(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-07
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック、及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/367 20210101AFI20221028BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20221028BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20221028BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20221028BHJP
H01M 50/30 20210101ALI20221028BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/35 201
H01M50/211
H01M50/249
H01M50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512830
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 KR2021005769
(87)【国際公開番号】W WO2021235751
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061866
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】サン-ウ・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ジ-ソン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ダル-モ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ソク・チェ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB08
5H012CC03
5H012CC08
5H012CC10
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC13
5H040CC14
(57)【要約】
本発明は、火災や爆発に対する安全性を高めたバッテリーモジュールを開示する。上記の目的を達成するため、本発明によるバッテリーモジュールは、複数の二次電池を備えた少なくとも一つのセルアセンブリと、モジュールハウジングの内部で発生したガスが移動するように構成されたガスパイプと、一側が開放され、少なくとも一つのセルアセンブリが収納される内部空間が備えられた下部ケース、及び下部ケースの開放された一側を覆うように下部ケースの一側に結合され、ガスパイプを収容する収容空間が備えられ、ガスパイプと内部空間とが連通されるようにガスパイプの一端が連結された連結孔が備えられた上部ケースを備えるモジュールハウジングと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池を備えた少なくとも一つのセルアセンブリと、
発生したガスが移動するように構成されたガスパイプと、
一側が開放され、前記少なくとも一つのセルアセンブリが収納される内部空間が備えられた下部ケース、及び前記下部ケースの開放された一側を覆うように前記下部ケースの一側に結合され、前記ガスパイプを収容する収容空間が備えられ、前記ガスパイプと前記内部空間とが連通されるように前記ガスパイプの一端が連結された連結孔が備えられた上部ケースを備えるモジュールハウジングと、を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記ガスパイプは、
上下に延びたパイプ状であって、前記連結孔と連結されるように構成された少なくとも一つの連結ユニットと、
水平方向に長く延びて端部が前記連結ユニットと連結されるように構成されたパイプユニットと、を備える、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記連結ユニットは、
前記パイプユニットの端部が挿入されるように開口された挿入口を備え、
前記パイプユニットが前記挿入口に挿入される場合、前記挿入口を開放し、前記パイプユニットが前記挿入口に挿入されない場合、前記挿入口を密閉するように構成されたシーリング部材を備える、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記シーリング部材は、前記挿入口に位置した少なくとも二つの密閉部を備え、
前記少なくとも二つの密閉部は、前記パイプユニットが前記挿入口に挿入されない場合は、互いに密着して前記挿入口を密閉するように構成され、前記パイプユニットの端部が挿入される場合は、二つの間が広がって前記挿入口を開放するように構成された、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記上部ケースは、前記収容空間の一側が開放され、
前記上部ケースの収容空間の開放された一側を覆うように前記上部ケースの一側と結合され、ガスを外部に排出するように前記ガスパイプの他端と連結された排出口が備えられた上板をさらに含む、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記上部ケースは、前記連結ユニットの上下方向の一端部が挿入されるように内側に凹んだ第1固定溝を備え、
