(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】材料及び製造方法
(51)【国際特許分類】
C25B 11/02 20210101AFI20221027BHJP
B01J 37/34 20060101ALI20221027BHJP
B01J 35/02 20060101ALI20221027BHJP
B01J 37/00 20060101ALI20221027BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20221027BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20221027BHJP
C25B 11/052 20210101ALI20221027BHJP
C25B 11/061 20210101ALI20221027BHJP
C25B 11/089 20210101ALI20221027BHJP
C25B 11/081 20210101ALI20221027BHJP
C25D 5/02 20060101ALI20221027BHJP
C25D 5/10 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
C25B11/02
B01J37/34
B01J35/02 Z
B01J37/00 Z
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B11/052
C25B11/061
C25B11/089
C25B11/081
C25D5/02
C25D5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513238
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 IB2020058032
(87)【国際公開番号】W WO2021038502
(87)【国際公開日】2021-03-04
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520326817
【氏名又は名称】マニュファクチュアリング システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パートリッジ,アシュトン シリル
(72)【発明者】
【氏名】ホセイニ,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ヘインズ,アンドリュー レオ
【テーマコード(参考)】
4G169
4K011
4K021
4K024
【Fターム(参考)】
4G169AA02
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(57)【要約】
アレイは、支持基板、第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料を備え、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性であり、第1の材料及び第2の材料は複合体を少なくとも部分的に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた前記支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の材料が前記第1の材料と接触しているよう、前記表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された前記第2の材料
を含むアレイであって、
前記第1の材料、前記第2の材料又は前記第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性であり;
前記第1の材料及び第2の材料は複合体を少なくとも部分的に形成する、アレイ。
【請求項2】
前記複合体は、前記第1の材料及び前記第2の材料の電解反応生成物である、請求項1に記載のアレイ。
【請求項3】
前記電解反応生成物は、十分な密度の電流を前記アレイに印加して、前記第1の材料と前記第2の材料との間に反応を生じさせることにより調製される、請求項2に記載のアレイ。
【請求項4】
前記複合体は、前記第1の材料及び第2の材料と比して改変された電子構造を示す、請求項1~3のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項5】
前記改変された電子構造は、前記第1の材料及び第2の材料を含むアレイと、前記複合体をさらに含む前記アレイとの間におけるリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される、請求項4に記載のアレイ。
【請求項6】
リニアスイープボルタンメトリにおける前記変化は、より正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む、請求項5に記載のアレイ。
【請求項7】
前記改変された電子構造は、前記第1の材料及び第2の材料を含む前記アレイと、前記複合体をさらに含む前記アレイとの間におけるエネルギー分散型X線分光法の変化を観察することにより示される、請求項4~6のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項8】
前記複合体は、前記表面構造の縁部及び/又は頂点に形成される、請求項4~6のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項9】
前記複合体は、金属間化合物、ポリマー-金属複合体、有機-無機複合体、合金、多金属化合物から選択され;好ましくは、前記複合体は、金属-元素合金(例えば、金属と組み合わされた炭素、硫黄又はケイ素)、又は、金属-金属合金である、請求項1~8のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項10】
前記第1の材料は金属である、請求項1~9のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項11】
前記第2の材料は、ポリマー、有機化合物、無機化合物、金属から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項12】
前記第2の材料は、s-ブロック元素(周期律表の第1族及び第2族)、p-ブロック元素(周期律表の第13族、第14族、第15族、第16族又は第17族)dブロック金属(遷移金属)から選択され、好ましくは、前記第2の材料は、アルカリ金属(第1族)、アルカリ土類金属、遷移金属、メタロイドから選択され、好ましくは、前記第2の材料は金属である、請求項1~11のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項13】
前記第1の材料は、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt及びAuから選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項14】
前記第2の材料は前記第1の材料とは異なり、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt及びAuから選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項15】
前記第1の材料は、Ni、Cu、Zn、Co、Al、Tiから選択され、及び、前記第2の材料は、Pt、Co、Au、Ni、Ag、Ti、Cr、Cu、Mg、Mn、Fe、Znから選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項16】
第2の材料は前記第1の材料の上の層を形成し、又は、前記第2の材料は間欠層を前記第1の材料の上に形成する、請求項1~15のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項17】
前記第2の材料は、前記第1の材料に埋設又は組み込まれるよう、前記表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されている、請求項1~16のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項18】
前記第2の材料層又は間欠層の厚さは、0nm超であるが約1000nm未満である、請求項1~17のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項19】
前記第2の材料は、前記表面構造の前記縁部及び/又は頂点に堆積されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項20】
前記第2の材料は、上面視で、前記表面の約100%未満~約0.0000001%で堆積されているか、又は、前記第2の材料は、前記表面積の約50%未満で堆積されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項21】
前記第1及び/又は第2の材料と異なる1種以上のさらなる材料は、前記表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されている、請求項1~20のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項22】
さらなる材料は、前記第1の材料、前記第2の材料又は1種以上の前記他のさらなる材料の少なくとも1つと接触している、請求項21に記載のアレイ。
【請求項23】
前記1種以上のさらなる材料は、ポリマー、有機化合物、無機化合物、金属から選択される、請求項21又は22に記載のアレイ。
【請求項24】
1~50種のさらなる材料が存在する、請求項21~23のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項25】
前記表面構造は、前記支持基板と一体的である、請求項1~22のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項26】
前記支持基板及び前記表面構造は前記第1の材料から形成されている、請求項1~25のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項27】
前記表面構造は、一様で非連続的なアレイを前記支持基板上に形成する、請求項1~26のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項28】
前記表面構造は一様の大きさである、請求項1~27のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項29】
前記表面構造は遠位側先端部分から構成され、前記遠位側先端部分は、前記表面構造が延出する前記表面からもっとも離間されており、前記遠位側先端部分は、尖鋭又は頂部又はスパイク又は尖頭又は先端又は畝状形態である、請求項1~28のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項30】
前記表面構造の上部又は遠位側先端は、前記表面構造の底部又は近位側先端と比して実質的に類似するか、又は、低減した幅のものであり、遠位側及び近位側とは、前記表面構造が関連又は突出している支持基板の表面を基準としている、請求項1~29のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項31】
前記支持基板と連接する前記表面構造の幅は、約5nm~約5000μmである、請求項1~30のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項32】
前記表面構造の高さは、約5nm~約5000μmである、請求項1~31のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項33】
前記アレイは触媒である、請求項1~32のいずれか一項に記載のアレイ。
【請求項34】
アレイの形成方法であって、
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップ
を含み、
前記第1の電極は:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた前記支持基板の表面から突出する表面構造;及び
前記第1の材料と接触して前記表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料
を含み、
前記第1の材料、前記第2の材料又は前記第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性であり;
印加される電流密度は、少なくとも前記第1の材料と第2の材料との界面に複合体を形成するのに十分である、方法。
【請求項35】
前記複合体は、前記第1の材料及び前記第2の材料の電解反応生成物である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記複合体は、前記複合体が形成される前における前記第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示す、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項37】
前記改変された電子構造は、前記アレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける前記変化は、より正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記改変された電子構造は、前記アレイのエネルギー分散型X線分光法における変化により示される、請求項34~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記複合体又は合金又は金属間化合物は、好ましくは、前記表面構造の縁部及び/又は頂点に形成される、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記複合体は、金属間化合物、ポリマー-金属複合体、有機-無機複合体、合金、多金属化合物から選択され、好ましくは、前記複合体は、金属-元素合金(例えば、金属と組み合わされた炭素、硫黄又はケイ素)、金属-金属合金である、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の材料は金属である、請求項34~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の材料は、ポリマー、有機化合物、無機化合物、金属から選択される、請求項34~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の材料は、s-ブロック元素(周期律表の第1族及び第2族)、p-ブロック元素(周期律表の第13族、第14族、第15族、第16族又は第17族)dブロック金属(遷移金属)から選択され、好ましくは、前記第2の材料は、アルカリ金属(第1族)、アルカリ土類金属、遷移金属、メタロイドから選択され、好ましくは、前記第2の材料は金属である、請求項34~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の材料は、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt及びAuから選択される、請求項34~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記第2の材料は前記第1の材料とは異なり、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt及びAuから選択される、請求項34~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の材料は、Ni、Cu、Zn、Co、Al、Tiから選択され、及び、前記第2の材料は、Pt、Co、Au、Ni、Ag、Ti、Cr、Cu、Mg、Mn、Fe、Znから選択される、請求項34~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記第1及び/又は第2の材料は、金属であり、及び、酸化物、水素化物、ハロゲン化物、水酸化物、塩、炭化物、有機金属錯体、錯体、合金、クラスターの1つ以上の形態である、請求項34~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
第2の材料は第1の材料上に層を形成しており、又は、前記第2の材料は前記第1の材料上に間欠層を形成している、請求項34~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記第2の材料は、前記第1の材料に埋設又は組み込まれるよう、前記表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されている、請求項34~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記第2の材料層又は間欠層の厚さは、0nm超であるが約1000nm未満である、請求項34~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記第2の材料は、前記表面構造の前記縁部及び/又は頂点に堆積されている、請求項34~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記第2の材料は、上面視で、前記表面の約100%未満~約0.0000001%で堆積されているか、又は、前記第2の材料は、前記表面積の約50%未満で堆積されている、請求項34~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記第1及び/又は第2の材料と異なる1種以上のさらなる材料は、前記表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されている、請求項34~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
さらなる材料は、前記第1の材料、前記第2の材料又は1種以上の前記他のさらなる材料の少なくとも1つと接触している、請求項34~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記1種以上のさらなる材料は、ポリマー、有機化合物、無機化合物、金属から選択される、請求項34~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
1~50種のさらなる材料が存在する、請求項34~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記表面構造は、前記支持基板と一体的である、請求項34~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記支持基板及び前記表面構造は前記第1の材料から形成されている、請求項34~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記表面構造は、一様で非連続的なアレイを前記支持基板上に形成する、請求項34~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記表面構造は一様の大きさである、請求項34~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記表面構造は遠位側先端部分から構成され、前記遠位側先端部分は、前記表面構造が延出する前記表面からもっとも離間されており、前記遠位側先端部分は、尖鋭又は頂部又はスパイク又は尖頭又は先端又は畝状形態である、請求項34~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記表面構造の上部又は遠位側先端は、前記表面構造の底部又は近位側先端と比して実質的に類似するか、又は、低減した幅のものであり、遠位側及び近位側とは、前記表面構造が関連又は突出している支持基板の表面を基準としている、請求項34~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記支持基板と連接する前記表面構造の幅は、約5nm~約5000μmである、請求項34~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記表面構造の高さは、約5nm~約5000μmである、請求項34~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記導電性溶液は前記第2の材料を含み、及び、前記第2の材料は、電流を印加すると、電気化学的に前記表面構造の少なくともいくつかの上に堆積される、請求項34~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記導電性溶液は前記第2の材料を含み、及び、前記第2の材料は、電流を印加すると、電気化学的に前記縁部及び/又は頂点に堆積される、請求項34~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記第1の電極と前記第2の電極との間に設定される電位差は、約-20V~+20V、好ましくは約-10V~+10V、好ましくは約-5V~+5V、好ましくは約-1V~+1Vであり、又は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設定される電位差は、約+/-20V~+/-0.5V、好ましくは約+/-10V~+/-0.5V、好ましくは+/-7V~+/-0.5V、好ましくは+/-6V~+/-1Vである、請求項34~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記第1の電極と第2の電極との間に印加される前記電流は、前記第1の電極及び/又は前記第2の電極にわたる平均で約0.1~約500A/cm
2であり;又は、前記第1の電極及び/又は前記第2の電極にわたって、約0.1~約50A/cm
2;又は約0.1~約20A/cm
2;又は約0.2~約20A/cm
2;又は約0.2~約15A/cm
2;又は約0.5~約500A/cm
2;又は約0.5~約50A/cm
2;又は約0.5~約20A/cm
2;又は約0.5~約10A/cm
2;又は約0.5~約8A/cm
2;又は約0.5~約5A/cm
2;又は約0.5~約4A/cm
2;又は約1~約4A/cm
2である、請求項34~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記電流は複合体を形成するのに十分な時間印加され、好ましくは、前記電流は、約1秒間~約1週間又は約1秒間~約24時間又は約1分間~約24時間又は約5分間~約24時間又は約10分間~約24時間、約0.5時間~約24時間又は約1時間~約12時間印加される、請求項34~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記導電性溶液は前記1種以上のさらなる材料を含み、及び、前記1種以上のさらなる材料は、前記又はそれ以外の電流を印加すると、電気化学的に前記表面構造の少なくともいくつかの上に堆積され、好ましくは、前記電流は前記複合体を形成する前記電流であり、又は、前記電流は、前記複合体を形成する前記電流に先行する、請求項34~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記導電性溶液は前記1種以上のさらなる材料を含み、及び、前記1種以上のさらなる材料は、前記電流を印加すると、電気化学的に前記縁部及び/又は頂点に堆積される、請求項34~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記導電性溶液は、水及び/又は有機溶剤を含む、請求項34~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記導電性溶液は電解質を含む、請求項34~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記電解質の濃度は、約0.05M~約20Mである、請求項34~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記方法は、前記複合体の形成後に、前記アレイ中又は上に前記1種以上のさらなる材料を堆積、組み込み又は埋設する前記ステップをさらに含み、好ましくは、前記複合体の形成後に、拡散又はイオン注入により、前記アレイ中又は上に前記1種以上のさらなる材料を堆積、組み込み又は埋設する前記ステップをさらに含む、請求項34~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
反応を実施する方法であって、請求項1~33のいずれか一項に記載のアレイ、又は、請求項34~76のいずれか一項に記載の方法により形成された前記アレイを、少なくとも1種の反応性種と接触させるステップを含み、前記アレイは触媒として作用する、方法。
【請求項78】
電気化学反応を実施する方法であって、請求項1~33のいずれか一項に記載の電解触媒アレイ、又は、請求項34~76のいずれか一項に記載の方法により形成された電解触媒アレイと、対電極との間に、導電性溶液中において電流を印加するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料、及び、材料の製造方法に関する。特に、本発明は、触媒としての使用に好適なアレイ、及び、アレイの形成方法に関する。本発明はさらに、触媒、及び、触媒の形成方法に関する。特に、触媒はアレイ構造の一部である。
【背景技術】
【0002】
触媒は、反応速度を高めるため、又は、反応を開始又は推進するために必要なエネルギーを低減させるために用いられる。これらは、水素化反応、脱水素化反応、改質反応及び酸化反応などの大規模な汎用反応に商業的に特に有用である。
【0003】
白金(Pt)及びパラジウム(Pd)などの貴金属が、高性能触媒として従来から用いられている。しかしながら、その高い価格と希少性のために、代用又は代替を開発するために多大な努力が払われてきている。近年においては、触媒について、価値の低い他の材料と組み合わせることにより触媒性能を高めることに焦点が当てられている(例えば、W.Yu,et al.Review of Pt-Based Bimetallic Catalysis:From Model Surfaces to Supported Catalysts,Chem.Rev.2012,112,5780-5817を参照のこと)。
【0004】
国際公開第2018106128号パンフレット(Manufacturing Systems Limited)には、白金の触媒活性は、平面電極を白金が適用された表面構造を備えるものに変えることにより高めることが可能であることが示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様においては:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料
を含むアレイが提供されており、
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性であり;
ここで、第1の材料及び第2の材料は複合体を少なくとも部分的に形成する。
【0006】
いくつかの実施形態において、複合体は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物である。
【0007】
いくつかの実施形態において、電解反応生成物は、十分な密度の電流をアレイに印加して、第1の材料と第2の材料との間に反応を生じさせることにより調製される。
【0008】
いくつかの実施形態において、複合体は、第1の材料及び第2の材料と比して改変された電子構造を示す。
【0009】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、第1の材料及び第2の材料を含むアレイと、複合体をさらに含むアレイとの間におけるリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0010】
いくつかの実施形態において、リニアスイープボルタンメトリにおける変化は、より正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、第1の材料及び第2の材料を含むアレイと、複合体をさらに含むアレイとの間におけるエネルギー分散型X線分光法の変化を観察することにより示される。
【0012】
第2の態様においては:
支持基板の表面から突出する表面構造を備える支持基板;及び
表面構造の少なくとも一部分に形成された複合体材料
を含むアレイが提供されており、
ここで:
複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物であり;
第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性である。
【0013】
いくつかの実施形態において、電解反応生成物は、十分な密度の電流をアレイに印加して、第1の材料と第2の材料との間に反応を生じさせることにより調製される。
【0014】
第3の態様においては:
支持基板;及び
支持基板の表面から突出する表面構造;
表面構造の各々における表面サブ構造
を備える触媒アレイが提供されており、
表面サブ構造は複合体材料を含んでおり;
ここで、複合体材料は、触媒アレイの前処理中に、少なくとも第1の材料及び第2の材料から形成され;並びに
ここで、複合体材料は、前処理を行う前の第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示す。
【0015】
いくつかの実施形態において、複合体は、バイアスを第1の材料及び第2の材料に印加することによって、アレイを前処理することにより調製される。
【0016】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0017】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化を観察することにより示される。
【0019】
第4の態様においては:
支持基板の表面から突出する表面構造を備える支持基板;及び
表面構造の少なくとも一部分に形成された複合体材料
を含む触媒アレイが提供されており、
ここで:
複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物であり;並びに
表面構造は:
高さが100ミクロン未満~約10ミクロン、及び、約10ミクロン~約100ミクロンの基部寸法を有する角錐状構造;並びに/又は
高さが約1000nm~約1nm、及び、直径が約1000nm~約1nmである円形又は長細いドーム形状構造
を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、電解反応生成物は、十分な密度の電流をアレイに印加して、第1の材料と第2の材料との間に反応を生じさせることにより調製される。
【0021】
以下は、第1、第2、第3又は第4の態様の実施形態である。
【0022】
いくつかの実施形態において、第1の材料は、表面構造を形成する材料、又は、表面構造上の材料である。
【0023】
いくつかの実施形態において、第2の材料は第1の材料に適用される。
【0024】
いくつかの実施形態において、複合体材料は、金属間化合物、ポリマー-金属複合体、有機-無機複合体、合金、多金属化合物である。例えば、合金は、金属-元素合金(例えば、金属と組み合わされた炭素、硫黄又はケイ素)、又は、金属-金属合金であることが可能である。
【0025】
いくつかの実施形態において、複合体材料は金属間化合物であり、ここで、金属間化合物は合金である。
【0026】
第5の態様においては:
支持基板;
支持基板の表面から突出すると共に、支持基板と一体的である表面構造;及び
少なくとも第1の材料及び第2の材料から形成される複合体材料を含む表面構造
を備える触媒アレイが提供されており、並びに
ここで、複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示す。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1の材料は基板を構成する材料と同じであり、又は、第1の材料は基板とは異なる材料である。
【0028】
いくつかの実施形態において、複合体は、バイアスを第1の材料及び第2の材料に印加することによって、アレイを前処理することにより調製される。
