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特表2022-546556局所的な網膜入射角制御を有する直接網膜刺激のための眼科システム及び方法
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  • 特表-局所的な網膜入射角制御を有する直接網膜刺激のための眼科システム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】局所的な網膜入射角制御を有する直接網膜刺激のための眼科システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/12 20060101AFI20221027BHJP
   A61B 3/10 20060101ALI20221027BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20221027BHJP
   A61B 3/028 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
A61B3/12
A61B3/10 100
A61B3/113
A61B3/028
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514207
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 IB2020058215
(87)【国際公開番号】W WO2021044341
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/895,273
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ナンキビル・デレク
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA10
4C316AA21
4C316AB04
4C316AB08
4C316FA01
4C316FA08
4C316FB26
4C316FY02
4C316FY05
4C316FY09
4C316FY10
(57)【要約】
直接網膜刺激及び局所的な網膜入射角制御を有するOCT網膜撮像のための眼科システム及び方法が開示される。一態様によれば、眼科システムは、眼の網膜に直接光学的刺激を提供するように構成された視標発生器であって、網膜上の直接光学的刺激の入射角が調整され得る、視標発生器を含む。撮像システムはまた、直接光学的刺激への応答を特徴付けるために使用された眼の網膜のOCT画像を生成するように構成された光干渉断層撮影(OCT)撮像システムを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科システムであって、
眼の網膜に直接光学的刺激を提供するように構成された視標発生器であって、前記網膜上の前記直接光学的刺激の入射角が調整され得る、視標発生器と、
前記直接光学的刺激に応答して、前記眼の前記網膜のOCT画像を生成するように構成された光干渉断層撮影(OCT)撮像システムと、を備える、眼科システム。
【請求項2】
前記眼の複数の画像を捕捉するように構成されたカメラを更に備える、請求項1に記載の眼科システム。
【請求項3】
前記OCT撮像システムが、掃引周波数レーザを備える、請求項1に記載の眼科システム。
【請求項4】
前記レーザが、約1020~1080nmを中心とし、掃引速度が約100kHzを超え、帯域幅が少なくとも約nmである、請求項3に記載の眼科システム。
【請求項5】
スペクトルバランスのとれた干渉計トポロジを更に備える、請求項1に記載の眼科システム。
【請求項6】
前記視標発生器によって生成された前記直接光学的刺激が、3つのチャネルを含み、各チャネルが、原色で構成されている、請求項1に記載の眼科システム。
【請求項7】
前記視標発生器が、複数の原色間の光の投影を制御するように構成された選択的に制御可能なシャッタと、直接光源及び前記直接光源の二次フィルタリングを介して前記原色を生成することができるフィルタと、のうちの少なくとも1つを更に備える、請求項6に記載の眼科システム。
【請求項8】
瞳孔への入口位置の制御を提供するように構成された一体型瞳孔追跡システムを更に備える、請求項1に記載の眼科システム。
【請求項9】
前記視標発生器及び前記OCT撮像システムのうちの少なくとも1つが、前記直接光学的刺激の焦点の調整を容易にするように構成されたBadal視力計を備える、請求項1に記載の眼科システム。
【請求項10】
前記視標発生器が、前記直接光学的刺激の周波数又は強度を変調するように構成されている、請求項1に記載の眼科システム。
【請求項11】
前記直接光学的刺激の前記周波数又は前記強度が、チョッパ、音響光学素子、又は電気光学変調器のうちの少なくとも1つを介して変調される、請求項10に記載の眼科システム。
【請求項12】
電気的に制御可能な複屈折素子を更に備える、請求項1に記載の眼科システム。
【請求項13】
前記電気的に制御可能な複屈折素子が、偏光子及び波長板を含む、請求項12に記載の眼科システム。
【請求項14】
方法であって、
視標発生器を介して、眼の網膜に直接光学的刺激を提供することと、
前記網膜上の前記直接光学的刺激の入射角を選択的に調整することと、
光干渉断層撮影(OCT)撮像システムを介して、前記直接光学的刺激に応答して、前記眼の前記網膜の複数のOCT画像を生成することと、を含む、方法。
