(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】圧力容器を製造する方法および圧力容器
(51)【国際特許分類】
F17C 1/06 20060101AFI20221027BHJP
F16J 12/00 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
F17C1/06
F16J12/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022513147
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2020074009
(87)【国際公開番号】W WO2021038000
(87)【国際公開日】2021-03-04
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519191891
【氏名又は名称】エンプロックス バー.ワー.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, ディートマー
(72)【発明者】
【氏名】オトレンバ, フランク
【テーマコード(参考)】
3E172
3J046
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB03
3E172BC01
3E172BC04
3E172BC05
3E172BC08
3E172CA14
3E172CA22
3E172DA36
3J046AA14
3J046BA03
3J046BA05
3J046BA08
3J046CA04
3J046DA05
(57)【要約】
本発明は、圧力容器を製造する方法および対応する圧力容器に関する。本発明は、圧力容器の製造方法を提案し、最初に、少なくとも1つのライナタイプ4およびそれに動作可能に接続された円筒形パイプを有する圧力容器半加工品が、製造され、続いて、例えば、繊維複合材料が、圧力容器半加工品上にラッピングされる。一実施形態において、繊維補強圧力容器を製造する方法は、少なくとも1つのライナタイプ4(3)とそれに動作可能に接続された円筒形パイプ(2)とを含む圧力容器半加工品を製造するステップと、圧力容器半加工品をオーバーラッピングするステップとを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維補強圧力容器を製造する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのライナタイプ4(3)とそれに動作可能に接続された円筒形パイプ(2)とを含む圧力容器半加工品を製造するステップと、
前記圧力容器半加工品をオーバーラッピングするステップと
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記円筒形パイプ(2)が別個に製造されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記円筒形パイプ(2)が繊維複合材料から巻かれることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記円筒形パイプ(2)が金属の巻きコア上で巻かれることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記円筒形パイプ(2)が円筒形の半仕上げされたパイプからある長さに切断されることを特徴とする、請求項2―4のうちの1項に記載の方法。
【請求項6】
前記円筒形パイプ(2)がその最終寸法に巻かれることを特徴とする、請求項2-4のうちの1項に記載の方法。
【請求項7】
前記円筒形パイプ(2)が、最大でも、部分的に硬化させられることを特徴とする、請求項2-6のうちの1項に記載の方法。
【請求項8】
前記円筒形パイプ(2)が押し出し成形されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記円筒形パイプ(2)が引き抜き成形されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に確実に係合するように、前記ライナ(3)が前記円筒形パイプ(2)を受け取るための外側形状を有することを特徴とする、請求項1-9のうちの1項に記載の方法。
【請求項11】
ボス(5)が、前記円筒形パイプ(2)と直接接触することを特徴とする、請求項1-10のうちの1項に記載の方法。
【請求項12】
前記圧力容器半加工品をオーバーラッピングするステップの前、ポールキャップ補強(4)が前記ライナタイプ4(3)の少なくとも1つのポール領域に適用されることを特徴とする、請求項1-11のうちの1項に記載の方法。
