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特表2022-546829電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造及び電気駆動アセンブリ
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  • 特表-電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造及び電気駆動アセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-09
(54)【発明の名称】電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造及び電気駆動アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16C 35/06 20060101AFI20221101BHJP
   H02K 7/08 20060101ALI20221101BHJP
   B60K 17/12 20060101ALI20221101BHJP
   F16J 15/06 20060101ALI20221101BHJP
   F16B 43/00 20060101ALI20221101BHJP
   F16B 39/02 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
F16C35/06 Z
H02K7/08 Z
B60K17/12
F16J15/06 M
F16B43/00 C
F16B39/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514548
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 CN2019114071
(87)【国際公開番号】W WO2021042467
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】201910828186.2
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ユ ピン
(72)【発明者】
【氏名】リ ジャンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シュードン
【テーマコード(参考)】
3D042
3J034
3J040
3J117
5H607
【Fターム(参考)】
3D042AA07
3D042AB01
3D042BE01
3J034AA04
3J034BA09
3J040AA08
3J117AA02
3J117AA05
3J117DA01
3J117DB02
5H607AA04
5H607BB01
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE31
5H607GG01
5H607JJ05
(57)【要約】
電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造及び電気駆動アセンブリであって、固定構造が、ベアリング押えプレート(1)、ボルト(6)、ロックナット(8)、補助ベアリング外輪(2)、及び補助ベアリング内輪(3)を含み、ベアリング押えプレート(1)に貫通孔が設けられ、ハウジング(9)にネジ穴が設けられ、ボルト(6)が貫通孔を通ってネジ穴内に固定されており、ベアリング押えプレート(1)が補助ベアリング外輪(2)の一側を付勢し、ハウジング(9)がベアリング外輪(2)の他側を位置規制し、ロックナット(8)が軸(4)に外装されて補助ベアリング内輪(3)の一側を付勢し、ギア(5)が補助ベアリング内輪(3)の他側を位置規制する。当該電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造は、構造が簡単であり、ベアリングの内輪と外輪が共にネジ付勢によって付勢力が発生し、ベアリングのオーバーポジショニングが回避され、ベアリングの作動騒音が低減され、ベアリングの寿命が向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造であって、
前記電気駆動アセンブリが減速機及びモータを含み、前記減速機の入力軸と前記モータのモータ軸とが同じ軸であり、前記減速機の入力軸にギアが取り付けられ、前記補助ベアリングが減速機とモータとの間のハウジングのベアリング穴内に設けられており、
前記固定構造が、ベアリング押えプレート、ボルト、ロックナット、補助ベアリング外輪、及び補助ベアリング内輪を含み、前記ベアリング押えプレートに貫通孔が設けられ、前記ハウジングにネジ穴が設けられ、前記ボルトが前記貫通孔を通って前記ネジ穴内に固定されており、前記ベアリング押えプレートが前記補助ベアリング外輪の一側を付勢し、前記ハウジングが前記ベアリング外輪の他側を位置規制し、前記ロックナットが前記軸に外装されて前記補助ベアリング内輪の一側を付勢し、前記ギアが前記補助ベアリング内輪の他側を位置規制する、ことを特徴とする電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造。
【請求項2】
前記ベアリング押えプレート及び前記ロックナットが前記補助ベアリングの同じ側又は異なる側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の補助ベアリングの固定構造。
【請求項3】
前記ボルトの頭部及び前記ベアリング押えプレートが前記補助ベアリングの同じ側又は異なる側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の補助ベアリングの固定構造。
【請求項4】
