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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-07
(54)【発明の名称】細胞治療の方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/86 20060101AFI20221028BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20221028BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221028BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221028BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20221028BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20221028BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20221028BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20221028BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20221028BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20221028BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20221028BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20221028BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20221028BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20221028BHJP
   A61K 35/763 20150101ALI20221028BHJP
   A61K 35/766 20150101ALI20221028BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20221028BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALN20221028BHJP
【FI】
C12N15/86 Z ZNA
C12N5/10
A61P35/00
A61P35/02
A61P31/12
A61P31/18
A61P31/22
A61P31/16
A61P31/14
A61P31/20
A61K35/17 Z
A61K48/00
A61K35/76
A61K35/761
A61K35/763
A61K35/766
A61K39/395 S
A61K39/395 T
A61K31/7088
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510818
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2020073195
(87)【国際公開番号】W WO2021032779
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】19192299.6
(32)【優先日】2019-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518375937
【氏名又は名称】ウニベルシテート バーゼル
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100118371
【弁理士】
【氏名又は名称】▲駒▼谷 剛志
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グレーレルト, ヤスミーン
(72)【発明者】
【氏名】ヘス, クリストフ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C085
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA13
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZB33
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085BB41
4C085CC22
4C085CC23
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB33
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB65
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZB26
4C087ZB27
4C087ZB33
(57)【要約】
本発明は、細胞治療の分野にあり、患者におけるがんおよび/またはウイルス感染を処置するための組成物および方法を提供する。本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドおよび必要に応じてキメラ抗原受容体を含むリンパ球を提供する。本発明は、さらに、これらのリンパ球を作製し、それらを患者に投与するための方法を提供する。例えば、リンパ球は、T細胞またはナチュラルキラー細胞であり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの鉄調節タンパク質(IRP)をコードする合成ポリヌクレオチドを含むリンパ球であって、前記少なくとも1つの鉄調節タンパク質が、IRP1(配列番号1)および/またはIRP2(配列番号2~6)である、リンパ球。
【請求項2】
前記合成ポリヌクレオチドが、配列番号2に記載のIRP2をコードする、請求項1に記載のリンパ球。
【請求項3】
T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、請求項1または2に記載のリンパ球。
【請求項4】
腫瘍浸潤リンパ球、改変T細胞またはウイルス特異的T細胞である、請求項3に記載のリンパ球。
【請求項5】
前記少なくとも1つの鉄調節タンパク質が構成的に発現される、請求項1から4までのいずれか一項に記載のリンパ球。
【請求項6】
前記少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする前記合成ポリヌクレオチドが、構成的プロモーターの制御下にある、請求項1から5までのいずれか一項に記載のリンパ球。
【請求項7】
前記構成的プロモーターが、EF-1αプロモーターである、請求項6に記載のリンパ球。
【請求項8】
キメラ抗原受容体(CAR)をさらに含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載のリンパ球。
【請求項9】
前記CARが、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達領域およびシグナル伝達ドメインを含む、請求項8に記載のリンパ球。
【請求項10】
前記抗原結合ドメインが、抗体またはその抗原結合断片である、請求項9に記載のリンパ球。
【請求項11】
前記抗原結合断片が、FabまたはscFvである、請求項10に記載のリンパ球。
【請求項12】
前記抗原結合ドメインが、腫瘍抗原またはウイルス抗原に特異的に結合する、請求項9から11までのいずれか一項に記載のリンパ球。
【請求項13】
前記腫瘍抗原が、標的細胞集団または組織の細胞の表面上に存在する、請求項12に記載のリンパ球。
【請求項14】
前記CARが、ポリヌクレオチドによってコードされ、前記CARをコードする前記ポリヌクレオチドが、IRP1および/またはIRP2をコードする前記合成ポリヌクレオチドと転写的に連結している、請求項8から13までのいずれか一項に記載のリンパ球。
【請求項15】
前記CARをコードする前記ポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードする前記合成ポリヌクレオチドが、自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドによって連結している、請求項14に記載のリンパ球。
【請求項16】
前記自己切断ペプチドが、2A自己切断ペプチドである、請求項15に記載のリンパ球。
【請求項17】
前記自己切断ペプチドが、T2Aである、請求項15または16に記載のリンパ球。
【請求項18】
IRP1(配列番号1)および/またはIRP2(配列番号2~6)をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むウイルスベクター。
【請求項19】
配列番号2に記載のIRP2をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項18に記載のウイルスベクター。
【請求項20】
レンチウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、レトロウイルス、アルファウイルス、フラビウイルス、ラブドウイルス、麻疹ウイルス、ニューカッスル病ウイルスまたはポックスウイルスに由来するものである、請求項18または19に記載のウイルスベクター。
【請求項21】
レンチウイルスに由来するものである、請求項20に記載のウイルスベクター。
【請求項22】
IRP1および/またはIRP2をコードする前記少なくとも1つのポリヌクレオチドが、構成的プロモーターの制御下にある、請求項18から22までのいずれか一項に記載のウイルスベクター。
【請求項23】
前記構成的プロモーターが、EF-1αプロモーターである、請求項22に記載のウイルスベクター。
【請求項24】
CARをコードするさらなるポリヌクレオチドを含む、請求項18から23までのいずれか一項に記載のウイルスベクター。
【請求項25】
前記CARをコードする前記ポリヌクレオチドが、IRP1および/またはIRP2をコードする前記ポリヌクレオチドと転写的に連結している、請求項24に記載のウイルスベクター。
【請求項26】
前記CARをコードする前記ポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードする前記ポリヌクレオチドが、自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドによって連結している、請求項25に記載のウイルスベクター。
【請求項27】
前記自己切断ペプチドが、2A自己切断ペプチドである、請求項26に記載のウイルスベクター。
【請求項28】
前記自己切断ペプチドが、T2Aである、請求項26または27に記載のウイルスベクター。
【請求項29】
請求項1から17までのいずれか一項に記載のリンパ球または請求項18から28までのいずれか一項に記載のウイルスベクターと薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項30】
治療に使用するための、請求項1から17までのいずれか一項に記載のリンパ球、請求項18から28までのいずれか一項に記載のウイルスベクターまたは請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
がんの処置に使用するための、請求項1から17までのいずれか一項に記載のリンパ球、請求項18から28までのいずれか一項に記載のウイルスベクターまたは請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記がんが、血液がんまたは固形腫瘍である、請求項31に記載の使用のためのリンパ球、ウイルスベクターまたは医薬組成物。
【請求項33】
前記血液がんが、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病または多発性骨髄腫であり、前記固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、膵がん、卵巣がん、肝細胞癌、肺がん、神経芽細胞腫、神経膠芽腫または肉腫である、請求項32に記載の使用のためのリンパ球、ウイルスベクターまたは医薬組成物。
【請求項34】
ウイルス感染の防止および/または処置に使用するための、請求項1から17までのいずれか一項に記載のリンパ球、請求項18から28までのいずれか一項に記載のウイルスベクターまたは請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記ウイルス感染が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、インフルエンザウイルスまたはヒトヘルペスウイルスによって引き起こされるものであり、特に、前記ヒトヘルペスウイルスが、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)またはヒトヘルペスウイルス8(HHV8)である、請求項34に記載の使用のためのリンパ球、ウイルスベクターまたは医薬組成物。
【請求項36】
がんを有する対象を処置するため、または対象におけるウイルス感染を防止および/もしくは処置するための方法であって、前記対象に、請求項1から17までのいずれか一項に記載のリンパ球、請求項18から28までのいずれか一項に記載のウイルスベクターまたは請求項29に記載の医薬組成物の治療有効量を投与するステップを含む方法。
【請求項37】
前記がんが、血液がんまたは固形腫瘍であり、特に、前記血液がんが、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病または多発性骨髄腫であり、前記固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、膵がん、卵巣がん、肝細胞癌、肺がん、神経芽細胞腫、神経膠芽腫または肉腫である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ウイルス感染が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、インフルエンザウイルスまたはヒトヘルペスウイルスによって引き起こされるものであり、特に、前記ヒトヘルペスウイルスが、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)またはヒトヘルペスウイルス8(HHV8)である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
請求項1から17までのいずれか一項に記載のリンパ球を作製するための方法であって、
a)対象から得たリンパ球を用意するステップと、
b)少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドをステップ(a)の前記リンパ球に導入するステップであって、前記鉄調節タンパク質がIRP1(配列番号1)および/またはIRP2(配列番号2~6)である、ステップと、
c)ステップ(b)で前記リンパ球に導入された前記合成ポリヌクレオチドによってコードされる前記少なくとも1つの鉄調節タンパク質を発現させるステップと
を含む方法。
【請求項40】
キメラ抗原受容体(CAR)をコードする第2の合成ポリヌクレオチドをステップ(b)で前記リンパ球に導入する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記CARをコードする前記合成ポリヌクレオチドをIRP1および/またはIRP2をコードする前記合成ポリヌクレオチドと組み合わせる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記CARをコードする前記合成ポリヌクレオチドを、IRP1および/またはIRP2をコードする前記合成ポリヌクレオチドと転写的に連結する、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記CARをコードする前記合成ポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードする前記ポリヌクレオチドを、自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドによって連結する、請求項40から42までに記載の方法。
【請求項44】
前記自己切断ペプチドが、2A自己切断ペプチドである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記自己切断ペプチドが、T2Aである、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
1つまたは複数の前記合成ポリヌクレオチドを前記リンパ球に、ウイルスによる形質導入によって導入する、請求項39から45までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
ウイルスによる形質導入を、請求項18から28までのいずれか一項に記載のウイルスベクターを用いて実施する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記リンパ球を、前記1つまたは複数の合成ポリヌクレオチドを前記リンパ球に導入する前、またはその後に活性化する、請求項39から47までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
要約
本発明は、細胞治療の分野にあり、患者におけるがんおよび/またはウイルス感染を処置するための組成物および方法を提供する。本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチド、および必要に応じてキメラ抗原受容体を含むリンパ球を提供する。本発明は、さらに、これらのリンパ球を作製し、それらを患者に投与するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
緒言
過去数十年にわたり、がんの発達および処置に関する免疫系の効力が研究の主要な焦点になっている。免疫チェックポイント遮断を用いた標的化治療および免疫療法により多くのがん患者の生存が著しく改善されているが、患者の大部分ではこれらの治療に際してもなお疾患増悪が発生している。養子細胞療法(ACT)はこれらの患者に対して追加の処置選択肢を提供することができ、腫瘍に存在するかまたは末梢血中の改変免疫細胞のいずれかをがん患者へと静脈内移入して抗腫瘍機能を媒介することを含む。現在、ACTは、それぞれが独自の作用機構を有する3つの異なる型、すなわち、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いるACT、T細胞受容体(TCR)遺伝子治療を使用するACT、およびキメラ抗原受容体(CAR)改変T細胞を用いるACTに分類することができる。ナチュラルキラー細胞などの他の免疫細胞型を細胞治療の基礎として使用することも現在の研究の領域内に入る。
【0003】
TILを用いた最初の試験は、Surgery Branch in the National Institutes of Health(SB、NIH、Bethesda、Maryland、US)のRosenbergおよび共同研究者らによって実施され、そこでは、種々のマウス腫瘍からTILを成長させ、in vivoでの抗腫瘍活性が示された。現行のTIL療法は、切除された腫瘍材料からTILをex vivoで増大させ、リンパ球を枯渇させる前処置レジメン後に患者へと養子移入し、その後、インターロイキン2(IL-2)で支持することからなる。いくつかの第I/II相臨床試験において、このレジメンを用いて、転移性黒色腫を有する患者においておよそ50%の注目すべき客観的な腫瘍応答が実現されている。黒色腫患者においてTILを用いた成功が認められた後、他の固形腫瘍型からのTILの作製も試験されている。これまで、子宮頸がん、腎細胞がん、乳がん、および非小細胞肺がんなどの黒色腫ではない腫瘍型からTILを成長させることが可能になっており、腫瘍反応性の率は様々である。
【0004】
腫瘍に天然に存在するTILおよびそれに基づく処置選択肢の次に、ACTの使用のために、末梢血T細胞を単離し、特定の腫瘍抗原を標的とするTCRを発現するようにin vitroで遺伝子改変することができる。この方法を使用して、腫瘍特異的T細胞の大きなプールを生成することができ、処置を受けた患者の最大30%に強力な抗腫瘍活性および客観的な臨床応答が観察された。改変TCRによる認識のためには主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)を介した抗原提示が必要である。しかし、多くのがんの型は、MHC発現のダウンレギュレーションまたは喪失によってT細胞性免疫応答をエスケープし得ることが周知である。腫瘍特異的T細胞による認識のために腫瘍細胞上にMHCが存在する必要性を回避するために、CAR分子などの人工受容体が開発されている。CAR改変T細胞を用いたACTは、TCR改変T細胞と同じであるが、MHC発現とは無関係に、エフェクター機能の能力を保持する。タンパク質抗原の使用に加えて、炭水化物または糖脂質抗原などの他の抗原も探究されてきた。血液悪性腫瘍(hematological malignancy)に関してCD19特異的CAR T細胞を用いて印象的な臨床応答がすでに認められており、これにより、固形腫瘍に関してもCAR療法を使用することの探求がもたらされた。
【0005】
造血幹細胞移植(HSCT)により、多くの高リスクがんまたは原発性免疫不全症候群を有する患者に治癒の機会がもたらされるが、移植レシピエントは持続的かつ重度の免疫抑制に起因して依然として感染性合併症にかかりやすいままである。これらのリスクは、前処置レジメン、移植型、および骨髄抑制の持続によって改変される。コンディショニングレジメンの進歩および移植後管理の改善に伴って、不適合、血縁でない、またはハプロタイプ一致ドナーHSCTを受けることに対して適格である患者の数が増えている。重症または他の点で処置不能な疾患を有する患者の転帰は大きく改善されているが、生着のために必要な免疫抑制、および、必要性が示された場合に移植片対宿主病(GVHD)を処置するための免疫抑制は、感染の可能性が生じる。特に、ウイルス感染は有意な罹患率および死亡率が引き起こし、T細胞免疫再構成が遅延するとリスクが増大する。免疫抑制、免疫再構成、およびGVHDの影響と感染との間の関係は複雑で絡み合ったものである。ウイルス感染に対する薬理的処置および予防選択肢は依然として限定されており、効果がないことも多く、急性腎傷害および骨髄抑制に付随する罹患率が顕著である。処置により抵抗性が生じる恐れもあり、長期の保護は付与されず、患者にはウイルス再活性化のリスクが残る。T細胞免疫回復の遅延とウイルス性疾患の相関を考慮すると、養子細胞療法は薬理的治療の論理的な代替である。血清陽性ドナーからの無操作リンパ球注入が、EBV関連リンパ腫などの生命を脅かす疾患を有する患者に注入され、臨床的有効性が実証されており、主にGVHDに関連するリスクが伴っている。この戦略は過去20年で進化しており、ドナーリンパ球製品は、ウイルス性疾患(再活性化、新しい曝露、およびリンパ腫)に対する処置として、および予防として、宿主におけるウイルス免疫の再構成に関して成功している。これらの最初の研究に続いて、ウイルス特異的T細胞(VST)選択および/または増大が洗練され、ウイルス細胞傷害性が最大限になり、アロ反応性が最小限になってGVHDのリスクが減少し、ほとんど排除されるようになっている。現在の研究では、VSTにより標的化治療がもたらされ、現在まで非常に良好な安全性プロファイルが実証されている。
【0006】
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、ACTに関する潜在性についてT細胞と比較して少ない程度に研究されている。しかし、NK細胞はそのいくつかの特質によって養子細胞療法の理想的な候補になる。NK細胞は、細胞傷害性が高いエフェクターであることに加えて、抗原特異性に制限されず、適応免疫応答を強化する炎症促進サイトカインを迅速に産生する。
【0007】
がんを有する患者由来のNK細胞は多くの場合に機能障害性であり、増殖速度の低下、サイトカイン刺激に対する応答の低減およびエフェクター機能の低下を示す。したがって、初期の免疫療法戦略は、内因性NK細胞の機能を増強するまたは復活させることを目的とするものであった。これらの戦略は、ex vivoにおいて自己NK細胞のIL-2誘導性活性化を行い、その後、治療の過程中、組み合わされたIL-2処置と共に患者に再注入することを伴うものであった。残念ながら、IL-2により活性化されたNK細胞は腫瘍成長に影響を及ぼさず、また、この処置レジメンには重度の副作用があった。がん患者の処置に同種NK細胞を使用することがより有望であり、これは、同種NK細胞が患者のNK細胞と比較して十分に機能的であるからである。さらに、同種NK細胞には、移植片対白血病/腫瘍(GvL/GvT)効果があり、移植片対宿主病(GvHD)は引き起こされず、したがって、引き起こされる免疫病理がより少ない。
【0008】
特に急性骨髄性リンパ腫(AML)および非ホジキンリンパ腫(NHL)などの血液悪性腫瘍(hematologic malignancy)の処置に関して、臨床的に意義のある応答が実現されている。しかし、NK細胞単独での活性は多くの場合に腫瘍成長を十分に制御するためには不十分であり、固形腫瘍の処置は制限的腫瘍微小環境に起因して特に困難である。したがって、NK細胞機能を増強するための戦略が広範囲にわたって調査されている。NK細胞の抗腫瘍活性を増強するための1つの手法は、サイトカインの利用である。NK細胞を養子移入前にin vitroで増大させ、活性化するために種々のサイトカインが使用されている(IL-2、IL-12、IL-15、IL-18、IL-21およびI型インターフェロン)。
【0009】
NK細胞機能を最大にするための有望なサイトカインの組合せの1つは、IL-12、IL-18およびIL-15のコンビナトリアル使用である。この組合せを用いた刺激により、長期生存および増強されたエフェクター機能などの「メモリー様」特色を有するNK細胞の集団が誘導される。前臨床試験により、サイトカインによって増強された(CE)NK細胞が抗白血病細胞治療としての実質的な潜在性を有することが示された。リンパ腫または黒色腫のin vivo腫瘍モデルにおいて、CE NK細胞は増強されたエフェクター機能(IFN-γ産生および細胞傷害性)を有した。また、免疫不全NOD-SCID-γc-/-マウス(NSG)への養子移入後に、IL-2によって増強されたCE NK細胞は対照NK細胞と比較して長く持続した。最後に、AML異種移植NSGマウスにおいて、CE NK細胞によりAML負荷量が実質的に減少し、全生存が改善された。
【0010】
CE NK細胞のエフェクター機能の増加を駆動する分子機構は現在のところ分かっていない。T細胞に関しては、ある特定のサブセット、例えばナイーブCD8+T細胞対メモリーCD8+T細胞の機能が、異なる代謝調節機構に結び付けられることが十分に確立されている。したがって、CE NK細胞における代謝パターンの変更により、機能の増強が支持され得る。CE NK細胞の分化およびそれらの優れたエフェクター機能性を補強する分子機構を解明することは臨床的有効性を改善するための重要な前提条件である。
【0011】
一般に、高度に増殖している細胞は、厳密に言えば、エネルギー代謝/呼吸、DNA合成および修復、ならびに細胞周期制御などの基本的なプロセスを支持するために鉄に依存している。リンパ球を含めた増殖している細胞によって必要とされる大量の鉄はトランスフェリンによって供給され、これは、細胞表面受容体CD71を介して取り込まれる。CD71はリンパ球活性化マーカーとして一般に使用され、活性化したNK細胞上に発現される。現在までにリンパ球機能に対する鉄代謝の重要性について調査した試験はほんのわずかである。CD71受容体の変異(TFRCY20H/Y20H)により、増殖が損なわれることに起因してT細胞およびB細胞の機能が損なわれることが最近示された。
【0012】
鉄レベルの低下によりNK細胞の細胞傷害性が損なわれ、この状況では、機能障害性NK細胞がラットにおけるがんの発達に寄与し得ることが提唱された。さらに、血清中フェリチンレベルが低いことが、ヒトにおけるNK細胞活性の低下に関連付けられている。しかし、NK細胞媒介性免疫に対する鉄の具体的な影響は依然としてわかりにくいままである。
【0013】
細胞内鉄恒常性は、鉄の取り込み、利用および貯蔵の協調を伴う、密接に調節されるプロセスである。細胞内鉄恒常性は、主に鉄調節タンパク質/鉄応答性エレメント(IRP/IRE)調節系によって転写後レベルで調節される。IRP1およびIRP2は、別個のmRNAにおけるIREを認識し、それにより、それらの安定性およびタンパク質への翻訳を制御するRNA結合タンパク質である。IRP1およびIRP2の活性は細胞内鉄レベルに応答して調節される。標準的なIREは、鉄獲得、鉄貯蔵、鉄利用、ATP産生および鉄輸送をコードするmRNAの5’UTRまたは3’UTRに存在する。
【0014】
鉄欠乏条件下では、IRP活性が高く、IRPは対応するmRNAの5’または3’UTR内でIREに結合する。IRPはIREの局在に応じてタンパク質発現に異なる影響を及ぼし得る。5’UTRにIREを有するmRNA(例えば、FTH1 mRNA、フェリチン軽鎖1)の翻訳はIRPの結合によって阻害される。対照的に、IRPが3’UTR IREに結合すると(例えば、TFRC mRNA、CD71)、mRNAが安定化し、その結果、翻訳が増強される。したがって、IRP/IRE調節ネットワークは、細胞内の鉄の状況に対してある特定のmRNAの翻訳を選択的に調節することにより、細胞内鉄恒常性と協調する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
養子細胞療法の最近の成功にもかかわらず、これらの治療をより多くの患者が利用可能なものにするための改善が依然として必要とされている。養子細胞療法の成功の一般的な要件の1つは、免疫細胞が注入された後に患者内で頑強に増大することを確実にすることである。これにより、一方では、注入数の減少がもたらされ、他方では、より高い治療有効性がもたらされる。したがって、当技術分野において、細胞治療に関連する改善された手段および方法が必要とされている。より詳細には、対象に投与された後にin vivoで頑強に増大する免疫細胞が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
特許請求の範囲に提示される実施形態によって技術的な問題が解決される。すなわち、本発明は、以下の項目に関する:
【0017】
1.少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドを含むリンパ球。
【0018】
2.リンパ球が、T細胞またはナチュラルキラー細胞である、項目1に記載のリンパ球。
【0019】
3.少なくとも1つの鉄調節タンパク質が構成的に発現される、項目1または2のいずれか一項に記載のリンパ球。
【0020】
4.少なくとも1つの鉄調節タンパク質が、IRP1(配列番号1)および/またはIRP2(配列番号2~6)である、項目1から3までのいずれか一項に記載のリンパ球。
【0021】
5.キメラ抗原受容体をさらに含む、項目1から4までのいずれか一項に記載のリンパ球。
【0022】
6.キメラ抗原受容体が、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達領域およびシグナル伝達ドメインを含む、項目5に記載のリンパ球。
【0023】
7.抗原結合ドメインが、抗体またはその抗原結合断片であり、特に、抗原結合断片が、FabまたはscFvである、項目6に記載のリンパ球。
【0024】
8.抗原結合ドメインが、腫瘍抗原に特異的に結合する、項目6または7のいずれか一項に記載のリンパ球。
【0025】
9.前記腫瘍抗原が、標的細胞集団または組織の細胞の表面上に存在する、項目8に記載のリンパ球。
【0026】
10.項目1から9までのいずれか一項に記載のリンパ球と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【0027】
11.治療に使用するための、項目1から9までのいずれか一項に記載のリンパ球または項目10に記載の医薬組成物。
【0028】
12.がんの処置に使用するための、項目1から9までのいずれか一項に記載のリンパ球または項目10に記載の医薬組成物。
【0029】
13.がんが、血液がんまたは固形腫瘍であり、特に、血液がんが、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)または多発性骨髄腫であり、固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、膵がん、卵巣がん、肝細胞癌、肺がん、神経芽細胞腫、神経膠芽腫または肉腫である、項目12に記載の使用のためのリンパ球または医薬組成物。
【0030】
14.ウイルス感染の防止および/または処置に使用するための、項目1から9までのいずれか一項に記載のリンパ球または項目10に記載の医薬組成物。
【0031】
15.ウイルス感染が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、インフルエンザウイルスまたはヒトヘルペスウイルスによって引き起こされるものであり、特に、ヒトヘルペスウイルスが、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘・帯状疱疹(Varizella-Zoster)ウイルス(VZV)またはヒトヘルペスウイルス8(HHV8)である、項目14に記載の使用のためのリンパ球または医薬組成物。
【0032】
16.がんを有する対象を処置するため、または対象におけるウイルス感染を防止および/もしくは処置するための方法であって、対象に、項目1から7までのいずれか一項に記載のリンパ球または項目10に記載の医薬組成物の治療有効量を投与するステップを含む方法。
【0033】
17.がんが、血液がんまたは固形腫瘍であり、特に、血液がんが、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病または多発性骨髄腫であり、固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、膵がん、卵巣がん、肝細胞癌、肺がん、神経芽細胞腫、神経膠芽腫または肉腫である、項目16に記載の方法。
【0034】
18.ウイルス感染が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、インフルエンザウイルスまたはヒトヘルペスウイルスによって引き起こされるものであり、特に、ヒトヘルペスウイルスが、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)またはヒトヘルペスウイルス8(HHV8)である、項目16に記載の方法。
【0035】
19.項目1から9までのいずれか一項に記載のリンパ球を作製するための方法であって、
a)対象から得たリンパ球を用意するステップと、
b)少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドをリンパ球に導入するステップと、
c)合成ポリヌクレオチドにコードされる遺伝子(複数可)を発現させるステップと
を含む方法。
【0036】
20.ステップ(b)において、キメラ抗原受容体をコードする第2の合成ポリヌクレオチドを導入する、項目19に記載の方法。
【0037】
21.キメラ抗原受容体をコードする合成ポリヌクレオチドを少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドと組み合わせる、項目20に記載の方法。
【0038】
22.リンパ球を、少なくとも1つの合成ポリヌクレオチドをリンパ球に導入する前、またはその後に活性化する、項目19から21までのいずれか一項に記載の方法。
【0039】
23.少なくとも1つの合成ポリヌクレオチドをリンパ球に、ウイルスによる形質導入によって、特に、レトロウイルスによる形質導入によって導入する、項目19から22までのいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0040】
したがって、一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドを含むリンパ球に関する。
【0041】
すなわち、本発明は、CD71媒介性鉄の取り込みが、細胞増殖に関して実行/中止の門番として作用する、活性化したNK細胞についての重要な代謝チェックポイントであるという驚くべき所見に基づく。サイトカインにより増強された(CE)NK細胞では、余剰レベルの鉄調節タンパク質により、偽性鉄欠乏状態が予想外に創出され、それにより、CD71の翻訳が選択的に増強され、したがって、細胞の増殖が増加する。
【0042】
CE NK細胞のエフェクター機能の増強を担う分子機構は今までのところ分からないままである。CE NK細胞では、IL-12およびIL-18ならびに腫瘍標的細胞による刺激に応答して、ナイーブ(NV)NK細胞と比較してCD71の発現が有意に高いことが実施例2に具体的に示されている(図2B、2Cおよび2D)。NV NK細胞およびCE NK細胞のどちらに関してもサイトカインで活性化されるとCD71をコードするTFRC遺伝子の転写が誘導されるが、CE NK細胞の方が程度が高いことが実施例5においてさらに示されている(図5B)。CE NK細胞においてNV NK細胞と比較してTFRC mRNAの発現がより高いことは、タンパク質発現の増加に直接変換される(図2BおよびC)。したがって、鉄調節タンパク質(IRP)であるIRP1およびIRP2の発現レベルがCE NK細胞においてNV NK細胞と比較して高いことが実施例6に示されている(図6A)。IRPがTFRC mRNAの安定化によってTFRC mRNAの翻訳を調節することが分かっているので、CE NK細胞ではNV NK細胞と比較して多量のIRPによって多量のCD71タンパク質が引き起こされると結論づけることができる。これらの所見は、IRPの発現が細胞内鉄レベルに応答して調節されることが分かっているので、驚くべきものである。しかし、CE NK細胞では、周囲培地中に鉄が豊富にあるにもかかわらず、IRPの発現がアップレギュレーションされ、それにより、偽性鉄欠乏状態が作り出される。刺激すると、この偽性鉄欠乏状態により、CD71 mRNAの安定化を増大させることが可能になり、その結果、CD71タンパク質発現、したがって増殖が増加する。
【0043】
これらの所見に基づいて、本発明者らは、NK細胞またはT細胞などのリンパ球において偽性鉄欠乏状態を誘導することにより、対象への投与後、増殖の増加がもたらされ、したがって、その結果として続くより大きなエフェクター集団がもたらされると結論づけた。リンパ球をサイトカインおよび/またはフィーダー細胞系で必ず処理することは、in vivo適用では多くの場合に制御することが難しいかまたはさらには不可能であり、本発明は、その代わりに、前記リンパ球において少なくとも1つのIRPを過剰発現させることによってリンパ球における偽性鉄欠乏状態を誘導するための本発明による解決法を提供する。したがって、本発明によるIRPを過剰発現している偽性鉄欠乏リンパ球は、IRPを過剰発現していないリンパ球と比較して機能の増強、特に増殖の増強を有する。したがって、代替の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質を過剰発現するリンパ球に関する。
【0044】
本発明者らは、強制的なIRP発現の結果、異なる型のリンパ球の増殖の増加がもたらされることを実証した。例えば、IRP2(配列番号2;NCBI RefSeq:NM_004136.4)のレンチウイルスによる過剰発現の結果、CD71の発現の増加、および、より重要なことに、ジャーカットT細胞の増殖の増加がもたらされることが本発明者らによって示された(図8F)。さらに、レンチウイルスによる過剰発現により、CD4T細胞およびCD8T細胞におけるCD71の発現が誘導されることが本発明者らによって示された(図8GおよびH)。さらに、本発明者らは、CAR T細胞におけるレンチウイルスによるIRP2の過剰発現の結果、抗原による刺激でCAR T細胞の増殖の増加がもたらされるが、一方、刺激されていないCAR T細胞の増殖に対してはIRP2の過剰発現が影響しないことを示した(図8K)。
【0045】
したがって、本発明者らは、CD71発現に対するIRPの調節作用およびCD71発現と細胞増殖の相関が異なる型のリンパ球の間、特に、T細胞とNK細胞の間でよく保存されていることを説得力をもって実証した。これらの所見を考慮して、リンパ球におけるIRPの過剰発現の結果、前記リンパ球の増殖の増加がもたらされると結論づけた。したがって、強制的なIRPの過剰発現が、リンパ球に基づく治療の過程で患者に注入されたリンパ球の頑強なin vivo増殖を実現するための魅力的な戦略であるというのは妥当である。
【0046】
IRPは、鉄応答性エレメント結合タンパク質としても公知であり、鉄応答性エレメント(IRE)に結合し、それにより、ヒト鉄代謝を調節するタンパク質である。ヒトでは、IRP1およびIRP2と称される2つの異なるIRPが記載されている。IRP1の活性とIRP2の活性は別個のやり方で調節される。IRP1は鉄・硫黄クラスターを含有し、鉄が豊富な条件下で細胞質ゾルのアコニターゼとして機能する。鉄が欠乏すると、鉄・硫黄クラスターから鉄が欠け、IRP1の立体配置が変化し、したがって、mRNAのIREに結合することができるようになる。対照的に、IRP2は相対的な鉄過剰でユビキチンプロテアソーム系によって急速に分解される。鉄枯渇条件下では、アダプタータンパク質FBXL5が分解され、それにより、IRP2レベルの上昇がもたらされる。したがって、ユビキチンリガーゼが鉄センサーおよび鉄恒常性の調節因子として機能する。IRP1活性およびIRP2活性の組織特異的変動が記載されており、IRP1ノックアウトマウスとIRP2ノックアウトマウスは別個の表現型を有する。
【0047】
「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書で使用される場合、ホスホジエステル結合によって接続されたヌクレオチド配列を指す。本発明のポリヌクレオチドは、一本鎖形態または二本鎖形態のいずれかのデオキシリボ核酸(DNA)分子またはリボ核酸(RNA)分子であり得る。ヌクレオチド塩基は本明細書では1文字表記:アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)、イノシン(I)およびウラシル(U)によって示される。本発明のポリヌクレオチドは、当業者に周知の標準の技法を使用して調製することができる。
【0048】
「合成ポリヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、非天然起源であり、リンパ球に組み込まれたポリヌクレオチドである。合成ポリヌクレオチドは、ポリメラーゼ連鎖反応を含めた組換え技法によって、または化学合成によって作製することができる。特定のポリヌクレオチド配列を有する合成ポリヌクレオチドを作製する方法が当業者には知られている。さらに、合成ポリヌクレオチドをリンパ球に組み込む方法が当業者には知られている。本発明の範囲内では、合成ポリヌクレオチドはIRPをコードする少なくとも1つの遺伝子またはコード配列を含むことが好ましく、ここで、少なくとも1つの遺伝子またはコード配列は、少なくとも1つの調節エレメント、例えば、少なくとも1つのIRPをコードする内因性遺伝子と天然には関連しないプロモーターと作動可能に(operably)連結している。そのような合成ポリヌクレオチドは、多数の戦略によって得ることができる。例えば、IRPをコードする内因性遺伝子と天然には関連しないプロモーターまたは別の調節エレメントの制御下にあるIRPをコードする遺伝子またはコード配列を含むポリヌクレオチドをリンパ球に組み込むことができる。あるいは、IRPをコードするポリヌクレオチドをリンパ球のゲノム内に組み込み、したがって、IRPをコードする内因性遺伝子と天然には関連しない調節エレメントと作動可能に連結することができる。さらに、本発明の合成ポリヌクレオチドは、IRPをコードする内因性遺伝子と天然には関連しない調節エレメントを含むポリヌクレオチドをリンパ球に組み込み、したがって、この調節エレメントをIRPをコードするリンパ球の内因性遺伝子に作動可能に連結することによって得ることもできる。あるいは、本発明の合成ポリヌクレオチドは、IRPをコードする遺伝子の内因性調節エレメントを遺伝子操作またはゲノム編集の方法によって改変し、したがって、リンパ球の内因性IRP遺伝子の発現を変更することによって得ることもできる。例えば、調節エレメント、例えば、IRPをコードする内因性遺伝子のプロモーターを、IRPをコードする遺伝子がリンパ球において構成的に発現されるように改変することができる。遺伝子操作の方法は当技術分野で周知であり、それらとして、CRISPR/Cas9、またはメガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼもしくはTALENなどの操作されたヌクレアーゼの使用が挙げられる。
【0049】
「作動可能に連結」という用語は、異種核酸配列の発現をもたらす、調節配列と異種核酸配列との間の機能的な連結を指す。例えば、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的な関係に置かれている場合、第1の核酸配列は第2の核酸配列と作動可能に連結している。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合、プロモーターはコード配列と作動可能に連結している。一般に、作動可能に連結したDNA配列は隣接しており、2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合には、同じ読み枠内にある。「プロモーター」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチド配列の特定の転写を開始するために必要な、細胞の合成機構または導入された合成機構によって認識されるDNA配列と定義される。
【0050】
細胞、例えばリンパ球は、合成ポリヌクレオチドが細胞の内側に存在する、すなわち、細胞の細胞質膜によって封入されている場合、合成ポリヌクレオチドを含むと言える。合成ポリヌクレオチドを任意の形態で、および当技術分野で公知の任意の方法によって細胞に送達することができる。例えば、合成ポリヌクレオチドは、細胞の内側に、環状DNAベクター、例えばプラスミドの一部として、直鎖DNAの形態でもしくはその一部として、またはmRNAの形態でもしくはその一部として存在し得る。しかし、合成ポリヌクレオチドをDNAとしてリンパ球のゲノム内に組み込むことが好ましい。
【0051】
「コードする」という用語は、定義されたヌクレオチド配列(すなわち、rRNA、tRNAおよびmRNA)または定義されたアミノ酸配列のいずれかおよびそれから生じる生物学的特性を有する、生物学的プロセスにおける他のポリマーおよび高分子の合成のための鋳型として機能するポリヌクレオチド内の特定のヌクレオチドの配列、例えばコード配列、遺伝子、cDNA、またはRNAなどの固有の特性を指す。したがって、細胞または他の生物系においてコード配列または遺伝子のmRNAへの転写およびそのコード配列または遺伝子に対応するmRNAの翻訳によりタンパク質が産生される場合、コード配列または遺伝子はタンパク質をコードする。mRNA配列と同一であり、配列表に通常提示されるヌクレオチド配列であるコード鎖と、遺伝子またはcDNAの転写の鋳型として使用される非コード鎖はどちらも、タンパク質またはコード配列、遺伝子もしくはcDNAの他の産物をコードすると称することができる。
【0052】
「コード配列」という用語は、本明細書で使用される場合、適当な調節または発現制御配列の制御下に置かれると、転写され、ポリペプチドに翻訳される核酸配列を指す。「遺伝子」という用語は、本明細書で使用される場合、これだけに限定されないが、ポリペプチド鎖に翻訳され得るmRNAに転写され得るか、rRNAもしくはtRNAに転写されるか、またはDNA複製、転写および調節に関与する酵素および他のタンパク質の認識部位として機能するDNA配列を含めたDNA配列を指す。「遺伝子」という用語は、その内因性の状況で使用される場合、代替スプライシング部位から生じるバリアントと共に、mRNA転写物からスプライシングされた全てのイントロンおよび他のDNA配列を含むと一般に理解される。しかし、「遺伝子」という用語が合成ポリヌクレオチドに関して使用される場合、この用語は、配列内で遺伝子のスプライシングされたmRNAバリアントまたは遺伝子のスプライシングされたmRNAに由来するcDNAに対応するコード配列をさらに含むと広範に理解される。
【0053】
「リンパ球」という用語は、本明細書で使用される場合、血液、リンパ液、およびリンパ組織に見いだされる、リンパ系幹細胞に由来する単核非食作用性白血球のいずれかを指す;リンパ球は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞;細胞媒介性、細胞傷害性自然免疫において機能する)、T細胞(細胞媒介性、細胞傷害性適応免疫のための)、およびB細胞(体液性、抗体駆動性適応免疫のための)を含む。本発明のリンパ球はNK細胞またはT細胞であることが好ましい。したがって、好ましい実施形態では、本発明は、T細胞またはナチュラルキラー細胞である、本発明によるリンパ球に関する。
【0054】
T細胞は、胸腺で発達し、免疫応答において中心的な役割を果たすリンパ球の一種である。T細胞は、細胞表面上にT細胞受容体が存在することにより、他のリンパ球と区別することができる。これらの免疫細胞は前駆細胞として生じ、骨髄に由来し、胸腺に移動するといくつかの別個の型のT細胞に発達する。T細胞分化は胸腺を去った後にも続く。本発明のリンパ球は、任意のT細胞、例えば、ヘルパーCD4T細胞、細胞傷害性CD8T細胞、メモリーT細胞、調節CD4T細胞、ナチュラルキラーT細胞またはガンマデルタT細胞であり得る。ある特定の実施形態では、本発明によるT細胞はCD4T細胞またはCD8T細胞であり、必要に応じて、CD4T細胞またはCD8T細胞はキメラ抗原受容体を含む。
【0055】
