(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(54)【発明の名称】向上した通過位置システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/14 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
G01S5/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541190
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 US2020049767
(87)【国際公開番号】W WO2021050443
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522093834
【氏名又は名称】パイパー ネットワークス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンクザー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マクスウェル,デュアン
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062BB01
5J062BB02
5J062BB03
5J062CC11
5J062CC15
5J062CC18
5J062FF01
(57)【要約】
向上した通過位置システム及び方法を提供する。方法は、道路に沿って走行する輸送手段に配置された輸送手段無線機に向けられ、道路に沿って配置された路側無線機によって送信された信号を受信することと、受信した信号に基づいて道路に沿った輸送手段の位置を決定することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードウェア処理装置と、
方法を実施するために該ハードウェア処理装置によって実行可能な命令でエンコードされた非一時的機械可読記憶媒体であって、前記方法が、
道路に沿って走行する輸送手段に配置された輸送手段無線機に向けられ、該道路に沿って配置された路側無線機によって送信された信号を受信することと、
前記受信した信号に基づいて前記道路に沿った前記輸送手段の位置を決定することと、 を含む、非一時的機械可読記憶媒体と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記方法が、
前記輸送手段から前記路側無線機のうちの第1の無線機に前記位置を送信することと、
前記路側無線機のうちの1つ又は複数の第2の無線機に沿って、前記路側無線機のうちの前記第1の無線機から前記道路に沿って、前記位置を中継することと、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記方法が、
前記路側無線機のうちの前記1つ又は複数の第2の無線機のうちの1つから制御センタに前記位置を送信することを更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記方法が、
前記道路に沿った道路作業者の位置を決定することと、
前記輸送手段が前記作業者に接近しているとき、前記道路上で作業している前記道路作業者に通知することと、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記方法が、
前記道路に沿った道路作業者の位置を決定することと、
前記輸送手段が前記道路作業者に接近しているとき、前記輸送手段を制御することと、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記輸送手段が、前記輸送手段無線機のうちの1つを各々が備える複数の車両を備え、
前記方法が、前記輸送手段無線機の間に通信ネットワークを確立することを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記輸送手段が、前記輸送手段無線機のうちの1つを各々が備える複数の車両を備え、
前記方法が、
前記路側無線機のうちの1つを通過する輸送手段無線機の数をカウントすることと、
前記カウントに基づいて前記輸送手段内の前記車両の数を決定することと、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
コンピュータ構成要素のハードウェア処理装置によって実行可能な命令でエンコードされた非一時的な機械可読記憶媒体であって、該機械可読記憶媒体が、方法を実施するために該ハードウェア処理装置にさせる命令を備え、前記方法が、
道路に沿って走行する輸送手段に配置された輸送手段無線機に向けられ、該道路に沿って配置された路側無線機によって送信された信号を受信することと、
前記受信した信号に基づいて前記道路に沿った前記輸送手段の位置を決定することと、を含む、非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項9】
前記方法が、
前記輸送手段から前記路側無線機のうちの第1の無線機に前記位置を送信することと、
前記路側無線機のうちの1つ又は複数の第2の無線機に沿って、前記路側無線機のうちの前記第1の無線機から前記道路に沿って、前記位置を中継することと、を更に含む、請求項8に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項10】
前記方法が、
前記路側無線機のうちの前記1つ又は複数の第2の無線機のうちの1つから制御センタに前記位置を送信すること、を更に含む、請求項9に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項11】
前記方法が、
前記道路に沿った道路作業者の位置を決定することと、
前記輸送手段が前記作業者に接近しているとき、前記道路上で作業している前記道路作業者に通知することと、を更に含む、請求項8に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項12】
前記方法が、
前記道路に沿った道路作業者の位置を決定することと、
前記輸送手段が前記道路作業者に接近しているとき、前記輸送手段を制御することと、を更に含む、請求項8に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項13】
前記輸送手段が、前記輸送手段無線機のうちの1つを各々が備える複数の車両を備え、
前記方法が、前記輸送手段無線機の間に通信ネットワークを確立することを更に含む、請求項8に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項14】
前記輸送手段が、前記輸送手段無線機のうちの1つを各々が備える複数の車両を備え、
前記方法が、
前記路側無線機のうちの1つを通過する輸送手段無線機の数をカウントすることと、
前記カウントに基づいて前記輸送手段内の前記車両の数を決定することと、を更に含む、請求項8に記載の非一時的機械可読記憶媒体。
【請求項15】
道路に沿って走行する輸送手段に配置された輸送手段無線機に向けられ、該道路に沿って配置された路側無線機によって送信された信号を受信することと、
前記受信した信号に基づいて前記道路に沿った前記輸送手段の位置を決定することと、 を含む、方法。
【請求項16】
前記輸送手段から前記路側無線機のうちの第1の無線機に前記位置を送信することと、
前記路側無線機のうちの1つ又は複数の第2の無線機に沿って、前記路側無線機のうちの前記第1の無線機から前記道路に沿って、前記位置を中継することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記路側無線機のうちの前記1つ又は複数の第2の無線機のうちの1つから制御センタに前記位置を送信することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記道路に沿った道路作業者の位置を決定することと、
前記輸送手段が前記作業者に接近しているとき、前記道路上で作業している前記道路作業者に通知することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記道路に沿った道路作業者の位置を決定することと、
前記輸送手段が前記道路作業者に接近しているとき、前記輸送手段を制御することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記輸送手段が、前記輸送手段無線機のうちの1つを各々が備える複数の車両を備え、
前記方法が、前記輸送手段無線機の間に通信ネットワークを確立することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年9月9日に出願された「ENHANCED TRANSIT LOCATION SYSTEMS AND METHODS」と題する米国仮特許出願第62/897,860号の優先権を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、輸送インテリジェンスに関し、より具体的には、通過位置の識別を向上させるシステム及び方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、輸送手段に関する情報を追跡するシステム及び方法を提供する。例えば、本開示のいくつかの実施形態は、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させるシステムを提供する。システムは、輸送手段経路のセグメントに取り付けられた輸送手段タグ及びアンカの通信メッシュアーキテクチャを含み得る。例えば、輸送手段は、ライトレール列車、通勤列車、貨物列車、自動車、飛行機、船舶、宇宙船、スキーリフト、ゴンドラ、又は当技術分野で知られている他の形態の輸送であってもよい。輸送経路は、それぞれの輸送手段が移動する任意の経路、例えば、列車の軌道、道路、水路又は航路、滑走路、航空路、又は当該技術分野で知られている他の輸送手段経路であってよい。通信メッシュアーキテクチャを提供することにより、向上した通過位置システムは、輸送手段のための高精度でリアルタイムの位置データを引き続き提供しつつ、耐障害性である。
