(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-09
(54)【発明の名称】監視装置を備えた車両車輪および車両車輪用監視装置
(51)【国際特許分類】
G01L 1/00 20060101AFI20221101BHJP
G01L 1/18 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
G01L1/00 D
G01L1/18 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515041
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 IB2020058383
(87)【国際公開番号】W WO2021048761
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】202019104976.6
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515210455
【氏名又は名称】マキシオン ホイールズ ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バナー,ジョン イバン
(72)【発明者】
【氏名】ダニング,ラルフ
(57)【要約】
本発明は、監視装置を有する車両車輪に関し、監視装置10は、車両車輪のリム部分2に回転可能に配置されたハウジング11と、ハウジング11内に配置され、ハウジング内に配置されていて、車両車輪に作用する力を検出するための歪みゲージを有する荷重検出装置に結合された電子回路20とを備える。異なる車両車輪に設置するのが容易であり、車両車輪に発生する荷重力を確実に決定することができる監視装置を生成するために、ハウジング11は、互いに離隔配置され、荷重検出装置の構成要素として、両方の締結ゾーンに結合された少なくとも1つの曲げ支柱を介して互いに結合された2つの締結ゾーン12、13を有し、少なくとも1対の歪みゲージは、荷重力によって引き起こされる曲げ支柱の曲げを検出するために締結ゾーン間の曲げ支柱上に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両車輪のリム部分(2)と共に回転可能に配置されたハウジング(11)と、該ハウジング(11)内に配置され、該ハウジング内に配置されていて、該車両車輪に作用する力を検出するための歪みゲージ(21)を有する荷重検出装置に結合された電子回路(20)と、該荷重検出装置によって検出された荷重データを該車両車輪の外部にある構成要素に送信するために該電子回路に結合された送受信機とを備える監視装置(10)を備える車両車輪であって、
該ハウジング(11;211;311,411)が、互いに離隔配置され該荷重検出装置の構成要素として、両方の締結ゾーンに結合された少なくとも1つの曲げ支柱(47A,47B;247;347;470)を介して互いに結合された2つの締結ゾーン(12,13;212,213;312,313;412,413)を有し、少なくとも1対の歪みゲージ(21;221;321;421)が、荷重力によって引き起こされる該曲げ支柱の変形を検出するために該締結ゾーン間の該曲げ支柱上に配置されることを特徴とする、車両車輪。
【請求項2】
下面(31)が前記リム部分の曲率に適合されているワンピースまたはマルチピースのアダプタプレート(30)が、前記リム部分(2)の半径方向外周面に締結、特に接着され、前記離隔配置された締結ゾーンを有する前記監視装置の前記ハウジングが、取り外し可能なねじ結合部(15)またはピン結合部によって、該アダプタプレートの下面(31)から離れて形成された該アダプタプレートのカバー面(32)に締結され、好ましくは、該ワンピースのアダプタプレートには、前記リム部分の周方向に互いにオフセットして配置されたねじ結合用のねじ穴(33)が設けられているか、または各々がねじ結合用のねじ穴を有する2つのアダプタプレートが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の車両車輪。
【請求項3】
前記アダプタプレート(30)が前記カバー面で平坦であること、および/または前記アダプタプレートが凹部または陥凹部を有することを特徴とする、請求項2に記載の車両車輪。
【請求項4】
タップ穴またはアンカーピンまたはアンカーナット(433)が、周方向に互いに離隔配置された前記リム部分の前記半径方向外周面上に形成されるか、または前記リム部分の前記半径方向外周面に固定され、前記タップ穴またはアンカーピンまたはアンカーナット(433)上で、前記監視装置の前記ハウジングが前記離隔配置された締結ゾーンと締結され、または締結可能であり、好ましくは1対の穴、アンカーピンまたはアンカーナットが、ホイール軸に垂直な円周線上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の車両車輪。
【請求項5】
前記車両車輪のリム部分のドロップベッド上に回転可能に締結可能なハウジング(11;211;311)と、該ハウジング内に配置されていて、該車両車輪に作用する力を検出するための歪みゲージ(21;221)を有する電子回路(20;120)と、前記荷重検出装置によって検出可能な前記荷重データを該車両車輪の外部にある構成要素に送信するために該電子回路に結合された送受信機とを備える、該車両車輪用の監視装置であって、
前記ハウジング(11;211;311;411)が、互いに離隔配置され、前記荷重力検出装置の構成要素としての両方の締結ゾーンに結合された少なくとも1つの曲げ支柱(47 A,47 B;247;347;470)を介して互いに結合された2つの締結ゾーン(12,13;212,213;312,313;412,413)を有し、少なくとも1対の歪みゲージ(21;221;321;421)が、荷重力によって引き起こされる該曲げ支柱の変形を検出するために前記締結ゾーンの間で該曲げ支柱に締結されていることを特徴とする、監視装置。
【請求項6】
各締結ゾーン(12,13;212,213;312,313)が、ピンまたは、ねじ結合部のための少なくとも1つの貫通孔(16,17;216,217;316,317)を有し、好ましくは、各締結ゾーン(12,13;212,213;312,313)が、ピンまたは、ねじ結合部のための正確に1つの貫通孔(16,17;216,217;316,317)を有し、該2つの貫通孔(16,17;216,217;316,317)が、1つまたは複数の前記曲げ支柱に対して対称的に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両車輪または請求項5に記載の監視装置。
