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特表2022-546815非誘導体化ホルモンを含むアルコール可溶性種のためのマイクロエマルジョン送達系
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  • 特表-非誘導体化ホルモンを含むアルコール可溶性種のためのマイクロエマルジョン送達系 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-09
(54)【発明の名称】非誘導体化ホルモンを含むアルコール可溶性種のためのマイクロエマルジョン送達系
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/107 20060101AFI20221101BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20221101BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20221101BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20221101BHJP
   A61K 31/5685 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
A61K9/107
A61K47/26
A61K47/24
A61P15/00
A61K31/5685
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513866
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 US2020049442
(87)【国際公開番号】W WO2021046374
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/896,815
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521169789
【氏名又は名称】クイックシルバー サイエンティフィック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェード,クリストファー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ティエウ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076BB01
4C076CC17
4C076CC30
4C076DD09F
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD46
4C076DD63
4C076DD67
4C076EE23
4C076FF31
4C086AA01
4C086DA09
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA22
4C086MA52
4C086NA13
4C086ZA81
4C086ZC10
(57)【要約】
疎水性液体液滴が連続親水性液相中に分布するマイクロエマルジョンについて記載される。記載されたマイクロエマルジョンは、マイクロエマルジョンの「油」相および「水」相の両方が変性される変性水中油型(MOIW)マイクロエマルジョンと考えることができる。MOIWマイクロエマルジョンの油相液滴は、アルコールで変性され、非誘導体化ホルモンを含むアルコール可溶性種を可溶化することができる。MOIWマイクロエマルジョンの極性連続「水」相は、糖または糖アルコールで変性される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
アルコール可溶性種と、
変性油相および変性極性連続相を含む変性水中油型マイクロエマルジョンと、を含み、
前記アルコール可溶性種が、前記変性油相中に可溶化されており、前記変性油相が、リン脂質、ポリエチレングリコール誘導体、油、およびアルコールを含み、
前記変性極性連続相が、糖または糖アルコール、および水を含む、組成物。
【請求項2】
前記変性水中油型マイクロエマルジョンが、視覚的に透明、貯蔵安定性、食用であり、前記変性油相の液滴が、7~30ナノメートルの平均液滴直径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アルコール可溶性種が、非誘導体化ホルモン、好ましくは、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(3-ベータ-ヒドロキシアンドロステロン-5-エン-17-オン)、ジヒドロテストステロン、7-ケトデヒドロエピアンドロステロン、プレグネノロン、アンドロステンジオン、アンドロステンジオール、プロゲステロン、エストラジオール、エストロン、エストリオール、コルチゾール、およびそれらの組み合わせから選ばれる非誘導体化ホルモンを含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アルコール可溶性種が、前記非誘導体化ホルモンテストステロンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記変性油相が、前記非誘導体化ホルモンを直接可溶化する、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
前記アルコール可溶性種が、ポリフェノール、植物ステロール、アミン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記変性油相が、誘導体化ホルモンをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリエチレングリコール誘導体が、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート1000、ポリソルベート60、ポリソルベート80、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記糖または糖アルコールが、スクロース、甘蔗糖、純粋なメープルシロップ、グリセロール、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記変性油相が、中鎖トリグリセリド、柑橘油、およびそれらの組み合わせから選ばれる油をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記リン脂質が、前記組成物の3重量%~10重量%を含み、前記ポリエチレングリコール誘導体が、前記組成物の5重量%~14重量%を含み、前記油が、前記組成物の5重量%~15重量%を含み、前記アルコールが、前記組成物の5重量%~25重量%を含み、前記糖または糖アルコールが、前記組成物の43重量%~56重量%を含み、前記水が、前記組成物の2重量%~10重量%を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記リン脂質と、前記油と、前記ポリエチレングリコール誘導体と、前記アルコールと、前記糖または糖アルコールと、前記水との比が、1:2:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6±20重量%である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、
前記リン脂質、前記ポリエチレングリコール誘導体、および前記アルコールを組み合わせて、アルコール-脂質混合物を形成することと、
糖または糖アルコールと水とを組み合わせて、変性極性連続相を形成することと、
前記アルコール可溶性種を大気圧で前記アルコール-脂質混合物および前記変性極性連続相と組み合わせて、前記変性水中油型マイクロエマルジョンを形成することと、を含む、方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物を用いて、前記アルコール可溶性種をヒト対象の血流に経口で送達する方法であって、
請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物を、ヒト対象に経口で導入することと、
前記アルコール可溶性種を前記ヒト対象の前記血流に送達することと、を含み、
前記組成物を経口で導入して60分以内に、約2mLの前記組成物が、ベースライン血流濃度を超える、200~500ug/dLの血中濃度の前記アルコール可溶性種または前記アルコール可溶性種の代謝物を前記ヒト対象に提供する、方法。
【請求項16】
組成物であって、
アルコール可溶性種と、
変性油相および変性極性連続相を含む変性水中油型マイクロエマルジョンと、を含み、
前記アルコール可溶性種が、前記変性油相中に可溶化されており、前記変性油相が、リン脂質、ポリエチレングリコール誘導体、およびアルコールを含み、
前記変性極性連続相が、糖または糖アルコール、および水を含む、組成物。
【請求項17】
前記変性油相が、油をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記変性水中油型マイクロエマルジョンが、視覚的に透明である、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記変性水中油型マイクロエマルジョンが、貯蔵安定性である、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記変性水中油型マイクロエマルジョンが、摂取可能および食用である、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
前記変性水中油型マイクロエマルジョンが、哺乳動物の口腔および胃粘膜を通して、治療的に有効な濃度で前記哺乳動物の前記血流に前記アルコール可溶性種の取り込みを提供するように構成されている、請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
前記アルコール可溶性種が、デヒドロエピアンドロステロンであり、前記組成物が、約10mgの前記組成物をヒト対象に経口で導入する60分以内に、ベースライン血流濃度を超える、200~500ug/dLの血中濃度の前記デヒドロエピアンドロステロンまたは前記デヒドロエピアンドロステロンの代謝物を前記ヒト対象に提供するように構成されている、請求項16に記載の組成物。
【請求項23】
前記アルコール可溶性種が、デヒドロエピアンドロステロンであり、前記組成物が、前記組成物を経口で摂取するヒト対象の約180分以内の前記ヒト対象の血流に、少なくとも25重量%の前記デヒドロエピアンドロステロンを経口で提供するように構成されている、請求項16に記載の組成物。
【請求項24】
前記アルコール可溶性種が、デヒドロエピアンドロステロンであり、前記組成物が、前記組成物を経口で摂取するヒト対象の約60分以内の前記ヒト対象の血流に、少なくとも14重量%の前記デヒドロエピアンドロステロンを提供するように構成されている、請求項16に記載の組成物。
【請求項25】
前記変性油相が、前記変性極性連続相中に分散されている、請求項16に記載の組成物。
【請求項26】
前記変性油相の液滴が、1~100ナノメートルの平均液滴直径を有する、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記変性油相の液滴が、油をさらに含み、7~30ナノメートルの平均液滴直径を有する、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記アルコール可溶性種が、非誘導体化ホルモンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項29】
前記非誘導体化ホルモンが、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(3-ベータ-ヒドロキシアンドロステロン-5-エン-17-オン)、ジヒドロテストステロン、7-ケトデヒドロエピアンドロステロン、プレグネノロン、アンドロステンジオン、アンドロステンジオール、プロゲステロン、エストラジオール、エストロン、エストリオール、コルチゾール、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記非誘導体化ホルモンが、テストステロンおよびデヒドロエピアンドロステロンから選ばれる、請求項28に記載の組成物。
【請求項31】
前記非誘導体化ホルモンが、テストステロンである、請求項28に記載の組成物。
【請求項32】
