(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】棒材を保管する機器および方法
(51)【国際特許分類】
B21D 43/00 20060101AFI20221027BHJP
B65G 47/08 20060101ALI20221027BHJP
B65G 47/28 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
B21D43/00 M
B65G47/08 D
B65G47/28 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513221
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 IT2020050207
(87)【国際公開番号】W WO2021038608
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】102019000015165
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592060639
【氏名又は名称】エム・イー・ピー・マシーネ・エレトロニーチェ・ピエガトリーチ・エス・ピー・エイ
【氏名又は名称原語表記】M.E.P. MACCHINE ELETTRONICHE PIEGATRICI SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デル ファブロ、ジョルジョ
【テーマコード(参考)】
3F080
3F081
【Fターム(参考)】
3F080AA11
3F080BA03
3F080BD15
3F080BE08
3F080CE02
3F080DA05
3F080EA10
3F081AA08
3F081BA02
3F081BD11
3F081CA04
3F081CC01
3F081EA07
(57)【要約】
棒材(B)を保管する機器であって、機器は、支持面(11)、ならびに支持面(11)のそれぞれの対向端部に関連付けられた束送給域(12)および棒材送出域(13)を備えており、支持面(11)は、少なくとも束送給域(12)から棒材送出域(13)に棒材(B)を移動方向(Z)において移動させるユニット(14)を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
束(F)の形態で供給された棒材(B)を保管するための機器であって、支持面(11)、ならびに支持面(11)のそれぞれの対向端部(18、19)に関連付けられた束送給域(12)および棒材送出域(13)を含み、支持面(11)は、少なくとも束送給域(12)から棒材送出域(13)に棒材(B)を移動方向(Z)において移動させるユニット(14)を含む、機器において、
移動方向(Z)に関して互いに隣接して配置された複数の収容および並進ユニット(15)を含んでおり、各収容および並進ユニット(15)は、
- 移動方向(Z)を横断する長手方向(L)において距離をおいて位置合わせされた少なくとも2つの収容要素(16)であって、前記収容要素(16)が、支持面(11)の下方に位置決めされ、かつ棒材(B)の束を支持するのに適している少なくとも1つの収容位置から、棒材(B)を支持面(11)上に放出するために前記収容要素(16)が支持面(11)の上方に位置決めされる少なくとも1つの放出位置に移行するように、互いに協調しかつ選択的に移動可能である、少なくとも2つの収容要素(16)と、
- 前記収容要素(16)に関連付けられ、かつ長手方向(L)において位置合わせされた少なくとも2つの移動装置(17)であって、前記移動装置(17)が、支持面(11)に実質的に平行であり、かつ棒材(B)の移動を可能にする少なくとも1つの下降状態から、前記収容要素(16)のそれぞれへのアクセスを可能にするために前記移動装置(17)が上昇する少なくとも1つの上昇状態に移行するように、互いに協調する、少なくとも2つの移動装置(17)と、
を含むことを特徴とする、機器。
【請求項2】
前記移動装置(17)が、前記それぞれの収容要素(16)とは別個のものであり、前記移動装置(17)が、場合によりそれぞれの中間状態および位置を通して前記下降状態から前記上昇状態に、ならびに前記収容位置から前記放出位置にそれぞれ独立して移行するために、前記それぞれの収容要素(16)から独立して可動であることを特徴とする、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
各収容および並進ユニット(15)が、長手方向(L)に平行であり、かつ互いに向かい合う第1の伝達シャフト(20)および第2の伝達シャフト(21)を含み、前記移動装置(17)および前記収容要素(16)が、第1の伝達シャフト(20)および第2の伝達シャフト(21)にそれぞれ関連付けられることを特徴とする、請求項2に記載の機器。
【請求項4】
各移動装置(17)が、前記第1の伝達シャフト(20)に回動自在に取り付けられた第1の端部(18)であって、第1の端部(18)に対して、前記移動装置(17)が、前記下降状態から前記上昇状態に、またはその逆に移行するように回転するのに適している、第1の端部(18)を有することと、
それぞれの収容要素(16)が、前記第2の伝達シャフト(21)に回動自在に取り付けられた回動部分(34)であって、前記回動部分(34)に対して、前記それぞれの収容要素(16)が、前記収容位置から前記放出位置に、またはその逆に、前記移動装置(17)の回転方向とは反対の方向に回転するように構成される、回動部分(34)を有することとを特徴とする、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
支持面(11)上の棒材(B)を移動させるために前記移動装置(17)を作動させるように構成された少なくとも1つのそれぞれの第1の作動ユニット(29)と、前記下降状態から前記上昇状態への、またはその逆の前記移動装置(17)の移行を可能にするために提供された少なくとも1つのそれぞれの第2の作動ユニット(30)と、前記収容位置から前記放出位置への、またはその逆の前記収容要素(16)の移行を可能にするために提供された少なくとも1つの第3の作動ユニット(31)とが、各収容および並進ユニット(15)に関連付けられることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の機器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の作動ユニット(29)、第2の作動ユニット(30)および第3の作動ユニット(31)が、それぞれ互いに独立して選択的に作動/作動停止され得ることを特徴とする、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
