(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-07
(54)【発明の名称】仮想空間における利用者を特定した広告
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221028BHJP
A63F 13/61 20140101ALI20221028BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221028BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20221028BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
A63F13/61
A63F13/79
G09F19/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021576706
(86)(22)【出願日】2020-06-28
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 AU2020050672
(87)【国際公開番号】W WO2020257881
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521559555
【氏名又は名称】フレームプレイ コープ
【氏名又は名称原語表記】FRAMEPLAY CORP
(71)【出願人】
【識別番号】322011221
【氏名又は名称】ロー レイテンシ メディア プライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LOW LATENCY MEDIA PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100134647
【氏名又は名称】宮部 岳志
(72)【発明者】
【氏名】ロッシ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】トラウトン,ジョナサン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049BB08
(57)【要約】
提供に係る実施形態は、デジタル環境においてデジタルトリガに対する応答により利用者を特定した広告素材を提示するシステムおよび方法を提供する。提供に係る方法は、利用者に対する仮想環境の提示を含み、利用者は、一または複数のデジタルトリガを有効化できるアバターとして仮想環境に存在する。目標物は、前記仮想環境に埋め込まれている。目標物はサーバに通信可能に接続され、一または複数のデジタルトリガが有効化されたときに、利用者を特定した広告素材を提示することができる。仮想環境内において利用者によるデジタルトリガの有効化があれば、デジタルトリガに反応し少なくとも一つの広告素材が目標物を介して表示され、これにより、前記広告素材は、前記デジタルトリガが有効化されたとき、利用者に視認される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
提示モジュールによる、利用者に対する、前記利用者がアバターとして存在する仮想環境の提示と、
広告モジュールによる、サーバに通信可能に接続され、一または複数のデジタルトリガが有効化されたときに利用者を特定した広告素材を提示する目標物の、前記仮想環境内への埋め込みと、
前記広告モジュールによる、仮想環境におけるデジタルトリガの有効化の有無の判別と、
前記提示モジュールによる、前記デジタルトリガに基づく、前記目標物を介した、前記デジタルトリガが有効化されたときに利用者により視認又は聴取される少なくとも一つの広告素材の提示と、
を含む、仮想環境における利用者を特定した広告素材を提供する方法。
【請求項2】
前記提示モジュールにより、利用者の一または複数のデジタルトリガの有効化を可能とすることを更に含み、前記一または複数のデジタルトリガは、アバターが前記目標物のための有効化領域内にあるときに有効化され、前記目標物および前記広告素材の何れも前記デジタルトリガが有効化されたときに提示され、さらに、前記目標物および前記広告素材は実行時にライブレンダリングされる、完全な在来物であり、利用者体験を低下させないものとなっており、前記デジタルトリガはシステムが生成したトリガおよび利用者の入力に基づくトリガを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
利用者関与モジュールによる、前記目標物への利用者関与の定量化を更に含み、定量化には、前記目標物への利用者のアバターの関与の定量化が含まれる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記利用者関与の定量化は、画像、音楽又は動画の少なくとも一つを含む前記目標物の有効化領域にアバターが留まっている期間と、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間における前記目標物に対するアバターの位置と、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間に対する前記目標物への反応時間の少なくとも一つに基づいている請求項3に記載の方法。
【請求項5】
支払モジュールによる、前記広告素材の広告主からの料金の課金を更に含み、料金は、前記有効化領域内の前記目標物への前記利用者関与の量および質に比例する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想環境はコンピュータゲームに存在し、更に、利用者の前記アバターは前記コンピュータゲーム内の登場体であり、前記コンピュータゲームは、本人景観でプレイされる3Dコンピュータゲームである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記広告モジュールによる、表示された前記目標物および表示された前記広告素材のうちの少なくとも一つへの、利用者の前記一または複数の反応の追跡と記録を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記有効化領域は前記仮想環境内の前記目標物に埋め込まれたコライダによって作り出され、前記仮想環境は、仮想現実環境、拡張現実環境、コンピュータゲーム、およびデジタル環境のうちの少なくとも一つを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
アップロードモジュールによる、利用者がコンピュータゲームにおける見栄えのために個人用コンテンツをアップロードすることの可能化を更に含み、前記提示モジュールは利用者の個人用コンテンツをコンピュータゲームの一部として表示する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記利用者を特定した広告素材は、利用者のIPアドレス、および、利用者のコンピュータゲーム利用者アカウントから抽出された利用者情報のうちの少なくとも一つから抽出された利用者情報に基づいて決定される請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
利用者に対し、前記利用者がアバターとして存在する仮想環境を提示するための構成とされ、前記利用者が一以上のデジタルトリガを有効化することを可能にする提示モジュールと、
サーバに通信可能に接続され、一または複数のデジタルトリガが有効化されたときの利用者を特定した広告素材の提示を可能とする目標物を前記仮想環境に埋め込むとともに、前記提示モジュールが応答して前記目標物を介して少なくとも一つの広告素材を提示し、有効化されたときに前記広告素材を利用者に対し視認または聴取可能とするデジタルトリガの想環境内における有無を判定するための構成とされた広告モジュールと、
を含む、仮想環境における利用者を特定した広告素材を提供するシステム。
【請求項12】
前記デジタルトリガは前記アバターが前記目標物の有効化領域内にあるときに有効化され、前記目標物および前記広告素材の双方が前記デジタルトリガの有効化されたときにのみ表示され、さらに、前記目標物および前記広告素材は実行時にライブレンダリングされる、完全な在来物であり、利用者体験を低下させないものとなっている請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記目標物への利用者関与を定量化するための構成とされた利用者関与モジュールを更に含み、前記利用者関与モジュールは、利用者のアバターの前記目標物への関与を定量化し、前記目標物が、画像、音楽、および映像のうちの少なくとも一つを含む請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記利用者関与モジュールは、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間と、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間における前記目標物に対するアバターの位置と、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間に対する目標物への反応時間の少なくとも一つに基づき利用者関与を定量化する請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記広告素材の広告主へ料金を課金するための構成とされた支払モジュールを更に含み、料金は、前記有効化領域内の前記目標物への利用者関与の量および質に比例し、前記広告素材は、音楽、映像、および画像のうちの少なくとも一つを含み、前記利用者関与は、制御入力を介した利用者による反応で構成される請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記仮想環境は、コンピュータゲームに存在し、更に、利用者の前記アバターはコンピュータゲーム内の登場体であり、前記コンピュータゲームは、本人景観でプレイされる3Dコンピュータゲームである請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記広告モジュールは、更に、表示された前記目標物および表示された前記広告素材のうちの少なくとも一つへの利用者の前記一または複数の反応を追跡するための構成とされている請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記有効化領域は前記仮想環境内の前記目標物に埋め込まれたコライダによって作り出され、前記仮想環境は、仮想現実環境、拡張現実環境、コンピュータゲーム、およびデジタル環境のうちの少なくとも一つを含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