前記アルコール可溶性種が、ポリフェノールを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項33】
前記ポリフェノールが、クリシン、ヘスペレチン、アピゲニン、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記ポリフェノールが、クリシンを含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項35】
前記アルコール可溶性種が、植物ステロールを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項36】
前記植物ステロールが、ハマビシ、ヨヒンベ、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記アルコール可溶性種が、アミンを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項38】
前記アミンが、ジインドリルメタンである、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記変性油相が、前記非誘導体化ホルモンを直接可溶化する、請求項28に記載の組成物。
【請求項40】
前記変性油相が、誘導体化ホルモンをさらに含む、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記誘導体化ホルモンが、テストステロン-プロピオネート、テストステロン-シピオネート、テストステロン-エナンタート、テストステロン-フェニルプロピオネート、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記変性油相が、カンナビス抽出物をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項43】
前記変性油相が、テルペンをさらに含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項44】
前記テルペンが、ゲラニルゲラニオールを含む、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記リン脂質が、レシチンから単離されたグリセロリン脂質である、請求項16に記載の組成物。
【請求項46】
前記リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルコリン(SPH)、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項45に記載の組成物。
【請求項48】
前記リン脂質が、少なくとも80重量%のホスファチジルコリンである、請求項45に記載の組成物。
【請求項49】
前記ポリエチレングリコール誘導体が、ポリエチレングリコール変性ビタミンE、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項16に記載の組成物。
【請求項50】
前記ポリエチレングリコール変性ビタミンEが、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート1000である、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
前記ポリエチレングリコール誘導体が、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート1000、ポリソルベート60、ポリソルベート80、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記ポリエチレングリコール誘導体が、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート1000である、請求項16に記載の組成物。
【請求項53】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記油が、中鎖トリグリセリド、柑橘油、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項16に記載の組成物。
【請求項54】
前記中鎖トリグリセリドが、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記中鎖トリグリセリドが、カプリル酸、カプリン酸、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項53に記載の組成物。
【請求項56】
前記柑橘油が、オレンジ油、レモン油、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項53に記載の組成物。
【請求項57】
前記アルコールが、95重量%のエタノールである、請求項16に記載の組成物。
【請求項58】
前記糖または糖アルコールが、スクロース、甘蔗糖、純粋なメープルシロップ、グリセロール、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項16に記載の組成物。
【請求項59】
前記糖または糖アルコールが、純粋なメープルシロップ、グリセロール、およびそれらの組み合わせから選ばれる、請求項16に記載の組成物。
【請求項60】
前記糖または糖アルコールが、グリセロールである、請求項16に記載の組成物。
【請求項61】
前記アルコール可溶性種が、前記組成物の0.2重量%~5重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項62】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記リン脂質と、前記油と、前記ポリエチレングリコール誘導体と、前記アルコールと、前記糖または糖アルコールと、前記水との比が、1:2:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6±20重量%である、請求項16に記載の組成物。
【請求項63】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記リン脂質と、前記油と、前記ポリエチレングリコール誘導体と、前記アルコールと、前記糖または糖アルコールと、前記水との比が、1:2:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6±10重量%である、請求項16に記載の組成物。
【請求項64】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記油と前記アルコール可溶性種との比が、1:0.02~0.3±10重量%である、請求項16に記載の組成物。
【請求項65】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記油と前記アルコール可溶性種との比が、1:0.02~0.3±5重量%である、請求項16に記載の組成物。
【請求項66】
前記リン脂質が、前記組成物の3重量%~10重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項67】
前記ポリエチレングリコール誘導体が、前記組成物の5重量%~14重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項68】
前記リン脂質と前記ポリエチレングリコール誘導体との比が、重量で1:0.4~1:4である、請求項16に記載の組成物。
【請求項69】
前記リン脂質と前記ポリエチレングリコール誘導体との比が、重量で1:1.6~1:4である、請求項16に記載の組成物。
【請求項70】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記油が、前記組成物の5重量%~15重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項71】
前記アルコールが、前記組成物の5重量%~25重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項72】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記油と前記アルコールとの比が、重量で1:1.5~1:4である、請求項16に記載の組成物。
【請求項73】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記糖または糖アルコールが、前記組成物の43重量%~56重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項74】
前記変性油相が、油をさらに含み、前記糖または糖アルコールが、前記組成物の48重量%~52重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項75】
前記変性油相が、5重量%未満の油をさらに含み、前記糖または糖アルコールが、前記組成物の53重量%~63重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項76】
前記変性油相が、0重量%の油をさらに含み、前記糖または糖アルコールが、前記組成物の57重量%~63重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項77】
前記水が、前記組成物の2重量%~10重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項78】
前記水が、前記組成物の4重量%~8重量%を構成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項79】
請求項16~78のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、
前記リン脂質、前記ポリエチレングリコール誘導体、および前記アルコールを組み合わせて、アルコール-脂質混合物を形成することと、
糖または糖アルコールと水とを組み合わせて、変性極性連続相を形成することと、
前記アルコール可溶性種を大気圧で前記アルコール-脂質混合物および前記変性極性連続相と組み合わせて、前記変性水中油型マイクロエマルジョンを形成することと、を含む、方法。
【請求項80】
前記大気圧で組み合わせることが、室温で実行される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記大気圧で組み合わせることが、剪断力なしで実行される、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記アルコール-脂質混合物が前記変性極性連続相と組み合わされる前に、前記アルコール可溶性種が、前記アルコール-脂質混合物と組み合わされる、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記アルコール-脂質混合物が前記変性極性連続相と組み合わされた後に、前記アルコール可溶性種が、前記アルコール-脂質混合物と組み合わされる、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記アルコール可溶性種を含む液滴が、前記変性極性連続相中で自己組織化する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記変性水中油型マイクロエマルジョンが、油溶性送達物および水溶性送達物から選ばれる送達物をさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項86】
前記組み合わせて、前記アルコール-脂質混合物を形成することが、油を前記リン脂質、前記ポリエチレングリコール誘導体、および前記アルコールと組み合わせることをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項87】
前記アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンをヒト対象の血流に経口で送達する方法であって、
請求項16~78のいずれか一項に記載の組成物をヒト対象に経口で導入することと、
前記アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンを前記ヒト対象の前記血流に送達することと、を含み、
