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特表2022-546740プログラム可能な双方向電流発生器を有する磁気流量計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-07
(54)【発明の名称】プログラム可能な双方向電流発生器を有する磁気流量計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/60 20060101AFI20221028BHJP
【FI】
G01F1/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514968
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 US2020047775
(87)【国際公開番号】W WO2021045930
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/896,115
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/588,012
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アメリ、マスード
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035CA02
2F035CB01
2F035CB06
(57)【要約】
磁気流量計(102)は、流管組立品(120)とプログラム可能な双方向電流発生器(132)とを含む。流管組立品(120)は、流体の流れ(104)を受け取り、コイル(126A/B)と起電力(EMF)センサー(124A/B)を含む。コイルは、コイル電流に応じて、流体の流れ(104)を横切る磁場を生成するように構成される。EMFセンサ(124A/B)は、流量に比例する流体の流れを横切るEMFを感知し、誘導EMFを示す出力を生成するように配置される。電流発生器(132)は、形状コマンドを発行する形状発生器(144)、電力増幅器(142)及びコントローラ(140)を含む。コントローラ(140)は、電力増幅器(142)を制御して、コイル(126A/B)を交互の方向に通るコイル電流を形成するコイル電流パルスを生成するように構成される。各コイル電流パルスは、対応する形状コマンドに基づく電流形状を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル電流に応じて流体の流れを横切る磁場を生成するように構成されたコイルであって、前記磁場は、流量に比例して前記流体の流れの中に起電力(EMF)を誘導する、前記コイルと、
前記EMFを感知し、誘導EMFを示す出力を生成するように構成されたEMFセンサと、
を含み、液体の流れを受け入れるように構成された流管組立体と、
形状コマンドを発生するように構成された形状発生器と、
電力増幅器と、
交互方向にコイルを通りコイル電流を形成するコイル電流パルスを生成するよう電力増幅器を制御するコントローラであって、前記コイル電流パルスの各々は、前記形状コマンドに基づく時間にわたる電圧の電流形状を有する、前記コントローラと、
を含む、プログラム可能な双方向電流発生器と、
を含む、液体の流量を測定するための磁気流量計。
【請求項2】
前記電力増幅器は、
電源と、
前記電源に結合されたHブリッジと、
第1の導体、及び第2の導体を通して前記Hブリッジからフィルタされていない電流パルスを受け取り、前記フィルタされていない電流パルスの高周波成分を減衰させてコイル電流パルスを形成するように構成されたローパスフィルタと、
を含み、
前記コントローラは、前記形状コマンドに基づいて前記フィルタされていない電流パルスを生成し、前記コイルを通る前記コイル電流パルスの方向を交互に変えるために、変化するデューティサイクルで前記Hブリッジの相補スイッチの組を作動させるように構成される、
を含む、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項3】
前記フィルタされていない電流パルスは、10kHz~100kHzの周波数を有する、請求項2に記載の磁気流量計。
【請求項4】
前記Hブリッジは、
前記第1の導体と前記電源の第1の端子とを結合するように構成された第1のスイッチと、
前記第1のスイッチと相補的であり、前記第1の導体と前記電源の第2の端子とを結合するように構成された第2のスイッチと、
前記第2の導体と前記電源の前記第1の端子へ結合するように構成された第3のスイッチと、
前記第3のスイッチと相補的であり、前記第2の導体と前記電源の前記第2の端子とを結合するように構成された第4のスイッチと、
を含む、請求項2に記載の磁気流量計。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチよりも高いデューティサイクルで前記第1のスイッチ、及び前記第2のスイッチを作動させて、前記コイルを通る第1の方向に前記コイル電流パルスを送達し、
前記コントローラは、前記第1のスイッチ、及び前記第2のスイッチよりも高いデューティサイクルで前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチを作動させて、前記コイルを通る前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記コイル電流パルスを送達する、
請求項4に記載の磁気流量計。
【請求項6】
前記コントローラは、第1のデューティサイクルで前記第1のスイッチ、及び前記第2のスイッチを作動させ、前記形状コマンドに基づいて前記第1の導体上に第1の平均電圧を有する第1のフィルタされていない電流パルスを生成し、
