(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】影響マップ
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20221027BHJP
F24F 11/38 20180101ALI20221027BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20221027BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20221027BHJP
【FI】
G06Q10/00
F24F11/38
F24F11/52
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514848
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 US2020049758
(87)【国際公開番号】W WO2021046542
(87)【国際公開日】2021-03-11
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】512042662
【氏名又は名称】ヴィジレント コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】VIGILENT CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェデルスピール, クリフォード, シー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラディ, ピーター, シー.
【テーマコード(参考)】
3L260
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
3L260AA04
3L260AA11
3L260AB07
3L260BA41
3L260BA57
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3L260GA11
5E555AA22
5E555AA23
5E555BA01
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5E555EA07
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5E555FA00
5L049AA20
(57)【要約】
実施形態は、環境制御空間内の他の環境維持装置に対する環境維持装置の影響を決定する。決定された影響は例えば、影響マップを使用してモデル化され、グラフィカルに表されてもよい。データセンタの場合、例示的な影響マップは、1つ以上のコンピュータルームエアコン(CRAC)がそれ自体及びデータセンタ内の他のCRACに及ぼす影響を示すことができる。オフィスビルの場合、例示的な影響マップは、1つ以上の選択された可変空気量(VAV)端末ユニットが、自身のサーモスタット読み取り値およびオフィスビル内の他のVAV端末ユニットのサーモスタット読み取り値及ぼす影響を示すことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムによって実行することを含む方法であって、
ある期間にわたる、環境制御空間内に設けられた複数の環境維持装置に関連する履歴データを受信することであって、前記複数の環境維持装置は、第1の環境維持装置および第2の環境維持装置を含む、受信することと、
前記複数の環境維持装置に関連する前記履歴データを集約することと、
前記複数の環境維持装置に関連する前記集約された履歴データに基づいて、前記複数の環境維持装置のうちの1つ以上の間の関係の第1のセットを決定することと、
選択された環境維持装置として前記複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを選択する入力を受信することと、
前記選択された環境維持装置に基づいて関係の前記第1のセットのサブセットを識別することであって、関係の前記第1のセットの前記サブセットは、前記選択された環境維持装置が前記複数の環境維持装置のうちの残りの装置に及ぼす影響、または、前記複数の環境維持装置のうちの残りの装置が前記選択された環境維持装置に及ぼす影響を示す、識別することと、
関係の前記第1のセットの前記サブセットの視覚的表現を生成することであって、前記視覚的表現は、前記選択された環境維持装置が前記複数の環境維持装置の残りの装置に及ぼす前記影響、または、前記複数の環境維持装置の残りの装置が前記選択された環境維持装置に及ぼす前記影響を視覚的に示す、生成することと、
前記視覚的表現を表示装置に表示することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の環境維持装置に関連する前記履歴データは、前記期間にわたる、前記第1の環境維持装置に関連する測定データまたは計算データを含み、
前記第2の環境維持装置に関連する前記履歴データは、前記期間にわたる、前記第2の環境維持装置に関連する測定データまたは計算データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の環境維持装置は、第1のアクチュエータおよび第1のセンサを含み、
前記第2の環境維持装置は、第2のアクチュエータおよび第2のセンサを含み、
関係の前記第1のセットは、前記第1のアクチュエータと前記第1のセンサとの間の関係、前記第1のアクチュエータおよび前記第1のセンサの状態変数の間の関係、前記第2のアクチュエータと前記第2のセンサとの間の関係、前記第2のアクチュエータおよび前記第2のセンサの状態変数の間の関係、前記第1のアクチュエータと前記第2のセンサとの間の関係、または前記第1のセンサと前記第2のアクチュエータとの間の関係のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択された環境維持装置は、前記第1の環境維持装置であり、関係の前記第1のセットの前記サブセットは、少なくとも、前記第1の環境維持装置がそれ自体に及ぼす影響、および、前記第1の環境維持装置が前記第2の環境維持装置に及ぼす影響を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを選択する前記入力は、2つ以上の選択された環境維持装置を含み、前記方法は、
選択された2つ以上の環境維持装置と複数の環境維持装置の残りの1つとの間の関係を第1のセットの関係のサブセットとして識別することであって、視覚的表現は、複数の環境維持装置の残りの1つに対する選択された2つ以上の環境維持装置の集合的影響を表す、識別することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の環境維持装置のそれぞれの位置に関連する位置情報を、前記コンピュータによって受信することと、
前記環境制御空間の電子マップを格納することと、
前記複数の環境維持装置に関連する前記位置情報に基づいて前記複数の環境維持装置を前記電子マップ上に配置することと、
前記表示装置上に表示された前記視覚的表現に前記電子マップを組み込むことと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
関係の前記第1のセットは、1つ以上の視覚的合図を使用して前記視覚的表現上に表される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
関係の第1のセットの前記サブセットを表す前記複数の環境維持装置のそれぞれの数値を決定することと、
前記数値を、対応する環境維持装置と共に前記視覚的表現上に表示することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の環境維持装置に関連する少なくとも前記履歴データに基づいて、前記複数の環境維持装置のうちの前記1つ以上の間の関係の1つ以上の追加のセットを決定することをさらに含み、関係の前記第1のセットおよび関係の前記1つ以上の追加のセットは、熱伝達率、空気流量、または潜熱伝達率を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータ製品であって、前記複数の命令は、実行されると、コンピュータに、
