(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-08
(54)【発明の名称】塗料装置の詰まりおよび詰まり特性を決定する方法、塗料装置、較正システムならびに産業ロボット
(51)【国際特許分類】
B05D 3/00 20060101AFI20221031BHJP
B05B 15/50 20180101ALI20221031BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05B15/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514583
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2019074017
(87)【国際公開番号】W WO2021047753
(87)【国際公開日】2021-03-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】モシゲ、モーテン
(72)【発明者】
【氏名】ランスネス、オイビン
(72)【発明者】
【氏名】グナセルバム・カススリ・ティラガム、アラビンドハン
(72)【発明者】
【氏名】スカール、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フィンネスタ、イングビ
【テーマコード(参考)】
4D073
4D075
【Fターム(参考)】
4D073AA01
4D073BB01
4D073BB03
4D073CA04
4D073CA07
4D073CA16
4D073CB02
4D073CB16
4D073CB24
4D073CC15
4D075AA13
4D075AA81
4D075AA84
4D075BB91Y
4D075BB93Y
4D075DC12
4D075EA05
4D075EC30
(57)【要約】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)の排出穴(34)の詰まりの程度を決定する方法であって、排出穴(34)を通るように空気を導くことと;装置(12)の空気流レギュレータ(32)と排出穴(34)との間の出力空気圧力を決定することと、空気流レギュレータ(32)が空気の流れを調節するように配置される;出力空気圧力に基づいて排出穴(34)の詰まりの程度を決定することとを備える、方法。塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)、装置(12)とブロッキングデバイス(62)とを備える較正システム(60)、装置(12)を備える産業ロボット(10)、および装置(12)の詰まり特性を決定する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)の排出穴(34)の詰まりの程度を決定する方法であって、
前記排出穴(34)を通るように空気を導くことと、
前記装置(12)の空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の出力空気圧力を決定することと、前記空気流レギュレータ(32)が前記空気の流れを調節するように配置される、
前記出力空気圧力に基づいて前記排出穴(34)の詰まりの程度を決定することとを備える、方法。
【請求項2】
前記流れを示す流れデータに基づいて詰まりの前記程度を決定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の前記流れを測定することと、前記測定された流れに基づいて前記流れデータを決定することとをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記出力空気圧力が、出力空気圧力センサ(50)によって決定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
詰まりの前記程度が、詰まりの割合として決定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
詰まりの前記程度が、前記空気流レギュレータ(32)の上流側の空気の入力空気圧力とは無関係に決定される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
詰まりの前記程度が、方程式に基づいて決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方程式が、前記流れに依存するスケーリング係数を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方程式が、前記流れに依存するオフセット項を備える、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)であって、前記装置(12)が、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される、装置(12)。
【請求項11】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)であって、
空気用の複数の排出穴(34)と、
前記空気の流れを前記排出穴(34)に合わせて調節するように配置された空気流レギュレータ(32)と、
前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間に流体的に配置され、出力空気圧力を決定するように配置された出力空気圧力センサ(50)とを備える、装置(12)。
【請求項12】