ナチュラルキラー細胞、またはNK細胞は、自然免疫系に欠かせない細胞傷害性リンパ球の一種である。NK細胞が果たす役割は、脊椎動物の適応免疫応答における細胞傷害性T細胞の役割と類似している。NK細胞は、ウイルスに感染した細胞に対する迅速な応答をもたらし、感染の約3日後に作用し、また、腫瘍形成に応答する。NK細胞は、事前の感作なしに腫瘍細胞を溶解させる能力という最初の概念に起因して「ナチュラルキラー」と名付けられた。NK細胞の阻害性受容体は、主に、有核細胞の表面上に遍在的に発現される主要組織適合性クラスI(MHCクラスI)分子と会合する。高レベルのMHCクラスIを発現する健康な細胞は自己寛容を持続し、NK細胞による殺滅から保護される。対照的に、ウイルス感染または悪性転換により、阻害性シグナルが取り除かれることによってNK細胞活性化が誘発される。活性化NK細胞受容体はウイルスに感染した細胞または悪性細胞におけるストレス誘導性リガンドを認識した。標的細胞におけるこれらの刺激性リガンドの発現により、阻害性受容体によって送達される構成的な阻害を克服し、したがって、NK細胞を活性化することができる。
【0056】
本発明の範囲内では、リンパ球は任意のリンパ球であり得る。本発明のリンパ球はT細胞またはNK細胞であることが好ましい。したがって、一実施形態では、本発明は、T細胞またはNK細胞である、本発明によるリンパ球に関する。別の実施形態では、本発明は、細胞傷害性CD8T細胞、ヘルパーCD4T細胞またはNK細胞である、本発明によるリンパ球に関する。さらなる実施形態では、本発明は、細胞傷害性CD8T細胞またはNK細胞である、本発明によるリンパ球に関する。さらなる実施形態では、本発明は、細胞傷害性CD8T細胞である、本発明によるリンパ球に関する。別の実施形態では、本発明は、ヘルパーCD4T細胞である、本発明によるリンパ球に関する。
【0057】
一実施形態では、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球、改変TCRを含むT細胞またはウイルス特異的T細胞である、本発明によるリンパ球に関する。
【0058】
すなわち、リンパ球は、TIL、改変TCRを含むT細胞またはウイルス特異的T細胞などの、細胞治療への適用に適したリンパ球である。TIL、改変TCRを含むT細胞またはウイルス特異的T細胞は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドを含むことが好ましく、鉄調節タンパク質はIRP1および/またはIRP2であることが好ましく、鉄調節タンパク質はIRP2であることがより好ましく、鉄調節タンパク質は配列番号2に記載のIRP2であることがなおより好ましい。
【0059】
ある特定の実施形態では、本発明のリンパ球は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)であり得る。TILは、血流を出て腫瘍に向かって移動する白血球である。TILはT細胞およびB細胞を含み、種々の割合の単核免疫細胞と多形核免疫細胞の両方(例えば、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球など)からなる「腫瘍浸潤免疫細胞」という大きなカテゴリーの一部である。TILの存在量は腫瘍型およびステージによって変動し、一部の場合では、疾患予後に関する。TILを細胞治療に使用することができ、その場合、TILを患者の腫瘍から単離し、ex vivoで増大させる。次いで、増大したTILを特異的な腫瘍認識についてアッセイすることができ、次いで、腫瘍特異的TILを、必要に応じて追加の増大ステップの後に患者に再度注入することができる。
【0060】
本発明の範囲内では、少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドを、患者、特に患者の腫瘍から得たTILにex vivoで導入することができる。次いで、IRPを過剰発現するTILを、がん治療の過程中、好ましくは1つまたは複数の追加の増大および/または選択ステップの後に患者に注入することができる。
【0061】
本発明のある特定の実施形態では、本発明のリンパ球は、改変T細胞受容体(TCR)を含むT細胞であり得る。「改変T細胞受容体を含むT細胞」または「TCR改変T細胞」という用語は、特定のTCRを発現するように遺伝子改変されたT細胞を指す。TCR改変T細胞は、T細胞の集団を対象から得、T細胞受容体をコードする遺伝子エレメントを前記T細胞の集団に導入することによって生成することができる。TCRは天然に存在するTCRであっても操作されたTCRであってもよい。
【0062】
TCR改変T細胞を細胞治療に使用して、特定の抗原、例えば、前記患者において腫瘍によって産生されることが検証された抗原に対する患者の免疫応答を増大させることができる。TCR改変T細胞の集団における鉄調節タンパク質、好ましくはIPR1および/またはIPR2、より好ましくはIPR2の過剰発現により、患者に注入した場合にこれらのT細胞のin vivoにおけるより頑強な増殖をもたらすことができ、したがって、前記患者においてTCRによって認識される抗原に対してより強力な免疫応答を引き出すことができる。本発明のTCR改変T細胞は任意の型のT細胞であり得る。本発明のTCR改変T細胞はCD4T細胞またはCD8T細胞であることが好ましい。
【0063】
本発明のある特定の実施形態では、本発明によるリンパ球はウイルス特異的T細胞である。「ウイルス特異的T細胞」は、ウイルス抗原による刺激を受けたT細胞、例えば、CD4T細胞またはCD8T細胞である。患者に投与する場合、ウイルス特異的T細胞を使用して患者におけるウイルス感染を処置することができる。ウイルス特異的T細胞の集団における鉄調節タンパク質、好ましくはIRP1および/またはIRP2、より好ましくはIRP2の過剰発現により、患者に注入した場合にこれらのT細胞のより頑強なin vivo増殖をもたらすことができ、したがって、前記患者においてTCRによって認識される抗原に対してより強力な免疫応答を引き出すことができる。
【0064】
別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質が構成的に発現される、本発明によるリンパ球に関する。
【0065】
合成ポリヌクレオチドにコードされ、本発明による細胞に含まれる少なくとも1つのIRPを当技術分野で公知の任意のプロモーターまたは任意の調節エレメントに作動可能に連結することができる。したがって、少なくとも1つのIRPを構成的に発現させること、すなわち、ほとんどの場合、大多数の細胞型において発現させることもでき、誘導性に発現させること、すなわち、ある特定の生理的条件下でのみ、かつ/または特定のシグナルおよび/もしくはインデューサー分子に応答してのみ発現させることもできる。しかし、本発明の範囲内では、少なくとも1つのIRPを構成的に発現させることが好ましい。あるいは、少なくとも1つのIRPを細胞治療への適用において頻繁に遭遇する条件下で、例えば、リンパ球の活性化に関連するシグナル、分子および/またはプロセスによって誘導性に発現させることができる。
【0066】
「発現」という用語は、本明細書で使用される場合、標的細胞における所望の最終産物分子の産生を指す。最終産物分子としては、例えば、RNA分子、ペプチド、タンパク質またはこれらの組合せを挙げることができる。本発明の範囲内では、最終産物は鉄調節タンパク質であることが好ましい。
【0067】
「構成的」プロモーターは、遺伝子産物をコードするまたは指定するポリヌクレオチドと作動可能に連結すると、細胞の大多数または全ての生理的条件下で細胞における遺伝子産物の産生を引き起こすヌクレオチド配列である。
【0068】
適切なプロモーターの1つの例は、最初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列である。このプロモーター配列は、それに機能的に(operatively)連結した任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を駆動することができる強力な構成的プロモーター配列である。適切なプロモーターの別の例は、伸長成長因子-1a(EF-1a)である。しかし、これだけに限定されないが、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長鎖末端反復配列(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン・バーウイルス最初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ならびに、これだけに限定されないが、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、およびクレアチンキナーゼプロモーターなどのヒト遺伝子プロモーターを含めた他の構成的プロモーター配列も使用することができる。
【0069】
したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドが構成的プロモーターの制御下にある、本発明によるリンパ球に関する。
【0070】
前記タンパク質またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの転写開始を構成的プロモーターが担う場合、タンパク質またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは「構成的プロモーターの制御下にある」。タンパク質またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、例えば分子クローニングの方法によってプロモーターの制御下に置くための方法が当業者には知られている。
【0071】
構成的プロモーターは、当技術分野で公知の任意の構成的プロモーター、好ましくは、哺乳動物細胞、より好ましくはヒト細胞における転写を開始する構成的プロモーターであり得る。例えば、構成的プロモーターは、上に列挙されている構成的プロモーターのいずれか1つであり得る。
【0072】
本発明のある特定の実施形態では、本発明は、構成的プロモーターがEF-1αプロモーターである、本発明によるリンパ球に関する。
【0073】
ヒト伸長因子-1アルファ(EF-1アルファ)は、種々のin vitroにおける状況およびin vivoにおける状況での異所性遺伝子発現を駆動するために使用することができるヒト起源の構成的プロモーターである。理論に縛られることなく、EF-1アルファは、多くの場合、他のプロモーター(例えばCMVなど)の活性が弱まったまたはサイレンシングされた(胚性幹細胞においてなど)状況で有用である。
【0074】
「誘導性」プロモーターは、遺伝子産物をコードするまたは指定するポリヌクレオチドと作動可能に連結すると、実質的にプロモーターに対応する誘導因子が細胞に存在する場合にのみ、細胞における遺伝子産物の産生を引き起こすヌクレオチド配列である。誘導性プロモーターの例としては、これだけに限定されないが、メタロチオネインプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、およびテトラサイクリンプロモーターが挙げられる。
【0075】
さらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP1(配列番号1)および/またはIRP2(配列番号2~6)である、本発明によるリンパ球に関する。
【0076】
すなわち、本発明によるリンパ球に含まれる合成ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つのIRPは、当技術分野で公知の任意のIRPであり得る。しかし、IRPはヒトIRP1および/またはヒトIRP2であることが好ましい。ヒトでは、IRP2の4つの異なるアイソフォームが記載されており、アイソフォーム3に関しては2つの異なる配列が記載されている(配列番号2~6)。したがって、本発明のある特定の実施形態では、本発明によるリンパ球は、配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドを含み得る。本発明の他の実施形態では、本発明によるリンパ球は、配列番号2~6のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする1つまたは複数の合成ポリヌクレオチドを含み得る。本発明のさらなる実施形態では、本発明によるリンパ球は、配列番号1および配列番号2~6のうちの1つまたは複数のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドを含み得る。本発明によるリンパ球は2つまたはそれよりも多くの合成ポリヌクレオチドを含む場合もあり、第1の合成ポリヌクレオチドが配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードし、第2のまたは任意のさらなる合成ポリヌクレオチドが配列番号2~6のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする。
【0077】
本発明の一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP1(配列番号1)である、本発明によるリンパ球に関する。本発明の別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP2(配列番号2)である、本発明によるリンパ球に関する。本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP2(配列番号3)である、本発明によるリンパ球に関する。本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP2(配列番号4)である、本発明によるリンパ球に関する。本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP2(配列番号5)である、本発明によるリンパ球に関する。本発明のさらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP2(配列番号6)である、本発明によるリンパ球に関する。本発明の別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP1(配列番号1)およびIRP2(配列番号2)である、本発明によるリンパ球に関する。本発明の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP2(配列番号2)である、本発明によるリンパ球に関する。
【0078】
リンパ球におけるIRP2の過剰発現により、これらのリンパ球のより頑強な増殖がもたらされることが本発明者らによって実証された。リンパ球におけるIRP1のサイレンシングの効果はIRP2のサイレンシングと同様であったが、効果はIRP2の場合よりも有意でないことが本発明者らによってさらに示された(図8CおよびD)。しかし、IRP1のサイレンシングの方がIRP2のサイレンシングよりも効率が低かったことに留意しなければならない(図8A)。したがって、IRP1の過剰発現によってもリンパ球の増殖の増加をもたらすことができるというのは妥当である。さらに、IRP1とIRP2の同時過剰発現により、リンパ球の増殖の増加をもたらすことができるというのは妥当である。
【0079】
一実施形態では、本発明は、キメラ抗原受容体をさらに含む、本発明によるリンパ球に関する。
【0080】
「キメラ抗原受容体」または「CAR」または「CARs」という用語は、本明細書で使用される場合、リンパ球、例えばT細胞およびNK細胞に抗原特異性が移植された、操作された受容体を指す。本発明のCARは、当技術分野で公知の任意のCARであり得る。本発明のCARは、少なくとも1つの細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、1つまたは複数の共刺激シグナル伝達領域、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むことが好ましい。本発明のある特定の実施形態では、CARは、2つの異なる抗原またはエピトープに対して特異的である二重特異性CARであり得る。抗原結合ドメインが標的抗原に特異的に結合すると、シグナル伝達ドメインが細胞内シグナル伝達を活性化する。例えば、シグナル伝達ドメインは、抗体の抗原結合特性を利用し、MHCに制限されない様式でT細胞特異性および反応性を選択された標的に向け直す。MHCに制限されない抗原認識により、CARを発現するT細胞が抗原プロセシングとは無関係に抗原を認識し、したがって、腫瘍エスケープの主要機構を回避できるようになる。さらに、T細胞において発現されると、CARは有利に内因性T細胞受容体(TCR)アルファ鎖およびベータ鎖と二量体を形成しない。NK細胞の場合、CARの発現により、NK細胞を標的抗原へ向けることが容易になり得る。しかし、CAR T細胞とは対照的に、CAR NK細胞はそれらの活性化受容体および阻害性受容体の発現を保持し得る。したがって、CAR-T細胞とは異なり、CAR-NK細胞は、CARによって標的化される抗原がダウンレギュレーションされている場合でもそれらの「天然の」機能をなお発揮し得る。
【0081】
本発明の範囲内では、リンパ球がCARをコードするコード配列を含み、これらのコード配列を発現し、その結果、CARがリンパ球の膜に係留されている場合、リンパ球はキメラ抗原受容体を含むと言える。CARの構成成分をコードするコード配列は1つまたは複数の合成ポリヌクレオチド上に位置し得る。本発明のある特定の実施形態では、CARの構成成分をコードするコード配列とIRPをコードする1つまたは複数のコード配列は単一の合成ポリヌクレオチド上に位置し得る。あるいは、CARの構成成分をコードするコード配列と1つまたは複数のIRPをコードするコード配列は2つまたはそれよりも多くの別々のポリヌクレオチド上に位置し得る。例えば、CARをコードするポリヌクレオチドおよび1つまたは複数のIRPをコードするポリヌクレオチドを細胞に2つの独立したウイルスによる形質導入イベントによって導入することができ、したがって、ゲノムの異なる部分に組み込むことができる。CARコード配列、および必要に応じてIRPコード配列(複数可)を含む1つまたは複数の合成ポリヌクレオチドを任意の形態でリンパ球に含めることができ、当技術分野で公知の任意の方法によってリンパ球に導入することができる。例えば、CARおよび/または1つもしくは複数の鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドは、細胞の内側に、環状DNAベクター、例えばプラスミドの一部として、直鎖DNAの形態でもしくはその一部として、またはmRNAの形態でもしくはその一部として存在し得る。しかし、CARコード配列、および必要に応じてIRPコード配列(複数可)を含む1つまたは複数の合成ポリヌクレオチドをDNAとしてリンパ球のゲノムに組み込むことが好ましい。リンパ球のゲノムにDNAを導入する方法は当業者には知られている。IRP1および/またはIRP2、ならびに必要に応じてCARをコードする合成ポリヌクレオチドを当技術分野で公知の任意の方法によってゲノムに導入することができる。ある特定の実施形態では、IRP1および/またはIRP2、ならびに必要に応じてCARをコードする合成ポリヌクレオチドをウイルスによる形質導入によってリンパ球のゲノムに導入することができる。しかし、リンパ球のゲノムに合成DNAを導入するための他の方法、例えばCRISPR/Cas9なども本発明に包含される。
【0082】
別の実施形態では、本発明は、キメラ抗原受容体が、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達領域およびシグナル伝達ドメインを含む、本発明によるリンパ球に関する。
【0083】
本発明によるリンパ球は、細胞外ドメインおよび細胞内ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)を含み得る。細胞外ドメインは、別には抗原結合部分と称される1つまたは複数の標的特異的結合性エレメントを含み得る。細胞内ドメインまたは別には細胞質ドメインは、1つまたは複数の共刺激シグナル伝達領域およびシグナル伝達ドメインを含み得る。共刺激シグナル伝達領域は、共刺激分子の細胞内ドメインを含む、CARの一部を指す。共刺激分子は、リンパ球の抗原に対する効率的な応答のために必要な抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。
【0084】
CARの細胞外ドメインと膜貫通ドメインの間、またはCARの細胞質ドメインと膜貫通ドメインの間に、スペーサードメインを組み入れることができる。本明細書で使用される場合、「スペーサードメイン」という用語は、一般に、ポリペプチド鎖内で膜貫通ドメインを細胞外ドメインまたは細胞質ドメインのいずれかと連結するように機能する任意のオリゴペプチドまたはポリペプチドを意味する。スペーサードメインは、最大300アミノ酸、好ましくは10~100アミノ酸、および最も好ましくは25~50アミノ酸を含み得る。
【0085】
本発明のCARは、別には抗原結合部分と称される1つまたは複数の標的特異的結合性エレメントを含み得る。部分の選択は、標的細胞の表面を規定するリガンドの型および数に依存する。例えば、抗原結合ドメインを、特定の病態に関連付けられる標的細胞上の細胞表面マーカーとして作用するリガンドを認識するように選択することができる。したがって、本発明のCARの抗原部分ドメインに対するリガンドとしての機能を果たし得る細胞表面マーカーの例として、ウイルス感染、細菌感染および寄生虫感染、自己免疫疾患ならびにがん細胞に関連付けられるものが挙げられる。
【0086】
標的とされる所望の抗原に応じて、本発明のCARを、所望の標的抗原に特異的である適当な抗原結合部分を含むように操作することができる。例えば、標的化される所望の抗原がCD19である場合、本発明のCARに組み入れるための抗原結合部分として、CD19に対する抗体を使用することができる。
【0087】
膜貫通ドメインに関しては、CARの細胞外ドメインと融合した膜貫通ドメインを含むようにCARを設計することができる。ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインまたは細胞質ドメインに天然に付随する膜貫通ドメインを使用することができる。一部の場合では、膜貫通ドメインを、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限にするために、そのようなドメインが同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインと結合することが回避されるように選択するかまたはアミノ酸置換によって改変することができる。
【0088】
膜貫通ドメインは、天然供給源または合成供給源のいずれかに由来するものであり得る。供給源が天然である場合、ドメインは、任意の膜結合または膜貫通タンパク質に由来するものであり得る。本発明において特に有用な膜貫通領域は、T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖またはゼータ鎖、CD28、CD8、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154に由来するものであり得る(すなわち、少なくともその膜貫通領域(複数可)を含む)。あるいは、膜貫通ドメインは合成されたものであり得、その場合、膜貫通ドメインは、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を優勢に含む。フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンのトリプレットが合成膜貫通ドメインの各末端に見いだされることが好ましい。
【0089】
必要に応じて、短いオリゴペプチドまたはポリペプチドリンカー、好ましくは2アミノ酸から10アミノ酸の間の長さのリンカーにより、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインの間に連結を形成することができる。グリシン-セリンダブレットにより特に適切なリンカーがもたらされる。
【0090】
本発明のCARの細胞質ドメインまたは別には細胞内シグナル伝達ドメインは、CARが置かれたリンパ球の正常なエフェクター機能の少なくとも1つの活性化を担う。「エフェクター機能」という用語は、細胞の特殊化された機能を指す。T細胞のエフェクター機能は、例えば、サイトカインの分泌を含めた細胞溶解活性またはヘルパー活性であり得る。したがって、「細胞内シグナル伝達ドメイン」という用語は、エフェクター機能シグナルを伝達し、細胞を、特殊化された機能を果たすように指示する、タンパク質の部分を指す。通常は細胞内シグナル伝達ドメイン全体を使用することができるが、多くの場合、鎖全体を使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインの短縮された部分を使用する範囲では、そのような短縮された部分(truncated portion)によりエフェクター機能シグナルが伝達される限りは、そのような短縮された部分はインタクトな鎖の代わりに使用することができる。したがって、細胞内シグナル伝達ドメインという用語は、エフェクター機能シグナルの伝達に十分である、細胞内シグナル伝達ドメインの任意の短縮された部分を含むものとする。本発明のCARに使用するための細胞内シグナル伝達ドメインの好ましい例としては、抗原受容体会合後にシグナル伝達が開始されるように協力して作用するT細胞受容体(TCR)と共受容体の細胞質配列、ならびにこれらの配列の任意の誘導体またはバリアントおよび同じ機能的能力を有する任意の合成配列が挙げられる。
【0091】
TCR単独によって生じるシグナルがT細胞の十分な活性化には不十分であること、および二次または共刺激シグナルも必要であることが公知である。したがって、T細胞活性化は、2つの別個のクラスの細胞質シグナル伝達配列:TCRを通じて抗原依存性一次活性化を開始するもの(一次細胞質シグナル伝達配列)および抗原とは無関係に作用して二次または共刺激シグナルをもたらすもの(二次細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されるということができる。
【0092】
一次細胞質シグナル伝達配列は、TCR複合体の一次活性化を刺激性の方法または阻害性の方法のいずれかで調節する。刺激性様式で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)として公知のシグナル伝達モチーフを含有し得る。
【0093】
本発明において特に有用な一次細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例としては、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dに由来するものが挙げられる。本発明のCARの細胞質シグナル伝達分子はCD3ゼータに由来する細胞質シグナル伝達配列を含むことが特に好ましい。
【0094】
CARの細胞質ドメインを、CD3-ゼータシグナル伝達ドメインを単独でまたは本発明のCARに関して有用な任意の他の所望の細胞質ドメイン(複数可)と組み合わせて含むように設計することができる。例えば、CARの細胞質ドメインは、CD3ゼータ鎖部分および共刺激シグナル伝達領域を含み得る。共刺激シグナル伝達領域は、共刺激分子の細胞内ドメインを含む、CARの一部を指す。共刺激分子は、リンパ球の抗原に対する効率的な応答のために必要な抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。そのような分子の例としては、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、およびCD83に特異的に結合するリガンドなどが挙げられる。
【0095】
本発明のCARの細胞質シグナル伝達部分内の細胞質シグナル伝達配列を、互いにランダムな順序でまたは指定の順序で連結することができる。必要に応じて、短いオリゴペプチドまたはポリペプチドリンカー、好ましくは2アミノ酸から10アミノ酸までの長さのリンカーにより連結を形成することができる。グリシン-セリンダブレットにより特に適切なリンカーがもたらされる。
【0096】
ある特定の実施形態では、細胞質ドメインを、CD3ゼータのシグナル伝達ドメインならびにCD28および/または4-1BBのシグナル伝達ドメインを含むように設計することができる。
【0097】
さらに別の実施形態では、本発明は、抗原結合ドメインが抗体またはその抗原結合断片であり、特に、抗原結合断片がFabまたはscFvである、本発明によるリンパ球に関する。
【0098】
すなわち、CARの抗原結合ドメインは、特定の抗原に特異的に結合することができる当技術分野で公知の任意のドメインであり得る。しかし、CARの抗原結合ドメインは抗体または抗体の抗原結合断片であることが好ましい。
【0099】
「抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原に特異的に結合する免疫グロブリン分子を指す。抗体は、天然の供給源もしくは組換え供給源に由来するインタクトな免疫グロブリンであり得る、またはインタクトな免疫グロブリンの免疫反応性部分であり得る。抗体は、一般には、免疫グロブリン分子の四量体である。本発明の抗体は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fv、FabおよびF(ab)2、ならびに単鎖抗体およびヒト化抗体を含めた種々の形態で存在し得る(Harlow et al., 1999, Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY;Harlow et al., 1989, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, New York;Houston et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA; 85: 5879-5883;Bird et al., 1988, Science; 242: 423-426)。
【0100】
「免疫グロブリン」または「Ig」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体として機能するタンパク質のクラスと定義される。B細胞によって発現される抗体は、時には、BCR(B細胞受容体)または抗原受容体と称される。このクラスのタンパク質に含まれる5種のメンバーは、IgA、IgG、IgM、IgD、およびIgEである。IgAは、唾液、涙、母乳、胃腸分泌液ならびに呼吸器および泌尿生殖器の粘液分泌液などの体からの分泌液中に存在する一次抗体である。IgGは最も一般的な循環抗体である。IgMは大多数の対象において一次免疫応答で産生される主要な免疫グロブリンであり、凝集、補体結合、および他の抗体応答において最も効率的な免疫グロブリンであり、細菌およびウイルスからの防御において重要である。IgDは、既知の抗体機能を有さないが、抗原受容体としての機能を果たし得る免疫グロブリンである。IgEは、アレルゲンに曝露すると肥満細胞および好塩基球からのメディエーターの放出によって引き起こされる即時過敏症を媒介する免疫グロブリンである。
【0101】
「抗体断片」という用語は、インタクトな抗体の一部を指し、また、インタクトな抗体の抗原性を決定する可変領域を指す。抗体断片の例としては、これだけに限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFv断片、抗体断片から形成される直鎖抗体、scFv抗体、および多重特異性抗体が挙げられる。
【0102】
「Fab」という用語は、本明細書で使用される場合、重鎖と軽鎖それぞれの1つの定常ドメインと1つの可変ドメインで構成されるが、重鎖が短縮されており、したがってCH2ドメインおよびCH3ドメインを欠き、ヒンジ領域の一部または全部も欠く場合がある、抗体の領域(一価抗原結合断片)を指すものとする。Fab断片は、全抗体をパパイン酵素で消化することによって作製することができる。Fabは、孤立したこの領域、または、全長抗体、免疫グロブリン構築物もしくはFab融合タンパク質との関連でのこの領域を指し得る。
【0103】
「scFv」は、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含む抗体断片であって、これらのドメインが単一のポリペプチド鎖として存在する、抗体断片を意味する。例えば、米国特許第4,946,778号、同第5,260,203号、同第5,455,030号、および同第5,856,456号を参照されたい。一般に、Fvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインの間に、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にするポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvの概説については、Pluckthun (1994) The Pharmacology of Monoclonal Antibodies vol 113 ed. Rosenburg and Moore (Springer-Verlag, New York) pp 269-315を参照されたい。Fv断片のVHドメインとVLドメインの複合体をジスルフィド結合によって安定化することもできる(米国特許第5,747,654号)。
【0104】
「抗体重鎖」は、本明細書で使用される場合、天然に存在するコンフォメーションの全ての抗体分子に存在する2つの型のポリペプチド鎖の大きい方を指す。「抗体軽鎖」は、本明細書で使用される場合、天然に存在するコンフォメーションの全ての抗体分子に存在する2つの型のポリペプチド鎖の小さい方を指し、λ軽鎖は2つの主要な抗体軽鎖アイソタイプを指す。
【0105】
「合成抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、バクテリオファージによって発現される抗体などの、組換えDNA技術を使用して生成される抗体を意味する。この用語はまた、抗体をコードするDNA分子の合成によって生成された抗体も意味し、DNA分子は抗体タンパク質、または抗体を特定するアミノ酸配列を発現し、DNAまたはアミノ酸配列は、利用可能であり、当技術分野で周知の合成DNAまたはアミノ酸配列決定技術を使用して得られたものであると解釈されるべきである。
【0106】
種々の抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達領域および/またはシグナル伝達ドメインを有するCARを生成するための方法は当業者には知られている。さらに、そのようなCARをT細胞またはNK細胞などのリンパ球に導入する方法も当業者には知られている。
【0107】
一実施形態では、本発明は、抗原結合ドメインが腫瘍抗原に特異的に結合する、本発明によるリンパ球に関する。
【0108】
すなわち、CARの抗原結合ドメインは当技術分野で公知の任意の抗原に結合し得る。しかし、CARの抗原結合ドメインは腫瘍抗原に特異的に結合することが好ましい。「抗原」または「Ag」という用語は、本明細書で使用される場合、免疫応答を惹起する分子と定義される。この免疫応答は、抗体産生または特定の免疫コンピテント細胞の活性化のいずれか、またはその両方を伴い得る。実質的に全てのタンパク質またはペプチドを含めた任意の高分子が抗原としての機能を果たし得ることが当業者には理解されよう。さらに、抗原は組換えまたはゲノムDNAに由来するものであり得る。免疫応答を引き出すタンパク質をコードし、したがって、用語で「抗原」をコードするヌクレオチド配列または部分的なヌクレオチド配列を含む任意のDNAが本発明で使用されることが当業者には理解されよう。さらに、抗原は遺伝子の全長ヌクレオチド配列によってのみコードされる必要のないことが当業者には理解されよう。本発明が、これだけに限定されないが、1つよりも多くの遺伝子の部分的なヌクレオチド配列の使用を含むこと、および所望の免疫応答を引き出すためにこれらのヌクレオチド配列が種々の組合せで配置されることが容易に明らかである。さらに、抗原は「遺伝子」によってコードされる必要は全くないことが当業者には理解されよう。抗原を生体試料から生成すること、合成することができる、または抗原が生体試料に由来し得ることが容易に明らかである。そのような生体試料としては、これだけに限定されないが、組織試料、腫瘍試料、細胞または生体液を挙げることができる。
【0109】
腫瘍抗原は、免疫応答、特にT細胞性免疫応答を引き出す腫瘍細胞によって産生されるタンパク質である。CARの抗原結合部分の選択は、処置されるがんの特定の型に依存する。腫瘍抗原は当技術分野で周知であり、それらとして、例えば、神経膠腫関連抗原、癌胎児性抗原(CEA)、β-ヒト絨毛膜ゴナドトロピン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ、前立腺特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン、PSMA、Her2/neu、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン成長因子(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体およびメソテリンが挙げられる。
【0110】
腫瘍抗原は、悪性腫瘍に関連する1つまたは複数の抗原性がんエピトープを含み得る。悪性腫瘍は、免疫攻撃のための標的抗原としての機能を果し得る多数のタンパク質を発現する。これらの分子としては、これだけに限定されないが、黒色腫におけるMART-1、チロシナーゼおよびGP 100ならびに前立腺がんにおける前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)および前立腺特異抗原(PSA)などの組織特異的抗原が挙げられる。他の標的分子は、癌遺伝子HER-2/Neu/ErbB-2などの形質転換関連分子の群に属する。標的抗原のさらに別の群は、癌胎児性抗原(CEA)などの腫瘍胎児性抗原である。B細胞リンパ腫では、腫瘍特異的イディオタイプ免疫グロブリンは、個々の腫瘍に特有の真に腫瘍特異的な免疫グロブリン抗原を構成する。CD19、CD20およびCD37などのB細胞分化抗原がB細胞リンパ腫における標的抗原の他の候補である。これらの抗原のうちのいくつか(CEA、HER-2、CD19、CD20、イディオタイプ)がモノクローナル抗体を用いた受動免疫療法の標的として使用されており、成功は限られている。
【0111】
本発明において言及される腫瘍抗原の型は、腫瘍特異的抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)の場合もある。TSAは腫瘍細胞に特有であり、体内の他の細胞には見出されない。TAA関連抗原は腫瘍細胞に特有なものではなく、代わりに、正常な細胞においても、抗原に対する免疫寛容の状態を誘導できない条件下で発現される。腫瘍における抗原の発現は、免疫系が抗原に対して応答することが可能になる条件下で生じ得る。TAAは、免疫系が未成熟であり、応答することができない胎児発生の間に正常な細胞において発現される抗原であり得る、または、TAAは、正常な細胞に非常に低レベルで通常に存在するが、腫瘍細胞においてはるかに高いレベルで発現される抗原であり得る。
【0112】
TSAまたはTAA抗原の非限定的な例としては、以下が挙げられる:分化抗原、例えば、MART-1/MelanA(MART-1)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、およびMAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15などの腫瘍特異的多系列抗原など;過剰発現された胚抗原、例えばCEAなど;過剰発現された癌遺伝子および変異した腫瘍抑制因子遺伝子、例えば、p53、Ras、HER-2/neuなど;染色体転座の結果生じた固有の腫瘍抗原;BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RARなど;ならびにウイルス抗原、例えば、エプスタイン・バーウイルス抗原EBVAおよびヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7。他の大きなタンパク質に基づく抗原としては、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、pl85erbB2、pl80erb-B3、c-met、nm23_H1、PSA、TAG-72、CA 19-9、CA 72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、ベータカテニン、CDK4、Mum-1、p15、p16、43-9F、5T4(791Tgp72)、アルファ-フェトプロテイン、ベータ-HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15-3\CA 27.29\BCAA、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、CD68\I、CO-029、FGF-5、G250、Ga733\EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV 18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS-1、SDCCAG16、TA-90\Mac-2結合タンパク質、シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLP、およびTPSが挙げられる。
【0113】
CARの抗原結合部分は、これだけに限定されないが、CD19、CD20、CD22、CD30、CD123、CD171、CS-1、ROR1、メソテリン、CD33、lL3Ra、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、CD7、NY-ESO-1 TCR、MAGE-A3 TCR、CLL-1、GD3、BCMA、Tn Ag、PSMA、FLT3、FAP、TAG72、CD38、CD44v6、CEA、EPCAM、B7H3、KIT、IL-13Ra2、IL-lRa、PSCA、PRSS21、VEGFR2、LewisY、CD24、PDGFR-ベータ、SSEA-4、葉酸受容体アルファ、ErbB2(Her2/neu)、MUC1、EGFR、NCAM、Prostase、PAP、ELF2M、エフリンB2、IGF-I受容体、CAIX、LMP2、gp100、bcr-abl、チロシナーゼ、EphA2、Fucosyl GMl、sLe、GM3、TGS5、HMWMAA、o-アセチル-GD2、葉酸受容体ベータ、TEM1/CD248、TEM7R、CLDN6、GPRC5D、CXORF61、CD97、CD179a、ALK、ポリシアル酸、PLAC1、Globo H、NY-BR-1、UPK2、HAVCR1、ADRB3、PANX3、GPR20、LY6K、OR51E2、TARP、WT1、LAGE-la、レグマイン、HPV E6,E7、ETV6-AML、精子タンパク質17、XAGE1、Tie 2、MAD-CT-1、MAD-CT-2、Fos関連抗原1、p53、p53変異体、プロステイン、サバイビンおよびテロメラーゼ、PCTA-1/ガレクチン8、MelanA/MART1、Ras変異体、hTERT、肉腫転座ブレークポイント、ML-IAP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、アンドロゲン受容体、サイクリン Bl、MYCN、RhoC、TRP-2、CYP1B1、BORIS、SART3、PAX5、OY-TES1、LCK、AKAP-4、SSX2、RAGE-1、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RUl、RU2、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、CD79a、CD79b、CD72、LAIRl、FCAR、LILRA2、CD300LF、CLEC12A、BST2、EMR2、LY75、GPC3、FCRL5、およびIGLL1などを含む抗原をさらに標的とし得る。
【0114】
ある特定の実施形態では、CARを含む本発明のリンパ球を血液のがんの処置、特に急性リンパ芽球性白血病および/またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の処置に使用することができる。これらの実施形態では、CARの抗原結合部分はCD19を特異的に標的とし得る。
【0115】
ある特定の実施形態では、CARを含む本発明のリンパ球を血液のがんの処置、特に難治性ホジキンリンパ腫の処置に使用することができる。これらの実施形態では、CARの抗原結合部分はCD30を特異的に標的とし得る。
【0116】
ある特定の実施形態では、CARを含む本発明のリンパ球を血液のがんの処置、特に急性骨髄性白血病の処置に使用することができる。これらの実施形態では、CARの抗原結合部分はCD33、CD123またはFLT3を特異的に標的とし得る。
【0117】
ある特定の実施形態では、CARを含む本発明のリンパ球を血液のがんの処置、特に多発性骨髄腫の処置に使用することができる。これらの実施形態では、CARの抗原結合部分はBCMAを特異的に標的とし得る。
【0118】
ある特定の実施形態では、本発明のリンパ球に含まれるCARは2つの抗原に結合し得る。ある特定の実施形態では、二重特異性CARはCD19とCD22またはCD19とCD20に結合し得る。
【0119】
一般に、CARには、標的細胞の表面上のMHC分子による腫瘍抗原の提示に依存しないという利点がある。その代わりに、CARは、理論的には、CARの抗原結合ドメインが抗原に特異的に結合するという条件で、腫瘍細胞の表面上でCARが接触可能な任意の分子に結合し得る。したがって、腫瘍抗原は腫瘍または悪性細胞の表面上に存在する抗原であることが好ましい。腫瘍抗原は腫瘍または悪性細胞の表面上に健康なまたは非腫瘍細胞の表面上よりも豊富にある抗原であることがより好ましい。腫瘍抗原は腫瘍細胞の表面または悪性細胞上には存在するが、健康な細胞や非腫瘍細胞の表面上には存在しない抗原であることがなおより好ましい。
【0120】
「特異的に結合する」という用語は、抗原結合ドメインまたは抗体に関して本明細書で使用される場合、特定の抗原を認識するが、試料中の他の分子は実質的に認識も結合もしない抗原結合ドメインまたは抗体を意味する。例えば、1つの種に由来する抗原に特異的に結合する抗原結合ドメインまたは抗体は、1つまたは複数の他の種に由来するその抗原にも結合する。しかし、そのような異種間反応性は、それ自体が抗原結合ドメインまたは抗体の特異的であるという分類を変更するものではない。別の例では、抗原に特異的に結合する抗原結合ドメインまたは抗体は、異なる対立遺伝子形態の抗原にも結合し得る。しかし、そのような交差反応性はそれ自体が抗体の特異的であるという分類を変更するものではない。一部の場合では、「特異的結合」または「特異的に結合すること」という用語は、抗原結合ドメイン、抗体、タンパク質、またはペプチドと第2の化学種の相互作用に関して使用され得、相互作用が化学種における特定の構造(例えば、抗原決定因子またはエピトープ)の存在に依存することを意味する;例えば、抗原結合ドメインまたは抗体は、タンパク質を一般に認識し、それに結合するのではなく、特異的なタンパク質構造を認識し、それに結合する。抗原結合ドメインまたは抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、標識された「A」および抗原結合ドメインまたは抗体を含有する反応にエピトープAを含有する分子(または遊離の標識されていないA)が存在することにより、抗原結合ドメインまたは抗体と結合する標識されたAの量が減少する。
【0121】
別の実施形態では、本発明は、腫瘍抗原が標的細胞集団または組織の細胞の表面上に存在する、本発明によるリンパ球に関する。
【0122】
CARを含む本発明によるリンパ球は、標的細胞の細胞表面上に存在する腫瘍抗原に結合し得る。標的細胞は細胞集団または組織の一部であり得る。一般に、腫瘍抗原が標的細胞によって露出され、したがって、腫瘍抗原がCARの抗原結合ドメインと接触可能である場合、腫瘍抗原は「細胞表面上に存在する」と言える。
【0123】
腫瘍抗原は、腫瘍細胞によって産生される任意のタンパク質、またはより好ましくは、腫瘍細胞によって産生され、前記腫瘍細胞の細胞表面上に発現されるタンパク質の任意の部分であり得る。腫瘍抗原は、CARの抗原結合ドメインと接触可能な、膜に固定されたタンパク質の細胞外ドメインの一部であることが好ましい。
【0124】
しかし、本発明は、別の分子、特にMHC分子によって標的細胞の表面上に提示される腫瘍抗原も包含する。この場合、腫瘍抗原は、タンパク質に由来するペプチドであることが好ましい。腫瘍抗原は、例えば、腫瘍細胞によって産生されるタンパク質に由来するものであり得る。あるいは、腫瘍抗原は、以前に腫瘍細胞によって、例えばエンドサイトーシスによって取り込まれた細胞外タンパク質に由来するものであり得る。どちらの場合でも、タンパク質は標的細胞によってペプチドにプロセシングされ得、次いでそれが標的細胞の表面上に、例えばMHC分子によって提示され得る。
【0125】
一実施形態では、本発明は、抗原結合ドメインがウイルス抗原に特異的に結合する、本発明によるリンパ球に関する。
【0126】
すなわち、本発明によるリンパ球を対象におけるウイルス感染の処置に使用することができる。本発明のリンパ球に含まれるCARは、ウイルス抗原に特異的に結合する抗原結合ドメインを含み得る。ウイルス抗原は、CARと接触可能なウイルス粒子の任意の構成成分、例えば、ウイルスの表面および/またはタンパク質コートの一部を形成する抗原であり得る。CARによって認識されるウイルス抗原は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、インフルエンザウイルスまたはヒトヘルペスウイルスに由来する抗原であり、特に、ヒトヘルペスウイルスが、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)またはヒトヘルペスウイルス8(HHV8)であることが好ましい。
【0127】
一実施形態では、本発明は、CARがポリヌクレオチドによってコードされ、CARをコードするポリヌクレオチドがIRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドと転写的に連結している、本発明によるリンパ球に関する。
【0128】
