達ディスク1200の第4端部の端面には少なくとも1つの凸状の第4係合コンポーネント1060が設けられ、第4係合コンポーネント1060は凸部である。この場合、第4端部の端面に第2合わせ面1003が設けられ、第2合わせ面1003に第4係合コンポーネント1060が設けられている。
【0146】
当然、図15に示されるような代替的な実施形態では、第4係合コンポーネント1060を囲むと共に、第4係合コンポーネント1060と連結されている環状の第2遮蔽壁1006が、第4端部の端面に設けられていてもよい。
【0147】
さらに、本実施形態では、第2伝達ディスクは、第4端部の端面に形成されている第2ガイド面と、第3端部の端面に設けられている第2係合コンポーネントとを有していてもよいことを理解されたい。つまり、第1合わせ面は、第3端部の端面に形成されていてもよい。代替的に、第2伝達ディスクの第3端部の端面に、第2係合コンポーネントを囲むと共に、第2係合コンポーネントに連結されている環状の第1遮蔽壁(不図示)が設けられている。
【0148】
さらに、第2および第4係合コンポーネントが、第2伝達ディスク1200の対向する端部の端面にそれぞれ設けられている。第2係合コンポーネントは第1ガイド面に沿って動いて、第1ガイド面上の第1係合コンポーネントと係合し、第1および第2伝達ディスク間のトルクの伝達を達成するように構成されている。第4係合コンポーネントは第2ガイド面に沿って動いて、第2ガイド面上の第3係合コンポーネントと係合し、第2伝達ディスクと第3伝達ディスクとの間のトルク伝達を達成するように構成されている。
【0149】
さらに、第1係合コンポーネント1020は、第1係合コンポーネント1020が第4係合コンポーネント1060と係合できるように、第4係合コンポーネント1060と嵌合できる。このことに基づき、滅菌アセンブリ200は、互いに脱着可能に取り付けられている2つの滅菌プレート4000を含んでもよい。図16に示されるように、2つの滅菌プレート4000は、第1滅菌プレート4000aおよび第2滅菌プレート4000bである。第1滅菌プレート4000aおよび第2滅菌プレート4000bは、同一に構造化され、それぞれ滅菌基板4100と、滅菌基板4100に脱着可能に連結されている滅菌カバー4200とを含んでもよい。この滅菌アセンブリは、多層滅菌保護を必要とする場合に適切である。滅菌アセンブリは、一例として、2つの滅菌プレート4000を含むものとして本明細書に記載されているが、実際の使用では、3以上の滅菌プレート4000も含んでもよいことを理解されたい。
【0150】
本開示の第6の目的は、器具軸320および器具端末310を含む手術器具300用の器具ボックスアセンブリを提供することである。図2aから2cに示されるように、器具ボックスアセンブリは、器具ボックスと、他の係合コンポーネントを含む他の伝達ディスクと係合するための伝達ディスクとを含む。器具ボックスは、第2ボックス体5000と、伝達モジュール(図面では示されていない)とを含む。さらに、第2ボックス体5000は、基部を含み、基部には少なくとも1つの入力穴が設けられている。伝達モジュールは、器具軸320および/または器具端末310を駆動して動かすように、器具軸320および/または器具端末310に連結されている。伝達ディスクは、入力穴内に回転可能に配置され、対向する2つの端部を有している。2つの端部の一方は伝達モジュールに連結され、そして2つの端部の他方はその端面に形成されているガイド面を有する。ガイド面に少なくとも1つの係合コンポーネントが設けられ、ガイド面は、他の伝達ディスクにおける他の係合コンポーネントが、少なくとも1つの係合コンポーネントと係合するまでガイド面に沿って動くように構成されている。代替的な実施形態では、ガイド面と他の係合コンポーネントとを含む他の伝達ディスクと協働するように構成されている伝達ディスクが、入力穴内に配置され、対向する2つの端部を有している。端部の一方は伝達モジュールと連結され、端部の他方はその端面に設けられている係合コンポーネントを有している。係合コンポーネントは、ガイド面に沿って動き、他の係合コンポーネントと係合するように構成されている。
【0151】
図17および18を参照すると、本実施形態では、伝達ディスクは第3伝達ディスク1300であってもよく、他の伝達ディスクは第2伝達ディスク1200または第1伝達ディスク1100であってもよい。第3伝達ディスク1300は、その第5端部に形成されている第2ガイド面1040を有し、少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部が、第2ガイド面1040に円周方向に設けられている。第2ガイド面1040に第3係合コンポーネント1050が設けられている。具体的には、第3係合コンポーネント1050は凹部であり、谷部に設けられている。
【0152】