前記コントローラは、第2のデューティサイクルで前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチを作動させ、前記形状コマンドに基づいて前記第2の導体上に第2の平均電圧を有する第2のフィルタされていない電流パルスを生成し、
前記第1の平均電圧と前記第2の平均電圧との間の差によって、前記コイル電流パルスが前記コイルを通る方向が決まる、
請求項4に記載の磁気流量計。
【請求項7】
前記コイル電流パルスの各々は、前記コイルを通って単一の方向に進み、対応する前記形状コマンドに従って、時間とともに変化する電圧レベルの電流形状を有する、請求項4に記載の磁気流量計。
【請求項8】
前記コントローラは、経時的に変化する第1のデューティサイクルで前記第1のスイッチ、及び前記第2のスイッチを作動させ、前記形状コマンドに基づいて前記第1の導体において経時的に変化する第1の平均電圧レベルを有する第1のフィルタされていない電流パルスを生成するか、又は、
前記コントローラは、経時的に変化する第2のデューティサイクルで前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチを作動させ、前記形状コマンドに基づいて前記第2の導体において経時的に変化する第2の平均電圧レベルを有する第2のフィルタされていない電流パルスを生成する、
請求項7に記載の磁気流量計。
【請求項9】
前記形状コマンドは、前記コイル電流パルスを生成するコマンドを含み、各コイル電流パルスは、方形電流形状、非方形電流形状、台形電流形状、正弦波電流形状、及び不規則電流形状からなる群から選択される、時間にわたる電圧の電流形状を有する、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項10】
前記形状コマンドの各々は、先頭部分を有する非方形電流形状に対応し、電圧レベルは時間の経過とともに、設定点レベルまで徐々に上昇する、請求項9に記載の磁気流量計。
【請求項11】
前記非方形電流形状は、電流レベルが時間の経過と共に前記設定点レベルから徐々に低下するトレーリング部分を含む、請求項10に記載の磁気流量計。
【請求項12】
前記形状コマンドは、前記コイルのインダクタンスに基づく、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項13】
前記形状コマンドは、前記電力増幅器の電源の最大電圧に基づく、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項14】
前記EMFセンサは、流体に対して側面に配置された第1の電極、及び第2の電極を備え、
前記磁気流量計は、
前記第1の電極、及び前記第2の電極によって感知される電圧を受け取り、前記EMF及び前記流体の流速に比例する前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧差を示すデジタル電圧信号を生成するように構成されたシグナルプロセッサと、
前記デジタル電圧信号を処理し、流体の流量を確立するように構成されたデジタルプロセッサと、
を含む、請求項9に記載の磁気流量計。
【請求項15】
前記流量を、前記磁気流量計に電力を供給する2線式プロセス制御ループを介して外部コンピュータ装置に通信するように構成された通信インターフェースを含む、請求項14に記載の磁気流量計。
【請求項16】
コイルを有する流管組立品を通る流体の流れを受け取り、
形状発生器を使用して、経時的な電圧の電流形状を定義する形状コマンドを発行し、
前記形状コマンドの1つに基づく、経時的な電圧の電流形状を有し、コイル電流パルスは、コイルを通って交互の方向に駆動され、
前記コイル電流パルスを発生に応じて流量に比例する起電力(EMF)を流体の流れに誘導する前記コイルを用いて流体の流れを横切る磁場を生成し、
EMFセンサを用いて誘導EMFを示す出力を生成する、
こと含む、流体の流量を測定する方法。
【請求項17】
前記コイル電流パルスを発生させることは、
異なるデューティサイクルでHブリッジの相補スイッチの組を作動させ、前記形状コマンドに基づいてフィルタされていない電流パルスを生成し、コイル電流の前記コイルを通る方向を交互に変え、
前記コイル電流パルスを形成するためにローパスフィルタを用いて前記フィルタされていない電流パルスをフィルタ処理する、
ことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フィルタされていない電流パルスは、10kHz~100kHzの周波数を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記Hブリッジは、
第1の導体と電源の第1の端子とを結合するように構成された第1のスイッチと、
前記第1のスイッチと相補的であり、前記第1の導体と前記電源の第2の端子とを結合するように構成された第2のスイッチと、
第2の導体と前記電源の前記第1の端子へ結合するように構成された第3のスイッチと、
前記第3のスイッチと相補的であり、前記第2の導体と前記電源の前記第2の端子とを結合するように構成された第4のスイッチと、
を含み、
前記相補スイッチの組を作動させることは、
コントローラを用いて、第1のデューティサイクルで前記第1のスイッチ、及び前記第2のスイッチを作動させ、前記形状コマンドに基づいて前記第1の導体上に第1の平均電圧を有する第1のフィルタされていない電流パルスを生成し、
前記コントローラを用いて、第2のデューティサイクルで前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチを作動させ、前記形状コマンドに基づいて前記第2の導体上に第2の平均電圧を有する第2のフィルタされていない電流パルスを生成する、
