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特表2022-546734車両回転数センサおよび車両回転数センサを製造する方法
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  • 特表-車両回転数センサおよび車両回転数センサを製造する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-07
(54)【発明の名称】車両回転数センサおよび車両回転数センサを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20221028BHJP
【FI】
G01D5/245 110C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514780
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2020073688
(87)【国際公開番号】W WO2021043619
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】102019123991.5
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ クルフティンガー
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート ヴィーダー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス レヒナー
(72)【発明者】
【氏名】プラヴィン ジャワリカー
(72)【発明者】
【氏名】カール-ハインツ シュミート
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA42
2F077CC02
2F077PP14
2F077VV02
2F077VV09
2F077VV11
(57)【要約】
車両回転数センサが、センサ素子(110)と、内部にセンサ素子(110)が収納された円筒形のセンサケーシング(120)と、センサケーシング(120)から導出された電気的な接続ケーブル(130)と、撓み制限部材(140)とを有しており、撓み制限部材(140)は、接続ケーブル(130)の曲率半径(R)を、接続ケーブル(130)の、円筒形のケーシング(120)からの導出領域において直接に制限するように形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子(110)と、
内部に前記センサ素子(110)が収納された円筒形のセンサケーシング(120)と、
前記センサケーシング(120)から導出された電気的な接続ケーブル(130)と
を備えた車両回転数センサであって、
前記円筒形のセンサケーシング(120)からの前記接続ケーブル(130)の導出領域において前記接続ケーブル(130)の曲率半径(R)を直接に制限するように構成されている撓み制限部材(140)を備えることを特徴とする、車両回転数センサ。
【請求項2】
前記撓み制限部材(140)は、前記曲率半径(R)を、最大値および/または最小値により制限する、請求項1記載の車両回転数センサ。
【請求項3】
前記センサ素子(110)は、少なくとも部分的にプラスチック材料内に埋め込まれており、前記撓み制限部材(140)は、前記プラスチック材料と同じ材料からまたは異なる材料から一体成形部材として製造されている、請求項1または2記載の車両回転数センサ。
【請求項4】
前記センサ素子(110)を取り囲んで、包囲射出成形材が射出成形されており、
前記撓み制限部材(140)は、
包囲射出成形型内の挿入部材、
前記接続ケーブル(130)に射出成形された部材、
前記センサケーシング(120)に射出成形された部材、
クリップ、
嵌込み部材、
のうちの1つとして製造されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の車両回転数センサ。
【請求項5】
前記撓み制限部材(140)は、ディスクまたはハニカムまたは生体工学構造に基づく要素を有している、または前記接続ケーブル(130)を取り囲んでトランペット形に延在している、請求項1から4までのいずれか1項記載の車両回転数センサ。
【請求項6】
前記撓み制限部材(140)は、前記円筒形のセンサケーシング(120)の軸線方向の軸に対して平行な前記接続ケーブル(130)の導出を防ぐまたは少なくともし難くするように形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の車両回転数センサ。
【請求項7】
車両回転数センサを製造する方法であって、
センサ素子(110)を用意するステップ(S110)と、
少なくとも部分的に前記センサ素子(110)を埋め込む円筒形のセンサケーシング(120)を形成するステップ(S120)と、
前記センサケーシング(120)から導出される電気的な接続ケーブル(130)を形成するステップ(S130)と、
を含む方法において、