上記の通り、器具端末310は、複数のジョイントを含む。伝達モジュールは、回転部材と、可撓性部材と、一群のガイドプーリとを含む。可撓性部材は、回転部材を器具端末410のジョイントに連結するように構成されている。一群のガイドプーリは、可撓性部材の伸長方向を変化させるように構成されている。回転部材は、可撓性部材を介して器具端末310のジョイントを駆動して動かすように構成されている。さらに、器具軸320は、一端が器具端末310に連結され、他端が第2ボックス体5000に回転可能に連結されている。伝達モジュールは、器具軸320を駆動してその軸周りに回転するようにさらに構成されている。本実施形態は、器具軸320を駆動してその軸周りに回転するための任意の特定の手段に限定されるものではない。例えば、回転部材はギアによって器具軸320に連結される。第3伝達ディスク1300の第6端部は、入力穴を貫通し、回転部材を連結するように構成されている。ここで、第3伝達ディスク1300は、脱着可能にまたは一体的に回転部材に連結されていてもよい。
【0153】
さらに、器具ボックスアセンブリはまた、第3伝達ディスク1300の回転の範囲を制限するように構成されている円周方向リミッタを含む。円周方向リミッタは、第3伝達ディスク1300の円周側壁に設けられている制限突起1350を含む。従って、第2ボックス体5000にスライド溝(不図示)が設けられている。制限突起1350はスライド溝と協働して、第3伝達ディスク1300の回転範囲を制限する。円周方向リミッタを提供することにより、第3伝達ディスク1300の回転角度を正確に制御でき、このことは、ひいては手術器具の使用中の安全性確保を可能にする。一般的に、制限突起1350は、良好な応力状態で、第3伝達ディスク1300の肉厚部に設けられている。
【0154】
さらに、図2cに示されるように、器具ボックスアセンブリは、第3伝達ディスク1300がそのゼロ位置に到達することを支援するための位置補正マグネットセット6000をさらに含んでもよい。位置補正マグネットセットは、第1マグネット6100と、第2マグネット6200とを含む。第1マグネット6100は、第3伝達ディスク1300に配置され、その一方で、第2マグネット6200は、第2ボックス体5000に設けられている。さらに、第1マグネット6100および第2マグネット6200は、第3伝達ディスク1300がそのゼロ位置ある際に、第1マグネット6100および第2マグネット6200の間で最大磁気吸引力が達成されるように構成されている。
【0155】
以上、本開示を開示してきたが、上記の開示に限定されない。当業者は、その精神および範囲から逸脱することなく、本開示に様々な変更および改良を行うことができる。従って、そのような変更および改良のいずれかおよびすべては、添付の特許請求の範囲およびその等価物によって定義される本開示の範囲内にあることも意図されている。
【0156】
10 外科医コンソール
20 外科手術用カート
30 患者側カート
100 駆動アセンブリ
200 滅菌アセンブリ
300 手術器具
310 器具端末
320 器具軸
400 トロカール
1000 伝達アセンブリ
1100 第1伝達ディスク
1110 第1連結ポスト
1120 第2連結穴
1130 ロック穴
1140 第1位置決めピン
1200 第2伝達ディスク
1210 第1位置決め穴
1220 第2位置決めピン
1230 制限カラー
1300 第3伝達ディスク
1310 第2連結ポスト
1320 第2連結穴
1330 第2位置決め穴
1340 受け穴
1350 制限突起
1010 第1ガイド面
1011、1011’ 第1ガイドサブ面
1020 第1係合コンポーネント
1030 第2係合コンポーネント
1031 第1駆動力伝達部
1032 第1ガイド部
1040 第2ガイド面
1050 第3係合コンポーネント
1060 第4係合コンポーネント
1061 第2伝達セクション
1062 第2ガイド部
1001 第1合わせ面
1002 第1収容溝
1003 第2合わせ面
1004 第2収容溝
1005 第1遮蔽壁
1006 第2遮蔽壁
2000 駆動機構
3000 第1ボックス体
4000 滅菌プレート
4000a 第1滅菌プレート
4000b 第2滅菌プレート
4100 滅菌基板
4200 滅菌カバー
5000 第2ボックス体
6000 位置補正マグネットセット
6100 第1マグネット
6200 第2マグネット
7000 ずれ防止マグネットセット
7100 第3マグネット
7200 第4マグネット
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f
図7g
図7h
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図8f
図8g
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2022-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1伝達ディスクと第2伝達ディスクとを備える手術器具用の伝達アセンブリであって、
前記第1伝達ディスクは第2端部を有し、前記第2伝達ディスクは前記第2端部と向かい合って配置されている第3端部を有し、