ことを含み、
前記第1の平均電圧と前記第2の平均電圧との間の差によって、前記コイル電流パルスが前記コイルを通る方向が決まる、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記異なるデューティサイクルでHブリッジの相補スイッチの組を作動させることは、
前記形状コマンドに基づいて経時的に変化する異なるデューティサイクルで相補スイッチの組を作動させる、
ことを含み、
前記コイル電流パルスは各々、経時的に変化する電圧の電流形状を有する、
請求項17に記載の方法。
【請求項21】
信号プロセッサを用いて、前記EMFセンサからの出力を処理し、
デジタルプロセッサを用いて、流体の流量を確立するために、前記信号プロセッサからのデジタル出力信号を処理し、
通信インターフェースを用いて、外部コンピュータ装置に前記流量を通信する、
ことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記形状コマンドは、前記コイル電流パルスを生成するコマンドを含み、各コイル電流パルスは、方形電流形状、非方形電流形状、台形電流形状、正弦波電流形状、及び不規則電流形状からなる群から選択される、時間にわたる電圧の電流形状を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記形状コマンドは、前記コイルのインダクタンスに基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記形状コマンドは、電流発生器の電源の最大電圧に基づく、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、磁気流量計に関し、より具体的には、流量測定中に磁場を生成するために使用される電流形状を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
確実かつ正確な流量制御は、バルク流体の取り扱い、食品及び飲料調製、化学及び医薬品、水及び空気分配、炭化水素抽出及び処理、環境制御、ならびに、例えば、熱可塑性樹脂、薄膜、接着剤、樹脂及び他の流体材料を利用する一連の製造技術を含む、広範囲の流体処理用途にとって重要である。各特定の用途で使用される流量測定技術は、流体、及び関連するプロセス圧力、温度、及び流量に依存する。
【0003】
例示的な流量測定技術は、機械的回転の関数として流量を測定するタービン装置、ベルヌーイ効果の関数として流量を測定するピトーセンサ、及び差圧装置、振動効果の関数として流量を測定する渦及びコリオリ装置、並びに熱伝導率の関数として流量を測定する質量流量計を含む。磁気流量計は、機械的又は熱力学的効果よりもむしろ電磁的相互作用に依存するファラデーの法則に基づいてフローを特徴付けることによって、これらの技術とは区別される。特に、磁気流量計は、プロセス流体の導電性に依存し、流体が磁場の領域を流れるときに誘起される起電力(EMF)に依存する。
【0004】
従来のパルス直流(DC)磁気流量計は、センサ部及び送信部を含む。送信部は、磁気流量計の動作設定点に基づいて設定される電流の大きさを有するコイル電流を生成する電流発生器又はコイル駆動部を含む。従来のコイル駆動部は、電流極性をコイルに反転させることによって、予め決定された大きさの単純な方形パルス電流形状を作り出すだけであった。コイル電流は、コイルに流体の流れを横切る交流磁場を発生させ、この交流磁場は流体の流れの速度に比例し、センサ部によって検出される流体の流れを横切るEMF、又は電位差(電圧)を誘起する。磁気流量計は、感知されたEMFに基づいて流体の流量を決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コイル電流の反転中に、コイルを流れる電流は、コイルのインダクタンスのために瞬間的には変化しない。これにより、コイル電流は、動作設定値によって指定されたレベルを最初にオーバーシュートし、次に、コイルによって生成された磁界が、不正確な磁界強度で沈降する。その結果、コイル電流が動作設定点に合った定常状態レベルに落ち着くまで、正確な流量測定はできない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、流体の流量を測定するための磁気流量計、及び磁気流量計を使用して流体の流量を測定する手法を対象とする。磁気流量計の一実施形態は、流管組立品と、プログラム可能な双方向電流発生器とを含む。流管組立品は、流体の流れを受け入れるように構成され、コイル及び起電力(EMF)センサを含む。コイルは、コイル電流に応答して流体の流れを横切る磁場を生成するように構成される。磁場は、流量に比例するEMFを流体の流れに誘起する。EMFセンサはEMFを感知し、誘導EMFを示す出力を生成するように配置される。電流発生器は、形状コマンドを発行するように構成された形状発生器と、電力増幅器と、コントローラとを含む。コントローラは、電力増幅器を制御して、コイルを交互の方向に移動するコイル電流を形成するコイル電流パルスを生成するように構成される。各コイル電流パルスは、対応する形状コマンドに基づく、コイルの両端の電圧のような、時間にわたる電圧の電流形状を有する。
【0007】
本方法の一実施形態では、流体の流れがコイルを有する流管組立品を通って受け取られる。形状コマンドは、経時的な電圧の電流形状を定義する形状発生器を使用して発行される。プログラム可能な双方向電流発生器を用いてコイル電流のコイル電流パルスを発生させる。各コイル電流パルスは、形状コマンドの1つに基づく、時間の経過に伴う電圧の電流形状を有する。コイル電流パルスは、コイルを介して交互の方向に駆動される。コイルを使用して、流体の流れを横切って磁場が生成される。磁場は、コイル電流パルスを生成するのに応じて、流量に比例する起電力(EMF)を流体の流れに誘導する。誘導EMFを示す出力は、EMFセンサを使用して生成される。