【0029】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0030】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化によって示される。
【0032】
いくつかの実施形態において、第2の材料は第1の材料に適用される。
【0033】
いくつかの実施形態において、複合体材料は、金属間化合物、ポリマー-金属複合体、有機-無機複合体、合金又は多金属化合物である。例えば、合金は、金属-元素合金(例えば、金属と組み合わされた炭素、硫黄又はケイ素)、又は、金属-金属合金であることが可能である。
【0034】
いくつかの実施形態において、複合体材料は金属間化合物であり、ここで、金属間化合物は合金である。
【0035】
第6の態様においては:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料
を含むアレイが提供されており、並びに
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性であり;
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料の電子構造の軌道重なりには変化が存在している。
【0036】
いくつかの実施形態において、電子構造の軌道重なりにおける変化は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0037】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、電子構造の軌道重なりにおける変化は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化を観察することにより示される。
【0039】
第7の態様においては:
支持基板;
支持基板の表面から突出すると共に、支持基板と一体的である表面構造;並びに
触媒特性を有すると共に、少なくとも第1の材料及び第2の材料から形成される複合体材料を含む表面構造
を備える触媒アレイが提供されており、
ここで、複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示し;並びに
ここで、表面構造は、100/cm2超で支持体の表面上に存在する。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1の材料は基板を構成する材料と同じであり、又は、第1の材料は基板とは異なる材料である。
【0041】
いくつかの実施形態において、複合体は、バイアスを第1の材料及び第2の材料に印加することによって、アレイを前処理することにより調製される。
【0042】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0043】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化を観察することにより示される。
【0045】
第8の態様においては:
支持基板;及び
支持基板の表面から突出する表面構造;
表面構造の各々における表面サブ構造
を備える触媒アレイが提供されており、並びに
表面サブ構造は、触媒特性を有する複合体材料を含み;
ここで、
複合体材料は、触媒アレイの前処理中に少なくとも第1の材料及び第2の材料から形成され;
複合体材料は、前処理を行う前の第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示し;並びに
表面構造は、100/cm2超で支持体の表面上に存在する。
【0046】
いくつかの実施形態において、第1の材料は基板を構成する材料と同じであり、又は、第1の材料は基板とは異なる材料である。
【0047】
いくつかの実施形態において、複合体は、バイアスを第1の材料及び第2の材料に印加することによって、アレイを前処理することにより調製される。
【0048】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0049】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化を観察することにより示される。
【0051】
第9の態様においてはアレイの形成方法が提供されており、この方法は、
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップを含み、
第1の電極は:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;及び
第1の材料と接触して表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料
を含み、ここで:
第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性であり;
印加される電流密度は、少なくとも第1の材料と第2の材料との界面に複合体を形成するのに十分である。
【0052】
いくつかの実施形態において、第1の材料は、表面構造を形成する材料、又は、表面構造上の材料である。
【0053】
いくつかの実施形態において、複合体は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物である。
【0054】
いくつかの実施形態において、複合体材料は、金属間化合物、ポリマー-金属複合体、有機-無機複合体、合金又は多金属化合物である。例えば、合金は、金属-元素合金(例えば、金属と組み合わされた炭素、硫黄又はケイ素)、又は、金属-金属合金であることが可能である。
【0055】
いくつかの実施形態において、複合体材料は金属間化合物であり、ここで、金属間化合物は合金である。
【0056】
第10の態様においては複合体の形成方法が提供されており、この方法は:
縁部及び/又は頂点を備える構造と、縁部及び/又は頂点における第1の材料及び第2の材料とに電流を導通させるステップを含み、ここで、第1の材料及び第2の材料は接触しており、ここで、第1及び/又は第2の材料は導電性若しくは半導電性であり、並びに、ここで、縁部及び/又は頂点における電流密度は、第1の材料と第2の材料との界面で複合体を形成するのに十分である。
【0057】
いくつかの実施形態において、複合体は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物である。
【0058】
いくつかの実施形態において、複合体材料は、金属間化合物、ポリマー-金属複合体、有機-無機複合体、合金又は多金属化合物である。例えば、合金は、金属-元素合金(例えば、金属と組み合わされた炭素、硫黄又はケイ素)、又は、金属-金属合金であることが可能である。
【0059】
いくつかの実施形態において、複合体材料は金属間化合物であり、ここで、金属間化合物は合金である。
【0060】
第11の態様においては触媒アレイを前処理する方法が提供されており、この方法は
第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方における第1の材料及び第2の材料から複合体を形成するために十分な電流を、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に印加するステップを含み、
ここで、触媒アレイは、第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方を含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、複合体は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物である。
【0062】
いくつかの実施形態において、複合体材料は、金属間化合物、ポリマー-金属複合体、有機-無機複合体、合金又は多金属化合物である。例えば、合金は、金属-元素合金(例えば、金属と組み合わされた炭素、硫黄又はケイ素)、又は、金属-金属合金であることが可能である。
【0063】
いくつかの実施形態において、複合体材料は金属間化合物であり、ここで、金属間化合物は合金である。
【0064】
いくつかの実施形態において、第1の電極及び/又は第2の電極は:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;及び
第1の材料と接触して表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料
を含み、
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性である。
【0065】
第12の態様においては合金アレイを形成する方法が提供されており、この方法は
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップを含み、
第1の電極は:
支持基板;
第1の合金成分で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
表面構造上に堆積された第2の合金成分
を含み、
ここで、印加される電流密度は、表面構造に第1の合金成分及び第2の合金成分の合金を少なくとも部分的に形成するのに十分であり;
ここで、合金アレイは第1の電極に形成されている。
【0066】
例えば、合金は、金属-元素合金(例えば、金属と組み合わされた炭素、硫黄又はケイ素)、又は、金属-金属合金であることが可能である。
【0067】
第13の態様においてはアレイの形成方法が提供されており、この方法は
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップを含み、
第1の電極は:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の上に堆積された第2の材料
を含み、
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性であり;
ここで、印加される電流密度は、電流が印加されなくなった場合に、第1の材料及び第2の材料の外殻電子のエネルギーを歪ませるのに十分である。
【0068】
いくつかの実施形態において、外殻電子のエネルギーの歪みは、電流を印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0069】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、より正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、外殻電子のエネルギーの歪みは、電流を印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化を観察することにより示される。
【0071】
第14の態様においては、触媒アレイを提供するステップ、電解質溶液を触媒アレイと接触させるステップ、並びに、特定の時間、前処理されたアレイを形成するための電圧及び電流で、アレイにバイアスを印加するステップを含む触媒アレイを前処理する方法が提供されており、ここで、前処理されたアレイ中における材料は、バイアスを印加する前における材料と比して改変された電子構造を有する。この方法において、アレイは:支持基板;第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料を含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前の材料と比して、材料の変更又は変えられた軌道重なりを有する。
【0073】
いくつかの実施形態において、電子構造の軌道重なりにおける変化は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0074】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化によって示される。
【0076】
いくつかの実施形態において、特定の時間は約0.5時間~約200時間、又は、約1時間~約10時間、又は、約3時間~約9時間である。
【0077】
いくつかの実施形態において、特定の時間は、少なくとも約1秒間、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間又は少なくとも約0.5時間である。アレイの形成方法のいくつかの実施形態において、電流は、約1秒間~約1週間、約1秒間~約24時間、約1分間~約24時間、約5分間~約24時間、約10分間~約24時間又は約0.5時間~約24時間の間印加される。アレイの形成方法のいくつかの実施形態において、電流は約1時間~約12時間の間印加される。
【0078】
いくつかの実施形態において、電圧は、約-20ボルト~約+20ボルト、又は、+/-20ボルト~約+/-0.5ボルト、又は、約+/-10ボルト~約+/-0.5である。いくつかの実施形態において、電圧は、約-20V~+20Vである。いくつかの実施形態においては、約-10V~+10Vである。いくつかの実施形態においては、約-5V~+5Vである。いくつかの実施形態においては、約-1V~+1Vである。
【0079】
いくつかの実施形態において、電流密度は、0A/cm2超~約10A/cm2、約1A/cm2~約5A/cm2、又は、約2A/cm2である。
【0080】
いくつかの実施形態において、電流密度は、少なくとも約0.1A/cm2、少なくとも約0.2A/cm2、少なくとも約0.3A/cm2、少なくとも約0.5A/cm2、少なくとも約0.7A/cm2、少なくとも約1A/cm2、少なくとも約1.5A/cm2である。
【0081】
いくつかの実施形態において、電流密度は、約500A/cm2未満、約100A/cm2未満、約50A/cm2未満、約20A/cm2未満、約15A/cm2未満、約10A/cm2未満、約8A/cm2未満、約5A/cm2未満、約4A/cm2未満、約3A/cm2未満又は約2A/cm2未満である。
【0082】
いくつかの実施形態において、電流密度は、第1の電極及び/又は第2の電極にわたり、約0.1~約500A/cm2;約0.1~約50A/cm2、約0.1~約20A/cm2、約0.2~約20A/cm2、約0.2~約15A/cm2、約0.5~約500A/cm2、約0.5~約50A/cm2、約0.5~約20A/cm2、約0.5~約10A/cm2、約0.5~約8A/cm2、約0.5~約5A/cm2、約0.5~約4A/cm2、約1~約4A/cm2である。
【0083】
本方法のいくつかの実施形態において、電解質はアルカリ電解質である。種々の実施形態において、電解質は、金属酸化物又は金属水酸化物を含み得る。電解質が金属水酸化物を含む場合、金属水酸化物は、水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)であり得る。いくつかの実施形態において、NaOH又はKOHは、約0.5M~約10M、約2M~約8M、又は、約4M~約6Mで電解質中に存在する。
【0084】
本方法のいくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化によって示される。
【0086】
本方法のいくつかの実施形態において、第2の材料は、約1nm~約1μm、約1nm~約500nm、約5nm~約250nm、約5nm~約100nm、約5nm~約50nm、約5nm~約30nm、約5nm~約25nm、約5nm~約15nmの厚さで存在し、又は、約5nm~約10nmの厚さである。本方法のいくつかの実施形態において、アレイはさらに第1の材料及び第2の材料が交互する層を備え、ここで、各材料の200以下の層が存在する。いくつかの実施形態において、アレイの各層は1~10nmの厚さである。
【0087】
いくつかの実施形態において、アレイは、第1の材料及び第2の材料の層を備え、これらの層は、Ni/Pt;Ni/Au;Ni/Co;Ni担持Co/Pt;Ni担持Pt/Co;Ni担持Pt/Ni;及び、Ni担持Pt/Ni/Pt/Ni/Pt/Ni/Ptである。
【0088】
他の第15の態様においては触媒アレイを形成する方法が提供されており、この方法は
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップを含み、
第1の電極は:
支持基板;及び
支持基板の表面から突出すると共に、触媒特性を有する複合体材料を含む表面構造
を備え、並びに
ここで:
複合体材料は、第1の材料及び第2の材料を含む組み合わせから形成され;
印加される電流密度は、界面に複合体材料を形成するのに十分であり;並びに
複合体材料は、電流を印加する前における第1の材料及び第2の材料を含む組み合わせと比して改変された電子構造を示す。
【0089】
いくつかの実施形態において、第1の材料は基板を構成する材料と同じであり、又は、第1の材料は基板とは異なる材料である。
【0090】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0091】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0092】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化を観察することにより示される。
【0093】
誤解を避けるために、以下の実施形態は、上記の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14若しくは第15の態様、又は、以下の第16、第17、第18、第19、第21、第22、第23、第24、第25若しくは第26の態様のいずれかに適用可能である。
【0094】
いくつかの実施形態において、複合体は、複合体が形成される前における第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示す。
【0095】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、アレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0096】
いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、より正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、アレイのエネルギー分散型X線分光法における変化により示される。
【0098】
いくつかの実施形態において、アレイは触媒である。
【0099】
いくつかの実施形態において、第1の材料は導電性材料又は半導体材料である。
【0100】
いくつかの実施形態において、第1の材料は、ポリマー、有機化合物、無機化合物、金属から選択される。
【0101】
いくつかの実施形態において、第1の材料は金属である。
【0102】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、ポリマー、有機化合物、無機化合物、金属から選択される。
【0103】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、s-ブロック元素(周期律表の第1族及び第2族)、p-ブロック元素(周期律表の第13族、第14族、第15族、第16族又は第17族)又はdブロック金属(遷移金属)である。
【0104】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、アルカリ金属(第1族)、アルカリ土類金属、遷移金属、メタロイドから選択される。
【0105】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、C、S、Si、有機金属(プルフィリンなど)、炭素質の材料(例えばグラフェン)、フラーレン(バッキーボール又はカーボンナノチューブなど)の1種以上から選択される。
【0106】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、還元又は酸化によって、表面構造上に堆積され、組み込まれ、又は、埋設される。
【0107】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着又は熱蒸着又はプラズマCVDなどの物理蒸着プロセスのいずれか1種以上により堆積され、組み込まれ、又は、埋設される。また、カソードアーク堆積、電子ビームPVD、蒸着、閉空間昇華、パルスレーザ堆積又はパルス電着。材料は、昇華、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、塗布、輪転グラビアコーティング、湿式含浸、スラリー、有機金属クラスター前駆体の使用、還元性析出沈殿、無電解メッキ、逆ミセル合成、デンドリマー担持合成を含む一連の非減圧法によりコーティング可能である。
【0108】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は第2の材料を含み、第2の材料は、電流又はバイアス電圧を印加すると、電気化学的に表面構造の少なくともいくつかの上に堆積される。いくつかの実施形態において、電流又はバイアス電圧は、複合体を形成する電流又はバイアス電圧である。いくつかの実施形態においては、複合体を形成する電流又はバイアス電圧の前に、電流又はバイアス電圧が印加される。
【0109】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は第2の材料を含み、第2の材料は、電流を印加すると、電気化学的に縁部及び/又は頂点に堆積される。
【0110】
いくつかの実施形態において、第1又は第2の材料は金属である。
【0111】
いくつかの実施形態において、第1の材料及び第2の材料の少なくとも一方は金属である。
【0112】
いくつかの実施形態において、無機化合物は、硫黄、炭素(例えば元素炭素、グラフェン、フラーレン又はカーボンナノチューブ)又はケイ素である。
【0113】
いくつかの実施形態において、第1の合金成分及び第2の合金成分は、合金を形成可能な第1の材料及び第2の材料から選択される。
【0114】
いくつかの実施形態において、表面構造は支持基板と一体的である。
【0115】
いくつかの実施形態において、表面構造は支持基板と一体的に形成される。
【0116】
いくつかの実施形態において、表面構造は支持基板と同一の材料である。
【0117】
いくつかの実施形態において、表面構造は第1の材料から形成される。
【0118】
いくつかの実施形態において、支持基板及び表面構造は、第1の材料から形成される。
【0119】
いくつかの実施形態において、支持基板及び表面構造は異なる材料である。
【0120】
いくつかの実施形態において、支持基板は、複合体材料、ポリマー、セラミック、金属、シリカ又はガラスを含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、第1の材料又は第2の材料は金属であり、及び、複合体は合金である。
【0122】
いくつかの実施形態において、第1の材料は金属であり、及び、複合体は合金である。
【0123】
いくつかの実施形態において、第1の材料及び第2の材料は共に金属である。
【0124】
いくつかの実施形態において、第1の材料及び第2の材料は共に金属であり、及び、複合体は合金である。
【0125】
第1及び第2の金属は異なっていなければならないことは当業者に明らかであろう。しかしながら、この差異は結晶構造のみであり得る。いくつかの実施形態において、第1の材料は第1の結晶構造を有する第1の金属であり、及び、第2の材料は、異なる結晶構造を有する第1の金属と同一の金属である。
【0126】
いくつかの実施形態において、第1の材料は第1の金属である。
【0127】
いくつかの実施形態において、第2の材料は第2の金属である。
【0128】
いくつかの実施形態において、第1の材料は第1の金属であり、及び、第2の材料は第2の金属である。
【0129】
いくつかの実施形態において、支持基板は第1の金属から形成される。
【0130】
いくつかの実施形態において、表面構造は第1の金属から形成される。
【0131】
いくつかの実施形態において、支持基板及び表面構造は第1の金属から形成される。
【0132】
第16の態様においては:
支持基板;
第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の金属が第1の金属と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の金属
を含む触媒アレイが提供されており、及び
ここで、第1及び第2の金属は合金を少なくとも部分的に形成する。
【0133】
いくつかの実施形態において、複合体は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物である。
【0134】
いくつかの実施形態において、電解反応生成物は、十分な密度の電流をアレイに印加して、第1の材料と第2の材料との間に反応を生じさせることにより調製される。
【0135】
第17の態様においては:
支持基板の表面から突出する表面構造を備える支持基板;及び
表面構造の少なくとも一部分に形成された複合体
を含むアレイが提供されており、
ここで:
複合体は、第1の金属及び第2の金属の電解反応生成物である。
【0136】
いくつかの実施形態において、電解反応生成物は、十分な密度の電流をアレイに印加して、第1の材料と第2の材料との間に反応を生じさせることにより調製される。
【0137】
第18の態様においては:
支持基板;及び
支持基板の表面から突出する表面構造;
表面構造の各々における表面サブ構造
を備える触媒アレイが提供されており、
表面サブ構造は複合体材料を含んでおり;
ここで、複合体材料は、触媒アレイの前処理のステップ中に、少なくとも第1の金属及び第2の金属から形成され;及び
ここで、複合体材料は、前処理ステップを行う前の第1の金属及び第2の金属の混合物と比して改変された電子構造を示す。
【0138】
第19の態様においては:
支持基板;
支持基板の表面から突出すると共に、支持基板と一体的である表面構造
を備える触媒アレイが提供されており、及び
表面構造は、少なくとも第1の金属及び第2の金属から形成された複合体材料を含み;
ここで、複合体材料は、第1の金属及び第2の金属の混合物と比して改変された電子構造を示す。
【0139】
第20の態様においては:
支持基板の表面から突出する表面構造を備える支持基板;及び
表面構造の少なくとも一部分に形成された複合体材料
を含む触媒アレイが提供されており、
ここで:
複合体材料は、第1の金属及び第2の金属の電解反応生成物であり;並びに
表面構造は:
高さが100ミクロン未満~約10ミクロン、及び、約10ミクロン~約100ミクロンの基部寸法を有する角錐状構造;並びに/又は
高さが約1000nm~約1nm、及び、直径が約1000nm~約1nmである円形又は長細いドーム形状構造
を有する。
【0140】
いくつかの実施形態において、電解反応生成物は、十分な密度の電流をアレイに印加して、第1の材料と第2の材料との間に反応を生じさせることにより調製される。
【0141】
第21の態様においては:
支持基板;
第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の金属が第1の金属と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の金属
を含むアレイが提供されており;並びに
ここで、第1の金属、第2の金属又は第1及び第2の金属の電子構造の軌道重なりには変化が存在している。
【0142】
第22の態様においては、
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップ
を含む触媒アレイを形成する方法が提供されており、
第1の電極は:
支持基板;
第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;及び
第2の金属が第1の金属と接触しているよう、表面構造上に堆積された第2の金属
を含み、
ここで、印加される電流密度は、表面構造に合金を少なくとも部分的に形成するのに十分である。
【0143】
第23の態様においては、
第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方における第1の金属及び第2の金属から金属間化合物を形成するために十分な電流を、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に印加するステップ
を含む触媒アレイを形成する方法が提供されており、
第1の電極及び/又は第2の電極は:
支持基板;
第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;及び
第2の金属が第1の金属と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の金属
を含み、
ここで、触媒アレイは、第1の電極及び/又は第2の電極に形成されている。
【0144】
第24の態様においては合金を形成する方法が提供されており、この方法は、
縁部及び/又は頂点を備える構造と、縁部及び/又は頂点における第1の金属及び第2の金属とに電流を導通させるステップを含み、ここで、第1及び第2の金属は接触しており、並びに、ここで、縁部及び/又は頂点における電流密度は、第1の材料と第2の材料との界面において合金を形成するのに十分である。
【0145】
第25の態様においては触媒アレイを前処理する方法が提供されており、この方法は
第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方における第1の金属及び第2の金属から金属間化合物を形成するために十分な電流を、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に印加するステップ
を含み、
ここで、触媒アレイは、第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方を含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、第1の電極及び/又は第2の電極は:
支持基板;
第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;及び
第1の金属と接触している表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の金属
を含む。
【0147】
第26の態様においては、触媒アレイを提供するステップ、電解質溶液を触媒アレイと接触させるステップ、並びに、特定の時間、前処理されたアレイを形成するための電圧及び電流で、アレイにバイアスを印加するステップを含む触媒アレイを前処理する方法が提供されており、ここで、前処理されたアレイにおける金属は、バイアスを印加する前における金属と比して改変された電子構造を有する。この方法において、アレイは、支持基板、第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、及び、第2の金属が第1の金属と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の金属を含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前の金属と比して金属の変更された軌道重なりを有する。
【0149】
いくつかの実施形態において、特定の時間は、約0.5時間~約200時間、又は、約0.5時間~約20時間、又は、約1時間~約10時間、又は、約3時間~約9時間である。
【0150】
いくつかの実施形態において、電圧は、約-20ボルト~約+20ボルト、又は、+/-20ボルト~約+/-0.5ボルト、又は、約+/-10ボルト~約+/-0.5である。いくつかの実施形態において、電流密度は、0A/cm2超~約10A/cm2、約1A/cm2~約5A/cm2、又は、約2A/cm2である。
【0151】
本方法のいくつかの実施形態において、電解質はアルカリ電解質である。種々の実施形態において、電解質は、金属酸化物又は金属水酸化物を含み得る。電解質が金属水酸化物を含む場合、金属水酸化物は、水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)であり得る。いくつかの実施形態において、NaOH又はKOHは、約0.5M~約10M、約2M~約8M、又は、約4M~約6Mで電解質中に存在する。
【0152】
本方法のいくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。いくつかの実施形態において、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0153】