前記第2端部の端面および前記第3端部の端面の一方は、その端面に形成されている第1ガイド面を有し、前記第2端部の前記端面および前記第3端部の前記端面の他方には、第2係合コンポーネントが設けられており、前記第1ガイド面には少なくとも1つの第1係合コンポーネントが設けられ、前記第2係合コンポーネントは前記第1係合コンポーネントと係合可能に構成されており、
前記第2係合コンポーネントは、前記第2係合コンポーネントが前記第1係合コンポーネントと係合するまで前記第1ガイド面に沿って動き、前記第1伝達ディスクと前記第2伝達ディスクとの間のトルクの伝達を可能にするように構成されている伝達アセンブリ。
【請求項2】
前記第1ガイド面は、前記第1ガイド面が形成されている端部の端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記第1ガイド面の前記谷部に設けられている、請求項1に記載の伝達アセンブリ。
【請求項3】
前記第1ガイド面の軸方向投影は、前記第1ガイド面の山部から谷部までの軸方向距離の10分の1以上の径を有する、請求項2に記載の伝達アセンブリ。
【請求項4】
前記第1伝達ディスクの前記第2端部には、軸方向に延びている第1位置決めピンがさらに設けられ、前記第2伝達ディスクの前記第3端部には、軸方向に延びている第1位置決め穴がさらに設けられ、前記第1位置決めピンおよび前記第1位置決め穴は互いに協働して、前記第1伝達ディスクおよび前記第2伝達ディスクの同心配置を容易化するように構成されている、請求項1に記載の伝達アセンブリ。
【請求項5】
前記第1係合コンポーネントは凹部であり、前記第2係合コンポーネントは凸部であり、
前記第2係合コンポーネントが設けられている前記端面には前記凸部を囲む第1遮蔽壁が設けられ、前記第1遮蔽壁は環状であり、前記凸部と接続され、
前記第1ガイド面が形成されている前記端面の軸方向投影は、前記第1遮蔽壁の内径以下である径を有する、請求項4に記載の伝達アセンブリ。
【請求項6】
(a)前記第2係合コンポーネントは、第1ガイド部と第1駆動力伝達部とを含み、
前記第1ガイド部は、前記第1ガイド面と接触して、前記第2係合コンポーネントを前記第1ガイド面に沿ってスライドするようにガイドするように構成され、
前記第1駆動力伝達部は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、駆動力を伝達するように構成されており、
又は、
(b)前記第2係合コンポーネントは、第1ガイド部を含み、前記第1ガイド部は、前記第1ガイド面と接触して、前記第2係合コンポーネントを前記第1ガイド面に沿ってスライドするようにガイドすると共に、前記第2係合コンポーネントが前記第1係合コンポーネントと係合するときに、駆動力を伝達するように構成されている、請求項5に記載の伝達アセンブリ。
【請求項7】
前記(a)の場合、前記第1係合コンポーネントの軸方向投影および前記第1駆動力伝達部の軸方向投影のそれぞれは、腎臓形状を有する、または
前記第1係合コンポーネントの前記軸方向投影および前記第1駆動力伝達部の前記軸方向投影のそれぞれは、扇形を有し、前記第1係合コンポーネントによって形成されている扇は、前記第1駆動力伝達部によって形成されている扇の角度以上の角度を有し、
前記(b)の場合、前記第1ガイド部および前記第1係合コンポーネントは、前記第1ガイド部と前記第1係合コンポーネントとの間の摩擦力を増加させるために面接触するように構成されている、請求項6に記載の伝達アセンブリ。
【請求項8】
少なくとも2つの第2係合コンポーネントが設けられ、前記第1ガイド面および前記第2係合コンポーネントは、軸方向外力が前記第2伝達ディスクに印加され、前記第1ガイド面が前記第2係合コンポーネントと接触するときに、前記第2係合コンポーネントが不均衡な力を受けるように構成されている、請求項6又は7に記載の伝達アセンブリ。
【請求項9】
前記第2係合コンポーネントのそれぞれは、第1ガイド部を含み、各第1ガイド部は、第1交差線を形成する2つのくさび面を含み、
前記第1ガイド面は順に接続される複数のガイドサブ面を含み、隣接するガイドサブ面同士は前記第1ガイド面の山部で第2交差線を形成し、
前記第1交差線および前記第2交差線は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面の前記山部で前記第1ガイド面と接触するときに、第1交差線の軸方向投影が対応する第2交差線の軸方向投影と少なくとも部分的に一致するように構成され、または前記第1交差線および前記第2交差線は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面の前記山部で前記第1ガイド面と接触するときに、複数の前記第1交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあり、複数の前記第2交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあるように構成されており、
又は、
