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特表2022-546692二次電池およびその二次電池の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-07
(54)【発明の名称】二次電池およびその二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20221028BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20221028BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512832
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 KR2020011916
(87)【国際公開番号】W WO2021045549
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0110276
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0112507
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミ・ジュン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ウ・ヨン・イ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011CC02
5H011DD03
5H011DD26
5H011KK00
5H011KK01
5H011KK04
5H028AA05
5H028AA07
5H028BB04
5H028BB05
5H028BB17
5H028CC02
5H028CC07
5H028CC11
5H028CC15
5H028HH00
5H028HH05
5H028HH08
5H028HH09
(57)【要約】
二次電池およびその二次電池の製造方法が開示される。
本発明は、従来に比べて小さい曲率半径を有する二次電池を製造するためのものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極とセパレータが交互に配置された構造を有し、平たい上面および下面が形成された電極組立体を準備する電極組立体の準備ステップと、
曲面が形成された第1加圧装置を用いて前記電極組立体の前記上面および前記下面を加圧することで、前記電極組立体の前記上面および前記下面に、前記第1加圧装置に形成された前記曲面に対応する形状を有する曲面を形成する第1加圧ステップと、
前記曲面が形成された前記電極組立体を凹状のカップ(cup)が形成されたパウチ型の外装材の中に収容する収容ステップと、
曲面が形成された第2加圧装置を用いて、前記第1加圧ステップにおいて前記電極組立体に形成された前記曲面および前記外装材の外面を加圧する第2加圧ステップとを含む、二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記収容ステップの以前に行われるカップ形成ステップであって、
前記第1加圧ステップにおいて前記電極組立体の前記上面および前記下面に形成された前記曲面と対応する形状を有する曲面が形成された前記カップを前記外装材に形成するカップ形成ステップをさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記第2加圧ステップの以後に行われる表面均一化ステップであって、
前記第2加圧ステップにおいて形成された前記外装材に形成された曲面の表面を均一にする表面均一化ステップをさらに含む、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記表面均一化ステップにおいて、
円筒状のローラが前記外装材に形成された前記曲面の表面上で回転することで、前記外装材に形成された前記曲面の表面均一化が向上する、請求項3に記載の二次電池の製造方法。
【請求項5】
前記電極組立体は、
前記電極組立体の厚さ方向に複数の別個の電極と複数の別個のセパレータが交互に積層されたL&S(lamination & stacking)構造を有するか、または
長方形の分離フィルム上に電極を含む複数の基本単位体が配置され、前記分離フィルムが折り畳まれたS&F(stacking & folding)構造を有する、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項6】
前記電極組立体の準備ステップにおいて、
前記電極組立体を加圧する圧力は180kgf~220kgfであり、