【請求項15】
カメラを介して前記眼の複数の画像を捕捉することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記視標発生器によって生成された前記直接光学的刺激が、3つのチャネルを含み、各チャネルが、原色で構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
複数の原色間の光の投影を制御するようにシャッタを選択的に制御することと、前記原色を生成することができる直接光源をフィルタリングすることと、のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
一体型瞳孔追跡システムを介して、前記瞳孔への前記直接光学的刺激の入口位置を制御することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記直接光学的刺激の周波数又は強度を変調することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記直接光学的刺激の前記周波数又は前記強度が、チョッパ、音響光学素子、又は電気光学変調器のうちの少なくとも1つを介して変調される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は2019年9月3日に出願された米国特許仮出願第62/895,273号の利益を主張するものである。各々の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
記載される実施形態は、概して、眼科医療デバイスに関する。より具体的には、実施形態は、網膜の光干渉断層撮影(optical coherence tomography、OCT)容積を同時に取得しながら、局所的な網膜入射角制御を有する直接網膜刺激を提示することができる眼科システムに関する。
【背景技術】
【0003】
世界中で近視の発生率が急速に成長しており、それに付随して視覚を脅かす網膜合併症が警戒すべきペースで増加し続けることが予想される。近視の個人に関して大きく懸念されるのが、高度近視に対する、例えば、5又は6ジオプタを超える(つまり、符号規約によると、<-5.00又は-6.00D)状態の進行の可能性であり、これは、視覚補助具なしで機能する個人の能力に劇的に影響を与える。また、高度近視は、とりわけ、網膜疾患、白内障、及び緑内障のリスク増加と関連する。
【0004】
歴史的に見て、矯正レンズは、それぞれ、近視を矯正するために網膜窩の前から、又は遠視を矯正するために網膜窩の後ろから焦点を移すことによって、よりはっきりした像を網膜窩に描くように眼の総焦点(gross focus)を変えるために使用されていた。しかしながら、病態への矯正アプローチは、病態の原因に対応するのではなく、むしろ単に症状に対応する。この蔓延の規模及び経済的影響を考慮すると、近視の進行を軽減するか、又は予防する取り組みが最近加速されている。近視は、典型的には、過度の軸方向伸長又は眼の伸びによって生じる。現在、眼の軸方向伸長は、網膜像の質及び焦点に影響される場合があることが概して理解されている。実験は、網膜画像の質を変化させることが、眼の成長の一貫した予測可能な変化をもたらし得ることを示している。更に、網膜像の焦点を、正レンズ(近視焦点ぼけ)、又は負レンズ(遠視焦点ぼけ)を通してずらすと、課された焦点ぼけを埋め合わせるために眼が伸長することと一致する、眼の伸長の(方向及び大きさの両方の観点から)予測可能な変化につながることがわかっている。
【0005】
光学ぼけと関連する眼の長さにおける変化は、強膜の伸長と脈絡膜の厚さの両方の変化によって変化することがわかっている。正レンズのぼけは、近視ぼけを生じさせて、脈絡膜を厚くし、強膜の伸長速度を低下させ、低減された軸方向成長速度をもたらす。負レンズのぼけは、遠視ぼけを生じさせて、脈絡膜を薄くし、強膜の伸長速度を上昇させ、増加された軸方向成長速度をもたらす。網膜像の焦点ぼけに対応したこれらの眼の伸長の変化は、眼の長さの変化が依然として発生しているとき、視神経が損傷する場合、局所的網膜機構を通して広く媒介されており、局所的網膜領域に焦点ぼけが現れることでその特定の網膜領域に局在した眼の伸長を変化させることが実証されている。
【0006】
ヒトでは、網膜像の質が眼の伸長に影響を及ぼし得るという概念を裏付ける間接的な証拠と直接的な証拠の両方がある。種々の異なる眼の病態は、その全てが眼瞼下垂症、先天性白内障、角膜混濁、硝子体出血及びその他の眼疾患などの形態視覚の破壊をもたらし、若者の異常な眼の伸長と関連することが見出されており、これは、比較的大きな網膜像の質の変更がヒト対象の眼の伸長に影響を与えることを示唆する。ヒトの眼の伸長に及ぼすより繊細な網膜の像の変化の影響が、また、ヒトの眼の伸長及び近視発症の刺激をもたらし得るヒトの焦点調節機構における光学的誤差に基づいてこれまで仮定されている。
【0007】
証拠は、網膜のみが焦点ぼけの兆候を検出することができることを更に示唆する。より具体的には、光干渉断層撮影(OCT)によって提供された高解像度撮像能力を使用することにより、研究者らは、脈絡膜が眼の成長の調節に役割を有しているようであり、焦点ぼけの手掛かりに応答し得ることを示している。更に、モデルは、入射角(angle of incidence、AOI)の関数である円錐内間隔への漏れを評価することによって、網膜が焦点ぼけの兆候を検出し得ることを示唆している。更なるモデル化はまた、網膜が、AOIの関数である円錐内間隔への漏れを評価することによって、焦点ぼけの兆候を検出し得ることを示唆している。