前記上板は、前記連結ユニットの上下方向の他端部が挿入されるように内側に凹んだ第2固定溝を備える、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記ガスパイプは、前記少なくとも一つのセルアセンブリのガス爆発力に応じて長さを調節可能に構成された、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記ガスパイプは、
ガスが移動する移動空間にガスの移動を阻止するように構成された複数の干渉突起が備えられた、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含む、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項9に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ以上含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及び自動車に関し、より詳しくは、火災や爆発に対する安全性を高めたバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2020年5月22日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0061866号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化されるにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。また、このようなリチウム二次電池は、正極活物質が塗布された正極板と負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介在して配置された電極組立体、及び該電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材、すなわち電池ケースを備える。
【0006】
そして、リチウム二次電池は、外装材の形状に応じて、電極組立体が金属缶に収納されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに収納されているパウチ型二次電池とに分類され得る。
【0007】
特に、近年、電気自動車などに適用される大容量のバッテリーモジュールの需要が増加している。
【0008】
しかし、このような大容量のバッテリーモジュールは、複数の二次電池を備えており、複数の二次電池に火災や爆発が発生する場合、火炎と高温のガスが排出されて隣接した他のバッテリーモジュールへと火災が拡散し易く、火災の拡散により多大な財産被害につながるおそれがある。
【0009】
また、大容量のバッテリーモジュールは、内部の複数の二次電池に火災や爆発が発生する場合、爆発とともにバッテリーモジュールの外部に排出された高温のガスと火炎によって隣接した他の機器が損傷されるかまたは人命被害を引き起こす。したがって、バッテリーモジュールの火災やガス爆発に対する安全性を高める方案が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、火災やガス爆発に対する安全性を高めたバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、
複数の二次電池を備えた少なくとも一つのセルアセンブリと、
発生したガスが移動するように構成されたガスパイプと、
一側が開放され、少なくとも一つのセルアセンブリが収納される内部空間が備えられた下部ケース、及び下部ケースの開放された一側を覆うように下部ケースの一側に結合され、ガスパイプを収容する収容空間が備えられ、ガスパイプと内部空間とが連通されるようにガスパイプの一端が連結された連結孔が備えられた上部ケースを備えるモジュールハウジングと、を含む。
【0013】
また、ガスパイプは、
上下に延びたパイプ状であって、連結孔と連結されるように構成された少なくとも一つの連結ユニットと、
水平方向に長く延びて端部が連結ユニットと連結されるように構成されたパイプユニットと、を備え得る。
【0014】
さらに、連結ユニットは、
パイプユニットの端部が挿入されるように開口された挿入口を備え、
パイプユニットが挿入口に挿入される場合、挿入口を開放し、パイプユニットが挿入口に挿入されない場合、挿入口を密閉するように構成されたシーリング部材を備え得る。
【0015】
そして、シーリング部材は、
挿入口に位置した少なくとも二つの密閉部を備え、
少なくとも二つの密閉部は、パイプユニットが挿入口に挿入されない場合は、互いに密着して挿入口を密閉するように構成され、パイプユニットの端部が挿入される場合は、二つの間が広がって挿入口を開放するように構成され得る。
【0016】
また、上部ケースは、収容空間の一側が開放され、
上部ケースの収容空間の開放された一側を覆うように上部ケースの一側と結合され、ガスを外部に排出するようにガスパイプの他端と連結された排出口が備えられた上板をさらに含み得る。
【0017】
さらに、上部ケースは、
連結ユニットの上下方向の一端部が挿入されるように内側に凹んだ第1固定溝を備え、
上板は、