【請求項7】
前記ハウジング(11)が、前記電子回路(20)を封入して受け入れるためのハウジング壁(42,43,46)によって覆われるキャビティを有し、前記少なくとも1つの曲げ支柱(47A,47B;247;347)が、該キャビティ内部に配置され、または前記少なくとも1つの曲げ支柱が、該キャビティを境界付けることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項8】
単一の曲げ支柱(247;347)が、前記締結ゾーンおよび/または前記締結孔の中心の間に配置され、該支柱は、前記締結孔間の仮想結合線に対してそれぞれ対称的に位置し、好ましくは、該曲げ支柱には1対の歪みゲージのみが割り当てられることを特徴とする、請求項7に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項9】
前記曲げ支柱(347)が、前記締結ゾーンの間、および/または前記締結孔の中心の間に2つのアームを部分的に備えて形成され、好ましくは、ただ1つの歪みゲージ(321)が、前記曲げ支柱の各アームに関連付けられることを特徴とする、請求項7または8に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数の曲げ支柱は、好ましくは、特に前記支柱端部の円筒状に広がったヘッド(260;360)を介して前記締結ゾーンに着脱可能に結合され、該ヘッドは、前記曲げ支柱の延伸方向に対して横方向に前記締結ゾーン(212,213;312,313)で、関連する円筒状レセプタクル(261);361))内に挿入され、および/または前記歪みゲージ(221)が、前記曲げ支柱上に一体的に形成された曲げヒンジに隣接するか、または一体的に形成された曲げヒンジ(348)に対向して位置する前記曲げ支柱の部分に配置されることを特徴とする、請求項8または9に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項11】
前記曲げ支柱が、前記締結ゾーン(12;112)のうちの1つに隣接して設計され、各横方向支柱が前記2つの締結ゾーン(12,13)の間のオフセットの方向に対して直角に延在する1対の横方向支柱(47A,47B;147A,147B)として設計され、1対の歪みゲージの歪みゲージ(21)が、好ましくは各横方向支柱に割り当てられることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項12】
前記ハウジングに一体的に形成されたそれぞれの曲げヒンジ(48A,48B;148)が、前記横方向支柱(47A,47B)と前記締結ゾーン(12)との間に設けられ、前記歪みゲージ(21)は、好ましくは、各場合において、前記関連する曲げヒンジの近くで前記関連する曲げ支柱に締結されることを特徴とする、請求項11に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項13】
前記1対の横方向支柱に隣接して配置された前記締結ゾーン(12)が単一の貫通孔(16)を有し、前記1対の横方向支柱の前記横方向支柱の端部(50)が、壁ウェブ(42)を介して前記他方の締結ゾーン(41)に結合されていることを特徴とする、請求項11または12に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項14】
前記横方向支柱対に隣接して配置された前記締結ゾーン(12)が、前記曲げヒンジ(48A,48B)に対して対称的に先細になる取り付け座(40)として設計されていることを特徴とする、請求項13に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項15】
結合壁(151)が、前記取り付け座(141)と前記横方向支柱(147A,147B)の前記外側端部(150)との間に形成され、該結合壁(151)は、前記横方向支柱(147A,147B)の前記最大壁厚よりも少なくとも30%薄く、および/または少なくとも1つの折り目または丸み(152)が設けられた壁厚を有することを特徴とする、請求項14に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項16】
前記曲げ支柱が、変形増幅器として設計され、好ましくは、前記曲げ支柱が、前記車輪に作用する前記荷重力によって引き起こされる前記曲げ支柱の変形を増幅するための曲げヒンジまたは可撓性ヒンジを備えることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項17】
前記曲げ支柱(470)が、横方向結合アーム(481)および長手方向屈曲アーム(482)を有する矩形曲げフレーム(480)を部分的に備え、該横方向結合アーム(481)が、前記2つの締結ゾーン(412,413)間のオフセット方向に対して直角に延在し、1対の歪みゲージの歪みゲージ(421)が、好ましくは前記長手方向屈曲アーム(482)の各々に割り当てられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両車輪または請求項1、5または6のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項18】
前記矩形曲げフレームを有する前記曲げ支柱(470)が、好ましくは、一端が前記結合アーム(481)に固定され、他端に前記締結ゾーン(412,413)のレセプタクル(461)内に挿入可能なピンヘッド部分(460)を備える結合部分によって、前記締結ゾーン(412,413)に着脱可能に結合されることを特徴とする、請求項17に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項19】
各結合部分(487)が、三角形状の基部(487)および三角形状の先端部(486)を有する三角形状に形成され、前記ピンヘッド部分(460)が該三角形状の基部に形成され、該三角形状の先端部(486)が前記結合アーム(481)に結合され、好ましくは曲げヒンジ(448A,448B,448C)が該三角形状の先端部(486)に隣接する前記結合アーム(481)に一体的に形成されることを特徴とする、請求項18に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項20】