前記出力空気圧力センサ(50)によって決定された前記出力空気圧力に基づいて、前記排出穴(34)の詰まりの程度を決定するように構成された制御システム(42)をさらに備える、請求項11に記載の装置(12)。
【請求項13】
前記制御システム(42)が、前記流れを示す流れデータに基づいて詰まりの前記程度を決定するようにさらに構成される、請求項12に記載の装置(12)。
【請求項14】
前記装置(12)が、前記排出穴(34)の下流側に回転可能な偏向要素(20)を有する噴霧器(18)を備える、請求項10から13のいずれか一項に記載の装置(12)。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか一項に記載の装置(12)と、前記装置(12)に取り付けられたときに前記排出穴(34)の少なくとも1つをブロックするように構成され、前記装置(12)から取り外されるように構成されたブロッキングデバイス(62)とを備える較正システム(60)。
【請求項16】
請求項10から14のいずれか一項に記載の装置(12)、または請求項15に記載の較正システム(60)を備える、産業ロボット(10)。
【請求項17】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)の詰まり特性を決定する方法であって、
第1のパラメータ設定で、前記装置(12)の排出穴(34)を通るように空気を導くことと、前記第1のパラメータ設定が、前記空気の流れを示す流れデータと、前記排出穴(34)の詰まりの程度を示す詰まりデータとを備える、
前記第1のパラメータ設定に対して、前記装置(12)の空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の第1の出力空気圧力を決定することと、前記空気流レギュレータ(32)が前記流れを調節するように配置される、
前記流れデータおよび前記詰まりデータの少なくとも1つが前記第1のパラメータ設定とは異なる第2のパラメータ設定で、前記排出穴(34)を通るように空気を導くことと、
前記第2のパラメータ設定に対して、前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の第2の出力空気圧力を決定することと、
前記第1および第2のパラメータ設定の前記流れデータ、前記第1および第2のパラメータ設定の前記詰まりデータ、前記第1の出力空気圧力および前記第2の出力空気圧力に基づいて、前記排出穴(34)の詰まりの程度と前記出力空気圧力との間の関係を決定することとを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、塗料を物体に塗布するための装置に関する。特に、塗料を物体に塗布するための装置の排出穴の詰まりの程度を決定する方法、塗料を物体に塗布するための装置、装置とブロッキングデバイスとを備える較正システム、装置を備える産業ロボット、ならびに塗料を物体に塗布するための装置の詰まり特性を決定する方法が、提供される。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体部分へのペイントの塗布など、塗料を物体に塗布するために、塗料は、回転式ベル噴霧器によって噴霧され、成形空気および塗料の静電耐電によって物体に塗布され得る。ペイントまたはニスなどのさまざまなタイプの液体ベースの塗料が、このようにして物体に塗布され得る。塗料の安定的で良好な塗布を得るために、制御された一様な成形空気の流れが重要である。
【0003】
ベル噴霧器では、成形空気は、通常、成形空気リング内の複数の排出穴を通って吐出される。これらの排出穴が、たとえばペイント粒子によって詰まり始める場合、塗料の塗布性能は、低下する。この問題に対処する従来の方法は、手動検査によるもの、および/または「大事」をとって洗浄中に溶媒を過剰に使用することによるものである。
【0004】
米国特許出願公開第2016030962号は、回転式ペイント噴霧器を監視する方法を開示している。方法は、目標の回転速度、目標の空気流量、目標のトルク、および目標の静電電流を決定することと、動作回転速度、動作空気流量、動作トルク、および動作静電電流を測定することとを含む。方法は、動作回転速度が目標の回転速度とは異なる第1の状態、動作空気流量が目標の空気流量とは異なる第2の状態、動作トルクが目標のトルクとは異なる第3の状態、ならびに動作静電電流が目標の静電電流とは異なる第4の状態の少なくとも1つを検出することを含む。
【発明の概要】
【0005】
ベル噴霧器の排出穴の詰まりを検出するには、較正された曲線と動的曲線との間の偏差を見出し、詰まりを含む成形空気に関する可能性のある問題について警告を発するために、成形空気流とこの流れを達成するために必要とされる出力空気圧力との間の関係を説明する曲線が、使用され得る。しかし、この方法は、大雑把な方法であり、少量の詰まりを検出することを可能にしない。さらに、この方法は、詰まりと、たとえば一時的に挟まれたホースとを区別しない。
【0006】
本開示の1つの目的は、塗料を物体に塗布するための装置の排出穴の詰まりの程度を決定する、正確で簡単な、および/またはコスト効果の高い方法を提供することである。
【0007】
本開示の別の目的は、塗料を物体に塗布するための装置の排出穴の詰まりの程度を決定する方法を提供することであり、この方法は、低レベルの詰まりを検出することを可能にする。
【0008】
本開示のさらに別の目的は、塗料を物体に塗布するための装置の排出穴の詰まりの程度を決定する方法を提供することであり、この方法は、いくつかまたはすべての前述の目的を組み合わせて解決する。
【0009】