【0008】
この概要は、以下の「発明を実施するための形態」でさらに説明される概念の選択を簡略化された形成で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。特許請求される主題は、背景技術で言及される任意の又はすべての欠点を解決する実装形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態による、例示的な工業プロセス測定システムの簡略化された図である。
図2】本開示の実施形態による、例示的な磁気流量計の簡略図である。
図3】本開示の実施形態による、例示的なプログラム可能な双方向電流発生器の簡略図である。
図4】本開示の実施形態による、例示的なプログラム可能な双方向電流発生器の簡略図である。
図5】本開示の実施形態による、コントローラからHブリッジの相補スイッチの組への例示的な制御信号を示すチャートである。
図6】本開示の実施形態による、コントローラからHブリッジの相補スイッチの組への例示的な制御信号を示すチャートである。
図7A】本開示の実施形態による、例示的な高周波フィルタされていない電流パルス、及び対応するコイル電流パルスをそれぞれ示す電圧チャートである。
図7B】本開示の実施形態による、例示的な高周波フィルタされていない電流パルス、及び対応するコイル電流パルスをそれぞれ示す電圧チャートである。
図8】例示的な正方形コイル電流パルスの簡略化された電流形状のチャートである。
図9】例示的な正方形形状コマンドの電流形状チャートと、正方形形状コマンドに基づいて生成されるコイル電流パルスの結果として生じる電流形状の電流形状チャートとである。
図10】本開示の実施形態による、電流発生器、流管組立品、及び例示的形状コマンドの簡略図である。
図11】本開示の実施形態による、例示的な台形形状コマンドの電流レベル形状を示すチャートである。
図12】本開示の実施形態による、例示的な台形形状コマンドの電流形状のチャート、及び対応する電流パルスの電流形状のチャートを示す。
図13】本開示の実施形態による、流体の流量を測定する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。同一又は類似の参照文字を使用して識別される要素は、同一又は類似の要素を参照する。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は本開示が完全かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0011】
具体的な詳細は、実施形態の完全な理解を提供するために、以下の説明で与えられる。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細なしに実施形態を実施できることを理解するのであろう。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、フレーム、サポート、コネクタ、モータ、プロセッサ、及び他の構成要素は実施形態を不必要な詳細で曖昧にすることを回避するために、図示されず、又はブロック図の形態で示されてもよい。
【0012】
図1は、本開示の実施形態による、例示的な工業プロセス測定システム100の簡略図である。システム100は、材料(例えば、処理媒体)の処理に使用されて、材料をより価値の低い状態から、石油、化学薬品、紙、食品などのより価値があり有用な製品に変換することができる。例えば、システム100は、原油をガソリン、燃料油、及び他の石油化学物質に加工することができる工業プロセスを実施する石油精製所で使用することができる。
【0013】
システム100は、例えばパイプ106を通るようなプロセス流体の流れ104の流量を感知するように構成されたパルス直流(DC)磁気流量計102を含む。磁気流量計102は、起電力(EMF)センサ部108と送信機110とを含む。送信機110は、一般に、流体の流れ104を測定するためにセンサ部108を制御するように構成され、測定された流れを、例えば、システム100の制御室114内などの流れ計102から遠隔に配置され得る、コンピュータ化された制御ユニットなどの外部コンピュータ装置112に随意的に通信する。
【0014】
送信機110は、適切なプロセス制御ループを介して外部コンピューティング装置112と通信することができる。いくつかの実施形態では、プロセス制御ループが2線制御ループ116などの物理通信リンク、又は無線通信リンクを含む。外部コンピュータ装置112と送信機部との間の通信は、従来のアナログ及び/又はデジタル通信プロトコルに従って、制御ループ116を介して実行され得る。いくつかの実施形態では2線式制御ループ116が4~20ミリアンペアの制御ループを含み、この制御ループでは処理量が2線式制御ループ116を流れるループ電流Iの水準によって表すことができる。例示的なデジタル通信プロトコルは、HART(登録商標)通信規格に従うような、2線式制御ループ116のアナログ電流レベルへのデジタル信号の変調を含む。Foundation FieldBus、及びProfibus通信プロトコルを含む、他の純粋にデジタルの技法を使用することもできる。プロセス制御ループの例示的なワイヤレスバージョンは例えば、WirelessHART(登録商標)(IEC62591)又はISA100.11a(IEC62734)などのワイヤレスメッシュネットワークプロトコル、又はWiFi、LoRa、Sigfox、BLE、又は任意の他の適切なプロトコルなどの別のワイヤレス通信プロトコルを含む。