自動調心、好ましくは、前記支柱端部のピンヘッド部分(460)と前記締結ゾーン(412,413)のレセプタクル(461)との間の3点結合であり、好ましくは、前記曲げフレーム(480)、前記ピンヘッド部分(460)、前記レセプタクル(461)、および前記結合部分(485)が、車輪軸に垂直に延びる円周線に対して対称的に配置されることを特徴とする、請求項18または19に記載の車両車輪または監視装置。
【請求項21】
前記監視装置(410)の前記ハウジング(411)が、前記締結ゾーン(412,413)を備える主要区分(411A)と、少なくとも1つの側部区分(411B)とを有する少なくとも2つ、好ましくは3つの区分(411A,411B,411C)を備え、前記曲げ支柱(470)が該主要区分(411A)に配置され、前記電子回路(420)および/またはエネルギーセルが前記少なくとも1つの側部区分(411B)に配置されることを特徴とする、請求項1から6または17から20のいずれか一項に記載の車両車輪、または請求項1、5、6または17から20のいずれか一項に記載の監視装置。
【請求項22】
前記荷重検出装置に加えて、前記監視装置が、さらなる動作データを検出するための加速度計センサおよび/または温度センサおよび/または角度センサおよび/または圧力センサを有し、および/または前記監視装置が、前記エネルギーセルのためのエネルギーを生成するための充電式エネルギーセルおよび圧電素子を備えることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の車両車輪または監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置を有する車両車輪に関し、監視装置は、車両車輪のリム部分に回転可能に配置されたハウジングと、ハウジング内に配置され、ハウジング内に配置されていて、車両車輪に作用する力を感知するための歪みゲージを有する荷重感知装置に結合された電子回路と、荷重感知装置によって感知された荷重データを車両車輪の外側の構成要素に送信するために電子回路に結合された送受信機とを備える。
【背景技術】
【0002】
特に、重量物運搬車および通常の重量物運搬車は、特定の経路で重量制限を受ける。車両内の荷重積載量を決定するために、重量センサが、車両のシャーシと車両の積載領域との間に車両の固定フレームに恒久的に設置され得る。これらの対応する荷重センサは、トラックの積載領域上の重量を限定的に記録するためのものである。これらのセンサは、他の車両状態についての他のデータを提供せず、他の状態を検出するようには設計されておらず、質量分布、温度、タイヤ圧力、車輪キャンバなどの他の状態を検出するようにも設計されていない。そのような荷重条件および他の記録された動作条件は、車両システムが運転中にどのように反応するかに影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
特許文献1から、荷重感知装置を備えた監視装置が、センサがタイヤの圧力荷重された内部の環境の影響から保護されて配置されるように、車両車輪のリム部分の外周に取り付けられることが知られている。荷重感知装置は、車両車輪の回転によって発生した力を正弦波信号として決定し、記録された最大値から車輪荷重を決定することによって、静的および動的条件下の両方で車両車輪に作用する衝撃荷重を決定するように設計された歪みゲージを有するものである。必要に応じて、車両接触領域に対する監視装置の回転位置を含む静的荷重を記録して、異なる荷重下で歪みゲージ測定信号を以前に記録された測定データと相関させることによって荷重を決定することもできる。既知の解決策では、監視装置のハウジングは、好ましくは接着によってリム深底に固定され、深底の曲率に従って湾曲する基部を有する。電子回路は好ましくは2つの回路基板に分割され、歪みゲージはケースの下部の平坦な上側に配置される。ハウジング内の全ての電子部品を保護するためにカバー部分が設けられている。車輪クランプ力、車輪荷重、車軸荷重、質量分布、周囲温度、車輪温度、およびタイヤ空気圧などの様々な車両状態を記録するために、追加のセンサがハウジング内に配置され、これらは好ましくは2つの回路基板に分割される。センサから得られる情報は、特にトラクション制御システム(TCS)、アンチロック制動システム(ABS)、電子ブレーキ力配分(EBD)、アンチロール安定器(AAR)、衝突防止制動システム(CMBS)、衝突緩和制動(CMB)、全輪駆動(AWD)、タイヤ空気圧制御システム(RDKS,TPMS)、タイヤ摩耗および損傷制御報告などの異なるシステムによって使用され得るが、これらに限定されない。監視装置にエネルギーを恒久的に供給するために、圧電素子およびエネルギー発生回路がハウジング内に設けられて、圧電素子の振動によって発生したエネルギーを電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーを貯蔵することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許第11 2016 004 151 T 5号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、設置が容易であり、異なる車輪と共に使用することができ、車両重量、運転操作、および荷重に起因して車輪に発生する荷重力を少ない測定労力で確実に決定することができる、車両車輪および車輪用の監視装置を生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題を解決するために、本発明は、監視装置のハウジングが、リム部分の周方向に互いに間隔を置いて配置された2つの締結ゾーンを有し、これらの締結ゾーンは、両方の締結ゾーンに結合された少なくとも1つの曲げ支柱によって荷重感知装置の部分として互いに結合され、少なくとも1対の歪みゲージが、締結ゾーン間の曲げ支柱に配置されて、ホイールに作用する任意の種類の力によって生じる曲げ支柱の変形を感知することを提案し、その力は一般的に荷重力(または歪み力)と呼ばれる。
【0007】