連結ユニットの上下方向の他端部が挿入されるように内側に凹んだ第2固定溝を備え得る。
【0018】
そして、ガスパイプは、少なくとも一つのセルアセンブリのガス爆発力に応じて長さを調節可能に構成され得る。
【0019】
また、ガスパイプには、
ガスが移動する移動空間にガスの移動を阻止するように構成された複数の干渉突起が備えられ得る。
【0020】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、上述したバッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含む。
【0021】
そして、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様による自動車は、上述したバッテリーパックを少なくとも一つ以上含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、ガスパイプ及びガスパイプと内部空間が連通されるように構成された上部ケースを含み、セルアセンブリなどの内部構成の火災や爆発によって発生した火炎とガスが収容空間に配置されたガスパイプを通って移動するように構成されることで、火炎がバッテリーモジュールの外部に直ちに排出されず、ガスパイプの内部に移動することができる。さらに、本発明は、複数の二次電池が爆発しても、ガスパイプに沿ってガスが移動しながらガス爆発力を減少させた後、外部にガスを排出することができる。
【0023】
さらに、本発明の一態様によれば、少なくとも一つの連結ユニット及びパイプユニットを備えることで、ガスパイプのガス爆発力に応じて設定された長さに容易に組み立てることができる。さらに、バッテリーモジュールのガスを外部に排出する位置に応じてガスパイプの延長方向を調節することができ、新たな形態のガスパイプを製造する必要なく、従来の複数の連結ユニットとパイプユニットとを組み立てて多様な形態(長さ)のガスパイプを製造することができる。
【0024】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの複数の二次電池を概略的に示した斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールのガスパイプを概略的に示した斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールのガスパイプの一部構成を概略的に示した側面図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールのガスパイプを概略的に示した斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成が組み立てられる様子を概略的に示した分解斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの上板を概略的に示した底面斜視図である。
【
図11】本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図12】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図13】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図14】本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュールのガスパイプの一部内部構成を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0027】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0028】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図であり、
図3は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの複数の二次電池を概略的に示した斜視図である。
図1において、X軸方向が右方であり、Y軸方向が後方であり、Z軸方向が上方である。
【0029】
図1~
図3を参照すると、本発明のバッテリーモジュール200は、セルアセンブリ210、ガスパイプ230及びモジュールハウジング220を含む。
【0030】
具体的には、セルアセンブリ210は、複数の二次電池211を備え得る。二次電池211は、パウチ型二次電池であり得る。例えば、
図3に示されたように、セルアセンブリ210は、ケースの内部に一方向(Y軸方向)に並んで積層された21個のパウチ型二次電池211を備え得る。
【0031】
さらに、
図3のように、正極リード211aと負極リード211bとは、二次電池211のパウチの中心を基準にして両端部に形成され得る。すなわち、正極リード211aは二次電池211の中心を基準にして一端部に備えられ得る。また、負極リード211bは二次電池211の中心を基準にして他端部に備えられ得る。
【0032】
しかし、本発明によるバッテリーモジュール200は、二次電池の構成を上述したパウチ型二次電池211のみに限定することはなく、本願の出願時点で公知の多様な種類の二次電池211が採用され得る。
【0033】
