(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】注文配送システム及び注文配送方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514169
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(85)【翻訳文提出日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2020074489
(87)【国際公開番号】W WO2021043837
(87)【国際公開日】2021-03-11
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518127451
【氏名又は名称】エグゾテック
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】ムラン,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】エイツ,ルノー
(72)【発明者】
【氏名】バウラード,ギレ
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA04
3F522BB06
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3F522HH13
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3F522KK07
3F522LL41
3F522LL57
3F522LL59
(57)【要約】
【課題】本発明は、建物の外側の受け取る場所にバッグ内の注文品を自動的に配送するためのシステムに関する。
【解決手段】
本発明のシステムは、前記受け取る場所の近傍において顧客の存在の信号を送信する手段及び/又は前記顧客の存在を検出する手段と;高いところに取り付けられている搬送モジュールとを備え、前記搬送モジュールは:搬送軌道からバッグを吊り下げるための複数の吊り下げ要素と;前記搬送軌道上で前記吊り下げ要素を自動的に移動させる自動移動手段と;前記信号送信手段及び/又は前記検出手段が前記受け取る場所の近傍における前記ユーザの存在を確認する信号を発したとき、前記注文品の様々なパーツが入れられた複数のバッグを前記受け取る場所へ移動させるように設けられた前記自動移動手段を作動させるための作動手段とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に保管された1つ以上のバッグ内の複数の物品からなる注文品を、前記建物の外部に位置する前記注文品を受け取る場所に自動的に配送する注文配送システムであって、
前記注文配送システムは、少なくとも部分的に高いところに取り付けられている搬送モジュールを備え、
前記搬送モジュールは:
少なくとも実質的な部分が前記建物内へと伸びる少なくとも1つの搬送軌道と;
前記搬送軌道に設けられた複数のバッグ吊り下げ要素と、
前記搬送軌道において前記吊り下げ要素を自動的に移動させるための自動移動手段と;
前記バッグ又は前記注文品の様々な物品を収容したバッグが吊り下げられた1つ以上の吊り下げ要素に前記注文品を識別する情報を関連付けるための手段と;
前記受け取る場所の近傍において、注文品が配送されるユーザの存在又は前記注文品の管理を引き受けることを目的としているトラックの存在の信号を送信するための信号送信手段及び/又は前記ユーザの存在又は前記トラックの存在を検出するための検出手段と;を備え、
前記搬送モジュールは、さらに、前記信号送信手段及び/又は前記検出手段が前記受け取る場所の近傍における前記ユーザの存在又は前記トラックの存在を確認する信号を発したとき、前記バッグが吊り下げられた前記吊り下げ要素を前記受け取る場所に移動させるように設けられた前記自動移動手段を作動させるための作動手段を備えることを特徴とする注文配送システム。
【請求項2】
前記搬送軌道は、レールに収容されたチェーンを含む請求項1に記載の注文配送システム。
【請求項3】
前記搬送軌道は、前記建物の天井又は中2階に取り付けられている請求項1及び2のいずれか1つに記載の注文配送システム。
【請求項4】
前記搬送モジュールは、前記注文品の物品を収容しているバッグを吊り下げておりかつ前記注文品の識別情報が関連付けられている複数の吊り下げ要素を前記建物の少なくとも1つのゾーンにまとめるように設けられた、複数の吊り下げ要素を仕分ける手段を備える請求項1~3のいずれか1つに記載の注文配送システム。
【請求項5】