本開示のさらに別の目的は、塗料を物体に塗布するための装置の排出穴の詰まりの程度を決定する方法を提供することであり、この方法は、詰まりと、一過性の異常(passing anomaly)、たとえば挟まれたホースとを区別することができる。
【0010】
本開示のさらに別の目的は、塗料を物体に塗布するための装置を提供することであり、この装置は、1つ、いくつか、またはすべての前述の目的を解決する。
【0011】
本開示のさらに別の目的は、1つ、いくつか、またはすべての前述の目的を解決する較正システムを提供することである。
【0012】
本開示のさらに別の目的は、1つ、いくつか、またはすべての前述の目的を解決する産業ロボットを提供することである。
【0013】
本開示のさらに別の目的は、塗料を物体に塗布するための装置の詰まり特性を決定する方法を提供することであり、この方法は、1つ、いくつか、またはすべての前述の目的を解決する。
【0014】
1つの態様によれば、塗料を物体に塗布するための装置の排出穴の詰まりの程度を決定する方法であって、排出穴を通るように空気を導くことと;装置の空気流レギュレータと排出穴との間の出力空気圧力を決定することと、空気流レギュレータが空気の流れを調節するように配置される;出力空気圧力に基づいて排出穴の詰まりの程度を決定することとを備える方法が、提供される。
【0015】
方法は、排出穴の詰まりの程度が、出力空気圧力に基づいて決定され得るという認識に基づく。方法は、詰まった排出穴の外に生じる異常な噴霧パターンによる塗料の無駄を低減または解消することを可能にする。さらに、方法は、低レベルの詰まりを正確に検出することを可能にする。方法はまた、上記の解決策、すなわち成形空気流とこの流れを達成するために必要とされる出力空気圧力との間の関係を説明する曲線に基づく解決策に関する問題であるフォールスポジティブの警告を低減する。さらに、方法は、装置を洗浄するための溶媒の使用量を低減し、手動検査の必要性を低減することを可能にする。したがって、方法は、コスト効果が高い。
【0016】
方法は、装置の動作中、連続的にまたは選択された間隔をおいて実施され得る。それによって、オペレータに詰まりの程度が伝えられ得る。詰まりの程度が特定の値を超える場合、警告が発せられ得、および/または自動洗浄プロセスが開始され得る。
【0017】
方法は、たとえば、所与の空気流を維持するために必要とされる出力空気圧力差に基づいて排出穴の詰まりの程度を決定することを備えることができる。この場合、出力空気圧力差は、(特定の程度の詰まりの場合の)所与の空気流に対する現在の出力空気圧力から、ゼロ詰まりの場合の前の出力空気圧力を差し引くことによって決定され得る。方法は、したがって、決定された出力空気圧力と(詰まりゼロの場合の)目標の出力空気圧力との間の相違に基づいて詰まりの程度を決定することを備えることができる。
【0018】
空気流レギュレータは、たとえば調節ループによって一定の空気量を維持するように配置され得る。排出穴は、装置の成形空気リング内に設けられ得る。排出穴を通って導かれる空気は、したがって、塗料を噴霧するための成形空気であってもよい。方法は、塗料を、たとえば回転する偏向要素内の装置の塗料出口を通るように導くことをさらに備えることができる。
【0019】
装置は、回転可能なベルカップを有するベル噴霧器を備えることができ、排出穴は、ベル噴霧器の成形空気リング内に設けられた成形空気ノズルであってもよい。本開示は、主にベル噴霧器を備えるとして装置を説明しているが、方法は、成形空気で動作するペイントガンを備える装置など、成形空気によって塗料を物体に塗布するための他のタイプの装置にも適用可能である。
【0020】
本開示を通じて、塗料を物体に塗布するための装置は、代替的に、塗料装置と称され得る。塗料は、たとえば、ペイントまたはニスであってもよい。
【0021】
方法は、流れを示す流れデータに基づいて詰まりの程度を決定することをさらに備えることができる。流れデータは、たとえば、目標の流れ、または導かれた空気の測定された流れであってもよい。
【0022】
方法は、空気流レギュレータと排出穴との間の流れを測定することと、測定された流れに基づいて流れデータを決定することとをさらに備えることができる。この場合、実際のまたは測定された流れは、こうして流れデータとして使用される。
【0023】
出力空気圧力は、出力空気圧力センサによって決定され得る。出力空気圧力センサは、空気流レギュレータと排出穴との間、たとえば出力空気チャネルが排出穴に分岐する分岐点の上流側の出力空気チャネル上に流体的に配置され得る。
【0024】
詰まりの程度は、詰まりの割合として決定され得る。詰まりの割合は、方程式および/または機械学習を使用して決定され得る。
【0025】
詰まりの程度は、空気流レギュレータの上流側の空気の入力空気圧力とは無関係に決定され得る。入力空気圧力は、代替的に、供給圧力と称され得る。出力空気圧力は、代替的に、内部圧力と称され得る。
【0026】
詰まりの程度は、方程式に基づいて決定され得る。方程式は、装置のモデルを構成することができる。方程式は、一次方程式であってもよい。
【0027】
方程式は、流れに依存するスケーリング係数を備えることができる。代替的にまたは加えて、方程式は、流れに依存するオフセット項を備えることができる。方程式の唯一の変数は、流れおよび決定された出力空気圧力であってもよい。
【0028】
方法は、フォールスポジティブを除外することをさらに備えることができる。たとえば、出力空気圧力は、経時的に監視され得、成形空気流の一時的な制限は、ホースの挟まりとして分類され得るが、制限が経時的に徐々に増加すると、排出穴の詰まりとして分離され得る。
【0029】