いくつかの実施形態において、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのエネルギー分散型X線分光法における変化によって示される。
【0154】
本方法のいくつかの実施形態において、第2の金属は、約1nm~約1μm、約1nm~約500nm、約5nm~約250nm、約5nm~約100nm、約5nm~約50nm、約5nm~約30nm、約5nm~約25nm、約5nm~約15nmの厚さで存在し、又は、約5nm~約10nmである。
【0155】
本方法のいくつかの実施形態において、アレイはさらに、第1の金属及び第2の金属が交互する層を備え、ここで、各金属の200以下の層が存在する。いくつかの実施形態において、アレイの各層は1~10nmの厚さである。
【0156】
いくつかの実施形態において、アレイは第1及び第2の金属の層を備え、及び、これらの層は、Ni/Pt;Ni/Au;Ni/Co;Ni担持Co/Pt;Ni担持Pt/Co;Ni担持Pt/Ni;及び、Ni担持Pt/Ni/Pt/Ni/Pt/Ni/Ptである。
【0157】
いくつかの実施形態において、複合体又は合金又は金属間化合物は、表面構造の縁部及び/又は頂点に少なくとも部分的に形成されている。
【0158】
実施形態において、複合体又は合金又は金属間化合物は、表面構造の縁部及び/又は頂点に形成されている。
【0159】
実施形態において、複合体又は合金又は金属間化合物は、好ましくは、表面構造の縁部及び/又は頂点に形成されている。
【0160】
いくつかの実施形態において、複合体又は合金又は金属間化合物は、第1の材料と第2の材料との界面に形成される。いくつかの実施形態において、複合体は、第1の材料と第2の材料との間の界面に形成される。
【0161】
いくつかの実施形態において、第1の金属は、遷移金属又はポスト遷移金属から選択される。
【0162】
いくつかの実施形態において、第1の金属は、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt及びAuから選択される。
【0163】
いくつかの実施形態において、第2の金属は第1の金属とは異なり、遷移金属又はポスト遷移金属から選択される。
【0164】
いくつかの実施形態において、第2の金属は第1の金属とは異なり、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt及びAuから選択される。
【0165】
いくつかの実施形態において、第1の金属はNiである。いくつかの実施形態において、第1の金属はNi 2θ(200)である。
【0166】
いくつかの実施形態において、第1の材料はNiであり、及び、第2の材料はPtであり、又は、第1の材料はPtであり、及び、第2の材料はNiである。
【0167】
いくつかの実施形態において、第1の金属は、Ni、Cu、Zn、Co、Al、Tiから選択され、及び、第2の金属は、Pt、Co、Au、Ni、Ag、Ti、Cr、Cu、Mg、Mn、Fe、Znから選択される。
【0168】
いくつかの実施形態において、第1の金属はNiであり、及び、第2の金属は、Pt、Co又はAuから選択される。
【0169】
いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2の金属は、酸化物、水素化物、ハロゲン化物、水酸化物、塩、炭化物、有機金属錯体、錯体、合金又はクラスターの形態である。
【0170】
いくつかの実施形態において、第2の金属は、酸化物、水素化物、ハロゲン化物、炭化物、錯体、合金又はクラスターの形態である。
【0171】
いくつかの実施形態において、第2の金属は、Eビーム、パルスレーザ堆積、スパッタリング、マグネトロンスパッタリング及び熱フィラメントによる蒸着層金属の物理蒸発を含む物理蒸着(PVD)法によって、減圧下で蒸発されることにより表面上に堆積される。
【0172】
いくつかの実施形態において、第2の金属は、表面構造上に還元又は酸化により堆積される。還元又は酸化は、化学的又は電気化学的に実施可能である。或いは、材料は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着若しくは熱蒸着又はプラズマCVDなどの物理蒸着プロセスでコーティング可能である。或いは、これらの材料は、カソードアーク堆積、電子ビームPVD、蒸着、閉空間昇華、パルスレーザ堆積、パルス電着で堆積可能である。これらの材料は、昇華、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、塗布、輪転グラビアコーティング、湿式含浸、スラリー、有機金属クラスター前駆体の使用、還元性析出沈殿、無電解メッキ、逆ミセル合成、デンドリマー担持合成を含む一連の非減圧法によりコーティング可能である。
【0173】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は電解質及び第2の金属の塩を含み、第2の金属は、バイアス電圧又は電流が印加されると、電気化学的に表面構造の少なくともいくつかの上に堆積される。いくつかの実施形態において、電流又はバイアス電圧は、複合体を形成する電流又はバイアス電圧である。いくつかの実施形態において、電流又はバイアス電圧は、複合体を形成する電流又はバイアスに先行する。
【0174】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は電解質及び第2の金属の塩を含み、第2の金属は、電流又はバイアス電圧が印加されると、電気化学的に縁部及び/又は頂点に堆積される。
【0175】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に設定される電位差は、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するのに十分なものである。いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に設定される電位差は、約-20V~+20Vである。いくつかの実施形態において、約-10V~+10Vである。いくつかの実施形態において、約-5V~+5Vである。いくつかの実施形態において、約-1V~+1Vである。
【0176】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に設定される電位差は、約+/-20V~+/-0.5Vである。いくつかの実施形態において、約+/-10V~+/-0.5Vである。いくつかの実施形態において、+/-7V~+/-0.5Vである。いくつかの実施形態において、+/-6V~+/-1Vである。
【0177】
いくつかの実施形態において、電圧は、約-20ボルト~約+20ボルト、又は、+/-20ボルト~約+/-0.5ボルト、又は、約+/-10ボルト~約+/-0.5である。
【0178】
いくつかの実施形態において、第1の電極及び/又は第2の電極にわたる平均としての第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するのに十分なものである。いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、第1の電極及び/又は第2の電極に平均で、少なくとも約0.1A/cm2;少なくとも約0.2A/cm2;少なくとも約0.3A/cm2;少なくとも約0.5A/cm2;少なくとも約0.7A/cm2;少なくとも約1A/cm2;少なくとも約1.5A/cm2である。
【0179】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、第1の電極及び/又は第2の電極に平均で、約500A/cm2未満、約100A/cm2未満、約50A/cm2未満、約20A/cm2未満、約15A/cm2未満、約10A/cm2未満、約8A/cm2未満、約5A/cm2未満、約4A/cm2未満、約3A/cm2未満、約2A/cm2未満である。
【0180】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、第1の電極及び/又は第2の電極にわたる平均で、約0.1~約500A/cm2、約0.1~約50A/cm2、約0.1~約20A/cm2、約0.2~約20A/cm2、約0.2~約15A/cm2、約0.5~約500A/cm2、約0.5~約50A/cm2、約0.5~約20A/cm2、約0.5~約10A/cm2、約0.5~約8A/cm2、約0.5~約5A/cm2、約0.5~約4A/cm2;約1~約4A/cm2である。
【0181】
いくつかの実施形態において、電流密度は、0A/cm2超~約10A/cm2、約1A/cm2~約5A/cm2であり、又は、約2A/cm2である。
【0182】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は実質的に一定である。いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、勾配、パルス状、波状、振動、又は、酸化及び還元電位間のサイクルとして印加される。
【0183】
いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点における電流密度は約1~約100A/cm2である。
【0184】
いくつかの実施形態において、第2の電極構造は平面又はワイヤである。
【0185】
いくつかの実施形態において、第2の電極は、第1の電極よりも大きな表面積を有する。
【0186】
いくつかの実施形態において、第2の電極は、第1の電極よりも表面積が約10倍大きい。
【0187】
いくつかの実施形態において、第2の電極は、第1の電極に関して本明細書に記載の支持基板及び表面構造を備える。
【0188】
いくつかの実施形態において、第2の電極は、支持基板、及び、第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、及び、表面構造上に堆積された第2の金属を含む。
【0189】
アレイの形成方法のいくつかの実施形態において、電流は、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するのに十分な時間印加/導通される。電解触媒アレイを形成する方法のいくつかの実施形態において、電流は、少なくとも約1秒間、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間、少なくとも約0.5時間印加される。アレイの形成方法のいくつかの実施形態において、電流は、約1秒間~約1週間、約1秒間~約24時間、約1分間~約24時間、約5分間~約24時間、約10分間~約24時間、約0.5時間~約24時間印加される。アレイの形成方法のいくつかの実施形態において、電流は、約1時間~約12時間印加される。
【0190】
いくつかの実施形態において、電流を印加する時間は、約0.5時間~約200時間、又は、約1時間~約10時間、又は、約3時間~約9時間である。
【0191】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するために、第1の材料と接触している。
【0192】
いくつかの実施形態において、第2の材料は第1の材料上に層を形成している。
【0193】
いくつかの実施形態において、第2の材料は第1の材料上に間欠層を形成している。
【0194】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、第1の材料に埋設又は組み込まれるよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されている。
【0195】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、表面構造上に層として堆積されている。いくつかの実施形態において、層は、約0.2nm~100,000nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、層は、約1nm~500nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、層は、約1nm~200nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、層は、約1nm~150nmの厚さを有する。いくつかの実施形態においては、約1nm~100nm、又は、約1nm~80nm、約1nm~50nm、約1nm~40nm、1nm~30nm、約1nm~20nm、約1nm~約15nm、約5nm~約15nmである。
【0196】
いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約1000nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約500nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約200nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約150nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約100nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約80nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約50nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約40nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約30nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約20nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約15nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の層の厚さは、原子又は分子の単一層である。
【0197】
いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、26、37、38、39又は40nmである。
【0198】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、表面構造上間欠層として堆積されている。いくつかの実施形態において、間欠層は、約0.2nm~100,000nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、間欠層は、約1nm~500nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、間欠層は、約1nm~200nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、間欠層は、約1nm~150nmの厚さを有する。いくつかの実施形態においては、約1nm~100nm、又は、約1nm~80nm、約1nm~50nm、約1nm~40nm、1nm~30nm、約1nm~20nm、約1nm~約15nm、約5nm~約15nmである。
【0199】
いくつかの実施形態において、第2の材料の間欠層の厚さは、0nm超であるが約1000nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約500nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約200nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約150nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約100nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約80nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約50nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約40nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約30nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約20nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、0nm超であるが約15nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の層の厚さは、原子又は分子の単一層である。
【0200】
いくつかの実施形態において、第2の材料層の厚さは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、26、37、38、39又は40nmである。
【0201】
いくつかの実施形態において、第2の材料は支持基板の上面に堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、支持基板の上面に組み込まれている。
【0202】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、実質的に支持基板の上面の全体を覆う層として堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、実質的に支持基板の上面の全体を覆う層として組み込まれている。
【0203】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、表面構造の縁部及び/又は頂点に堆積されている。
【0204】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、構造/表面の約100%~約10-9%で堆積又は組み込まれている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、表面の約100%未満~約0.0000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、表面の約100%未満~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、構造の約50%~約0.000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、表面の約50%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、アレイの表面の約30%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、表面の約10%~約0.1%で堆積されている。
【0205】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満、約0.000001%未満で堆積又は組み込まれている。可能であるもっとも小さい表面積は、表面構造上における単一の原子であることは明らかであろう。
【0206】
いくつかの実施形態において、第2の金属は支持基板の上面に堆積されている。
【0207】
いくつかの実施形態において、第2の金属は、実質的に支持基板の上面の全体を覆う層として堆積又は組み込まれている。
【0208】
いくつかの実施形態において、第2の金属は、表面構造の縁部及び/又は頂点において堆積又は組み込まれている。
【0209】
いくつかの実施形態において、第2の金属は、上面視で、構造の約100%~約10-9%で堆積又は組み込まれている。いくつかの実施形態において、第2の金属は、上面視で、表面の約100%未満~約0.0000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の金属は、上面視で、表面の約100%未満~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の金属は、上面視で、構造の約50%~約0.000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の金属は、上面視で、表面の約50%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の金属は、上面視で、アレイの表面の約30%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の金属は、上面視で、表面の約10%~約0.1%で堆積されている。
【0210】
いくつかの実施形態において、第2の金属は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満、約0.000001%未満で堆積又は組み込まれている。可能であるもっとも小さい表面積は、表面構造上における単一の原子であることは明らかであろう。
【0211】
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる材料は、第1及び/又は第2の材料とは異なり、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されている。
【0212】
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる材料は、第1の材料及び/若しくは第2の材料、並びに/又は、連続層若しくは間欠層中の他のさらなる材料と接触している。
【0213】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、表面構造の少なくともいくつか、及び/又は、第1の材料、及び/又は、第2の材料、及び/又は、他のさらなる材料の上に堆積されている。
【0214】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、表面構造の少なくともいくつか、及び/又は、第1の材料、及び/又は、第2の材料、及び/又は、先行するさらなる材料の上に、第1の材料、及び/又は、第2の材料、及び/又は、先行するさらなる材料に埋設又は組み込まれるよう堆積されている。
【0215】
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる材料は、ポリマー、有機化合物、無機化合物、金属から選択される。
【0216】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、s-ブロック元素(周期律表の第1族及び第2族)、p-ブロック元素(周期律表の第13族、第14族、第15族、第16族又は第17族)又はdブロック金属(遷移金属)である。
【0217】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、アルカリ金属(第1族)、アルカリ土類金属、遷移金属、メタロイドから選択される。
【0218】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、C、O、B、As、P、Ga、Al、I、Li、Bi、At、Si、Xe、N、Au、Pt、GaAs、GaP、GaN、GaS、CaT、CaS、I、Brから選択される。
【0219】
いくつかの実施形態においては、1~1000種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、1~50種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、1~20種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、1~10種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、1種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、2種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、3種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、4種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、5種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、6種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、7種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、8種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、9種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、10種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、100種のさらなる材料が存在する。
【0220】
さらなる材料は、第1の材料、第2の材料又は1種以上の他のさらなる材料の少なくとも1つに接触している。
【0221】
いくつかの実施形態において、第1、第2及びさらなる材料はすべて異なる材料である。いくつかの実施形態において、第1、第2及びさらなる材料のいくつかは同一であり、例えば第1の材料及びさらなる材料が同一であると共に第2の材料が異なっており、又は、材料の交互のスタックである。
【0222】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、表面構造上に層として堆積されている。いくつかの実施形態において、さらなる材料層は、約0.2nm~100,000nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、さらなる材料層は、約1nm~500nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、さらなる材料層は、約1nm~2000nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、さらなる材料層は、約1nm~150nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、さらなる材料層は、約1nm~100nm、又は、約1nm~80nm;約1nm~50nm;約1nm~40nm;1nm~30nm;約1nm~20nm;約1nm~約15nm;約5nm~約15nmの厚さを有する。
【0223】
いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約500ミクロン未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約1000nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約500nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約200nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約150nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約100nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約80nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約50nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約40nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約30nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約20nm未満である。いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約15nm未満である。いくつかの実施形態において、第2の層の厚さは、原子又は分子の単一層である。
【0224】
いくつかの実施形態において、さらなる材料層の厚さは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、26、37、38、39、40nmである。
【0225】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、実質的に支持基板の上面の全体を覆う層として堆積されている。
【0226】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、表面構造の縁部及び/又は頂点に堆積されている。
【0227】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、上面視で、構造の100%~約10-9%で堆積又は組み込まれている。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、上面視で、表面の約100%未満~約0.0000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、上面視で、表面の約100%未満~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、上面視で、構造の約50%~約0.000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、上面視で、表面の約50%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、上面視で、アレイの表面の約30%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、上面視で、表面の約10%~約0.1%で堆積されている。
【0228】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満、約0.000001%未満で堆積又は組み込まれている。可能であるもっとも小さい表面積は、表面構造/基板上における単一の原子であることは明らかであろう。
【0229】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、第2の材料と接触しているよう堆積されている。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、第1の材料と接触しているよう堆積又は組み込まれている。
【0230】
いくつかの実施形態において、第2の材料とさらなる材料との組み合わせた厚さは、約1原子~約1mmである。いくつかの実施形態において、第2の材料とさらなる材料との組み合わせた厚さは、約1原子~約100μmである。いくつかの実施形態において、第2の材料とさらなる材料との組み合わせた厚さは、約1原子~約50μmである。
【0231】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、材料堆積プロセス、物理蒸着(PVD)プロセス、物理蒸着、熱蒸着、プラズマ促進化学蒸着、カソードアーク堆積、電子ビームPVD、蒸着、閉空間昇華、パルスレーザ堆積、パルス電着によって、減圧下で蒸発されることにより表面上に堆積される。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、昇華、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、塗布、輪転グラビアコーティング、湿式含浸、スラリー、有機金属クラスター前駆体の使用、還元性析出沈殿、無電解メッキ、逆ミセル合成、デンドリマー担持合成により堆積される。
【0232】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、表面構造上に還元又は酸化により堆積される。還元又は酸化は、化学的又は電気化学的に実施可能である。
【0233】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は1種以上のさらなる材料を含み、及び、1種以上のさらなる材料は、電流又はバイアスを印加すると、電気化学的に表面構造の少なくともいくつかの上に堆積される。いくつかの実施形態において、電流又はバイアスは、複合体を形成する電流又はバイアスである。いくつかの実施形態において、電流又はバイアスは、複合体を形成する電流又はバイアスに先行する。