各移動装置(17)が、前記それぞれの収容要素(16)とともに、単一の移動体(47)であって、前記移動装置(17)に対応する単一の移動体(47)の第1の部分が、場合により可能な中間状態を通して前記下降状態から前記上昇状態に移行し、および前記収容要素(16)に対応する単一の移動体(47)の第2の部分が、場合により可能な中間位置を通して前記収容位置から前記放出位置に移行することを可能にするように可動である、単一の移動体(47)を構成することを特徴とする、請求項1に記載の機器。
【請求項8】
各収容および並進ユニット(15)が、長手方向(L)に平行な少なくとも1つの第1の伝達シャフト(20)を含むことと、
前記移動体(47)が、前記移動装置(17)に対応する前記第1の部分と、前記収容要素(16)に対応する前記第2の部分との間において、中間回動部分(48)であって、中間回動部分(48)に対して前記移動体(47)が回転可能に関連付けられる、中間回動部分(48)を有することと、を特徴とする、請求項7に記載の機器。
【請求項9】
支持面(11)上の棒材(B)を移動させるために前記移動装置(17)を作動させるように構成された少なくとも1つのそれぞれの第1の作動ユニット(29)と、前記移動体(47)を回転移動させるために提供される、前記第1の作動ユニット(29)から独立した作動アセンブリ(49)とが、各収容および並進ユニット(15)に関連付けられることを特徴とする、請求項7または8に記載の機器。
【請求項10】
各収容要素(16)が、使用中に上方に開放するとともに、棒材(B)の一部を支持するのに適しているハウジング座部(32)であって、それぞれのハウジング座部(32)が、保管される棒材(B)を支持する不連続なハウジング面(P)を画定するように、同じ収容および並進ユニット(15)の収容要素(16)が同じ高さに位置決めされる、ハウジング座部(32)を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の機器。
【請求項11】
同じ収容および並進ユニット(15)の収容要素(16)が前記収容位置にあるとき、前記ハウジング座部(32)は支持面(11)の下方にあり、かつ前記ハウジング面(P)は支持面(11)に実質的に平行であり、同じ収容および並進ユニット(15)の収容要素(16)が前記放出位置にあるとき、支持面(11)上への棒材(B)の積み下ろしを可能にするために、前記ハウジング座部(32)は支持面(11)の上方にあり、かつ前記ハウジング面(P)は支持面(11)に対して実質的に傾斜していることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の機器。
【請求項12】
載置手段(36)であって、前記束送給域(12)に対応して位置決めされるとともに、棒材(B)の束(F)を受け取って棒材(B)を支持面(11)上に移送するように構成された、載置手段(36)を含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の機器。
【請求項13】
前記収容および並進ユニット(15)の少なくとも前記移動装置(17)が、前記下降状態において、移動ユニット(14)を画定することを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の機器。
【請求項14】
棒材(B)を保管する方法であって、移動ユニット(14)により、支持面(11)上の棒材(B)を、少なくとも、支持面(11)の対向端部(18、19)に関連付けられた束送給域(12)と棒材送出域(13)との間で移動方向(Z)に移動させることを提供する方法において、
移動方向(Z)に関して互いに隣接して配置された複数の収容および並進ユニット(15)内に棒材(B)を保管することを提供し、各収容および並進ユニット(15)は、
- 移動方向(Z)を横断する長手方向(L)において距離をおいて位置合わせされた少なくとも2つの収容要素(16)が、前記収容要素(16)が支持面(11)の下方に位置決めされ、かつ棒材(B)の束を支持する少なくとも1つの収容位置と、前記収容要素(16)が支持面(11)の上方に位置決めされ、かつ棒材(B)を支持面(11)上に放出する少なくとも1つの放出位置との間で協調的に移動することと、
- 前記収容要素(16)に関連付けられ、かつ長手方向(L)において位置合わせされた少なくとも2つの移動装置(17)が、前記移動装置(17)が支持面(11)に平行であり、かつ棒材(B)を移動させる少なくとも1つの下降状態から、前記それぞれの収容要素(16)へのアクセスを可能にするために前記移動装置(17)が上昇する少なくとも1つの上昇状態へと協調的に移動することと、
を提供することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒材、特に束にまとめられた棒材を保管する機器および方法に関する。特に、本発明は、棒材の束の倉庫から特定の束を受け取るために、および、次いで下流側に位置する1つまたは複数のユーザマシンに送出域に対応して棒材を供給するのを待つ間、均等に、例えば直径または他の特徴に合わせて束の棒材を保管するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
棒材という用語は、円形、多角形または平坦な断面形状を有する、線材、鉄筋、丸材、角材などの縦長形状の製品を一般に意味する。
曲げ機、スターラップ製造機、溶接機などのユーザマシン、切断プラントまたは計数プラントなどに棒材を送給することが知られている。
【0003】
特に切断または棒材計数プラントの場合、適切な倉庫からまたは輸送手段から直接、橋形クレーンまたは起重機などによって棒材を取り出し、上記のようにプラントに送給する送給ステーションに棒材を供給することが知られている。
【0004】
得られる最終製品に応じて、ユーザマシンに供給される棒材は、様々な種類の棒材、例えば異なる直径、材料、形状、表面加工またはその他を有する棒材である。棒材を移動させることを困難かつ複雑にする主な問題の1つは、棒材が、30m以上と非常に長くなること、棒材の重量に起因して曲がりやすいこと、縦長形状のためねじれやすいことである。
【0005】
この問題を少なくとも部分的に取り除くために、通常、棒材は種類ごとに束で供給され、第1の束は第1の種類の棒材で、第2の束は第2の種類の棒材で、といった具合に形成される。
【0006】