別の態様によれば、塗料を物体に塗布するための装置であって、前記装置が本開示による方法を実施するように構成される、装置が、提供される。
【0030】
別の態様によれば、塗料を物体に塗布するための装置であって、空気用の複数の排出穴と;空気の流れを排出穴に合わせて調節するように配置された空気流レギュレータと;空気流レギュレータと排出穴との間に流体的に配置され、出力空気圧力を決定するように配置された出力空気圧力センサとを備える、装置が、提供される。
【0031】
装置は、出力空気圧力センサによって決定された出力空気圧力に基づいて、排出穴の詰まりの程度を決定するように構成された制御システムをさらに備えることができる。制御システムは、流れを示す流れデータに基づいて詰まりの程度を決定するようにさらに構成され得る。装置は、空気流レギュレータと排出穴との間に流体的に配置され、空気流レギュレータと排出穴との間の流れを測定するように配置された空気流センサをさらに備えることができる。流れデータは、このとき、測定された流れに基づいて決定され得る。
【0032】
別の態様によれば、塗料を物体に塗布するための装置の排出穴の詰まりの程度を決定するための制御システムが、提供され、制御ユニットは、データ処理デバイスと、コンピュータプログラムが記憶されたメモリとを備え、コンピュータプログラムは、データ処理デバイスによって実行されたとき、データ処理デバイスに、装置の空気流レギュレータと排出穴との間の流体的な地点における、排出穴を通って導かれる空気の出力空気圧力を示す圧力信号を受信するステップと、空気流レギュレータが空気の流れを調節するように配置される;出力空気圧力に基づいて排出穴の詰まりの程度を決定するステップとを実行させる、プログラムコードを備える。
【0033】
装置は、排出穴の下流側に、回転可能なベルカップを備えるベル噴霧器などの回転可能な偏向要素を有する噴霧器を備えることができる。
【0034】
別の態様によれば、本開示による装置と、装置に取り付けられたときに排出穴の少なくとも1つをブロックするように構成され、装置から取り外されるように構成されたブロッキングデバイスとを備える、較正システムが、提供される。較正システムは、複数のブロッキングデバイスを備えることができ、そのそれぞれは、一意の数の排出穴のブロッキングをシミュレートするためのものである。代替的には、異なる数の排出穴をブロックするために、単一の再構成可能なブロッキングデバイスが、使用され得る。
【0035】
別の態様によれば、本開示による装置、または本開示による較正システムを備える産業ロボットが、提供される。
【0036】
別の態様によれば、塗料を物体に塗布するための装置の詰まり特性を決定する方法であって、第1のパラメータ設定で、装置の排出穴を通るように空気を導くことと、第1のパラメータ設定が、空気の流れを示す流れデータと、排出穴の詰まりの程度を示す詰まりデータとを備える;第1のパラメータ設定に対して、装置の空気流レギュレータと排出穴との間の第1の出力空気圧力を決定することと、空気流レギュレータが流れを調節するように配置される;流れデータおよび詰まりデータの少なくとも1つが第1のパラメータ設定とは異なる第2のパラメータ設定で、排出穴を通るように空気を導くことと;第2のパラメータ設定に対して、空気流レギュレータと排出穴との間の第2の出力空気圧力を決定することと;第1および第2のパラメータ設定の流れデータ、第1および第2のパラメータ設定の詰まりデータ、第1の出力空気圧力および第2の出力空気圧力に基づいて、排出穴の詰まりの程度と出力空気圧力との間の関係を決定することとをさらに備える、方法が、提供される。
【0037】
この態様による方法を用いて、装置は、詰まり特性に関して較正され得る。流れデータは、空気流レギュレータによって第1のパラメータ設定と第2のパラメータ設定との間で変更され得る。詰まりデータは、本開示によるブロッキングデバイスによって、または1つまたは複数の排出穴上にテープを一時的に接着することによって、第1のパラメータ設定と第2のパラメータ設定との間で変更され得る。
【0038】
本開示のさらなる詳細、利点、および態様は、図を併用して以下の実施形態から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】塗料を物体に塗布するための装置を備える産業ロボットの概略側面図。
【
図4】装置とブロッキングデバイスとを備える較正システムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、塗料を物体に塗布するための装置の排出穴の詰まりの程度を決定する方法、塗料を物体に塗布するための装置、装置とブロッキングデバイスとを備える較正システム、装置を備える産業ロボット、ならびに塗料を物体に塗布するための装置の詰まり特性を決定する方法が、説明される。同じまたは類似の構造的特徴を示すために、同じまたは類似の参照番号が使用される。
【0041】
図1は、塗料14を物体16に塗布するための装置12を備える産業ロボット10の側面図を概略的に表す。塗料14は、たとえばペイントであってもよく、物体16は、たとえば自動車の車体部分であってもよい。ロボット10は、3つまたはそれ以上の軸でプログラム可能なマニピュレータを備える。
【0042】
図2は、装置12の断面側面図を概略的に表す。装置12は、ここでは、ベル噴霧器18を備えるものとして例示される。ベル噴霧器18は、ベルカップ20の形態の回転可能な偏向要素を備える。
【0043】
装置12は、可撓性空気ホース22と可撓性塗料ホース24とを備える。加圧された空気が、空気ホース22を通って圧縮機26から装置12に導入される。
【0044】