ある期間にわたる、環境制御空間内に設けられた複数の環境維持装置に関連する履歴データを受信することであって、前記複数の環境維持装置は、第1の環境維持装置および第2の環境維持装置を含む、受信することと、
前記複数の環境維持装置に関連する前記履歴データを集約することと、
前記複数の環境維持装置に関連する前記集約された履歴データに基づいて、前記複数の環境維持装置のうちの1つ以上の間の関係の第1のセットを決定することと、
選択された環境維持装置として前記複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを選択する入力を受信することと、
前記選択された環境維持装置に基づいて関係の前記第1のセットのサブセットを識別することであって、関係の前記第1のセットのサブセットは、前記選択された環境維持装置が前記複数の環境維持装置のうちの残りの装置に及ぼす影響、または、前記複数の環境維持装置のうちの残りの装置が前記選択された環境維持装置に及ぼす影響を示す、識別することと、
関係の前記第1のセットの前記サブセットの視覚的表現を生成することであって、前記視覚的表現は、前記選択された環境維持装置が前記複数の環境維持装置の残りの装置に及ぼす前記影響、または、前記複数の環境維持装置の残りの装置が前記選択された環境維持装置に及ぼす前記影響を視覚的に示す、生成することと、
前記視覚的表現を表示装置に表示することと、
を行わせる、コンピュータ製品。
【請求項11】
前記第1の環境維持装置に関連する前記履歴データは、前記期間にわたる、前記第1の環境維持装置に関連する測定データまたは計算データを含み、
前記第2の環境維持装置に関連する前記履歴データは、前記期間にわたる、前記第2の環境維持装置に関連する測定データまたは計算データを含む、請求項10に記載のコンピュータ製品。
【請求項12】
前記第1の環境維持装置は、第1のアクチュエータおよび第1のセンサを含み、
前記第2の環境維持装置は、第2のアクチュエータおよび第2のセンサを含み、
関係の前記第1のセットは、前記第1のアクチュエータと前記第1のセンサとの間の関係、前記第1のアクチュエータおよび前記第1のセンサの状態変数の間の関係、前記第2のアクチュエータと前記第2のセンサとの間の関係、前記第2のアクチュエータおよび前記第2のセンサの状態変数の間の関係、前記第1のアクチュエータと前記第2のセンサとの間の関係、または前記第1のセンサと前記第2のアクチュエータとの間の関係のうちの1つ以上を含む、請求項11に記載のコンピュータ製品。
【請求項13】
前記選択された環境維持装置は、前記第1の環境維持装置であり、関係の前記第1のセットの前記サブセットは、少なくとも、前記第1の環境維持装置がそれ自体に及ぼす影響、および、前記第1の環境維持装置が前記第2の環境維持装置に及ぼす影響を含む、請求項11に記載のコンピュータ製品。
【請求項14】
前記複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを選択する前記入力は、2つ以上の選択された環境維持装置を含み、前記命令は、前記コンピュータに、
前記選択された2つ以上の環境維持装置と、前記複数の環境維持装置の残りの装置との間の関係を、関係の前記第1のセットの前記サブセットとして識別することであって、前記視覚的表現は、選択された2つ以上の環境維持装置が前記複数の環境維持装置の残りの装置に及ぼす集合的影響を表す、識別すること、
をさらに行わせる、請求項10に記載のコンピュータ製品。
【請求項15】
前記命令は、前記コンピュータに、
前記複数の環境維持装置のそれぞれの位置に関連する位置情報を受信することと、
前記環境制御空間の電子マップを格納することと、
前記複数の環境維持装置に関連する前記位置情報に基づいて前記複数の環境維持装置を前記電子マップ上に配置することと、
前記表示装置に表示される視覚的表現に前記電子マップを組み込むことと、
をさらに行わせる、請求項10に記載のコンピュータ製品。
【請求項16】
前記命令は、前記コンピュータに、
前記複数の環境維持装置のリストを含むグラフィカルユーザインタフェースを生成することであって、前記複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを選択する前記入力は、前記グラフィカルユーザインタフェースを介して受信される、生成すること、
をさらに行わせる、請求項10に記載のコンピュータ製品。
【請求項17】
前記命令は、前記コンピュータに、
関係の第1のセットの前記サブセットを表す前記複数の環境維持装置のそれぞれの数値を決定することと、
前記数値を、対応する環境維持装置と共に前記視覚的表現上に表示することと、
をさらに行わせる、請求項10に記載のコンピュータ製品。
【請求項18】
前記命令は、前記コンピュータに、
前記複数の環境維持装置に関連する少なくとも前記履歴データに基づいて、前記複数の環境維持装置のうちの前記1つ以上の間の関係の1つ以上の追加のセットを決定することであって、関係の前記第1のセットおよび関係の前記1つ以上の追加のセットは、熱伝達率、空気流量、および潜熱伝達率を含む、決定すること、
をさらに行わせる、請求項10に記載のコンピュータ製品。
【請求項19】
前記命令は、前記コンピュータに、
関係のすべてのセットを含むリストを含むグラフィカルユーザインタフェースを生成することと、
前記グラフィカルユーザインタフェースを介して関係の前記第1のセットを選択する入力を受信することと、
をさらに行わせる、請求項18に記載のコンピュータ製品。
【請求項20】
環境維持システムであって、
複数の環境維持装置と、
前記複数の環境維持装置および請求項10に記載のコンピュータ製品と通信可能にリンクされ、請求項10に記載のコンピュータ製品の前記複数の命令を実行するように構成されたコンピュータと、
前記コンピュータによって生成された前記視覚的表現を表示するために前記コンピュータと通信可能にリンクされた表示装置と、
を備える、環境維持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年年9月6日に出願された「影響マップ(Effectiveness Map)」という名称の米国仮特許出願第62/897099号に対して、35USC§119(e)に基づく利益を主張し、その開示は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
しばしば、空間(例えば、家庭、建物、オフィス、コンピュータおよびサーバの大きなアレイを含むデータセンタのコンピュータルーム)の温度および湿度などの物理的状態の値が制御される。物理的状態を制御するために、物理的状態のうちの1つ以上を修正することができる、センサおよび環境維持モジュール、または単にモジュールを含む装置が空間に設けられる。モジュールは、当該モジュールの動作を制御する、環境アクチュエータ、又は単にアクチュエータと呼ばれる1つ以上の調整可能な構成要素を有する。
【0003】
製造業者は典型的にはコントローラを内蔵し、アクチュエータのための外部からアクセス可能および/または調整可能な設定値(セットポイント)を備えた一体型ユニットとして環境維持モジュールを提供する。これらのモジュールは環境的に制御されるべき空間に設置されるか、または少なくともその空間に、例えば配管によって機能的に接続される。設定値は管理スペース内の所望の物理的状態を最良に維持するために、管理者(要員、データセンタ運用要員、管理者、所有者、意思決定者、機器設置者など)によって選択される。環境制御空間は、1つ以上の物理的状態(物理的コンディション)の値を読み取り/測定し、読み取り値/測定値をアクチュエータの設定値と比較する1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0004】