本発明では、車両の重量、運転操作、および荷重によって車両の各車輪に加えられる荷重力が、一定の所定の距離を有する監視装置の2つの固定ゾーン間で、荷重力によって引き起こされるリムの好ましくは金属製の部分の変形によって間接的に決定される。締結ゾーンの間には、少なくとも1対の歪みゲージが割り当てられる少なくとも1つの曲げ支柱が配置される。歪みゲージによるリムの変形に起因する曲げ支柱におけるリムの変形によって決定されたデータは、荷重力を決定するために使用される。離隔配置された締結ゾーン間のリム部分の変形は、締結ゾーン間の曲げ支柱の対応する変形を引き起こし、これは歪みゲージによって検出され得る。検出される変形は、いくつかの場合において曲げであり得るが、変形される曲げ支柱のねじれ、内圧もしくは張力、またはそれらの任意の混合であり得る。
【0008】
特に有利な設計によれば、その下面がリム部分の曲率に適合されているワンピース(一体成形)アダプタプレートまたはマルチピース(複数の部材からなる)アダプタ装置は、リム部分の半径方向外面に締結、特に接着され、特に有利な設計であり、互いに離隔配置された締結ゾーンを有する監視装置のハウジングは、着脱可能なねじ結合部またはピン結合部によって、アダプタプレートの基部面から離れて形成されたアダプタプレートのカバー面に締結される。監視装置のハウジングとリム部分の表面との間にワンピースアダプタプレートまたはマルチピースアダプタ装置を介在させることによって、好ましくは平坦な下面またはハウジング下面を有する同一の監視装置を、異なって湾曲したリム部分に固定することができる。同時に、アダプタプレートと監視装置のハウジングとの間のピン結合部または、ねじ結合部を提供することができるため、既に使用されているホイールリム製造プロセスを変更する必要なく、監視装置を容易に交換することができる。ワンピース(一体成形)であってもよいアダプタプレートに、リム部分の周方向に互いにオフセットされたねじ結合部のためのねじ穴が設けられる場合、特に有利である。マルチピース(複数の部材からなる)アダプタ装置では、各アダプタ要素はねじ穴を有することができ、アダプタ要素は、ねじ穴が適切な間隔を有するように配置される。次いで、監視装置のハウジングは、キャップねじによってアダプタプレートまたはアダプタ装置に比較的容易に締結されることができ、それによってねじは締結ゾーンの貫通孔を通って締結ゾーンに到達し、それによって、画定された締結ゾーンを形成し、締結ゾーンの間に、リム部分の変形が曲げ支柱および歪みゲージによって決定される。
【0009】
有利な設計によれば、アダプタプレートはカバー面で平坦であり、および/またはアダプタプレートは軽量化のために凹部または陥凹部を有する。アダプタプレートはまた、湾曲した上面を有することができ、次いで監視装置のハウジングは、アダプタプレートの上面の形状に適合される。アダプタプレートの凹部または陥凹部によって、アダプタプレートによって車両車輪に導入される追加の重量を低減することができる。いくつかのアダプタ要素が使用される場合、これらは対応して小さくなるように設計され得る。
【0010】
代替的な設計によれば、リム部分の半径方向外面は、監視装置のハウジングが取り付けられる、または離隔配置された締結ゾーンによって取り付けられ得る周方向に離隔配置されたタップ穴またはアンカーピンを有することができる。また、周方向に互いに離隔配置されたアンカーナットをリム部分の径方向外周面に固定することができるので、その結果、監視装置をリム部分に容易に締結することができる。好ましくは、1対のタップ穴、アンカーピンまたはアンカーナットは、ホイール軸に垂直な円周線上に配置される。アンカーピンまたはナットの固定は、溶接、接着、または任意の他の適切な接合技術によって達成され得る。タップ穴、アンカーピン、またはアンカーナットは、穴軸またはピン軸が再びホイール軸に垂直になるように固定されて形成されるべきである。
【0011】
車輪のリム部分の深底上に回転可能に取り付けられ得るハウジングと、ハウジング内に配置され、ハウジング内に配置されていて、車両車輪に作用する力を検出するための歪みゲージを有する荷重検出装置に結合された電子回路と、荷重検出装置によって検出された荷重データを車両車輪の外部にある構成要素に送信するために電子回路に結合された送受信機とを備える車両車輪のための新規な監視装置であって、荷重データが車両車輪の外部にある構成要素に送信され、ハウジングが、互いに離隔配置され、かつ荷重感知装置の構成要素として両方の締結ゾーンに結合された少なくとも1つの曲げ支柱を介して互いに結合された2つの締結ゾーンを有し、少なくとも1対の歪みゲージが、荷重力によって引き起こされる曲げ支柱の変形を感知するために締結ゾーン間の曲げ支柱上に配置されることを特徴とする。
【0012】
監視装置の設置の容易さは、各締結ゾーンがピンまたは、ねじ結合部のための少なくとも1つの貫通孔を有する場合に特に有利である。原則として、各締結ゾーンは、好ましくは曲げ支柱に対して対称的に配置されるいくつかの貫通孔を有することができる。特に、各締結ゾーンがピンまたは、ねじ結合部のための正確に1つの貫通孔を有する場合に有利であり、2つの貫通孔は、曲げ支柱または複数の曲げ支柱に対して対称的に配置され、さらに、組み立てられた状態で、それらが車両車輪の車輪軸に直交する共通の円周線上にあるように車輪上に配置される。
【0013】
ハウジングは、電子回路を封入するためのハウジング壁によって覆われるキャビティを有することが好都合であり、少なくとも1つの曲げ支柱は、キャビティ内に配置されるか、またはキャビティを境界付ける。設計によれば、単一の曲げ支柱が、固定ゾーンの間、および/または固定孔の中心の間に配置されてもよく、固定孔またはその中心の間の仮想結合線に対して対称的に配置されることができ、曲げ支柱は、好ましくは1対の歪みゲージのみに関連付けられる。
【0014】
代替的な設計によれば、曲げ支柱は、締結ゾーンの間、および/または締結孔の中心の間で部分的に2アームであることができ、それによって、好ましくは1つの歪みゲージのみが曲げ支柱の各アームに割り当てられる。
【0015】
上記の設計の両方において、可撓性支柱/可撓性支柱は、特に支柱端部の円筒状に広がったヘッドを介して締結ゾーンに着脱可能に結合されることができ、このヘッドは、可撓性支柱の延伸方向に対して横方向に締結ゾーン内の適切に設計された円筒状レセプタクルに挿入され、特に圧入または中間嵌めによってそこに固定される。
【0016】