利用者がコンピュータゲームにおける見栄えのための個人用コンテンツをアップロードするための構成とされたアップロードモジュールを含み、前記提示モジュールは利用者の個人用コンテンツを前記コンピュータゲームの一部として表示する請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記利用者を特定した広告素材は、利用者のIPアドレス、および、利用者のコンピュータゲーム利用者アカウントから抽出された利用者情報のうちの少なくとも一つから抽出された利用者情報に基づいて決定される請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は広告に関し、より詳細には、仮想環境内で動的広告を提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の方法、装置、または文書へのいかなる言及も、それらが、普通の一般知識の一部を形成したこと、或いは形成していることの如何なる証拠又は自白を構成するものとして解釈されるべきではない。
【0003】
ビデオゲームのような仮想環境を含む活動は、印刷媒体、映画、ラジオ及びビデオのような他の形式の媒体をも超えて、より一般的なものとなりつつある。このように、広告会社が対象としたい人々の数と、広告主が従来の方法を用いて効果的に対象とすることができる人々の数とには乖離があり、それは絶えず増加し続けている。個人の多くは放送テレビ(以前は可処分所得を有する若者を対象とするための優れた媒体)をあまり見ておらず、ネットフリックス(登録商標)のような媒体配信を好み、同時に、新聞の流通は急速な減少を続けている(以前は、比較的裕福な年配者を対象とした有用な媒体であった)。更に、一般大衆では、広告対象となることを回避するための方法を模索する者が増え、このことはまた、広告収入に依存して存在し、利益を生み出す産業に影響を及ぼす。
【0004】
例えば、年齢層及び収入層が増加している魅力的な広告ターゲットグループの1つは、コンピュータゲーマーである。対象グループの数が増加するのみでなく、日々ゲームに費やされる時間も増し、これらの時間は、しばしば、テレビのような従来の媒体機器に対し費やされる時間に取って代わっている。更に、可処分所得を有する比較的年長のゲーマーがより多くの時間をゲームに費やすにつれて、重要層を対象とするために広告主に残される選択肢はより少なくなり、ゲーマーは、ゲームプレイの進行に影響を及ぼす目障りで露骨なゲーム広告に敏感になっている。
【0005】
コンピュータゲームの開発会社および販売会社に関して、彼らは、現在、ゲーム経験を損なわせることなく、かつ顧客に嫌気を感じさせることなく、彼らのコンピュータゲームを収益につなげる課題に直面している。コンピュータゲームの初期に個々のゲームは、使用者による自分の家庭における自分の装置での使用のために購入され、ゲーム開発会社はゲーム及び必要な装置の販売に基づいた収益源を当てにすることができた。しかし、現在ではSaaSビジネスモデルに基づくゲーム開発及び販売への移行があり、これは、より多くのゲームが自由に使用できるものとなっており、開発者及び販売者は別の手段を介してゲームを収益につなげていることを意味し、そのような手段は時として(ゲーム通貨の取り合い等のような)賭け事すれすれのものとなっている。多くの手段は、ゲーム進行やゲーム内の戦略的内容物に対するゲーム開発者による支払いの催促において激怒するプレーヤーの激増を伴い、ゲームコミュニティーからの否定に直面している。
【0006】
これに加えて、新しい、若く及び/又は独立したゲーム開発者がゲームを作る能力は、彼らの成長と開発を支援するための収益化の権利が無くては、ほぼ成立不可能である。これは、ゲームを開発するための資源を有するより大きなゲーム開発会社による独占をもたらし、これはまた、得られるゲームの数を制限する。簡単で公平なゲーム内広告システムのような新しい収入形態は、独立した開発者が受動的な収入源を作りだすことを可能とし、彼らが自分の望むゲームを構築し、得られるゲームの数を増やすことを可能とする。
【0007】
ゲームプレイ中に広告素材を表示するための組み込み機能、それは、ゲームが無料でプレイされているかどうかにかかわらず、ゲームがプレイされているときにゲーム開発者/販売者のための広告の生成を可能とし得る機能、を有するコンピュータゲームを作成するための手段をゲーム開発者のために提供することは、実用的にも、そして、商業行的にも、魅力的であろう。
【0008】
本発明の目的は、先行技術の上記の欠点を克服または改善すること、または少なくとも有用な代替物を提供することである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明の第一の態様では、デジタル環境において利用者を特定した広告素材を提示するシステムおよび方法が提供される。デジタル環境には、限定されるものではないが、仮想現実環境、拡張現実環境、コンピュータゲーム、模倣された環境などを含む仮想環境が含まれ得る。いくつかの実施形態では、利用者を特定した広告素材が、ゲーム中のプレーヤーなどの利用者に対しデジタルトリガに応答して提示され、広告素材を含む表示画面を含めた目標物の前記仮想環境への埋め込みを含んでいる。デジタルトリガの非限定的な例には、ジオロケーションが含まれ得る。デジタルトリガは、システムによって生成されてもよい。例えば、システムよって生成されるデジタルトリガとして、広告を提示するための予め設定された時間が含まれ得る。いくつかの実施形態において、デジタルトリガが利用者からの入力に基づくものであってもよい。例えば、利用者の入力に基づいたトリガとして、ゲーム中に利用者がキーパッド上のキーを押したとき又は利用者がコンピュータゲームにおいて左折したときが含まれてもよく、このときに広告素材が提示される。いくつかの実施形態では、利用者は前記デジタルトリガをアクティブ化することができるアバターとして仮想環境内に存在し、前記デジタルトリガがアクティブ化されるときに前記広告素材が利用者に提示されてもよい。目標物はサーバに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、利用者のアバターがコンピュータゲームまたは仮想環境における登場人物であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、目標物には、画像、視界、音声(音楽)、そして、静止画、動画、或いは音声広告として知られているような動作が含まれてもよいが、これらに限定されるものではない。仮想環境は、コンピュータまたはその他の媒体により作り出され、利用者が前記環境の中での存在を有する、例えば拡張現実環境などの、任意の環境であってもよい。仮想環境には、デジタル環境を含めることができる。一般的に、仮想環境は、利用者によって体験され得る任意の環境であってもよく、例えば、(具体的にはAR環境において)環境の一部となり、或いは、(例えばVR環境またはコンピュータゲームにおいて)利用者の代理としてのアバターとなる仮想環境であってもよい。仮想環境は、二次元(2D)、三次元(3D)、または立体的3D環境として存在してもよい。一般的に、2D仮想環境は利用者から見て実質的に平坦となり(すなわち利用者は2D仮想環境の断面を見ている)、その一方で、3D仮想環境は、利用者から見たときに奥行きを持って現れ、利用者が様々な範囲の景観で仮想環境を見ることを可能にする。一実施形態において、仮想環境が模倣された環境であってもよい。
【0011】
仮想環境は、仮想現実であってもよいし、拡張現実であってもよい。仮想現実とは、任意の人工的で、コンピュータにより作り出された模倣または再構築された環境や状況(現実世界から抽出されたもの、または架空のもの)であって、没入することによって利用者がその状況に存在している感覚を強める設計とされたものを意味し、そこでは、人の存在が視覚環境において模倣され、仮想現実がユーザの視野に取って代わる。拡張現実とは、人工的で、コンピュータにより作り出された、利用者の実世界の視界上へのコンピュータにより作り出された画像(仮想画像)の重ね合わせを意味し、それによって利用者の視野に追加される。
【0012】
]利用者から見た仮想環境は利用者によって2Dおよび/または3であると解釈/知覚され得ることが理解されるのであろうが、利用者は一般に二次元媒体(すなわち、何らかの形式の画面)を介して仮想環境を見ているのであろう。
【0013】
仮想環境は、ビジネス、教育、案内、健康、娯楽、競技、芸能、またはそれらの組み合わせの目的のために作成されてもよい。仮想環境は利用者からデジタル媒体または装置上で見られるが、仮想環境は(完全にまたは部分的に)アニメ化され、グラフィックス、コンピュータ生成画像(CGI)を含み、または実世界の(すなわち、撮影された)映像または写真に基づくものであってもよいことが理解されよう。本発明の方法で使用することができる仮想環境の例には、例えば、仮想住宅ツアー、旅行/ウォーキング/ドライブの案内、仮想教育訓練指導、およびコンピュータゲームが含まれる。仮想環境は、グラフィックス/アニメーション/CGIによって作成された架空の環境であってもよく、グラフィックス/アニメーション/CGIを使用して再構築された(および可能性として実世界の映像で補完された)実世界の環境であっても、実質的に実世界の環境であっても、グラフィックス/アニメーション/CGIによって補完された実世界の環境であってもよい。
【0014】
利用者は仮想環境において可視化させる広告素材の対象であるが、利用者は仮想環境においてアバターとして明示される。いくつかの実施形態では、利用者のアバターがコンピュータゲームまたは仮想環境における登場体であってもよい。広告素材が利用者を特定したものであるということは、任意の特定の利用者に見ることのできる広告素材が、位置、年齢、性別、購入履歴、ブラウジング履歴、仮想環境または(該当する場合)アバターの選択、利用者によって自発的に提供される追加情報、および/またはそれらの組合せなどの一つまたは複数の要因に従って個人に合わせたものとされることを意味するが、要因はこれらに限定されるものではない。
【0015】
アバターとは、仮想環境に登場し、および/または利用者の代理として仮想環境に参加する、仮想環境内の物体或いは存在(すなわち「人物」)を意図するだけであり、デジタルトリガを起動することができる。いくつかの実施形態では、利用者のアバターがコンピュータゲームまたは仮想環境における登場体であってもよい。アバターは仮想環境内で幾多の役割または地位を有する想定であってもよく、利用者が仮想環境における何等かの視野を有する限りいつでも、異なる見え方を有するものであってもよい。アバターを介した利用者の体験は利用者によって任意の景観で見ることができるものであってもよく、利用者が得られる景観は、仮想環境が2D環境であるか3D環境であるかに依存するものであってもよい。
【0016】
一般に、2D仮想環境において利用者が得られる景観は固定され、そこでは、利用者は、仮想環境の一断面(すなわち、側面図または上面図)を見ることができるような、仮想環境における第三者景観を有している。3D仮想環境において得られる景観はかなり変化し、限定されるものではないが、本人景観、第三者景観、航空(上から下に見下ろす)景観、内容に応じた景観、および/又はそれらの組み合わせを含む。