【0234】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は1種以上のさらなる材料を含み、及び、1種以上のさらなる材料は、電流を印加すると、電気化学的に縁部及び/又は頂点に堆積される。
【0235】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、複合体又は合金の形成後に、1種以上のさらなる材料を、アレイ中又は上に堆積、組み込み又は埋設するステップを含む。
【0236】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、複合体又は合金の形成後に、拡散又はイオン注入により、アレイ中又は上に1種以上のさらなる材料を堆積、組み込み又は埋設するステップを含む。
【0237】
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる材料は金属である。
【0238】
いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2の金属とは異なる1種以上のさらなる金属は、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積される。
【0239】
いくつかの実施形態においては、1~100種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、1~50種のさらなる金属が存在する。
【0240】
いくつかの実施形態においては、1~1000種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、1~50種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、1~20種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、1~10種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、1種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、2種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、3種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、4種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、5種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、6種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、7種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、8種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、9種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、10種のさらなる金属が存在する。いくつかの実施形態においては、100種のさらなる金属が存在する。
【0241】
さらなる金属は、第1の材料、第2の材料又は1種以上の他のさらなる金属の少なくとも1つに接触している。
【0242】
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる金属は、第1及び/又は第2の金属とは異なり、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt、Auから選択される。
【0243】
いくつかの実施形態において、さらなる金属は、酸化物、水素化物、ハロゲン化物、錯体又はクラスターの形態である。
【0244】
いくつかの実施形態において、さらなる金属は、減圧下で蒸発されることにより、又は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着又は熱蒸着又はプラズマCVD又はカソードアーク堆積、電子ビームPVD、蒸着、閉空間昇華、パルスレーザ堆積又はパルス電着などの例えば物理蒸着(PVD)プロセスなどの他の材料堆積プロセスで、表面上に堆積される。これらの材料は、昇華、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、塗布、輪転グラビアコーティング、湿式含浸、スラリー、有機金属クラスター前駆体の使用、還元性析出沈殿、無電解メッキ、逆ミセル合成、デンドリマー担持合成を含む一連の非減圧法によりコーティング可能である。
【0245】
いくつかの実施形態において、さらなる金属は、表面構造上に還元又は酸化により堆積される。還元又は酸化は、化学的又は電気化学的に実施可能である。
【0246】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は1種以上のさらなる金属を含み、及び、1種以上のさらなる金属は、電流又はバイアスを印加すると、電気化学的に表面構造の少なくともいくつかの上に堆積される。いくつかの実施形態において、電流又はバイアス電圧は、複合体を形成する電流又はバイアス電圧である。いくつかの実施形態において、電流又はバイアス電圧は、複合体を形成する電流又はバイアス電圧の前に印加される。
【0247】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は1種以上のさらなる金属塩を含み、及び、1種以上のさらなる金属は、電流又はバイアス電圧を印加すると、電気化学的に縁部及び/又は頂点に堆積される。
【0248】
いくつかの実施形態において、表面構造は、複合体材料を含む表面サブ構造を備える。
【0249】
いくつかの実施形態において、表面構造は表面構造上に一様で非連続的なアレイを形成する。
【0250】
いくつかの実施形態において、表面構造は反復パターンである。
【0251】
いくつかの実施形態において、表面構造は一様の大きさである。
【0252】
いくつかの実施形態において、表面構造は一様に配置されている。或いは、表面構造は、支持基板上にランダムに配置されている。
【0253】
いくつかの実施形態において、アレイ又は各アレイは、幾何学的に一様のパターンで配置されている。いくつかの実施形態において、アレイ又は各アレイは、表面構造のグループの順番に配置されたパターンである。
【0254】
いくつかの実施形態において、表面構造は以下の1つ以上である。
i.支持基板の表面からの同一又は異なる又は非類似である高さ
ii.他の表面構造に対して、同一又は異なる又は非類似である幾何学的形状
iii.規則的又は不規則な幾何学的形状
iv.相互に均等又は不均等な間隔
v.同一又は異なる又は非類似である密度、
vi.i~vのいずれか1つの複数の表面構造を備える複数の前記表面構造のグループ
【0255】
いくつかの実施形態において、表面構造は、表面構造の電気的及び/又は空間的に単離された区域又は領域から構成される。
【0256】
いくつかの実施形態において、表面構造は、表面構造の遠位側先端が実質的に平坦であるよう、実質的に類似する高さのものである。
【0257】
いくつかの実施形態において、表面構造は、表面(例えば対電極表面)への距離が表面構造のアレイにわたって実質的に一様であるよう実質的に平坦である。
【0258】
いくつかの実施形態において、表面構造は遠位側先端部分から構成され、前記遠位側先端部分は、前記表面構造が延出する表面からもっとも離間されており、前記遠位側先端部分は、尖鋭又は頂部又はスパイク又は尖頭又は先端又は畝状形態である。
【0259】
いくつかの実施形態において、表面構造の断面積は、支持基板の上部表面に直交する軸に沿って減少する。いくつかの実施形態において、表面構造は、支持基板の上部表面に直交する面に沿って、三角形、凸状、半円形又は乳頭状断面を有する。いくつかの実施形態において、表面構造の上方部分は、頂点において、約90°以下の角度を有する。いくつかの実施形態において、表面構造は尖鋭先端又は畝状である。いくつかの実施形態において、表面構造は、錐形、円錐形、畝状、尖頭形、スパイク、円柱形、正五面体、上部が平面な五面体、五角形若しくは六角形、又は、これらの組み合わせである。いずれかのこのような構造は、縁部、頂点、畝状、又は、このような特徴の2つ以上のいずれかの組み合わせを有し得る。いくつかの実施形態において、表面構造は、支持基板の上部表面に平行な面に沿って、実質的に三角形、実質的に円形若しくはドーム状又は実質的に四角形の断面を有する。
【0260】
いくつかの実施形態において、表面構造の上部又は遠位側先端は、表面構造の底部又は近位側先端と比して実質的に類似するか、又は、低減した幅のものであり、ここで、遠位側及び近位側とは、表面構造が関連又は突出している支持基板の表面を基準としている。
【0261】
いくつかの実施形態において、支持基板と連接する表面構造の幅は、約1nm~約5000μmである。いくつかの実施形態において、支持基板と連接する表面構造の幅は、約5nm~約5000μmである。いくつかの実施形態においては、約20nm~約5000μm、約40nm~約4000μm、約55nm~約3000μm、約75nm~約2500μm、約100nm~約4000μm、約250nm~約3500μm、約20nm~約3500μm、約2nm~約4000μm、約20nm~約2500μm、約20nm~約4000μm、約20nm~約3000μm又は約20nm~約2000μmである。いくつかの実施形態において、支持基板と連接する表面構造の幅は、約5nm~約750μm、約5nm~約500μm、約5nm~約100μmである。
【0262】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約25nmである。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの表面構造の幅は、約50μmである。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約250nmである。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約750nmである。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約25nm、又は、最小で約1nmであり得る。
【0263】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の幅は、約1μm~約5000μmである。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの表面構造の幅は、約50μmである。
【0264】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の長さは、約1μm~約5000μmである。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの表面構造の長さは、約50μmである。
【0265】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の幅は、約2nm~約5000nmである。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約250nmである。
【0266】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の長さは、約2nm~約5000nmである。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の長さは、約250nmである。
【0267】
いくつかの実施形態において、表面構造の高さ(すなわち、支持基板又は支持基板表面からの、又は、その上への突出高さ)は約1nm~約5000μmである。いくつかの実施形態において、表面構造の高さ(すなわち、支持基板又は支持基板表面からの、又は、その上への突出高さ)は約5nm~約5000μmである。いくつかの実施形態において、表面構造の高さは、約40nm~約4000μm、約55nm~約3000μm、約75nm~約2500μm、約100nm~約4000μm、約250nm~約3500μm、約20nm~約3500μm、約2nm~約4000μm、約20nm~約2500μm、約20nm~約4000μm、約20nm~約3000μm又は約20nm~約2000μmである。いくつかの実施形態において、表面構造の高さは、約1nm~約750μm、約1nm~約500μm又は約1nm~約100μmである。
【0268】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の高さは、約1μm~約500μmである。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの表面構造の高さは、約50μmである。
【0269】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の高さは、約5nm~約5000nmである。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の長さは、約250nmである。
【0270】
いくつかの実施形態において、表面構造は、マイクロメートルスケールで、例えば約1μm~約500μmの基部幅及び/又は長さを有する。いくつかの実施形態において、表面構造は、マイクロメートルスケールで、例えば約1μm~約500μmの高さを有する。いくつかの実施形態において、表面構造の先端は、ナノメートル又はマイクロメートルスケールで、例えば約1nm~約1000μmである。
【0271】
いくつかの実施形態において、表面構造は、100/cm2超で支持体の表面上に存在する。
【0272】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールの表面構造は、1平方センチメートル当り約180,000~約1,800の頂点又は先端が設けられる密度で設けられて、機能性表面が設けられるか、又は、これから形成される機能性表面を有する。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールの表面構造は、1平方センチメートル当り約18,000の頂点又は先端が設けられる密度で設けられて、機能性表面が設けられるか、又は、これから形成される機能性表面を有する。
【0273】
いくつかの実施形態において、表面構造は、1平方センチメートル(例えばミリメートルスケール)当り約1~約2000の頂点又は先端、1平方センチメートル当り約1~約1000、約1~約500、約1~約100の密度で設けられている。
【0274】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールの表面構造は、1平方センチメートル当り約160,000,000~約16,000,000,000の頂点又は先端が設けられる密度で設けられて、機能性表面が設けられるか、又は、これから形成される機能性表面を有する。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールの表面構造は、1平方センチメートル当り約1,600,000,000の頂点又は先端が設けられる密度で設けられて、機能性表面が設けられるか、又は、これから形成される機能性表面を有する。いくつかの実施形態において、表面構造は、1平方センチメートル当り50,000,000,000,000の表面構造又は先端の密度で設けられている。
【0275】
いくつかの実施形態において、表面構造には、平行な、又は、実質的に平行なサイドウォールが形成されている。いくつかの実施形態において、表面構造には、本明細書に記載のとおり頂部又は頂点を終端とする傾斜したサイドウォールが形成されている。いくつかの実施形態において、角度は、表面構造の断面における計測で、頂部又は頂点を共有するサイドウォールによって形成される。いくつかの実施形態において、このような角度は、実質的に約0°~約180°又は約5°~約175°又は約20°~約90°又は約90°未満又は約50°である。いくつかの実施形態において、角度は、下位の基板の異方性エッチング、又は、ケイ素については例えば約54.7°といった表面構造の形成に用いられるマスターにより形成され得る。
【0276】
いくつかの実施形態において、複合体は、表面構造の縁部及び/又は頂点に少なくとも部分的に形成されている。
【0277】
例えば、一実施形態においては、構造が正角錐状形状を有する場合、頂点は角錐形の点であり、一方で、縁部は隣接する面が頂点に向かうに従って出会う点である。同様に、他の例示的な例として、構造がドーム状である場合、ドームの上部の点は頂点であり得るが、ドームの側部を画定する壁は連続的で丸みを帯びているために、構造は縁部を有していない。
【0278】
いくつかの実施形態において、金属間化合物は、表面構造の縁部及び/又は頂点に少なくとも部分的に形成されている。
【0279】
いくつかの実施形態において、合金は、表面構造の縁部及び/又は頂点に少なくとも部分的に形成されている。
【0280】
いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は機能性表面である。
【0281】
いくつかの実施形態において、機能性表面は、表面構造の頂点又はその周囲である。
【0282】
いくつかの実施形態において、機能性表面は表面構造の頂点又はその周囲であり、ここで、各表面構造の頂点の幅は約1nm~約5000μmである。いくつかの実施形態において、各表面構造の頂点又は先端は原子スケールであり、例えば単一の原子である。いくつかの実施形態においては、約10nm~約10μm又は約20nm~約2μm又は約30nm~約1μmである。いくつかの実施形態においては、約1nm~約1000nm又は約1nm~約500nm又は約1nm~約100nm又は約1nm~約50nmである。各表面構造の頂点の幅は、支持基板と連接する部分より短い。
【0283】
いくつかの実施形態において、機能性表面は表面構造の頂点又はその周囲であり、ここで、表面構造の頂点は、頂点間で、約5nm~約1000μm;約10nm~約1000μm;約25nm~約1000μm;約5nm~約750μm;約5nm~約500μm;約5nm~約100μmで相互に離間している。いくつかの実施形態においては、頂点間で、約5nm~約2000nm;約5nm~約1000nm;約5nm~約500nmである。
【0284】
いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満、約0.0000001%未満を構成する。いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.00000001%又は約0.000001%~約50%を構成する。いくつかの実施形態において、縁部、頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.0001%~約50%を構成する。いくつかの実施形態において、縁部、頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.1%~約50%を構成する。
【0285】
いくつかの実施形態において、機能性表面は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満、約0.0000001%未満を構成する。いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.00000001%又は約0.000001%~約50%を構成する。いくつかの実施形態において、縁部、頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.0001%~約50%を構成する。いくつかの実施形態において、縁部、頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.1%~約50%を構成する。
【0286】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は、水及び/又は有機溶剤を含む。いくつかの実施形態において、有機溶剤は、アルコール(例えばエタノール)、エーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、アセトン、及び/又はDMSO(ジメチルスルホキシド)から選択される。
【0287】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は溶液である。
【0288】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は電解質を含む。
【0289】
いくつかの実施形態において、電解質は、緩衝剤、塩(例えばNaCl)、アルカリ金属、又は酸性及び塩基性溶液(例えばH2SO4、HNO3、NaOH、KOH)から選択される。
【0290】
いくつかの実施形態において、塩は、ハロゲン化物イオン及び/又は金属イオン(例えばNaCl、銅2+イオン)を含む。
【0291】
いくつかの実施形態において、電解質の濃度は、約0.05M~約20Mである。いくつかの実施形態において、電解質の濃度は、約0.1M~約15Mである。いくつかの実施形態において、電解質の濃度は、約0.1M~約12Mである。
【0292】
いくつかの実施形態において、溶液は、アルカリ金属塩化物イオン及び銅2+イオンを含む緩衝剤溶液を含む。
【0293】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は、100℃未満の温度を有する。いくつかの実施形態において、温度は、約90℃未満、約80℃未満、約70℃未満、約60℃未満、約30℃未満、20℃未満である。
【0294】
いくつかの実施形態において、不活性層又は不動態化層は、表面構造の間に堆積され得る。いくつかの実施形態において、不活性層又は不動態化層の厚さは、表面構造の高さの約5%及び約95%であり得る。いくつかの実施形態において、不動態化層は、支持基板上に堆積されて、表面構造の下方部分を覆うと共に、上方部分を露出させる。いくつかの実施形態において、電流又は電圧を印加して電荷密度(電圧又は電流)を集束するステップにより、表面構造の上方部分における機能性表面上の不動態化層が除去される。
【0295】
いくつかの実施形態において、この方法は、照合電極を含む。照合電極は、第1の電極における電圧を監視及び制御するために使用可能である。
【0296】
第27の態様においては反応の実施方法が提供されており、この方法は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第16、第17、第18、第19、第20若しくは第21の態様のアレイ、又は、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第19、第20、第22、第23、第24、第25又は第26の態様の方法により形成されたアレイを、少なくとも1種の反応性種と接触させるステップを含み、ここで、アレイは触媒として作用する。
【0297】
いくつかの実施形態において、反応は、気体又は液体状態の活性種を含む。
【0298】
第28の態様において、電気化学反応を実施する方法、方法は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第16、第17、第18、第19、第20若しくは第21の態様の電解触媒アレイ、又は、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第19、第20、第22、第23、第24、第25又は第26の態様の方法によって形成された電解触媒アレイと、導電性溶液中の対電極との間に電流を印加するステップを含む。
【0299】
誤解を避けるために、以下は、第24又は第25の態様の実施形態である。
【0300】
いくつかの実施形態において、この反応は、気体又は液体状態の活性種を含む。
【0301】
いくつかの実施形態において、導電性液体は活性種であり得る。
【0302】
いくつかの実施形態において、電気化学反応は、水素化、脱水素化、改質及び酸化反応から選択される。
【0303】
いくつかの実施形態において、電気化学反応は、水からの水素の発生、水からの酸素の発生、水からの水素の発生、プロトンからの水素の発生、水への水素の酸化、プロトンへの水素の酸化、過酸化水素への水素の酸化、水への酸素の還元、過酸化物への酸素の還元、二酸化炭素から一酸化炭素、二酸化炭素からメタノール、二酸化炭素からカルボン酸(例えば、ギ酸)、二酸化炭素からアルデヒド及び/又はケトン、二酸化炭素からメタン、エタン、プロパン及び/又はC21以下のより高級の炭素鎖、メタノールへのメタンの酸化、窒素からヒドラジン、窒素からアンモニア、水素及び窒素へのアンモニア開裂、メタンからメタノール、硝酸塩から窒素又は硝酸塩からアンモニアから選択される。
【0304】
いくつかの実施形態において、この反応は、気体又は液体状態の活性種を含む。
【0305】
いくつかの実施形態において、導電性液体は活性種である。
【0306】
いくつかの実施形態において、活性種は、導電性液体に通されるガスであり得る。
【0307】
いくつかの実施形態において、ガスは、空気、水素、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素又は空気、又は、これらの2種以上の混合物から選択され得る。
【0308】
いくつかの実施形態において、活性種は、液体、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、アンモニア、液体短鎖炭化水素(例えばC21以下)であり得る。
【0309】
いくつかの実施形態において、活性種が水である場合、導電性溶液はまた、電解質又は有機溶剤を含む水であることが好ましい。
【0310】
いくつかの実施形態において、この方法は、照合電極を含み得る。
【0311】
いくつかの実施形態において、対電極の形状は表面構造の形状を反映していてもよい。いくつかの実施形態において、対電極は、電解触媒アレイに相反する表面構造を備える。いくつかの実施形態において、対電極は、電解触媒アレイに対して大きさ又は幾何学的形状又はパターンが非類似である表面構造を備える。
【0312】
いくつかの実施形態において、対電極は、前記態様及び実施形態において定義されている支持基板及び表面構造を含み得る。
【0313】
いくつかの実施形態において、対電極は、不活性導電性材料、導電性材料、金属、Pt、金、炭素、グラファイト、グラフェン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレン、又は、ポリピロール(Ppy)、ポリアラニン(PA)若しくはポリアセチレン(Pアセチレン(Pacetylene))などの導電性ポリマーからなる群から選択される材料から形成される。
【0314】
いくつかの実施形態において、対電極は、(a)表面構造に対して向きが固定されているか、又は、(b)電極アレイに取り付けられているか、又は、(c)アレイの表面構造間の距離の差が最低限となる向きで保持されているか、又は、(d)アレイの上面の上にあるか、又は、(e)電解触媒アレイ上における電荷密度(電圧又は電流)の位置決めを促進させるように構成された3D表面特徴部分を備えている。
【0315】
いくつかの実施形態において、対電極は電解触媒アレイと平行である。
【0316】
いくつかの実施形態において、対電極又は照合電極と電解触媒との間に設定されている電位差は、約-20V~+20Vである。いくつかの実施形態において、約-1V~+1Vである。いくつかの実施形態において、電位差は約-200mV~-1Vである。いくつかの実施形態において、電位差は、酸化について、約0mV~1.8Vである。
【0317】
以下の図を参照して、本開示の好ましい実施形態を単なる一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0318】
【
図1a】
図1aは、表面構造の形状を示す処置前の電極A~EのSEM画像を示す。
【
図1b】
図1bは、表面構造の形状を示す処置前の電極A~EのSEM画像を示す。
【
図1c】
図1cは、表面構造の形状を示す処置前の電極A~EのSEM画像を示す。
【
図2】
図2は、前処理をしていないサンプル2におけるPtピーク(2.05keV)の形成、及び、前処理したサンプル4における新たな「金」による肩(2.22keV)の形成を示すEDX分析を示す。
【
図3a】
図3aは、サンプル1~5のSEM画像を示す。
【
図3b】
図3bは、サンプル1~5のSEM画像を示す。
【
図3c】
図3cは、サンプル1~5のSEM画像を示す。
【
図4】
図4は、水素の形成を示す還元領域におけるサブミクロン電極(サンプル1~5)のリニアスイープボルタンメトリを示す。
【
図5】
図5は、酸素の還元に関連する領域におけるサブミクロン電極(サンプル1~5)のリニアスイープボルタンメトリを示す。
【
図6】
図6は、(A)酸素生成及び(B)酸化ニッケル還元の領域を示す酸化性領域におけるサブミクロン電極(サンプル1~5)のリニアスイープボルタンメトリを示す。
【
図7】
図7は、Ptでコーティングされたニッケルの前処理の後に現れる「亜鉛」シグナルに対応する領域のEDSデータを示す。Aは前処理後のニッケル対照であり、Bは前処理後のPtでコーティングされたニッケルである。
【
図8】
図8は、Auでコーティングされたニッケルの前処理後に現れる「亜鉛」シグナルに対応する領域のEDSデータを示す。Aは前処理後のニッケル対照であり、Bは、12Mで前処理後のAuでコーティングされたニッケルであり、Cは、6Mで前処理後のAuでコーティングされたニッケルであり、Dは、0.5Mで前処理後のAuでコーティングされたニッケルである。
【
図9a】
図9aは、前処理をしていないサンプル25、及び、前処理したサンプル26~28のSEM画像を示す。
【
図9b】
図9bは、前処理をしていないサンプル25、及び、前処理したサンプル26~28のSEM画像を示す。
【
図10】
図10は、酸素生成に関連する領域における、Coでコーティングされたサンプル25~28のリニアスイープボルタンメトリを示す。
【
図11】
図11は、酸素還元に関連する領域における、Coでコーティングされたサンプル25~28のリニアスイープボルタンメトリを示す。
【
図12】
図12は、前処理の前(中実線)及び後(破線)の両方におけるCo/Ni電極のEDSデータを示し、ここで、円は、6.4keVにおけるピークの位置を示す。
【
図13】
図13(
図13A、13B、13C、13D、13E、13F、13G、13H、13I、13J、13K、13Lを含む)は、本発明のアレイの概略を示す。
図13H、13I、13J、13K、13Lは、前処理の前後におけるアレイの実施形態を示す。
【
図14】
図14は、10nmPtでコーティングされたニッケル電極における250nm×250nmの表面構造(A及びB)及び750nm×750nmの表面構造(C及びD)の前処理の効果の例を示す(前処理の前(A及びC)及び前処理の後(B及びD))。
【発明を実施するための形態】
【0319】
本発明は、例えば触媒として使用されるアレイの開発に関する。特に、本発明は、支持基板、第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造を備えるアレイを提供する。第2の材料は、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されている。第1の材料及び第2の材料は、複合体又は合金又は金属間化合物を少なくとも部分的に形成している。
【0320】
或いは、本発明は、支持基板、第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、第2の材料が第1の材料と接触しているよう表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料を含むアレイを提供する。第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性である。第1の材料及び第2の材料は複合体を少なくとも部分的に形成する。
【0321】
或いは、本発明は、支持基板の表面から突出する表面構造を備える支持基板;及び、表面構造の少なくとも一部分に形成された複合体材料を含むアレイを提供する。複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物である。第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性である。