【0008】
近視進行を遅れさせるか、遅延させるか、又は予防するように設計された眼科レンズは、「Ophthalmic Lens With An Optically Non-Coaxial Zone for Myopia Control」と題された、米国特許公開第2019/0227342(A1)号によってBrennan他(以下、「Brennan」)に開示及び特許請求されたレンズ設計を含む、この一連の証拠の1つ又は2つ以上の態様の理解において開発されている。とりわけ、Brennanのレンズ設計のいくつかの実施形態は、AOIを選択的に変調する焦点リングを生成する電力プロファイルを有する環状処理ゾーンを利用する。
【0009】
近視進行(及び潜在的には眼の他の状態)を遅れさせるか、又は予防するための眼科デバイスの設計の設計における更なる前進は、AOIへの網膜の応答、特に脈絡膜又はヒト対象における生体内の刺激の焦点ぼけに関する客観的データから恩恵を受けるであろう。OCTなどの眼科診断システムは、典型的には、対象の固定を可能にし、運動アーチファクトを軽減するために中心窩のある単純な交差様刺激を用いる。しかしながら、市販のOCTシステムは、波長、強度、偏光及び入射角などの刺激のこれらの態様を制御する手段を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、これらの態様を制御し、眼に対するそれらの効果を特徴付けることができるデータを取得することができる効果的なシステム及び方法への必要性が依然として存在する。更に、網膜又は神経学的疾患の早期診断及び個別化された薬剤へのアプローチを増強するために必要な治療効果に対する改善された感度を可能にするそのような所見を適用し、近視を含むがこれに限定されない、眼の状態を遅れさせるか、又は防止することができる改善された眼科デバイスを開発する必要性が依然として存在する。そのような眼科システム及び方法を使用して、刺激焦点ぼけ、波長、強度、偏光並びに健康及び疾患における網膜の解剖学的構造的特徴などのパラメータ間の関係を特徴付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に開示されるのは、網膜の光干渉断層撮影容積を同時に取得しながら、局所的な網膜入射角制御で直接網膜刺激を提示することができる眼科システム及び方法である。
【0012】
一実施形態では、眼科システムは、眼の網膜に直接光学的刺激を提供するように構成された視標発生器であって、網膜上の直接光学的刺激の入射角が調整され得る、視標発生器と、直接光学的刺激に応答して眼の網膜のOCT画像を生成するように構成されたOCT撮像システムと、を含む。
【0013】
更なる実施形態では、方法は、視標発生器を介して、眼の網膜に直接光学的刺激を提供することと、網膜上の直接光学的刺激の入射角を選択的に調整することと、光干渉断層撮影(OCT)撮像システムを介して、直接光学的刺激に応答して、眼の網膜の複数のOCT画像を生成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の前述及び他の特徴と利点は、添付の図面に示されるように、本発明の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。
図1】一実施形態による、視標発生器及びOCT撮像システムを含む眼科システムの代表的な概略図を示す。
図2】一実施形態による、網膜に刺激を提供し、網膜の応答を撮像する方法のフロー図を示す。
図3】一実施形態による、レーザを組み込んだ視標発生器及びOCT撮像システムを含む眼科システムの代表的な概略図を示す。
図4】一実施形態による、ビデオ画面を組み込んだ視標発生器及びOCT撮像システムを含む眼科システムの代表的な概略図を示す。
図5】一実施形態による、OCT撮像システムの光路図を示す。
図6】一実施形態による、視標発生器の光路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、参照番号が特定の要素を示す添付図面に示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、無数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではない。対照的に、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、記載された実施形態の趣旨及び範囲内に含まれ得る代替物、修正及び等価物を包むことが意図されている。
【0016】
「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」等の言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の要素、構造、又は特徴がある実施形態に関連して説明される場合、このような要素、構造、又は特徴を他の実施形態と関連して実施することは、明示されるか否かによらず、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0017】