前記組成物の前記導入の60分以内に、約2mLの前記組成物が、ベースライン血流濃度を超える、200~500ug/dLの血中濃度の前記アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンまたは前記アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンの代謝物を前記ヒト対象に提供する、方法。
【請求項88】
前記組成物が、前記導入の約180分以内に、前記ヒト対象に経口で導入された少なくとも25重量%の前記アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンを前記ヒト対象の前記血流に提供する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記組成物が、前記導入の約60分以内に、前記ヒト対象に経口で導入された少なくとも14重量%の前記アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンを前記ヒト対象の前記血流に提供する、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記アルコール可溶性種テストステロンをヒト対象の血流に経口で送達する方法であって、
請求項16~78のいずれか一項に記載の組成物をヒト対象に経口で導入することと、
前記アルコール可溶性種テストステロンを前記ヒト対象の前記血流に送達することと、を含み、
前記組成物の前記導入の60分以内に、約1mLの前記組成物が、ベースライン総テストステロン血流濃度を超える、少なくとも500ng/dLの総テストステロン血中濃度の増加を前記ヒト対象に提供する、方法。
【請求項91】
前記組成物が、前記ベースライン総テストステロン血流濃度を超える、少なくとも1000ng/dLの前記総テストステロン血中濃度の増加を前記ヒト対象に提供する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記組成物が、前記導入の約180分以内に、前記ヒト対象に経口で導入された少なくとも25重量%の前記アルコール可溶性種テストステロンを前記ヒト対象の前記血流に提供する、請求項87に記載の方法。
【請求項93】
前記組成物が、前記導入の約60分以内に、前記ヒト対象に経口で導入された少なくとも14重量%の前記アルコール可溶性種テストステロンを前記ヒト対象の前記血流に提供する、請求項87に記載の方法。
【請求項94】
テストステロン補充療法を必要とする男性ヒト対象を、パルステストステロン投薬計画で治療する方法であって、
有効量のテストステロンを含む請求項16~78のいずれか一項に記載のMOIWマイクロエマルジョンを少なくとも2週間の治療期間にわたって経口消費することであって、前記経口消費が、毎日行われる、経口消費することと、
前記経口消費の1時間以内に、前記ヒト対象の血流中のベースラインテストステロン血中濃度を少なくとも2倍にして、上昇したテストステロン血中濃度を生成することと、
前記経口消費の3時間以内に、前記ヒト対象の前記血流中の前記上昇したテストステロン血中濃度を前記ヒト対象の前記血流中の前記ベースラインテストステロン血中濃度まで低下させることと、
前記ヒト対象にアンドロゲン感受性挙動の改善を提供することと、
前記治療期間にわたって経口消費されたテストステロンの総量が単回用量として導入されるときに生じるであろう精巣萎縮と比べて、前記ヒト対象の前記精巣萎縮を低減することと、を含む、方法。
【請求項95】
前記経口消費されたテストステロンが、非誘導体化され、前記注射されたテストステロンが、誘導体化される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記治療期間にわたって経口消費された前記テストステロンの総量が、2週間の用量として筋肉内に注射される、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記治療期間が、少なくとも4週間であり、前記治療期間にわたって経口消費された前記テストステロンの総量が、4週間の用量として筋肉内に注射される、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記治療期間が、少なくとも8週間であり、前記治療期間にわたって経口消費された前記テストステロンの総量が、8週間の用量として筋肉内に注射される、請求項94に記載の方法。
【請求項99】
前記治療期間が、少なくとも12週間であり、前記治療期間にわたって経口消費された前記テストステロンの総量が、単回の時間放出用量として皮下に移植される、請求項94に記載の方法。
【請求項100】
前記有効量のテストステロンが、日々の前記経口消費の1時間以内に、前記ヒト対象の前記血流中の前記ベースラインテストステロン血中濃度を少なくとも3倍にする、請求項94に記載の方法。
【請求項101】
前記有効量のテストステロンが、日々の前記経口消費の1時間以内に、前記ヒト対象の前記血流中の前記ベースラインテストステロン血中濃度を少なくとも4倍にする、請求項94に記載の方法。
【請求項102】
毎日行われる前記経口消費が、午前中に行われる、請求項94に記載の方法。
【請求項103】
前記精巣萎縮の低減が、少なくとも10%である、請求項94に記載の方法。
【請求項104】
前記精巣萎縮の低減が、少なくとも30%である、請求項94に記載の方法。
【請求項105】
前記精巣萎縮の低減が、少なくとも60%である、請求項94に記載の方法。
【請求項106】
前記ヒト対象に生理機能の改善を提供することをさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項107】
本明細書に記載の各々およびあらゆる新規の態様。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2019年9月6日に出願された「非誘導体化ホルモンを含むアルコール可溶性種のためのマイクロエマルジョン送達系」と題された米国仮特許出願第62/896,815号の利益を主張し、これは、参照によりその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ホルモン補充療法(HRT)は、加齢または内分泌系への病理学的影響によるホルモン欠乏症を治療するために広く使用されている。HRTを使用して、トランスジェンダーの人々の二次性徴を変化させることもできる。更年期または男性更年期に対抗するために一般的に使用されるHRTホルモンとしては、テストステロン、ジヒドロテストステロン(DHT)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、7-ケトDHEA、プロゲステロン、プレグネノロン、エストロゲン、エストラジオール、エストリオール、アンドロステンジオン、およびアンドロステンジオールが挙げられる。
【0003】
注射または移植による以外では、非誘導体化ホルモンの哺乳生物への送達は、肝毒性の観点から困難であるか、または賢明ではない場合がある。経口で送達される場合、従来の送達系は、多くの場合、肝臓内に非誘導体化ホルモンの広い代謝をもたらし、これが、ホルモンを変性するか、または無効にし、望ましくない肝臓ストレスを引き起こし得る。
【0004】
例えば、非誘導体化テストステロンの経口送達は、ホルモンの実質的に完全な「消化」が胃および肝臓内で生じ、肝臓にストレスを与えるため、テストステロンの血中濃度がごくわずかになる。テストステロンとは対照的に、DHEAおよびプロゲステロンは、固体または懸濁形態で経口服用することができ、固体または懸濁形態で十分に経口服用された場合、有効な血流濃度を達成する。しかしながら、これらの非誘導体化ホルモンのいずれかを固体または懸濁形態で摂取すると、これらの非誘導体化ホルモンの大部分が消化され、有益に血流に移行しないため、肝臓に大きなストレスがかかる。したがって、治療的に有効な血流濃度を達成するための経口送達は、いくつかの非誘導体化ホルモンについては実際には存在せず、一方、他の経口送達については、ホルモンの実質的な損失をもたらし、いずれの場合も、望ましくないストレスが最小限でも肝臓に留まり、肝臓損傷の可能性がある。この状況は、水または油に十分に可溶化されていない非誘導体化ホルモンについて特に明らかである。
【0005】
経皮クリームおよびゲルを含む非誘導体化ホルモンは、腋の下および鼻腔組織を含む皮膚上の様々な場所に適用され、肝臓代謝を迂回することが試みられている。しかしながら、経皮クリームおよびゲルは、特に時間の経過とともに、吸収の不十分かつ可変的な速度、および皮膚内の酵素による皮膚を通した輸送中のホルモンの潜在的変化からの限定に煩わされる。その上、皮膚に塗布されると、そのような調製物は、多くの場合、衣類および他の表面に移行し、他の家族に対する危険になり得る。
【0006】
より最近では、固体ペレットを含む非誘導体化ホルモンが皮下に移植されている。ペレットは、経時的に体液中に溶解するように設計されており、したがって、3~6ヶ月の期間にわたってある程度の連続的なホルモン用量を提供する。固体ペレットの外科的移植が必要であるが、ホルモンの注射または毎日の経皮塗布は避けられる。しかしながら、実際には、ホルモンの放出は、多くの場合、移植の深さ、固体ペレットの組織位置、およびペレットが衝撃または運動によって望ましくないほど撹拌されているかどうかに依存する。組み合わせると、これらの追加の変数、特に運動から起こる望ましくない撹拌は、ホルモンの放出プロファイルにおける幅広いばらつきをもたらし、一般的には、過剰投薬の初期段階および過少投薬の後期段階の形態である。その上、重大な過剰投薬が生じた場合、移植物の外科的除去が必要である。
【0007】
エマルジョンは、可溶化しない2つ以上の液体の混合物である。したがって、2つ以上の液体は溶液を形成せず、組み合わされた液体間に識別可能な界面が存在する。エマルジョンは、マクロエマルジョン、擬エマルジョン、ナノエマルジョン、または、マイクロエマルジョンであり得る。エマルジョンは、非経口送達、眼送達、経皮送達、経口送達などに使用することができる。
【0008】
図1Aは、親水性外部120および疎水性内部110を形成するリン脂質(単層)の単一壁を有する例示的なナノエマルジョン液滴100を表す。ナノエマルジョン液滴100の単層壁は、リン脂質の単層から形成される。外壁120はホスフェート官能基による水溶性であり、一方、内部110はアルキル官能基による脂溶性である。図1Bは、連続相150中のナノエマルジョン液滴100の複数を表す。
【0009】
図2Aは、親水性外部220および疎水性内部210を形成するリン脂質(単層)の単一壁を有するマイクロエマルジョン液滴200を表す。ナノエマルジョン液滴100と同様に、マイクロエマルジョン液滴200の単層壁は、リン脂質の単一層から形成される。表されたナノエマルジョン液滴100と比べて、マイクロエマルジョン液滴200は、直径が実質的に小さく、これは、マイクロエマルジョンの場合に多い。実際、マイクロエマルジョン液滴200の直径は、単層リン脂質の非極性尾部230が互いに「押し潰される」場合に低減され、したがって、図1に表されるようなナノエマルジョン液滴100の場合よりも、より「固体」の内部疎水性バリアを形成する。図2Bは、連続相250中の複数のマイクロエマルジョン液滴200を表す。また、連続相250中に表されるのは、マイクロエマルジョン液滴200に組み込まれていない数個の個々のリン脂質分子260である。
【0010】
経皮ホルモンクリームは、典型的には、クリームを形成するエマルジョンの液滴中に完全に可溶化されていない非誘導体化ホルモンの固体顆粒を有する「擬エマルジョン」である。より大きい液滴のマクロエマルジョンおよび擬エマルジョンとは対照的に、ナノエマルジョンおよびマイクロエマルジョンのより小さい液滴は、経皮または経口吸収のいずれかのために、マクロエマルジョンおよび擬エマルジョンから従来利用可能なものよりも良好なホルモン送達性能を提供する潜在性を提供し、しかしながら、マイクロエマルジョンは、非誘導体化ホルモンのために容易に作製されない。
【0011】
ナノエマルジョンを形成するために使用される圧力(剪断力を含む)、温度、およびそれらの組み合わせの形態での高エネルギー混合は、マイクロエマルジョンのより小さい液滴を提供することができるが、そのようなナノエマルジョンは熱的に安定ではなく、貯蔵安定性のマイクロエマルジョンを形成せず、ナノエマルジョンの構成成分が最終的に不混和性の極性液体および非極性液体に分離するという点でマクロエマルジョンのようである。したがって、図1および図2に表されるように、ナノエマルジョン液滴は、凝集液滴が連続相から分離するまで、形成後に直径が連続的に膨張するため、マイクロエマルジョン液滴よりも大きい傾向がある。
【0012】