環境維持装置(制御された空間内の環境維持モジュールおよびセンサを含む)は同じ密閉空間(例えば、同一室、同一床、同一建物など)内の他の環境維持装置に影響を及ぼす可能性がある。所与の環境維持装置が他の環境維持装置に及ぼす影響は、他の環境維持モジュールのそれぞれの設定値に達するか、またはその設定値を維持することに影響を及ぼす可能性がある。現在のシステムは、所与の環境維持装置が他の環境維持装置に及ぼす影響を決定および/または可視化するための技術を提供していない。
【発明の概要】
【0005】
実施形態は、コンピュータシステムによって実行される方法を提供する。この方法は、ある期間にわたる、環境制御空間内に設けられた複数の環境維持装置に関連付けられた履歴データを受信することを含む。前記複数の環境維持装置は、第1の環境維持装置と第2の環境維持装置とを含む。前記複数の環境維持装置に関連付けられた前記履歴データが集約される。前記方法は、前記複数の環境維持装置に関連付けられた前記集約された履歴データに基づいて、前記複数の環境維持装置のうちの1つ以上の間の関係の第1のセットを決定することを含む。前記コンピュータシステムは、前記複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを、選択された環境維持装置として選択する入力を受信する。前記方法はまた、前記選択された環境維持装置に基づいて、関係の第1のセットのサブセットを識別(特定)することを含む。関係の第1のセットの前記サブセットは、前記選択された環境維持装置が前記複数の環境維持装置の残りの装置に及ぼす影響、または、前記複数の環境維持装置の残りの装置が前記選択された環境維持装置に及ぼす影響を示す。前記方法は、関係の前記第1のセットの前記サブセットの視覚的表現を生成することをさらに含む。前記視覚的表現は、前記選択された環境維持装置が前記複数の環境維持装置の残りの装置に及ぼす前記影響、又は、前記複数の環境維持装置の残りの措置が前記選択された環境維持装置に及ぼす前記影響を視覚的に示す。前記視覚的表現は、表示装置上に表示される。
【0006】
実施形態は、実行されると、コンピュータに上述の方法を実行させる複数の命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータ製品をさらに提供する。
【0007】
前記複数の命令は、実行されると、さらに、前記コンピュータに、前記複数の環境維持装置のリストを含むグラフィカルユーザインタフェースを生成させる。前記複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを選択する前記入力は、前記グラフィカルユーザインタフェースを介して受信される。いくつかの実施形態において、前記グラフィカルユーザインタフェースは、関係のすべてのセットを含むリストを含むことができ、関係の前記第1のセットを選択する前記入力は、前記グラフィカルユーザインタフェースを介して受信されてもよい。
【0008】
実施形態はまた、複数の環境維持装置と、前記複数の環境維持装置及び上述のコンピュータ製品と通信可能にリンクされ、前記コンピュータ製品の前記複数の命令を実行するように構成されたコンピュータと、前記コンピュータによって生成された前記視覚的表現を表示するために前記コンピュータと通信可能にリンクされた表示装置とを備える環境維持システムを提供する。
【0009】
本開示のこれらおよび他の実施形態は、以下に詳細に記載される。例えば、他の実施形態は、本明細書で説明される方法に関連するシステム、装置、およびコンピュータ可読媒体を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、監視コントローラを使用して環境制御空間を制御するシステムのブロック図を示す。
【0011】
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による、環境制御空間内の選択されたセンサに対する環境維持モジュールの影響を示す例示的な影響マップを示す。
【0012】
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、環境制御空間内のセンサに対する選択された環境維持モジュールの影響を示す例示的な影響マップを示す。
【0013】
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による、環境制御空間において1つ以上の影響マップを生成する方法のフローチャートである。
【0014】
【
図5】
図5は、本発明の実施形態によるシステムおよび方法と共に使用可能な例示的なコンピュータ装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態は、環境維持装置が環境制御された空間(例えば、オフィスビルのフロア、データセンタ)内の他の環境維持装置(例えば、冷却装置、HVACユニット、可変空気量(VAV)ボックス、ルームセンサ)に及ぼす影響(エフェクト)を決定する。様々な実施形態によれば、決定された影響は例えば、影響マップを使用してモデル化され、グラフィカルに表されてもよい。データセンタの場合、例示的な影響マップは、1つ以上のコンピュータルームエアコン(CRAC)がそれ自体に与える影響、およびデータセンタ内の他のCRACに与える影響を示すことができる。換言すれば、影響マップは、1つ以上のCRACの冷却作用が、その温度読み取り値(例えば、戻り空気温度、供給/排出空気温度)に及ぼす影響、及び、データセンタ内の他のCRACの温度読取値に及ぼす影響を図示することができる。CRACの温度読み取り値はCRACに結合される(例えば、CRAC内に提供されるか、又はプログラム的に結合される)センサを使用して測定されてもよい。オフィスビルの場合、例示的な影響マップは、1つ以上の選択された可変空気量(VAV)端末ユニット(またはビル内の室温を制御する任意の他の装置)が、それ自体のサーモスタット読み取り値およびオフィスビル内の他のVAV端末ユニットのサーモスタット読み取り値に及ぼす影響を示すことができる。
【0016】
作用(influence)マップと影響(effectiveness)マップとの間の重要な違いは、例示的な作用マップは、異なる種類の装置(例えば、データセンタラック)に対する1つの装置(例えば、CRACユニット)の作用を示すことである。一方、例示的な影響マップは、1つのタイプの装置がそれ自体を含む同じタイプの装置に対して及ぼす影響を示す。もう一つの重要な違いは、自己影響がプログラム的であることである。すなわち、環境維持装置は、自動的かつプログラム的に、設計によって自身の温度センサに反応する。いくつかの実施形態では、環境維持装置の温度センサは、環境維持装置の外部(例えば、環境維持装置とは別に配置されているが、環境維持装置にプログラム的に接続されている温度センサを備えた可変空気量(VAV)ボックス)にあってもよい。例示的な影響マップは、自身に最も大きな影響を及ぼし、制御空間に設けられた他の環境維持装置に様々なレベルの影響を及ぼす、選択された環境維持装置をグラフィカルに示す。しかしながら、環境維持装置のサーバラックへの作用を示す作用マップの場合、ソフトウェアは、環境維持装置の出力と、サーバラックに結合された温度センサとの関係を確立しなければならない。そうでなければ、環境維持装置は、環境維持装置に結合された監視ソフトウェアなしではサーバラック温度に自動的かつプログラム的に反応しない。
【0017】
I.環境制御空間
しばしば、密閉された物理的空間は、特定の所望の範囲内に維持された様々な物理的状態(コンディション)を有する必要がある。このような空間の例には、個々のルーム、オフィスビルのフロア全体、およびデータセンタのコンピュータサーバルームが含まれる。そのような物理的状態の例には、とりわけ、温度、圧力および湿度、汚染、病原体が含まれる。
【0018】
図1は、様々な実施形態による例示的な環境維持システムを示す。例示的な環境維持システムは、複数の環境維持装置を含む環境制御空間120と、複数の環境維持装置と通信可能にリンク(接続)されたコンピュータ100と、コンピュータ100と通信可能にリンクされた表示装置108とを含んでもよい。