図1は、一実施形態による、OCT試料アームと称されることもある、視標発生器200及びOCT撮像システム300を含む眼科システムの代表的な概略図を示す。網膜104及び脈絡膜106を含む対象の眼100は、視標発生器200、OCT撮像システム300及びカメラ400と関連付けられた光ビームの光学的な見通し線に位置付けられる。視標発生器200は、眼100の網膜、特に本実施形態では網膜104及び脈絡膜106に直接光学的刺激を提供するように構成されている。直接光学的刺激は、多数の形態をとり得るが、例えば、網膜上に刺激パターンを生成するために、光路を介して網膜104上に直接投影された光ビーム201であり得る。本明細書の実施形態で考察され、当業者によって理解されるように、直接光学的刺激はまた、ビデオ画面、デジタルマイクロミラーデバイス(digital micromirror device、DMD)又は他のデジタル投影源からのレーザ刺激又は刺激を含み得る。当業者はまた、本明細書で具体的に概説される特定のトポロジ及び実施形態に加えて、物体側テレセントリック構成を用いて、改善された光伝達を可能にすることを理解するであろう。視標発生器200は、網膜上の直接光学的刺激の入射角が所望の範囲内で調整され得、中心窩で約±14°を含み得るが、これに限定されないように構成され得る。網膜AOIの調整は、入口瞳孔位置の閉ループ制御を可能にする一体型瞳孔追跡システムを使用して達成され得る。1つの好適な瞳孔追跡システムは、2015年9月1日、Biomedical Optics Express、Carrasco-Zevallos O、Nankibil D、Keller B、Viehland C、Lujan BJ、Izatt JA.、「Pupil tracking Optical Coherence Tomography for Precise Control of Pupil Entry Position」6(9):3405-19に記載されている。
【0018】
視標発生器200によって生成された光学的刺激は、1つ又は2つ以上の発光ダイオード(light emitting diode、LED)から構成され得る光源202から発生し得る。図示されていないが、光源202は、OCTエンジン301に動作可能に接続され、それによって制御され得る。光源202は、原色を生成し得、かつ少なくとも3つのチャネル原色(例えば、赤、緑、青又は他の所望の色)アレイとして実装され得る。場合によっては、選択的に制御可能なシャッタは、原色間の光の投影を制御するように構成され得る。あるいは、代替的に、直接光源は、直接光源202の二次フィルタリングを介して原色を生成するように選択された1つ又は2つ以上のフィルタと対にされ得る。例として、色は、前述のアプローチのうちのいずれか、個々の源の直接電気制御で、又はリオ、ダイクロイック若しくは吸収フィルタを用いる二次フィルタリングを通じて、個々の原色の選択的シャッタリングを通して制御され得る。レンズ204は、光源の下流に位置付けられ、生成された光を矢印203で示される方向に沿って通過させるように構成され得る。網膜スキャナ203は、網膜スキャンのために含まれ得、かつ所望の刺激を生成するように制御され得る。レンズ対206は、ビーム経路203に沿って、網膜スキャナ203の下流に位置付けられ得る。レンズ経路203に沿って更に移動すると、瞳孔スキャナ208は、光を受信し、かつ光をレンズ対210に向け直し得る。瞳孔スキャナ208は、眼球運動を補償し、ひいては所望の入口瞳孔位置及びAOIを維持するために、複数の軸に沿ってリアルタイムで枢動するように制御可能であり得る。ダイクロイックミラー212は、レンズ210から光を受信し、かつ光を眼100に向け直すように位置付けられ得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、視標発生器200は、直接光学的刺激の周波数又は強度を変調するように構成され得る。直接光学的刺激の周波数又は強度の変調は、シャッタ、チョッパ、音響光学素子、又は電気光学変調器を含むがこれらに限定されない様々な手段を通して達成され得る。更に、視標発生器200は、刺激の偏光状態又は強度を制御するために、偏光子、波長板などの電気的に制御可能な複屈折素子を含み得る。更に、視標発生器200は、BADAL視力計、調整可能なレンズ、可変位相マスク、調整可能な撮像望遠鏡、例えば4F望遠鏡などを含めることによってなど、直接光学的刺激の焦点の調整を容易にするように構成されることを含み得る。
【0020】
眼科システムは、視標発生器200の光学的刺激に応答して眼の網膜のOCT画像を生成するように構成されたOCT撮像システム300を更に含む。本実施形態におけるOCTエンジン301は、マイケルソン、マッハ・ツェンダー、透過性又はスペクトルバランスのとれた干渉計などの繊維ベースの干渉計トポロジを利用し得る掃引源OCTエンジンであり得るが、他のOCTエンジン及び干渉計が可能であり得る。本明細書で使用される場合、OCTエンジンは、少なくとも広帯域光源、干渉計及びプロセッサ及び、プロセッサによって実行されると、OCT撮像システム300を本明細書に記載されるように機能させる、その中に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータ処理システムを指す。本実施形態では、OCT撮像システム300は、60度視野(field of view、FOV)にわたって網膜を撮像することができ、約1060nmを中心とし、掃引速度が約200kHzを超え、帯域幅が約100nmである掃引周波数レーザを備える。更に、OCT撮像システム300は、眼の屈折異常を補償するために試料アームビームの焦点の調整を容易にするように構成されたBadal視力計を備え得る。
【0021】