従来、マクロエマルジョン、ナノエマルジョン、およびマイクロエマルジョンは、油溶性送達物または水溶性送達物のいずれかに使用されてきたが、油中に低い可溶性を有し、本質的に水中に可溶性ではない化合物を可溶化する際の成功は限定的であった。多くの非誘導体化ホルモンなどの送達物は、油中の可溶性が低く、水中の可溶性は本質的にないが、多くの場合、アルコール中またはアルコールと油との混合物中に良好な可溶性を有する。しかしながら、非誘導体化ホルモン/アルコールまたはホルモン/アルコール/油の混合物が界面活性剤とともに水系溶液の中に分散して、エマルジョンを形成する場合、アルコールは、水中に分配される傾向があり、アルコールまたはアルコール/油混合物のアルコール構成成分によって提供された非誘導体化ホルモンの可溶性が失われる。これは、アルコール/油混合物を使用する場合、実際には特に油と比べて、アルコールが水中に極めて可溶性であることに起因すると考えられる。
【0013】
したがって、非誘導体化ホルモンは、アルコールまたはアルコール/油混合物中での可溶性が失われると、非誘導体化ホルモンがエマルジョンから析出するため、そのような従来のエマルジョン中の有意な生物学的利用能を失う。この欠点を考慮すると、従来、特に経口非誘導体化ホルモン送達に照らして、非誘導体化ホルモン送達のための水中油(OIW)型マイクロエマルジョンの開発はほとんど成功していなかった。
【0014】
OIWエマルジョン(水連続相中の油滴)とは異なり、従来の油中水型エマルジョン(油連続相中の水滴-したがって、「逆エマルジョン」)は、非誘導体化ホルモンで作製されている。1つのそのような例は、Astrucらの米国特許公開第2009/0069279号(放棄)に見出される。Astrucは、非誘導体化デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を、油媒質の中にシリコーン系乳化剤で分散された非摂取可能極性グリコール溶媒およびヒドログリコール溶媒を使用して、逆エマルジョン中で使用することについて記載している。この参照により、非誘導体化DHEAのアルコール可溶性の性質、およびDHEAをOIWエマルジョンに組み込むことの困難性が認識される。しかしながら、AstrucのWIO系は、食用ではない構成物のため、ヒトが消費するために作製することができず、したがって、皮膚への塗布に限定される。
【0015】
従来のエマルジョン送達系は、最初にホルモンをエステル官能基で誘導体化し、したがって、ホルモンの油溶性を実質的に強化することによって、真の水中油型非誘導体化ホルモンエマルジョンを形成する能力がないことに対処してきた。誘導体化ホルモンのエステル基は、ホルモンに増加した油溶性を提供し、したがって、エステル化ホルモンが注射のために油中に溶解されるか、または従来の水中油型エマルジョン配合物によって運ばれることを可能にする。
【0016】
油溶性を増加させるためのホルモン誘導体化の従来の例は、ステロイド性ホルモンテストステロンのエステル化である。エステル誘導体化テストステロンを脱エステル化して、主として、注射部位に形成された可溶化賦形剤油の小塊からのエステル化されたホルモンの放出速度によって、生きている哺乳動物に異なる速度で注射した後、生体利用可能な遊離テストステロンを形成する。賦形剤油からのエステル化ホルモンの放出速度のいくらかの変動は、注射技術および組織の変動に起因し得るが、注射後のエステル化ホルモンの放出速度を決定する重要な要因は、テストステロンに結合したエステル基の性質である。
【0017】
例えば、テストステロンのプロピオネートエステルは、シピオネートエステルよりもはるかに迅速に、注射された賦形剤油の小塊から放出される。エステル誘導体化テストステロンは油溶性であるため、油賦形剤を注射することに加えて、エステル誘導体化テストステロンは、それ自体、油溶性送達物に使用される従来の水中油型エマルジョン技術に役立つ。そのような従来の方法の欠点としては、油捕捉ホルモンの遅いおよび散発的な脱エステル化、必要な脱エステル化プロセスによって肝臓にかかるストレス、すべてのホルモンを高収率でエステル化することができるわけではないという事実、ならびにエステル化反応からもたらされる追加の複雑性およびホルモン損失が挙げられ得る。
【0018】
非誘導体化ホルモン経皮クリーム、非誘導体化ホルモン固体ペレット移植、および誘導体化ホルモンの注射可能な油調製物を含む従来の送達系を伴う問題は、ホルモンの血流への放出プロファイルが、所望のホルモン投薬プロファイルとうまく相関しない場合があるということである。これらの従来の送達系の各々は、非誘導体化ホルモンを毎日注射する必要性を排除するように設計されている。
【0019】
誘導体化ホルモンと組み合わせた賦形剤油を含む注射は、時間の経過とともに誘導体化ホルモンを油賦形剤から放出することによって、非誘導体化ホルモンを毎日注射することを阻止するように設計され、したがって、週に1回または2回の注射が、減衰であるが、血流中である程度のレベルのホルモン濃度を維持することを可能にする。固体ペレット移植は、毎週または隔週の注射を年4回の外科用移植に置き換えるように設計されている。
【0020】
しかしながら、研究によると、長期間にわたるそのようなゆっくりと減衰する血中ホルモン濃度は望ましくない場合があることが示されている。実際、油中に溶解したエステル化テストステロンのそのような注射または恒常的放出カプセルの移植は、望ましくない副作用の可能性を増加させながら、所望のアンドロゲン効果を提供することができない、血液中の超生理学的および/または恒常的な上昇したテストステロン濃度を発生させ得る。
【0021】
例えば、「Testosterone in a cyclodextrin-containing formulation:behavioral and physiological effects of episode-like pulses in rats.」(Pharm Res.1989 Jul;6(7):641-6)において、著者らは、テストステロン補給が、アンドロゲン感受性挙動および生理機能の最大の改善を得るために、精巣による自然な偶発的放出を模倣するべきであることを、去勢されたラットおよび無処置のラットにおいて実証した。したがって、テストステロン補給は、1日を通じて迅速に漸減する複数の高用量の「パルス」レジメント(“pulsed”regiment)に従うべきである。この研究はまた、同じ総量のテストステロンが用量の中で均等に分割されたときではなく、高パルス投薬量を定期的に使用したときにテストステロンの効果がより顕著であることを実証した。この研究では、精子形成および増加した筋肉重量の両方が前立腺の実質的な肥大なしに観察されたことも示された。他の研究と組み合わせて、著者らは、賦形剤油の小塊からの放出が遅くなった単回注射または固形ペレットの移植によって提供されたさらに長い漸減減衰によって、1週間かけてゆっくりおよび長時間かけて漸減するテストステロン用量は、最適なテストステロン補充療法への適切な経路ではない場合があり、実際、テストステロン補充療法に現在関連している悪影響の一因になり得ることを示唆している。
【0022】
本研究で使用された投薬計画では、内包複合物中にホルモンを毎日注射する必要があった。そのような投薬をHRTに使用することができるが、必要とされる毎日の注射は、HRTを必要とする人口の大きい割合に対する抑止力であろう。ホルモンクリームは、注射なしで毎日使用することを可能にするが、皮膚を通る遅いおよび可変的な取り込みは、研究のパルスの迅速なオンオフ血液ホルモン濃度を再現しない。その上、誘導体化ホルモンの場合では、脱エステル化から起こる追加の肝毒性は、そのような投薬計画において誘導体化ホルモンを使用することに対するさらなる抑止力であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
油中に不十分な可溶性を有し、本質的に水中に可溶性を有しない非誘導体化ホルモンのための血流への経口送達系のための単純かつ効率的な材料および方法が継続的に必要とされている。従来のエマルジョン系は、元来、特に、血流への有効な口腔内送達に重要である、エマルジョン中の所望の平均液滴直径を維持すること、油構成成分の相分離を阻止すること、ならびにエマルジョンからの送達物の解離を阻止することに関して、冷却および加温に対する不十分な安定性を含む欠点を有している。これらの欠点が、送達物の不十分な生物学的利用能をもたらすこれらの欠点に加えて、送達物の質量または体積と比べて、あまりにも大きい体積のエマルジョンを必要とするという欠点も有する。これらの欠点は、ヒトなどの哺乳動物への非誘導体化ホルモンの経口送達に特に当てはまっている。
【0024】
本発明のマイクロエマルジョンおよび方法は、誘導体化されていない直接可溶化されたホルモンの血流への簡便かつ再現可能な経口送達を可能にすることによって、従来の経口送達系に関連する欠点のうちの少なくとも1つを克服して、パルスアンドロゲン活性化が望ましい結果である場合でも、有意かつ以前は非実用的であった所望の投薬計画を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
一態様では、本発明は、組成物であって、アルコール可溶性種と、変性油相および変性極性連続相を含む変性水中油型マイクロエマルジョンと、を含み、アルコール可溶性種が、変性油相中に可溶化されており、変性油相が、リン脂質、ポリエチレングリコール誘導体、およびアルコールを含み、変性極性連続相が、糖または糖アルコール、および水を含む、組成物、を提供する。
【0026】
本発明の別の態様では、アルコール可溶性種を含む変性水中油型マイクロエマルジョンを形成する方法であって、リン脂質、ポリエチレングリコール誘導体、およびアルコールを組み合わせて、アルコール-脂質混合物を形成することと、糖または糖アルコールと水とを組み合わせて、変性極性連続相を形成することと、アルコール可溶性種を大気圧でアルコール-脂質混合物および変性極性連続相と組み合わせて、変性水中油型マイクロエマルジョンを形成することと、を含む、方法、がある。
【0027】
本発明の別の態様では、アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンをヒト対象の血流に経口で送達する方法であって、アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンを含む変性水中油型マイクロエマルジョンをヒト対象に経口でと、アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンをヒト対象の血流に送達することと、を含み、組成物の導入の60分以内に、約2mLの組成物が、ベースライン血流濃度を超える、200~500ug/dLの血中濃度のアルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロン、またはアルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンの代謝物をヒト対象に提供する、方法、がある。
【0028】
本発明の別の態様では、本発明の別の態様では、アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンをヒト対象の血流に経口で送達する方法であって、アルコール可溶性種テストステロンを含む変性水中油型マイクロエマルジョンをヒト対象に経口で導入することと、アルコール可溶性種デヒドロエピアンドロステロンをヒト対象の血流に送達することと、を含み、組成物の導入の60分以内に、約1mLの組成物が、ベースライン総テストステロン血流濃度を超える、少なくとも500ng/dLの総テストステロン血中濃度の増加をヒト対象に提供する、方法、がある。
【0029】
本発明の別の態様では、テストステロン補充療法を必要とする男性ヒト対象を、パルステストステロン投薬計画で治療する方法であって、有効量のテストステロンを含むMOIWマイクロエマルジョンを少なくとも2週間の治療期間にわたって経口消費することであって、経口消費が、毎日行われる、経口消費することと、経口消費の1時間以内に、ヒト対象の血流中のベースラインテストステロン血中濃度を少なくとも2倍にして、上昇したテストステロン血中濃度を生成することと、経口消費の3時間以内に、ヒト対象の血流中の上昇したテストステロン血中濃度をヒト対象の血流中のベースラインテストステロン血中濃度まで低下させることと、ヒト対象にアンドロゲン感受性挙動の改善を提供することと、治療期間にわたって経口消費されたテストステロンの総量が単回用量として導入されるときに生じるであろう精巣萎縮と比べて、ヒト対象における精巣萎縮を低減することと、を含む、方法、がある。
【0030】
