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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-09
(54)【発明の名称】レンズ、車両ランプ、対応する車両
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/82 20170101AFI20221101BHJP
   H01H 36/00 20060101ALI20221101BHJP
   B60Q 3/44 20170101ALI20221101BHJP
【FI】
B60Q3/82
H01H36/00 J
B60Q3/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514621
(86)(22)【出願日】2020-09-01
(85)【翻訳文提出日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2020112768
(87)【国際公開番号】W WO2021043119
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】201910826734.8
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522083145
【氏名又は名称】ヴァレオ、イチコウ、(チャイナ)、オート、ライティング、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VALEO ICHIKOH (CHINA) AUTO LIGHTING CO. LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェンチン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、チャンチー
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ウェイファン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シアオリン
【テーマコード(参考)】
3K040
5G046
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040DA02
3K040DA03
3K040FB03
3K040GA04
3K040GB01
5G046AA11
5G046AB02
5G046AC23
5G046AD02
5G046AD05
5G046AE05
(57)【要約】
レンズ(P1)、車両ランプおよび対応する車両であって、レンズ(P1)は、タッチ領域(110)を含むレンズ部分(100)と、フランジ部分(210)を含むアンテナ部分(200)と、を備え、アンテナ部分(200)は、導電性であり、少なくとも一部がタッチ領域(110)と対向する。アンテナ部(200)を備えるレンズ(P1)のタッチ領域(110)がタッチされると、アンテナ部(200)により形成されたキャパシタの静電容量が変化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 光ビームを透過させるためのレンズ部(100)であって、タッチ領域(110)を含むレンズ部(100)と、
- 導電性を有し、少なくとも部分的にタッチ領域(110)に対向するアンテナ部(200)と、
を備えたことを特徴とするレンズ(P1)。
【請求項2】
前記アンテナ部(200)は、環状構造体(230)を備え、前記環状構造体(230)の中央貫通孔(240)は、前記レンズ部(100)に向かって光ビームを通すように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のレンズ(P1)。
【請求項3】
前記アンテナ部(200)は、フランジ部(210)をさらに備え、前記フランジ部(210)は、前記中央貫通孔(240)の周りに形成され、かつ、前記環状構造体の表面(230)から前記レンズ部(100)から離れた側に向かって延びていることを特徴とする、請求項2に記載のレンズ(P1)。
【請求項4】
前記フランジ部(210)は、前記中央貫通孔を囲む連続的な壁状構造又は断続的な壁状構造であることを特徴とする、請求項3記載のレンズ(P1)。
【請求項5】
前記環状構造体(230)は、アーク形状の表面を有することを特徴とする、請求項2に記載のレンズレンズ(P1)。
【請求項6】
前記アンテナ部(200)および前記レンズ部(100)は、オーバーモールド加工により一体に形成されていることを特徴とする、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のレンズ(P1)。
【請求項7】
前記アンテナ部(200)は、前記環状構造体(230)上に配置された複数の開口部(220)をさらに備えていることを特徴とする、請求項6に記載のレンズ(P1)。
【請求項8】