【0004】
システムは、アンカ及び輸送手段タグのメッシュネットワークを含み得る。アンカと輸送手段タグの両方は、輸送手段速度、充電又は燃料レベル、警告フラグなどを含む輸送手段追跡に関連する他の属性の送信と共に、測距とバックホールデータ送信との両方のためのインパルス型超広帯域無線(IR-UWB)トランシーバを組み込み得る。
【0005】
輸送手段タグは、輸送手段の前部及び/若しくは後部、又は輸送手段セグメント(例えば、列車の車両)に搭載し得る。輸送手段タグは、輸送手段経路(例えば、列車の軌道、列車のトンネル、道路など)に沿って取り付けられたアンカから測距データ及び距離情報を取得し得る。輸送手段が輸送手段経路に沿って移動すると、輸送手段タグはデータビーコン(例えば、「ピン」)を送信し、アンカは、輸送手段タグからの相対距離と共に、それぞれのアンカの一意の識別子を含む対応するアンカ識別信号で応答し得る。
【0006】
輸送手段の輸送手段タグは、アンカ識別信号を受信し得る。輸送手段タグはまた、処理装置と、コンピュータ実行可能命令が記憶された非一時的コンピュータ可読メモリと、を含むことができ、コンピュータ実行可能命令は、処理装置に、リアルタイムマルチラテレーションを計算させるように構成される。輸送手段タグは、輸送手段の位置(例えば、x-y座標、x-y-z座標、軌道番号及び距離)をバックホールに入力し得る。バックホールは、互いに近接して配置され、輸送手段経路に沿って延びるアンカのチェーンを表し得る。
【0007】
いくつかの例では、輸送手段は地下鉄列車であってもよく、輸送手段経路は列車軌道、列車軌道基板、又は地下鉄トンネルであってもよく、バックホールは、列車軌道、列車軌道基板、又は地下鉄トンネルに沿って、基地局(例えば、境界アンカ)まで延在するアンカのチェーンであってもよい。
【0008】
アンカは、処理装置と、コンピュータ実行可能命令が記憶された非一時的コンピュータ可読メモリと、を含むことができ、コンピュータ実行可能命令は、処理装置に、接近する輸送手段タグに対する相対距離を計算させるように構成される。
【0009】
アンカは、位置データと共に、輸送手段タグの相対距離を、バックホールを介してブリッジアンカに送信し得る。信頼性、精度、及び耐障害性を向上させるために、アンカを、バックホールに沿って一定の間隔で互いに比較的近接して配置してもよい。いくつかの例では、アンカを、6~20メートルの間で離隔したトンネルの壁に沿って桁に沿って配置してもよい。
本明細書で開示したシステム及び/又は方法のこれらや他の目的、特徴、及び特性のみならず、構造の関連要素の動作方法及び機能、並びに部品の組合せ及び製造の経済性は、添付の図面を参照して、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮すると、より明らかになり、それらのすべてが、本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は、様々な図の対応する部分を示している。しかしながら、図面は、例示及び説明のみを目的としており、本発明の限定の定義として意図されていないことを明確に理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上他に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に開示する技術は、1つ又は複数の様々な実施形態に従って、以下の図を参照して詳細に説明する。図面は、例示のみを目的として提供しており、開示した技術の典型的又は例示的な実施形態を単に示す。これらの図面は、開示した技術の読者の理解を容易にするために提供し、その範囲、目的、又は適用性を限定すると見なされるべきではない。説明を明確かつ容易にするために、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。
【0011】
【
図1】開示した技術の実施形態による、一般に「編成」と呼ばれる、接続された列車の車両のグループ上におけるタグの配置を示す図である。
【0012】
【
図2】開示した技術の実施形態による、列車位置及び通信システムを示す図である。
【0013】
【
図3A】開示した技術のいくつかの実施形態による、タグのアーキテクチャを示す図である。
【0014】
【
図3B】開示した技術のいくつかの実施形態による、アンカのアーキテクチャを示す図である。
【0015】
【
図4】開示した技術の実施形態による、測位アーキテクチャを示す図である。
【0016】
【
図5】複数の軌道T1~T4を有する地下鉄トンネルの実施形態を示す図である。
【0017】
【
図6A-C】本明細書に開示した実施形態と一致する位置決定のための例示的な方法を示す図である。
【0018】
【
図7】開示した技術のいくつかの実施形態による、データ通信システムを示す図である。
【0019】
【
図8】4つのWDSネットワークWDS1~WDS4を含む分散通信システムを示す図である。
【0020】
【
図9】赤い円で示すように、少なくとも1つのアンカが故障したWDSを示す図である。
【0021】
【
図10】開示した技術のいくつかの実施形態による、鉄道作業者保護システムのアーキテクチャを示す図である。
【0022】
【
図11】開示した技術のいくつかの実施形態による、列車間ネットワークのアーキテクチャを示す図である。
【0023】
【
図12A-B】本明細書に開示した実施形態と一致する向上した位置追跡システムに実装され得る例示的なトランシーバデバイスを示す図である。
【0024】
【
図13】本明細書に開示した実施形態と一致する、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させる例示的なシステムを示す図である。
【0025】
【
図14】本明細書に開示した実施形態と一致する、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させる例示的なシステムを示す図である。
【0026】
【
図15A-D】本明細書に開示した実施形態と一致する、例示的な空間アンカ-タグレイアウトを示す図である。
【0027】
【
図16A-C】
図16Aは、本明細書に開示した実施形態と一致する、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させるシステムと通信し、及び対話するためのアプリの例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図であ
【0028】
図16Bは、本明細書に開示した実施形態と一致する、位置追跡を向上させるシステムと通信し、及び対話するためのアプリの例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0029】
図16Cは、本明細書に開示した実施形態と一致する、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させるシステムと通信し、及び対話するためのアプリの例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0030】
【
図17A】本明細書に開示した実施形態と一致する、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させるシステムからのデータを表示するための例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0031】
【
図17B】本明細書に開示した実施形態と一致する、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させるシステムからのデータを表示するための例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0032】
【
図17C】本明細書に開示した実施形態と一致する、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させるシステムからのデータを表示するための例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0033】
【
図17D】本明細書に開示した実施形態と一致する、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させるシステムからのデータを表示するための例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す図である。
【0034】
【
図18】開示した技術の実施形態の様々な特徴を実装する際に使用され得る例示的なコンピュータシステムを示す図である。
【0035】
図面は、網羅的であること、又は開示した正確な形態に本発明を限定することを意図していない。本発明は修正及び変更により実践することができ、開示した技術は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の実施形態は、輸送手段経路に沿って走行する輸送手段の位置及びデータ収集を向上させるシステム及び方法を提供する。本開示のいくつかの実施形態では、位置及びデータ収集を向上させるシステムは、メッシュネットワーク技術を使用して通信するように構成された複数の輸送手段タグ及び複数のアンカ(本明細書では「アンカ」及び「読み取り機」とも呼ぶ)を含む。例えば、輸送手段タグ及びアンカは、IR-UWB位置特定トランシーバを含んでもよい。
【0037】