曲げ支柱の可撓性、したがってノッチおよびノッチ付き幾何学的形状を介して歪みゲージによって検出可能な信号を高めるために、歪みゲージが、曲げ支柱に一体的に形成された曲げヒンジに隣接するか、または一体的に形成された曲げヒンジ、例えばノッチ付き曲げヒンジに対向する曲げ支柱の部分に配置される場合も特に有利である。曲げ支柱に可撓性ヒンジまたは曲げヒンジを有する可撓性機構を設けるか、または割り当てることによって、監視装置の測定精度が大幅に向上する。
【0017】
代替的な有利な設計によれば、曲げ支柱は、締結ゾーンの1つに隣接し、2つの締結ゾーン間の変位方向に直交して各クロス支柱が延在する1対のクロス支柱として形成されることができ、好ましくは各クロス支柱は、1対の歪みゲージの歪みゲージに関連付けられている。好ましくは、この構成では、ハウジングに一体的に形成された曲げヒンジが横方向支柱と締結ゾーンとの間に設けられ、好ましくは、歪みゲージは、それぞれの場合に関連する曲げヒンジの近くで関連する曲げ支柱に締結される。ここでも、リム部分の周方向の変形を荷重力の測定値として検出する監視装置の精密度および測定精度は、可撓性ヒンジまたは曲げヒンジによってもたらされる可撓性機構によって大幅に改善され、これは、可撓性ヒンジが変形、したがって信号出力を増幅するためである。
【0018】
1対のクロス支柱に隣接して配置された締結ゾーンが単一の貫通孔を有し、1対のクロス支柱のクロス支柱の端部が壁ウェブを介して他の締結ゾーンに結合されている場合、1対のクロス支柱を用いて設計する場合に特に有利である。1対のクロス支柱に隣接する締結ゾーンが、曲げヒンジに対して対称的に先細になった取り付け座として設計されている場合、特に有利である。この設計では、特に、固定座とクロス支柱対の対応するクロス支柱との間の結合領域に曲げヒンジが配置され得る。
【0019】
固定座は、曲げヒンジによってさらに先細にされた狭いウェブを介してクロス支柱内に統合することができるのみである。また、結合壁が固定座と横方向支柱の外側端部との間に形成され、結合壁が好ましくは横方向支柱の最大壁厚よりも少なくとも30%薄い壁厚を有し、および/または結合壁に少なくとも1つの折り目または丸みが設けられ、それにより、結合壁の存在にもかかわらず、歪みゲージによって横方向支柱上で検出可能な変形に対する結合壁の影響が低減されることも可能である。
【0020】
監視装置のための別の実施形態によれば、曲げ支柱は、部分的に、横方向結合アームおよび長手方向屈曲アームを有する矩形曲げフレームを備えることができ、またはそれからなることができ、横方向結合アームは、2つの締結ゾーン間のオフセットの方向に対して直角に延在する。好ましくは、歪みゲージは対で配置され、対の歪みゲージの各歪みゲージは、長手方向屈曲アームの各々に割り当てられるかまたは固定される。歪みゲージは、長手方向屈曲アームの内側または外側面にのみ配置することができ、または好ましくは、2対の歪みゲージがあり、各対の1つの歪みゲージが長手方向屈曲アームの内側に配置され、各対の1つの歪みゲージが長手方向屈曲アームの外側に配置される。
【0021】
矩形の曲げフレームを有する曲げ支柱が締結ゾーンに着脱可能に結合される場合、特に有利である。着脱可能な結合は、一端で横方向結合アームに固定され、他端で、曲げ支柱に面する対応する締結ゾーンのレセプタクル内に挿入可能なピンヘッド部分を備える結合部分を介して達成され得る。
【0022】
好ましい実施形態によれば、各結合部が、三角形状の基部および三角形状の先端部を有する三角形状に形成され、ピンヘッド部分が三角形状の基部に形成され、三角形状の先端部が結合アームに結合され、好ましくは曲げヒンジが三角形状の先端部に隣接する結合アームに一体的に形成される。
【0023】
着脱可能な結合が、自動調心によって、好ましくは支柱端部のヘッド部分と締結ゾーンのレセプタクルとの間の3点結合によって達成されることができ、好ましくは、曲げフレーム、ピンヘッド部分、レセプタクル、および結合部分が、ここでも車輪軸に垂直に延びる円周線に対して対称的に配置される。
【0024】
着脱可能な曲げ支柱と締結ゾーンのレセプタクルとの間の良好な干渉を有するために、ピンヘッド部分は、レセプタクルの内側半径または曲率よりもわずかに大きい外側半径または曲率を有し、またはピンヘッド部分の中心間の距離は、レセプタクルの中心間の距離よりも大きいことが好ましい。
【0025】
また、有利な一実施形態によれば、監視装置のハウジングは、締結ゾーンを備える主要区分および少なくとも1つの側部区分を構築する少なくとも2つ、好ましくは3つの区分を備えることができ、曲げ支柱は主要区分に配置され、電子回路および/またはエネルギーセルは少なくとも1つの側部区分に配置される。ハウジングは、曲げ支柱を有する主要区分が締結ゾーン間で延在するようにリム部分に固定されることができ、一方、側部区分は締結ゾーンの周方向にオフセットして配置される。複数の区分によって、ハウジングはより長くなるが、しかしより薄くなり、タイヤ取り付け中にタイヤとの衝突を低減する。
【0026】
最新の技術から既に知られているように、荷重感知装置に加えて、監視装置が、さらなる動作データを得るための加速度計センサおよび/または温度センサおよび/または角度センサおよび/または圧力センサを有し、および/または監視装置が、エネルギーセルが連続して動作できるために、エネルギーを生成するための充電式エネルギーセルおよび圧電素子を備えることができる。しかしながら、監視装置は、特にねじまたはピン結合で容易に交換することができるので、監視装置は、限られた耐用年数のバッテリを備え付けることもできる。
【0027】
本発明のさらなる利点および設計は、本発明による監視装置の構成のための図面に概略的に示される例の以下の説明から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】監視装置が取り付けられたリム部分を概略的に簡略化して示す車両車輪の縮尺通りではない平面図である。
【
図2】部分的にのみ示されているリム部分に取り付けられた監視装置の斜視図である。
【
図3】
図2によるリム部分に取り付けられた監視装置を通る縦断面図である。
【
図4】
図2による監視装置の構造的内部構造を概略的に簡略化して示す平面図である。
【
図5】
図4に示す設計例と同様であるが、代替形態として、監視装置の構造的内部構造を概略的に簡略化して示す図である。
【
図6】締結ゾーン間に直線的に延在する曲げ支柱を有する代替的な設計例による監視装置の構造的内部設計を概略的に簡略化して示す図である。
【
図7】
図6によるリム部分に取り付けられた監視装置を通る縦断面図である。
【