棒材の各束は、その都度、各束が配置されている対応する倉庫または輸送手段から橋形クレーンによって取り上げられ、送給ステーションに送出される。送給ステーションは、束が配置される送給面を備えることができる。送給面は、棒材を互いに分散させ、続いて支持面に関連付けられた1つまたは複数の取り扱い装置によって、棒材が取り上げられてユーザマシンに送給される。
【0007】
ユーザマシンによる一定範囲の製品の実行が終了すると、送給面に分散させた残りの棒材が再び集められて結束され、残存する棒材の新しい束を形成する。この新しい束は、橋形クレーンによって取り上げられ、倉庫に戻される。
【0008】
橋形クレーンを用いて、別の束の棒材、例えば異なる種類の棒材が取り上げられ、送給面に移送した後、再び同じサイクルを繰り返す。
したがって、棒材を倉庫から送給面に、あるいは送給面から倉庫に移送するための手順が非常に複雑で、専用の構造物が必要であり、さらに倉庫から作業面への移動の都度、誘導や位置決めを行う作業者が必要である。
【0009】
その上、棒材の種類を変更するこの操作は、時間の観点からコストが非常に高くなる可能性もあり、考慮される供給機器の下流側に位置するユーザマシンのダウンタイムを生じさせる可能性もある。
【0010】
したがって、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服することができる、棒材を保管する機器を完成させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特に、本発明の1つの目的は、束の形態で送給された棒材を整然と迅速かつ効率的に保管することを可能にする、棒材を保管する機器を提供することである。
本発明の別の目的は、限られた数の作業者で管理できる、棒材を保管するための完全に自動化された機器を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、下流側に位置するユーザマシン、例えば切断プラントに棒材を供給することを可能にし、機械のダウンタイムを回避して棒材の構成を変更する操作を可能にする、棒材を保管する機器を提供することである。
【0013】
別の目的は、倉庫とユーザマシンとの間での棒材の移動の効率的で自動化された管理を可能にする、棒材を保管する方法を完成させることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本出願人は、従来技術の欠点を克服し、これらおよび他の目的ならびに利点を得るために、本発明を考案、試験および具現化した。
本発明は、独立請求項に記載されるとともに特徴付けられる。従属請求項は、本発明の他の特徴または主な発明の概念の変形形態を説明する。
【0015】
上記の目的によれば、本発明による棒材を保管する機器は、支持面、ならびに支持面のそれぞれの対向端部に関連付けられた束送給域および棒材送出域を含む。
支持面は、上記のように、少なくとも束送給域から棒材送出域に棒材を移動方向において移動させるユニットを含む。
【0016】
本発明の一態様によれば、棒材を保管する機器は、移動方向に関して互いに隣接して配置された複数の収容および並進ユニットを含む。
各収容および並進ユニットは、
- 移動方向を横断する長手方向において距離をおいて位置合わせされた少なくとも2つの収容要素であって、収容要素が支持面の下方に位置決めされ、かつ棒材のそれぞれの束を支持するのに適している少なくとも1つの収容位置から、棒材を支持面上に放出するために収容要素が支持面の上方に配置される少なくとも1つの放出位置に移行するように互いに協調し、かつ選択的に移動可能である、少なくとも2つの収容要素と、
- 収容要素に対応して配置され、かつ収容要素に対してずれた位置で長手方向において位置合わせされた少なくとも2つの移動装置であって、移動装置が支持面に平行であり、かつ棒材の移動を可能にする少なくとも1つの下降状態から、それぞれの収容要素へのアクセスを可能にするために移動装置を上昇させる少なくとも1つの上昇状態に移行するように互いに協調する、少なくとも2つの移動装置と、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、移動装置は、それぞれの収容要素に対して別個の自律的な構成要素であり、移動装置は、場合によりそれぞれの中間状態および位置を通して下降状態から上昇状態に、および収容位置から放出位置にそれぞれ独立して移行するために、それぞれの収容要素から独立して可動である。
【0018】
別の実施形態によれば、各移動装置は、それぞれの収容要素とともに、単一の移動体を構成することができ、単一の移動体は、移動装置に対応する単一の移動体の第1の部分が、場合により可能な中間状態を通して下降状態から上昇状態に移行し、かつ、収容要素に対応する単一の移動体の第2の部分が、場合により可能な中間位置を通して収容位置から放出位置に移行することを可能にするように可動である。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態は、棒材を保管する方法であって、移動ユニットにより、支持面上の棒材を、少なくとも、支持面のそれぞれの対向端部に関連付けられた束送給域と棒材送出域との間で移動方向に移動させることを提供する方法にも関する。
【0020】
本発明の一態様によれば、この方法は、移動方向に関して互いに隣接して配置された複数の収容および並進ユニット内に棒材を保管することを提供する。各収容および並進ユニットは、
- 移動方向を横断する長手方向において距離をおいて位置合わせされた、収容および並進ユニットの少なくとも2つの収容要素が、支持面の下方に配置され、かつ棒材の束を支持する収容位置と、収容要素が支持面の上方に配置され、かつ棒材を支持面上に放出する放出位置との間で協調的に移動することと、
- 収容要素に関連付けられ、かつ収容要素に対してずれた位置で長手方向において位置合わせされている、収容および並進ユニットを移動させる少なくとも2つの装置が、支持面に平行であり、かつ棒材を移動させる下降状態から、それぞれの収容要素へのアクセスを可能にするために装置が上昇する上昇状態に協調的に移動することと、を提供する。
【0021】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴ならびに利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられた、いくつかの実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による棒材を保管する機器の平面図である。
【
図5】
図1の機器の機能の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図6】
図1の機器の機能の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図7】