前記円筒形のケーシング(120)からの導出領域において、前記接続ケーブル(130)の曲率半径(R)を制限するために撓み制限部材(140)を形成するステップ(S140)を含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記円筒形のセンサケーシング(120)を形成する前記ステップ(S120)には、前記撓み制限部材(140)が包囲射出成形型内に少なくとも部分的に挿入される包囲射出成形ステップが含まれる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記撓み制限部材(140)を形成するステップ(S140)には、前記接続ケーブル(130)または前記センサケーシング(120)に対する一体射出成形が含まれる、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
前記撓み制限部材(140)を形成するステップ(S140)には、前記接続ケーブル(130)を取り囲むように前記撓み制限部材(140)をクリップ留めするまたは係合させることが含まれる、請求項7から9までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に商用車用の車両回転数センサ、車両回転数センサを製造する方法および特に案内ケーブル出口を備えた短縮型のアキシャル回転数センサに関する。
【0002】
従来の回転数センサは、一般に2つのセンサ態様で、すなわち(i)アキシャルヘッド形式でI字形または棒状に形成されたセンサとして、または(ii)ケーブル出口がセンサヘッドに対して90°だけ曲げられており、これによりL字形のセンサが生じるラジアルヘッド形式で使用される。使用される構成形式は、ケーブルガイドの組込み状況もしくは所望の延在方向から判明する。
【0003】
これらの従来の回転数センサの1つの欠点は、軸においてセンサに沿ってもしくはセンサから離反する方向に厳密に案内されるべきケーブルから生じる。この要求は特別な用途から生じ、これにより、正しい作業形式が保証される。従来の回転数センサでは、例えばパルスホイールに対するセンサ素子の適合は不可能である。特に比較的新しいセンサ素子(例えば磁気抵抗)を使用しようとする場合には向きが重要であり、これにより多くの場合、前記制約を甘受することはできない。
【0004】
したがって、使用に関するより多くの自由を可能にすると同時に、構成空間に関する制約は必要としない、別の車両回転数センサに対する需要が生じる。
【0005】
前記問題の少なくとも一部は、請求項1記載の車両回転数センサまたは請求項7記載の車両回転数センサを製造する方法により解決される。各従属請求項は、各独立請求項の対象の別の有利な実施形態を規定している。
【0006】
本発明は、車両回転数センサであって、センサ素子と、内部にセンサ素子が収納されたまたは埋め込まれた円筒形のセンサケーシングと、センサケーシングから導出された電気的な接続ケーブルと、撓み制限部材とを備えた、車両回転数センサに関する。撓み制限部材は、接続ケーブルの曲率半径を、接続ケーブルの、円筒形のケーシングからの導出領域において直接に制限するように形成されている。
【0007】
任意には、撓み制限部材は曲率半径を、最大値および/または最小値により制限する。これにより、接続ケーブルを所望の(好適な)方向に案内することが可能になる。
【0008】
センサ素子は、少なくとも部分的にプラスチック材料(例えば包囲射出成形材または注型材)内に埋め込まれていてもよく、撓み制限部材は、プラスチック材料と同じ材料からまたは異なる材料から一体成形部材として製造されていてもよい。プラスチック材料は、それ自体がセンサケーシングを形成していてもよい、またはセンサケーシングの一部であってもよい(金属の)被覆部材内に形成されていてもよい。センサ素子を取り囲んで、包囲射出成形材が射出成形されていてもよい。
【0009】
任意には、撓み制限部材は、次のうちの1つ、すなわち:
-包囲射出成形型内の挿入部材、
-接続ケーブルに一体成形された部材、
-センサまたはセンサケーシングに一体成形された部材、
-クリップまたは被覆部材、
-嵌込み部材
であってもよい。
【0010】
最初の3つの選択肢の1つの利点は、例えば機械的な負荷がかかった場合の、より確実な保持である。後の2つの選択肢の1つの利点は、撓み制限部材はあとからでも接続ケーブルに被着またはクリップ留めされ得る、という点にある。
【0011】
任意には、撓み制限部材はディスクを含むかまたは接続ケーブルを取り囲んでトランペット形に延在している。
【0012】
任意には、撓み制限部材は、円筒形のセンサケーシングの軸線方向の軸に対して平行な接続ケーブルの導出を防ぐまたは少なくとも難しくするように形成されている。撓み制限部材は、例えば接続ケーブルとの摩擦結合式の(例えば予荷重を介した)結合部を形成することができ、これにより、接続ケーブルの機械的な解除または振動による解除に対する追加的な保護手段を提供する。
【0013】
実施例は、(例えば上述のような)車両回転数センサを製造する方法にも関する。この方法には:
-センサ素子を用意するステップと、
-少なくとも部分的にセンサ素子を埋め込む円筒形のセンサケーシングを形成するステップと、
-センサケーシングから導出される電気的な接続ケーブルを形成するステップと、
-円筒形のケーシングからの導出領域において、接続ケーブルの曲率半径を制限するために撓み制限部材を形成するステップと
が含まれる。
【0014】