前記電極組立体を加熱する温度は摂氏45度~65度である、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記第1加圧ステップにおいて、
前記電極組立体を加圧する圧力は600kgf~1500kgfであり、
前記電極組立体を加熱する温度は摂氏75度~85度であり、
前記電極組立体を加圧および加熱する時間は50秒~110秒である、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記第1加圧ステップにおいて、
前記電極組立体を加圧する圧力は950kgf~1050kgfであり、
前記電極組立体を加圧および加熱する時間は55秒~65秒である、請求項7に記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記第1加圧ステップにおいて、
前記電極組立体を加圧する圧力は900kgf~1000kgfであり、
前記電極組立体を加圧および加熱する時間は55秒~65秒である、請求項7に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記第2加圧ステップにおいて、
前記電極組立体および前記外装材を加圧する圧力は200kgf~400kgfであり、
前記電極組立体および前記外装材を加熱する温度は摂氏55度~65度である、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項11】
曲面が形成された第3加圧装置を用いて、前記第2加圧ステップにおいて形成された、前記電極組立体に形成された曲面および前記外装材に形成された曲面をさらに加圧する第3加圧ステップをさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記第3加圧ステップにおいて、
前記電極組立体および前記外装材を加圧する圧力は300kgf~400kgfであり、
前記電極組立体および前記外装材を加熱する温度は摂氏75度~85度であり、
前記電極組立体および前記外装材を加圧および加熱する時間は8秒~12秒である、請求項11に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記第3加圧ステップの以後、
前記電極組立体および前記外装材に形成された前記曲面の曲率半径は70mm~150mmである、請求項11に記載の二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記第3加圧ステップの以後、
前記電極組立体および前記外装材に形成された前記曲面の曲率半径は80mm~100mmである、請求項13に記載の二次電池の製造方法。
【請求項15】
電極とセパレータが交互に配置された構造を有し、上面および下面に曲面が形成された電極組立体と、
前記電極組立体を収容し、前記電極組立体の前記上面および前記下面に形成された曲面の曲率半径に対応する曲率半径を有する曲面が形成され、凹状を有するカップ(cup)が形成されるパウチ型の外装材とを含み、
前記電極組立体に形成された曲面および前記外装材に形成された曲面の曲率半径はそれぞれ70mm~150mmである、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年9月5日付けの韓国特許出願第10-2019-0110276号および2020年9月3日付けの韓国特許出願第10-2020-0112507号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池およびその二次電池の製造方法に関し、より詳しくは、従来に比べて小さい曲率半径を有する二次電池およびその二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器に対する需要および電子機器に対する需要者の要求が次第に多様化するにつれて、電子機器に取り付けられ、繰り返しの充電および放電が可能な二次電池(secondary battery)に求められる仕様(specification)も多様化している。
【0004】
例えば、近年、ユーザが電子機器を頭部に取り付けた状態で使用するVR機器に対する需要が増加している。VR機器が頭部に取り付けられるために、VR機器には、人の頭部形状に対応する形状を有する曲面が形成されるのが一般的である。このために、二次電池も、既存の形状から外れて曲面形状を有することが求められる。または、電子機器の内部空間の活用性を極大化するために、二次電池の形状が既存の定型的な形状から外れ、曲面形状などの非定型的な形状を有することが求められる。
【0005】
曲面が形成される二次電池を製造するためには、曲面を含む加圧プレスを用いて電極組立体の外部面を加圧する過程が必要であるのが一般的である。しかし、従来技術によると、加圧プレスを用いて電極組立体の外部面を加圧して曲面を形成する過程で種々の問題があった。