【請求項13】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)上に押し付けられることを特徴とする、請求項1-12のうちの1項に記載の方法。
【請求項14】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に熱的に接合されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に接着接合されることを特徴とする、請求項1-14のうちの1項に記載の方法。
【請求項16】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に動作可能に接続される前、前記円筒形パイプ(2)が少なくともその内側円周上で少なくとも部分的に処理されることを特徴とする、請求項1-15のうちの1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1-16のうちの1項に記載の方法によって製造されることを特徴とする圧力容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力容器の製造の方法およびそれぞれの圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力容器、特に、繊維複合材料で補強された圧力容器に対する市場は、持続的に成長している。天然ガスの生産の増加およびガスのフラッキングは、特に、対応するパイプラインネットワークを伴わない国において、圧力容器内での貯蔵を必要にする。加えて、燃料電池乗り物の開発に大きく関わる自動車産業は、燃料が、圧力容器内に高圧力下のガス状水素の形態で貯蔵されることを要求する。水素を使用する他のタイプの乗り物は、鉄道乗り物、飛行機、船舶であり得る。宇宙船においてでさえ、用途が、考えられる。圧力容器の輸送に関して、重い圧力容器の輸送は、不必要な大量のエネルギーの消費に関連付けられ、したがって、過剰な高輸送コストにつながるので、軽い圧力容器であるべきことが所望される。
【0003】
現在使用されている円筒形繊維補強圧力容器は、マトリクス材料に埋め込まれた繊維から作製される繊維複合材料から成る補強層を有し、それは、巻き方法を用いて、圧力容器の内側容器(ライナと呼ばれる)上に巻かれ、内側容器は、巻きコアとしての機能を果たす。巻くことは、繊維複合層の製造に関する好ましいプロセスであり、それは、時間およびコストの観点において効率的である。内側容器が、例えば、圧力容器の気密性を保証しながら、繊維複合材料から作製される補強層は、必要な機械的剛性を伴う圧力容器を提供する。タイプ3の圧力容器に関して、例えば、アルミニウムまたは鋼鉄から成る金属内側容器(金属ライナ)が、採用される。タイプ4の圧力容器の場合、非耐荷重内側容器(ライナ)は、プラスチックから作製される。プラスチックライナは、一般に、ブロー成型、回転成型、または個々の構成要素の溶接によって生じさせられる。特に、水素に対して良好な浸透特性を有する材料(ポリアミドまたはポリエチレン、特に、高密度ポリエチレン等)が使用されることができる。圧力容器は、非常に高い内圧力に耐えなければならない。現在、例えば、自動車の水素タンクは、約700バールの圧力で充填される。特に、圧力容器は、衝突の場合でさえ、破裂しないこともある。したがって、そのような圧力容器は、「ポールキャップ」と呼ばれるものによって、両側で閉じられた円筒形中心部品を伴って設計される。製造公差を補償するために、補強層は、適宜、過大にサイズを決定される。補強層は、例えば、フィラメント巻き方法で製造されることができ、圧力容器のラッピングが、1つの単一動作で生じる。換言すると、繊維は、プラスチックライナ上に円周方向に、斜め方向に、または螺旋層の形態で、1つの動作で巻かれる。これは、そのような圧力容器の製造を複雑および高価にする。
【0004】
したがって、生産をより効率的にすることが所望される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、繊維補強型タイプ4圧力容器のための製造方法を提供することであって、それは、最新技術で公知の方法よりより効率的かつ安価に実施されることができ、少なくとも同じ要件が、圧力容器に課される。さらに、それぞれの圧力容器を開示することが、本発明の目的である。
【0006】
第1の目的は、製造方法を用いて達成され、それは、少なくとも1つのタイプ4ライナおよびそれに動作可能に接続された円筒形パイプを備えている、最初に、圧力容器半加工品が、生じさせられ、続いて、繊維複合材料が、例えば、半加工品上に巻かれる。
【0007】