【0019】
複数の環境維持装置は環境維持モジュール122、124、126(例えば、エアハンドリングユニット(AHU)、エアコン(AC)、冷却装置、HVACユニット、可変空気量(VAV)ボックス、コンピュータルームエアコン(CRAC))及びセンサ(例えば、センサ154)を含む。様々な実施形態によれば、環境維持モジュールは所定の物理的特性(例えば、温度、湿度)のセットを有する所定の空気流量の空気を環境制御空間120に供給する第1の環境維持モジュール122を含んでもよい。第1の環境維持モジュール122に関連する空気流量および物理的特性のセットは、環境制御空間120内の環境変数に影響を及ぼし得、第2の環境維持モジュールのプログラムによって、第2の環境維持モジュール124および/または126の空気流量および物理的特性を変化させる影響を有し得る。
【0020】
例示的な環境維持モジュール122、124はそれぞれ、アクチュエータ132、142(例えば、ファン、弁(バルブ)、ポンプ、汎用位置決め装置)およびセンサ134、144(例えば、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ)を含んでもよい。アクチュエータ132、142はそれぞれ、それぞれのモジュール122、124を通るフロー(例えば、空気のフロー)を制御することができる。モジュール122、124は、物理的状態に影響を与えるように機能するファン速度またはバルブ設定のような種々の調整可能な構成要素(コンポーネント)を有する。これらの構成要素は、ファン上の電圧設定またはバルブ上のターン設定などのアクチュエータ132、142の値によって制御される。環境維持モジュール122、124は、1つ以上のセンサ値に応じて(例えば、センサ値を所望の値に近い値に保つために)アクチュエータ状態変数を制御するコントローラを含んでもよい。
【0021】
アクチュエータの調整可能な設定は「状態変数」と呼ばれ、状態変数の例にはファン電圧およびバルブ設定が含まれ、「アクチュエータ値」という用語は、ここでは状態変数の特定の値を指すために使用される。アクチュエータ値は「オン」または「オフ」を含むブール値(真偽値)、実数値、16進値、可能な範囲のパーセント(例えば、バルブ開度50%)、または他の形式のデータ値を含むことができる。文脈から明らかな場合、「状態変数」および「アクチュエータ値」という用語は、互換的に使用することができる。様々な実施形態によれば、所与の状態変数は、アクチュエータ値が所望の設定値を満たすように動的に変更される状態変数についての定義された目標値である設定値(例えば、所望の設定値)を有する可能性がある。
【0022】
他の例示的な環境維持モジュール(環境維持モジュール126など)は、アクチュエータおよび/またはセンサを含んでもよい。環境維持モジュール126は、プログラム的な方法で環境維持モジュール126に関連付けられている外部センサ(センサ154など)の環境センサ読み取り値に応じて、その供給空気のフロー(流れ)/特性を変更するように構成することができる。独立型(スタンドアロン)センサ154は、環境制御空間120の物理的特性、又は環境維持モジュール126のような他の環境維持装置の物理的特性を測定するように構成された環境維持装置である。
【0023】
様々な実施形態によれば、環境維持モジュール122、124、126は、他の環境維持モジュール122、124、126と関連する環境センサ読み取り値に応答するように構成されていない。例えば、環境維持モジュール122は、センサ144又は154の読み取り値に応答しない場合がある。しかし、センサ144および154は、環境維持モジュール122の出力によって影響を受ける可能性がある。すなわち、環境維持モジュール122は、センサ144、154によってそれぞれ捕捉(キャプチャ)される環境維持モジュール124、126に影響を及ぼすことになる。
【0024】
環境維持モジュール(例えば、モジュール122)は他の環境維持モジュール(例えば、モジュール124、126)のプログラム動作から機能的に分離されたプログラム動作を有することができる。いくつかの実施形態では、監視コントローラが、各環境維持モジュール122、124、126に対する隔離されたプログラム動作を具体化することができる。例えば、第1の環境維持モジュール(例えば、コンピュータルームエアハンドラ(CRAH))の供給空気は、第2の環境維持モジュールへの戻り空気に影響を及ぼし得る。第2の環境維持モジュールはその供給空調を応答して調整することができるが、応答を定義するプログラム的挙動は、他の環境維持モジュールに関係なく、第2の環境維持モジュールに固有のものとすることができ(例えば、応答は第2の環境維持モジュールが通信ネットワークを介して監視コントローラに接続されていないときに依然として残ることができる)、かつ/または監視コントローラ上で実施することができる。
【0025】
様々な実施形態によれば、環境維持装置122、124、126、154は、環境制御空間120内に広げられてもよい。いくつかの実施形態では、各装置122、124、126、154は特定の位置を割り当てられてもよく、したがって、特定の位置情報130、140、150、160(例えば、空間内の装置の座標、または空間のフロアプラン上の装置の指定された物理的位置)に関連付けられてもよい。環境制御空間120のマップが与えられると、環境制御空間120内の装置122、124、126、154は、それぞれの位置座標130、140、150、160に基づいてマップ上に配置されてもよい。
【0026】
コンピュータ100は、環境制御空間120内のセンサ122、124、126、154及び/又はアクチュエータ132、142の一部又は全てと通信可能にリンクすることができる。コンピュータ100は、汎用コンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含んでもよい。コンピュータ100は、ユーザ118が環境維持モジュールのうちの1つを選択して、選択された環境維持モジュールが環境制御空間120内の他の環境維持モジュールおよび/またはセンサに及ぼす影響を学習することができるユーザインタフェース(UI)を表示することができる表示装置108に通信可能に結合することができる。
【0027】
様々な実施形態によれば、コンピュータ100は、データ収集モジュール102を介して、ある期間にわたる、環境制御空間120内に設けられた環境維持装置122、124、126、154に関連する履歴データを受信することができる。コンピュータ100は、受信した履歴データをデータベース110に記憶することができる。本明細書で使用されるように、受信データは、センサ134、144、154から受信されるセンサ測定値(例えば、温度、湿度、圧力)、アクチュエータ132、142に関連するアクチュエータ状態変数、ならびに、環境維持モジュール122、124、126の熱伝達率、空気流量または潜熱伝達率などのセンサ測定値および/またはアクチュエータ状態変数を使用して決定される計算データを含んでもよい。VAVボックスの1つの種類の熱伝達率は、VAVボックスによって供給される空気の温度と、それが供給されるゾーンの温度、具体的にはそのサーモスタットの温度との間の差を、VAVボックスを通る流量(フローレート)に掛けたものとして定義することができる。1つの種類の潜熱伝達率は、VAVボックスによって供給される空気の湿度比と、それが供給されるゾーンの湿度比との間の差を、空気流量(エアフローレート)に掛けたものとして定義することができる。
【0028】
コンピュータ100は、データ集約モジュール104を介して、環境維持装置に関連する履歴データを集約することができる。コンピュータ100は、ある期間にわたる、履歴データを受信することができる。したがって、コンピュータ100は所与の装置が経時的にどのように機能するかを知ることができ、所与の装置の動作と残りの装置の動作との間の相関を識別することができる。コンピュータ100は、集約された履歴データに基づいて、環境維持装置のうちの1つ以上の間の関係(例えば、熱伝達率、空気流量または潜熱伝達率)を決定することができる。関係は、所与の環境維持装置が他の環境維持装置に及ぼす影響を含み得る。例えば、関係が熱伝達率である場合、コンピュータは、第1の環境維持装置が1つ以上の他の環境維持装置の熱伝達率に及ぼす影響を決定することができる。例えば、第1の環境維持装置の出力空気流は、他の環境維持装置の熱伝達率に影響を与え得る。コンピュータ100は数値(例えば、スコア)を使用して影響を定量化することができる。