前記第2係合コンポーネントのそれぞれは第1ガイド部を含み、各第1ガイド部は2つのくさび面と、2つの前記くさび面間の1つの第1遷移面とを含み、前記第1遷移面は一群の平坦または湾曲した仮想切断面によって切断され、一群の切断された交差線は前記第1遷移面と、前記一群の平坦または湾曲した仮想切断面との間に形成されており、第1交差線は前記一群の切断された交差線の特徴点のそれぞれを接続することで形成されている接続線として定義され、
前記第1ガイド面は複数のガイドサブ面を含み、隣接するガイドサブ面同士は前記第1ガイド面の山部で第2遷移面により接続され、前記第2遷移面は一群の平坦または湾曲した仮想切断面によって切断され、一群の切断された交差線は前記第2遷移面と、前記一群の平坦または湾曲した仮想切断面との間に形成されており、第2交差線は前記一群の切断された交差線の特徴点のそれぞれを接続することで形成されている接続線として定義され、
前記第1交差線および前記第2交差線は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、第1交差線の軸方向投影が対応する第2交差線の軸方向投影と少なくとも部分的に一致するように構成され、または複数の前記第1交差線および複数の前記第2交差線は、前記第1係合コンポーネントが前記第2係合コンポーネントと係合するときに、複数の前記第1交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあり、複数の前記第2交差線の軸方向投影の少なくとも2つが同一線上にあるように構成されている、請求項に記載の伝達アセンブリ。
【請求項10】
前記第2係合コンポーネントが設けられている前記端面には第1合わせ面が形成されており、前記第1合わせ面には前記第2係合コンポーネントが設けられており、前記第1合わせ面は、前記第2係合コンポーネントが前記第1ガイド面に沿って動くとともに前記第1係合コンポーネントと係合することを妨げないように構成されている、請求項1に記載の伝達アセンブリ。
【請求項11】
前記第1ガイド面は前記第1ガイド面が形成されている前記端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記第1ガイド面の前記谷部に設けられ
記第1合わせ面の前記山部は前記第1ガイド面の前記谷部と対応するように構成されており、前記第1合わせ面の前記谷部は前記第1ガイド面の前記山部と対応するように構成されており、
(c)前記第1合わせ面は対応する端面に沿って円周方向に分布している少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に設けられ、前記第1合わせ面の前記谷部は、前記第1係合コンポーネントおよび前記第2係合コンポーネント間の係合を妨げないように構成されており、又は、(d)前記第1合わせ面には第1収容溝がさらに設けられており、前記第1収容溝は前記第1ガイド面の前記山部を収容するように構成されている、請求項10に記載の伝達アセンブリ。
【請求項12】
前記(c)の場合、前記第1合わせ面の前記谷部は、前記第1伝達ディスクが前記第2伝達ディスクと係合するときに、前記第1合わせ面の前記谷部が、対応する前記第1ガイド面の山部と一切接触しないように構成され、または
前記第1合わせ面の前記谷部が、対応する前記第1ガイド面の山部と接触することなく、前記第1合わせ面の前記谷部の2つの側部と、対応する前記第1ガイド面の山部の2つの側部との間に線接触または面接触が形成されるように構成されている、請求項11に記載の伝達アセンブリ。
【請求項13】
第3伝達ディスクをさらに備え、前記第1伝達ディスク、前記第2伝達ディスク、および前記第3伝達ディスクは順に連結されており、
前記第2伝達ディスクは前記第3端部に対向する第4端部をさらに有し、前記第3伝達ディスクは前記第4端部と向かい合って配置されている第5端部を有し、
前記第4端部の端面および前記第5端部の端面の一方は、その端面に形成されている第2ガイド面を有し、前記第4端部の前記端面および前記第5端部の前記端面の他方には第4係合コンポーネントが設けられ、前記第2ガイド面には少なくとも1つの第3係合コンポーネントが設けられ、前記第4係合コンポーネントは前記第3係合コンポーネントと係合可能に構成され、
前記第4係合コンポーネントは、前記第4係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記第2ガイド面に沿ってスライドして、前記第2伝達ディスクと前記第3伝達ディスクとの間のトルクの伝達を可能にするように構成される、請求項1に記載の伝達アセンブリ。
【請求項14】
前記第1係合コンポーネントは前記第3係合コンポーネントと同一の形状およびサイズを有し、前記第2係合コンポーネントは前記第4係合コンポーネントと同一の形状およびサイズを有し、前記第1ガイド面は前記第2ガイド面と同一の形状を有し、
又は/及び、
前記伝達アセンブリは相互に係合する少なくとも2つの第2伝達ディスクを含み、その一方は前記第1伝達ディスクと係合され、他方は前記第3伝達ディスクと係合されており、
又は/及び、