【0006】
例えば、加圧プレスにより加圧される前の電極組立体内で電極とセパレータは互いに接着された状態であり、加圧プレスにより電極組立体を加圧して曲面が形成されるとしても、加圧プレスにより加圧される前の電極とセパレータの接着力により曲面が維持されることができず、加圧される前の状態に戻るという問題があった。かかる問題は、加圧プレスにより形成される曲面の曲率半径が小さくなるほど(すなわち、加圧プレスにより電極組立体が多く曲がるほど)激しくなる傾向があった。
【0007】
また、電極とセパレータを交互に積層して製造される積層型電極組立体を加圧して曲面が形成される場合、積層型電極組立体の曲面形状を維持するために電極組立体を支持する構成がないため、電極組立体内の電極とセパレータが剥離するという問題があった。かかる問題も、加圧プレスにより形成される曲面の曲率半径が小さくなるほど激しくなる傾向があった。
上記の問題は、従来に比べて小さい曲率半径を有する曲面が形成された電極組立体および二次電池を製造するのに障害として作用した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、従来に比べて小さい曲率半径を有する曲面が形成されて時間が経過しても、その曲面の形状を一定に維持可能な電極組立体を製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の一態様によると、電極とセパレータが交互に配置された構造を有し、平たい上面および下面が形成された電極組立体を準備する電極組立体の準備ステップと、曲面が形成された第1加圧装置を用いて前記電極組立体の上面および下面を加圧することで、前記電極組立体の上面および下面に、前記第1加圧装置に形成された曲面に対応する形状を有する曲面を形成する第1加圧ステップと、曲面が形成された前記電極組立体を凹状のカップ(cup)が形成されたパウチ型の外装材の中に収容する収容ステップと、曲面が形成された第2加圧装置を用いて、前記第1加圧ステップにおいて前記電極組立体に形成された曲面および前記外装材の外面を加圧する第2加圧ステップとを含む、二次電池の製造方法が提供される。
【0010】
前記収容ステップ以前に行われるカップ形成ステップであって、前記第1加圧ステップにおいて前記電極組立体の上面および下面に形成された曲面と対応する形状を有する曲面が形成された前記カップを前記外装材に形成するカップ形成ステップをさらに含んでもよい。
【0011】
前記第2加圧ステップ以後に行われる表面均一化ステップであって、前記第2加圧ステップにおいて形成された前記外装材に形成された曲面の表面を均一にする表面均一化ステップをさらに含んでもよい。
【0012】
前記表面均一化ステップにおいて、円筒状のローラが前記外装材に形成された曲面の表面上で回転することで、前記外装材に形成された曲面の表面均一化が向上することができる。
【0013】
前記電極組立体は、前記電極組立体の厚さ方向に複数の別個の電極と複数の別個のセパレータが交互に積層されたL&S(lamination & stacking)構造を有するか、または長方形の分離フィルム上に電極を含む複数の基本単位体が配置され、前記分離フィルムが折り畳まれたS&F(stacking & folding)構造を有してもよい。
【0014】
前記電極組立体の準備ステップにおいて、前記電極組立体を加圧する圧力は180kgf~220kgfであり、前記電極組立体を加熱する温度は摂氏45度~65度であってもよい。
【0015】
前記第1加圧ステップにおいて、前記電極組立体を加圧する圧力は600kgf~1500kgfであり、前記電極組立体を加熱する温度は摂氏75度~85度であり、前記電極組立体を加圧および加熱する時間は50秒~110秒であってもよい。
【0016】
前記第1加圧ステップにおいて、前記電極組立体を加圧する圧力は950kgf~1050kgfであり、前記電極組立体を加圧および加熱する時間は55秒~65秒であってもよい。
【0017】
前記第1加圧ステップにおいて、前記電極組立体を加圧する圧力は900kgf~1000kgfであり、前記電極組立体を加圧および加熱する時間は55秒~65秒であってもよい。
【0018】
前記第2加圧ステップにおいて、前記電極組立体および前記外装材を加圧する圧力は200kgf~400kgfであり、前記電極組立体および前記外装材を加熱する温度は摂氏55度~65度であってもよい。
【0019】
曲面が形成された第3加圧装置を用いて、前記第2加圧ステップにおいて形成された、前記電極組立体に形成された曲面および前記外装材に形成された曲面をさらに加圧する第3加圧ステップをさらに含んでもよい。
【0020】