いくつかの例では、輸送手段は列車であってもよく、輸送手段経路は、列車軌道、列車プラットフォーム、又は地下鉄トンネルシステムなどの列車トンネルであってもよい。トンネル内の桁に高く搭載されたアンカと、列車に設置された輸送手段タグとの間の相互作用は、所与の列車の地理的位置情報の収集を容易にし得る。列車がトンネルを移動するとき、到着時間(TOA:time-of-arrival)及び/又は飛行時間(TOF:time-of-flight)が、アンカと輸送手段タグとの間で測定され得る。輸送手段タグは、処理装置と、コンピュータ実行可能命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読メモリと、を含むことができ、コンピュータ実行可能命令は、処理装置に、リアルタイムのマルチラテレーションを計算させて、輸送手段タグの位置を効果的に三角測量させ、列車の軌道位置及び前の列車の駅からの距離をバックホールに入力させるように構成される。輸送手段タグは、データストアを含む、又は例えば無線ネットワークを使用して、データストアに通信可能に連結してもよい。データストアは、システム内の複数のアンカの位置データを含んでもよい。輸送手段タグは、正しい輸送手段タグの地理的位置情報を識別するために、軌道上の交点、及び壁の後ろの交点を識別し、及び区別するように構成され得る。
【0038】
いくつかの例では、静止センサ(例えば、静止構造に搭載されたアンカセンサ)と移動センサ(例えば、移動する輸送手段に搭載されたタグセンサ)との間の相互作用は、静止構造に対する輸送手段の正確な測位のために、分散センサネットワーク(例えば、アンカ及びタグを備える)によって処理され得るセンサ信号を生成する。分散センサネットワークによって生成された位置特定データは、輸送手段追跡システムで利用可能にされ、輸送手段に関連する相対位置及び他の特性を追跡し、及び表示し得る。
【0039】
本明細書に記載のセンサのネットワークを使用すると、既存の輸送システム(例えば、既存の地下鉄又は列車システム)に、輸送手段追跡システムを後付けすることに関連する問題を克服し得る。例えば、トンネル内にネットワークインフラストラクチャが存在しない既存の地下鉄システムでは、中央輸送手段追跡システムに位置信号を提供するには無線ネットワークが必要である。既存の地下鉄列車は、それらの位置データをリアルタイムで転送する技術的手段を持たない場合がある。更に、電力を供給するためにトンネル内に電力を供給するコストに基づいて、任意の実行可能なシステムは、それ自体の電力を供給するか、又は例えば移動する列車上の既存の電力システムを使用し得る必要がある。本明細書で開示した実施形態は、列車に搭載したタグセンサを使用して、トンネル内の列車の位置特定に関するデータを測定し、収集したデータをトンネル入口/出口の両方に向けて無線送信することによって、これらの問題を解決するものであり、データは、地下鉄の駅で利用可能な既存の地下鉄ネットワークインフラストラクチャに入力し得る(例えば、アンカセンサのバックホールネットワークを使用する)。トンネルの両方の出口にデータを送信することはまた、冗長性を導入し、信頼性を高め得る。
【0040】
図1は、開示した技術の実施形態による、一般に「編成」と呼ばれる、接続された列車の車両のグループ上におけるタグの配置を示している。図示のように、いくつかの例では、輸送手段は列車であってもよく、輸送手段経路は地下鉄トンネルシステムであってもよい。しかしながら、当業者によって理解されるように、他の例示的な輸送手段及び輸送手段経路を、同じシステムに採用してもよい。
【0041】
図1を参照すると、複数のタグが、編成の両端の各車両の遠位端部に配置され得る。例えば、タグのペアを、両端の各車両の上部に配置してもよい。
図1では、タグの各ペアに「タグA/B」のラベルを付けている。タグのペア内の各タグは、独立して動作し得る。例えば、タグの各ペアは、位置測定値を独立して生成してもよい。
【0042】
図2は、開示した技術の実施形態による、列車位置及び通信システムを示している。
図2を参照すると、複数の車両を含む編成は、軌道に沿って走行している。
図1のように、タグのペアTAG A及びTAG Bが、編成の両端に配置されてもよい。ペア内のタグは、編成の両側に配置されてもよい。各タグは、編成のそれぞれの路側にあるアンカと通信し得る。
【0043】
各タグは、正当性を疑うタグ制御装置TCと独立して通信し得る。
図2の例では、各タグAは、タグ制御装置TC-Aと通信し、各タグBは、別個のタグ制御装置TC-Bと通信し得る。タグ制御装置TC-A、TC-Bは、それぞれのシステムインターフェースを介して輸送手段車載制御装置(VOBC)と通信し得る。両端の車両のシステムインターフェースは、破線の緑色矢印で示すように、例えば、予想される編成の長さに対して、編成の長さをチェックするために通信してもよい。タグのペア内のタグは、例えばチャネル間整合性クロスチェックを実施するために、破線の青色線で示すように、互いに通信してもよい。タグ、及びタグのペアは、無線によって互いに通信し得る。
【0044】
システムは、軌道の路側に沿って配置された複数のアンカA1~A10を含み得る。
図2の例では、奇数番号のアンカA1~A9は、一方の路側に沿って分布し、偶数番号のアンカA2~A10は、他方の路側に沿って分布している。一実施形態では、アンカ間の間隔は、約250~300フィートであってもよい。不感帯の可能性を低減するために、アンカの位置を互い違いにしてもよい。例えば、各アンカは、反対側の路側の2つのアンカの中間に配置されてもよい。
【0045】
アンカは、タグと通信し得る。
図2の例では、各タグは、破線の赤色線で示すように、見通し内通信を介して複数のアンカと通信し得る。いくつかの実施形態では、これらの通信は、超広帯域(UWB)技術を使用して実施される。
【0046】
アンカは、互いに通信し得る。
図2の例では、路側の各アンカは、例えばアンカ間整合性チェックを実施するために、破線の紫色線で示すように、路側の隣接するアンカと通信する。これらのチェックは、通過タグのアンカによる検出後に開始し得る。アンカはメッシュネットワークを形成し得る。例えば、アンカが故障した場合、隣接するアンカは、故障したアンカを介して通信を試みるのではなく、互いに直接通信してもよい。
【0047】
図3Aは、開示した技術のいくつかの実施形態による、タグのアーキテクチャを示している。
図3Aを参照すると、各タグは、UWB無線機及びUWBアンテナを含み得る。いくつかの実施形態では、各タグは、冗長性要件をサポートするために、2つのUWB無線機及び2つのUWBアンテナを含んでもよい。各タグは、UWB無線機と通信するCPUと、タグ制御装置と、を含み得る。各タグは、UWB無線機及びアンテナを採用して、アンカ及び他のタグと通信し得る。各タグは、車載電源によって電力供給され得る。
図3Aの例では、各タグは、6V DCに降圧された37V DC電源によって電力供給される。
【0048】
タグのいくつかの実施形態は、以下の要素及び特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。例えば、タグは、精密測距及びデータ通信のために、3.5GHz~6.5GHzの間で、6つのチャネルにわたって動作するUWB無線機を含んでもよい。タグは、タグ制御装置への電力供給及び通信のためのマイクロUSBジャックを含んでもよい。タグは、無指向性UWBアンテナを含んでもよい。タグは、耐候性プラスチックハウジングを含んでもよい。タグは、UWBアンテナ用の空気力学ティアドロップ形状筐体を含んでもよい。アンカは、最適なLOS環境を考慮して、列車に設置したタグを用いて、最大125mの半径まで、測距を実施し得る。タグは、BLEを介して安全にプロビジョニングされ得る。
【0049】
図3Bは、開示した技術のいくつかの実施形態による、アンカのアーキテクチャを示している。
図3Bを参照すると、各アンカは、UWB無線機及びUWBアンテナを含み得る。いくつかの実施形態では、各アンカは、冗長性要件をサポートするために、2つのUWB無線機及び2つのUWBアンテナを含んでもよい。各アンカは、UWB無線機と通信するCPUを含み得る。各アンカは、UWB無線機及びアンテナを採用して、タグ及び他のアンカと通信してもよい。アンカは、路側の電源によって電力供給され得る。
図3Bの例では、各アンカは、DC 6Vに変換された110V AC電源によって電力供給される。
【0050】
アンカのいくつかの実施形態は、以下の要素及び特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。例えば、Wi-Fi無線機は、データ通信のために2つの2×2 MIMO 6GHzトランシーバと、プロビジョニング及びメンテナンスのために2×2 MIMO 2.4GHzトランシーバと、を含んでもよい。1つの6GHz無線機は、一方の方向(例えば、北)にデータを送信するために使用され、もう1つの6GHz無線機は、他方の方向(例えば、南)にデータを送信するために使用されてもよい。この構成は、ホップごとの帯域幅劣化を緩和する全二重ソリューションを提供し得る。6GHz無線機によって受信された任意のデータは、例えばルーティングテーブルによって指示されるように、UWB無線機に転送され、タグに送信されてもよい。アンカは、BLEを介して安全にプロビジョニングされ得る。
【0051】
イーサネットインターフェースは、2つのギガビットイーサネット制御装置を含み得る。アンテナは、データ通信のために4つの指向性6GHzアンテナと、メンテナンスのために2つの無指向性2.4GHzアンテナと、高利得双方向UWBアンテナと、を含み得る。UWB無線機は、精密測距及びデータ通信のために、3.5GHz~6.5GHzの間で、6つのチャネルにわたって動作し得る。アンカは、プロビジョニング、電力リセットなどのための外部からアクセス可能な2つのボタンを含み得る。アンカは、主に120V AC~12V 2.5アンペアスイッチング電源を含み得る。アンカは、熱管理のためのヒートシンクを有する不透過性プラスチックハウジングを含み得る。アンカは、照会されたときに、UWB測距応答をタグに提供し得る。アンカは、WDSネットワークを形成するために、2つの6GHz無線機を構成し得る。アンカは、タグからIPデータを受信し、それらのデータを境界ルータに転送し得る。アンカは、境界ルータからIPデータを受信し、それらをタグに転送し得る。境界ルータは、例えば耐候性のためにネジ切りされ得るイーサネットジャックを追加することによって、アンカを使用して実装されてもよい。