【0322】
或いは、本発明は、支持基板、支持基板の表面から突出する表面構造、表面構造の各々における表面サブ構造を備える触媒アレイを提供する。表面サブ構造は複合体材料を含んでいる。複合体材料は、触媒アレイの前処理中に、少なくとも第1の材料及び第2の材料から形成される。複合体材料は、前処理を行う前の第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示す。
【0323】
或いは、本発明は、支持基板の表面から突出する表面構造を備える支持基板;及び、表面構造の少なくとも一部分に形成された複合体材料を含む触媒アレイを提供する。複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物である。表面構造は、高さが100ミクロン未満~約10ミクロン、及び、約10ミクロン~約100ミクロンの基部寸法を有する角錐状構造;並びに/又は、高さが約1000nm~約1nm、及び、直径が約1000nm~約1nmである円形又は長細いドーム形状構造を備える。
【0324】
或いは、本発明は、支持基板、支持基板の表面から突出すると共に、支持基板と一体的である表面構造を備える触媒アレイを提供する。表面構造は、少なくとも第1の材料及び第2の材料から形成される複合体材料を含む。複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示す。
【0325】
或いは、本発明は、支持基板、第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、第2の材料が第1の材料と接触しているよう表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料を含むアレイを提供する。第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性である。第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料の電子構造の軌道重なりには変化が存在している。
【0326】
或いは、本発明は、アレイの形成方法を提供する。方法は、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップを含む。第1の電極は、支持基板、第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、及び、第1の材料と接触して表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料を含む。第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性である。印加される電流密度は、少なくとも第1の材料と第2の材料との界面に複合体を形成するのに十分である。
【0327】
或いは、本発明は、複合体の形成方法を提供する。この方法は、縁部及び/又は頂点を備える構造と、縁部及び/又は頂点における第1の材料及び第2の材料とに電流を導通させるステップを含む。第1の材料及び第2の材料は接触している。第1及び/又は第2の材料は導電性又は半導電性である。縁部及び/又は頂点における電流密度は、第1の材料と第2の材料との界面に複合体を形成するのに十分である。
【0328】
或いは、本発明は、触媒アレイを前処理する方法を提供する。方法は、第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方における第1の材料及び第2の材料から複合体を形成するために十分な電流を、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に印加するステップを含む。触媒アレイは、第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方を含む。
【0329】
或いは、本発明は、合金アレイを形成する方法を提供する。この方法は、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップを含む。第1の電極は、支持基板、第1の合金成分で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、表面構造上に堆積された第2の合金成分を含む。印加される電流密度は、表面構造に第1の合金成分及び第2の合金成分の合金を少なくとも部分的に形成するのに十分である。合金アレイは第1の電極に形成されている。
【0330】
或いは、本発明は、アレイの形成方法を提供する。この方法は、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップを含む。第1の電極は、支持基板、第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の上に堆積された第2の材料を含む。第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性である。印加される電流密度は、電流が印加されなくなった場合に、第1の材料及び第2の材料の外殻電子のエネルギーを歪ませるのに十分である。
【0331】
或いは、本発明は、触媒アレイを前処理する方法を提供する。方法は、触媒アレイを提供するステップ、電解質溶液を触媒アレイと接触させるステップ、並びに、特定の時間、前処理されたアレイを形成するための電圧及び電流で、アレイにバイアスを印加するステップを含む。前処理されたアレイ中における材料は、バイアスを印加する前における材料と比して改変された電子構造を有する。この方法において、アレイは、支持基板、第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料を含む。
【0332】
或いは、本発明は、反応を実施する方法を提供する。この方法は、本発明のアレイ又は本発明の方法により形成されたアレイを、少なくとも1種の反応性種と接触させるステップを含む。アレイは触媒として作用する。
【0333】
或いは、本発明は、電気化学反応を実施する方法を提供する。この方法は、本発明の電解触媒アレイ又は本発明の方法により形成された電解触媒アレイと、対電極との間に、導電性溶液中において電流を印加するステップを含む。
【0334】
本出願の本発明者らは、過去において、表面構造の形態で表面トポロジーを有する電極に関する研究を行っている(国際公開第2018106128号パンフレットを参照のこと)。本発明者らは意外にも、表面構造を有するアレイ表面に複数の材料を適用し、及び、比較的大きい電流を「前処理ステップ」として印加した場合、材料の特性が変化することをここに見出した。
【0335】
この前処理に供したアレイのエネルギー分散型X線分光法(例えば、EDS、EDX、EDXS、XEDS、EDXA、EDXMA、XPS)分析は、いくつかの場合において、EDSソフトウェアが異なる元素の存在を示すような意外なシフトを示す。異なる元素は明らかに形成されていないが、このシフトは、EDSソフトウェアがここでは電磁放射が異なる元素の特徴に近いとみなすように、材料の外殻電子のエネルギーが歪んでいることを示しているようである。エネルギー分散型X線分光法(EDS)分析は、新たな種(本明細書において、複合体、金属間化合物又は合金として参照されている)が形成されていることを示しているようである。エネルギー分散型X線分光法は従って、前処理ステップが完了し、電流がこれ以上印加されない状況において、複合体/合金において、電子構造が改変されており、並びに/又は、第1の材料、第2の材料若しくは第1の材料及び第2の材料の電子構造の軌道重なりが変化しており、並びに/又は、第1の材料及び第2の材料の外殻電子のエネルギーに歪みが存在していることを示す。
【0336】
いくつかの事例において、SEM分析はまた、表面構造における変化を示す。しかしながら、いくつかの場合においては、EDS及び/又はSEM画像法のいずれも顕著な変化を示さないが、アレイが電解触媒として用いられる場合には、リニアスイープ又はサイクリックボルタンメトリは、前処理ステップに供されていない同一の材料製の電解触媒と比した活性化エネルギー及び/又は動力学及び/又は反応の総エネルギーの変化を示し、材料がなお複合体、金属間化合物又は合金に変化していることを実証している。
【0337】
この「前処理」ステップは、2本の電極の設定(例えば陰極及び陽極)又は3本の電極の設定(照合電極を使用)で、導電性流体(例えば、塩基性支持電解質、典型的には0.5M~12M KOH)中において達成される。2本の電極の少なくとも一方がトポグラフィ(例えば表面構造)を備える。同一の発明者らによる特許出願(例えば国際公開第2018/106128号パンフレット)においては、トポグラフィによって誘起される電圧及び/又は及び電流集束効果が存在している(すなわち、印加される電流及び/又は計測される電圧は、表面全体にわたって均等に印加されるわけではない)と理解される。意外なことに、比較的大きい電流がアレイに印加される場合、トポグラフィに対する有害な効果が想定されるにもかかわらず(構造の消失、又は、他の分解など)、これらの構造を構成する材料、又は、これらの構造に適用された材料は組み合わされて、用いられる材料に応じて複合体、合金又は金属間化合物が形成される。
【0338】
本明細書において用いられるところ、「複合体」という用語は、2種以上の別個の親材料に対して、異なる特性(例えば、外殻電子のエネルギーの電子的:安定性、選択性、活性、歪み、又は、物理的:硬度、耐衝撃性、摩耗、熱特徴を含む)又は、異なる形態学を有する2種以上の材料の組み合わせである材料を意味する。例えば2種以上の材料の単なる積層ではない。
【0339】
一例として、前処理ステップは、その後の層(金属及び非金属、第2の材料及びさらなる材料)がその表面上に堆積される(例えば蒸発、電気化学堆積、又は、ボンバードメント若しくは電気化学サイクルによる後処理による)ベース金属層(支持基板及び表面構造)に行われ得る。表面構造における表面トポグラフィ(表面構造)は、すべて高さが同一であることが好ましく、及び、尖鋭な先端を有することが好ましい、一連の尖鋭な先端又は畝から構成されていることが可能である。導電性環境(例えば濃KOH溶液)中において第1の電極と第2の電極との間に比較的大きい電流を印加することで、電流及び電圧が先端の頂点に集束すると共に、主に先端における材料(金属及び非金属)が局所的にハイブリッド化(合金化、組み合わせ、又は、複合体の形成)される。このプロセスでは、原子配置(例えば層化)組成、トポグラフィ、電流密度、電圧、溶液の抵抗及び時間を調節することにより、ハイブリッド/複合体/合金材料が形成される程度を制御することが可能である。
・二金属触媒は、選択性、活性及び安定性の点で親金属を度々超える特有の電子的及び化学的特性を示し[1]、また
・先端への拡散及び先端からの拡散は、平面電極よりも最大で1,000,000倍速い可能性があることが理解される[2]。
【0340】
その結果、本明細書に記載の組み合わせにより、最活性部位の頂点に正確に秩序正しく活性区域が位置されている触媒性表面がもたらされる。また、これらの構造は実質的に同等であり、これにより、電極表面が一定の領域に偏ってしまうという問題が回避され、電極表面全体が、均等にバランスがとれた高性能な触媒活性を示す。
【0341】
この前処理ステップによりもたらされるアレイは、担持触媒として、又は、電解触媒として、広く多様な反応において使用可能である。
【0342】
使用した材料
複合体、合金又は金属間化合物のいずれが形成されるかは、表面構造が形成又はコーティングされる材料、及び、表面構造上に堆積される第2の材料に応じる。第1の材料及び第2の材料は、複合体、合金又は金属間化合物を形成するために異なるものであろうことが当業者に明らかであろう。
【0343】
いくつかの場合において、第1の材料及び第2の材料における差異は、結晶構造のみであり得る。いくつかの実施形態において、第1の材料は第1の結晶構造を有する第1の金属であり、及び、第2の材料は、異なる結晶構造を有する第1の金属と同一の金属である。
【0344】
第1の材料及び第2の材料の少なくとも一方は導電性又は半導電性である。
【0345】
いくつかの実施形態において、第1の材料は金属である。このような場合において、金属は、表面構造を形成するか、又は、表面構造に適用されている。支持基板はまた、同一の金属から形成されていることが可能である。支持基板及び表面構造が同一の金属から形成されているこのような構成により、製造が比較的簡素となる。
【0346】
いくつかの実施形態において、第1の材料及び第2の材料は共に金属である。このような場合においては、合金又は金属間化合物が形成されると考えられる。合金又は金属間化合物はまた、第1の金属と、炭素などの非金属である第2の材料とから形成されることが可能であることは当業者に明らかであろう。
【0347】
合金アレイが形成される場合、第1の合金成分及び第2の合金成分は、合金を形成可能である第1の材料、第2の材料、第1の金属又は第2の金属から選択可能であり、ここで、第1の合金成分及び第2の合金成分の少なくとも一方は金属である。いくつかの実施形態において、第1の合金成分は金属である。金属と共に合金を形成可能である非金属元素は当業者に公知であり;これらは(これらに限定されないが)、メタロイド(炭素、ケイ素、リンなど)を含む。第1の材料、第2の材料及びさらなる材料に関する本明細書における説明、例えば適用される層の厚さ、表面積及び領域の説明はまた、第1の合金成分及び第2の合金成分にも適用される。
【0348】
いくつかの実施形態において、第2の材料は、s-ブロック元素(周期律表の第1族及び第2族)、p-ブロック元素(第18族-希ガスを除く、周期律表の第13族、第14族、第15族、第16族又は第17族)又はdブロック金属(遷移金属)である。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、アルカリ金属(第1族)、アルカリ土類金属、遷移金属、メタロイドから選択される。他の第1の材料及び第2の材料は、単一の元素、例えばC若しくはS若しくはSi、プルフィリンなどの有機金属、又は、例えばグラフェン、フラーレン(バッキーボール又はカーボンナノチューブなど)などの炭素質の材料であることが可能である。
【0349】
第2の材料は、還元又は酸化により、表面構造上に堆積され、組み込まれ、又は、埋設され得る。還元又は酸化は、化学的又は電気化学的に実施可能である。
【0350】
材料(例えばガス)は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着若しくは熱蒸着又はプラズマCVDなどの物理蒸着プロセスでコーティング可能である。また、カソードアーク堆積、電子ビームPVD、蒸着、閉空間昇華、パルスレーザ堆積、パルス電着。これらの材料は、昇華、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、塗布、輪転グラビアコーティングを含む一連の非減圧法によりコーティング可能である。
【0351】
第2の層/材料はまた、電流を導通させることにより表面上で熱分解される有機化合物(例えば自己構成単一層、塗料層、スプレーコーティングされた層)であることが可能である。
【0352】
第2及びさらなる材料を適用するための他の方法としては、湿式含浸、スラリー、有機金属クラスター前駆体の使用、還元性析出沈殿、無電解メッキ、逆ミセル合成、デンドリマー担持合成が挙げられる。
【0353】
第2の材料は、前処理ステップの前、及び/又は、その最中に堆積され得る。例えば、導電性溶液は第2の材料(例えば溶液、混合物、又は、通気されるガスで)を含み得、第2の材料は、電流又はバイアス電圧が印加されると、好ましくは、構造の縁部及び/又は頂点に、電気化学的に表面構造の少なくともいくつかの上に堆積される。このように、第2の材料の堆積は、前処理の直前に、又は、同じステップで実施することが可能であり、例えば、前処理ステップにおいて印加される電流又はバイアス電圧は第2の材料の堆積にも用いられ、又は、より小さい電流又はバイアス電圧を用いて第2の材料を堆積させ、その後、バイアス電圧又は電流を高めて前処理ステップが行われる。
【0354】
例えば、炭素は、導電性溶液が炭素含有ガス又は溶剤を含む場合(例えばCO2、メタン、エタン、プロパン、ギ酸、ホルムアルデヒド、アセトン、ベンゼン、トルエン、酢酸、エタノール、酢酸エチル、炭素含有溶剤、アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸及び/又は対応する酸塩)に堆積され得る。他の第2の材料は、例えば導電性溶液が、O2、O3、NH2、Ar、N2を含む場合に堆積され得る。
【0355】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は第2の材料を含み、第2の材料は、電流を印加すると、電気化学的に縁部及び/又は頂点に堆積される。誤解を避けるために、「堆積される」に対する参照は、埋設又は組み込まれるを含んでいるべきである。
【0356】
アッセイ構造
本発明のアレイを概略的に示す
図13を参照する。
【0357】
図13Aにおいて、表面構造Xは第1の材料1から形成されていると共に、支持基板Sと一体的とされている。第2の材料2は、表面構造及び支持面の全体を覆う層として堆積されている。複合体又は合金又は金属間化合物がYに示されている。
【0358】
図13Bにおいて、表面構造Xは第1の材料1でコーティングされている。表面構造Xは支持基板Sと一体的とされている。第2の材料2は、表面構造及び支持面の全体を覆う層として堆積されている。
【0359】
図13Cにおいて、表面構造Xは第1の材料1から形成されている。表面構造Xは、支持基板Sとは異なる材料である。第2の材料2は、表面構造及び支持基板の全体を覆う均一な層として堆積されている。このような層の実質的に均一な厚さは、アレイを回転させる電子ビーム蒸着などの技術で達成可能である。複合体又は合金又は金属間化合物がYに示されている。この実施形態においては、表面構造が電気的接続状態にあるよう、表面構造及び支持基板は共に導電材料である。
【0360】
図13Dにおいて、第2の材料は、表面構造及び支持基板の全体を覆う様々な厚さの層として堆積されている。この種の層は、アレイを回転させない電子ビーム蒸着、又は、マグネトロンスパッタリングなどの技術で達成可能である。
【0361】
図13Eにおいて、第2の材料は、表面構造の縁部及び/又は頂点に堆積されている。この種の層は、電気化学的に堆積させることにより達成可能である。これは、下記においてさらに考察されている。
【0362】
図13Fにおいては、さらなる材料3が表面構造上に堆積されている。さらなる材料3は、第2の材料2の上に堆積されている。
【0363】
図13Gにおいては、第1の材料1から形成されていると共に、実質的にドーム状表面構造Xの上部又はドーム状部分に第2の材料2が堆積されているドーム状表面構造Xが示されている。材料2の堆積は、本明細書において概説されているいずれかの方法によってなされ得る。
【0364】
図13Hにおいて、基板Sは、基板Sと同一の材料で、又は、本明細書に記載のとおり異なる材料(すなわち、
図13Cに示されている)で形成されていてもよい表面構造Xを備えて示されている。いくつかの実施形態において、材料1の第1の層及び材料2の第2層が堆積され、続いて、材料nの追加の層又は複数の層が堆積される。いくつかの実施形態において、材料1、2及びnの第1、第2及び追加の層又は複数の層は、同一であっても異なっていてもよい、本明細書に記載の材料である。さらなる材料nの追加の層又は複数の層は、そのすべてが同一であっても異なっていてもよい本明細書に記載の材料である、最大で約500層の材料nなど、いずれかの数の本明細書に記載の材料を含み得る。
【0365】
図13Hは、本明細書に記載の前処理の前後における一実施形態例を示す。例えば、上部構造は、前処理プロセス(本明細書に記載の複合体又は合金又は金属間化合物を形成するための前処理プロセスなど)を行う前における上記の構造であり得る。
図13H中の矢印は前処理プロセスを示し、
図13H中の下方の構造は、前処理プロセス後における同一の構造を示す。この例において、複合体又は合金又は金属間化合物Y(陰影領域として示す)は、実質的に表面構造Xの頂点に形成されており、材料1、2及びnの多層に係る境界のいくつか又はすべてに形成され得る。
【0366】
図13I~13Lにおいて、基板Sは表面構造Xを備えて示されている。第1の材料1は表面構造Xとして示されている。第2の材料2、2’又は2”は、実質的に表面構造Xの先端又は頂点に向かって位置して示されており、材料の連続的又は非連続的な膜又は層であり得る。或いは、第2の材料2、2’又は2”は、一連の粒子、原子、ナノ構造又はより小さい表面構造として設けられていてもよい。さらなる材料3は、第2の材料2、2’又は2”を覆う層として堆積されていてもよく、しかしながら、さらなる材料3は、他の形態(非連続的な膜又は粒子等として)で設けられていてもよいことが理解されるであろう。
【0367】
図13Lは特に、第1の材料1から形成された基板S及び表面構造Xを示す。複数の異なる第2の材料2、2’又は2”(ここでは、異なる形状、すなわち、ドーム2、四角2’及び三角2”によりそれぞれ表されている)は、実質的に表面構造Xの先端又は頂点に向かって設けられている。これらの第2の材料は同一であっても異なっていてもよい材料であり、同一若しくは異なる形状で、又は、本明細書に記載の配置構造若しくは結晶構造で設けられている。さらなる材料3は、この例においては、第2の材料を含んで設けられているが、しかしながら、このさらなる材料3は任意選択のものであることが理解されるであろう。或いは、さらなる材料3は、上記のとおり、非連続的な層として、又は、粒子として設けられることが可能である。
【0368】
図13I~L中の矢印は、第1の状態から、複合体又は合金又は金属間化合物Yが陰影領域Yとして形成されて示されている第2の前処置された状態(すなわち、本明細書に記載の前処理プロセス後)への移行を表す。複合体又は合金又は金属間化合物Yは、用いられる材料に応じて、1と2、2’又は2”との界面に形成可能であることが理解されるであろう。
【0369】
図13I~13Lは、異なる第2の材料(異なる形状、すなわちドーム2、四角2’又は三角2”で表されている第2の材料の各々)の例であって、異なる第2の材料がどのように表面構造X上に点在又は配置されるが、それでもなお相互に空間的に間隔を伴って単離され得るかを示す。第2の材料2、2’又は2”は、さらなる材料3などの重畳される材料を介して電気的に接続され得るか、又は、表面構造1を介して、若しくは、下層の材料(図示せず)を介して電気的に接続され得る。
【0370】
支持基板には、表面構造が支持基板から突出するよう、例えば、表面構造が支持基板上に一様で非連続的なアレイを形成するよう表面構造が配置される基部が設けられている。上記において考察されているとおり、支持基板及び表面構造は、同一若しくは異なる材料であることが可能である。
【0371】
いくつかの実施形態において、表面構造は、支持基板と一体的であるか、及び/又は、支持基板と一体的に形成されており、及び/又は、支持基板と同一の材料である。いくつかの実施形態において、表面構造はまた第1の材料から形成されていることが可能である。
【0372】
或いは、表面構造は、支持基板に適用され、及び、異なる材料であることが可能である。
【0373】
支持基板が表面構造と異なる材料である場合、支持基板は、ポリマー、セラミック、金属、シリカ又はガラスを含む。
【0374】
表面構造は、電極として使用されるために電気的接続状態でなければならない。電気的接続状態にない場合、導電性材料である支持基板によって達成が可能である。
【0375】
金属
本発明は、合金又は金属間化合物の形成に特に有用である。これらは、第1の材料が合金であると共に、第2の材料が合金を形成可能な金属又は材料である場合に形成される。
【0376】
合金は、触媒及び他の用途にきわめて有用であることが可能である。例えば、「エキゾチック」合金は、往々にして形成が困難であるが、触媒に用途が見出されている。
【0377】
本発明の特に有益な実施形態において、本発明は、既に高度に反応性である触媒又は電解触媒における反応性部位に形成される複合体、合金又は金属間化合物を提供し得る。これらの電極のトポロジーにより、構造における電圧及び/又は電流の集束のために、電解触媒が高度に反応性となることが既に知られている。ここで、本出願に記載の前処理ステップは、この反応性をさらに向上させることが可能である。
【0378】
本発明の一態様においては、支持基板と、支持基板の表面から突出する表面構造とを備えるアレイが提供されている。表面構造は、第1の金属で形成又はコーティングされている。第2の金属は、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されている。第1及び第2の金属は、合金を少なくとも部分的に形成している。
【0379】
本発明の他の態様においては、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップを含むアレイの形成方法が提供されている。第1の電極は、支持基板と、第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造とを備える。第2の金属は、表面構造上に堆積されている。第1の電極と第2の電極との間に印加される電流密度は、表面構造に合金を少なくとも部分的に形成するために十分なものである。
【0380】
本発明の他の態様においては、アレイを前処理する方法が提供されている。この方法は、第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方における第1の金属及び第2の金属から金属間化合物を形成するために十分な電流を、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に印加するステップを含む。アレイは、第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方を含む。いくつかの実施形態において、第1の電極及び/又は第2の電極は、支持基板、第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造、及び、第1の金属と第2の金属との間の界面を形成する表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の金属を含む。
【0381】
上記のとおり、本発明者らによって完了された過去の研究は、表面構造の縁部及び/又は頂点における電流集束効果を実証していた。従って、合金は、表面構造の縁部及び/又は頂点に少なくとも部分的に形成されていると考えられている。実施例の項目において提供されているSEM画像がこれを立証している。特に、これは、
図14において、前処理の前(
図14A及びC)及び前処理の後(
図14B及びD)の両方における、250nm×250nm(
図14A及びB)及び750nm×750nm(
図14C及びD)のPtでコーティングされたニッケルアレイにおいて示されている。
図14Bは、頂点における構造の変化を示し、及び、
図14Dは、頂点における「マッシュルーム」効果を示す。これらのサブ構造は、複合体/合金を含むと共に、前処理ステップの最中に形成される。
【0382】
いくつかの実施形態において、複合体又は合金又は金属間化合物は、第1の材料と第2の材料との界面に形成される。複合体又は合金又は金属間化合物は、表面における触媒に影響を及ぼすよう、上部層で、又は、第1、第2及び/又はさらなる層中の層に形成され得る。
【0383】
いくつかの実施形態において、第1の金属及び/又は第2の金属及び/又はさらなる金属は、遷移金属又はポスト遷移金属から選択される。いくつかの実施形態において、第1の金属及び/又は第2の金属及び/又はさらなる金属は、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt及びAuから選択される。
【0384】
いくつかの実施形態において、第1の材料はNiであり、及び、第2の材料はPtであり、又は、第1の材料はPtであり、及び、第2の材料はNiである。いくつかの実施形態において、第1の金属は、Ni、Cu、Zn、Co、Al及びTiから選択され、並びに、第2の金属は、Pt、Co、Au、Ni、Ag、Ti、Cr、Cu、Mg、Mn、Fe及びZnから選択される。いくつかの実施形態において、第1の金属はNiであり、及び、第2の金属は、Pt、Co又はAuから選択される。
【0385】
いくつかの実施形態において、第2の金属及び/又はさらなる金属は、酸化物、水素化物、ハロゲン化物、水酸化物、塩、炭化物、有機金属錯体、錯体、合金又はクラスターの形態である。
【0386】
いくつかの実施形態において、第2の金属及び/又はさらなる金属は、Eビーム、パルスレーザ堆積、スパッタリング、マグネトロンスパッタリング及び熱フィラメントによる蒸着層金属の物理蒸発を含む物理蒸着(PVD)法によって、減圧下で蒸発されることにより表面上に堆積される。
【0387】
いくつかの実施形態において、第2の金属及び/又はさらなる金属は、表面構造上に還元又は酸化により堆積される。還元又は酸化は、化学的又は電気化学的に実施可能である。
【0388】
いくつかの実施形態において、導電性溶液は第2の金属及び/又はさらなる金属を含み、並びに、第2の金属及び/又はさらなる金属は、電流が印加されると、表面構造の少なくともいくつかの上、好ましくは、構造の縁部及び/又は頂点に、電気化学的に堆積される。このように、第2及び/又はさらなる金属の堆積は、前処理の直前に、又は、同じステップで実施することが可能であり、例えば、前処理ステップで印加される電流は第2の金属及び/又はさらなる金属の堆積にも用いられ、又は、より小さい電流を用いて第2の金属及び/又はさらなる金属を堆積させ、その後、バイアス/電圧又は電流を高めて前処理ステップが行われる。
【0389】
この構成において、第2の金属及び/又はさらなる金属は、導電性溶液中に、金属塩、例えばハロゲン化物、酢酸塩(例えば酢酸塩又はトリフルオロ酢酸塩)、硫酸塩、硝酸塩又はアミノ塩として存在する。例えば、白金が堆積される場合、用いられる塩は、塩化白金(IV)、Pt(II)Br、Pt(II)I、ジアミノテトラクロロ白金(IV)であることが可能であり、銀については、例は、AgCl3、AgNO3であり、金については、例は、AuCl、AuI、AuBr3、酢酸銀、トリフルオロ酢酸銀であり、銅については、例は、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅であり、亜鉛については、例は、硫酸亜鉛、塩化亜鉛であり、鉄については、例は塩化鉄であり、タングステンについては、例は塩化タングステンであるが、他のものも用いられ得る。
【0390】
導電性溶液/流体中における金属塩の濃度は、約0.0001~約10M、又は、約0.0001M~約5M、又は、約0.0001M~約2Mであり得る。
【0391】
前処理ステップにおいて用いられる高い電流密度、及び、表面構造の頂点及び/若しくは縁部又はその周辺における電圧/電流の集束により、第2の金属及び/又はさらなる金属は、単一の頂点及び/又は複数の頂点及び/又は縁部において、より高い密度で、還元的に堆積可能となる。これにより、前処理ステップにおいて、表面構造上に合金/複合体を選択的に位置させる方法が提供される。また、印加される電圧は高度に還元性であり、従って、プロセスでは、異なる金属の組み合わせの還元及び合金化が同時に可能となる。この方法では、部位選択機能性付与、合金化、並びに、単一の頂点及び/又は複数の頂点における反応性部位に金属を選択的に適用することによる高価値の金属の必要量の最少化を組み合わせが提供される。
【0392】
或いは、材料は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着若しくは熱蒸着又はプラズマCVDなどの物理蒸着プロセスでコーティング可能である。或いは、材料は、カソードアーク堆積、電子ビームPVD、蒸着、閉空間昇華、パルスレーザ堆積又はパルス電着で堆積可能である。これらの材料は、昇華、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、塗布、輪転グラビアコーティング、湿式含浸、スラリー、有機金属クラスター前駆体の使用、還元性析出沈殿、無電解メッキ、逆ミセル合成、デンドリマー担持合成を含む一連の非減圧法によりコーティング可能である。
【0393】
セルパラメータ
第1の電極と第2の電極との間に印加される平均電流は比較的高く、電気化学反応に通常用いられるものよりも高い。さらに、上記のとおり、電流は、表面構造の縁部及び/又は頂点に集束されるため、縁部及び/又は頂点における電流密度はさらに高いと考えられる。