用語「圧力容器」は、全てのタイプおよび形状の圧力容器を備え、ライナとも呼ばれる、内側容器を備えている。タイプ4圧力容器は、圧力容器が、圧力抵抗の観点において作製される要件を満たすように、外側上の繊維複合材料によって機械的に補強される熱可塑性材料から作製されるライナを備えている。原則として、これらの圧力容器は、円筒形中心部品の両側に凸面末端を伴う円筒形である。これらの末端は、ポールキャップと呼ばれ、中心部品の耐圧密閉のために使用される。圧力容器の補強のために、繊維複合材料から作製される外側層は、内側容器の外側上に巻かれ、潜在的に、圧力容器の外側を同時に形成する。内側容器は、種々の技法、例えば、部品の溶接、射出成型またはブロー成型を用いて生じさせられることができる。ポールキャップはまた、生産後、例えば、溶接によって、中心部品上に設置されることができる。別個のポールキャップは、例えば、射出成型によって製造され得る。熱可塑性内側容器を伴う圧力容器は、非常に低重量を有し、一方で、それは、例えば、輸送の手段の用途に対して、重要であり;他方で、水素等の内容物が、例えば、低損失を伴う高圧力下で貯蔵されることができる(好適な熱可塑性物質が十分に低水素透過性を有し、要求される剛性が繊維複合材料から作製される外側層によって提供されるので)。
【0008】
一般に、繊維複合層のための繊維複合材料は、2つの主要構成要素から成り、それは、本明細書では、繊維間で強接合を作成するマトリクス材料に埋め込まれた繊維である。その場合、繊維複合材料は、1つの繊維から、または複数の繊維から巻かれることができ、繊維は、互いの隣に緊密にかつ接触して巻かれる。巻かれる繊維は、すでにマトリクス材料を染み込ませられている。これは、繊維複合材料が、所望の厚さを有し、この厚さを有する対応する繊維層を形成するまで、追加の繊維がさらなる繊維層で巻かれる繊維層をもたらす。外側層が、繊維複合材料から作製されるいくつかの層で巻かれ、異なる層は、圧力容器の円柱軸に対して異なる繊維角度で配置される繊維を含み得る。一実施形態では、第1および/または追加の繊維から作製される繊維層の各々、例えば、第2の繊維は、複数の繊維層を備えている。複合物は、関与する2つの個々の構成要素のいずれかが提供し得るものより、高強度等の高品質の繊維複合材料特性を与える。繊維方向における繊維の補強効果は、縦方向における繊維の弾性率がマトリクス材料の弾性率を超えるとき、マトリクス材料の破断時の伸びが繊維の破断時の伸びを超えるとき、および、繊維の破断抵抗がマトリクス材料の破断抵抗を超えるとき、達成される。使用され得る繊維は、任意の種類の繊維、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、鋼鉄繊維、天然繊維、または合成繊維である。繊維複合層のために使用されるマトリクス材料は、原則として、デュロマーである。繊維およびマトリクス材料の材料特性は、当業者に公知であり、その結果として、当業者は、特定の用途のために繊維複合材料を生産するための好適な組み合わせの繊維およびマトリクス材料を選択することができる。本明細書では、繊維複合物領域における個々の繊維層は、単一の繊維または複数の等しいまたは異なる繊維を備えていることができる。
【0009】
用語「熱可塑性物質」は、プラスチックを指し、それは、特定の温度範囲内で可塑性的に変形させられることができる。このプロセスは、可逆的であり、すなわち、過熱に起因して、材料の熱分解が生じないことを所与として、溶融状態に冷却および再加熱することによって、不定回数繰り返されることができる。これは、熱可塑性物質をデュロプラスト(またはデュロマー)およびエラストマと区別する。熱可塑性物質の別の固有の特性は、それらが、例えば、デュロマーと対照的に、溶接されることができることである。
【0010】
本発明は、圧力容器半加工品を最初に製造することを提案する。この方法において、圧力容器半加工品の製造は、全体としての圧力容器の製造から分離される。したがって、圧力容器半加工品は、別個に生じさせられる。ここで、および、以下では、「別個の生産」は、圧力容器の実際の生産から別個の生産、特に、それに先立った生産を指す。圧力容器の実際の生産は、例えば、圧力容器半加工品上に繊維複合材料を巻くことによって生じる。圧力容器半加工品を別個に提供することによって、生産に関する最適条件が確実にされ、この構成要素、したがって、全体圧力容器の効率および品質を増加させることができる。さらに、この方法において、圧力容器の幾何学形状は、もはやライナではなく、既製の円筒形パイプによってのみ決定され、したがって、圧力容器の長さおよび直径の観点において、製造精度を増加させる。
【0011】