【0015】
電力は、任意の適切な電源から磁気流量計102に供給されてもよい。例えば、磁気流量計102は、制御ループ116を流れるループ電流Iによって完全に電力供給されてもよい。1つ又は複数の電源を利用して、内部電池、又は外部電池などのプロセス磁気流量計102に電力を供給することができる。発電機(例えば、太陽電池パネル、風力発電機など)もまた、磁気流量計102に電力を供給するために、又は磁気流量計102によって使用される電源を充電するために使用されてもよい。
【0016】
送信機110は、センサ部108を含む筐体などのセンサ部108に直接取り付けられてもよく、又はセンサ108から離れて(例えば、10~1000フィート)配置されてもよい。送信機110がセンサ部108から離れて位置する場合、送信機110とセンサ部108との間の電気接続は、ケーブル、ワイヤ、データバス、制御バス、又は電気及びデータ通信のための他の適切な接続によって形成され得る、1つ以上の接続ケーブル又は伝送線118によって提供され得る。
【0017】
図2は、本開示の実施形態による、磁気流量計102の簡略図である。センサ部108は図1に示すように、流体の流れ104がそこを通って進むパイプ部分122を有する流管組立品120を含んでもよい。流管組立品120はまた、電極124A及び124Bなどの電極124を有するEMFセンサ123を含み、流管組立品120は、界磁コイル126A及び126Bなどの1つ又は複数の界磁コイル又はコイルワイヤ126を含む。電極124A及び124B、ならびにコイル126A及び126Bは、図2に示すように、パイプ部122の対向する側面上に配置されてもよい。
【0018】
送信機110は、例えば、信号プロセッサ128と、デジタルプロセッサ130と、プログラム可能な双方向電流発生器132とを含むことができる。いくつかの実施形態では、送信機110が通信インターフェース134を含む。デジタルプロセッサ130は、非一時的な特許適格メモリに記憶することができる命令の実行に応答して、本明細書で説明する1つ又は複数の機能を実行するように磁気流量計102の構成要素を制御する1つ又は複数のプロセッサを表すことができる。いくつかの実施形態では、デジタルプロセッサ130が磁気流量計102の動作設定点に基づいて電流発生器132に制御信号を提供し、電流発生器132は、1つ又は複数のコイル126を通して交互方向に送達されるDC電流パルスを含むDCコイル電流Iを生成する。
【0019】
コイル電流Iは、流管120の界磁コイル126A及び126Bを介して、図1及び図2に示す伝送線118のような適当な電線を介して供給される。これにより、コイル126A及び126Bは、電磁誘導のファラデーの法則に従って流体にEMFを誘導する移動導体として機能する、パイプ部122を通って進む流体の流れ104を横切る交番磁界を生成する。導電性プロセス流体に容量的に結合されるか、又はプロセス流体と直接電気的に接触する電極124A及び124Bは、流体の流れ104に存在する電圧を拾う。電極124A及び124Bにおける電圧の差は流体の流れ104の速度に比例し、EMFセンサ123の出力を形成する。
【0020】
送信機110の信号プロセッサ128は、電極124A及び124Bに接続され、差電圧の形成でセンサ123からの出力を受信する。デジタルプロセッサ130は、任意の適切な技術を用いて、電極124Aと124Bとの間の電圧差をサンプリングし、測定された電圧差をデジタルプロセッサ130に供給するように、信号プロセッサ128を制御する。これは、例えば、アナログ差動電圧信号をデジタルプロセッサ130に供給されるデジタル値に変換することを含むことができる。デジタルプロセッサ130は、測定された差動電圧の付加的な信号処理を実行して、プロセス流体の流れ104の流量の測定値を確立することができ、これは、通信インターフェース134を使用して計算装置112に通信することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、電流発生器132がコントローラ140、電力増幅器142、及び形状発生器144を含む。コントローラ140は、デジタルプロセッサ130からの制御信号、形状発生器144からの形状コマンド145に応答して、及び/又はコントローラ140によって表される非一時的な特許適格メモリに格納され得る命令の実行に応答してなど、本明細書で説明される1つ又は複数の機能を実行するように電力増幅器142の構成要素を制御する1つ又は複数のプロセッサを表し得る。例えば、コントローラ140は、電力増幅器142を制御して、磁気流量計102の動作設定値に基づくデジタルプロセッサ130からの信号に基づいてコイル電流Iを形成するコイル電流パルスを生成し、形状発生器144からの形状コマンド145に基づいてコイル電流パルスの各々に対する電流形状を制御することができる。本明細書で使用されるように、コイル電流I又はコイル電流パルスの「電流形状」は、コイル126を通るコイル電流Iに対応する、経時的なコイル126の両端又は片側の電圧に対応する。
【0022】
図3及び図4は、本開示の実施形態による、例示的な電力増幅器142の簡略図である。電力増幅器142は、電圧制御電流源、又は別の適切な電流源の形成であってもよい。図示の例では、電力増幅器142が電源147と、Hブリッジ146と、ローパスフィルタ(LPF)148とを含む。Hブリッジは、図3及び図4に示す向きに進む電源147(例えば、電源)からフィルタされていない電流IPSを受け取るように構成されている。いくつかの実施形態では、Hブリッジ146がスイッチ156A及びその相補スイッチ156A’、ならびにスイッチ156B及びその相補スイッチ156B’を含む相補スイッチ156の対を備える。スイッチ対156A及び156A’の相補的な性質はスイッチ156Aが開いているとき、スイッチ156A’が閉じていること、及びスイッチ156Aが閉じているとき、スイッチ156A’が開いていることを手段する。これは、相補スイッチ156B及び156B’にも当てはまる。