本発明の他の組成物、方法、特徴、および利点は、以下の図面および「発明を実施するための形態」の考察により、当業者には明らかであろう、または明らかになるであろう。すべてのそのような追加の組成物、方法、特徴、および利点は、本明細書内に含まれ、本発明の範囲内にあり、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
本発明は、以下の図面および記載を参照してよりよく理解することができる。図中の構成要素は必ずしも尺度どおりではなく、分子またはそれらの相互作用を正確に表すことを意図しておらず、代わりに本発明の原理を例示することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A】親水性外部および疎水性内部を形成するリン脂質(単層)の単一壁を有するナノエマルジョン液滴を表す。
図1B】連続相中のナノエマルジョン液滴の複数を表す。
図2A】親水性外部および疎水性内部を形成するリン脂質(単層)の単一壁を有するマイクロエマルジョン液滴を表す。
図2B】連続相中に表された複数のマイクロエマルジョン液滴を表す。
図3】アルコール可溶性種を含むMOIWマイクロエマルジョンを作製する方法を表す。
図4】ベースラインDHEA-S血清濃度よりもDHEA-S血清濃度が増加したことのみを示すように調整された、アルコール可溶性非誘導体化ホルモンであるDHEAの経口投薬についてのグラフ形態での生物学的利用能持続時間分析の結果を提供する。
図5】ベースラインDHEA-S血清濃度よりもDHEA-S血清濃度が増加したことを示すように調整された、グラフ形態での経口導入された非誘導体化DHEAの比較送達効率の結果を提供する。
図6】アルコール可溶性の非誘導体化ホルモンであるテストステロンの経口投薬のためのグラフ形態での生物学的利用能の取り込みおよび持続時間分析の結果を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
疎水性液体液滴が連続親水性液相中に分布するマイクロエマルジョンについて記載される。従来の水中油型(OIW)マイクロエマルジョンと比べて、記載されるマイクロエマルジョンは、マイクロエマルジョンの「油」相および「水」相の両方が変性される変性水中油型(MOIW)マイクロエマルジョンと考えることができる。MOIWマイクロエマルジョンの油相液滴は、アルコールで変性され、誘導体化ホルモンを含むアルコール可溶性種を可溶化することができる。より好ましくは、MOIWマイクロエマルジョンの変性油相液滴は、非誘導体化ホルモンを直接可溶化する。MOIWマイクロエマルジョンの極性連続「水」相は、糖または糖アルコールで変性される。好ましくは、MOIWマイクロエマルジョンの変性極性連続相は、主に糖または糖アルコール相である。変性油相液滴は、MOIWマイクロエマルジョンの変性極性連続相中に分散する。
【0033】
変性極性連続相は、マイクロエマルジョンの変性油相液滴が高アルコール含有量を組み込んで保つことを可能にすると考えられる。したがって、変性極性連続相は、油、アルコール、およびアルコール可溶性種を、リン脂質およびポリエチレングリコール誘導体から形成された単層壁の内部に、したがって変性油滴の疎水性コアに押し込めると考えられ、一方、糖または糖アルコール、および水を含む変性極性連続相は、単層の外部に常在する。
【0034】
従来のOIWエマルジョンの水連続相とは異なり、変性極性連続相の糖または糖アルコールは、アルコールと共沸混合物を容易に形成せず、したがって、水と比べて、油滴からアルコールを抽出する能力が低減される。リン脂質の尾部から形成され、記載された比のポリエチレングリコール誘導体と組み合わされた単層壁の疎水性部分は、従来のOIWエマルジョンと比べて、油滴からのアルコール損失を低減するとも考えられる。
【0035】
変性極性連続相と疎水性単層との組み合わせによって提供された変性油相液滴の保持された高アルコール含有量は、従来のOIWエマルジョンと比べて、MOIWマイクロエマルジョンの変性油液滴中のアルコール可溶性種の溶解性を増加させると考えられる。MOIWの変性油滴中のアルコール可溶性種のこの強化された可溶性は、貯蔵中のMOIWマイクロエマルジョンの油滴からのアルコール可溶性種の解離(例えば、再結晶、析出など、したがって分離)を低減すると考えられ、したがって、MOIWマイクロエマルジョンを、好ましくは視覚的に透明である貯蔵安定性のマイクロエマルジョンにする。
【0036】
MOIWマイクロエマルジョンでは、アルコール可溶性種を含む変性油相液滴は、1~100ナノメートルの平均液滴直径および5~50ナノメートルの好ましい平均液滴直径を有する。より好ましくは、MOIWマイクロエマルジョンの変性油相液滴は、7~30ナノメートルの平均液滴直径を有する。
【0037】
MOIWマイクロエマルジョンのアルコール可溶性種は、MOIWマイクロエマルジョンを介して、経粘膜(例えば、口腔、鼻腔内、膣、または直腸)または経皮で送達され得る送達物である。直接可溶化非誘導体化ホルモンに加えて、エステル化ホルモンなどの誘導体化ホルモンは、マイクロエマルジョン中のより高いホルモン密度が所望である場合に、マイクロエマルジョン中に含まれ得る。
【0038】
MOIWマイクロエマルジョンは、口腔および胃粘膜を通して、および経皮的に皮膚を通して、哺乳動物の血流へのアルコール可溶性種の取り込みを提供することができる。アルコール可溶性種が非誘導体化ホルモンであるとき、血流へのそのような取り込みは、従来のOIWマイクロエマルジョンの試みに以前から悩まされてきた非誘導体化ホルモンの実質的な変性および/または形質転換なしに、ならびに肝臓への実質的なストレスなしに遂行することができる。
【0039】
好ましくは、アルコール可溶性種を含むMOIWマイクロエマルジョンは、摂取可能および食用である。したがって、WIOマイクロエマルジョンに関する文献で示唆されるものとは異なり、記載されるMOIWマイクロエマルジョンは、意外にも、経口送達を介して、テストステロンを含む非誘導体化ホルモンの治療的に有効な血流濃度を提供する。
【0040】
非誘導体化ホルモンアルコール可溶性種を迅速に、効率的に、かつ実質的な変性および/または形質転換なしに送達するMOIWマイクロエマルジョンの能力は、従来の送達系では実用的ではないパルス投薬計画を提供する。例えば、テストステロンのためのパルス投薬計画の利益は、以前の動物研究から示唆され、テストステロンの毎日の注射用量は、精巣からの自然な偶発的放出を模倣することを見出され、アンドロゲン感受性挙動および生理機能の改善を提供した。対照的に、長時間にわたってゆっくりと放出される単回用量として、複数回の毎日の注射によって供給された同じ総量のテストステロンを導入すると、不自然で恒常的に上昇するテストステロン血中濃度がもたらされ、これがテストステロンHRTに関連する望ましくない副作用の原因であることが示唆された。
【0041】
MOIWマイクロエマルジョンによって可能になるパルステストステロン投薬計画には、テストステロンの毎日、朝、口腔内の用量が含まれる。テストステロンは、血液から迅速に代謝され、導入の最初の1時間以内に約90%が代謝され、残りが3時間以内に代謝されるため、上昇した血中テストステロンレベルは存在しないが、毎朝数時間は存在する。非常に長い正常期間と比べて、非常に短い上昇期間は、継続的に上昇した血中テストステロンレベルの起因する精巣萎縮および他の望ましくない副作用を実質的に低減するはずである。そのようなパルステストステロン投薬計画は、毎日の注射を通して実施することができたが、そのような計画は、注射なしのMOIWマイクロエマルジョンによって可能になる。
【0042】
MOIWマイクロエマルジョンは、好ましくは、重量で1:2:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6のリン脂質と、油と、ポリエチレングリコール誘導体と、アルコールと、糖または糖アルコールと、水との比を含み、最大20重量%の偏差が含まれ、最大10重量%の偏差がより好ましく、したがって、1:2:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6±20重量%または1:2:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6±10重量%が好ましい。
【0043】
アルコール可溶性種は、好ましくは、重量で1:0.02~0.5の油とアルコール可溶性種との比でMOIWマイクロエマルジョン中に含まれ、重量で1:0.1~0.3の油とアルコール可溶性種との比が好ましく、最大10重量%の偏差が含まれ、最大5重量%の偏差がより好ましく、したがって、1:0.02~0.3±10重量%または1:0.02~0.3±5重量%が好ましい。
【0044】
図3は、アルコール可溶性種311を含むMOIWマイクロエマルジョン336を作製する方法300を表す。310では、アルコール可溶性種311は、ポリエチレングリコール誘導体、リン脂質、油、およびアルコールを含むアルコール-脂質混合物312に組み合わされる。320では、アルコール可溶性種311を含むアルコール-脂質混合物312は、糖または糖アルコール、および水を含む変性極性連続相322と組み合わされる。アルコール可溶性種311を含むアルコール-脂質混合物312は、変性極性連続相322中に分散された変性油相と見なすことができ、これは、変性水相と考えることができる。
【0045】
330では、アルコール可溶性種311を含むマイクロエマルジョン336は、大気圧で混合することによって形成される。ナノエマルジョンとは異なり、マイクロエマルジョン336は、高圧および/または剪断力のエネルギーを形成する必要なく、大気圧で形成され得る。マイクロエマルジョン336は、ナノエマルジョンを形成する際に使用されるような高圧および/または剪断力を使用して形成することができるが、形成後に解離プロセスを開始するナノエマルジョンとは異なり、解離が非常に遅い場合でも、マイクロエマルジョン336は、形成後、室温および室内圧力で熱的に安定しているため、その結果は、最終的にはマイクロエマルジョン336である。したがって、マイクロエマルジョン336の形成は、形成中の高圧および/または剪断力の望ましくない使用を省き、形成後に貯蔵安定性である。
【0046】
方法300は、最初にアルコール-脂質混合物312と組み合わされる油アルコール可溶性種311を表すが、アルコール-脂質混合物312および極性連続相322は、最初に組み合わされ、次いで、アルコール可溶性種311を添加して、マイクロエマルジョン336を形成することができる(図示せず)。変性油相および変性極性連続相は、アルコール可溶性種を含む液滴を「自己組織化」して、大気圧でマイクロエマルジョン336を形成するため、このステップの再編成が可能である。
【0047】
アルコール可溶性種311に加えて、マイクロエマルジョン336は、水中または油中に可溶性である追加の送達物を含み得る。しかしながら、マイクロエマルジョン336は、治療的に有効濃度のアルコール可溶性種を生きている哺乳動物の血流に経口送達する意外な能力を有する。
【0048】
アルコール可溶性種311は、非誘導体化ホルモン、ポリフェノール、植物ステロール、およびアミンを含む。アルコール可溶性種は、マイクロエマルジョン336の液滴中、したがってアルコール-脂質混合物312中に可溶化される。好ましくは、アルコール可溶性種311は、マイクロエマルジョン336の0.2重量%~5重量%を占める。しかしながら、最も広範囲のアルコール可溶性種を有する視覚的に透明なエマルジョンを提供するためには、0.2%~3%のアルコール可溶性種311の重量割合が好ましく、0.25%~3%の重量割合がより好ましい。非誘導体化ホルモンについては、マイクロエマルジョン336中の0.2%~1.8%の重量パーセントが容易に達成され、0.25%~1.5%の重量パーセントの範囲が非誘導体化テストステロンについて容易に達成される。
【0049】
好ましいアルコール可溶性非誘導体化ホルモンとしては、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(3-ベータ-ヒドロキシアンドロステロン-5-エン-17-オン)(DHEA)、ジヒドロテストステロン(DHT)、7-ケトDHEA、プレグネノロン、アンドロステンジオン(AD)、アンドロステンジオール、プロゲステロン、エストラジオール、エストロン、エストリオール、およびコルチゾールが挙げられる。より好ましい非誘導体化ホルモンは、テストステロンおよびDHEAである。現在、最も好ましい非誘導体化ホルモンは、テストステロンである。好ましいアルコール可溶性ポリフェノールとしては、クリシン、ヘスペレチン、およびアピゲニンが挙げられる。好ましいアルコール可溶性植物ステロールとしては、ハマビシおよびヨヒンベが挙げられるが、好ましいアルコール可溶性アミンとしては、ジインドリルメタン(DIM)が挙げられる。
【0050】