詳細には、この生産方法は、ポールキャップ補強を製造および処理するステップ、円筒形パイプを製造および処理するステップ、ライナにおける接続ピース(ボス)の据え付けのステップ、円筒形パイプおよびポールキャップをライナと接合するステップ、例えば、点状接着接合によって、円筒形パイプおよびポールキャップ補強の位置を固定するステップ、このように生じさせられた半加工品を覆って、繊維複合材料から成る螺旋および円周層を巻くステップ、および全体的システムを硬化するステップを含むことができる。
【0012】
別の有利な実施形態では、円筒形パイプは、別個に製造される。これは、それぞれの材料に最適な製造方法を使用して、種々の材料からパイプを生産することを可能にする。加えて、円筒形パイプの製造は、この方法において、容易に自動化されることができ、製造効率をさらに増加させる。
【0013】
別の有利な実施形態では、円筒形パイプは、繊維複合材料によってラッピングされる。この材料は、例えば、炭素繊維補強型プラスチック(CFC)であることができる。CFCから作製される構成要素は、一方で、軽量であるが、それらは、非常に高い硬度も有する。円筒形パイプが、圧力容器半加工品を覆って後にラッピングされる同じ群の材料から作製される場合、これは、圧力容器半加工品をそれを覆ってラッピングされる層と接続する利点を伴い、圧力容器の全体的硬度を増加させる。円筒形パイプを繊維複合物構成要素として別個の巻き機械上で製造することによって、ラッピング速さ、および同時にラッピングされる繊維の数は、増加させられることができる。この方法において、円筒形パイプは、残りの圧力容器と異なるタイプの繊維から生じさせられることができる。これは、特定の用途のための利点であることができる。さらに、実際の容器巻き機械(その上で、その後、圧力容器が、繊維を圧力容器半加工品上に巻くことによって製造される)のサイクル時間は、実質的に低減させられる。これは、その単純円筒形幾何学形状に起因して、円筒形パイプが、圧力容器より、より単純であり、したがって、安価な巻き機械上で製造されることができるので、特に有利である。圧力容器は、それを覆って螺旋層がラッピングされなければならないポールキャップを有するが、一実施形態では、円筒形パイプは、円周層を巻くことのみによって生じさせられることができる。加えて、円筒形パイプを別個に製造することによって、異なる繊維角度が、円周層の中に導入されることができるか、または、異なる剛性を伴う異なるタイプの繊維が、従来の生産より容易に生産物に導入されることができる。
【0014】
円筒形パイプは、全体的容器より薄い壁厚を伴って製造されることもでき、繊維のうねりのリスクを低減させ、したがって、繊維の抵抗を増加させる。
【0015】
別の有利な実施形態では、円筒形パイプは、金属の巻きコア上で巻かれる。繊維の堆積は、プラスチックライナ上より金属の巻きコア上でより精密に実施されることができる。繊維の使用は、この方法において、改良されることができる。さらに、金属の巻きコアは、非常に精密に製造されることができ、それは、その上に巻かれる円筒形パイプまたは円筒形の半仕上げされたパイプの内径の非常に精密な生産も可能にする。これは、製造公差の低減をもたらし、等しいアセンブリ空間を伴う圧力容器の充填容積の増加につながることができる。
【0016】
別の有利な実施形態では、円筒形パイプは、1つの巻きがいくつかのパネルをもたらすように、長巻きコア上に製造される。換言すると、最初に、そこから円筒形パイプが、ある長さに切断される、円筒形の半仕上げされたパイプが、巻かれる。特に、金属の巻きコアが使用される場合、その硬度は、非常に長い円筒形の半仕上げされたパイプの巻きを可能にする。特に長い円筒形の半仕上げされた生産物を巻き、その後、金属パイプを生産するためにそれをある長さに切断することは、生産の効率をさらに増加させる。しかしながら、「ボードディスク」を用いて巻きコア上の円筒形パイプを最終寸法に製造することも、可能であり、それによって、ある長さに切断すること、または他の仕上げプロセスは、必要ではない。
【0017】
別の有利な実施形態では、円筒形パイプは、最大でも、部分的にのみ硬化させられる。これは、機械的にそれを操作し、作業することを容易にし、巻き後の最終硬化中、巻きによって物質間接合を生産することができる。ここでは、原則として、部分的に硬化させられたパイプの使用は、完全に硬化させられたパイプより好ましいが、しかしながら、後者の使用は、完全に除外されない。
【0018】
別の実施形態では、円筒形パイプは、押し出し成形される。これは、非常に経済的製造方法である。押し出し成形を用いて、特に、非常に長い半仕上げされたパイプが、生じさせられることができ、それから対応して、円筒形パイプが、ある長さに切断されることができる。しかしながら、特に、長繊維補強型材料およびデュロプラスチック材料は、押し出し成形されることができず、それによって、押し出し成形に関して、例えば、繊維補強型ポリアミド等の短繊維補強型熱可塑性物質が使用されることができるが、それは、硬度の観点において、ラッピングされるパイプに対する不利点を伴い得る。