【0017】
利用者は、仮想環境において、アバターの役割を(現実のものであっても架空のものであっても、利用者自身であっても)実効的に担ってもよい。例えば、拡張現実である仮想環境では、利用者が事実上、本人景観で仮想環境を見ているアバターであり、仮想環境において仮想環境の一部として拡張されてもよい。
【0018】
アバターは仮想環境における無生物体であってもよく、そこでは、アバターは、利用者が特定の景観で仮想環境を見る又は体験することを可能にするための仮想環境に対する付属物となる。例えば、アバターは、仮想環境内の物体または物体に対応して移動する実カメラまたは仮想カメラであってもよく、それによって、2Dまたは3D仮想環境における第三者景観を提供する。いくつかの実施形態では、アバターが仮想環境の一部となるために利用者によって選択された登場体であってもよい。
【0019】
利用者は仮想環境の本人視点を有することができ、これは3D仮想環境においてアバターに取り付けられた仮想又は実際の正面カメラ(すなわち、アバターは仮想カメラの実物)によって得られる映像を見ている利用者に類似する。それに代えて、利用者には3D仮想環境の第三者視点が提供されてもよく、そこでは、利用者は、一般に、仮想環境におけるアバターの正面側光景、背面側光景、または側面側光景を見ることができる。利用者はまた、2Dまたは3D仮想環境において上から見下ろした景観で、または2D仮想景観における側方景観でアバターを見てもよい。
【0020】
前述の例からわかるように、そして、本発明の目的のために、アバターは、仮想環境における物体または生物、および/または仮想環境において利用者のアバターを撮影する仮想カメラもしくは実カメラ、および/または仮想環境における利用者のアバターに取り付けられている最中の仮想カメラもしくは実カメラの撮影と同様とみなしてもよい。利用者は仮想環境においてアバターの動きを指示することにより、利用者は仮想カメラまたは実際のカメラの動きを指示することができ、逆もまた同様であることが理解されるのであろう。
【0021】
例えば、仮想環境が周知の観光アトラクションのアニメーション化されたモデルである本発明の実施形態において、アバターは事実上利用者であり、利用者の視界は本人景観であってもよく、そこでは、利用者は、本質的に、その人物の頭部またはその近くの(目の高さ位置を模擬している)仮想カメラから撮影される映像を見ている。仮想環境が実世界の運転経路に基づく別の例において、アバターは自動車であってもよく、利用者の視界は経路を移動する自動車を上から見下ろす景観であってもよく、そこでは、利用者は、本質的に、自動車に追従する仮想ドローンカメラによって撮影される映像を見ている。仮想環境がコンピュータゲーム内となる更なる例において、アバターは、2Dまたは3Dコンピュータゲーム内の登場体であってもよく、利用者の視界は本人景観となり、そこでは、利用者は、本質的に、コンピュータゲーム内のプレーヤーまたは登場体の頭部またはその近くの仮想カメラから撮影される映像を見ている。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態では、仮想環境がコンピュータゲーム内にあり、コンピュータゲームはコンピュータを使用してプレイされるゲームであり、そこでは、利用者は、娯楽および/または競技のために画面上の物体と関わり合う。利用者はゲームのプレーヤーであり、利用者のアバターはゲームの登場体であり、その動き及び活動は利用者によって指示される。コンピュータゲームの仮想環境は、2D又は3D環境であってもよい。
【0023】
仮想環境がコンピュータゲームである本発明の実施形態では、利用者のアバターがゲーム内の登場体又は参加者又は物体(車、バイク、銃、ロボット等であってもよい)であってもよく、アバターはまた、利用者によって制御される仮想ゲーム「カメラ」(すなわち、利用者はゲーム内の登場体の「目」によって見られる景観とは対照的に、ゲームカメラによって得られた景観を見ている)、又はこれに匹敵するものであってもよい。2Dゲームにおいて、ゲームカメラは一般に固定された景観を有し、利用者は左右及び上下、そしてそれらを組み合わせた動きによって、XY軸の一平面の中で仮想環境を見ることができる。3Dゲームにおいて、利用者は、仮想環境を見るためのX、Y及びZ軸における任意のカメラ移動を利用し、カメラを、仮想環境を全ての側から見るための位置に決めることができる。
【0024】
コンピュータゲームはブラウザゲームであってもよく、そこでは、コンピュータゲームは、ウェブブラウザを用いてワールドワイドウェブを介してプレイされ、これらはしばしば無料であり利用者がプレイするためのユーザアカウント(すなわち、利用者詳細の提供)を必要としない。
【0025】
コンピュータゲームは、パーソナルコンピュータ(PC)ゲームであってもよく、ゲームはワールドワイドウェブなしでプレイすることができるもの(ただし、オンラインでのプレイもまた可能)であってもよく、グラフィックス、サウンドカードおよび/またはプロセッサのようなゲームプレイを容易にするためのソフトウェア及びハードウェアを必要とし、パーソナルコンピュータを使用してプレイされる。本開示の方法においてコンピュータゲームをプレイするために使用され得る他のゲーム機器は、スマートフォン及びタブレットのようなモバイルデバイス、並びにプレイステーション、任天堂及びXBOXのような会社によって製造される操作機器を含む。一般に、PC及び操作機器に依存するゲームは、利用者がゲームをプレイするためのユーザアカウントを必要とする。ユーザアカウントの非限定的な例には、Xbox Live、Steam、PSN、Epic Games、UPlay、Originが含まれる。
【0026】
様々なタイプのコンピュータゲーム機器はウェブを基本とするものであってもよいが、コンピュータゲームがワールドワイドウェブを介してプレイされるかどうかに関わらず、本開示の方法と共に使用されるコンピュータゲーム機器(ゲーム装置)は一般に、利用者によってプレイされている特定のコンピュータゲームのゲームサーバへの少なくとも接続を可能にする通信ネットワークを必要とし、ゲームサーバは一般に、ゲームのプレイに関連する情報を記憶するデータベースの集合体を含むことが理解されるのであろう。本発明の実施形態では、仮想環境がPC装置を基本とする3Dコンピュータゲームであり、インターネットを介してゲームサーバに接続され、利用者は参加するためのユーザアカウントを持たなければならない。
【0027】
目標物は、一般に、仮想環境が構築されているときに仮想環境に埋め込まれる。目標物は、仮想環境内で様々な処理/タスク/役割を実行するため、そして本開示の方法が機能するために必要とされる仮想環境の外部の構成要素と通信する/接続するためのコードの集合体を備えることが理解されるのであろう。すべての意向と目的のために、一度埋め込まれると、目標物は仮想環境に存在し続けることになるが、それは、仮想環境における目標物の存在している部分が見える位置にアバターがあるときにのみ、利用者によって視認される。本発明の実施形態において、目標物は、目標物が利用者によって見られている視界の中にあることを条件として、目標物が存在する仮想環境内において見ることができるが、利用者はアバターがデジタルトリガを有効としたときにのみ、表示物および/または広告素材を見ることができる。他の実施形態では、目標物が表示物及び広告素材と共に利用者に見聞きされるのは、アバターがデジタルトリガを有効としたときのみであるため、目標物は利用者によって見られている仮想環境の一部に存在又は提示又は表示され得るが、見られることはない。広告素材は、画像、音楽、映像などを含むことができる。
【0028】
仮想環境は、一または複数の目標物を含むことができる。目標物は、広告素材の表示を支援することができる仮想環境内の任意のものであってもよい。目標物は、2D又は3D仮想環境のいずれかにおいて2D又は3Dの物体として見ることができる。仮想環境内の目標物は、広告素材(掲示板/ポスターに似た物体など)を表示するための平坦な表面を有するタイル、角柱、または任意の2Dまたは3Dの形状など、仮想環境に対して影響を与えないか或いは限定的に影響を与える、元から存在する物体とすることができる。これらの実施形態において、目標物は、事実上、広告素材を提示するためのキャンバスであり、そのキャンバスは仮想環境内に懸架されてもよいし、仮想環境内の何かに取り付けられてもよい。これらの実施形態では、デジタルトリガが有効化され、広告素材が視認可能となるまで、目標物は一般に利用者から視認されない。例えば、目標物はコンピュータゲームにおいて広告素材のみを提示するためのフラットタイルであってもよく、広告素材はデジタルトリガが有効化されたときにのみ視認可能である。提示される広告素材は、画像、音楽、映像、またはそれらの組み合わせであってもよく、音成分を有していても有していなくてもよい。
【0029】
目標物は、デジタルトリガが有効化されたときに広告素材を提示するために使用することができる表面または性状を有する、非限定的な例として、目標物は、広告素材を表示することができ、そして、物体の目的および機能をも果たす、仮想環境内の道路、建物、扉、惑星、戦闘員、水域、生物、動物、または障害物の一部分であってもよい。これらの実施形態において、目標物は、一般に、利用者が見ている仮想環境における視界の中にある場合、利用者に提示されるか、または利用者に見えることになるが、広告素材はデジタルトリガが有効化されたときにのみ提示または表示されることになる。例えば、目標物は利用者のアバターが横断している道路の一部であってもよく、道路の全長は可視であるが、道路上の広告素材はアバターが目標物を構成する道路の前記一部領域に到達したときにのみ視認可能となる。いくつかの実施形態では、広告素材がデジタルトリガを伴わず提示されるものであってもよい。デジタルトリガはシステム生成されたものであってもよいし、利用者の入力情報に基づいたものであってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、仮想環境にはコンピュータゲームが含まれてもよく、目標物はゲームプレイに埋め込まれていてもよく、または、ゲーム映像の主たる構成として組み込まれていてもよい。例えば、目標物はアバターが探している目標物であってもよく、或いは、アバターが打ち負かそうとしている敵であってもよく、目標物の発見成功や敵の討伐がデジタルトリガを有効化させ、広告素材が利用者に提示または表示される。
【0031】
いくつかの実施形態において、仮想環境はコンピュータゲーム内に存在してもよく、目標物は、ゲームがゲームエンジンによって構築されている間に、コンピュータゲームに組み込まれることになる。「ゲームエンジン」とは、ゲーム開発者がコンピュータゲームを構築(および実行)するために使用するアーキテクチャを意味する。ゲームエンジンの非限定的な例には、Unreal Engine、Unity、Gamemaker、Gadot、AppGameKit、CryEngine、Amazon Fumberyard、RPG Maker、LibGDX、Urho3D、などの市販のエンジン、及び/又はゲーム開発会社及び個人ゲーム開発者によって使用される他の独自/自作のゲームエンジンが含まれる。