【0023】
コントローラ140はスイッチ対156A及び156A’ならびに156B及び156B’を制御して、フィルタされていない電流IPSから高周波(例えば、10~100kHz)のフィルタされていない電流パルスを生成し、これらのパルスは、導体157又は159を介してLPF148に送達されるマイクロプロセッサー及びゲート駆動部を含み得る。ローパスフィルタ(LPF)148は導体157又は159上のHブリッジ146の出力からの高周波のフィルタされていない電流パルスを減衰させて、コイル電流Iを形成する低周波(例えば、5~100Hz)コイル電流パルスを形成するように動作する。
【0024】
コントローラ140は、スイッチ156のデューティサイクルを変調することによって、フィルタされたコイル電流Iが1つ以上のコイル126を流れる向きを制御する。例えば、図5図6は、図4図3に示す向きにコイル電流Iを流す制御部140からスイッチ156への制御信号の一例を示す図である。チャート中の高信号はスイッチ156に対する閉鎖状態に対応し、チャート中の低信号は、開状態に対応する。図5に示すように、スイッチ156Aのデューティサイクルは、スイッチ156Bのデューティサイクルよりも小さい。その結果、スイッチ156A’のデューティサイクルは、スイッチ156B’のデューティサイクルよりも大きい。これにより、ライン159の平均電圧がライン157の平均電圧よりも大きくなり、その結果、コイル電流I図3に示す向きに流れる。図6において、スイッチ156Aのデューティサイクルはスイッチ156Bのデューティサイクルよりも大きく、スイッチ156A’のデューティサイクルは、スイッチ156B’のデューティサイクルよりも小さい。これにより、ライン157の平均電圧がライン159の平均電圧よりも大きくなり、その結果、コイル電流I図4に示す向きに流れる。この構成は、Hブリッジを使用して、電源からの電流を、流管組立品のコイルを通って交互の方向に単純に送る、従来の磁気流量計102の電力増幅器とは異なっている。
【0025】
図7A及び図7Bは、本発明の実施形態による、線157又は159においてHブリッジ146から出力される例示的な高周波のフィルタされていない電流パルスP及びPと、LPF148の後のコイル126の側面上の対応する電圧とをそれぞれ示す電圧チャートである。フィルタされていないパルスは、それぞれ、コイル電流Iのための所望の電圧レベルを生成するように調整され得るパルス幅を有する。例えば、Hブリッジ146から線157又は159に印加される一連の高周波パルスPは、図7Aに示すように、それぞれパルス幅Wを有する可能性がある。パルスPは、コイル電流Iが方向を変えるパルス又は励磁周期Tの間、平均電圧Vを有する。LPF148は、図7Bに示すように、電圧パルスPをフィルタして、直流電圧Vが低いコイル電流Iのコイル電流パルスPCLを生成する。同様に、Hブリッジ146からの一連の高周波パルスPは、図7Aに示すように、パルス幅Wを有することができる。周期Tの間、平均電圧パルスPは平均電圧Vを有する。LPF148は、電圧パルスPをフィルタし、図7Bに示すように、直流高電圧Vを有するコイル電流Iの電圧パルスPCHを生成する。従って、コントローラ140がHブリッジ146のスイッチ156を作動させるデューティサイクルはコイル電流パルスがコイル126を通って進む方向を制御するだけでなく、コイル電流パルスの電流形状も制御するように、コントローラ140によって変化させることができる。
【0026】
図8は、電流発生器142によって生成され得る、例示的な正方形コイル電流パルス152の簡略化された電流形状のチャートである。コントローラ140は、Hブリッジ146の相補的なスイッチ対156が作動して、LPF148を使用してフィルタされたときに、例えば、流量計102の動作設定値に基づいて設定され得る電圧レベル158を有するコイル電流パルス152を生成する、フィルタされていない電流パルスを生成するデューティサイクルを制御してもよい。また、コントローラ140は、相補的なスイッチ対156が作動されるデューティサイクルに基づいて、パルス152が方向を変える励起周波数を調整することができる。例えば、コイル電流Iの正の電流パルス152(陰影なし)は、図2及び図3に示す方向にコイル126を通って流れ、コイル電流ICの負の電流パルス152(陰影付き)は図4に示す方向にコイル126を通って流れる。さらに、パルス152の電流形状は、形状発生器144からの形状コマンド145によって制御されてもよい。後述するように、パルス152の電流形状は、時変電圧レベルを含んでもよい。
【0027】
コントローラ140は、電流監視回路150からコイル電流Iの電流レベル測定値を定期的に受信して、正確な流量測定に不可欠な磁気流量計102の設定値レベル158(図8の破線)に適合させるためにコイル電流Iの調節が必要であるかどうかを判定する。電流監視回路150は、任意の適切な形態をとることができる。例えば、電流監視回路150はコイル電流Iに関連する電圧を感知し、測定された電流値として制御部140に提供されるアナログデジタル変換器を用いて、サンプリングされた電圧をデジタル信号に変換するように動作することができる。コントローラ140は、コイル電流Iの電流レベルを磁気流量計102の動作設定値によって指示される設定値電流レベルに整合させようとして、測定された電流レベルに基づいてコイル電流Iを調整することができる。経時的に回路150によってサンプリングされた電圧はコイル電流I又はコイル電流パルスの電流形状を定義することができ、本明細書で説明する電流形状チャートを形成するために使用することができる。