前記第3加圧ステップにおいて、前記電極組立体および前記外装材を加圧する圧力は300kgf~400kgfであり、前記電極組立体および前記外装材を加熱する温度は摂氏75度~85度であり、前記電極組立体および前記外装材を加圧および加熱する時間は8秒~12秒であってもよい。
【0021】
前記第3加圧ステップの以後、前記電極組立体および前記外装材に形成された曲面の曲率半径は70mm~150mmであってもよく、より詳細には80mm~100mmであってもよい。
【0022】
上記の目的を達成するための本発明の他の態様によると、電極とセパレータが交互に配置された構造を有し、上面および下面に曲面が形成された電極組立体と、前記電極組立体を収容し、前記電極組立体の上面および下面に形成された曲面の曲率半径に対応する曲率半径を有する曲面が形成され、凹状を有するカップ(cup)が形成されるパウチ型外装材とを含み、前記電極組立体に形成された曲面および前記外装材に形成された曲面の曲率半径はそれぞれ70mm~150mmである、二次電池が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、従来に比べて小さい曲率半径を有する曲面が形成されて時間が経過しても、その曲面の形状を一定に維持可能な電極組立体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る二次電池の第1基本単位体の構造を示した断面図である。
図2】本発明に係る二次電池の第2基本単位体の構造を示した断面図である。
図3】本発明に係る二次電池の第3基本単位体の構造を示した断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る二次電池の電極組立体が展開された際の様子を示した平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る二次電池の電極組立体の構造を示した断面図である。
図6】本発明に係る二次電池の製造方法において、第2加圧ステップ以後に二次電池に曲面が形成された様子を示した側面図である。
図7】本発明に係る二次電池の製造方法において、表面均一化ステップが行われる様子を示した側面図である。
図8】本発明の実施例1~実施例4に対する実験例1の結果を示したグラフである。
図9】本発明の実施例1~実施例4に対する実験例2の結果を示したグラフである。
図10】本発明の実施例1および実施例5に対する実験例1の結果を示したグラフである。
図11】本発明の実施例1および実施例5に対する実験例2の結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る二次電池および二次電池の製造方法を説明することにする。
二次電池
図1は、本発明に係る二次電池の第1基本単位体の構造を示した断面図であり、図2は、本発明に係る二次電池の第2基本単位体の構造を示した断面図である。そして、図3は、本発明に係る二次電池の第3基本単位体の構造を示した断面図である。
【0026】
本発明に係る二次電池は、電極とセパレータとを含む、第1基本単位体110、第2基本単位体120、および第3基本単位体130を含んでもよい。第1~第3基本単位体110、120、130は、それぞれ、負極142、セパレータ146、および正極144、144’が交互に配置された構造を有してもよい。より詳細には、第1~第3基本単位体は、負極、セパレータ、正極が交互に積層された構造を有してもよい。
【0027】
図1に示されたように、第1基本単位体110は、下方から負極142、セパレータ146、正極144、セパレータ146、および負極142が交互に積層された5層構造を有してもよい。
【0028】
また、図2に示されたように、第2基本単位体120は、下方から正極144、セパレータ146、負極142、セパレータ146、および正極144が交互に配置された5層構造を有してもよい。
【0029】
第2基本単位体120の場合と同様に、第3基本単位体130も、下方から正極、セパレータ、負極、セパレータ、および正極が交互に配置された5層構造を有してもよい。しかし、図3に示されたように、第3基本単位体130の両端部に配置された正極のうち1つは、片面正極144’であってもよい。
【0030】
一般的に、電極は、電極シートの両面に電極活物質層が塗布された構造を有するのが一般的である。しかし、本発明に係る片面正極は、正極シートの片面にのみ正極活物質層が塗布された構造を有する。この際、片面正極144’の正極シートの両面のうち正極活物質層が塗布される面は、セパレータ146と接触していてもよい。
【0031】
図4に示されたように、本発明の一実施形態に係る電極組立体10は、分離フィルム150と、分離フィルム150上に配置された第1~第3基本単位体110、120、130とを含んでもよい。図4に示されたように、第1~第3基本単位体110、120、130の幅は、互いに同一であってもよい。