任意には、円筒形のセンサケーシングを形成するステップには、撓み制限部材が包囲射出成形型内に少なくとも部分的に挿入される包囲射出成形ステップが含まれる。これにより、センサケーシングに固く結合することができる。
【0015】
撓み制限部材を形成するステップには、接続ケーブルまたはセンサケーシングに対する一体射出成形も含まれていてもよい。
【0016】
任意には、撓み制限部材を形成するステップには、接続ケーブルを取り囲むように撓み制限部材をクリップ留めするまたは係合させることも含まれていてもよい。
【0017】
方法ステップの順序は、所望の効果を得るために必須の場合に限り強制的であるだけに過ぎない、ということは自明である。このことは別として、方法ステップは任意の順序で実施され得る。
【0018】
前記実施例は、センサケーシングが短縮されて形成され得、これにより様々なケーブル出口方向が可能になる、という利点をもたらす。これにより、ケーブル出口がまだ方向を設定していないため、センサ信号検出用に特定の方向を必要とするセンサ素子(例えば磁気抵抗効果に基づくホールセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、AMRセンサ等)が有利に使用され得る。実施例は、曲率半径のみを制限するものであり、接続ケーブルが導出時に曲げられる方向/角度を制限するものではない。したがって、センサ素子から離れる方向における有利なケーブル敷設またはケーブル案内が自由に選択され得る。これにより、種々様々な従来型の回転数センサの変化形が減少することになる。さらに、出口半径は、撓み制限部材により規定される制限値まで自由に選択され得るため、ケーブルは、(ほぼ)あらゆる角度で導出され得る。
【0019】
本発明の実施例は、以下の詳細な説明および異なる実施例の任意の図面からより良く理解されるが、ただしこれらの実施例は、本開示を特定の実施形態に限定するものであると理解されるべきではなく、実施例は、単に説明および理解のために用いられるだけに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の1つの実施例による回転数センサを示す図である。
図2】撓み制限部材の1つの実施形態を示す図である。
図3】撓み制限部材の1つの別の実施形態を示す図である。
図4】1つの別の実施例による回転数センサを製造する方法のフローチャートを示す図である。
【0021】
図1には、特に商用車に使用され得る車両回転数センサが示されている。1つの実施例では、車両回転数センサはセンサ素子110と、内部にセンサ素子110が収納された円筒形のセンサケーシング120と、センサケーシング120から導出される電気的な接続ケーブル130とを有している。さらに車両回転数センサは、接続ケーブル130の曲率半径Rを、接続ケーブル130の、円筒形のセンサケーシング120からの導出領域において直接に制限するように形成された撓み制限部材140を有している。
【0022】
センサケーシング120は、例えば一体にまたは複数部分から形成されていてもよい。つまりセンサケーシング120は例えば、(例えば磁化不能の材料から成る)外側の金属スリーブと、その内部に形成された包囲射出成形材とを有していてもよく、包囲射出成形材中にはセンサ素子110が少なくとも部分的に埋め込まれていてもよい、または包囲射出成形材は少なくとも保持手段を提供する。同様に、センサケーシング120がセンサ素子110を、センサケーシング120に対して相対的な所望の位置および/または所望の向きに保持することも可能である。この向きは、外から見ることができる任意のマークにより示されてもよく、これにより、正しい組込みが保証され得る。
【0023】
撓み制限部材140は、センサケーシング120内の例示的な包囲射出成形材または注型材に直接に結合されていてもよく、同じまたは類似の材料を有していてもよい。任意には、撓み制限部材140は異なる材料を有していることも同様に可能である。さらに、撓み制限部材140は、包囲射出成形型内の挿入部材として、センサケーシング120もしくは包囲射出成形材の形成時に外側の金属スリーブ内に挿入され、これにより撓み制限部材140は、包囲射出成形プロセス中にセンサケーシング120に固く結合される、ということが可能である。
【0024】
撓み制限部材140は、例えばセンサケーシング120からの導出時の曲率半径Rを、最小値(例えば20mmまたは25mm)と最大値(50mmまたは100mm)とにより画定される範囲内に制限することができる。同様に、撓み制限部材140は、曲率半径Rを下方に対してのみ(すなわちケーブルの最大の湾曲/撓みのみ)制限することも可能であり、センサケーシング120から接続ケーブル130を軸線方向に線状に導出することは引き続き可能である。センサケーシング120は、例えば10mm~30mmの範囲(または約16mm)の直径を有していてもよい。しかしまた、センサケーシング120は別の寸法を有していてもよい。
【0025】
図2には、撓み制限部材140の1つの実施例が多数のディスクの形態で示されており、ディスクは接続ケーブル130を包囲して延在しており、センサケーシング120から接続ケーブル130を導出する領域に形成されている。ディスクは、例えばセンサケーシング120に(例えば包囲射出成形材に)固く(形状結合式または摩擦結合式に)結合されていてもよい。しかしまたディスクは、ケーブル130を備えたセンサケーシング120の形成後に接続ケーブル130に嵌め込まれるクリップまたは嵌込み部材として形成されていてもよい。ディスクは、必ずしもセンサケーシング120に固く結合される必要はない。重要なのは、ディスクが接続ケーブル130の湾曲を制限する、ということである。