【0032】
いくつかの実施形態において、仮想環境がコンピュータゲーム内にあり、目標物は、ゲーム構築者による選択が可能なプラグイン(一連のタスクを実行するために設計されパッケージ化されたコードの集合体)を介してゲームが構築されているときに埋め込まれる。一般に、プラグインはゲーム(ゲーム内のどこか)に追加される選択可能な特徴/資源/構成要素であり、その追加は、仮想環境内に目標物を生成するだけでなく、目標物の必要な機能も提供する。いくつかの実施形態において、プラグインは、ソフトウェア開発キット(SDK)である。
【0033】
目標物の機能には、目標物が一以上のサーバと通信する能力が含まれ、サーバはゲームサーバ(仮想環境がコンピュータゲームである場合)であってもよく、および/または外部サーバであってもよい。サーバは、仮想環境(ゲームプレイなど)における行動、利用者情報、および広告素材に関連する情報を記憶保存する一以上のデータベースを含み、サーバのそれぞれは通信ネットワークを介して仮想環境に接続される。
【0034】
利用者情報は、利用者の助力または認識を伴う、或いは仮想環境に参加している利用者から情報を取得する法的手段を介した、利用者から収集または取得された任意の情報であってもよい。利用者情報はIPアドレスから抽出することができ、これには、利用者の位置座標を含めることができる。利用者情報はユーザアカウントまたは申込登録/購入の契約から抽出することができ、年齢、性別、婚姻状況、電子メールアドレス、民族、製品嗜好などを含むことができる。したがって、利用者を特定した広告素材は、利用可能な利用者情報のいずれかに従って分類することができる。「特定した」とは、広告素材が対象とされる特定の利用者、或いは利用者「類型」、に適切であるか、または、歓迎されるとみなされることを意味する。非限定的な例として、ある広告素材は、女性、20~30歳、南半球在住の利用者に特化したもの、または、ある広告素材は、女性、既婚、オンラインでの旅行購入経歴有りの利用者に特化したもの、または、ある広告素材は、男性、20~50歳、英国の電子メールアドレス保有の利用者に特化したもの、または、ある広告素材は、40~65歳、ロシア出身、独身の利用者に特化したもの、などであってもよい。
【0035】
目標物の機能性には、目標物が、利用者のアバターがデジタルトリガを有効化させるかどうかを決定する能力を含まれる。デジタルトリガは任意の手段によって有効化されてもよいが、一般に、アバターと仮想環境内の目標物との近接の関わり合い方に関連する。具体的には、トリガは、アバターが目標物の周りの有効化領域に入り込むことによって有効化される。アバターが何であるか、および/または利用者が見ている仮想環境の景観に応じて、有効化領域へ「入り込む」ことは、異なる事情を意味してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、利用者は仮想環境の第三者景観を有し、アバターは仮想環境を探索する人または車両であり、デジタルトリガは、一般に、車両または人が有効化領域に入り込むときに有効化される。しかしながら、利用者が仮想環境の本人景観を有する他の実施形態において、アバターは仮想環境の視界を提供する仮想又は実カメラであり、このカメラが有効化領域に入ったとみなされなければならない。有効化領域は、2Dの仮想環境における2D平面、または2Dまたは3Dの仮想環境における3D空間であってもよい。アバターおよび/またはカメラは、提示または表示される広告素材のための目標物に面している(すなわち、見ている)或いは関与している必要はない。
【0036】
いくつかの実施形態において、仮想環境は、VR環境、AR環境、デジタル環境、およびコンピュータゲーム内にある。有効化領域機能は仮想環境の物体に関連付けられたコライダソフトウェアによるもので、この機能は仮想環境に物体を埋め込むために使用されるプラグインの一部を形成する。コライダ(トリガコライダとも呼ばれる)とは、物体の形状または境界を示すための領域を確定する不可視要素を意味し、その領域はアバターが領域に入り込むと物体との衝突を構成する。一般に、コライダは、コライダが固い物体として振る舞わず、むしろアバターが空間を通過することを可能にするという点で、トリガコライダである。本開示を説明する目的のために、「衝突」は、目標物に広告素材を表示するためのデジタルトリガの有効化とする。いくつかの実施形態において、目標物および有効化領域の境界の両方が有効化の前には不可視となる。コライダは、ボックスコライダ、球コライダ、カプセルコライダまたは2D正方形コライダまたは2D円コライダ、および/またはそれらの組合せ(すなわち複合コライダ)などの、基本的な型式のコライダであってもよい。広告素材の表示は、アバターが有効化領域へ入り込む(すなわち、衝突を有する)ことによって有効化される。
【0037】
いくつかの実施形態において、ジオロケーショントリガ及びAR環境に対して、コライダは、コンピュータゲームにおいてコライダが動作するのと同様に動作し、位置情報によってトリガされ、仮想手段又はAR手段を介して目標物をトリガすることができる。
【0038】
目標物の機能は、また、目標物が、仮想環境内への広告素材の提供を収益に繋げるために、利用者(アバター、または、適切であれば、現実のまたは仮想のカメラ)の広告素材への関与を測定する能力を含む。この場合、広告主には、仮想環境内への広告素材の表示に対し、広告素材への利用者の関与に比例する額が課金されてもよい。「関与」とは、利用者による広告素材への任意の検出可能な確認応答を意味し、クリックまたは利用者の他の制御入力などによる広告素材への反応のみならず、実際に認識され、または、当然のものと思われることを意味する。さらに、利用者の関与は、利用者の制御入力を介した一または複数の反応を含む。関与を定量化するために使用することができる測定基準には、有効化領域で費やされた時間、広告素材を見る/面するために費やされた時間、広告素材への接近度、広告素材または広告素材を伴う目標物への反応、広告素材が利用者によって見られる割合、デジタルトリガの有効化の数、および/または広告素材のビュー数が含まれるが、これらに限定されない。利用者の関与は、デジタルトリガの有効化から広告素材がそれ以上表示されなくなる時間まで計測されてもよい。あるいは、利用者の関与は、広告素材が提示または表示されている間の特定の時点で、または、広告素材が提示または表示される間の設定された時間、計測されてもよい。測定基準は任意の適切な手段によって照合されてもよく、これにより、広告素材との関与を点数化し、または広告主のプロバイダに課金される金銭的価値を提供することができる。
【0039】
開示されたシステムは、例えば、ユーザアカウント、ゲームサーバおよび/またはIPアドレスからの利用者情報の収集と、通信ネットワークを介して目標物が接続されている、一または複数のデータベースに利用者の情報を記憶保存し、利用者毎の適切な広告素材(すなわち、利用者を特定した広告素材)を選択するために利用者詳細を処理するサーバへの利用者情報の転送を円滑に実行するための構成とされてもよい。システムは、仮想環境の中で表示するための、利用者を特定した広告素材の転送を、円滑に実行するものであってもよく、これにより、広告素材は、目標物が通信ネットワークを介して接続されているサーバ上の一以上のデータベースに記憶保存される。さらに、システムは、提示された広告素材のための関与情報の収集と、目標物が通信ネットワークを介して接続されているサーバ上の一または複数のデータベースへの転送を円滑に実行するものであってもよい。
【0040】
本開示の一実施形態は、仮想環境において利用者を特定した広告素材を提示する方法を提供する。この方法は、提示モジュールによる、利用者に対する仮想環境の提示を含む。いくつかの実施形態において、利用者は、一または複数のデジタルトリガを有効化できるアバターとして仮想環境に存在する。本方法は、また、広告モジュールによる、前記仮想環境への目標物の埋め込みを含み、前記目標物はサーバに通信可能に接続され、これにより前記目標物は前記利用者を特定した広告素材を提示することができる。いくつかの実施形態において、利用者をした広告素材は、一以上のデジタルトリガが有効化されたときに提示される。デジタルトリガは、システムによって有効化されてもよく、利用者からの入力に基づいて有効化されてもよい。デジタルトリガの非限定的な例には、ジオロケーションを含めることができる。この方法は、更に、広告モジュールによる、仮想環境におけるデジタルトリガの有無の判定を含む。本方法は、更にまた、提示モジュールによる、デジタルトリガに基づきオブジェクトを介した少なくとも一つの広告素材の提示を含み、前記広告素材は、前記デジタルトリガが有効化されたとき、利用者により視認または聴取される。
【0041】
いくつかの実施形態において、この方法は、更に、提示モジュールによる、デジタルトリガに応答した目標物を介した少なくとも一つの広告素材の提示を含む。
【0042】
本開示の一態様によれば、この方法は、また、提示モジュールにより、利用者の一または複数のデジタルトリガの有効化を可能とすることを含む。一または複数のデジタルトリガは、アバターが目標物のための有効化領域内にあるときに有効化されるものであってもよく、ここで、目標物および広告素材の何れもデジタルトリガが有効化されたときにのみ表示または提示され、さらに、目標物および広告素材は実行時にライブレンダリングされる、完全な在来物であり、利用者体験を低下させないものとなっており、デジタルトリガはシステムが生成したトリガおよび利用者の入力に基づくトリガを含む。
【0043】
本開示の一態様によれば、デジタルトリガは、アバターが目標物のための有効化領域内にあるときに有効化される。目標物は、画像、音楽、および映像のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、目標物と広告素材の何れも、デジタルトリガが有効化されたときにのみ提示または表示される。これに替わる実施形態において、目標物および/または広告素材は、一または複数のデジタルトリガの有効化なしに提示されてもよい。
【0045】
本開示の別の態様によれば、目標物および広告素材は実行時にライブレンダリングされる、完全な在来物であり、利用者体験を低下させないものとなっている。
【0046】
いくつかの実施形態において、広告素材が音楽、映像、および画像のうちの少なくとも一つを含むものであってもよい。利用者は広告素材を見ることができ、或いは、広告素材を聞くこととしてもよい。
【0047】
本開示の別の態様によれば、この方法は、利用者関与モジュールによる、目標物への利用者関与の定量化を含み、定量化には、目標物への利用者のアバターの関与の定量化が含まれる。関与または利用者関与には、利用者の制御入力を介した利用者の広告素材への一または複数の反応を含めてもよい。
【0048】
この方法は、更に、
・目標物の作成、及び、静止画像、ビデオ、音楽などを含む広告素材の読み込み
・外部データベースからの単体画像/複数の画像の読み込み(したがって、ファイルをシステム上のローカル装置に記憶保存する必要は全く無い)