【0032】
図4に示されたように、電極組立体10を展開した際、分離フィルム150の一端部には第1基本単位体110が配置され、分離フィルム150の反対側の他端部方向に第1~第3基本単位体の幅だけの空いた空間が形成された後、2個の第2基本単位体120、2個の第1基本単位体110、2個の第2基本単位体120、2個の第1基本単位体110、および2個の第3基本単位体130が順次配置された構造を有してもよい。一方、2個の第3基本単位体130は、片面正極が分離フィルム150と当接するように配置されてもよい(図5参照)。
【0033】
一方、図5に示されたように、本発明の一実施形態に係る電極組立体10は、分離フィルム150上に第1~第3基本単位体110、120、130を配置した後、分離フィルムが折り畳まれた構造を有してもよい。以下、本明細書においては、分離フィルム上に電極を含む複数の基本単位体が配置された後、分離フィルムが折り畳まれた構造をS&F(stacking & folding)構造と称することにする。
【0034】
一方、本発明に係る二次電池は、電極とセパレータが交互に配置された構造を有し、上面および下面に曲面が形成された電極組立体と、電極組立体を収容し、電極組立体の上面および下面に形成された曲面の曲率半径に対応する曲率半径を有する曲面が形成される際、凹状を有するカップ(cup)が形成されるパウチ型外装材とを含んでもよい。この際、電極組立体に形成された曲面および外装材に形成された曲面の曲率半径はそれぞれ70mm~150mmであってもよい。すなわち、本発明に係る二次電池の曲面の曲率半径は70mm~150mmであってもよい。
【0035】
参考に、かかる二次電池は、人が頭部にかぶるVR機器に搭載できるように上記の70mm~150mmの範囲に定めることができるが、一般的な成人の頭部に合ったVR機器に搭載される二次電池であれば、80mm~100mmの程度に定めることができる。そして、70mmのものは子供用または頭部が小さい人が着用できる小型VR機器に搭載されてもよく、150mmのものは頭部が大きい人が着用できる大型VR機器に搭載されてもよい。
【0036】
二次電池の製造方法
本発明に係る二次電池の製造方法は、電極とセパレータが交互に配置された構造を有する電極組立体を準備する電極組立体の準備ステップを含んでもよい。この際、電極組立体の準備ステップにおいて準備される電極組立体の上面および下面には、平たい面が形成されてもよい。
【0037】
この際、電極組立体の準備ステップにおいて準備される電極組立体は、(i)電極組立体の厚さ方向に複数の別個の電極と複数の別個のセパレータが交互に積層されたL&S(lamination & stacking)構造を有する電極積層体を含むか、または(ii)長方形の分離フィルム上に電極を含む複数の基本単位体が配置された後、分離フィルムが折り畳まれたS&F(stacking & folding)構造を有する電極積層体を含んでもよい。
【0038】
また、電極組立体の準備ステップにおいて、基本単位体を製造するために、基本単位体を加圧する圧力は180kgf~220kgfであり、基本単位体を加熱する温度は摂氏45度~55度であってもよい。
【0039】
一方、本発明に係る電極組立体の準備ステップにおいて準備される電極組立体がS&F構造を有する電極積層体を含む場合、かかる電極積層体は、分離フィルム上に基本単位体を配置した後に分離フィルムを折り畳む際、分離フィルムおよび基本単位体を加圧する圧力は140kgf~160kgfであってもよく、加熱する温度は摂氏65度~75度であってもよい。
【0040】
本発明に係る二次電池の製造方法は、従来に比べて小さい曲率半径を有する曲面が形成された二次電池を製造するためのものであってもよい。本発明に係る二次電池の製造方法により製造された二次電池に形成された曲面の曲率半径は70mm~150mmであってもよく、より詳細には80mm~100mmであってもよい。
【0041】
一方、本発明に係る二次電池の製造方法は、曲面が形成された第1加圧装置を用いて電極組立体の上面および下面を加圧することで、電極組立体の上面および下面に、第1加圧装置に形成された曲面に対応する形状を有する曲面を形成する第1加圧ステップを含んでもよい。本発明に係る二次電池の製造方法において、第1加圧ステップにより電極組立体の上面および下面に初めて曲面(curved surface)が形成されるため、本発明に係る第1加圧ステップは、カーブ(curving)工程と見ることができる。
【0042】
本発明に係る二次電池の製造方法の第1加圧ステップにおいて、電極組立体の上面および下面を加圧する圧力は600kgf~1500kgfであってもよく、電極組立体の上面および下面を加圧する温度は摂氏75度~85度であってもよく、電極組立体を加圧および加熱する時間は50秒~110秒であってもよい。