前記信号送信手段及び/又は前記検出手段は、バーコードリーダー;QRコードリーダー;磁気ストライプまたはチップリーダー;コードを入力するための数字キーパッド;ユーザーの端末にダウンロード可能な専用アプリケーション;指紋リーダーなどの生体認証リーダー;プレゼンスセンサー;ジオロケーションシステムを少なくとも含むグループに属する少なくとも1つの信号伝達要素及び/又は検出要素を含む請求項1~4のいずれか1つに記載の注文配送システム。
【請求項6】
前記吊り下げ要素は、少なくともフック及び棒を含むグループに属する請求項1~5のいずれか1つに記載の注文配送システム。
【請求項7】
前記搬送モジュールは、吊り下げ要素から吊り下げられた前記バッグの少なくとも1つを前記建物の高い保管領域の少なくとも1つに一時的に保管するための手段を備える請求項1~6のいずれか1つに記載の注文配送システム。
【請求項8】
前記保管領域は、温度制御された領域である請求項7に記載の注文配送システム。
【請求項9】
前記搬送モジュールは、自動車の車線の上部において前記建物の外側へ伸びる前記搬送軌道の一部を包むトンネルを備える請求項1~8のいずれか1つに記載の注文配送システム。
【請求項10】
前記注文品を受け取る場所は、トラックの積載容積である請求項1~9のいずれか1つに記載の注文配送システム。
【請求項11】
前記注文配送システムは、前記トラックの積載容積内に搭載されるように設けられたバッグ保管モジュールと、前記バッグ保管モジュールから前記搬送軌道へ前記バッグを吊り下げた前記吊り下げ要素を移動させるための手段を備えた、前記バッグ保管モジュールを前記搬送軌道に連結するための手段とを備える請求項10に記載の注文配送システム。
【請求項12】
建物内に保管された複数の物品からなる注文品を、前記建物の外部に位置する前記注文品を受け取る場所に自動的に配送する注文配送方法であって、
前記注文品を構成する前記物品を収集し、少なくとも1つのバッグに前記物品を入れるステップと;
少なくとも部分的に高いところに取り付けられた搬送モジュールの搬送軌道上の1つ以上のバッグ吊り下げ要素に前記バッグ又は複数の前記バッグを吊り下げるステップと;
前記注文品の様々な物品を収容した少なくとも1つのバッグを吊り下げた少なくとも1つの吊り下げ要素に前記注文品の識別情報を関連付けるステップと;
前記受け取る場所の近傍において注文品が配送されるユーザの存在又は前記注文品の管理を引き受けることを目的としているトラックの存在の信号を送信する信号送信ステップ及び/又は前記ユーザの存在又は前記トラックの存在を検出する検出ステップと;
受信ユニットで信号を受け取ることに基づき、前記注文品の識別情報が関連付けられている少なくとも1つの吊り下げ要素を前記搬送軌道上で前記受け取る場所へ搬送する搬送ステップと;を含み、
前記信号送信ステップ及び/又は前記検出ステップは、前記受け取る場所の近傍におけるユーザ又はトラックの存在を確認する信号を送信するステップを含み、
前記搬送ステップは、前記搬送軌道上で前記吊り下げ要素を自動的に移動させるための手段を作動させるステップを含む注文配送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の属する技術分野
本発明の技術分野は、店舗及び倉庫における物流分野、特に物品の輸送及び仕分けに関する物流分野である。より具体的には、本発明は、注文品を配送するためのシステムおよび方法に関する。本発明は、特に、“ドライブ”としても知られている受け取りポイントでの食品または民生品の受け取りにおいて使用することができ、並びに中継ポイントでの商品の配送のために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術
“ドライブスルー”サービスとして知られている受け取りポイントでオンラインでの注文品の配送サービスを提供する店舗が知られており、顧客が来て注文品を受け取るのを待っている間に、一人以上のピッカーが注文された複数の商品を集めて棚上のバッグに収容する。注文された商品の仕分けは、ピックアップラウンド中、または注文品が棚に置かれるときに実施することができる。
【0003】
この注文ピッキング技術は、多くの欠点を有する。この技術は、注文品を保管するためにかなり広い保管スペースを必要とし大きな作業力を必要とする。加えて、この技術によれば、ピッカーが棚の注文品を取りに行き顧客に配達するまでの間、注文品を受け取りに来ている顧客が待つ必要があり、又はすべてのピッカーが収集ラウンドで忙しく顧客の注文品を配達することができない場合に顧客がしばらく待つ必要がある。
【0004】