【0052】
図4は、開示した技術の実施形態による測位アーキテクチャを示している。
図4を参照すると、タグは、緑色の矢印及び破線の青色線で示すように、アンカによって送信された信号を使用して、測距を実施し得る。例えば、各アンカは、無線パルスを送信してもよい。無線パルスは、それぞれのアンカの位置、その位置を決定し得るそれぞれのアンカの識別情報などを識別し得る。タグ制御装置は、無線パルス、アンカの既知の位置、軌道の数学的モデルなどに基づいて、編成の位置を決定し得る。タグ制御装置は、編成の位置をVOBCに提供し得る。例えば、この位置は、VOBCへ提供されるUDPパケットに含まれてもよい。VOBCは、パケットを制御センタに転送し得る。
【0053】
タグ制御装置は、測距データを収集して位置を計算し、WDSネットワークからデータを送受信する主車載処理ユニットであってもよい。タグ制御装置は、それぞれデータ通信及び測距を担当し得る、物理的及び電気的に同一であり、かつ別個のものである2つの側面を含み得る。各側面は、タグに接続され得る。A側面は、VOBCによって送受信されたデータを、そのタグを介してWDSネットワークに提供し得る。B側面は、そのタグから生の測距データを受信し、それを処理して、列車の位置を計算し、得られた位置を測位システムに送信し得る。例えば、データは、UDPを介して、測位システムに属する列車のLAN上のIPアドレスのセットに送信されてもよい。A側面に属するタグは、列車の左舷に搭載されてもよく、B側面に属するタグは、右舷に搭載されてもよく、又はその逆であってもよい。各タグは、USBケーブルなどによって、タグ制御装置のそれぞれの側面に接続されてもよい。
【0054】
タグ制御装置は、1つのラック・ユニット・ケース内に2つの別個のシングルボードコンピュータ(A及びBの各側面に1つ)を含んでもよい。編成ごとに、2つのタグ制御装置が存在してもよい。タグ制御装置は、列車によって提供される110VACコンセントに接続された直接USB電力出力を有するUPSによって電力を供給されてもよい。各タグ制御装置は、以下のポート、6V USB-A電源入力と、タグとのインターフェース用のUSB-A入力と、測距及び測位データの送信用の2つのRJ-45イーサネットポートと、USB-Aデバッグポートと、のうちの2つの同一のセットを含んでもよい。
【0055】
タグ制御装置B側面は、600msごとに位置更新メッセージをブロードキャストし得る。位置更新メッセージは、報告されたが参照されるタグを識別するtag_idと、列車が配置されるガイドウェイ縁部を識別するedge_idと、縁部の開始ノードから縁部上で測定された弧長を表すオフセットと、3Dローカル座標で列車の報告された位置を表す[x、y、z]と、列車の位置が「測定された」か、又は「推定された」か否かを識別する推定フラグと、を含んでもよい。
【0056】
図5は、複数の軌道T1~T4を有する地下鉄トンネルの実施形態を示している。そのような実施形態では、編成の位置は、軌道に沿った位置に加えて、どの軌道上に編成が配置されるかを示してもよい。
【0057】
図6A~
図6Cは、本明細書に開示した実施形態と一致する位置決定のための例示的な方法を示している。これらの方法は例示としてのみ提示されており、限定的であると見なされるべきではないことに留意されたい。これらの例示的な方法のうちの1つ又は複数の代わりに、又はそれらに加えて、他の方法を位置決定に採用してもよい。
【0058】
図6Aは、3つのアンカA1、A2及びA3のうちの1つをそれぞれ中心とする3つの測距円の交点にタグが配置される、到着時間(TOA)方法を示している。三角測量とも呼ばれるこの方法では、3つの測距円の交点に従って、位置が決定され得る。
【0059】
図6Bは、焦点が3つのアンカA1、A2及びA3の位置である3つの双曲線の交点にタグが配置される、到着時間差(TDOA)方法を示している。三辺測量とも呼ばれるこの方法では、双曲線の交点に従って、位置が決定され得る。
【0060】
図6Cは、タグからの様々な角度で配置される3つのアンカA1、A2及びA3から信号を、タグが受信する、到来方向(DOA)方法を示している。この方法では、タグの位置は、アンカの角度及び位置に従って決定され得る。
【0061】
図7は、開示した技術のいくつかの実施形態による、データ通信システムを示している。
図7を参照すると、車載構成要素は、VBOCと、1つ又は複数のタグ制御装置と、1つ又は複数のタグ(図示せず)と、を含む。
図7の例では、VBOC及びタグ制御装置は、イーサネット接続を介して通信し得る。しかしながら、イーサネット接続の代わりに、又はそれに加えて、他の接続を使用してもよい。
【0062】
図7の例では、路側構成要素は、複数のアンカ及び境界ルータを含み得る。各アンカは、タグと通信するためのUWB無線機を含み得る。各アンカは、無線配信システム(WDS)における他のアンカと通信するための1つ又は複数のWi-Fi無線機を含み得る。各アンカ内で、1つ又は複数のWi-Fi無線機は、クライアント及びアクセスポイント(AP)を実装し得る。
図7の実施形態では、WDSクライアントが、第1の無線ネットワークWLAN 0に属し得る一方で、アクセスポイントは、第2の無線ネットワークWLAN 2に属し得る。これらの実施形態では、1つのアンカのクライアントが、別のアンカのAPに接続してもよい。
【0063】
図7の実施形態では、各境界ルータは、WDS内のアンカと通信するために、1つ又は複数のWi-Fi無線機を含んでもよい。各境界ルータ内で、1つ又は複数のWi-Fi無線機は、クライアント及びAPを実装してもよい。アンカを、境界ルータのクライアント又はAPに接続してもよい。各境界ルータは、例えばグラチュータスARP(GARP)を使用して、EMDスイッチと通信するためのイーサネットインターフェースを含んでもよい。これは、ゾーン制御装置からタグに、そして最終的にはVOBCに、データを正しくルーティングし続けるために、EMDスイッチがルーティングテーブル及びポート割当てを更新するために必要な情報を提供する。EMDスイッチは、EMDネットワーク及び1つ又は複数の制御センタ(図示せず)へのアクセスを提供し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、複数のWDSネットワークを確立することができ、各WDSネットワークは、1つ又は複数の境界ルータを介して中央ネットワークに接続する。
図8は、4つのWDSネットワークWDS1~WDS4を含む分散通信システムを示している。各WDSネットワークは、各々が少なくとも1つの隣接するアンカと通信するアンカのチェーンを含む。各WBSネットワークは、少なくとも1つの境界ルータを介して中央ネットワーク(
図8では「MTAネットワーク」とラベルを付けている)と通信する。
図8の例では、各WBSネットワークに対して2つの境界ルータを使用して、冗長性を達成することができ、一方の境界ルータBR1はアクティブであり、他方の境界ルータBR2はパッシブである。アクティブな境界ルータが故障した場合、パッシブな境界ルータが、アクティブな境界ルータとして引き継いでもよい。
【0065】
アンカは、ビーコンを定期的に、例えば毎秒3~10回送信し得る。各ビーコンは、ビーコンを送信するアンカのトンネル位置を含み得る。トンネル位置は、原点に対する相対距離を含み得る。アンカは、ビーコンを受信し、ビーコンに含まれるデータ、並びに受信したビーコンのRSSIを使用して、アンカから境界ルータまでのルートを作成する。ルーティングは、適切なRSSIを有する遠くのアンカに隣接するアンカを超えてホッピングすることによって待ち時間を最小化し得る。RSSIが列車の位置によって影響を受ける可能性があるため、ホップ距離を動的、かつ一時的に短縮することによって列車の周りをルーティングするために、ルーティングアルゴリズムは、列車の位置を考慮に入れてもよい。
【0066】
WDSは、単一のアンカ障害が全体的なスループット又は待ち時間に影響を及ぼさないように設計され得る。アンカは、ビーコン及びハートビートメッセージを定期的に送受信し得る。ビーコンデータは、アンカが、それ以上の隣接者(本明細書では「リーフ」と呼ぶ)がいないことを固定するまで、アンカに沿って境界ルータから送信され得る。同様に、リーフであるアンカは、アンカに沿って境界ルータに送信されるハートビートメッセージを発信し得る。このようにして、ヘルスデータは双方向に送信される。アンカ及び境界ルータは、これらのデータ(又はその欠如)を使用して、隣接するアンカのヘルスを決定する。特定の数のハートビート又はビーコンが欠落している場合、周囲のアンカは、故障しているアンカが機能停止していると考え、そのアンカの周りをルーティングする。
図9は、赤い円で示すように、少なくとも1つのアンカが故障したWDSを示している。隣接するアンカは、故障したアンカの周りをルーティングして、境界ルータへのWDS接続を完了する。アンカがオンラインに戻ると、そのアンカへのルーティングを再開してもよい。このように、WDSは自己修復性である。
図9に示すように、アンカはまた、例えば、少ないホップで、したがって少ない待ち時間でWDSを実現するために、故障していないアンカの周りをルーティングし得る。
【0067】
上述したように、列車などの管理に使用するために、開示したWDSネットワークを使用して、列車の位置情報を制御センタに中継してもよい。開示したWDSネットワークは、他にも多くの用途を有する。そのような用途の1つは、鉄道作業者保護である。
図10は、開示した技術のいくつかの実施形態による、鉄道作業者保護システムのアーキテクチャを示している。
【0068】