前記第4係合コンポーネントおよび前記第2係合コンポーネントは、前記伝達アセンブリの円周方向に沿って交互に配置されている、請求項13に記載の伝達アセンブリ。
【請求項15】
手術ロボット用の手術器具システムであって、
第1ボックス体と前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構とを含み、前記第1ボックス体には少なくとも1つの出力穴が設けられている、駆動力ボックスと、
器具軸と器具端末と器具ボックスとを含む手術器具であって、前記器具ボックスは第2ボックス体と伝達モジュールとを含み、前記伝達モジュールは前記第2ボックス体内に配置されると共に、前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体には少なくとも1つの入力穴が設けられている、手術器具と、
請求項1に記載の前記伝達アセンブリと、を備え、
前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクが前記第2伝達ディスクと係合するときに、前記駆動機構により与えられる駆動力は前記伝達アセンブリによって前記伝達モジュールに伝達され、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かす、手術器具システム。
【請求項16】
手術ロボット用の手術器具システムであって、
第1ボックス体と前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構とを含み、前記第1ボックス体には少なくとも1つの出力穴が設けられている、駆動力ボックスと、
少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
器具軸と器具端末と器具ボックスとを含む手術器具であって、前記器具ボックスは第2ボックス体と伝達モジュールとを含み、前記伝達モジュールは前記第2ボックス体内に配置されると共に、前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体には少なくとも1つの入力穴が設けられている、手術器具と、
請求項13に記載の前記伝達アセンブリと、を備え、
前記駆動力ボックス、前記滅菌プレート、および前記器具ボックスは、順に配置され、
前記第1伝達ディスクは、前記出力穴内に設けられ、前記第2端部と対向する第1端部をさらに含み、前記第1伝達ディスクの前記第1端部は前記駆動機構に連結されており、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に設けられ、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に設けられ、前記第5端部に対向する第6端部をさらに含み、前記第3伝達ディスクの前記第6端部は前記伝達モジュールに連結されており、
前記第1伝達ディスク、前記第2伝達ディスク、および前記第3伝達ディスクが順に係合されると、前記駆動機構により与えられる駆動力は、前記伝達アセンブリによって前記伝達モジュールに伝達され、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かす、手術器具システム。
【請求項17】
少なくとも1つの位置補正マグネットセット又は/及び少なくとも1つのずれ防止マグネットセットをさらに備え、
前記第3伝達ディスクはゼロ位置を有し、前記位置補正マグネットセットは前記第3伝達ディスクの前記ゼロ位置への到達を支援するように構成されており、
前記伝達アセンブリは最悪位置を有し、前記ずれ防止マグネットセットは前記伝達アセンブリが前記最悪位置に到達することを防止するように構成されている、
請求項16に記載の手術器具システム。
【請求項18】
前記位置補正マグネットセットは、第1マグネットと第2マグネットとを含み、前記第1マグネットは前記第3伝達ディスクに配置され、前記第2マグネットは前記器具ボックスに配置され、前記第1マグネットおよび前記第2マグネットは相互に引き付け合い、前記第3伝達ディスクの前記ゼロ位置への到達を支援するように構成されており、
前記ずれ防止マグネットセットは第3マグネットと第4マグネットとを含み、前記第3マグネットは前記第2伝達ディスクに設けられ、前記第4マグネットは前記滅菌プレートに設けられ、前記第3マグネットおよび前記第4マグネットは、反発力の作用下で前記伝達アセンブリを前記最悪位置から離すように、互いに反発するように配置されている、請求項17に記載の手術器具システム。
【請求項19】
前記第3伝達ディスクの回転範囲を制限するように構成されている円周方向リミッタ、又は/及び、前記第2伝達ディスクが前記滅菌プレートから脱落することを防止するように構成されている軸方向リミッタをさらに備える、請求項16に記載の手術器具システム。
【請求項20】
前記円周方向リミッタは前記第3伝達ディスクの円周側壁に設けられている制限突起と、前記入力穴の内壁に設けられているスライド溝とを含み、前記制限突起は前記スライド溝内に設けられると共に、前記スライド溝に沿って移動可能であり、