アルコール脂質混合物312は、アルコール可溶性種311よりも油中に可溶性である油溶性送達物の種(specie)または種(species)を含み得る。そのような油溶性送達物は、マイクロエマルジョンの変性油相液滴中、したがって、アルコール可溶性種311とのアルコール脂質混合物312中に可溶化される。
【0051】
油溶性送達物種としては、誘導体化ホルモン、カンナビス抽出物、およびテルペンが挙げられる。好ましい誘導体化ホルモンとしては、テストステロン-プロピオネート、テストステロン-シピオネート、テストステロン-エナンタート、およびテストステロン-フェニルプロピオネートが挙げられる。より好ましい誘導体化ホルモンは、テストステロン-プロピオネートおよびテストステロン-シピオネートである。現在、最も好ましい誘導体化ホルモンは、テストステロン-シピオネートである。好ましいカンナビス抽出物としては、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、ならびにカンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、およびカンナビクロメン(CBC)を含む他のカンナビノイドが挙げられる。好ましいテルペンとしては、モノテルペン(2つのイソプレン単位を組み込み、分子式C1016を有する)、モノテルペノイド、ジテルペン(4つのイソプレン単位を組み込み、多くの場合、分子式C2032を有する)、およびジテルペノイドが挙げられる。好ましいテルペンとしては、リモネン、ピネン、リナロール、ベータ-カリオフィレン、レチノール、フィトール、ミルセン、フムレン、オシメン、テルピノレン、ゲラニオール、およびゲラニルゲラニオールが挙げられる。
【0052】
変性極性連続相322は、アルコール可溶性種311よりも水中に可溶性である水溶性送達物の種(specie)または種(species)を含み得る。そのような水溶性送達物は、マイクロエマルジョン336の変性極性連続相322中に可溶化される。したがって、マイクロエマルジョン336の担体液体中では。
【0053】
組み合わせたリン脂質およびポリエチレングリコール誘導体は、マイクロエマルジョン336の変性極性連続相と変性油相液滴の内部との間の境界を形成する。液滴内の所望のアルコール濃度を維持するために、したがって、前に論じられているように、変性極性連続相へのアルコールの損失、および液滴、リン脂質、ポリエチレングリコール誘導体からのアルコール可溶性種の関連する解離、ならびに2つの間の比を低減することが重要である。
【0054】
アルコール-脂質混合物312のリン脂質は、好ましくはレシチンから単離されたグリセロリン脂質である。リン脂質は好ましくはレシチン単離物であるため、指名された単離物は、好ましくは、80%(重量/重量)の指定されたリン脂質を含み、残りの構成物は、レシチンまたは他のレシチン単離物から単離された1つ以上の追加のリン脂質である。好ましいリン脂質レシチン単離物としては、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)、セラミドホスホリルエタノールアミン(Cer-PE)、セラミドホスホリルコリン(SPH)、およびそれらの組み合わせが挙げられ、PC、PE、およびそれらの組み合わせがより好ましい。しかしながら、すべてのリン脂質レシチン単離物は、ホスファチジルセリン(PS)およびリン酸(PA)単離物が視覚的に透明な貯蔵安定性MOIWマイクロエマルジョンの両方が望ましいときに有用ではないため、視覚的に透明および貯蔵安定性のMOIWマイクロエマルジョンを形成する際に意外にも交換可能ではない。アルコール可溶性種311がカンナビス抽出物であるとき、リン脂質は、好ましくはPCである。
【0055】
リン脂質は、重量基準で、3%~10%のマイクロエマルジョン336中に存在し得る。好ましくは、リン脂質は、重量基準で、マイクロエマルジョン336の4%~8%を占める。アルコール可溶性種が非誘導体化テストステロンであるとき、リン脂質は、重量基準で、マイクロエマルジョン336の4%~6%を占める。
【0056】
アルコール-脂質混合物312のポリエチレングリコール誘導体は、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート1000(TPGS)、ポリソルベート40、ポリソルベート60、またはポリソルベート80などのポリエチレングリコール変性ビタミンEであり得る。好ましくは、ポリエチレングリコール誘導体は、TPGS、ポリソルベート60、またはポリソルベート80である。より好ましくは、ポリエチレングリコール誘導体は、TPGSまたはポリソルベート80である。アルコール可溶性種が非誘導体化テストステロンであるとき、好ましいポリエチレングリコール誘導体は、TPGSである。
【0057】
ポリエチレングリコール誘導体は、重量基準で、5%~14%のマイクロエマルジョン336中に存在し得る。好ましくは、ポリエチレングリコール誘導体は、重量基準で、マイクロエマルジョン336の6%~12%を占める。アルコール可溶性種が非誘導体化テストステロンであるとき、ポリエチレングリコール誘導体は、重量基準で、マイクロエマルジョン336の9%~11%を占める。
【0058】
TPGS、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、およびポリソルベート80は、多くの場合、交換可能な界面活性剤として考えられる。これは、視覚的に透明な貯蔵安定性マイクロエマルジョンが所望されるとき、記載されるマイクロエマルジョン336の形成の場合には当てはまらないと決定された。
【0059】
リン脂質と併せて使用したとき、TPGSは、重量で約1:0.4~1:4のリン脂質とTPGSとの比で、視覚的に透明な貯蔵安定性マイクロエマルジョンをもたらし、好ましい貯蔵安定性のMOIWマイクロエマルジョンは、重量で1:1.6~1:4の比で形成された。リン脂質と併せて使用したとき、ポリソルベート20は、視覚的に透明な貯蔵安定性マイクロエマルジョンを形成しなかった。リン脂質と併せて使用したとき、ポリソルベート40は、重量で約1:2~1:3のPCとポリソルベート40との比で視覚的に透明な貯蔵安定性マイクロエマルジョンをもたらし、好ましい貯蔵安定性MOIWマイクロエマルジョンは、重量で約1:3の比で形成された。リン脂質と併せて使用したとき、ポリソルベート60は、重量で約1:2~1:4のリン脂質とポリソルベート60との比で視覚的に透明な貯蔵安定性マイクロエマルジョンをもたらし、好ましい貯蔵安定性MOIWマイクロエマルジョンは、重量で約1:2~1:3の比で形成された。リン脂質と併せて使用したとき、ポリソルベート80は、重量で約1:0.4~1:4のリン脂質とポリソルベート80との比で視覚的に透明な貯蔵安定性マイクロエマルジョンをもたらし、好ましい貯蔵安定性MOIWマイクロエマルジョンは、重量で約1:0.6~1:4の比で形成された。
【0060】
これらの結果は、複数のポリエチレングリコール誘導体が視覚的に透明な貯蔵安定性MOIWマイクロエマルジョンを形成する際に意外にも交換可能ではないことを証明する。実際、ポリソルベート20は有用ではない。その上、TPGSおよびポリソルベート80は、リン脂質との組み合わせとして好ましいポリエチレングリコール誘導体であり、それらは、最も広範囲のアルコール可溶性種濃度範囲にわたって所望の視覚的に透明な貯蔵安定性マイクロエマルジョンを提供する。
【0061】
アルコール-脂質混合物312は、好ましくは、リン脂質/ポリエチレングリコール誘導体単層内に保持された少なくとも1つの油を含む。油は、MCT油、柑橘油、およびそれらの組み合わせであり得る。MCT油は、脂肪酸が6~12個の炭素原子の脂肪族末端を有するトリグリセリドである。好ましいMCT油としては、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。より好ましいMCT油としては、カプリル酸、カプリン酸、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好ましい柑橘油としては、オレンジ油、レモン油、およびそれらの組み合わせが挙げられる。アルコール可溶性種が非誘導体化テストステロンであるとき、油は、好ましくはカプリル酸とカプリン酸との組み合わせである。
【0062】
油は、重量基準で、マイクロエマルジョン336中に5%~15%存在し得る。好ましくは、油は、重量基準で、マイクロエマルジョン336の7%~13%を占める。アルコール可溶性種が非誘導体化テストステロンであるとき、油は、重量基準で、マイクロエマルジョン336の9%~11%を占める。
【0063】
マイクロエマルジョン336は、少なくとも1つのアルコールを含む。マイクロエマルジョン336は好ましくは食用であるため、好ましいアルコールは食品グレードである。好ましくは、アルコールはエタノールであり、USP食品グレード190検査済み(95%のエタノール、5%の水)エタノールがより好ましい。下記でさらに論じられるように、追加の水が変性油相液滴からのアルコール可溶性種の解離を阻止するためにマイクロエマルジョン336の総含水量と関連して考慮されるべきであるため、10%を超えるアルコール含水量は、より好ましくない。
【0064】
アルコールは、重量基準で、マイクロエマルジョン336中に5%~25%存在し得る。好ましくは、アルコールは、重量基準で、マイクロエマルジョン336の10%~23%を占める。アルコール可溶性種が非誘導体化テストステロンであるとき、アルコールは、重量基準で、マイクロエマルジョン336の17%~22%を占める。
【0065】
マイクロエマルジョン336の変性油相液滴は、高いアルコール含有量を有すると見なすことができ、したがって、重量で、1:1.5~1:4、好ましくは1:1.5~1:3の油とアルコールの重量比を有する。
【0066】
変性極性連続相322は、糖または糖アルコール、および水を含む。「糖または糖アルコール」とは、好ましくは、室温および室内圧力で液体であるか、または室温および室内圧力で水中に可溶性である3~12個の炭素原子を含む糖または糖アルコールを意味する。好ましい糖としては、スクロース、甘蔗糖、および純粋なメープルシロップが挙げられ、純粋なメープルシロップは、木の樹脂が含まれるため好ましい。好ましい糖アルコールは、3~6個の炭素原子を有し、グリセロール(グリセリン)を含む。
【0067】
キシリトール、エリスリトール、マンニトール、およびソルビトールを含む追加の糖アルコールがマイクロエマルジョン336を形成する際に有用であることを予想することができるが、すべての糖アルコールは、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、およびソルビトールが視覚的に透明な貯蔵安定性マイクロエマルジョンの両方が所望されるときに有用ではないため、視覚的に透明な貯蔵安定性MOIWマイクロエマルジョンを形成する際に意外にも交換可能ではない。したがって、好ましい糖または糖アルコールとしては、スクロース、甘蔗糖、純粋なメープルシロップ、グリセロール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。より好ましい糖または糖アルコールとしては、純粋なメープルシロップ、グリセロール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。現在、最も好ましい糖または糖アルコールは、グリセロールである。
【0068】
糖または糖アルコールがグリセロールであるとき、グリセロールと水との比は、重量で12:1~8:1、好ましくは重量で10:1であり、最大20重量%の偏差が含まれ、最大10重量%の偏差がより好ましく、したがって、10:1±20重量%または10:1±10重量%が好ましい。糖または糖アルコールが純粋なメープルシロップ、スクロース、または甘蔗糖であり、水がシロップ中に存在するか、またはスクロースまたは甘蔗糖を可溶化するために使用されるとき、この追加の水は、マイクロエマルジョン336の水構成物の一部となり、したがって、水として糖または糖アルコールと水の重量比に含まれる。
【0069】
糖または糖アルコールがグリセロールであるとき、グリセロールは、マイクロエマルジョン336中に、重量基準で、43%~56%の存在することができ、総含水量は5重量%~10重量%である。好ましくは、グリセロールは、重量基準で、マイクロエマルジョン336の45%~52%を占め、総含水量は5重量%~10重量%である。アルコール可溶性種が非誘導体化テストステロンであるとき、グリセロールは、重量基準で、マイクロエマルジョン336の48%~52%を占める。
【0070】