装置12は、ポンプ28をさらに備える。ポンプ28は、塗料ホース24を通してリザーバ30から装置12への加圧された塗料を受け取る。
図2の例では、圧縮器26およびリザーバ30は、装置12の外側に配置される。圧縮器26は、加圧された空気をいくつかのロボット10に提供することができる。したがって、圧縮器26から入手可能な圧力は、通常、装置12が必要とするものよりもかなり高い。
【0045】
装置12は、空気流レギュレータ32をさらに備える。空気流レギュレータ32は、装置12を通る空気の流れを調節するように配置される。この目的のために、空気流レギュレータ32は、比例弁と、比例弁を制御するためのモータとを備えることができる。塗料の塗布中、空気流レギュレータ32は、一定の空気流、たとえば200Nl/分(標準リットル毎分)を維持するように配置され得る。
【0046】
装置12は、成形空気用の複数の排出穴34をさらに備える。排出穴34は、装置12の成形空気リング36の周りに分散される。装置12は、塗料用の塗料出口38をさらに備える。塗料出口38は、ベルカップ20内の中央に置かれる。
【0047】
装置12は、タービン40をさらに備える。タービン40は、ベルカップ20を回転させるようにタービン空気流によって回転されるように配置される。タービン空気流は、成形空気とは別個の流れであってもよい。
【0048】
この例のベル噴霧器18は、タービン40と、成形空気リング36と、排出穴34と、ベルカップ20とを備える。ベル噴霧器18は、ロボット10のマニピュレータの遠位端に配置される。装置12の残りの部分は、ロボット10の他のセクション内および/またはロボット10の外側に配置され得る。
【0049】
装置12は、制御システム42をさらに備える。制御システム42は、データ処理デバイス44と、コンピュータプログラムが記憶されたメモリ46とを備える。コンピュータプログラムは、データ処理デバイス44によって実行されたとき、データ処理デバイス44に、本開示による、さまざまなステップを実行させ、またはさまざまなステップの実行を命令させる、プログラムコードを備える。
【0050】
装置12は、成形空気の入力空気圧力を測定するための入力空気圧力センサ48をさらに備える。入力空気圧力センサ48は、空気流レギュレータ32の上流側の、圧縮器26と空気流レギュレータ32との間に配置される。入力空気圧力センサ48は、制御システム42と信号連通している。入力空気圧力センサ48によって測定された入力空気圧力は、空気流レギュレータ32への十分な供給圧力を確実にするために使用され得る。
【0051】
装置12は、成形空気の出力空気圧力を測定するための出力空気圧力センサ50をさらに備える。出力空気圧力センサ50は、空気流レギュレータ32の下流側の、空気流レギュレータ32と排出穴34との間に配置される。
図2に示すように、出力空気圧力センサ50は、出力空気チャネル上の、出力空気チャネルが排出穴34に分岐する分岐点52の上流側に配置される。出力空気圧力センサ50は、制御システム42と信号連通している。
【0052】
装置12は、成形空気の流れを測定するための空気流センサ54をさらに備える。空気流センサ54は、空気流レギュレータ32の下流側の、空気流レギュレータ32と排出穴34との間に配置される。
図2に示すように、空気流レギュレータ32もまた、分岐点52の上流側の出力空気チャネル上に配置される。空気流センサ54は、制御システム42と信号連通している。
【0053】
図2の例では、出力空気圧力センサ50は、空気流レギュレータ32と空気流センサ54との間に配置される。代替策として、空気流センサ54は、空気流レギュレータ32と出力空気圧力センサ50との間に配置され得る。
【0054】
装置12は、入力塗料圧力を測定するための入力塗料圧力センサ56をさらに備える。入力塗料圧力センサ56は、ポンプ28の上流側の、リザーバ30とポンプ28との間に配置される。入力塗料圧力センサ56は、制御システム42と信号連通している。
【0055】
装置12は、出力塗料圧力を測定するための出力塗料圧力センサ58をさらに備える。出力塗料圧力センサ58は、ポンプ28の下流側の、ポンプ28と塗料出口38との間に配置される。
【0056】
装置12の動作中、圧縮器26からの加圧された空気は、成形空気を形成するように空気流レギュレータ32によって制御される。成形空気は、排出穴34を通って出る。タービン40の回転により、ベルカップ20は回転する。リザーバ30からの塗料は、ポンプ28によって塗料出口38まで運ばれる。ベルカップ20の回転により、塗料は、塗料出口38から、回転するベルカップ20の前縁まで流れる。排出穴34からの成形空気は、ベルカップ20によって偏向され、噴霧空気の流れを形成し、塗料液滴を霧になるように前方向に推進する。塗料は、それによって噴霧される。
【0057】
この例の装置12の動作中、制御システム42は、入力空気圧力センサ48、出力空気圧力センサ50、空気流センサ54、出力塗料圧力センサ58、および入力塗料圧力センサ56からセンサ値を読み取り、空気流レギュレータ32およびポンプ28を制御する。成形空気流は、空気流センサ54からの流れデータに基づいて空気流レギュレータ32を制御することによって制御される。
【0058】
塗料および他の粒子は、経時的に排出穴34に接近し、排出穴34を部分的にブロックするか、または詰まらせることがある。これは、成形空気が排出穴34を通って一様に供給されなくなったことによる、装置12からの塗料の不均一な流れとして現れることになる。
【0059】