また、バッテリーモジュール200は、複数の二次電池211同士を電気的に接続するように構成された少なくとも一つのバスバー(図示せず)を備え得る。具体的には、バスバーは、伝導性金属を含み得、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルなどを含み得る。
【0034】
図4は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した分解斜視図であり、
図5は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール200の一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0035】
図2~
図5を参照すると、ガスパイプ230は、モジュールハウジング220の内部で発生したガスが移動するように構成され得る。すなわち、ガスパイプ230は、ガスが移動する方向に延びた管状であり得る。ガスパイプ230は金属またはプラスチック素材を含み得る。
【0036】
そして、モジュールハウジング220は、金属またはプラスチック素材を含み得る。モジュールハウジング220は、下部ケース222及び上部ケース224を備え得る。下部ケース222は、少なくとも一つのセルアセンブリ210が収納される内部空間222aを備え得る。すなわち、下部ケース222は、セルアセンブリ210の体積と同一であるか又はより大きい内部空間222aを形成する壁W1を有し得る。内部空間222aは一側が開放された形態を有し得る。
【0037】
さらに、上部ケース224は、下部ケース222の開放された一側を覆うように構成され得る。すなわち、上部ケース224は、下部ケース222の開放された面積よりも広い面積を有し得る。例えば、上部ケース224は、水平方向(X軸方向及びY軸方向)に延びた板状であり得る。上部ケース224は下部ケース222の一側に結合され得る。ここで、水平方向とは、バッテリーモジュール200を地面に置いたとき、地面と平行な方向を意味する。
【0038】
また、上部ケース224は、ガスパイプ230の少なくとも一部を収容する収容空間224aを備え得る。すなわち、収容空間224aは、上部ケース224の中央部分が下方に凹んで形成された空間であり得る。収容空間224aは、ガスパイプ230の少なくとも一部分を収容可能な大きさを有し得る。
【0039】
さらに、上部ケース224は、ガスパイプ230と下部ケース222の内部空間222aとが連通されるように連結孔H1を備え得る。これにより、ガスパイプ230の一端が連結孔H1に連結され得る。ガスパイプ230の一端に流れ込んだガスは、パイプに沿って水平方向に移動し、ガスパイプ230の他端(終端)232tまで移動し得る。
【0040】
したがって、本発明のこのような構成によれば、ガスパイプ230と下部ケース222の内部空間222aとが連通されるように構成された上部ケース224を含み、セルアセンブリ210などの内部構成の火災や爆発によって発生した火炎とガスが収容空間224aに配置されたガスパイプ230を通って移動するように構成されることで、火炎がバッテリーモジュール200の外部に直ちに排出されず、ガスパイプ230の内部に移動することができる。さらに、本発明は、複数の二次電池211が爆発しても、ガスパイプ230に沿ってガスが移動しながらガス爆発力を減少させた後、外部にガスを排出させることができる。
【0041】
結論的に、本発明は、セルアセンブリ210などの内部構成の火災や爆発によって発生したガスと火炎が外部に直接排出される場合と比べて、隣接した他のバッテリーモジュール200または他の外部構成へと火災が拡散することを防止し、複数の二次電池211が爆発しても、バッテリーモジュール200の隣接した外部構成に損傷を及ぼすことを低減させることができる。
【0042】
図6は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールのガスパイプを概略的に示した斜視図であり、
図7は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールのガスパイプの一部構成を概略的に示した側面図であり、
図8は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールのガスパイプを概略的に示した斜視図である。
【0043】
図4とともに
図5~
図8を参照すると、本発明のガスパイプ230は、少なくとも一つの連結ユニット232及び少なくとも一つのパイプユニット234を備え得る。具体的には、連結ユニット232は、上下に延びたパイプ形態であり得る。連結ユニット232は、上下に延びたパイプの開放または密閉された上端232a及び下端232bを有し得る。連結ユニット232は、連結孔H1と連結されるように構成され得る。例えば、連結ユニット232の開放された下端232bは、上部ケース224に備えられた連結孔H1に連結され得る。連結ユニット232の開放された下端232bは、連結孔H1に一部が挿入され得る。さらに、例えば、
図1に示されたように、連結ユニット232の開放された上端232aは、上板226の排出口H2と連結され得る。そして、連結孔H1及び排出口H2と連結されていない残りの連結ユニット232は、上端232a及び下端232bがすべて密閉され得る。
【0044】
また、パイプユニット234は、水平方向に長く延びた形態を有し得る。パイプユニット234の端部は、連結ユニット232の内部と連通されるように連結ユニット232と連結され得る。例えば、連結ユニット232には、パイプユニット234の端部が挿入されるように開口された挿入口Pが備えられ得る。