【0028】
コントローラ140からの方形形状コマンドに基づいて、図5及び図6に示す位相に対してHブリッジ146のスイッチ156を継続的なデューティサイクルで作動させることによって、直流コイル電流Iとして方形電流形状を有する図8に示す電流パルス152を生成することが望ましい場合がある。しかしながら、コイル126のインダクタンスのために、コイル126を通って駆動されるコイル電流Iの電流パルスの測定された電流形状は、図8に示される理想的な正方形形状と整合しない。
【0029】
これは一般に図9に示されており、それは形状発生器144からの例示的な正方形形状コマンド145の電流形状チャートと、コマンド145に基づいて生成され、流管組立品120のコイル126を通って駆動されるコイル電流パルス164の結果として生じる電流形状162とを含んでいる。図9に示すように、コマンド信号145の先導部164は、負の方形電流パルス形状166から正の方形電流パルス形状168に実質的に瞬時に遷移する。これにより、制御部140は、スイッチ156に印加される固定デューティを調整して、線路157、159の電圧レベルを切り替え、コイル電流Iの向きを変更する。例えば、コマンド145はコントローラ140に、図6に示されるデューティサイクルから図5に示されるデューティサイクルに移行させて、コイル電流Iの方向を図4に示される方向から図3に示される方向に切り替えさせることができる。
【0030】
コイル126のインダクタンスにより、コイル電流ICは、形状コマンド145に従って瞬時に向きを変えることができない。代わりに、電流パルス162の先導部分170は設定値レベル158に向かって時間の経過とともに徐々に増加し、次いで設定値レベル158をオーバーシュートするレベルを有する。これにより、電流パルス162の電流形状の先頭部170は、形状コマンド145の先頭部164との差に対応する先頭エラー領域172(斜線)を含む。同様に、電流パルス162の測定された電流形状のトレーリング部分174は、形状コマンド145の対応するトレーリング部分176と一致することができず、形状コマンド145のトレーリング部分176からの差に対応するトレーリングエラー領域178(陰影付き)をもたらす。
【0031】
この種のオーバーシュートは、比例-積分-微分(PID)制御アルゴリズムの整数部分から生じることができ、これはコントローラ140によって実現され得る。PID制御アルゴリズムの積分器部分は、電流フィードバックが形状コマンド145を正確に追跡するか、又は形状コマンド145と監視回路150からのフィードバックとの間にエラーがないことを確認する。しかしながら、フィードバック電流がコマンドされた電流よりも遅れて低下すると、積分器は、誤差の「和」がゼロになるように反対の符号の別の誤差を生成することによって、この誤差を補償しようとする。この現象は、古典的なPIDコントローラを設計する制御技術者によってよく知られている。
【0032】
しかしながら、コントローラ140が高速コマンド電流形状、及び遅いフィードバック応答によって引き起こされるエラーを補償しようとするとき、エラーをゼロにするために、大きな電圧を印加する必要がある場合がある。必要な誤差補償電圧が電源147の最大値を超える場合(例えば、パルス幅変調デューティサイクルが約100パーセントである場合)、電源147は「飽和」になり、もはやインダクタの両端により多くの電圧を印加することができなくなる。この場合、コントローラ140の積分器部分は、負荷(コイル126)にわたって電源の電圧の全てを印加しようとした後、制御下にある電流と、コマンドされた電流(形状コマンド145)との間の誤差とをもたらすことができず、フィードバック電流はますます大きくなる。これは、PIDコントローラ140の積分器部分が「反対の符号」を有する別のエラーを生成することによって、(コマンドとフィードバックとの間の)総累積エラーをゼロに戻そうとし続けるときに、コントローラ140の不安定性及び共鳴をもたらし得る。
【0033】
電流パルス162の測定電流形状の先頭及び後尾の誤差領域172及び178における電流レベルは、設定値電流レベル158を超える。コイル電流レベルのこのオーバーシュートは、電流パルス162に応答して1つ又は複数のコイル126によって生成された磁界を、間違った磁界強度に落ち着かせ、不正確な流量測定をもたらす可能性がある。加えて、領域172及び178における電流レベルのオーバーシュートは電力増幅器142をその最大電圧を超える原因となり、電力増幅器142を飽和させ、電力増幅器142の適切な調節を妨げる可能性がある。
【0034】
本発明の実施形態は、コマンドされた電流形状145とコイル電流Iの測定された電流形状との間の不整合誤差を低減するように動作する。これにより、電流レベルのオーバーシュートが減少し、流量測定精度が向上する。さらに、コマンドされた電流形状は、電力増幅器142がその最大電圧を超えることを防止して、調整問題を回避するように構成されてもよい。
【0035】