を含むものであってもよい。
【0049】
本開示の別の態様によれば、利用者関与の定量化は、少なくとも次の中の一つに基づく。
・アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間
・アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間における目標物に対するアバターの位置
・アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間に対する目標物への反応時間
【0050】
本開示の別の態様によれば、この方法は、更に、支払モジュールによる、広告素材の広告主からの料金の課金を含み、料金は、有効化領域内の目標物への利用者関与の量および質に比例する。
【0051】
本開示の別の態様によれば、仮想環境はコンピュータゲームに存在し、更に、利用者のアバターはコンピュータゲーム内の登場体であり、コンピュータゲームは、本人景観でプレイされる3Dコンピュータゲームである。
【0052】
本開示の別の態様によれば、この方法は、更に、広告モジュールによる、表示された目標物および表示された広告素材のうちの少なくとも一つへの利用者の一または複数の反応の追跡と記録を含む。
【0053】
本開示の別の態様によれば、有効化領域は仮想環境内の目標物に埋め込まれたコライダによって作り出され、仮想環境は、仮想現実環境、拡張現実環境、コンピュータゲーム、およびデジタル環境のうちの少なくとも一つを含む。
【0054】
幾つかの実施形態において、ジオロケーショントリガ及びAR環境に対し、コライダは、ジオロケーションによってトリガされるコンピュータゲーム内でのコライダの動作と同様に動作し、仮想の又はARの手法を介して目標物をトリガすることができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、トリガを、ゲーム内の単なる位置ではなく、ジオロケーションとすることができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、目標物は、各個人/利用者のための、位置に基づいた拡張現実トリガを可能にすることができるネットワークロケーションにおいて特別な技術が使用されている場所(すなわち店舗または劇場)であってもよい。
【0057】
拡張現実環境の非限定的な例には以下を含めてもよい。
・娯楽として、利用者/視聴者が特定の映画館内に座り映画を鑑賞しており、そして映画中の目標物は、映画を見るためにARグラスを着用している場合に、聴衆の中の個々の視聴者に直接関連付けられ、視聴者の体験を個人に合わせたものとする。
・小売店において、AR環境の例として、ARグラスを装着した任意の買物客が小売店に入り、ジオロケーションに基づいて店内の物品に関する固有の価格設定を見ることを含めることができる。
・実際のフットボールスタジアムにおいて、AR環境には、各利用者に関連するスタジアム内の広告素材が、各利用者がARグラスを着用している場合に表示または提示されることを含めることができる。
【0058】
本開示の別の態様によれば、この方法は、更に、アップロードモジュールによる、利用者がコンピュータゲームにおける見栄えのために個人用コンテンツをアップロードすることの可能化を含み、提示モジュールは利用者の個人用コンテンツをコンピュータゲームの一部として表示する。
【0059】
本開示の別の態様によれば、利用者を特定した広告素材は、利用者のIPアドレス、および、利用者のコンピュータゲーム利用者アカウントから抽出された利用者情報のうちの少なくとも一つから抽出された利用者情報に基づいて決定される。
【0060】
本開示の別の実施形態は、仮想環境において利用者を特定した広告素材を提示するためのシステムを提供する。システムは、仮想環境を利用者へ提示するための構成とされた提示モジュールを含み、利用者は、アバターとして仮想環境内に存在する。ある実施形態において、提示モジュールは、利用者が一以上のデジタルトリガをトリガすることを可能にする。システムは、更に、前記仮想環境に目標物を埋め込むための構成とされた広告モジュールを含み、前記目標物はサーバに通信可能に接続され、これにより、前記目標物は一または複数のデジタルトリガが有効化されたときの前記利用者を特定した広告素材の提示が可能とされ、前記仮想環境内でのデジタルトリガの有無を判定し、前記提示モジュールは前記デジタルトリガに応答して、前記目標物を介して少なくとも一つの広告素材を提示し、前記広告素材は、前記デジタルトリガが有効化されたときに、ユーザに視認または聴取される。
【0061】
本開示の一態様によれば、デジタルトリガはアバターが前記目標物の有効化領域内にあるときに有効化され、目標物および広告素材の双方がデジタルトリガの有効化されたときにのみ表示され、さらに、目標物および広告素材は実行時にライブレンダリングされる、完全な在来物であり、利用者体験を低下させないものとなっている。いくつかの実施形態において、デジタルトリガには、システムが生成したトリガおよび利用者の入力に基づくトリガを含めてもよい。システムが生成したまたはシステムが定義したトリガの非限定的な例には、広告素材を提示するために定義された時間を含めてもよい。利用者の入力に基づくトリガの非限定的な例には、利用者によるボタン押下、または仮想環境における利用者のジオロケーションを含めてもよい。
【0062】
本開示の別の態様によれば、このシステムは、更に、目標物への利用者関与を定量化するための構成とされた利用者関与モジュールを含み、利用者関与モジュールは、利用者のアバターの目標物への関与を定量化する。目標物が、画像、音楽、および映像のうちの少なくとも一つを含むものであってもよい。
【0063】
本開示の別の態様によれば、利用者関与モジュールは、少なくとも次の中の一つに基づき利用者関与を定量化する。
・アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間
・アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間における目標物に対するアバターの位置
・アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間に対する目標物への反応時間
【0064】
本開示の別の態様によれば、このシステムは、更に、広告素材の広告主へ料金を課金するための構成とされた支払モジュールを含み、料金は、有効化領域内の目標物への利用者関与の量および質に比例する。いくつかの実施形態において、関与は、制御入力を介した利用者による反応で構成されるものであってもよい。いくつかの実施形態では、広告素材は、音楽、映像、および画像のうちの少なくとも一つを含むものとなっている。
【0065】
本開示の別の態様によれば、仮想環境は、コンピュータゲームに存在し、更に、利用者のアバターはコンピュータゲーム内の登場体であり、コンピュータゲームは、本人景観でプレイされる3Dコンピュータゲームである。
【0066】
本開示の別の態様によれば、広告モジュールは、更に、表示された目標物および表示された広告素材のうちの少なくとも一つへの利用者の一または複数の反応を追跡するための構成とされている。
【0067】
いくつかの実施形態において、有効化領域は仮想環境内の目標物に埋め込まれたコライダによって作り出され、仮想環境は、仮想現実環境、拡張現実環境、コンピュータゲーム、およびデジタル環境のうちの少なくとも一つを含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、広告モジュールは、更に、目標物を作成し、静止画像を含む広告素材を読み込むための構成とされている。広告モジュールは、外部データベースから単体画像/複数の画像を読み込むものであってもよい(したがって、ファイルをシステム上のローカル装置に記憶保存する必要は全く無い)。
【0069】
本開示の別の態様によれば、このシステムは、更に、利用者がコンピュータゲームにおける見栄えのための個人用コンテンツをアップロードするための構成とされたアップロードモジュールを含み、提示モジュールは利用者の個人用コンテンツをコンピュータゲームの一部として表示する。
【0070】
本開示のさらに別の態様によれば、利用者を特定した広告素材は、利用者のIPアドレス、および、利用者のコンピュータゲーム利用者アカウントから抽出された利用者情報のうちの少なくとも一つから抽出された利用者情報に基づいて決定される。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明の好ましい特徴、実施形態および変形態様は、当業者が本発明を実施するために十分な情報を提供する以下の詳細な説明から認識することができる。詳細な説明は、前述した本発明の概要の範囲の如何なる限定ともみなされるべきではない。
【0072】
本発明の特定の実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して記載され、ここに図面は以下のものである。
【0073】
図1は、本開示(A)の方法において使用するコンピュータゲーム及び本開示(B)の方法において使用するゲームの開発フローチャートを示す。
【0074】
図2はコンピュータゲームの視界を示し、(A)はデジタルトリガが有効化されていない場合を、そして(B)はデジタルトリガが有効化されている場合である。
【0075】
図3は利用者関与データの捕捉画面であり、(A)は広告素材の寸法および近さに関係するもの、そして(B)は広告素材の歪みに関するものである。
【0076】
図4は、利用者が見ることのできる広告素材の割合に関する利用者関与データの捕捉画面を示すものである。
【0077】
図5は、利用者から見た広告素材の障害物に関する利用者関与データの捕捉画面を示すものである。
【0078】
図6は、利用者から見た広告素材の比率変化に関する利用者関与データの捕捉画面を示すものである。
【0079】
図7は、本開示の方法の構成要素および通信接続の概略図である。
【0080】
図8は、本開示のシステムによるピクセルサンプリングを使用し、仮想環境において利用者またはプレーヤーに示されている広告の大きさを特定して図示するものである。
【0081】
図1を参照すると、本開示の方法を利用して、コンピュータゲーム内にある仮想環境内に利用者を特定した広告素材を表示することができ、ここに利用者とはゲーム内のプレーヤーであるアバターであることは明らかである。
図1(A)のように、目標物は、ゲーム開発者が、例えば、Unreal Engine又はUnityのようなゲームエンジンを使用してゲームを構築するときに選択することができるプラグインである。目標物は最終製品コンピュータゲームの仮想環境の一部となり、そして、ゲームが完了し販売や使用のために公開される前に、本開示の方法への参加のための登録が可能となっている(すなわち、目標物は、一または複数のサーバと通信するための登録がなされ、必要な機能を有効化する)。
【0082】