本発明の範囲内では、CARは、リンパ球のゲノムに組み込まれるポリヌクレオチドによってコードされるものであることが好ましい。CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチドがリンパ球のゲノムの同じ遺伝子座に組み込まれることがより好ましい。CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチドがリンパ球のゲノムの同じ遺伝子座に組み込まれ、したがって、2つまたはそれよりも多くのポリヌクレオチドが転写的に連結していることがより好ましい。2つまたはそれよりも多くのポリヌクレオチドに含まれるコード配列の転写が単一のプロモーターによって駆動され、したがって、2つまたはそれよりも多くのポリペプチドをコードする単一の転写物が得られる場合、2つまたはそれよりも多くのポリヌクレオチドは転写的に連結していると言える。プロモーターは、転写的に連結しているコード配列またはポリヌクレオチドの上流(5’)に位置することが好ましい。すなわち、CARをコードするコード配列とIRP1および/またはIRP2をコードするコード配列(複数可)を単一のプロモーターによって転写させることができる。
【0129】
機能的なタンパク質の合成を可能にするために、CARをコードするコード配列とIRP1および/またはIRP2をコードするコード配列(複数可)を配列内リボソーム進入部位(IRES)によって分離することができる、または自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドによって接続することができる。
【0130】
CARをコードするコード配列とIRP1および/またはIRP2をコードするコード配列(複数可)がIRESによって分離されている場合、転写物に含まれる各コード配列は独立に翻訳される。しかし、CARをコードするコード配列とIRP1および/またはIRP2をコードするコード配列(複数可)が自己切断ペプチドによって接続されている場合には、転写物全体がポリタンパク質に翻訳され、次いでそれが翻訳の間またはその後に自己切断によって切断されて単一のタンパク質になる。
【0131】
一実施形態では、本発明は、CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドが自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドによって連結している、本発明によるリンパ球に関する。
【0132】
「自己切断ペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、ペプチド配列自体の内部の2つのアミノ酸残基間に生じる切断活性を伴うペプチド配列を指す。例えば、2A/2Bペプチドまたは2A/2B様ペプチドでは、2Aペプチドのグリシン残基と2Bペプチドのプロリン残基の間で切断が生じる。これは、翻訳の間の、2A/2Bペプチドの2Aグリシン残基と2Bプロリン残基の間の正常なペプチド結合形成が損なわれ、2Bペプチドの残りの翻訳は影響を受けない「リボソームスキップ機構」によって生じる。そのようなリボソームスキップ機構は当技術分野で周知であり、いくつかのウイルスにより、単一のメッセンジャーRNAによってコードされるいくつかのタンパク質の発現のために使用されることが公知である。
【0133】
したがって、一実施形態では、本発明は、自己切断ペプチドが2A自己切断ペプチドである、本発明によるリンパ球に関する。
【0134】
好ましい実施形態では、本発明は、自己切断ペプチドがT2Aである、本発明によるリンパ球に関する。T2Aは、ペプチド配列EGRGSLLTCGDVEENPGP(配列番号7)を含む自己切断ペプチドである。
【0135】
2つのコード配列が自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドによって連結している場合、第1のポリペプチドをコードするコード配列、自己切断ペプチドをコードするコード配列および第2のポリペプチドをコードするコード配列は同じ読み枠内にコードされることが理解されるべきである。
【0136】
本発明の範囲内では、CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチド(複数可)は、同じ合成ポリヌクレオチド上にコードされることが好ましい。ある特定の実施形態では、CAR、IRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドは、ウイルスによる形質導入によってリンパ球のゲノムに組み込まれている。ある特定の実施形態では、合成ポリヌクレオチドに含まれるCARをコードするポリヌクレオチドとIRP1をコードするポリヌクレオチドは、IRESによって分離されている。別の実施形態では、合成ポリヌクレオチドに含まれるCARをコードするポリヌクレオチドとIRP2をコードするポリヌクレオチドは、IRESによって分離されている。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドに含まれるCARをコードするポリヌクレオチドとIRP1をコードするポリヌクレオチドは、自己切断ペプチド、特に2A自己切断ペプチド、特にT2Aをコードするポリヌクレオチドによって接続されている。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドに含まれるCARをコードするポリヌクレオチドとIRP2をコードするポリヌクレオチドは、自己切断ペプチド、特に2A自己切断ペプチド、特にT2Aをコードするポリヌクレオチドによって接続されている。
【0137】
ある特定の実施形態では、CAR、IRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドは、構成的プロモーターの制御下にある。ある特定の実施形態では、プロモーターは合成ポリヌクレオチドの一部である。ある特定の実施形態では、構成的プロモーターはEF-1αプロモーターである。しかし、EF-1αプロモーターの代わりに使用することができる広範囲のプロモーターが当業者には知られていることが理解されるべきである。さらに、実施例10がただ単に概念実証であること、ならびに、リンパ球におけるCARおよび/またはIRP1/2の発現を最適化することによって、より効率的なリンパ球のin vivo増殖を実現することができることが理解されるべきである。
【0138】
ある特定の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-CAR-自己切断ペプチド-IRP1-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-CAR-自己切断ペプチド-IRP2-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-自己切断ペプチド-IRP1-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-自己切断ペプチド-IRP2-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-T2A-IRP1-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-T2A-IRP2-3’を有する。
【0139】
ある特定の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-IRP1-自己切断ペプチド-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-IRP2-自己切断ペプチド-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-自己切断ペプチド-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-自己切断ペプチド-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-T2A-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-T2A-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-P2A-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-P2A-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-E2A-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-E2A-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-F2A-CAR-3’を有する。他の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-F2A-CAR-3’を有する。
【0140】
しかし、本発明は、IRP1および/またはIRP2をコードする第1のポリヌクレオチドとCARをコードする第2のポリヌクレオチドがリンパ球のゲノムの異なる位置に組み込まれ、独立に発現される、リンパ球も包含することが理解されるべきである。IRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチドとCARをコードするポリヌクレオチドが2つの独立したウイルスによる形質導入イベントによってリンパ球のゲノムに組み込まれることが好ましい。2つの独立したウイルスによる形質導入イベントは同時に行われていてもよく、段階的に行われていてもよい。
【0141】
別の実施形態では、本発明は、IRP1(配列番号1)および/またはIRP2(配列番号2~6)をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むウイルスベクターに関する。
【0142】
すなわち、本発明は、さらに、鉄調節タンパク質を細胞、好ましくはリンパ球に組み込むために使用することができるウイルスベクターに関する。ウイルスベクターは、ポリヌクレオチドを細胞、好ましくはリンパ球に組み込むために適した任意のウイルスベクターであり得る。したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、レトロウイルス、アルファウイルス、フラビウイルス、ラブドウイルス、麻疹ウイルス、ニューカッスル病ウイルスまたはポックスウイルスに由来するものである、本発明によるウイルスベクターに関する。好ましい実施形態では、本発明は、レンチウイルスまたはアデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するものである、本発明によるウイルスベクターに関する。より好ましい実施形態では、本発明は、レンチウイルスに由来するものである、本発明によるウイルスベクターに関する。
【0143】
ウイルスベクターは、1つまたは複数の導入遺伝子を含み得る。「導入遺伝子」という用語は、本明細書で使用される場合、核酸配列が挿入される細胞において発現されるポリペプチドまたはポリペプチドの一部をコードする特定の核酸配列を指す。導入遺伝子という用語は、(1)細胞において天然には見いだされない核酸配列(すなわち、CARをコードする核酸などの異種核酸配列);(2)それが導入される細胞において天然に見いだされる核酸配列の変異体型である、核酸配列;(3)それが導入される細胞に天然に存在する同じ(すなわち、相同)または同様の核酸配列(例えば、IRP1および/もしくはIRP2など)の追加のコピーを追加する機能を果たす、核酸配列;または(4)それが導入された細胞において発現が誘導される、天然に存在するまたは相同なサイレント核酸配列を包含するものとする。変異体型とは、野生型または天然に存在する配列とは異なる1つまたは複数のヌクレオチドを含有する核酸配列を意味する、すなわち、変異体核酸配列は、1つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失、および/または挿入を含有する。一部の場合では、導入遺伝子は、リーダーペプチドまたはシグナル配列をコードする配列も含み得、したがって、導入遺伝子産物が細胞から分泌される。
【0144】
本発明によるリンパ球に含まれるIRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチド、ならびに、必要に応じてプロモーターおよび/またはCARをリンパ球に、好ましくはウイルスによる形質導入によって組み込むことができる。したがって、本発明によるリンパ球に関して開示された合成ポリヌクレオチドは、本発明によるウイルスベクターに含まれたものであり得ることが理解されるべきである。
【0145】
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、単一の導入遺伝子を含む。例えば、ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、IRP1をコードするポリヌクレオチド(配列番号1)を含む。他の実施形態では、ウイルスベクターは、IRP2をコードするポリヌクレオチド(配列番号2)を含む。他の実施形態では、ウイルスベクターは、IRP2をコードするポリヌクレオチド(配列番号3)を含む。他の実施形態では、ウイルスベクターは、IRP2をコードするポリヌクレオチド(配列番号4)を含む。他の実施形態では、ウイルスベクターは、IRP2をコードするポリヌクレオチド(配列番号5)を含む。他の実施形態では、ウイルスベクターは、IRP2をコードするポリヌクレオチド(配列番号6)を含む。ウイルスベクターは、IRP2をコードするポリヌクレオチド(配列番号2)を含むことが好ましい。
【0146】
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、1つよりも多くの導入遺伝子を含み得る。例えば、ウイルスベクターは、IRP1をコードする2つまたはそれよりも多くのポリヌクレオチド(配列番号1)およびIRP2の1つまたは複数のアイソタイプ(配列番号2~6)を含み得る。別の実施形態では、ウイルスベクターは、IRP2の2つまたはそれよりも多くのアイソタイプ(配列番号2~6)をコードする2つまたはそれよりも多くのポリヌクレオチドを含み得る。
【0147】
さらに、ウイルスベクターは、IRP1および/またはIRP2をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドならびにCARをコードする追加のポリヌクレオチドを含み得る。したがって、一実施形態では、本発明は、CARをコードするさらなるポリヌクレオチドを含む、本発明によるウイルスベクターに関する。したがって、ウイルスベクターを使用して、CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを細胞、好ましくはリンパ球に同時に組み込むことができる。
【0148】
ある特定の実施形態では、本発明は、CARをコードするポリヌクレオチドがIRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチド(複数可)と転写的に連結している、本発明によるウイルスベクターに関する。CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチド(複数可)を上記の通り転写的に連結することができる。すなわち、CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチド(複数可)を共通のプロモーターの制御下に置くことができる。
【0149】
CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを1つまたは複数のIRESによって分離することもでき、本明細書に記載の自己切断ペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドによって接続することもできる。
【0150】
ある特定の実施形態では、本発明は、CARをコードするポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチド(複数可)が、自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドによって連結している、本発明によるウイルスベクターに関する。
【0151】
ある特定の実施形態では、本発明は、自己切断ペプチドが2A自己切断ペプチドである、本発明によるウイルスベクターに関する。
【0152】
ある特定の実施形態では、本発明は、自己切断ペプチドがT2Aである、本発明によるウイルスベクターに関する。
【0153】
別の実施形態では、ウイルスベクターは、CARならびにIRP1および/またはIRP2をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドの発現を制御するプロモーターをさらに含み得る。したがって、別の実施形態では、本発明は、IRP1および/またはIRP2をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド、ならびに、必要に応じてCARがプロモーターの制御下にある、本発明によるウイルスベクターに関する。プロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーター、例えば、本明細書の他の箇所に明記されている構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターのうちの1つであり得る。プロモーターは、EF-1αプロモーターなどの構成的プロモーターであることが好ましい。したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、構成的プロモーターがEF-1αプロモーターである、本発明によるウイルスベクターに関する。
【0154】
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-CAR-自己切断ペプチド-IRP1-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-CAR-自己切断ペプチド-IRP2-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-自己切断ペプチド-IRP1-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-自己切断ペプチド-IRP2-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-T2A-IRP1-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-T2A-IRP2-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-P2A-IRP1-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-P2A-IRP2-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-E2A-IRP1-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-E2A-IRP2-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-F2A-IRP1-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-CAR-F2A-IRP2-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。
【0155】
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-IRP1-自己切断ペプチド-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-IRP2-自己切断ペプチド-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-自己切断ペプチド-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-自己切断ペプチド-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-T2A-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-T2A-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-P2A-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-P2A-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-E2A-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-E2A-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP1-F2A-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。他の実施形態では、ウイルスベクターは、構造:5’-構成的プロモーター-IRP2-F2A-CAR-3’を有するポリヌクレオチドを含み得る。
【0156】
導入遺伝子および/またはプロモーターなどの調節エレメントをウイルスベクターに導入するための分子生物学的方法は当業者には知られている。
【0157】
一実施形態では、本発明は、本発明によるリンパ球および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0158】
本発明のリンパ球は、単独で、または本発明のリンパ球を含む医薬組成物としてのいずれかで投与することができる。簡単に述べると、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載のリンパ球またはリンパ球の集団を、1つまたは複数の薬学的にまたは生理的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせて含み得る。そのような組成物は、バッファー、例えば、中性緩衝食塩水、リン酸緩衝食塩水など;炭水化物、例えば、グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン、マンニトール;タンパク質;ポリペプチドまたはアミノ酸、例えば、グリシン;抗酸化剤;キレート化剤、例えば、EDTAまたはグルタチオン;アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム);および保存剤を含み得る。本発明による医薬組成物は、希釈剤と、および/またはIL-2もしくは他のサイトカインもしくは細胞集団などの他の構成成分と組み合わせて投与することができる。本発明の組成物は、静脈内投与用に製剤化されたものであることが好ましい。
【0159】
別の実施形態では、本発明は、本発明によるウイルスベクターおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0160】
ある特定の実施形態では、ベクターを直接導入することによる対象の直接処置が意図されている。ウイルスベクター組成物は、これだけに限定されないが、非経口(例えば、静脈内)、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局部)、経粘膜、直腸、および膣を含めた任意の利用可能な経路による送達のために製剤化することができる。一般に使用される送達経路としては、吸入、非経口、および経粘膜が挙げられる。
【0161】
ある特定の実施形態では、本発明による医薬組成物は、少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む本発明によるウイルスベクターおよびCARをコードするポリヌクレオチドを含む第2のウイルスベクターを含み得る。すなわち、1つまたは複数の鉄調節タンパク質をコードするポリヌクレオチド(複数可)とCARをコードするポリヌクレオチドは2つの別々のウイルスベクターに位置し得るが、同じ医薬組成物中に含めることができる。
【0162】
種々の実施形態では、医薬組成物は、ウイルスベクターを薬学的に許容される担体と組み合わせて含み得る。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という語は、医薬投与に適合する溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤ならびに吸収遅延剤などを含む。補助活性化合物も組成物中に組み入れることができる。
【0163】
一部の実施形態では、活性薬剤、すなわち、本明細書に記載のウイルスベクターおよび/またはベクターと共に投与される他の薬剤は、化合物を体からの急速な消失から保護する担体、例えば、埋込物(implant)およびマイクロカプセル化送達系を含めた制御放出製剤などを用いて調製される。生分解性の生体適合性ポリマー、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸を使用することができる。そのような組成物を調製するための方法は当業者には明らかである。適切な材料は、Alza Corporation and Nova Pharmaceuticals,Incから購入することができる。リポソームも薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載されている当業者公知の方法に従って調製することができる。一部の実施形態では、組成物を特定の細胞型またはウイルス感染細胞に標的化する。例えば、組成物を、細胞表面マーカー、例えば内因性マーカーまたは感染細胞の表面上に発現されたウイルス抗原に、モノクローナル抗体を使用して標的化することができる。
【0164】
投与のしやすさおよび投薬量の均一性のために、組成物を単位剤形として製剤化することが有利である。単位剤形は、本明細書で使用される場合、処置を受ける対象に対する単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指す;各単位が、医薬担体と併せて所望の治療効果がもたらされるように算出された所定の数量のウイルスベクターを含む。
【0165】
単位用量は単回注射として投与される必要はなく、一定期間にわたる連続的な注入を含み得る。本明細書に記載のウイルスベクターの単位用量は、HeLaまたは293などの細胞系に対するベクターの力価測定を行うことによって定義されるウイルスベクターの形質導入単位(T.U.)に関して都合よく記載することができる。ある特定の実施形態では、単位用量は、10T.U.、10T.U.、10T.U.、10T.U.、10T.U.、10T.U.、10T.U.、1010T.U.、1011T.U.、1012T.U.、1013T.U.およびそれよりも高いT.U.にわたり得る。
【0166】
医薬組成物は、必要に応じて種々の間隔で、異なる期間にわたって、例えば、1週間に1回、約1週間から約10週間の間;約2週間から約8週間の間;約3週間から約7週間の間;約4週間;約5週間;約6週間などにわたって投与することができる。治療用組成物を無期限ベースで投与することが必要な場合がある。これだけに限定されないが、疾患または障害の重症度、以前の処置、対象の全体的な健康および/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含めたある特定の因子が、対象を有効に処置するために必要な投薬量およびタイミングに影響を及ぼし得ることが当業者には理解されよう。ウイルスベクターを用いた対象の処置は、単回処置を含み得る、または、多くの場合、一連の処置を含み得る。
【0167】
ウイルスベクターの投与のための例示的な用量および適切な用量を決定するための方法は当技術分野で公知である。ウイルスベクターの適当な用量は特定のレシピエントおよび投与形式に依存し得ることがさらに理解される。任意の特定の対象に対する適当な用量レベルは、対象の年齢、体重、全体的な健康、性別、および食事、投与時間、投与経路、排泄の速度、他の投与される治療剤などを含めた種々の因子に依存し得る。
【0168】
ある特定の実施形態では、ウイルスベクターを対象に、例えば、静脈内注射、局所投与によって、または定位注射によって送達することができる(例えば、Chen et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91: 3054を参照されたい)。ある特定の実施形態では、ベクターを経口でまたは吸入によって送達することができ、また、カプセル封入するかまたは他のやり方で操作して、それらを分解から保護し、組織または細胞などへの取り込みを増強することができる。医薬調製物は、許容される希釈剤中にウイルスベクターを含み得る、またはウイルスベクターが包埋された徐放マトリックスを含み得る。その代わりにまたはそれに加えて、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターの場合のようにベクターを組換え細胞からインタクトで産生させることができる場合、医薬調製物は、ベクターを産生する1つまたは複数の細胞を含み得る。本明細書に記載のウイルスベクターを含む医薬組成物を、必要に応じて投与に関する指示と共に容器、パック、またはディスペンサーに含めることができる。
【0169】
前述の組成物、方法および使用は、例示的なものであり、限定するものではない。本明細書に提示される教示を使用すれば、組成物、方法および使用の他の変形形態が当業者は容易に利用可能になる。
【0170】
別の実施形態では、本発明は、治療に使用するための、本発明によるリンパ球、本発明によるウイルスベクターまたは本発明による医薬組成物に関する。
【0171】
すなわち、本発明によるリンパ球、本発明によるウイルスベクターまたは本発明によるリンパ球および/もしくはウイルスベクターを含む医薬組成物を治療に使用することができる。
【0172】
ある特定の実施形態では、本発明は、がんの処置に使用するための、本発明によるリンパ球、本発明によるウイルスベクターまたは本発明による医薬組成物に関する。
【0173】
本発明は、リンパ球、例えばT細胞またはNK細胞の腫瘍抗原に対する特異性を向け直すための、本発明において定義されているCARの使用を提供する。リンパ球を、少なくとも1つのIRPおよびCARを発現するように遺伝子改変し、得られた細胞をそれを必要とするレシピエントに注入する、細胞治療の1つの型が本明細書に開示される。注入された細胞はレシピエントにおいて腫瘍細胞を死滅させることができる。抗体療法とは異なり、本発明によるリンパ球は、in vivoで複製することができ、その結果、長期間にわたる持続性がもたらされ、それにより、持続的な腫瘍制御をもたらすことができる。
【0174】
少なくとも1つのIRPの過剰発現に起因して、本明細書に記載のリンパ球は、頑強なin vivo増大を受けることができ、長時間にわたって持続することができる。いかなる特定の理論にも制約されることなく、本発明のリンパ球によって引き出される抗腫瘍免疫応答は、能動免疫応答または受動免疫応答であり得る。さらに、CAR媒介性免疫応答は、CAR改変リンパ球によりCARの抗原結合部分に特異的な免疫応答が誘導される養子免疫療法の手法の一部であり得る。
【0175】
少なくとも1つのIRPおよびCARを発現するリンパ球はがんの処置に好ましいが、これは、少なくとも1つのIRPだけを発現し、CARは発現しないリンパ球によっても想定することができる。この場合、少なくとも1つのIRPをコードする合成ポリヌクレオチドをリンパ球にex vivoで導入することができ、次いで、遺伝子操作されたリンパ球をがんを有する対象に投与することができる。必要に応じて、リンパ球をex vivoで腫瘍抗原を用いて刺激して、ある特定の型のがんまたは腫瘍に対する特異性を増加させることができる。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのIRPを発現する遺伝子操作されたリンパ球を腫瘍に直接注射することができる。
【0176】
しかし、本発明は、がんの処置における、IRP1および/またはIRP2を過剰発現するがCARは発現しないリンパ球の使用も包含することが理解されるべきである。
【0177】
例えば、TILまたはTCR改変T細胞にIRP1および/またはIRP2を過剰発現させることができ、それをその後、細胞治療に使用する。リンパ球におけるIRPの過剰発現の結果、より頑強なリンパ球の増殖がもたらされることが本発明者らによって実証された。したがって、TILまたはTCR改変T細胞におけるIRPの過剰発現の結果、より有効な細胞治療がもたらされるというのは妥当である。
【0178】
さらに、NK細胞にIRP1および/またはIRP2を過剰発現させることができ、それをその後、細胞治療に使用する。ある特定の実施形態では、NK細胞は同種NK細胞である。
【0179】
疾患を「処置する」ためとは、この用語が本明細書で使用される場合、対象に生じた疾患または障害の少なくとも1つの徴候または症状の頻度または重症度を低減することを意味する。
【0180】
「疾患」は、動物(ヒトを含む)が恒常性を維持することができず、疾患が好転しなければ動物の健康が悪化し続けるという動物の健康状態である。対照的に、動物における「障害」は、動物が恒常性を維持することはできるが、動物の健康状態が障害が存在しない場合よりも都合が悪いものであるという健康状態である。障害は、処置せずに放置しても必ずしも動物の健康状態の低下をさらに引き起こすものではない。
【0181】
「患者」、「対象」、「個体」などの用語は、本明細書では互換的に使用され、in vitroかin situかにかかわらず、本明細書に記載の方法に適用できる任意の動物またはその細胞を指す。ある特定の非限定的な実施形態では、患者、対象または個体はヒトである。
【0182】
「がん」という用語は、本明細書で使用される場合、異常な細胞の急速な制御されない成長を特徴とする疾患と定義される。がん細胞は、局所的にまたは血流およびリンパ系を通じて体の他の部分に拡散し得る。
【0183】
本発明によるリンパ球を用いて処置することができるがんは、血管化していない腫瘍、またはまだ実質的に血管化していない腫瘍、ならびに血管化した腫瘍を含む。がんは、非固形腫瘍(例えば、血液腫瘍、例えば白血病およびリンパ腫)を含む場合もあり、固形腫瘍を含む場合もある。本発明のリンパ球を用いて処置されるがんの型としては、これだけに限定されないが、癌、芽細胞腫、および肉腫、ならびにある特定の白血病またはリンパ系腫瘍、良性および悪性腫瘍、および悪性病変、例えば、肉腫、癌、および黒色腫が挙げられる。成人腫瘍/がんおよび小児腫瘍/がんも含まれる。
【0184】
一実施形態では、本発明は、がんが血液がんまたは固形腫瘍である、本発明に従って使用するためのリンパ球、ウイルスベクターまたは医薬組成物に関する。特定の実施形態では、血液がんは、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病または多発性骨髄腫であり、固形腫瘍は、結腸がん、乳がん、膵がん、卵巣がん、肝細胞癌、肺がん、神経芽細胞腫、神経膠芽腫または肉腫である。
【0185】
血液がんは、血液または骨髄のがんである。血液(または造血性)がんの例としては、急性白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)および骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病および赤白血病)、慢性白血病(例えば、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性白血病、および慢性リンパ性白血病)を含めた白血病、真性赤血球増加症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(無痛性および高グレード型)、多発性骨髄腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、骨髄異形成症候群、ヘアリー細胞白血病および脊髄形成異常症が挙げられる。
【0186】
固形腫瘍は、異常な組織塊であり、通常は嚢胞も液体領域も含有しない。固形腫瘍は良性または悪性であり得る。異なる型の固形腫瘍はその名称がそれらを形成する細胞の型に由来する(例えば、肉腫、癌、およびリンパ腫など)。肉腫および癌などの固形腫瘍の例としては、線維肉腫、筋肉腫(myosarcoma)、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、および他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、リンパ系悪性腫瘍、膵がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌、褐色細胞腫、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、ヘパトーマ、胆管癌、絨毛癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、セミノーマ、膀胱癌、黒色腫、およびCNS腫瘍(例えば、神経膠腫(例えば、脳幹神経膠腫および混合型神経膠腫)、神経膠芽腫(多形神経膠芽腫としても公知)、星状細胞腫、CNSリンパ腫、胚細胞腫、髄芽腫、シュワン細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫および脳転移)が挙げられる。
【0187】
本発明のリンパ球は、CD19を標的とするように設計することができ、これだけに限定されないが、プレB ALL(小児適応症)、成人ALL、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、同種骨髄移植後サルベージなどを含めたがんおよび障害を処置するために使用することができる。
【0188】
本明細書に記載のCAR改変リンパ球は、対象におけるex vivo免疫および/またはin vivo治療のためのワクチンの一種としても機能し得る。対象はヒトであることが好ましい。
【0189】
ex vivo免疫に関しては、以下のうちの少なくとも1つを、リンパ球を対象に投与する前にin vitroで行う:i)細胞の増大、ii)少なくとも1つのIRPおよび/もしくはCARをコードする少なくとも1つの合成ヌクレオチドの細胞への導入、ならびに/またはiii)細胞の凍結保存。
【0190】
ex vivo手順は当技術分野で周知である。簡単に述べると、リンパ球を対象(好ましくはヒト)から単離し、本明細書に開示される少なくとも1つのIRPおよび/またはCARを発現する少なくとも1つのベクターを用いて遺伝子改変する(すなわち、in vitroで形質導入またはトランスフェクトする)。少なくとも1つのIRPを発現するCAR改変細胞をレシピエントに投与して治療的利益をもたらすことができる。レシピエントはヒトであり得、改変リンパ球はレシピエントに対して自己であり得る。あるいは、リンパ球はレシピエントに対して、同種、同系または異種であり得る。
【0191】
米国特許第5,199,942号に記載されている造血幹細胞および前駆細胞のex vivo増大のための手順を本発明の細胞に適用することができる。他の適切な方法は当技術分野で公知であり、したがって、本発明はex vivo細胞増大のいかなる特定の方法にも限定されない。簡単に述べると、リンパ球のex vivo培養および増大は、(1)哺乳動物から、末梢血収集または骨髄外植片からCD34+ 造血幹細胞および前駆細胞を採取すること;および(2)そのような細胞をex vivoで増大させることを含む。米国特許第5,199,942号に記載されている細胞成長因子に加えて、flt3-L、IL-1、IL-3およびc-kitリガンドなどの他の因子を細胞の培養および増大のために使用することができる。
【0192】
ex vivo免疫に関して細胞に基づくワクチンを使用することに加えて、本開示は、患者における抗原に対する免疫応答を引き出すためのin vivo免疫のための組成物および方法も提供する。
【0193】
一般に、本明細書に記載の通り活性化および増大させたリンパ球を、免疫無防備状態の個体において生じる疾患の処置および防止に利用することができる。特に、本明細書に記載のCAR改変リンパ球を慢性リンパ性白血病(CCL)の処置に使用することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載のリンパ球をCCLが発生するリスクがある患者の処置に使用することができる。したがって、本開示は、それを必要とする対象に、本発明のリンパ球を治療有効量で投与することを含む、CCLの処置または防止を提供する。
【0194】
あるいは、がんの処置に使用するためのリンパ球は、NK細胞、TILまたはTCR改変リンパ球であり得る。NK細胞、TILまたはTCR改変T細胞を、本発明の方法を用い、IRP1および/またはIRP2を過剰発現するように改変することができ、それにより、in vivoにおけるNK細胞、TILまたはTCR改変T細胞のより効率的な増殖をもたらすことができる。
【0195】
がん治療に使用されるNK細胞は、同種NK細胞であってよく、これは、同種NK細胞が、移植片対白血病/腫瘍(GvL/GvT)効果を有し、移植片対宿主病(GvHD)は引き起こさず、したがって、引き起こされる免疫病理が少ないからである。
【0196】
がん治療に使用するためのTILは、WO2018/182817に記載されている通り得ることができ、少なくとも1つのIRPをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを導入することによってさらに改変することができる。
【0197】
一実施形態では、本発明は、ウイルス感染の防止および/または処置に使用するための、本発明によるリンパ球、本発明によるウイルスベクターまたは本発明による医薬組成物に関する。
【0198】
すなわち、本発明によるリンパ球をウイルス感染の防止および処置に使用することもできる。例えば、造血幹細胞移植を受けた対象におけるウイルス感染を防止または処置するためにウイルス特異的T細胞を使用することができることが公知であるが、これに限定されない。ウイルス特異的T細胞は、T細胞をウイルス抗原、例えばウイルス抗原性ペプチドを提示する抗原提示細胞、ウイルス粒子全体、ウイルス溶解物、ウイルスタンパク質全体またはウイルスベクターを用いて刺激し、増大させることによって生成することができる。あるいは、ウイルス特異的T細胞は、特異的なウイルス抗原に結合することが分かっている天然のまたは操作されたT細胞受容体を発現させることによって生成することができる。次いで、得られたウイルス特異的T細胞をウイルス感染に罹患しているまたはウイルス感染を受けるリスクがある対象に投与することができる。
【0199】
ウイルス特異的T細胞において少なくとも1つのIRPを発現させ、それにより、偽性鉄欠乏状態を作り出すことにより、ウイルス特異的T細胞の対象への投与後により頑強に増殖するウイルス特異的T細胞をもたらすことができる。その結果、少なくとも1つのIRPを発現するように遺伝子操作されているウイルス特異的T細胞は、遺伝子操作されていないウイルス特異的T細胞と比較して、ウイルス感染の防止または処置に関してより効率的であり得る。少なくとも1つのIRPをコードする合成ポリヌクレオチドのT細胞への導入はT細胞に対するウイルス抗原による刺激の前、その間、またはその後に行うことができる。
【0200】
上記のウイルス感染の防止および処置にはCARの存在が必要であるとは限らない。しかし、CARをさらに含む本発明によるリンパ球を使用することにより、少なくとも一部の場合において、リンパ球によるウイルスの認識が改善され得る。この場合、CARは、ウイルス抗原に特異的に結合する抗原結合ドメインを含み得ることが好ましい。
【0201】
一実施形態では、本発明は、ウイルス感染が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、インフルエンザウイルスまたはヒトヘルペスウイルス、特に、ヒトヘルペスウイルスが、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)またはヒトヘルペスウイルス8(HHV8)によって引き起こされるものである、本発明に従って使用するためのリンパ球、ウイルスベクターまたは医薬組成物に関する。
【0202】
ヒトサイトメガロウイルスは、母集団における有病率が50~100%の広汎性β-ヘルペスウイルスである。CMVは、免疫適格宿主では軽度の自己限定性疾患として顕在化し得るが、免疫無防備状態の宿主では重症の生命を脅かす疾患を引き起こす恐れがある。CMVは急性感染後に潜伏形態で持続するので、ウイルス静止状態を維持するためにはCMV特異的CD4+T細胞およびCD8+T細胞が必要である。HSCT後の患者では、ドナー免疫が存在せず、かつ他の免疫不全状態にある場合、CMVが網膜炎、肺臓炎、肝炎、または腸炎の形態で再活性化する可能性がある。CMV特異的T細胞の養子移入はそのような個体におけるCMV再活性化を処置および防止するための論理的戦略であり、多数の臨床試験でウイルス特異的T細胞の全体的な優れた有効性が確認される。臍帯血(UCB)中のナイーブT細胞から生成されたCMV特異的VSTも有効であることが証明されている。これらのVSTは、非定型エピトープに対して特異性を示す一方で機能性を維持する。
【0203】
EBVは、移植後に独特の合併症を引き起こす可能性がある、遍在する、免疫原性が高いγ-ヘルペスウイルスである。母集団の90%よりも多くが感染しており、生涯の血清陽性を保持する。一次EBV感染の顕在化は、無症候性感染から衰弱性ウイルス性疾病まで広範に変動する。その後、ほとんどの場合、EBVはB細胞および粘膜上皮貯留層において連続的なT細胞免疫サーベイランスの下で生涯潜伏的に残存する。これらの健康な個体では、循環T細胞の最大2%がEBV特異的である。HSCT後の免疫不全の期間中、EBV再活性化により、ウイルス血症および生命を脅かす移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)が引き起こされる場合がある。モノクローナル抗体であるリツキシマブは、EBVウイルスが存在するB細胞を排除することによって多くの患者における重症EBV疾患を首尾よく処置するものであるが、長期間にわたる抗体産生の減少をもたらし、PTLDの制御に常に成功するとは限らない。
【0204】
アデノウイルス感染は軽度の上気道感染から一連の生命を脅かす肺炎、胃腸の、肝臓の、腎臓の、および神経学的合併症までにわたり得る。感染後、リンパ組織において潜伏が維持されるが、T細胞免疫が長期にわたって存在しない間にウイルスが再活性化し得る。アデノウイルスは、HSCT後のレシピエントにおいて潜在的に致死的なウイルス性合併症を引き起こす。リバビリンなどの抗ウイルス薬はほとんど効果がない。しかし、健康なドナーから生成されたアデノウイルス特異的T細胞が、進行疾患であっても処置に有効であることが証明されている。このような理由で、アデノウイルス抗原は多くの場合に多ウイルス特異的T細胞製品の生成に組み入れられる。
【0205】
BKおよびJCポリオーマウイルスは、通常は大多数の成人個体の健康な組織では潜伏性であるが、HSCT後および免疫不全個体において再活性化する。BKウイルスは、腎症および生命を脅かす出血性膀胱炎(HC)として顕在化し得る。まれに、密接に関連するJCウイルスにより、進行性多病巣性白質脳症から致死的な脳損傷が引き起こされる。これらのウイルスと闘うためにポリオーマ特異的VSTが開発中である。単一の症例報告ではBK VSTの上首尾の使用が記載されており、その後、バイスタンダー臓器毒性、GVHDや移植片拒絶はなしに患者のHCは完全に消散した。ex vivoで選択され、増大させたVSTのために開発されたプラットフォームを、免疫不全状態に合併する多くの他のウイルスに容易に適応できることが明らかであり、今後の開発は、VZV、HHV、およびさらにはHIVまたはインフルエンザを含む一群のウイルスを標的とするVSTを開発することを含む。
【0206】
一実施形態では、本発明は、がんを有する対象を処置するため、または対象におけるウイルス感染を防止および/もしくは処置するための方法であって、対象に本発明によるリンパ球、本発明によるウイルスベクターまたは本発明による医薬組成物の治療有効量を投与することを含む方法に関する。
【0207】
本明細書に記載のリンパ球または医薬組成物は、処置(または防止)される疾患に適した様式で投与することができる。投与の数量および頻度は、患者の状態、ならびに患者の疾患の型および重症度などの因子によって決定されるが、適当な投薬量は臨床試験によって決定することができる。
【0208】
「有効量」は、本明細書で使用される場合、治療的利益または予防的利益をもたらす量を意味する。「治療有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家によって求められている組織、系、または対象の生物学的または医学的応答を引き出す主題の化合物の量を指す。「治療有効量」という用語は、投与されると、処置される障害または疾患の徴候または症状の1つまたは複数の発生を防止する、またはいくらかの程度まで緩和するために十分である化合物の量を含む。治療有効量は、化合物、疾患およびその重症度ならびに処置を受ける対象の年齢、体重などに応じて変動する。
【0209】
「免疫学的有効量」、「抗腫瘍有効量」、「腫瘍阻害有効量」、または「治療量」が示されている場合、投与される本発明のリンパ球または組成物の正確な量は、年齢、体重、腫瘍サイズ、感染もしくは転移の程度、ウイルス感染の型、ウイルス感染の重症度および/または患者(対象)の状態の個体差を考慮して医者が決定することができる。本明細書に記載のリンパ球を含む医薬組成物を、範囲内の全ての整数値を含め、体重1kg当たり細胞10~10個、好ましくは体重1kg当たり細胞10~10個の投薬量で投与することができることが一般に示され得る。リンパ球組成物をこれらの投薬量で複数回投与することもできる。リンパ球の投与は、免疫療法に関して一般に知られている注入技法を使用して行うことができる(Rosenberg et al., 1988, New Eng. J. of Med; 319: 1676.)。特定の患者に対する最適な投薬量および処置養生法は、医療の当業者が、患者を疾患の徴候についてモニタリングし、それに応じて処置を調整することによって容易に決定することができる。
【0210】
活性化されたリンパ球を対象に投与し、次いでその後、血液を再度採り(またはアフェレーシスを実施し)、そこから本発明に従ってリンパ球を活性化し、これらの活性化および増大したリンパ球を患者に再注入することが望ましい場合がある。このプロセスを数週間ごとに複数回行うことができる。リンパ球を10mLから400mLまでの採血から活性化することができる、例えば、リンパ球を20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、または100mLの採血から活性化することができる。理論に縛られずに、この複数回の採血/複数回の再注入プロトコールを使用することは、ある特定のリンパ球の集団の選択に役立ち得る。