【0394】
いくつかの実施形態において、第1の電極及び/又は第2の電極にわたる平均としての第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するのに十分なものである。いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、第1の電極及び/又は第2の電極に平均で、少なくとも約0.1A/cm2、少なくとも約0.2A/cm2、少なくとも約0.3A/cm2、少なくとも約0.5A/cm2、少なくとも約0.7A/cm2、少なくとも約1A/cm2又は少なくとも約1.5A/cm2である。
【0395】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、第1の電極及び/又は第2の電極にわたる平均であり、並びに、約500A/cm2未満、約100A/cm2未満、約50A/cm2未満、約20A/cm2未満、約15A/cm2未満、約10A/cm2未満、約8A/cm2未満、約5A/cm2未満、約4A/cm2未満、約3A/cm2未満、約2A/cm2未満である。
【0396】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、第1の電極及び/又は第2の電極にわたる平均で、約0.1~約500A/cm2、約0.1~約50A/cm2、約0.1~約20A/cm2、約0.2~約20A/cm2、約0.2~約15A/cm2、約0.5~約500A/cm2、約0.5~約50A/cm2、約0.5~約20A/cm2、約0.5~約10A/cm2、約0.5~約8A/cm2、約0.5~約5A/cm2、約0.5~約4A/cm2、約1~約4A/cm2である。
【0397】
しかしながら、複合体/合金の形成に十分である第1の電極及び/又は第2の電極にわたる平均電流及び/又は電圧は、縁部及び/又は頂点における電流及び/又は電圧集束のために、表面構造の大きさ、及び/又は、その縁部及び/又は頂点の尖鋭さに応じることとなる。例えば、縁部及び/又は頂点に集束される高い電流密度のためにより小さい表面構造にはより小さい電流が必要とされ、一方で、縁部及び/又は頂点に集束される電流密度が低いため、より大きな表面構造ではより大きな電流が必要とされる。
【0398】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に印加される電流は、実質的に一定であるか、又は、増加及び/若しくは低減するか、又は、パルス状である。
【0399】
バイアス又はバイアス電圧の印加に対する参照は、電気バイアス又は還元性若しくは酸化性電圧の印加とされるべきである。
【0400】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に設定される電位差は、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するのに十分なものである。いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に設定される電位差は、約-20V~+20V、約-10V~+10V、約-5V~+5V、約-1V~+1Vであり得る。
【0401】
いくつかの実施形態において、第1の電極と第2の電極との間に設定される電位差は、約+/-20V~+/-0.5V(例えば、約+20V~+0.5V、又は、約-20V~-0.5V)である。いくつかの実施形態においては、約+/-10V~+/-0.5Vである。いくつかの実施形態においては、+/-7V~+/-0.5Vである。いくつかの実施形態においては、+/-6V~+/-1Vである。
【0402】
しかしながら、抵抗は、例えば、流体の導電性を変えることにより(例えば、電解質の濃度を変えることにより)、及び/又は、第1の電極と第2の電極との間にメンブランを追加することにより、及び/又は、電極間の距離を大きくすることにより、様々に異ならせることが可能である。
【0403】
前処理ステップにおける第2の電極
前処理ステップにおいて用いられる第2の電極は、例えば表面構造を有する、第1の電極と同一又は同様の構造であることが可能であり、又は、標準的な電極であることが可能である。好適な標準的な電極は当業者に公知であろう。
【0404】
第2の電極は、平面、ワイヤ、又は、他の形状であることが可能である。しかしながら、第2の電極が異なる形状である場合、第1の電極との間における前処理が均一となるよう、第1の電極との間に十分な距離が置かれていることが好ましい。例えばワイヤが第1の電極に近接している場合、前処理は、第1の電極の一部においてのみ生じ得る。
【0405】
第2の電極は、前処理法における律速ステップとはならないように選択可能であり、例えば第2の電極の大きさは第1の電極よりも大きいことが可能である。
【0406】
前処理ステップのタイミング
アレイの形成方法のいくつかの実施形態において、電流は、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するのに十分な時間印加される。時間は、電流及び第1、第2及びさらなる材料の量、並びに、表面構造の大きさ及び形状によって様々となる。
【0407】
複合体又は合金又は金属間化合物を形成するために、より大きな電流及び/又は電圧を、より小さな電流及び/又は電圧よりも短い時間印加することが可能である。
【0408】
上記において考察されているとおり、表面構造の大きさ及び形状によって、縁部及び/又は頂点に集束される電流及び/又は電圧が変化する。より小さな構造及び/又はより尖鋭な縁部及び/又は頂点では、より大きな構造及び/又はより丸みを帯びた縁部及び/又は頂点を有する構造よりも、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するために必要とされる処置時間は短くなる。
【0409】
第1、第2及びさらなる材料のいくつかは他のものよりも反応性及び/又は導電性であり、従って、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するために電流を印加する時間もまた様々となる。
【0410】
電解触媒アレイを形成する方法のいくつかの実施形態において、電流は、少なくとも約1秒間、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間、約0.5時間印加される。アレイの形成方法のいくつかの実施形態において、電流は、約1秒間~約1週間、約1秒間~約24時間、約1分間~約24時間、約5分間~約24時間、約10分間~約24時間、約0.5時間~約24時間印加される。アレイの形成方法のいくつかの実施形態において、電流は、約1時間~約12時間印加される。
【0411】
いくつかの実施形態において、前処理ステップは複数回行うことが可能である。例えば、サイクリングをその間に伴い、任意選択により、その間に材料のさらなる添加を行う複数回の前処理である。また、各材料の後処理又は前処理ステップは、CVアニーリング又はイオン導入(例えばLi)又は原子ボンバードメント(例えばK、B、P)により実施され得る。
【0412】
第2及び/又はさらなる材料の配置
第2の材料は、複合体又は合金又は金属間化合物を形成するために、第1の材料と接触している。いくつかの実施形態において、第2の材料は第1の材料上に層を形成している。いくつかの実施形態において、第2の材料は第1の材料上に間欠層を形成している。いくつかの実施形態において、第2の材料は、第1の材料に埋設又は組み込まれるよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されており、例えば第1の材料が多孔性である場合、第2の材料は孔中に堆積されている。「堆積されている」に対する言及は、埋設されている、又は、組み込まれているを含んでいるとされるべきである。
【0413】
いくつかの実施形態において、第2、第3又はその後の/さらなる材料は、相互に接触する1種、2種又はさらなる異なる材料を含む表面構造を各々有する構造を、表面構造上に形成する。例えば、
図13を参照のこと。第2、第3又は他のその後の材料は、一様な層又は厚さが様々である層に堆積され得る。これらは、異なる領域又は連続する領域に堆積され得る。唯一の制限は、完全に異なる材料であっても、又は、結晶構造が異なる同一の材料であってもよい少なくとも2種の異なる材料間に界面が存在することであるが、層を通した電流の導通は電子構造又は軌道構造に変化をもたらすこととなり、これは、電流を導通させる(すなわち前処理)前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化を介して示される。
【0414】
層の厚さ
いくつかの実施形態において、第2の材料及び/又はさらなる材料は、表面構造上に層として堆積されている。いくつかの実施形態において、層は、約0.2nm~約100,000nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、層は、約1原子~約200nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、層は、約1nm~150nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、層は、約1nm~100nm、約1nm~80nm、約1nm~50nm、約1nm~40nm、約1nm~30nm、約1nm~20nm、約1nm~約15nm、約5nm~約15nmの厚さを有する。
【0415】
いくつかの実施形態において、第2の材料及び/又はさらなる材料層の厚さは、0nm超であるが約500ミクロン未満、0nm超であるが約1000nm未満、0nm超であるが約500nm未満、0nm超であるが約200nm未満、0nm超であるが約150nm未満、0nm超であるが約100nm未満、0nm超であるが約80nm未満、0nm超であるが約50nm未満、0nm超であるが約40nm未満、0nm超であるが約30nm未満、0nm超であるが約20nm未満、又は、0nm超であるが約15nm未満である。
【0416】
いくつかの実施形態において、第2の材料とさらなる材料との組み合わせた厚さは、約1原子~約1mmである。いくつかの実施形態において、第2の材料とさらなる材料との組み合わせた厚さは、約1原子~約100μmである。いくつかの実施形態において、第2の材料とさらなる材料との組み合わせた厚さは、約1原子~約50μmである。上限は印加される電流により様々となる。
【0417】
第2及びさらなる材料により覆われる表面積及び領域
いくつかの実施形態において、第2の材料及び/又はさらなる材料は、上面視で、実質的に支持基板の上面の全体を覆う層として、すなわち、支持基板及び表面構造の約100%に堆積される。
【0418】
他の実施形態において、第2の材料又はさらなる材料は、表面構造の縁部及び/又は頂点に選択的に堆積される。これは、特に第2の材料又はさらなる材料が高価である場合に(例えば貴金属)、コストの削減であることが可能である。これは、当業者に明らかであろう種々の方法で達成可能である。例えば、マスキング層(例えば自己構成単一層(SAM)を支持基板及び表面構造に適用し、次いで、電圧を印加して、構造の縁部及び/又は頂点からSAMを選択的に脱着させることが可能である。これは、例えば国際公開第2018/106128号パンフレットに記載されている。次いで、第2の材料を、露出された縁部及び/又は頂点にのみ適用可能である。さらなる例において(国際公開第2018/106128号パンフレットにおいて白金を用いて実証されているとおり)、材料を、マスキングステップを伴うことなく、電気化学的に堆積させることで縁部及び/又は頂点に選択的に適用させることが可能である。
【0419】
いくつかの実施形態において、第2の材料及び/又はさらなる材料は、上面視で、構造の約100%~約0.0000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、表面の約100%未満~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、構造の約50%~約0.000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、表面の約50%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、アレイの表面の約30%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料は、上面視で、表面の約10%~約0.1%で堆積されている。
【0420】
いくつかの実施形態において、第2の材料及び/又はさらなる材料は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満又は約0.000001%未満に堆積される。可能であるもっとも小さい表面積は、表面構造上における単一の原子であることは明らかであろう。
【0421】
いくつかの実施形態において、第2の材料/金属及び/又はさらなる材料は、上面視で、構造の約100%~約0.0000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料/金属は、上面視で、表面の約100%未満~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料/金属は、上面視で、構造の約50%~約0.000001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料/金属は、上面視で、表面の約50%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料/金属は、上面視で、アレイの表面の約30%~約0.0001%で堆積されている。いくつかの実施形態において、第2の材料/金属は、上面視で、表面の約10%~約0.1%で堆積されている。
【0422】
いくつかの実施形態において、第2の材料/金属及び/又はさらなる材料は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満又は約0.000001%未満に堆積される。可能であるもっとも小さい表面積は、表面構造上における単一の原子であることは明らかであろう。少量の第2の材料及び/又はさらなる材料はドーパントとみなされ得る。
【0423】
第3の及びさらなる材料
いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2の材料とは異なる1種以上のさらなる材料は、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積される。
【0424】
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる材料は、連続層又は間欠層において、第1の材料及び/又は第2の材料及び/又は他のさらなる材料と接触している。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、第1の材料及び/又は第2の材料及び/又はさらなる材料に埋設又は組み込まれるよう表面構造の少なくともいくつかの上に堆積され、例えば、これらの材料は多孔性であり、さらなる材料は孔の中に堆積される。「堆積される」に対する参照は従って、埋設又は組み込まれるを含んでいるべきである。
【0425】
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる材料は、ポリマー、有機化合物、無機化合物、金属から選択される。さらなる材料は、s-ブロック元素(周期律表の第1族及び第2族)、p-ブロック元素(周期律表の第13族、第14族、第15族、第16族又は第17族)又はdブロック金属、遷移金属の1つ以上から選択され得る。さらなる材料は、アルカリ金属(第1族)、アルカリ土類金属、遷移金属、メタロイドの1つ以上から選択され得る。例えば、さらなる材料は、C、O、B、As、P、Ga、Al、I、Li、Bi、At、Si、Xe、N、Au、Pt、GaAs、GaP、GaN、GaS、CaT、CaS、I、Brの1つ以上から選択される。
【0426】
いくつかの実施形態においては、1~1000種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、1~50種のさらなる材料が存在する。いくつかの実施形態においては、1~20種のさらなる材料が存在している。いくつかの実施形態においては、1~10種のさらなる材料が存在している。いくつかの実施形態においては、1~5種のさらなる材料が存在している。いくつかの実施形態においては、1種のさらなる材料が存在している。いくつかの実施形態においては、2種のさらなる材料が存在している。いくつかの実施形態においては、3種のさらなる材料が存在している。いくつかの実施形態においては、4種のさらなる材料が存在している。いくつかの実施形態においては、5種のさらなる材料が存在している。いくつかの実施形態においては、6のさらなる層が存在している。いくつかの実施形態においては、7のさらなる層が存在している。いくつかの実施形態においては、8のさらなる層が存在している。いくつかの実施形態においては、9のさらなる層が存在している。いくつかの実施形態においては、10のさらなる層が存在している。いくつかの実施形態においては、1000のさらなる層が存在している。
【0427】
いくつかの実施形態において、第1、第2及びさらなる材料はすべて異なる材料である。いくつかの実施形態において、第1、第2及びさらなる材料のいくつかは同一であり、例えば第1及びさらなる材料は同一であり、並びに、第2の材料が異なる(材料の交互のスタック)。
【0428】
いくつかの実施形態において、さらなる材料は、第2の材料と接触するように堆積される。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、第1の材料と接触するように堆積される。いくつかの実施形態において、さらなる材料は、第1の材料及び第2の材料と接触するように堆積される。
【0429】
さらなる材料は、表面上に堆積されるか、又は、第1及び/若しくは第2の材料若しくは金属について記載されている技術によって組み込まれ得る。或いは、材料は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着、又は熱蒸着又はプラズマCVDなどの物理蒸着(PVD)プロセスによりコーティング可能である。或いは、これらの材料は、カソードアーク堆積、電子ビームPVD、蒸着、閉空間昇華、パルスレーザ堆積、パルス電着で堆積可能である。これらの材料は、昇華、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、塗布、輪転グラビアコーティング、湿式含浸、スラリー、有機金属クラスター前駆体の使用、還元性析出沈殿、無電解メッキ、逆ミセル合成、デンドリマー担持合成を含む一連の非減圧法によりコーティング可能である。
【0430】
さらなる材料は、前処理ステップの前及び/若しくはその最中又は前処理ステップの後に堆積又は組み込まれ又は埋設され得る。少量のさらなる材料が、例えばドーピング剤/ドーパントとして用いられ得る。
【0431】
さらなる材料は、第2の材料又は第2の金属について記載されているとおり、前処理ステップの前、又は、その最中に堆積又は組み込まれ得る。例えば、導電性溶液はさらなる材料(例えば溶液、混合物、又は、通気されるガスで)を含み得、さらなる材料は、電流又はバイアスが印加されると、電気化学的に表面構造の少なくともいくつかの上に堆積/組み込まれる。このように、さらなる材料の堆積は、前処理の直前に、又は、同じステップで実施することが可能であり、例えば、前処理ステップで印加される電流又はバイアス電圧はさらなる材料の堆積にも用いられ、又は、より小さい電流又はバイアスを用いてさらなる材料を堆積させ、その後、バイアス電圧又は電流を高めて前処理ステップが行われる。
【0432】
例えば、導電性溶液が、例えばCO2、メタン、エタン、プロパン、ギ酸、ホルムアルデヒド、アセトン、ベンゼン、トルエン、酢酸、エタノール、酢酸エチル、炭素含有溶剤、アルコール、アルデヒド、ケトンカルボン酸及び/又は対応する酸塩といった炭素含有ガス又は溶剤を含む場合、炭素が堆積又は組み込まれ得る。他のさらなる材料は、例えば導電性溶液がO2、O3、NH2、Ar、N2のいずれか1種以上を含む場合に、堆積/組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、導電性溶液は、さらなる材料を含み、及び、さらなる材料は、電流を印加すると、電気化学的に縁部及び/又は頂点に堆積される。
【0433】
さらなる材料は、前処理ステップの後(複合体又は合金が形成された後)に堆積又は組み込まれ得る。例えば、複合体/合金が形成された後に、拡散又はイオン注入がアレイに実施され得る。これは特に、少量のさらなる材料(例えばドーパント)に係る場合である。さらなる材料/ドーパントの例としては、C、O、B、As、P、Ga、Al、I、Li、Bi、At、Si、Xe、N、Au、Pt、GaAs、GaP、GaN、GaS、CaT、CaS、I、Brの1つ以上が挙げられる。
【0434】
いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる材料は金属である。いくつかの実施形態において、1種以上のさらなる金属は、第1及び/又は第2の金属とは異なり、Ni、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ro、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Sn、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、W、Os、Ir、Au、Pb、Bi、Ra、U、Pt、Auの1つ以上から選択される。いくつかの実施形態において、さらなる金属は、酸化物、水素化物、ハロゲン化物又は錯体又はクラスターの形態である。
【0435】
いくつかの実施形態において、さらなる金属は、第1及び/又は第2の金属について説明した技術により表面上に堆積される。
【0436】
表面構造の形状、大きさ及び配置
いくつかの実施形態において、表面構造は、表面構造上に一様で非連続的なアレイを形成する。表面構造は一様の大きさとされ、及び、一様に配置されていればよく、又は、代わりに、表面構造は支持基板上にランダムに配置されていてもよい。
【0437】
いくつかの実施形態において、表面構造は、表面構造の反復パターン又はアレイ又は一連のパターン又はアレイを形成し得る。
【0438】
いくつかの実施形態において、アレイ又は各アレイは、例えば表面構造のグループの順番に配置されたパターンとして、幾何学的に配置された表面構造の一様なパターンを形成し得る。
【0439】
いくつかの実施形態において、表面構造は、表面構造の電気的及び/又は空間的に単離された区域又は領域から構成され得る。例えば、表面構造又は表面構造のアレイの不連続な区域が、電気的及び/又は空間的に離間して支持基板上に配置されていてもよい。例示的一実施形態において、表面構造の不連続な区域の各々は、異なる形状及び/又は材料を含んでいてもよい。
【0440】
いくつかの実施形態において、表面構造は、表面構造の遠位側先端が実質的に平坦であるよう、実質的に類似する高さのものであるか、及び/又は、これらは、実質的に同等の形状である。
【0441】
いくつかの実施形態において、表面構造は、表面(例えば対電極表面)への距離が表面構造のアレイにわたって実質的に一様であるよう実質的に平坦である。換言すると、いくつかの実施形態において、表面構造のアレイは、支持基板の表面から一様な高さで支持基板から突出し得る。
【0442】
いくつかの実施形態において、表面構造は、支持基板の表面から同一又は異なる又は非類似である高さ、他の表面構造に対して同一又は異なる又は非類似である幾何学的形状、規則的若しくは不規則的な幾何学的形状、相互に均等又は不均等な間隔、同一又は異なる又は非類似である密度、又は、上記のいずれかの組み合わせであり得る。
【0443】
いくつかの実施形態において、表面構造の断面積は、支持基板の上部表面に直交する軸に沿って減少する。いくつかの実施形態において、表面構造は遠位側先端部分から構成され、前記遠位側先端部分は、前記表面構造が延出する表面からもっとも離間されている。遠位側先端部分は、尖鋭又は頂部又はスパイク又は頂点又は先端又は畝状形態のものであり得る。或いは、遠位側先端部分は、支持基板の上部表面に直交する面に沿って、ドーム形若しくは円形の断面、又は、三角形、錐形、凸状、半円形、ドーム若しくは乳頭状断面のものであり得る。
【0444】
いくつかの実施形態において、表面構造の上方部分は、本明細書に記載のとおり、頂点又は遠位側先端において、約90°以下の角度を有し得る。
【0445】
いくつかの実施形態において、表面構造は、尖鋭な先端又は畝状であり得、錐形、円錐形、畝状、尖頭形、スパイク、円柱形、正五面体、上部が平面な五面体、五角形若しくは六角形、又は、いずれかのこれらの組み合わせの形態であり得る。いずれかのこのような構造は、縁部、頂点、畝状、又は、このような特徴の2つ以上のいずれかの組み合わせを有し得る。いくつかの実施形態において、表面構造は、支持基板の上部表面に平行な面に沿って、実質的に三角形、実質的に円形若しくはドーム状又は実質的に四角形の断面を有する。
【0446】
いくつかの実施形態において、表面構造の上部又は遠位側先端は、表面構造の底部又は近位側先端と比して実質的に類似するか、又は、低減した幅のものであり得る。本明細書に記載の例示的実施形態において、遠位側及び近位側とは、表面構造が関連又は突出している支持基板の表面を基準としている。
【0447】
いくつかの実施形態において、支持基板と連接する表面構造の幅(すなわち、支持基板の基部、又は、支持基板表面にもっとも近い近位側先端)は、約5nm~約5000μmであり得る。いくつかの実施形態において、支持基板と連接する表面構造の幅は、約40nm~約4000μm;約55nm~約3000μm、約75nm~約2500μm、約100nm~約4000μm、約250nm~約3500μm、約20nm~約3500μm、約2nm~約4000μm、約20nm~約2500μm、約20nm~約4000μm、約20nm~約3000μm、約20nm~約2000μmである。いくつかの実施形態において、支持基板と連接する表面構造の幅は、約5nm~約750μm、約5nm~約500μm、約5nm~約100μmである。
【0448】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの表面構造の幅は、約50μmであり得る。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約250nmであり得る。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約750nmであり得る。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約25nm、又は、最小で約1nmであり得る。
【0449】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の幅は、約5μm~約5000μmであり得る。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの表面構造の幅は、約50μmであり得る。
【0450】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の長さは、約5μm~約5000μmであり得る。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの表面構造の長さは約50μmであり得る。
【0451】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の幅は、約2nm~約5000nmであり得る。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の幅は、約250nmであり得る。
【0452】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の長さは約2nm~約5000nmであり得る。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の長さは約250nmであり得る。
【0453】
いくつかの実施形態において、表面構造の高さ(すなわち、支持基板又は支持基板表面からの、又は、その上への突出高さ)は、約5nm~約5000μmであり得る。いくつかの実施形態において、約40nm~約4000μm、約55nm~約3000μm、約75nm~約2500μm、約100nm~約4000μm、約250nm~約3500μm、約20nm~約3500μm、約2nm~約4000μm、約20nm~約2500μm、約20nm~約4000μm、約20nm~約3000μm又は約20nm~約2000μm。いくつかの実施形態において、表面構造の高さは、約1nm~約750μm、約1nm~約500μm又は約1nm~約100μmである。
【0454】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の高さは、約1μm~約500μmであり得る。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールでの表面構造の高さは、約50μmであり得る。
【0455】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの支持基板と連接する表面構造の高さは、約5nm~約5000nmであり得る。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールでの表面構造の長さは、約250nmであり得る。
【0456】
いくつかの実施形態において、表面構造は、マイクロメートルスケールで、例えば約1μm~約500μmの基部幅及び/又は長さを有し得る。いくつかの実施形態において、表面構造は、マイクロメートルスケールで、例えば約1μm~約500μmの高さを有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の表面構造の先端は、ナノメートルスケールで、例えば約1nm~約10000nmであり得る。例示的一実施形態において、本明細書に記載の角錐形又は他の形状の表面構造は、マイクロメートルスケールの比較的幅広の基部区域に延び、及び、ナノメートルスケールの尖鋭又は先細の畝状又は頂点に集まる傾斜したサイドウォールから構成され得る。
【0457】
本明細書に開示の実施形態のいずれかにおいて、表面構造又は表面構造のアレイの高さ、幅及び長さは、表面構造の頂点又は先端又は遠位側先端の特定の角度などの必要とされる形状又は大きさによって決定され得ることが理解されるであろう。
【0458】
いくつかの実施形態において、表面構造は、例えば高さ及び/又は幅及び/又は長さが最大で約10cmと比較的大きくてもよい。このような実施形態において、表面構造の頂点又は先端は、好適な電流の集束が可能となり、本明細書に記載の前処理が達成されるよう、マイクロメートル又はナノメートルスケールであり得る。
【0459】
いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールの表面構造は、1平方センチメートル当り約180,000~約1,800の頂点又は先端が設けられる密度で設けられて、機能性表面が設けられるか、又は、これから形成される機能性表面を有し得る。いくつかの実施形態において、マイクロメートルスケールの表面構造は、1平方センチメートル当り約18,000の頂点又は先端が設けられる低密度で設けられて、機能性表面が設けられるか、又は、これから形成される機能性表面を有し得る。いくつかの実施形態において、表面構造は、1平方センチメートル当り約1~2000、約1~約1000、約1~約500又は約1~約100の頂点又は先端の密度で設けられ得る。
【0460】
いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールの表面構造は、1平方センチメートル当り約160,000,000~約16,000,000,000の頂点又は先端が設けられる密度で設けられて、機能性表面が設けられるか、又は、これから形成される機能性表面を有し得る。いくつかの実施形態において、ナノメートルスケールの表面構造は、1平方センチメートル当り約1,600,000,000の頂点又は先端が設けられる密度で設けられて、機能性表面が設けられるか、又は、これから形成される機能性表面を有し得る。いくつかの実施形態において、表面構造は、1平方センチメートル当り50,000,000,000,000の表面構造又は先端(すなわち、1cm2当り、又は、隣接する表面構造間の間隔が1nmである1nmの表面構造当り、5×1013の先端又は構造)の密度で設けられる。