顧客の待ち時間を少なくするために、商品の入ったバッグを大箱に入れておきこの大箱を自動大箱保管システムの保管スペースに送ることにより顧客に注文品を簡単に届けることを可能にすることが考えられた。大箱を使用するこの技術の欠点は、大箱の管理を必要とすることである。この技術の別の欠点は、実施するために高い費用がかかることである。また、多くの大型店舗及び中型店舗では、設置コストが法外に高いことも指摘されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3.発明の目的
従って、本発明は、特に、上記の先行技術の欠点を克服することを意図したものである。より具体的には、本発明の目的は、オペレータが介入する回数を少なくする注文配送技術を提供することである。また、本発明の目的は、実施が簡単なコマンドを伝えるための技術を提供することである。本発明の他の目的は、フロアスペースを自由に使えるようにする制御配送技術を提供することである。本発明の他の目的は、原価を低減し運用コストを低減する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
4.本発明の内容
これらの目的、並びに後に現れる他の目的は、建物内に保管された1つ以上のバッグ内の複数の物品からなる注文品を、その建物の外側に位置する、その注文品のための受け取る場所に自動的に配送するためのシステムによって達成される。
【0007】
本発明によれば、注文品の自動配送のためのシステムが提供され、このシステムは、少なくとも部分的に高いところに取り付けられている搬送モジュールを備え、前記搬送モジュールは:少なくとも実質的な部分が前記建物内へと伸びる少なくとも1つの搬送軌道と;前記搬送軌道に設けられた複数のバッグ吊り下げ要素と、前記搬送軌道において前記吊り下げ要素を自動的に移動させるための自動移動手段と;前記バッグ又は前記注文品の様々な物品を収容したバッグが吊り下げられた1つ以上の吊り下げ要素に前記注文品を識別する情報を関連付けるための手段と;前記受け取る場所の近傍において、注文品が配送されるユーザの存在又は前記注文品の管理を引き受けることを目的としているトラックの存在の信号を送信するための信号送信手段及び/又は前記ユーザの存在又は前記トラックの存在を検出するための検出手段と;を備え、前記搬送モジュールは、さらに、前記信号送信手段及び/又は前記検出手段が前記受け取る場所の近傍における前記ユーザの存在又は前記トラックの存在を確認する信号を発したとき、前記バッグが吊り下げられた前記吊り下げ要素を前記受け取る場所に移動させるように設けられた前記自動移動手段を作動させるための作動手段を備える。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明は、新規な方法で、注文品の物品を収容したバッグを、これらのバッグを保管することができるように高いところに吊り下げ、店舗の外側の受け取る場所にこれらのバッグを搬送することを提案する。この注文品は、この注文をした顧客に自動的に渡される又は前記受け取る場所の近傍に到着する配送トラックに渡される。受け取る場所は、例えば、“ドライブ”の専用駐車領域であってもよく、店舗に近接して配置されていてもよく、トラックの保管容積であってもよい。
【0009】
本発明において、「近傍」いう用語は、注文品を受け取る人(又は受け取るトラック)が、受け取る場所から数メートル未満、または数百メートル以下にいることを意味する。このため、例えば、信号送信手段及び/又は検出手段は、ユーザ又はトラックが受け取る場所のすぐ近くに止まったとき、又は、他の実施形態ではユーザ又はトラックが店舗の駐車場への入口を通過したときもしくは駐車場の特定の場所を通過するときに、ユーザ又はトラックの存在を確認する信号を発するように設けられてもよい。
最後に、バッグが高いところに吊り下げられているので、本発明は多くのフロアスペースを節約することに注意すべきである。
【0010】
さらに、本発明において、重い物品を運ぶことができるように、または例えば箱詰めの卵のような脆弱な物品を保護することができるように、前記バッグは、全体的に又は部分的に複数の剛性部分で形成されてもよい。
本発明において、搬送軌道は、建物の内側と外側の両方に伸びていてもよく、建物の内側にのみ伸びていてもよいことに留意されたい。
【0011】
本発明の特定の実施形態によれば、前記搬送軌道は、レールに収容されたチェーンを含む。
本発明の有利な実施形態では、前記搬送軌道は、前記建物の天井又は中2階に取り付けられる。
本発明の別の実施形態では、専用の搬送構造に前記搬送軌道を取り付けることが考えられる。前記搬送構造は、例えば1以上のガントリを含む。
【0012】