図1の機器の機能の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図8】
図1の機器の機能の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図9】
図1の機器の機能の別の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図10】
図1の機器の機能の別の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図11】
図1の機器の機能の別の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図12】
図1の機器の機能の別の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図13】
図1の機器の機能の別の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図14】
図1の機器の機能の別の可能な動作手順を示す側面図である。
【
図15】ここで説明する機器の収容および並進ユニットの可能な実施形態を示す側面図である。
【
図16】ここで説明する機器の収容および並進ユニットの可能な実施形態を示す側面図である。
【
図17】ここで説明する機器の収容および並進ユニットの可能な実施形態を示す側面図である。
【
図22】いくつかの実施形態による、棒材を保管する2つの機器の可能な動作配置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
理解を容易にするため、可能な場合、図面中の同一の共通要素を特定するために同じ参照番号が使用される。一実施形態の要素および特徴は、さらなる説明なしに他の実施形態に簡便に組み込まれ得ることが理解される。
【0024】
ここで、本発明の種々の実施形態について詳細に言及し、それらの実施形態の1つまたは複数の例が添付の図面に示される。各実施例は、本発明を例示するものとして与えられており、本発明を限定するものと理解されるものではない。例えば、示されるかまたは説明される特徴は、一実施形態の一部である限り、他の実施形態に対してまたは他の実施形態に関連して取り入れられ、別の実施形態をもたらすことができる。本発明は、そのような全ての修正形態および変形形態を含むものとすることが理解される。
【0025】
これらの実施形態を説明する前に、本説明は、添付の図面を用いた以下の記載で説明するように、その適用において構成要素の構造および配置の詳細に限定されないことも明らかにする必要がある。本説明は、他の実施形態を提供することができ、他の様々な方法で取得または実行することができる。ここで使用する表現および用語は、単なる説明のためのものであり、限定的なものとみなされ得ないことも明らかにする必要がある。
【0026】
本発明の実施形態は、全体として参照番号10で表す、棒材Bを保管する機器に関する。
棒材Bは、主に縦長に展開しており、長さが数メートルであっても、例えば30m程度までの長さであってもよく、かつ異なる直径を有することができる。棒材Bは、典型的には、束Fの形態で、すなわち均一にまとめられ結束された状態で機器10に供給される。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、棒材Bを保管する機器10は、支持面11、ならびに支持面11のそれぞれの対向端部18、19に関連付けられた束送給域12および棒材送出域13を含む。
【0028】
支持面11は、少なくとも束送給域12から棒材送出域13に棒材Bを移動方向Zにおいて移動させるユニット14を含む。
重力によって棒材Bが不所望に移動することを防止するために、支持面11は、水平に配置することができる。
【0029】
支持面11は、第1の端部18と第2の端部19との間に2つの側縁部を含む。
第1の端部18および第2の端部19は、加工される棒材Bの長さと実質的に等しいかまたはそれ以上の長さを有する。
【0030】
実際に、棒材Bは、以下に説明する態様に従い、第1の端部18および第2の端部19の長手方向展開部に対して実質的に平行して支持面11に載置される。
特に、棒材Bは、束送給域12に対応する支持面11に載置され、棒材送出域13に対応する支持面11から排出される。
【0031】
支持面11に積み下ろしされた棒材Bは、移動ユニット14により、重なりや絡まりを防ぎながら支持面11上に均一に分配され、またその特徴の少なくとも1つに従って専用の収集域内に均等に配列される。
【0032】
本発明の一態様によれば、機器10は、移動方向Zに関して互いに隣接して配置された複数の収容および並進ユニット15を含む。
図面に示された態様では、収容および並進ユニット15は6つであるが、異なる数、例えばより多いまたは少ない数も排除されない。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、各収容および並進ユニット15は、移動方向Zを横断する長手方向Lにおいて距離をおいて位置合わせされた少なくとも2つの収容要素16を含み、少なくとも2つの収容要素16は、収容要素16が支持面11の下方に配置され、かつ棒材Bのそれぞれの束を支持するのに適している少なくとも1つの収容位置から、棒材Bを支持面11上に放出するために収容要素16が支持面11の上方に配置される少なくとも1つの放出位置に移行するように互いに協調し、かつ選択的に移動可能である。
【0034】
各収容および並進ユニット15はまた、収容要素16に対応して位置決めされ、かつ長手方向Lにおいて位置合わせされた少なくとも2つの移動装置17を含み、少なくとも2つの移動装置17は、移動装置17が支持面11に平行であり、かつ棒材Bの移動を可能にする少なくとも1つの下降状態から、それぞれの収容要素16へのアクセスを可能にするために移動装置17が上昇する少なくとも1つの上昇状態に移行するように互いに協調する。
【0035】
図2~
図14に示すいくつかの実施形態によれば、移動装置17は、それぞれの収容要素16に対して別個の自律的な構成要素であり、移動装置17は、場合によりそれぞれの中間状態および位置を通して下降状態から上昇状態に、および収容位置から放出位置にそれぞれ独立して移行するために、それぞれの収容要素16から独立して可動である。
【0036】
図1に示すいくつかの実施形態によれば、各移動装置17は、それぞれの収容要素16に対してずれた構成で配置される。特に、各移動装置17は、その相互に独立した移動中に起こり得る相互干渉を防止するように、それぞれの収容要素16に対して長手方向Lにずらされている。
【0037】
図2~