【0461】
いくつかの実施形態において、表面構造には、平行な、又は、実質的に平行なサイドウォールが形成されていてもよい。いくつかの実施形態において、表面構造には、本明細書に記載のとおり、頂部又は頂点又は遠位側先端を終端とする傾斜したサイドウォールが形成されていてもよい。いくつかの実施形態において、角度は、表面構造の断面における計測又は観察で、頂部又は頂点を共有するサイドウォールにより形成され得る。このような角度は、実質的に約0°~約180°又は約5°~約175°又は約20°~約90°又は約50°であり得る。
【0462】
本明細書に記載の表面構造の頂点又は先端又は遠位側先端の角度は、下位の基板の異方性エッチング、又は、ケイ素については例えば約54.7°といった表面構造の形成に用いられるマスターにより形成され得る。このようなプロセスは下位の基板の結晶面の向きに応じ、及び、頂点又は頂部又は縁部を形成するいずれかの好適な角度が設けられ得ることが理解されるであろう。
【0463】
いくつかの実施形態において、表面構造は、実質的に平行なサイドウォール、又は、本明細書に記載の傾斜したサイドウォール(例えば角錐台)のいずれかを有する、上部が平面又は柱状タイプの形状を含み得る。例示的一実施形態において、このような構造は、マイクロメートル又はナノメートル又はミリメートルスケールであり得、及び、前記表面構造の上部において露出する追加のより小さなサブ表面構造を備えていてもよい。
【0464】
縁部及び頂点の大きさ/形状
いくつかの実施形態において、複合体、合金又は金属間化合物は、表面構造の縁部及び/又は頂点に少なくとも部分的に形成されている。
【0465】
表面構造の縁部及び/又は頂点は、前処理ステップの前においても、表面構造又は支持基板の他の区域よりも高い反応性を有していると考えられている。従って、縁部及び/又は頂点における複合体、合金又は金属間化合物の形成に特に有益であると考えられている。理論に束縛されることは望まないが、縁部及び/又は頂点における電圧及び/又は及び電流集束効果が存在すると考えられている(すなわち、印加される電流及び/又は計測される電圧は、表面全体にわたって均等に印加されるわけではない)。
【0466】
いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は機能性表面であり得る。いくつかの実施形態において、機能性表面は、表面構造の頂点又はその周囲であり得る。
【0467】
いくつかの実施形態において、機能性表面は表面構造の頂点又はその周囲であり得、ここで、各表面構造の頂点の幅は約1nm~約5000μmである。いくつかの実施形態において、各表面構造の頂点又は先端は、例えば単一の原子といった原子スケールであり得る。いくつかの実施形態においては、約10nm~約10μm、又は、約20nm~約2μm、又は、約30nm~約1μmである。いくつかの実施形態においては、約1nm~約1000nm、又は、約1nm~約500nm、又は、約1nm~約100nm、又は、約1nm~約50nmである。各表面構造の頂点の幅は、支持基板と連接する部分より短い。
【0468】
いくつかの実施形態において、機能性表面は表面構造の頂点又はその周囲であり、ここで、表面構造の頂点は、頂点間で、約1nm~約1000μm、約5nm~約1000μm、約10nm~約1000μm、約25nm~約1000μm、約5nm~約750μm、約5nm~約500μm、約5nm~約100μmで相互に離間している。いくつかの実施形態においては、頂点間で、約5nm~約2000nm;約5nm~約1000nm;約5nm~約500nmである。
【0469】
いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満、約0.0000001%未満を構成する。いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.00000001%又は約0.000001%~約50%を構成する。いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.0001%~約50%を構成する。いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.1%~約50%を構成する。
【0470】
いくつかの実施形態において、機能性表面は、表面積の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.0001%未満、約0.00001%未満、約0.0000001%未満を構成する。いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.00000001%又は約0.000001%~約50%を構成する。いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.0001%~約50%を構成する。いくつかの実施形態において、縁部及び/又は頂点は、上面視で、構造の表面積の約0.1%~約50%を構成する。
【0471】
導電性流体
導電性溶液は通常、液体、例えば水及び/又は有機溶剤であろう。液体がその純粋な形態で十分に導電性ではない場合(例えば純粋な水)、溶液を用いることが可能であり、例えば液体は電解質を含んでいることが可能である。好適な電解質は例えばいくつかの実施形態において当業者に公知であり、電解質は、緩衝剤、塩(例えばNaCl)、アルカリ金属から、又は、酸性及び塩基性溶液(例えばH2SO4、HNO3、NaOH、KOH)から選択される。いくつかの実施形態において、塩は、ハロゲン化物イオン及び/又は金属イオン(例えばNaCl、銅2+イオン)を含む。
【0472】
いくつかの実施形態において、電解質の濃度は、約0.05M~約20Mである。いくつかの実施形態において、電解質の濃度は、約0.1M~約15Mである。いくつかの実施形態において、電解質の濃度は、約0.1M~約12Mである。
【0473】
いくつかの実施形態において、溶液は緩衝剤溶液を含む。緩衝剤溶液は、強酸又は塩基性条件を回避するために有益であり得る。
【0474】
いくつかの実施形態において、導電性液体は100℃未満の温度を有する。いくつかの実施形態において、温度は、約90℃未満、約80℃未満、約70℃未満、約60℃未満、約30℃未満、20℃未満である。第1の電極及び/又は第2の電極は、比較的大きな電流が用いられても、意外な程に発熱が小さい。しかしながら、導電性液体の温度が昇温した場合、冷却を用いて温度を所望の温度に下げることが可能である。
【0475】
不動態化層
いくつかの実施形態において、不活性層又は不動態化層は、表面構造の間に堆積され得る。いくつかの実施形態において、不活性層又は不動態化層の厚さは、表面構造の高さの約10-6%及び約95%であり得る。いくつかの実施形態において、不動態化層は、支持基板上に堆積されて、表面構造の下方部分を覆うと共に、上方部分を露出させる。いくつかの実施形態において、電流又は電圧を印加して電荷密度(電圧又は電流)を集束するステップにより、表面構造の上方部分における機能性表面上の不動態化層が除去される。
【0476】
不動態層は、化学酸化剤の適用により、又は、反応性イオンエッチングにより成長、又は、配置された酸化物層であり得る。これは自己構成単一層又はポリマーであってもよく、後者は、スピンコーティング、スプレーコーティング等により適用される。
【0477】
前処理ステップで形成した触媒の使用
前処理ステップで形成した触媒アレイは、多様な反応に使用可能である。例えば、これらが用いられる一連の反応が、W.Yu,et al.Review of Pt-Based Bimetallic Catalysis:From Model Surfaces to Supported Catalysts,Chem.Rev.2012,112,5780-5817において検討されている。
【0478】
いくつかの実施形態において、前処理された触媒アレイは、水素化、脱水素化、改質及び酸化反応から選択される反応に用いられる。
【0479】
水素化は、C=C水素化、C=O水素化、N=O及びC=N水素化を含むことが可能である。脱水素化反応は、N-H結合切断(例えばアンモニア脱水素化)、及び/又は、C-H結合切断を含むことが可能である。酸素化物の改質は、アルコール及びポリオールの改質を含むことが可能である。他の反応は、CO酸化、水ガスシフト反応、及び、メタン転換を含む。
【0480】
いくつかの実施形態において、反応は、水からの水素の発生、水からの酸素の発生、水からの水素の発生、プロトンからの水素の発生、水への水素の酸化、プロトンへの水素の酸化、過酸化水素への水素の酸化、水への酸素の還元、過酸化物への酸素の還元、二酸化炭素から一酸化炭素、二酸化炭素からメタノール、二酸化炭素からカルボン酸(例えば、ギ酸)、二酸化炭素からアルデヒド及び/又はケトン、二酸化炭素からメタン、エタン、プロパン及び/又はC21以下のより高級の炭素鎖、メタノールへのメタンの酸化、窒素からヒドラジン、窒素からアンモニア、水素及び窒素へのアンモニア開裂、メタンからメタノール、硝酸塩から窒素、硝酸塩からアンモニアから選択される。
【0481】
いくつかの実施形態において、この反応は、気体又は液体状態の活性種を含む。いくつかの実施形態において、導電性液体は活性種である。いくつかの実施形態において、活性種は、導電性液体に通気されるガスである。いくつかの実施形態において、ガスは、空気、水素、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素及び/若しくは二酸化炭素若しくは空気、又は、これらの2種以上の混合物から選択される。いくつかの実施形態において、活性種は液体である。いくつかの実施形態において、液体は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、アンモニア、液体短鎖炭化水素(例えばC21以下)のいずれかの1つ以上であることが可能である。活性種が水である場合、導電性溶液はまた、電解質又は有機溶剤を含む水であることが好ましい。有機溶剤は、酸化性又は還元性プロセスにおける溶解度又は関与を補助するために添加され得る。
【0482】
電解触媒は、特定のタイプの触媒であり、ここで、触媒は、電気化学反応において電極として機能する。電解触媒は、燃料電池、水素への水の電気分解、及び、化学合成を含む多くの用途を有する。
【0483】
本発明の特に有益な実施形態において、本発明は、既に高度に反応性である電解触媒の反応性部位に形成される複合体、合金又は金属間化合物を提供し得る。これらの電極のトポロジーにより、表面構造における電流及び/又は電圧の集束のために、電解触媒が高度に反応性となることが既に知られている。ここで、本出願に記載の前処理ステップは、この触媒活性をさらに向上させることが可能である。
【0484】
本発明の一態様においては反応を実施する方法が提供されており、この方法は、本発明のアレイ又は本発明の方法により形成されたアレイを、少なくとも1種の反応性種と接触させるステップを含み、ここで、アレイは触媒として作用する。
【0485】
本発明の一態様においては、電気化学反応を実施する方法が提供されている。この方法は、導電性溶液中において、本明細書に記載の電解触媒アレイ又は本明細書に記載の方法により形成された電解触媒アレイと、対電極との間に電流を印加するステップを含む。
【0486】
いくつかの実施形態において、電気化学反応は、水素化、脱水素化、改質、酸化反応、水からの水素の発生、水からの酸素の発生、水からの水素の発生、プロトンからの水素の発生、水への水素の酸化、プロトンへの水素の酸化、過酸化水素への水素の酸化、水への酸素の還元、過酸化物への酸素の還元、二酸化炭素から一酸化炭素、二酸化炭素からメタノール、二酸化炭素からカルボン酸(例えば、ギ酸)、二酸化炭素からアルデヒド及び/又はケトン、二酸化炭素からメタン、エタン、プロパン及び/又はC21以下のより高級の炭素鎖、メタノールへのメタンの酸化、窒素からヒドラジン、窒素からアンモニア、水素及び窒素へのアンモニア開裂、メタンからメタノール、硝酸塩から窒素、硝酸塩からアンモニアのいずれかの1つ以上から選択される。
【0487】
触媒はまた、他の反応にも有用であることが可能であることは当業者に明らかであろう。例えば、触媒合金、及び、これらが用いられる一連の反応が、W.Yu,et al.Review of Pt-Based Bimetallic Catalysis:From Model Surfaces to Supported Catalysts,Chem.Rev.2012,112,5780-5817において検討されている。
【0488】
いくつかの実施形態において、この反応は、気体又は液体状態の活性種を含む。いくつかの実施形態において、導電性液体は活性種であり得る。いくつかの実施形態において、活性種は、導電性液体に通されるガスであり得る。いくつかの実施形態において、ガスは、空気、水素、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素又は空気、又は、これらの2種以上の混合物から選択され得る。いくつかの実施形態において、活性種は、液体、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、アンモニア、液体短鎖炭化水素(例えばC21以下)であり得る。活性種が水である場合、導電性溶液はまた、電解質又は有機溶剤を含む水であることが好ましい。有機溶剤は、酸化性又は還元性プロセスにおける溶解度又は関与を補助するために添加され得る。
【0489】
いくつかの実施形態において、この方法は、照合電極を含み得る。照合電極は、作用電極(第1の電極)における電圧を監視及び制御するために用いられ得る。
【0490】
対電極は電荷平衡化レドックス(酸化又は還元)プロセスを行い、及び、電解触媒アレイで生じるレドックス(酸化又は還元)プロセスを補完する。
【0491】
対電極は:織布、平面、有孔シート、繊維、メッシュ又はアレイ(例えば、角錐形のアレイ、コーン形、錐形、円錐形又は畝状のアレイ)を含む種々の形態、形状及び大きさであり得る。
【0492】
いくつかの実施形態において、対電極は、本明細書に記載のものなどの表面構造を備える。いくつかの実施形態において、対電極の形状は表面構造の形状を反映していてもよい。いくつかの実施形態において、対電極は、電解触媒アレイに相反する表面構造を備える。いくつかの実施形態において、対電極は、電解触媒アレイに対して大きさ又は幾何学的形状又はパターンが非類似である表面構造を備える。
【0493】
いくつかの実施形態において、対電極は、本書面において定義されている支持基板及び表面構造を備えていてもよい。
【0494】
いくつかの実施形態において、対電極は、不活性導電性材料、導電性材料、金属、Pt、金、炭素、グラファイト、グラフェン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレン、又は、ポリピロール(Ppy)、ポリアラニン(PA)若しくはポリアセチレン(Pアセチレン(Pacetylene))などの導電性ポリマーからなる群から選択される材料から形成される。対電極に好適な材料は当業者に明らかであろう。
【0495】
いくつかの実施形態において、対電極は、(a)表面構造に対して向きが固定されていてもよく、又は、(b)電極アレイに取り付けられていてもよく、又は、(c)アレイの表面構造間の距離の差が最低限となる向きで保持されていてもよく、又は、(d)アレイの上面の上にあってもよく、又は、(e)電解触媒アレイの先端を反映した一連の先端などの、電解触媒アレイ上における電荷密度(電圧又は電流)の位置決めを促進させるように構成された3D表面特徴部分を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、対電極は電解触媒アレイと平行である。
【0496】
いくつかの実施形態において、対電極又は照合電極と電解触媒との間に設定されている電位差は、約-20V~+20Vである。いくつかの実施形態において、約-1V~+1Vである。いくつかの実施形態において、電位差は約-200mV~-1Vである。好ましくは、電位差は、酸化について約0mV~1.8Vである。
【0497】
いくつかの実施形態において、この方法は、照合電極を含む。照合電極は、電解触媒で作用する電圧の監視及び制御に用いられることが可能である。
【0498】
種々の実施形態が図面を参照して記載されている。図面及び明細書全体を通して、同一の符号が同一又は類似の要素を指すために用いられ得、その重複する説明は省略され得る。
【0499】
触媒用途
上記のとおり、本明細書に記載のデバイス及びアレイは、電気化学触媒として用いられ得る。しかしながら、本開示はこれに限定されない。アレイは、特にこれらに限定されないが、水素化、脱水素化、改質及び酸化などの広く多様なプロセスのためのより古典的な触媒として用いられ得る。このような使用においては、マイクロ構造は、上記のとおりその上に形成される合金などの金属間材料を有し得、又は、マイクロ構造は、合金化を伴わないで1種、2種以上の金属を含んでいてもよく、又は、マイクロ構造は、酸化物、水素化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、塩、炭化物、有機金属錯体、錯体、合金又はクラスターを含んでいてもよい。
【0500】
すなわち、構造は、特にこれらに限定されないが、Ag、Au、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、Ir、Mn、Mo、Ni、Os、Pt、Pd、Re、Rh、Ru、Sn、Ti、V又はWなどの一金属材料、特にこれらに限定されないが、Ni/Pt、Ni/Au、Pt/Au、Pt/Ag、Pt/Cu、Pt/Fe、Pt/Co、Pt/Cr、Pt/Sn、Pt/Ir、Pt/Mn、Pt/Mo、Pt/Pd、Pt/Re、Pt/Rh、Pt/Ru、Pt/Ti、Pt/V、Pt/W、Pt/Re、Pt/Os、Pt/Ru、又はW/Cなどのその二金属材料を含んでいてもよい。本明細書に記載の前処理された構造化表面アレイで、一定の材料/金属の充填量を低レベルとし得ることは確実に理解されるであろう。これらの材料/金属が特に高価な材料/金属(すなわち、Pt、Pd及びAu)である場合、充填量が少ないことで、前処理された触媒によって媒介される触媒プロセスのコストを大きく削減することが可能である。
【0501】
触媒のためのアレイの構造は、第1の金属、ポリマー、又は、セラミックから形成され得る。例えば、表面構造は第1の金属から調製され得、上記のとおり設けられたマイクロ構造により、単一の金属の大表面積触媒を調製し得る。或いは、基板は別の材料であり得、すなわち、異なる金属、ポリマー、セラミック等であり得るが、次いで、第1の金属はその上がコーティングされている。触媒はまた、二金属(又は多金属)構造として、第2の金属(又はそれ以上)を含んでいてもよい。このような場合、第2の金属は、各金属が触媒機能を発揮し得るよう、第1の金属の上に、又は、近接して堆積され得る。上記のとおり、第1及び第2の金属は同一の金属であるが、異なる結晶構造の金属ものであり得る。例えば、(111)結晶構造は層の1つを形成し得るが、(10)は他のものを形成し得る。触媒はまた、金属とは別に、触媒又は支持特性を有する基板を含み得る。例えば、基板は、アルミナ-、シリカ-若しくはチタニア系セラミック材料、又は、グラファイト材料であり得る。いくつかの実施形態において、基板はγ-アルミナであり得る。
【0502】
アレイ構造は、本明細書に記載のとおり形成され、並びに、アレイ構造は、電圧、デバイス全体にわたる電流密度(デバイスにおける構造における電流密度)で、及び、アレイを前処理して、軌道重なりにおける変化を介して、金属(又は他の材料)の電子構造を改変するのに十分な時間の間、アレイに電流を導通させるステップを含む前処置/前処理に供される。前処置/前処理はまた、採用される特定の表面構造に応じる。
【0503】
表面構造(すなわちマイクロ構造)は、触媒に影響を及ぼす大表面積を提供する。従って、マイクロ構造は、触媒化のために標的種との接触を向上させ、その一方で、触媒化が完了した後に、より大きな回収可能な物体を実現する。マイクロ構造化された一金属-、二金属-、又は、多金属触媒はバッチプロセスにおいて用いられ得、ここで、触媒は、反応器の壁の上若しくはこれに付着して形成され、又は、反応器中に固体の物体として形成される。次いで、触媒は容易に反応器の壁から、又は、反応溶液から回収可能である。
【0504】
マイクロ構造化された一金属-、二金属-、又は、多金属触媒はまた、フロープロセスにおいて用いられ得、ここで、触媒は、反応体が中を流れる管構造中の、又は、反応体が中を流れる大表面積系の一部としての反応器の壁上に形成される。いくつかの実施形態において、マイクロ構造化触媒がフローシステムにおいて用いられる場合、反応体の少なくとも一方は気相であり得る。
【0505】
従って、及び、他の態様においては、支持基板、第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造を備える触媒アレイが提供されている。このような実施形態において、表面構造の断面積は、支持基板の上部表面に直交する軸に沿って減少する。いくつかのこのような実施形態において、表面構造は、支持基板の上部表面に直交する面に沿って、三角形、凸状、半円形又は乳頭状断面を有する。いくつかの実施形態において、表面構造の上方部分は、頂点において、約90°以下の角度を有する。いくつかの実施形態において、表面構造は尖鋭先端又は畝状である。いくつかの実施形態において、表面構造は、錐形、円錐形、畝状、尖頭形、スパイク、円柱形、正五面体、上部が平面な五面体、五角形若しくは六角形、又は、これらの組み合わせである。いずれかのこのような構造は、縁部、頂点、畝状、又は、このような特徴の2つ以上のいずれかの組み合わせを有し得る。いくつかの実施形態において、表面構造は、支持基板の上部表面に平行な面に沿って、実質的に三角形、実質的に円形若しくはドーム状又は実質的に四角形の断面を有する。
【0506】
他の実施形態において、第2の金属は、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積されて、二金属触媒構造を形成し得る。いくつかのこのような実施形態において、第2の金属は、表面構造の縁部及び/又は頂点に堆積されている。
【0507】
前処理されたマイクロ構造化触媒により触媒され得る特定の一般反応については、広く多様なものが可能である。
【0508】
そのいくつかをここで例示する。例えば、アルキンからアルケンへの水素化、アルケンからアルカンへの水素化、芳香族水素化、COからアルデヒドへの水素化、NO及びCN水素化であれ、所望される反応に応じて、水素化反応用のアルミナ又はシリカ基板上のPt-Ni、Pt-Co、Pt-Sn、Pt-Ru、Pt-Rh、Pt-Au、Pt-Fe又はPt-Pdである。選択される特定の金属に応じて、水素化反応の特定性は、Yu et al.Chem.Rev.112,5780-5817(2012)に記載のとおり向上され得る。脱水素化反応は、Pt/Ni、Pt/Sn、Pt/Au、Pt/Bi、Pt/Re、Pt/Pd、Pt/In及びPt/Feなどの二金属系と共に実施され得る。Id.改質反応、CO酸化反応、水-ガスシフト反応及びメタン転換反応も、前処理されたアレイで実施し得る。
【0509】
特定の例は、その上にPt層を有するNi層で実施され得るC=C水素化を含み得る。Ni層は、基板であり得、又は、異なる材料から形成された基板上の層であり得る。例えば、基板はアルミナ、又は、より具体的にはγ-アルミナ基板であり得る。C=C水素化に可能である他の金属の組み合わせは、同様の基板上のPt-Co及びPt-Cuを含む。水素化の他の例は、C≡C水素化(すなわち、アセチレンからエチレン)を含む。このような水素化に有用である特定の金属の組み合わせは、γ-アルミナ基板上のPt-Niを含む。ベンゼンなどの芳香族化合物の水素化は、γ-アルミナ基板上のPt-Ni又はPt-Coを含む。しかしながら、活性化炭素/グラファイト、シリカ又はチタニア基板が、所望される活性に応じて用いられ得る。Pt-Co二金属触媒は、基板に応じて、ベンゼンの水素化については、一般的に活性化炭素>>SiO2>γ-アルミナ>TiO2の順番で活性が低減することが分かっている。Pt-Pdはまた芳香族化合物の水素化に用いられ得、及び、これらは、フッ素の存在により促進され得る。C=O水素化に係る特定の触媒は、シリカ、γ-アルミナ又はチタニア基板上のPt-Ni又はPt-Coを含み、例示としては、アルデヒド及びケトンの他に、プロパノール、アセトアルデヒド及びアセトンの水素化である。さらに、構造化担体アレイにおける金属の比率を変更することで、混合環境基が存在する水素化の選択性に影響が与えられ得る。例えば、シリカ上のPt-Auは、α,β-不飽和化合物の水素化に活性であることが知られている。Pt-Snはα,β-不飽和アルデヒドから不飽和アルコールを形成する水素化に活性であることも知られているが、ここでは、選択性はPt対Snの比率に応じる。Pt-Snはまた、Co、Ge、Fe、Ga又はNiなどの他のより正の電荷を有する材料が添加された場合に、シリカ又はα-アルミナに担持されている場合クロトンアルデヒドのC=O選択還元に関して公知である。特定のN=O及びC≡N水素化は、活性化炭素上のPt-Rhによるブチロニトリルの水素化を含み、o-クロロニトロベンゼンのo-クロロアニリンへの水素化は、Pt-Ruにより媒介される。γ-アルミナ上のPt-Cuはまた、飲用水を処置するための窒素中の硝酸塩及び亜硝酸塩の還元に用いられ得る。
【0510】
脱水素化は、構造化アレイをも用いて実施され得る。例えば、Pt-Ni触媒は、H2NNH2をH2及びN2に脱水素化するために用いられ得る。アルカンの脱水は、ポリマー、エーテル及びガソリンを生成するために用いられる工業プロセスの重要な要素である。他の洗剤的な脱水素化の使用は、水素よりも堆積エネルギー密度が大きい化学物質における水素の貯蔵であり、その後、水素が必要とされた時に、この化学物質が脱水素化される。例えば、シクロヘキセンはPt-Au触媒アレイを用いてベンゼンに脱水素化され得、活性化炭素又はγ-アルミナ上のPt-Niは、シクロヘキサンのベンゼンへの転換を触媒することで知られている。Bi、Re、Pd、In及びFeなどの金属の添加はまた、脱水素化反応を促進し得る。
【0511】
メタノール、エタノール、エチレングリコール又はグリセロールのCO及び水素への酸素化改質反応はまた、本明細書に記載のアレイ触媒で媒介され得る。例えば、Pt-Ni、Pt-Fe及びPt-Niは、高ターンオーバー頻度(TOF)での転換に用いられ得る。Re、Au、Rh、Sn、Pd及びRuの使用は、燃料電池用の水素の改質及び生成のための選択性に選択肢を提供し得る。担体材料はまた、アルミナ、シリカ、活性化炭素、チタニア及びジルコニアと様々なものを検討し得る。メタノールの改質に関して、以下の活性順を示す:Pt-Fe>Pt-Ru>Pt-Pd>Pt-Au。CO酸化に関して、触媒プロセスは、燃料電池用の水素流からCOを除去するために行われ得る。Pt-Ni合金、Pt-Fe、Pt-Cr、Pt-Mn、Pt-Co、Pt-Zn、Pt-Sn、Pt-Ge、Pt-Tl、Pt-Cu、Pt-Pd、Pt-Rh、Pt-Re及び他のものを、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸化セリウム又は活性化炭素と一緒に、とりわけ、供給されるH2からCOを除去するための担体として使用し得る。水-ガス-シフト反応は、アルミナ、シリカ又はチタニア担体上のPt-Re、Pt-Co、Pt-Mo、Pt-Sn又はPt-Cuにより媒介され得るが、Re、Co又はAuなどの助触媒が用いられる。
【0512】
水素へのメタンの転換は、本明細書に記載の触媒アレイによって媒介され得る他の重要な工業反応である。Pt-Coは特に効果的であり、γ-アルミナ、活性化炭素、ゼオライト(βゼオライトなど)及び/又はMgAl2O4上のPt-Pdもそうである。
【0513】
燃料電池における陰極では、Pt-Ru及びPt-Rhアレイを用いて、酸素還元反応(ORR)が促進され得る。
【0514】
上記のとおり、多数の二金属組成物は、触媒アレイとして用いられて、多岐にわたる反応を媒介し得る。三金属(及び、より高級の)組成物もまた用いられ得る。改質反応はAl2O3上のPt-Ir-Sn触媒を採用し得、アンモニアボランの加水分解脱水素化はAu-Co-Fe三金属触媒で媒介され得、Pt-Ag-Rhは、水素化、特にメチルアクリレートに関するものに高い活性を有する。
【実施例】
【0515】
1.電極の製造に係る基本手順
構造(例えば、電極として使用可能であるもの)は、マスターから製造可能である(表面構造とは反転した配置の構造)。
【0516】
マスターは、例えばケイ素又は金属といった種々の材料から形成可能である。
【0517】
以下の実施例において、逆角錐状アレイを、窒化ケイ素(Si3N4)でコーティングされたSiウェハから3ステップで製造した。Si3N4コーティングをフォトリソグラフィによりパターン化して、角錐状特徴部分の基部寸法及び間隔を画定した。Si3N4層の等方性エッチングを緩衝フッ化水素酸中において行い、続いて、Siの異方性エッチングをKOH溶液を用いて行った。
【0518】
例えば、異方性エッチングを用いて表面構造の角度を制御することが可能である。異方性エッチングを用いて、54.7°の逆角錐状マイクロ構造のアレイを作成した。この角度は、ケイ素ウェハにおける結晶面配向の向きに応じる。このアプローチを用いて、50μm×50μm反転角錐形のケイ素マスターアレイを製造した。
【0519】
ケイ素マスターを用いてニッケルマスターを形成した。角錐状ニッケルマスターは、Niの薄層(例えば、<100nm)をSiマスターにスパッタリングすることにより調製した。次いで、塩化ニッケルを含有するスルファミン酸ニッケル溶液中においてNiコーティングした基板を電気めっきした。電気めっきしたNiの厚さが好適な厚さ(例えば約350μm)に達したら、電気めっき又は電鋳されたNiをSiマスターから分離させた。次いで、電気めっきしたNiはNiマスターとすることが可能であり、又は、上記のものと同様のプロセスを用いて反転されて、Siマスターと類似である逆角錐状アレイNiマスターとすることが可能である。このプロセスは、所望の生成物及び初期マスターの構造に応じて2つ以上の反転プロセスを含み得る。
【0520】
Ni角錐形マイクロ構造又はNi反転角錐形マイクロ構造などの上記のNi形態又はマスターのいずれかを用いて、以下の実施例において電極として用いられる本明細書に記載の電気めっきマイクロ構造アレイが形成され得る。或いは、このようなNiマイクロ構造は、スタンパとして用いられて、例えばホットエンボス加工といったスタンピングにより、本明細書に記載のマイクロ構造アレイを形成し得る。
【0521】
上記の実施例はNi角錐状マイクロ構造の形成を説明しているが、同一又は類似の技術を用いて、他の形状の、及び、他の材料におけるサブミクロンマスターを形成し得ることが理解されるであろう。例えば、類似のプロセスを用いて、Ni又は他の金属においてナノ構造角錐形を形成し得る。
【0522】
或いは、類似のプロセスを用いて、本明細書に記載のナノ構造ドーム又は先端を形成し得る。これらのナノ構造は、Ni、又は、他の金属若しくは材料において形成され得る。このような実施例においては、干渉リソグラフィを用いて、初期SiマスターをNiナノ構造マスターを用いて形成し得、次いで、上記のとおり電気めっきプロセスにより形成し得る。
【0523】
上記の実施例に記載の得られるNiマイクロ構造又はナノ構造を、以下に記載の一連の実験において3Dニッケル電極として用いた。
【0524】
3D Ni電極の形状及び構造を表1に記載すると共に、
図1に示す。
【0525】
【0526】
2.第2の金属を電極上に適用するための基本手順
金属は、当業者に公知である種々の技術を用いて電極上に堆積することが可能である。
【0527】
本実施例において、構造を、電子ビームエバポレータ又はDCマグネトロンスパッターコーターのいずれかを用いて金属薄膜でコーティングした。厚さは、水晶振動デジタル厚さモニター(Inficon社)で制御した。
【0528】
3.電極の「前処理」の基本手順及び前処理した電極に実施したテスト
2電極セルを、陰極及び陽極の両方として金属コーティングしたNi電極で設定した。電極を、電極を1cm離して平行に保持するセルに配置した。すべての場合に、陰極及び陽極の両方は、3D構造及び金属コーティングの点で同等であった。セルを電解質溶液で満たし、電流を所定の時間印加した。陰極及び陽極が同等の寸法を有することは一般に好ましくないが、これにより、陽極及び陰極の両方における効果を調べることが可能であった。他の事例においては、作用電極より対電極を大きくして(例えば10倍大きい)、電流の流れにおける制限を低減させ得る。
【0529】