【0019】
別の実施形態では、円筒形パイプは、引き抜き成形される。引き抜き成形を用いることで、押し出し成形方法で処理され得る材料より、より長い繊維の(最大で連続した繊維さえ有する)材料が、処理されることができる。より長い繊維に起因して、押し出し成形されたパイプに対してこのように製造されるパイプの硬度は、増加させられることができる。
【0020】
別の有利な実施形態では、ライナは、円筒形パイプが、ライナに確実に係合することができるように、円筒形パイプを受け取るための外側形状を有する。特に、圧力容器の円筒形の部分からポールキャップへの移行部においてこの確実な係合が生じる場合、特に、ポールキャップがポールキャップ補強を有する場合、低温充填中の問題は、回避されることができる。確実な係合が圧力容器の片側にのみ生じる場合、円筒形パイプは、他側からライナ上に押されることができる。ライナの外側形状が凹所を有する場合、円筒形パイプは、その中に置かれることができ、すなわち、確実な係合がライナの両側に生じる場合、円筒形パイプは、収縮プロセスによってライナに接合されることができる。
【0021】
通常、ボス、ライナ、および円筒形パイプは、1つの表面を形成する。3つの構成要素は、次いで、一緒にラッピングすることによって覆われる。一実施形態では、円筒形パイプは、金属ボスと直接接触することができる。そして、プラスチックライナは、補強ラッピングと直接接触しないであろう。代替の有利な実施形態では、圧力容器半加工品が、ラッピングで覆われる前、ポールキャップ補強が、ライナの少なくとも1つのポール領域上に適用される。圧力容器半加工品のように、ポールキャップ補強も、別個に製造されることができ、ポールキャップ補強の製造を促進し、したがって、最適補強効果を達成する。この場合、円筒形パイプは、通常、金属ボスと直接接触しない。
【0022】
別の有利な実施形態では、円筒形パイプは、ライナ上に押し付けられる。この方法によって、別個に製造された円筒形パイプが、円筒形パイプに確実に係合することができるアンダーカットを伴ってライナに接合されることができる。加えて、押し付けることは、ライナと円筒形パイプとの間の付勢された接続の確立を可能にし、それは、圧力容器の動作時におけるライナと円筒形パイプとの間の間隙の可能な形成の観点において、有利であり得る。押し付けることは、例えば、ライナの内部への部分的真空の印加によって、機械的に生じ得る。これは、ライナ直径の一時的収縮を引き起こす。パイプは、ここで、ライナの上をスライドすることができる。部分的真空が、除去されると、ライナは、パイプ内部に対して拡張する。
【0023】
別の有利な実施形態では、円筒形パイプは、ライナに熱的に接合される。この目的のために、接合する前、ライナが、実質的に冷却されることができ、および/または、円筒形パイプが、加熱されることができる。冷却することによって、ライナは収縮し、すなわち、その直径は減少する。代替プロセスとして、円筒形パイプの直径は、加熱中、増加する。接合後、温度が等しくなると、収縮継手が、生じさせられる。
【0024】
別の有利な実施形態では、円筒形パイプは、ライナに接着接合される。この方法において、一体型接続が、収縮継手に加え、生じさせられ得、それは、圧力容器の動作中、ライナと円筒形パイプとの間の間隙の形成を最小化し得るか、または、完全に防ぎさえし得る。
【0025】
接着接合のために、接合前、円筒形パイプの内側円周は、少なくとも部分的に前処置されていると有利であることが証明されている。これは、例えば、化学的前処置または機械的前処置によって達成され得る。例えば、円筒形パイプの内側円周は、研削方法によって粗面化されることができる。この方法において、円筒形パイプの内側円周の表面は、増加させられ、それは、より強い接着剤接合を達成することに役立つ。そのような処置の別の実施例は、レーザによって処置される。
【0026】
さらに、内側円周の表面は、構造化されることができる。この手段は、ライナと円筒形パイプとの間に進入し得る任意のガスを奪うことに役立つことができ、ライナ座屈を回避する。
【0027】
円筒形パイプの内側円周の処置は、その別個の製造によってのみ可能となる。
【0028】
本発明は、上で説明される方法で製造される圧力容器にさらに関する。
【0029】
上で記載の実施形態は、請求項の参照番号から逸脱して、本発明によるデバイスを実装するために、個々にまたは任意の組み合わせにおいて、使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明のこれらおよび他の側面は、以下のように図に詳細に示される。
【0031】
【
図1】
図1は、本発明による、圧力容器の一部を通した横断面である。