図4に示すいくつかの実施形態によれば、各収容および並進ユニット15は、第1の伝達シャフト20および第2の伝達シャフト21を含み、第1の伝達シャフト20と第2の伝達シャフト21とは、両方とも長手方向Lに平行であり、これらの伝達シャフトには、移動装置17および収容要素16が関連付けられる。
【0038】
各収容および並進ユニット15は、一方の側では第1の伝達シャフト20を、他方の側では第2の伝達シャフト21を、隣接する収容および並進ユニットと共有する。以下では、説明の便宜上、各収容および並進ユニット15に関して第1の伝達シャフト20および第2の伝達シャフト21に言及するが、
図3~
図4の例で分かるように、例として、隣接する収容および並進ユニット15と共有される第2の伝達シャフト21は、隣接する収容および並進ユニット15の第1の伝達シャフト20であることが理解される。
【0039】
図3~
図4に示すいくつかの実施形態によれば、各移動装置17は、第1の伝達シャフト20に回動自在に取り付けられた(pivoted to)第1の端部を有しており、第1の端部に対して、移動装置17は、下降状態から上昇状態に、またはその逆に移行するように回転するのに適している。
【0040】
各移動装置17は、第2の伝達シャフト21に対応して配置される、第1の端部とは反対側の第2の端部を有しており、第2の端部は、収容要素16へのアクセスを可能にするためにそれぞれの第2の伝達シャフト21によって選択的に上昇させることができる。
【0041】
各収容要素16は、第2の伝達シャフト21に回動自在に取り付けられた回動部分34を有しており、回動部分34に対して、各収容要素16は、収容位置から放出位置に、またはその逆に移行するように回転することができる。
【0042】
各収容要素16は、それぞれの移動装置17の回転方向とは反対の方向に回転するように構成される。
図3~
図4と、
図6~
図7と、
図9と、
図13とに示すいくつかの実施形態によれば、各移動装置17は、約1°~約90°の回転角度であって、相互干渉が発生することなく、棒材を支持面11に積み下ろしするか、または棒材Bが支持面11から収容要素16に積み下ろしされることを可能にするために、いずれの場合にも収容要素16の回転を可能にするのに十分な回転角度で支持面11に対して回転して上昇させることができる。
【0043】
図3~
図14に示すいくつかの実施形態によれば、支持面11上の棒材Bを移動させるために移動装置17を作動させるように構成された少なくとも1つのそれぞれの第1の作動ユニット29と、移動装置17が下降状態から上昇状態に、またはその逆に移行することを可能にするために提供された少なくとも1つのそれぞれの第2の作動ユニット30と、収容要素16が収容位置から放出位置に、またはその逆に移行することを可能にするために提供された少なくとも1つの第3の作動ユニット31とは、各収容および並進ユニット15に関連付けられる。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、第1の作動ユニット29、第2の作動ユニット30および第3の作動ユニット31は、それぞれ他とは異なる別個の方法で選択的に作動/作動停止させることができる。
【0045】
可能な実施形態によれば、各収容および並進ユニット15は、移動方向Zへの棒材Bの均一な平行移動をそれぞれ保証し、かつ移動装置17の角度的に均一な同時の上昇/下降をそれぞれ保証するために、第1の作動ユニット29および第2の作動ユニット30に関連付けられたそれぞれの同期装置を含むことができる。
【0046】
可能な実施形態によれば、各収容および並進ユニット15は、収容要素16を同時に移動させるように第3の作動ユニット31に関連付けられた他の同期装置を含むことができる。
【0047】
本発明の可能な解決策によれば、作動ユニット29、30、31は、ジャッキ、線形アクチュエータ、摺動ガイド、チェーン機構、ラックまたはウォームねじ機構などのいずれかの少なくとも1つを含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、第1の作動ユニット29は、例えば、チェーン型の駆動装置27および伝達装置28を含む。
伝達装置28は、移動装置17を協調的かつ同時に作動させるために、駆動装置27によって生じた運動を第1の伝達シャフト20に伝達するように構成される。
【0049】
伝達装置28は、一方の側では第1の伝達シャフト20に関連付けられ、他方の側では第1の伝達シャフト20に平行な補助シャフト23に関連付けられるとともに、同じ収容および並進ユニット15の移動装置17に接続される。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、第2の作動ユニット30は、移動装置17を上昇/下降させるために、補助シャフト23に関連付けられた動作端部を有する線形アクチュエータを含む。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、第3の作動ユニット31は、第1の端部に関して第2の伝達シャフト21に接続されるとともに、第1の端部とは反対側の第2の端部に関して、少なくとも1つのモータ46によって回転されるモータシャフト45に接続されたチェーン機構24を含む。モータシャフト45は、第2の伝達シャフト21に平行であり、有利には第2の伝達シャフト21の下方に配置することができる。
【0052】
可能な実施形態によれば、各移動装置17は、他の移動装置17に対して個別にかつ自律的に移動させることができる。このために、同じ収容および並進ユニット15の各移動装置17にそれぞれの第1の作動ユニット29およびそれぞれの第2の作動ユニット30を関連付けることができる。
【0053】
可能な実施形態によれば、各収容要素16は、他の収容要素16に対して個別にかつ自律的に移動させることができる。このために、同じ収容および並進ユニット15の各収容要素16にそれぞれの第3の作動ユニット31を関連付けることができる。
【0054】
有利には、各移動装置17および各収容要素16の別個の分離した移動により、機器10が非常に多用途で効率的であることが可能となる。例えば、長さが非常に短い棒材Bを保管しかつ取り上げる必要がある場合、取り上げられる/保管される棒材Bに対応する移動装置17のみを駆動することが可能である。特に、機器10は、移動装置17に接触している棒材Bの1つの存在を検出するように構成された検出装置を備えることができる。
【0055】
図15~
図22に示すいくつかの実施形態によれば、各移動装置17は、それぞれの収容要素16とともに、単一の移動体47を構成し、単一の移動体47は、移動装置17に対応する単一の移動体の第1の部分が、場合により可能な中間状態を通して下降状態から上昇状態に移行し、かつ、収容要素16に対応する単一の移動体の第2の部分が、場合により可能な中間位置を通して収容位置から放出位置に移行することを可能にするように可動である。