【0043】
第1加圧ステップにおいて、電極組立体の上面および下面を加圧する圧力が600kgf未満である場合には、本発明が製造しようとする範囲の曲率半径を有する曲面が二次電池に形成されないし、第1加圧ステップにおいて、電極組立体の上面および下面を加圧する圧力が1500kgf超過である場合には、通気度が過度に大きくなり得る。
【0044】
通気度とは、所定の条件下で空気が或る構成(例えば、電極組立体)を通過する時間を示したものであって、電極組立体の通気度を測定することで、イオンの浸透性を確認することができる。よって、電極組立体の通気度が大きいとは、空気が電極組立体、特にセパレータを通過するのに長い時間がかかることを意味するため、電極組立体のイオン透過性が低いことを意味する。よって、電極組立体の通気度が過度に大きい場合、電極組立体、または、二次電池の性能が低下し得る。
【0045】
より好ましくは、第1加圧ステップにおいて、電極組立体の上面および下面を加圧する圧力は950kgf~1050kgfであってもよい。または、より好ましくは、第1加圧ステップにおいて、電極組立体の上面および下面を加圧する圧力は900kgf~1000kgfであってもよい。また、より好ましくは、第1加圧ステップにおいて、電極組立体の上面および下面を加圧する時間は55秒~65秒であってもよい。または、より好ましくは、第1加圧ステップにおいて、電極組立体の上面および下面を加圧する時間は95秒~105秒であってもよい。
【0046】
一方、本発明に係る二次電池の製造方法は、曲面が形成された電極組立体を凹状のカップ(cup)が形成されたパウチ型外装材(以下、「外装材」)内に収容する収容ステップをさらに含んでもよい。この際、外装材に形成されるカップの形状は、第1加圧ステップにより曲面が形成された電極組立体の形状に対応してもよい。
【0047】
また、外装材にカップを形成するために、本発明に係る二次電池の製造方法は、前記収容ステップ以前に行われ、第1加圧ステップにおいて電極組立体の上面および下面に形成された曲面と対応する形状を有する、曲面が形成されたカップを外装材に形成するカップ形成ステップをさらに含んでもよい。
【0048】
一方、本発明に係る二次電池の製造方法は、曲面が形成された第2加圧装置を用いて、前記第1加圧ステップにおいて電極組立体に形成された曲面および外装材の外面を加圧する第2加圧ステップをさらに含んでもよい。すなわち、第2加圧ステップは、二次電池に形成された曲面を加圧するものであってもよい。
【0049】
第2加圧ステップは、前記収容ステップ以後に行われてもよい。すなわち、第2加圧ステップにおいて、外装材に形成されたカップに電極組立体を収容した後に外装材の外面を加圧することで、前記外装材内に収容された電極組立体に形成された曲面もともに加圧されるものと理解することができる。よって、本発明によると、第1加圧ステップにおいて形成された電極組立体の曲面の形状が、第2加圧ステップにより、さらに堅固に維持されることができる。
【0050】
第2加圧ステップにおいて、電極組立体および外装材(すなわち、二次電池)を加圧する圧力は200kgf~400kgfであってもよく、二次電池の上面および下面を加圧する温度は摂氏55度~65度であってもよい。
【0051】
第2加圧ステップは、曲面が形成された第1ジグと第2ジグとの間に電極組立体が収容された外装材を挿入した後、第1ジグおよび第2ジグが、電極組立体が収容された外装材を加圧することで行われてもよい。よって、第2加圧ステップは、ジグフォーメーション(jig formation)工程と見ることができる。図6は、本発明に係る二次電池の製造方法において、第2加圧ステップ以後に二次電池に曲面が形成された様子を示した側面図であって、第1加圧ステップ以後に二次電池1の上面および下面に曲面Cが形成された場合が示されている。
【0052】
一方、本発明に係る二次電池の製造方法は、第2加圧ステップ以後に行われ、前記第2加圧ステップにおいて形成された、外装材に形成された曲面の表面を均一にする表面均一化ステップをさらに含んでもよい。図7は、本発明に係る二次電池の製造方法において、表面均一化ステップが行われる様子を示した側面図である。図7には、二次電池1の上面に形成された曲面C上を円筒状のローラ20が回転する様子が示されている。
【0053】
前記表面均一化ステップにおいては、円筒状のローラ20が二次電池1に形成された曲面Cの表面上で回転することで、二次電池1に形成された曲面の表面均一化が向上することができる。より好ましくは、表面均一化ステップにおいて、ローラ20が二次電池1に形成された曲面の表面上で回転する際、円筒状のローラと二次電池1に形成された曲面Cの表面上には、互いに滑らないことがある。これは、表面均一化ステップにおいて、ローラと二次電池に形成された曲面の表面との間には、静止摩擦力(force of static friction)が作用するものと理解することができる。