【
図2】
図2は、本発明による、別の圧力容器の一部を通した横断面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明による、圧力容器の一部を通した横断面を示す。特に、図は、本発明による圧力容器の壁を通した断面を示す。その外部上に、圧力容器壁は、繊維複合材料から成る巻き1を有する。巻き1は、円筒形パイプ2と内側層としてライナとを備えている圧力容器半加工品上に適用される。円筒形パイプ2は、圧力容器の円筒形中心部分6のエリア内に位置する。円筒形パイプ2が、ライナ3に確実に係合するように、ライナ3は、円筒形パイプ2を受け取るための外側形状を有する。この確実な係合は、圧力容器の円筒形中心部分6からポールキャップ領域7への移行部に位置する。ライナ3の外側形状は、円筒形パイプ2がそれに対して置かれる凹所を有する。確実な係合は、軸方向におよび/または半径方向に働くようなものであることができる。
【0033】
図2は、本発明による、異なる圧力容器の一部を通した横断面を示す。圧力容器は、ポールキャップ領域7内にポールキャップ補強4を有し、それは、巻きが、圧力容器半加工品上に適用される前にポールキャップ領域7上に適用される。圧力容器半加工品のように、ポールキャップ補強4も、別個に製造されることができ、それは、ポールキャップ補強4の生産を促進し、そのような最適補強効果が達成されるように、ポールキャップ補強4の生産を可能にする。ボスとも呼ばれる接続ピース5は、ポールキャップ補強4および巻き1内に挿入され、接続ピースは、圧力容器を充填するために、および内容物(例えば、ガス)を除去するために使用される。ボス5は、ライナがそれを包み込むように、圧力容器に挿入される。
図2に示される実施形態では、ライナ2は、円筒形パイプ2を受け取るための特殊外側形状を有していないが、どんなアンダーカットも伴わない円筒形外側形状を伴う標準的なライナである。
【0034】
ここに示される実施形態は、本発明の例でしかなく、したがって、限定として理解されるべきではない。当業者によって熟慮される代替実施形態は、本発明の保護の範囲によって等しく含まれる。
【0035】
(参照番号のリスト)
1 巻き
2 円筒形パイプ
3 ライナタイプ4
4 ポールキャップ補強
5 ボス
6 円筒形中心部分
7 ポールキャップ領域
【手続補正書】
【提出日】2022-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維補強圧力容器を製造する方法であって、前記方法は、
作製された少なくとも1つのライナタイプ4(3)
、それに動作可能に接続された円筒形パイプ(2)
、ポールキャップ補強(4)、およびボス(5)を含む圧力容器半加工品を製造するステップと、
前記圧力容器半加工品をオーバーラッピングするステップと
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記円筒形パイプ(2)が別個に製造されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記円筒形パイプ(2)が繊維複合材料から巻かれることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記円筒形パイプ(2)が金属の巻きコア上で巻かれることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記円筒形パイプ(2)が円筒形の半仕上げされたパイプからある長さに切断されることを特徴とする、請求項2―4のうちの1項に記載の方法。
【請求項6】
前記円筒形パイプ(2)がその最終寸法に巻かれることを特徴とする、請求項2-4のうちの1項に記載の方法。
【請求項7】
前記円筒形パイプ(2)が、最大でも、部分的に硬化させられることを特徴とする、請求項2-6のうちの1項に記載の方法。
【請求項8】
前記円筒形パイプ(2)が押し出し成形されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記円筒形パイプ(2)が引き抜き成形されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に確実に係合するように、前記ライナ(3)が前記円筒形パイプ(2)を受け取るための外側形状を有することを特徴とする、請求項1-9のうちの1項に記載の方法。
【請求項11】
ボス(5)が、前記円筒形パイプ(2)と直接接触することを特徴とする、請求項1-10のうちの1項に記載の方法。
【請求項12】
前記圧力容器半加工品をオーバーラッピングするステップの前、ポールキャップ補強(4)が前記ライナタイプ4(3)の少なくとも1つのポール領域に適用されることを特徴とする、請求項1-11のうちの1項に記載の方法。