極性連続相332の水は、マイクロエマルジョン336中に、重量基準で、2%~10%存在する。好ましくは、水は、マイクロエマルジョン336中に、重量基準で、4%~10%存在する。より好ましくは、水は、マイクロエマルジョン336中に、重量基準で、4%~8%存在し得る。アルコール可溶性種が非誘導体化テストステロンであるとき、水は、マイクロエマルジョン336中に、重量基準で、4%~6%存在する。重量基準で、マイクロエマルジョン336中の12%を超える、および場合によっては10%を超えて12%の限度までの含水量は、液滴からのアルコール可溶性種の解離をもたらし、したがって、非貯蔵安定性MOIWマイクロエマルジョンが液滴からのアルコールの過度な喪失からもたらされ得る。
【0071】
図3には示されていないが、糖または糖アルコールの量が同時に増加する場合、油は、方法300から省略した点まで低減され得る。例えば、マイクロエマルジョン336が5重量%の油および56重量%の糖アルコールで形成される場合、MOIWマイクロエマルジョンは、3重量%の油および58重量%の糖または糖アルコールで形成されるか、または0重量%の油および最大63重量%の糖または糖アルコールで形成され得る。MOIWマイクロエマルジョンが5重量%未満の油を含むとき、53重量%~63重量%の糖または糖アルコールが好ましい。MOIWマイクロエマルジョンが0重量%未満の油を含むとき、57重量%~63重量%の糖または糖アルコールが好ましい。これらの「低減した油」のマイクロエマルジョンは、視覚的に透明および貯蔵安定性であるが、平均液滴直径は尺度の上端にあり、したがって、100ナノメートルに近く、したがって、送達物の経口送達では効果が低いであろう。そのような「低減した油」のMOIWマイクロエマルジョンは、好ましくは、重量で1:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6のリン脂質と、ポリエチレングリコール誘導体と、アルコールと、糖または糖アルコールと、水との比を含み、最大20重量%の偏差が含まれ、最大10重量%の偏差がより好ましく、したがって、1:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6±20重量%または1:0.6~3.3:4:10.5:1~1.6±10重量%が好ましい。
【0072】
マイクロエマルジョン336は、任意選択的に、アルコール可溶性種と化学的に適合性であり、マイクロエマルジョンの変性油相と水相との間の分離を実質的に妨げない他の成分または「補助剤」を含み得る。そのような補助剤は、親水性または親油性のゲル化剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、電解質、香料、充填剤、および顔料を含み得る。他の補助剤をマイクロエマルジョン中に使用することができる。
【0073】
以下の実施例は、本発明の1つ以上の好ましい実施形態を例示するために提供される。本発明の範囲内にある以下の実施例に対して多数の変形例を行うことができる。
【実施例
【0074】
実施例1:非誘導体化ホルモンDHEAを含むMOIWマイクロエマルジョンの構成物
1mLの総体積を有するMOIWマイクロエマルジョンを調製した。MOIWマイクロエマルジョンは、約10mgの非誘導体化ホルモンDHEAを含んでいた。MOIWマイクロエマルジョンはまた、30mg~100mgのPC、150mg~250mgのエタノール、400mg~650mgのグリセリン、および50mg~150mgの中鎖トリグリセリドを含んでいた。MOIWマイクロエマルジョン中に所望の物理的構造を提供するために、TPGSが含まれた。これらの成分に加えて、MOIWマイクロエマルジョンは、1mLの総エマルジョン体積を提供するのに十分な水を含んでいた。
【0075】
実施例2:非誘導体化ホルモンDHEAを含むMOIWマイクロエマルジョンを作製する方法
約10mgの非誘導体化DHEAをMCT油中で組み合わせ、次いで水中でTPGS、PC、グリセリン、およびエタノールと組み合わせた。次いで、この組み合わせを混合して、総体積1mLを有する非誘導体化ホルモンDHEAを含むMOIWマイクロエマルジョンを形成した。
【0076】
実施例3:非誘導体化DHEAの口腔内送達についての生物学的利用能の取り込みおよび持続時間
実施例2に従って、アルコール可溶性ホルモンである非誘導体化DHEAをMOIWマイクロエマルジョンに組み込んだ。空腹時に、成人の男性および女性のヒト対象は、非誘導体化DHEAを含む2mLのMOIWマイクロエマルジョンを舌の下に置いた。対象は、飲み込む前にMOIWマイクロエマルジョンを舌の下に約30秒~2分間保持した。MOIWマイクロエマルジョンを投与する前、およびMOIWマイクロエマルジョンの投与後約20~180分の種々の時間間隔で、血液試料を収集した。収集した血液試料を、DHEAの硫酸化同族体であるDHEA-Sの血清濃度について分析し、これは、DHEAの代謝から体が生成する初期生成物である。
【0077】
図4は、ベースラインDHEA-S血清濃度よりもDHEA-S血清濃度が増加したことのみを示すように調整された、DHEAの口腔内投薬についてのグラフ形態での生物学的利用能の取り込みおよび持続時間分析の結果を提供する。
【0078】
男性対象および女性対象の両方については、MOIWマイクロエマルジョンは、導入後最大で約60分まで血清DHEA-S濃度が増加し、180分の試験終了時間まで、近いレベルの血清濃度を維持した。ベースラインDHEA-S濃度は、血液1ミリリットル(mL)当たり約200~250マイクログラム(ug)であり、したがって、研究の時間枠にわたる約200~300ug/dLのDHEA-Sの増加が有意であった。
【0079】
実施例4:経口導入した非誘導体化DHEAの比較送達効率
MOIWマイクロエマルジョンによって血液に送達されたDHEAの概算の割合を、結晶性形態および微粒子化形態で経口送達されたDHEAと比較した。DHEAの従来の結晶性製剤および微粒子化製剤に使用する比較データは、「Delivery of dehydroepiandrosterone to premenopausal women:Effects of micronization and nonoral administration,」Casson,et al.,Am J Obstet Gynecol,February 1996,Vol.174,No.2,pp.649-653から取った。
【0080】
比較に使用した従来のデータに関しては、著者らは、Cassonにおいて、Sigma Chemical Company,St.Louisから入手した薬局方グレードのDHEAを微粒子化し、シリカ系賦形剤を用いてワックス-植物油マトリックス中に1用量当たり300mgを含有するDHEA錠剤に配合することにより、微粒子化したDHEAを調製したと報告している。(Casson,pg.650)。結晶性錠剤を含有する同一の錠剤も調製した。Id.錠剤を、8時間の絶食後の月経周期の卵胞期中期の女性に投与した。Id.したがって、1口腔内用量当たり20mgのDHEAを含むMOIWマイクロエマルジョンに比べて、Caissonからの各錠剤形態用量は、300mgのDHEAまたは150mgのDHEAのいずれかを含んでいた。
【0081】
図5は、ベースラインDHEA-S血清濃度よりもDHEA-S血清濃度が増加したことを示すように調整された、グラフ形態での経口導入された非誘導体化DHEAの比較送達効率の結果を提供する。比較しやすくするために、各ヒト対象が約55体積%の漿液(凝血因子を含まない血漿)を含む約4.7リットルの血液体積を有すると推定した。本発明のMOIWマイクロエマルジョンおよび従来の公開データの両方にわたって適用されることによって、ヒト対象血液体積のこの推定が基礎となる比較の関係を変えるとは考えられない。
【0082】
Cassonの錠剤は、一般に、MOIWマイクロエマルジョンで使用されるよりも実質的に高い投薬量によって、より高いDHEA-S血中濃度を提供したが、300mgおよび150mgのCasson DHEA投薬が20mgのMOIWマイクロエマルジョンDHEA投薬と比べて考慮されたときに、送達効率(血流に送達される量に対する投薬量)に実質的な差が観察された。送達効率は、潜在的に、肝臓へのストレスを低減するという観点だけでなく、製造コストと比べた観点からも重要である。
【0083】
図5に示すように、Casson中で経口送達された300mgの結晶性DHEAのうち、導入後約60分で約1重量%を血液に送達し、約3重量%を180分以内に送達した。Cassonの微粒子化DHEA300mgおよび150mg用量については、導入後約60分で約0.4~1重量%を血液に送達し、約4~5重量%を180分以内に送達した。
【0084】
20mgのDHEA MOIWマイクロエマルジョン用量との送達効率の差は有意であり、導入後約60分で約17~21重量%(男性-女性)が血液に送達され、180分以内に28~30重量%(男性-女性)が送達された。したがって、MOIWマイクロエマルジョンは、約60分以内に、投薬量の少なくとも14重量%、好ましくは投薬量の少なくとも16重量%を送達することができた。MOIWマイクロエマルジョンはまた、約180分以内に、投薬量の少なくとも25重量%、好ましくは投薬量の少なくとも27重量%を送達することができた。
【0085】
従来の投薬形態と比べて、経口送達のためのMOIWマイクロエマルジョンによって提供された改善は、実質的であった。導入後約60分で、MOIWマイクロエマルジョンは、従来の投薬形態よりも約17倍の送達効率の増加を提供した。約180分までに、MOIWマイクロエマルジョンは、従来の投薬形態よりも約5倍の送達効率の増加を提供した。血流送達速度は、従来の投薬形態について60~180分の時間で増加したが、従来の投薬形態は、5倍大きい「曲線下面積」またはMOIWマイクロエマルジョンの総送達に近づくことができなかった。
【0086】
実施例5:非誘導体化テストステロンの口腔内送達についての生物学的利用能の取り込みおよび持続時間
アルコール可溶性ホルモンである非誘導体化テストステロンを、約12.5mgの非誘導体化テストステロンを1mLのMOIWマイクロエマルジョンで使用したことを除いて、実施例2に従って、DHEAと同様にMOIWマイクロエマルジョンに組み込んだ。空腹時に、成人男性のヒト対象は、非誘導体化テストステロンを含む1mLのMOIWマイクロエマルジョンを舌の下に置いた。対象は、飲み込む前にMOIWマイクロエマルジョンを舌の下に約90秒保持した。MOIWマイクロエマルジョンを投与する前、およびMOIWマイクロエマルジョンの投与後約15~180分の種々の時間間隔で、血液試料を収集した。収集した血液試料を、総テストステロンの血清濃度について分析した。
【0087】
図6は、テストステロンの経口口腔内投薬についてのグラフ形態での生物学的利用能の取り込みおよび持続時間分析の結果を提供する。男性対象については、MOIWマイクロエマルジョンは、導入後最大で約30分まで血清テストステロン濃度を増加させた。ベースラインのテストステロン濃度は、血液1デシリットル(dL)当たり約500ナノグラム(ng)であったため、テストステロンの約500~1000ng/dLへの増加が有意であった。
【0088】
前述の取り込みおよび持続時間の実施例は、DHEAおよびテストステロンに照らしているが、他の非誘導体化ホルモンアルコール可溶性種についての取り込み性能は、MOIWマイクロエマルジョンと組み合わせて同様であろうと考えられる。前述の送達効率の実施例は、DHEAに照らしているが、MOIWマイクロエマルジョンと組み合わせた他の非誘導体化ホルモンのアルコール可溶性種でも同様の送達効率が実現されると考えられる。しかしながら、テストステロンなどの非誘導体化ホルモンアルコール可溶性種についての実験送達効率データは、テストステロンがDHEAよりもはるかに迅速に血液から代謝されるため、DHEAについて記録されたものとは異なるように見えるであろう。同様に、プロゲステロンなどの非誘導体化ホルモンアルコール可溶性種についての実験送達効率データは、プロゲステロンがDHEAと同様の速度で血液から代謝されるため、DHEAについて記録されたものに近似することが予想されるであろう。
【0089】
仮想例6:非誘導体化テストステロンの口腔内送達のためのパルス投薬量
テストステロンHRTを必要とするヒト男性対象は、毎日約12.5mgの非誘導体化テストステロンを含む1mLのMOIWマイクロエマルジョンを口腔内消費する。血中テストステロン濃度は、消費の最初の1時間以内に1500~2000ng/dLの近似濃度に到達し、消費の3時間以内にベースラインテストステロン濃度まで減衰する。毎日のMOIWマイクロエマルジョンテストステロンパルス投薬計画は、従来のHRT療法で通常観察されるものと比べて、男性対象の精巣萎縮を大幅に低減するが、所望のアンドロゲン効果を提供する。
【0090】