【0054】
また、本発明に係る二次電池の製造方法は、曲面が形成された第3加圧装置を用いて、電極組立体に形成された曲面および外装材に形成された曲面をさらに加圧する第3加圧ステップをさらに含んでもよい。すなわち、第3加圧ステップは、二次電池に形成された曲面を加圧するものであってもよい。第3加圧ステップは、前記表面均一化ステップ以後に行われてもよい。
【0055】
前述したように、表面均一化ステップにおいて、外装材に形成された曲面の表面均一化が向上することができる。しかし、この過程で、円筒状のローラが二次電池に形成された曲面の表面を加圧するため、二次電池に形成された曲面の曲率半径に変形が起こり得る。
【0056】
したがって、本発明によると、表面均一化ステップ以後に第3加圧ステップにより二次電池に形成された曲面をさらに加圧するため、第1加圧ステップおよび第2加圧ステップにおいて形成された二次電池の曲面の形状が、第3加圧ステップにより、さらに堅固に維持されることができる。
【0057】
第3加圧ステップにおいて、電極組立体および外装材(すなわち、二次電池)の上面および下面を加圧する圧力は300kgf~400kgfであってもよく、二次電池の上面および下面を加圧する温度は摂氏75度~85度であってもよく、二次電池の上面および下面を加圧および加熱する時間は8秒~12秒であってもよい。
【0058】
第3加圧ステップは、高温に加熱されたホットプレスジグ(hot press jig)内に二次電池を挿入した後、ジグが二次電池を加熱および加圧することで行われてもよい。よって、第3加圧ステップは、ホットプレス(hot press)工程と見ることができる。前記第3加圧ステップ、すなわち、ホットプレス工程以後の二次電池の曲率半径は70mm~150mmであってもよい。
【0059】
一方、本発明によると、第1加圧ステップにおいて、電極組立体の上面および下面を加圧する第1加圧装置における、電極組立体の中間領域を加圧する領域の曲面と、電極組立体の両端部を加圧する領域の曲面の曲率半径は互いに異なってもよい。より詳細には、第1加圧装置における、電極組立体の両端部を加圧する領域の曲面の曲率半径は、電極組立体の中間領域を加圧する領域の曲面の曲率半径よりも小さくてもよい。
【0060】
加圧装置により曲面が形成された電極組立体は、時間が経過するにつれて、再び広がろうとする傾向がある。これは、電極組立体内の電極とセパレータとの間に形成された接着により形成された復原力のためである。かかる傾向は、電極組立体に形成された曲面の中でも曲面の端部において相対的にさらに大きい。
【0061】
第1加圧装置において、電極組立体の両端部と中間領域を加圧する領域の曲面の曲率半径をそれぞれ互いに異なるようにすることは、かかる傾向を相殺するためであることができる。すなわち、第1加圧ステップにおいて、電極組立体に形成された曲面において、両端部に形成された曲面の曲率半径がさらに小さいようにすることで、曲面の全領域における曲率半径の偏差を減らすことができる。
【0062】
実施例1
分離フィルム、5個の第1基本単位体、4個の第2基本単位体、および2個の第3基本単位体を準備した。第1基本単位体は、負極、セパレータ、正極、セパレータ、および負極が順次積層された構造を有し、第2基本単位体は、正極、セパレータ、負極、セパレータ、および正極が順次積層された構造を有し、第3基本単位体は、片面正極、セパレータ、負極、セパレータ、および正極が順次積層された構造を有する。
【0063】
第1~第3基本単位体を製造する過程で、電極およびセパレータを接着するために、電極およびセパレータに加えられた圧力は200kgfであり、温度は摂氏50度であった。
【0064】
その後、分離フィルムの上面に第1~第3基本単位体を配置した。分離フィルムの一端部に第1基本単位体が配置され、分離フィルムの反対側の他端部方向に第1~第3基本単位体の幅だけの空いた空間が形成された後、2個の第2基本単位体、2個の第1基本単位体、2個の第2基本単位体、2個の第1基本単位体、および2個の第3基本単位体が順次配置された。この際、2個の第3基本単位体は、片面正極が分離フィルムと当接するように配置された。
分離フィルムを上記のように配置した後、分離フィルムを折り畳んで電極組立体を製造した。
【0065】
その後、曲面が形成された第1加圧装置を用いて、電極組立体を加圧して電極組立体に曲面を形成した(第1加圧ステップ)。第1加圧装置が電極組立体を加圧する際の加圧温度は摂氏80度であり、加圧圧力は600kgfであり、加圧時間は60秒であった。
【0066】