図8】締結ゾーン間に延在する部分的に2つのアーム付き曲げ支柱を有する別の代替的な設計例による監視装置の構造的内部設計を概略的に簡略化して示す図である。
【
図9】リム部分に取り付けられた代替的な実施形態による監視装置の斜視図である(部分的に示されている)。
【
図10】
図9によるリム部分に取り付けられた監視装置を通る縦断面図である。
【
図11】
図9および
図10による監視装置の荷重支柱の構造的内部設計を概略的に簡略化して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1では、乗用車または商用車用の車両車輪は、それ自体既知の方法でリム部分2を有する参照符号1と全体に示されており、リム部分2は、任意の構造または設計タイプであってもよく、図示されていない皿部と結合または形成され、それによってキー部分およびリム部分を備える車両車輪1を車両のハブに結合することができる。車両車輪は、別個に製造されたリム部品およびボウル部品から構成することができるが、単一の鋳造部品から構成することもできる。リム部分2は、図示されていないタイヤを支持するための2つのリム肩部3、4を有し、それらの間には、2つの深底側部6、7を有するリム深底5がある。
図1のリム部分2の可視表面は、車輪軸の周りで対称的であるその外周または側面を形成する。図示の設計例では、リム深底5の、深底の外周面上の領域において、全体として参照符号10で示された監視装置は、監視装置がその長い方の軸で周方向に延在するように、深底の周方向に互いに離隔配置された2つの締結ゾーンに取り付けられている。リム深底5の深底床、特に外側深底側面6の近く、すなわち車輪ハブとは反対側に監視装置10を取り付けることにより、監視装置10の好ましい取り付け位置が形成される。しかしながら、監視装置10をリム部分2の他の領域に取り付けることもできる。タイヤが取り付けられると、監視装置10は、タイヤの圧力荷重された内部に配置される。
【0030】
図2および
図3は、第1の実施形態による監視装置10を斜視図および断面図で示す。見て取ることができるように、ハウジング11がアダプタプレート30に固定され、アダプタプレート自体がリム深底5の表面に固定され、特に接着されるので、監視装置10は、直接ではなく間接的にのみリム深底5に結合されるハウジング11を有する。アダプタプレート30は、リム深底5の深底ベースの曲率に正確に適合され、したがって深底ベース5に対して平坦に位置するベース側面31を有する。アダプタプレート30は、図示の設計例では平坦であるカバー面32を有し、その結果、監視装置10自体のハウジング11は平坦な下面12を有することができる。アダプタプレート30を使用する利点は、異なるアダプタプレートを使用することにより、リム部分の異なる曲率半径に適合させることが可能であり、その結果、同じまたは各同一の監視装置を異なる寸法を有する他の車両車輪にも使用することができることである。
【0031】
監視装置10のハウジング11とその下に位置するアダプタプレート10との間の取り付けは、平坦ではなく、互いに周方向に接触する2つの締結ゾーン12、13上だけであり、図示される例示の設計では、各場合に、監視装置10のハウジング11がアダプタプレート30にねじ込まれる各締結ゾーン12、13についてキャップねじ15によって示される。したがって、アダプタプレート30は、2つのキャップねじ15の各々のためのねじ穴33を有し、それによって、2つのねじ穴33間の距離は、一方の締結ゾーン12の一方の貫通孔16と他方の締結ゾーン13の他方の貫通孔17との間の距離に適合される。
【0032】
図示の例では、スリーブ18が、2つの貫通孔16、17の各々に挿入され、キャップねじ15の胴部によって貫通される。2つのねじ穴33が周方向に平行であり、したがってホイール軸に直交する周方向線と整列するように、アダプタプレート30、したがって監視装置10もまた、リム深底上に配置される。
【0033】
外的変動、特に車両の重量および車両の荷重の結果として、リム部分内に導入される力は、周方向へのリム部分の変形をもたらし、ホイール接触面の領域が最大値になり、その荷重検出装置を有する監視装置10が、後述するセンサシステムによって各車両車輪に実際に作用する荷重力を決定するために、これらの変形を検出するように設計されている。車両の移動中、一定の運動で車両車輪と共に回転する監視装置10は、回転毎に車輪接触面に対向する位置に到達し、この位置では、回転毎に変形の最大値を検出することができる。各締結ゾーン12、13において、締結ゾーン12、13を下方のアダプタプレートに固定するためにただ1つのねじ結合部が使用され、両方のねじ結合部が車両車輪の回転方向に互いに接触している場合、変形は、適切なセンサシステムを用いて本質的に横力なしで検出され得る。このために、アダプタプレート30がリム深底5に対して平坦に位置する必要もなく、その理由は、アダプタプレートが、周方向または下方に互いにオフセットされ、かつねじ穴に隣接する2つの締結ゾーンの領域に限定的にリム部分の外周面と接触している場合に、やはり変形を検出するのに十分であるからである。アダプタプレートの中間領域に凹部または陥凹部を設けることができ、これはアダプタプレートによって引き起こされる追加の重量を最小限に抑えるのに有利である。あるいは、ワンピースアダプタプレートの代わりに、いくつかのアダプタ要素を有するアダプタ装置が使用される。
【0034】
重量および荷重力によって引き起こされるリム部分の変形を検出し、それを車両電子機器または車載コンピュータなどの外部構成要素に送信するために、プリント回路基板の上方の
図3に象徴的にのみ示されている電子回路20が、監視装置10のハウジング11の内部に配置され、この電子回路は、少なくとも1対の歪みゲージ21に結合された荷重検出装置と、詳細には示されていない送受信機とに結合され、この送受信機を介して、荷重検出装置によって検出された荷重データを、車輪の外部の対応する構成要素に、例えば無線によって非接触で送信することができる。電子回路20は、外部の影響に対して封入された、ハウジング11の内部に配置されたバッテリ23によって供給され、電子回路20は、関連する車両車輪のさらなる動作データを決定し、また車輪接触面に対する監視装置の位置を決定するために、圧力センサ24、加速度センサ、温度センサ(図示せず)、角度センサなどのさらなるセンサを有することができる。
【0035】