【0211】
リンパ球または組成物の投与は、エアロゾル吸入、注射、経口摂取、輸血、埋込または移植によるものを含めた任意の都合のよい様式で実施することができる。本明細書に記載のリンパ球または組成物を対象に皮下投与、皮内投与、腫瘍内投与、結節内投与、髄内投与、筋肉内投与、静脈内(i.v.)注射による投与、または腹腔内投与することができる。例えば、本明細書に記載のリンパ球または組成物を患者に皮内注射または皮下注射によって投与することができる。別の例では、本明細書に記載のリンパ球または組成物をi.v.注射によって投与することができることが好ましい。リンパ球または組成物を腫瘍、リンパ節、または感染部位に直接注射することができる。
【0212】
ある特定の場合では、本明細書に記載の方法、またはリンパ球を治療レベルまで増大させる当技術分野で公知の他の方法を使用して活性化および増大させたリンパ球を、患者に、これだけに限定されないが、MS患者に対する抗ウイルス治療、シドホビルおよびインターロイキン2、リバビリン、リツキシマブ、シタラビン(ARA-Cとしても公知)もしくはナタリズマブによる処置または乾癬患者に対するエファリズマブによる処置またはPML患者に対する他の処置などの、薬剤を用いた処置を含めた、任意の数の関連する処置モダリティと併せて(例えば、その前に、それと同時にまたはその後に)投与する。本発明のリンパ球を化学療法、放射線、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸、およびFK506などの免疫抑制剤、抗体、または他の免疫除去剤、例えば、CAMPATH、抗CD3抗体もしくは他の抗体療法、サイトキシン、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、サイトカイン、ならびに照射と組み合わせて使用することができることも本明細書に開示される。これらの薬物は、カルシウム依存性ホスファターゼカルシニューリンを阻害するもの(シクロスポリンおよびFK506)であるか、または成長因子により誘導されるシグナル伝達に重要なp70S6キナーゼを阻害するもの(ラパマイシン)である(Liu et al., 1991, Cell; 66: 807-815 ; Henderson et al., 1991, Immun; 73: 316-321 ; Bierer et al., 1993, Curr. Opin. Immun; 5: 763-773)。本発明のリンパ球または組成物を患者に骨髄移植、フルダラビンなどの化学療法剤、外部照射法(XRT)、シクロホスファミド、またはOKT3もしくはCAMPATHなどの抗体のいずれかを使用したT細胞除去治療と併せて(例えば、その前に、それと同時にまたはその後に)投与することができることも本明細書に開示される。本発明のリンパ球または組成物をCD20と反応する薬剤、例えばリツキサンなどのB細胞除去治療の後に投与することができることも本明細書に記載される。例えば、対象は、高用量化学療法、その後に末梢血幹細胞移植を用いた標準の処置を受けることができる。ある特定の場合では、対象は移植後に本発明の増大した免疫細胞の注入を受けることができる、または外科手術の前またはその後に増大した細胞を投与することができる。
【0213】
対象に投与される上記の処置の投薬量は、処置される状態の正確な性質および処置のレシピエントによって変動する。ヒト投与のための投薬量の尺度化を当技術分野で容認されている慣習に従って実施することができる。
【0214】
一実施形態では、本発明は、がんが、血液がんもしくは固形腫瘍であり、特に、血液がんが、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病および多発性骨髄腫である、または、固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、膵がん、卵巣がん、肝細胞癌、肺がん、神経芽細胞腫、神経膠芽腫および肉腫である、本発明による方法に関する。
【0215】
一実施形態では、本発明は、ウイルス感染が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アデノウイルス、ポリオーマウイルス、インフルエンザウイルスまたはヒトヘルペスウイルス、特に、ヒトヘルペスウイルスが、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)またはヒトヘルペスウイルス8(HHV8)によって引き起こされるものである、本発明による方法に関する。
【0216】
一実施形態では、本発明は、本発明によるリンパ球を作製するための方法であって、a)対象から得たリンパ球を用意するステップと、b)少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドをステップ(a)のリンパ球に導入するステップであって、鉄調節タンパク質がIRP1(配列番号1)および/またはIRP2(配列番号2~6)である、ステップと、c)ステップ(b)でリンパ球に導入された合成ポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つの鉄調節タンパク質を発現させるステップとを含む方法に関する。リンパ球は本明細書に開示される任意のリンパ球であり得ることが理解されるべきである。
【0217】
必要に応じて、本発明は、さらに、ステップ(b)において、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする第2の合成ポリヌクレオチドをリンパ球に導入する、本発明による方法に関する。
【0218】
すなわち、本発明による方法を、IRP1および/またはIRP2を過剰発現するリンパ球を作製するために使用することができる。さらに、本発明による方法を、2つの合成ポリヌクレオチド、IRP1および/またはIRP2をコードする第1の合成ポリヌクレオチドおよびCARをコードする第2の合成ポリヌクレオチドを含むリンパ球を作製するために使用することができる。後者の場合、IRP1および/またはIRP2をコードする第1の合成ポリヌクレオチドとCARをコードする第2の合成ポリヌクレオチドを本明細書に記載の通り互いに融合することができることが理解されるべきである。あるいは、IRP1および/またはIRP2をコードする第1の合成ポリヌクレオチドとCARをコードする第2の合成ポリヌクレオチドは無関係であり得る。すなわち、IRP1および/またはIRP2をコードする第1の合成ポリヌクレオチドとCARをコードする第2の合成ポリペプチドをリンパ球に独立に導入することができる。合成ポリヌクレオチドをリンパ球にウイルスによる形質導入によって導入し、リンパ球のゲノムに組み入れることが好ましい。したがって、IRP1および/またはIRP2をコードする第1の合成ポリヌクレオチドおよびCARをコードする第2の合成ポリペプチドを異なるウイルスベクターに含めることができる。IRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドを含む第1のウイルスベクターおよびCARをコードする合成ポリヌクレオチドを含む第2のウイルスベクターを単一の形質導入実験でリンパ球に導入することができる。あるいは、リンパ球に、IRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドを含む第1のウイルスベクターおよびCARをコードする合成ポリヌクレオチドを含む第2のウイルスベクターを段階的に用いて形質導入することができる。例えば、本発明によるリンパ球に、まずCARをコードする合成ポリヌクレオチドを含むウイルスベクターを用いて形質導入して、これだけに限定することなく、CAR T細胞またはCAR NK細胞を作製し、第2のステップにおいて、IRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドを含むウイルスベクターを用いて形質導入することができる。あるいは、リンパ球に、まずIRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドを含むウイルスベクターを用いて形質導入し、第2のステップにおいて、CARをコードする合成ポリヌクレオチドを含むウイルスベクターを用いて形質導入することができる。
【0219】
本発明のリンパ球の遺伝子改変を行う前に、リンパ球の供給源を対象から得ることができる。リンパ球は、末梢血、単核細胞、骨髄、リンパ節組織、血液、胸腺組織、感染部位由来の組織、腹水、胸水、脾臓組織、および腫瘍を含めた多数の供給源から得ることができる。本発明の範囲内では、当技術分野において利用可能な任意の型のリンパ球を使用することができる。一般に、ある特定の型のリンパ球を適切な供給源から単離するための方法は当業者には知られている。
【0220】
特定の型のリンパ球、具体的には末梢血単核細胞(PBMC)をFicoll(商標)分離などの当業者に公知の任意の数の技法を使用して対象から採取した血液の単位から得ることができる。さらに、個体の循環血液由来の細胞をアフェレーシスによって得ることができる。アフェレーシス生成物は、一般には、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および血小板を含むリンパ球を含有する。アフェレーシスによって採取された細胞を、血漿画分を除去するため、およびその後の処理ステップのために細胞を適当なバッファーまたは培地に入れるために洗浄することができる。例えば、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄することができる。あるいは、洗浄溶液は、カルシウムを欠くものであり得、かつマグネシウムを欠くものであり得る、または全てではないが多くの二価カチオンを欠くものであり得る。当業者には容易に理解される通り、洗浄ステップは、例えば、半自動化「フロースルー」遠心機(例えば、Cobe 29 cell processor、Baxter CytoMate、またはHaemonetics Cell Saver 5)を製造者の指示に従って使用することによるなど、当業者に公知の方法によって実現することができる。洗浄後、細胞を、例えば、Ca+フリー、Mg+フリーPBS、PlasmaLyte Aなどの種々の生体適合性バッファー、またはバッファーを伴うもしくは伴わない他の食塩水溶液に再懸濁させることができる。あるいは、アフェレーシス試料の望ましくない構成成分を除去し、細胞を培養培地中に直接再懸濁させることができる。あるいは、例えば、PERCOLL(商標)勾配で遠心分離することによって、または向流遠心水簸によって赤血球を溶解させ、単球を枯渇させることにより、特定の型のリンパ球を単離することができる。
【0221】
CD3+、CD28+、CD4+、CD8+、CD45RA+、およびCD45RO+T細胞、CD16+およびCD56+NK細胞またはCD3+、CD56+およびCD161+NKT細胞などの特定のリンパ球の亜集団を正の選択または負の選択技法によってさらに単離することができる。それぞれの型のリンパ球に表面抗原が存在することは当技術分野で公知である。したがって、当業者は、特定の型のリンパ球を富化または単離を可能にする正の選択または負の選択の条件を選択することができる。さらに、特定の型のリンパ球を富化および/または単離するための市販のキットが当業者には知られている。
【0222】
ある特定の実施形態では、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 Tなどの、抗CD3/抗CD28をコンジュゲートしたビーズと一緒に所望のT細胞の正の選択のために十分な期間にわたってインキュベーションすることによってT細胞を単離することができる。期間は、30分間から36時間またはより長い時間までにわたり得、中間の全ての整数値を含み得る。ある特定の実施形態では、期間は、少なくとも0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、または6時間である。あるいは、期間は、10~24時間である。白血病の患者からのT細胞の単離に関しては、24時間などのより長いインキュベーション時間を使用することにより、細胞収量を増加させることができる。腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を腫瘍組織からまたは免疫が損なわれている個体から単離する場合のような、他の細胞型と比較してT細胞が少ないあらゆる状況におけるT細胞の単離のためには、より長いインキュベーション時間を使用することができる。さらに、より長いインキュベーション時間を使用することにより、CD8+T細胞の捕捉の効率を上昇させることができる。したがって、T細胞をCD3/CD28ビーズに結合させた時間を単に短くもしくは長くすることによって、および/またはT細胞に対するビーズの比を大きくもしくは小さくすることによって、培養開始時点またはプロセスの間の他の時点についてまたはその時点に対してT細胞の亜集団を優先的に選択することができ、さらに、ビーズまたは他の表面上の抗CD3および/または抗CD28抗体の比を大きくまたは小さくすることによって、培養開始時点または他の所望の時点についてまたはその時点に対してT細胞の亜集団を優先的に選択することができる。本発明に関しては複数ラウンドの選択を使用することもできることが当業者には理解されよう。ある特定の実施形態では、選択手順を実施し、「選択されなかった」細胞を活性化および増大プロセスに使用することが望ましい場合がある。「選択されなかった」細胞をさらなる選択のラウンドに供することもできる。
【0223】
負の選択によるリンパ球集団の富化は、負に選択された細胞に特有の表面マーカーに向けられた抗体の組合せを用いて実現することができる。1つの方法は、負に選択された細胞上に存在する細胞表面マーカーに向けられたモノクローナル抗体のカクテルを使用する負の磁気免疫付着またはフローサイトメトリーによる細胞選別および/または選択である。例えば、CD4+細胞を負の選択によって富化させるためには、モノクローナル抗体カクテルは、一般には、CD14に対する抗体、CD20に対する抗体、CD11bに対する抗体、CD16に対する抗体、HLA-DRに対する抗体、およびCD8に対する抗体を含む。ある特定の実施形態では、一般にはCD4+CD25+、CD62L、GITR+、およびFoxP3+を発現する調節性T細胞を富化させるまたは正に選択することが望ましい場合がある。あるいは、ある特定の実施形態では、調節性T細胞を、抗CD25をコンジュゲートしたビーズまたは他の同様の選択方法によって枯渇させることができる。
【0224】
ある特定の実施形態では、健康なドナーまたは患者由来のNK細胞をPBMCからまたは血液から直接、ヒトNK細胞ネガティブ選択単離キット(Miltenyi BiotecまたはSTEMCELL Technologies)を製造者の指示に従って使用して磁気ビーズと一緒にインキュベーションすることによって富化させることができる。例えば、Miltenyi Biotecの単離キットを使用する場合、望ましくない細胞(すなわち、T細胞、B細胞、マクロファージおよび単球)を、PBMC中、1mL当たり細胞25億個の濃度の、NK細胞では発現されない抗原に対するビオチンとコンジュゲートしたモノクローナル抗ヒト抗体のカクテルを用いて除去することができる。次いで、ビオチンとコンジュゲートした抗体で標識された望ましくない細胞をNK細胞マイクロビーズカクテルを使用して磁気標識し、MACSカラムを使用して除去することができる。例えば、STEMCELL Technologiesの単離キットを使用する場合、望ましくない細胞(すなわち、T細胞、B細胞、マクロファージおよび単球)を、PBMC中、1mL当たり細胞5000万個の濃度の、NK細胞では発現されない抗原に対する四量体抗ヒト抗体複合体を用いて除去することができる。次いで、四量体抗体複合体で標識された望ましくない細胞をデキストランをコーティングした磁気粒子で磁気標識し、磁石を使用して除去することができる。
【0225】
所望のリンパ球の集団を正の選択または負の選択によって単離するために、細胞および表面(例えば、ビーズなどの粒子)の濃度を変動させることができる。ある特定の実施形態では、細胞とビーズの最大接触を確実にするために、ビーズと細胞を混合する体積を有意に減少させる(すなわち、細胞の濃度を上昇させる)ことが望ましい場合がある。例えば、一実施形態では、1mL当たり細胞20億個の濃度を使用することができる。一実施形態では、1mL当たり細胞10億個の濃度を使用することができる。さらなる実施形態では、1mL当たり細胞1億個よりも多くを使用することができる。さらなる実施形態では、1mLあたり細胞0百万個、1,500万個、2,000万個、2,500万個、3,000万個、3,500万個、4,000万個、4,500万個または5,000万個(0, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, or 50 million)という細胞の濃度を使用することができる。さらに別の実施形態では、1mL当たり細胞7,500万個、8,000万個、8,500万個、9,000万個、9,500万個、または1億個からの細胞の濃度を使用することができる。さらなる実施形態では、1mL当たり細胞1億2,500万個または1億5,000万個の濃度を使用することができる。高濃度の使用により、細胞収量、細胞活性化、および細胞増大の増加をもたらすことができる。さらに、高細胞濃度の使用により、CD28陰性T細胞などの、目的の標的抗原を弱く発現する可能性がある細胞のより効率的な捕捉、または多くの腫瘍細胞が存在する試料(すなわち、白血病血液、腫瘍組織など)からのより効率的な捕捉を可能にすることができる。そのような細胞の集団には治療的価値があり、得ることが望ましい。例えば、高濃度の細胞を使用することにより、通常CD28発現が弱いCD8+T細胞のより効率的な選択を可能にすることができる。
【0226】
関連する実施形態では、低濃度の細胞を使用することが望ましい場合がある。細胞と表面(例えば、ビーズなどの粒子)の混合物を有意に希釈することにより、粒子と細胞の相互作用を最小化することができる。これは、粒子に結合させる所望の抗原を多量に発現する細胞に対して選択することができる。例えば、CD4+T細胞は高レベルのCD28を発現し得、希釈濃度ではCD8+T細胞よりも効率的に捕捉することができる。
【0227】
リンパ球をローテータにおいて、2~10℃または室温のいずれかで、スピードを変動させて様々な時間の長さにわたってインキュベートすることができる。刺激のための細胞を洗浄ステップ後に凍結させることもできる。理論に縛られることを望むものではなく、凍結およびその後の解凍ステップにより、細胞集団内の顆粒球およびいくらかの程度までの単球が取り除かれることによって、より均一な生成物をもたらすことができる。血漿および血小板を除去する洗浄ステップの後、細胞を凍結溶液(freezing solution)に懸濁させることができる。多くの凍結溶液およびパラメータが当技術分野で公知であり、これに関連して有用であるが、1つの方法は、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミンを含有するPBS、または、10%デキストラン40および5%デキストロース、20%ヒト血清アルブミンおよび7.5%DMSOを含有する培養培地、または、1.25%Plasmalyte-A、3.25%デキストロース5%、0.45%NaCl、10%デキストラン40および5%デキストロース、20%ヒト血清アルブミン、および7.5%DMSOを含有する培養培地、または、例えばHespanおよびPlasmaLyte-Aを含有する他の適切な細胞凍結培地を使用することを伴う。次いで、細胞を毎分1℃の速度で-80℃まで凍結させ、液体窒素貯蔵タンクの気相中に保管することができる。他の制御凍結方法を使用することもでき、即座に-20℃でまたは液体窒素中で無制御凍結を行うこともできる。
【0228】
凍結保存された細胞を解凍し、本明細書に記載の通り洗浄し、室温で1時間静置した後、本発明の方法を使用して活性化することができる。
【0229】
本発明に関しては、本明細書に記載の通り増大させた細胞が必要になる前の期間に対象から血液試料またはアフェレーシス生成物を採取することも意図されている。そのように、増大させる細胞の供給源を必要な任意の時点で採取することができ、リンパ球などの所望の細胞を単離し、本明細書に記載のものなどの細胞治療が有益であろう任意の数の疾患または状態に対する細胞治療への後の使用のために凍結させることができる。血液試料またはアフェレーシスは、全般的に健康な対象から取得することができる。ある特定の実施形態では、血液試料またはアフェレーシスを、疾患が発生するリスクがあるが、まだ疾患が発生していない全般的に健康な対象から取得することができ、目的の細胞を単離し、後の使用のために凍結させることができる。ある特定の実施形態では、細胞を増大させ、凍結させ、後になって使用することができる。ある特定の実施形態では、試料を患者から本明細書に記載の特定の疾患の診断直後であるがいかなる処置よりも前に採取することができる。さらに、これだけに限定されないが、ナタリズマブ、エファリズマブ、抗ウイルス剤、化学療法、放射線、免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸、およびFK506、抗体、または他の免疫除去剤、例えば、CAMPATH、抗CD3抗体、シトキサン、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228などの薬剤、および照射を用いた処置を含めた、任意の数の関連する処置モダリティの前に、対象からの血液試料またはアフェレーシスから細胞を単離することができる。これらの薬物は、カルシウム依存性ホスファターゼカルシニューリンを阻害するもの(シクロスポリンおよびFK506)であるかまたは成長因子により誘導されるシグナル伝達に重要なp70S6キナーゼを阻害するもの(ラパマイシン)である(99~101)。ある特定の実施形態では、患者から細胞を単離し、骨髄または幹細胞移植、フルダラビンなどの化学療法剤、外部照射法(XRT)、シクロホスファミド、またはOKT3もしくはCAMPATHに対する抗体を使用したT細胞除去治療と併せて(例えば、その前に、それと同時にまたはその後に)後で使用するために凍結させることができる。ある特定の実施形態では、細胞を事前に単離することができ、CD20と反応する薬剤、例えばリツキサンなどのB細胞除去治療後の処置に後で使用するために凍結させることができる。
【0230】
本発明のある特定の実施形態では、リンパ球を患者から処置後すぐに得ることができる。この点について、ある特定のがん処置、特に、免疫系に損傷を与える薬物を用いた処置後、処置の直後の患者が通常処置から回復している期間中に得られるリンパ球の質がex vivoで増大する能力に関して最適であるまたは改善されたものであり得ることが観察されている。同様に、本明細書に記載の方法を使用したex vivo操作後、これらの細胞は生着の増強およびin vivo増大に関して好ましい状態であり得る。したがって、本発明の状況の範囲内では、この回復期の間にリンパ球、樹状細胞、または造血系列の他の細胞を含めた血液細胞を採取することが意図されている。さらに、ある特定の実施形態では、特定の細胞型の再増殖(repopulation)、再循環、再生、および/または増大が有利である、特に、治療後の定義された時間枠の間にある対象の状態を作り出すために、動員(例えば、GM-CSFによる動員)およびコンディショニングレジメンを使用することができる。例示的な細胞型としては、T細胞、NK細胞、B細胞、樹状細胞、および他の免疫系の細胞が挙げられる。
【0231】
本発明は、1つまたは複数のIRP、および必要に応じてCARをコードするポリヌクレオチド配列を含む1つまたは複数の合成ポリヌクレオチドを包含する。所望の分子をコードする合成ポリヌクレオチドは、例えば、遺伝子を発現する細胞由来のライブラリーをスクリーニングすることによって、遺伝子を含むことが分かっているベクターから遺伝子を引き出すことによって、または標準の技法を使用して遺伝子を含有する細胞および組織から直接単離することによってなど、当技術分野で公知の組換え方法を使用して得ることができる。あるいは、目的の遺伝子をクローニングではなく合成により作製することができる。
【0232】
本発明は、本発明の合成ポリヌクレオチドを挿入することができるベクターも提供する。レンチウイルスなどのレトロウイルスに由来するベクターは、導入遺伝子の長期間の安定な組込みおよび娘細胞におけるその伝達を可能にするので、長期間の遺伝子移入を実現するために適したツールである。レンチウイルスベクターは、マウス白血病ウイルスなどのオンコレトロウイルスに由来するベクターと比べて、肝細胞などの非増殖性細胞に形質導入することができるというさらなる有利な点を有する。レンチウイルスベクターは、また、免疫原性が低いというさらなる有利な点も有する。
【0233】
「ベクター」は、単離された核酸を含み、単離された核酸を細胞の内部に送達するために使用することができる合成物(composition of matter)である。これだけに限定されないが、直鎖状ポリヌクレオチド、イオン性または両親媒性化合物に関連するポリヌクレオチド、プラスミド、およびウイルスを含めた多数のベクターが当技術分野で公知である。したがって、「ベクター」という用語は、自律複製するプラスミドまたはウイルスを含む。この用語はまた、例えば、ポリリシン化合物、リポソームなどのような、細胞への核酸の移入を容易にする非プラスミドおよび非ウイルス化合物を含むとも解釈されるべきである。ウイルスベクターの例としては、これだけに限定されないが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙げられる。
【0234】
簡潔に要約すると、IRP、および必要に応じてCARをコードする天然または合成ポリヌクレオチドの発現は、一般には、IRPまたは必要に応じてCARポリペプチドもしくはその一部をコードするポリヌクレオチドをプロモーターに作動可能に連結し、構築物を発現ベクターに組み入れることによって実現される。ベクターは、真核生物における複製および/または組込みに適し得る。典型的なクローニングベクターは、転写および翻訳ターミネーター、開始配列、および所望のポリヌクレオチドの発現の調節に有用なプロモーターを含有する。
【0235】
「発現ベクター」は、発現させるヌクレオチド配列に機能的に連結した発現制御配列を含む組換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターは、発現のための十分なシス作用性エレメントを含む;発現のための他のエレメントは、宿主細胞によって、またはin vitro発現系で供給することができる。発現ベクターは、組換えポリヌクレオチドを組み入れるコスミド、プラスミド(例えば、ネイキッドまたはリポソーム中に含有されたもの)ならびにウイルス(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス)などの当技術分野で公知のもの全てを含む。
【0236】
本発明の発現構築物を、標準の遺伝子送達プロトコールを使用した核酸免疫および遺伝子治療に使用することもできる。遺伝子送達の方法は当技術分野で公知である。
【0237】
IRP、および必要に応じてCARをコードする合成ポリヌクレオチドを、多数の型のベクターにクローニングすることができる。例えば、ポリヌクレオチドを、これだけに限定されないが、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス、およびコスミドを含めたベクターにクローニングすることができる。特に興味深いベクターとしては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、および配列決定ベクターが挙げられる。
【0238】
さらに、発現ベクターをウイルスベクターの形態で細胞に提供することができる。ウイルスベクター技術は当技術分野で周知であり、例えば、Sambrook et al, (2001, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York)、および他のウイルス学および分子生物学マニュアルに記載されている。ベクターとして有用なウイルスとしては、これだけに限定されないが、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、およびレンチウイルスが挙げられる。一般に、適切なベクターは、少なくとも1つの生物体において機能的な複製起点、プロモーター配列、都合のよい制限エンドヌクレアーゼ部位、および1つまたは複数の選択マーカーを含有する(例えば、WO01/96584;WO01/29058;および米国特許第6,326,193号)。
【0239】
哺乳動物細胞への遺伝子移入のための多数のウイルスに基づく系が開発されている。例えば、レトロウイルスにより、遺伝子送達系のための都合のよいプラットフォームがもたらされる。当技術分野で公知の技法を使用して、選択された遺伝子をベクターに挿入し、レトロウイルス粒子にパッケージングすることができる。次いで、組換えウイルスを単離し、対象の細胞にin vivoまたはex vivoのいずれかで送達することができる。多数のレトロウイルス系が当技術分野で公知である。本発明の範囲内では、アデノウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターを使用することが好ましい。
【0240】
追加のプロモーターエレメント、例えばエンハンサーを使用して、転写開始の頻度を調節することができる。一般には、これらは開始部位の30~110bp上流の領域に位置するが、多数のプロモーターが機能的なエレメントを開始部位の下流にも含有することが最近示された。プロモーターエレメント間の間隔は柔軟である頻度が高く、したがって、エレメントが互いに対して逆になるまたは移動した場合にもプロモーター機能は保存され得る。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、プロモーターエレメント間の間隔は、活性が低下し始める前には50bp離れるまで増加し得る。プロモーターに応じて、個々のエレメントは、転写を活性化するために協同してまたは独立に機能し得ることは明らかである。
【0241】
適切なプロモーターの1つの例は、最初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列である。このプロモーター配列は、機能的に連結した任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を駆動することができる強力な構成的プロモーター配列である。適切なプロモーターの別の例は、伸長成長因子-1α(EF-1α)である。しかし、これだけに限定されないが、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長鎖末端反復配列(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン・バーウイルス最初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ならびに、これだけに限定されないが、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、およびクレアチンキナーゼプロモーターなどのヒト遺伝子プロモーターを含めた他の構成的プロモーター配列も使用することができる。さらに、本発明は、構成的プロモーターの使用に限定されるべきではなく、誘導性プロモーターも本発明の一部として意図されている。誘導性プロモーターの使用により、機能的に連結しているポリヌクレオチド配列の発現を、そのような発現が望まれる場合にはオンにし、発現が望まれない場合には発現をオフにすることができる分子スイッチがもたらされる。誘導性プロモーターの例としては、これだけに限定されないが、メタロチオネイン(metallothionine)プロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、およびテトラサイクリンプロモーターが挙げられる。
【0242】
IRPまたは必要に応じてCARポリペプチドもしくはその一部の発現を評価するために、細胞に導入される発現ベクターは、ウイルスベクターを介してトランスフェクトまたは感染させようとする細胞の集団から発現細胞を同定および選択することを容易にするために、選択マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子のいずれかまたはその両方も含有し得る。他の実施形態では、選択マーカーを別のDNA片に載せ、共トランスフェクション手順に使用することができる。選択マーカーおよびレポーター遺伝子のどちらも、宿主細胞における発現を可能にするために適当な調節配列と隣接し得る。有用な選択マーカーとしては、例えば、neoなどのような抗生物質耐性遺伝子が挙げられる。
【0243】
レポーター遺伝子は、潜在的にトランスフェクトされた細胞を同定するため、および調節配列の機能性を評価するために使用される。一般に、レポーター遺伝子は、レシピエント生物体もしくは組織には存在しないまたはレシピエント生物体もしくは組織では発現されない、いくつかの容易に検出可能な特性、例えば、酵素活性によって発現が顕在化するポリペプチドをコードする遺伝子である。レポーター遺伝子の発現をDNAがレシピエント細胞に導入された後の適切な時点でアッセイすることができる。適切なレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼをコードする遺伝子、ベータガラクトシダーゼをコードする遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、分泌型アルカリホスファターゼをコードする遺伝子、または緑色蛍光タンパク質遺伝子を含み得る(Ui-Tei et al., 2000, FEBS Letters; 479: 79-82)。適切な発現系は周知であり、公知の技法を使用して調製することもでき、商業的に入手することもできる。
【0244】
遺伝子を細胞に導入し、発現させる方法は当技術分野で公知である。発現ベクターに関しては、ベクターを宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞、細菌細胞、酵母細胞、または昆虫細胞に当技術分野における任意の方法によって容易に導入することができる。例えば、発現ベクターを宿主細胞に物理的手段、化学的手段、または生物学的手段によって移入することができる。
【0245】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための物理的手段としては、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、粒子衝撃、微量注射、電気穿孔などが挙げられる。ベクターおよび/または外因性ポリヌクレオチドを含む細胞を作製する方法は当技術分野で周知である。例えば、Sambrook et al.(2001, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York)を参照されたい。ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための好ましい方法はリン酸カルシウムトランスフェクションである。
【0246】
目的のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための生物学的方法としては、DNAおよびRNAベクターの使用が挙げられる。ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクターは、遺伝子を哺乳動物、例えば、ヒト細胞に挿入するための最も広く使用される方法になっている。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスなどに由来するものであり得る。例えば、米国特許第5,350,674号および同第5,585,362号を参照されたい。
【0247】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための化学的手段としては、高分子の複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型エマルション、ミセル、混合ミセルおよびリポソームを含めた脂質に基づく系などのコロイド分散系が挙げられる。in vitroおよびin vivoにおける送達ビヒクルとして使用するための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。非ウイルス送達系を利用する場合では、例示的な送達ビヒクルはリポソームであり得る。ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための脂質製剤の使用が意図されている(in vitro、ex vivoまたはin vivo)。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは脂質と会合し得る。脂質と会合したポリヌクレオチドは、リポソームの水性内部にカプセル封入され得るか、リポソームの脂質二重層内に散在し得るか、リポソームとポリヌクレオチドの両方に会合した連結分子を介してリポソームに付着し得るか、リポソーム内に捕捉され得るか、リポソームと複合体を形成し得るか、脂質を含有する溶液中に分散し得るか、脂質と混合し得るか、脂質と組み合わされ得るか、脂質中に懸濁液として含有され得るか、ミセルに含有されるもしくはミセルと複合体を形成し得るか、または他のやり方で脂質と会合し得る。脂質、脂質/DNAまたは脂質/発現ベクターを伴う組成物は、溶液中のいかなる特定の構造に限定されない。例えば、当該組成物は、ミセルとして、または「崩壊した」構造を有する二重層構造で存在し得る。当該組成物はまた、単に溶液中に散在し、場合によってサイズまたは形状が均一でない凝集体を形成していてもよい。脂質は、天然に存在する脂質であっても合成脂質であってもよい脂肪性物質である。例えば、脂質は、細胞質内に天然に存在する脂肪性液滴ならびに長鎖脂肪族炭化水素およびそれらの誘導体を含有する化合物のクラス、例えば、脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、およびアルデヒドを含む。
【0248】
使用に適した脂質は、商業的供給源から入手することができる。例えば、ジミリスチルホスファチジルコリン(「DMPC」)をSigma、St.Louis、MOから入手することができ、リン酸ジセチル(「DCP」)をK&K Laboratories(Plainview、NY)から入手することができ、コレステロール(「Choi」)をCalbiochem-Behringから入手することができ、ジミリスチルホスファチジルグリセロール(「DMPG」)および他の脂質をAvanti Polar Lipids,Inc.(Birmingham、AL)から入手することができる。脂質のクロロホルムまたはクロロホルム/メタノール中ストック溶液を約-20℃で保管することができる。クロロホルムはメタノールよりも容易に蒸発するので、唯一の溶媒として使用することができる。「リポソーム」は、封入された脂質二重層または凝集体の生成によって形成される種々の単一および多重膜脂質ビヒクルを包含する一般用語である。リポソームは、リン脂質二分子膜と内部の水性媒体とを有する小胞構造を有すると特徴付けることができる。多重膜リポソームは、水性媒体によって分離された複数の脂質層を有する。これらはリン脂質を過剰な水溶液に懸濁すると自発的に形成される。脂質構成成分は自己再構成を受けた後に閉じた構造を形成し、水および溶解した溶質を脂質二重層の間に閉じ込める(Ghosh et al., 1991, Glycobiology; 5; 505-10)。しかし、溶液中で通常の小胞構造とは異なる構造を有する組成物も包含される。例えば、脂質は、ミセル構造が想定され得るまたはただ単に脂質分子の不均一な凝集体として存在する。リポフェクタミン-核酸複合体も意図されている。
【0249】
「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」という用語は、本明細書で使用される場合、外因性核酸が宿主細胞に移入または導入されるプロセスを指す。「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」細胞は、外因性核酸を用いてトランスフェクトされた、形質転換されたまたは形質導入された細胞である。細胞は、対象の初代細胞およびその後代を含む。
【0250】
外因性合成ポリヌクレオチドの宿主細胞への導入に使用される方法にかかわらず、宿主細胞における組換えDNA配列の存在を確認するために、種々のアッセイを実施することができる。そのようなアッセイとしては、例えば、サザンプロット法およびノーザンブロット法、RT-PCRおよびPCRなどの当業者に周知の「分子生物学的」アッセイ;特定のペプチドの存在または非存在を、例えば免疫学的手段(ELISA、ウエスタンブロット、フローサイトメトリー)によって、または本発明の範囲内に入る薬剤を同定するための本明細書に記載のアッセイによって検出することなどの「生化学的」アッセイが挙げられる。
【0251】
別の実施形態では、本発明は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする合成ポリヌクレオチドと少なくとも1つの鉄調節タンパク質をコードする合成ポリヌクレオチドを組み合わせ、特に、少なくとも1つの鉄調節タンパク質がIRP1および/またはIRP2である、本発明による方法に関する。
【0252】
キメラ抗原受容体と少なくとも1つのIRPは、互いに連続しておらず、直接接続していない別々の合成ポリヌクレオチドにコードされ得る。この場合、少なくとも1つのIRPをコードする合成ポリヌクレオチドとCARをコードする合成ポリヌクレオチドを、同じ方法または異なる方法を使用して、細胞に別々に導入することができる。あるいは、少なくとも1つのIRPをコードする遺伝子(複数可)およびCARをコードする遺伝子を単一の合成ポリヌクレオチドにおいて組み合わせることができる。2つの合成ポリヌクレオチドは、組み合わさった合成ポリヌクレオチドが2つの別々の合成ポリペプチドにコードされる遺伝子を全て含む場合、組み合わされていると言える。
【0253】
例えば、少なくとも1つのIRPおよびCARをコードする遺伝子をリンパ球にウイルスによる形質導入によって組み込むことが計画されている場合、少なくとも1つのIRPをコードする遺伝子(複数可)およびCARをコードする遺伝子を別々のウイルスベクターに含めることもでき、単一のウイルスベクターに組み合わせることもできる。
【0254】
さらに別の実施形態では、本発明は、リンパ球を、1つまたは複数の合成ポリヌクレオチドをリンパ球に導入する前、またはその後に活性化する、本発明による方法に関する。
【0255】
リンパ球を少なくとも1つのIRPまたは必要に応じて望ましいCARを発現するように遺伝子改変する前であるかその後であるかにかかわらず、リンパ球を対象への投与前に活性化し、増大させることができる。異なる型のリンパ球を活性化するために特定の条件が必要であることは当業者には知られている。
【0256】
NK細胞を活性化する方法は当業者には知られている。例えば、本明細書に記載のNK細胞を、IL-15および/またはIL-12および/またはIL-18を補充した、血清(例えば、ウシ胎仔血清、ヒト血清またはウマ血清)を含めた増殖および生存能に必要な因子を含み得る適当な培地(例えば、最小必須培地またはRPMI培地1640またはX-vivo 15、(Lonza)、CellGro培地(Cellgenix)、IMDM(Gibco))で培養することによって活性化することができる。NK細胞の活性化は、培地にIL-2を補充することによっても実現することができる。フィーダー細胞系を培養物に添加することによってNK細胞の活性化を改良することができる。NK細胞の活性化のための適当なフィーダー細胞系は、がん細胞系、遺伝子改変K562細胞、またはEBVにより形質転換されたリンパ芽球様細胞系もしくは自己末梢血単核細胞(照射処理したもの)である。
【0257】
一般に、本明細書に記載のT細胞は、CD3/TCR複合体関連シグナルを刺激する薬剤およびT細胞の表面上の共刺激分子を刺激するリガンドを付着させた表面との接触によって活性化することができる。具体的には、T細胞集団を、表面上に固定した抗CD3抗体もしくはその抗原結合断片、もしくは抗CD2抗体と接触させることによって、または、プロテインキナーゼC活性化因子(例えば、ブリオスタチン)と、カルシウムイオノフォアと併せて接触させることによって刺激することができる。T細胞の表面上のアクセサリー分子の共刺激のために、アクセサリー分子に結合するリガンドを使用することができる。例えば、T細胞の集団を抗CD3抗体および抗CD28抗体と、T細胞の増殖を刺激するために適当な条件下で接触させることができる。CD4+T細胞またはCD8+T細胞のいずれかの増殖を刺激するために、抗CD3抗体および抗CD28抗体を使用することができる。抗CD28抗体である9.3、B-T3、XR-CD28(Diaclone、Besancon、France)を使用することができ、同様に当技術分野で公知の他の方法を使用することができる(Berg et al., 1998, Transplant Proc; 30(8): 3975-3977; Haanen et al., 1999, J. Exp. Med; 190: 13191328; Garland et al., 1999, J. Immunol Meth. 227: 53-63)。
【0258】
T細胞に対する一次刺激シグナルおよび共刺激シグナルは異なるプロトコールによってもたらすことができる。例えば、各シグナルをもたらす薬剤は溶液であっても表面にカップリングされていてもよい。表面にカップリングする場合、薬剤を同じ表面にカップリングすることもでき(すなわち、「シス」形成)、別の表面にカップリングすることもできる(すなわち、「トランス」形成)。あるいは、一方の薬剤を表面にカップリングし、他方の薬剤は溶液とすることもできる。例えば、共刺激シグナルをもたらす薬剤を表面に結合することができ、一次活性化シグナルをもたらす薬剤は溶液とするかまたは表面にカップリングすることができる、または両方の薬剤を溶液とすることができる。あるいは、薬剤は可溶性形態であってよく、次いで、Fc受容体または抗体または薬剤に結合する他の結合剤を発現する細胞などの表面に架橋結合させることができる。この点に関しては、例えば、T細胞の活性化および増大における使用が意図されている人工抗原提示細胞(aAPC)に関する米国特許出願公開第20040101519号および同第20060034810号を参照されたい。
【0259】
2つの薬剤をビーズに、同じビーズ上に、すなわち「シス」で、または別々のビーズに、すなわち「トランス」でのいずれかで固定する。例として、一次活性化シグナルをもたらす薬剤は抗CD3抗体またはその抗原結合断片であり得、共刺激シグナルをもたらす薬剤は抗CD28抗体またはその抗原結合断片であり得、両方の薬剤を同じビーズに等価の分子量で共固定することができる。例えば、CD4+T細胞増大およびT細胞成長のためのビーズに結合させた1:1の比の各抗体を使用することができる。ある特定の場合では、1:1の比を使用して観察されるT細胞増大と比較してT細胞増大の増加が観察されるような、ビーズに結合させた抗CD3:CD28抗体の比を使用することができる。1:1の比を使用して観察される増大と比較して約1倍から約3倍までの増加を観察することができる。ビーズに結合させたCD3:CD28抗体の比は、100:1から1:100まで、およびその間の全ての整数値にわたる。ある場合では、抗CD28抗体を抗CD3抗体よりも多く粒子に結合させることができる、すなわち、CD3:CD28の比を1未満にすることができる。ある特定の場合では、ビーズに結合させた抗CD28抗体と抗CD3抗体の比を2:1よりも大きくすることができる。例えば、CD3:CD28比1:100でビーズに結合させた抗体を使用することができる、CD3:CD28比1:75でビーズに結合させた抗体を使用することができる、CD3:CD28比1:50でビーズに結合させた抗体を使用することができる、CD3:CD28比1:30でビーズに結合させた抗体を使用することができる、CD3:CD28比1:10でビーズに結合させた抗体を使用することができる、またはCD3:CD28比1:3でビーズに結合させた抗体を使用することができる。あるいは、CD3:CD28比3:1でビーズに結合させた抗体を使用することができる。
【0260】
T細胞または他の標的細胞を刺激するために、1:500から500:1まで、およびその間のあらゆる整数値にわたる細胞に対する粒子の比を使用することができる。当業者には容易に理解される通り、細胞に対する粒子の比は、標的細胞に対する粒子サイズに依存し得る。例えば、サイズの小さいビーズは少数の細胞としか結合することができないが、より大きなビーズは多くの細胞と結合することができる。T細胞刺激をもたらす、抗CD3とカップリングした粒子および抗CD28とカップリングした粒子のT細胞に対する比は上記の通り変動し得るが、ある特定の好ましい値は、1:100、1:50、1:40、1:30、1:20、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、および15:1を含み、1つの好ましい比は少なくとも1:1のT細胞当たりの粒子である。あるいは、1:1またはそれ未満の細胞に対する粒子の比を使用することができる。好ましい粒子:細胞比は1:5であり得る。細胞に対する粒子の比は、刺激日に応じて変動し得る。例えば、細胞に対する粒子の比は初日には1:1から10:1までであり得、その後、最大10日間、毎日または1日おきに、追加の粒子を細胞に添加することができ、最終的な比は1:1から1:10までになる(添加日の細胞計数に応じて)。あるいは、細胞に対する粒子の比は刺激の初日には1:1であり、刺激の3日目および5日目に1:5に調整することができる。別の場合には、最終的な比が初日に1:1、および刺激の3日目および5日目に1:5になるように、粒子を毎日または1日おきに添加することができる。別の場合には、細胞に対する粒子の比は、刺激の初日には2:1であり、刺激の3日目および5日目に1:10に調整することができる。別の場合には、最終的な比が初日に1:1であり、刺激の3日目および5日目に1:10になるように、粒子を毎日または1日おきに添加することができる。種々の他の比が本発明における使用に適し得ることが当業者には理解されよう。特に、比は、粒子サイズならびに細胞サイズおよび型に応じて変動する。
【0261】