前記ボルトが六角フランジボルトである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の補助ベアリングの固定構造。
【請求項5】
前記六角フランジボルトのフランジ面の下には、更にシールガスケットが組み立てられている、ことを特徴とする請求項4に記載の補助ベアリングの固定構造。
【請求項6】
前記ベアリング押えプレートのエッジに面取りが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の補助ベアリングの固定構造。
【請求項7】
前記ロックナットの外側には、更に緩み防止リングが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の補助ベアリングの固定構造。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の補助ベアリングの固定構造を含む、電気駆動アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気駆動アセンブリの製造分野に関し、具体的に、電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造及び電気駆動アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の純粋な電気自動車又はハイブリッド新エネルギー自動車では、電気駆動アセンブリにおける減速機軸及びモータ軸上のベアリングが過度に拘束されていることがよくあるのに対して、モータの回転域が広くて回転速度が速いため、ベアリングは、高回転域で作動する場合、外輪の周回(ベアリング穴や軸との間の相対摺動のこと)や変位(遊び)が発生しやすくい。そうなると、ベアリング穴がひどく摩耗し、運転時の振動が大きくなるため、ベアリングの寿命が短縮されるだけでなく、異音が発生し、車両の乗り心地にも影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点に鑑みて提案されたものであり、上記課題を解決するか、又は少なくとも部分的に解決するための、電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造及び電気駆動アセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の技術案は、以下のように実現される。
【0005】
本発明の1つの局面では、電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造が提供されており、前記電気駆動アセンブリが減速機及びモータを含み、前記減速機の入力軸と前記モータのモータ軸とが同じ軸であり、前記減速機の入力軸にギアが取り付けられ、前記補助ベアリングが減速機とモータとの間のハウジングのベアリング穴内に設けられており、前記固定構造が、ベアリング押えプレート、ボルト、ロックナット、補助ベアリング外輪、及び補助ベアリング内輪を含み、前記ベアリング押えプレートに貫通孔が設けられ、前記ハウジングにネジ穴が設けられ、前記ボルトが前記貫通孔を通って前記ネジ穴内に固定されており、前記ベアリング押えプレートが前記補助ベアリング外輪の一側を付勢し、前記ハウジングが前記ベアリング外輪の他側を位置規制し、前記ロックナットが前記軸に外装されて前記補助ベアリング内輪の一側を付勢し、前記ギアが前記補助ベアリング内輪の他側を位置規制する。
【0006】
また、前記ベアリング押えプレート及び前記ロックナットが前記補助ベアリングの同じ側又は異なる側に位置してもよい。
【0007】
また、前記ボルトの頭部及び前記ベアリング押えプレートが前記補助ベアリングの同じ側又は異なる側に位置してもよい。
【0008】
また、前記ボルトが六角フランジボルトであってもよい。
【0009】
また、前記六角フランジボルトのフランジ面の下には、更にシールガスケットが組み立てられていてもよい。
【0010】
また、前記ベアリング押えプレートのエッジに面取りが設けられていてもよい。
【0011】
また、前記ロックナットの外側には、更に緩み防止リングが設けられていてもよい。
【0012】
本発明のもう1つの局面では、上記のいずれか1項に記載の補助ベアリングの固定構造を含む電気駆動アセンブリが提供されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の技術案は、以下の利点を有する。
【0014】
本発明の補助ベアリングの固定構造は、ベアリング内輪の一側がギアの端面に押し付けられて、他側ではロックナットと軸上のねじ山による付勢を介してベアリング内輪が軸方向で固定され、ベアリング押えプレートが六角フランジボルトによってハウジングに締め付けられることで、ベアリング外輪がベアリング穴内に押し付けられて、軸方向及び周方向での位置規制が行われ、ベアリングのオーバーポジショニング及び変位が防止されると同時に、補助ベアリング及びハウジングベアリング穴が押えプレートによって押し付けられて位置規制されることで、ベアリングの高速回転時の周回現象が回避される。
【0015】
当該ベアリング固定態様は、構造が簡単であり、ベアリングの内輪と外輪が共にネジ付勢によって付勢力が発生し、ベアリングのオーバーポジショニングが回避され、ベアリングの作動騒音が低減され、ベアリングの寿命が向上する。
【0016】
上記の説明は、本発明の技術案の概要に過ぎず、本発明の技術手段をより明らかに理解して、それらを明細書の内容に従って実施することができるように、また、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより容易に理解するために、以下、特に本発明の具体的な実施形態を例示する。