更に図1を参照すると、OCTエンジン301から発生する光ビーム302は、網膜スキャナ304に入る前にレンズ303を通過する。視標発生器200に関して上述したのと同じ様式で、瞳孔スキャナ308は、リアルタイム追跡及び瞳孔の運動の補償のために構成され得る。光ビーム302は、レンズ対310を通って向け直される前に、レンズ対306を通って瞳孔スキャナ308に更に移動する。最後に、光ビーム302は、眼100に入る前にダイクロイックミラー412で反射する。
【0022】
眼科システムは、眼104の画像を捕捉するように位置決めされ、かつ構成されたカメラ400を更に含む。この画像のシーケンスは、いくつかの実施形態では、眼のビデオとして捕捉され得るか、又は組み立てられ得る。これらの画像及びビデオを捕捉することにより、瞳孔運動が特徴付けられ、瞳孔追跡システムへの入力として使用される。
【0023】
図2は、一実施形態による、網膜に直接網膜刺激を提供し、網膜の応答を撮像する例示的な方法のフローチャートを示す。例示的な方法は、図1の眼科システムによって実装され得る。しかしながら、本方法は、網膜を同時に撮像し、かつ刺激する手段を有する任意の好適な眼科撮像システムによって実施され得ることを理解されたい。また、方法のステップは、繰り返し又は再帰的に、又は図示とは異なる順序で実装され得ることにも留意されたい。
【0024】
ステップ401は、視標発生器を介して、眼の網膜に直接光学的刺激を提供することを含む。ステップ402は、網膜上の直接光学的刺激の入射角を選択的に調整することを含む。及びステップ403は、光干渉断層撮影(OCT)撮像システムを介して、直接光学的刺激に応答して変化し得る、眼の網膜の複数のOCT画像及び脈絡膜厚の測定値を生成することを含む。
【0025】
図1を参照して説明した眼科システムを用いて、図2の例示的な方法を実行することができることを理解して、システムを参照して考察された詳細及び変形例が、方法の性能に等しく適用されることが更に理解される。更に、視標発生器によって生成された直接光学的刺激は、少なくとも3つのチャネルを含み得、各チャネルは、原色として機能し得る異なる色で構成されている。更にまた、本方法は、シャッタ又は他の機構を選択的に制御して、個々又は複数の原色間の光の投影を制御して、任意の色の刺激を生成することを伴い得る。方法は、一体型瞳孔追跡システムを介して、瞳孔への直接光学的刺激の入口位置を制御することと、直接光学的刺激の周波数又は強度を変調することであって、直接光学的刺激の周波数又は強度が、チョッパ、音響光学素子、又は電気光学変調器のうちの少なくとも1つを介して変調され得る、変調することと、を伴い得る。
【0026】
図3を参照すると、一実施形態による、レーザ214を組み込んだ視標発生器200及びOCT撮像システム300を含む眼科システムの代表的な概略図が示されている。特に、視標発生器200は、単一の源202に統合された可視波長で3つのレーザ214を利用して実装される。本実施形態における視標発生器200は、本例示的な実装形態では、単一の源202に統合された可視波長で選択されたレーザである3つの視標光源214を含む。これらのレーザの波長は、400~700nmの範囲内であり得、特に473nm(青色)、532nm(緑)及び640nm(赤色)であり得る。本実施形態におけるレーザは、波長分割マルチプレクサ(Thorlabs RBBコンバイナRGB26HF-RGBなど)を使用するか、又は一連の対応するダイクロイックミラー若しくはフィルタを有する自由空間において、単一の源として作用するように統合され得る。代替的に、又は追加的に、レーザはまた、上記の波長で動作するか、又は上記の波長にフィルタリングされたスーパーコンティニュームレーザを含み得る。視標ジオプタ焦点制御220は、機械的ステージ、調整可能なレンズ又は変形可能な鏡上のレンズを使用して提供され得るが、他の焦点調節方法が可能であり得る。ここで、ジオプタ焦点制御220は、3レーザ源ファイバの後の線形並進マウント上のレンズを利用して、網膜画像平面で、光刺激(本明細書における視覚的刺激とも互換的にも称される)の焦点調節及び焦点ずらしを可能にする。いくつかの実施形態では、視標2d運動補償ミラー218と互換的に称される瞳孔スキャナは、いくつかの実施形態では、視標2D位置スキャンミラー216と互換的に称される網膜スキャナからオフセットされて配置され、患者の動きを補償し眼の瞳孔への光刺激のオフセットに対するプログラム制御を可能にする。いくつかの実施形態では、この制御を使用して、網膜にわたる入射角の局所制御を可能にすることができる。視標の視覚的刺激パターンは、2D位置スキャンミラー216の使用を通じて生成され得る。他の実施形態は、ガルバノ対、共役ガルバノ対、空間光変調器又は共振ミラーなどの代替2Dスキャン機構を利用し得る(変調光源の有無にかかわらず)。視標2D運動補償ミラー218及び視標2d位置スキャンミラー216は、プロセッサ(図示せず)に通信可能に結合され、ミラーの位置をリアルタイムで駆動するプロセッサからの信号に応答して、虹彩カメラ400によって検出されるように、また、視標2d位置スキャンミラー216の場合には、所望の視覚的刺激パターンを生成するために所望されるように、患者の運動を補償する。一対のレンズ206又はレンズシステムは、2D位置スキャンミラー216が眼の瞳孔104の画像共役にあり、第2のレンズシステムがOCT試料アームにおいて使用されるのと同じ第2のレンズシステム310であるように、4F撮像望遠鏡構成で構成されている。ダイクロイックミラー212は、4F撮像望遠鏡内に配置されて、虹彩カメラ400及びOCTシステム300と視標の視覚刺激波長を統合する。
【0027】