【0056】
移動体47は、上記で説明したように、物理的に単一の構成要素であるが、以下では、移動装置17に対応する第1の部分と、収容要素16に対応する第2の部分とについて言及し、第1の部分と第2の部分との両方は、機能レベルにおいて別個および別々の、すなわち異なる機能を実行し続ける。
【0057】
特に、上昇状態では、移動装置17に対応する第1の部分は、約30°~約50°で変化する回転角度だけ支持面11に対して上方に傾斜し、したがって依然として収容位置にあるそれぞれの収容要素16へのアクセスを可能にする(
図18)。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、収容要素16が放出位置にあるとき、それぞれの移動装置17は、約180°の回転角度だけ支持面11に対して傾斜し、実質的に下降状態に対して反転した位置に達すると、隣接する収容および並進ユニット15の移動装置17と協働して、支持面11上の棒材Bの移動を可能にする(
図17および
図20)。
【0059】
このために、隣接する収容および並進ユニット15の移動体47は、長手方向Lに互いに対してずれていることが必要である。
いくつかの実施形態によれば、
図2~
図14で説明した例と同様に、各収容および並進ユニット15は、第1の伝達シャフト20および第2の伝達シャフト21を含み、第1の伝達シャフト20と第2の伝達シャフト21は、両方とも長手方向Lに平行である。
【0060】
特に、各移動体47は、移動装置17に対応する第1の部分と収容要素16に対応する第2の部分との間において、中間回動部分48を有しており、中間回動部分48に対して、移動体47がそれぞれの第1の伝達シャフト20に回転可能に関連付けられる。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、各収容要素16は、機器10のフレームに取り付けられた支持体50を含むことができ、支持体50は、収容要素16にかかる棒材Bの過大な重量によって中間回動部分48に過度のトルクが生じることを防止するために、収容要素16が収容位置にあるときに収容要素16を少なくとも部分的に支持するのに適している。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、同じ収容および並進ユニット15の移動体47は、例えば、機械的または電子的同期装置によって互いに協調的に移動する。
いくつかの実施形態によれば、支持面11上の棒材Bを移動させるために移動装置17を作動させるように構成された少なくとも1つのそれぞれの第1の作動ユニット29と、移動体47を回転移動させるために提供される、作動ユニット29から独立した作動アセンブリ49とは、各収容および並進ユニット15に関連付けられる。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、作動アセンブリ49は、例えば、第1の端部に関して第1の伝達シャフト20に接続され、かつ第1の端部とは反対側の第2の端部に関して、少なくとも1つのモータ46によってモータシャフトに接続されたチェーン機構を含む。これは、例えば、油圧昇降装置、ウォームねじまたは他の好適な移動装置を含むことができる作動アセンブリ49の単なる1つの可能な実施形態であることは明らかである。
【0064】
図3~
図4および
図15~
図17に示すいくつかの実施形態によれば、各移動装置17は、戻り部材26の周りを選択的に閉ループで移動可能な伝達部材25を含む。
伝達部材25は、戻り部材26間に戻りセグメントを画定し、その少なくとも1つは、支持面11上に位置し、移動方向Zに配置される。
【0065】
特に、戻り部材26間に含まれる戻りセグメントが、外側に向いて支持面11上にある少なくとも1つの支持表面を有することができる。
伝達部材25の各戻りセグメントは、棒材Bの一部分に接触して配置されることで、支持面11の少なくとも一部分における棒材Bの分布および移動を決定する。
【0066】
図1に示すいくつかの実施形態によれば、同じ収容および並進ユニット15の2つの隣り合う移動装置17間には、棒材Bが支持されない空間が形成される。
可能な実施形態によれば、上記のような空間は、全て同じ大きさを有することができる。
【0067】
他の可能な実施形態によれば、上記のような空間は、様々な大きさを有することができる。
本発明の可能な実施形態によれば、伝達部材25は、チェーン、ベルトまたはケーブルのいずれかの少なくとも1つを含む群から選択することができる。
【0068】
図3~
図4および
図15~17に示す実施形態によれば、伝達部材25は、例えば、ローラ型のチェーンを含む。チェーンを構成するリンクによって画定される支持表面の不規則性のため、ローラチェーンの選択により、支持面11上、すなわち支持面11の一部分上において、棒材Bの均等な分布を誘起するような振動を棒材Bに発生させることが可能となる。
【0069】
戻り部材26は、伝達部材25を戻り部材26の周りに巻き付けるのに適しているホイール、プーリ、歯付きクラウンのいずれかの少なくとも1つを含むことができる。
可能な解決策によれば、戻り部材26は、ローラチェーンのリンクが噛み合う歯付きクラウンを含む(
図3)。この実施形態では、戻り部材26と伝達部材25との間に相互摺動が生じないことが保証される。
【0070】
可能な実施形態によれば、収容および並進ユニット15は、例えば、異なる大きさ、異なる長さ、異なる種類の材料などの異なる種類の棒材Bをそれぞれ収めるのに適している。
【0071】
例えば、
図3~
図4および
図15~
図17に示すいくつかの実施形態によれば、各収容要素16は、他の収容要素16と協働して棒材Bを受け取るために、上方に開放した凹面を備えた凹形状を有する。
【0072】
各収容要素16は、使用中に上方に開放する、棒材Bの一部分を支持するのに適しているハウジング座部32を備えることができる。
特に、各ハウジング座部32は、棒材Bが不連続に支持されるが、実質的に棒材Bの全長にわたって支持されるように棒材Bを部分的に支持する。
【0073】
図3~
図4に示すいくつかの実施形態によれば、各ハウジング座部32は、実質的にU字状である。
図15~
図17に示すいくつかの実施形態によれば、各ハウジング座部32は、部分的に回転した状態でも棒材Bを収容できるように上方にわずかに湾曲した終端部を備えた実質的にL字状である。
【0074】
それぞれのハウジング座部32が、保管される棒材Bを支持する不連続なハウジング面Pを画定するように、同じ収容および並進ユニット15の収容要素16は、同じ高さに位置決めされる(
図1)。