前記滅菌プレートが滅菌基板と滅菌カバーとを含み、前記滅菌基板は前記駆動力ボックスに連結され、前記滅菌基板には第1貫通孔が設けられ、前記滅菌カバーには第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔は前記第1貫通孔と共に前記伝達穴を構成し、前記軸方向リミッタは前記第2伝達ディスクの円周側壁に設けられている制限カラーを含み、前記第1貫通孔に近い前記第2貫通孔の部分は前記第1貫通孔から離れている前記第2貫通孔の部分の内径および前記第1貫通孔の内径のそれぞれよりも大きな内径を有し、前記制限カラーの外径と一致する、請求項19に記載の手術器具システム。
【請求項21】
請求項15又は16に記載の前記手術器具システムを備える手術ロボット。
【請求項22】
手術器具用の駆動アセンブリであって、
少なくとも1つの出力穴が設けられている第1ボックス体と、
前記第1ボックス体内に配置されている駆動機構と、
(e)第2係合コンポーネントを含む第2伝達ディスク、または第4係合コンポーネントを含む第3伝達ディスクと係合するように構成されている第1伝達ディスクであって、前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記駆動機構に連結され、他方はその端面に形成されているガイド面を有し、前記ガイド面には少なくとも1つの第1係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面は前記第1係合コンポーネントと係合するまで、前記第2伝達ディスクの前記第2係合コンポーネントまたは前記第3伝達ディスクの前記第4係合コンポーネントが前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成されている第1伝達ディスク、又は、(f)第1ガイド面と第1係合コンポーネントとを含む第2伝達ディスク、または第2ガイド面と第3係合コンポーネントとを含む第3伝達ディスクと係合するように構成される第1伝達ディスクであって、前記第1伝達ディスクは前記出力穴内に配置され、前記第1伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記駆動機構に連結され、他方はその端面に形成されている少なくとも1つの第2係合コンポーネントを有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1係合コンポーネントと係合するまで、前記第1ガイド面に沿って動くように構成され、または前記第3係合コンポーネントと係合するまで、前記第2ガイド面に沿って動くように構成されている第1伝達ディスクと、
を備える駆動アセンブリ。
【請求項23】
前記(e)の場合、前記第1伝達ディスクの前記ガイド面は、対応する端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第1係合コンポーネントは前記ガイド面の前記谷部に設けられており、又は/及び、前記第1伝達ディスクの前記ガイド面には、前記ガイド面に中心対称的に配置されている少なくとも2つの第1係合コンポーネントが設けられており、
前記(f)の場合、前記第1伝達ディスクの他方の前記端部の端面には、第1合わせ面が形成されており、前記第1合わせ面は、前記端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第2係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に配置されている、請求項22に記載の駆動アセンブリ。
【請求項24】
滅菌アセンブリであって、
少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
第1伝達ディスクおよび第3伝達ディスクと係合するように構成されている少なくとも1つの第2伝達ディスクであって、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、少なくとも1つの前記端部の端面にはガイド面が設けられ、前記第2伝達ディスクの2つの前記端部のそれぞれの端面には少なくとも1つの係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面および前記係合コンポーネントは、前記第2伝達ディスクと前記第1および第3伝達ディスクのそれぞれとの係合を可能にするように構成されている第2伝達ディスクと、を備える滅菌アセンブリ。
【請求項25】
前記第2伝達ディスクの前記ガイド面は、対応する前記端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記ガイド面に設けられている前記係合コンポーネントは、前記ガイド面の前記谷部に配置されている、請求項24に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項26】
(g)前記第2伝達ディスクの2つの前記端部のそれぞれは、それぞれの端面に形成されているガイド面を有し、各ガイド面には少なくとも1つの係合コンポーネントが設けられ、前記係合コンポーネントは凹部であり、