いくつかの実施形態では、システムは、列車位置情報を使用して、鉄道作業者に列車の接近を自動的に通知してもよい。これらの実施形態では、この情報を受信し、例えば鉄道作業者の近くの列車に関する、最小距離、最高速度などを指定する安全な分離規則に従って、鉄道作業者に警報を発するための通信デバイスを、1人又は複数の鉄道作業者は有してもよい。鉄道作業者が列車とWDSネットワークを共有する場合、列車位置情報又は警告を鉄道作業者に直接送信してもよい。列車及び鉄道作業者が異なるWDSネットワーク上にある場合、列車の位置、及び情報又は警告は、境界ルータ及び中央ネットワークを介してWDSネットワーク間で中継されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、鉄道作業者は、アンカに接続し得るウェアラブルデバイスを着用してもよい。これらの実施形態では、鉄道作業者の位置を列車に送信し、これにより、運転士は、必要に応じて列車を減速又は停止してもよい。
【0070】
これらの実施形態のいずれにおいても、鉄道作業者及び/又は列車運転士に警告を送信し得る中央制御装置に、位置情報をルーティングしてもよい。いくつかの実施形態では、中央制御装置は、位置情報を使用して列車を自動的に制御してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、列車の車両に搭載したタグを、列車間ネットワークを作成するために採用してもよい。
図11は、開示した技術のいくつかの実施形態による、列車間ネットワークのアーキテクチャを示している。
図11では、2両の列車の車両UNIT 1及びUNIT 2のみを示している。しかしながら、1つ又は複数の車両がそれらの車両間に連結されてもよいことを理解されたい。
図11の例では、両端の各車両は、両端の車両に搭載されたタグの2つのペアを含む。緑色で示すタグの遠位ペアは、上述の測距及び分散通信機能を実施し、青色で示すタグの近位ペアは、互いに通信して列車間ネットワークを形成する。いくつかの実施形態では、列車間ネットワークによって編成中のすべての車両を接続して、フルコネクテッド列車を形成してもよい。フルコネクテッド列車は、多数のアプリケーションを配信し得る。いくつかの例では、ネットワークを列車運行の目的のために使用してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、インターネット、セルラー通信などにアクセスするために、ネットワークを列車の乗客が使用してもよい。
【0072】
列車管理において、1つの重要な機能は、編成内の車両の数が、編成内にあると予想される車両の数に等しいことを保証することである。編成が予想よりも少ない車両数である場合、車両のうちの1つ又は複数が軌道上で欠落している可能性があり、重大な安全上の危険を提示する可能性がある。現在、この機能は、編成内の車軸の数をカウントする静止路側機器などによって実現されている。いくつかの実施形態では、開示したタグ及びアンカを使用して、ディスカウンティング機能を実装してもよい。例えば、アンカは、編成内の車両の数を決定するために、編成の通過タグをカウントしてもよい。この情報は、編成の予想車両数と比較するために、中央制御装置、ゾーン制御装置などに中継されてもよい。不一致の場合、制御装置は、1つ又は複数の動作を行い得る。例えば、動作は、列車運転手に警告すること、列車を制御することなどを含んでもよい。
【0073】
列車管理における別の重要な機能は、資産管理である。いくつかの実施形態では、開示した位置及び通信システムを採用して、資産管理を実施してもよい。この資産管理は、資産を定期的に監視することを含んでもよい。例えば、システムは、資産、トレンドデータなどを記述するデータを含むメッセージを定期的に送信してもよい。資産管理は、検出された状態を報告することを含んでもよい。例えば、システムは、高い無線機温度、ファームウェアバージョンの変更など、指定した資産の変更又は異常状態について警報を発してもよい。資産管理は、例えば、特定の監視動作をオンデマンドで実施するなど、オンデマンド監視を含んでもよい。第2の監視は、管理を監視することを含んでもよい。例えば、システムは、構成パラメータの変更、是正措置の実施など、遠隔管理機能を提供してもよい。
【0074】
この資産管理は、遠隔ソフトウェア展開を含んでもよい。例えば、システムにより、ユーザが、パッケージを遠隔でステージング、検証、インストール、修正、ロールバック、及びアンインストールし得るようにしてもよい。システムにより、ユーザが、複雑なルール、条件チェックなどを展開し得るようにしてもよい。
【0075】
この資産管理は、遠隔準備状態チェックを含んでもよい。例えば、システムが、車載システムの返却資産情報及びステータスをチェックしてもよい。スコアリングシステムを採用して、車載システムの現在の状態を評価し、ユニットの相対的な準備状態を比較してもよい。スコアリングシステムは、例えば、合否、数値スコアなどであってもよい。
【0076】
上述したように、いくつかの実施形態は、超広帯域(UWB)位置特定方法論を採用する。例えば、位置追跡は、アンカとタグとの間の相互作用に基づいてもよい。いくつかの例では、時間領域UWB(TD-UWB)又はソフトウェア定義無線(SDR)UWB(SDR-UWB)を使用してもよい。TD-UWBは、複数のスペクトルを瞬時に提供し得る一方で、SDR-UWBは、いくつかの順次の信号送信を使用して等価なスペクトルを提供し得る。いずれの方法論においても、到着時間(TOA)及び/又は飛行時間(TOF)は、アンカとタグとの間で測定され得る。TD-UWBを使用したTOAの測定を、例えば、802.15.4距離測定プロトコルを使用して実施してもよい。SDR-UWBを使用したTOAの測定を、マルチキャリア(MC)UWB(MC-UWB)及び他のアルゴリズムを使用して実施してもよい。そのようなTOA信号を送信し、受信し、及び処理するための全動作サイクルは、TD-UWB及びSDR-UWBの両方の選択肢について同等であり得る。アンカは、静止構造(例えば、地下鉄トンネル)の壁及び/又は屋根の静止位置に搭載してもよく、タグは、輸送手段(例えば、列車の車両、列車の側壁又は屋根)に搭載してもよい。いくつかの例では、読み取り機は、静止構造に設置されたタグと共に、輸送手段の壁又は屋根に設置されてもよい。地理的位置情報データは、局で利用可能なネットワークゲートウェイを介して制御センタで利用可能にするために、静止構造(例えば、地下鉄トンネル)の両出口に転送されてもよい。いくつかの例では、アンカ及び/又はタグは小型電池によって給電されてもよい。電池は、適切な環境発電デバイスから恒久的に充電可能であってもよい。消費電力と、発電から得られた電力との差を小さくするか、又は0に近づけて、電池の寿命を長くしてもよい。
【0077】
いくつかの例では、向上した位置追跡システムは、読み取り機デバイス、及びパッシブ又はアクティブタグを実装してもよい。例えば、パッシブタグは、RFIDタグを含んでもよい。
【0078】
いくつかの例では、UHF RFID読み取り機と通信するために、2つ以上のトランシーバをタグ上に実装してもよい。位置推定は、本明細書に記載するように、例えば、受信信号強度インジケータ(RSSI)、到着時間(TOA)、到着時間差(TDOA)、及びフィンガプリント方法のような技術を実装してもよい。
【0079】
TOA位置特定の場合、タグは、いくつかの読み取り機に対して、同時に見えるようになっている。タグの位置特定能力は、「軌跡」追跡アルゴリズムを実装することによって更に改善することができ、例えば、車両の座標は、単一の観測値からだけでなく、一連の連続測定値から導出され、処理装置で予測される。精度を改善させるために、機械学習アルゴリズム(例えば、内挿/外挿を伴うガウス過程回帰など)も実装してもよい。
【0080】
読み取り機として動作するように構成するTD-UWBチップは、地理的位置情報のために処理されるTOAデータを交換するために互いに通信し得る。ネットワークインフラストラクチャは、地下鉄トンネル内で利用可能ではないため、システムは、トンネル内でのネットワーキング機能を提供しなければならない。タグ地理的位置情報データについて予想されるような低電力低レートデータ交換の場合、915MHz帯域が適切な選択肢を提供し得る。TD-UWBチップベースの読み取り機は、この通信プロトコルをサポートしないので、追加のトランシーバを使用して、915MHz無線ネットワーキングを使用可能にしてもよい。
【0081】
SDR-UWB地理的位置情報は、上述したTD-UWB地理的位置情報と同様の多くの特徴を有する。主な違いは実装形態にある。TD-UWBは、瞬時広域スペクトルのパルス信号を生成する。SDR-UWBは、いくつかの/多数のCWトーン又は少数のベースバンド信号のシーケンスを、1つずつ生成することによって、周波数ステッピングを介して広いスペクトルを生成し得る。SDR-UWBでは、そのような受信信号成分は、等価な時間領域UWB信号を「合成」するために処理される。典型的なSDRは、数百MHzクロックで、最大60~60MHzの瞬時帯域幅のデジタルベースバンド信号を形成し得る。TD-UWB及びSDR-UWBにおけるUWB信号の完全な送信-受信処理サイクルの全体的なタイムバジェットは、時間領域受信がTD-UWBにおいて真のリアルタイムではなく、逐次サンプリングによって実施されるため、同等であり得る。SDR-UWB波形は、10~20μsのレートで更新され得る。そのように生成されたスペクトル成分の数百は、SDR-UWB地理的位置情報に関して、100Hz以上のリフレッシュレートを使用可能にするために、数msのタイムバジェットで、任意のUWBパルスを十分に「合成」する。
【0082】
SDR-UWBでは、広い信号帯域幅は、多くの電源必要とするが、狭い信号帯域幅は、少ない電源しか必要としない。(1)良好な距離分解能及び精度、(2)マルチパス拡散緩和など、主要なシステム機能を提供するために、特定の最小UWB信号帯域幅が必要である。このような帯域幅は、最初にシミュレーションで評価され、次にハードウェア試験で検証される。
【0083】