前記複数の開口部(220)は、小孔及び/又は溝を含むことを特徴とする、請求項7に記載のレンズ(P1)。
【請求項9】
請求項1から8のうちのいずれか一項に記載のレンズ(P1)を備えた車両ランプであって、前記車両ランプは、検知部(300)と、制御部と、光源(510)をさらに備え、
前記検知部(300)は、前記アンテナ部(200)と前記制御部との間に電気的接続を提供するように構成され、
前記制御部は、前記アンテナ部(200)により形成されたキャパシタの容量値の変化を感知し、その変化に応じて前記光源(510)のオン/オフを制御するように構成されている
ことを特徴とする車両ランプ。
【請求項10】
前記タッチ領域(110)がタッチされると、前記アンテナ部(200)により形成されたキャパシタの容量値に変化が生じることを特徴とする、請求項9に記載の車両ランプ。
【請求項11】
前記感知部(300)は、
- 伸縮性のあるリード。
- コイルスプリング
のいずれかの構造を有することを特徴とする、請求項9に記載の車両ランプ。
【請求項12】
前記車両ランプは、車内読書灯であることを特徴とする,請求項9から11のうちのいずれか一項に記載の車両ランプ。
【請求項13】
請求項9から12のうちのいずれか一項に記載の車両ランプを備えることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学の技術分野に関し、特に、レンズ、車両ランプおよび対応する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の車載用ランプの多くは、制御・操作に機械式スイッチを必要とする。しかし、デザインの多様性や省スペースの要求から、メカニカルスイッチの廃止が必要な場合がしばしばある。
【発明の概要】
【0003】
以上のことから、本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、車両ランプのタッチ制御操作を可能とすることである。
【0004】
本発明の一態様によれば、レンズが提供され、前記レンズが、
- 光ビームを透過させるためのレンズ部であって、タッチ領域を含むレンズ部と、
- 導電性を有し、少なくとも一部が前記タッチ領域と対向するアンテナ部と、
を備えたことを特徴とする。
【0005】
本発明の一実施形態によれば、タッチ領域がタッチされると、アンテナ部によって形成されるキャパシタの容量値に変化が生じる。
【0006】
いくつかの実施形態では、アンテナ部は環状構造体を備え、環状構造体の中央貫通孔がレンズ部に向かって光ビームを通すように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、アンテナ部は、フランジ部をさらに備え、フランジ部は、中央貫通孔の周りに形成され、かつ、環状構造体の表面からレンズ部から離れた側に向かって延在する。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、フランジ部は、タッチ領域の中央貫通孔に対向する部分のタッチ感度を高めることができ、タッチ領域全体にわたってタッチ感度がより一貫するようにすることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、フランジ部は、中央の貫通孔を囲む連続的な壁状構造または断続的な壁状構造である。
【0010】
いくつかの実施形態では、環状構造体は、アーク(円弧)形状の表面を有する。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、アーク形状の表面を有する環状構造体とレンズ部との距離を一定にすることができるので、環状構造体に対向するタッチ領域の感度を一定にすることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、アンテナ部とレンズ部は、オーバーモールドプロセスによって一体的に形成されている。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、オーバーモールドの使用により、タッチ/センシング用のワンピース(一体型)部材を形成することができるので、アンテナ部をレンズ部に取り付ける取付構造および取付工程を不要にするとともに、アンテナ部とレンズ部との間の空隙を回避し、タッチ感度および信頼性を向上させることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、アンテナ部は、環状構造体に配置された複数の開口部をさらに備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数の開口部は、小孔および/または溝を含む。
【0016】
本願の別の態様は、上記されたような任意のレンズを備え、検知部、制御部、および光源をさらに備える、車両ランプをさらに提供するものであり、
前記検出部は、前記アンテナ部と前記制御部との間に電気的接続を提供するように構成され