この方法は、ゲーム開発者が、効果的に、コンピュータゲームに組み込まれる(すなわち、コンピュータゲームである製品に固有の)広告収入の流れを作り出すため手段の生成を含み、その結果、収入は、ゲームの販売に依存せず、ゲームの利用者がゲームを購入するかに関わらず、又はゲームの使用料を支払うかに関わることなく、むしろ、ゲームの使用に依存することになる。
【0083】
図1(B)は、利用者を特定した広告素材を提示することができる目標物が埋め込まれたコンピュータゲームが構築された後の、本開示の方法の基本的な処理工程を示す。実施形態の説明において、目標物は仮想環境で見ることができず、広告素材を提示するためのデジタルトリガは、仮想環境内の有効化領域に入り込んでいる利用者のアバターである。有効化により、利用者情報が収集され、評価のためにサーバに送信され、適切な広告がサーバから選択される。広告素材は前記サーバからコンピュータゲームに即時送信され表示されることになるが、ここに「表示される」とは、利用者のアバターが有効化領域にいる限り、目標物がユーザによって見られる広告素材のためのキャンバスとして視認されることを意味する。即時に、広告素材との利用者関与情報が、収集され、サーバに返送され、定量化され、広告素材の所有者に提示され、ゲーム開発者(またはゲーム発行者)に支払われるべき広告収入の額の決定を可能にする。
【0084】
図2は、コンピュータゲームである仮想環境1における
図1(B)の処理工程を例示している。示される画像はゲーム開発者によって見られるような仮想環境の概観であるが、以下の図に説明される実施形態は、本人景観でプレイされるゲーム30の登場体である利用者のアバターに基づくもので、利用者は、本質的に、アバターの頭部又はその近くの(目の高さを模擬した)、又はアバターのすぐ後ろ(「ゲーム内カメラ」31)の仮想カメラから撮影される映像を見ている。
【0085】
図2(A)は、仮想環境1の概略(i)及びゲーム視野(ii)を示し、ここに、目標物は広告素材10のためのタイルであり、タイルを取り囲む球形の3D有効化領域20を有し、アバター30が有効化領域内にないため、ゲーム内カメラ13によりゲーム内でタイルを見ることはできない。図示の実施形態では、タイル10が本質的に2Dの広告掲示板型/ポスター型/キャンバス型の目標物であり、広告素材11がタイル上に投影される。
図2(B)では、アバター30が有効化領域20に進入し、タイル10が広告素材11を表示するために視認可能となり、ゲーム内カメラ31の景観で見た広告素材11が表示されている。有効化領域は
図2に示されているが、領域の境界は一般に、コンピュータゲームの仮想環境内で見られることはない。アバターが有効化領域を離れると、タイル10及び広告材物11は、もはや、利用者から見えなくなる。
【0086】
図3~6は、目標物との利用者関与がどのように定量化され得るかを示す。利用者の関与測定基準を捉えるための様々な手法が存在し、これらの手法は利用者が広告素材について有する視界の品質の定義に関連するものであってもよく、コンピュータゲームの開発者が負っている広告収入の額に相関するものであっても、または単なる参考情報であってもよい。理想的な場合、利用者は意図された通りに(すなわち、完全な視界で、正面視で、障害物無しで)広告素材を見ることができるが、広告素材が3Dの環境で表示され、素材の見え方がアバターの動きやゲーム内カメラの視界(すなわち、アバターが前方に移動している場合であっても、ゲーム内カメラは異なる角度を見ることができる)によって決定されてしまう本発明の実施形態において、それは保証されない。したがって、広告素材の見え方が完全となっている利用者から逸脱する場合は、その点を広告収入に相関させてもよく、このような逸脱を検出する機能は、開発中にゲームに挿入されるタイルのプラグイン内に含まれることになる。ゲームに埋め込まれた目標物を介して捉えることができる利用者関与についての情報が多いほど、コンピュータゲーム内で表示された広告素材について、広告主に、より正確に課金できることを理解されたい。
【0087】
本発明の実施形態において、ゲームプレイ中に捉えられた利用者関与に関する情報には、利用者が広告素材を見ているときの認識(これには画面上で広告素材を見ている利用者に限定されず、アバター/ゲーム内カメラが広告素材の方を向いているときの認識も含むことができる)、利用者が広告素材を見続けている時間、アバターが広告素材からどれ程離れているか、利用者が広告素材をどのような角度で見ているか、利用者が見ている画面上で広告素材がどれ程大きいか、および/または利用者が仮想環境内の広告素材に直接反応しているかどうか、を含めてもよい。仮想環境がコンピュータゲームであり、アバターが広告素材を表示させるためにタイルの有効化領域に入り込む必要のある、本発明の好ましい実施形態では、アバターが有効化領域を出て広告素材がもはや表示されなくなるまで、表示の開始から利用者関与が測定される。測定は、有効化領域を離れた後も続く。
【0088】
図3(A)は、仮想環境1のゲーム視界の全画面表示(i)および概略視界の全画面表示(ii)であり、ここに目標物は広告素材11を提示するためのタイル10であり、デジタルトリガが有効化されている。視界はゲーム内カメラから見た本人景観であり、利用者が画面上で見ることになるものを表す。示された図では、有効化されたときに広告素材を有するタイルが利用者の視界画面の上限で5%を占めるものであるが、視界比率は画面の1%と100%の間をとることでできる。本発明の他の実施形態において、視界比率を、例えば、約10%、約15%、約20%、約30%、約45%、約50%、約75%、約90%、または約99%としてもよい。
図3(A)において、利用者のアバターが広告素材10、11を伴うタイルに近づくと、視界比率が増加し、逆も同様であることが理解されよう。これは、広告収入の増加/低減に相関させることができる。
【0089】
図3(B)は、仮想環境1のゲーム視界の全画面表示(i)および概略視界の全画面表示(ii)であり、ここに目標物は広告素材11を提示するためのタイル10であり、デジタルトリガが有効化されている。視界はゲーム内カメラから見たものであり、利用者が画面上で見ることになるものを表す。コンピュータの仮想環境は3D環境であるため、ゲーム内に埋め込まれた広告素材10、11を有するタイルの見え方は、アバターの位置やゲーム内カメラの景観によっては歪んでしまうことがある。
図3(B)において、利用者の視界の垂直軸(線a)とタイル10の上の広告素材11の2D投影垂直軸(線b)との間の角度cが示されている。利用者は広告素材10、11を有するタイルの周囲(ただし、有効化領域内)を移動するようアバターに指示することができ、その結果、広告素材の見え方が歪むことなく、広告収入の増加に相関させることができる。
【0090】
図4は、仮想環境1のゲーム視界(iii)と概略図(i)および(ii)の全画面を示し、ここに目標物は広告素材11を提示するためのタイル10であり、デジタルトリガが有効化され、アバターはタイルに接近している。コンピュータの仮想環境は3D環境であり、アバターは様々な角度から広告素材を提示させるためのデジタルトリガを有効化し、一旦有効化されると、広告素材を提示するタイルの周りを移動するものとしてもよく、ゲームに埋め込まれた広告素材10、11を有するタイルの見え方は、アバターの位置及びゲーム内カメラの景観に応じて切り詰められることがある。示されている視界はゲーム内カメラからの、利用者が画面上で見ることになるものを表す。
図4(i)は、広告素材10、11を有するタイル全体を示し、仮想環境1においてアバターがタイルからさらに離れた場合にタイルが占める空間を示している。
図4(ii)および(iii)から分かるように、ゲーム内カメラの景観に基づいて、広告素材の一部分12は画面を見ている利用者に視認可能となっているが、広告素材の一部分13は見ることができないものとなっている。利用者は仮想環境内で移動するようアバターへ指示することができ、これは、アバターが有効化領域内に残っている場合、広告素材の全体が見られることになる結果をもたらし、広告収入の増加に相関させることができる。
【0091】
図5を参照すると、広告素材を提示するためのタイルの利用者の見え方は、コンピュータゲームの一部である仮想環境1の構成要素40によって遮られるか、または隠され得る。本発明の実施形態においては、ray-casts(またはlines‐traces)をゲーム内カメラから広告素材を提示しているタイルに投影し、利用者が、彼らの見ている画面上で見ることができている物と、見ることができない物を判定してもよく、これにより広告素材の見え方が妨げられているかどうかを検出することが可能となり、この機能は開発中にゲームに組み込まれたタイルのプラグイン内に含まれることになる。
図5(i)は、本人景観(アバターの背後にあるゲーム内カメラに基づく)による画面で利用者から見えるアバター30を示し、それは広告素材10、11を提示するタイルのための有効化領域に入り込んでいるが、広告素材10、11の見え方を遮っている、仮想ゲーム環境内のタイルにリンクしていない他のゲーム構成要素が存在している。特に(
図5(ii)に示されるように)(ゲーム開発中に捉えることができるようなゲーム内カメラの外側からのゲーム視界)障害物40の領域41は広告素材の部分13を遮っており、部分12のみを利用者が画面上で見ることができる。利用者は仮想環境内で障害物40の周りを移動するようアバターへ指示することができ、アバターが有効化領域に残っている場合、広告素材の全体が見られることになる結果をもたらし、広告収入の増加に相関させることができる。
【0092】
図6は、仮想環境1のゲーム視界の全画面表示(i)および概略視界の全画面表示(ii)であり、ここに目標物は広告素材11を提示するためのタイル10であり、デジタルトリガが有効化されている。
図6は、利用者の広告素材を提示するタイルの見え方が斜めになり得ること(
図6(iii))、そして、広告素材の意図する見え方に対する比率の変化(
図6(i))を示し、そして、仮想環境1におけるアバターの本人景観から利用者が広告素材10、11どのように見えるか(
図6(ii)、(iii))を算出することができる。
【0093】
図7に、本発明の方法の実施形態の構成要素の、高レベルアーキテクチャの略図を示す。図示の実施形態では、バックエンドがサーバ、データベース及びコンテナで構成され、報告ダッシュボードは広告主、発行主(すなわち、ゲーム開発者)及び任意の関連する広告代理店のための測定基準を、好ましくはアプリを介して提供する。略図からわかるように、利用者がデジタルトリガを有効化すると、利用者情報(データベースに格納されている)に基づいて広告素材要求(AdRequest)が行われ、利用者を特定した広告素材が広告主データベースから選択され、(発行主データベースに格納されている情報に従って)利用者に表示される。次に、利用者関与データ(Admetrics)が、解析及び操作の後の、ダッシュボードでの報告のために、データベースに送信される。広告主データベースは、広告主の詳細、広告素材および類型(すなわち、画像または映像)、広告の表面寸法比および画像解像度情報、および/または広告素材に適したゲームの類型に対する広告主の承認(すなわち、年齢制限)を含むものとなる。発行主データベースは、例えば、タイルが埋め込まれたゲームに関する全ての詳細、ゲームへ許可されるコンテンツ及びゲームから排除されるコンテンツの類型を含むものとなる。