又は、
(h)前記第2伝達ディスクの前記端部の一方のみが、その端面に形成されているガイド面を有しており、前記ガイド面に設けられている前記係合コンポーネントは凹部であり、他方の前記端部の端面に設けられている前記係合コンポーネントは凸部である、請求項24に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項27】
前記(h)の場合、前記滅菌アセンブリは、積層されている少なくとも2つの滅菌プレートを備え、少なくとも2つの前記滅菌プレートの前記伝達穴は互いに整列し、各伝達穴内に1つの伝達ディスクが設けられている、請求項26に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項28】
滅菌アセンブリであって、
少なくとも1つの伝達穴が設けられている少なくとも1つの滅菌プレートと、
第1ガイド面と第1係合コンポーネントとを含む第1伝達ディスクおよび第2ガイド面と第3係合コンポーネントとを含む第3伝達ディスクと係合するように構成されている少なくとも1つの第2伝達ディスクであって、前記第2伝達ディスクは前記伝達穴内に配置され、前記第2伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、各端部がそれぞれの端面に形成されている少なくとも1つの係合コンポーネントを有し、前記係合コンポーネントは、前記第2伝達ディスクと前記第1および第3伝達ディスクのそれぞれとの係合を可能にするように構成されている第2伝達ディスクと、
を備える滅菌アセンブリ。
【請求項29】
前記第2伝達ディスクの対向する2つの前記端部は、それぞれの端面に形成されている合わせ面を有し、前記合わせ面には、対応する前記端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部が設けられ、前記係合コンポーネントのそれぞれは対応する合わせ面の山部に設けられている、請求項28に記載の滅菌アセンブリ。
【請求項30】
器具軸と器具端末とを備える手術器具用の器具ボックスアセンブリであって、
第2ボックス体と前記第2ボックス体内に配置されている伝達モジュールとを含む器具ボックスであって、前記伝達モジュールは前記器具軸および/または前記器具端末を駆動して動かすように構成され、前記第2ボックス体は前記第2ボックス体に設けられている少なくとも1つの入力穴を有する、器具ボックスと、
(j)第2係合コンポーネントを含む第1伝達ディスクまたは第4係合コンポーネントを含む第2伝達ディスクと係合するように構成されている第3伝達ディスクであって、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第3伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記伝達モジュールに連結され、他方はその端面に形成されているガイド面を有し、前記ガイド面には少なくとも1つの第3係合コンポーネントが設けられ、前記ガイド面は前記第1伝達ディスクの前記第2係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成され、または前記第2伝達ディスクの前記第4係合コンポーネントが前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記ガイド面に沿って動くことを可能にするように構成されている、第3伝達ディスク、又は、(k)第1ガイド面と第1係合コンポーネントとを含む第1伝達ディスクまたは第2ガイド面と第3係合コンポーネントとを含む第2伝達ディスクと係合するように構成されている第3伝達ディスクであって、前記第3伝達ディスクは前記入力穴内に配置され、前記第3伝達ディスクは対向する2つの端部を有し、その一方は前記伝達モジュールに連結され、他方はその端面に形成されている少なくとも1つの第4係合コンポーネントを有し、前記第4係合コンポーネントは、前記第1伝達ディスクの前記第1係合コンポーネントと係合するまで前記第1ガイド面に沿って動くように構成され、または前記第2伝達ディスクの前記第3係合コンポーネントと係合するまで前記第2ガイド面に沿って動くように構成されている第3伝達ディスクと、
を備える、器具ボックスアセンブリ。
【請求項31】
前記(j)の場合、前記第3伝達ディスクの前記ガイド面は、対応する前記端部の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第3係合コンポーネントが前記ガイド面の前記谷部に設けられており、
前記(k)の場合、対向する2つの前記端部の他方は、その端面に形成されている第1合わせ面を有し、前記第1合わせ面は対応する端面の円周方向に沿って配置されている少なくとも1つの山部および少なくとも1つの谷部を有し、前記第4係合コンポーネントは前記第1合わせ面の前記山部に設けられている、請求項30の器具ボックスアセンブリ。
【国際調査報告】