本発明の監視装置10では、荷重検出装置は、それぞれのキャップねじ15の2つの軸または関連する貫通孔16、17の軸の間に示される設計例において、2つの締結ゾーン12と13との間のハウジング11に生じる変形を検出する。2つの締結ゾーン12と13との間の距離が大きいほど、周方向の車輪リムの変形を良好に検出することができる。したがって、図示の設計例では、両方の締結ゾーン12、13がハウジング11の両端に配置され、存在し得る任意のさらなるセンサおよび電子回路20の回路基板と共に、電子機器全体が2つの締結ゾーン12、13の間に配置される。しかしながら、締結ゾーン12、13を互いにより小さい距離に配置し、電子回路および受信機を完全にまたは部分的に2つの締結ゾーン12、13の間にない領域に配置することも可能である。
【0036】
荷重感知装置は、2つの締結ゾーン間で異なる方法で設置および配置され得る。
図4は、
図2および
図3に示すような監視装置10における荷重感知装置の基本原理を概略的に示す。ハウジング11の上面図から明らかに分かるように、オフセット貫通孔が位置する2つの締結ゾーンはそれぞれ、互いに異なる取り付け座40、41として設計されている。取り付け座40は、1対の歪みゲージのうちの2つの歪みゲージ21の近くに配置され、取り付け座41は、歪みゲージ21から離れて配置される。2つの固定座40、41の間で、ハウジング11は、互いに平行に延び、監視装置10の取り付け状態で、車両車輪の周方向に平行に車両車輪上に延在する2つの外側ウェブ状側壁42を有する。取り付け座41は、いくつかのウェブ43、44を介して
図4の側壁42の右端に一体的に結合され、それによって、取り付け座41は側壁42に比較的堅固に結合される。一方、取り付け座40は、側壁42に垂直に延びる結合ブリッジ46の方向にはるかに先細になっている。したがって、固定領域12を形成する固定座40は、結合ウェブ46、側壁42、およびウェブ43、44を介して、他方の固定領域13を形成する固定座41に結合される。取り付け座40に関して、結合ウェブ46は、クロス支柱対の2つのクロス支柱47A、47Bを形成し、クロス支柱47A、47Bの各々は、歪みゲージ21に関連付けられている。2つのクロス支柱47A、47Bはそれぞれ、監視装置10内に曲げ支柱を形成し、歪みゲージ21によって、変形、したがって荷重力のためのセンサ信号を検出するために、この曲げ支柱には、2つの締結ゾーン12、13の間またはこれらを形成する取り付け座40、41の間のハウジングの変形がもたらされる。荷重感知装置のそれぞれの曲げ支柱を形成する2つのクロス支柱47A、47Bの変形能力は、固定座40の足領域49と、その部分的な区分を有するクロス支柱47A、47Bを形成する結合ウェブ46との間にそれぞれ1つの曲げヒンジ48A、48Bを配置することによって決定され、歪みゲージ21は、横力のないハウジングの長手方向に生じる最大の変形を検出するために、取り付け座40の足領域49に対して対称的に、曲げヒンジ48A、48Bの反対側に配置される。2つの曲げヒンジ48A、48Bは、概略的に示すように、足領域49のクロス支柱47A、47Bへの移行部に追加のノッチによって生成されるノッチヒンジ(固体ヒンジ)によって形成され得る。曲げヒンジは、当業者に知られているように、検出可能な変形を増加させるための柔軟な機構を形成し、これが一般的な専門知識が参照される理由である。
【0037】
図4の設計例では、追加の結合壁51が、固定座40と各クロス部材47A、47Bの外側端部50A、50Bまたは隣接する側壁42との間の両側に形成されている。結合壁51は各々、曲げ支柱47A、47Bおよび曲げヒンジ48A、48Bに対する結合壁51の影響を低減するために、側壁42および/または曲げ支柱の厚さよりも少なくとも30%小さい厚さを有する。さらなる分離のために、結合壁51の各々には、半円形の丸み52または少なくとも一つ折り目(図示せず)が設けられている。例えば異なる重いペイロードまたは不均等に分布したペイロードに起因して、車両車輪に異なる荷重がかかる場合、それぞれの車両車輪のリム部分は、歪みゲージ21が割り当てられるそれぞれの曲げ支柱47A、47Bの異なる変形をもたらす異なる変形を受ける。専門家に知られている適切な方法で電子回路20に接続された歪みゲージ21のそれぞれのセンサ信号は、例えばルックアップテーブルからの基準値と比較することができ、これは無負荷状態のそれぞれの車両について、ならびに他の所定の状態について事前に決定される。これらのデータとの相関により、荷重力を決定することができ、例えば、臨界負荷または荷重状態を運転者に報告することができる。同時に、最新技術を参照して最初に説明したように、荷重感知装置で決定された荷重データを他のシステムに供給することができる。
【0038】
図5に示す監視装置110の設計例は、前述の設計例と本質的に同じ構造を有する。また、ここでは、歪みゲージ121は、1対のクロス支柱147A、147Bに割り当てられ、その曲げ能力は、取り付け座140のクロス支柱147A、147Bへの移行時のコンプライアント機構としての可撓性ヒンジ148によるリム部分の変形に応答して著しく増加する。前述の例との唯一の違いは、外側端部150A、150Bと取り付けゾーン112の荷重感知取り付け座140との間にさらなる結合がないことである。しかしながら、取り付け座141または取り付けゾーン113では、センサのハウジング111は、前述の設計例と同一に設計される。
【0039】
図6および
図7は、監視装置210の別の例を示す。ここでもまた、監視装置210のハウジング211と
図7に概略的に示される車両車輪のリム部分の深底5との間の結合は、前述の設計例と同じ構造を有することができるアダプタプレート30を介して行われ、かつ2つのキャップねじ215を介して行われ、2つのキャップねじ215は、ハウジング211の2つの固定ゾーン212,213の貫通孔216,217を貫通し、アダプタプレート30のねじ穴33に取り外し可能であり、したがって監視装置210の容易な設置および交換のためにねじ込まれる。監視装置210はまた、曲げ支柱247を有するが、この曲げ支柱247は、2つの固定孔216,217の中心軸または中心に対称的に、2つの固定ゾーン212と213との間に直線状に延在する。図示の設計例では、曲げ支柱247は、アダプタプレート30の近くのハウジング211の内部の下側の底側部領域に配置され、ハウジング211は、この領域を覆うフードを形成し、電子回路220のプリント回路基板は、バッテリ223と共に曲げ支柱247の上方に配置される。曲げ支柱247は、両端に円筒形状の拡幅ヘッド260を有し、拡幅ヘッドは、円筒形レセプタクル261に挿入されて固定され、円筒形レセプタクルは、ハウジングの2つの締結ゾーン212,213のそれぞれの足領域に配置され、締結孔216,217の2つの中心間の結合線に整列されて対称である。歪みゲージ221は、リム部分の周方向の異なる変形に起因して生じる曲げ支柱247の異なる撓みを測定する。