前記制御部は、前記アンテナ部により形成されたコンデンサの容量値の変化を感知し、その変化に応じて前記光源のオン/オフを制御するように構成されている。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、車両ランプのレンズ部を利用してスイッチング制御を実現することができるので、省スペース化が図れ、車両ランプがよりコンパクトになり、より多様なデザインに適応することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、タッチ領域がタッチされたときに、アンテナ部によって形成されたキャパシタの容量値に変化が生じる。
【0019】
いくつかの実施形態において、感知部は、以下の構造のいずれであってもよい。
- 伸縮性のあるリード
- コイルスプリング
【0020】
いくつかの実施形態では、車両ランプは、車内読書灯である。
【0021】
本発明の別の態様は、さらに、上記されたような任意の車両ランプを備える、車両を提供する。
【0022】
本願の他の特徴、目的および利点は、以下の添付図面を参照する非限定的な実施形態の詳細な説明を熟読することによって、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る車両ランプの模式的立体図である。
図2】本発明の一実施形態に係る車両ランプの分解概略図である。
図3図1の車両ランプを軸線A-Aに沿う断面を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態に係るアンテナ部品200の概略構造図である。
図5図2のレンズP1ランプの軸線B-Bに沿う断面を示す概略図である。
【符号の説明】
【0024】
P1 レンズ
100 レンズ部
110 タッチ領域
120 支持部
200 アンテナ部
210 フランジ部
220 開口部
230 環状構造体
240 中央貫通穴
300 感知部
400 内側レンズ
500 PCBA
510 光源
600 ハウジング
700 クロムメッキ部材
800 光遮断板
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。本願の好ましい実施形態が図面に示されているが、本願は様々な形態で実現することができ、ここで説明する実施形態によって制限されるべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本願がより徹底的かつ完全なものとなり、当業者に本願の範囲を十分に伝えるように提供されるものである。
【0026】
本願の実施形態によれば、レンズと、当該レンズに対応する車両ランプと、車両とが開示される。
【0027】
本実施形態による車両ランプ:図1図5を参照すると、本願による車両ランプは、レンズP1と、感知部300と、制御部(図示せず)と、光源510とを備えている。
【0028】
レンズP1は、レンズ部100とアンテナ部200とを含む。レンズ部100は、光ビームを透過するように構成され、タッチ領域110を含む。アンテナ部200は、導電性を有し、少なくとも一部がタッチ領域110と対向している。ユーザがタッチ領域110にタッチすると、これにより、アンテナ部200により形成されるキャパシタの容量値が変化する。感知部300は、アンテナ部200と制御部との間に電気的接続を提供するように構成されている。制御部は、アンテナ部200により形成されるキャパシタの容量値の変化を感知し、この変化に応じて光源520のオン/オフ切替を制御するように構成されている。
【0029】
一実施例では、レンズ部100は、例えば、透明ガラス、樹脂またはプラスチック材料(例えば透明なPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等)の光透過性材料で作製することができるが、これらには限定されない。さらに、図2に示すように、レンズ部100は、タッチ領域110と一体となった支持部120を備えていてもよい。
【0030】
一実施例では、アンテナ部200は、金属部材であってもよいし、非金属部材(例えば、電気メッキ層、導電性インク層などに限定されない導電性層で覆われていてもよい)であってもよい。
【0031】
一実施例では、図4に示すように、アンテナ部200は環状構造体230を備えていてもよく、環状構造体230の中央貫通孔240は、レンズ部100に向けて光ビームを通すように構成されていてもよい。好ましくは、環状構造体230は、板状構造体とすることができる。
【0032】
さらに、図5に示すように、環状構造体230は、レンズ部100に適合したアーク形(円弧形状)の表面を有していてもよく、このようにすれば、環状構造体230とレンズ部100との間の距離を一定に保つことができるので、環状構造体230に対向するタッチ領域110の感度を一定に保つことができる。
【0033】
一実施例では、アンテナ部200は、フランジ部210をさらに備えてもよく、フランジ部210は、環状構造体230の中央貫通孔240の周りに形成され、環状構造体230の表面からレンズ部100から離れた側に向かって延びている。
【0034】