【0094】
いくつかの実施形態において、広告素材は、例えば、デジタルトリガに応答して、利用者に対し仮想環境内で示されてもよい。本開示のシステムは、利用者(すなわち、仮想環境におけるコンピュータゲームのプレーヤー)に示されるべき広告素材の量を識別するための構成とされている。いくつかの実施形態において、システムは、
図8に示されるような画素サンプリングを使用して、どれ程の広告がプレーヤーに示されているかを確認することができる。画素サンプリングでは、システムが、描写されたゲームの各フレームを捉え、それを、画面上に潜在的に存在する広告の画素点数(すなわち、広告素材)と比較する。仮想環境(例えば、利用者のコンピュータの画面上でプレイされているコンピュータゲーム)で示すことができる広告の画素点数には、予め定義された限界値、16など、があってもよい。画面上の広告の各々について、開示されたシステムは、カメラ景観を反転させ、画面用に移行させた広告を平坦化し、それを64×64の解像度で元となる広告と比較するものであってもよい。比較は、画面上に移行させたものを、サーバによって提供された元となる広告により近いものとするためのライティング除去、及び、各ピクセルの色相、彩度、および明度に対する0(広告視認可)か1(広告遮断)の分類を含むものであってもよい。HSV成分のいずれかが遮断されている場合、画素は遮断されているものとする。白黒画像は、1グレーピクセルに縮小し、そのフレームに対し、その広告の平均的な可視性を得ている。
【0095】
いくつかの実施形態において、本開示のシステムは、コンピュータゲームなどの仮想環境の開発者が、仮想環境またはコンピュータゲームに適した広告または広告素材の様式の選択を可能にするものであってもよい。限られたトップレベルフィルタの幅広いストロークは、開発者による利用事例の大部分を説明するために十分な範囲を提供する可能性がある。いくつかの実施形態おいて、システムは、ゲームスタイルを仮想環境またはゲームのための広告素材に似合ったゲーム様式とするためのメタタグを使用してもよい。
【0096】
広告素材クリエイティブの様式、クリエイティブの中の個々の要素は、広告全体の外観や印象が決められた分類に適合する必要はあるものの、混合させることができる。広告素材の分類の非限定的な例には、ロゴ及び/又はテキスト、アブストラクト、スタイライズド、及びリアリスティックを含めることができる。ロゴ及び/又はテキストには、テキスト及び/又はロゴと質素な背景のみを含む広告クリエイティブを含めることができ、他の可能な分類にはベーシック/シンプル/ピュア/リアリスティックがある。アブストラクトには、世界中の視覚的参考資料からある程度独立して存在し得る構成を作成するための形状、形態、色、および線を主たる構成とする要素を含む広告クリエイティブを含めることができる。スタイライズドには、実際には存在しない程度まで強く模式化され又は誇張された画像要素を含む広告クリエイティブを含めることができる。リアリスティックには、模式化されていないと考えられる写真要素又は画像を含む広告クリエイティブを含めることができる。
【0097】
さらに、いくつかの実施形態において、システム(またはシステムの広告モジュール)は、ブラウザクッキーを使用する現在の手法無しで、コンピュータゲーム、プラットフォーム、およびエンジンにわたりプレーヤー(すなわち利用者)を識別するための構成とされる。システムは、プレーヤー(または利用者)に固有の識別子を割り当て、それに基づき、様々なコンピュータゲームまたは仮想環境にわたりプレーヤーを識別するものであってもよい。システムは、固有のデバイスを識別するための情報の組み合わせを使用するものであってもよい。例えば、システムは、最初の要求からサーバに記録されたIPアドレスを使用してもよい。その後、IPアドレスを、以前のセッションや動作そして場所など、システムがこのIPについて持っている他のデータで充実させてもよい。デスクトッププラットフォームにおいて、システムは、システムハードウェアクラスのハッシュを把握または捉えるものであってもよい。モバイルデバイスの場合、システムは、AndroidまたはiOSのハードウェアid、ならびにデバイス広告IDを把握するものであってもよい。
【0098】
さらに、開示されたシステムは、仮想環境内の各アドスペースが、提示にあたり固有の広告を要求することを可能とするための構成とされている。これは、仮想環境に5つのアドスペースがある場合、これらの5つのアドスペースは5つの異なった広告または広告素材を収容または表示できることを意味する。さらに、システムは、仮想環境のバックグラウンドやゲーム様式に適合した広告様式より広告素材を提示するための構成とされているため、広告素材が動作不能状態となることは無い。これは、表示される広告素材が仮想環境のバックグラウンドや様式に基づくものであってもよいことを意味する。いくつかの実施形態において、プレーヤーの体験(すなわち、ゲームプレイ体験)が、画面上の多数の固有広告による影響を受けないことを確実にするために、システムは、アドスペースの広告の共有を認めるものであってもよい。これは、システムが、画面上(又は利用者のコンピュータのディスプレイ上)における同じ広告を表示する多数のアドスペースの存在を認めるものであってもよく、広告の遠隔送信データを集約させることができ、プレーヤー体験は影響を受けないままとなることを意味する。これはまた、システムが、多数のバナー広告を有するスポーツゲームに対応することを可能にし得る。システムは、複数のアドスペースを一緒に「リンク」させるための構成とされたものでもよく、これにより、すべての「リンクされた」アドスペースに同じ広告を表示する。これは、実行処理を助け、開発者に、サッカースタジアムの横の広告のような現実世界の状況を容易に模倣することを可能にする。システムは、開発者(または利用者)に、主たるアドスペースの機能を継承する従たるアドスペースまたはシンクロアドスペースの作成を可能とするものであってもよい。これは、一群のアドスペースの同じ広告、例えば、スポーツスタジアムの外側の周りで繰り返されるバナー広告の表示を可能にする。システムは、実行時に広告テクスチャをダウンロードし、すべてのシンクロアドスペースの間で共有される(広告素材のような)素材上で実行するものであってもよい。さらに、本開示のシステムは、限定されるものではないが、アドスペースのそれぞれから遠隔送信データなどのデータを個別に収集し、サーバに集約させるために送信するための構成とされている。サーバは、システムとの通信環境にあってもよい。
【0099】
広告素材は、一または複数の広告主のものであってもよい。システムは、(一または複数の)広告主の広告素材を用いて(一または複数の)利用者を追跡および記録するものであってもよく、インプレッションなどの一または複数の測定基準を生成するものであってもよい。システムは、これらの測定基準を広告主と共有し、広告主が、Google Campaingn Managerのような、ただし、これに限定されるものではない第三者と共に、さらなる追跡または市場調査などのために行っている現行手法に測定基準を結び付けることを可能にするものであってもよい。いくつかの実施形態において、システムは、広告主がゲーム広告をGoogle Campaingn Managerと統合して、インプレッションを示し検証する手法を実施することを可能にするものであってもよい。
【0100】
例えば、広告主は、(一または複数の)インプレッションタグURLを生成するためにシステムを使用することができ、そして、広告主はインプレッションタグURLを有する広告キャンペーンを構成するために、システムまたはシステムのインターフェースを使用することができる。利用者またはゲーマーが本開示のシステムに接続されたゲームをプレイするとき、システムは一または複数の広告を含む広告素材を利用者/ゲーマーに配信するものであってもよく、遠隔情報がゲーマーからシステムに送信される。システムは遠隔情報を処理するものであってもよく、インプレッションが生じたかどうかを判定するためのインプレッション品質アルゴリズムなどの、ただし、これに限定されるものではない適切な手法を使用するものであってもよい。インプレッションが生じたとき、システムは、インプレッションタグURLを有効化するものもであってもよく、これは、次に、広告主または第三者の追跡システム(Google Campaingn Managerなど)に情報を送信するものであってもよい。
【0101】
開示されるシステムおよび方法は、利用者によってプレイされているゲームにおいて広告を含む広告素材を表示し、利用者のプレイ機能性(すなわち、fps、応答性、待ち時間、遅れなど)および体験に影響を及ぼすことなく、利用者の広告への反応を追跡するための構成とされている。システムは、広告の表示または追跡に関連する一または複数の変数および変数間の未知の関係を決定および/または分析するための構成とされている。変数の例としては、次のものである。
・有効化-有効化の方法(単一、複数、または全部)および地点
・有効化半径の形状および寸法
・視界追尾-量、時間
・視界追尾-質(角度、見え方)
・一または複数の変数により生じるロード
・世界中のプレーヤーに対する配信の実効性
また、システムは、性能低下無しに、複数の利用者に同時に利用されるものであってもよい。例えば、システムは、100万の利用者又はプレーヤー、或いはそれ以上の(100万を超える)利用者やプレーヤーや装置によって、性能低下無しに利用されるものであってもよい。
【0102】
さらに、開示されるシステムは、目標物を作成し、プレーヤーの正確な位置に基づいて静止画像(または広告素材)をロードするための構成とされている。プレーヤーは、仮想環境またはコンピュータゲームにおける利用者または利用者のアバターである。システムは、さらに、静止画像などの画像をシステムに対し外部にあるデータベースからロードするための構成とされている。いくつかの実施形態において、システムは、ゲームプレイ、すなわち、仮想環境中に、動画(音声を伴うもの或いは伴わないもの)をロードするものであってもよい。いくつかの実施形態において、システムは、仮想環境で動画を表示し、仮想環境(またはゲームエンジン)で写真を表示し、ゲームエンジン内で3Dの目標物を表示するものであってもよい。システムは、720p、1080p、4kなどの、ただしこれらに限定はされない可変画質の目標物をロードするための構成とされている。システムは、プレーヤーが決められた広告空間の近くにいるときに、(ゲームプレイを)煩わすことなく広告目標物をロードすることのできる方法を決定するための構成とされている。さらに、システムは、プレーヤーが広告空間の近くにいるものの、その可視領域にいないとき(例えば、曲がり角周辺)、広告目標物を確実に有効化するための構成とされている。さらに、システムは、次のものであってもよい。
・形状における変更を可能とするために有効化半径を強化するもの
・プレーヤーが遠く離れているときに広告を有効化するもの