排出穴34の詰まりの程度を決定する方法が、装置12の動作中に連続的に、または選択された間隔をおいて実施され得る。排出穴34の詰まりが存在しない場合でも、排出穴34は、そこを通る成形空気を制限する。出力空気圧力センサ50および空気流センサ54は、成形空気の特性を測定するために使用される。排出穴34の詰まりの程度を決定するために、出力空気圧力は出力空気圧力センサ50によって読み取られ、空気流は空気流センサ54によって読み取られる。詰まりの程度は、次いで、出力空気圧力センサ50および空気流センサ54からの値に基づいて、たとえば方程式によって決定される。
【0060】
空気流センサ54によって測定された流れデータの代替策として、命令流が、流れデータとして使用され得る。別の代替策として、方法は、一定の空気流を用いて、または仮定された一定の空気流を用いて実施され得る。
【0061】
排出穴34の詰まりの程度と、空気流レギュレータ32と排出穴34との間の出力空気圧力と、空気流レギュレータ32と排出穴34との間の空気流との間には相関関係が存在することが、認識されている。たとえば、いくつかの実施において、出力空気圧力は、200Nl/分の空気流で、排出穴34のブロッキングを0%から30%線形に増大させる。
【0062】
排出穴34の詰まりの程度が増大すると、出力空気圧力は増大するが、入力空気圧力は大きくは上昇しない。入力空気圧力は、空気流レギュレータ32の制御により出力空気圧力に実質的に影響を与えないため、装置12のモデルは、以下の一次方程式で定義され得る:
【0063】
【0064】
式中、Bは排出穴34のブロッキング割合であり、P(バー)は出力空気圧力であり、k(F)はスケーリング係数であり、b(F)はオフセット項である。
【0065】
スケーリング係数k(F)は、
【0066】
【0067】
として定義され得る。
式中、Fは流れ(Nl/分)であり、kscaleおよびkbiasは定数である。したがって、空気流とスケーリング係数との間には、線形関係が存在する。定数kscaleおよびkbiasは、たとえば排出穴34のさまざまにシミュレートされた詰まりレベルを用いた、装置12に対する試験から引き出され得る。
【0068】
オフセット項b(F)は、
【0069】
【0070】
として定義され得る。
式中、bscaleおよびbbiasは、定数である。したがって、空気流とオフセット項との間には、線形の関係が存在する。定数bscaleおよびbbiasは、たとえば排出穴34のさまざまにシミュレートされた詰まりレベルを用いた、装置12に対する試験から引き出され得る。
【0071】
したがって、詰まりの程度を決定するための方程式(1)は、流れデータおよび出力空気圧力のみに依存する。一定の空気流の場合、方程式(1)は、出力空気圧力のみに依存する。方程式(1)は、たとえば、入力空気圧力に依存しない。流れが増大すると、方程式(1)のスケーリング係数k(F)とオフセット項b(F)の両方は、増大する。
【0072】
いくつかの実施では、空気ホース22は、ロボット10の特定の動きによって一時的に挟まれることがある。この結果、制御システム42がより高い出力空気圧力で補償することができない限り、成形空気流のさらなる制限が一時的に生じてこの空気流を低減する。ロボット10が空気ホース22を挟む位置から移動して離れるとすぐに、正常(挟まれていない)状態に戻される。他方で、排出穴34の詰まりは、経時的に増加し、空気ホース22の挟みのように見え隠れしない。この理由のために、成形空気流の一時的な制限は、ホースの挟まりとして分類され得るが、制限が経時的に徐々に増加すると、排出穴34の詰まりとして分類され得る。
【0073】
図3は、装置12の部分的な前面図を概略的に表す。
図4は、装置12とブロッキングデバイス62とを備える較正システム60を概略的に表す。
図3および4では、ベルカップ20は、視認性を改善するために取り除かれている。ブロッキングデバイス62は、複数の排出穴34を選択的にブロックするように構成される。ブロッキングデバイス62は、ここでは、成形空気リング36上に取り外し可能に取り付けられたアダプタとして例示される。ブロッキングデバイス62は、複数の制限プレート64を備える。ブロッキングデバイス62は、たとえば、3D印刷などの付加製造によって製造され得る。
【0074】
図4に示すように、制限プレート64は、複数の排出穴34をブロックする。複数の排出穴34をブロッキングデバイス62によってブロックすることにより、排出穴34の詰まりが、シミュレートされ得る。
【0075】
詰まり程度の特性、出力空気圧力、および流れは、実施ごとに異なる。一定の空気流に対して、ブロッキングデバイス62を用いて排出穴34の異なる詰まりレベル(および任意選択によりブロッキングデバイス62なしのゼロの詰まりレベル)をシミュレートすることにより、出力空気圧力の対応する変化が、検出され得る。逆に言うと、一定の出力空気圧力に対して、ブロッキングデバイス62を用いて排出穴34の異なる詰まりレベル(および任意選択によりブロッキングデバイス62なしのゼロの詰まりレベル)をシミュレートすることにより、空気流レギュレータ32を通る流れの対応する変化が、検出され得る。このようにして、装置12は較正され得、すなわち、詰まり特性が決定され得る。流れごとに、出力空気圧力は、詰まり程度の関数としてプロットされ得る。データは、次いで、上記の方程式(1)を引き出すために補間され得る。
【0076】
本開示は例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明は、上記で説明されてきたものに限定されないことが理解されよう。たとえば、必要に応じて部材の寸法が変えられてもよいことが理解されよう。それにしたがって、本発明は、付属の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定され得ることが、意図される。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)の排出穴(34)の詰まりの程度を決定する方法であって、