【0075】
特に
図3~
図4を参照すると、同じ収容および並進ユニット15の収容要素16が収容位置にあるとき、ハウジング座部32は、支持面11の下方にあり、ハウジング面Pは、支持面11に実質的に平行である。同じ収容および並進ユニット15の収容要素16が放出位置にあるとき、棒材が支持面11に積み下ろしされることを可能にするために、ハウジング座部32は支持面11の上方にあり、ハウジング面Pは支持面11に対して実質的に傾斜している。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、機器10は、第1の端部18および第2の端部19にそれぞれ対応して位置決めされた補助移動装置38、39を含む。特に、補助移動装置38は、棒材Bを束送給域12から収容および並進ユニット15に向けて移動させるように構成される。移動装置39は、棒材Bを収容および並進ユニット15から棒材送出域13に向けて移動させるように構成される。
【0077】
有利には、補助移動装置38は、最も近接する収容ユニット15内に収容された棒材Bの積み下ろしを可能にし、かつ収容ユニット15内に棒材Bを積み下ろすのを可能にするのに適している延在部を移動方向Zに有することができる。
【0078】
可能な解決策によれば、補助移動装置38、39は、上記で説明した移動装置17と同じ形状および同じ特徴を有することができる。場合により、補助移動装置38、39は、固定することができ、下位置に収容要素16を提供しない。しかしながら、棒材Bが第1の端部18に対応した支持面11から落下することを防止するために、特定の傾斜を決定する必要がある場合、移動装置17と同様に、補助移動装置38、39の下降/上昇移動を提供することが可能である。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、機器10は、束送給域12に対応して位置決めされた載置手段36を含み、載置手段36は、例えば橋形クレーンを用いて移動させた棒材Bの束Fを受け取り、かつ棒材Bの束Fを支持面11に移送するように構成される。
【0080】
有利には、載置手段36は、長手方向Lに等間隔で第1の端部18に対応して配置される。
各載置手段36は、例えば、橋形クレーンまたは他の既知の取り上げおよび移動装置を用いて位置決めされる棒材Bを支持するのに適している受け取り座部37を含む。受け取り座部37は、不連続な受け取り面を画定して、支持面11に位置決めされるように棒材Bを支持する。
【0081】
載置手段36は、載置手段36が棒材Bを受け取るのに適している、支持面11の外側の受け取り位置と、載置手段36が棒材を支持面11に積み下ろしするのに適している、支持面11の上方に位置する積み下ろし位置との間で回転移動可能である。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、載置手段36は、受け取り位置と積み下ろし位置との間で載置手段36を同時に移動させるように選択的に回転可能である共通の回転シャフト42上に設置することができる。このために、載置手段36は、ジャッキ、線形アクチュエータ、摺動ガイド、チェーン機構、ラックまたはウォームねじ機構などのいずれかの少なくとも1つを含む群から選択される既知の昇降装置40を含むことができる。
【0083】
図示しないが、可能な実施形態によれば、機器10は、場合によりロボット化され、載置手段36に対応して位置決めされ、かつ棒材Bを挟持して束Fを画定する金属ケーブルから、載置手段36上に位置決めされた棒材Bの束Fを放出するように構成された自動装置を含むことができる。
【0084】
いくつかの実施形態によれば、機器10は、その都度、支持面11から棒材Bを取り上げて棒材Bを棒材送出域13に送出するように構成された取り扱い装置41を含む。
取り扱い装置41は、支持面11と棒材送出域13との間での棒材Bの移送中に棒材Bの1つを磁気的に保持するように構成された、例えば磁性のある保持要素を備えた複数の移送アームを含む。
【0085】
本発明の1つの可能な解決策によれば、棒材送出域13は、支持面11に対して下方に傾斜した送出面を画定する。このように、棒材Bが棒材送出域13に送出されるとき、棒材Bは、重力により、下流側のユーザマシン、例えば移送機または直接的に切断機に向けて積み下ろしされる。
【0086】
図22に示すいくつかの実施形態によれば、例えばそれぞれの棒材送給域12に関して互いに向かい合って配置され、かつそれぞれの移動方向Zが互いに平行である2つ以上の機器10を設置することが可能である。
【0087】
本明細書で説明する実施形態は、支持面11の対向端部18、19にそれぞれ関連付けられた少なくとも束送給域12と棒材送出域13との間で支持面11上の棒材Bを移動ユニット14によって移動方向Zに移動させることを提供する、棒材Bを保管する方法にも関する。
【0088】
本発明の一態様によれば、この方法は、移動方向Zに関して互いに隣接して配置された複数の収容および並進ユニット15内に棒材Bを保管することを提供する。各収容および並進ユニット15は、
- 移動方向Zを横断する長手方向Lにおいて距離をおいて位置合わせされた収容および並進ユニット15の少なくとも2つの収容要素16が、収容要素16が支持面11の下方に配置され、かつ収容要素16が棒材Bの束を支持する少なくとも1つの収容位置と、収容要素16が支持面11の上方に配置され、かつ収容要素16が棒材Bを支持面11上に放出する少なくとも1つの放出位置との間で協調的に移動することと、
- 収容要素16に関連付けられ、かつ収容要素16に対してずれた位置で長手方向Lにおいて配置された収容および並進ユニット15の少なくとも2つの移動装置17が、移動装置17が支持面11に平行であり、かつ移動装置17が棒材Bを移動させる少なくとも1つの下降状態から、それぞれの収容要素16へのアクセスを可能にするために移動装置17が上昇する少なくとも1つの上昇状態に移動することと、を提供する。
【0089】
図5~
図8を参照すると、
図1の機器の機能の可能な動作手順が示されており、そこでは、移動装置17およびそれぞれの収容要素16が互いに区別されるとともに分離されている。
【0090】
棒材Bの束Fを保管する必要がある場合、棒材Bの束Fは、例えば、橋形クレーン43の補助を受けて、受け取り位置にある載置手段36の受け取り座部37内に載置される(
図5)。
【0091】
棒材Bの束Fが位置決めされると、作業者は、棒材Bを挟持して束Fを画定する金属ケーブルから束Fを放出する。場合により、機器10が自動切断装置を備える場合、そのような自動切断装置が、束Fを解いて棒材Bを利用可能にする。
【0092】
続いて、載置手段36は、受け取り位置(
図5)と積み下ろし位置(