OCT撮像システム300は、本明細書において取得及び処理コンピュータとも称されるOCTエンジン301を含み、これは、ローカルで市販されているパーソナルコンピュータであり得る。本実施形態におけるOCT源は、200kHzの掃引速度を有する980~1100nmの外部調整可能な空洞波長掃引レーザ312を含む。OCT干渉信号の検出は、インジウムガリウムヒ化物(InGaAs)高速バランスフォトレシーバ314を用いて実行され、本明細書では取得コンピュータとも称されるOCTエンジン301内の高速デジタイザによってデジタル化される。OCT干渉計は、2つの2×2の融合スプライシング繊維カプラ318及び316からなり、一方は、80%~20%のカップリング比を有し、他方は、それぞれ、50%~50%のカップリング比を有する。OCT参照アームは、80/20カプラ318の1つのファイバ出力からの光が50/50カプラ316のファイバ入力に結合されるように、透過トポロジ内にある。参照アームと試料アームとの間の偏光状態は、Thorlabs FPC030などの繊維パドル偏光コントローラ322の使用を通して一致される。次いで、出力光は、Thorlabs T06APC-1064などのコリメータ320で平行にされる。80/20カプラ318の他の繊維出力は、OCT試料アームに接続されている。電子的に、又は手動で制御され得る調整可能なレンズ324は、個人間のジオプタの変動を補償するための焦点調節を可能にする。調整可能なレンズ324は、Optotune EL-3-10など電子的に調整可能であり得るか、又はOptotune ML-20-37など手動で焦点調節可能であり得る。OCT 2Dスキャン運動補償ミラー326は、オフセットガルバノスキャンミラー328からオフセットされて、OCT画像取得中の運動を補償する。オフセットガルバノスキャンミラーは、画像形成を可能にするために、OCTビームの2dスキャンを提供する。OCT視標2D運動補償ミラー326及びOCTオフセットガルバノスキャンミラー328は、プロセッサに通信可能に結合され、ミラーの位置をリアルタイムで駆動するプロセッサからの信号に応答して、虹彩カメラ400によって検出されるように、また、OCTオフセットガルバノスキャンミラー328の場合には、所望の撮像スキャンパターンを生成するために所望されるように、患者の運動を補償する。一対のレンズ又はレンズシステム310は、オフセットガルバノスキャンミラー328が眼の瞳孔の画像共役にあり、第2のレンズシステムが視標4F撮像望遠鏡の第2のレンズシステムであるように、4F撮像望遠鏡構成で構成されている。ダイクロイックミラー412は、4F撮像望遠鏡内に配置されて、視標の視覚的刺激波長を統合する。最後に、レンズ対110、ここではN-FK51Aレンズ対は、OCT撮像4F望遠鏡の第2のレンズ対及び眼100の網膜104への光路における視標リレー4F望遠鏡の第2のレンズ対として機能する。虹彩カメラ照明は、LED108a及び180bの他の構成のリングによって提供される。
【0028】
ここで図4を参照すると、一実施形態による、ビデオ画面222を組み込んだ視標発生器200及びOCT撮像システム300を含む眼科システムについての、代表的な概略図が提供される。特に、視標発生器200は、可視波長(青色、緑色及び赤)を有するビデオ画面222によって、本実施形態において視覚的刺激を生成する。ビデオ画面222は、DFロボットDFR0524などの有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)ディスプレイであり得る。視標ジオプタ焦点制御220は、機械的ステージ、調整可能なレンズ又は変形可能な鏡上のレンズを使用して提供され得るが、他の焦点調節方法が、当業者には明らかであろう。ここで、ジオプタ焦点制御220は、4F望遠鏡の2D運動補償ミラー218の第1のレンズシステムからの焦点距離分離れて、手動調整可能なレンズを利用する。視標2d運動補償ミラー218は、網膜104の画像平面に共役に配置され、患者の動きを補償し、かつ眼の瞳孔への光学的刺激のオフセットに対するプログラム制御を可能にし、4F望遠鏡の2D運動補償ミラー218の2つのレンズシステム間の中間焦点面に位置する。この制御を使用して、網膜104にわたる入射角の局所制御を可能にすることができる。視標の視覚的刺激パターンは、2D位置スキャンミラー218の使用を通じて生成され得る。他の実施形態は、ガルバノ対、共役ガルバノ対、空間光変調器又は共振ミラーなどの代替2Dスキャン機構を利用し得る(変調光源の有無にかかわらず)。視標2D運動補償ミラー218及び視標2d位置スキャンミラー216は、プロセッサ(図示せず)に通信可能に結合され、ミラーの位置をリアルタイムで駆動するプロセッサからの信号に応答して、虹彩カメラ400によって検出されるように、また、視標2d位置スキャンミラー216の場合には、所望の視覚的刺激パターンを生成するために所望されるように、患者の運動を補償する。一対のレンズ206又はレンズシステムは、2D位置スキャンミラーが眼の瞳孔の画像共役にあり、第2のレンズシステムがOCT試料アームにおいて使用されるのと同じ第2のレンズシステムであるように、4F撮像望遠鏡構成で構成されている。ダイクロイックミラー212は、4F撮像望遠鏡内に配置されて、虹彩カメラ及びOCTシステムと視標の視覚的刺激波長を統合する。
【0029】