・寸法における変更を可能とするために有効化半径を強化するもの
・コート/フィールドで行われる競技(すなわち、サッカーやバスケットボール)のゲーム中のような場合に一度に多くの広告空間を有効化するもの
・広告空間から離れた配置を可能とするために有効化半径を強化するもの
・複数の広告空間への取り付けを可能とするために有効化半径を強化するもの
【0103】
法律に従って、本発明は、構造的または方法的特徴に多かれ少なかれ特異的な言語で説明されてきた。「含む(comprises)」という用語および「含む」の進行形(comprising)および「含む」の過去形(comprised)などのその変形は、全体を通して、包括的な意味で使用され、追加の特徴を排除するものではない。本発明はこれまでに示され、または説明された具体的な特徴に限定されるものではなく、これらの手段は本発明を実施するための好ましい形態を含むものにすぎないことを理解されたい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲が当業者によって適切に解釈され得る適切な範囲内のあらゆる形態または改良について特許請求されている。
【0104】
本明細書および特許請求の範囲(存在する場合)の全体にわたって、文脈が別段の要求をしない限り、用語「実質的に(substantially)」または「およそ(abouto)」は、これらの語によって限定される範囲の値に限定するものではないことを理解されたい。
本発明の任意の実施形態は単なる例示に過ぎす、本発明の限定を意図するものではない。したがって、本発明の本質および観点から逸脱することなく、記載された任意の実施形態に対して様々な他の変更および改良を行うことができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【
図1】本開示(A)の方法において使用するコンピュータゲーム及び本開示(B)の方法において使用するゲームの開発フローチャートを示す。
【
図2】コンピュータゲームの視界を示し、(A)はデジタルトリガが有効化されていない場合を、そして(B)はデジタルトリガが有効化されている場合である。
【
図3】利用者関与データの捕捉画面であり、(A)は広告素材の寸法および近さに関係するもの、そして(B)は広告素材の歪みに関するものである。
【
図4】利用者が見ることのできる広告素材の割合に関する利用者関与データの捕捉画面を示すものである。
【
図5】利用者から見た広告素材の障害物に関する利用者関与データの捕捉画面を示すものである。
【
図6】利用者から見た広告素材の比率変化に関する利用者関与データの捕捉画面を示すものである。
【
図7】本開示の方法の構成要素および通信接続の概略図である。
【
図8】本開示のシステムによるピクセルサンプリングを使用し、仮想環境において利用者またはプレーヤーに示されている広告の大きさを特定して図示するものである。
【手続補正書】
【提出日】2021-01-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
提示モジュールによる、利用者に対する、前記利用者がアバターとして存在する仮想環境の提示と、
広告モジュールによる、サーバに通信可能に接続され、一または複数のデジタルトリガが有効化されたときに利用者を特定した広告素材を提示する目標物の、前記仮想環境内への埋め込みと、
前記広告モジュールによる、仮想環境におけるデジタルトリガの有効化の有無の判別と、
前記提示モジュールによる、前記デジタルトリガに基づく、前記目標物を介した、前記デジタルトリガが有効化されたときに利用者により視認又は聴取される少なくとも一つの広告素材の提示と、
前記広告モジュールによる、表示された前記目標物および表示された前記広告素材のうちの少なくとも一つへの、利用者の一または複数の反応の追跡と記録と、
を含む、仮想環境における利用者を特定した広告素材を提供する方法。
【請求項2】
前記提示モジュールにより、利用者の一または複数のデジタルトリガの有効化を可能とすることを更に含み、前記一または複数のデジタルトリガは、アバターが前記目標物のための有効化領域内にあるときに有効化され、前記目標物および前記広告素材の何れも前記デジタルトリガが有効化されたときに提示され、さらに、前記目標物および前記広告素材は実行時にライブレンダリングされる、完全な在来物であり、利用者体験を低下させないものとなっており、前記デジタルトリガはシステムが生成したトリガおよび利用者の入力に基づくトリガを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
利用者関与モジュールによる、前記目標物への利用者関与の定量化を更に含み、定量化には、前記目標物への利用者のアバターの関与の定量化が含まれる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記利用者関与の定量化は、画像、音楽又は動画の少なくとも一つを含む前記目標物の有効化領域にアバターが留まっている期間と、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間における前記目標物に対するアバターの位置と、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間に対する前記目標物への反応時間の少なくとも一つに基づいている請求項3に記載の方法。
【請求項5】
支払モジュールによる、前記広告素材の広告主からの料金の課金を更に含み、料金は、前記有効化領域内の前記目標物への前記利用者関与の量および質に比例する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想環境はコンピュータゲームに存在し、更に、利用者の前記アバターは前記コンピュータゲーム内の登場体であり、前記コンピュータゲームは、本人景観でプレイされる3Dコンピュータゲームである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記有効化領域は前記仮想環境内の前記目標物に埋め込まれたコライダによって作り出され、前記仮想環境は、仮想現実環境、拡張現実環境、コンピュータゲーム、およびデジタル環境のうちの少なくとも一つを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
アップロードモジュールによる、利用者がコンピュータゲームにおける見栄えのために個人用コンテンツをアップロードすることの可能化を更に含み、前記提示モジュールは利用者の個人用コンテンツをコンピュータゲームの一部として表示する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記利用者を特定した広告素材は、利用者のIPアドレス、および、利用者のコンピュータゲーム利用者アカウントから抽出された利用者情報のうちの少なくとも一つから抽出された利用者情報に基づいて決定される請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
利用者に対し、前記利用者がアバターとして存在する仮想環境を提示するための構成とされ、前記利用者が一以上のデジタルトリガを有効化することを可能にする提示モジュールと、
サーバに通信可能に接続され、一または複数のデジタルトリガが有効化されたときの利用者を特定した広告素材の提示を可能とする目標物を前記仮想環境に埋め込むとともに、前記提示モジュールが応答して前記目標物を介して少なくとも一つの広告素材を提示し、有効化されたときに前記広告素材を利用者に対し視認または聴取可能とするデジタルトリガの想環境内における有無を判定し、表示された前記目標物および表示された前記広告素材のうちの少なくとも一つへの利用者の一または複数の反応を追跡するための構成とされた広告モジュールと、
を含む、仮想環境における利用者を特定した広告素材を提供するシステム。
【請求項11】
前記デジタルトリガは前記アバターが前記目標物の有効化領域内にあるときに有効化され、前記目標物および前記広告素材の双方が前記デジタルトリガの有効化されたときにのみ表示され、さらに、前記目標物および前記広告素材は実行時にライブレンダリングされる、完全な在来物であり、利用者体験を低下させないものとなっている請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記目標物への利用者関与を定量化するための構成とされた利用者関与モジュールを更に含み、前記利用者関与モジュールは、利用者のアバターの前記目標物への関与を定量化し、前記目標物が、画像、音楽、および映像のうちの少なくとも一つを含む請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記利用者関与モジュールは、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間と、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間における前記目標物に対するアバターの位置と、アバターが前記目標物の有効化領域に留まっている期間に対する目標物への反応時間の少なくとも一つに基づき利用者関与を定量化する請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記広告素材の広告主へ料金を課金するための構成とされた支払モジュールを更に含み、料金は、前記有効化領域内の前記目標物への利用者関与の量および質に比例し、前記広告素材は、音楽、映像、および画像のうちの少なくとも一つを含み、前記利用者関与は、制御入力を介した利用者による反応で構成される請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記仮想環境は、コンピュータゲームに存在し、更に、利用者の前記アバターはコンピュータゲーム内の登場体であり、前記コンピュータゲームは、本人景観でプレイされる3Dコンピュータゲームである請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記有効化領域は前記仮想環境内の前記目標物に埋め込まれたコライダによって作り出され、前記仮想環境は、仮想現実環境、拡張現実環境、コンピュータゲーム、およびデジタル環境のうちの少なくとも一つを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
利用者がコンピュータゲームにおける見栄えのための個人用コンテンツをアップロードするための構成とされたアップロードモジュールを含み、前記提示モジュールは利用者の個人用コンテンツを前記コンピュータゲームの一部として表示する請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記利用者を特定した広告素材は、利用者のIPアドレス、および、利用者のコンピュータゲーム利用者アカウントから抽出された利用者情報のうちの少なくとも一つから抽出された利用者情報に基づいて決定される請求項17に記載のシステム。
【国際調査報告】