T細胞を、薬剤をコーティングしたビーズと組み合わせることができ、その後、ビーズおよび細胞を分離することができ、次いで、細胞を培養することができる。あるいは、培養前に、薬剤をコーティングしたビーズと細胞は分離しなくてよいが、一緒に培養することができる。さらなる場合では、ビーズおよび細胞をまず、磁気力などの力を適用することによって濃縮することができ、その結果、細胞表面マーカーのライゲーションが増加し、それにより、細胞刺激が誘導される。
【0262】
細胞(例えば、10~10個のT細胞)とビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T常磁性ビーズ、1:1の比)を、バッファー、好ましくはPBS(カルシウムおよびマグネシウムなどの二価カチオンを伴わない)中に組み合わせることができる。再度、使用することができる任意の細胞濃度を当業者は容易に理解することができる。細胞と粒子の最大の接触を確実にするために、粒子と細胞を一緒に混合する体積を有意に減少させること(すなわち、細胞の濃度を上昇させること)が望ましい場合がある。例えば、1mL当たり細胞約20億個の濃度を使用することができる。別の場合には、1mL当たり細胞1億個よりも高い濃度を使用することができる。さらなる場合では、1mL当たり細胞1,000万個、1,500万個、2,000万個、2,500万個、3,000万個、3,500万個、4,000万個、4,500万個、または5,000万個という細胞の濃度を使用することができる。さらに別の場合では、1mL当たり細胞7,500万個、8,000万個、8,500万個、9,000万個、9,500万個、または1億個の細胞の濃度を使用することができる。さらなる場合では、1mL当たり細胞1億2,500万個または1億5,000万個という濃度を使用することができる。高濃度を使用することにより、細胞収量、細胞活性化、および細胞増大の増加をもたらすことができる。さらに、高細胞濃度の使用により、CD28陰性T細胞などの、目的の標的抗原を弱く発現する可能性がある細胞のより効率的な捕捉を可能にすることができる。ある特定の実施形態では、そのような細胞の集団には治療的価値があり、得ることが望ましい。例えば、高濃度の細胞を使用することにより、通常CD28発現が弱いCD8+T細胞のより効率的な選択を可能にすることができる。
【0263】
混合物を数時間(約3時間)から約14日間まで、またはその間の任意の1時間ごとの整数値にわたって培養することができる。混合物を21日間培養することができる。ある場合では、ビーズとT細胞を一緒に約8日間培養することができる。別の場合には、ビーズとT細胞を一緒に2~3日間培養することができる。いくつかのサイクルの刺激も望ましい場合があり、したがって、T細胞の培養時間は60日間またはそれよりも長い場合がある。
【0264】
種々の刺激時間に曝露させたT細胞は異なる特徴を示し得る。例えば、典型的な血液またはアフェレーシス処理された末梢血単核細胞生成物は、ヘルパーT細胞集団(TH、CD4+)を細胞傷害性またはサプレッサーT細胞集団(TC、CD8+)よりも多く有する。CD3およびCD28受容体を刺激することによるT細胞のex vivo増大により、約8~9日目よりも前は優勢にTH細胞からなるT細胞の集団が生じるが、その一方、約8~9日目よりも後はT細胞の集団はますます多くのTC細胞の集団を含む。したがって、処置の目的に応じて、TH細胞を優勢に含むT細胞集団を対象に注入することが有利であり得る。同様に、TC細胞の抗原特異的サブセットが単離された場合には、このサブセットをより大きい程度まで増大させることが有益であり得る。
【0265】
さらに、CD4およびCD8マーカーに加えて、他の表現型のマーカーも有意に変動するが、細胞増大プロセスの過程中は大部分は再現性がよい。したがって、そのような再現性により、活性化T細胞生成物を特定の目的のために調整できるようになる。
【0266】
リンパ球培養に適した条件は、血清(例えば、ウシ胎仔血清、ヒト血清またはウマ血清)、インターロイキン2(IL-2)、インスリン、IFN-γ、IL-4、IL-7、GM-CSF、IL-10、IL-12、IL-15、IL-18、TGFβ、およびTNF-αまたは当業者に公知の細胞成長用の任意の他の添加剤を含めた増殖および生存能に必要な因子を含有し得る適当な培地(例えば、最小必須培地またはRPMI培地1640またはX-vivo 15、(Lonza)、CellGro培地(Cellgenix)、IMDM(Gibco))を含む。細胞の成長用の他の添加剤としては、これだけに限定されないが、界面活性物質、プラスマネート、ならびN-アセチル-システインおよび2-メルカプトエタノールなどの還元剤を挙げることができる。培地としては、アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、およびビタミンを添加し、無血清であるかまたは適量の血清(もしくは血漿)または規定されたホルモンのセット、および/またはNK細胞およびT細胞の成長および増大に十分な量のサイトカイン(複数可)を補充するかのいずれかである、RPMI 1640、AIM-V、DMEM、MEM、α-MEM、F-12、X-Vivo 15、X-Vivo 20、IMDMおよびCellGro、Optimizerを挙げることができる。抗生物質、例えば、ペニシリンおよびストレプトマイシンは実験培養物にのみ含めることができ、対象に注入される細胞の培養には含めることはできない。リンパ球を、成長を支持するために必要な条件下で、例えば、適当な温度(例えば、37℃)および雰囲気(例えば、空気+5%CO2)の下で維持することができる。
【0267】
さらなる実施形態では、本発明は、少なくとも1つの合成ポリヌクレオチドをリンパ球に、ウイルスによる形質導入によって、特にレンチウイルスによる形質導入によって導入する、本発明による方法に関する。
【0268】
上記の通り、少なくとも1つのIRPおよび必要に応じてCARをコードする合成ポリヌクレオチド(複数可)をリンパ球に当技術分野で公知の任意の方法によって導入することができる。しかし、上記のウイルスによる形質導入によって合成ポリヌクレオチド(複数可)をリンパ球に導入することが好ましい。合成ポリヌクレオチドをリンパ球に導入するために使用されるウイルスベクターはレンチウイルスベクターであることがより好ましい。ウイルスベクターは通常、宿主細胞のゲノム内のランダムな位置に組み込まれるので、合成ポリヌクレオチドは少なくとも1つのIRPをコードする遺伝子、および少なくとも1つのIRPをコードする遺伝子を宿主細胞において発現させるために必要な調節エレメントを含むことが好ましい。
【0269】
「レンチウイルス」は、本明細書で使用される場合、Retroviridae科の属を指す。レンチウイルスは、非分裂細胞に感染することができるという点でレトロウイルスの中で独特である。レンチウイルスは、有意な量の遺伝情報を宿主細胞のDNAに送達することができ、したがって、遺伝子送達ベクターの最も効率的な方法の1つである。HIV、SIV、およびFIVがレンチウイルスの全ての例である。レンチウイルスに由来するベクターにより、in vivoにおける有意なレベルの遺伝子移入を実現するための手段がもたらされる。
【0270】
一実施形態では、本発明は、CARをコードする合成ポリヌクレオチドを、IRP1および/またはIRP2をコードする合成ポリヌクレオチドと転写的に連結する、本発明による方法に関する。
【0271】
一実施形態では、本発明は、CARをコードする合成ポリヌクレオチドとIRP1および/またはIRP2をコードするポリヌクレオチドを自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチドによって連結する、本発明による方法に関する。
【0272】
一実施形態では、本発明は、自己切断ペプチドが、2A自己切断ペプチドである、本発明による方法に関する。
【0273】
一実施形態では、本発明は、自己切断ペプチドが、T2Aである、本発明による方法に関する。
【0274】
一実施形態では、本発明は、1つまたは複数の合成ポリヌクレオチドをリンパ球に、ウイルスによる形質導入によって導入する、本発明による方法に関する。
【0275】
一実施形態では、本発明は、ウイルスによる形質導入を、本明細書に提示される実施形態のいずれかによるウイルスベクターを用いて実施する、本発明による方法に関する。
【0276】
IRP1および/またはIRP2、ならびに必要に応じてCARをコードする合成ポリヌクレオチド、プロモーターおよび/またはさらなる調節エレメント(例えば、IRESまたは自己切断ペプチドをコードするポリヌクレオチド)の例は本明細書の他の箇所で開示されており、特許請求された方法に必要な変更を加えて適用される。本発明によるウイルスベクターを本発明による方法において使用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0277】
図1A-C】図1:ナイーブNK細胞およびサイトカインによって増強されたNK細胞はIFN-γ産生に関して同様に解糖に依拠する。 (A)CE NK細胞を生成するために使用した実験の概略図。(B)刺激していない(刺激なし(no stim))NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=18ドナー)。(C)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞(またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における群の関係を示すトランスクリプトームデータのPCA。分散成分の割合がパーセンテージとして表されている(n=5ドナー)。(E)トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞からの解糖遺伝子をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(F)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の代表的なミトコンドリア摂動アッセイ(mitochondrial perturbation assay)。解糖(細胞外酸性化速度-ECAR)をオリゴマイシン、FCCP、およびロテノンの注射後に「Seahorse」で測定した。下のパネル:ミトコンドリア摂動アッセイによって測定された、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるECARの基底速度および最大速度(平均±SEM、n=12ドナー)。(G)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みのGMFI(平均±SEM、n=15ドナー)。(H)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるIFNG mRNAの発現。18S mRNAレベルと比べた転写レベルを決定し、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞に対して正規化した(平均±SEM、n=6ドナー)。(I)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=6ドナー)。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞または10mMのグルコースの下で、および2mMのグルコースの下でIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=5ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(C、F、H、I)または線形回帰分析(B、G、H、I)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図1D-E】図1:ナイーブNK細胞およびサイトカインによって増強されたNK細胞はIFN-γ産生に関して同様に解糖に依拠する。 (A)CE NK細胞を生成するために使用した実験の概略図。(B)刺激していない(刺激なし(no stim))NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=18ドナー)。(C)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞(またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における群の関係を示すトランスクリプトームデータのPCA。分散成分の割合がパーセンテージとして表されている(n=5ドナー)。(E)トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞からの解糖遺伝子をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(F)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の代表的なミトコンドリア摂動アッセイ(mitochondrial perturbation assay)。解糖(細胞外酸性化速度-ECAR)をオリゴマイシン、FCCP、およびロテノンの注射後に「Seahorse」で測定した。下のパネル:ミトコンドリア摂動アッセイによって測定された、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるECARの基底速度および最大速度(平均±SEM、n=12ドナー)。(G)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みのGMFI(平均±SEM、n=15ドナー)。(H)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるIFNG mRNAの発現。18S mRNAレベルと比べた転写レベルを決定し、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞に対して正規化した(平均±SEM、n=6ドナー)。(I)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=6ドナー)。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞または10mMのグルコースの下で、および2mMのグルコースの下でIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=5ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(C、F、H、I)または線形回帰分析(B、G、H、I)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図1F図1:ナイーブNK細胞およびサイトカインによって増強されたNK細胞はIFN-γ産生に関して同様に解糖に依拠する。 (A)CE NK細胞を生成するために使用した実験の概略図。(B)刺激していない(刺激なし(no stim))NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=18ドナー)。(C)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞(またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における群の関係を示すトランスクリプトームデータのPCA。分散成分の割合がパーセンテージとして表されている(n=5ドナー)。(E)トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞からの解糖遺伝子をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(F)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の代表的なミトコンドリア摂動アッセイ(mitochondrial perturbation assay)。解糖(細胞外酸性化速度-ECAR)をオリゴマイシン、FCCP、およびロテノンの注射後に「Seahorse」で測定した。下のパネル:ミトコンドリア摂動アッセイによって測定された、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるECARの基底速度および最大速度(平均±SEM、n=12ドナー)。(G)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みのGMFI(平均±SEM、n=15ドナー)。(H)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるIFNG mRNAの発現。18S mRNAレベルと比べた転写レベルを決定し、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞に対して正規化した(平均±SEM、n=6ドナー)。(I)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=6ドナー)。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞または10mMのグルコースの下で、および2mMのグルコースの下でIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=5ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(C、F、H、I)または線形回帰分析(B、G、H、I)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図1G図1:ナイーブNK細胞およびサイトカインによって増強されたNK細胞はIFN-γ産生に関して同様に解糖に依拠する。 (A)CE NK細胞を生成するために使用した実験の概略図。(B)刺激していない(刺激なし(no stim))NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=18ドナー)。(C)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞(またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における群の関係を示すトランスクリプトームデータのPCA。分散成分の割合がパーセンテージとして表されている(n=5ドナー)。(E)トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞からの解糖遺伝子をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(F)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の代表的なミトコンドリア摂動アッセイ(mitochondrial perturbation assay)。解糖(細胞外酸性化速度-ECAR)をオリゴマイシン、FCCP、およびロテノンの注射後に「Seahorse」で測定した。下のパネル:ミトコンドリア摂動アッセイによって測定された、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるECARの基底速度および最大速度(平均±SEM、n=12ドナー)。(G)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みのGMFI(平均±SEM、n=15ドナー)。(H)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるIFNG mRNAの発現。18S mRNAレベルと比べた転写レベルを決定し、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞に対して正規化した(平均±SEM、n=6ドナー)。(I)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=6ドナー)。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞または10mMのグルコースの下で、および2mMのグルコースの下でIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=5ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(C、F、H、I)または線形回帰分析(B、G、H、I)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図1H-I】図1:ナイーブNK細胞およびサイトカインによって増強されたNK細胞はIFN-γ産生に関して同様に解糖に依拠する。 (A)CE NK細胞を生成するために使用した実験の概略図。(B)刺激していない(刺激なし(no stim))NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=18ドナー)。(C)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞(またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における群の関係を示すトランスクリプトームデータのPCA。分散成分の割合がパーセンテージとして表されている(n=5ドナー)。(E)トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞からの解糖遺伝子をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(F)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の代表的なミトコンドリア摂動アッセイ(mitochondrial perturbation assay)。解糖(細胞外酸性化速度-ECAR)をオリゴマイシン、FCCP、およびロテノンの注射後に「Seahorse」で測定した。下のパネル:ミトコンドリア摂動アッセイによって測定された、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるECARの基底速度および最大速度(平均±SEM、n=12ドナー)。(G)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるNBDG取り込みのGMFI(平均±SEM、n=15ドナー)。(H)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるIFNG mRNAの発現。18S mRNAレベルと比べた転写レベルを決定し、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞に対して正規化した(平均±SEM、n=6ドナー)。(I)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=6ドナー)。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞または10mMのグルコースの下で、および2mMのグルコースの下でIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞によるIFN-γ産生(平均±SEM、n=5ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(C、F、H、I)または線形回帰分析(B、G、H、I)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
【0278】
図2A図2:活性化されたCE NK細胞は、高レベルの細胞表面CD71および迅速な細胞増殖を特徴とする。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現のMFI(平均±SEM、n=8ドナー)。(B)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFIおよびパーセンテージ(平均±SEM、n=14ドナー)。(C)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6)。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。(E)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=10ドナー)。(F)上のパネル:NV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=13ドナー)。(G)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における細胞周期遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(H)CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIPで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(1μM、10μMおよび50μM)(平均±SEM、刺激なし、IL-12/IL-18およびIL-12/IL-18+BIP 10μMでの刺激についてはn=11ドナー、IL-12/IL-18+BIP 1μMでの刺激についてはn=8ドナー、IL-12/IL-18+BIP 50μMでの刺激についてはn=3ドナー)。(I)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIP 100μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(J)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるPPP遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+6AN 50μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における増殖した細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(F、H、I、J)または線形回帰分析(A、B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図2B-C】図2:活性化されたCE NK細胞は、高レベルの細胞表面CD71および迅速な細胞増殖を特徴とする。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現のMFI(平均±SEM、n=8ドナー)。(B)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFIおよびパーセンテージ(平均±SEM、n=14ドナー)。(C)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6)。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。(E)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=10ドナー)。(F)上のパネル:NV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=13ドナー)。(G)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における細胞周期遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(H)CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIPで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(1μM、10μMおよび50μM)(平均±SEM、刺激なし、IL-12/IL-18およびIL-12/IL-18+BIP 10μMでの刺激についてはn=11ドナー、IL-12/IL-18+BIP 1μMでの刺激についてはn=8ドナー、IL-12/IL-18+BIP 50μMでの刺激についてはn=3ドナー)。(I)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIP 100μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(J)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるPPP遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+6AN 50μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における増殖した細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(F、H、I、J)または線形回帰分析(A、B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図2D-E】図2:活性化されたCE NK細胞は、高レベルの細胞表面CD71および迅速な細胞増殖を特徴とする。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現のMFI(平均±SEM、n=8ドナー)。(B)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFIおよびパーセンテージ(平均±SEM、n=14ドナー)。(C)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6)。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。(E)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=10ドナー)。(F)上のパネル:NV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=13ドナー)。(G)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における細胞周期遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(H)CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIPで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(1μM、10μMおよび50μM)(平均±SEM、刺激なし、IL-12/IL-18およびIL-12/IL-18+BIP 10μMでの刺激についてはn=11ドナー、IL-12/IL-18+BIP 1μMでの刺激についてはn=8ドナー、IL-12/IL-18+BIP 50μMでの刺激についてはn=3ドナー)。(I)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIP 100μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(J)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるPPP遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+6AN 50μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における増殖した細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(F、H、I、J)または線形回帰分析(A、B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図2F図2:活性化されたCE NK細胞は、高レベルの細胞表面CD71および迅速な細胞増殖を特徴とする。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現のMFI(平均±SEM、n=8ドナー)。(B)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFIおよびパーセンテージ(平均±SEM、n=14ドナー)。(C)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6)。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。(E)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=10ドナー)。(F)上のパネル:NV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=13ドナー)。(G)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における細胞周期遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(H)CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIPで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(1μM、10μMおよび50μM)(平均±SEM、刺激なし、IL-12/IL-18およびIL-12/IL-18+BIP 10μMでの刺激についてはn=11ドナー、IL-12/IL-18+BIP 1μMでの刺激についてはn=8ドナー、IL-12/IL-18+BIP 50μMでの刺激についてはn=3ドナー)。(I)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIP 100μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(J)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるPPP遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+6AN 50μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における増殖した細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(F、H、I、J)または線形回帰分析(A、B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図2G-H】図2:活性化されたCE NK細胞は、高レベルの細胞表面CD71および迅速な細胞増殖を特徴とする。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現のMFI(平均±SEM、n=8ドナー)。(B)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFIおよびパーセンテージ(平均±SEM、n=14ドナー)。(C)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6)。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。(E)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=10ドナー)。(F)上のパネル:NV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=13ドナー)。(G)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における細胞周期遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(H)CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIPで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(1μM、10μMおよび50μM)(平均±SEM、刺激なし、IL-12/IL-18およびIL-12/IL-18+BIP 10μMでの刺激についてはn=11ドナー、IL-12/IL-18+BIP 1μMでの刺激についてはn=8ドナー、IL-12/IL-18+BIP 50μMでの刺激についてはn=3ドナー)。(I)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIP 100μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(J)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるPPP遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+6AN 50μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における増殖した細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(F、H、I、J)または線形回帰分析(A、B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図2I-J】図2:活性化されたCE NK細胞は、高レベルの細胞表面CD71および迅速な細胞増殖を特徴とする。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD98発現のMFI(平均±SEM、n=8ドナー)。(B)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFIおよびパーセンテージ(平均±SEM、n=14ドナー)。(C)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=13ドナー)。(D)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6)。右側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはK562で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。(E)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=10ドナー)。(F)上のパネル:NV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=13ドナー)。(G)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における細胞周期遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(H)CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIPで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖のパーセンテージ(1μM、10μMおよび50μM)(平均±SEM、刺激なし、IL-12/IL-18およびIL-12/IL-18+BIP 10μMでの刺激についてはn=11ドナー、IL-12/IL-18+BIP 1μMでの刺激についてはn=8ドナー、IL-12/IL-18+BIP 50μMでの刺激についてはn=3ドナー)。(I)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+BIP 100μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD69発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(J)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるPPP遺伝子(GO:0006098)をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+6AN 50μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における増殖した細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(F、H、I、J)または線形回帰分析(A、B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
【0279】
図3A図3:CD71媒介性鉄取込みおよび食事性鉄の利用可能性がNK細胞機能に影響を及ぼす。(A)上のパネル:脾臓由来のWT NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。左下のパネル:IL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のWT NK1.1+NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。右下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のWT NK1.1+NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、WT NK細胞についてはn=5、TfrcY20H/Y20H NK細胞についてはn=6)。(B)上のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスのMCMV感染実験の概略図。下のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの鉄、フェリチン、UIBC、TIBCの血清中レベル;およびヘマトクリット(平均±SEM、鉄、フェリチン、UIBCおよびTIBCについてはn=8~18、ヘマトクリットについてはn=3)。(C)左側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるCD8+細胞、CD4+細胞、CD19+細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(D)左側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+およびCD62L+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(E)左側のパネル:WT MCMVを感染させた、+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの3dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、データは+鉄飼料を与えたマウスに対して正規化した倍率変化差異として表示されており、横線は中央値を示す、n=10)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えた、MCMVを感染させたΔm157マウスの3dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、データは+鉄飼料を与えたマウスに対して正規化した倍率変化の差異として表示されており、横線は中央値を示す、n=9~10)。(F)WT MCMVを感染させた、+/-飼料(+/- feed)を6週間与えたマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
図3B-C】図3:CD71媒介性鉄取込みおよび食事性鉄の利用可能性がNK細胞機能に影響を及ぼす。(A)上のパネル:脾臓由来のWT NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。左下のパネル:IL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のWT NK1.1+NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。右下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のWT NK1.1+NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、WT NK細胞についてはn=5、TfrcY20H/Y20H NK細胞についてはn=6)。(B)上のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスのMCMV感染実験の概略図。下のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの鉄、フェリチン、UIBC、TIBCの血清中レベル;およびヘマトクリット(平均±SEM、鉄、フェリチン、UIBCおよびTIBCについてはn=8~18、ヘマトクリットについてはn=3)。(C)左側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるCD8+細胞、CD4+細胞、CD19+細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(D)左側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+およびCD62L+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(E)左側のパネル:WT MCMVを感染させた、+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの3dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、データは+鉄飼料を与えたマウスに対して正規化した倍率変化差異として表示されており、横線は中央値を示す、n=10)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えた、MCMVを感染させたΔm157マウスの3dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、データは+鉄飼料を与えたマウスに対して正規化した倍率変化の差異として表示されており、横線は中央値を示す、n=9~10)。(F)WT MCMVを感染させた、+/-飼料(+/- feed)を6週間与えたマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
図3D-F】図3:CD71媒介性鉄取込みおよび食事性鉄の利用可能性がNK細胞機能に影響を及ぼす。(A)上のパネル:脾臓由来のWT NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するために使用した実験の概略図。左下のパネル:IL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のWT NK1.1+NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物の代表的なヒストグラム。右下のパネル:CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のWT NK1.1+NK細胞およびTfrcY20H/Y20H NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、WT NK細胞についてはn=5、TfrcY20H/Y20H NK細胞についてはn=6)。(B)上のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスのMCMV感染実験の概略図。下のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの鉄、フェリチン、UIBC、TIBCの血清中レベル;およびヘマトクリット(平均±SEM、鉄、フェリチン、UIBCおよびTIBCについてはn=8~18、ヘマトクリットについてはn=3)。(C)左側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるCD8+細胞、CD4+細胞、CD19+細胞のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(D)左側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+およびCD62L+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(E)左側のパネル:WT MCMVを感染させた、+/-鉄飼料を6週間与えたマウスの3dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、データは+鉄飼料を与えたマウスに対して正規化した倍率変化差異として表示されており、横線は中央値を示す、n=10)。右側のパネル:+/-鉄飼料を6週間与えた、MCMVを感染させたΔm157マウスの3dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、データは+鉄飼料を与えたマウスに対して正規化した倍率変化の差異として表示されており、横線は中央値を示す、n=9~10)。(F)WT MCMVを感染させた、+/-飼料(+/- feed)を6週間与えたマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
【0280】