有利には、前記搬送モジュールは、前記注文品の物品を収容しているバッグを吊り下げておりかつ前記注文品の識別情報が関連付けられている複数の吊り下げ要素を前記建物の少なくとも1つの領域にまとめるための吊り下げ要素仕分け手段を備える。従って、同じ注文の物品を入れた複数のバッグを予めまとめることができ、注文品を迅速に配送することができる。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記信号送信手段及び/又は前記検出手段は、バーコードリーダー;QRコードリーダー;磁気ストライプまたはチップリーダー;コードを入力するための数字キーパッド;ユーザーの端末にダウンロード可能な専用アプリケーション;指紋リーダーなどの生体認証リーダー;プレゼンスセンサー;ジオロケーションシステムを少なくとも含むグループに属する少なくとも1つの信号伝達要素及び/又は検出要素を含む。
本発明の特定の実施形態では、前記吊り下げ要素は、少なくともフック及び棒を含むグループに属する。
【0014】
有利には、前記搬送モジュールは、吊り下げ要素から吊り下げられた前記バッグの少なくとも1つを前記建物の高い保管領域の少なくとも1つに一時的に保管するための手段を備える。いくつかの高いところの保管領域は、異なる物品のタイプを保管できるように設けることができる。
本発明の特に有利な実施形態では、前記保管領域は温度制御された領域である。これらの領域は、正温度の保管領域又は冷凍商品に適した負温度の保管領域であってもよい。注文品を受け取りに来ている顧客又はトラックに注文品を引き渡すのを待っている間に、このようにして、店舗の棚や保冷室から新鮮な商品又は凍結した商品を前もって取り出すことができ、搬送モジュールに保管することができる。
【0015】
本発明の特定の実施形態によれば、前記搬送モジュールは、自動車の車線の上部において前記建物の外側へ伸びる前記搬送軌道の一部を包むトンネルを備える。これにより、注文品の受取人は、自分の自動車で前記受け取る場所に容易にアクセスすることができ、そのトランクに注文品を直接入れることができる。
【0016】
本発明の特定の実施形態によれば、前記注文品を受け取る場所は、トラックの積載容積である。これにより、トラックへ注文品を容易に載せることができ、中継ポイントへの注文品の配送を確実に行うことができる。
本発明の特定の実施形態では、上記のような前記自動注文配送システムは、前記トラックの積載容積内に搭載されるように設けられたバッグ保管モジュールと、前記バッグ保管モジュールから前記搬送軌道へ前記バッグを吊り下げた前記吊り下げ要素を移動させるための手段を含む、前記バッグ保管モジュールを前記搬送軌道に連結するための手段とを備える。これにより、人手を介さずに、バッグを注文から直接トラックに移したり、逆にトラックを空にしたりすることができる。
【0017】
また、本発明は、建物内に保管された複数の物品からなる注文品を、前記建物の外側に位置する前記注文品を受け取る場所に自動的に配送する方法に関する。
本発明によれば、この方法は:前記注文品を構成する前記物品を収集し、少なくとも1つのバッグに前記物品を入れるステップと;少なくとも部分的に高いところに取り付けられた搬送モジュールの搬送軌道上の1つ以上のバッグ吊り下げ要素に前記バッグ又は複数の前記バッグを吊り下げるステップと;前記注文品の様々な物品を収容した少なくとも1つのバッグを吊り下げた少なくとも1つの吊り下げ要素に前記注文品の識別情報を関連付けるステップと;前記受け取る場所の近傍において注文品が配送されるユーザの存在又は前記注文品の管理を引き受けることを目的としているトラックの存在の信号を送信する信号送信ステップ及び/又は前記ユーザの存在又は前記トラックの存在を検出する検出ステップと;受信ユニットで信号を受け取ることに基づき、前記注文品の識別情報が関連付けられている少なくとも1つの吊り下げ要素を前記搬送軌道上で前記受け取る場所へ搬送する搬送ステップと;を含み、前記信号送信ステップ及び/又は前記検出ステップは、前記受け取る場所の近傍におけるユーザ又はトラックの存在を確認する信号を送信するステップを含み、前記搬送ステップは、前記搬送軌道上で前記吊り下げ要素を自動的に移動させるための手段を作動させるステップを含む。
【0018】
本発明の有利な態様によれば、このような方法は、吊り下げ要素を仕分けるステップを備え、このステップは、注文品のバッグを運んでおりかつ前記注文品の識別情報が関連付けられている吊り下げ要素を前記建物の少なくとも1つのゾーンにまとめるステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
5.図面のリスト
本発明の他の特徴および利点は、単なる例示および非限定的な例として以下に示された本発明の2つの実施形態の説明を読むことにより、より明瞭になるであろう。
【0020】
【
図1】
図1は、本発明に係る注文配送システムの例示的な実施形態の上面図である。
【
図3】
図3は、