【請求項13】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)上に押し付けられることを特徴とする、請求項1-12のうちの1項に記載の方法。
【請求項14】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に熱的に接合されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に接着接合されることを特徴とする、請求項1-14のうちの1項に記載の方法。
【請求項16】
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に動作可能に接続される前、前記円筒形パイプ(2)が少なくともその内側円周上で少なくとも部分的に処理されることを特徴とする、請求項1-15のうちの1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1-16のうちの1項に記載の方法によって製造されることを特徴とする圧力容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
上で記載の実施形態は、請求項の参照番号から逸脱して、本発明によるデバイスを実装するために、個々にまたは任意の組み合わせにおいて、使用されることができる。
本発明はさらに、例えば、以下を提供する。
(項目1)
繊維補強圧力容器を製造する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのライナタイプ4(3)とそれに動作可能に接続された円筒形パイプ(2)とを含む圧力容器半加工品を製造するステップと、
前記圧力容器半加工品をオーバーラッピングするステップと
を特徴とする、方法。
(項目2)
前記円筒形パイプ(2)が別個に製造されることを特徴とする、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記円筒形パイプ(2)が繊維複合材料から巻かれることを特徴とする、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記円筒形パイプ(2)が金属の巻きコア上で巻かれることを特徴とする、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記円筒形パイプ(2)が円筒形の半仕上げされたパイプからある長さに切断されることを特徴とする、項目2―4のうちの1項に記載の方法。
(項目6)
前記円筒形パイプ(2)がその最終寸法に巻かれることを特徴とする、項目2-4のうちの1項に記載の方法。
(項目7)
前記円筒形パイプ(2)が、最大でも、部分的に硬化させられることを特徴とする、項目2-6のうちの1項に記載の方法。
(項目8)
前記円筒形パイプ(2)が押し出し成形されることを特徴とする、項目2に記載の方法。
(項目9)
前記円筒形パイプ(2)が引き抜き成形されることを特徴とする、項目2に記載の方法。
(項目10)
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に確実に係合するように、前記ライナ(3)が前記円筒形パイプ(2)を受け取るための外側形状を有することを特徴とする、項目1-9のうちの1項に記載の方法。
(項目11)
ボス(5)が、前記円筒形パイプ(2)と直接接触することを特徴とする、項目1-10のうちの1項に記載の方法。
(項目12)
前記圧力容器半加工品をオーバーラッピングするステップの前、ポールキャップ補強(4)が前記ライナタイプ4(3)の少なくとも1つのポール領域に適用されることを特徴とする、項目1-11のうちの1項に記載の方法。
(項目13)
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)上に押し付けられることを特徴とする、項目1-12のうちの1項に記載の方法。
(項目14)
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に熱的に接合されることを特徴とする、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に接着接合されることを特徴とする、項目1-14のうちの1項に記載の方法。
(項目16)
前記円筒形パイプ(2)が前記ライナタイプ4(3)に動作可能に接続される前、前記円筒形パイプ(2)が少なくともその内側円周上で少なくとも部分的に処理されることを特徴とする、項目1-15のうちの1項に記載の方法。
(項目17)
項目1-16のうちの1項に記載の方法によって製造されることを特徴とする圧力容器。
【国際調査報告】