【0045】
例えば、
図5に示されたように、連結ユニット232は前後左右の四方にそれぞれ挿入口Pが備えられ得る。すなわち、連結ユニット232は、四つの挿入口Pを通じて四つのパイプユニット234と連結され得る。
【0046】
したがって、本発明のこのような構成によれば、少なくとも一つの連結ユニット232及びパイプユニット234を備えることで、ガスパイプ230のガス爆発力に応じて設定された長さに容易に組み立てることができる。さらに、バッテリーモジュール200のガスを外部に排出する位置に応じてガスパイプ230の延長方向を調節することができ、新たな形態のガスパイプ230を製造する必要なく、従来の複数の連結ユニット232とパイプユニット234とを組み立てて多様な形態(長さ)のガスパイプ230を製造することができる。
【0047】
さらに、連結ユニット232は、パイプユニット234と組み立てられるハブの役割だけでなく、上端232a及び/または下端232bが密閉される場合、内部に流れ込んだガスの爆発力を上下方向に分散させて爆発力を減少させる役割を果たすことができる。
【0048】
そして、連結ユニット232は、シーリング部材240を備え得る。シーリング部材240は、パイプユニット234が挿入口Pに挿入される場合、パイプユニット234を挿入可能に挿入口Pを開くように構成され得る。例えば、シーリング部材240は弾性素材を含み得る。弾性素材は例えば、天然ゴム、合成ゴムまたはシリコーンゴムなどであり得る。
【0049】
また、シーリング部材240は、挿入口Pに位置した少なくとも二つの密閉部241、242を備え得る。例えば、シーリング部材240は第1密閉部241及び第2密閉部242を備え得る。少なくとも二つの密閉部241、242は、パイプユニット234の端部が挿入される場合、二つの間が広がって挿入口Pを開くように構成され得る。
【0050】
例えば、第1密閉部241と第2密閉部242とは、少なくとも一部分が分離された形態を有し得る。第1密閉部241及び第2密閉部242は、それぞれ挿入口Pの周縁部に接合され得る。例えば、シーリング部材240は円形板状であり得る。円形板の外周部は、連結ユニット232の挿入口Pの内側と接着剤(例えば、シーラント)を用いて接着され得る。
【0051】
さらに、シーリング部材240の第1密閉部241及び第2密閉部242はそれぞれ半円状であり得、第1密閉部241と第2密閉部242とが互いに密着した中心部分Bは分離され得る。例えば、
図6及び
図7に示されたように、パイプユニット234の端部は、第1密閉部241と第2密閉部242との間の分離された部分を通って連結ユニット232の挿入口Pの内部に挿入され得る。シーリング部材240は、挿入口Pに挿入されたパイプユニット234の端部が再び外部に分離されることを防止する役割を果たすことができる。
【0052】
そして、シーリング部材240は、挿入されたパイプユニット234によって圧着された状態で元の形態に復帰しようとする弾性力が発揮されてパイプユニット234の端部を加圧し得る。このとき、シーリング部材240とパイプユニット234との間には大きい摩擦力が発揮され、パイプユニット234が挿入口Pの外部に分離されることを防止することができる。
【0053】
さらに、シーリング部材240は、連結ユニット232の挿入口Pとパイプユニット234の端部との間からガスが漏れないように、連結ユニット232の挿入口Pとパイプユニット234の端部との間を密閉するように構成され得る。
【0054】
また、シーリング部材240は、パイプユニット234が挿入口Pに挿入されない場合、挿入口Pを密閉するように構成され得る。すなわち、少なくとも二つの密閉部241、242は、パイプユニット234が挿入口Pに挿入されない場合、互いに密着して挿入口Pを密閉するように構成され得る。例えば、
図7に示されたように、パイプユニット234が挿入口Pに挿入されない場合、シーリング部材240の第1密閉部241及び第2密閉部242は挿入口Pを覆い得る。
【0055】
したがって、本発明のこのような構成によれば、シーリング部材240を備えることで、パイプユニット234と連結ユニット232との組み立て工程を容易にして製造効率を高めることができる。さらに、ガスパイプ230の内部に移動するガスが連結ユニット232とパイプユニット234との間の隙間から漏れず円滑にガスを排出することができる。
【0056】
図9は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成が組み立てられる様子を概略的に示した分解斜視図であり、
図10は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの上板を概略的に示した底面斜視図である。
【0057】
一方、
図4とともに
図9及び
図10を参照すると、本発明のバッテリーモジュール200は、上板226をさらに含み得る。上部ケース224は、収容空間224aの一側が開放された形態であり得る。上板226は、上部ケース224の収容空間224aの開放された一側を覆うように構成され得る。上板226と上部ケース224との間にはガスケット224gが備えられ得る。ガスケット224gは、上板226と上部ケース224との間の隙間からガスが漏れることを防止するように構成され得る。
【0058】
また、上板226は、上部ケース224の一側と結合され得る。例えば
図5及び