図1を参照して示した注文配送システムの部分の部分断面詳細図であり、この部分はスーパーマーケット倉庫の外側に位置する。
【
図4】
図4は、本発明に係る注文配送システムの一実施形態の他の例の部分斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る注文品を配送する方法の一例をブロック図の形態で概略的に表示したものである。
【
図6】
図6は、
図1に示す注文配送システムのローディングステーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
6.発明の詳細な説明
6.1.本発明の一実施形態の例
図1及び
図2には、スーパーマーケットにおいて実施される本発明による注文配送システム10の実施形態の一例を上面図および斜視図でそれぞれ示している。このシステム10は、バッグ循環搬送軌道12を有する搬送モジュール11を備え、バッグ循環搬送軌道12は、電動チェーンが取り付けられたレールセクションの集合体により形成されている。
本発明のこの実施形態では、各バッグ13は、フックによって搬送軌道内のチェーンの連結具に吊り下げられている。バッグは、搬送軌道に取り付けられたチェーンを駆動することによってこの搬送軌道のセクションに沿って自動的に移動し、乗り換え装置(例えばプッシャ)がバッグを一方のチェーンから他方のチェーンに移動させるように設けられている。
【0022】
搬送軌道12は、スーパーマーケットの販売領域に隣接する倉庫14内に配置され、顧客17が注文した様々な物品を収容したバッグを取り上げて注文品を受け取ることを可能とする開口部を備えた3つの注文ピッキングステーション16に通じるトンネル15を通って倉庫外に延びる。
高所のこのトンネルは、注文ピッキングステーションの顧客の腕が届く範囲内に顧客が車両19を駐車させることを可能にする車線18の上方を通るように設けられていることが好ましい。
搬送軌道12は、ローディングステーション110と、中2階112に支持された保管領域111との間でバッグを循環させる第1ループ12Aと、保管領域111とピッキングステーション16との間でバッグを搬送可能な第2ループ12Bとを備える。
【0023】
図2に示すように、搬送軌道は、保管領域111に重ね合わされた3組の櫛状部113を有する。保管領域111の遠位端115に位置する櫛状部の歯114は、正温度の蓄冷環境に入っており、新鮮な商品がそこに保管される。櫛状部の他の歯の温度は、倉庫の環境温度である。
【0024】
ローディングステーション110では、
図6に示したように、注文品の一部を収容した1つ以上のバッグを持って到着したピッカーは、バッグを1つずつピッカーの前のフックに吊り下げる。各フック61は識別子を持ち運んでおり、本発明のこの特定の実施形態では、識別子はフック61の基部に付けられたプラスチック片に印刷されたバーコードからなる。この識別子は、フックがピッカーの前にあるときにバーコードリーダによって読み取られ、スーパーマーケットの倉庫管理システム(通常、"Warehouse Management System"の頭字語WMSとも呼ばれる)に送信される。
バッグ13がフック61に吊り下げられると、ピッカーは、注文品の一部を収容したバッグがフックに吊り下げられたことを、タッチパッドのような端末上で確認すれば十分である。そして、倉庫管理システムは、端末を用いてピッカーによって有効化された注文の番号をそのフックに割り当て、そのフックの識別子は、そのフック割り当てデータベースにおいてスキャンされる。
【0025】
スーパーマーケット倉庫の外側に位置する注文配送システム10の部分の部分断面詳細図である
図3において、各ピッキングステーション16は、顧客がその注文に割り当てられた数字コードを入力することを可能にするタッチスクリーン31を備え、この数字コードは、スマートフォン上で顧客が電子メールまたはSMS(ショートメッセージサービス)を介して受信する。このコードを入力することにより、顧客は、ピッキングステーションのうちの1つの前にいることを倉庫管理システムに知らせることができ、このピッキングステーションは、顧客17がそのコードを入力したピッキングステーションに顧客の注文品を配送するようにとの指示を含む信号をシステム10に送る。
次に、注文配送システム10は、顧客の注文品の部分を含む個々のバッグをトンネル15へと送り、個々のバッグを、トンネルに連結する搬送軌道に沿ってピッキングステーション16に分配する。
【0026】