本出願の明細書および特許請求の範囲の明確でより一貫した理解を提供するために、以下の定義が提供される。
【0091】
口腔内送達とは、送達物を含む液体の経口投与時に生じる血流への送達のかなりの部分が、液体が胃に到達する前に、口、喉、および食道を通した経粘膜吸収によって生じることを意味する。口腔内送達に好適であると見なされるような液滴については、平均液滴直径が最大で125nmである。口腔内送達は、平均液滴直径の減少とともに増加すると考えられ、約25nmの平均液滴直径が好ましい。
【0092】
アルコール可溶性種は、水に不溶性であり、中鎖トリグリセリド(MCT)油よりもエタノール中に高い可溶性を有する種である。例えば、非誘導体化ホルモンDHEAは、最大約150mg/mLのエタノール中に可溶性であり、したがって、溶けやすいが、最大約10mg/mLのみのMCT油中の可溶性を有し、したがって、可溶性はわずかのみである。アルコール可溶性種は、好ましくは薬理学的に活性であり、より好ましくは薬物またはサプリメントであり、どちらも水を含まない。したがって、技術的にはアルコール中に可溶性である液体および固体が存在し得るが、それらは水にも可溶性であるか、またはエタノールよりもMCT油に可溶性もしくは同等に可溶性であるため、「アルコール可溶性種」ではない。
【0093】
非誘導体化ホルモンは、人体によって作製されたホルモンと化学的に同一であり、脂肪族エステルまたは他のペンダント基で合成的に変性されない。
【0094】
非誘導体化ホルモンを直接可溶化するとは、従来の系とは異なり、非誘導体化ホルモンが可溶化されるエステル化状態への合成変換を必要とせず、したがって、マイクロエマルジョンは非誘導体化ホルモンを「直接可溶化する」ことを意味する。
【0095】
ホスファチジルコリン(PC)分子は、より大きい集団のリン脂質の小集団であり、水中でリポソームを形成するために一般的に使用される。他の構成物を含まない水中に置くと、PCは、リポソームを形成する。PCリポソームに十分な剪断力を加えると、ミセルを含む単層構造を生成することができる。PCは、水溶性である頭部、および頭部と比べて水溶性がかなり低い尾部を有する。PCは中性脂質であるが、頭部と尾部との間に約10Dの電気双極子モーメントを運び、分子自体を極性にする。
【0096】
トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート1000(TPGS)は、一般に、非極性の油溶性「ビタミンE」尾部、および極性の水溶性ポリエチレングリコール頭部を有する界面活性剤と見なされる。TPGSは、ポリソルベート20、40、60、および80も含むポリエチレングリコール誘導体の要素である。
【0097】
室温および室内圧力とは、約100kPaでの摂氏20~27度を意味する。
【0098】
固体とは、室温および室内圧力で液体でも気体でもない物質を意味する。固体物質は、単体固体、粉末、ゲル、またはペーストを含む様々な形態のうちの1つを有し得る。
【0099】
液体とは、室温および室内圧力では固体でも気体でもない物質として意味する。液体は、その容器の形状を取るように流れる非圧縮性物質である。
【0100】
溶液には、可溶化分子と溶媒との間に識別可能な界面がない。溶液中では、可溶化分子は、溶媒と直接接触している。
可溶化とは、送達されるアルコール可溶性種が液滴の溶液中にあることを意味する。可溶化したとき、アルコール可溶性種の解離(したがって、液体分離または固体形成)は、DLSによって決定されるとき、および下記でさらに論じられるように、または肉眼で見えるアルコール可溶性種の析出した結晶の形成によって決定されるとき、200nmを超える液滴平均粒子径をもたらさない。したがって、200nmを超える平均粒子径または肉眼で見える析出した結晶のいずれかが形成する場合、アルコール可溶性種は、液滴の溶液中に可溶化されない。アルコール可溶性種が溶液中に可溶化されない場合、溶液中に不溶性である。多くの点で、可溶性は、濃度依存連続体と考えることができる。例えば、以下の記述用語を使用して、摂氏25度での溶媒中の溶質の可溶性(固体のグラム/溶媒のmL)を表現することができる。
【0101】
【表1】
【0102】
解離は、以前に可溶化された固体または液体が溶液を離れ、溶液の溶媒と直接接触しなくなったときに生じる。溶媒からの固体の解離は、再結晶化、析出などを通して生じる。溶媒からの液体の解離は、溶媒と解離した液体との間の分離および可視的なメニスカスの形成を通して生じる。
【0103】
貯蔵安定性マイクロエマルジョンは、2つのやり方のうちの1つで決定され得る。空気および水分を実質的に排除した密封容器内に貯蔵されたマイクロエマルジョンが貯蔵安定性であることを証明する1つのやり方は、固体の解離が生じず、水中の油相液滴が、少なくとも3ヶ月~2年の期間、好ましくは少なくとも6ヶ月~2年の期間、およびより好ましくは少なくとも1年~2年の期間、約25℃で+/-20%超の平均直径において変化しないときである。マイクロエマルジョンが貯蔵安定性であることを証明する別のやり方は、固体の解離が生じず、水中の油相液滴が、少なくとも6ヶ月~2年の期間、およびより好ましくは少なくとも1年~2年の期間、約25℃で空気および水分を実質的に排除した密封容器内に貯蔵されたときに可視的なメニスカスを伴う可視的に別個の相に分離しないときである。いずれのタイプの解離でも、マイクロエマルジョンが貯蔵安定性ではないことを意味する。
【0104】
視覚的に透明なマイクロエマルジョンは、200nm以下の平均粒子径を有し、肉眼で見える析出した固体結晶がない。
【0105】
エマルジョンは、可溶化しない2つ以上の液体の混合物である。したがって、液体のうちの1つは、第2の液体の液滴を運ぶ。第2の液体の液滴は、第1の液体の連続相中に分散していると言ってもよい。担体液体(連続相)と第2の液体の液滴との間に界面、分離部、または境界層が存在する。エマルジョンは、マクロエマルジョン、擬エマルジョン、マイクロエマルジョン、またはナノエマルジョンであり得る。マクロエマルジョン、マイクロエマルジョン、およびナノエマルジョンの間の主要な違いは、連続相中に分散した液滴の平均直径および経時的なエマルジョンの安定性である。擬エマルジョンは、エマルジョン中に固体が存在するため、区別する。
【0106】
液滴または液体粒子は、マイクロエマルジョンの疎水性「油」相によって形成され、親水性連続相によって運ばれる。液体液滴の外部は、各液体液滴の体積を取り囲む境界層によって画定される。液滴の境界層は、マイクロエマルジョンの分散した油相を形成する液滴の外面を画定する。マイクロエマルジョンの連続相は、液滴の境界層の外部に常在し、したがって、液滴を運ぶ。
【0107】
マクロエマルジョンは、熱力学的に不安定であるが、水中油型の動力学的に安定した分散物であり、油は、任意の水不溶性液体として定義される。熱力学的に不安定とは、一旦生み出されると、マクロエマルジョンは常に油および水構成物の元の不混和状態に戻る(解乳化)が、この分解は、意図された使用実用性の観点からマクロエマルジョンが安定であると見なされ得るほど十分に遅いこと(したがって、動力学的に「安定」)を意味する。それらの液滴が可視光の波長よりも直径が大きいため、マクロエマルジョンは、効果的に光を散乱させ、したがって乳白色に見える。マクロエマルジョンの液滴は、通常、10~50マイクロメートルの平均液滴直径を有する。マクロエマルジョンのIUPAC定義は、「分散相の粒子が約1~100マイクロメートルの直径を有するエマルジョン」である。マクロエマルジョンは、大きい液滴を含み、したがって、分散相および分散媒の密度に依存して、液滴が沈殿または浮遊するという意味で「不安定」である。」
【0108】
擬エマルジョンは、水中油型の分散物であり、油は、油滴中に完全に可溶化されていないごく小さい(微粒子化された)固体顆粒を含む、任意の水不溶性液体として定義される。「擬エマルジョン」という用語は、固体顆粒が液滴の中に完全に可溶化されていないため、これらの混合物が真のエマルジョンではないものとして使用される。擬エマルジョンの液滴は、1~20マイクロメートルの平均液滴直径を有し、したがって、「固体顆粒変性マクロエマルジョン」である。
【0109】
マイクロエマルジョンは、水中油型の熱力学的に安定した分散物であり、油は、任意の水不溶性液体として定義される。マイクロエマルジョンは、構成成分を単純に混合することによって作製される。したがって、マイクロエマルジョンは自発的に形成され、高い剪断力を必要としない。マクロエマルジョンとは異なり、マイクロエマルジョンは、実質的に光を散乱しない。マイクロエマルジョンのIUPAC定義は、「約1~100nm、通常10~50nmで変わる分散ドメイン直径を有する等方性および熱力学的に安定した系である、水、油、および界面活性剤から作製された分散物」である。したがって、マイクロエマルジョンの液滴は、マクロエマルジョンの液滴よりも約3桁小さく、熱力学的に安定である。
【0110】
ナノエマルジョンは、10~125ナノメートルの平均液滴直径を有し、したがって、マクロエマルジョンおよび擬エマルジョンよりも平均液滴直径が少なくとも1桁小さい。透過性ナノエマルジョンは、10~100ナノメートルの平均液滴直径を有する。ナノエマルジョンは、機械的な高剪断力で作製される。ナノエマルジョンおよびマイクロエマルジョンの平均液滴直径は形式的に重複しているが、実際には、マイクロエマルジョンの熱力学的安定性の欠如により、マイクロエマルジョンの平均液滴直径が永遠に増加するため、ナノエマルジョンの平均液滴直径は、マイクロエマルジョンの平均液滴直径よりも大きいか、または大きくなる。
【0111】
連続相とは、送達される物質を含む液滴を運ぶマイクロエマルジョンの部分を意味する。例えば、本明細書で取り扱う変性水中油型マイクロエマルジョン(極性連続相中の非極性液滴)は、極性の「水」連続相中に送達される 運ばれるアルコール可溶性種を含む油/アルコール液滴を有する。「水」および「油」という語句が使用されているが、「水」は、「油」よりも高い極性である任意の液体(極性油など)であり得、「油」は、「水」よりも低い極性である任意の液体であり得る。したがって、「極性連続相」および「水連続相」という用語は、水がマイクロエマルジョン構成成分のうちの1つとして具体的に論じられていない限り、同義である。
【0112】
平均液滴直径は、光子相関分光法と時に称される、動的光散乱法によって決定される。決定は、摂氏20~25度で行われる。平均液滴直径の決定に好適な機器の一例は、Particle Sizing Systems,Port Richey,FLから入手可能なNicomp 380 ZLS パーティクルサイザーである。DLSは、経時的に液滴から検出器に散乱される光の強度を測定することによって、液体中の液滴の直径を決定することができる。ブラウン運動により液滴が移動すると、2つ以上の液滴から散乱された光は、検出器で建設的または相殺的に干渉する。光強度の自己相関関数を計算し、液滴分布を仮定することにより、1nm~5umの液滴のサイズを決定することが可能である。機器はまた、液滴のゼータ電位を測定することができる。
【0113】
摂取可能な手段は生きている哺乳動物が口を通して摂取することができることを意味し、一方、食用の手段は食事に適しているため、口に合わないまたは有毒であるのとは対照的である。また、食用とは、組成物が有する生存可能な好気性微生物が許容量未満であり、金属、不純物、毒素、残留溶媒、および農薬についての米国ハーブ製品協会(American Herbal Products Association)(AHPA)ガイドラインを満たしていることを意味する。
【0114】
値の範囲が提供されている場合、その内容に別段の明確な指示がない限り、その範囲の上限と下限との間にある各介在値は、下限の単位の10分の1まで、およびその記述される範囲における他の任意の記述される値または介在値は本発明内に包含されると理解されたい。これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい範囲に独立して含まれてもよく、また、記述される範囲における任意の具体的に除外された限度次第で、本発明内に包含される。記述される範囲が限度の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限度のいずれかまたは両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0115】
本発明の様々な態様が記載されているが、他の態様および実装形態が本発明の範囲内で可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物を照らすもの以外は制限されるべきではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】