【0029】
様々な実施形態によれば、決定された関係は、第1の環境維持モジュール122のアクチュエータ132(および/または供給空気温度などの状態変数)と第1の環境維持モジュール122のセンサ134との間の関係(すなわち、第1の装置と自身の関係)、第2の環境維持モジュール124のアクチュエータ142(および/または状態変数)と第2の環境維持モジュール124のセンサ144との間の関係(すなわち、第2の装置と自身の関係)、および/または第1の環境維持モジュール122と第2の環境維持モジュール124との間の関係を含んでもよい。
【0030】
次に、コンピュータ100は、決定された関係のすべてまたはサブセットの視覚的表現(例えば、テーブル、グラフ、マップ、英数字および/または記号を含むメッセージ、グラフィック的表現)を生成することができる。例えば、コンピュータ100は、影響マップ生成モジュールを介して、環境維持装置の互いに及ぼす影響を示す影響マップを生成することができる。例えば、コンピュータ100は、表示装置108に表示されたユーザインタフェースを介して、選択された環境維持装置として1つの複数の環境維持装置を選択する入力を受信することができる。次いで、コンピュータ100は、決定された関係をフィルタリングして、選択された環境維持装置が残りの環境維持装置に及ぼす影響を示すサブセットを識別(特定)することができる。例えば、コンピュータ100がモジュール122を選択する入力を受信した場合、コンピュータ100は、残りの装置124、126、154上の選択されたモジュール122の特定の関係(例えば、熱伝達率)に対する影響を識別(特定)することができる。視覚的表現は、表示装置108上に表示されてもよい。
【0031】
様々な実施形態によれば、コンピュータ100は、環境制御空間120の電子マップを記憶装置に記憶することができる。コンピュータ100は、装置122、124、126、154に関連する位置座標130、140、150、160も受信することができる。次いで、コンピュータ100は、電子マップ上の装置122、124、126、154を表し、電子マップ上にオーバーレイ(重畳)されるオブジェクト、記号(例えば、個数、文字)などの色、サイズ/形状/透明度などの様々な視覚的合図(視覚的キュー)を使用して、残りの装置上の選択された装置の影響を示す影響マップを生成することができる。影響マップに関連する視覚的合図(視覚的キュー)は、
図2および
図3に関連してより詳細に説明される。影響マップは、表示装置上に表示される視覚的表現に組み込まれてもよい。
【0032】
II.影響マップ
図2および
図3は、様々な実施形態による建物の例示的な影響マップを示す。
図2および
図3は、例示的なGUI200に関連する異なるビューを示す。各図は、環境制御空間内の選択された環境制御装置と他の環境制御装置との間の異なる関係を図示する、例示的な影響マップを含む。第1のビューは、GUI200の第1のタブ216を使用してアクセスされ、環境制御空間内の1つ以上の選択されたセンサに対する複数の環境装置(例えば、VAVボックス)の影響を示す影響マップ202を示す。第1のビューを
図2に示す。第2のビューは、GUI200の第2のタブ217を使用してアクセスされ、環境制御空間内の他の環境制御装置に対する1つ以上の選択された環境装置(例えば、VAVボックス)の影響を示す影響マップ302を示す。第2のビューを
図3に示す。
【0033】
図2および
図3に示される建物マップ201は、オフィス空間218、教室220、図書館スタック222などの共同エリア、読書エリア224を有する、例えば大学キャンパス上の大きな建物であってもよい。複数の環境制御装置232が、建物全体に広げられていてもよい。基準を容易にするために、(影響マップ202および203に示すように)装置に番号を付けることができる。
【0034】
図2~
図3は、空間を2つの別個の環境制御空間(例えば、サブ空間)に分離するパーティション(隔壁)226を示す。いくつかの実施形態では、パーティション226は、建物が建築された後に追加された物理パーティション(例えば、テナント追加)とすることができる。いくつかの実施形態では、パーティション226は、異なる空気量調整ハンドル(エアハンドル)によって提供されるように設計された空間を示す仮想パーティションを表すことができる。
図2~
図3において、パーティション226は、建物を2つの別個の環境制御空間228、230に分離することができる。第1の空間228内の装置には1~16の番号を付け、第2の空間230内の装置には1~15の番号を付けることができる。
図2および
図3に示す例示的な制御空間では、第1のエアハンドラが第1の空間228内の装置1~16のすべてに供給し、第2のエアハンドラが第2の空間230内の装置1~15のすべてに供給することができる。本明細書で説明する影響マップは、第1の空間228または第2の空間230内の同じエアハンドラによって供給される装置間のクロストークを識別することができる。影響マップはまた、第1の空間228および第2の空間230に設けられた、異なるエアハンドラによって供給される装置間のクロストークを識別することができる。しばしば、テナント追加パーティション(パーティション226など)は、建物内に環境制御の非効率性をもたらすことがある。本明細書で説明される影響マップはそのような非効率性を識別し、改善するのに役立ち得る。
【0035】
建物内に設けられた環境維持装置は、それぞれのエリア218、220、222、224内の温度を調整する冷却ユニットまたは加熱ユニットを含むことができる。装置は、エアハンドラの下流の空気分配システム内にある1つ以上の可変空気量(VAV)ボックス、ならびにVAVボックスに関連するセンサ(内部または外部)を含むことができる。影響マップ202及び302上のアイコンは、VAVボックス並びにそれらのセンサ(例えば、VAVボックスに物理的又はプログラム的に結合されたセンサ)を表すことができる。例えば、VAVボックスを天井に配置し、センサをVAVボックスの近傍の壁に取り付けることができる。VAVボックスは空気流量を調整し、空間内の温度に反応する温度設定値設定を有する。VAVボックスは、温度設定値を所定の設定値(例えば、華氏72度)の近くに保つように構成されてもよい。
図2および
図3に示されるように、各オフィス空間218は、VAV端末ユニットにプログラム的に接続され得る、それ自体のサーモスタットを備え得る。オフィス空間218内の温度が変化すると、関連するVAV端末ユニットは温度変化に反応して、温度を事前設定温度(例えば、占有者またはビル管理者によって設定された温度)または事前設定温度範囲に近づけようとする。
【0036】
図2および
図3に示すグラフィカルユーザインタフェース(GUI)200は、1つの装置が他の装置に対して有する影響の視覚的表現(例えば、影響マップ202)を表示するための第1のセクション203を含む。また、GUIは、ユーザ入力を受信する(受け付ける)ための第2のセクション204と、第1のセクション203で使用される様々な視覚的キューを説明するためのマップ凡例を提供するための第3のセクション205とを有する。
【0037】
第2のセクション204は、ユーザが第1のセクション203に図示されるべき影響(例えば、関係)を選択するための、1つ以上のユーザ入力コントロール206の第1のグループを提供することができる。例示的な影響または関係は、熱伝達率、空気流量または潜熱伝達率を含んでもよい。第2のセクション204は、影響マップ202または302に示される装置(例えば、VAVボックスの内部または外部のセンサのうちの1つ)をユーザが選択することを可能にする、1つ以上のユーザ入力コントロール208の第2のグループを含む。当業者は、
図2~