前記排出穴(34)を通るように空気を導くことと、
前記装置(12)の空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の出力空気圧力を決定することと、前記空気流レギュレータ(32)が前記空気の流れを調節するように配置される、
前記出力空気圧力に基づいて前記排出穴(34)の詰まりの程度を決定することとを備える、方法。
【請求項2】
前記流れを示す流れデータに基づいて詰まりの前記程度を決定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の前記流れを測定することと、前記測定された流れに基づいて前記流れデータを決定することとをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記出力空気圧力が、出力空気圧力センサ(50)によって決定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
詰まりの前記程度が、詰まりの割合として決定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
詰まりの前記程度が、前記空気流レギュレータ(32)の上流側の空気の入力空気圧力とは無関係に決定される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
詰まりの前記程度が、方程式に基づいて決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方程式が、前記流れに依存するスケーリング係数を備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方程式が、前記流れに依存するオフセット項を備える、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)であって、前記装置(12)が、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される、装置(12)。
【請求項11】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)であって、
空気用の複数の排出穴(34)と、
前記空気の流れを前記排出穴(34)に合わせて調節するように配置された空気流レギュレータ(32)と、
前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間に流体的に配置され、出力空気圧力を決定するように配置された出力空気圧力センサ(50)とを備え
、
前記装置(12)が、前記排出穴(34)の下流側に回転可能な偏向要素(20)を有する噴霧器(18)を備える、装置(12)。
【請求項12】
前記出力空気圧力センサ(50)によって決定された前記出力空気圧力に基づいて、前記排出穴(34)の詰まりの程度を決定するように構成された制御システム(42)をさらに備える、請求項11に記載の装置(12)。
【請求項13】
前記制御システム(42)が、前記流れを示す流れデータに基づいて詰まりの前記程度を決定するようにさらに構成される、請求項12に記載の装置(12)。
【請求項14】
請求項10から
13のいずれか一項に記載の装置(12)と、前記装置(12)に取り付けられたときに前記排出穴(34)の少なくとも1つをブロックするように構成され、前記装置(12)から取り外されるように構成されたブロッキングデバイス(62)とを備える較正システム(60)。
【請求項15】
請求項10から
13のいずれか一項に記載の装置(12)、または請求項
14に記載の較正システム(60)を備える、産業ロボット(10)。
【請求項16】
塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)の詰まり特性を決定する方法であって、
第1のパラメータ設定で、前記装置(12)の排出穴(34)を通るように空気を導くことと、前記第1のパラメータ設定が、前記空気の流れを示す流れデータと、前記排出穴(34)の詰まりの程度を示す詰まりデータとを備える、
前記第1のパラメータ設定に対して、前記装置(12)の空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の第1の出力空気圧力を決定することと、前記空気流レギュレータ(32)が前記流れを調節するように配置される、
前記流れデータおよび前記詰まりデータの少なくとも1つが前記第1のパラメータ設定とは異なる第2のパラメータ設定で、前記排出穴(34)を通るように空気を導くことと、
前記第2のパラメータ設定に対して、前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の第2の出力空気圧力を決定することと、
前記第1および第2のパラメータ設定の前記流れデータ、前記第1および第2のパラメータ設定の前記詰まりデータ、前記第1の出力空気圧力および前記第2の出力空気圧力に基づいて、前記排出穴(34)の詰まりの程度と前記出力空気圧力との間の関係を決定することとを備える、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