図4A-B】図4:CD71によりウイルス感染の間のNK細胞増殖および最適なエフェクター機能が支持される。(A)左側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=17~22)。(B)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。(C)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=9~19)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=11~22)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=12~22)。(D)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=10)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=6)。(E)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+、CD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(F)Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるLy49H+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5~6)。(G)左上のパネル:MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiの肝臓における、養子移入されたCD45.1+およびCD45.2+(Ly49H+NK1.1+)NK細胞についてゲーティングした代表的なフロープロット。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiおよび30dpiの肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、2回の独立した実験、1回目、7dpiについてはn=5および30dpiについてはn=3~5、2回目、7dpiについてはn=4および30dpiについてはn=2)。(H)左側のパネル:WT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するための、Rag2-/-IL2rg-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右側のパネル:6dptの、肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、n=3~4)。(I)左上のパネル:WT MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの肝臓における養子移入されたWT NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物、3.5dpiの代表的なヒストグラム。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの3.5dpiの肝臓および脾臓における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のCFSEのGMFI(平均±SEM、2回の独立した実験、1回目n=5、2回目、n=4)。(J)CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のTfrcfl/fl NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~4)。(K)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスのMCMV感染実験の概略図。中央のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4~6)。下のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=3~6)。(L)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、横線は中央値を示す、n=5)。(M)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4)。(N)左側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。右側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F、I、J、K、L、M、N)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
図4C-D】図4:CD71によりウイルス感染の間のNK細胞増殖および最適なエフェクター機能が支持される。(A)左側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=17~22)。(B)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。(C)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=9~19)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=11~22)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=12~22)。(D)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=10)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=6)。(E)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+、CD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(F)Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるLy49H+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5~6)。(G)左上のパネル:MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiの肝臓における、養子移入されたCD45.1+およびCD45.2+(Ly49H+NK1.1+)NK細胞についてゲーティングした代表的なフロープロット。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiおよび30dpiの肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、2回の独立した実験、1回目、7dpiについてはn=5および30dpiについてはn=3~5、2回目、7dpiについてはn=4および30dpiについてはn=2)。(H)左側のパネル:WT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するための、Rag2-/-IL2rg-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右側のパネル:6dptの、肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、n=3~4)。(I)左上のパネル:WT MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの肝臓における養子移入されたWT NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物、3.5dpiの代表的なヒストグラム。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの3.5dpiの肝臓および脾臓における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のCFSEのGMFI(平均±SEM、2回の独立した実験、1回目n=5、2回目、n=4)。(J)CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のTfrcfl/fl NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~4)。(K)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスのMCMV感染実験の概略図。中央のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4~6)。下のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=3~6)。(L)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、横線は中央値を示す、n=5)。(M)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4)。(N)左側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。右側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F、I、J、K、L、M、N)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
図4E-F】図4:CD71によりウイルス感染の間のNK細胞増殖および最適なエフェクター機能が支持される。(A)左側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=17~22)。(B)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。(C)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=9~19)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=11~22)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=12~22)。(D)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=10)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=6)。(E)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+、CD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(F)Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるLy49H+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5~6)。(G)左上のパネル:MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiの肝臓における、養子移入されたCD45.1+およびCD45.2+(Ly49H+NK1.1+)NK細胞についてゲーティングした代表的なフロープロット。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiおよび30dpiの肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、2回の独立した実験、1回目、7dpiについてはn=5および30dpiについてはn=3~5、2回目、7dpiについてはn=4および30dpiについてはn=2)。(H)左側のパネル:WT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するための、Rag2-/-IL2rg-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右側のパネル:6dptの、肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、n=3~4)。(I)左上のパネル:WT MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの肝臓における養子移入されたWT NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物、3.5dpiの代表的なヒストグラム。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの3.5dpiの肝臓および脾臓における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のCFSEのGMFI(平均±SEM、2回の独立した実験、1回目n=5、2回目、n=4)。(J)CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のTfrcfl/fl NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~4)。(K)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスのMCMV感染実験の概略図。中央のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4~6)。下のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=3~6)。(L)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、横線は中央値を示す、n=5)。(M)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4)。(N)左側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。右側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F、I、J、K、L、M、N)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
図4G-H】図4:CD71によりウイルス感染の間のNK細胞増殖および最適なエフェクター機能が支持される。(A)左側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=17~22)。(B)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。(C)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=9~19)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=11~22)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=12~22)。(D)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=10)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=6)。(E)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+、CD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(F)Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるLy49H+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5~6)。(G)左上のパネル:MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiの肝臓における、養子移入されたCD45.1+およびCD45.2+(Ly49H+NK1.1+)NK細胞についてゲーティングした代表的なフロープロット。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiおよび30dpiの肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、2回の独立した実験、1回目、7dpiについてはn=5および30dpiについてはn=3~5、2回目、7dpiについてはn=4および30dpiについてはn=2)。(H)左側のパネル:WT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するための、Rag2-/-IL2rg-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右側のパネル:6dptの、肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、n=3~4)。(I)左上のパネル:WT MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの肝臓における養子移入されたWT NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物、3.5dpiの代表的なヒストグラム。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの3.5dpiの肝臓および脾臓における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のCFSEのGMFI(平均±SEM、2回の独立した実験、1回目n=5、2回目、n=4)。(J)CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のTfrcfl/fl NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~4)。(K)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスのMCMV感染実験の概略図。中央のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4~6)。下のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=3~6)。(L)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、横線は中央値を示す、n=5)。(M)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4)。(N)左側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。右側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F、I、J、K、L、M、N)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
図4I-J】図4:CD71によりウイルス感染の間のNK細胞増殖および最適なエフェクター機能が支持される。(A)左側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=17~22)。(B)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。(C)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=9~19)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=11~22)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=12~22)。(D)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=10)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=6)。(E)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+、CD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(F)Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるLy49H+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5~6)。(G)左上のパネル:MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiの肝臓における、養子移入されたCD45.1+およびCD45.2+(Ly49H+NK1.1+)NK細胞についてゲーティングした代表的なフロープロット。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiおよび30dpiの肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、2回の独立した実験、1回目、7dpiについてはn=5および30dpiについてはn=3~5、2回目、7dpiについてはn=4および30dpiについてはn=2)。(H)左側のパネル:WT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するための、Rag2-/-IL2rg-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右側のパネル:6dptの、肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、n=3~4)。(I)左上のパネル:WT MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの肝臓における養子移入されたWT NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物、3.5dpiの代表的なヒストグラム。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの3.5dpiの肝臓および脾臓における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のCFSEのGMFI(平均±SEM、2回の独立した実験、1回目n=5、2回目、n=4)。(J)CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のTfrcfl/fl NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~4)。(K)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスのMCMV感染実験の概略図。中央のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4~6)。下のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=3~6)。(L)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、横線は中央値を示す、n=5)。(M)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4)。(N)左側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。右側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F、I、J、K、L、M、N)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
図4K図4:CD71によりウイルス感染の間のNK細胞増殖および最適なエフェクター機能が支持される。(A)左側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=17~22)。(B)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。(C)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=9~19)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=11~22)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=12~22)。(D)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=10)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=6)。(E)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+、CD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(F)Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるLy49H+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5~6)。(G)左上のパネル:MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiの肝臓における、養子移入されたCD45.1+およびCD45.2+(Ly49H+NK1.1+)NK細胞についてゲーティングした代表的なフロープロット。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiおよび30dpiの肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、2回の独立した実験、1回目、7dpiについてはn=5および30dpiについてはn=3~5、2回目、7dpiについてはn=4および30dpiについてはn=2)。(H)左側のパネル:WT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するための、Rag2-/-IL2rg-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右側のパネル:6dptの、肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、n=3~4)。(I)左上のパネル:WT MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの肝臓における養子移入されたWT NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物、3.5dpiの代表的なヒストグラム。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの3.5dpiの肝臓および脾臓における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のCFSEのGMFI(平均±SEM、2回の独立した実験、1回目n=5、2回目、n=4)。(J)CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のTfrcfl/fl NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~4)。(K)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスのMCMV感染実験の概略図。中央のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4~6)。下のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=3~6)。(L)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、横線は中央値を示す、n=5)。(M)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4)。(N)左側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。右側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F、I、J、K、L、M、N)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
図4L-N】図4:CD71によりウイルス感染の間のNK細胞増殖および最適なエフェクター機能が支持される。(A)左側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右側のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=17~22)。(B)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=10)。(C)左上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD8+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=9~19)。右上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD4+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=11~22)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるCD19+細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=12~22)。(D)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=10)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=6)。(E)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。下のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+、CD62L+およびLy6C+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5)。(F)Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるLy49H+のパーセンテージ(平均±SEM、n=5~6)。(G)左上のパネル:MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiの肝臓における、養子移入されたCD45.1+およびCD45.2+(Ly49H+NK1.1+)NK細胞についてゲーティングした代表的なフロープロット。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの7dpiおよび30dpiの肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、2回の独立した実験、1回目、7dpiについてはn=5および30dpiについてはn=3~5、2回目、7dpiについてはn=4および30dpiについてはn=2)。(H)左側のパネル:WT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞の増大を追跡するための、Rag2-/-IL2rg-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右側のパネル:6dptの、肝臓、脾臓、肺および血液における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のパーセンテージ(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、棒は±SEMを示す、n=3~4)。(I)左上のパネル:WT MCMV感染の際のWT NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞におけるCFSE希釈物を分析するためのKlra8-/-レシピエントへの養子移入実験の概略図。右上のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの肝臓における養子移入されたWT NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞におけるCFSE希釈物、3.5dpiの代表的なヒストグラム。下のパネル:WT MCMVを感染させたレシピエントの3.5dpiの肝臓および脾臓における養子移入されたWT(Ly49H+NK1.1+CD45.1+)NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(Ly49H+NK1.1+CD45.2+)NK細胞のCFSEのGMFI(平均±SEM、2回の独立した実験、1回目n=5、2回目、n=4)。(J)CFSE希釈物によって分析した、IL-15 LDまたはIL-12/IL-18で刺激した脾臓由来のTfrcfl/fl NK1.1+NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK1.1+NK細胞の増殖のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~4)。(K)上のパネル:Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスのMCMV感染実験の概略図。中央のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの肝臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=4~6)。下のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiおよび5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞のパーセンテージおよび絶対数(平均±SEM、n=3~6)。(L)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの3.5dpiの肝臓および脾臓におけるウイルス力価(各ドットはマウス1匹から単離された細胞からのデータを表し、横線は中央値を示す、n=5)。(M)WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1creマウスの1.5dpiの肝臓および脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるIFN-γ+のパーセンテージ(平均±SEM、n=4)。(N)左側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるCD27+CD11b-、CD27+CD11b+、CD27-CD11b+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。右側のパネル:WT MCMVを感染させたTfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1Creマウスの5.5dpiの脾臓におけるNK1.1+NK細胞におけるKLRG1+のパーセンテージ(平均±SEM、n=3~5)。統計的有意性を対応のない両側スチューデントのt検定によって評価した(A、B、C、D、E、F、I、J、K、L、M、N)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001、ns、有意でない。
【0281】
図5A-B】図5:活性化されたNK細胞におけるCD71の誘導には解糖が必要である。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+ActD(1μMおよび10μM)ならびにIL-12/IL-18+CHX(10μg/mlおよび100μg/ml)で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。左下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+ActD 10μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=3ドナー)。右下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+CHX 100μg/mlで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=2ドナー)。(B)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTFRC mRNAの発現。18S mRNAレベルと比べた転写レベルを決定し、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞に対して正規化した(平均±SEM、n=6ドナー)。(C)左上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6ドナー)。右上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞IL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=5ドナー)。(D)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞または10mMのグルコースの下で、および2mMのグルコースの下でIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(E)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(F)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総c-Myc発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総c-Myc発現(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(A、B、C、D、E、F)または線形回帰分析(B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図5C-D】図5:活性化されたNK細胞におけるCD71の誘導には解糖が必要である。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+ActD(1μMおよび10μM)ならびにIL-12/IL-18+CHX(10μg/mlおよび100μg/ml)で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。左下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+ActD 10μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=3ドナー)。右下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+CHX 100μg/mlで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=2ドナー)。(B)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTFRC mRNAの発現。18S mRNAレベルと比べた転写レベルを決定し、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞に対して正規化した(平均±SEM、n=6ドナー)。(C)左上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6ドナー)。右上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞IL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=5ドナー)。(D)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞または10mMのグルコースの下で、および2mMのグルコースの下でIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(E)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(F)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総c-Myc発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総c-Myc発現(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(A、B、C、D、E、F)または線形回帰分析(B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図5E-F】図5:活性化されたNK細胞におけるCD71の誘導には解糖が必要である。(A)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+ActD(1μMおよび10μM)ならびにIL-12/IL-18+CHX(10μg/mlおよび100μg/ml)で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。左下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+ActD 10μMで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=3ドナー)。右下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+CHX 100μg/mlで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=2ドナー)。(B)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTFRC mRNAの発現。18S mRNAレベルと比べた転写レベルを決定し、刺激していない(刺激なし)NV NK細胞に対して正規化した(平均±SEM、n=6ドナー)。(C)左上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=6ドナー)。右上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総CD71発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞IL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における、アクチンに対して正規化した総CD71発現(平均±SEM、n=5ドナー)。(D)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞または10mMのグルコースの下で、および2mMのグルコースの下でIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるCD71発現のGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(E)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18、IL-12/IL-18+2-DGで刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTf-488取り込みのGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(F)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総c-Myc発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総c-Myc発現(平均±SEM、n=6ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(A、B、C、D、E、F)または線形回帰分析(B、C、E)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
【0282】
図6A図6:サイトカインによる予備刺激によりIRP/IRE調節系が誘導される。(A)上のパネル:トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるACO1およびIREB2 mRNAの発現(n=5ドナー)。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総IRP1およびIRP2発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総IRP1およびIRP2発現(平均±SEM、IRP1についてはn=7ドナー、IRP2についてはn=6ドナー)。(B)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるIREを有する遺伝子をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(C)左上のパネル:トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるEIF4E mRNAの発現(n=5ドナー)。右上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総eIF4E発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総eIF4E発現(平均±SEM、n=6ドナー)。(D)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるHPGの組み入れの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるHPGの組み入れのGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(E)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総フェリチン重鎖1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:アクチンに対して正規化した刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総フェリチン重鎖1発現(平均±SEM、n=4ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(A、C、E)または線形回帰分析(D)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
図6B-C】図6:サイトカインによる予備刺激によりIRP/IRE調節系が誘導される。(A)上のパネル:トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるACO1およびIREB2 mRNAの発現(n=5ドナー)。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総IRP1およびIRP2発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総IRP1およびIRP2発現(平均±SEM、IRP1についてはn=7ドナー、IRP2についてはn=6ドナー)。(B)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるIREを有する遺伝子をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(C)左上のパネル:トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるEIF4E mRNAの発現(n=5ドナー)。右上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総eIF4E発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総eIF4E発現(平均±SEM、n=6ドナー)。(D)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるHPGの組み入れの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるHPGの組み入れのGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(E)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総フェリチン重鎖1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:アクチンに対して正規化した刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総フェリチン重鎖1発現(平均±SEM、n=4ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(A、C、E)または線形回帰分析(D)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