図3に示されるユーザコントロール206、208は例示目的のために過ぎず、限定的に解釈されるべきではないことを理解する。例示的なユーザコントロールは、チェックボックス、ラジオボタン、ドロップダウンリスト、リストボックス、ボタン、トグル、テキストフィールド、またはデータフィールドを含むことができるが、これらに限定されない。
【0038】
A.環境維持装置が、選択された環境維持装置に及ぼす影響を示す影響マップ
ここで
図2のみを参照すると、ユーザは、第2のセクション204内のユーザ入力コントロールを使用して、選択された装置235としてセンサ10を選択する。ユーザが選択した装置を識別すると、マップ上の装置が視覚的に識別される。例えば、
図2において、センサ番号10は選択された装置235であり、マップ202上でその周囲に選択ツール(例えば円)234と共に示されている。影響マップ202は、選択された装置235(例えば、センサ番号10)に対するリーミング装置232(例えば、VAVボックス)の影響を示す。影響の値は、視覚的キュー(例えば、影響を示すアイコンの色及び/又はサイズ)を使用して示されてもよい。マップ凡例またはキーは、GUI200の第3のセクション205に設けられてもよい。第3のセクション205は、装置に関連するアイコンの様々なサイズ210によって示される影響の数値、装置に関連するアイコンの様々な色212によって示される影響の数値、およびどの装置が選択されるかを示す視覚的キュー214を含んでもよい。したがって、第3のセクション205は、影響マップ202上で使用される視覚的キュー(例えば、シンボル、色)の説明を提供することができる。
【0039】
影響マップ202は、選択された装置235(例えば、センサ番号10)上のVAVボックスの影響を例示することができる。選択された装置235は、それ自体に最も高い(大きな)影響を及ぼす。例えば、センサ番号10は、センサ番号10に関連付けられたVAVボックスの最高の読み取り値を読み取る。建物内の他の装置(例えば、VAVボックス)は、選択された装置235に対して様々な度合いの影響を有し得る。選択された装置235により近い2つの装置238および240は、選択された装置235に対して次に高い影響を有し得る。装置238、240の影響を表す丸いアイコンは、選択装置235の自身に対する影響を表す丸いアイコン236よりも小さい。GUI200の第3のセクション205は、影響マップ202で使用される丸いアイコンの様々なサイズに関連する数値を含む。影響マップ202は、より効率的な方法で建物内の様々な装置を制御するために使用されてもよい。例えば、選択された装置に対する他の装置の影響を知ることは、選択された装置のオン/オフ状態と同様に、選択された装置に関連する設定値を修正するために使用されてもよい。
【0040】
影響マップ202は、選択された装置235から離れて、異なる囲まれたエリア内に提供される装置242および244が、選択された装置235に影響を及ぼし得ることを示す。これは、建物の環境制御における非効率性、装置235、242、244のうちの1つ以上に関する誤差、不正確なテナント追加226、または建物に関する別の問題を示し得る。さらに、上述したように、選択された装置235は、それ自身に最も高い影響を及ぼす。選択された装置について示された影響が、影響マップ上で最も高く示されていない場合、選択された装置に関連する問題を識別することができる。したがって、影響マップ202は、診断および故障検出の目的にも使用することができる。
【0041】
上述したように、GUI200は、GUI200の第1のセクション203の下部に図示されたタブ216、217を使用してアクセス可能な異なるビューを含む。第1のタブ216を選択することによってアクセスされる影響マップ202は、
図2に関連して上述したように論じられる。第2のタブ217を選択することによってアクセスされる影響マップ302は次に、
図3に関連して論じられる。
図3に示されるタブは説明目的のためだけのものであり、限定的に解釈されるべきではない。当業者の一人は、異なる文書、異なる媒体フォーマット(例えば、メッセージ、電子メール)、応答ユーザコマンド(例えば、音声コマンド、触覚コマンド、GUI上の選択)のような他の手段を用いて異なるビューを提示できることを理解する。GUI200は、
図3に示すものに限定されず、いくつかの実施形態によれば、GUI200は、単一のビューを表すことができる。
【0042】
B.選択された環境維持装置が他の環境維持装置に及ぼす影響を示す影響マップ
図3は、建物内のセンサに対する選択されたVAVボックス(複数可)の影響を示す影響マップ302を示す。影響マップ302は、
図2に関連して上述した影響マップ202と同様の建物要素を含む。なお、同一の項目については説明を省略する。
【0043】
GUI200の第2のセクション204は、ユーザがマップ302に示される装置(例えば、VAVボックスのうちの1つ)を選択することを可能にするための、1つ以上のユーザ入力コントロール208の第2のグループを含む。
図3に示されるGUI200の例示的なタブ217において、ユーザは、選択された装置304としてVAVボックス9を選択する。
【0044】
ユーザが、選択された装置を識別すると、マップ上の装置が視覚的に識別される。例えば、
図3において、VAVボックス番号9は選択された装置304であり、マップ302上のその周りに選択ツール(例えば、円)316と共に示されている。影響マップ302は、選択された装置304(例えば、VAVボックス番号9)が他の装置(例えば、センサ及び/又はVAVボックス)に及ぼす影響を示す。影響の値は視覚的キュー(例えば、影響を示すアイコンの色及び/又はサイズ)を使用して示されてもよい。マップ凡例またはキーは、GUI200の第3のセクション205に設けられてもよい。第3のセクション205は、装置に関連するアイコンの様々なサイズ310によって示される影響の数値、装置に関連するアイコンの様々な色312によって示される影響の数値、およびどの装置が選択されるかを示す視覚的キュー314を含んでもよい。したがって、第3のセクション205は、影響マップ302上で使用される視覚的キュー(例えば、シンボル、色)の説明を提供することができる。
【0045】
影響マップ302は、選択された装置304(例えば、VAVボックス番号9)が他の装置(例えば、センサ及び/又はVAVボックス)に及ぼす影響を示すことができる。選択された装置304は、それ自身に最も高い影響を有する。例えば、VAVボックス番号9は、それ自身の最高の熱伝達率を読み取る。VAVボックス番号9は、建物内の他の装置(例えば、VAVボックス)の熱伝達率に影響を及ぼす可能性がある。例えば、選択された装置304により近い2つの装置308および318の熱伝達率は、選択された装置304から影響を受け得る。装置308、318に対する選択された装置304の影響を表す丸いアイコンは、それ自体に対する選択された装置304の影響を表す丸いアイコン306よりも小さい。GUI200の第3のセクション205は、影響マップ302で使用される丸いアイコンの様々なサイズに関連する数値を含む。影響マップ302は、より効率的な方法で建物内の様々な装置を制御するために使用されてもよい。例えば、選択された装置に対する他の装置の影響を知ることは、選択された装置のオン/オフ状態と同様に、選択された装置に関連する設定値を修正するために使用されてもよい。
【0046】
例えば、VAVボックス番号9は、天井に設けられていてもよく、VAVボックス番号9の近傍に配置された自身のセンサで冷気を送風してもよい。いくつかの例では、VAVボックス番号9が室内の遠くにあるセンサ、例えばセンサ番号10に冷気を吹き付けることもでき、そのためクロストークが発生する。
【0047】
影響マップ302は、選択された装置304が、選択された装置304から離れて、選択された装置304を含むエリアから区分された別個のエリア内に提供される装置320および322に影響(例えば、クロストーク)を及ぼすことを示す。これは、建物の環境管理における非効率性、1つ以上の装置304、320、322の誤差、パーティション226の誤った配置、元の暖房、換気および空調(HVAC)ルームの設計条件からの逸脱、および/または建物に関する別の問題を示す可能性がある。さらに、上述したように、選択された装置304は、それ自身に最も高い影響を及ぼす。選択された装置について示された影響が、影響マップ上で最も高く示されていない場合、選択された装置に関連する問題を識別することができる。したがって、影響マップ302は、診断および故障検出の目的にも使用することができる。