例えば、図4及び図5に示すように、フランジ部210は、中央貫通孔240を囲む連続的な壁状構造であるが、理解され得るように、フランジ部210は、中央貫通孔240を囲む断続的な壁状構造であってもよい。中央貫通孔240の存在により、タッチ領域110のうち中央貫通孔に対向する部分のタッチ感度は相対的に低くなる。しかし、フランジ部210は、タッチ領域110の中央部に対向するアンテナ部200の面積を増加させ、それによってこの部分のタッチ感度を増加させ、タッチ領域110全体にわたってタッチ感度がより一貫するようにすることができる。
【0035】
また、フランジ部210と環状構造体230は、ワンピース(一体型)部材であってもよい。
【0036】
一実施形態において、レンズ部100及びアンテナ部200はワンピース(一体型)部材であってもよく、当該ワンピース部材は、オーバーモールドプロセスによって形成することができるが、これには限定されない。この場合、図4に示すように、アンテナ部品200は、射出成形時にレンズ部品100をアンテナ部品200に固定するために、環状構造体230上に配置された複数の開口部220をさらに含む。図4に示すように、複数の開口部220は、(複数の)小孔の形態をとってもよいが、(複数の)溝の形態をとってもよく、(複数の)小孔と(複数の)溝の両方の形態をとってもよい。好ましくは、複数の開口部は、フランジ部210上に均一に分布している。
【0037】
オーバーモールドの使用により、タッチ/センシング用の一体型部材の形成が可能となり、アンテナ部をレンズ部に取り付ける取付構造および取付工程が不要になるとともに、アンテナ部とレンズ部の間に空隙が生じないため、タッチ感度および信頼性を向上させることができる。
【0038】
一実施例では、感知部300は、電流信号を伝達することができる任意の弾性構造であってよく、例えば、弾性リード、コイルバネなどであるが、これらには限定されない。
【0039】
一実施例では、車両ランプは、PCBA(printed circuit board assembly(プリント基板アセンブリ))500をさらに備え、制御部及び光源510はいずれもPCBA500上に配置される。
【0040】
さらに、制御部は、所定の制御ロジックに従って、光源510のオン/オフの切り替えを制御してもよく、例えば、以下のように制御してもよいが、これに限定されない。ユーザがタッチ領域110に1回目にタッチすると、制御部はアンテナ部200が形成するキャパシタの容量値の変化を感知して光源510を点灯させ、ユーザがタッチ領域110に2回目にタッチすると、制御部は光源510を消灯させる。あるいは、例えば、ユーザがタッチ領域110に1回目にタッチすると制御部が光源510の第1の設定をオンし、ユーザがタッチ領域110に2回目にタッチすると制御部が光源510の第2の設定をオンし、ユーザがタッチ領域110に3回目にタッチすると制御部が光源510の第3の設定をオンし、ユーザがタッチ領域110に4回目にタッチすると制御部510が光源510をオフさせる。
【0041】
一実施例では、図1に示すように、車両ランプは、遮光板800と、クロムメッキされた部材700と、ハウジング600とをさらに含んでいてもよい。車両ランプに対応する光学的要求に応じて、車両ランプは、内側レンズ400を含んでいてもよく、感知部300は、内側レンズ400を通過してPCB500に接続されてもよい。
【0042】
なお、レンズP1は、上述した車両ランプへの適用に限定されず、他の適切な照明装置や信号表示装置に適用することも可能であることを説明しなければならない。
【0043】
本発明は、アンテナ部を有するレンズであって、タッチ領域がタッチされると、アンテナ部によって形成されるキャパシタの容量値が変化するレンズを提供し、また、このレンズを用いて実現されるタッチ制御式車両ランプであって、構造的によりコンパクトで、より多様な設計要求に適応し、タッチ領域におけるタッチ感度がより安定しているものを提供するという利点を有するものである。
【0044】
本発明は、上述した例示的な実施形態の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で実施できることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、どのような観点でとられるかにかかわらず、実施形態は、例示的かつ非限定的であるとみなされるべきである。本願の範囲は、上記の説明ではなく、添付の請求項によって定義され、したがって、請求項の同等の主要要素の意味および範囲内に入るすべての変更が本願に含まれることが意図される。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、当該特許請求の範囲を限定するものと見なしてはならない。
【0045】
また、「comprises(備える、含む)」という単語が他のユニットやステップを排除しないこと、単数形が複数形を排除しないことは自明である。また、システムクレームに示される複数のユニットまたは装置は、ソフトウェアまたはハードウェアによって1つのユニットまたは装置によって実現されることもある。第1、第2などの語は、名称を示すために使用され、特定の順序を示すものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】