図6D-E】図6:サイトカインによる予備刺激によりIRP/IRE調節系が誘導される。(A)上のパネル:トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるACO1およびIREB2 mRNAの発現(n=5ドナー)。中央のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総IRP1およびIRP2発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総IRP1およびIRP2発現(平均±SEM、IRP1についてはn=7ドナー、IRP2についてはn=6ドナー)。(B)刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるIREを有する遺伝子をコードするmRNAの相対的な発現量のヒートマップ(n=5ドナー)。(C)左上のパネル:トランスクリプトームデータの刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるEIF4E mRNAの発現(n=5ドナー)。右上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総eIF4E発現の代表的なウエスタンブロット。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるアクチンに対して正規化した総eIF4E発現(平均±SEM、n=6ドナー)。(D)上のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるHPGの組み入れの代表的なヒストグラム。下のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞におけるHPGの組み入れのGMFI(平均±SEM、n=5ドナー)。(E)左側のパネル:刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総フェリチン重鎖1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:アクチンに対して正規化した刺激していない(刺激なし)NV NK細胞およびCE NK細胞またはIL-12/IL-18で刺激したNV NK細胞およびCE NK細胞における総フェリチン重鎖1発現(平均±SEM、n=4ドナー)。統計的有意性を対応のある両側スチューデントのt検定(A、C、E)または線形回帰分析(D)によって評価した。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
【0283】
図7A-C】図7:IRP/IRE調節系によりNK細胞におけるCD71発現が調整される。(A)刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTFRC mRNAの発現、トランスクリプトームデータ由来のデータ(n=5)。(B)トランスクリプトームデータの、刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるFTH1 mRNAの発現(n=5)。(C)対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現(n=7)。(D)対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=6)。(E)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4~5)。(F)左側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現(n=5)。(G)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現(n=6)。(H)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現(n=7)。(I)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。(J)左側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=6)。(K)左側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=5)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,d,e)またはANOWA(c)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。(L)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=3)。(M)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞の数(n=4)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは両側スチューデントのt検定(A~B)、対応のない両側スチューデントのt検定(C、D、G、H、J、K、L、M)またはANOWA(E、F、I)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図7D-F】図7:IRP/IRE調節系によりNK細胞におけるCD71発現が調整される。(A)刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTFRC mRNAの発現、トランスクリプトームデータ由来のデータ(n=5)。(B)トランスクリプトームデータの、刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるFTH1 mRNAの発現(n=5)。(C)対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現(n=7)。(D)対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=6)。(E)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4~5)。(F)左側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現(n=5)。(G)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現(n=6)。(H)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現(n=7)。(I)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。(J)左側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=6)。(K)左側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=5)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,d,e)またはANOWA(c)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。(L)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=3)。(M)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞の数(n=4)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは両側スチューデントのt検定(A~B)、対応のない両側スチューデントのt検定(C、D、G、H、J、K、L、M)またはANOWA(E、F、I)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図7G-I】図7:IRP/IRE調節系によりNK細胞におけるCD71発現が調整される。(A)刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTFRC mRNAの発現、トランスクリプトームデータ由来のデータ(n=5)。(B)トランスクリプトームデータの、刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるFTH1 mRNAの発現(n=5)。(C)対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現(n=7)。(D)対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=6)。(E)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4~5)。(F)左側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現(n=5)。(G)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現(n=6)。(H)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現(n=7)。(I)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。(J)左側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=6)。(K)左側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=5)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,d,e)またはANOWA(c)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。(L)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=3)。(M)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞の数(n=4)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは両側スチューデントのt検定(A~B)、対応のない両側スチューデントのt検定(C、D、G、H、J、K、L、M)またはANOWA(E、F、I)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図7J-L】図7:IRP/IRE調節系によりNK細胞におけるCD71発現が調整される。(A)刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTFRC mRNAの発現、トランスクリプトームデータ由来のデータ(n=5)。(B)トランスクリプトームデータの、刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるFTH1 mRNAの発現(n=5)。(C)対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現(n=7)。(D)対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=6)。(E)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4~5)。(F)左側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現(n=5)。(G)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現(n=6)。(H)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現(n=7)。(I)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。(J)左側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=6)。(K)左側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=5)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,d,e)またはANOWA(c)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。(L)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=3)。(M)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞の数(n=4)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは両側スチューデントのt検定(A~B)、対応のない両側スチューデントのt検定(C、D、G、H、J、K、L、M)またはANOWA(E、F、I)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
図7M図7:IRP/IRE調節系によりNK細胞におけるCD71発現が調整される。(A)刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるTFRC mRNAの発現、トランスクリプトームデータ由来のデータ(n=5)。(B)トランスクリプトームデータの、刺激なし対IL-12/IL-18のNV NK細胞およびCE NK細胞におけるFTH1 mRNAの発現(n=5)。(C)対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP1発現(n=7)。(D)対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=6)。(E)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4~5)。(F)左側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総FTH1発現(n=5)。(G)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP1発現(n=6)。(H)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総IRP2発現(n=7)。(I)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。(J)左側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびAco1 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=6)。(K)左側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたNKL細胞における総FTH1発現(n=5)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,d,e)またはANOWA(c)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。(L)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞における総IRP2発現(n=3)。(M)左側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞におけるCD71発現のGMFI(n=5)。右側のパネル:対照またはIREB2 sgRNAをトランスフェクトしたNK92細胞の数(n=4)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは両側スチューデントのt検定(A~B)、対応のない両側スチューデントのt検定(C、D、G、H、J、K、L、M)またはANOWA(E、F、I)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、ns、有意でない。
【0284】
図8A-B】図8:強制的なIRP発現はT細胞増殖を同様に支持する分子モジュールである。(A)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現(n=5)。(B)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現(n=4)。(C)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=7)。(D)左側のパネル:対照、Aco1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現(n=5)。(E)mCherry(LV-mCherry)またはIREB2(LV-IREB2)をコードする対照ベクターを形質導入したIRP2ノックアウト(ko)ジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(F)上のパネル:LV-mCherryまたはLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。左下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4)。右下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数と、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数(n=3)。(G)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFI(n=2)。(H)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してIREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現のGMFI(LV-IREB2)(n=2)。(I)形質導入されていないCD4T細胞(UTD)、PSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR)およびIRP2を共発現するPSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR-IREB2)における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(J)上のパネル:刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。下のパネル:Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。(K)上のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入った刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。下のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入ったFabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,f)またはANOWA(c,d)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
図8C-D】図8:強制的なIRP発現はT細胞増殖を同様に支持する分子モジュールである。(A)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現(n=5)。(B)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現(n=4)。(C)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=7)。(D)左側のパネル:対照、Aco1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現(n=5)。(E)mCherry(LV-mCherry)またはIREB2(LV-IREB2)をコードする対照ベクターを形質導入したIRP2ノックアウト(ko)ジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(F)上のパネル:LV-mCherryまたはLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。左下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4)。右下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数と、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数(n=3)。(G)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFI(n=2)。(H)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してIREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現のGMFI(LV-IREB2)(n=2)。(I)形質導入されていないCD4T細胞(UTD)、PSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR)およびIRP2を共発現するPSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR-IREB2)における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(J)上のパネル:刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。下のパネル:Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。(K)上のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入った刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。下のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入ったFabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,f)またはANOWA(c,d)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
図8E-F】図8:強制的なIRP発現はT細胞増殖を同様に支持する分子モジュールである。(A)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現(n=5)。(B)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現(n=4)。(C)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=7)。(D)左側のパネル:対照、Aco1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現(n=5)。(E)mCherry(LV-mCherry)またはIREB2(LV-IREB2)をコードする対照ベクターを形質導入したIRP2ノックアウト(ko)ジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(F)上のパネル:LV-mCherryまたはLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。左下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4)。右下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数と、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数(n=3)。(G)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFI(n=2)。(H)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してIREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現のGMFI(LV-IREB2)(n=2)。(I)形質導入されていないCD4T細胞(UTD)、PSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR)およびIRP2を共発現するPSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR-IREB2)における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(J)上のパネル:刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。下のパネル:Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。(K)上のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入った刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。下のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入ったFabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,f)またはANOWA(c,d)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
図8G-I】図8:強制的なIRP発現はT細胞増殖を同様に支持する分子モジュールである。(A)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現(n=5)。(B)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現(n=4)。(C)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=7)。(D)左側のパネル:対照、Aco1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現(n=5)。(E)mCherry(LV-mCherry)またはIREB2(LV-IREB2)をコードする対照ベクターを形質導入したIRP2ノックアウト(ko)ジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(F)上のパネル:LV-mCherryまたはLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。左下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4)。右下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数と、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数(n=3)。(G)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFI(n=2)。(H)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してIREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現のGMFI(LV-IREB2)(n=2)。(I)形質導入されていないCD4T細胞(UTD)、PSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR)およびIRP2を共発現するPSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR-IREB2)における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(J)上のパネル:刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。下のパネル:Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。(K)上のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入った刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。下のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入ったFabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,f)またはANOWA(c,d)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
図8J図8:強制的なIRP発現はT細胞増殖を同様に支持する分子モジュールである。(A)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現(n=5)。(B)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現(n=4)。(C)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=7)。(D)左側のパネル:対照、Aco1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現(n=5)。(E)mCherry(LV-mCherry)またはIREB2(LV-IREB2)をコードする対照ベクターを形質導入したIRP2ノックアウト(ko)ジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(F)上のパネル:LV-mCherryまたはLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。左下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4)。右下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数と、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数(n=3)。(G)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFI(n=2)。(H)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してIREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現のGMFI(LV-IREB2)(n=2)。(I)形質導入されていないCD4T細胞(UTD)、PSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR)およびIRP2を共発現するPSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR-IREB2)における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(J)上のパネル:刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。下のパネル:Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。(K)上のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入った刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。下のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入ったFabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,f)またはANOWA(c,d)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
図8K図8:強制的なIRP発現はT細胞増殖を同様に支持する分子モジュールである。(A)左側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはAco1 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP1発現(n=5)。(B)左側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総IRP2発現(n=4)。(C)左側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:対照、ACO1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=7)。(D)左側のパネル:対照、Aco1またはIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現の代表的なウエスタンブロット。右側のパネル:対照、Aco1およびIREB2 siRNAをトランスフェクトしたジャーカット細胞における総FTH1発現(n=5)。(E)mCherry(LV-mCherry)またはIREB2(LV-IREB2)をコードする対照ベクターを形質導入したIRP2ノックアウト(ko)ジャーカット細胞における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(F)上のパネル:LV-mCherryまたはLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。左下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞におけるCD71発現のGMFI(n=4)。右下のパネル:LV-mCherryを形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数と、それに対してLV-IREB2を形質導入したIRP2 ko ジャーカット細胞の数(n=3)。(G)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFIと、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD4T細胞におけるCD71発現のGMFI(n=2)。(H)左側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してLV-IREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。右側のパネル:LV-mCherryを形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現と、それに対してIREB2を形質導入した初代CD8T細胞におけるCD71発現のGMFI(LV-IREB2)(n=2)。(I)形質導入されていないCD4T細胞(UTD)、PSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR)およびIRP2を共発現するPSMA特異的CAR CD4T細胞(CAR-IREB2)における総IRP2発現の代表的なウエスタンブロット。(J)上のパネル:刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。下のパネル:Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現の代表的なヒストグラム。Fabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞におけるCD71発現のMFI(n=3)。(K)上のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入った刺激していないUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。下のパネル:0サイクル、1サイクルおよび2サイクルの細胞増殖に入ったFabで刺激したUTD、CARおよびCAR-IREB2形質導入CD4T細胞のパーセンテージ(n=3)。全ての平均データが平均±s.e.m.として提示されており、これは対応のない両側スチューデントのt検定(a,b,f)またはANOWA(c,d)を使用して解析したものである。アスタリスクは群間での有意性を示す。p<0.05、**p<0.01、ns、有意でない。
【実施例
【0285】
(実施例1)
ナイーブNK細胞およびサイトカインによって増強されたNK細胞は同様にIFN-γ産生に関して解糖に依拠する
サイトカインにより増強された(CE)NK細胞の増強されたリコール応答は、がんに対する免疫細胞治療の有望な特色を反映する。CE NK細胞代謝によりサイトカイン産生、標的細胞クリアランスおよび増殖が補強されるかどうか、されるとしたらどのように補強されるかは、依然として不明である。CE NK細胞のこれらの重要な特色を解明するために、本発明者らは、確立されたin vitro CE NK細胞モデルを使用し、それによりナイーブ(NV)NK細胞とCE NK細胞の比較が可能になった。簡単に述べると、本発明者らは、新鮮に単離されたヒトNK細胞をIL-12およびIL-18(IL-12/IL-18)を用いて16時間にわたって予備刺激し、その後、生存を支持するために低用量IL-15での休止期間をおいた(IL-15 LD)。7日間休止後、刺激に際したNV NK細胞の特色とCE NK細胞の特色を比較した(図1A)。以前のデータと一致して、NK細胞をIL-12/IL-18で予備刺激することにより、再刺激された際にIFN-γを産生するそれらの能力が強化された(図1B)。注目すべきことに、CD69発現によって示される通り、NK細胞は刺激された際に同様に活性化された(図1C)。細胞の代謝がNV NK細胞の機能とCE NK細胞の機能に転写レベルでどのように関係するかを探究するために、RNA配列決定(RNA-seq)を、刺激していない細胞およびサイトカインで刺激した細胞を使用して実施した。刺激していないNV NK細胞およびCE NK細胞ならびに活性化されたNV NK細胞およびCE NK細胞のいずれも主成分分析(PCA)において別々にクラスター化された。しかし、活性化は、はるかに強力な全体的な識別因子であり、NV NK細胞のトランスクリプトームとCE NK細胞のトランスクリプトームの相対的類似性が示される(図1D)。
【0286】
好気性解糖の迅速なアップレギュレーションは、NK細胞を含めた活性化されたリンパ球の代謝的特質である。予想外に、NV NK細胞およびCE NK細胞のどちらでも、刺激されると解糖酵素をコードする遺伝子転写物が同様にアップレギュレーションされ、例外として、HK2はCE NK細胞においてNV NK細胞よりも高かった(図1E)。トランスクリプトームデータと一致して、代謝フラックスアッセイにより、活性化された細胞では刺激していない細胞と比較して基底の解糖速度および最大解糖速度の増加が示されたが、NV NK細胞とCE NK細胞の差異は観察されなかった(図1F)。
【0287】
同様に、グルコース類似体である2-NBDGの取り込みは、刺激していないNV NK細胞およびCE NK細胞ならびに活性化されたNV NK細胞およびCE NK細胞の間で異ならなかった(図1G)。解糖代謝の増加がNV NK細胞およびCE NK細胞のIFN-γを産生する能力と関連していたかどうかを評価するために、本発明者らは、NV NK細胞およびCE NK細胞をヘキソキナーゼ阻害剤である2-デオキシ-d-グルコース(2-DG)の存在下でIL-12/IL-18を用いて刺激した。サイトカイン刺激の間の解糖の阻害により、NV NK細胞およびCE NK細胞におけるIFNG mRNA存在量およびIFN-γ分泌が同様に減少した(図1Hおよび1I、左側のパネル)。同様に、NK細胞を低グルコースの下で培養することにより、どちらのサブセットにおいてもIFN-γの産生が減少した(図1I、上のパネル)。これらのデータをまとめると、NV NK細胞およびCE NK細胞を活性化した際の基底の解糖活性および最大解糖活性の同様の増加が同定され、これには、どちらのサブセットにおいても、重要な炎症性サイトカインであるIFN-γの効率的な産生が必要であった。
【0288】
(実施例2)
活性化されたCE NK細胞は、高レベルの細胞表面CD71および迅速な細胞増殖を特徴とする
NV NK細胞の代謝プロファイル 対 CE NK細胞の代謝プロファイルをさらに特徴付けるために、本発明者らは、活性化されたNK細胞においてアップレギュレーションされることが報告されている栄養分輸送体CD98およびCD71の表面発現を分析した。刺激すると、両方のNK細胞サブセットにおいてCD98発現のわずかな、同等の増加が観察された(図2A)。対照的に、トランスフェリン受容体CD71のアップレギュレーションは、どちらもGMFIおよび陽性細胞のパーセンテージとして表してCE NK細胞においてNV NK細胞に対してはるかに高かった(図2B)。細胞表面CD71の発現の増加は、全細胞溶解物の免疫ブロット分析によって評価して、CD71タンパク質の細胞内存在量が全体的に多いことに反映された(図2C)。差次的細胞表面CD71発現が受容体の活性化によるNK細胞刺激によっても駆動され得るかどうかを試験するために、両方のサブセットをHLA欠損標的細胞(K562細胞系)で刺激した。サイトカイン刺激と同様に、CD71のアップレギュレーションは、K562に曝露させたCE NK細胞においてNV NK細胞よりも顕著であった(図2D)。CD71発現の増加の機能的な能力を評価するために、本発明者らは、蛍光標識したトランスフェリンを使用して、NV NK細胞およびCE NK細胞におけるトランスフェリン取り込みをモニタリングした。これらの実験により、活性化されたCE NK細胞においてNV NK細胞と比較してトランスフェリン取り込みが増加することが明らかになった(図2E)。
【0289】
CD71の発現と増殖速度は、以前には新生細胞(neoplastic cell)において関連していた。この関連がNK細胞にも当てはまるかどうかを試験するために、CFSE希釈アッセイを使用してNV NK細胞およびCE NK細胞の増殖をモニタリングした。定常状態条件下および刺激時下のどちらにおいても、CE NK細胞の増殖の程度がそれらのNV対応物よりも大きかった(図2F)。示差的増殖速度と一致して、刺激されたCE NK細胞は、細胞周期進行遺伝子をコードする転写物の存在量を試験した場合にクラスター化した(図2G)。トランスフェリン取り込みが細胞増殖の増加に関連しているかどうかを解明するために、本発明者らは、細胞内鉄キレート剤2,2’-ビピリジル(BIP)を使用した。これらの実験から、NV NK細胞およびCE NK細胞のどちらにおいてもBIPによりNK細胞増殖が用量依存的に阻害されることが明らかになった(図2H)。注目すべきことに、BIPの細胞生存能に対する影響は最小であり(データは示していない)、また、CD69発現によって評価されるNK細胞活性化に対する影響は見られなかった(図2I)。
【0290】
ヌクレオチド合成のためのリボース5-リン酸およびNADPHを提供し、それぞれ等価物を減少させるペントースリン酸経路(PPP)は、細胞増殖を支持する。CE NK細胞において観察された増殖の増加と一致して、サイトカイン刺激により、いくつかのPPP関連遺伝子のmRNA存在量がCE NK細胞においてNV NK細胞よりも顕著に増加した(図2J、上のパネル)。PPP阻害剤である6-アミノニコチンアミド(6AN)により、サイトカインにより刺激されたNK細胞の増大が妨げられ、これにより、NV NK細胞およびCE NK細胞の両方の増殖の促進におけるPPPの関連性がさらに裏付けられる(図2J、下のパネル)。全体として、これらの実験により、PPP活性に依拠する、(i)活性化されたNV NK細胞に対する活性化されたCE NK細胞におけるCD71の優先的なアップレギュレーション、および(ii)活性化されたNV NK細胞と比較した活性化されたCE NK細胞の増殖の増加が同定された。
【0291】
(実施例3)
CD71媒介性鉄取込みおよび食事性鉄の利用可能性はNK細胞機能に影響を及ぼす
TFRC遺伝子の変異(TFRCY20H/Y20H)により、B細胞機能およびT細胞機能が損なわれ、原発性免疫不全症(PID)が引き起こされることが最近示された。この変異は、ヒト細胞において、およびマウスに導入した場合のどちらでも受容体媒介性エンドサイトーシスに影響を及ぼし、CD71媒介性鉄取込みを損なう。この変異を有する患者におけるNK細胞数は正常であるが、機能特性は以前には評価されていない。CD71機能とNK細胞増殖が関連しているかどうかを試験するために、本発明者らは、IL-15 LDおよびIL-12/IL-18で刺激した野生型(WT)およびTfrcY20H/Y20HマウスNK細胞におけるCFSE希釈物をex vivoで評価した。これらの実験から、Tfrc変異を有するNK細胞の間でのIL-15 LDおよびIL-12/IL-18誘導性増殖の著しい欠如が明らかになった(図3A)。
【0292】
この強力な表現型を考慮して、本発明者らは、軽度の鉄欠乏症がNK細胞機能障害を引き起こすのに十分なのかを疑った。この考えを探究するために、本発明者らは、まず、マウスモデルにおいて全身性鉄欠乏症を確立した(図3B、上のパネル)。予測通り、鉄欠乏食で6週間維持したマウスでは、対照食で保ったマウスと比較して、末梢血中の鉄、フェリチンおよびヘマトクリットレベルの低下が示されたが、一方、不飽和鉄結合能(UIBC)および総鉄結合能(TIBC)は増加した(図3B、下のパネル)。鉄欠乏症のマウスでは、脾臓中T細胞およびB細胞数は正常であったが、NK細胞数は少ない傾向にあり、これにより、おそらく、これらの細胞の全身鉄存在量に対する選択的感受性が示される(図3C)。鉄欠乏症のNK細胞の成熟表現型に対する影響は観察されなかった(図3D)。しかし、鉄欠乏食で維持したマウスでは、MCMV感染により、脾臓におけるNK細胞媒介性ウイルス制御およびNK細胞によるIFN-γ産生が低減する傾向があり、これにより、NK細胞機能が損なわれたことが示される(図3E、左側のパネル、および8F)。注目すべきことに、NK細胞媒介性制御を回避するΔm157 MCMVの複製は鉄レベルの低下の影響を受けなかった(図3E、右側のパネル)。これらのデータをまとめると、CD71媒介性鉄取込みにはNK細胞増殖の調節に関して重要な役割があることが確立された。さらに、全身鉄レベルの低下がin vivoにおけるMCMV感染の免疫制御に有意に影響を及ぼし、これはおそらく、NK細胞機能の低下によるものであった。損なわれたNK細胞媒介性免疫がNK細胞の内的因子に起因するものであるか外的因子に起因するものであるかは依然として解明されていない。
【0293】
(実施例4)
CD71はウイルス感染の間のNK細胞増殖および最適なエフェクター機能を支持する
NK細胞に対するCD71媒介性鉄取込みの機能的重要性を試験するために、本発明者らは、Ncr1CreマウスとTfrcfl/flマウス(Tfrcfl/flNcr1Cre)を交配させることにより、NK細胞においてCD71を特異的に欠くマウスを生成した。恒常性条件下で、Tfrcfl/flNcr1CreマウスにおけるNK細胞のパーセンテージおよび絶対数は、Tfrcfl/fl同腹仔対照と比較して、肝臓および脾臓の両方でわずかに低減した(図4A)。CD8+T細胞およびCD4+T細胞、ならびにCD19+B細胞のパーセンテージおよび絶対数はCD71のNK細胞特異的欠失の影響を受けなかった(図4Bおよび4C)。さらに、終末NK細胞成熟マーカーの発現はTfrcfl/flNcr1CreマウスとTfrcfl/flマウスで同等であった(CD27、CD11b、KLRG1、CD62LおよびLy6C)(図4Dおよび4E)。同様に、MCMV感染の制御に重要なNK細胞活性化受容体Ly49HもTfrcfl/flNcr1Cre NK細胞およびTfrcfl/fl NK細胞において等しく発現された(図4F)。
【0294】