【0026】
図2に示す実施例では、センサケーシング120は、回転数センサの挿入時にストッパを提供するカラー122を有している。このカラー122は、例えば4mm~10mm(または例えば約6mm)だけ、残りのセンサケーシング120よりもさらに半径方向外側に延びている。
【0027】
撓み制限部材140用の多数のディスクは、例えば接続ケーブル130が所定の領域においてのみ、すなわち曲率半径Rの最小値と最大値とにより画定された領域においてのみ、センサケーシング120から導出され得るように形成されていてもよい。このことは例えば、個々のディスクが互いに結合されていて、互いに自由に回転することができなくなっており、かつディスクは所定の領域(例えば図2の上部)において、反対側に位置する領域(例えば図2の下部)におけるよりも厚く形成されていることにより達成され得る。
【0028】
図3には、図2に示した実施例と、撓み制限部材140がトランペット形の拡張部としてセンサケーシング120の端部に形成されている、という点においてのみ異なる別の実施例が示されている。特にこの実施例では、撓み制限部材140はセンサケーシング120の例示的な包囲射出成形材と共にまたはその一部として形成される、ということが可能である。図3に示す撓み制限部材140は、曲率半径Rを下方に対しては制限するが、最大値に関しては制限しないように形成されている。これに相応して、図3に示す実施例では、接続ケーブル130は円筒形に形成されたセンサケーシング120の軸線方向の軸に対して平行に導出され得る。
【0029】
図4には、車両回転数センサを製造する方法のフローチャートが示されている。この方法には:
-センサ素子110を用意するステップS110、
-少なくとも部分的にセンサ素子110を埋め込む円筒形のセンサケーシング120を形成するステップS120、
-センサケーシング120から導出される電気的な接続ケーブル130を形成するステップS130、
-円筒形のケーシング120からの導出領域において、接続ケーブル130の曲率半径Rを制限するために撓み制限部材140を形成するステップS140
が含まれる。
【0030】
特にこの方法には包囲射出成形プロセスが含まれており、この場合、撓み制限部材140は、包囲射出成形中に形成される、または挿入部材として包囲射出成形型内に挿入され、これによりセンサケーシング120に固く結合される。
【0031】
このようにして製造された車両回転数センサは、1つのセンサ型だけで2つのケーブル敷設位置(軸線方向または半径方向)の実現を可能にする。これは、従来の回転数センサに比べて大きな利点である。この利点は、ケーブルの撓みRに対する制限部材140により達成され、これにより、2つの組込み位置において機械的なストッパが可能になる。撓み制限部材140は、各実施例において特に、ケーブル出口におけるケーブルのつぶれまたは折曲がりを防ぐように設計されている。このことは、最小の撓み半径を下回ることが許されず、不可能であることにより達成される。
【0032】
まとめると、撓み制限部材140は、とりわけ次のように、すなわち:
-センサケーシング120と同じもしくは金属の被覆部材内の包囲射出成形材と同じ材料から一体射出成形部材として、
-2成分材料を含んで、
-型(例えば包囲射出成形型)内の挿入部材として、
-接続ケーブル130に既に射出成形された部材として、
-クリップ機能を備えて、
形成されていてもよい。
【0033】
各実施例の別の利点は、撓み制限部材140を備えたあらゆる車両回転数センサにおいて、ケーブルの振動に対する保護手段がセンサヘッドにおいて直接達成されることにより与えられている。さらに、ケーブルの撓み半径を調整可能な最大半径に制限することにより、センサに設けられたケーブルの、引張り力に関する負荷を軽減することができる。
【0034】
撓み制限部材140の実施例には、-上述したように-特にディスクまたはハニカムが含まれていてもよい。ただし本発明は、撓み制限部材140のこの特別な形状に限定されるものではない。むしろ同様に、別の形状も考えられる。特に、圧縮可能かつ伸長可能な要素を有する生体工学構造に基づく形状(例えばハニカム、サンドイッチ構造)を用いることができる。
【0035】
各実施例の1つの特別な利点は、撓み制限部材140を備えた車両回転数センサは短縮されて形成され得る、ということにより生じる。短縮構成にもかかわらず、軸線方向の軸に対するケーブル敷設を、従来のラジアルセンサの態様において行われるものと同じ形態で実施することが可能である。
【0036】
明細書、請求項および図面に開示した本発明の特徴は、個別でも、任意の組合せにおいても、本発明を実現するために重要であり得る。
【符号の説明】
【0037】
110 センサ素子
120 円筒形のセンサケーシング
122 センサケーシングのカラー
130 接続ケーブル
140 撓み制限部材
R 曲率半径
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】