上述のように、コントローラ140は、図2に示すように、形状発生器144からの形状コマンド145に基づいて、コイル電流パルスの電圧レベル及び電流形状を制御する。形状発生器144は、図9の単純化された図に示されるように、コイル電流Iの直流パルスの電流形状を制御するために、形状コマンド145をコントローラ140に発行するように動作し、ここで、電力増幅器142は、上述の実施形態に従って形成され得る、プログラム可能な双方向電流源154によって表される。いくつかの実施形態では、形状発生器144が図10に示すように、正方形電流形状コマンド145A、台形電流形状コマンド145B、不規則電流形状コマンド145C、正弦波電流形状コマンド145D、及び/又は他の複雑な形状コマンドなど、異なる複雑な形状コマンド145を生成するように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、形状コマンド145が測定された電流形状がコマンドされた形状に密接に一致するように、コイル126のインダクタンスに合わせて調整される。コイル126のインダクタンスは、例えば、磁気流量計102のファミリー特性から経験的に導出されてもよいし、磁気流量計102の経験的に導出された工場の特性から導出されてもよい。いくつかの実施形態では、形状コマンド145が工場設定としてプログラムされ、例えば、コントローラ140又はデジタルプロセッサ130によって表されるメモリなど、磁気流量計102の非一時的特許適格メモリに記憶される。
【0037】
さらに、形状コマンドは電力増幅器142の最大電圧を超えるパルス電流の電流オーバーシュートの可能性を低減するために、電源147(図3及び図4)などの電力増幅器142の最大電圧に合わせることができる。形状発生器142は、コイル126の推定インダクタンス、及び任意選択で電力増幅器142の最高電圧に基づいて実際に達成可能な電流レベルランプの勾配を計算し、この勾配を使用して、コイル電流Iの電流パルスによって実質的に整合させることができる非二乗電流形状を有する形状コマンドを生成する。
【0038】
図11は、本開示の実施形態による、形状発生器144によって電力増幅器142に発行され得る、例示的な台形形状コマンド145の電流形状184を示すチャートである。電流形状184は、それぞれ、立ち上がり時間tにわたって電流レベルが設定点電流レベル188まで徐々に上昇する先行部分186と、立ち下がり時間tにわたって電流レベルが徐々にゼロに戻る後続部分190とを有する。先行部分及び後続部分186及び190の傾斜は、コイル126の推定インダクタンス、及びオプションとして、電力増幅器142の最大電圧に基づいて、形状発生器144によって決定される。
【0039】
図12は形状発生器144からの例示的な台形形状コマンド145の電流形状184のチャート、及び、例えば、監視回路150を使用して測定され得る、電力増幅器142によって生成される対応する電流パルス194の電流形状192のチャートを図示する。形状コマンド145の先行部分186及び後続部分190の傾斜がコイル126のインダクタンスに合わせて調整されているため、測定された電流形状192は形状コマンド145の電流形状184の先行部分186及び後続部分190に密接に一致する先行部分195及び後続部分196を含み、その結果、方形電流形状・コマンド145(図9)が使用されるときに比べて先行誤差領域197(斜線領域)及び後続誤差領域198(斜線領域)が小さくなる。その結果、コイル電流ICの電流パルス194は領域197及び198において減少した電流オーバーシュートを有し、それによって、コイル126によって生成された磁界を、電流レベルセットポイント188によって示される所望の磁界強度に落ち着かせるように駆動し、流量計測精度を改善する。
【0040】
加えて、形状コマンド145は、エラー領域197及び198における電流オーバーシュート生成中を含む、形状コマンド145に応答して電流パルス194を生成する際に、電力増幅器142の電圧をその最大電圧よりも低く維持するように調整されてもよい。その結果、電力増幅器142の調整に関する課題を低減することができる。
【0041】
図13は、本開示の実施形態による、磁気流量計102を使用して流体の流量を測定する方法を示すフローチャートである。本方法の200において、流体の流れ104は、図1及び図2に示すように、パイプ部122を通るなど、流管組立品120を通って受け入れられる。形状コマンド145は、202で発行され、形状発生器144を使用して、時間経過に伴う電圧の電流形状184(図9及び図10)を定義する。いくつかの実施形態では、形状コマンド145がコイル126のインダクタンスに基づく。いくつかの実施形態では、形状コマンド145がまた、電力増幅器142の最大電圧に基づいている。
【0042】
本方法の204において、電流パルスは、形状コマンド145に基づいて電力増幅器142を使用して生成され、流れ管組立品120のコイル126を通って交互の方向に駆動される。これは、例えば、異なるデューティサイクルで電力増幅器142のHブリッジの相補的スイッチ156の対を作動させることなどによって、上述の技術に従って達成されてもよい。いくつかの実施形態では、電流パルスがそれぞれ、図12に示される電流パルス194によって示されるような、非二乗電流レベル形状を有する。
【0043】
206において、磁場が流体の流れ104を横切って生成され、EMFが流体の流れ104に誘導される。誘導されたEMFは、流体の流れ104の流量に比例する。
【0044】
208において、流体の流れ104の流量を示す出力(例えば、差動電圧)は、流管組立品120のEMFセンサ123(図2)を使用して生成される。上述のように、EMFセンサ123からの出力は信号プロセッサ128及びデジタルプロセッサ130によって処理され、図2に示されるように、通信インターフェース134を使用して外部コンピュータ装置112に通信され得る。
【0045】
本開示の実施形態は、好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、当業者は本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において変更がなされ得ることを認識するのであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】