本発明のこの特定の実施形態の変形例では、注文品を取りきた顧客がピッキングステーションの付近で、顧客がスマートフォンで受信したバーコード又はQRコードをスキャンすることにより顧客の存在を知らせることが考えられ、この顧客に割り当てられた店舗カードのマグネットストライプを読み取ることにより顧客の存在を知らせることも考えられ、生体識別リーダを用いて自身を識別することにより顧客の存在を知らせることも考えられ、スマートフォンにダウンロードされた専用アプリケーションを使用することにより顧客の存在を知らせることも考えられる。
本発明のこの特定の実施形態のさらなる他の変形例では、ピッキングステーションの近傍に顧客が存在することを検出するために、顧客のスマートフォンの地理位置情報システムを使用することが考えられる。
【0027】
図5において、注文配送システム10を用いて実施される本発明による注文配送方法の一実施形態のステップが、ダイアグラムの形態で示されている。
顧客が店舗のウェブサイト上の様々な商品の注文を行った後、倉庫管理システムは、生鮮品領域、冷凍品領域、乾物領域、及び/又は店舗の貯蔵室から注文の商品を収集するようにピッカーへ指示を送信する(ステップ51)。このステップの間、ピッカーは、同じ収集ラウンドでいくつかの異なる注文について物品を収集することができる。
【0028】
この収集中に、ピッカーは、複数の物品を同一バッグまたは複数のバッグに一緒に入れる(ステップ52)。
ステップ53において、ピッカーは、ピックアップラウンドを完了するとすぐにローディングステーション110へ行き、ローディングステーションに連続的に来る注文品配送システム10のフックにバッグをそれぞれ吊り下げる。本発明の範囲内において、ピッカーは、予め決められていない順序でローディングステーションにアクセスすることができ、ローディングステーション110にやってくるフックに任意の順序でバッグを吊り下げることができる。このステップ53では、ローディングステーションに連続的にやってくる各フックの識別子は、スキャンされ倉庫管理システムに送信される。
【0029】
ピッカーは、バッグを吊り下げた後、タッチパッドを用いて吊り下げが完了したことの裏づけを行い、フックに吊り下げられたバッグに対応する注文およびバッグに収容された物品のタイプの情報を入れる。本発明の代替実施形態では、オペレータが注文バッグに印刷されたコードをスキャンすることも考えられる。この変形例によれば、生鮮商品又は冷凍商品を収容することを目的としているバッグに特定のコードを割り当てることができ、これらのバッグを他のバッグと区別することができる。
【0030】
次に、注文識別情報は、倉庫管理システムによってローディングステーションで待機しているフックに関連付けされ(ステップ54)、このフックは、搬送モジュールの搬送軌道に沿って動かされ新しいフックのために場所を譲る。
次に、ステップ55において、注文品の物品が収容されたバッグは、その中身に応じて保管領域の櫛状領域に保管される、例えば、新鮮な物品は領域115へ向けて運ばれる。
【0031】
注文ピッキングステーションの近傍に到着した顧客がピッキングステーションのタッチセンサー式のキーボードに注文コードを入れることにより顧客が信号を送ったとき(ステップ56)、確認信号が管理システムにより発せられ搬送モジュール11に送信される(例えば、電波により)(ステップ57)。この搬送モジュール11は、第1ステップ58において、その注文の識別情報で結び付けられている複数のフック(結果としてこれらのフックに吊り下げられたバッグ)をまとめるためにフックを搬送軌道12のバッファーゾーンへ仕分ける。その後、ステップ59において、まとめられたバッグは、トンネル15を通って顧客がきているピッキングステーションへと運搬され、顧客は注文の物品を取り出すことができる。
【0032】
6.2.本発明の一実施形態の別の例
図4は、本発明に係る注文配送システム40の他の例を示し、この例では、中継ポイントで注文品を配送するトラックに注文品を配送することが可能となる。
図4に示すように、このシステム40は、上述した注文配送システムの搬送モジュール11と実質的に同一の搬送モジュール41に加えて、トラック43の積載容積内に搭載された電動の、フックに吊り下げられたバッグの保管モジュール42を含む。
【0033】
この保管モジュール42は、倉庫47の外壁に穿設された扉46のレベルまでトラックの後部を後方に移動させることにより、連結ユニット45を介して、搬送モジュール41の搬送軌道44に連結することができ、連結ユニット45は搬送軌道44と保管モジュール42との間でフックに吊り下げられたバッグを移送する装置を備えている。
本発明のこの実施形態において、吊り下げられたバッグの移送装置は、可逆的な動作をすることができ、フックに吊り下げられたバッグを搬送軌道44から保管モジュール42に移動させることができると共に、バッグをトラックから降ろすために保管モジュールから搬送軌道44にバッグを移動させることができる。
【国際調査報告】