SDR-UWBでは、マルチキャリアUWB(MC-UWB)測位方法を使用して、省電力である一方向タグ読み取り機通信プロトコルを実装し得る。MC-UWBは、等化された(ゼロ化された)初期位相を有するいくつかの(多数の)サブキャリアの送信を使用する。そのような信号が受信されると、そのFFTが実施され、すべての支配的なスペクトル成分の位相が、TOAを推定するために測定され、及び処理され得る。マルチアクセス(マルチタグ)コーディングは、特定のサブキャリア成分(バイナリ重み0/1、又は数ビットの重み)を設定し、及び/又は重み付けすることによって、もたらされ得る。
【0084】
典型的なTD-UWBチップでは、電力の少なくとも半分が、永続的に動作しているクロックによって消費されるが、SDR-UWBは、少ない電力需要で動作するように設定され得る。また、SDR-UWB同調可能狭帯域受信機は、サンプラベースのTD-UWB受信機と比較して感度を高くし得る。最後に、SDR-UWBベースの無線は、TD-UWB無線機よりも良好なRF電力バジェットを有するべきである。
【0085】
いくつかの例では、UWB-SDRは、その地理的位置情報動作機能に加えて、ネットワーキングのための再プログラム可能な無線機セットを含んでもよい。特に、SDRは、915MHz通信をサポートする。典型的なSDRチップは、いくつかのTx/Rxアンテナ端子を有し、少なくとも2x2 MIMO方式を実装する。したがって、Tx及びRxアンテナ端子の1つのペアは、地理的位置情報をサポートするために使用することができ、Tx及びRx端子の第2のペアは、一般的な2x2 Tx/Rx MIMO SDRチップについて以下に概略するように、915MHzネットワークを動作させるために使用することができる。
【0086】
すべてのタグ測位データを専用の外部ユーザに転送するために、追加のアドホック無線ネットワーキングが必要である。例えば、すべての地理的位置情報測定値は、それらが地下鉄の駅で利用可能な既存の地下鉄ネットワークに入ることができるトンネル出口に転送され得る。この転送について、同じ915MHz周波数又はUWBメッシュは選択肢である。これは、トンネルに沿って、分散リピータのセット又は蓄積交換機能を設置することによって実現し得る。
【0087】
いくつかの例では、UWBノードのネットワークメッシュは、ファームウェアによって接続されて、メッシュを作成し、タグ位置データを前の局と次の局のゲートウェイに同時に通信してもよい。
【0088】
図12A及び
図12Bは、向上した位置追跡システムに実装され得る例示的なトランシーバデバイスを示している。例えば、
図12Aは、地理的位置情報及び915MHz動作の両方を使用可能にするための例示的な2×2 Tx/Rx SDRレイアウトを示している。地理的位置情報及びネットワーキング動作機能の両方は、それらのそれぞれのTx/Rx端末に接続された様々なタイプのアンテナを使用し得る。アンテナは、全方向性、180度、高利得、円形アレイ、又は当該技術分野で知られている他のアンテナであってよい。
【0089】
向上した位置追跡のためのシステムは、様々な例示的な通信モードを実装し得る。例えば、同じタグの地理的位置情報に関与するすべての読み取り機間のTOAデータ通信交換は、タグ地理的位置情報に関する個々のTOA測定値を組み合わせるために実装されてもよい。いくつかの例では、計算したタグ地理的位置情報データを収集するために、読み取り機とトンネル内ネットワークノードとの間に通信を実装してもよい。いくつかの例では、トンネル内ネットワーク内の通信を使用して、計算した地理的位置情報データを、トンネルの出口/入口の両方に転送し、それらを駅内の地下鉄ネットワークゲートウェイを介して利用可能にしてもよい。
【0090】
いくつかの例では、915MHz周波数低電力無線ネットワークを、システムが実装してもよい。他の例では、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、又はセルラーを使用してもよい。
図12Bは、本明細書に開示した実施形態と一致する例示的な通信モジュールを示している。
【0091】
いくつかの例では、非対称無線リンクを有するUHF/UWBハイブリッド無線機を、アンカ及び/又はタグとして実装してもよい。ダウンリンク(読み取り機-タグ)では、従来のパッシブ後方散乱RFIDと同様に、UHFにおける送信プロトコルを採用して、タグを制御し、及びパワーアップしてもよい。アップリンク(タグ-読み取り機)では、UHF CWから回収されたエネルギーは、IR-UWB送信機に適応し、高いデータレートで短時間にデータを送信する。
【0092】
リアルタイム位置情報システム(RTLS)のソリューションを実装してもよい。例えば、AMブロードキャスト帯域(530-1710kHz)内の低周波数で動作するNFERシステムは、波長の約1/3以内の無線信号の近接場挙動を利用してもよい。小型アンテナに近い場合、電波の電気成分及び磁気成分は90度位相がずれる。小型送信アンテナから遠ざかると、これらの成分は同相に収束する。電気相及び磁気相を別個に検出し、測定し、比較することによって、距離測定値を取得し得る。
【0093】
いくつかの例示的なシステムは、標的にパルスレーザ光を照射し、反射したパルスをセンサで測定することによって、標的までの距離を提供するLIDARを実装してもよい。いくつかの例示的なシステムは、ミリ波(MW)レーダを実装してもよい。
【0094】
いくつかの例では、輸送手段経路に隣接する第1の壁(例えば、西壁)のアンカは、対応するバックホール(例えば、北行き)に沿ってパケットを転送してもよく、輸送手段経路に隣接し、第1の壁の反対側の第2の壁(例えば、東壁)に沿ったアンカは、対応するバックホール(例えば、南行き)に沿ってパケットを転送してもよい。
図13は、北行き列車のタグTAG 1から2つの境界ルータ(本明細書で「境界アンカ」とも呼ぶ)まで、複数のバックホールに沿って伝搬されている位置データ信号を示している。
図14は、南行き列車のタグTAG 2から2つの境界ルータまで、複数のバックホールに沿って伝搬されている位置データ信号を示している。いくつかの実施形態では、位置データ信号は、一方又は両方のバックホールによって双方向に伝搬されてもよい。
【0095】
輸送手段タグは、その位置を計算すると、列車が進行している方向において、到達可能な最も遠いアンカ(例えば、まだ範囲内にある)に、及び反対方向において到達可能な最も近いアンカ(n+/-1)にデータを送信することによって、その位置をバックホールに入力(例えば、送信する)してもよい。受信アンカは、それぞれ到達可能な最も遠いアンカに、位置データを転送する。位置データが基地局(例えば、境界アンカ)に到達するまで、この転送プロセスは、反復的に繰り返されてもよい。次いで、位置データは、集中向上した通過位置システム(ETLS)に送信されてもよい。いくつかの例では、ETLSは、クラウドベースのコンピュータサーバ、又はコンピュータサーバのネットワークであってもよい。
【0096】
図15A、
図15B、
図15C、及び
図15Dは、例示的な空間アンカ-タグレイアウトを示している。例えば、
図15Aは、車両屋根にタグを配置するために、両方のトンネル側壁上にアンカを実装する例示的な構成を示している。
図15Bに示す別の例では、対向するトンネル側壁上のアンカは、車両屋根にタグを配置する。
図15Bの例では、アンカの測距円は、2つの位置で交差しており、曖昧さを生じている。しかし、1つの交差がトンネル壁内にあるため、曖昧さを無くすことができ、多義性が解消される。
【0097】
図15Cに示す別の例では、両方のトンネル側壁上のアンカは、それぞれの車両の屋根に2つのタグを配置する。
図15Dは、マルチ軌道構成を示している。そのような構成では、冗長性を導入するために複数のアンカを使用することにより、例えば列車がどの軌道上に配置するかを決定するための精度を改善し得る。
【0098】
いくつかの例では、バックホールは、自動修復性チェーンメッシュを含んでもよい。各バックホールパケットは、受信アンカ(n)によって確認応答されてもよい。アンカ(n)が何らかの理由でパケットを確認応答できない場合、送信アンカ(x)は、代替の受信アンカ(n-1)へのパケットの再転送を試みてもよい。このプロセスを最適化するために、パケットを正常に転送するために、バックホールアンカを、それらの信頼性の関数として重み付けすることができ、これにより、最も信頼性の高い経路が任意の所与の環境に使用される。
【0099】
アンカは、接近する輸送手段タグまでの相対距離を計算して送信するだけでなく、バックホールを介して境界ルータ(本明細書で「ブリッジアンカ」とも呼ぶ)まで、位置データを送信してもよい。ブリッジアンカは、UWBバックホールへのインターネットゲートウェイとして機能してもよい。例示的なブリッジアンカは、輸送手段の位置データをクラウドに送信してもよい。ブリッジアンカは、列車トンネルの進入地点及び退出地点など、輸送手段経路へのアクセスポイントに設置されてもよい。ブリッジアンカを、有線又は無線ネットワーク技術により、インターネットに通信可能に連結してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、クラウドは、ブリッジアンカからの輸送手段位置データを集約し、例えば、本明細書に開示したグラフィカル・ユーザ・インターフェースを使用して、リアルタイムのユーザインターフェースを提供してもよい。
【0101】