前処理の効果をテストするために、以下のテストを電極で実施した:
・走査型電子顕微鏡(SEM)で、構造に対するいずれかの変化を視覚的に評価;
・エネルギー分散型X線分光法(EDS)で、電極構造の元素分析;及び
・サイクリックボルタンメトリ(CV)又はリニアスイープ(LS)で、構造の電気触媒挙動に対する前処理の効果を評価。
【0530】
図14は、前処理の前(
図14A及びC)及び前処理の後(
図14B及びD)の両方における、10nmでPtでコーティングしたニッケル先端電極の前処理の効果の一例を示す。両方の事例において、前処理は、先端(頂点)の表面から成長するナノサイズの特徴部分の形成をもたらした。
【0531】
EDSは、X線を用いて電子を励起し、次いで、電磁放射を種々の元素の特徴的なスペクトルのバンクと合致させることにより元素を特徴付ける。これらの実験においては度々、EDSは、明らかに存在しない金又は亜鉛などの新たな元素に対するピークを示した。これらの新たなピークは、金又は亜鉛(又は、新たなピークを示すいずれかの元素)の特徴的な放射にもっとも近似して似ているとEDSソフトウェアがみなす物質の存在を示す。これらの新たなピークの形成は、構造中における電子のエネルギーレベルの変化を示す。
【0532】
最初の一連の前処理実験は、10nmの白金でコーティングした250nm×250nmのドームを有するニッケル電極で実施した。表2に調査した種々の条件を列挙する。各事例において、電解質溶液の温度を監視し、60℃を超えた場合には冷却を行った。また、電圧を前処理実験の各々の最中に記録した。
【0533】
【0534】
電解質の濃度を変更して溶液の抵抗を変更し、これにより、電流を得るために必要な電圧を変えることが可能である。この効果は、陰極及び陽極の間の間隔を変更することによっても達成可能であった。これはまた、電極間にメンブランを設けることにより変更可能であった。
【0535】
結果は、表5にまとめられている。
【0536】
要約すると、結果は、この金属及び構造の組み合わせに係る好ましい条件は以下であることを示した。
1.6Mの電解質濃度(この効果は、電極の間隔を変更することによっても達成可能であったと考えられているが);
2.2A/cm2の平均電流密度(試した平均電流密度(0.5~2A/cm2)はすべて、構造における変化を示すLSのいくらかの変化を示していたが、0.5A/cm2のみがきわめて小さい変化を示した);
3.4時間の前処理時間(試した時間のすべてがLSにいくらかの変化を示していたが);及び
4.酸化物層はほとんど効果がなかった。
【0537】
4.第2の金属の厚さ(表5FAを参照のこと)
表3に列挙した条件下で、250nm×250nmドーム電極を用い、6M KOHの電解質濃度での前処理におけるPtの厚さの効果を評価する一連の実験を行った。
【0538】
【0539】
サンプル1及び2を基準のために含めた。サンプル1では、白金がニッケル電極上に堆積されていなかった。サンプル2では、白金が電極上に堆積されているが、「前処理」ステップに供されていなかった。
【0540】
結果は、表5にまとめられている(セクション5A)。
【0541】
要約すると、結果は以下を示した:
・サンプル3及び4における、前処理後の陰極のEDSは、Ptピークに隣接する肩のピークの出現を示した(前処理をしていないサンプル2におけるPtピーク(2.05keV)の形成と、前処理したサンプル4における新たな「金」による肩(2.22keV)の形成とを示すEDX分析の比較を示す
図2を参照のこと)。これは、ソフトウェアにより名目上「金」と同定され、10nmのPtが、最大の量の「金」(Au)を有していた。このピークは、Ni/Pt合金に対応するとして過去に識別されている(Zhang and J.Fang,A General Strategy for Preparation of Pt 3d-Transition Metal(Co,Fe,Ni)Nanocubes,JACS 2009 18543-18547)を参照のこと)。
・10nmの先では、金属及び構造のこの組み合わせに係るEDSにおける合金化の兆候はなかった。
・SEM(
図3)は、5及び10nmのPtでコーティングされた電極(サンプル3及び4)ではナノメートルサイズの特徴部分の存在が増大しており、これは、素のニッケル(サンプル1)、前処理をしていないPtでコーティングされたニッケル(サンプル2)、又は、15nmでコーティングされた(サンプル5)サンプルでは見られなかったことを示した。
・合金含有電極のリニアスイープ(LS)は、前処理をしていないPtでコーティングされた電極(サンプル2)と比較して比べた際に、水素の形成、酸素還元、酸化ニッケル還元及び酸素の発生に対応するピークの顕著なシフトを示した。LSの例を
図4、5及び6に示す。
・Ptでコーティングされた電極(サンプル2)及びコーティングされていない電極(サンプル1)(共に前処理を伴うもの及び伴わないものを含む)のLSを、
図4、5及び6において、LSの種々の領域について示す。各事例において、前処理は顕著な効果を有していた:
・-0.7~-1.2Vにおける水素の形成(
図4)は、15nmの前処理したサンプル(サンプル5)では、前処理をしていないPtでコーティングされた電極(サンプル2)と比して、電圧がわずかに下がったことを示した;
・0.0V~-1.0Vにおける酸素還元(
図5)は、前処理した3つのサンプル(サンプル3、4及び5)のすべてが最大で65mVのターンオン電流の低減を示し、及び、導通した合計電流に大きな増加を示すことを示した。興味深いことに、EDSで合金を示すことが示されたサンプル3及び4の両方で、それぞれ-0.23V及び-0.18Vにおいて追加の尖鋭なピークが示されたが、サンプル5はその限りではなかった;並びに
・0.0V~0.6Vにおける酸化ニッケル還元及び酸素の発生(
図6)は、合金化サンプル(3、4及び5)が、前処理をしていないサンプル(サンプル2)と比して向上された触媒ターンオーバーを示すことを示した。
【0542】
表4は、電極サンプル1~5に係る電気化学データを要約し、及び、前処理をしていないPtでコーティングされたニッケル(サンプル2)と比したシフトを示す。
【0543】
【0544】
前処理に係るさらなる1つの結果は、EDSでの1.02keVにおけるピークの出現であり、これは「Zn」と解釈された(
図7、線B)。これは、前処理したニッケルのみの対照(
図7、線A)では観察されなかった。
【0545】
サンプル5は、SEM画像において外側の構造における変化を示さず、EDSにおいても「金」ピークを示さないが、それでも、LSにおける触媒ターンオーバーに劇的な向上を示した。理論に束縛されることは望まないが、これは、二金属コアシェルのものと同様に、ニッケルベース基板及び白金コーティングの間の境界層として、合金が形成されたからであると考えられる。
【0546】
5.金でコーティングされたニッケルに対する前処理(表5Fを参照のこと)
金でコーティングされたニッケルに対する前処理の効果を、250nm×250nmドームで、10nmの金を用い、異なる電解質濃度(0.5M、6M及び12M)で実施した。結果は、表5にまとめられている(セクション5F)。
【0547】
電解質濃度を変更することの主な効果は、必要とされる電流を流すために電極表面における電圧に影響を与えることであった。異なる電解質濃度で計測した電圧は以下のとおりであった:0.5Mは6.2Vを必要とし、6Mは3.2Vを必要とし、及び、12Mは2.9Vを必要とした。
【0548】
前処理したサンプルのEDSは1.02keVにおける「亜鉛」ピークの出現を示したが、このピークは電解質濃度が下がるに伴って増大し(
図8)、これは、低い電解質濃度によるより高い電圧に起因すると考えられる。
【0549】
前処理の前後における金でコーティングされた構造のLSは、KOH溶液におけるサイクリングに関して、及び、水、酸素及び水素のレドックスサイクリングに関して、このプロセスは、レドックス特性に対する効果はほとんどないことを示していた。しかしながら、金/ニッケルは他の反応を高めることが可能であると考えられている。
【0550】
6.コバルトでコーティングされたニッケルにおける前処理(表5Gを参照のこと)
図9は、種々の電解質濃度(サンプル27、28及び29)で前処理を行った、10nmのCoでコーティングされた250nm×250nmドームのSEMを、前処理をしていないCoサンプル(サンプル27)と比して示す。
【0551】
0.5M KOH(サンプル27)及び6M KOH(サンプル28)における前処理は、3D構造の頂点に小さなサボテン状の構造をもたらし、これは、結果として、全体的なフットプリントを拡大させる。EDS分析はCoの存在を示すが、サンプル28においては減少していた。
【0552】
12M KOH中における前処理(サンプル29)は、3D構造の頂点における比較的大きなナノロッドの形成をもたらした。
【0553】
種々の前処理をした、及び、前処理をしていない、Coでコーティングされた3D電極のリニアスイープボルタンメトリを、
図10及び11に示す。
図10はO
2の発生に関連する部分に注目しており、過電圧の低減によって示されているとおり、Coの活性が30>29>28>27の順番で高められていることを示す。
【0554】
図11は、酸素還元に関連する領域におけるリニアスイープボルタンメトリを示す。結果は、サンプル29の前処理(6M 2A/cm
2)の後に、初期状態のCo(サンプル27)と比して、O
2還元が促進されることを示す。しかしながら、サンプル28及び30は、初期状態のCoと比したO
2還元活性の低下を示した。
【0555】
典型的に、Ptでコーティングされた電極が燃料電池中において陽極として用いられるため、
図11は、前処理されていないPtでコーティングされた3D構造を用いる酸素還元の相対的位置をも含む。図示で分かるとおり、前処理の効果はCoの活性をPtを超えて高めることであり、燃料電池におけるものなどのO
2還元において、Ptを置き換えてより安価な前処理状態のCoを使用する可能性が強調されている。
【0556】
図12は、Co-コーティングされた(10nm)Ni電極を、4時間、0.5M電解質中において前処理した後に出現した「鉄」ピークに対応する領域のEDSデータを示す。中実線は前処理前のCo/Ni対照であり、及び、破線は前処理後のCo/Ni合金であり、円は6.4keVでのピークの位置を示す。
【0557】
7.異なる格子構造を有する、Ptでコーティングされたニッケルに対する前処理(表5Hを参照のこと)
ニッケル結晶化度は、電鋳成長条件を変更することにより制御可能である。スルファミン酸ニッケル浴で、およそ70% 2θ(200)が得られる。塩化物を添加することで、およそ70% 2θ(111)となった。異なる結晶化度を有する、Ptでコーティングされたニッケルの前処理の効果を、250nm×250nmドームで、10nmのPtを用い、6Mの電解質濃度で実施した。結果は、表5にまとめられており(セクションH)、Ni 2θ(200)が、標準状態での電気触媒性能が増大している点で、Ni 2θ(111)よりもわずかに良好であることを示す。
【0558】
8.異なる3D構造を有する、Ptでコーティングされたニッケルにおける前処理(表5Iを参照のこと)
表1にまとめられている、異なる3D構造を有する、Ptでコーティングされたニッケルの前処理の効果を、10nmのPt、6Mの電解質濃度の条件を用いて実施した。結果は、表5にまとめられており(セクション5I)、先端がより尖鋭であるほど、標準状態下での電気触媒ターンオーバーがより良好となることを示す。
【0559】
9.ニッケル上におけるCoPt及びPtCoの前処理(表5Jを参照のこと)
PtCo及びCoPtでコーティングされたニッケル基板の前処理の効果を、250nm×250nmドームで、10nmのPtを用い、6Mの電解質濃度で実施した。結果は表5にまとめられており(セクションJ)、合金/複合体の形成が、親金属と比して、電気触媒活性を顕著に増大させることを示す。
【0560】
10.ニッケル構造上におけるPtNiの多層の前処理(表5Kを参照のこと)
ニッケル基板上における複数のPt(5nm)Ni(5nm)層の前処理の効果を、250nm×250nmドームで、10nmのPtを用い、6Mの電解質濃度で実施した。結果は、表5にまとめられており(セクション5K)、前処理の標準状態下における多層の追加によって、電気触媒活性を増大させることが可能であることを示す。
【0561】
11.前処理実験の結果の要約。
表5は、上記のものを含む前処理実験を列挙し、見だしの各々に記載されている実験の種類によってグループ化がされている。この表は、EDS又はLSデータが、前処理によってもたらされたいずれかの顕著な効果を示していることが示され、及び、前処理をしていないPtでコーティングされた電極(サンプル2)に対するLSデータにおける作用電極でのシフトが挙げられている。
【0562】
表5において、A、B及びCは、前処理をしていないPtでコーティングされた電極(サンプル2)と比した、水素の形成、酸素還元及び酸素の発生の開始のシフトに相当する。この表には、シフトが記載されている。これが、PtでコーティングされたNi標準(サンプル2)(その実際の値は、A-1100mV、B-150mV及びC 460mVである)と比較される。
【0563】
EDSピークは、ニッケルピーク(通常は0.851keV)のシフトの出現に対応する「Zn」に係る1.01keVの値、及び、白金ピーク(通常は2.05keV)のシフトの出現に対応する「Au」に係る2.12keVに関連する。
【0564】
【0565】
【0566】
【0567】
【0568】
【0569】
【0570】
【0571】
【0572】
【0573】
【0574】
【0575】
【0576】
12.第2の金属の適用及び「前処理」を1ステップで行う手法
ニッケル3D電極をIPA及び水で洗浄し、ニッケル対電極、Ag/AgCl照合電極及び6M KOHの電解質を含む電気化学セル中に、作用電極としてセットアップした。塩化白金(IV)(1mM)を添加し、還元電位を、作用電極に、2A/cm2の電流密度で1時間印加した。3D電極を水で洗浄し、SEM及びEDSにより分析した。
【0577】
図14Dに示されているとおり、Pt堆積及び合金化は主に、表面構造の頂点で、又は、その周囲で生じた。EDSは、Ni、Pt及びNi/Pt合金から構成される構造を示した。
【0578】
表面構造の頂点、又は、その周囲における高い電流密度及び電圧/電流の集束のために、Ptを、頂点においてより高い密度で還元的に堆積した。これにより、合金を表面構造上に選択的に配置する方法が提供される。印加した電圧は高度に還元性であり、従って、プロセスでは、異なる金属の組み合わせの還元及び合金化が同時に達成される。
【0579】
これにより、部位選択機能性付与と、合金化と、必要とされる高価値の金属の量を最低限とすることとが組み合わされる。
【0580】
参考文献
W.Yu,M.D.Porosoff,J.G.Chen,Review of Pt-Based Bimetallic Catalysis:From Model Surfaces to Supported Catalysts,Chem.Rev.2012,112,5780-5817
J.Das,I.Ivanov1,L.Montermini,J.Rak,E.H.Sargent and S.O.Kelley,An electrochemical clamp assay for direct,rapid analysis of circulating nucleic acids in serum,Nature Chemistry VOL 7,2015,569-575。
【0581】
一般
本明細書において用いられるところ、「約」は技術分野における当業者により理解され、用いられている文脈に応じてある程度異なることとなる。技術分野における当業者に明らかではない本用語の使用がある場合、用いられている文脈に応じて、「約」は、特定の用語の最大で上下10%を意味することとなる。
【0582】
ミクロンという用語の使用は、マイクロメートル(μm)を意味する。
【0583】
要素を説明する文脈(特に、以下の請求項に係る文脈)における、「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」という用語の使用、並びに、同様の言及は、明細書において別段の定めがある場合を除き、又は、文脈により明らかに矛盾が生じる場合を除き、単数形及び複数形の両方を含むと解釈されるべきである。本明細書における値の範囲に対する言及は単に、本明細書において別段の定めがある場合を除き、その範囲内の個別の値の各々を個々に参照する略記法であることが意図されており、個別の値の各々は、本明細書において個々に引用されているかのように明細書に組み込まれる。本明細書に記載の方法はすべて、本明細書において別段の定めがある場合を除き、又は、文脈により明らかに矛盾しない限り、いずれかの好適な順番で実施され得る。本明細書における例又は例示的な言語(例えば、「など」)のいずれか及びすべての使用は、単に実施形態をより明らかにすることが意図されており、別段の定めがある場合を除き、特許請求の範囲を制限するものではない。明細書における言語は、いずれかの特許請求されていない要素を必須なものと示すと解釈されるべきではない。
【0584】
一定の実施形態を例示及び説明したが、以下の特許請求の範囲に定義されているより広い態様での技術から逸脱することなく、技術分野における当業者に従って変形及び改変を行うことが可能であると理解されるべきである。
【0585】
本明細書に例示的に記載されている実施形態は、本明細書に特定的に開示されていない、いずれかの単一又は複数の要素、単一又は複数の限定の不在下で好適に実施され得る。それ故、例えば、「を含む(comprising)」、「を含む(including)」、「を含有する(containing)」等といった用語は、拡大的、及び、限定を伴わずに解釈される。また、本明細書において採用されているこれらの用語及び表現は、説明のための用語として用いられており、限定的ではなく、このような用語及び表現の使用に際して、示されており、及び、記載されている特徴部分のいずれかの均等物又はその一部を排除することは意図されておらず、特許請求された技術の範囲内で種々の改変が可能であることが認識されている。また、「~から基本的になる(consisting essentially of)」という句は、特定的に言及されている要素、及び、特許請求されている技術の基本的及び新規な特徴に実質的に影響を与えない追加の要素を包含すると理解されるであろう。「からなる(consisting of)」という句は、いずれかの特定されていない要素を排除する。
【0586】
本開示は、本出願において記載されている特定の実施形態で限定されるべきではない。当業者に明らかであろうとおり、その趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの改変及び変形が可能である。本明細書において列挙されているものに追加して、本開示の範囲内における機能的に均等な方法及び組成は、前述の説明から当業者に明らかであろう。このような改変及び変形は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲、及び、このような特許請求の範囲によって権限が付与される均等物の完全な範囲によってのみ限定されるべきである。本開示は、当然様々である可能性がある特定の方法、試薬、化合組成物又は生物学的システムに限定されないことが理解されるべきである。本明細書において用いられる用語法は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定的であることは意図されていないこともまた理解されるべきである。
【0587】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群で記載されている場合、当業者は、これにより、本開示はまた、マーカッシュ群の個別の構成要素又は構成要素のサブグループのいずれかにより記載されることを認識するであろう。
【0588】
当業者によって理解されるであろうとおり、目的のいずれか及びすべてについて、特に書面による説明を提供する観点から、本明細書に開示のすべての範囲はまた、可能な下位の範囲のいずれか及びすべて、並びに、下位の範囲の組み合わせを包含する。いずれかの列挙されている範囲は十分に説明されていると容易に認識可能であり、同一の範囲は、少なくとも二等分、三等分、四等分、五等分、十等分等に分割可能とされる。非限定的な例として、本明細書において考察されている範囲の各々は、下方の3分の1、中間の3分の1、及び、上方の3分の1等に容易に分割可能である。当業者によっても理解されるであろうとおり、「最大で」、「少なくとも」、「よりも大きい」、「未満」等などの言語はすべて、言及されている数を含み、上記のとおりその後下位の範囲に分割可能である範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるであろうとおり、範囲は、個別の構成要素の各々を含む。
【0589】
この明細書において参照されているすべての刊行物、特許出願、発行された特許及び他の書面は、個々の刊行物、特許出願、発行された特許又は他の書面の各々が、特定的に、及び、個々にその全体が参照により組み込まれていると明記されているかのように、本明細書において参照により組み込まれている。参照により組み込まれているテキストに含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する限りにおいては排除される。
【0590】
他の実施形態が以下の請求項において記載されている。
【0591】
本発明の態様及び実施形態:
以下の項に本発明の態様及び実施形態を記載するが、これらは請求項ではない。
【0592】
第1項:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料
を含むアレイであって、
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性であり;
ここで、第1の材料及び第2の材料は複合体を少なくとも部分的に形成する。
【0593】
第2項:
支持基板の表面から突出する表面構造を備える支持基板;及び
表面構造の少なくとも一部分に形成された複合体材料
を含むアレイであって、
ここで:
複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物であり
第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性である。
【0594】
第3項:アレイの形成方法であって、この方法は
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップ
を含み、
第1の電極は:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;及び
第1の材料と接触して表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料
を含み、
ここで:
第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は、導電性又は半導電性であり;
印加される電流密度は、界面において複合体を形成するのに十分である。
【0595】
第4項:複合体の形成方法であって、この方法は、縁部及び/又は頂点を備える構造と、縁部及び/又は頂点における第1の材料及び第2の材料とに電流を導通させるステップを含み、ここで、第1の材料及び第2の材料は接触しており、ここで、第1及び/又は第2の材料は導電性若しくは半導電性であり、並びに、ここで、縁部及び/又は頂点における電流密度は、第1の材料と第2の材料との界面で複合体を形成するのに十分である。
【0596】
第5項:触媒アレイを前処理する方法であって、この方法は
第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方における第1の材料及び第2の材料から複合体を形成するために十分な電流を、導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に印加するステップ
を含み、
ここで、触媒アレイは、第1の電極、第2の電極、又は、第1の電極及び第2の電極の両方を含む。
【0597】
第6項:合金アレイを形成する方法であって、この方法は
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップ
を含み、
第1の電極は:
支持基板;
第1の合金成分で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;及び
表面構造上に堆積された第2の合金成分
を含み、
ここで、印加される電流密度は、表面構造に第1の合金成分及び第2の合金成分の合金を少なくとも部分的に形成するのに十分であり;
ここで、合金アレイは第1の電極に形成されている。
【0598】
第7項:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の材料
を含むアレイであって、
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性であり;
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料の電子構造の軌道重なりには変化が存在している。
【0599】
第8項:アレイの形成方法であって、この方法は
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップ
を含み、
第1の電極は:
支持基板;
第1の材料で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;
第2の材料が第1の材料と接触しているよう、表面構造の上に堆積された第2の材料
を含み、
ここで、第1の材料、第2の材料又は第1の材料及び第2の材料は導電性又は半導電性であり;
ここで、印加される電流密度は、電流が印加されなくなった場合に、第1の材料及び第2の材料の外殻電子のエネルギーを歪ませるのに十分である。
【0600】
第9項:
支持基板の表面から突出する表面構造を備える支持基板;及び
表面構造の少なくとも一部分に形成された複合体材料
を含む触媒アレイであって、
ここで:
複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の電解反応生成物であり;並びに
表面構造は:
高さが100ミクロン未満~約10ミクロン、及び、約10ミクロン~約100ミクロンの基部寸法を有する角錐状構造;並びに/又は
高さが約1000nm~約1nm、及び、直径が約1000nm~約1nmである円形又は長細いドーム形状構造を備える。
【0601】
第10項:触媒アレイを前処理する方法であって、この方法は:
支持基板;
第1の金属で形成又はコーティングされた支持基板の表面から突出する表面構造;及び
第2の金属が第1の金属と接触しているよう、表面構造の少なくともいくつかの上に堆積された第2の金属
を含む触媒アレイを提供するステップ;
電解質溶液を触媒アレイと接触させるステップ;
特定の時間、前処理されたアレイを形成するための電圧及び電流で、アレイにバイアスを印加するステップ
を含み、
ここで:
前処理されたアレイにおける金属は、バイアスを印加する前における金属と比して改変された電子構造を有する。
【0602】
第11項:第10項に記載の方法であって、改変された電子構造は、バイアスを印加する前の金属と比して金属の変更された軌道重なりを有する。
【0603】
第12項:第10項に記載の方法であって、特定の時間は約0.5時間~約20時間である。
【0604】
第13項:第10項に記載の方法であって、特定の時間は約1時間~約10時間である。
【0605】
第14項:第10項に記載の方法であって、特定の時間は約3時間~約9時間である。
【0606】
第15項:第10項に記載の方法であって、電圧は約-20ボルト~約+20ボルトである。
【0607】
第16項:第10項に記載の方法であって、電圧は約+/-20ボルト~約+/-0.5ボルトである。
【0608】
第17項:第10項に記載の方法であって、電圧は約+/-10ボルト~約+/-0.5ボルトである。
【0609】
第18項:第10項に記載の方法であって、電流密度は0A/cm2超~約10A/cm2である。
【0610】
第19項:第10項に記載の方法であって、電流密度は約1A/cm2約5A/cm2である。
【0611】
第20項:第10項に記載の方法であって、電流密度は約2A/cm2である。
【0612】
第21項:第10項に記載の方法であって、電解質はアルカリ電解質である。
【0613】
第22項:第10項に記載の方法であって、電解質は金属酸化物又は金属水酸化物を含む。
【0614】
第23項:第22項に記載の方法であって、電解質は、NaOH又はKOHを含む金属水酸化物を含む。
【0615】
第24項:第23項に記載の方法であって、NaOH又はKOHは、電解質中に約0.5M~約10Mで存在する。
【0616】
第25項:第23項に記載の方法であって、NaOH又はKOHは電解質中に約2M~約8Mで存在する。
【0617】
第26項:第23項に記載の方法であって、NaOH又はKOHは電解質中に約4M~約6Mで存在する。
【0618】
第27項:第10項に記載の方法であって、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0619】
第28項:第27項に記載の方法であって、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0620】
第29項:第10項に記載の方法であって、第2の金属は、約1nm~約1μm、約1nm~約500nm、約5nm~約250nm、約5nm~約100nm、約5nm~約50nm、約5nm~約30nm、約5nm~約25nm、約5nm~約15nmの厚さで存在し、又は、約10nmの厚さである。
【0621】
第30項:第10項に記載の方法であって、アレイはさらに、第1の金属及び第2の金属が交互する層を備え、ここで、各金属の200以下の層が存在する。
【0622】
第31項:第30項に記載の方法であって、アレイの各層は1~10nmの厚さである。
【0623】
第32項:第10項に記載の方法であって、アレイは第1及び第2の金属の層を備え、層は、Ni/Pt;Ni/Au;Ni/Co;Ni担持Co/Pt;Ni担持Pt/Co;Ni担持Pt/Ni;及び、Ni担持Pt/Ni/Pt/Ni/Pt/Ni/Ptである。
【0624】
第33項:
支持基板;
支持基板の表面から突出すると共に、支持基板と一体的である表面構造;及び
触媒特性を有すると共に、少なくとも第1の材料及び第2の材料から形成される複合体材料を含む表面構造
を備える触媒アレイであって、
ここで、複合体材料は、第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示し;並びに
ここで、表面構造は、支持の表面上に、100/cm2超で存在する。
【0625】
第34項:第33項に記載のアレイであって、第1の材料は基板を構成する材料と同じであり、又は、第1の材料は基板とは異なる材料である。
【0626】
第35項:第33項又は34に記載のアレイであって、複合体は、バイアスを第1の材料及び第2の材料に印加することによって、アレイを前処理することにより調製される。
【0627】
第36項:第35項に記載のアレイであって、改変された電子構造は、バイアスを印加する前後におけるアレイのリニアスイープボルタンメトリの変化を観察することにより示される。
【0628】
第37項:第36項に記載のアレイであって、アレイのリニアスイープボルタンメトリにおける変化は、アレイの前処理を行った後におけるより正又は負の電圧への酸化又は還元シフトを含む。
【0629】
第38項:
支持基板;及び
支持基板の表面から突出する表面構造;
表面構造の各々における表面サブ構造
を備える触媒アレイであって、並びに
表面サブ構造は、触媒特性を有する複合体材料を含み;
ここで、
複合体材料は、触媒アレイの前処理中に少なくとも第1の材料及び第2の材料から形成され;
複合体材料は、前処理を行う前の第1の材料及び第2の材料の混合物と比して改変された電子構造を示し;並びに
表面構造は、支持の表面上に、100/cm2超で存在する。
【0630】
第39項:触媒アレイを形成する方法であって、この方法は
導電性溶液中において第1の電極と第2の電極との間に電流を印加するステップ
を含み、
第1の電極は:
支持基板;及び
支持基板の表面から突出すると共に、触媒特性を有する複合体材料を含む表面構造
を備え、並びに
ここで:
複合体材料は、第1の材料及び第2の材料を含む組み合わせから形成され;
印加される電流密度は、界面に複合体材料を形成するのに十分であり;並びに
複合体材料は、電流を印加する前における第1の材料及び第2の材料を含む組み合わせと比して改変された電子構造を示す。
【国際調査報告】