OCT撮像システム300は、本明細書において取得及び処理コンピュータとも称されるOCTエンジン301を含み、これは、ローカルで市販されているパーソナルコンピュータであり得る。本実施形態におけるOCT源は、200kHzの掃引速度を有する980~1100nmの外部調整可能な空洞波長掃引レーザ312を含む。OCT干渉信号の検出は、InGaAs高速バランス光受信器314を用いて実行され、取得コンピュータ301内の高速デジタイザによってデジタル化される。OCT干渉計は、2つの2×2の融合スプライシング繊維カプラ318及び316からなり、一方は、80%~20%のカップリング比を有し、他方は、それぞれ、50%~50%のカップリング比を有する。OCT参照アームは、80/20カプラ318の1つのファイバ出力からの光が50/50カプラ316のファイバ入力に結合されるように、透過トポロジ内にある。参照アームと試料アームとの間の偏光状態は、Thorlabs FPC030などの繊維パドル偏光コントローラ322の使用を通して一致される。次いで、出力光は、Thorlabs T06APC-1064などのコリメータ320aで平行にされる。80/20カプラ318の他の繊維出力は、OCT試料アームに接続されている。電子的に、又は手動で制御され得る調整可能なレンズ330は、個人間のジオプタの変動を補償するための焦点調節を可能にする。調整可能なレンズ330は、Optotune EL-3-10など電子的に調整可能であり得るか、又はOptotune ML-20-37など手動で焦点調節可能であり得る。OCT 2Dスキャン運動補償ミラー326は、網膜画像平面に共役に配置されて、OCT画像取得中の運動を補償する。オフセットガルバノスキャンミラー328は、画像形成を可能にするために、OCTビームの2dスキャンを提供する。一対のレンズ又はレンズシステム310は、オフセットガルバノスキャンミラーが眼の瞳孔の画像共役にあり、第2のレンズシステムが視標4F撮像望遠鏡の第2のレンズシステムであるように、4F撮像望遠鏡構成で構成されている。ダイクロイックミラー412は、4F撮像望遠鏡内に配置されて、視標の視覚的刺激波長を統合する。最後に、レンズ対110、ここではN-FK51Aレンズ対は、OCT撮像4F望遠鏡の第2のレンズ対及び眼100の網膜104への光路における視標リレー4F望遠鏡の第2のレンズ対として機能する。虹彩カメラ照明は、LED108a及び180bの他の構成のリングによって提供される。
【0030】
ここで図5を参照すると、一実施形態による、例示的な眼科システムのOCT撮像システム部分の光路図が示されている。破線の上方の図の上部の領域は、OCT撮像システムの側面図を表し、破線の下方の図の下部は、OCT撮像システムの上面図を表す。Thorlabs TC06APC-1064などのOCT試料アームコリメータ320は、OCT光源を平行にする。Optotune EL-3-10-NIRなどの電子制御可能な調整可能なレンズ330は、OCTジオプタ焦点制御を提供する。次に、OCTビームは、OCT 2D運動補償ミラー326に入る前のOCT 2D運動補償ミラー4F望遠鏡の第1のレンズ対として機能する、Edmund光学系45-806などの色消しレンズ対329を横切り、Optotune MR-15ミラー-30ミラーを使用して実装される。Edmund光学系45~805などの色消しレンズ対327は、OCT 2D運動補償ミラー4F望遠鏡の第2のレンズ対として機能する。網膜スキャナ328は、OCT撮像4f望遠鏡で眼の瞳孔に共役である。レンズ対310は、OCT撮像4f望遠鏡の第1のレンズ対として機能する。ここでは、Semrock FF872-DI01-42X50であるダイクロックミラー412は、OCT及び視標の光路を統合する。最後に、レンズ対110、ここではN-FK51Aレンズ対は、OCT撮像4F望遠鏡の第2のレンズ対及び眼100への光路における視標リレー4F望遠鏡の第2のレンズ対として機能する。
【0031】
図6は、図5に対応する例示的な眼科システムの視標発生器部分の光路図を示す。この実施例では、OLEDビデオ画面222、この例では、DFR0524ビデオスクリーン視標によって光刺激が提供される。開口を制限するOptotune、ML-20-37として実装される手動調整可能なレンズは、視標のジオプタ焦点制御を可能にする。色消しレンズシステム、具体的には2つの空気間隔の色消しダブレットが組み合わされて、視標2D運動補償ミラー4F望遠鏡の第1のレンズシステムとして機能する単一レンズシステムを形成する。2d運動補償ミラー218は、Optotune MR-15ミラーを使用して実装される。色消しレンズシステム、2つの空気間隔の色消しダブレット232は、4F望遠鏡の第1のレンズとして機能する単一レンズシステムを形成する。第2の色消しレンズシステム、2つの空気間隔の色消しダブレット234は、視標2D運動補償ミラー4F望遠鏡の第2のレンズとして機能する単一レンズシステムを形成する。色消しトリプレットレンズシステム(Edmund光学系49-279)236は、視標リレー4F望遠鏡の第1のレンズシステムとして機能する。Edmund光学系64-439を使用して実装されたダイクロイックミラー212は、視標及び虹彩カメラ光学システムを統合する。ここで、Semrock FF872-DI01-42X50であるダイクロックミラー412は、OCT及び視標の光路を統合する。最後に、N-FK51Aレンズ対110は、OCT画像4F望遠鏡の第2のレンズ対及びビーム経路に沿って眼100に向かう視標リレー4F望遠鏡の第2のレンズ対として機能する。
【0032】