図6)との間で回転移動し、これに対応して棒材Bが受け取り座部37から支持面11に向かって摺動する。特に、棒材Bは、棒材Bを移動方向Zに移動させる補助移動手段38に対応して積み下ろしされる。
【0093】
上記で説明したように、載置手段36によって棒材Bを移動させる間、支持面11に積み下ろしされたばかりの棒材Bを保管するために使用される収容および並進ユニット15の移動装置17を下降状態(
図5)から上昇状態(
図6)に移動させる。
【0094】
続いて、保管に使用される収容および並進ユニット15の上流側に位置決めされた収容および並進ユニット15の移動手段17が駆動する。移動手段17は、棒材Bを支持面11上に均一に分布させ、移動手段17が棒材Bを収容要素16内に落下させるまで棒材Bを移動方向Zに移動させる(
図7)。
【0095】
棒材Bの移動が終了すると、棒材Bは、後の段階で使用するために移動させられるのを待つ間、収容要素16の内側、特に収容要素16のハウジング座部32内に配置される。そのような移動が終了すると、棒材Bを保管するために使用される収容および並進ユニット15の移動装置17を上昇状態(
図7)から下降状態(
図8)に移動させる。
【0096】
図9~14を参照すると、
図1の機器の機能の別の可能な動作手順が示されており、そこでは、移動装置17およびそれぞれの収容要素16が互いに区別されるとともに分離されている。
【0097】
機器10の下流側に位置するユーザマシンが、特定の収容および並進ユニット15内に位置決めされた一定数の棒材Bの送給を必要とする場合、それぞれの収容要素16へのアクセスを可能にするために、対応する移動装置17を下降状態から上昇状態に移動させる(
図9)。収容要素16は、収容および並進ユニット15内に収容された棒材Bが支持面11、特に収容および並進ユニット15の上流側の平面部分に積み下ろしされることを可能にするために、上記のように放出状態に移される。同時に、取り上げに使用される収容および並進ユニット15の上流側の収容および並進ユニット15の移動手段17は、棒材Bを均一に広げて移動方向Zに直交するように棒材Bを支持面11に配置するために、棒材Bを移動方向Zとは反対の方向に移動させるように駆動される(
図9)。
【0098】
支持面11への棒材Bの積み下ろしが終了すると、収容要素16は放出状態から収容状態に移されるとともに、それぞれの移動手段17は上昇状態から下降状態に移される(
図10)。
【0099】
続いて、移動ユニット14、すなわち収容ユニットおよび並進ユニット15の移動装置17全体は、棒材送出域13に向けて棒材Bを移動させ、そこでは、下流側に位置するユーザマシン、例えば図示されていない切断機に送られるように棒材Bが取り上げられる(
図11)。
【0100】
ユーザマシンに送られていない残りの棒材Bは、棒材Bが取り上げられたばかりの対応する収容および並進ユニット15内に再配置することができる。
このために、残りの棒材Bを保管するために使用される収容および並進ユニット15を通り過ぎるように、残りの棒材Bを支持面11上で後方に移動させる(
図12)。
【0101】
続いて、残りの棒材Bを受け取る収容要素16に対応するそれぞれの移動手段17は、下降状態から上昇状態に移されると(
図13)、残りの棒材Bを保管するために使用される収容および並進ユニット15の上流側に位置決めされた収容および並進ユニット15の移動手段17は、移動手段17が棒材Bを収容位置にある収容要素16内に落下させるまで、支持面11上の残りの棒材Bを移動方向Zに移動させるように作動する。
【0102】
収容要素16内への残りの棒材Bの積み下ろしが終了すると、それぞれの移動手段17は、上昇状態から下降状態に移される(
図14)。
図18~
図19を参照すると、
図1の機器内に棒材Bの束Fを保管する可能な動作手順が示されている。移動装置17およびそれぞれの収容要素16は、
図15~
図17に示すように、それぞれの移動体47を画定する。
【0103】
棒材Bの束Fは、載置手段36の受け取り座部37内において、例えば橋形クレーン(図示せず)の補助を受けて載置させられる。受け取り座部37は、最初に受け取り位置にあり、次いで棒材Bを支持面11上に放出する積み下ろし位置にある。
【0104】
棒材Bは、保管に使用される収容および並進ユニット15の上流側の収容および並進ユニット15の移動装置17により、保管に使用される収容および並進ユニット15に向けて移動させられる。特に、移動装置17に対応する第1の部分は、それぞれの収容要素16へのアクセスを可能にする約45°の回転角度だけ支持面11に対して上方に傾斜する。それぞれの収容要素16は、回転するが、棒材Bを受け取るために依然として収容位置にある(
図18)。
【0105】
棒材Bの移動が終了すると、棒材Bは、後の段階で使用するために移動させられるのを待つ間、収容要素16のハウジング座部32内に配置される。棒材Bを保管するステップが完了すると、棒材Bを保管するために使用される収容および並進ユニット15の移動装置17を上昇状態から下降状態に移動させる(
図19)。
【0106】
図20~
図21を参照すると、収容および並進ユニット15内に収容された、一定数の棒材Bを支持面11に送給するための可能な動作手順が示されている。
収容要素16が放出位置にあるように、かつ、それぞれの移動装置17と平行であるとともに同一平面上にある支持面11に対してそれぞれの移動装置17を180°反転させるように、加工される棒材Bを収容する収容および並進ユニット15の移動体47を回転させる。そのような移動装置17は、下流側に位置する収容および並進ユニット15の移動装置17と協働することで、支持面11上の棒材Bが棒材送出域13に向かって移動することを可能にする(
図20)。
【0107】
棒材Bの移動が終了すると、移動体47は、それぞれの収容要素16が収容位置に戻されてそれぞれの移動装置17が下降状態に移されるまで反対方向に回転する。
本発明の分野および範囲から逸脱することなく、これまでに説明したように棒材を保管する機器および方法に対して、部品またはステップの修正形態および/または追加形態がなされ得ることが明らかである。
【0108】
本発明についていくつかの具体例を参照して説明してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲に記載の特徴を有するとともに、したがって全てがそれによって定義される保護の分野に含まれる、棒材を保管する機器および方法の多くの他の均等な形態を確実に達成できることも明らかである。
【0109】
以下の特許請求の範囲において、括弧内の参照符号の唯一の目的は、解釈を容易にすることであり、それらの参照符号は、特定の請求項において特許請求される保護の分野に関する限定的な要因とみなされるべきではない。
【国際調査報告】