その後、第1加圧装置により曲面が形成された電極組立体の形状に対応する形状を有するカップが形成されたシート状外装材に電極組立体を収容して二次電池を製造した。
【0067】
その後、曲面が形成された第2加圧装置を用いて、二次電池に形成された曲面をさらに加圧した(jig formation工程)。第2加圧装置が二次電池を加圧する際の加圧温度は摂氏60度であり、加圧圧力は300kgfであった。
【0068】
その後、曲面が形成された第3加圧装置を用いて、二次電池に形成された曲面をさらに加圧した(hot press工程)。第3加圧装置が二次電池を加圧する際の加圧温度は摂氏80度であり、加圧圧力は350kgfであり、加圧時間は10秒であった。
【0069】
実施例2
第1加圧装置が電極組立体を加圧する際の加圧圧力が900kgfであることを除いては、実施例1と同様に二次電池を製造した。
【0070】
実施例3
第1加圧装置が電極組立体を加圧する際の加圧圧力が1000kgfであることを除いては、実施例1と同様に二次電池を製造した。
【0071】
実施例4
第1加圧装置が電極組立体を加圧する際の加圧圧力が1500kgfであることを除いては、実施例1と同様に二次電池を製造した。
【0072】
実施例5
第1加圧装置が電極組立体を加圧する際の加圧時間が100秒であることを除いては、実施例1と同様に二次電池を製造した。
【0073】
実験例1
実施例1~実施例5により製造された二次電池に形成された曲面の曲率半径を測定した。Keyence社製の3D測定器を用いて二次電池のイメージを撮影した後、二次電池の両端地点および中間地点を設定して3地点の位置を測定した後、前記3地点に基づいて曲率半径を測定した。
【0074】
実施例1~実施例4により製造された二次電池に形成された曲面の曲率半径を測定した結果が図8に示され、実施例1および実施例5により製造された二次電池に形成された曲面の曲率半径を測定した結果が図9に示されている。
【0075】
実験例2
実施例1および実施例5により製造された二次電池の通気度を測定した。実施例1~実施例4により製造された二次電池の通気度を測定した結果が図10に示され、実施例1および実施例5により製造された二次電池の通気度を測定した結果が図11に示されている。通気度は、100mlの空気が二次電池を通過するのにかかる時間(秒)を計算することで測定された。
【0076】
実験例1および実験例2を見ると、次のような結果を導き出すことができる。
第1加圧ステップにおいて電極組立体に加えられる圧力が増加するほど、二次電池の曲率半径が小さくなる傾向を有することが分かる。すなわち、第1加圧ステップにおいて電極組立体に加えられる圧力が増加するほど、二次電池に形成された曲面の形状がよく維持されることを確認することができる。しかし、その圧力が1000kgfである場合(実施例3)および1500kgf(実施例4)である場合を比較すると、二次電池に形成された曲面の曲率半径の差が大きくないことが分かる。
【0077】
その反面、第1加圧ステップにおいて電極組立体に加えられる圧力が増加するほど、二次電池の通気性は増加することが分かる。すなわち、第1加圧ステップにおいて電極組立体に加えられる圧力が増加するほど、二次電池の性能は低下することが分かる。特に、圧力が1000kgfである場合(実施例3)と比較して圧力が1500kgfである場合(実施例4)に通気度が急激に増加することを確認することができる。
【0078】
一方、実施例1および実施例5を比較すると、第1加圧ステップにおける加圧時間が60秒である場合(すなわち、実施例1)の二次電池の曲率半径が、第1加圧ステップにおける加圧時間が100秒である場合(すなわち、実施例5)の二次電池の曲率半径よりも顕著に大きいことを確認することができる。その反面、第1加圧ステップにおける加圧時間が100秒である場合(すなわち、実施例5)の二次電池の通気度は、第1加圧ステップにおける加圧時間が60秒である場合(すなわち、実施例1)の二次電池の通気度と大きな差がないことを確認することができる(すなわち、実施例1および実施例5の何れも通気度は250秒内外であることを確認することができる)。
【0079】
以上、限定された実施形態および図面により本発明を説明したが、本発明は、これにより限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と後述の特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0080】
1:二次電池
10:電極組立体
110:第1基本単位体
120:第2基本単位体
130:第3基本単位体
142:負極
144:正極
144’:片面正極
146:セパレータ
150:分離フィルム
20:ローラ
C:曲面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】