【0040】
図8は、
図6に示す設計例と同様の別の代替設計例を示す。ここでもまた、アダプタプレートとのねじ結合またはピン結合のための固定穴316,317を有する2つの固定ゾーン312,313は、曲げ支柱347の幅広ヘッド361用のレセプタクル361を後部に備え付ける。しかしながら、曲げ支柱347は、ほぼ菱形の間隙を覆う2つのアーム365A、365Bを有し、各々は、周方向に平行に延び、2つの固定孔316,317間の直接結合線に対して横方向にオフセットされた中間区分366を有し、傾斜区分367を介して曲げ支柱347の端部でそれぞれのヘッド361に結合される。2つのヘッド360の中間において、両方の中央区分366はそれぞれ、破線で示されるように、中央区分366における可撓性ヒンジに対向して配置された歪みゲージ321の検出領域における曲げ支柱の可撓性を高めるために、可撓性ヒンジまたは曲げヒンジとしてのノッチヒンジ348を有することができる。
【0041】
図9から
図11は、車両車輪のリム部分2に固定された監視装置410の別の代替実施形態を再び示している。
図9から分かるように、監視装置410は、他の実施形態と比較してはるかに長くて薄いハウジング411を備えている。前述の実施形態と同様に、ハウジング411は、2つのタップねじ415によってホイールのリム部分2に取り付けられ、2つのタップねじは、締結ゾーン412,413の各々のそれぞれの貫通孔416をねじ胴部で貫通し、
図10に示すアンカーナット433にねじ込まれ、リム部分(2,
図9)の外周に溶接または接着される。キャップねじ415のキャップの下のワッシャ414、ならびに貫通孔416内の安全スリーブによって、最適化された締結が達成される。
【0042】
図9および
図10から分かるように、ハウジング411は、図示の実施形態では、合計3つの部分、すなわち、締結ゾーン412,413を備える中央の主要部分411A、ならびに荷重データを検出するための曲げ支柱構成470を備え、一方、電子回路420は、主要区分411Aの外側で、主要区分411Aから周方向にオフセットされた側部区分411Bに配置される。主要区分411Aの他方の側に周方向にオフセットして配置された別の側部区分411Cには、電子回路のエネルギー供給のための電池セルが配置されるため、監視装置410全体は、
図1~
図8の実施形態と比較してはるかに薄い。
【0043】
また、荷重支柱の設計および構造は、
図1~
図8の実施形態と比較して異なる。
図11から最もよく分かるように、全体が470で指定された荷重支柱は、締結ゾーン412,413の内側端部のレセプタクル461内に上方から挿入されたピンヘッド部分460によって締結ゾーン412,413に着脱可能に結合される。ピンヘッド部分460およびレセプタクル461の両方は、レセプタクル461の内側の内側半径/曲率R2がピンヘッド部分460の外側半径/曲率R1よりもわずかに大きくなるような半径または曲率を有する整合する円筒状部分を有する。加えて、ピンヘッド部分460の中心の距離は、緊密な干渉が達成され、締結ゾーン412と413との間のレセプタクル461の内側で荷重支柱470をロックするように、レセプタクル461の距離よりもわずかに大きい。
【0044】
荷重支柱470は、部分的に、横方向に延在する結合アーム481および長手方向に延びる屈曲アーム482を有する矩形の曲げフレームを備え、歪みゲージ421が長手方向に延びる屈曲アーム482に取り付けられている。図示の実施形態では、2対を成す4つの歪みゲージ421が存在し、一方の対は長手方向屈曲アーム482の内側に配置され、他方の対は長手方向屈曲アーム482の外側に取り付けられている。しかしながら、内側または外側のいずれかに1つの対を有するだけで十分である。各結合アーム481とピンヘッド部分460との間には、荷重支柱470上に1対の三角形状の結合部分485が一体的に形成されており、結合部分485は、結合アーム481に結合された三角形状の先端部486を有し、かつピンヘッド部分460が延長部として形成された三角形状の基部487を有する。
【0045】
歪みゲージ421の信号出力を改善または増幅するために、曲げ支柱470は、ここでは三角形状の先端部486に隣接する結合アーム481上に3つの可撓性ヒンジ448A、448B、448Cを備え、可撓性ヒンジのうちの2つ448A、448Bは、結合アーム481との三角形状の先端部486の結合足部に近接して配置され、第3の可撓性ヒンジ448Cは、矩形フレーム480の内側で三角形状の先端部486の反対側に配置される。また、締結ゾーン412,413上のレセプタクル461内の荷重支柱470の固定による影響を最小限に抑えるために、ピンヘッド部分460とレセプタクル461との間の接触面積は、締結ゾーン412,413の丸みを帯びたフォーク状の内側前部と三角形状の基部486およびピンヘッド部分460との間の隙間によって低減される。
【0046】
専門家にとって、前述の説明は、添付の特許請求の範囲の保護範囲内に入るべき多くの修正形態をもたらす。実施形態の例のいくつかは、1つの好ましい設計例の選択肢であるアダプタプレートによるハウジングの固定を示す。アダプタプレートはまた、2つの部分であってもよく、2つの結合されていないプレート区分を有することができ、それぞれは、監視装置ハウジングの固定領域のうちの1つが固定されるねじまたはアンカーピンによって監視装置を固定するための1つのねじ穴のみを有する。それぞれがねじ穴またはアンカーピンを有する2つの離隔配置されたゾーンをリム部分上に形成することもまた可能であり、最後の実施形態に示すように、適切な方法で、監視装置のハウジングをリム部分の外周に着脱可能に取り付けるために、全てがリム部分に取り付けられたアンカーナットを有する。各固定ゾーンはまた、好ましくは荷重感知装置の歪みゲージに対称的に分配された、いくつかの固定点を有することができる。しかしながら、いくつかの固定点がある場合、ハウジングとリム部分との間の異なるクランプ力に起因して、測定結果が著しくより改ざんされる可能性がある。さらに、本発明のセンサは、監視装置の耐用年数を延ばすために、圧電素子および発電回路を備えることもできる。
【国際調査報告】