MCMVによるNK細胞活性化により、Ly49H+NK細胞の増殖が駆動される。CD71の欠失がin vivoにおける抗原特異的NK細胞増大に影響を及ぼすかどうかを調査するために、本発明者らは、コンジェニックLy49H+WT NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK細胞をLy49H欠損(Klra8-/-)レシピエントに共移入した(図4G、上のパネル)。次いで、本発明者らは、レシピエントマウスにMCMVを感染させ、移入されたNK細胞の増大を追跡した。WT NK細胞は、Tfrcfl/flNcr1Cre NK細胞と比較して、肝臓、脾臓、肺および血液において頑強に増大し、感染後(dpi)7日および30日にLy49H+NK細胞プールの80~90%を構成した(図4G、下のパネル)。次に、本発明者らは、共通g鎖依存性サイトカインの利用可能性によって駆動されるリンパ球減少性宿主におけるNK細胞の増大もCD71に依存するかどうかに取り組んだ。この目的のために、本発明者らは、WT NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK細胞を等しい比でRag2-/-IL2rg-/-レシピエントマウスに移入した(図4H、左側のパネル)。感染実験と同様に、6dpi時点で、Tfrcfl/flNcr1Cre NK細胞の頻度はWT細胞の頻度よりもはるかに低かった(図4H、右側のパネル)。両方の養子移入実験におけるTfrcfl/flNcr1Cre NK細胞の数の減少は、増大の欠如、細胞死の増加またはその両方の組合せのいずれかに起因した可能性がある。NK細胞におけるCD71の欠失がin vivoにおけるそれらの増殖とどのように関連するかを評価するために、WT NK細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre NK細胞をCFSEで標識し、レシピエントマウスに等しい比で移入した(図4I、上のパネル)。次いで、レシピエントにMCMVを感染させ、3.5dpi時点でドナー細胞を回収した。肝臓および脾臓におけるCFSE希釈物、およびしたがって、養子移入されたTfrcfl/flNcr1Cre NK細胞の増殖はWT細胞のそれよりも有意に少なかった(図4I、下のパネル)。これらの所見は、IL-15 LDおよびIL-12/IL-18で刺激したTfrcfl/flNcr1Cre NK細胞において対照細胞と比較して増殖の減少が示されたin vitro増殖試験においてさらに確認された(図4J)。
【0295】
CD71の欠失がNK細胞媒介性ウイルス制御に影響を及ぼすかどうかに取り組むために、本発明者らは、Tfrcfl/flマウスおよびTfrcfl/flNcr1CreマウスをMCMVで攻撃した(図4K、上のパネル)。上記の競合移入アッセイと一致して、3.5dpiおよび5.5dpi時点で、Tfrcfl/flNcr1Creマウスの肝臓および脾臓の両方においてNK細胞のパーセンテージおよび絶対数の両方の有意な低減が観察された(図4K、真ん中および下のパネル)。3.5dpi時点でTfrcfl/flNcr1Creマウスの間で不十分なNK細胞の増大がより高い脾臓ウイルス力価に関連付けられ、肝臓でも同様の傾向が観察された(図4L)。さらに、脾臓および肝臓に浸潤しているTfrcfl/flNcr1Cre NK細胞によるIFN-γ産生はMCMV感染で減少した(図4M)。注目すべきことに、CD27、CD11bおよびKLRG1発現によって示される通り、不十分な増大およびエフェクター能の低下にもかかわらず、CD71欠損により、MCMVで攻撃したCD71欠損NK細胞の終末成熟は損なわれなかった(図4N)。総じて、これらのデータから、感染の間およびリンパ球減少性環境下の両方のNK細胞増殖におけるCD71の極めて重要な役割が示された。
【0296】
(実施例5)
活性化されたNK細胞におけるCD71の誘導のためには解糖が必要である
本発明者らの実験により、(i)NK細胞増殖を制御する極めて重要な代謝チェックポイントとしてのCD71を介した鉄の取り込み;および(ii)高度に活性化されたNV NK細胞に対する活性化されたCE NK細胞におけるCD71の優先的なアップレギュレーションが確立された。これらの所見に刺激されて、本発明者らは、NV NK細胞およびCE NK細胞においてCD71自体が調節されるかどうかを問うた。この問題に取り組むために、本発明者らは、まず、CD71の誘導がNK細胞転写活性に依拠するかどうかを評価した。以前の実験と同様に、サイトカインにより刺激されたCE NK細胞ではNV NK細胞よりも大きな程度までCD71が誘導された(図5A)。どちらのサブセットにおいても、転写の阻害(アクチノマイシンDを使用した)により、CD71の刺激誘導性アップレギュレーションが完全に妨げられ、翻訳を遮断した場合(シクロヘキシミドを使用した)も同様であった(図5A)。したがって、転写および翻訳はどちらの細胞サブセットでも同様に必要であった。解糖再プログラミングにより、活性化されたNK細胞における転写が駆動されることが以前に実証されている(72)。活性化されたNV NK細胞およびCE NK細胞において解糖が同様に誘発されたので(図1F)、本発明者らは、解糖代謝がTFRC(CD71をコードする)転写にNV NK細胞とCE NK細胞の間で示差的に影響を及ぼし得る可能性を調査した。TFRC mRNA存在量は活性化されたCE NK細胞においてNV NK細胞よりも実際に多かったが、2-DGを用いて解糖を阻害すると同様に減少した(図5B)。細胞を2-DGに曝露させた場合、細胞表面CD71の発現および総CD71レベルは同じパターンに従った(図5C)。CD71発現を誘導するためのグルコースへの依存は低グルコース培地でのNK細胞の活性化で再現され、2-DGで処理したNK細胞におけるトランスフェリン取り込みの減少に変換された(図5Dおよび5E)。したがって、解糖により、CD71の転写および翻訳が可能になる。しかし、解糖により、活性化されたCE NK細胞 対 NV NK細胞におけるCD71の示差的存在量が調節されるというエビデンスは見いだされなかった。
【0297】
c-Mycは、種々の免疫細胞におけるTFRC転写の重要な調節因子として確立されている。NV NK細胞と比較して活性化されたCE NK細胞の間でのTFRC mRNAの存在量の増加を考慮すると(図5B)、CE NK細胞における優先的なc-Myc誘導により、活性化されたCE NK細胞とNV NK細胞の間のCD71の差次的調節を説明することができる。それにもかかわらず、c-Mycは両方のNK細胞サブセットにおいて頑強に、しかし等しく誘導された(図5F)。これらのデータをまとめると、活性化されたNV NK細胞およびCE NK細胞における、(i)CD71の発現を支持するための連続的な転写および翻訳ならびに(ii)CD71発現のための代謝要件としての解糖再プログラミングの対称要求(symmetric need)が確立された。
【0298】
(実施例6)
サイトカインによる予備刺激によりIRP/IRE調節系が誘導される
細胞内鉄恒常性に関与する多くの遺伝子は、それらのmRNAの5’UTRまたは3’UTRに鉄応答性エレメント(IRE)を含有する。鉄調節タンパク質1および2(IRP1およびIRP2)はIREに結合し、それにより、mRNAの安定性および翻訳を制御する。TFRC mRNAは3’UTRに5つのIREを含有する;IRPの結合によりmRNAが安定化し、翻訳が容易になる。記載されている通り、これは鉄欠乏条件下で起こる。したがって、本発明者らは、IRPの存在量がCE NK細胞において選択的に増加することは、活性化されたCE NK細胞におけるCD71発現の増強を調節する、可能性のある機構であり得るという仮説を立てた。mRNAレベルでは、IRP転写物、ACO1およびIREB2のどちらの存在量もNV NK細胞とCE NK細胞とで同様であった(図6A、上のパネル)。しかし、IRP1およびIRP2のタンパク質存在量は静止状態のCE NK細胞および活性化されたCE NK細胞においてより多かった(図6A、下のパネル)。この所見は、偽性鉄欠乏状態を細胞サブセットに特異的な様式で生じさせ、それにより、転写後に別個のセットのタンパク質の存在量を制御する、IRPの新規の役割と矛盾がなかった。
【0299】
この観察を拡張するために、本発明者らは、NK細胞において発現される既知のIRE含有mRNAの転写物の存在量を分析した(図6B)。本発明者らは、極めて重要な真核生物翻訳開始因子4E(eIF4E)を一連のIRE含有mRNAに含めた。これは、鉄応答性エレメント検索(SIRE)アルゴリズムにより、EIF4E mRNAの3’UTRにおいてIRE様モチーフが明らかになったからである(データは示していない)。この分析に刺激されて、本発明者らは、EIF4Eの転写および翻訳パターンを評価した。CD71について観察されたパターンがいくらか再現され、活性化されたCE NK細胞ではより多くのEIF4E転写物および明白により多くのeIF4Eタンパク質が発現された(図6C)。それにもかかわらず、すでに静止状態のCE NK細胞においてNV NK細胞と比較して上昇したレベルのeIF4Eが発現された。注目すべきことに、eIF4Eの存在量が多いにもかかわらず、L-ホモプロパルギルグリシン(HPG)組み入れアッセイを使用して評価して、全体的なタンパク質翻訳は活性化されたNV NK細胞とCE NK細胞の間で識別可能には異ならなかった(図6D)。さらに、本発明者らは、活性化されたCE NK細胞におけるFTH1 mRNA存在量の増加を認めた(図6B)。FTH1 mRNAは5’UTRにIREを含有し、5’UTR IREへのIRPの結合により翻訳が阻害される。このコンステレーションにより、本発明者らは、CE NK細胞におけるIRP存在量の選択的増加によって偽性鉄欠乏症が駆動されるという仮説を試験することが可能になった。実際に、転写レベルが高いにもかかわらず、フェリチン重鎖1(FTH1の遺伝子産物)のタンパク質存在量は、どちらかといえば、刺激していないCE NK細胞および活性化されたCE NK細胞のどちらにおいても少なかった(図6E)。この所見により、IRPの存在量がCE NK細胞およびNV NK細胞に特異的であり、IRPがFTH1 mRNAの翻訳の調節に関与することが強く示唆された。これらのデータをまとめると、偽性鉄欠乏症により、活性化されたCE NK細胞でのCD71の翻訳の増加-およびしたがって、活性化されたCE NK細胞の増殖-が可能になる、CE NK細胞において選択的に誘導される調節軸が確立された。
【0300】
(実施例7)
CAR T細胞におけるIRPの発現
CAR T細胞の生成
CARの抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、CD3ζドメイン、およびCD28共刺激ドメイン、ならびにIRP1および/またはIRP2の配列を対応するレンチウイルスベクターにクローニングする。必要であれば、IRPおよびCAR配列を別々のレンチウイルスパッケージングベクターにクローニングする。レンチウイルス産生は適切な細胞系で実施する。
【0301】
CD8+および/またはCD4+T細胞を患者または健康なドナー由来の末梢血単核細胞から単離し、IL-2の存在下で抗CD3および抗CD28(可溶性またはビーズに結合したもの)を用いて活性化する。活性化の1~2日後、可溶性抗体またはビーズを取り除き、レンチウイルスを用いて細胞への形質導入をおよそ18時間にわたって行い、培地を、IL-2を補充した新鮮な培地と交換した。CARおよびIRP発現を示されている時点でフローサイトメトリーによって確認する。
【0302】
必要に応じて:
CD8+および/またはCD4+T細胞を患者または健康なドナー由来の末梢血単核細胞から単離し、IL-2の存在下で抗CD3および抗CD28(可溶性またはビーズに結合したもの)を用いて活性化する。活性化の1日後、レンチウイルスを用いて細胞への形質導入をおよそ48時間にわたって行い、培地を、IL-2を補充した新鮮な培地と交換した。活性化の5日後、ビーズを取り除き、IL-15およびIL-7を含有する培地と交換する。CARおよびIRP発現を示されている時点でフローサイトメトリーによって確認する。
【0303】
in vitroにおけるCAR T細胞の増殖
CAR T細胞の細胞増殖を分析するために、細胞を活性化する前に細胞に細胞増殖色素カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE、1μM、Molecular probes、USA)を負荷し、96ウェルプレートに播種する。試料取得前に固定可能な生死細胞染色(Fixable Viability Dye、eBioscienceまたはZombie Aqua、Biolegend)を使用して死細胞を排除する。CFSE希釈物を刺激後の様々な時点でフローサイトメトリーによって分析する。
【0304】
in vivoにおけるCAR T細胞の増殖
in vivoにおけるCAR T細胞の細胞増殖を分析するために、少なくとも1つのIRPを過剰発現するCAR T細胞およびいかなるIRPも過剰発現しないCAR T細胞を対応するマウス腫瘍モデルに養子移入し、移入された細胞の頻度および数を様々な時点で分析する。ある特定の実験では、少なくとも1つのIRPを過剰発現するCAR T細胞およびいかなるIRPも過剰発現しないCAR T細胞に、in vivoにおける増殖の分析のために移入前に細胞増殖色素CFSEを負荷する。
【0305】
マウス腫瘍モデル
少なくとも1つのIRPを過剰発現するCAR T細胞およびいかなるIRPも過剰発現しないCAR T細胞を対応するマウス腫瘍モデルに養子移入する。腫瘍モデルに応じて、ある特定の実験では、腫瘍の直径を測定する。腫瘍モデルに応じて、ある特定の実験では、肺を切開し、対応するバッファー中に固定し、小結節の数を顕微鏡を使用して計数する。腫瘍モデルに応じて、ある特定の実験では、生存率を分析する。
【0306】
(実施例8)
材料および方法
マウス
University of Rijeka,Faculty of Medicineにおいて実施された動物実験は、Ethical Committee of the Faculty of Medicine,University of Rijeka、およびEthical Committee at the Croatian Ministry of Agriculture,Veterinary and Food Safety Directorateによって承認されたものであった(UP/I-322-01/18-01/44)。実験内でマウスの年齢および性別を厳密に釣り合わせ、SPF条件で保持した。動物の取扱いはInternational Guiding Principles for Biomedical Research Involving Animalsに含有されるガイドラインに従った。
【0307】
野生型C57BL/6J(B6、株000664)、B6 Ly5.1(株002014)、Tfrcfl/fl(株028363)およびRag2-/-γc-/-(株014593)マウスをJackson laboratoryから購入した。Ncr1CreマウスはV.Sexl(Vienna、Austria)より善意で提供され、B6.Ly49h-/-はSilvia M.Vidal(Montreal、Canada)より善意で提供された。一部の実験では、マウスを6週間にわたって鉄欠乏食および対応する対照食の下に置いた(C1038およびC1000、Altromin)。
【0308】
University of Baselにおける動物実験は実験動物の管理と使用に関する条例に従って実施された。実験内でマウスの年齢および性別を厳密に釣り合わせ、SPF条件で保持した。野生型C57BL/6J(B6、株000664)マウスをJackson Laboratories(USA)から購入し、TfrcY20H/Y20HマウスはR.Geha(Boston、USA)より善意で提供された。
【0309】
血液の分析
血清中鉄、フェリチン、不飽和鉄結合能(UIBC)および総鉄結合能(TIBC)をAU5800分析機器(Beckman Coulter)を使用して決定した。ヘマトクリットを血液分析器DxH500(Beckman Coulter)を使用して決定した。測定はClinical Institute of Laboratory Diagnostics(Clinical Hospital Center、Rijeka、Croatia)で行われた。
【0310】
ウイルス
細菌人工染色体由来マウスサイトメガロウイルス(BAC-MCMV)株pSM3fr-MCK-2flクローン3.3は、MCMV Smith株(VR-1399;ATCC)と生物学的に等価であることが以前に示されており、以降は野生型(WT)MCMV231と称される。pSM3fr-MCK-2flクローン3.3およびΔm157はマウス胚線維芽細胞(MEF)232で繁殖させた。動物に2×10プラーク形成単位(PFU)を静脈内(i.v.)に感染させた。ウイルス力価を標準のプラークアッセイによってMEFで決定した。
【0311】
養子移入実験
MCMV感染の1日前に、WT B6(CD45.1)マウス由来の脾細胞およびTfrcfl/flNcr1Cre(CD45.2)マウス由来の脾細胞を等しい比でB6.Ly49h-/-に、および、それぞれ、Rag2-/-γc-/-レシピエントに移入することにより、養子共移入試験を実施した。in vivoにおける細胞増殖アッセイのために、移入前に、脾細胞に細胞増殖色素カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(5μMのCFSE、Molecular probes、USA)を負荷した。
【0312】
ヒトNK細胞の単離および細胞培養
健康なドナーから書面のインフォームドコンセント後に血液試料を得た。末梢血単核細胞を標準の密度勾配遠心分離プロトコール(Lymphoprep;Fresenius Kabi)によって単離した。EasySepネガティブNK細胞単離キット(Stemcell)を使用してNK細胞を負に選択した。ヒトNK細胞を10%熱失活ヒトAB血清、50U/mlのペニシリン(Invitrogen)および50μg/mlのストレプトマイシン(Invitrogen)(R10AB)を補充したRPMI-1640培地(Invitrogen)中で維持した。CE NK細胞を生成するために、単離されたNK細胞を、IL-12(10ng/ml、R&D systems)、IL-15(1ng/ml、PeproTech)およびIL-18(50ng/ml、R&D systems)を含有するR10AB中で終夜予備刺激した。翌日、細胞をPBSで2回洗浄し、IL-15(1ng/ml)を含有するR10AB中で刺激を行うまで維持した。2~3日ごとに培地の50%を新鮮なIL-15(1ng/ml)と交換した。7日後に細胞をIL-12(10ng/ml)、IL-15(1ng/ml)およびIL-18(50ng/ml)を含有するR10AB中で、またはK562白血病標的(エフェクター:標的比、5:1)を用いて、6時間にわたって刺激した。示されている場合、細胞を2-デオキシ-D-グルコース(10mM、Sigma-Aldrich)、アクチノマイシンD(1μMおよび10μM、Sigma-Aldrich)、シクロヘキシミド(10μg/mlおよび100μg/ml、Sigma-Aldrich)、2,2’-ビピリジル(1μM、10μM、50μMおよび100μM、Sigma-Aldrich)または6-アミノニコチンアミド(50μM、Sigma-Aldrich)と一緒に30分間プレインキュベートし、次いで、IL-12(10ng/ml)、IL-15(1ng/ml)およびIL-18(50ng/ml)を含有するR10AB中で6時間にわたって刺激した。
【0313】
NK細胞系、NK92およびNKLを、IL-2(50U/ml)を補充したR10AB中で維持した。ジャーカット細胞系およびK562細胞系を、10%熱失活ヒト胎児ウシ血清(human fetal bovine serum)(FBS)、50U/mlのペニシリン(Invitrogen)および50μg/mlのストレプトマイシン(Invitrogen)(R10FBS)を補充したRPMI-1640培地(Invitrogen)中で維持した。293Tヒト胎児由来腎臓(HEK-293T)細胞を、10%熱失活ヒト胎児ウシ血清(FBS)、50U/mlのペニシリン(Invitrogen)および50μg/mlのストレプトマイシン(Invitrogen)を補充したDMEM培地(Invitrogen)中で維持した。
【0314】
ヒト細胞のフローサイトメトリー分析
表面染色のために、NK細胞を飽和濃度の抗体を用いて4℃で30分間染色した。以下の抗体を使用した:抗ヒトCD71(クローンCY1G4、Biolegend)、抗ヒトCD69(クローンFN50、Immunotools)、抗ヒトCD98(クローンMEM-108、Biolegend)。試料を、BD AccuriC6またはCytoFLEXフローサイトメーター(Beckman Coulter)を使用して取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0315】
細胞増殖アッセイのために、NK細胞に、活性化前に細胞増殖色素CFSE(1μM、Molecular probes、USA)を負荷し、96ウェルプレートに播種した。細胞を2回洗浄し、R10AB中、IL-15(1ng/ml)と一緒に、示されている場合には阻害剤の存在下で維持した。固定可能生死細胞染色(Fixable Viability Dye、eBioscienceまたはZombie Aqua、Biolegend)を使用して死細胞を試料取得前に排除した。CFSE希釈物を刺激の65時間後にフローサイトメトリーによって分析した。試料を、BD AccuriC6またはCytoFLEXフローサイトメーター(Beckman Coulter)を使用して取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0316】
マウス細胞のフローサイトメトリー分析
脾臓由来のリンパ球を、器官をメッシングし、それらを100μmの濾過器を通して濾過することによって単離した。肝臓からリンパ球を単離するために、組織をメッシングし、100μmの濾過器を通して濾過し、40%~80%Percollの不連続勾配を使用して精製した。脾臓および肝臓中の赤血球を赤血球溶解バッファーを使用して溶解させた。細胞をFc block(クローン2.4G2)で前処理し、固定可能生死細胞染色(Fixable Viability Dye、eBioscience)を使用して死細胞を排除した。細胞を、飽和濃度の抗体を用いて4℃で30分間染色した。Thermo Fisher Scientificから購入した以下の抗体を使用した:抗マウスCD8α(クローン53-6.7)、抗マウスCD45.2(クローン104)、抗マウスCD4(クローンRM4-5)、抗マウスCD69(クローンH1.2F3)、抗マウスCD45.1(クローンA20)、抗マウスCD3ε(クローン145-2C11)、抗マウスCD19(クローン1D3)、抗マウスNK1.1(クローンPK136)、抗マウスNKp46(クローン29A1.4)、抗マウスCD62L(クローンMEL-14)、抗マウスLy6c(クローンHK1.4)、抗マウスKLRG1(クローン2F1)、抗マウスLy49H(クローン3D10)、抗マウスCD11b(クローンM1/70)および抗マウスCD27(クローンO323)。試料をBD FACSAriaを使用して取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0317】
MCMV感染の際の細胞内サイトカイン染色のために、MCMVを感染させたマウスの脾臓および肝臓由来のリンパ球を上記の通り単離した。細胞を、10%ウシ胎仔血清(Thermo Fisher Scientific)、50U/mlのペニシリン(Invitrogen)、50μg/mlのストレプトマイシン(Invitrogen)および50μMの2-メルカプトエタノール(Thermo Fisher Scientific)(R10FBS)を補充したRPMI-1640培地中、IL-2(500IU/ml)の存在下で再懸濁させた。細胞をブレフェルジンA(eBioscience)の存在下、37℃で5時間インキュベートした。細胞を表面染色し、その後、固定および透過処理を製造者(BD Biosciences)のプロトコールに従って行った。細胞内サイトカインをマウス抗IFN-γ(クローンXMG1.2、Thermo Fisher Scientific)を使用して染色した。試料をBD FACSAriaを使用して取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0318】
細胞増殖アッセイのために、リンパ球に、活性化前に細胞増殖色素CFSE(1μM、Molecular probes、USA)を負荷し、U底96ウェルプレートに播種した(細胞5×10個/ウェル)。細胞を、IL-12(10ng/ml、PeproTech)、IL-15(10ng/ml、PeproTech)およびIL-18(50ng/ml、R&D Systems)を含有するR10FBS中で16時間にわたって刺激した。細胞を2回洗浄し、IL-15(10ng/ml)を含有するR10FBS中で維持した。CFSE希釈物を刺激の65時間後にフローサイトメトリーによって分析した。固定可能生死細胞染色(Fixable Viability Dye、eBioscienceまたはZombie Aqua、Biolegend)を使用して死細胞を排除した。試料をBD FACSAriaまたはCytoFLEXフローサイトメーター(Beckman Coulter)を使用して取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0319】
Seahorse代謝フラックス分析機器
Seahorse XF-96e細胞外フラックス分析機器(Seahorse Bioscience、Agilent)を使用して、細胞の代謝プロファイルを決定した。NK細胞を、Celltak(Corning、USA)をコーティングした細胞プレートにプレーティングした(細胞3×10個/ウェル)。ミトコンドリア摂動実験を、オリゴマイシン(1μM、Sigma)、FCCP(2μM、カルボニルシアニド4-(トリフルオロメトキシ)フェニルヒドラゾン、Sigma)、およびロテノン(1μM、Sigma)を順次添加することによって行った。各化合物の注射後、酸素消費速度(OCR、pmol/分)および細胞外酸性化速度(ECAR、mpH/分)をリアルタイムでモニタリングした。
【0320】
2-NBDGの取り込み
NK細胞をU底96ウェルプレートに播種した(細胞2×10個/ウェル)。示されている場合、細胞を阻害剤と一緒に30分間プレインキュベートし、IL-12(10ng/ml)、IL-15(1ng/ml)およびIL-18(50ng/ml)を含有するR10AB中で6時間にわたって刺激した。次いで、細胞を、20μMの2-NBDG(Invitrogen)を含有する培地中で15分間インキュベートし、フローサイトメトリーによって分析した。BD AccuriC6フローサイトメーターを使用して試料を取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0321】
ヒトNK細胞におけるIFN-γ測定
NK細胞を、R10ABを使用してU底96ウェルプレートに播種した(細胞2×10個/ウェル)。示されている場合、細胞を阻害剤と一緒に30分間プレインキュベートし、IL-12(10ng/ml)、IL-15(1ng/ml)およびIL-18(50ng/ml)を含有するR10AB中で6時間にわたって刺激した。刺激後に細胞の上清を回収し、ヒトTh1サイトカインビーズに基づくイムノアッセイ(Legendplex、Biolegend)を製造者のプロトコールに従って使用してIFN-γを測定した。
【0322】
トランスフェリン取り込みアッセイ
NK細胞をU底96ウェルプレートに播種した(細胞2×10個/ウェル)。示されている場合、細胞を阻害剤と一緒に30分間プレインキュベートし、IL-12(10ng/ml)、IL-15(1ng/ml)およびIL-18(50ng/ml)を含有するR10AB中で4時間にわたって刺激した。次いで、細胞を、5%BSAおよびIL-12(10ng/ml)、IL-15(1ng/ml)およびIL-18(50ng/ml)を含有するRPMI-1640培地中で2時間にわたって刺激した。刺激後、細胞を、0.5%BSAを含有するRPMI-1640で洗浄した後、トランスフェリン-alexa488コンジュゲート(Tf-488、10μg/ml、Thermo Fisher Scientific)と一緒に15分間インキュベートした。細胞を氷冷酸性バッファー(150mMのNaCl、20mMのクエン酸およびpH5)中で洗浄することによってトランスフェリン取り込みを停止させた。細胞をFACSバッファー中に再懸濁させ、フローサイトメトリーによって分析した。BD AccuriC6フローサイトメーターを使用して試料を取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0323】
HPG組み入れアッセイ
NK細胞を96ウェルプレートに播種した(細胞2×10個/ウェル)。細胞を、IL-12(10ng/ml)、IL-15(1ng/ml)およびIL-18(50ng/ml)を含有するR10AB中で4.5時間にわたって刺激し、その後、10%の透析処理したFBSならびにIL-12(10ng/ml)、IL-15(1ng/ml)およびIL-18(50ng/ml)を含有するメチオニンフリーRPMI-1640培地中で1.5時間インキュベートした。Click-IT(登録商標)HPG(50μM、Life Technologies)をインキュベーションの最後の30分間に添加した。NK細胞へのHPGの組み入れについてClick-iT(登録商標)反応カクテル(Thermo Fisher Scientific)を用いて染色を行い、フローサイトメトリーによって検出した。BD AccuriC6 flowを使用して試料を取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0324】
免疫ブロット分析
タンパク質濃度をBCAタンパク質アッセイキット(Thermo Fisher Scientific)によって決定した。総細胞溶解物を4%~15%Mini Protean TGX Gel(Bio-Rad、Hercules CA、USA)を使用して分離し、Trans-Blot Turbo Transfer(Bio-Rad、Hercules CA、USA)を使用してニトロセルロースメンブレンに転写した。メンブレンを以下の抗体でプローブした:抗ヒトCD71 mAb(13113)、抗ヒトIRP1 mAb(20272)、抗ヒトIRP2 mAb(37135)、抗ヒトFTH1 mAb(4393)、抗ヒトeIF4E mAb(2067)、抗ヒトc-Myc mAb(5605)および抗ヒトβ-アクチン mAb(3700)(全てCell Signaling、USA)。ブロットを適当な二次抗体で染色し、odyssey imaging system(LICOR、Lincoln NE、USA)を可視化に使用し、ImageJソフトウェア(1.48v)を定量に使用した。
【0325】
RNA配列決定
RNA-seqがAdmera Health(USA)により実施された。簡単に述べると、エタノール沈殿を使用して試料を単離した。Tapestation RNA HS Assay(Agilent Technologies、USA)を使用して品質確認を実施し、Qubit RNA HS assay(Thermo Fisher Scientific)によって定量した。Ribo-zero Magnetic Gold Kit(MRZG12324、Illumina Inc.、USA)を用いてリボソームRNA枯渇を実施した。試料をランダムに予備刺激し、製造者の推奨に基づいて断片化した(Illumina(登録商標)用のNEBNext(登録商標)Ultra(商標)RNA Library Prep Kit)。Protoscript II Reverse Transcriptaseをより長い伸長期間(42℃を40分間)で使用して第1の鎖を合成した。ライブラリー構築のための残りのステップは全てIllumina(登録商標)用のNEBNext(登録商標)UltraTM RNA Library Prep Kitに従って使用した。Illumina 8ntデュアルインデックスを使用した。試料をプールし、150ペアエンドの読み取り長構成を用いてHiSeqで配列決定した。
【0326】
読み取りをヒトゲノム(UCSCバージョンhg38AnalysisSet)に対してSTAR(バージョン2.5.2)を用い、マルチマッピング設定’--outFilterMultimapNmax 10--outSAMmultNmax 1’を使用してアラインメントした。出力をソートし、samtools(バージョン1.7)を用いてインデックスを付け、picard markDuplicates(バージョン2.9.2)を使用して、異なる配列決定レーンで実行された試料をまとめた。QuasR(バージョン 1.20.0)のqCount関数を使用して、エクソンユニオンモデル(2017年9月1日にUCSCからダウンロードされたRefSeq遺伝子)を仮定する各遺伝子のエクソンと重複する読み取りの数(5’末端)を計数した。その後の遺伝子発現データ解析は全てRソフトウェア(R Foundation for Statistical Computing、Vienna、Austria)内で行った。差次的に発現された遺伝子をedgeRパッケージ(バージョン3.22.5)を使用して同定した。
【0327】
定量的リアルタイムPCR
RNAをTrizol(Thermo Fisher Scientific)およびクロロホルム(Sigma-Aldrich)を製造者のプロトコールに従って使用してNK細胞から単離し、次いで、RNeasy RNA purification mini kit(QIAGEN、Germany)を用いて精製した。RNA濃度をNanoDrop 2000C(Thermo Fisher Scientific)を使用して決定した。逆転写酵素キットGoScript(商標)Reverse Transcriptase(Promega)を使用し、精製されたRNAからcDNAを合成した。IFNG、TFRCおよび18S mRNAに対する定量的PCRを、Life Technologies(Hs00989291_m1、Hs00951083_m1、Hs03003631_g1)の商業的に設計されたプライマーを使用し、3連で行った。Go Tag G2 DNA Polymerase(Promega)を製造者のプロトコールに従って使用してPCR反応を実施した。
【0328】
RNA媒介性干渉
NK92細胞、NKL細胞またはジャーカット細胞(2×10個)に、ACO1、IREB2または対照-スクランブルsiRNAを標的とするsiRNAのプール(各10pmol)(QIAGEN)をAMAXA cell line V nucleofection kit(Lonza)を使用してトランスフェクトした。その後、細胞を72時間静置し、表現型および機能の分析を行った。ノックダウン効率をそれぞれのタンパク質の免疫ブロット分析によって評価した。
【0329】
CRISPR編集
IL-2を含有するR10AB(50U/ml;NK92細胞)またはR10FBS(ジャーカット細胞)1mlを伴う24ウェル細胞培養プレートを調製し、37℃に予め温めた。CRISPR-Cas9媒介性IREB2遺伝子ノックアウトのために、以下のIDTからのsgRNAを使用した:Hs.Cas9.IREB2.1 AA(参照番号220257866)またはAlt-R CRISPR-Cas9陰性対照(参照番号224163224)。オリゴを95℃で5分間加熱し、室温までゆっくりと冷却することにより、crRNAとtracrRNAを等モル量でIDT Duplexバッファー(30mMのHEPES、pH4.5、100mMの酢酸カリウム)中20μMの濃度で組み合わせることによってガイドRNA複合体を形成した。等体積のCAS9ヌクレアーゼ(QB3 MacroLab、University of California、Berkeley)を添加し、室温で15分間インキュベートした。NK92細胞またはジャーカット細胞(2×10個)をPBSで洗浄し、電気穿孔溶液(AMAXA cell line V nucleofection kit、Lonza)中に再懸濁させた。RNP溶液(最終RNP濃度3μM)を添加し、推奨されるプログラムを用いて電気穿孔を行った。細胞を予め温めておいた培地に移し、細胞を示されている時点まで静置した。NK92細胞を5日間静置し、その後、表現型および機能の分析を行った。IRP2のノックダウン効率を免疫ブロットによって評価した。ジャーカット細胞を2日間静置し、その後、単一細胞選別を行って96ウェルプレートに入れた。クローンを増大させ、IRP2のノックアウト効率を免疫ブロット分析によって評価し、表現型および機能の分析ならびにレンチウイルスによるIRP2の形質導入のために陽性クローンを増大させた。
【0330】
IRP2 CAR構築
ヒトIRP2を遺伝子ストリングとして合成した(GeneArt、Thermo Fischer Scientific)。次に、IRP2(NM_004136.4)を、第3世代自己不活化型レンチウイルス発現ベクター、pELNSにクローニングし、発現を伸長因子-1α(EF-1α)プロモーターによって駆動し、T2Aおよび第2世代抗PSMA CARとインフレームにした。モノクローナル抗体J591に由来する抗PSMA CARのためのscfvを腫瘍標的化部分として使用し、一方、細胞内ドメインはCD28共刺激ドメインおよびCD3ゼータ鎖からなる。対照ベクターではIRP2をレポーター遺伝子eGFPで置換した。
【0331】
組換えレンチウイルス作製
トランスフェクションの24時間前に、HEK-293細胞を播種した(培地5ml当たり細胞5×10個)。全てのプラスミドDNAを、Endotoxin-free Plasmid Maxiprep Kit(Sigma)を使用して精製した。HEK-293T細胞に1.3pmolのpsPAX2(レンチウイルスパッケージングプラスミド)および0.72pmolのpMD2G(VSV-Gエンベロープ発現プラスミド)および1.64pmolのpLV-EF1A>mCherry(ns):P2A:EGFまたはPLV-EIF1A>hIREB2:P2A:EGFP(Vector Builder)を、Lipofectamine 2000(Invitrogen)およびOptimem培地(Invitrogen、Life Technologies)を使用してトランスフェクトした。形質導入の48時間後および72時間後にウイルス上清を収集した。VIVASPIN 20(Sartorius)を使用してウイルス粒子を濃縮し、ウイルス上清を-80℃で保管した。CAR構築物のレンチウイルス粒子をGiordano-Attianese et al., Nat Biotechnol, 2020, 38, 426-432)に記載されている通り作製した。
【0332】
ジャーカット細胞に対するレンチウイルスによる形質導入
R10FBSを使用し、ジャーカット細胞をU底96ウェルプレートに播種した(細胞5×10個/ウェル)。ウイルス上清を解凍し、ジャーカット細胞に対して1:16から1:1’160’000までにわたる種々のウイルス希釈物を用いた形質導入を行った。プレートを400×gで3分間遠心分離し、37℃で24時間インキュベートした。その後、培地を交換し、細胞をさらに2日間静置した。GFP発現をフローサイトメトリーによって分析することにより、形質導入効率を評価した。GFP細胞をフロー選別し(頻度10~30%陽性細胞)、表現型分析のために増大させた。レンチウイルスによるIRP2の過剰発現を免疫ブロット分析によって評価した。
【0333】
初代T細胞に対するレンチウイルスによる形質導入
健康なドナーから書面のインフォームドコンセント後に血液試料を得た。末梢血単核細胞(PBMC)を標準の密度勾配遠心分離プロトコール(Lymphoprep; Fresenius Kabi)によって単離した。磁気CD4およびCD8ビーズ(Miltenyi Biotec)を使用してCD4T細胞およびCD8T細胞を正に選択した。精製されたCD4T細胞およびCD8T細胞をR10AB中で培養した。CD4T細胞およびCD8T細胞を24ウェル細胞培養プレートにプレーティングし、IL-2(150U/ml)を含有するR10AB中、抗CD3モノクローナル抗体および抗CD28モノクローナル抗体でコーティングしたビーズ(Invitrogen、Life Technologies)を1:1の比で用いて刺激した。活性化の18~22時間後、Retronectin(Takara Bio)でコーティングした細胞培養プレート中、T細胞に対してレンチウイルス粒子を用いた形質導入を行った。24時間ごとに培地を新鮮なIL-2(150U/ml)で交換した。形質導入の5日後、細胞をCD71発現についてフローサイトメトリーによって分析した。CytoFLEXフローサイトメーター(Beckman Coulter)を使用して試料を取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。CAR構築物を用いた初代T細胞に対するレンチウイルスによる形質導入を記載されている通り行った
【0334】
形質導入された初代CAR T細胞の活性化および増殖
CARまたはCAR_IREB2を発現する形質導入されたT細胞を等価のCAR発現のために調整した。CARを刺激するために、ポリクローナル抗Fab抗体(Jackson Immuno Research)を使用した。簡単に述べると、96ウェルプレートを、PBS中20μg/mlの抗Fabを用いて37℃で4時間にわたってコーティングした。初代T細胞に、活性化前に細胞増殖色素Cell Trace violet(CTV;1μM、Thermo Fisher Scientific)を負荷した。プレートを2回洗浄し、染色されたT細胞を播種し(1×10個/ウェル)、5日間にわたって刺激した。CTV希釈およびCD71発現をフローサイトメトリーによって分析した。BD FACS LSR IIフローサイトメーター(BD Bioscience)を使用して試料を取得した。データをFlowjo(登録商標)_V10.5(Tree Star、USA)を用いて解析した。
【0335】
統計解析
データは平均±SEMとして提示される。統計的有意性を、GraphPad Prism 8.00(GraphPad Software)を使用し、対応のない両側スチューデントのt検定または対応のある両側スチューデントのt検定のいずれかを使用することによって決定した。対応のある試料における増加の比較(前 対 後)については、線形単回帰モデルを使用した。P値0.05未満を統計的に有意であるとみなした。
【0336】
(実施例9)
IRP/IRE調節系によりNK細胞におけるCD71発現が調整される
これまでのところ、実験により、(i)NK細胞増殖を制御する極めて重要な代謝チェックポイントとしてのCD71を介した鉄の取り込み、および(ii)CE NK細胞の活性化に際したNV NK細胞と比較したCD71の優先的なアップレギュレーションが確立されている。次に、本発明者らは、NV NK細胞およびCE NK細胞においてCD71自体がどのように調節されるかを問うた。この問題に取り組むために、本発明者らは、まず、CD71の誘導がNK細胞転写活性に依拠するかどうかを評価した。以前の実験と同様に、サイトカインにより刺激されたCE NK細胞ではNV NK細胞よりも大きな程度までCD71が誘導された(図5A、上のパネル)。どちらのサブセットにおいても、アクチノマイシンを使用して転写を阻害することにより、CD71の刺激誘導性アップレギュレーションが妨げられ、シクロヘキシミドを用いて翻訳を遮断した場合も同様であった(図5A、下のパネル)。したがって、転写および翻訳はどちらの細胞サブセットでも同様に必要であった。次に、本発明者らは、TFRCの転写がNV NK細胞とCE NK細胞の間で差次的に調節され得る可能性を調査した。そうするために、本発明者らは、TFRCの転写物の存在量を分析した。実際に、刺激の際の両方のサブセットにおけるさらなる誘導にもかかわらず、TFRC mRNAレベルは活性化されたCE NK細胞においてNV NK細胞におけるよりも高かった(図7A)。c-Mycは種々の免疫細胞におけるTFRCを調節する重要な転写因子である。NV NK細胞と比較して活性化されたCE NK細胞の間でのTFRC mRNAの存在量の増加を考慮すると、したがって、CE NK細胞における優先的なc-Myc誘導により、活性化されたCE NK細胞とNV NK細胞の間のCD71の差次的調節を説明することができる。しかし、c-Mycは両方のNK細胞サブセットにおいて等しく誘導された(図5F)。これらのデータをまとめると、活性化されたNV NK細胞およびCE NK細胞における、CD71の発現を支持するための連続的な転写および翻訳の対称要求が確立された。
【0337】
細胞内鉄恒常性に関与する多くの遺伝子は、それらのmRNAの5’UTRまたは3’UTRに鉄応答性エレメント(IRE)を含有する。鉄調節タンパク質1および2(IRP1およびIRP2)はIREに結合し、それにより、mRNAの安定性および翻訳を制御する。TFRC mRNAは3’UTRに5つのIREを含有し、IRPの結合によりmRNAが安定化し、翻訳が容易になる。教本の通り、これは鉄欠乏条件下で起こる。本発明者らは、細胞内の鉄存在量とは無関係に、IRPの発現がCE NK細胞において選択的に増加することにより、これらの細胞においてTFRC転写物の存在量がより多いことおよび活性化依存性CD71発現が増強されることが説明されると推論した。IRP1およびIRP2の両方のタンパク質存在量は静止状態のCE NK細胞および活性化されたCE NK細胞においてより多かったことにより、この観念が裏付けられる(図6A、真ん中および下のパネル)。これらのデータは、偽性鉄欠乏状態を細胞サブセットに特異的な様式で、すなわち、CE NK細胞において生じさせ、したがって、タンパク質の別個のセットの存在量を転写後レベルで選択的に制御するIRPと一致した。この考えをさらに探索するために、本発明者らは、5’UTRにIREを含有する-IRPの結合により翻訳が阻害される-FTH1(フェリチン重鎖をコードする)の転写物およびタンパク質存在量を分析した。FTH1 mRNAは活性化されたCE NK細胞において増加した(図7B)-これらの高い転写レベルにもかかわらず、フェリチン重鎖のタンパク質存在量は、どちらかといえば、刺激していないCE NK細胞および活性化されたCE NK細胞のどちらにおいても少なかった(図6E)。この所見により、IRPの存在量がCE NK細胞 対 NV NK細胞に特異的であり、IRPが、これらの細胞におけるIRE含有mRNAの翻訳の調節に関与すること強く示唆された。
【0338】
NK細胞のCD71の調節-したがって、それらの細胞の増殖-におけるIRPの役割を遺伝学的に調べるために、本発明者らは、続けてNK細胞系であるNK92を利用した。これらの細胞において、siRNA手法を使用してIRP1およびIRP2レベルをそれぞれ選択的に低下させた(図7C~D)。とりわけ、IRP1のサイレンシングではCD71タンパク質発現に関して一致する変化は観察されなかったが、一方、IRP2をサイレンシングした細胞ではCD71存在量が有意に降下した(図7E)。したがって、フェリチン重鎖発現の増加もIRP2をサイレンシングした場合には見いだされたが、IRP1のサイレンシングでは見いだされなかった(図7F)。この所見の頑強性を確認するために、本発明者らは、第2のNK細胞系(NKL細胞)を使用してこれらの実験を繰り返した。NK92細胞と同様に、IRP2のサイレンシングにより、CD71が有意に低下し、この細胞系ではフェリチン重鎖発現も増加した(図7G~K)。最後に、CRISPR/Cas9技術を使用してIRP2をノックアウトすることによっても(図7L)、NK92細胞の間でCD71発現が低減し、これは、増殖速度の低下に直接変換される(図7M)。したがって、これらのデータにより、遺伝子操作を通じてCE NK細胞 対 NV NK細胞でなされた所見が再現され、IRE/IRP調節軸-特にIRE/IRP2-が、CD71の発現を支配することによってNK細胞/NK細胞系における増殖を調節する重要な系であることが確立された。
【0339】
(実施例10)
強制的なIRP発現はT細胞増殖を同様に支持する分子モジュールである
操作されたキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を使用した養子細胞療法は、種々の悪性病変の制御、特に、血液悪性腫瘍(hematologic malignancy)の処置に関して有望な手法である。しかし、全ての患者がCAR T細胞治療に応答するとは限らず、一部では再発する-および固形がんの処置は依然として比類なく困難である。NK細胞試験からの結果を足掛かりにして、本発明者らは、偽性鉄欠乏症を遺伝学的に強制することにより、同じく(CAR)T細胞の活性化に駆動される(すなわち、状況依存的な)増殖、したがって治療的潜在性も特異的に改善することができると推論した。CD71の発現および相互に関連するT細胞の増殖の調節におけるIRPの役割の調査を始めるために、本発明者らは、まず、siRNA技術を使用してジャーカットT細胞におけるIRP1およびIRP2の存在量を抑制した(図8A~B)。NK細胞系と同様に、IRP2の低減はCD71の発現の低減およびフェリチン重鎖のタンパク質存在量の増加に関する支配的な因子であった(図8C~D)。逆に、IRP2ノックアウト(ko)ジャーカット細胞におけるレンチウイルスによるIRP2の過剰発現(LV-IREB2)により、mCherry(LV-mCherry)をコードする対照ベクターを形質導入した細胞と比較してCD71発現が増加した(図8E~F、上および左下のパネル)。LV-IREB2依存的に増加した細胞表面CD71の発現はより迅速なジャーカットT細胞増殖に関連付けられた(図8F、右下のパネル)。重要なことに、CD71の発現はヒト初代CD4T細胞およびCD8T細胞においてもLV-IREB2のレンチウイルスによる形質導入によって調節された(図8G~H)。
【0340】
これらの知見に励まされ、本発明者らは、CARを発現する初代ヒトT細胞においてIREB2の発現によって強制された偽性鉄欠乏症がCD71の調節および相互に関連する増殖にどのように影響を及ぼすかを続けて試験した。これらの概念実証実験のために、ヒト前立腺特異的膜抗原(hPSMA)を標的とするCAR T細胞モデルを使用した。CD4T細胞に対してCARをコードするベクター(CAR)、またはCARおよびIRP2の両方をコードするベクター(CAR_IREB2)のいずれかを用いたレンチウイルスによる形質導入を行った。CAR_IREB2 T細胞におけるIRP2の過剰発現をウエスタンブロット分析によって確認した(図8I)。非活性化条件下で評価した場合、IRP2の過剰発現は細胞表面CD71の発現に影響を及ぼさなかった(図8J、上のパネル)。しかし、CD71の発現は、CARとα-Fab抗体が架橋結合すると、CAR_IREB2においてCAR T細胞と比較して一貫して高かった(図8J、下のパネル)。CAR_IREB2 T細胞はIRP2による駆動の増加にもかかわらず自発的には増殖せず(図8K、上のパネル)、したがって、厳密に活性化に依存するCD71の発現が優れた増殖の駆動に十分であった(図8K、下のパネル)。総合すると、これらのデータから、T細胞、特にCAR T細胞においてもIRP2によりCD71の発現および相互に関連する細胞増殖が調節されることが実証される。重要なことに、CAR T細胞におけるIRP2の過剰発現を通じた偽性鉄欠乏症の誘導により、厳密に活性化依存的、すなわち状況依存的に増殖が増強される。
図1A-C】
図1D-E】
図1F
図1G
図1H-I】
図2A
図2B-C】
図2D-E】
図2F
図2G-H】
図2I-J】
図3A
図3B-C】
図3D-F】
図4A-B】
図4C-D】
図4E-F】
図4G-H】
図4I-J】
図4K
図4L-N】
図5A-B】
図5C-D】
図5E-F】
図6A
図6B-C】
図6D-E】
図7A-C】
図7D-F】
図7G-I】
図7J-L】
図7M
図8A-B】
図8C-D】
図8E-F】
図8G-I】
図8J
図8K
【配列表】
2022546675000001.app
【国際調査報告】