いくつかの例では、輸送手段タグは、輸送手段の外面に搭載されてもよい。地下鉄列車の例では、輸送手段タグは、個々の列車の車両の前部及び/又は後部に取り付けられてもよい。輸送手段タグは、例えば、輸送手段経路に沿ってアンカから送信されたデータ信号で提供されるように、測距及び距離データを取得してもよい。輸送手段タグは、ピンを送信してもよい。アンカは、対応するアンカ識別信号でピンに応答してもよい。いくつかの例では、アンカはまた、初期ピンを送信した輸送手段タグからの相対距離を送信してもよい。輸送手段タグは、リアルタイムのマルチラテレーションを計算し、位置データをバックホールに入力してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、輸送手段タグは、複数のチャネル(例えば、3~12チャネルの間)にわたって動作する1つ又は複数のUWB無線機を含んでもよい。いくつかの例では、無線機は、3.5GHz~6.5GHzの間の範囲で動作してもよい。例示的な輸送手段タグは、高利得双方向アンテナ、低利得半球アンテナ、デバイスプロビジョニング用のBluetooth(登録商標)低エネルギー2.4GHz無線機、超低電力マイクロ制御装置、制御装置ボタン若しくはスイッチ、電池パック、及び/又は環境発電デバイス若しくは外部電源用のDC電力入力を含んでもよい。例示的な輸送手段タグはまた、マイクロコンピュータ(例えば、Linux(登録商標)ベースの1GHz SBC、又は当技術分野で知られている他のマイクロコンピュータ)を含んでもよい。例示的な輸送手段タグはまた、電力入力ポート(例えば、マイクロUSB DC電力入力、又は当技術分野で知られている他の電源ポート)を含んでもよい。輸送手段タグを、固有の輸送手段識別情報でBLEを介して安全にプロビジョニングしてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、輸送手段タグは、2つのトランシーバ、例えばUWB無線機を含んでもよい。トランシーバは、第1のトランシーバがアンカデバイスと協調して輸送手段測距データを取得し、第2のトランシーバがバックホールに位置データを送受信し得るように、反対方向にデータを送受信するように配置されてもよい。輸送手段の両側(例えば、列車の前部及び列車の後部)にタグを搭載することによって、前向きタグは、前向きトランシーバを使用して測距データを取得し、後向きトランシーバを使用して車載コンピュータ及び後向きタグに測距データを送信してもよい。後向きタグは、その後向きトランシーバを使用して、バックホールに位置データを送信してもよい。
【0104】
本開示のいくつかの実施形態は、向上した通過位置システムの精度を改善する方法を提供する。向上した通過位置システムの精度を改善する方法は、デジタル画像センサ(例えば、デジタルカメラ)を輸送手段タグに連結することと、デジタル画像センサを輸送手段の走行軸に沿って長手方向に測位して、輸送手段が移動するときに輸送手段の前方又は後方の画像データを取り込むことと、を含んでもよい。測量標識を、デジタル画像センサの視野内で輸送手段の走行経路(例えば、列車の軌道又は道路)に沿って設けてもよい。本方法は、輸送手段が動いている間にデジタル画像センサから画像データを取得することと、測量標識から画像データに取り込まれた視覚的キューに基づいて任意の所与の時間における輸送手段位置を識別することと、画像データから識別された輸送手段位置を使用して輸送手段タグ及びアンカから識別された輸送手段位置を検証することと、を含んでもよい。
【0105】
本開示のいくつかの実施形態は、プロビジョニングアプリを提供する。例えば、システムのプロビジョニング、インストール、及び試験を容易にするために、モバイル・デバイス・アプリケーションをスマートフォン(例えば、耐久性のあるスマートフォン)に展開し、現場でUWB機器のインストール及び試験を担当する担当者に配布してもよい。プロビジョニングアプリは、例えばBluetooth(登録商標)又はWiFiなどの安全な無線接続を使用してアンカに通信可能に連結してもよい。アンカのプロビジョニング時間を短縮するために、アンカは、範囲内の近くのアンカと通信して、1つ又は複数の輸送手段タグ及び近接測量標識の現在位置を通信してもよい。測量標識のリストは、クラウド内に配置されたデータベースに記憶され、プロビジョニングアプリがネットワークに接続されたときに、プロビジョニングアプリと同期してもよい。プロビジョニングに加えて、プロビジョニングアプリは、UWBバックホールの全体的なヘルスを試験するための測距機能を含んでもよい。
【0106】
図16A~
図16Cは、設置壁、発信局、(QRコード(登録商標)を介してスキャンされた又は手動入力された)アンカMACアドレス、及び測量標識からアンカの南までの距離に基づいて、アンカがプロビジョニングされることを示す例示的なプロビジョニングアプリによって提供されるディスプレイのスクリーンショットである。
【0107】
図17A~6Dは、輸送手段測位情報を表示するアプリの例示的なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示している。
図17Aは、列車がどの軌道から出発しているかと共に、強調表示された線上の次の駅のグラフィック表示を示すグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示している。
図17Bは、列車がどの軌道から出発しているかと共に、強調表示された線で列車軌道のグラフィカル表示を示すグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示している。
図17C及び
図17Dは、タグ及び/又はアンカから受信した対応するデータと共に、線上の輸送手段位置のアニメーションを表示するグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示している。ユーザインターフェースは、列車が乗っている軌道を、ページの遠縁部にある駅と共に表示してもよい。いくつかの例では、駅の背景画像をフェードアウトさせてもよい。いくつかの例では、列車の背景画像をフェードインさせてもよい。ユーザインターフェースは、画面上にデータを表示及び/又はスクロールするために、「ヘッドアップディスプレイ」(HUD)を設けてもよい。アニメーションでは、列車は、画面の横から、画面の水平中央に達するまで移動し、その後中心に留まってもよい。次いで、軌道は、トンネル内の列車位置に基づいて更新される測量標識と共に移動してもよい。
【0108】
いくつかの例では、ユーザインターフェースは、リアルタイム又は半リアルタイムで表示されるデータを更新してもよい。例えば、所与の輸送手段のバックホールに沿った距離及び/又は速度データは、ユーザインターフェース内で定期的に更新されてもよい。
【0109】
理解されるように、本明細書に記載の方法を、有形媒体に記憶された機械実行可能命令を有するコンピュータシステムを使用して実施してもよい。命令は、自律的に、又はオペレータからの入力の助けを借りて、方法の各部分を実施するように実行可能である。
【0110】
当業者であれば、本明細書に記載の開示した実施形態は単なる例であり、多数の変形形態が存在することを理解するであろう。本発明は、本明細書に記載の実施形態並びに当業者に明らかな変形形態を包含する特許請求の範囲によってのみ限定される。更に、本明細書の任意の1つの実施形態に示した又は記載した構造的特徴又は方法ステップは、他の実施形態においても同様に使用し得ることを理解されたい。
【0111】
本明細書で使用する場合、論理回路及び構成要素という用語は、本明細書に開示した技術の1つ又は複数の実施形態に従って実施され得る機能の所与のユニットを表す場合がある。本明細書で使用する場合、論理回路又は構成要素のいずれかは、任意の形態のハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せを利用して実装されてもよい。例えば、1つ又は複数の処理装置、制御装置、ASIC、PLA、PAL、CPLD、FPGA、論理構成要素、ソフトウェアルーチン又は他の機構を実装して、構成要素を構成してもよい。実装形態において、本明細書に記載の様々な構成要素は、個別の構成要素として実装されてもよく、又は記載の機能及び特徴は、1つ又は複数の構成要素間で部分的又は全体的に共有され得る。換言すれば、この記載を読んだ後に当業者には明らかであるように、本明細書に記載した様々な特徴及び機能は、任意の所与の用途において実装されてもよく、様々な組合せ及び置換により、1つ又は複数の別個の又は共有の構成要素において実装されてもよい。機能の様々な特徴又は要素が別個の構成要素として個別に説明又は特許請求され得るとしても、当業者は、これらの特徴及び機能が1つ又は複数の共通のソフトウェア及びハードウェア要素間で共有され得ることを理解し、そのような説明は、そのような特徴又は機能を実装するために、別個のハードウェア又はソフトウェア構成要素を使用することを必要とせず、又は意味しない。
【0112】
構成要素、論理回路、又は本技術の構成要素がソフトウェアを使用して全体的又は部分的に実装される場合、一実施形態では、これらのソフトウェア要素を、それに関して説明した機能を実行し得るコンピュータ又は論理回路で動作するように実装し得る。様々な実施形態を、この例示的な論理回路1100に関して説明している。この説明を読めば、当業者には、他の論理回路又はアーキテクチャを使用して本技術を実施する方法が明らかになるであろう。
【0113】
ここで
図18を参照すると、コンピュータシステム1100は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、及びノートブックコンピュータ内に見られるコンピュータ又は処理能力や、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス(PDA、スマートフォン、携帯電話、パームトップなど)や、メインフレーム、スーパーコンピュータ、ワークステーション又はサーバや、あるいは所与のアプリケーション又は環境にとって望ましい又は適切であり得る任意の他のタイプの専用又は汎用コンピュータデバイスを表してもよい。論理回路1100はまた、所与のデバイス内に組み込まれた、又はそうでなければ所与のデバイスに利用可能なコンピュータ能力を表してもよい。例えば、論理回路は、例えば、デジタルカメラ、ナビゲーションシステム、携帯電話、ポータブル・コンピュータ・デバイス、モデム、ルータ、WAP、端末、及び何らかの形態の処理能力を含み得る他の電子デバイスなど、他の電子デバイスに見られことがある。
【0114】