【0048】
影響マップは、
図2および
図3に示されるマップに限定されず、任意のグラフィック形式であり得る。例えば、影響マップは、テーブルの形式であってもよい。関数値は、装置の数と同じサイズの正方形アレイによって表すことができ、各行、列、または対角線は装置に一意に関連付けられ、行、列、対角線の各要素は装置に一意に関連付けられる。ユーザは装置を選択することができ、この選択は、関連する行、列、対角線のうちの1つからの関数値を、関連する位置に記号表現として表示させることができる。数値関係は第1の正方形アレイとして表されてもよく、関数は第2の正方形アレイによって表されてもよく、第2の正方形アレイは、第1のアレイと、第1のアレイの逆の転置(例えば、相対利得アレイ)との要素積として計算される。
【0049】
様々な実施形態によれば、制御空間内の全ての環境制御装置の設計原則は、各装置が主としてそれ自体に影響を与え、他の装置には影響を与えないことを必要とし得る。しかしながら、いくつかの設定(セットアップ)では、所与の装置が
図2および
図3に示される影響マップに示されるように、他の装置に影響を及ぼし得る(例えば、装置間にクロストークが存在し得る)。影響マップは、所与の装置に関連する機械的問題(例えば、装置のバルブまたはダンパに関する問題)を特定するのに役立つ可能性がある。他の実施形態では、テナントの改良(
図2~3に示すパーティション226など)により、2つのサブスペースにスペースを分割し、元の設計によって意図されたスペースのゾーニングを意図的に中断することができる。影響マップは、時間とともに起こり得る異常およびエラーを識別するのに役立ち得る。様々な実施形態によれば、合理的に予想されるクロストークの有無は、フロアプランが現実空間の良好な表現ではないこと(例えば、テナント修正による元のHVACルーム設計条件からの逸脱があること)を示すこともできる。
【0050】
C.影響マップの生成方法
図4は、本発明の一実施形態による、環境制御空間において1つ以上の影響マップを生成する方法のフローチャート400を示す。
【0051】
コンピュータは、環境制御空間内に設けられた複数の環境維持装置に連結することができる。ステップS402で、コンピュータは、ある期間にわたる、複数の環境維持装置に関連する履歴データを受信することができる。複数の環境維持装置は、第1の環境維持装置および第2の環境維持装置を含んでもよい。様々な実施形態によれば、環境維持装置は、1つ以上のセンサと、1つ以上の環境維持モジュールとを含むことができる。例示的な環境維持モジュールは、それ自体のアクチュエータおよび/またはセンサを含んでもよい。
【0052】
様々な実施形態によれば、第1の環境維持装置に関連する履歴データは、その期間にわたる、第1の環境維持装置に関連する測定または計算されたデータを含む。例えば、履歴データは、顕熱伝達率を含み得、これは関連するセンサからの吐出空気流量、吐出温度、及びゾーン温度のような測定データを用いて計算される。履歴データは、差圧センサからの測定データを使用して計算される吐出空気流量も含み得る。履歴データには潜熱伝達率が含まれてもよく、これは吐出空気流量、吐出湿度比、ゾーン湿度比などの測定データを用いて計算される。同様に、第2の環境維持装置に関連する履歴データは、その期間にわたる第2の環境維持装置に関連する測定データまたは計算データを含むことができる。
【0053】
履歴データは、環境制御空間の動的状態に関連付けられる。例えば、空間に設けられた環境制御装置(例えば、VAVボックス)は例えば、それらのダンパを閉じたり開けたりすることによって、その流量を常に調整することができる。したがって、受信された履歴データは、動的システムに関連付けられる。したがって、履歴データは、本明細書で説明される技法のAI実装に関連する強化学習のために使用され得る。
【0054】
ステップS404において、コンピュータは、複数の環境維持装置に関連する履歴データを集約することができる。例えば、コンピュータは、数週間または数ヶ月間の履歴データを受信することができ、数週間または数ヶ月間にわたるいくつかの測定値を組み合わせることができる。
【0055】
ステップS406において、コンピュータは、複数の環境維持装置に関連する集約された履歴データに基づいて、複数の環境維持装置のうちの1つ以上の間の関係の第1のセットを決定することができる。また、コンピュータは、複数の環境維持装置間の追加の関係を決定することもできる。例示的な関係は、熱伝達率、空気流量、および潜熱伝達率を含んでもよい。
【0056】
様々な実施形態によれば、コンピュータは、数学的影響モデルを生成することができる。モデルの係数は、環境維持装置および環境維持装置に関連するセンサの挙動に適合するように、履歴データに基づいて決定されてもよい。例えば、影響モデルは、環境維持装置によって空間内に除去または導入される熱量を、空間内のセンサによって提供される温度データに関連付ける線形モデルであってもよい。この例示的な実施形態では、線形モデルが入力として熱伝達を使用し、出力としてサーモスタット温度センサの読み取り値を使用することができる。影響モデルは、線形モデルに限定されず、ディープニューラルネットワークモデルのような他のモデルを含んでもよい。
【0057】
ステップS408において、コンピュータは、複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを、選択された環境維持装置として選択する入力を受信することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータが環境維持装置のリストを含むグラフィカルユーザインタフェースを生成することができる。複数の環境維持装置のうちの少なくとも1つを選択する入力は、グラフィカルユーザインタフェースを介して受信されて(受け付けられて)もよい。いくつかの実施形態において、グラフィカルユーザインタフェースは、コンピュータによって決定される関係のすべてのセットを含むリストを含むこともできる。グラフィカルユーザインタフェースは、ユーザが関係の第1のセットを選択できるようにしてもよい。
【0058】
ステップS410において、コンピュータは、選択された環境維持装置に基づいて、関係の第1のセットのサブセットを識別することができる。例えば、関係の第1のセットは、リーミング環境維持装置に対する各環境維持装置の熱伝達率の影響を含み得る。関係の第1のセットのサブセットは、選択された環境維持装置が残りの環境維持装置に及ぼす熱伝達率の影響、または残りの環境維持装置が選択された環境維持装置に及ぼす熱伝達率の影響を含み得る。すなわち、関係の第1のセットのサブセットは、選択された環境維持装置が複数の環境維持装置の残りの装置に及ぼす影響、または複数の環境維持装置の残りの装置が、選択された環境維持装置に及ぼす影響を示す。
【0059】
ステップS412において、コンピュータは、第1のセットの関係のサブセットの視覚的表現を生成することができる。視覚的表現は、グラフ、マップ、テーブル、英数字及び/又は記号を含むメッセージ等を含み得る。視覚的表現は、選択された環境維持装置が複数の環境維持装置の残りの装置に及ぼす影響、又は複数の環境維持装置の残りの装置が、選択された環境維持装置に及ぼす影響を視覚的に示す。
【0060】
ステップS414において、コンピュータは、視覚的表現又は当該視覚的表現を含むグラフィカルユーザインタフェースを表示装置上に表示することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、入力により、複数の環境維持装置を選択することができる。そのような実施形態では、コンピュータは、選択された環境維持装置と残りの環境維持装置との間の関係を、関係の第1のセットのサブセットとして識別することができる。視覚的表現は、残りの環境維持装置に対する、選択された環境維持装置の集合的な影響を表す。