【0017】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及びメリットが当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を例示するためのものだけであり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。また、図面全体において、同じ部品には同じ参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施例における電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の例示的な実施例をさらに詳しく説明する。本発明の例示的な実施例が図面に示されているが、本発明は、様々な形態で実現されてもよく、ここに記載の実施例によって制限されないことを理解すべきである。むしろ、これらの実施例は、本発明がよりよく理解され、本発明の範囲が当業者に完全に伝えられるように提供されるものである。
【0020】
図1は、本発明の一実施例における電気駆動アセンブリの補助ベアリングの固定構造の模式図であり、当該実施例における電気駆動アセンブリが減速機及びモータを含み、そのうち、減速機の入力軸とモータのモータ軸とが同じ軸であり、前記入力軸とモータ軸との間が固定接続を介して一体になっているため、電気駆動アセンブリの構造が簡素化され、伝動効率が向上し、設計及び製造のコストが低減される。また、減速機の入力軸にギア5が取り付けられ、前記補助ベアリングが減速機とモータとの間のハウジング9のベアリング穴内に設けられている。
【0021】
図1を参照して、当該実施例における補助ベアリングの固定構造が、ベアリング押えプレート1、ボルト6、ロックナット8、補助ベアリング外輪2、及び補助ベアリング内輪3を含み、前記ベアリング押えプレート1に貫通孔が設けられ、前記ハウジング9にネジ穴が設けられ、前記ボルト6が前記貫通孔を通って前記ネジ穴内に固定されており、前記ベアリング押えプレート1が前記補助ベアリング外輪2の一側を付勢し、前記ハウジングが前記補助ベアリング外輪2の他側を位置規制し、前記ロックナット8が前記軸に外装されて前記補助ベアリング内輪3の一側を付勢し、前記ギア5が前記補助ベアリング内輪3の他側を位置規制する。当該実施例において、ベアリング押えプレート1とロックナット8との間の具体的な位置関係を限定することがなく、当該ベアリング押えプレートは、ハウジングの具体的な構造に応じて、ロックナットと同じ側に設けられてもよく、異なる側に設けられていてもよい。
【0022】
本発明の当該実施例に開示された補助ベアリングの固定構造は、ベアリング外輪をベアリング穴内に押し付けて、軸方向及び周方向での位置規制を行い、ベアリングのオーバーポジショニング及び変位を防止することができると同時に、補助ベアリング及びハウジングベアリング穴が押えプレートによって押し付けられて位置規制されることで、ベアリングの高速回転時の周回現象が回避される。当該ベアリング固定態様は、構造が簡単であり、ベアリングの内輪と外輪が共にネジ付勢によって付勢力が発生し、ベアリングのオーバーポジショニングが回避され、ベアリングの作動騒音が低減され、ベアリングの寿命が向上する。
【0023】
一実施例において、ハウジングの形状特徴に従って、ベアリング押えプレートの取り付けを容易にするために、前記ベアリング押えプレート1と前記ロックナット8とを前記補助ベアリングの同じ側又は異なる側に配置することが可能である。
【0024】
一実施例において、ボルト6の取り付け位置についても、ハウジングの形状特徴及び実際の取り付け要件に従って、ボルト6の頭部と前記ベアリング押えプレートとを前記補助ベアリングの同じ側に配置するか、異なる側に配置するかを選択することが可能である。
【0025】
一実施例において、減速機の内部キャビティの密閉、及び組み立ての必要に応じて、ボルトが六角フランジボルトとされるとともに、六角フランジボルトのフランジ面の下には、更にシールガスケットが組み立てられており、勿論、類似構造のボルトタイプ又は他のガスケット構造を選択してもよい。
【0026】
1つの好ましい実施例において、組み立て及び設計の必要に応じて、ベアリング押えプレートのエッジに、平面又は円弧面である面取りが設けられており、さらに、ロックナットの緩みを防止するために、ロックナットの外側に緩み防止リングが設けられていてもよい。
【0027】
本発明のもう1つの局面では、上記のいずれか1項に記載の補助ベアリングの固定構造を含む電気駆動アセンブリが提供されている。
【0028】
以上をまとめて、本発明に開示された固定構造は、ベアリング押えプレート、ボルト、ロックナット、補助ベアリング外輪、及び補助ベアリング内輪を含み、前記ベアリング押えプレートに貫通孔が設けられ、前記ハウジングにネジ穴が設けられ、前記ボルトが前記貫通孔を通って前記ネジ穴内に固定されており、前記ベアリング押えプレートが前記補助ベアリング外輪の一側を付勢し、前記ハウジングが前記ベアリング外輪の他側を位置規制し、前記ロックナットが前記軸に外装されて前記補助ベアリング内輪の一側を付勢し、前記ギアが前記補助ベアリング内輪の他側を位置規制する。当該技術案は、構造が簡単であり、ベアリングの内輪と外輪が共にネジ付勢によって付勢力が発生し、ベアリングのオーバーポジショニングが回避され、ベアリングの作動騒音が低減され、ベアリングの寿命が向上する。
【0029】
上記したのは、あくまでも本発明の具体的な実施形態であり、本発明の保護範囲はこれに限定されない。本発明に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に想到され得るあらゆる変更又は置換は、全て本発明の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲の保護範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1 ベアリング押えプレート、2 補助ベアリング外輪、3 補助ベアリング内輪、4 軸、5 ギア、6 ボルト、7 シールリング、8 ロックナット、9 ハウジング。
図1
【国際調査報告】