コンピュータシステム1100は、例えば、1つ又は複数の処理装置、制御装置、制御構成要素、又は処理装置1104などの他の処理デバイスを含んでもよい。処理装置1104は、例えば、マイクロ処理装置、制御装置、又は他の制御ロジックなど、汎用又は専用処理構成要素を使用して実装されてもよい。図示の例では、処理装置1104は、バス1102に接続されているが、任意の通信媒体を使用して、論理回路1100の他の構成要素と容易に相互作用しても、又は外部と通信してもよい。
【0115】
コンピュータシステム1100はまた、本明細書では単に、メインメモリ1108と呼ぶ、1つ又は複数のメモリ構成要素を含んでもよい。例えば、好ましくは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)又は他のダイナミックメモリが、処理装置1104によって実行されるべき情報及び命令を記憶するために使用されてもよい。メインメモリ1108はまた、処理装置1104によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。論理回路1100は、同様に、処理装置1104のための静的情報及び命令を記憶するために、バス1102に連結された読み出し専用メモリ(「ROM」)又は他の静的記憶デバイスを含んでもよい。
【0116】
コンピュータシステム1100はまた、例えば、媒体ドライブ1112及び記憶ユニットインターフェース1120を含み得る、1つ又は複数の様々な形態の情報記憶機構1110を含んでもよい。媒体ドライブ1112は、固定又は取外し可能な記憶媒体1114をサポートするためのドライブ又は他の機構を含んでもよい。例えば、ハード・ディスク・ドライブ、フロッピ・ディスク・ドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、CD又はDVDドライブ(R又はRW)、あるいは他の取外し可能又は固定媒体ドライブが提供されてもよい。したがって、記憶媒体1114は、例えば、ハードディスク、フロッピディスク、磁気テープ、カートリッジ、光ディスク、CD又はDVD、あるいは媒体ドライブ1112によって読み取られ、書き込まれ、又はアクセスされる他の固定又は取外し可能な媒体を含んでもよい。これらの例が示すように、記憶媒体1114は、コンピュータソフトウェア又はデータを記憶したコンピュータ使用可能記憶媒体を含み得る。
【0117】
代替の実施形態では、情報記憶機構1110は、コンピュータプログラム又は他の命令若しくはデータを、論理回路1100にロードし得るようにするための他の同様の手段を含んでもよい。そのような手段は、例えば、固定又は取外し可能な記憶ユニット1122及びインターフェース1120を含んでもよい。そのような記憶ユニット1122及びインターフェース1120の例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェースと、取外し可能メモリ(例えば、フラッシュメモリ又は他の取外し可能メモリ構成要素)及びメモリスロットと、PCMCIAスロット及びカードと、ソフトウェア及びデータが記憶ユニット1122から論理回路1100に転送されることを可能にする他の固定又は取外し可能な記憶ユニット1122及びインターフェース1120と、を含み得る。
【0118】
論理回路1100はまた、通信インターフェース1124を含んでもよい。通信インターフェース1124は、ソフトウェア及びデータが論理回路1100と外部デバイスとの間で転送されることを可能にするために使用されてもよい。通信インターフェース1124の例は、モデム若しくはソフトモデム、ネットワークインターフェース(イーサネット、ネットワーク・インターフェース・カード、WiMedia、IEEE 802.XX、又は他のインターフェースなど)、通信ポート(例えば、USBポート、IRポート、RS232ポートBluetooth(登録商標)インターフェース、又は他のポート)、又は他の通信インターフェースを含んでもよい。通信インターフェース1124を介して転送されるソフトウェア及びデータは、通常、電子、電磁(光を含む)、又は所与の通信インターフェース1124によって交換され得る他の信号であり得る信号上で、搬送されてもよい。これらの信号は、チャネル1128を介して通信インターフェース1124に提供されてもよい。このチャネル1128は、信号を搬送し、有線又は無線通信媒体を使用して実装されてもよい。チャネルのいくつかの例は、電話回線、セルラーリンク、RFリンク、光リンク、ネットワークインターフェース、ローカル又はワイド・エリア・ネットワーク、及び他の有線又は無線通信チャネルを含んでもよい。
【0119】
本明細書では、「コンピュータプログラム媒体」及び「コンピュータ使用可能媒体」という用語を、全般に、例えばメモリ1108、記憶ユニット1120、媒体1114、及びチャネル1128などの媒体を指すために使用する。これら及び他の様々な形態のコンピュータプログラム媒体又はコンピュータ使用可能媒体は、実行のために、1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを、処理デバイスに搬送することに関与させ得る。媒体上で具現化されるそのような命令は、一般に、「コンピュータプログラムコード」又は「コンピュータプログラム製品」(コンピュータプログラム又は他のグループの形態でグループ化され得る)と呼ばれる。実行されると、そのような命令は、論理回路1100が本明細書に記載した開示した技術の特徴又は機能を実施し得る。
【0120】
図18はコンピュータネットワークを示しているが、本開示はコンピュータネットワークを用いた動作に限定されず、むしろ、本開示は任意の適切な電子デバイスにおいて実施され得ることが理解される。したがって、
図18に示すコンピュータネットワークは、例示のみを目的としており、したがって、いかなる点においても本開示を限定することを意味しない。
【0121】
開示した技術の様々な実施形態を上述したが、それらは限定ではなく例としてのみ提示されていることを理解されたい。同様に、様々な図は、開示した技術の例示的なアーキテクチャ又は他の構成を示すことができ、これは、開示した技術に含まれ得る特徴及び機能の理解を助けるために行われる。開示した技術は、図示した例示的なアーキテクチャ又は構成に限定されず、所望の特徴は、様々な代替的なアーキテクチャ及び構成を使用して実装することができる。実際、本明細書に開示した技術の所望の特徴を実装するために、代替の機能的、論理的又は物理的な区分及び構成がどのように実装され得るか、当業者には明らかであろう。また、本明細書に示しているもの以外の多数の様々な構成要素名を、様々なパーティションに適用することができる。
【0122】
更に、フロー図、動作説明、及び方法の特許請求の範囲に関して、本明細書でステップが提示される順序は、文脈上別段の指示がない限り、列挙された機能を同じ順序で実行するために、様々な実施形態が実装されることを義務付けるものではない。
【0123】
開示した技術を、様々な例示的な実施形態及び実装形態に関して上述しているが、個々の実施形態のうちの1つ又は複数に記載した様々な特徴、態様及び機能は、それらを記載している特定の実施形態への適用性において限定されるものではなく、代わりに、様々な特徴、態様及び機能は、記載した実施形態の一部として、そのような実施形態を記載しているか否か、及びそのような特徴を提示しているか否か、開示した技術の他の実施形態のうちの1つ又は複数に、単独で又は様々な組合せで適用され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示した技術の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0124】
本明細書で使用する用語及び語句、並びにそれらの変形は、特に明示的に述べられていない限り、限定ではなく、制限のないものとして解釈されるべきである。前述の例として、用語「含む」は、「限定しないが含む」などの意味として読まれるべきであり、「例」という用語は、その網羅的又は限定的な列挙ではなく、議論中の項目の例示的な例を提供するために使用され、「1つの(a)」又は「1つの(an)」 という用語は、「少なくとも1つの(at least one)」、「1つ又は複数の(one or more)」などを意味すると読まれるべきであり、「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準的な」、「既知の」などの形容詞、及び同様の意味の用語は、記載した項目を所与の時間期間、又は所与の時点で利用可能な項目に限定するものとして解釈されるべきではなく、代わりに、現在又は将来のいつか、利用可能又は現在知られる、従来の、伝統的な、通常の、又は標準的な技術を包含するように読まれるべきである。同様に、本明細書が当業者に明らかであるか又は知られている技術を指す場合、そのような技術は、現在又は将来のいつか、当業者に明らかであるか又は知られている技術を包含する。
【0125】
場合によっては、「1つ又は複数」、「少なくとも」、「しかしこれに限定されない」、又は他の同様の語句などの拡大する単語及び語句の存在は、そのような拡大する語句が存在しない場合がある場合に、より狭い場合が意図されるか又は必要とされることを意味すると読まれるべきではない。「構成要素」という用語の使用は、構成要素の一部として記載又は主張する、構成要素又は機能が、すべて共通のパッケージ内に構成されることを意味しない。実際、制御論理又は他の構成要素にかかわらず、構成要素の様々な構成要素の一部又は全部は、単一のパッケージに組み合わされる、又は別個に維持され、更に、複数のグループ又はパッケージに、あるいは複数の場所にわたって分散され得る。
【0126】
更に、本明細書に記載の様々な実施形態を、例示的なブロック図、フローチャート及び他の図に関して説明している。本明細書を読んだ後に当業者に明らかになるように、図示した実施形態及びそれらの様々な代替形態は、図示した例に限定されることなく実施され得る。例えば、ブロック図及びそれらに付随する説明は、特定のアーキテクチャ又は構成を義務付けるものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】