本開示は例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明は、上記で説明されてきたものに限定されないことが理解されよう。たとえば、必要に応じて部材の寸法が変えられてもよいことが理解されよう。それにしたがって、本発明は、付属の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定され得ることが、意図される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)の排出穴(34)の詰まりの程度を決定する方法であって、
前記排出穴(34)を通るように空気を導くことと、
前記装置(12)の空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の出力空気圧力を決定することと、前記空気流レギュレータ(32)が前記空気の流れを調節するように配置される、
前記出力空気圧力に基づいて前記排出穴(34)の詰まりの程度を決定することとを備える、方法。
[2] 前記流れを示す流れデータに基づいて詰まりの前記程度を決定することをさらに備える、[1]に記載の方法。
[3] 前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の前記流れを測定することと、前記測定された流れに基づいて前記流れデータを決定することとをさらに備える、[2]に記載の方法。
[4] 前記出力空気圧力が、出力空気圧力センサ(50)によって決定される、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 詰まりの前記程度が、詰まりの割合として決定される、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 詰まりの前記程度が、前記空気流レギュレータ(32)の上流側の空気の入力空気圧力とは無関係に決定される、[1]から[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7] 詰まりの前記程度が、方程式に基づいて決定される、[1]から[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8] 前記方程式が、前記流れに依存するスケーリング係数を備える、[7]に記載の方法。
[9] 前記方程式が、前記流れに依存するオフセット項を備える、[7]または[8]に記載の方法。
[10] 塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)であって、前記装置(12)が、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される、装置(12)。
[11] 塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)であって、
空気用の複数の排出穴(34)と、
前記空気の流れを前記排出穴(34)に合わせて調節するように配置された空気流レギュレータ(32)と、
前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間に流体的に配置され、出力空気圧力を決定するように配置された出力空気圧力センサ(50)とを備える、装置(12)。
[12] 前記出力空気圧力センサ(50)によって決定された前記出力空気圧力に基づいて、前記排出穴(34)の詰まりの程度を決定するように構成された制御システム(42)をさらに備える、[11]に記載の装置(12)。
[13] 前記制御システム(42)が、前記流れを示す流れデータに基づいて詰まりの前記程度を決定するようにさらに構成される、[12]に記載の装置(12)。
[14] 前記装置(12)が、前記排出穴(34)の下流側に回転可能な偏向要素(20)を有する噴霧器(18)を備える、[10]から[13]のいずれか一項に記載の装置(12)。
[15] [10]から[14]のいずれか一項に記載の装置(12)と、前記装置(12)に取り付けられたときに前記排出穴(34)の少なくとも1つをブロックするように構成され、前記装置(12)から取り外されるように構成されたブロッキングデバイス(62)とを備える較正システム(60)。
[16] [10]から[14]のいずれか一項に記載の装置(12)、または[15]に記載の較正システム(60)を備える、産業ロボット(10)。
[17] 塗料(14)を物体(16)に塗布するための装置(12)の詰まり特性を決定する方法であって、
第1のパラメータ設定で、前記装置(12)の排出穴(34)を通るように空気を導くことと、前記第1のパラメータ設定が、前記空気の流れを示す流れデータと、前記排出穴(34)の詰まりの程度を示す詰まりデータとを備える、
前記第1のパラメータ設定に対して、前記装置(12)の空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の第1の出力空気圧力を決定することと、前記空気流レギュレータ(32)が前記流れを調節するように配置される、
前記流れデータおよび前記詰まりデータの少なくとも1つが前記第1のパラメータ設定とは異なる第2のパラメータ設定で、前記排出穴(34)を通るように空気を導くことと、
前記第2のパラメータ設定に対して、前記空気流レギュレータ(32)と前記排出穴(34)との間の第2の出力空気圧力を決定することと、
前記第1および第2のパラメータ設定の前記流れデータ、前記第1および第2のパラメータ設定の前記詰まりデータ、前記第1の出力空気圧力および前記第2の出力空気圧力に基づいて、前記排出穴(34)の詰まりの程度と前記出力空気圧力との間の関係を決定することとを備える、方法。
【国際調査報告】