図9に示されたように、複数のボルトTが、上板226に形成された第3締結孔C3、上部ケース224に形成された第2締結孔C2、及び下部ケース222に形成された第1締結孔C1のそれぞれに締結された後、ナットNを使って締結され得る。
【0059】
さらに、上板226には、ガスを外部に排出するように排出口H2が形成され得る。排出口H2は、モジュールハウジング220の内部と外部とが連通されるように打ち抜かれた形態であり得る。排出口H2は、ガスパイプ230の他端(ガス移動経路の終端、
図5の232t)と連結され得る。
【0060】
したがって、本発明のこのような構成によれば、上部ケース224の収容空間224aの一側を覆うように構成された上板226を備えることで、ガスパイプ230をモジュールハウジング220の内部に安全に保管できるだけでなく、火災や爆発が発生した場合、発生したガスがガスパイプ230を通って移動できずに漏れても、収容空間224aの内部に安全に収容することができる。結果的に、バッテリーモジュール200の安全性を高めることができる。
【0061】
また、
図4をさらに参照すると、上部ケース224には、少なくとも一つの第1固定溝G1が備えられ得る。第1固定溝G1は、連結ユニット232の上下方向の一端部232bが挿入されるように、上部ケース224の一部分が本体の内側に凹んだ形態を有し得る。第1固定溝G1は、連結ユニット232の上下方向の一端部を密閉するように構成され得る。第1固定溝G1は、連結ユニット232の位置を固定するように構成され得る。
【0062】
さらに、
図10を参照すると、上板226には、連結ユニット232の上下方向の他端部232aが挿入されるように構成された第2固定溝G2が備えられ得る。第2固定溝G2は、上板226の一部分が本体の内側に凹んで形成され得る。第2固定溝G2は、連結ユニット232の上下方向の他端部232aを密閉するように構成され得る。第2固定溝G2は、連結ユニット232の位置を固定するように構成され得る。
【0063】
したがって、本発明のこのような構成によれば、上部ケース224に形成された第1固定溝G1及び上板226に形成された第2固定溝G2を備えることで、連結ユニット232の位置を固定するだけでなく、連結ユニット232の上下方向の一端部232b及び他端部232aのいずれか一つ以上を密閉できるため、連結ユニット232が発生したガスの圧力を上下方向に分散(吸収)し、ガス爆発力を緩和させる役割を果たすことができる。
【0064】
図11は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0065】
図5とともに
図11をさらに参照すると、本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュール200Aは、
図5のバッテリーモジュール200と比べて、ガスパイプ230Aのガス移動経路の長さが同一であっても、連結ユニット232及びパイプユニット234の個数を少なくし得る。例えば、本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュール200Aは、
図5のバッテリーモジュール200と比べて、ガスパイプ230Aの連結ユニット232の個数を少なくし得る。
【0066】
例えば、
図5のバッテリーモジュール200は連結ユニット232の個数が24個であるが、
図11のガスパイプ230Aは連結ユニット232の個数が16個であり得る。しかし、
図11のガスパイプ230Aのガスが移動する水平方向の全体長さは
図5とほぼ同じであると言える。
図5及び
図11に示されたガスパイプが類似の排出経路を有するためである。
【0067】
このように、
図11のバッテリーモジュール200Aのように、
図5のバッテリーモジュール200と比べて、電池容量が相対的に小さいかガス爆発力が弱い場合、ガスパイプ230Aの連結ユニット232の個数を減らすことができる。また、連結ユニット232の個数が減少することで、パイプユニット234の個数も減少し得る。パイプユニット234は長さを延ばした状態で連結ユニット232と連結され得る。
【0068】
したがって、本発明のこのような構成によれば、ガスパイプ230Aの連結ユニット232とパイプユニット234の個数を少なくとも一つのセルアセンブリ210のガス爆発力に応じて調節可能に構成することで、不要な部品を減らしてバッテリーモジュールの重量を軽くし、製造コストを節減することができる。
【0069】
また、
図6及び
図8をさらに参照すると、ガスパイプ230は、少なくとも一つのセルアセンブリ210のガス爆発力に応じて長さを調節可能に構成され得る。具体的には、パイプユニット234は長さを調節可能に構成され得る。
【0070】
例えば、
図8を参照すると、パイプユニット234は、3個のパイプ部234a、234b、234cを備え得る。
図8において、左側に位置したパイプ部234aの直径と右側に位置したパイプ部234cの直径とは同一であり得る。中央に位置したパイプ部234bは、他の2個のパイプ部234a、234cよりも直径が相対的に小さくなり得る。中央に位置したパイプ部234bは、一側部及び他側部がそれぞれ左側パイプ部234a及び右側パイプ部234cの内部に挿入されるように構成され得る。
【0071】
これによって、本発明は、必要に応じて、中央に位置したパイプ部234bを左側のパイプ部234aと右側のパイプ部234cの内部から引き出してパイプユニット234を延ばすか、または、中央に位置したパイプ部234bを左側のパイプ部234aと右側のパイプ部234cの内部に挿入してパイプユニット234の全体長さを短くし得る。