前述の説明は、説明の目的で、説明された実施形態の完全な理解を提供するために特定の用語体系を使用した。しかしながら、記載された実施形態を実施するために、特定の詳細の多くが必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載の特定の実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示される。それらは、網羅的であること、及び開示した正確な形態に本開示を制限することを目的とするものではない。上記の教示を考慮して多くの修正及び変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0033】
「発明を実施するための形態」セクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることを意図している。「発明の概要」及び「要約」のセクションは、本発明者によって想到されるような、本発明の1つ又は2つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0034】
特定実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示や指導に基づいて、開示の実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0035】
本発明の広さ及び範囲は、前述した代表的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではないが、
以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。
【0036】
〔実施の態様〕
(1) 眼科システムであって、
眼の網膜に直接光学的刺激を提供するように構成された視標発生器であって、前記網膜上の前記直接光学的刺激の入射角が調整され得る、視標発生器と、
前記直接光学的刺激に応答して、前記眼の前記網膜のOCT画像を生成するように構成された光干渉断層撮影(OCT)撮像システムと、を備える、眼科システム。
(2) 前記眼の複数の画像を捕捉するように構成されたカメラを更に備える、実施態様1に記載の眼科システム。
(3) 前記OCT撮像システムが、掃引周波数レーザを備える、実施態様1に記載の眼科システム。
(4) 前記レーザが、約1020~1080nmを中心とし、掃引速度が約100kHzを超え、帯域幅が少なくとも約nmである、実施態様3に記載の眼科システム。
(5) スペクトルバランスのとれた干渉計トポロジを更に備える、実施態様1に記載の眼科システム。
【0037】
(6) 前記視標発生器によって生成された前記直接光学的刺激が、3つのチャネルを含み、各チャネルが、原色で構成されている、実施態様1に記載の眼科システム。
(7) 前記視標発生器が、複数の原色間の光の投影を制御するように構成された選択的に制御可能なシャッタと、直接光源及び前記直接光源の二次フィルタリングを介して前記原色を生成することができるフィルタと、のうちの少なくとも1つを更に備える、実施態様6に記載の眼科システム。
(8) 瞳孔への入口位置の制御を提供するように構成された一体型瞳孔追跡システムを更に備える、実施態様1に記載の眼科システム。
(9) 前記視標発生器及び前記OCT撮像システムのうちの少なくとも1つが、前記直接光学的刺激の焦点の調整を容易にするように構成されたBadal視力計を備える、実施態様1に記載の眼科システム。
(10) 前記視標発生器が、前記直接光学的刺激の周波数又は強度を変調するように構成されている、実施態様1に記載の眼科システム。
【0038】
(11) 前記直接光学的刺激の前記周波数又は前記強度が、チョッパ、音響光学素子、又は電気光学変調器のうちの少なくとも1つを介して変調される、実施態様10に記載の眼科システム。
(12) 電気的に制御可能な複屈折素子を更に備える、実施態様1に記載の眼科システム。
(13) 前記電気的に制御可能な複屈折素子が、偏光子及び波長板を含む、実施態様12に記載の眼科システム。
(14) 方法であって、
視標発生器を介して、眼の網膜に直接光学的刺激を提供することと、
前記網膜上の前記直接光学的刺激の入射角を選択的に調整することと、
光干渉断層撮影(OCT)撮像システムを介して、前記直接光学的刺激に応答して、前記眼の前記網膜の複数のOCT画像を生成することと、を含む、方法。
(15) カメラを介して前記眼の複数の画像を捕捉することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
【0039】
(16) 前記視標発生器によって生成された前記直接光学的刺激が、3つのチャネルを含み、各チャネルが、原色で構成される、実施態様14に記載の方法。
(17) 複数の原色間の光の投影を制御するようにシャッタを選択的に制御することと、前記原色を生成することができる直接光源をフィルタリングすることと、のうちの少なくとも1つを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 一体型瞳孔追跡システムを介して、前記瞳孔への前記直接光学的刺激の入口位置を制御することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(19) 前記直接光学的刺激の周波数又は強度を変調することを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(20) 前記直接光学的刺激の前記周波数又は前記強度が、チョッパ、音響光学素子、又は電気光学変調器のうちの少なくとも1つを介して変調される、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】