【0062】
III.コンピュータシステム
本明細書で言及されるコンピュータシステムのいずれも、任意の適切な数のサブシステムを利用することができる。このようなサブシステムの例は、コンピュータ装置500の
図5に示されている。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは単一のコンピュータ装置を含み、サブシステムはコンピュータ装置の構成要素とすることができる。他の実施形態では、コンピュータシステムは、それぞれがサブシステムであり、内部構成要素を有する複数のコンピュータ装置を含むことができる。
【0063】
図5に示すサブシステムは、システムバス575を介して相互接続されている。プリンタ574、キーボード578、固定ディスク579、ディスプレイアダプタ582に接続されるモニタ576及びその他のものなどに接続される追加のサブシステムが示されている。I/Oコントローラ571に結合する周辺装置および入出力(I/O)装置は、シリアルポート577のような当技術分野で知られている任意の数の手段によってコンピュータシステムに接続することができる。例えば、シリアルポート577または外部インタフェース581(例えば、イーサネット、Wi-Fiなど)を使用して、コンピュータシステム500をインターネットなどの広域ネットワーク、マウス入力装置、またはスキャナに接続することができる。システムバス575を介した相互接続により、中央プロセッサ573は各サブシステムと通信し、サブシステム間の情報の交換だけでなく、システムメモリ572または固定ディスク579からの命令の実行を制御することができる。システムメモリ572および/または固定ディスク579は、コンピュータ可読媒体を具現化することができる。本明細書で言及した値のいずれも、1つの構成要素から別の構成要素に出力することができ、ユーザに出力することができる。
【0064】
コンピュータシステムは例えば、外部インタフェース581によって、または内部インタフェースによって互いに接続された、複数の同じ構成要素またはサブシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム、サブシステム、または装置は、ネットワークを介して通信することができる。このような場合、1台のコンピュータをクライアントと見なし、別のコンピュータをサーバと見なすことができる。各コンピュータは、同じコンピュータシステムの一部とすることができる。クライアントとサーバには、それぞれ複数のシステム、サブシステム、または構成要素を含めることができる。
【0065】
本発明の実施形態のいずれも、ハードウェア(例えば、特定用途向け集積回路またはフィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、および/または、一般にプログラマブルプロセッサを備えたコンピュータソフトウェアをモジュラ方式または集積方式で使用して、制御ロジックの形態で実施できることを理解されたい。本明細書で提供される開示および教示に基づいて、当業者はハードウェアならびにハードウェアおよびソフトウェアの組合せを使用して本発明の実施形態を実施するための他の方法および/または方法を知り、認識するのであろう。
【0066】
本願に記載されている任意のソフトウェア構成要素または機能は例えば、従来の技術またはオブジェクト指向技術を使用して、Java、C++またはPerlなどの任意の適切なコンピュータ言語を使用してプロセッサによって実行されるソフトウェアコードとして実装することができる。ソフトウェアコードは、記憶及び/又は伝送のための一連の命令又はコマンドとして、コンピュータ可読媒体上に記憶することができ、適切な媒体は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、ハードドライブ又はフロッピーディスクのような磁気媒体、又はコンパクトディスク又はDVDのような光媒体、フラッシュメモリ等を含む。コンピュータ可読媒体は、そのような記憶装置または伝送装置の任意の組み合わせであってもよい。
【0067】
そのようなプログラムはまた、インターネットを含む様々なプロトコルに準拠する有線、光、および/または無線ネットワークを介して送信するように適合された搬送波信号を使用して、符号化され、送信され得る。したがって、本発明の一実施形態によるコンピュータ可読媒体は、そのようなプログラムで符号化されたデータ信号を使用して作成することができる。コンピュータ可読媒体は、一時的でない物理媒体にデータを記録してもよい。プログラムコードで符号化されたコンピュータ可読媒体は互換性のある装置と共にパッケージ化されてもよいし、他の装置とは別に提供されてもよい(例えば、インターネットダウンロードを介して)。このようなコンピュータ可読媒体は、単一のコンピュータプログラム製品(例えば、ハードドライブ、CD、またはコンピュータシステム全体)上または内に存在し、システムまたはネットワーク内の異なるコンピュータプログラム製品上または内に存在してもよい。コンピュータシステムは、本明細書で言及した結果のいずれかをユーザに提供するためのモニタ、プリンタ、または他の適切なディスプレイを含むことができる。
【0068】
本明細書に記載の方法のいずれも、ステップを実行するように構成することができるプロセッサを含むコンピュータシステムを用いて、全体的にまたは部分的に実行することができる。したがって、実施形態は、潜在的に異なる構成要素がそれぞれのステップまたはそれぞれのステップのグループを実行する、本明細書で説明される方法のいずれかのステップを実行するように構成されたコンピュータシステムを対象とすることができる。番号付けされたステップとして提示されているが、本明細書の方法のステップは同時に、または異なる順序で実行することができる。さらに、これらのステップの一部は、他の方法からの他のステップの一部と共に使用されてもよい。また、工程の全部または一部は任意であってもよい。さらに、任意の方法の任意のステップは、これらのステップを実行するためのモジュール、回路、または他の手段を用いて実行することができる。
【0069】
特定の実施形態の特定の詳細は、本発明の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、任意の適切な方法で組み合わせることができる。しかしながら、本発明の他の実施形態は、それぞれの個々の態様、またはこれらの個々の態様の特定の組合せに関連する特定の実施形態を対象とすることができる。
【0070】
本発明の例示的な実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的で提示されている。網羅的であること、または本発明を記載された正確な形態に限定することは意図されておらず、上記の教示に照らして多くの修正および変形が可能である。発明の原則とその実用面を最良に説明し、それによって、考えられる特定の使用に適したものとして、種々の実施例において及び種々の修正と共に当業者が発明を最良に利用できるようにするために実施例が選ばれ、記載されたものである。
【0071】
「a」、「an」又は「the」の記載は特に別段の指示がない限り、「1以上」を意味することを意図している。「または」の使用は、「包括的なまたは」を意味することを意図しており、「排他的なまたは」を意味することを意図しない。ただし、特に別段の指示がある場合はこの限りではない。「第1の」構成要素への言及は、第2の構成要素が提供されることを必ずしも必要としない。さらに、「第1の」または「第2の」構成要素への言及は、明示的に述べられない限り、言及された構成要素を特定の位置に限定しない。「に基づく」という用語は、「に少なくとも部分的に基づく」ことを意味することを意図している。
【0072】
上記の全ての特許、特許出願、刊行物、および説明は全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いずれも従来技術であると認められていない。
【国際調査報告】