【0072】
したがって、本発明のこのような構成によれば、ガスパイプ230が少なくとも一つのセルアセンブリ210のガス爆発力に応じて長さを調節可能に構成されることで、バッテリーモジュール200の爆発力やガス排気経路に適するようにガスパイプ230の長さと位置を変更することができる。
【0073】
すなわち、バッテリーモジュール200の規模と形態に応じてガスパイプ230の長さと位置を変更できるため、ガスパイプ230を標準化された部品として使用することができる。これにより、バッテリーモジュール200が多様な容量または形態に変更される場合にも、ガスパイプ230を別途に製作する必要がなく、製造コストを節減できるという利点がある。
【0074】
図12は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0075】
図1とともに
図12を参照すると、
図12のバッテリーモジュール200Bは、
図11のバッテリーモジュール200Aのガスパイプ230Aと比べて、上板226の形成された排出口(図示せず)と連結されたガスパイプ230Bの終端部232tの位置が異なり得る。例えば、
図12に示されたように、ガスパイプ230Bの終端部232tは、上板226の後方左側に位置した排出口(図示せず)と連結されるように構成され得る。また、
図12のガスパイプ230Bは、ガスの移動経路のうち、前後方向の移動経路が長くなるように構成され得る。
【0076】
図13は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
【0077】
図1とともに
図13を参照すると、
図13のバッテリーモジュール200Cは、
図11のバッテリーモジュール200Aのガスパイプ230Aと比べて、上板226に形成された排出口(図示せず)と連結されたガスパイプ230Cの終端部232tの位置が異なり得る。例えば、
図13に示されたように、ガスパイプ230の終端部232tは、上板226の前方右側に位置した排出口(図示せず)と連結されるように構成され得る。また、
図13のガスパイプ230Cは、ガスの移動経路のうち、左右方向の移動経路が長くなるように構成され得る。
【0078】
図14は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュールのガスパイプの一部内部構成を概略的に示した断面図である。
【0079】
図14を参照すると、本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュール200のガスパイプ230Dのパイプユニット234Dは、内部に複数の干渉突起Kが備えられ得る。複数の干渉突起Kは、ガスの移動を阻止するように、ガスが移動する移動空間に構成され得る。複数の干渉突起Kは、パイプユニット234Dの内面から、ガスの移動方向Gの逆方向に向かって傾くように延び得る。複数の干渉突起Kは、移動するガスと摩擦を起こしてガス移動速度を下げるように構成され得る。
【0080】
したがって、本発明のこのような構成によれば、ガスパイプ230Dの内部に複数の干渉突起Kを形成してガス移動の速度を低減させることで、ガスパイプ230Dを通って外部に排出されるガス爆発力を効果的に減少させることができる。これにより、バッテリーモジュールの安全性を効果的に増大させることができる。
【0081】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、上述したバッテリーモジュール200を少なくとも一つ含む。
【0082】
また、バッテリーパックは、バッテリーモジュール200の充放電を制御するための各種の装置(図示せず)、例えばBMS(Battery Management System:バッテリー管理システム)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0083】
一方、本発明の一実施形態による電子デバイス(図示せず)は、上述したバッテリーモジュール200を少なくとも一つ以上含む。電子デバイスは、バッテリーパックを収納するための収納空間が備えられたデバイスハウジング(図示せず)、及びユーザがバッテリーパックの充電状態を確認できる表示部をさらに含み得る。
【0084】
また、本発明の一実施形態による自動車は、上述したバッテリーパックを少なくとも一つ以上含み得る。自動車は、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車であり得る。すなわち、本発明の一実施形態による自動車は、車体内に上述した本発明の一実施形態によるバッテリーパックが搭載され得る。
【0085】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0086】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0087】
200:バッテリーモジュール
210:セルアセンブリ
211:二次電池
220:モジュールハウジング
222:下部ケース
224:上部ケース
226:上板
222a、224a:内部空間、収容空間
H1、H2:連結孔、排出口
230:ガスパイプ
232:連結ユニット
234:パイプユニット
P:挿入口
240:シーリング部材
241、242:第1密閉部、第2密閉部
G1、G2:第1固定溝、第2固定溝
K:干渉突起
【国際調査報告】